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辰巳孝太郎君 私は、
日本共産党を代表して、二〇一七年度
一般会計予算外二案に対して反対の討論を行います。
まず、森友疑惑であります。
国有地の払下げが異例ずくめの経過によって鑑定額の九億五千六百万円から八億二千万円も値引きをされた問題です。世論調査でも圧倒的多数の
国民が
政府の
説明に納得をしておりません。
疑惑の焦点の一つは、この値引きが適切だったかであります。
現地のボーリングデータなどの客観的データからは地下九・九メートルに埋設物が出てこないことは明らかであり、過大な値引きであったと言わざるを得ません。
国民の
財産を恣意的な見積りで売却したことの責任は重大です。
二つ目は、政治家の関与です。
森友学園籠池理事長によって、自民党
国会議員始め、大阪では
与党である維新の会所属議員にも小学校建設を進めるため執拗な働きかけが行われました。また、三月二十三日の
証人喚問では
安倍総理夫人とのやり取りが判明し、ますます疑惑は深まっています。疑惑の真相解明のためには、
総理夫人始め値引き交渉に関わったとされる酒井弁護士、そして森友側からの要請を受け規制緩和を進めた松井知事などの
証人喚問が不可欠です。
与党は、疑惑解明をとの
国民の声に応え、いまだに提出をされていない決裁文書などの公文書を公にし、引き続き
予算委員会の開催に合意することを強く求めるものであります。
三つ目は、
森友学園の教育内容の問題です。
幼稚園児に教育勅語を暗唱させるという戦前回帰の教育に共感し、この特異な教育を小学校にまで広げることを
総理夫人や政治家が応援をした、これは教育の根幹にも関わる問題です。
総理自身も、一時期ではあってもそれらに共感を得ていたという道義的責任は免れません。
財務省、国交省、そして大阪府が一体となってこの国有地払下げに汗をかいてきた、この問題、
日本共産党は引き続き真相解明に全力を尽くす決意であります。
予算案に反対する理由の第一は、アベノミクスの破綻のしわ寄せを
国民に押し付け、暮らしを一層苦しめる
予算だからであります。
国内需要の六割を占める個人消費は二〇一五年、一六年と二年
連続、実質
賃金は四年
連続のマイナスです。一方、内部留保は三百八十六兆円にも達しています。我が党はそれらの
社会的還元を迫る改革を提案をしてきました。
中小企業への
支援を強めながら、
最低賃金は全国一律千五百円を目指す、正規
雇用が当たり前で、八時間働けばまともな暮らしができる
雇用のルールを確立してこそ
経済の好
循環が生まれます。
ところが、
安倍内閣の働き方改革は、経団連の主張で月百時間もの時間外労働を法律で許容し、裁量労働制の拡大、高度プロフェッショナル制度の導入で残業代ゼロの働き方を広げようとしています。これら労働基準法の大改悪を断じて許すわけにはまいりません。
反対の理由の第二は、不要不急の大型公共事業、原発再稼働や核燃料サイクルを推進し、しがみついていることであります。
安倍政権は、自己資金で賄うことを前提に認可されたリニア新幹線に対し、
財政投融資から総額三兆円の貸付けを行うとしています。環境破壊、技術や安全性への問題も
指摘されているリニアの建設を進めることは許せません。また、高速増殖炉「もんじゅ」の
廃炉は当然です。一兆円もの費用を投じた失敗を認め、原発の再稼働も核燃サイクルも断念し、再生可能エネルギーの開発と普及に大幅にかじを切ることを強く求めます。
反対の理由の第三は、
日米同盟第一の立場で異常な米国追随を更に強め、過去最高の軍事費
予算など、戦争する国づくりを進めていることであります。
自衛隊PKO日報隠蔽問題では、稲田
防衛大臣が憲法九条に違反するからと戦闘を衝突と言い換える
答弁を繰り返しました。駆け付け警護まで付与して
南スーダンに自衛隊を派遣したことがPKO五原則にも憲法九条にも反することを認めるものであります。稲田
防衛大臣の責任は重大であり、即刻
辞任をすべきであります。
日本共産党は、
国民の
財産を不当に売り払い、憲法をじゅうりんし、
国民の内心をも捜査の
対象とする共謀罪まで推し進めようとする
安倍政権の暴走に対し、市民と野党の共同で対峙する決意を述べ、反対討論といたします。(拍手)