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国務大臣(麻生
太郎君) まず基本的に、今言われたこの種の一連の
数字というのの中で、いわゆるマネタリーベースが増えている割にはマネーサプライが増えない、これ一番の問題です。じゃ、それをどうしてそうなったかと、そのまたもとがあって、デフレです。デフレは別に悪いわけじゃないんであって、デフレで不況もあればデフレで好況もありますから、デフレ不況が問題なんです。
デフレ不況が長く続いたんですが、これは多分、歴史的には一九九〇年以降始まったと多分言うんだと、歴史家はそう書くんだと思いますが、それからかれこれ二十数年間、我々はデフレというものを、戦後の世界では、少なくとも大東亜戦争、さきの第二次世界大戦が終わってから後、デフレーションによる不況というのを経験した国は世界中にありません。したがって、日本は初めて経験しましたので、経験した人が我々の先人にはいない。高橋是清が
最後ですから。
したがって、
対策を間違えた。日本銀行も間違えた、金融収縮をやったんですから。もちろん財政も同様にインフレ
対策をやったわけですから、不況だと思って。いつもの不況だと思ってインフレでやったんですが、インフレ
対策をもってデフレに充てたんですから、更に悪いことになった。結果として銀行はばたばた潰れて一九九七年の騒ぎになった。取付け騒ぎが起きるようになった。
まあ北海道拓殖銀行なんという都市銀行が潰れ、長銀が潰れ、日本債券信用銀行が潰れ、三洋証券が潰れ、山一が潰れて、もう軒並み潰れましたから、一九九七年、八年。えらい騒ぎになって、いわゆる取付け騒ぎが起きなかったのは、まだまだ、取付け騒ぎに似たようなものは起きましたけど、そういう騒ぎになっていった一連の状況の中から、我々はさらに、こういった状況は、間違いなく景気を良くするためにはGDPを増やさないかぬ。GDPを増やすとなったら、個人消費を増やすか設備投資を増やすか
政府支出を増やすか、この三つが大きなポイントですから、その三つのうち二つが止まっていますから。
したがって、三番目の財政というところで出動する以外、
政府支出を増やす以外手がないんではないかと。これ、
西田説の裏を私が
説明する必要はないんですけれ
ども、あなたが
説明手を抜いているから、それを
説明をしないでそこだけ行くから話がみんな何かえらいおかしなことに聞こえますけれ
ども、そこは正しいですよ、間違いなく。問題は、そこらのところに行くための手口として、我々としてはいろいろなことを考えて、少なくとも、やり方はいろいろありますけれ
ども、まずは日本銀行さん、済みません、金融政策間違えられたんですから金融は緩和していただきますというので、当時、白川さんとの間に協定を作らせていただいたのが五年前の一月だったと記憶しています。
それで、続きまして、財政の方で、これは財政は機動的に出動するのであって、財政均衡よりはまず財政を機動的に出動させない限りは一、二、三番目の
政府支出が伸びませんからというので、何せその前はコンクリートから人へとかいう説を唱えられて、その前の前任者がセメント屋だったことに対する当て付けかと思わないでもありませんでしたけれ
ども、そういった時代が続いたんですよ。
結果としてどうなったかといえば、よく言われる公共工事でいえば、公共工事が一番多かったのは小渕
内閣の十四兆五千億だったと記憶するんですね、あのとき、十六兆五千億か、十六兆五千億だったと思います、補正も入れて。それが
最後の野田
内閣のときは五兆切っていましたから、そこまでずうっと下がっていったんですよ、間違いなく公共工事は。
政府支出が出ないということですからね、それだけ。それは間違いなく。
というので、我々の代になりまして、この五年間、公共工事は少しずつ少しずつ、少なくとも底を打たしていただいて、やっと今五兆台まで乗っかってきつつある、五兆台を超えてきて今六兆近くまで上がってくるところまでやらせてきていただいたんだと思いますが、そういったことをやりながらも、我々はそれを財投だけでやったんじゃないんです、我々は。財政投融資でやれば、どんどんどんどん国債更に発行してということをやるのではなくて、新規の国債は十兆円仮にもう減らして、そしてその他のものでいろいろ補ってやらせてきていただいたのがこれまでの経緯なんだと思っております。
したがって、両方やらないかぬ。財政のバランスもやらないかぬ、かつ経済成長もやらないかぬ。じゃ、どっちが大事かといえば経済成長です、経済成長の方が大事、これはもうはっきりしています。
したがって、経済成長を大事にしながらそこそこバランスよくやらないと、ばんばんばんばん刷りますと今度は国の信用がなくなりますから。日本は別に、国債を海外で買ってもらっている比率は一二%ぐらいだと思いますが、これは海外の人たちも全部円で買ってもらっていますから、自国通貨だけで発行している国債ですから、それはほかの国の国債とは全然
意味が違いますから。アメリカとそれからイギリスとスイスと日本ぐらいだと思いますが、国債を自国通貨だけでやっている国というのはほかに、あっ、スウェーデンがあったかな、それぐらいのものだと記憶しますので、そういった
意味ではほかの国とは事情が全然違いますが。
それにしても、日本という国はそういった状況をきちんとやって、プライベートブランドじゃなくてポケベル、ポケベルだとかプライベートブランドだとか言われていましたよ、最初の頃は。違います、これはプライマリーバランスなんですとやっと最近
説明しなくてもいいような時代になるほど、プライベートブランドじゃないという、定着するところまで来たんですって、やっと。私
どもはそこまで来て、これを少なくとも、今少しずつその目標に向かって走っているところなんであって、やっとできっこないと言われた半分のところまで来たんですよ。(発言する者あり)ね、来たんですよ、半分のところまで、これ、来っこないと言われた半分まで来ましたから。残り半分をやらないと、さっき言われた金利の部分が残っていますから、まだ増える。それを達成するまだ手前の
段階ですから、そこの
段階でここまで行かせていただくというんで、何らかの目標を持っておかないと、これはざざ漏れになるような、放漫になるのはちょっと問題だと思います。