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2017-12-12 第195回国会 参議院 農林水産委員会 閉会後第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二十九年十二月十二日(火曜日)    午後一時四十分開会     ─────────────    委員異動  十二月七日     辞任         補欠選任      進藤金日子君     中野 正志君      藤木 眞也君    三原じゅん子君      森 ゆうこ君     山本 太郎君  十二月八日     辞任         補欠選任      中野 正志君     進藤金日子君     三原じゅん子君     藤木 眞也君      山本 太郎君     森 ゆうこ君  十二月十一日     辞任         補欠選任      儀間 光男君     石井  章君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         岩井 茂樹君     理 事                 中泉 松司君                 舞立 昇治君                 舟山 康江君                 紙  智子君     委 員                 礒崎 陽輔君                 上月 良祐君                 進藤金日子君                 野村 哲郎君                 平野 達男君                 藤木 眞也君                 山田 俊男君                 小川 勝也君                 川田 龍平君                 田名部匡代君                 徳永 エリ君                 谷合 正明君                 横山 信一君                 石井  章君                 森 ゆうこ君    国務大臣        農林水産大臣   齋藤  健君    副大臣        農林水産大臣  谷合 正明君    大臣政務官        文部科学大臣政        務官       宮川 典子君        農林水産大臣政        務官       上月 良祐君    事務局側        常任委員会専門        員        大川 昭隆君    政府参考人        内閣地方創生        推進事務局審議        官        村上 敬亮君        外務大臣官房参        事官       小泉  勉君        文部科学大臣官        房審議官     松尾 泰樹君        厚生労働大臣官        房審議官     吉永 和生君        農林水産省消費        ・安全局長    池田 一樹君        農林水産省食料        産業局長     井上 宏司君        農林水産省生産        局長       枝元 真徹君        農林水産省生産        局畜産部長    大野 高志君        農林水産省政策        統括官      柄澤  彰君        林野庁長官    沖  修司君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○農林水産に関する調査  (畜産物等価格安定等に関する件)  (畜産物価格等に関する決議の件)     ─────────────
  2. 岩井茂樹

    委員長岩井茂樹君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  昨日、儀間光男君が委員辞任され、その補欠として石井章君が選任されました。     ─────────────
  3. 岩井茂樹

    委員長岩井茂樹君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  農林水産に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣地方創生推進事務局審議官村上敬亮君外九名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 岩井茂樹

    委員長岩井茂樹君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  5. 岩井茂樹

    委員長岩井茂樹君) 農林水産に関する調査のうち、畜産物等価格安定等に関する件を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  6. 藤木眞也

    藤木眞也君 自民党の藤木眞也でございます。  私も、家に帰れば一畜産農家として、今の畜産の情勢について、本当に農家気持ち大臣、また役所皆さんに分かっていただきたいというような思いで今日は質問をさせていただきたいと思います。ちょうど昼飯を食べているときにも、私の息子から、今日はおやじ、日本の畜産農家の代表として頑張れよという電話が掛かってまいりました。やらせていただきたいと思います。  まず最初に、加工原料乳生産者補給金並びに集送乳調整金についての御質問をさせていただきたいと思います。  先般の畜安法改正に伴いまして、来年から新たな制度の中でこの乳業の関係の仕事が進められていくわけですが、今回、昨今議論をされております補給金単価であったり調整金単価であったりという議論が、今まさに私たちの党内でも行われているところでございます。  そういう中で、私たちとしてはこの畜安法改正のときに相当な議論は尽くしてきたかというふうに思っておりますし、今回政省令等々で落とし込みを行っていただいた結果、私たちの中ではほぼほぼ担保できたのかなというような気持ちがございましたけれども、やはり畜産農家の方には、今回の畜安法改正によりまして相当な不安が現場の方に根強いなというのを感じております。  そういう中で、我々農林水産政策に携わる者として、現場皆さん方のやはり不安を払拭する部分であったり、やはり中長期的な展望に立った夢や希望、そしてまた後継者皆さん方がしっかりと酪農をやりたいと言っていただけるような政策づくりといいますか環境づくりを進めるべきだというふうに思ってございます。  そういったいろいろな農家皆さん方の今後の生産意欲といいますか、そういうことを考えますと、やはり今年の価格決定というのは本当に私は大事な決定だろうというふうに思ってございます。その点を今回、齋藤大臣がどのような御所見の中で対策に、進めていこうという気持ちがあられるのかというところをお聞かせいただければというふうに思います。
  7. 齋藤健

    国務大臣齋藤健君) 近年、我が国飲用牛乳需要減少傾向にある一方で、生クリームやチーズなどの乳製品消費は今後も増加が見込まれておりまして、消費者ニーズに対応すれば酪農経営が発展の可能性があるということ。そのためにも、特色ある牛乳乳製品生産による付加価値向上など、酪農家創意工夫を生かせる環境の整備が重要な課題になっているというこの近年の傾向を踏まえまして、新制度におきましては、これまでの暫定措置法に基づく制度恒久措置として畜産経営安定法位置付け直すとともに、補給金交付対象拡大するということとしたわけであります。  新制度は四月一日から施行されるということになりますけれども、これまで五十年以上続いてきた制度が変わるということになるわけでありますので、新制度への移行に当たりましては、現場の疑問に丁寧に対応をしていって、制度を適切に運用していくということが極めて大事だと思っております。私も副大臣としてこの新制度企画立案に携わってきましたので、とにかくこの新しい制度の下で生乳の需給安定等を通じた酪農経営の安定が図られるよう、農林水産省として全力を尽くしていきたいと思います。
  8. 藤木眞也

    藤木眞也君 ありがとうございます。力強いお言葉をいただきまして、酪農家皆さんも幾分かの安心は持たれたのかなというふうに思います。是非、本当に農家皆さんが安心していただけるような結果を、私たち全力でお手伝いをしたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。  続きまして、肉用牛肥育経営安定特別対策事業についての御質問をさせていただければというふうに思います。  現場には、やはりTPPであったり日EUEPAであったりというグローバル化の進展に伴って、やはり将来どうなるんだろうという不安が相当農家皆さんには根強くあるというふうに思ってございます。  そういう中で、昨今、本当に畜産の相場というのが高値で推移をしているというところがございます。我が家も繁殖経営をやっています。子牛の値段が高いというのは本当にうれしいことではあるんですけれども、ただ、今の状況考えると手放しで喜んでばかりはいられないというのが、本当に今、子牛を生産する農家皆さん方、ほぼほぼ皆さん同じ言葉を発言されております。  やはり繁殖肥育という車の両輪が共に成り立って初めてこの肉用牛という産業というのは回るんだなというのを実感をしているところでございますけれども、そういった中で、やはり今、農家皆さん、特に肥育農家皆さんが、非常に高い素牛のときの牛が今出荷されている中で、相当経営的に厳しい状況に置かれております。こうした中で、牛マルキンを含む経営安定対策の拡充は喫緊の課題だというふうに思ってございますが、今の現状をどのように考えておられるのか、お聞きしたいと思います。
  9. 上月良祐

    大臣政務官上月良祐君) 牛マルキンを始めマルキン制度は、畜産経営安定対策に大変重要な施策だと思っております。牛マルキンにつきましては、特に肉専用種において、子牛価格が高い時期に購入した牛が出荷時期を迎える一方で、枝肉卸売価格が今年度に入りまして軟調に推移いたしておりますことから、直近では地域ごと補填金の算定を行っている一部の県において既に発動をいたしておりまして、経営の下支えを行っているところであります。  牛マルキン等経営安定対策につきましては、セーフティーネットとしての機能が十分に果たされるということが大変重要だと思っております。まずは必要な予算確保をしっかりやる、これが重要だと思っております。そして、その上で、生産者経営安定が図られるよう、それに資するように適切に運用してまいる、このことが必要だと思っておりますので、これからも現場の声をよく聞きながらしっかり運用してまいりたいと思います。
  10. 藤木眞也

    藤木眞也君 今、随分幅を持たせたといいますか、幅を持った形で政務官の方から御答弁いただきましたけれども、やはり今しっかりと対策を打たないと私は、TPPであったりEPA発効を待ってうんすんという、今マルキン制度は御決定をいただいておりますけれども、肥育農家皆さんは恐らくもたないんじゃないかなという心配をいたします。  私も過去にBSEを経験したわけですが、あの当時、大体三十万の赤字が出たなというふうに記憶をします。その三十万という数字が見えたときに、国からあのときは緊急に特別対策を打っていただいたなという記憶があるわけですけれども、恐らく来年の夏以降、夏以降というか夏前後から出荷が始まります肥育牛というのは、七十万に近い数字の子牛を買われた牛が出荷につながってきます。通常の子牛の値段というのは四十万前後でこれまで推移をしてきたかと思いますが、子牛の値段だけでも三十万の差が出てくるということは、本当にこれ、BSEの発生当時と変わらないような状況が私は現場には生まれるんじゃないかなというふうに思います。  是非ともこれは国の方で何とか考えていただきながら肥育農家皆さん方を守っていただく、また私たちも守っていく必要があるんじゃないかなというふうに思っております。本当にこれ、極めて危険な状況が日に日に近づいてきているんだというふうに思います。  是非特別対策、これを打っていただけるような考えで今後御検討いただければというふうに思いますが、いかがでしょうか。
  11. 枝元真徹

    政府参考人枝元真徹君) お答え申し上げます。  さきの十一月に改訂されました総合的なTPP等関連政策大綱におきまして、TPP又は日EUEPA発効に合わせまして、法制化された牛マルキンについての補填率を引き上げるということにされてございますので、それに従って対応してまいりたいと存じます。
  12. 藤木眞也

    藤木眞也君 いや、それじゃ私は厳しいと思います。やはり、今後三十万、四十万という素牛の差が、本当にこれは肥育農家皆さん方には大きくのしかかってくる問題です。是非これは、特別対策でもいいです、現場皆さん発効を待たずにというお言葉、よく耳にします。是非その辺は前向きに検討していただければというふうにお願いをいたします。  続きまして、今日配付をしてあると思います、先般、進藤先生の方から使われた資料によく似た資料を見付け出してきました。これを基に、この黄色の部分のところを、畜産農家も努力はしたいという気持ちは持っているんだということから、私の持論ですけれども、皆さん方是非聞いていただければというふうに思います。  これはどちらかというと、畜産サイドの話ではなくて米の政策につながってくるところなんですけれども、やはり国産の粗飼料であったり国産の餌というのを増やしていく必要があるんだということを考えると、一番今国の政策に乗っかっていくには、水田対策にこの餌を作っていただくというのが一番理想的で早道なのかなということを常日頃感じているわけですが。  やはり、これまで米政策の中で戦略作物という品目がありますけれども、その中で飼料米、またホールクロップ用の、飼料用の稲であったりという助成は相当な金額を付けていただいて、農業現場では作付け拡大をされているというのはもう皆さん方も御案内のとおりでございますけれども、今この政策は、しっかり需給バランスとしてがっちりマッチをしたいい形が今はできているというふうに思いますけれども、これは今国からよく言われる毎年八万トンずつの需要が減っていくということを考えると、今後ますますこの転作田というのが広がってくるということが、もう必然的に私たち計画をしていなければいけない話なんですけれども、十年もしないうちにあと一割増えるんだと。じゃ、そこに何を作るんだといったときに、やはり私は飼料米では若干これ、恐らく使うサイドからいけばもう要りませんよという話が出てくるんじゃないかなというような心配をいたします。  そこで、やはりそこに行き着く手前で、私はほかの品目辺りも取り組みながら政策誘導をしていく必要があるのかなということを考えると、これまでの戦略作物というのは耕種サイド考え方によって決められてきた品目かなと思いますけれども、やはりこの戦略作物の中でも餌に係る部分というのは、畜産サイド方々が使って初めて成り立つ話であります。  そういった中で、是非畜産サイド意見としては飼料米よりもトウモロコシがいいんだという声が非常に大きいということを是非皆さん方に御認識いただければと思いますし、畜産部の方では当然その取組は相当頑張ってここ近年行っていただいているという情報はいただいておりますけれども、やはり畜産だけでそれに取り組もうとすると予算的にも厳しいものがあるのかなというふうに思います。  ただ一方で、現行の制度でいきますとトウモロコシ飼料作物扱いになります。年間の助成金が三万五千円ということですけれども、やはり私の知り合いにも今何人かが、取り組んでいる人であったり取組お願いされている人がいますけれども、もう少し交付金があればなということをそれぞれの方が口にされることを考えると、その戦略作物の枠から一つトウモロコシだけは出して、別枠で予算措置をする必要があるんじゃないかなというふうに思います。  本当に、飼料米であったり飼料稲は八万円という基準のベースがありますけれども、私は、そこに向かってはそこまでの金を国が出す必要はないんじゃないかなというのがトウモロコシです。単価が幾らが一番適当なのかというのは私も分かりませんけれども、トウモロコシだったら畜産農家の人もお金を出してもいいよと言われるような品目であります。農家皆さん畜産農家皆さんの出し前と国の助成金によって八万円が担保できる、そういう私は作物であるトウモロコシ是非国の方でも本当に精力的にお取り組みいただければというふうに思いますが、その点をお考えをお聞かせいただければと思います。
  13. 柄澤彰

    政府参考人柄澤彰君) 我が国におきましては、主食用米需要が減少しております中で、食料自給率あるいは自給力向上を図るためには、主食用米から飼料作物など主食用米以外の作物への転換によりましていわゆる水田フル活用を進めていくということが極めて重要だというふうに考えております。  このような中で、今御指摘ございました飼料用トウモロコシ作物全体を言わばサイレージとして密封、貯蔵し発酵させて利用する青刈りトウモロコシにつきましては、現在、戦略作物一つとしまして、十アール当たり三万五千円の御支援を申し上げているところでございます。  これを例えば飼料米と比べてみますと、単収がもう非常に高いということで、それに伴いまして販売収入も高い。単収を見てみますと、飼料米は大体十アール当たり五百三十キロ程度でございますけれども、この青刈りトウモロコシにつきましては十アール当たり三千六百キロ取れるということでございます。また、コストの面を見ましても、ほとんど農薬を使わないというようなことで経営費も低いということでございますので、十アール当たりの所得で見ますと飼料米などほかの戦略作物とおおむね同水準ということで、既に十分な支援単価となっているというふうに認識をしております。  他方、この青刈りトウモロコシにつきましては、排水性の良くない水田ではなかなか難しいと、生育不良になってしまうというようなことですとか、秋の長雨や台風などの影響を受けた場合には品質が低下しやすいというような課題もございます。全国のあらゆる水田で幅広く作付けできるというものではございませんけれども、栽培条件が整った地域におきましては今後とも一層の生産拡大が期待できるというふうに私どもも考えているところでございます。  こういった中で、この青刈りトウモロコシ増産につきましては、平成三十年度予算におきましても、飼料増産総合対策事業の中でコントラクター等による作付け利用拡大等取組に対する支援なども現在要求しているところでございまして、今後更に積極的に生産拡大を進めてまいりたいと存じます。
  14. 藤木眞也

    藤木眞也君 実情、今お話では青刈りトウモロコシの話がほぼほぼだったかなというふうに思います。稲に置き換えれば、飼料米があって、ホールクロップという二つの種類があります。トウモロコシでも是非、子実のトウモロコシ、これを飼料米と同じ位置付けお願いできればと思いますし、青刈り飼料稲と同じ位置付け考えればいいのかなというふうに思います。  是非、これ本当に畜産農家皆さんからいけば喉から手が出るくらい欲しい私は餌だというふうに考えます。是非この辺は、なぜ今転作田でその面積が拡大していかないのかということも併せて役所の方には考えていただければというふうに思います。相当ハードルは高いというふうには思いますけれども、本当に今後、米の需給バランスのことも考えて今のうちから私は取り組んでいくべき問題ではないかな、課題ではないかなというふうに思いますので、前向きな検討をお願いしたいというふうに思います。  続きまして、生産基盤強化対策についてであります。  今回、TPP関連対策として畜産クラスターという事業が、本当に現場皆さん方に喜ばれている事業が出していただくことができたなというふうに思います。ただ、現場を回ってみますと、なかなか家族農業小規模農家の方にこの事業が当たらないんだということを口々に言われます。大規模農家に取り組みやすくて、なかなかこれ小さい農家には活用しにくいといった運用上の課題をよく聞くわけですが、この実態役所としてどのように把握をされているのか、お聞きしたいと思います。
  15. 枝元真徹

    政府参考人枝元真徹君) お答え申し上げます。  畜産クラスター事業におきましては、事業採択時に地域全体への波及効果等を評価いたしまして都道府県又はクラスター協議会優先順位を付けるということになっていることから、小規模経営は相対的に採択されづらいのではないかという声があることは承知をしております。  他方、これまで、平成二十七年度の補正予算におきましては、法人だけでなく家族経営についても、規模のいかんを問わず、クラスター計画に中心的な経営体として位置付けられ、地域平均規模以上に拡大する場合には支援対象といたしました。また、平成二十八年度補正予算からは、中山間地域優先枠を新たに設けまして、土地条件に制約があります中山間地域中小規模畜産農家方々が活用しやすいように、地域平均規模以上に拡大しなくても事業対象にするなど、現場の声を聞きながら対応してきたところでございます。  したがいまして、中小規模家族経営事業を活用するに当たりましては、その経営地域でどのような役割を果たすのか、また、その経営が継続、発展するために地域とどのように連携するのかなどにつきまして関係者間でよく話し合っていただいて、クラスター計画位置付けていただくことが重要だというふうに考えてございます。  こういう事業の仕組みですとか、中小規模家族経営方々畜産クラスター事業によりまして成果を上げている事例などをしっかりと周知いたしますとともに、中小規模家族経営を含めた地域畜産酪農収益向上取組を進めるために、今後とも必要な予算確保に努め、また適切な運用を図ってまいりたいと存じます。
  16. 藤木眞也

    藤木眞也君 今言われるような答えが返ってくるのかなというふうに思いました。  クラスターには二つの大きく分類分けができるわけですが、確かに、私が思うに、やはり牛舎を建てていくという方の事業に関して考えると、この制度上、やはり大規模農家が有利なのかなというような考えが起きるわけですけれども、ただ一方、もう一つある機械導入ですよね、こちらを考えると、ほぼほぼ全ての農家方々はそちらに取り組まれる方が多いのかなということがあります。  実際、熊本県のF牧場も申請は上げております。若干大規模農家なんですけれども、やはり大規模農家であっても漏れるというのが実態としてはございます。小規模農家だけが漏れるんじゃないんだということが私は感じているわけですけれども。  先般、南九州を、畜産地帯を視察をしてきた際に、やはり同じような声が意見交換の中から出てきたときに、採択率を聞いたときに、熊本県で、県酪連最初に言われたんですけれども、二五%ちょっとだということでした。畜連であったり経済連に聞いてみても、やはりそれ前後の数字を言われました。二五%前後の採択率ということは、四分の一の人しかやはりその事業が今のところ取り組めていないと言うことが見方を変えればできるのかなというふうに思います。やはりそれだけ、何というかな、声が大きい、要望が大きい事業なんだということを是非役所皆さん方には御理解いただいて、やはり採択率を上げることによってそういう声が私は少しずつ小さくなってくるんじゃないかなというふうに思いますので、是非とも、今後、この畜産クラスターについてはしっかりと予算確保お願いしたいというふうにお願いをいたします。  時間が本当に少ないんで、もう次々行かせていただきますけれども、あと一枚、今日、私、資料をお配りしているかと思います。  これは、前回の委員会競馬法日切れの法案の審議がございました。その中で、軽種馬の話というのは相当この委員会の中でも話が出てきたわけですが、私の出身地であります熊本県というのは、馬刺しといえば熊本県というほどの一大産地でありますが、やはり熊本でも一年間では百頭ほどしかこの農耕馬が生まれていないというのが現状です。  今年七月に、私は久しぶりに帯広の馬の競りに出向きました。十年ぶりぐらいに行ったわけですけれども、本当に馬の上場頭数が減っているのに驚きました。もう市場の半分ぐらいしか馬がつながっていないという状況を見たときに、うわあっと思って数字を調べてみて本当にびっくりしたんですけれども、まあ今日この表を見ていただくと本当にこの減少というのが皆さん方にも御理解していただけるんじゃないかなと思いますが。  やはり補助というのが、今まで助成というのが、前回の議論の中でもありました、JRAの予算の中から馬に関しては補助金が出ていたという話を聞きますけれども、やはり馬農家の方で本当に後継者が少ないんだなというのを感じるわけですが、やはり規模拡大をしようと思って厩舎を建てるときの事業がありませんと、そういうことを本当にいろいろな農家の方が言われます。今回のクラスターに関しては、これがおかげさまで組み込んでいただくことができたということでありますけれども、これまでそういったハード面の事業がなかなか馬の方までは手が届いていなかったんだなということを感じております。  是非、ここは役所として早急に対応をしていただく必要があるのかなと思いますし、北海道でさえ本当に少ない頭数に減っております。もうこれ、言葉を換えれば、絶滅危惧種に近いんじゃないかなという状況まで、私は、この二十年間で減っているんだということを皆さん方に御認識をいただいて、今後、是非ともこの肥育につながる馬、これはもう軽種馬も含めて全ての馬が肥育につながっていく馬でありますけれども、農耕馬であったりの、肉にほぼほぼ向いた馬の振興というのを役所の方でどのように今後お考えなのかということをお聞かせいただければと思います。
  17. 大野高志

    政府参考人(大野高志君) お答え申し上げます。  農用馬の飼養頭数でございますが、農作業の機械化の進展、それからばんえい競馬の縮小、生産者方々の高齢化、こういった理由により、これまで一貫して減少傾向推移してまいりました。  こういった中で、農林水産省としましては、独立行政法人家畜改良センター十勝牧場、委員も御訪問されたとお伺いしておりますけれども、優秀な種牡馬の貸付け、繁殖牝馬の譲渡、人工授精用精液の配付を行い、農用馬の生産振興を図っているところでございます。また、地方競馬全国協会におきまして、繁殖牝馬の導入支援あるいは子馬の生産奨励、こういった対策を実施させていただいております。  こういった取組によりまして最近では、一貫して減少を続けてきた農用馬の生産頭数、二十七年が千百一頭と一年の生産頭数が底でございましたが、二十八年には千百二十頭と、ようやく、増加傾向とは申しませんが、歯止めが掛かってきたかなというところで、明るい兆しも見えつつあるところでございまして、今後とも地方競馬全国協会等の関係団体とも連携しながら、我が国におけます農用馬の生産振興には努めてまいりたいと考えているところでございます。
  18. 藤木眞也

    藤木眞也君 そろそろ時間ですので。  本当、今まだ経営をしていらっしゃる農家の方がいらっしゃる今だからこそしっかりとした対策が必要なのかと思いますし、元々は熊本だけの文化だった馬刺しというのが、今は日本中どこに行っても食べられるぐらい消費の方は広がっているという現状もございます。やはり、しっかり国産馬で日本の皆さんに食べていただけるような環境というのも役所の方で責任を持ってお取り組みいただきますことをお願いいたしまして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。  ありがとうございました。
  19. 小川勝也

    ○小川勝也君 民進党・新緑風会の小川勝也でございます。  今日の畜産物価格等質疑に当たって、今、藤木委員質問されたわけでありますけれども、キーワードがほぼ限られております。一つは今議題となりましたクラスター事業、あるいは牛マルキン家族経営、集送乳調整金、そして子牛価格などなどであります。テーマが限られておりますので、重複があるということを御了解をいただきながら質問させていただきます。私の出身は北海道でありますので、肉牛というよりもいわゆる酪農中心の質問となろうかというふうに思っています。  酪農をめぐる情勢から質問させていただくわけでありますけれども、まずは質問の前提でありますけれども、今回の畜産物価格、いわゆる他国との貿易交渉をベースとしたという中身になっております。日EUEPATPP11も、我々は十分な説明を受けておりませんし、中身がどうなっているか分かりませんので、それを前提に質問をするということは大変遺憾であります。そのことをまず御了承いただいてから質問をさせていただきたいと思います。  キーワードを含めて質問しようとすると、大変役に立つのが日本農業新聞であります。本日の一面は、この大きく「牛マルキン「早く」」であります。見開きますと、我々の、今もう寒くなりました北海道北見、網走管内の滝上町が出てまいりました。「コスト高に悩む北海道の酪農家 集乳機能が重要」と、こういう見出しでありまして、私が質問する内容のベースとなる事柄が書いてあります。  御案内のとおり、酪農家の戸数はどんどんどんどん減ってまいりました。私の実家は鍛冶屋でありますので、私の小さな町でも農業者がどんどん離農する話あるいは酪農家戸数が減少する話は、この委員会室で二十年にわたって何度となくお話をさせていただいてまいりました。  まずは、後で質問させていただきますけれども、私の思いは、北海道の酪農家、本州含む、四国、九州含むでありますけれども、これ以上一戸たりとも減らしたくない、これが私の思いであります。そんな中、いわゆる加工乳生産者補給金、この単価はまずまずというふうに言われておりますし、いわゆる生乳の生産量あるいは消費量は減っておりますけれども、チーズ、バター、脱粉、あるいはヨーグルト、生クリームのいわゆる消費量はまあまあでありますので、今酪農家皆さんの立ち位置はまあまあといったところだと思います。  しかし、それに加えて、外的要因であります、先ほど口幅ったい言い方でありましたけれども申し上げた、他国との貿易交渉でどれだけチーズが入ってくるか分からない、これが不安材料の一であります。そして、現在の悩みは、いわゆるクラスター事業で牛舎を建てようとしても、建設費が高い、建材費が高い、建設に携わるいわゆる人材も少ないので、まずは建設費が高騰、順番待ち、こういった事柄に加えて、いわゆるガソリン価格の高騰、灯油価格の高騰、それに加えて、いわゆる集送乳調整金の話に関わってまいりますけれども、牛乳を集めていただくいわゆるドライバーの方々も不足しているということであります。ですので、まあまあという現状ではあるけれども、不安が大変大きいということをお伝えをさせていただきたいと思います。  それから、藤木委員からもお話がございましたように、いわゆる投資をしてすぐ結果が出る事業ではありませんので、将来を見据えて、見通して、投資をしてリターンを得るというのが畜産、肉牛、酪農であります。酪農は、子牛が生まれてから牛乳に変わるまで餌をどんどん食べさせなければなりませんので、その間の投資もばかにならないわけであります。  まずは、いわゆる現状、生乳の生産量と消費の動向について概要をお伺いをしたいと思います。
  20. 枝元真徹

    政府参考人枝元真徹君) 我が国の生乳の生産量でございますが、七百三十万から七百四十万トン前後で近年推移しておりまして、若干の減少傾向でございます。また、消費の方は、飲用乳は減少傾向にございますが、生クリーム、チーズは増加しているところでございます。
  21. 小川勝也

    ○小川勝也君 それで、これは大変ナーバスな議題ではありますけれども、前回のいわゆる畜安法審議のときにも大変な議題となりました。都府県における生乳の生産基盤が大変厳しい状況になっているということであります。  北海道はいわゆる加工乳向け、本州は生乳ということですみ分けているわけでありますので、先ほどのチーズの輸入と相まって、本州の生乳の生産動向が北海道の酪農家にとっても大変大きな関心事であります。本州の生乳生産量の見通しについてはどういう見通しを持っておられるのか、お伺いをしたいと思います。
  22. 大野高志

    政府参考人(大野高志君) お答え申し上げます。  都府県酪農につきましては、新鮮な飲用牛乳消費地に供給するという重要な役割担っておられますとともに、飼料や資材などの生産段階から加工、流通まで関連産業の裾野が非常に広い産業でございまして、地域経済社会の維持に重要な役割を果たしていると認識しているところでございます。  しかしながら、平成二十八年度、都府県の生乳生産量は対前年度比マイナス一・六%の三百四十五万トンと近年減少傾向推移しているところでございます。これは、高齢化や後継者不足等による酪農家経営離脱により飼養戸数や飼養頭数が減少していること、また交雑種生産の増加等により乳用後継牛の生産が減少していること、こういったことが主な要因であると考えているところでございます。
  23. 小川勝也

    ○小川勝也君 畜産部の担当の方とも議論させていただきましたけれども、北海道の酪農経営あるいは系統団体におかれましては、やはり複雑ないわゆる変数が少ない方が安定しているということでいうと、本州の役割と北海道の役割がはっきりしていた方が見通しが立ちやすいという前提で申し上げますけれども、御案内のとおり、後継牛を牛舎に入れようとすると、北海道からということになりますけれども、先ほど来子牛価格の話がございました。いわゆる黒毛和牛もホルスタイン種も子牛が全て高価格になっていますので、いわゆる規模拡大あるいは増頭数というのは容易ならざる状況であるというのは共通認識だろうというふうに思っています。  それから、藤木委員の方からはトウモロコシについてのお話がございました。やはり、酪農基盤というのは、いわゆる牧草がある、そして、コントラクター含めて餌用トウモロコシ、デントコーンの生育が地域で賄えるというのは、北海道が主産地でありますけれども、大変強い競争力を持っているわけであります。ですので、日本全体の生乳生産をということであると、万が一のときには北海道が果たさなければならない役割は大きいというふうに考えています。  仮定の話で大変申し上げにくいわけでありますけれども、いわゆる生乳の北海道から都府県への輸送が今増えています。そのいわゆる輸送経費は甚大でありますので、このことが、将来万が一そういうようなことが、もし北海道から本州等へ生乳が飲用向けでもっともっと送らなければならなくなったときに、北海道の生産者がその輸送費を全てかぶらないようにという仕組みを今から考えておいていただきたいわけでありますけれども、いかがでしょうか。
  24. 枝元真徹

    政府参考人枝元真徹君) 将来の話ということではございますが、現在私どもが持っております施策は、加工原料乳に対する補給金、また今回からそれと集送乳調整金ということでございますが、今委員から御指摘ございました北海道から本州への移送というのは多分飲用のあれになろうかと思いますので、そこについての何らかの施策というのは今のところ考えてございません。
  25. 小川勝也

    ○小川勝也君 将来の仮定の話にはお答えいただけないと思うんですけれども、変数ということでありますので、いわゆる北海道の酪農家の不安を最小にしていただきたいという思いで質問をさせていただきました。  今、やはり一番重要なキーワードであります集送乳調整金であります。畜安法改定の目玉でもあります。いわゆる補給金と併せていわゆる乳価という大事な政策決定であります。これを今後どのように決定に向かうのか、あるいは本州の単価、北海道の単価含めてどのような計算式を考えているのか。そして、あわせて、北海道の系統団体からは、当然のことではありますけれども、補給金と集送乳調整金併せて現行の価格を当然上乗せになる決定になるというふうに期待をしているわけであります。現在のところの政策決定の見通し等についてお伺いをしたいと思います。
  26. 枝元真徹

    政府参考人枝元真徹君) お答え申し上げます。  集送乳調整金につきましては、加工原料乳につきまして、例えば酪農家の所在地が乳業工場から距離が遠い等によりまして相対的に高い集送乳経費を要する区域を含めまして、指定事業者が平準化措置をとることを前提にあまねく集送乳を行うことを確保するために交付するものでございます。  この集送乳調整金単価につきましては、改正畜産経営安定法第十五条第二項におきまして、「指定事業者が集送乳に通常要する経費の額から効率的に集送乳が行われる場合の経費の額を控除して得た額を基礎として定める」というふうにされてございます。具体的な算定につきましては、今後、食料・農業・農村政策審議会に図った上でしっかりと対応してまいりたいと存じます。
  27. 小川勝也

    ○小川勝也君 さんざんこの法改正のときに議論をさせていただきましたけれども、今日の農業新聞にはその現場状況がしっかり書かれています。この滝上という場所はオホーツク網走管内でありますけれども、道内には日々、約二百キロを集送乳する配送ルートや、山道を七十キロ以上走るルートもあると。あるいは、乳業工場まで約四十キロ離れている、立地条件が悪くても集乳してくれる、安心して搾れるのは指定団体があるからだと、こういうコメントもあるわけでありまして、法改正のときに与野党を問わずしっかり議論させていただきましたので、その思いを具現化させるべく、集送乳調整金決定には御尽力をいただければというふうに思っています。  次に、チーズをめぐる話題であります。  先ほど、冒頭怒りをあらわにさせていただきましたけれども、ニュージーランド、オーストラリア、そして欧州、いろいろな形でチーズが輸入しやすい現状になるのではというふうに戦々恐々としているわけであります。  しかし、先ほど農業新聞の一面の見出しに「牛マルキン「早く」」という見出しがありましたけれども、我々は、言葉を換えれば、TPPがあってもなくても、あるいは日欧州のEPAがあってもなくても、いわゆる国産チーズの生産にしっかりと対策を取っていただきたいという思いは共通であります。  そんな中で生産者皆さんともいろんな議論をさせていただく中で、いわゆる高品質乳生産奨励対策という中で政府でも今御検討をいただいておるわけでありますけれども、例えば、体細胞数の抑制について評価をいただく、あるいは無脂乳固形分の確保というところに特筆していただくなどの国産チーズの高品質化に向けての政策課題があるわけであります。  政策立案に向けての進捗等についてお伺いをできれば幸いであります。
  28. 谷合正明

    ○副大臣谷合正明君) ただいま委員から国産チーズへの対策についてお尋ねがございました。  TPP日EUEPAがあろうがなかろうがというお話もありましたけれども、まず、今政府の対策についてお話をさせていただきたいと思いますが、先般改訂されました総合的なTPP等関連政策大綱におきましては、体質強化対策を、実績の検証を踏まえ所要の見直しを行った上で必要な政策を実施していくと。その上で、日EUEPAにより必要となるチーズを中心とする乳製品対策につきまして、国産チーズの競争力を高めると、そして需要確保する、将来にわたって安定的に国産チーズの生産に取り組めるようにすること、さらに原料面での原料乳の低コスト、高品質化の取組の強化、そして製造面でのコストの低減や品質向上、ブランド化を推進することとしております。  具体的に、委員おっしゃっていただきましたけれども、チーズ向け生乳の新たな品質向上促進特別対策、そして生産向上対策生産拡大対策。この品質向上促進特別対策には、先ほど言及していただきましたチーズの味、歩留りを左右するのがまさに生乳のたんぱく質率あるいは脂肪率、細菌数、そして細胞数などでございますから、こうした点も踏まえて今後検討してまいりたいと思っています。さらに、製造設備の生産向上、技術研修、国際コンテストの参加支援乳製品の国内外での消費拡大対策を講じてまいります。  こうした生乳の品質向上を含めた対策につきましては、まず平成二十九年度補正予算を含め、しっかりと実現に向けて取り組んでまいりまして、EU産等のチーズに負けない特色ある国産チーズの製造を後押ししてまいりたいと思っています。
  29. 小川勝也

    ○小川勝也君 二十年ここで議論をさせていただいておりますけれども、大手が作っているチーズもだんだんおいしくなってまいりましたし、あるいは日本人のなじみが薄かったカマンベールチーズなんかも大変メジャーな商品になりました。併せて、小さな工房でのチーズも高い評価を受けるようになりました。それから、フランスあるいはヨーロッパで修業した、チーズ作りを学んで帰ってきた方が、チーズ作りのためにいわゆる指定団体から生乳を確保して新たなチーズ作りに参入をするなど、北海道におけるチーズ文化は今まさに真っ盛りでありますし、結果も出てきております。ヨーロッパに負けないというふうに思いますので、しっかりとした支援お願いをしたいと思います。  次に、クラスター事業であります。藤木委員からも質問がありました。  先に事業採択された人が有利になって、後に採択されなかった人が不利益になるというわけにはまいりません。北海道でも大変関心と要望が高い事業であります。ですので、私の立場は、このクラスター事業は継続、あるいはしっかり予算確保していただきたいという立場であります。  しかしながら、生産者を含めてこんな話題もあります。牛舎、これは肉牛も酪農クラスター事業でたくさん造ればそこに牛を入れるのが当たり前であります。クラスター事業で牛舎が増え、あるいは牛の部屋が増えれば、それは生産者は牛を入れるために買おうとすれば値段がつり上がる。すなわち、今、畜産物価格の審議の中で枢要なキーワードの一つであります子牛価格の高騰とクラスター事業はまさに無関係ではないわけであります。  藤木委員からは、クラスター事業は牛舎だけではないと、機械や設備もあるので、もっともっとうまくバランスを取って投資をしていただくようなことができないだろうかと、こういうお話もあったわけであります。私も同感であります。クラスター事業は必要であるけれども、このまま牛舎が増えれば牛の価格が更に上がるという愚を犯してはならないわけであります。  どういう工夫ができるのか、農林水産省考え方をお伺いをしたいと思います。
  30. 大野高志

    政府参考人(大野高志君) お答え申し上げます。  今の乳用初妊牛の価格の高騰の背景にあるのは、都府県の酪農家方々中心に、北海道の市場で、北海道から初妊牛を手当てする。乳牛の雌牛については黒毛の精液を付けて交雑種をつくる、あるいは和牛の純粋種の受精卵を入れて和牛の純粋種の子牛を取る、こういったことから初妊牛のおなかの数がタイトになっていると、こういうところでございます。  ですから、私どもとしては、性判別精液の利用を進めることによって確実に乳用の雌の後継牛を確保していく、こういうことを御支援申し上げていますし、また、これからのやはり課題として、全部北海道から買うというのではなくて、やはり自分のところの経営でお使いになられる後継牛については預託するなりしてでも自ら確保すると、こういう取組が必要なんだろうと、こういうふうに思っているところでございます。
  31. 小川勝也

    ○小川勝也君 これは大変難しい課題でありますので、あらゆる政策を総動員してという言葉がありますけれども、これ以上の子牛価格の高騰は芳しいことではないという立場に立っておりますので、しっかりと対策を取っていただければというふうに思います。  藤木委員質問とかぶるわけでありますけれども、この畜産クラスター事業については、やはり、大規模化あるいは大規模経営、法人重視、法人優先みたいな、そういう思いを持っておられる小規模酪農家が少なくないという現状があります。このクラスター事業の利用、あるいは、次の質問も併せて申し上げますと、楽酪事業、これは大変いいメニューであったにもかかわらず、申込みの時期が、少し締切りが早過ぎたので、何か予算を使い残したのではないかという疑念があるようであります。これは、小規模酪農や小規模経営家族経営にとっても、いわゆる労力を下げる、あるいは労働時間を縮減するなど、もう有意義なメニューが含まれているというふうに考えております。  クラスター事業と楽酪事業と併せて、いわゆる小規模経営家族経営皆さんに向けて何かメッセージが発することができればお願いをしたいと思います。
  32. 枝元真徹

    政府参考人枝元真徹君) お答え申し上げます。  クラスター事業自体は、御案内のとおり、規模のいかんを問わず、クラスター計画に中心的な経営体として位置付けられて、地域平均規模以上に拡大する場合には支援対象としてございますし、特に土地条件に制約がございます中山間地域につきましては、平成二十八年度の補正予算から、中小規模畜産農家が活用しやすいように地域平均規模以上に拡大しなくても事業対象となるとしたところでございます。  そういう意味からは制度的に大規模の方なり法人の方を優遇しているということはございませんけれども、そういう声があることは承知をしてございます。  中小規模家族経営の方が事業を活用するに当たって、地域での役割ですとか、その経営が継続、発展するために地域とどう連携するのかということをよく関係者の間で話し合い、クラスター計画位置付けていただくことは非常に重要でございます。例えば北海道では、家族経営が搾乳ロボットをこの事業で導入をして、TMRセンターを活用することで省力化を図りながら規模拡大する取組など、様々な地域課題実態に応じた取組が実施されてございます。そういう成果を上げている事例の紹介をしながら、クラスター事業家族経営も含めた地域酪農収益向上取組支援していきたいというふうに思ってございます。  また、このクラスター事業でも対応できる一つの機器ではございますけれども、今御指摘がございましたいわゆる楽酪事業につきましては、これは酪農家のまさに労働負担軽減の観点ということでございますので、規模拡大という要件は付けてございません。  ただ、現実には、施設とともに、併せて施設整備とやるというようなことの場合にはクラスターが利用されたりとか、いろんなことがあって、委員御指摘のとおり、執行率十分ではないという状況ではございますけれども、ただ、規模拡大の予定がない家族経営の方が、搾乳を自動化できる搾乳ロボットですとか自動給餌機、餌寄せロボットだけを導入できるということで、そういう方々はこの事業を使っていただいたというふうに考えてございます。  ただ、現場の方からは、やはりこういう機器を入れようとすると、牛舎とかそういうところを少し手直しせぬといかぬとか、そういうような課題なり御要望もいただいておりますので、そういうことも含めて、必要な予算確保にまた努めてまいりたいというふうに考えてございます。
  33. 小川勝也

    ○小川勝也君 私の方から言及させていただいた楽酪事業についての予算確保についてはどうでしょうか。
  34. 枝元真徹

    政府参考人枝元真徹君) 酪農家の労働負担軽減は喫緊の課題でございますので、平成三十年度におきましても必要な予算確保に努めてまいりたいと考えてございます。
  35. 小川勝也

    ○小川勝也君 農業というのは大中小、この組合せが大事だというふうにこの委員会でも何回も申し上げております。武田信玄の武田節、「人は石垣、人は城」、石垣は大きい石と中くらいの石と小さな石がしっかり合わさって日本の生産基盤あるいは地域を守っているわけであります。ですので、何でもかんでも規模拡大すればいいというものではないんです。そのことが今生産者の中で最も不安に思われている原因であります。これは、私が申し上げるに、農林水産省から発せられているキーワードではないと信じております。各種審議会等から競争力強化、輸出拡大、効率化優先、いわゆる経済至上主義、このことが食料生産や第一次産業現場に行き過ぎるとまさに崩壊してしまう、そのおそれをみんな危惧しているわけであります。  ですので、口幅ったい言い方でありますけれども、やはり家族経営を基盤としてというのはこれ、当たり前のことであります。クラスター事業で大規模化することを私は全て悪だとは言いません。ですので、大規模化した農家だけが効率的になって、小さな家族経営経営体が非効率化となって市場から退場せざるを得なくなるような政策は愚の骨頂だと私は申し上げたいわけであります。  ですので、大臣には私はエレベーターの中でしっかりとそのことを先ほど内通をさせていただきましたので、家族経営がいかに大事かということを御本人の言葉で私たちに教えていただければと思います。
  36. 齋藤健

    国務大臣齋藤健君) 日本の酪農は新鮮な牛乳を国民の皆さんに提供してくれるし、チーズ始め乳製品も供給してくださる重要な産業でありますし、地域経済を支える産業でもございます。その酪農を、経営体としては九五%が家族経営で賄われているということでありますので、この家族経営がしっかり酪農を支えていただくということはどんなに重要だと言っても過言ではないぐらい重要だと思っています。  実は、私は東京近郊の選挙区ではあるんですけれども、千葉県野田市の関宿には酪農家があります。それで、どうしてその酪農が始まったかといいますと、私の言葉でということでありましたので、実は戦後、鈴木貫太郎閣下がポツダム宣言の受諾というものを八月十五日にやりまして、その後すぐ、たしか二、三日で総理を辞職をしました。そして、その故郷の野田市関宿に帰ってきたんです。そしてそこで、実は、彼は海軍軍人として長く仕事をしておりましたので、恐らく日本人の体格というものが海外の人に比べて劣っていると、これを何とかしなくちゃいけないという思いもあったんでしょう、関宿で若い農業者を相手に酪農をやらなくちゃ駄目だということを奨励しまして、そして自分の土地を、家の土地を集乳施設に提供したりして、そして私の地元の酪農というものは始まったんですね。私も、そういう意味では、半数以上の酪農家を直接訪問をしておりますけど、全部家族経営です。ですから、その意味でいうと日本の酪農を支えているのは家族経営であります。  ただ、その現状のままでいいということではないと思います。家族の皆さんが省力化もやっていかなくちゃいけないでしょうし、生産向上もやらなくちゃいけないし、協業でですね、家族経営同士が協業していくという仕組みもやっていかなくちゃいけないなと思っています。  いろいろ政策については局長からお話ししましたけれども、常に家族経営というものが日本の酪農を支えているんだというものを胸にしっかりと置きながら、酪農政策というのを展開していきたいと思っております。
  37. 小川勝也

    ○小川勝也君 家族経営が重要だというのは別な観点からもありまして、今農林水産省さんが進めています新規就農者をしっかり増やしていくということであります。  今酪農経営というのは、北海道を例に挙げますと、初期投資が甚大、莫大でありますので、いわゆる大規模経営からスタートという選択肢はあり得ないわけであります。ですので、例えば園芸であればミニトマトはいわゆるハウス数棟から始められるわけでありますが、酪農の新規参入というのは針の穴に糸を通すよりも難しいわけでありまして、家族経営からのいわゆる伝承というかバトンの受け継ぎというのがないと酪農における新規参入の道がゼロになってしまうわけでありますので、この家族経営の重要性を御認識をいただければというふうに思います。  さて、関連でありますけれども、子牛価格が異常な高さであります。ホルスタインの赤ちゃんは一番ひどいときには一万円から五万円の間で推移していた時期もあって、私は酪農家の方から、この副産物が安過ぎて参ったよという話がついこの間のことのように覚えていますけれども、今逆に黒毛和種の一番すごいやつは売買価格で百万超えということでありますので、まさに、どの価格帯が普通でどの価格に政策誘導するのかというのは、私もアイデアを持っておりませんし、問いをするわけにはまいりません。  しかし、この子牛価格の高騰をめぐっていろんなことがやっぱり起こっているわけであります。ホルスタインの後継牛も足りないのに、大野部長は、黒毛和種が足りないので黒毛をホルスタインに付けさせてくれ、交雑も頼むと、こう言っているわけであります。じゃ、それじゃ搾乳牛が減っちゃうじゃないかと言ったら、性判別だからいいと。ここはちょっと意見が合わないところでもあるんですけれども、私は全て否定するわけではありません。しかし、黒毛和種の一番高いやつはA5ランクで売買取引されて、その後、焼き肉店に行って、先輩方、何切れ食べられますかという世界なんですね。今、いわゆるA5ランクは高く売れるけれども、ヘルシー志向、これもまた大事であります。  ここは大野部長に予期せぬ質問でありますけれども、今、そのホルスタイン、酪農をめぐる地域ではやはり雄と雌が生まれるわけで、雌が生まれれば自分のところで搾乳をする、あるいは売りに出す、雄が生まれれば雄を売る。すなわち、雄を肥育しているという業態がそれぞれの酪農地帯に必ずあるわけであります。そして、その生産現場にも当委員会でも見学に行きましたか、そのいわゆるホルスタインの雄の肥育の仕方も最近は物すごくいわゆる技術がすばらしくなって、おいしくて健康なお肉になるというので、今、十勝若牛とか、あるいはいろんな売り方をしているわけでありまして、北海道のチクレンさんはお店まで出したようであります。それから、性判別を敵視するわけではありませんけれども、スーパーの方からはこの肉の棚を絶対確保したいので頼みますよというふうに言われているわけであります。  今、黒毛が足りないということも交雑が足りないということも認識をしておりますし、性判別の全てを私は否定するわけではありませんけれども、ホル雄の肥育を敵視しないでいただきたい。これは大事な業態だということを部長の言葉でここで発言をいただきたいというのが私の質問の趣旨であります。よろしくお願いします。
  38. 大野高志

    政府参考人(大野高志君) お答え申し上げます。  私、別にホル雄を敵視しているわけではございません。やはり黒毛、交雑種、それからホル雄と様々な価格帯のそれぞれの、私はサシ好みですけれども、そのサシの入ったものから赤みがおいしい国産牛肉まで、そしてその下に、下にというか、輸入牛肉があると、こういう品ぞろえというのは非常に大事だと思っております。そして、先ほど委員の方から十勝のお話ございました。私ども、ホル雄といえば二十一か月ぐらい、二十一か月齢で出荷するというイメージですけれども、今、若牛は十七か月とかそういったみずみずしいところで出して好評を博していると、こういうふうに認識しております。決して、私、牛の品種によって区別するとかそういうことをしているわけではございません。
  39. 小川勝也

    ○小川勝也君 併せてお伺いをいたしますけれども、子牛価格が高騰で、今申し上げましたように黒毛も交雑も、いわゆる搾乳牛の赤ちゃんも足りないわけであります。じゃ、どうすればいいかというふうに私のような素人が考えたら、今、いわゆるホルスタインの雌一頭当たりの出産回数が相当少なくなっているんです。これは部長からも教えていただきました。ですので、もう少し、あと一産ずつ多くすれば黒毛も交雑もホル雌もホル雄もみんな幸せになれると私は素人なりに考えるわけであります。当然のことながら、経営体は頭の中で計算をはじいて、どれが一番得かということで、お母さんを肉に回したり、あるいは牛を入れ替えたりと、いろんな政策がそれぞれの酪農家ごとにあるわけであります。  そして、先ほどのいわゆる高品質のチーズ生産のときに、いわゆる細胞数の話もいたしました。ここも微妙に、私は差し障りがあるということをよく存じ上げておりますけれども、あと一産多くすることを日本全国でやればいいのではないか。これは今、牛のお母さんの子宮は宝物でありますので、それぞれの生産者が工夫をして、あと一産多くしてみんなが幸せになれる道はないだろうかというふうに思っているわけであります。  この、本番でぶつけるにはちょっと難しい質問でありますけれども、お答えをいただければと思いますが。
  40. 大野高志

    政府参考人(大野高志君) お答え申し上げます。  平成二十七年度におきます乳用牛が廃用されるときの平均産次、子牛の産次でございますけど、全国では大体先ほど委員御指摘のような三・四産、北海道は少し長くて三・五産と、こういう状況でございます。  今御指摘のように、その初妊牛の価格、上昇して生産コスト押し上げております。現在飼っておられる牛をできるだけ長く飼って産次を増やすこと、私ども、長命連産、長い命、連続して産むと、こう申しておりますけれど、長命連産性、長命連産を目指していくことは有効な対策だと、こういうふうに考えているところでございます。  このために、途中で事故を起こして廃用にならないように、乳用牛の健康診断ですとか衛生的な簡易牛舎の整備、それから牛の乳房炎やけが防止に取り組む酪農家の方に対する支援ですとか、それから遺伝的な改良においても、高い泌乳能力だけを目指すのではなくて、今先端的な、遺伝子配列利用したゲノミック評価など利用して、量も出るけれど強健で長もちする、そういう牛をつくっていくということも大事なんだろうというふうに思っています。  こういった取組、総合的に進めて、委員御指摘のように乳用牛の飼養期間の延長に向けた取組、推進してまいりたいと、こういうふうに考えているところでございます。
  41. 小川勝也

    ○小川勝也君 これは大事な課題ですので、よろしくお願いをしたいと思います。酪農家皆さんと直接お話をすると、それはもうかわいい牛なんで長くいてほしいと、で、もう一産産んでほしいという思いはやまやまだという話をよく伺ったところであります。  もう一つの大きな課題についてお伺いいたします。  酪農ヘルパーの課題であります。これも何度となくここで質問させていただきました。酪農は、一年三百六十五日、休みのない仕事であります。そして多分、労働基準法というのはその真逆でありますので、酪農ヘルパーさんの働く現場というのは、いわゆる事業主さんと法律との間に多分大きなそごがあるのではないかというふうに思っています。  しかし、農林水産省も様々な政策あるいは法律でしっかりとサポートをしていただいてまいったことに心から感謝を申し上げますが、もう一つのキーワードを追加するとすれば、人手不足というキーワードは、先ほどの集乳車のドライバーも含めて、いわゆるヘルパーの分野も全く同じであります。もしかすると将来酪農経営者になれるかもしれないということはあろうかと思いますけれども、大変厳しくて過酷な仕事でもあります。  これは事例を直接伺ったわけでありますけれども、ヘルパーさんにも当然休みがあります。休みを予定した日に、ある農家さんの奥さんが急病になったと。頼むけど出てくれと言われれば、休みがなくなる。これは残念ながら北海道の事例でありますけれども、ヘルパーさんから連合北海道に労働相談が、電話が掛けられているという事実もあります。  ですから、酪農を支えるためには子牛も大事ですし、クラスター事業も大事でありますけれども、あるいは餌の生産基盤も大事でありますけれども、このやっぱりヘルパーをしっかり守っていくということが大事であります。再三再四、お願いをしておる事柄でありますので、もう今更詳しい説明は不要だと思います。今、人手不足ということと労働条件が必ずしも日本的ではないということを含めて、農林水産省考え方をお伺いしたいと思います。
  42. 大野高志

    政府参考人(大野高志君) お答え申し上げます。  酪農ヘルパーの労働環境につきましては、要員の不足によって休日を取得しにくい状況にあると、こういうふうに認識しているところでございます。  このため、酪農ヘルパー事業におきまして、平成二十九年度、今年度から学生インターンシップ創設しまして、地域の人材にとどまらず都市部からもその要員確保できるというか、人材募集できるような、そういう体制を整えますとともに、そういう取組を御支援できるように拡充するとともに、ヘルパー要員の方の育成につきましても、農家出身じゃない、非農家出身者の方の増加、それから、多様化、高度化する飼養形態、搾乳ロボットなどございます、研修の支援期間を従来の一年から二年に延長する、そして研修手当補助の上限単価も引き上げると、こういったふうに拡充して酪農ヘルパーの確保を努めさせていただいているところでございます。また、ヘルパーの方、安心して働いていただけるように、ヘルパー自身の傷害補償保険、あるいは物損に対する賠償保険、こういったことへの支援もさせていただいているところです。  引き続き、こうした要員確保に向けた取組支援させていただき、酪農ヘルパーの方の労働環境の改善、ひいては人材の確保に努めてまいりたいと、こう考えているところでございます。
  43. 小川勝也

    ○小川勝也君 これはもう十分御認識をいただいている課題でありますので、充足率がどう変化したかということで勤務評定がしっかり出る課題でありますので、注視をさせていただきたいと思います。  時間限られてまいりました。時間も短くなってきましたけれども、やっぱり大事な点でありますので、家畜ふん尿対策についてもお伺いをしておきたいというふうに思っております。  やはり将来に向けて希望ある業種であるためには、やっぱりきれいな牛舎、そして周りに対する環境の負荷を小さくということが大事であります。そしてまた、近年はエネルギーにということで、様々な先進事例、工夫もなされているわけであります。家畜ふん尿対策について、北海道ももとよりでありますが、府県もこれ大事な課題であります。取組についてお伺いをしたいと思います。
  44. 大野高志

    政府参考人(大野高志君) お答え申し上げます。  家畜排せつ物の利用につきましては、家畜排せつ物の利用の促進を図るための基本方針におきまして、堆肥化等による農地還元、これを進めておりますほかに、その家畜排せつ物のエネルギー利用、あるいは臭気問題への対応を目的としまして、メタン発酵による発電等の高度利用、これも推進させていただいているところでございます。  メタン発酵によります発電につきましては、FIT制度により高単価で売電を行う事例のほか、その発電した電気、これを経営内で御利用される、こういった事例もございまして、こういった場合には、経営における光熱費の削減、あるいは電力系統への接続、電線に接続する手間や費用の削減、それから、まさに御指摘のように環境に優しい営農を実践することによるイメージアップ、こういったメリットが考えられると、こういうふうに思っております。  こういった電力、自家利用するメタン発酵の取組に対する支援としましては、各種の融資制度、それからA―FIVEによる出資、それから畜産高度化支援リース事業によります必要な施設の整備に対する支援、それからメタン発酵により発生する消化液の利用に関します研究開発、こういったことを実施しておりまして、経営あるいは地域の実情に応じた方法によってメタン発酵の取組、推進してまいりたいと、こういうふうに考えているところでございます。
  45. 小川勝也

    ○小川勝也君 エネルギーを電気に変えて売電をするといういわゆる凝り固まった発想ではなく、小規模で自賄いのエネルギーとか、しっかりいろいろな方向性について研究を重ねていただければというふうに思います。  続いて、藤木委員からもお話がございました飼料用米についてお伺いをいたします。  耕畜連携という言葉がありますので、餌米を作るところとその餌米を食べさせる畜産農家が近くにいる場合には大変有効な政策だと考えています。北海道のいわゆる地図を思い描いていただければ分かるわけでありますけれども、いわゆる米の主産地は上川、空知であります。そして、牛がたくさんいるのは道東であります。その間には険しい山がそびえておるわけであります。  先日、舟山理事の質問を聞いておりますと、玄米価格で四円。私の哲学で申し上げますと、価格の安いものは長距離運んではならない、これは私の哲学であります。すなわち、価格の低いものの代表例を挙げますと、餌、チップ、ふん尿であります。ですから、小規模で自賄いというのがこれは理想でありますけれども、九州の事例は私は詳しくはありませんけれども、北海道においての餌米をいわゆる畜産との融合で政策的にどう進めていくのか。私は、餌米自体、政策としては必ずしも評価を低くしているわけではありません。いわゆる水田は究極の食料安全保障でありますので、日本国民を飢えさせないという点でありますと、まさに餌米政策は理にかなっているわけであります。  しかし、場所というのがやっぱりあると思うんですね。牛が近くにいるところで餌というのがこれは正しい手法であって、餌が遠く運ばれて牛の口に入るというのは非合理的であります。という前提に立って、北海道においてのいわゆる餌米生産について将来的にどう考えておられるのか、お伺いしたいと思います。
  46. 柄澤彰

    政府参考人柄澤彰君) 主食用米需要が減少しております中で、食料自給率自給力向上を図るためには、やはり主食用米から麦、大豆、飼料米など、主食用米以外の作物への転換を進めて水田フル活用を図るということは極めて重要でございます。その際、どのような作物を作るかという作物選択に当たりましては、各地域に農業再生協議会が設置されておりますので、その協議会におきまして、今委員御指摘のような、当該生産物の輸送費も含めまして、地域ごと生産販売条件をよく考え、そして地域水田農業の振興の観点からどういう作物が最も有効なのかということをそれぞれの地域ごと決定していただくということが重要かと存じます。  なお、飼料米について申し上げますと、例えば生産者団体、全国的な生産者団体等が集荷や流通を円滑化するという、いわゆる広域的な調整を行うことによりまして、必ずしもその近隣に畜産農家飼料工場がない場合も含めまして、かなり広域的に供給している場合もございます。全国的に、そういう近隣にない場合も含めまして、飼料米生産が普及しているという実態でございます。
  47. 小川勝也

    ○小川勝也君 釈迦に説法ですけれども、今、北海道は高品質米ということで大変有り難い評価をいただいておるところであります。しかし、外食産業等に喜んで使っていただいていた米が不足するなど、大変内在する課題は複雑であります。  ですから、いわゆるゆめぴりかを作るのか、餌米を作るのか、あるいは外食産業皆さんに喜んでいただけるような米を作るのか、これは戦略的な考え方もいろいろあろうかと思います。地域再生協議会とも密接に連携をしていただいて、柔軟な政策実現のために御努力をいただければというふうに思います。  ここまで酪農についていろいろお話を伺ってまいりました。現状の補給金単価や生クリームを入れていただいたことなど、まあまあいいところまで来ているという前提でお話をさせていただきました。しかし、チーズがどのぐらい入ってくるのか、あるいは先般のバターの緊急輸入は大変衝撃的だった、あるいは取り巻く業界も大変人手不足であるということで、不安がないわけではありません。むしろ不安は大変大きくなっているところであります。  しかし、先ほどお話をさせていただいたように、将来を見据えて、見通して経営者は政策判断をしなければならないわけであります。酪農を続けていいのか、投資をすべきか、ここは大野部長の発言で北海道の酪農家に対するメッセージをお願いしたいと思います。
  48. 大野高志

    政府参考人(大野高志君) お答え申し上げます。  先ほど来、委員御指摘のとおり、酪農生産基盤の強化、喫緊の課題であると、こういうふうに認識しております。もう詳細に繰り返すことはいたしませんが、畜産クラスター事業を始めとして、先ほど来御指摘の労働負担の軽減、コスト低減を図るための酪農ヘルパー、あるいはTMRセンター等の作業の外部化、それから搾乳ロボット等の省力化機械装置の導入ですとか、また乳用後継牛を効率的に生産するための雌の性判別精液の活用、あるいは供用期間の延長、こういった取組支援させていただいているところでございます。  こういった体質強化策に加えて、いざというときのセーフティーネットを措置して、経営安定対策を措置して、意欲ある酪農家方々が将来にわたって希望を持って経営に取り組めるように努めてまいりたいと、こう考えているところでございます。
  49. 小川勝也

    ○小川勝也君 何か今日は固いね。もうちょっと笑顔を交えて、力強いメッセージが聞かれるかと思ったんですが。  残り時間、少なくなってきましたので、豚肉についても触れておきたいというふうに思っています。  日本農業新聞には、カナダが意気軒高、積極的、EPAが欧州との間でということであれば、我々国民の間で大変いわゆるプレッシャーといいますか、問題意識の少ないデンマークが競争力が強いわけでありまして、豚肉的に申し上げますと、国産にこだわるという場面以外は相当厳しく私はなってくるのではないかというふうに考えています。  それでもなおやはり国産ポークという立場は重要でありますので、豚肉に対する政策としては、ブランド化、あるいは産地を表示していわゆる消費者に対するアピール、この辺の応援が必要だと私は考えているわけでありますけれども、豚肉をめぐるブランド化についてお考えをお伺いしたいと思います。
  50. 谷合正明

    ○副大臣谷合正明君) まず、デンマーク等のお話がございましたけれども、日EUEPAでは豚肉は差額関税制度を堅持しまして、分岐点価格キロ五百二十四円を維持したところでございまして、当面、輸入の急増は見込み難いものと考えています。  しかしながら、長期的には国産豚肉の価格低下等の影響も懸念されることから、今後、我が国の豚肉が新たな国際環境の下でも輸入豚肉と競争していくためには、委員おっしゃるとおり、輸入豚肉との差別化、また国産豚肉の銘柄化を図っていくことは極めて重要であると考えております。  このために、先般改訂いたしました政策大綱に基づきまして、生産コストの削減や品質向上などの収益力、生産基盤を強化することにより体質強化対策をまず講ずるとしておりまして、具体的に、先ほど飼料用米等の話もございましたけれども、飼料用米、エコフィードなど国内由来飼料の利用などによる銘柄化の取組、これ北海道でも実際あるというふうに承知しております。  また、国産豚肉を活用した新商品開発、六次産業化の取組などによりまして、品質向上、また高付加価値化を進めてまいりたいと考えております。
  51. 小川勝也

    ○小川勝也君 続けて質問いたします。  十二月八日、アニマルウエルフェア畜産協会のいわゆるお披露目の試食会に行ってまいりました。本来、アニマルウエルフェアについては、ここの場でもいろいろ質問させていただいてまいりましたけれども、元はと言えば、農林水産省がもっと規範を示していただいてリーダーシップを発揮していただきたいと思っておりましたけれども、動きがないので民間がこの認証をするなど進めているようであります。  私も生乳を買わせていただいて、生乳というよりも牛乳ですね、牛乳を買わせていただいて飲みました。大変おいしくいただきました。さけるチーズも買ってまいりました。大変おいしかったです。この団体も、まだまだ農林水産省との協議の場もこれからでありますので、いろいろと御指導いただければというふうに思います。  このアニマルウエルフェア、二〇二〇年に向けて大変重要な課題だと思いますけれども、この畜産協会に対して今後温かい御指導をいただきたいという点で御発言をいただきたいと思います。
  52. 枝元真徹

    政府参考人枝元真徹君) お答え申し上げます。  アニマルウエルフェアに配慮いたしました畜産物の付加価値を高めるために、畜産技術協会が作成いたしましたアニマルウエルフェアの考え方に対応した家畜の飼養管理指針を踏まえながら、今御指摘がございました民間団体におきまして独自の認証を行う動きがあることは承知をしてございます。  客観的かつ信頼性の高い認証体制が構築されているのであれば特に問題はないんじゃないかというふうに思ってございますし、当該団体が認証した場合のアニマルウエルフェアに配慮した畜産物の表示の部分、ここは義務表示ではなくメリット表示となります。ここは消費者に混乱を生じさせないように注意することはすごく大事だなというふうに考えていまして、またその団体の動きも見てまいりたいというふうに考えてございます。
  53. 小川勝也

    ○小川勝也君 また農林水産省皆さんに懇談をお願いすることになろうかと思いますので、よろしくお願いします。  最後に、森林環境税が課題となってまいりました。最後、大臣に一言だけいただいて終わりにするわけでありますが、新たな森林管理システムをしっかり進めていただきたい。それから、植林の人材確保は本当にタイトになってまいりますので、機械化を進めていただきたい。どんな曲折があっても、今回、森林環境税の導入、応援しますので、よろしくお願いしたいと、このことを踏まえて大臣から御発言をいただいて、私の質問を終わりにしたいと思います。
  54. 齋藤健

    国務大臣齋藤健君) 我が国は、二〇三〇年における地球温暖化防止のための温室効果ガス削減目標のうち二・〇%を森林吸収量により確保することとしておりまして、このためには間伐等の森林整備を推進することが必要です。一方で、木材価格の低迷による森林所有者の経営意欲の低下等によりまして条件不利地等において十分な森林整備を進めることが難しくなっておりまして、政府が掲げるこの森林吸収量目標の達成のためには安定的な財源が必要であるということであります。  このため、森林環境税について、適切な森林整備により地球温暖化防止や国土保全等の森林の公益的機能を発揮させることを目的として、昨年の与党税制改正大綱に基づき、今総務省と連携して検討を進めております。  実は、四年前に私が自民党農林部会長のときにこの安定的な財源がないということを税調で認めてもらうために大奮闘したという経緯がありますので、個人的にもこの森林環境税の実現には強い思い入れがあります。  委員御指摘のように、新たな森林管理システムの下で森林整備を進めるということが大事だと思っておりまして、このためにも税の創設という結論出すように全力で取り組んでまいりたいと思います。
  55. 小川勝也

    ○小川勝也君 終わります。
  56. 横山信一

    ○横山信一君 公明党の横山信一でございます。  まず、畜産物価格に入る前に、予算編成も大詰めでございますので、米政策について二点確認をさせていただきたいというふうに思います。  水田活用の直接支払交付金の中の産地交付金、これは地域の裁量でその土地に合った品目生産を振興するものでありますので、水田フル活用を進める上で非常に重要な役割を果たしております。  産地交付金は、まず四月に八割が都道府県に配分をされて、残り二割は留保される仕組みになっております。この留保分は、戦略作物拡大分に充当された後、残りが十月分に配分されるということになっております。しかし、この配分方法には、産地交付金を見込んだ取組に影響を与えるなど、生産現場では不満の声が出ているところであります。  平成三十年度予算総額確保が前提とはなりますが、農林水産省はこの産地交付金あるいは戦略作物の充実にどのように取り組むつもりなのか、大臣にお伺いしたいと思います。
  57. 齋藤健

    国務大臣齋藤健君) まず、三十年産の米政策の見直しを着実に実施に移していくためには、水田活用の直接支払交付金による麦、大豆、飼料用米など主食用米以外の作物への支援というものは安定的に実施していくことが必要であるというふうに考えておりまして、水田活用の直接支払交付金、これに係る三十年度概算要求につきましては、まず、麦、大豆、飼料用米などの戦略作物助成の現行単価を引き続きしっかりと維持をした上で、これらの生産拡大にもしっかりと対応できる、そういう額を確保する。それとともに、地域の裁量で活用可能な御指摘の産地交付金についても、基本的な仕組みを維持した上で転換作物拡大に対する支援等に新たに取り組むということとして、必要十分な額を今要求をしているところであります。  御指摘の産地交付金の留保の話でありますけれども、これは、水田活用の直接支払交付金については、もう委員御指摘のように、予算額の範囲内で執行することが原則であるということで、戦略作物作付け拡大した場合でも交付金の支払に支障が生じないようにしなくてはいけないという観点から、産地交付金の二割を留保して、四月に一回目の配分を行い、執行の過程で戦略作物助成の超過分がある場合に当該超過分に対する支払に留保額、留保したものを充てると。で、残余を産地交付金として十月に二回目の配分を行うということをしてきているわけであります。  いろいろこれについて御要望があるのは十分承知をしているところであるんですけど、麦、大豆、飼料用米など戦略作物の本作化を、特に米政策の転換をするこの機でありますので、これをしっかり推進していくためには、水田活用の直接支払交付金による戦略作物への支援というものが十分に行われるということがどうしても重要でありまして、秋に作付面積が取りまとまるまで所要額の見通しがなかなか難しいということである以上は、産地交付金の留保の運用というものは継続していくことが必要になるんだなと思っております。
  58. 横山信一

    ○横山信一君 慎重な御答弁いただきましたけれども、産地交付金の活用にしても、あるいは戦略作物の拡充にしても、しっかり取り組めるような形を何とか御努力をいただきたいというふうに思います。  次に、中食、外食向けの業務用米の話になりますが、米穀機構の米の消費動向調査によりますと、この業務用米というのは米消費量の約三割を占めると。しかし、中食、外食向けの米消費量というのは、今年度に入って、各月で、毎月、同月比四・五%から一一・二%減少しているという現状があります。  この減少する原因には、健康志向を背景にした御飯の量を減らしたメニューが増加しているとか、たんぱく質ダイエットとかいろいろ、あっ、炭水化物ダイエットですか、とかいろいろありますけれども、あるいはまた業務用米の、先ほど減少しているという話もありましたけど、不足ということも理由として挙げられております。  この業務用米というのは、六十キロ当たり一万三千円未満の低価格帯の銘柄が全体の八割を占めていると。一方で、一方でというか、じゃ、生産者の立場に立つと、できる限り販売価格の高い米を作りたいという米農家の思いがある。しかし、業務用米の生産量が今のまま減少していくと米消費量全体が減少してしまうという、それを加速化するおそれがあるということでありまして、この生産者のブランド米始め高い米を作りたいという思いと、それから実需者の、業務用米が減っていて全体として減ってしまうという、こういう部分のミスマッチ解消にどう取り組むのか、これも大臣にお伺いします。
  59. 齋藤健

    国務大臣齋藤健君) 外食、中食の業務用のユーザーの皆さんから私も直接、希望する価格で調達が難しくなっていると、このまま行くとお米離れが加速をしてしまうよという声を直接伺っております。  これは、もう委員御案内のように、平成二十七年産以降、過剰作付けが解消されて米価が上昇していく中で、生産者と実需者相互の情報が必ずしもマッチしない状況になっていたんだろうということと、それから、高値で販売したい産地の意向と低価格で何とか調達したいという実需者の意向との食い違い、こういうものも生じているんだろうというふうに考えています。  御指摘の対策なんですけど、こういう状況は放置できない、解消していかなくてはいけないと思っておりまして、引き続き、外食、中食等の実需者と産地のマッチングですね、中食、外食用のお米は値段がブランド米よりは少し安いかもしれないけど安定的に契約ができるとか、そういうメリットもあると思いますので、よくその損得を考えていただいた上でうまくマッチングができないかというような御支援をさせていただくとともに、産地に対しましても、売上げ、所得を確保する上で、業務用ユーザーの声にも耳を傾けながら、安定的に生産、販売することも重要であるということをあらゆる機会を通じて御説明をしていくという努力を重ねていきたいと思っております。
  60. 横山信一

    ○横山信一君 中食、外食向けの米を作っても決して全体観に立てば損はしないということも含めて、全体観の中で取り組んでいただきたいと思います。  それでは畜産物価格の質問に参りますが、初めにやはり、私も北海道出身でございますので、新たな生産者補給金制度で集送乳調整金というのがどういうふうに設定をされていくのか、もう皆さん非常に注目をしているわけであります。先ほど来この議論は出ておりますので改めてお伺いいたしませんけれども、この集送乳調整金単価水準というのは極めて重要であるのは言うまでもありませんので、しっかりと取り組んでいただきたいというふうに思います。  その上で、農家の不安の声を受けて、そのことをお聞きをしたいんですが、乳製品のうち、脱脂粉乳あるいはバター向けの生乳処理量が減少しているという一方で生クが増加するということで、今回、この液状乳製品を含めて単価の一本化が図られたわけであります。  液状乳製品というのは輸入することが難しいということで、他の乳製品と比べて取引価格が高い。今回、その補給金対象となることで、元々取引価格が高い上に需要もある液状乳製品への仕向けが更に優先されることにはならないだろうかと、そういう不安の声がある。そうすると、バターなどの乳製品の供給にも影響が出てくるんじゃないかと、そういう声もあるのでありますけれども、これについてお答えをいただきたいと思います。
  61. 谷合正明

    ○副大臣谷合正明君) 加工原料乳生産者補給金につきましては、平成二十九年度から、生クリーム等の液状乳製品対象に追加するとともに、補給金単価を一本化し、乳製品ごとの需要に応じた柔軟な生乳供給の促進を主目的としております。  委員から農家の不安の声をお伝えいただきましたが、生クリームなどの液状乳製品につきましては、保存性が低い製品特性を踏まえて、取引価格や補給金の有無ではなくて、需要に応じた生乳が仕向けられることとなります。実際、今年度の四月から十月までの液状乳製品は、前年同月比でマイナス一・一%と若干減少しているところであります。また、生クリームに仕向けられる生乳の割合はほぼ横ばいであるため、制度変更がほかの乳製品に影響を与えているとは考えておりません。  なお、バターや脱脂粉乳等の乳製品需給については、関係者との情報交換会議を開催し、適時適切な国家貿易などを通じて消費者への牛乳乳製品の安定供給に努めてまいりたいと思っております。
  62. 横山信一

    ○横山信一君 まずは過剰な不安は抱かないでというようなことだったと思いますけれども。  次は牛について伺ってまいりますが、飼料の話です。  この輸入飼料は為替の影響を受けて変動が大きいために、これは畜産農家の努力の及ばない部分があります。そういう意味では、こういったことを避けるためには自給飼料の割合を高めていくということは非常に重要であります。濃厚飼料の八五%が輸入と、また、そういう状況の中で、農林水産省では平成三十七年度までに飼料全体の自給率を四〇%ということを目指しているというわけであります。  平成二十八年度は台風災害があったために粗飼料生産が前年度より減少してしまいましたけれども、全体としては、毎年微増しつつ、二七%になっているわけであります。今後のこの飼料自給率の向上にどのように取り組むのか、お伺いいたします。
  63. 齋藤健

    国務大臣齋藤健君) 畜産経営の安定のためには、輸入飼料への過度の依存から脱却をして、飼料生産基盤に立脚した足腰の強い畜産経営を実現するということが重要であるという観点から、二十七年三月に策定いたしました食料・農業・農村基本計画におきましては、委員御指摘のように、飼料自給率を平成二十五年度の二六%から三十七年度に四〇%まで向上させることを目標といたしております。現在、国産飼料増産に向けた各般の施策を実施をしているところです。  こうした中、牧草等の粗飼料の自給率につきましては、平成二十五年度の七七%から二十八年度には一ポイント上昇して七八%となっておりまして、これを三十七年度には一〇〇%に引き上げることを目標といたしまして、御質問対策ですけれども、草地基盤の整備や優良品種の活用等による草地の生産向上、それからTMRセンター等による飼料生産の外部化、それから水田を活用した発酵粗飼料、稲WCSですけれども、や、先ほどありました青刈りトウモロコシ生産拡大ですとか、あるいは放牧の推進等、こういった取組を実施をしているところです。  また、穀物等の濃厚飼料の自給率につきましては、平成二十五年度の一二%から平成二十八年度には二ポイント上昇いたしまして一四%となっておりまして、平成三十七年度にはこれを二〇%に引き上げる、そういう目標になっているわけでありますけれども、このためには、子実トウモロコシ等の国産濃厚飼料生産、利用の拡大ですとか、食品残渣等を利用したエコフィードの利用拡大ですとか、飼料用米の生産拡大ですとか、そういう取組を実施しているところでありまして、こういう取組によりまして目標達成に向けて飼料自給率の向上を図ってまいりたいと考えております。
  64. 横山信一

    ○横山信一君 よく分かりました。よく分かりましたけれども、濃厚飼料については一二から二〇%、エコフィードもあるし、それから飼料用米もあるしということで、これは努力をすれば頑張っていけるかなと思うんですが、粗飼料ではこれはなかなか厳しい状況が続いておりまして、現在七八%ですから、これを平成三十七年までに一〇〇%にするというわけですが、実際のところ全然伸びていない、全然とは言いませんけれども、少しは伸びていますが、一〇〇%に届くような伸び方は少なくともしていないという現状の下で、草地更新とか、あるいはTMRセンターとか外部化をするということも含めて、これをもっと本気でというか真剣にやっていかないと到底一〇〇%は見込めないなという思いがあります。そこをしっかりやっていただきたいと思います。  だんだん時間がなくなってきましたので、ちょっと豚に行きますが、これもちょっと農家の不安の声をいっぱい言いますけれども、大臣にお答えいただきたいんですが、日EUEPAで豚肉の差額関税制度を維持していただいたというのは、これは大変に評価をしております。しかしというか、現在の状況を言いますと、先日の日農にも出ておりましたけれども、豚肉の輸入量が過去最高ペースで増えているという現状があります。今回、年間九十万トンを初めて突破するおそれがあると、このままで行くとと。これはPEDが流行したということも影響しているようでありますけれども、この傾向が続くと国産と逆転するんじゃないかという、そういうやっぱり養豚農家にとっては不安があるわけです。  その上に、関税は、この日EUEPA発効すると、十年目には従量税が一律一キロ五十円になります。そうすると、最近人気の高いイベリコ豚のようなブランド肉と安い肉を合わせて冷凍豚肉を大量に輸入する業者が出てくるんじゃないか、あるいは、仮にそうなったとしても国産豚肉は冷凍豚肉と競合しないで影響の及ぶ範囲は限定されると見てよいだろうかと、様々な生産者の不安があるわけでありますけれども、これらの不安に対して是非安心を与えていただきたいということで、大臣お願いいたします。
  65. 齋藤健

    国務大臣齋藤健君) 農家皆さんの不安に応えるために万全の対策をしていくということに尽きるわけですが、まず日EUEPAにおきましては、豚肉について、低価格部位と高価格部位を組み合わせる、いわゆるコンビネーションの輸入の分岐点価格、これが五百二十四円、キログラムで通関した場合に課税金額が最小となるという、この差額関税制度の基本的枠組みというものは交渉においても維持をされております。  基本的には、今後も、従来から同制度の下で行われているコンビネーション輸入が、引き続きEPA発効した後も行われるものと想定しております。  なぜなら、発効十年目の従量税の価格も近年の平均課税額の約二倍ということになっておりますので、コンビネーション輸入が一番有利であるという状況は変わらないということでありますので、当面輸入の急増というものはないだろうと思っておりますが、ただ、長期的には従量税の引下げがだんだん進行していきますので、低価格部位の一部がコンビネーションによらずに輸入される可能性というものも委員おっしゃるように否定はできないということでありますので、その場合は国内産豚肉の価格の下落も懸念されるということでありますので、十一月二十四日に改訂された総合的なTPP等の関連政策大綱におきまして、協定発効に合わせて豚マルキンについて補填率を引き上げる、これは八割を九割に、それから国庫負担水準も引き上げるということとしているなど、生産者皆さんが安心していただけるように万全の対策を講じていく所存であります。
  66. 横山信一

    ○横山信一君 ありがとうございます。  若干時間ありますので、最後もう一問だけ。  補給金制度で新しい制度になるということで、農林水産省では全国五か所で地方説明会を行いました。その中で、いわゆるいいとこ取りの質問がいっぱい出たと。いいとこ取りを避ける、排除するにはどうしたらいいんだ、現場のトラブル含めて未然に防がなければいけないと。そういう例示を含めた指摘が相次いだというふうに報道されておりますけれども、このいいとこ取り防止のためにどのように対応するのか、最後お聞きをして質問を終わりたいと思います。
  67. 枝元真徹

    政府参考人枝元真徹君) お答え申し上げます。  新たな加工原料乳生産者補給金制度の説明会では、今御指摘ございましたいわゆるいいとこ取りに関しまして、指定事業者が取引を拒むことができます正当な理由の考え方について質問が出ております。生産者からの申出が、指定事業者が取引を拒むことができる正当な理由に合致するか否かということについては必ずしも定型的に判断できるわけではございませんので、指定事業者が判断に迷う場合には、農林水産省が問合せ窓口を設置し個別に回答する旨説明をしてまいっております。  今後、年間販売計画の作成ですとか生産者との契約が進む中で事業者の方また生産者の方から様々な問合せがあろうかと思いますので、丁寧に対応してまいりたいというふうに考えてございます。
  68. 横山信一

    ○横山信一君 終わります。
  69. 紙智子

    ○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。  私たち日本共産党国会議員団として、昨日、畜産酪農に関する申入れを行いまして、齋藤大臣には快く受けてくださってありがとうございました。  その上で、今年の畜産価格の決定は従来にない重要な局面で行われることになりました。一つは、日EU経済連携協定、いわゆる日EUEPAと、そして包括的及び先進的な環太平洋パートナーシップ協定、CPTPPTPP11というふうに言いますけれども、こうした貿易交渉の下で迎えたということが一つ。もう一つは、酪農家の所得を増大させる名目で加工原料乳生産者補給金暫定措置法を廃止し畜産経営安定法に改定したと。制度が変わった下で迎えるということです。  言わば、貿易交渉の結果、日本の畜産酪農経営が新たな嵐の中に突入すると。国内的に言えば、規制改革推進会議が酪農畜産経営に介入する意見を取りまとめて、安倍総理が責任を持ってこれを実現するんだというふうに言った規制改革の嵐の中で迎えたというふうに思います。嵐は過ぎればまた平穏に戻るわけですけれども、この二つの嵐は、これから本格的に酪農畜産経営に大きな影響を及ぼすことは間違いないと思うんです。  齋藤大臣にお聞きしますけれども、この北海道、まあ北海道多いんですけれども、酪農経営は既に生産基盤の弱体化ということが指摘をされているわけです。再生のめどが立っているのかといえば、見えていないと。そういう中で、この二つの嵐が吹き荒れて、もう生産基盤の弱体化に歯止めを掛けることができるのでしょうか。
  70. 齋藤健

    国務大臣齋藤健君) 我が国酪農におきましては、高齢化等による酪農家経営離脱に伴い飼養戸数が減少をすると、そして交雑種生産の増加によりまして乳用後継牛が減少するなど、生産基盤の強化というものは喫緊の課題になっているということ、そういうふうに認識しております。  このため、まず畜産クラスター事業による収益力の強化ですとか高齢化に対応する労働負担の軽減やコスト低減を図るために、酪農ヘルパー、TMRセンター等の作業の外部化や搾乳ロボット等の省力化機械装置の導入、あるいは乳用後継牛を効率的に生産するための雌の性判別精液の活用等の取組支援して、その体質の強化を図っているところであります。  それに加えて、御指摘ありました生乳改革によりまして、加工原料乳生産者補給金制度については、平成二十九年度より生クリーム等液状乳製品を追加して単価を一本化して、そして生乳改革の法案によりまして制度を恒久化をするという手を打たせていただいておりまして、この面からも酪農経営の安定を図っていきたいと考えております。  また、日EUEPAにつきましては、関連政策大綱でその方向性をしっかり出したので、それに従って、これから補正予算を含めて対策を講じていきたいと考えているところでございます。  いずれにしても、意欲ある酪農家が将来にわたって希望を持って営農に取り組めるように、様々な課題に対応していきたいと考えております。
  71. 紙智子

    ○紙智子君 いろいろな対応策やっているということではあるんですけれども、北海道の酪農家はこの十年間で八千三百十戸から六千三百十戸と二千戸減っているんですね。毎年二百戸ずつ減っていると。これ、歯止めが掛かっていないわけです。頭数でいえば、五万六千六百頭も減っているわけです。ですから、基盤が縮小していると。家族経営を始めとした多様な担い手がやっぱり希望を持って営農を続けるということは、地域コミュニティーを維持する上でも本当に重要になっているわけです。  政府の農業競争力強化プログラムで、生産者出荷先等を自由に選べる、所得を増大させていくんだと、そのために制度を見直すというふうに言って畜産経営安定法を改定しました。今回のこの畜産物価格の決定というのは、法改正後の出発点になるわけですね。畜産関係者も注目していると。畜産価格の決定が、一部の酪農家だけではなくて全ての畜産酪農家の所得が増大する、そういう決定になるというふうに理解してよろしいでしょうか。
  72. 齋藤健

    国務大臣齋藤健君) 今回の補給金制度改革は、補給金交付対象拡大をして、出荷先等を自由に選べる環境の下で、生産者による創意工夫を促して所得を増大させるということを目的といたしております。  具体的には、改正畜産経営安定法によりまして、まず、生産者の生乳の仕向け先の選択肢が広がり、自ら生産した生乳をブランド化し、加工、販売する取組など、創意工夫による所得向上の機会を創出しやすいというふうになる。それからもう一つは、現在の指定団体である農協、農協連についても、生産者の選択に応えるために、流通コストの削減ですとか乳価交渉の努力を促すことにもなると。また、これまで補給金をもらえないために飲用向け一辺倒だった、そういう生産者乳製品向けにも計画的に販売する方向に誘導することができるなど、これらによって冬場等の飲用牛乳の不需要期の廉価販売にも歯止めを掛ける効果があるのではないかと考えているところでありまして、これで、ただ、新たに導入される年間販売計画におきましては、しっかりと乳製品仕向けの経営戦略を明確にすることで、より消費者ニーズの高い用途や付加価値の高い国産乳製品の製造が促進をされていくと。その結果、乳業メーカーが得られる利益を基とした乳価の形成にも効果があるのではないかと考えているわけであります。  以上のように、改正畜産経営安定法によりまして、それぞれの酪農家の所得向上につながるような努力が促されるような、そういう環境が整うんじゃないかと考えております。
  73. 紙智子

    ○紙智子君 全てのところに行き渡るように環境が整うんじゃないかと言われましたけれども、本当に、一部だけじゃなくて全ての畜産酪農家の所得向上につながるようにすることが大事だと思います。  酪農家の所得を上げる上で大事なのは、継続して再生産できるように生産費を償えるものにすることだと思うんです。今の補給金単価の算定方法は、生乳一キログラム当たり生産費、三年間の平均ですけれども、生産費の変動率を乗じて算定する方式になっていると。そうすると、飼料代などのコストが上がっても、三年間で平均されるために変動は微々たるもので、補給金単価って、いつも何銭、何銭というその程度のことなんですね。ですから、生産現場の人は今の算定方式では所得増えない、現にこの間も離農が相次いでいると。だから、生産コストと販売価格の差を補填するような仕組みが必要なんだということが言われているわけです。  法改正酪農家の所得を上げることが目的だということですから、この算定方式もやっぱり見直すべきじゃないのかなと、前から言っているんですけど、いかがでしょうか。    〔委員長退席、理事舞立昇治君着席〕
  74. 齋藤健

    国務大臣齋藤健君) 実は、加工原料乳生産者補給金単価の算定方式につきましては、平成二十九年度の予算において大幅に見直しを行っておりまして、生クリーム等の液状乳製品補給金交付対象に追加をしたと。これ、従来御説明したとおりですが。  それから、それまでのバター、脱脂粉乳等向け及びチーズ向けといった用途別の単価から一本化した単価としたわけでありますけど、この際、実は平成二十九年度は生産コストから乳製品向け乳価を差し引いて、そして平成三十年度以降は生産コスト等の変動率方式により算定するというふうにこのときに実はさせていただいているところでございます。
  75. 紙智子

    ○紙智子君 三十年度以降そういう変動率にしたという話なんだけど、輸入品と競合しない飲用向けの生乳は価格が生産コストを上回っているんですね。ところが、輸入品と競合する乳製品向けの生乳というのは価格が生産コストを下回っているんですね。加工原料乳生産者補給金というのは、やっぱり再生産が可能となる水準まで上げるべきだというふうに強く言いたいんです。北海道の飛田会長も、今の十円、少ないと、もっと上げるべきだと言っていますけれども、是非そのようにしていただきたいというふうに思います。  次に、集送乳調整金についてなんですけれども、今回から生産者補給金とは別に集送乳調整金を決めることになりますけれども、生産者補給金とこの集送乳調整金の違いについて説明を、ちょっと簡潔にお願いいたします。時間があるから。
  76. 枝元真徹

    政府参考人枝元真徹君) 生産者補給金は、年間販売計画を作成して農林水産大臣に提出をいたしまして、年間を通じた用途別需要に基づく安定取引である等、計画が一定の基準を満たしてある事業者に対して、取引乳価が生産コストを下回る加工原料乳の再生産確保するために交付するものでございます。この単価については、法律八条一項におきまして、生産費その他の生産条件、生乳、乳製品需給事情並びに物価その他の経済事情を考慮して、生産される生乳の相当部分加工原料乳であると認められる地域における生乳の再生産確保することを旨として定めるというふうにされてございます。  一方、集送乳調整金でございますが、これは加工原料乳につきまして、例えば酪農家の所在地が乳業工場から距離が遠い等により相対的に高い集送乳経費を要する区域を含めまして、指定事業者が平準化措置をとることを前提にあまねく集送乳を行うことを確保するために交付するものでございまして、この単価につきましては、法律の十五条二項におきまして、指定事業者が集送乳に通常要する経費の額から効率的に集送乳が行われる場合の経費の額を控除して得た額を基礎として定めるというふうにされてございまして、このため、御指摘のように、生産者補給金単価には効率的に集送乳が行われる場合の経費の額が含まっていると、そういうことでございます。
  77. 紙智子

    ○紙智子君 ちょっと確認します。  集送乳調整金単価の算定に当たっては、現行の指定団体が果たしている機能に見合った単価水準にするという問題と、それから全国的な需給調整に要する経費を反映するということ、それから部分委託等による掛かり増し経費を反映するということ、それから集送乳コストの高い地域を含めてあまねく生乳を集める計算を算定要素にするということが必要だと、こういうことでよろしいんでしょうか。もう一度、簡潔にお願いします。確認します。
  78. 枝元真徹

    政府参考人枝元真徹君) 今御説明しましたとおり、集送乳調整金は、加工原料乳につきまして、例えば酪農家の所在地が乳業工場から距離が遠い等により相対的に高い集送乳経費を要する区域を含めて、指定事業者が平準化措置をとることを前提にあまねく集送乳を行うことを確保するために交付するものでございます。  この単価につきましては、法律の十五条二項におきまして、集送乳に通常要する経費の額から効率的に集送乳が行われる場合の経費の額を控除して得た額を基礎として定めるということで、これから審議会等の意見を聴いて適切に決定してまいりたいと存じます。
  79. 紙智子

    ○紙智子君 新制度に移行するに当たって、生産者の事務負担が煩雑になるという声も聞かれているんですね。事務負担を軽減するように、この点は要求をしておきたいと思います。  そこで、ポイントは、生乳の需給調整と安定供給にこれ誰が責任を持つかということなんです。  加工原料乳生産者補給金等の暫定措置法の下で、農協や指定生乳生産者団体には四つ機能がありましたよね。輸送コストの削減、それから条件不利地域の集乳、三つ目は乳価交渉力の確保、四つ目に飲用向けと乳製品向けを調整すると、この四つの機能がありましたけれども、なぜこういう機能が必要なのかといえば、やっぱり生乳は傷みやすいということもあり、生乳の生産量や牛乳等の消費は、僅かな変動でもこの生乳需給というのは不足と過剰を繰り返す、それから、飲用向けの販売に集中した場合に乳価が暴落すると。そして、生乳の需給調整と安定供給、これは一体そういう中でどこが担うのかなということなんですけど、いかがでしょう。
  80. 枝元真徹

    政府参考人枝元真徹君) お答え申し上げます。  新制度におきましても、これまで同様、補給金の交付に当たりまして、需給変動も含めた生乳全体の需給を見込んだ上で、加工原料の需要量であります交付対象数量を示すことで、その数量が飲用、加工用の仕向け、また生乳全体の増減産に係る目安とすることとしてございます。その上で、改正法におきましては、現在の指定団体以外に出荷する者も補給金対象とすることによりまして、飲用向け一辺倒ではなく、乳製品向けにも販売する方向に誘導することができるというふうに考えてございます。  具体的には、補給金の交付を受けようとする事業者に対しまして年間販売計画の提出を義務付けまして、基準に適合する場合には、事業者ごとに交付対象数量を通知いたします。また、加工向けの実績を四半期ごとに確認いたしまして、計画に比べて実績が大幅に減少している場合には当該事業者の交付対象数量を削減いたします。これらによりまして、生乳需給の安定、生乳供給の安定を図る仕組みができているというふうに考えてございます。  政府といたしましては、制度を適切に運用することによりまして、生乳の需給の安定を通じた酪農経営の安定を図ってまいりたいと存じます。
  81. 紙智子

    ○紙智子君 暫定措置法を廃止したことによって、生産者団体が持っている機能、骨格が四つあったわけだけれども、条件不利地域の集乳はやれることになると思うんだけれども、全体としていえばこれ崩れているんじゃないかと思うんですよ。ですから、私はやっぱり需給調整はちゃんと国が見て責任を持つべきではないかというふうに思います。    〔理事舞立昇治君退席、委員長着席〕  次に、日EUEPATPP11についてお聞きします。  この間、北海道、群馬、茨城と、経営努力を行っている農家の話も聞いてきました。ある農家は四人家族で四十頭の牛を大事に飼って、牛乳、ヨーグルト、チーズを生産し、販売していると。良い牛乳は良い堆肥、土作りからだと言って、農薬を使わない牧草、飼料トウモロコシを作り、食べさせて、牛にも人にも優しい飼い方でこそ誰にも負けない品質の良いものができるんだと言っているんですね。ホルモン剤使ったり牛を酷使する米国の酪農を見てきたことがきっかけだったそうなんです。  そこで、自由化ですけれども、振り返ると、これ、TPPや日豪EPAはこうした農家からも国会決議守ったのかということで、そこに論点が一つありました。今や政府・与党は、国会の関与がなくなったかのように、TPPがスタンダードだと言って貿易交渉を続けているわけです。しかし、TPPに反対する多くの市民や農業関係者、そして基幹産業位置付ける自治体は、TPPの強行劇に至るその経過を忘れてはいないわけです。それなのに、国民を言わば置き去りにしたまま日EUEPATPP11を既成事実化しようという形ですよね。十二月八日に安倍総理は欧州委員会のユンケル委員長と電話会談して、日欧EPAの最終合意を確認したということが報道されました。  まずお聞きしますけれども、日本政府はこの日EUEPAのテキストをいつ公表するんでしょうか。
  82. 小泉勉

    政府参考人(小泉勉君) 今委員からお話ございましたとおり、日EUEPAにつきましては、先週金曜日、十二月八日に安倍総理と欧州委員会のユンカー委員長との間の電話会談を持ちまして、交渉の妥結、これは確認をいただいたというところでございます。  今お尋ねのございました協定のテキストについてでございますが、この協定のテキストそのものは今回の交渉の妥結の時点ではまだ確定をしておりませんで、この後、引き続き法的な精査等様々な作業を経まして、最終的には署名をもって確定をするということになるわけでございます。したがいまして、無用な混乱を招かないという観点から、政府といたしましては、現時点でのテキスト案そのものの公開は差し控えをさせていただいておるところでございます。  一方で、このEPAの内容につきましては、大枠合意、七月の頭の大枠合意以降、ファクトシートの作成、公表あるいは国内各地での説明会の開催等を通じまして説明を行ってきておるところでございまして、今後とも、できる限りの情報の提供、御説明をさせていただきたいというふうに考えておるところでございます。
  83. 紙智子

    ○紙智子君 大体、電話でやることかと。我々全然議論していないですよ。情報も出していないですよ。何で勝手に電話で決められるんですか。本当にこれひどい話だと思うんですよ。  それで、EUは十二月八日に交渉テキストはもうすぐ公開しているわけですよ。署名を終えたらやるという話したんだけれども、一体いつになるのかということを私たち待っていなきゃいけないわけですか。私は齋藤大臣に言いたいんですけど、是非農水大臣として、大臣のイニシアチブでこれを早く公開するように働きかけていただきたいんですけれども、いかがでしょうか。
  84. 齋藤健

    国務大臣齋藤健君) 内容については大枠合意のときに発表させていただいているわけであります。ただ、細かい多分文言のドラフティングというものに、向こうは何か国も何か国語もあるものですから、最終的なドキュメントにするには時間が掛かるというふうに認識していますが、私どもとしては、できるだけ早くそれは作成していただきたいというように思っております。
  85. 紙智子

    ○紙智子君 日本語でもやるんですね。
  86. 小泉勉

    政府参考人(小泉勉君) EUとの間におきましては、交渉そのものは英語で進めてきておりましたけれども、最終的な成果物になります協定の文書そのものは、日本語を含めまして、英語以外のEUのほとんど全ての公用言語も含めて正文となるということで了解をしておるところでございます。
  87. 紙智子

    ○紙智子君 そこで、乳製品についてお聞きします。  ソフト系のチーズは、乳脂肪四五%以上のクリームチーズ、モッツァレラ、ブルーチーズ、カマンベール、プロセスチーズ等五品目は、横断的EU枠を設定をして、初年度で二万トンから三・一万トンに拡大する、二九・八%の関税はこれは撤廃と、TPP水準を超える内容になっているんですね。  TPP水準でも国内生産に影響があるというふうに言われているのに、なぜ日EUEPAではTPPを超える水準をいとも簡単に認めたんでしょうか、大臣
  88. 齋藤健

    国務大臣齋藤健君) この日EUEPATPPの比較ということでありますが、乳製品品目ごとに合意結果が凸凹していて異なるわけでありますね。ですから、日EUEPAの合意内容がTPPより、それを深掘りしているとかしていないとかいうのは、乳製品全体で私はそういう指摘は当たらないと思っております。  具体的には、バターや脱脂粉乳等については、関税割当てをTPPに対しては七万トン、これは生乳換算ですけれども、のところを日EUEPAでは一・五万トンというふうにとどめておりますし、ホエーにつきましては、TPPに対しては関税撤廃をしているということでありますけれども、日EUEPAではTPPにおける初年度の関税水準の三割を維持するという結果になっているわけであります。  チーズにつきましては、ハード系チーズ等はTPP日EUEPA共に関税撤廃しましたけれども、共に長期の撤廃期間を確保しております。ソフト系チーズについては、TPPで関税維持や撤廃、削減となったものも含めて、日EUEPAでは横断的な関税割当てという形で設定をしたということになっておりますので、TPP日EUEPA、それぞれの貿易実態、あるいは貿易の関心を踏まえたものとなっているわけでありまして、単純に比較ができるというものではないと思っております。
  89. 紙智子

    ○紙智子君 いろいろバランス取っているんだという話だと思うんですけれども、TPPの協定の際には物すごい議論になったわけですよね。何の歯止めもなくTPP以上の合意を簡単にしたと、しかも、従来の一括全分野合意ではないわけですよ。EU枠を設定したというふうに言っても、これ乳製品の国境措置を緩和すれば国内の生乳生産に影響が出るというふうに思うんですね。  政府は、飲用向けと乳製品向けの消費は五年後に逆転するとこれまで言ってきたわけです。飲用向けは平成三十七年には三百五十九万トンになるんだと、乳製品向けは三百八十五万トンに増えて、これ逆転するんだというふうに見込んでいるわけです。そうすると、乳製品の市場というのは、これ貿易の自由化で競争が激化するんじゃないかと思うんですね。  そして、乳製品を扱う業界というのは、やっぱり為替相場や輸入価格を見ながらこの原料の調達先を考える動きが進んでくるんだと思うんです。輸入価格でいうと、キログラム当たりオーストラリア三百六十三円とかニュージーランドが三百七十五円とか、その他いろいろドイツとかオランダとかとあるんですけれども、輸入業者から見ると調達先はTPP諸国、それからEU諸国まで広がるということで、どんどん安くしていくという方向になるわけですね。そうすると、生乳生産から撤退せざるを得ない酪農家が増えることになるんじゃないか、それ避けられないんじゃないかと思うんですよ。  で、乳製品のこの国境調整措置の緩和、撤廃が進んで、乳価の下落、生乳生産の縮小、不足するこの乳製品の輸入拡大といった悪循環に陥るんじゃないかと。これ、いかがでしょうか。
  90. 齋藤健

    国務大臣齋藤健君) 今回のEUとの合意は、牛乳乳製品については、ソフト系チーズは関税割当てにとどめたし、脱脂粉乳、バターは国家貿易を維持したこと等によりまして、当面、輸入の急増があるということは見込み難くて、国内需給への悪影響は当面回避できていると思っております。ただ、長期的には、競合する国産の脱脂粉乳あるいはチーズの価格下落等が生じることによりまして、加工原料乳価の下落も懸念をされるというふうに分析をしております。このような中、改訂されました総合的なTPP等関連政策大綱においては、だからこそ体質強化対策について、これまでの実績の検証等を踏まえた所要の見直しを行った上で、必要な施策を実施するというふうに決定をさせていただきました。  また、日EUEPAにより必要となるチーズを中心とする乳製品対策につきましては、累次お話しさせていただいておりますように、国産チーズ等の競争力を高めるとともに、その需要確保し、将来にわたって安定的に国産チーズ等の生産に取り組めるようにすること、あるいは原料面で原料乳の低コスト、高品質化の取組の強化、製造面でコストの低減と品質向上、ブランド化等を推進することとこの対策でされておりまして、これに基づきまして、具体的にこの補正予算含めて酪農分野の必要な対策にしっかり取り組んでいきたいというふうに考えております。
  91. 岩井茂樹

    委員長岩井茂樹君) 時間が過ぎておりますので、質疑をおまとめください。
  92. 紙智子

    ○紙智子君 今、当面は大丈夫だけれども、長期的には大変だという話で対策言われたんだけれども、必要なことは、やっぱり生産を支える、環境を支える、地域コミュニティーを支える、そういう意味では循環農業を確立するということが大事で、そのためにも、ヨーロッパで常識になっている乳価の下落対策、それから所得補償制度、これが求められているということを強調したいし、歯止めなき自由化交渉からは撤退すべきだということを申し上げて、質問を終わりたいと思います。
  93. 石井章

    石井章君 日本維新の会、石井章でございます。  今日は通告に従いまして質問をしたいと思いますが、もう既に藤木委員、小川委員、横山委員、紙委員から高度なところからの質問で、いろんな分野でのすばらしい質問が出た後なので、私の方は大分重なる部分もあるんですけれども、御容赦していただきたいと思います。  私は地元が茨城県でありまして、茨城県の県南、取手、生まれは龍ケ崎というところなんですが、元農林水産大臣では赤城宗徳さんという日本の戦後を支えた大臣を輩出したところでもあります。私は、毎日常磐線で来ていまして、松戸に通りかかると齋藤大臣の写真を見ながら登院している、そういう一人でもありますので、大臣、御丁寧な御答弁をお願いいたします。  私どもの茨城県というのは、農業生産高が全国でも第二位というところで、今日は北海道の面々の方々がいらっしゃいますので、北海道にはかなうわけもありませんし、ただ、その中で生産性の向上あるいは歩留りの向上を図って、三ちゃん農業から何とか抜け出そうと思って、クラスター事業なども私も地元で進めてはいるんですが、どうもそういう低所得者層あるいは三ちゃん農業にはそういうクラスター事業にはなかなか向かないということで、米作が減ってきて、じゃ余った土地をどうしようと、じゃ、それを思い切って地鶏とかそういったものに向けようじゃないかということも自分自身が一緒になって農家の方と今勉強しているところであります。  そういった中で我が茨城県は、畜産に関しましても平成七年には一千二十四億円の出荷高がありました。そして、米の方は、その当時は一千三百億以上あったんですが、今では六百九十億ぐらいに減っていますけれども、この畜産に関しては逆に一千二百九十億、いわゆる平成二十七年度ベースで一千二百九十億ということで、二割も出荷率が上がっているということの中で、特に平成十八年から、いっとき東日本大震災があって多少下振れしたりしたこともあるんですけれども、そういった中でもこの十年間の間は非常に顕著な伸びをしているということで、私も鳩山内閣のときの一期生の民主党の議員の一員として一生懸命その辺を地元でPRしながら農家のために活動してきたんですけれども。  今日は、茨城ということですから、上月政務官がいらっしゃっていますので、もう十年来の付き合いなんですけれども、上月さんも当時は茨城県の橋本知事の下で副知事としてこの畜産業に対して非常に力を入れられていたと。地元の方も、今ようやく茨城の方が農水の政務官として出た以上は期待しているということもありまして、冒頭でありますけれども、質問内容にはないんですが、この辺は答弁ももちろん御準備されていると思うので、上月さんの思いを、茨城で経験された思いを国全体で伸ばしてもらいたいと、そういうことで質問したいと思います。
  94. 上月良祐

    大臣政務官上月良祐君) 茨城で、大農業県の一つでありますのでいろいろ経験はさせていただきました。自分なりに、茨城県は園芸が非常に盛んなところでありますけれども、畜産も非常に大きいウエートを占めております。私は、その昔は鹿児島県にも六年間勤めておりまして、大畜産地帯でありましたので、そこでも勉強させていただいたりはしました。  現場をよく見て、現場の声をしっかり聞いて、それでやっていく必要があると思っておりまして、まだまだ勉強をしないといけないことがたくさんあると思っておりますので、委員長、理事始め委員の皆様方に御指導、御鞭撻いただきながら、大臣、副大臣支えて、役所を支えられるように、これからもしっかり働くことで、地域の農業と、茨城だけではなくて、地域全体、日本それぞれに特徴がありますので、その地域の農業を支えて、農業を行う農業者の皆さんを支えて、日本の農業が発展していくようにしっかり務めさせていただきたいと思います。
  95. 石井章

    石井章君 ありがとうございました。  それでは、通告に従いまして御質問したいと思います。  我が国畜産物、いわゆる生乳、肉用牛、豚、そういったもの、あるいは鶏肉ですね、その生産状況数字で見ている限りでは、若鶏と、あるいは卵を産む、卵の生産をするブロイラー、そういったものを除く生乳、肉用牛、豚の生産量は減少傾向でありまして、歯止めが掛からない状況であります。政府は畜産酪農対策について法改正政策価格に制度予算面など様々な諸対策を進めておりますけれども、残念ながら、生乳、肉用牛、豚肉などの生産減少を食い止めるまでには至っていないのが現状であります。  そこで、諸対策が有効に機能していない原因はどこにあるのか、また、対策そのものが生産者のニーズに合致していないのではないか、あるいは生乳、肉用牛、あるいは豚の生産減少の大きな要因について見解をお伺いいたします。
  96. 枝元真徹

    政府参考人枝元真徹君) お答え申し上げます。  近年、畜産物の生産量、概して減少傾向にはございますけれども、これは各畜種とも高齢化、また後継者不足等によりまして畜産の飼養戸数が減少して生産基盤が縮小しているということが主な要因だろうと思ってございます。このような状況に鑑みまして、現場のニーズを踏まえながら、畜産クラスター事業ですとかいわゆる楽酪事業などの各種事業を推進いたしまして、キャトルステーションや飼養規模拡大のための畜舎の整備、労働負担の軽減、省力化に対する機械導入繁殖雌牛や乳用後継牛の導入、増頭などの取組支援して、生産基盤の強化を図っているところでございます。  こうした取組で、平成二十九年では、先ほど委員おっしゃった中で肉用牛、豚については飼養頭数が前年を上回るということで、いい傾向も出てきているところでございます。
  97. 石井章

    石井章君 今、国内の全産業における高齢化の問題は、いわゆる農業分野だけじゃなくて、いろんな分野でも深刻となっております。酪農畜産業界においても顕著であります。  農水省の資料を参照しますと、酪農肉用牛生産経営から離脱する要因のトップが高齢化と後継者問題である。その割合は五割以上を占めております。その次の要因が経営者の事故等でありまして、十数%となっております。離脱要因が高齢化であることは明白でありますし、早急に高齢化や後継者不足への対策を講じることが急務でもあります。その抜本的な改善なくして、畜産物等の安定供給はなし得ないと考えております。  これはもう酪農だけじゃなくていろんな分野でそうなんですけれども、特にもう農林のスペシャリストの方々でありますから、どういったお考えがあるのか、まずお伺いしたい。大臣ですね、お願いします。
  98. 齋藤健

    国務大臣齋藤健君) 御指摘のように、我が省の調査によりますと、畜産酪農からの経営離脱要因は、いずれの営農類型におきましても高齢化、高齢者問題が一位となっております。酪農経営では四六%、肉用牛繁殖経営では六九%、肉用牛肥育経営では五七%がこの高齢化、離脱要因で挙げているわけであります。  したがいまして、畜産酪農の維持発展のためには後継者や新規参入を確保していくということが本当に重要な政策でありまして、このためには、設備投資の負担ですとか過重な労働負担を軽減をしていくということが大事なんだろうと思っております。  こうした観点から、畜産クラスター事業酪農経営生産向上緊急対策事業、いわゆる楽酪事業によりまして、離農農場等の既存施設を補修なり改修した上で新規参入者等に貸し付けることによりまして設備投資の資金負担を軽減する取組ですとか、省力化機械、搾乳ロボットですとか自動給餌機等ですが、この省力化機械の導入や外部支援組織、コントラクターやTMRセンター等になりますが、こういったものを活用して労働負担の軽減を図る取組、こういったものを支援させていただいているところであります。  また、農家に代わって飼養管理作業等を行う酪農ヘルパー及び肉用牛ヘルパーの確保を図るとともに、傷病時利用の負担軽減等に対する支援も行っているところであります。  こういったことを総合的に組み合わせていきながら、意欲ある後継者や新規参入者の確保に向けて、地域関係者の協力も得ながら実施をしていきたいというように考えております。
  99. 石井章

    石井章君 大臣のおっしゃるとおりでありまして、なかなか特効薬というのはないわけでありまして、複合的にたて糸、よこ糸を合わせながら、地元の協力を得ながら、特に栃木県の宇都宮等でも成功している事例などもありますので、そういったのを踏まえながらしっかり取り組んでいただければと思います。  また、別な角度から質問いたしますが、経営コストに占める飼料費の割合が極めて高いと、先ほど来御質問で出ておりました。経営者の努力のみでは補えなくなっておりまして、現在の酪農経営では飼料費の割合をいかに低く抑えるかが大きな課題となっております。  そこで、直近の肥育牛、あるいは生乳、肥育豚、養鶏などに占める飼料費の割合についてお伺いします。と同時に、飼料費の抑制に関する政府の取組、先ほど来おっしゃっておりますけれども、再度お伺いいたしたいと思います。
  100. 枝元真徹

    政府参考人枝元真徹君) お答え申し上げます。  我が国畜産生産コストに占める飼料費の割合でございますけれども、まず、直近の調査では、肥育牛で三四%、生乳で四六%、肥育豚で六三%、採卵経営及びブロイラー経営で六七%という割合となっております。  畜産経営安定のためには、この飼料費を低減させることは極めて重要でございますので、国産飼料増産、また国産飼料資源の有効活用、そういうことを図る必要があるというふうに考えてございます。このため、草地基盤整備や優良品種の活用によります牧草等の粗飼料生産拡大、農業競争力強化支援法に基づきまして、事業再編による配合飼料製造業の生産性の向上、食品残渣等を利用したエコフィードの利用拡大等の実施によりまして、更なる飼料利用効率の向上ですとか飼料費の低減を図ってまいりたいと考えてございます。
  101. 石井章

    石井章君 畜産物一キログラムを生産するのに必要な穀物量、いわゆるトウモロコシに計算しますと、従前より、牛肉が一キロ生産するのに約十一キロの飼料が必要だと、鶏卵では三キロ、鶏肉では四キロ、豚肉では七キロと言われておりますが、現在でもその数値に変化はないのか、また、肥育牛、生乳、豚、養鶏を製品として市場に出るまでにはそれぞれに粗飼料と濃厚飼料との比率があると思いますが、それをお伺いいたします。
  102. 大野高志

    政府参考人(大野高志君) お答え申し上げます。  畜産物一キログラムの生産に要する穀物の量の試算値でございますけれども、畜産物の生産にどの程度の飼料穀物が必要になるのかということをイメージを分かりやすくするために、トウモロコシの給与量に換算して試算し、しかも分かりやすくトウモロコシのキログラム単位で説明させていただいたものでございます。  実際の穀物の必要量ですけれども、家畜の育種改良ですとか飼養管理の改善、こういうことで改善してまいりますけれども、御指摘の数値変えるほどの大きな変化はないと、こういうことでございます。  また、畜種ごとの生産に係ります粗飼料と濃厚飼料の比率と量について、栄養量ベースでいきますと、肥育牛、去勢の和牛でございますけれども、一頭生産するのに二十か月掛かって、濃厚飼料が三千六百十キロ、粗飼料が四百九十九キロ必要でございまして、濃厚飼料の比率は八八%でございます。生乳は、搾乳牛一頭年間当たりで濃厚飼料が二千四百七十キログラム、粗飼料が二千二百四十三キログラムでございまして、濃厚飼料の比率は五二%でございます。肥育豚、それから採卵鶏、ブロイラー、いずれもほぼ全量が濃厚飼料でございますが、肥育豚では六・四か月で一頭当たり二百四十四キロ、採卵鶏では一羽当たり年間二十九キロ、ブロイラーでは四十九日で一羽当たり四キロと、こういう状況になっております。
  103. 石井章

    石井章君 平成二十三年度の農水省の資料をひもときますと、酪農については、北海道では粗飼料が五四・三%、濃厚飼料が四五・七%を占める、他の都府県では粗飼料が三七・〇%、濃厚飼料が六三%、肉用牛繁殖牛では粗飼料が五九・五%、濃厚飼料が四〇・五%となっておりますが、現在の飼料自給率については二十八年度概算で、粗飼料国産七八%、輸入が二二%、濃厚飼料国産一四%、輸入八六%でありまして、濃厚飼料は輸入に依存している状況にあります。  そのため政府は、これから先の見通しなんですけれども、平成三十七年度を目標に、粗飼料国産一〇〇%、濃厚飼料については国産を現在の一四パーから二〇%に引き上げることを掲げておりますが、目標を達成するためのスキームについてお伺いします。また、平成三十七年度における肥育牛、生乳、肥育豚、養鶏など、飼養数はどのような数値となっているのかをまずお伺いしたい。
  104. 大野高志

    政府参考人(大野高志君) お答え申し上げます。  平成二十七年三月に策定いたしました食料・農業・農村基本計画におきまして、飼料自給率、平成二十五年度二六%から三十七年度までに四〇%まで向上させることを目標として国産飼料増産に向けた各般の施策実施してきているところでございます。  こうした中で、牧草等の粗飼料の自給率につきましては、二十五年度の七七%から三十七年度には一〇〇%に引き上げることを目標といたしまして、具体的な施策として、草地基盤整備や優良品種の活用等による生産性の向上水田を活用した稲発酵飼料、稲WCSでございますが、青刈りトウモロコシ生産拡大等の取組を実施しているところでございます。  また、穀物等の濃厚飼料の自給率につきましては、平成二十五年度の一二%から三十七年度には二〇%に引き上げることを目標として、飼料用米、それから子実トウモロコシ等の国産濃厚飼料生産、利用の拡大、それから食品残渣等を利用しましたエコフィードの利用の拡大、こういった取組推進しているところでございます。  なお、家畜改良増殖法に基づきます平成三十七年度におきます各畜種の目標飼養頭数でございますが、肥育牛も含めた肉用牛が二百五十二万頭、乳用牛は百三十三万頭、肥育豚を含めた豚は九百五万頭、卵用鶏は一億六千七百万羽、肉用鶏、ブロイラーでございますが、一億三千五百万羽と設定しているところでございます。
  105. 石井章

    石井章君 農水大臣は去る特別国会において所信を表明しましたが、その中で、東京オリンピック・パラリンピックの機会を生かして日本食や国産食材の魅力を世界にアピール、海外での消費拡大を図りたいと言われておりました。また、オリンピック後の輸出拡大に奏功するよう、農産物のGAP認証の取得等の取組を進めようとしております。  そこでお伺いしますが、GAPについてお伺いします。  平成二十九年三月現在、我が国でGAPの認証を得た生産者数は四千五百と政府の資料で示されております。その生産者へのGAP導入による経営改善効果に関する調査結果では、従業員の自主性の向上七〇%、販売先への信頼五六%、資材の不良在庫の削減五四%など経営改善に関して一定の効果があることが分かります。  政府も、多くの農業者や産地が取り入れることにより、結果として、持続可能性確保や競争力の強化並びに品質の向上など農業経営の改善や効率に資するとともに、消費者や実需者の信頼の確保が期待されるとしてGAP認証を積極的に奨励し更に進めていくべきだとしておりますが、その推進については政府はどのように主導していくのか、具体的な方策をお伺いします。
  106. 枝元真徹

    政府参考人枝元真徹君) お答え申し上げます。  GAPの取組及び認証取得の推進は、国産農産物の二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会への供給のみならず、輸出拡大、また農業人材の育成など、我が国の農業競争力の強化を図る観点からも極めて重要であると考えてございます。  このため、農林水産省では、GAPの取組につきまして、平成三十年度中に指導員数を全国で一千名以上育成確保すること、あとGAP認証の取得につきまして、平成三十一年度末までに平成二十九年四月時点の三倍以上、一万三千五百経営体以上の認証取得、及び日本発GAP認証の仕組みが国際承認を得ることを目標に必要な取組を推進してございます。  このGAP認証の取得推進につきましては、認証取得の拡大に対応するための無償で指導可能な指導員の育成確保、また、審査コストの削減や審査員の確保、認証取得による経営改善効果の明確化、流通・小売事業者等の理解増進等が課題というふうに考えられます。これらの課題に対応するために、都道府県等に対する指導員、審査員の育成支援、団体認証の推進によります審査コストの削減や認証取得費用への支援、優良事例表彰によります認証取得の効果の周知、食品製造、小売等のフードチェーン全体でGAPの価値を共有するための会議の開催等を進めているところでございます。
  107. 石井章

    石井章君 GAPについては、いわゆる農家方々が認識が政府側と一致していないところがありまして、実は有機農法とかそれから無農薬やっている農家がGAPが取りやすいような認識を持っておる方もいたんですが、いろいろ調べたところ、決して、それとこれは別問題だという説明を受けたんですけど。  そういったことで、次の質問に移りたいと思うんですけれども、実際にGAP認証を得たことで経営改善に効果があったという意見が多いわけですけれども、具体的に生産効率や営業収益、いわゆる品質向上などはどのように向上しているのか。また、政府は、GAP認証を積極的に企業に奨励し推進するならば、その効果について精査、検証をすると。それを積極的に、そして開示をするということは、まず、いわゆる企業体に向けてはこういったGAPもいいとは思うんですけれども、例えばオリンピック村で、有機農法で今まで培ってきた、例えばアイガモ農法で全然農薬使わないでやってきた農家の米が入れるかといったら、入れないということなんですね。  そういったことを踏まえて、今後の取組、現状についての考え方をお伺いします。
  108. 枝元真徹

    政府参考人枝元真徹君) 委員御指摘のとおり、GAPは農業生産におきまして食品安全、環境保全、労働安全等の持続可能性確保するための生産工程管理の取組でございまして、自らの経営改善にもつながるものでございます。そういう意味からすると、有機とかとはまた違う取組でございます。  GAPを実践しております八十九農場に対するアンケート調査結果によりますと、GAPの効果として、従業員の責任感や自主性の向上を挙げたのが七〇%、販売先への信頼を挙げた方が五六%、資材の不良在庫の削減を挙げたのが五四%等々経営上のメリットとして挙げられてございます。  こうした中で、例えば新潟の農業法人では、作業責任者、従業員が自主的に業務を効率化するように考え、実行するようになったことから、水稲一ヘクタール当たり作業時間が二四%低減しているという例がございます。また、大分県のJA生産グループでは、GAP認証の取得していることを取引先にアピールすることで、新たな取引先への信頼確保により販路拡大につながっているというふうに言ってございます。  農林省としては、今委員いろいろ御指摘いただきましたとおり、今年度から未来につながる持続可能な農業推進コンクールを実施いたしまして優良な取組事例を表彰することとしておりまして、こうした取組を顕彰し紹介することによりまして経営改善効果等のメリットを広く周知して、GAPの普及拡大に努めていきたいと考えてございます。
  109. 石井章

    石井章君 経営の効率化あるいは歩留り良くする、これは経営にとって大切なことでありまして、農業だけでなくて、ほかの産業分野でも必要でありますけれども、ただ、今まで日本の農業を支えてきたのは、先ほど赤城先生の話しましたけれども、昔はじいちゃん、ばあちゃん、父ちゃん、母ちゃん、みんなで農業やっていた。ところが、ああ上野駅じゃありませんけれども、みんなで集団で東京に出稼ぎに来たために三ちゃん農業から二ちゃん農業になって、二ちゃん農業から、今は地方でスーパーができれば母ちゃんはパートに行く一ちゃん農業になってしまった。だから、食っていけないし、GAPなど取るといってもなかなか難しいというのもよく理解していただきたいと。  最後に大臣に、これは質問というか要望を兼ねた決意をしていただきたいんですけれども、我々日本維新の会は、TPP11に関しては賛成の立場で、TPP議論に関しても賛成の立場で来ました。これは政府の立場を考慮するとかじゃなくて、日本の国益、日本の農家を守るための議論はすべきだということで大前提があります。  ということは、いろんな情報があれば、先ほど小川委員からもいろんな話もありましたけれども、できるだけ情報を公開……
  110. 岩井茂樹

    委員長岩井茂樹君) 時間が過ぎております。質疑をおまとめください。
  111. 石井章

    石井章君 はい。開示してもらって、一緒にそういった議論を深めていきたいと思いますが、最後に大臣の御答弁をお願いします。
  112. 岩井茂樹

    委員長岩井茂樹君) 答弁は簡潔にお願いいたします。
  113. 齋藤健

    国務大臣齋藤健君) 当然のことながら、できる限り情報公開に努めて議論に資するように努力していきたいと思っております。
  114. 石井章

    石井章君 ありがとうございました。
  115. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 希望の会(自由・社民)、自由党の森ゆうこでございます。  畜産振興のための獣医療提供体制充実について伺いたいと思うんですけれども、大臣、今日質問しようと思いましたら、十二月四日に開かれました、農林水産省の食料・農業・農村政策審議畜産部会が開催されております。資料はいただきました。しかし、議事録がまだ上がっていないと。せっかく専門家が議論されていると、この審議にそれこそ反映すべきなんですよ。何回か催促をいたしましたけれども、議事録が上がっていないということで。資料は見ましたよ、私がこれから質問しようとするこの家畜衛生に関して、獣医師の問題、関連する資料、実は一番何か分量多いんじゃないかなと思うんですけれども。  やっぱり、先ほど、今の石井さんの質問に対する答弁で、情報公開の徹底というお話もされました。日欧EPAそしてTPP11に関してもそうですけれども、やはりまずはきちんと国会に情報開示する。もちろん国民にも情報開示をすることを徹底していただきたいと思いますし、それは審議に間に合うように迅速にやっていただきたいというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。
  116. 齋藤健

    国務大臣齋藤健君) 食料・農業・農村審議会の審議の議事録について、私、責任ある答弁するためにはちょっと確認をする必要があるんですけれども、どういう状況になっているか、今ちょっと初めて伺ったものですから確認する必要があるんですけれども、委員の合意を得ないとなかなか議事録は公表できないとかそういう事情があるのかもしれませんが、できる限り努力をしたいと思いますし、本件についてはちょっと事情を確認させていただきたいなと思います。
  117. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 いや、質問するつもりなくて、先ほど理事会でも御提言申し上げたんですけれども、速記録でいいんですよ、速記録で。やっぱり、ここでせっかく専門家の先生方に集まっていただいているわけですから、そういう審議会の議事録というのは速やかに私どもに開示していただかないとどのような議論があったか分かりませんので、きちんとそういうことをやって徹底していただきたいと思います。公開しないと言っているわけじゃないんですよ。まだ上がってきていないと、業者から。そういう説明なんですが、でも、十二月四日ですよ。遅いんじゃないですかということを申し上げているんです。  とにかく、議事録がない、記録は廃棄した、記憶がない、このオンパレードでしたからね、今年は。もう国会の審議にならないんですよ。とんでもない話だというふうに思います。  大臣には後で獣医師の問題について御決意を伺いますけれども、先週、この農林水産委員会、そして続いて文科と内閣の合同審査会で確認をさせていただきました。その続きやらせていただきたいと思いますけれども、村上さん、来ていただいておりますけれども。  それと、資料はいろいろちょっと私も欲張りまして、今回、かなりのページ数に上っておりますが、一から四までありますけれども、三のところが、東京新聞、これはなかなかの力作でして、これ全部じゃないんですよ、ごく一部なんです。三から数枚は東京新聞のこの加計問題に関する記事でございます。  特に、八月、国会が終わって、閉中審査も終わって、八月になってから、議事録は全てオープンになっていて一点の曇りもない、そう説明してきた安倍総理、そして国家戦略特区、この説明を根底から覆す、発表されていた議事要旨が改ざんされていた。そして、直して出してきた議事録にも、当初から、最初の会議から加計学園が出席していたにもかかわらず、説明補助者と言って透明人間のように消してしまったと。いろいろ質問しても答えない。これおかしいですよ、どう考えても。  それで、改めて先週の未定稿に基づいて確認をいたしますけれども、まず一―一です、資料。この赤線、傍線引いた部分じゃなくて、その上の段ですけれども、左端二行、村上さんですよ。教員の確保数字について説明をいただいたのは、提案者の今治市でございます。今治市が責任を持って出している数字を我々は信用して議論をしてございまして。どこで議論したんですか。どこにその議事録があるんですか。それ以上でもそれ以下でもないと同時に、それ以外の説明を説明補助者、つまり加計学園ですね、説明補助者から聞いてもございません。聞いてもございません。これは強い否定ですね。聞いてもございませんなんですか、村上さん。
  118. 村上敬亮

    政府参考人村上敬亮君) 六月五日のやり取りについてお尋ねを頂戴をいたしました。  先般、国会でも改めて御説明させていただいたとおり、教員確保の見通しにつきましては資料の中で説明を受けまして、事務局として紙からそういう説明を受けたという状況でございます。それ以上でもそれ以下でもないというのは、この紙による説明を受けたということ以上でも以下でもないということでございます。  我々での議論ということは、これは必ずしも会議の場だけでなく、事務局その他いろいろな場で議論をするときに紙で受けた説明を基に議論しているという趣旨でございます。
  119. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 いや、だからここに議事要旨、参考として出しているじゃないですか、未定稿を。この委員会の未定稿ですよ。これは内閣委員会です。その次のページは、田村智子さん、日本共産党の田村智子さんに対する答弁、内閣委員会、十二月五日。  そして、資料の一―二は、それを受けて私がこの議事録の内容を確認している。一―二、これが、先週、村上さんがお答えになったことなんですよ。今の説明、全然違いますよ。教員の確保数字について説明をいただいたのは、提案者の今治市でございます。説明したと言っているじゃないですか。数字を我々は信用して議論をしてございましてと言っているじゃないですか。言っているじゃないですか。それ以上でもそれ以下でもないと同時に、それ以外の説明を説明補助者から聞いてもございません。何でこうやって完全に否定できるんですか。本当に、本当に加計学園の幹部三人が教員の確保について一言も説明をしなかったんですか。言明できるんですね。
  120. 村上敬亮

    政府参考人村上敬亮君) 申し訳ございません。加計学園の当日の発言については記録もございませんので、あるかないかを明確に確認することはできない状態でございます。
  121. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 いや、ここで聞いてもございませんとはっきり言っているじゃないですか。断言しているじゃないですか。記録あるんでしょう。記録がなかったらここまで言えませんよ、記録がなかったら、ないという記録がなかったら。記録を見れば発言しないことが分かるわけだから。聞いてもございません、ここだけの断言ができるわけですよね。  そして、どこで議論したんですか。議論しているって何回も言っていますよ。信用して議論しているんでしょう。ちなみに、その提案者のペーパーというのは三ページ目にありますよ、このカラーの。そこの真ん中の枠のところに、国際水準の獣医学教育コアカリキュラムの実施、必要な教員(七十二名程度)を確保って、これがその資料のことなんです。この資料に基づいて説明をし議論をしたと再三言っているじゃないですか。  次のページの未定稿にもそのことが書いてありますよ。その後もいろいろな段階で議論する中でそういう意向を確認させていただいてございますとかね。それを私の指摘を受けて言い換えちゃったんですけれども、そんなこと許されませんよ。  それで、資料の三の方なんですけれども、これが東京新聞の記事でございます。赤い線が引いてあります、三―一。獣医学部設置の相談を受けている、今治市には岡山理科大獣医学部を設置したいと加計学園の相談役が発言したということであります。発言したんじゃないんですか。発言したんじゃないんですか、教員の確保じゃなくて、まず獣医学部設置をしたいと。岡山理科大獣医学部を今治に設置したいと学園幹部が発言したんじゃないんですか、この日に。
  122. 村上敬亮

    政府参考人村上敬亮君) お答え申し上げます。  当日の説明補助者の発言については、記録が残っていないため、あったかないか確認できないという状況でございます。
  123. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 余りいろいろ変えると、また来年、その発言の信憑性問われて、今度はまたちょっと勘違いしましたってもう言えなくなりますよ、法案の審議も掛かりますからね。今日はそういう、何と言ったらいいのかな、まあ野党にとってみれば、人質がないと言ったらいいのかな。それで済ませられると思っているのかもしれませんけど。全部矛盾しているじゃないですか、この間言ってきたことが。  私の質問に対しても、五月二十五日に藤原審議官が、議事録はそのときに議論したもの全てでございますと。削除などはさせていただいたものでは全くございません。佐々木事務局長も、てにをは以外は事実のまま書いていますと。そこまで言っておいて、説明補助者だからもう既に削除したと。おかしいですよ。  それで、委員長、与党の筆頭理事に私ここで質問したいんですけれども、これが分かるのは八田座長しかいないんですよ。御自分の方針でどなたを議事録に載せる載せない、そういう話をしているわけですから。何回も参考人として呼んでくださいとお願いしております。しかし、与党が同意してくださいませんで、肝腎の責任者であるこの審議の八田座長、今日までこの場に呼んでくることができておりません。その理由をちゃんと公開の場で堂々と与党としてお答えいただきたいと思います。
  124. 岩井茂樹

    委員長岩井茂樹君) ただいま御質問のありました参考人の出席に関する件につきましては、理事会で協議すべき事項であると考えます。  本日の理事会におきましても協議が行われましたが、まだ一致を見ていないところでございますので、委員長といたしましては、引き続き協議を見守らせていただきたいと思っております。  本日は、畜産物価格等に関する対政府質疑でございますので、政府に対する質疑を続行していただきたいと思います。
  125. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 私、通告したと思いますよ、前の前ぐらいに。堂々とおっしゃればいいじゃないですか、別に、こういう理由で八田座長を呼べないんだということを、非公開の場じゃなくて。堂々とおっしゃればいいと思いますよ、与党はということを申し上げたいと思います。きちんと参考人呼ばないと、真実が分かりませんので。  それで、先ほどの三―一に、東京新聞、下の段の赤線のところですけれども、「質問した委員の本間正義・西南学院大学教授は「今治市に獣医学部を作るのは加計学園という認識だった。その認識がないのに先生何人集まるのとは聞かない」」ということで、本間先生は加計学園に対してワーキンググループでお聞きになったということなんです。  ところが、皆さんにお配りした資料、一―四から始まりますこの日の、平成二十七年六月五日、ワーキンググループヒアリングの今度これ議事録だそうですよ、議事録。これ見てくださいますか。一―八というところ、これが今出てきた本間委員です。本間委員、個人的には非常にいいプランといいますかと、いろいろおっしゃっているんだけれども、本間委員質問がありません。何かただ言って、尻切れとんぼになっております。ということは、この後で、本間委員は加計学園に対して教員の確保について質問をされたんですね。
  126. 村上敬亮

    政府参考人村上敬亮君) お答えを申し上げます。  公式な記録である議事要旨や議事録は、公式な発言を記録するものでございます。正式な出席者が行った公式な発言の内容は、議事に入る前の公開の可否を確認する場面を除き、全て議事要旨に掲載をしてございます。  他方、この本間先生が該当すると思いますが、説明補助者とのやり取りは、ワーキンググループ委員の発言も含めて非公式な発言でございまして、議事要旨や議事録には掲載してございません。また、この掲載の内容については、提案者の了承も得てこのような形としているものでございます。  このため、御指摘の点に対する発言についてはお答えをすることができない、記録がございませんということでございます。
  127. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 発言したことは分かっているんですね。質問したことは分かっているんですね。ただ、答えられないということなんですか。質問したことは分かっているんですね。だって、本間さんが堂々とこういうふうにインタビューに答えているじゃないですか。  質問したんですね、質問していないんですか、どちらですか。
  128. 村上敬亮

    政府参考人村上敬亮君) 専ら説明補助者とのやり取りにつきましては、非公式な発言ということで載せていない場合がございます。  したがいまして、説明補助者とのやり取りである場合、確認をできないというケースがございます。
  129. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 いや、それで、全然分からないじゃないですか、どういう議論が行われたのか。おかしいでしょう。まあ否定されなかったということは、あったということでよろしいですね。あったんですね、否定、完全否定しませんでしたから。さっきは完全否定したじゃないですか、してもおりませんって。  質問していないんですね、教員の確保について本間さんが。
  130. 村上敬亮

    政府参考人村上敬亮君) お答え申し上げます。  説明補助者に対してどのような質問があったかにつきましては、あわせて説明補助者とのやり取りは、非公式な発言となるため確認ができません。  以上でございます。
  131. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 まあ、なければないで、まあまあ認めているんですけどね。  それで、その下のこの一―八なんですけれども、ちょっとマーカー引かせていただいた、阿曽沼委員、三点ほど確認、質問させてくださいということで、三点質問しているんですね。ところが、その下、山下地域振興局長、これは、民設民営と公務員獣医師ということしか答えていないんですよ。四国四県でのバリア連携とか、その後の今回の獣医学部設置におけるカリキュラム等での特徴は何でしょうかとか、これ大体答えられるわけないですよね、自治体が、カリキュラムの特色なんて言ったって。これについては答えが書いていないんですよ。  ということは、村上さん、当然答えはあるわけですから、ここの答え、書いていない部分というのは、いわゆる説明補助者が答えたということでよろしいですか。
  132. 村上敬亮

    政府参考人村上敬亮君) お答え申し上げます。  繰り返しになりまして大変恐縮でございますが、説明補助者とのやり取りにつきましては、ワーキンググループ委員の発言も含めて非公式な発言でございまして、議事要旨や議事録には掲載してございません。また、こうした形での掲載の内容については、提案者の了承も得てございます。  したがいまして、御指摘の点については、確認が今の時点でできないということでございます。
  133. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 それを、今の答弁を全面的に否定する関係者の証言がこの東京新聞の一連の記事に集まっております。これ、重大なことですよ。  国家戦略特区、総理の強力なリーダーシップで五十二年続いてきた強力な岩盤を突破する、そのためには、そのプロセス、お友達に便宜を図ったんじゃない、そういうことがはっきりと分かるようにプロセスを透明にする、国家戦略特区運営の基本方針、閣議決定までしているじゃないですか。閣議決定違反だし、法律違反ですよ。  そして、行政をねじ曲げた、お友達のために行政をねじ曲げた。これだけ動かぬ証拠を全部突き付けているのに、まだ認めないんですか。まだ認めないんですか。どこに一点の曇りもないんですか。真っ黒じゃないですか。総理のお友達、安倍友事件なんですよ、これは。国家の私物化って言うのよ、こういうのは。独裁と言うんですよ。これ、また年明け、もうこれオープンにしましょう。おかしいでしょう。  それに、一番最後に付けているんですけれども、何でしたっけ、説明補助者はいなかったことにするという一般則。一般則じゃないですよ、そんなの。これ、総合資源エネルギー調査会総合部会、経産省ですけど、ちゃんと電気料金専門委員会、ここに八田委員と書いてあるのは八田達夫座長のことですよ。八田さんも出席しているじゃないですか。でも、左が東京電力説明補助者、説明補助者、説明補助者。  そして、この議事録を読みますと、説明補助者の発言もきちっと記録されていますよ。だって、それは削除しちゃったら議論が全然読んでいても分かりませんもん。どうですか。
  134. 村上敬亮

    政府参考人村上敬亮君) 他省庁の所管の委員会のものでございますが、私の方で確認できた範囲のことを御説明申し上げます。  この電気料金審査専門会合は、傍聴人が大勢来られる、本来、完全公開の会議でございます。電力会社の出席者につきましては、これは正式な委員長の招請を受けて説明をすることで最初から呼ばれている者でございまして、職位に応じて電力会社側は説明者と説明補助者、中立的なオブザーバーは、オブザーバーという呼称を呼び分けるために便宜的にこういう名称を使って正式な出席者としてお招きをし、記録をすることが前提の会議の運営であるということでございます。これにつきましては、私どもとは違う運用をしている会議というふうに理解をしてございます。
  135. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 くだらない答弁で時間、無駄遣いしましたね。もういいですよ。まあ、うそついているということはもうみんな分かっているから。  それで、問題は、文科省ですよ、設置審。これ、質の保証できるんですか、これで。大学改革、今、私が省内会議つくってやったときと全然違う方向に行っていますけど、大学改革実行プラン。だけど、それにしても質の保証というのが大きなテーマだったんですよ。  皆さんにいろいろ資料をお付けしたんですけれども、BSL、厚労省の説明と文科省の説明が食い違っていて、それでも言い張っている、説明だとね。これ、細かくやろうと思ったんですけれども。その次、二―二。二―二っていうところあるんです。  これ、その次に、資料的には二―四というところに大学設置審、警告とありますね。もう出し直せと、全然駄目だと。これ第二次でも大変重要な指摘がありまして、二―十三のところでこう書いてあるんですよ、「人獣共通感染症に関する内容を学ぶ実習がないため、設置の趣旨を踏まえて当該科目を必修科目として開講すること。」。まともな設置認可申請書になっていないということじゃないですか、これ。  そして、皆さん資料のこの二―十三の指摘を受けて、そこで二―二が出てくるわけですよ、九月にね。で、何て書いてあるか。この真ん中の辺りの四角です。これは、(3)人獣共通感染症学実習とあって、(新設)と書いてありますね。大学設置審の指摘を受けて、そもそも売りにしていたほかの大学ではやっていない人獣共通、もう笑い話ですよ、共通感染症の、そういうのができる人を育てるという触れ込みだったわけですが、そういうのがないねと、設置の趣旨に照らしても。だから、つくりなさいと言われて、新設。  でもね、私、これホームページで見て唖然としましたよ。その下の括弧のところ、①対象動物の種類、バイオセーフティーの安全管理手技を実践・修得することが目的であるので、人獣共通感染症学実習では動物は使わず、全てインビトロ、これ、何か試験管でという意味らしいんですけど、のシミュレーション実験とする。また、ABSL2、P2動物実験では、ダミーのシミュレーション動物(縫いぐるみ)を用いるので、生きた動物は使わない。  これで、ほかの東大とか北里とかできない、従来の大学ではできない進んだその獣医学教育できるんですか。文科省、それ、質の保証できるんですか。
  136. 松尾泰樹

    政府参考人(松尾泰樹君) お答えいたします。  先生御指摘の設置審における警告、それから是正でございますけれども、基本的に一次審査の際に警告が付される件、これは毎年数件あるわけでございます。適切に改善が行われれば、これは認可ということになるのが一般でございます。  加計の本件につきましても、先生御指摘の問いの警告、それから是正意見が付されたわけでございますけれども、大学設置・学校法人審議会における審査におきまして、今回の獣医学部の設置の趣旨を踏まえて人獣共通感染症に関する実習も必修に加えるということで意見が付されたわけでございますが、その大学において適切に対応がなされ、最終的には設置審の方から可とする旨の答申が出されたというふうに承知をしてございます。
  137. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 どうもありがとうございました。  東京新聞、三―五、そして三―六の新聞の記事でございますけれども、「「加計審査で圧力」証言」、「座長に訴訟リスクあると言われた」、もう認可の答申出さざるを得なかった。その次、「認可「忸怩たる思い」」、当初計画は、今お話あったように、専門家が作ったとは思えず。でも、今私が紹介したあの縫いぐるみで云々かんぬんは、当初計画じゃないですよ。
  138. 岩井茂樹

    委員長岩井茂樹君) 時間が過ぎております。質疑をおまとめください。
  139. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 第二次、第二次の、もう一回やって、全然直っていないねと。設置の趣旨に関しても動物の実験がないねということに厳しく指摘されて、科目を新設し、そして縫いぐるみでやるんですって。こんなので、使える獣医師育つんですかね。  ということを指摘し、そして、この設置審の議事要旨、専門委も含めて全て公開すべきということを申し上げて、質問を終わります。
  140. 岩井茂樹

    委員長岩井茂樹君) 本件に対する質疑はこの程度にとどめます。     ─────────────
  141. 岩井茂樹

    委員長岩井茂樹君) 舟山君から発言を求められておりますので、これを許します。舟山康江君。
  142. 舟山康江

    ○舟山康江君 民進党・新緑風会の舟山康江です。  私は、自由民主党・こころ、民進党・新緑風会、公明党、日本共産党、日本維新の会及び希望の会(自由・社民)の各派共同提案による畜産物価格等に関する決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     畜産物価格等に関する決議(案)   我が国畜産酪農経営は、高齢化、後継者不足などにより、飼養戸数、飼養頭数が減少するなど生産基盤の弱体化が懸念されており、畜産クラスター取組等による生産基盤の強化を通じた経営の安定と競争力の強化、労働負担の軽減が喫緊の課題となっている。また、日EU経済連携協定及び包括的及び先進的な環太平洋パートナーシップ協定(CPTPP)については、畜産物の輸出国との間で厳しい競争を余儀なくされる生産者には、将来への懸念と不安が広がっている。   よって政府は、こうした情勢を踏まえ、平成三十年度の畜産物価格及び関連対策決定当たり、次の事項の実現に万全を期すべきである。  一 地域農業・地域社会を支える家族経営や法人経営といった多様な畜産酪農生産基盤の維持・拡大を図るため、組織的な生産体制の整備、畜産物の付加価値向上、良質かつ低廉な飼料等の供給等の取組を通じて、魅力ある持続可能な経営が実現できるよう、十分な所得を確保し得る実効性のある施策を実施すること。  二 政府が公表した本年七月の日EU経済連携協定の大枠合意、本年十一月の包括的及び先進的な環太平洋パートナーシップ協定(CPTPP)の大筋合意についてその詳細を検証し、国民に情報を開示するとともに、適切な定量的影響評価を行うこと。  三 各般の経営安定・安定供給のための備えを通じて、関税削減等に対する生産者の不安と懸念を払拭し、確実な経営安定を図るとともに、体質強化対策を着実に実施することを通じて、収益力・生産基盤を強化し、我が国の高品質な畜産物の新市場開拓を推し進め、畜産酪農の国際競争力の強化を図ること。その際、実施した対策の効果を検証し、適宜必要な見直しを行うこと。    特に、国産チーズ等については、その競争力を高めるとともに需要確保するための措置を講ずることにより、生産者が将来にわたって安定的に生産に取り組める環境を整備すること。  四 加工原料乳生産者補給金制度については、平成三十年四月一日からの新制度における年間販売計画の審査等を適正に実施し、生産者間の不公平が生じない公正な補給金制度の確立を図るとともに、生産現場等に対しては新制度の周知徹底を図ることはもとより、生産者等が行う各種事務手続の変更については、現場に混乱が生じないよう、相談、指導を適切に行い、円滑かつ迅速に事務処理が進むよう指導すること。  五 加工原料乳生産者補給金単価、総交付対象数量については、酪農家経営努力が報われ、営農意欲が喚起されるよう、再生産確保を図ることを旨として適切に決定すること。また、集送乳調整金単価決定については、条件不利地域における集送乳が、安定的かつ確実に行われるよう十分留意すること。  六 酪農家の労働負担の軽減のため、搾乳ロボット、ミルキングパーラー、哺乳ロボットをはじめとする省力化等に資する機械・装置の導入をはじめ、乳用後継牛預託施設、集合搾乳施設、家畜排せつ物処理施設の整備等を図ること。また、酪農ヘルパーの人材確保・育成、利用拡大に対して支援を行うこと。  七 牛肉・豚肉の安定価格及び肉用子牛の保証基準価格等については、需給動向、価格の推移、子牛価格の高騰等を十分勘案し、畜産農家経営安定に資するよう、再生産確保を図ることを旨として適切に決定すること。  八 肉用牛肥育経営安定特別対策事業牛マルキン)・養豚経営安定対策事業(豚マルキン)の補填率の引上げ、豚マルキン肉用牛並みの国庫負担水準引上げ及び肉用子牛の保証基準価格の算定方式の見直しについては、畜産農家経営状況等を踏まえ検討を加え、その結果に基づく所要の措置を早期に実施すること。  九 畜産酪農生産基盤の強化、とりわけ肉用子牛の繁殖基盤の強化と乳用後継牛の確保を図るため、地域関係者が連携・協力し、地域全体で畜産の収益性を向上させる畜産クラスター等について地域の実情に合わせた多様な展開を強力に推進すること。また、高能力な家畜を生産するための家畜改良や、牛の個体識別情報活用の効率化・高度化の推進、肉用牛繁殖肥育一貫経営地域内一貫生産への支援を更に強化すること。    また、生産基盤の脆弱化が懸念される都府県における酪農については、需要に応じた生乳生産確保されるよう地域性を踏まえた生産基盤の強化措置等を講ずること。  十 配合飼料価格安定制度については、畜産酪農経営の安定に資するよう、同制度に係る補填財源の確保及び借入金の計画的な返済を促すことにより、制度の安定的な運営を図ること。  十一 輸入飼料への過度な依存から脱却し、国産飼料生産基盤に立脚した力強い畜産酪農経営の確立を図るため、飼料用米・稲発酵粗飼料を活用した耕畜連携、草地改良の推進、TMRセンター・コントラクターの機能高度化、放牧の推進、子実用とうもろこし等の生産・利用の推進、エコフィードの利用の拡大等へ財源を十分に確保し、支援を更に強化すること。  十二 国産畜産物の輸出に当たっては、オールジャパンでの戦略的で一貫性のあるプロモーションの企画・実行等による海外需要の創出に取り組むとともに、輸出先国・地域の衛生条件を満たす食肉処理施設の整備促進や畜産GAPの取得の推進、輸出先国・地域の多角化のために動物検疫協議等を戦略的に実施すること。特に、原発事故等を要因とする各国・地域による輸入規制については、その撤廃・緩和を強く申し入れること。  十三 原発事故に伴う放射性物質に汚染された稲わら、牧草及び牛ふん堆肥等の処理を強力に推進するとともに、牧草地の除染対策、原発事故に係る風評被害対策に徹底して取り組むこと。  十四 畜産経営に大きな被害を及ぼす口蹄疫や高病原性鳥インフルエンザ等の家畜の伝染性疾病等については、飼養衛生管理基準の遵守に向けた指導、迅速かつ正確な診断体制の整備、野生動物における伝染性疾病の監視、水際での防疫措置等による発生予防・まん延防止対策を徹底すること。また、獣医師の職域・地域偏在を解消するため、産業動物獣医師の処遇改善方策の導入支援や臨床研修の充実等により、その確保及び資質の向上を図るとともに、家畜の伝染性疾病等に係る風評被害防止等の観点から、国民に対して正確な情報を迅速に伝えること。    右決議する。  以上でございます。
  143. 岩井茂樹

    委員長岩井茂樹君) ただいまの舟山君提出の決議案の採決を行います。  本決議案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  144. 岩井茂樹

    委員長岩井茂樹君) 全会一致と認めます。よって、本決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、齋藤農林水産大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。齋藤農林水産大臣
  145. 齋藤健

    国務大臣齋藤健君) ただいまの御決議につきましては、その趣旨を踏まえ、適切に対処してまいりたいと存じます。
  146. 岩井茂樹

    委員長岩井茂樹君) 本日はこれにて散会いたします。    午後四時五十九分散会