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金子(恵)
委員 ありがとうございます。
本当に頑張っています。
原発事故で避難休業していた
酪農家五戸による共同
経営方式での牧場運営がなされています。当然、国の
予算、東
日本大震災
農業生産対策
交付金を活用して
施設整備をしたということでありまして、
畜産経営の再開、そして、本当に
畜産の復興に向けた
取り組みの
一つの事例となっています。
そしてまた、
肉用牛では、東白川郡の塙町の株式会社JA東西しらかわグリーンファーム、これも
取り組みとして挙げられているということでありまして、こちらの方も
平成二十七年度の東
日本大震災
農業生産対策
交付金を活用しているということです。
このような
交付金をしっかりと活用していただいて、そして
畜産の本当の
意味での復興というものがなされることを心から願ってやまないわけでございます。
しかし、一方では、やはりことし避難指示が解除されている自治体、そして
地域においてもまだまだたくさんの課題があって、
畜産経営の本当のゴールにはたどり着かないということであります。道のりは本当に長いというふうに
思います。
そういった中で、そろそろもう一年もたつところでありますが、福島県
酪農業協同組合「県酪だより」一月号に掲載された宗像代表
理事組合長の年頭の御挨拶の
一つ一つの言葉というのは、本当に重要なものだというふうに私は感じています。
まずは、組合の四十九戸の
酪農家はいまだに避難休業を強いられておりますということです。そして、そろそろ一年がたつということですけれども、いまだに四十九戸、やはりこの戸数は変わらない、避難休業中であるということです。
そしてまた、宗像組合長はこの御挨拶の中で次のように述べられています。朗読させていただきますが、「県内すべての
酪農家におかれましても、
生乳の放射性物質検査や自給
飼料生産の制限などが継続されており、カリ過剰による乳牛の健康被害も発生するなど、
酪農家の精神的・経済的
負担は軽減することなく、
酪農生産基盤に甚大な被害をもたらしています。」課題が多いということです。
そこで、カリ過剰牧草の影響についてでありますけれども、牧草地で牧草
生産のためにカリ施肥による放射性物質の吸収抑制対策を行うと、牧草中のカリウム濃度が高くなって、そして、それを給与された乳牛にカリ過剰による健康被害が発生する可能性があると農水省は言っています。
実際に、実害として病死した牛があるというような報告もありましたが、いろいろな
調査を昨年されて、それで、何件かの中では、因果関係がやはりわからない、実際にこのようなカリ濃度が高いことによっての病死なのかどうかということが立証できないというようなケースもあったということであります。
ただ、私、ここで言えるのは、そうはいっても、立証できなかったとしても、やはりこのような方策をとらなくてはいけなかった。農水省の資料でもこのように書かれているんです。カリの施肥後に
生産される牧草はカリウム濃度が高くなり、牛の病気である周産期病、これは乳熱、ダウナー症候群等や、グラステタニーの原因となる可能性があることから、牧草中のミネラル濃度の確認や、給与量の
調整、
飼料の急激な切りかえを行わない等の対応が必要である、これは農水省の資料であります。ですので、しっかりと対応をしていかなくてはいけないんです。
このような中、実際に、
酪農家の
方々、
皆さん畜産、
酪農を再開しようと頑張っていらっしゃるけれども、このような課題があるということで、やはり精神的にも苦痛であろうかというふうにも
思います。
実際に、牛がカリウム過剰の影響等を受けないように、病気の原因となる可能性等をしっかりと周知する必要があった。それは、私は、なされてきたというふうには理解しているところではありますけれども、なかなかそれが、本当に機能してきたかということが懸念されるところでありまして、予防的な措置をしっかりと進めていく、これに尽きるというふうにも思っています。
福島県の
農林水産部も、
農業技術情報第五十四号で、ことしの三月の十三日に発出されていますけれども、二十九年産牧草の放射性セシウム吸収抑制対策というものを出しておりまして、その中で、このことについて注意喚起をしているんです。
しかし、注意喚起をしていても、実際に、本当に予防がなされているのか、このことについても私たちは、福島県民としては、あるいは
畜産、
酪農にかかわる人たちにとっては大変大きな大きな問題だというふうに思っております。
大臣の御所見をお
伺いします。