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2017-07-25 第193回国会 参議院 予算委員会 閉会後第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二十九年七月二十五日(火曜日)    午前九時開会     ─────────────    委員の異動  六月十六日     辞任         補欠選任      阿達 雅志君     朝日健太郎君      古賀 之士君     小西 洋之君      小池  晃君     山下 芳生君      福島みずほ君     山本 太郎君  六月十九日     辞任         補欠選任      高木かおり君     石井  章君  七月二十日     辞任         補欠選任      上野 通子君     堀井  巌君      古賀友一郎君     青木 一彦君  七月二十一日     辞任         補欠選任      青木 一彦君     古賀友一郎君      堀井  巌君     上野 通子君  七月二十四日     辞任         補欠選任      風間 直樹君     礒崎 哲史君      小西 洋之君     浜口  誠君      藤末 健三君     平山佐知子君      宮沢 由佳君     蓮   舫君      矢田わか子君     櫻井  充君      若松 謙維君     河野 義博君      大門実紀史君     小池  晃君      石井  章君     石井 苗子君  七月二十五日     辞任         補欠選任      礒崎 哲史君     野田 国義君      蓮   舫君     宮沢 由佳君      山下 芳生君     井上 哲士君      山本 太郎君     森 ゆうこ君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         山本 一太君     理 事                 石井 準一君                 中泉 松司君                 二之湯 智君                 長谷川 岳君                三原じゅん子君                 福山 哲郎君                 舟山 康江君                 竹谷とし子君                 辰巳孝太郎君     委 員                 青山 繁晴君                 朝日健太郎君                 有村 治子君                 上野 通子君                 太田 房江君                 こやり隆史君                 古賀友一郎君                 酒井 庸行君                 高橋 克法君                 中西 健治君                 中山 恭子君                 長峯  誠君                 三宅 伸吾君                 元榮太一郎君                 山田 修路君                 山田  宏君                 吉川ゆうみ君                 渡邉 美樹君                 礒崎 哲史君                 櫻井  充君                 杉尾 秀哉君                 野田 国義君                 白  眞勲君                 浜口  誠君                 平山佐知子君                 宮沢 由佳君                 蓮   舫君                 河野 義博君                 浜田 昌良君                 平木 大作君                 宮崎  勝君                 井上 哲士君                 小池  晃君                 山下 芳生君                 浅田  均君                 石井 苗子君                 森 ゆうこ君                 松沢 成文君    国務大臣        内閣総理大臣   安倍 晋三君        財務大臣        国務大臣        (内閣特命担        当大臣(金融)        )        麻生 太郎君        総務大臣        国務大臣        (内閣特命担        当大臣(マイナ        ンバー制度))  高市 早苗君        外務大臣     岸田 文雄君        文部科学大臣        国務大臣     松野 博一君        農林水産大臣   山本 有二君        国土交通大臣        国務大臣     石井 啓一君        環境大臣        国務大臣        (内閣特命担        当大臣(原子力        防災))     山本 公一君        防衛大臣     稲田 朋美君        国務大臣        (内閣官房長官) 菅  義偉君        国務大臣        (内閣特命担        当大臣規制改        革、地方創生)        )        山本 幸三君    内閣官房長官        内閣官房長官  萩生田光一君    副大臣        財務大臣    大塚  拓君    事務局側        常任委員会専門        員        小野 亮治君    政府参考人        内閣官房内閣審        議官       横田 真二君        内閣法制局長官  横畠 裕介君        内閣府政策統括        官        海堀 安喜君        内閣地方創生        推進事務局長   河村 正人君        総務省自治行政        局選挙部長    大泉 淳一君        外務省アジア大        洋州局長     金杉 憲治君        文部科学省高等        教育局長     義本 博司君        林野庁長官    沖  修司君        国土交通省水管        理・国土保全局        長        山田 邦博君        海上保安庁長官  中島  敏君        防衛大臣官房長  豊田  硬君        防衛省統合幕僚        監部総括官    辰己 昌良君    参考人        前愛媛県知事   加戸 守行君        前文部科学事務        次官       前川 喜平君        内閣総理大臣補        佐官       和泉 洋人君        内閣府前地方創        生推進事務局審        議官       藤原  豊君        元内閣総理大臣        秘書官      柳瀬 唯夫君        国家戦略特区ワ        ーキンググルー        プ委員      原  英史君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○参考人出席要求に関する件 ○予算執行状況に関する調査  (安倍内閣基本姿勢に関する件)     ─────────────
  2. 山本一太

    委員長山本一太君) ただいまから予算委員会を開会いたします。  政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  予算執行状況に関する調査のため、閉会中必要に応じ政府参考人出席を求めることとし、その手続につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 山本一太

    委員長山本一太君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。     ─────────────
  4. 山本一太

    委員長山本一太君) 参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  予算執行状況に関する調査のため、本日の委員会に前愛媛県知事加戸守行君、前文部科学事務次官前川喜平君、内閣総理大臣補佐官和泉洋人君内閣府前地方創生推進事務局審議官藤原豊君、元内閣総理大臣秘書官柳瀬唯夫君及び国家戦略特区ワーキンググループ委員原英史君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 山本一太

    委員長山本一太君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  6. 山本一太

    委員長山本一太君) 予算執行状況に関する調査についての理事会決定事項について御報告いたします。  本日は、安倍内閣基本姿勢に関する集中審議を行うこととし、質疑往復方式で行い、質疑割当て時間は二百八十五分とし、各会派への割当て時間は、自由民主党こころ七十二分、民進党・新緑風会七十八分、公明党四十分、日本共産党三十八分、日本維新の会二十七分、希望の会(自由・社民)十五分、無所属クラブ十五分とすること、質疑順位につきましてはお手元質疑通告表のとおりでございます。     ─────────────
  7. 山本一太

    委員長山本一太君) 予算執行状況に関する調査を議題とし、安倍内閣基本姿勢に関する集中審議を行います。  これより質疑を行います。青山繁晴君。
  8. 青山繁晴

    青山繁晴君 皆様、おはようございます。自由民主党こころ青山繁晴です。党利党略のためでなく、ただ国益のためにこそ、不肖ながら質問いたします。  参考人方々におかれましては、参議院に足をお運びいただき、感謝いたします。  最初に、九州北部豪雨災害犠牲者に魂からのお悔やみを申し上げます。さらに、現在進行形北部九州秋田を始めとする東北、さらに大雨被害拡大のおそれが高まる新潟、北陸の皆様にも最善の救援をお誓いいたします。こうした被災地国民におかれましては、国会でこのような審議を行う、そのこと自体に内心でお怒りではないかと思います。一人の国会議員としておわび申し上げます。  国土交通大臣にお尋ねいたします。  今国民が心配しているのは、気候変動によって起きている短時間での集中豪雨にこれまでの治水の在り方では対応できていないのではないのかということではないでしょうか。被災地の現在の苦しみを繰り返さないために新しい治水をどうなさるのか、お答えください。
  9. 石井啓一

    国務大臣石井啓一君) 本年も、九州北部豪雨秋田県を中心とした東北地方豪雨等により、今多くの被害が発生をしております。今後、気候変動影響によりまして更に大雨頻度降水量が増大をし、水害頻発化、激甚化することが懸念をされております。このような災害に対しましては、施設では防ぎ切れない大洪水は発生するものとの考えに立ちまして、社会全体で洪水に備える水防災意識社会の再構築の取組ハードソフト一体となって進めることが重要であると考えております。  具体的には、特にハード対策中心に申し上げますが、洪水氾濫を未然に防ぐためのハード対策といたしまして、堤防整備河道掘削等を着実に推進をする取組ダム再生等既存ストック最大限に活用する取組等地方部河川も含めて強力に進めてまいります。  今後とも、国土交通省現場力最大限に活用いたしまして、水害から国民生命財産を守るため、全力を挙げまして防災減災対策に取り組んでまいりたいと考えております。
  10. 青山繁晴

    青山繁晴君 総理にお尋ねします。  治水を含む防災もまた国家危機管理であります。安倍政権の本来の使命、天命として取組お答えください。
  11. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) まず、今回の大雨による河川氾濫土砂災害によりお亡くなりになられた方々の御冥福をお祈りしたいと思います。御遺族に対して哀悼の意を表します。また、負傷された方々、被災された全ての方々にお見舞いを申し上げます。  政府としては、引き続き行方不明者の捜索に全力を尽くすとともに、地方自治体と力を合わせてインフラの復旧や被害者皆様の一日も早い生活再建に向けて全力で取り組んでまいります。  今般の大雨による災害を始めとして、これまで何十年に一度とされてきた大規模災害が近年は全国各地で毎年のように発生しているところであります。今後も、気候変動影響により、台風の強大化豪雨頻度増加等自然災害の更なる大規模化懸念されているところであります。このような事態を踏まえて、危機管理の問題として社会全体で自然災害に備えるべく、河川氾濫を防ぐ対策を強力に進めていくとともに、氾濫した場合にも被害を軽減する対策や、地域住民への水害リスクや取るべき避難行動周知等の総合的な取組地方自治体一体となって推進をしているところであります。  今後とも、国民生命財産を守るため、ハードソフト一体となった総合的な防災減災対策に徹底して取り組み、国土強靱化を進めていく所存でございます。
  12. 青山繁晴

    青山繁晴君 さて、愛媛今治市に岡山理科大学獣医学部新設する件をめぐって昨日も衆議院予算委員会が開かれました。  恐縮ながら、まず前川参考人にお尋ねします。  前川参考人におかれましては、和泉総理補佐官と会われたときの印象を、加計学園ありきだったと主張される上での大きな根拠になさっています。  その会われた日時について、昨日の小野寺議員質問へのお答えで昨年九月九日の午前十時頃とおっしゃいました。ところが、その同じ小野寺議員に九月九日の午後三時頃と、大幅に時刻が変わりました。さらに、大串議員には再び九月九日十五時とおっしゃいました。しかし、前川参考人が六月三日に毎日新聞インタビューを受けられた際には、九月五日午前十時二十五分に和泉補佐官と会ったとおっしゃっています。昨年の九月九日ではなくて、この場合、九月五日です。今度は日にちも違います。また、時刻はなぜか午前に戻っています。毎日新聞の紙面によれば、前川参考人は、御自分スケジュールを管理なさっているスマートフォン記者にお示しになりながら、昨年九月五日午前十時二十五分にアポイントが入ったとおっしゃっています。  恐縮ながら、一体どれが本当なのでありましょうか。お答え願えますか。
  13. 前川喜平

    参考人前川喜平君) 御質問ありがとうございます。  獣医学部新設の件で和泉総理補佐官最初に呼ばれましたのは、昨日衆議院予算委員会で申し上げましたとおり、九月九日の十五時頃でございます。これが正しい日時でございます。その日のうちの二十時頃にはその様子につきまして高等教育局専門教育課を呼びまして伝達したという経緯がございます。十時頃と最初に申し上げたのは、これは言い間違いでございます。  また、メディアのインタビューで九月五日というふうに言ったこともございましたけれども、これは、手元記録と記憶に基づきまして再確認しましたところ、この日に和泉補佐官から呼ばれましたのは産業革命遺産情報センターの件であったということでございます。これは私の単純ミスでございます。
  14. 青山繁晴

    青山繁晴君 今、前川参考人がおっしゃったとおり、当然言い間違いというのはあり得ると思います。ただし、やはり社会の見方は、文科省の前の事務次官でいらっしゃいますから、常に正確に記録に基づいておっしゃっていると国民は思いますので、この神聖な国会審議において信憑性に疑問を持たざるを得ないような御答弁はやっぱりいかがなものかと思います。  一方で、前川参考人は昨日の質疑では率直なお答えもなさっています。それは、加計ありきということを事務次官として総理に直接お尋ねになったのではなくて、また、和泉総理補佐官との面会でも、加計学園にしなさいと言われたのではなくて、前川参考人の持たれた印象としてそうだろうと思われたということをきちんとお話しになりました。そして、和泉補佐官と会われた日、今、前川参考人がいみじくもおっしゃったとおり、その日の夜八時頃に文科省高等教育局専門教育課に対して和泉補佐官からこのような話があったと伝えたとおっしゃったわけです。つまり、文科省内総理の御意向によって加計ありきで決まってしまっているという情報省内につくられたのは前川参考人、あるいは当時の前川事務次官、それもあくまで御自分印象根拠にしてのことではありませんか。  前川さんは、和泉補佐官は、総理自分の口からは言えないと、言えないからとおっしゃったと証言なさり、一方、和泉補佐官はこれを全否定なさいましたが、いずれにしても、和泉補佐官加計と言ったという話は前川さんの主張においてもないわけですから、したがいまして、例えば、以下は仮にの話ですけれども、前川さんがお会いになった中に木曽功さんという加計学園理事を務められ、あるいは同じように文科省先輩でいらっしゃる方もいらっしゃいますから、そういう方と会われた印象でこのような加計ありきという前川さんの主張の一番大事な部分がつくられたんではないですか。そこ、いかがでしょう。つまり、具体的な証拠に基づいておっしゃっているのか、そうでないのかということです。
  15. 前川喜平

    参考人前川喜平君) 私の理解では、初めから加計ありきでございました。  私、和泉補佐官に呼ばれる以前に、八月の二十六日でございますけれども、内閣官房参与であり、かつ加計学園理事である、文部省の先輩でもあります木曽功氏の訪問を受けたわけでありまして、その際に今治獣医学部新設の件をよろしくと言われたと、こういう経緯がございます。これは間違いなく加計学園獣医学部を早くつくってほしいという、こういう御要請であるというふうに受け止めたわけであります。  また、その後ですね、担当課である高等教育局専門教育課からその時点での経緯説明してもらいましたけれども、その説明におきましても、懸案となっているのは今治における加計学園獣医学部の問題であると、こういう認識を文部科学省全体として持っておりましたし、これは内閣府も共有していたと思っております。  また、九月九日に和泉氏に呼ばれまして、私が国家戦略特区獣医学部を早くつくれるようにしてほしいと、こういう御要請を受けた際に、今、青山先生がおっしゃったようにですね、総理自分の口からは言えないから私が言うのであると、こういうお話がございました。これは私はどう受け止めたかと申しますと、一般的に規制改革スピード感を持って行えという趣旨であればこういうせりふは出てこないわけでありまして、総理がおっしゃっているからやりなさいと、こういう話になるわけであります。総理自分の口からおっしゃれないということであれば、これは親友である加計孝太郎理事長の学校のことであると、それを早くしなさいと、そういう趣旨であるというふうに受け止めたわけでありまして、私は、このようなことからですね、その時点におきましてもこれは加計学園のことであるということは明確に理解したわけであります。  また、その後ですね、文部科学省の者が内閣府から伝達された事項、これはペーパーになって残っております。これは私はもう極めて信憑性の高いものだと思っておりますけれども、九月の二十六日に内閣府の藤原審議官から伝達を受けた事項、この中に、今治獣医学部について平成三十年四月開学を前提に最短スケジュールを作るように、これは官邸最高レベルの言っていることであると、こういう記述がございます。また、十月に入ってから、内閣府に対して文部科学省懸念事項を伝えた際に、その回答として、これもペーパーに残っておりますけれども、開設の時期について、つまり三十年四月という開設の時期について、これも今治というのはこのペーパーの中から明らかでございますけれども、今治獣医学部開設の時期については総理の御意向であると聞いていると、こういう藤原審議官言葉が記されている。  さらには、これもまた信憑性の高い文書だと思っておりますけれども、十月二十一日の日付の入っております萩生田官房長官発言概要というペーパーがございます。この中でも、総理は三十年四月開設とお尻を切っていたと、こういう言葉が入っておりまして、こういったいずれの資料から考えましても、私が九月九日に得た理解というのは正しかったというふうに思っております。
  16. 青山繁晴

    青山繁晴君 今丁寧にお話しいただいたんですけれども、要は今まで前川参考人がおっしゃってきたことと寸分たがわぬ、同じであります。  それで、今の証言の中に加計という言葉は実は一言も出てこないんです。それは愛媛今治市に、今まで空白だった四国に獣医学部を早期につくる、そして、最短で来年の春につくるということは繰り返し、その根拠になっていることを根拠とされた側は国会質疑で否定なさっているわけですけれども、でも、それは言った言わないの話にもなるから、それをおいておいても、もう一度言います、前川参考人の話に一度も加計という話は出てこないんです。だから、加計ありきという言葉はむしろ、言い方は厳しいですけれども、むしろ前川さんの胸の中で加計ありきであって、これを一般的に言うと、残念ながら思い込みと言わざるを得ないんです。  さて、昨日の答弁につきましては総理にも一点お尋ねしたいことがあります。総理は、特区加計学園申請していることは今年一月の特区諮問会議で初めて知ったとおっしゃいました。もし違っていたら、後でおっしゃってください。  昨日の質問では、総理出席国家戦略特区諮問会議がそれまで何度も開かれて、何度もという言葉はなかったですね、開かれているのだから知らないはずはないという御指摘がありました。そこで、議事録や事実経過を調べてみました。不肖ながら記者出身でありますから、関係者にも複数当たっていきました。  そうすると、例えば皆様がお読みになれる議事録で申せば、一月二十日の国家戦略特区諮問会議、これは十九分間行われているんですけれども、この会議山本大臣から、御出席山本大臣から、獣医学部新設についても、ちょっと中略します、本事業が認められれば昭和四十一年の北里大学以来我が国では五十二年ぶりの獣医学部新設が実現しますと。全ての、これを含めたほかの項目もありましたから、今治もほかの項目ありましたけれども、ほかの項目について関係大臣の同意を得ております、これらにつき御意見等はございますでしょうかとお話があって、議事録によると異議なしの声があって、それはそこで終わっているわけですね。実はこの会議でも、議事録を拝読する限りは加計学園という名前は出てこないんです。  しかし、関係者によれば、総理は事前の事務方のブリーフィングで加計に決まったことを知り、そして、関係者の一致した証言によると、総理はこれまで、今治市が特区に指定され、その前に名のりを上げて指定され、そして獣医学部の話があることは御存じであったけれども、そこに加計学園申請していることは知らなかったというふうに関係者が、複数の関係者がおっしゃっています。  この経緯総理、この経緯で正しいでしょうか。日本最高責任者としてお答え願います。
  17. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 改めて、私がいつ何をどのように知ったかということについて御説明をさせていただきたいと思います。  まず、大前提として、獣医学部新設提案者は、構造改革特区でも、その後の国家戦略特区においても、自治体である今治市であり、加計学園ではありません。  今治市からの提案は、平成十九年の福田政権のとき以来、構造改革特区として申請が行われてきました。第二次安倍政権になってからも四度にわたって申請がございました。その対応方針は私が本部長を務める構造改革特区本部で決定しており、今治市からの提案については私は知り得る立場にありました。しかし、数十件あるこの案件の一つにすぎないわけでありまして、結果も、安倍政権、第二次安倍政権においては四度とも提案を事実上認めない、まあ事実上認めないというわけですから却下と言ってもいいんですが、事実上認めないものでありましたので、実際には今治市の提案については全く認識をしていなかったわけであります。  その後、国家戦略特区制度が誕生し、二年前の十一月から私が議長を務める国家戦略特区諮問会議において今治市の特区指定に向けた議論が進む中、私は今治市が獣医学部新設提案していることを知りました。しかし、その時点においても、またその後のプロセスにおいても、事業主体が誰かという点について提案者である今治市から説明はなく、加計学園の計画は承知をしておりませんでした。  最終的には本年一月に事業者の公募を行い、加計学園から応募があった、その後の分科会でのオープンな、加計学園から応募があったわけであります。その後、分科会でのオープンな議論を経て一月二十日に諮問会議で認定することになりますが、その際、私は初めて加計学園の計画について承知をしたところであります。  もちろん、私と加計氏は政治家になるずっと前からの友人であります。しかし、私と加計さんの間において、言わばお互いに立場が変わっていきますが、その立場を利用して何かを成し遂げようとしたことはただの一度もないわけでありまして、具体的に獣医学部をつくりたいとか、あるいは今治にという話は、これは一切なかったわけであります。まさに、そういう関係があるからこそ、そういう関係があるからこそ友人としてお互いに長い付き合いをすることができたと、私はこのように考えているところでございます。
  18. 青山繁晴

    青山繁晴君 今の総理の御答弁、僕は総理と事前に打合せしたわけじゃありませんから今初めて伺いましたけれども、御答弁の後半、実はそれ、今からお聞きしようと思っていたことでありました。  といいますのは、この昨日の総理の御発言、御答弁について国民が普通に持つだろう疑問は、総理、今自らおっしゃったとおり、長年の友人である加計孝太郎理事長から一度も聞いたことがないというのは、なかなか普通信じられないんですよね。  これも関係者証言たどっていきますと、加計孝太郎理事長総理に教育論をぶつことはあったと。しかし、具体的にどの学部を、加計学園たくさん学部チャレンジされていますけれど、どの学部をどこにつくりたいという話はしないということだと。ゴルフをなさっても食事をなさっても、政治家の利害に関わる話はしない習慣になっていた、だからこその友達だと。  まさしく今総理がおっしゃったことと一致していますけれども、そういう友人関係だったということでしょうか。もう一度、念のためお願いします。
  19. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 彼は、教育者として時代のニーズに合わせ新たな学部や学科の新設にチャレンジしていきたいという趣旨の話をしたことはありますが、具体的にどの学部をつくりたいということは一切私に話したことはございません。  今まで彼は様々な既に学部等をつくってきておりますが、そうした学部についても事前に一切私に説明や話はございません。ですから、獣医学部新設について相談やあるいはまた依頼は一切なかったということは明確に申し上げておきたいと、こう思いますし、まさに友人として相手の立場を利用しようとするということであれば、もう友人とは言えないわけでありまして、その点はきっちりと踏まえていたと、このように思います。
  20. 青山繁晴

    青山繁晴君 実は今総理が確認された経緯、すなわち今年の一月二十日に至るまで総理加計学園のこの件に関するチャレンジを御存じじゃなかったということであれば、実は、これまでの加計ありきじゃないのかということを最大の争点にしてきた国会審議、正直なところ何だったのかなというふうに思います。  総理、あえてお聞きしますけど、なぜ最初からそういうふうに正面からおっしゃらなかったんでしょうか。勝手に推測すれば、やましいことをしていないのだから説明をする必要がないというお気持ちもあって今のような御説明を今までなさらなかったのでしょうか。お願いします。
  21. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 私も全く身に覚えのない話でありますから、その意味において、少し至らぬ点があった、言葉足らずであったことは率直に認めなければならないと思うわけでございます。  しかし、昨日も加戸委員証言をしていただいたように、第一次政権においても、文科省に対して今治市がこの獣医学部新設について相談に行ったわけでありますが、これ第一次政権のときであります。全くけんもほろろであったということでありますし、今御紹介をさせていただきましたように、安倍政権、第二次安倍政権のときに四回申請されております。実は民主党政権時代に一回申請されたものを安倍政権で認めなかったというものを含めれば、五回にわたって申請されたものを第二次安倍政権においては認めていないということも申し添えておきたいと思います。
  22. 青山繁晴

    青山繁晴君 これまで昨日の衆議院質疑をめぐってお聞きいたしました。  さて、七月十日のこの本参議院における閉会中審査における加戸参考人とそれから前川参考人証言によって、客観的な経緯というものがかなり明らかになったと考えます。  加戸参考人にお尋ねしますが、加戸参考人がおっしゃった経緯というのは、物すごく短く縮めますと、鳥インフルエンザ、口蹄疫、狂牛病といった新しいリスクに対応するために愛媛県と今治市でたくさん大学にも声を掛けたけれども、その中で唯一、加計学園だけが誘致に応じてくれた、これは県議と加計学園の事務局長の方の人間関係に元々はよるものであったと。ところが、加計学園がようやく手を挙げてくれたけれども、これは加戸参考人のお言葉をそのままいただいて申せば、文科省の岩盤規制というゆがめられた行政によって実現していなかったと、構造改革特区のノウハウをもってしても難しかったと。あるいは、民主党政権のときに総合特区という試みはありましたけど、それはおっしゃっていなかったですけれども、いずれにせよ、そういう特区で突破口を開くというやり方がうまくいっていなかったけれども、それがようやく、国家戦略特区というものが登場したことによって、言わばそれをドリルとして、ついに実現して行政が正されたというふうに証言されました。  今まとめたこの経緯でよろしいでしょうか。どうぞお願いします。
  23. 加戸守行

    参考人(加戸守行君) まず冒頭に、参考人としてお呼びいただきましたことを心から感謝申し上げます。  私自身が、今御指摘がありましたように、この今治獣医学部の誘致に一番先頭を切って旗を振った首謀者でございますだけに、今回こういう形で安倍総理への疑惑あるいは批判というような形で議論が展開されていることを大変悲しく思い、このぬれぎぬを晴らすせめてもの、いささかでも役に立ちたいと思って参上いたしました。  冒頭に申し上げますが、私は加計理事長が安倍総理との友人であったということは昨年まで全く存じませんでした。そして、今までの間に私は安倍総理を拝見しておりましたけれども、平成十三年の二月にえひめ丸事故が起きたときに、当時、安倍首相の下で、官房副長官として危機管理を担当され、国内での調整、アメリカ、在日米軍との関係、あるいは様々な形での総合調整、便宜を計らっていただいた私にとっての大恩人でありますから、それ以来の安倍総理との何十回にわたる様々な会合を通じて加計のカの字も聞いたことはございませんし、私自身も申し上げたことはありません。  ただ、言及したのは、教育再生実行会議委員になりまして、このデッドロックに乗り上げている状態を側面射撃が、援護射撃ができないかなと思って、場違いではありましたけれどもその場で、愛媛県が獣医の問題でこんなに岩盤規制に面して困っていると、当時、安倍総理言葉を使いまして、愛媛県の小さなドリルでは穴が空かないから教育再生実行会議のドリルで穴を空けてもらえないかというような発言をいたしました。  しかし、そのときには、一回目は場所を言いませんでしたが、二回目は愛媛県で用地を準備してという言葉は言いましたけれども、今治という言葉は触れておりません。まして加計学園のカの字も出しておりませんから、多分私が発言した趣旨は、そのとき総理がいらっしゃったからこの話は少しは気にしてもらえるかなと思ったんですけど、恐縮ですが、余り関心なさそうにお聞きになっておられまして、それから間もなく提案が下ろされ、また、二回目に発言したときにはまた提案は駄目で全く反応がなかったので、今にして思えば、そんなときの友人だったんだ、だったのか、もし御存じだったら少しは反応が違っていたんだろうななんて今想像しているところであります。  ところで、誘致の問題に関しまして、先ほど総理もちょっと触れられましたが、昨日の予算委員会で申し上げましたように、元々は愛媛県の県会議員が加計学園の事務局長今治での同級生でございました。その関係で、平成十七年の一月に県会議員が話を持ちかけました、今治への大学誘致、進出を。その後二年間経て、検討の結果、昭和十九年の一月に、獣医学部でつくりましょう、つくりますという構想が出てまいりまして、当時、安倍政権下でございまして、私も安易に考えていましたのは、文部省は私の出身地でもありますし、後輩が少しは私の意向をそんたくして便宜を計らってくれるかなと思って参上いたしましたが、言葉はいんぎん、丁重でありましたけど、中身は、農水省の協力が得られないと難しい、特に権益擁護の、既得権益の強力な団体があってというような話で、ああ、一筋縄ではいかないなと、これはということで悩みに悩みながら模索しておりましたら、ちょうど小泉内閣時代からの構造改革特区があるということを知りまして、そして中四国ブロックでの説明会、これは何回も何回もやっているようですけど、それに愛媛県の担当者と今治市の担当者に聞きに行ってもらって、ひょっとしたらこの構造改革特区で道が開けるかもしれぬという形で、福田内閣時点申請をいたしました。  考えてみますと、このなかなかうまくいかなかった理由は、結局、構造改革特区で、特区本部長総理大臣でありますけれども、実務は全部所管省がやりますから、文部科学省が仕切って農林水産省とお互いに、できません、できませんと返事が返ってくるから、とても総理の手の及ばないところで既得権益団体の岩盤に阻まれているんだということを感じながら、しかもそれが十五連敗いたしましたから、大相撲でいえば十五戦全敗だと引退を、こういうふうになるわけでございます。  正直言いまして、構造改革の特区のときには愛媛県と今治市がタイアップしてやりましたけど、愛媛県は十五戦全敗で成績悪しということで引退して親方になりまして、構造改革特区の方は今治市があえて白星を得るべく頑張るという形で特区申請をして、そして有識者会議の英明なる判断と、内閣府の、あるいは虎の威を借りるようなキツネの発言を用いてでも強行突破していただいたことを私は大変喜んで今日に至っておりますけれども、ただ、様々な今日の情勢で心配していることも幾つもございますが、それは後ほど時間がございましたら私に申し上げる機会を得させていただければ有り難いと思います。  概略の経緯はかようなところでございます。
  24. 青山繁晴

    青山繁晴君 念のため、さっき昭和十九年とおっしゃったのは平成十九年ですね。はい。  今、更に補足もなさって、とても御丁寧な説明いただきました。その上で一つだけ付け加えて確認いたしたいことがありまして、それは、岡山理科大学獣医学部のための土地は、今治市に学園都市構想があって、既に用意されながらどこの大学もあるいは大学関連も来なくて空き地になっていた土地、そのことでよろしいですか。
  25. 加戸守行

    参考人(加戸守行君) このことにつきましては、私の思い入れもございますのは、知事に就任した時点でもう既に何十年か前から今治には学園都市構想を持っておられまして、そして、言うなれば、新都市整備事業として森林を開発して整備してそこに学園都市をつくろうという構想はありましたが、神棚に上がったままで眠っていました。  私は知事着任早々、この問題を今治市と尻をたたいて一緒にやろうよということで建設省に、旧建設省に参上し、都市整備公団に参上し、やっとの思いで御了解をいただき、ゴーサインをいただきましたから、その年には今治市も土地の買収に掛かりまして、翌年には都市整備公団の現地事務所も設置されて、工事をもう設計から開始いたしました。そして、造成ができて土地はあるんですが、二つの地区がありまして、一つは第一地区が産業地域、商業地域、第二地区が学園都市構想地域でありまして、こちらの方が地元の大学の誘致等々、話がまとまりかかっては潰れというような状況で、全く、整地をされてスタンバイしておりますけれども、来ていただく大学が存在していないという空白地域の状態で、そこを何とかしたいというのがまず出発点でありました。  と同時並行で、先ほど申し上げましたように、先生も御指摘がありましたような鳥インフルエンザ、狂牛病、口蹄疫等々との関係で何とか、公務員獣医師が足りない、来てもらえないこの状況、四国の空白地域、また研究機関もないという中で何とかしなければという思いがあったところに、私の指南役でございますけれども、アメリカで獣医学の発祥の地と言われておりますコーネル大学に留学し、その後ジョージタウン大学の客員教授として六年間勤務された方が、アメリカとの往復をしながら私に様々なアメリカの情報を教えていただいて、加戸さん、このままでは日本は立ち遅れると、まさにアメリカは国の政策として、国策として人畜共通感染症の防止、特にアメリカは、まあもちろん当然牛で食べている国ですから畜産業は生命線だということもありましたが、国策として取り組んで獣医学部の増員を図り、新設を認めていくと、こんな歴史の流れの中に、日本は遅れているんだよねとぼやきながら言われたことを覚えておりますし。  そんな意味で、私は、まさに学園都市としての今治の、若者の活気あふれる町にしたいという今治の願いと、愛媛県が困っている、四国が困っている公務員獣医師、大動物獣医師の確保の問題、それに、国際的な潮流に合わせて、今は小さいかもしれませんけど、これだけ難産だから立派に育つであろう世界に冠たる感染症対策、あるいはライフサイエンス等々、あるいは動物実験を通じた創薬の分野で鍛えられた若者が愛媛のために、四国のために、日本のために、そして世界のために活躍するのだ、今治が誇れる大学と、その三つの願いを込めて、今治市民、愛媛県民の夢と希望の未来を託してチャレンジしてまいりましただけに、この十年の道のり、ある意味では特区申請以来、悲願十年の手前で白紙に戻せだ何だという議論が出ていると、またあと十年待たされるのかなという。  アメリカより十年以上遅れているんです。二十年も遅らせるようなことは、それは日本国家としての恥だと私は思っております。
  26. 青山繁晴

    青山繁晴君 今総理も、言わば初めての部分も含めてこの経緯をお聞きになったと思うんですけれども、総理として、この当事者の加戸参考人らから明らかにされた経緯については今どのようにお考えでしょうか。
  27. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 加戸前知事がおっしゃったように、まさに昭和四十一年を最後として、その後獣医学部は全く新設されていないわけであります。それから半世紀が経過をして、鳥インフルエンザの問題あるいは口蹄疫の問題、動物から動物、動物から人にうつる伝染病が大きな問題となっています。この問題に対応するために、専門家の養成あるいは公務員獣医師の確保は喫緊の課題であります。それでもですね、それでも新設を認めない、時代の変化に対応できない制度であるのならば、その制度こそがゆがんでいると考えるわけでありまして、時代のニーズに合わせて規制を改革をしていくことは、行政をゆがめるのではなくて、ゆがんだ行政を正していくことであろうと、このように思います。  岩盤規制改革を全体としてスピード感を持って進めていくことは、これはまさに今も、そして今後も私の総理大臣としての強い意思であります。しかし、当然ですね、当然、今、加戸さんも、一生懸命頑張ってきたけれどもこんな議論になっていることは残念だということをおっしゃっておられました。だからこそ、プロセスは適切、適正でなければならないわけであります。  国家戦略特区は、民間人が入った諮問会議、そして専門家も交えたワーキンググループでオープンな議論をし、そしてその議事録もちゃんと残していきます。また、文部科学省も始め関係省庁はそこに出ていって主張すべき点は主張できるわけでございます。そしてまた、告示等を出しますが、告示も関係省庁が合意をしながら進めていくというプロセスになっているわけでございます。まさにこの適正なプロセスの上、今回の規制改革も行われたものでございます。  ただ、まだ多くの国民皆様に御納得いただいていないのは事実でございますので、事実に我々は基づいて丁寧に説明を続けていきたいと、このように考えております。
  28. 青山繁晴

    青山繁晴君 七月十日の連合審査、閉会中審査につきまして、もう一点だけ加戸参考人お話をお聞きしたいんですけれども、実は七月十日、加戸参考人経緯も含めてとても分かりやすくお話しいただいたんですけれども、ほとんど報道されませんでした。ちなみに、僕という国会議員はこの世にいないかのような扱いになっておりましたが、それは、有権者には申し訳ないけれども、はっきり言ってどうでもよいことであります。  問題は、当事者の前川参考人と並んで一方の当事者の加戸参考人がまるでいなかったがごとくに扱われたということを、加戸参考人としては、前川さんの先輩の文部官僚でいらっしゃり、官房長までなさり、そして愛媛県知事をなさり、本当は、そして僕、加戸さんとも打合せしていませんけれど、例えば、この後、拉致事件のことを総理にもお尋ねしますけれども、愛媛県知事時代に初めて愛媛県として拉致事件の取組を強化されて、それに感謝している特定失踪者の方々、実はたくさんいらっしゃるんです。たくさんお声をいただきました。  そのように今までできなかったことを打ち破ろうとする政治をなさってきた、行政と政治をなさってきた加戸参考人におかれては、今回のこのメディアの様子を含めて、社会の様子、今どのようにお考えでしょうか。どうぞ御自由にお話しください。
  29. 加戸守行

    参考人(加戸守行君) 私も霞が関で三十数年生活してまいりまして、私の知る限り、今までメディア批判をして勝った官僚、政治家は誰一人いないだろうと思っておりますし、ここで何を申し上げても詮ないことかなとは感じますが、ただ、今回七月十日の証人喚問の後、私はその晩、イタリア旅行に出かけまして、日本のことは知りませんでした。十日間旅行して帰ってきましたら、いや、日本では報道しない自由というのが騒がれているよと。何ですかと聞いたら、何か一覧表を見せられまして、加戸参考人の発言を紹介した、丸、三角、バツで新聞、メディア、テレビ等の勤務評定がありまして、ああ、そうなのかなというのを見たとき、私、役人時代から慣れっこでございますから当然そうだろうなと思いながら、ただ、報道しない自由があるということに関しても有力な手段、印象操作も有力な手段、で、そのことはマスコミ自体が謙虚に受け止めていただくしかないことでございますけれども、このことに関してあえて申し上げなければならないことが一つあります。  それは、今、実はあるテレビ局の報道で、報道された中身に関して、そのこと自体を私はどうこう言うわけじゃありませんが、その取材に応じられた前川参考人の発言で、報道のときにはカットされた部分があります。このことについて、やはりこの場でおいて、安倍総理がこんなに窮地に立っているときに、このことはやっぱり私のこれは披露しなければ気が済まないから申し上げさせていただきます、ちょっと時間取って恐縮ですけれども。  私が松山にいるときに、東京のテレビ局のキーステーションの系列局から話がありました。それは、私の知事時代の県政担当記者から、東京のキー局が取材をしたいと、急いでいるけどという実は連絡があったときに、私は東京へ用事があって上京する、松山へテレビカメラを担いで取材に来る時間ないでしょうと、東京に着いたら、東京でその夜なら時間が取れますよと言ったら、テレビ局がカメラ二台、記者二名、そして私のあばら家に来ていただいて、立会人は私の妻一人でありますけれども、その場で、何でカメラが二台かと思ったら、一台は前川参考人の取材したビデオ取材の記事を映像で私に見せながら、このことに関して加戸さんに取材をしたいんだということでございました。  言うなれば、教育再生実行会議安倍総理に頼まれて私がこの加計問題をため込むという構図になっているわけでありまして、で、私が笑い飛ばした部分はカットされましたから多くの国民には分かりませんけれども、獣医学部新設の疑惑追及か何かというタイトルの番組だったようでありますけど、その後、翌日のホームページに載っていまして、そこのホームページには画面に私の画像とテロップが流れ、その下に御丁寧に教育再生実行会議議事録のコピーまで載っていますから、よく見ていただくと分かるんですけれども。  まず、加戸さんは安倍総理加計、友人関係御存じでしたか、そんなことは全く知りませんでしたよという話から始まって、それから、教育再生実行会議委員にはどうしてなられたんですかと。それは、前川参考人が、加戸委員安倍総理が直接頼まれたんですよねと。で、記者の方が、えっ、何で御存じなんですか。いや、私が教育再生実行会議委員の人選に関与していましたから知っておりますと。  そして、その次、カットされた。そのことから、私に対するインタビューは、何でお受けになったんですかと言うから、安倍総理から、教育の再生は安倍内閣の重要事項として取り組みたいから加戸さんの力を借りたいというお話でしたので喜んでお受けしましたと。その後がカットされた部分ですが、前川参考人が、あれはですね、安倍総理が加戸さんに加計学園獣医学部の設置を教育再生実行会議の場で発言してもらうために頼まれたんですよと。記者が、えっ、そうなんですかと。だって、その後、教育再生実行会議で、私も出席しておりましたが、唐突に発言をされました、この加計学園の、それから、しかも二回にわたってとありました。で、このことどうですかと言うから、私は高笑いしましたよ、そんなことあるわけないじゃないですかと。  そして、その部分はカットされたのは、恐らく、私は考えました、後で。このまま報道すれば恐らく安倍総理から名誉毀損の訴えを提起されるおそれなしとしない。加戸先輩はそれは踏み付けられてもいいけれども、そこまで想像をたくましくして物を言われる方なのかな。でも、このことに関しては、総理補佐官御発言メモが残っているわけでもあるまいし、何でそんなことをおっしゃるのか。安倍総理をたたくためにそこまで、全国に流れるテレビの画面の取材に応じて、私の取材がもしできていなければあのまま生で流れているかもしれないということを考えたときに、私は自分の後輩ながら精神構造を疑いました。  私は彼を買っています。それは、私が愛媛県知事のときに、小泉内閣が三位一体改革の名の下に義務教育国庫負担金制度の廃止を打ち出して大もめにもめて、玉を丸投げして全国知事会で結論を出してくれときたときに、数少ない有志が語らって徹底抗戦しました。十数人が反対しましたけれども、全国知事会の評決では三分の二の多数決ですから、三分の二の多数決でこの理不尽な廃止制度が議会、全国知事会で認められました。そのときに、当時文部省の初等中等教育局の課長として前川参考人は、奇兵隊、前へというブログの中で徹底してこれを批判し、あえて職を賭してまでこの義務教育国庫負担廃止に論陣を張ってもらいました。気骨のあるすばらしい人材で、嘱望しておりました。彼が事務次官になったときには、私、一番うれしかったです。本当に文部省を代表し、気骨を持ってチャレンジするすばらしい次官が誕生したなと思いました。  その彼が何で虚構の話を全国テレビで話すんだろうと。これはテレビ局が放送をカットしてくれたから彼は救われましたけれども、でも、その後の発言の様子を見ていると、私はそう思います、想像します。想像が全部事実であるかのごとく発言されていると。同じ伝で言われているんじゃないだろうなと。でも、そのことが国民をそういう方向へ持っていくことになるんじゃないのかという危惧を持ちながら、あえてこの場で私は報道の批判をしません。良識を持ってその場面場面をカットしたテレビ局の見識には感謝しています。でも、そのリスクを冒してまで言わなければならない、作り話をしなければならない彼の心情が私には理解できないんで、でき得べくんば青山委員から御質問いただければと思います。
  30. 青山繁晴

    青山繁晴君 あっという間に時間がなくなってきてしまったんですけれども、やっぱりフェアネスのために、予定外ですけど、前川参考人お話しになることがあれば、済みませんが、時間が足りないんで、できれば手短に。お任せします。
  31. 前川喜平

    参考人前川喜平君) いや、これは誤解だと思います。  私は、メディアの取材に対しまして、加戸委員が教育再生実行会議委員になられたことにつきましては、これはもう総理直々のお声掛かりであったと、特にこの人にしたいという御指名があったと、こういう経緯は確かに話したことはございます。  それから、教育再生実行会議の席上ですね、愛媛今治市に獣医学部をつくりたいと、こういう御発言が二度にわたり、私は自分で陪席しておりましたので聞いたわけですけれども、そういう発言があったと、この事実も伝えたことはございます、これは議事録に残っているわけでございますけれども。  しかし、それを、総理に頼まれてその発言をしたんだというようなことは、私、言った覚えはございません。それは恐らく、私は、まさか加戸先輩が事実を捏造するとは思いませんので、誤解があると思います。その点はちょっと、メディアもそれを公開してくれるかどうかは分かりませんけれども、チェックすれば分かることだろうと思っております。  加戸前知事が本当に熱意を持って獣医学部加計学園獣医学部の誘致に努められて、その念願がかなったということは本当に御同慶の至りだというふうに思っておるわけでございますけれども、しかし、いわゆる加計疑惑と言われるものは、やはり加計ありきで、国家戦略特区という仕組みがそのために曲がった形で使われたんではないかと、様々な条件を付すことによって結果的にこの結論ありきのところに持っていったと、そういうふうなところに問題があるわけでありまして、そこのところをきちんと解明するということが大事であって、加計学園ありきであったことはもう間違いないわけですけれども、愛媛県や今治市が一生懸命やっておられたと、これは事実として認めなければならないと思っております。
  32. 青山繁晴

    青山繁晴君 今、前川参考人は、加計ありきだったことは間違いないとまたおっしゃっていて、ずっとそうではないということを僕の質疑で明らかにしているわけです。  その上で、メディアの問題も指摘しましたけれども、政府にも大きな問題点が間違いなくありました。こうした経緯であることを正面から、こうしたというのはさっき短く申した経緯であることを正面から説明せず、しかも経緯の中で現れる文書は、最初は見付からなかったと言い、後で見付かったと言い、普通の国民からしたら当然隠蔽やごまかしがあるのではないかと、むしろ正当に疑わせたことに大きな問題があります。  なぜそのようなことが起きたのか、どう改善なさるのか、まず文科大臣にお聞きします。
  33. 松野博一

    国務大臣(松野博一君) お答えをいたします。  文部科学省は、民進党等から提示をされました文書について調査を行いました。当該文書の存在は確認をできなかったという調査結果を五月に発表をいたしました。その時点においては、この調査方法に関して一定の合理的な調査であったと考えておりましたけれども、しかしながら、追加調査を行うべしという国民の声を真摯に受け止めまして更にファイルを、対象のファイルを広げ、またヒアリング対象を広げた結果、前回確認できなかった文書の存在が明らかになったということが事実関係でございますが、この経緯に関しましてはもう大変申し訳なく思っておりますし、私としても真摯に受け止めているところでございます。  これらのことを受けて、今後、文書の作成、管理の在り方の改善、職員の意識改革等に取り組んでまいりたいと考えております。
  34. 青山繁晴

    青山繁晴君 今、文科大臣も反省を込めておっしゃった経緯と改善策について、総理はどのようにお考えでしょうか。
  35. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) ただいま文部科学大臣からも答弁をさせていただいたところでありますが、内部文書をめぐる調査について国民皆様政府への不信を招いたことは率直に認めなければならないと思います。  その上で、それらの文書の記載をめぐり国民皆様から大きな疑念を、国民皆様から大きな疑念を抱かれた、この原因を冷静に分析をしてみますと、内閣府と文部科学省の間で様々な省庁間の調整が行われたわけでありますが、これは直接行われておりまして、第三者が加わっておりません。当事者の間だけで言った言わないの水掛け論になっているわけであります。こうした省庁間の直接のプロセス、調整プロセスが透明性に欠け、国民的な疑念を招く大きな要因であったと考えております。  国家戦略特区制度の運営は、もとより政府だけでなくこの第三者である民間議員が加わった諮問会議やワーキンググループで議事も全て公開するオープンな形で議論を行っております。そういう仕組みでありまして、民間議員が入る諮問会議、そしてまた、民間の専門家によって、これも交えて、民間人によって構成されるワーキンググループ等において議事録を残してオープンに議論をしているという透明性の高い仕組みになっており、これが岩盤規制改革の大きな原動力となっておりますが、省庁間の細かい点の調整も含め、更なる透明性の向上に向けて運用強化を検討していきたいと思います。
  36. 青山繁晴

    青山繁晴君 さて、これは参議院の継続調査でありまして、通常国会でも実は議論が少なかった大事なこと、本来は朝鮮半島の非常な緊張をめぐって例えば一番大事なことの一つは、拉致被害者をどのように、もしも有事その他の緊張が高まった場合にどのように救出するかと、あるいはこのまままさか四十年、五十年、拉致されたままの人々をほっておくわけにいかないはずですということを、通常国会予算委員会不肖私はこのように聞きました。  自衛官を中心に、警察官、海上保安官、消防官、医師、看護師、保健師、そして北朝鮮の方言も使える朝鮮語の専門家らで編成する包括的な救出部隊をつくって訓練すべきだと質問いたしまして、防衛省の若宮副大臣から、自衛隊はまずは訓練開始していますという非常に有益な答弁もいただきました。  しかしながら、現在、当事者の一人でいらっしゃる稲田防衛大臣におかれては、今、南スーダンへのPKO部隊派遣をめぐるいわゆる日報問題で忙殺されている感があります。  しかし、日報は、問題になっている日報というものは、二月六日から七日にかけて統合幕僚監部、いわゆる統幕から既に発表されています。なぜならば、ここが一番肝腎なところですけれども、南スーダンに行っていたのは陸上自衛隊の部隊ですが、指揮は統幕が行っています。それは、PKO部隊については統幕がそうするんです。このことに対する理解が、実は残念ながら国会でも十分だとは僕は思いません。メディアにおいても不十分です。  したがって、既にこの指揮をしている統幕が発表済みであるにもかかわらず、問題にされている会議はこれ二月十五日ですから、もう一回言います、二月六日と七日の両日をかけて統幕が発表していますので、そこで、その会議で同じ日報が陸幕から出ても、実はそれ、本当は公表するしないの問題では僕はないと思います。これをどうして稲田大臣説明なさらずに、稲田大臣にもその意味では僕は責任の一端はあると思います、大臣として。  本来の職務よりもこういうことが中心になってしまうということを含めてどのようにお考えでしょうか。
  37. 稲田朋美

    国務大臣(稲田朋美君) この南スーダン派遣部隊の現地で作っている日報に関しては、私はもう当初からこの日報については公開すべしという立場を一貫して取ってまいりました。  昨日も総理も御答弁になりましたように、七月の衝突時のあの日報について、戦闘という表現も含めてしっかりと公表すべしという立場を取っておりました。  昨年の秋に開示請求があったこの日報について、十二月に不開示、用済み後破棄、不開示という報告を受けましたときに、私は、どこかに探せば日報はあるんじゃないの、しっかりと探して公表するようにという指示をいたしました。そして、今委員が御指摘のように、統幕から日報が見付かって、二月六日に開示請求されているものの日報の公表、そして十三日には不開示決定をしたものを取り消して開示決定をしたわけであります。  私は、一貫してこの日報については開示すべきであるという、そういう一貫した立場を貫いておりましたし、しかしながら、どうして不開示になったのか、さらには、国会で、私に対する報告が遅れていたということについて、また再発防止策について、省内で次官に対して、しっかりとした事実解明と、さらには再発防止策をまとめるように指示をしていたところでございます。その後になって報道で、陸自の日報を破棄をさせたというような報道があって、特別防衛監察に切り替わったわけでありますけれども、私の政治スタンスは一貫して公表すべしということであり、仮にその日報が存在するということであれば公表すべし、それを隠蔽やまた非公表にするというような指示をするということはあり得ないということでございます。
  38. 青山繁晴

    青山繁晴君 時間も迫ってまいりますので、本来のことを、拉致事件に関してお聞きしたいんです。  先ほど申しました拉致被害者救出のための包括的な部隊、さきに私が質問いたしましたときは総理は御出席でありませんでした。そういう予算委員会でありました。  今お聞きになって、この編成と訓練、訓練を北朝鮮にもアメリカにも見せるという意味で、政府全体で、今申しましたとおり、自衛官だけじゃなくてお医者様たちも含めてのことですから、政府全体の取組としてどうお考えでしょうか、総理
  39. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 海外でこの拉致被害者も含めまして邦人が危険にさらされたときに、その保護、救出に全力で当たることは国としての当然の責務であります。    〔委員長退席、理事二之湯智君着席〕  政府としては、朝鮮半島において在留邦人の保護や退避が必要となった場合など、平素から様々な状況を想定して必要な準備、検討を行っています。また、平和安全法制により在外邦人の救出も可能となるなど、邦人保護の強化を図っているところであります。あらゆる事態において拉致被害者の安全を確保することは極めて重要であり、半島有事の際は同盟国たる米国との協力が特に重要と言ってもいいと思います。  いずれにせよ、委員御指摘のとおり拉致被害者方々の安全確保は極めて重要でありまして、今後とも、拉致被害者の救出のために何ができるかという点について、関係省庁が一体となって不断の、不断の検討を継続してまいりたいと、このように思います。  また、今、青山委員から訓練等を公開すべきとの御意見がございました。この訓練を公開することによって国はしっかりと対応できるんだよということを示して、国民皆様に安心感を与えようという御主張だと思います。その御主張はよく理解できるわけでありますが、他方、事柄の性質上、政府による検討内容の詳細を明らかにすることは邦人の安全確保に重大な影響を及ぼし得ることから、政府としては、言わばどのように手順でやるということについては、公開することについては適切ではないと考えております。  いずれにせよ、拉致被害者方々の安全確保は極めて重要でありまして、あらゆる事態において拉致被害者の安全確保を図るべく全力を尽くしてまいります。
  40. 青山繁晴

    青山繁晴君 総理は、拉致事件の解決を内閣の最重要課題と終始一貫位置付けておられます。朝鮮半島危機、報道などで報道ぶりが減ったりすると、つい何か事態は改善しているかのような誤解を国民にも与えますけれども、実際は悪化するばかりです。その悪化する半島情勢というのは、逆に言えば、まさかチャンスではありませんけれども、あえて英語で申せばオケージョン、最初で最後の契機になるかもしれない、拉致被害者を最後の一人まで取り返すために。  そのために総理お答えいただきたいのは、拉致事件の解決に向けて外務省は、長年、本当にすり減らして努力してこられました。しかし、外務省が中心となる限り相手の北朝鮮も外交部です。北朝鮮の実態からいって外交部は拉致事件について実は把握もできないと思われます。工作機関やあるいは軍の一部が行った拉致事件について北朝鮮の外交部と幾ら日本の外務省が頑張って交渉しても、相手に当事者能力はありません。  したがって、不肖私の長年の提案として従前から申し上げておりますけど、拉致問題対策本部をこの際改組して、今も本部長総理でいらっしゃいますが、より強力な総理直轄の組織として官邸内に置き、拉致問題担当大臣は、実は国民に意外に知られていないんですけれども、御家族の担当でいらっしゃいます。    〔理事二之湯智君退席、委員長着席〕  しかし、外務省に交渉を任せるんじゃなくて、当然政治家がやるべきですから、拉致問題担当大臣をまさしく交渉の担当役として、そうすると北朝鮮もそれなりの人物が出てくることはあり得ますから、別途御家族については担当大臣新設して、交渉は常に政治家が行う。これは総理に訪朝してくださいという意味ではありません。そうすると相手の術中にはまることもあり得ますけれども、でも、まずは政治家が交渉を担うという体制を再構築いただけないでしょうか。  総理、お願いします。
  41. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) この拉致問題の解決においては、まさに私が総理大臣として大きな責任を持っております。言わば、まさにこれも私たちが国民の代表として、政治家として取り組み、解決をしなければならないのは当然のことであります。そして、拉致問題について、御指摘のとおり北朝鮮との対外交渉を専任で担当する大臣が必要というお考えがあることは私も承知をしておりますが、そのような問題意識を踏まえつつ、第二次安倍内閣の発足に伴い拉致担当の国務大臣を指定するとともに、私を本部長として全ての国務大臣を構成員とする拉致問題対策本部を新たに立ち上げ、オールジャパンの体制で取り組んでおります。  拉致問題は安倍内閣の最重要課題であり、被害者方々と御家族の皆様が抱き合う日が訪れるまで私の使命は終わらない、こう決意をしております。引き続き私が先頭に立って拉致問題の解決のために全力を尽くしてまいる決意でございます。
  42. 青山繁晴

    青山繁晴君 今日は冒頭に、大雨の被災者の方々がこの審議に本当は何を期待されるかということにも触れました。正直申しまして、私はまだ一年生議員でありまして、予算委員として一年間この場におりましたけれども、さきの通常国会も、衆議院では閉会中審査、参議院の用語だと継続調査、その中で、森友学園事件、加計学園の件で時間と国民の税金がどんどん費やされる中で、例えば日本の安全保障の根幹が揺らいでいると言わざるを得ません。  例えば、北海道では水資源を狙ってのことなのか分かりませんが、でも水資源が多いところによく見られるのが中国による大規模な土地取得であります。それから、尖閣諸島では依然として領土問題は存在していません。日本の領土ですけれども。まるで中国が支配しているがごとくに連日、中国の武装した海警局の船が入って、これ、私のルートで中国側と議論しますと、我々はパトロールしているんだと、パトロールしているところに、けしからぬことに、日本の漁民と日本の武装した海上保安庁の巡視船が入ってくるというのはけしからぬ話だという反応なんです。しかも、これを英文で海外に発信しています、世界に発信しています。  こういうことを考えますと、違う二つのことを申したようですけど根幹は同じで、何をかまけて日本の安全保障をおざなりにしているのかということを国民方々が憂えていらっしゃると思います。  したがって、お答えにくくても是非お答えいただきたい。まずは、石井国交大臣におかれては、先ほどの土地の問題について何らかの規制、直ちに導入すべきではないでしょうか。
  43. 石井啓一

    国務大臣石井啓一君) 我が国の安全保障上重要な国境離島やあるいは防衛施設周辺等における外国人や外国資本による土地の取得に関しましては、国家安全保障に関わる重要な問題であると認識をしております。  ただ、土地の売買に関する現行の規制につきましては、個人の財産権を尊重する観点から取引の安全や土地利用の適正化等を目的とした制度となっておりまして、買主が外国資本等であることのみをもって規制することにはなってはございません。  委員御指摘の水源、特に地下水の水源の保全という観点からは、外国人に限らず、誰が土地を取得いたしましても、その土地が持つ水源涵養等の機能が十分に保全されることが重要であります。  地下水の保全と活用につきましては、これまで地域の実情に応じまして地方公共団体が主体的に条例等による取組を進めております。現時点で少なくとも既に四十都道府県、五百四の市区町村において地下水の保全に関する条例が制定され、それぞれの地域の固有のルールの下で適正な地下水の利用がなされているものと承知をしております。  平成二十六年に制定されました水循環基本法に基づく水循環基本計画におきましては、政府が総合的かつ計画的に講ずべき施策といたしまして、持続可能な地下水の保全と利用を推進するため、地下水マネジメントに取り組むことが位置付けられております。  これを受けまして、計画は、これは自治体が計画を策定するわけですが、その計画作成のためのマニュアル作成や必要性の高い地域における計画策定を国土交通省といたしまして支援をしてまいりたいと考えております。
  44. 青山繁晴

    青山繁晴君 自治体の取組はよく理解しておりますけれども、もう一度申します。時間がありませんけれども、国の取組が更に必要だと思います。外国人だからといって規制の対象にするというのは、もちろん国際法上も全く間違いです。そうではなくて、国土保全ということを国家の戦略としてきちんと立てていただきたいと思います。  最後に、先ほど申しました尖閣諸島での実態について、様々本当は課題ありますけど、一点だけ、最後に一点だけ。石垣島の漁家の方々が安全に操業できる体制を海上保安庁によってつくるべきではないでしょうか。プロパーの保安監出身であります、安倍内閣でそれが実現した海上保安庁長官、是非お答えをお願いします。
  45. 中島敏

    政府参考人(中島敏君) お答えいたします。  海上保安庁は、尖閣諸島周辺海域の中国公船に対して領海に侵入しないよう警告するとともに、領海に侵入した場合には退去要求、進路規制を行い、領海外へ退去させているところであります。これらの措置を尽くしてもなお領海に侵入した中国公船が日本の漁船に接近し、安全を脅かす……
  46. 山本一太

    委員長山本一太君) 時間ですので、短くおまとめください。
  47. 中島敏

    政府参考人(中島敏君) あるいは操業を妨害するなど不測の事態が懸念される場合には、日本漁船を保護する対応を取っております。  引き続き、関係省庁と緊密に連携し、尖閣諸島周辺海域で操業する日本漁船の安全確保に万全を期したいと思います。
  48. 山本一太

    委員長山本一太君) 時間です。
  49. 青山繁晴

    青山繁晴君 ありがとうございました。終わります。
  50. 山本一太

    委員長山本一太君) 以上で青山繁晴君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────
  51. 山本一太

    委員長山本一太君) 次に、蓮舫君質疑を行います。蓮舫君
  52. 蓮舫

    ○蓮舫君 民進党の蓮舫です。  まず、冒頭、九州北部を襲った豪雨、甚大な災害をもたらしました。亡くなられた方々の御冥福をお祈りすると同時に、被災された方のお見舞いを申し上げたいと思います。  また、東北秋田でも、そして新潟でも豪雨災害、本当に心からお見舞いを申し上げると同時に、政府におかれましては万全の対策を講じていただきたい、私どもも全力に協力をさせていただきたいということを申し上げさせてください。  さて、総理、昨日、衆議院予算委員会の五時間の審議がありました。これによって国民加計学園に対する総理との疑惑、それが軽くなったと思いますか、深まったと思いますか。
  53. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 今までの政府における説明に対して国民皆様から十分な御納得が得られていないということは十分に承知をしております。  昨日、私といたしましても、事実に基づいて丁寧に説明をさせていただいたところでございますが、国民皆様がどのように判断されるかということについてはまさに国民皆様が判断されることであり、そのことについては真摯に受け止めたいと、このように考えております。
  54. 蓮舫

    ○蓮舫君 事実に基づくというその言葉がもう揺らいでいるんです。記憶はなくなる、記録は相変わらずない。昨日、新たに登場した今治市職員を官邸に呼んだとされる当時の柳瀬秘書官、この方も何か言われるかと思ったら、見事に記憶をなくしていました。  総理、今求められているのは丁寧な口調ではないんです。確たる記憶と動かざる記録、そして納得できる説明をしていただきたい、改めて今日はお願いを申し上げます。  まず、稲田大臣一体防衛省でこれ何が起きているんでしょうか。確認ですが、稲田防衛大臣は防衛省を統制できているという自負はありますか。
  55. 稲田朋美

    国務大臣(稲田朋美君) 様々な御批判があることは承知をいたしております。しかしながら、今問題になっております南スーダンの日報についても、私の指示でもって防衛省自ら日報を公表したことも事実でございます。様々な御批判はしっかりと受け止めつつ、やるべきこと、なすべきこと、しっかりとやってまいりたいと考えております。
  56. 蓮舫

    ○蓮舫君 稲田防衛大臣、防衛省をしっかりとあなたは統制できていると思いますか。
  57. 稲田朋美

    国務大臣(稲田朋美君) 御批判は御批判として受け止めつつ、今までも、今までもしっかりとやるべきことをなしてきたという思いでございますし、これからもしっかりとやるべきこと、なすべきことをやってまいりたいと考えております。(発言する者あり)
  58. 山本一太

    委員長山本一太君) 速記止めてください。    〔速記中止〕
  59. 山本一太

    委員長山本一太君) 速記を起こしてください。
  60. 稲田朋美

    国務大臣(稲田朋美君) 統制という意味において、シビリアンコントロール、これも、私は今回の日報の問題も、一旦不開示となったものを私の指示でもって探索をし、防衛省自ら公表した、これもシビリアンコントロールの一つだと思っております。  さらには、厳しさを増す我が国の安全保障環境の中で我が国の防衛に万全を尽くしているというふうに自負をいたしております。
  61. 蓮舫

    ○蓮舫君 なぜこの簡単な質問に答えていただけないんでしょうか。  シビリアンコントロール、統制をできているという自負はありますか。
  62. 稲田朋美

    国務大臣(稲田朋美君) 様々御批判はありますけれども、私はシビリアンコントロールは利いている、統制は利いているというふうに考えております。
  63. 蓮舫

    ○蓮舫君 統制が利いているのになぜ次から次へと内部情報が漏れるんでしょうか。  これは、今行われている特別防衛監察の結果がまとめられたものが一斉に報道されました。これは本物ですか。
  64. 稲田朋美

    国務大臣(稲田朋美君) いまだ特別防衛監察の報告書はまとめられておりません。したがいまして、今委員がこれは本物ですかというのは、何を指しておられるのか私には不明でありますので、お答えすることはできません。
  65. 蓮舫

    ○蓮舫君 つまり、今メディアが一斉に報道している、特別防衛監察のまとめはこうであろう、それに対して陸自側がこう証言をしているというものは全て誤報という認識でよろしいんでしょうか。
  66. 稲田朋美

    国務大臣(稲田朋美君) まず、申し上げましたように、まだ特別防衛監察の徹底的な事実調査が継続をされている段階でございます。今報道になっているものについて、それが何であるか私は承知いたしておりません。
  67. 蓮舫

    ○蓮舫君 今一斉に報道されていて稲田大臣に疑惑の目が向けられているのは、特別防衛監察の取りまとめに、本来陸自が見付けた日報のデータが、防衛大臣に陸自側が報告をして了承をされたと、その監察に言ったものがまとめから漏れている、削除されている、なかったことにされている、それはおかしいと、ある意味内部告発的にあると、そういう報道がなされているんですが、これも全てファンタジーで誤報でしょうか。
  68. 稲田朋美

    国務大臣(稲田朋美君) 今、先ほど来申し上げておりますように、特別防衛監察の事実調査は継続中でございます。今委員が御指摘になったことについて私は承知はいたしておりません。
  69. 蓮舫

    ○蓮舫君 総理大臣、自衛隊の最高指揮官として、今防衛省を取り巻く、あるいはメディアに情報が公然と漏えいをしている、そして、防衛大臣はないと言っているものが次から次へと上書きをされて、内部告発であるとメディアで話をしている、これは憂慮すべき事態ではないでしょうか。
  70. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 既に稲田大臣から答弁をさせていただいておりますように、日報問題につきましては、国民皆様のこの疑念を解消するため、現役の検事も所属する特別防衛監察を行っているところでありますし、この特別防衛監察を行うように大臣が指示をしたわけでございます。これは、独立性の高い立場から厳正かつ公正に徹底的な調査を行い、行うことによってですね、早期に事実関係の全容解明を行い、説明責任を果たしていく考えであります。  稲田大臣に対する様々な厳しい御指摘については、大臣自身が国会記者会見の場において説明責任を果たすべく努力をしてきたものと考えております。  もとより、閣僚の任命責任は総理大臣である私にございますので、閣僚に対する厳しい御指摘については私自身真摯に受け止めなければならないと考えておりますが、この問題についてはきっちりと防衛監察を行い、そしてそれを示すことでまず責任を果たすことであろうと、このように考えております。
  71. 蓮舫

    ○蓮舫君 命令権者である特別防衛監察を指示した大臣がその組織内の防衛監察の聴取を受けるという異常な事態になっているんです。しかも、その内容が公然と漏えいをしている。とてもガバナンスが、シビリアンコントロールが利いているとは思えないんですね。しかも、特別防衛監察を行っているからいいというような言いぶりでしたけれども、大臣は本来調査対象じゃありません。すなわち、処分対象でもありません。仮に大臣が隠蔽に関与をしていたとしても、それを特別防衛監察が報告をする義務もないんです。  しっかりと第三者が大臣の関与も含めた調査をする、それを自衛隊の最高指揮官として指示するお考えはありますか。
  72. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) まず、この特別防衛監察につきましては、先ほど大臣、また、御紹介いただきましたように、防衛大臣に対する様々な厳しい御指摘もあります。そのことも踏まえてですね、踏まえて大臣答弁を、言わば特別防衛監察において自分自身も対応していくということを述べているわけでございます。その意味においてしっかりと、しっかりと責任を果たしていってもらいたいと思います。
  73. 蓮舫

    ○蓮舫君 いや、やっぱり防衛大臣総理も、言っていること、全く的がずれています。  今総理がやるべきことは、自衛隊への信頼が失墜されることをただ座して待っているのではなくて、その失墜を生んだ責任者である稲田防衛大臣を罷免することではないですか。
  74. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 先ほどですね、先ほど外部の目も入れるべきではないかという御質問についてちょっと答弁が漏れておりましたが、言わば防衛監察本部は、自衛隊のオペレーションやインテリジェンスに関わる内容についても、必要と判断する場合には、関係者からの聞き取りにとどまらず、防衛省・自衛隊の施設への立入りや、マル秘の文書を含む、秘の文書を含む様々な書類の確認を行い、独立した立場から厳正かつ公正に調査を行うものと承知をしております。  このような調査を部外の第三者が行うことは必ずしも容易ではないと考えられるわけでありまして、引き続き、特別防衛監察により厳正かつ公正、徹底的な調査を行い、事実関係の全容解明を行うことによって説明責任を果たしていく考えであります。  その上において、今申し上げたことについて、稲田大臣には引き続き、日報問題について徹底的な調査を行い、改めるべき点があれば大臣の責任において徹底的に改善をし、再発防止を図ることによってその責任を果たしてもらいたいと考えております。
  75. 蓮舫

    ○蓮舫君 稲田防衛大臣は、省内のシビリアンコントロールを守れていないばかりか、都議会議員選挙のときにも、防衛省・自衛隊、防衛大臣、自民党として都議選の特定候補の依頼を行いました。これは憲法違反の要請であり、地位利用の公選法違反です。  私、分からないんですけれども、暴言は吐きましたけれども違法行為はしていない今村大臣はさっさと辞めさせて、なぜ、なぜ稲田大臣総理はそんなに大切に守るんでしょうか。
  76. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 先日の東京都議会議員選挙の応援演説における稲田大臣の発言については、演説を行ったその日に自ら撤回し謝罪したものと承知をしております。(発言する者あり)
  77. 山本一太

    委員長山本一太君) 静粛に願います。
  78. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) また、自衛隊に係ることであり、最高指揮官である私からも稲田大臣に対し、誤解を招くような発言には注意するよう直接指示をしたところであります。  もとより、防衛省・自衛隊に限らず、政府の機関は政治的に中立であり、特定候補者を支持することはあり得ないことであります。  稲田大臣に対する厳しい御指摘については、稲田大臣自身が記者会見の場において説明責任を果たすべく努力をしてきたものと考えております。
  79. 蓮舫

    ○蓮舫君 総理、あり得ないことを大臣はやったんです。そして、発言を撤回したとしても、地位を利用して特定候補の応援を依頼、政治活動をしたということは既に既遂済みの行為です。違法なんです。それでも総理が稲田大臣を守られるというのを国民はどのように判断をするのかを私は見守りたいと思います。  次に、加計学園疑惑。  総理、これ、国民はなぜ疑惑が晴れないと感じている、どうしてだと思いますか。
  80. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) この問題については、私の友人に関わることでありますから、国民皆様が疑惑の目を向ける、これはもっともなことであろうと思います。であるからこそ、しっかりと国民目線に立って、事実に基づいて丁寧な上にも丁寧に説明をしていかなければならないと、このように考えております。  そしてまた、このプロセスにおきましては、先ほど来説明をさせていただいておりますように、国家戦略特区には民間人が入って、そしてまたワーキンググループには専門家を交えた議論をし、情報公開を行っておりますし、また事業者の選定におきましても、分科会において、これは山本大臣だけではなくて自治体の長やあるいはまた文部科学省が推薦する専門家も入り、また各省も入って議論を行い、進めていくわけであります。  しかし、他方ですね、他方、省庁間の調整におきましては第三者が入らず、これは言った言わないということになっているというところにも国民皆様が疑念を持たれているのではないかと、ここにはやはり改善すべき点があると、このように考えておるところでございます。
  81. 蓮舫

    ○蓮舫君 口調だけ丁寧にするのはやめてくださいと冒頭言いました。関係ないことを長々と話さないでいただきたい。  私が伺っているのは、なぜ国民が疑惑を持っているのか。それは、記憶がなくなり、記録がなくなり、政権側にいる人たちはみんな口をつむぐからです。で、政権外にいる人が証言をしたら個人攻撃をするからですよ。そして、言ったことは言ってないと常に上書きをされるからなんです。  総理、今年一月二十日の諮問会議であなたは加計学園に規制緩和が行われることを初めて知ったと答弁をされました。本当ですか。
  82. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 改めて、今回この閉会中審査が行われるに当たり整理させて説明をさせていただいたところでございますが、この国家戦略諮問会議におきましてもまさに申請しているのは今治市であるわけでございまして、ですから、今治市であるということは私は承知をして、知り得る立場にあり、今治市ということについては知っているわけでございます。  しかし、加計学園ということについては、これは知り得る立場ではあるということは申し上げてきたわけでございますが、私が、この加計学園ということが決定をした、加計学園今治市のこの申請加計学園ということで決定をした一月二十日の国家戦略特区諮問会議の直前の説明事務方による段取りとともに説明をされたときでございます。
  83. 蓮舫

    ○蓮舫君 今年六月十六日、参議院の予算委員会で、福島みずほさんの「総理加計学園加計太郎さんが今治市に獣医学部をつくりたいというのは、いつから知っていましたか。」という質問に何と答えましたか。読んでください。(発言する者あり)
  84. 山本一太

    委員長山本一太君) 速記を止めてください。    〔速記中止〕
  85. 山本一太

    委員長山本一太君) 速記を起こしてください。
  86. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 私がお答えをしたのは、この全文ですか、全文ではなくてこの……(発言する者あり)ポイントだけということであれば、当時は国家戦略特区ではなく構造改革特区であったわけでありますが、そこで申請されたことについては私は承知をしていたところでございますが、その後に当然、私は議長を務めておりますから、国家戦略特区申請をすれば私の知り得るところになるということでございますが、この点につきましては、これ、急な御質問に対しまして、今治市の提案加計学園申請など整理が不十分なままお答えした部分があります。  今回の閉会中審査に当たりもう一度しっかりと確認をさせていただいたのでここで正確に申し上げますと、まず獣医学部新設提案者は、構造改革特区でもその後の国家戦略特区でも自治体である今治市であり加計学園ではないわけでありまして、その上で、構造改革特区時代の今治市の提案については十数件、数十件ある案件の一つにすぎず、結果も四度とも提案を事実上認めないものだったので実際には私は全く認識をしていなかったわけでありまして、ただし、その対応方針は私が本部長を務める構造改革特区本部で決定していることから、本件について知り得る立場にあったことをそのような表現で申し上げたわけでございます。  なお、他の答弁を確認いただければ、構造改革特区本部対応方針を決定しており、知り得る立場にあったと繰り返し、他の答弁においてはですね、この答弁を申し上げているところでございます。
  87. 蓮舫

    ○蓮舫君 整理が不十分で答弁したという割には、くっきりはっきり三点答えています。二〇〇七年、福田内閣申請を受けた、対応不可と知っていた、正解です。安倍内閣構造改革特区申請されたことも知っていた、これも正しいです。国家戦略特区への申請は議長だから知り得るところになる、これも正しい。これ、全く不十分な答弁ではないですよ。私、全部知っていましたという答弁ですよ。  一月二十日ではないんじゃないですか。もう一回記憶を呼び戻していただけませんか。
  88. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) ただいまですね、ただいま……(発言する者あり)
  89. 山本一太

    委員長山本一太君) 静粛に願います。
  90. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 御紹介をいただいて、いただいたのは、安倍政権の後、福田政権において申請を受け付け、しかし対応不可となったというふうに承知をしておりますということは、まさにそのときの段階、言わば、これは福田政権のときということではなくて、言わばこの問題が起こった後、整理したことにおいて私が承知をしているということを申し上げたわけでございます。そこで、福島みずほ議員への答弁においても、その部分に続けて、私が国家戦略特区諮問会議の議長を務めているから、申請をすれば私の知り得るところになると、このように申し上げているわけであります。  加計学園から国家戦略特区の事業者としての応募があったのは一月の十日であります。正確に言えば、国家戦略特区諮問会議にかかるのは申請段階ではなくて申請を決定する段階であり、それは十日後の一月二十日であります。その意味においては厳密さには欠いていたわけでありますが、あの答弁で申し上げようとしたことは、申請を決定する段階で私は諮問会議の議長として加計学園の計画について承知したということであります。さらに、その際、もちろん加計さんから仕事の陳情のようなことは一度もなかったわけであります。  そしてまた、付け加えさせていただけますれば、構造改革特区時代に四度申請があったわけでありますが、事実上、この申請安倍政権においても認めていないということも付け加えさせていただきたいと思います。
  91. 蓮舫

    ○蓮舫君 いや、その答弁、無理があります。  この質問、明確なんですよ。加計さんが獣医学部申請したのを、今治に、いつ知ったかといったら、福田内閣申請したことは承知していた、それが却下されたことも承知していた、自分の第二次安倍内閣構造改革特区申請したことも承知していたと明確に言っているんですよ。それが昨日、大串さんの質問に対して一月二十日と言ってしまったがために、知らなかったと言っているように受け止められてはいけないと思うんですね。  こういう答弁もあります、総理。これは今年の六月五日、参議院の決算委員会です。我が党の平山佐知子議員の質問です。加計さんがずっと獣医学部新設したいという思いであったということは当然ながら御存じでありましたねということに対して、総理、あなたは、安倍政権になりましてから、国家戦略特区に、その申請今治市とともに出された段階で承知をしたわけでございますと答えています。  違うじゃないですか。
  92. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 先ほどもですね、先ほどもですね、福島委員、あるいはこの平山委員の場合は、急に御質問がございましたので混同したところがございますが……(発言する者あり)
  93. 山本一太

    委員長山本一太君) 答弁中ですから、静粛に願います。
  94. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) それ以外にもですね、何回か、何回か御質問をいただいているわけでございますが……(発言する者あり)
  95. 山本一太

    委員長山本一太君) 今答弁中だから。聞こえないから、総理答弁
  96. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) その際には知り得る立場にあったというふうに答弁をさせていただいているのは事実でございます。  そこで、正確に、正確に申し上げれば、私が議長を務める国家戦略特区諮問会議にこの申請がかかるのは、申請段階、申請段階ではなく、申請を決定する段階であり、それは十日頃、十日後の一月二十日でありました。その意味におきましては厳密さを欠いておりましたが、あの答弁で申し上げようとしたことは、あの答弁で申し上げようとしたことは、申請今治市とともに決定する段階で、私は諮問会議の議長として加計学園の計画について承知をしたということであります。(発言する者あり)
  97. 山本一太

    委員長山本一太君) 速記を止めてください。    〔速記中止〕
  98. 山本一太

    委員長山本一太君) 速記を起こしてください。
  99. 蓮舫

    ○蓮舫君 質問者は急に質問をしていません。通告をして、平山さんは文書でも出しています。急な質問ではございません。
  100. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 先ほど、その中で整理が不十分なままお答えした部分があると、このように申し上げさせていただいたところでございますが、今回ですね、今回、閉会中審査に当たりましてもう一度しっかりと確認をさせていただき、先ほど答弁をさせていただいたところでございます。
  101. 蓮舫

    ○蓮舫君 どっちが虚偽答弁なんですか。予算委員会の福島さんの質問、あるいは決算委員会の平山さんの質問、昨日の予算委員会集中の大串さんの質問、どれが間違えてどれが正しいんですか。
  102. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 今、福島議員に対してお答えをしたお答えと、あるいは平山議員に対してお答えした中身との違いがあったことについては、先ほど整理が不十分であったということでお話をさせていただいたところでございまして、今回、今回ですね、今回、そこで、閉会中審査に当たりましてもう一度整理をさせていただいたところでございまして、その際、申し上げますと、言わば加計学園今治市ということでの少し私も混同があったことはおわびをしなければならないわけでございますが、その点について、今、私が答弁をさせていただいたことが事実でございます。
  103. 蓮舫

    ○蓮舫君 平山さんの質問はとても明快ですよ。加計さんがずっとこの獣医学部新設したいという思いであったということは当然御存じでいらっしゃいましたよね。それに対して、国家戦略特区に、安倍政権になって、申請今治市とともに出された段階で承知をしたわけでございます。明快に答えていますよ。違うんですか。
  104. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 私のその正確な答弁においては、言わば申請がかかるのは、これは申請段階ではなくて申請を決定する段階でありまして、正確に言えばですね、私が議長を務める国家戦略特区諮問会議にこの申請がかかるのは申請段階ではないわけでありまして、申請を決定する段階であり、それは一月の二十日であったということでございます。
  105. 蓮舫

    ○蓮舫君 総理国会を何だと思っていますか。国会答弁がその自己矛盾が指摘をされたら、そうしたら、あのときは正確でなかったから今正確に話します、とても不誠実な対応だと思います。どう考えても、一月二十日と昨日言ってしまったがために、これまでの整合性が取れなかった答弁は間違っていたと下方修正をしているとしか思えないんですよね。  そして、総理は、今治市が提案をしてきたことは知っていて、加計学園がその事業主体者だったのは知らないと言いますけれども、これは、四月二十八日、質問主意書の答弁では、今治市の説明資料に加計学園が候補になる者と記載があり、安倍総理本部長とする構造改革特区推進本部で、二〇一三、二〇一四、二〇一五、それぞれの提案に対する政府方針を定めたと書いてあります。そして、それを安倍内閣安倍総理が閣議決定をしています。つまり、今治と知っていたけれども加計とは知らなかった、閣議決定で両方はセットだと書いてあるじゃないですか。
  106. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 構造改革特区におきましては、この安倍政権になってからですね、申請者においては今治市としか記載はなされていないわけでございます。(発言する者あり)
  107. 山本一太

    委員長山本一太君) 速記を止めてください。    〔速記中止〕
  108. 山本一太

    委員長山本一太君) 速記を起こしてください。
  109. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) この今、質問主意書についてのお答えについてでございますが、獣医学部新設について、平成十九年十一月の愛媛今治市からの構造改革特区域法第三条第三項に規定されている提案に係る説明資料において、学校法人加計学園がその候補となる者である旨記載されており、こうした提案を受けて、安倍内閣総理大臣本部長とする構造改革特区推進本部においてと、こう書いてあるわけでございますが、これは十九年来からのですね、十九年からの経緯を示しているものでありますが、この加計学園の記載については、第一回目の申請、そして第二回、第三回、第四回、第五回まではあるわけでありますが、その後は加計学園の記載はないわけでございます。
  110. 蓮舫

    ○蓮舫君 私たちは何を信頼すればいいんでしょうか。記録を出してくださいと言ったら廃棄をされました。証言をしてくださいと言ったら記憶をなくします。そして、丁寧に説明すると言った総理が、国会答弁は正確ではなかったと、聞かれて初めて修正をする。国会審議は何なんでしょうか。総理のその国会に対する真摯じゃない姿勢があるからこそ、私たちも国民も余りにも疑いがあると思っているんじゃないでしょうか。  一月二十日に知ったというのは間違いだったと認めればいいだけだと思いますよ。いかがでしょうか、もう一回。
  111. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 今申し上げましたように、質問主意書との関係におきましては今言ったとおりでございます。ですから、安倍政権、鳩山政権の後の菅政権以降においては記載がない、つまり、安倍政権においては加計学園の記載がないのは事実でございます。  そこで、先ほど来……(発言する者あり)
  112. 山本一太

    委員長山本一太君) 静粛に願います。
  113. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 先ほど来申し上げておりますように、この今治市、今治市におきましても、今治市ということにつきましては、言わばこの第一次安倍政権におきましては四回とも申請を認めていない、数十ある申請の中で認めていないわけでございますので、これは私は承知をしていないわけでございまして、まさに国家戦略特区諮問会議にかかる際に議長である私に説明、初めてそこで説明があるわけでございますので、一月二十日ということは重ねて申し上げておきたいと、このように思います。
  114. 蓮舫

    ○蓮舫君 もはや全く信頼ができません。  総理、予定されている国会の日程は、昨日の衆議院予算委員会五時間、今日の予算委員会、参議院五時間、まさかこれで幕引きと思っていませんよね。
  115. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 今まさに私が申し上げたように、国家戦略特区においては今治市がこれは提案をしている、国家戦略特区については今治市が提案をしておるわけでございますので、これは国家戦略特区制度が誕生して、二年前の十一月から私が議長を務める国家戦略特区諮問会議において今治市の特区指定を受けた議論が進む中で、私は今治市が獣医学部提案していることは知ったわけでありまして、これはもう答弁をしたとおりでございますが、しかし、その時点においてもまだ、またその後のプロセスにおいても、事業主体が誰かという点について、提案者である今治市からはこれは説明がなく……(発言する者あり)
  116. 山本一太

    委員長山本一太君) 静粛に願います。
  117. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 加計学園の計画は承知をしていなかったわけでありまして、最終的に本年一月に事業者の公募を行い、加計学園から応募があったその後、分科会でのオープンな議論を経て一月二十日に諮問会議で認定することになりますが、その際、私は初めて説明を受けて加計学園の計画について承知をしたところでございます。
  118. 蓮舫

    ○蓮舫君 もう、とても丁寧な口調もどこかに行ってしまいましたね。  総理、明確に言っているんですよ。国家戦略特区申請今治市とともに、質問の主語は加計さんです、加計さんが出された段階で承知をした、それは一月の十日です。一月の二十日でもありません。そこも確認していただけますか。
  119. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) その十日ということは、これは厳密さに欠けたわけでありまして、申請が決定したのは、決定したのはですね、今申し上げましたように一月の二十日でございますから、正確に申し上げますと、一月の二十日に諮問会議で認定して、認定することになるわけでありまして、そこで私は知ったわけでございます。
  120. 蓮舫

    ○蓮舫君 ちょっと整理をしますね。  つまり、総理がおっしゃっている国家戦略特区今治市が申請を出された段階というのは二年前の二〇一五年の六月四日なんです。そして、加計学園が正式に申請を出したのは今年の一月の十日なんです。どっちも一月の二十日ではないんです。ここからしても、昨日の総理の言った一月二十日に知ったというのは、過去の答弁と整合性が全部取れていません。
  121. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 私は、国家戦略特区諮問会議の議長として、国家戦略諮問会議にかかる際に事務方から説明を受けるわけでございます。この国家戦略特区制度が誕生した二年前の十一月の段階で、私が議長を務める国家戦略特区諮問会議において今治市の特区指定に向けた議論が進む中で、私は今治市が獣医学部新設提案していることを知ったわけでございます。  しかし、その時点においても、またその後のプロセスにおいても、事業主体が誰かという点について提案者である今治市からは説明がなく、もちろん事務方からも、もちろん事務方からも説明がなかったのでありまして、加計学園の計画は承知をしていなかったわけでありまして、一月の二十日の特区諮問会議で認定する際に事務方から事前に説明を受けたわけでございます。
  122. 蓮舫

    ○蓮舫君 全く関係ない答弁を長々とされて、そして聞いていることには答えていただかない姿勢は相変わらず変わらないということもよく分かりました。  総理、まさか今日で国会での説明は終わりではないですよね。私たちは引き続き求めていますけれども、自民党総裁として、国会でしっかり自分も御説明された方がいいでしょうから、うそつきと言われたくないでしょうから、国会を開きますか。
  123. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) まさに、今おっしゃったのは臨時国会のことでしょうか。いずれにせよ、まず、この閉会中審査あるいは委員会の運営につきましては、これは委員会がお決めになることでありまして、求められればまさに事実にのっとって丁寧に説明をしていく努力を重ねていきたいと思っております。
  124. 蓮舫

    ○蓮舫君 私たちは、森友問題とか加計問題とか日報の疑惑とか、批判だけではなくて、それをどうやって二度と起こさないか、再発防止も考えなければいけないと思っています。この間の通常国会でこの問題の疑惑を深めたのは、やはり公文書管理の在り方だと思います。だから、公文書管理をしっかり、短い期間で勝手に廃棄できないように、あるいは個人メモだったといって切り捨てられないようにフォルダの在り方も整理をしましょうという法案を出しています。あるいは、今回のこの国家戦略特区、もはや疑惑だらけです。一旦停止をして、誰と誰が言った言わないという混乱を生まないような仕組みに改善をして新たな規制改革を行うべきだという、そういう法案も出しています。  そうした審議もしっかりさせていただきたいと思って、野党四党で、民進党は臨時国会の開催を憲法五十三条に基づいて要求をしていますが、いつ応えていただけるんでしょうか。
  125. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) ただいま御指摘をいただいた臨時国会の召集の要求については、内閣としてこれまで同様適切に対応してまいりたいと考えております。  先般、シーリングが……(発言する者あり)
  126. 山本一太

    委員長山本一太君) 静粛に願います。
  127. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 決定をしまして、概算要求など来年度予算の編成作業が本格的にスタートしたところでありますが、こうした事情も考慮しながら、現在準備中の働き方改革のための法案など、国民生活に関わる諸課題を整理した上において召集時期を決定したいと思います。  いずれにせよ、閉会中審査にはこのように出席をさせていただいておりますが、我々は言わば事実に基づいてしっかりと丁寧に……(発言する者あり)
  128. 山本一太

    委員長山本一太君) 答弁中ですから、静粛に願います。
  129. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 説明を重ねてまいりたいと考えております。
  130. 蓮舫

    ○蓮舫君 憲法五十三条で、私たちが要求をした場合には内閣は召集を決定しなければならない。いつ決定しますか。
  131. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) ただいま御説明をさせていただいたところでありますが、概算要求など来年度予算の編成作業がスタートしたところでございますし、そしてまた同時に、働き方改革のための法案をしっかりとこれは作成した上において御議論をいただきたいと、このように考えているところでございます。
  132. 蓮舫

    ○蓮舫君 確かに五十三条には期日は指定されていませんが、政府解釈は、召集のために必要な合理的な期間を超えない期間内に召集を行うことを決定しなければならない。その合理的な期間も全く答えていただけないんですが、その合理的な期間はどれぐらいですか。
  133. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) この言わば合理的な期間として、我々は、今行っているこの予算編成の作業、あるいはまた法案の準備等をしっかりと進めていくということが、そしてそれを国民皆様にお示しをし……(発言する者あり)
  134. 山本一太

    委員長山本一太君) 静粛に願います。
  135. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 国会で議論をしていただくことということについて……(発言する者あり)
  136. 山本一太

    委員長山本一太君) 答弁聞こえないので、静粛に願います。
  137. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 我々はそう理解を、合理的な期間というふうに理解をしているところでございます。
  138. 蓮舫

    ○蓮舫君 安倍総理は、国会では全く答えなくて外では答えているんですが、憲法を改正したいといろんなところでおっしゃっています。  自民党の憲法草案では、五十三条、臨時国会開催要求があったときには二十日以内に応えなければならない。もう二十日を超えていますよ。憲法を変えたいと言っておきながら現行憲法を遵守しないダブルスタンダードは絶対におかしいということは強く指摘をさせていただきたいと思います。  引き続き、臨時国会を開いていただきたいし、閉中審査も開いていただきたいし、丁寧に説明をしていただきたい、このことを強く申し上げ、私の質問を終わります。
  139. 山本一太

    委員長山本一太君) 以上で蓮舫君質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────
  140. 山本一太

    委員長山本一太君) 次に、櫻井充君の質疑を行います。櫻井充君。
  141. 櫻井充

    櫻井充君 民進党・新緑風会の櫻井でございます。  九州北部、それから秋田県、新潟県での集中豪雨で犠牲になられた皆さんに衷心より哀悼の誠をささげたいと思います。犠牲になられた皆さん、被災された皆さんに対して心からお見舞いを申し上げると同時に、与野党を超えて、とにかく一日も早い復旧復興ができるように全力を尽くしてまいりたいと、そう思います。  通告しておりませんが、おととい投開票が行われました私の地元の仙台市長選挙のことについてちょっとだけお伺いさせていただきたいと思いますが、我々野党の統一候補が勝利を収めることができました。この点について、総理の今までの政治姿勢、それから安倍政権の支持率の低下、こういったものが影響したとお考えでしょうか。
  142. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) これは仙台市の市長選挙でありますから、仙台市の未来を誰に託すべきかという中において市民の皆様が判断をされたということだと思います。その中で自民党が推薦をした候補者が残念ながら勝利を得ることができなかったということでありますから、これは、自民党として、あるいはまた政府に対する国民皆様の様々な御批判も含めた上の結果であるということも認識しながらこの結果を真摯に受け止めたいと思っております。
  143. 櫻井充

    櫻井充君 今回、自民党の支持層の六割程度しか自民党の推薦の方は固めることができなかった。それから、無党派層の五割弱の方が我々が応援させていただいた候補者の方に投票してくださった。この事実を考えてくると、今の総理に対する、姿勢が相当問題があるんだという声の表れではないかと、私はそう判断しますが、総理、改めていかがでしょうか。
  144. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) まさに国民皆様の厳しい声があること、また、この獣医学部の問題について、私の友人が関わることであり、その中で国民皆様から疑念の目を向けられることはもっともなことだと、こう考えているところでございますが、私の答弁においてはその観点が欠け、至らぬ点があったことは率直に認めなければならないと、こう考えております。  国民目線に立って、事実に基づいて丁寧な上にも丁寧に説明する努力を重ねていきたいと考えております。
  145. 櫻井充

    櫻井充君 今の蓮舫代表と総理のやり取りをお伺いしていて、我々に説明する場だけじゃないと思うんです。国民の皆さんが画面を通して見ていらっしゃる中で、本当に今の答弁で信頼できるんだろうかと思われた方は相当多くいらっしゃると、私はそう思います。  蓮舫代表から、同じ質問主意書の中でここを読まれなかったんですが、この福島みずほ議員の質問主意書、これは皆さん知らないかもしれませんが、議長を通して議員が文書で質問できる権利があります。一番に何と書いてあるかというと、「安倍首相は、学校法人加計学園加計孝太郎理事長今治市に獣医学部を作りたいと考えていることを二〇一六年十一月九日以前に知っていたか。知っていたのであれば、いつから知っていたのか。」と。ここに明確に、実は加計孝太郎理事長がつくりたいと考えていることを知っていたのかと。そういう質問に対して先ほど総理がお読みになった文章なんです。  この提案を受けて、安倍内閣総理大臣本部長とする構造改革特区推進本部において、平成二十五年十月十一日、平成二十六年五月十九日、平成二十七年八月二十五日にともう書かれていて、これは、済みませんが、そして国民の皆さん知っていただきたいのは、この議長に返してくる答弁者は誰かと。これは総理とかそれから閣僚から返ってくるわけであって、これは閣議決定されている文書です。閣議決定されている文書の中にそういうふうに書かれているわけですから、これは、先ほどから今治市だとかそういう話になっていましたが、ここに明確にですね、明確に、加計理事長が、知っていたのはいつかということについて答えていただいているんですから、総理、今までの、先ほど整理してきたという内容、違っていませんか。
  146. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) これは、今治市からの提案は、平成十九年の福田政権のとき以来、構造改革特区として申請が行われてきたわけでございまして、第二次安倍内閣になってからも四度にわたって申請がなされたわけでありますが、その対応方針は私が本部長を務める構造改革特区本部で決定しており、今治市からの提案については私はこれ知り得る立場にあったわけであります、これは再三申し上げているところでありますが。しかし、数十件ある案件の一つにすぎず、結果も四度とも提案を事実上認めないものだったので、実際には今治市の提案についても全く認識をしていなかったわけであります。しかし、当然それは知り得る立場であったということは先ほど来申し上げているとおりでございます。
  147. 櫻井充

    櫻井充君 済みませんが、この質問は、加計孝太郎理事長今治市に獣医学部をつくりたいと考えていることを二〇一六年十一月九日以前に知っていたのかと、知っていればいつなのかといって、政府答弁ですよ、政府答弁。ですから、先ほどからのやり取りは全く違っているんですよ。  ですから、総理、改めてですよ、こうやって聞いていて、ここにちゃんと明確に文書で答えが返ってきていて、今また答弁が違うんです。これはおかしな話ですよ。これは繰り返しになりますが、これは、加計学園加計孝太郎理事長今治市に獣医学部をつくりたいと考えていること、安倍総理はいつから知っていたのかと聞いているんですよ。そうしたら、そのときにこういうふうに答えているんじゃないですか。  だから、昨日の大串さんの答弁も違うし、今日の今の蓮舫さんとのやり取りも全然違うんじゃないですか。違いますか。
  148. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) この閣議決定した文書、答弁書につきましては、まさにこれは事実、事実について申し上げているものでありまして、閣議決定、閣議決定においては……(発言する者あり)
  149. 山本一太

    委員長山本一太君) 静粛に願います。
  150. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 閣議決定においては、その過去の事実についてお答えに代える場合もあるわけであります。  そこで、獣医学部新設については、平成十九年十一月の愛媛今治市等からの構造改革特区域法第三条第三項に規定されている提案に係る説明において、これは最初説明ということでありますが、言わば十九年に出されたということであろうと思いますが、学校法人加計学園がその候補となる者である旨記載されておりと、こう書いてありますが、しかし、その後は、鳩山政権の後にはこの記載がないのは事実でございます。  ですから、今私が申し上げているとおりであるということは改めて申し上げたいと思います。
  151. 櫻井充

    櫻井充君 結局こうやって認めていただけないんです。認めれば大変なことになるから認めないんですが、こうやって文書で質問していたものに対して文書で答えが返ってきたことすら認めていただけない、これは非常におかしいと思います。  これ以上そのやり取りしていても水掛け論なので、私、ちょっと、おととい岡山理科大学でオープンキャンパスが行われました。この岡山理科大学でオープンキャンパスが行われた際に、あっ、そうですね、総理、今日は二つだけです、大きく言えば。要するに、加計ありきではないのかという疑念、それからそれに総理が関与していたんではないのかという疑念、この二点だけです。その二点について質問させていただきます。  加計ありきではないのかと感じた岡山理科大学のオープンキャンパス、これは加計学園グループ、まさしく獣医学部をつくろうとしているんですが、このときにある教授からこう発言されています。来年四月には必ず開学できる、秋から正式に学生を募集すると、こうおっしゃっています。まだ設置審で認められてもいないのに、どうしてこういうことを学生に言えるんでしょうか。おかしな話だと、総理はそう思いませんか。問題があると、そう思いませんか。総理に聞いていますから、山本大臣、あなたには何回も聞いていますから、今日は答弁結構ですから。総理、どう思われますか。
  152. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) その会話の中身、あるいは教授が言われたことを私は全く承知をしておりませんので論評することは適切ではないと思いますが、いずれにせよ、これからまさに文科省において、これ設置審ですか、設置審において認定されるものだと、このように思っております。
  153. 櫻井充

    櫻井充君 それでは、後でこれまた調べていただいて、どうなのかお伺いさせていただく機会をつくっていただきたいと思いますが。  さらに、資料を配っているんです、学生さんたちに。もう既に、二〇一八年度入試のポイント、獣医学部六年制、獣医保健看護学科、こういう資料までもう配っているんですよ、準備していて。しかも、そこの中に何て書いてあるかというと、びっくりしたのは、要するに、加計学園に入っても、浪人して、要するにそこの中で浪人して、仮面浪人と我々の時代呼んでいましたが、それをして大学受験することも可能ですよと言って集めているんですよ。ここです、問題になるのは。合格後、引き続き受験を続け、一般入試でワンランク上の大学、国公立大学にチャレンジすることも可能。  これは、山本大臣は何と答弁されていたかというと、加計学園は東大や北大よりも上ですと私の質問に答えていただいたこともあります。しかし一方で、加計学園が、多分、定数が百四十に減らされているかどうか分かりませんが、少なくとも、こうやって一般入試でワンランク上の大学、国公立大学にチャレンジすることも可能と言ってうたっていると。  つまり、最先端の大学で、ほかの大学には決してまねできないようなことをやるんだと。私たちは今まで石破四条件と呼んでおりましたが、石破四条件ではありません、安倍政権での閣議決定された事項の中に何てあるのかというと、「既存の大学・学部では対応が困難な場合」と書いてあって、自らですね、自ら、我々が言っていることは違って、やることは違いますからねと、そういうふうに言ってきているわけです。しかも、職業選択の自由もあって、要するにどういう形でやっていくのかということについても職業選択の自由があって難しいという話まで出てきています。  つまり、今まで国会答弁していただきましたが、これが全く虚偽であったと、そういうふうに私は思いますが、総理、いかがですか。
  154. 松野博一

    国務大臣(松野博一君) お答えをいたします。  事実関係から申しますと、現在大学の設置審において審議をされているところでございまして、その結論は八月の下旬をめどになされるものでありますから、そこにおいて設置が、認められる、認められない、保留等々の判断が審議会の方からなされます。それをもって私が、文科大臣が判断をするということでございます。
  155. 櫻井充

    櫻井充君 全然答えてもらっていませんよ。全然答えてもらっていませんから。  いいですか、少なくともですよ、ここの中で、もう開学しますとまで言い切っていること自体も言い過ぎ。しかも、このパンフレットまででき上がっている。もっと前から、ずっと前から準備していたわけですよ、おとといのためにです。  そして、しかも、繰り返しになりますが、一般入試でワンランク上の大学、国公立大学にチャレンジすることも可能。これまで、世界の最先端、国際的な獣医師の育成とか、全然関係ないです、自分たちのところより上の大学にも入れるからどうぞうちの大学に来てくださいと言っていてですね。まあこういうことですよ。  今まで石破四条件を満たしていた満たしていたと言っていますが、いかにうそであるかということがお分かりいただけるかと思います。もう山本大臣答弁結構ですから、いいです。  さて、加計ありきのことは幾らでもあるわけですよ。  四月の二日に、パネルがあるかと思いますけれども、(資料提示)まず、四月の二日に不思議なことが起こりました。これは、今治市職員が首相官邸を訪問しています。  国民の皆さんに知っていただきたいのは、首相官邸に入る際には首相官邸のどなたかにアポイントを取らないと入れません。私はこの間、萩生田官房長官にお会いしたいんですがと言って断られて門前払い食いました。国会議員でも入れません。  今治市の職員は急遽呼び出されまして、四月の一日に急遽変わって、四月の二日の三時から四時半に首相官邸に行って何をしたのかというと、そこにあるように、獣医学部系の設置に関する協議ということを行っています。前日までは実は県の出先と、それからもう一つは内閣府に行くということだったんですが、急遽変更になりました。四月の一日に急遽変更になっていて、非常におかしな話なんです。  誰と会ったのかというのが全く分からないんですが、総理、この三時から四時半の間というのは、この日は何をされていたんでしょうか。
  156. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) そのときに私が何をやっていたかという時系列のことでございますが、私は今治市の職員とはこれお会いをしていないということはまず申し上げておきたいと思います。  その上で、当時の記録を確認したところ、御指摘の時間帯でございますが、午後三時頃から河村建夫衆議院議員とお会いをし、そして、三時半頃から当時の下村文科大臣から四月七日に予定されていた教育再生実行会議説明を受けました。そして、午後四時頃から定例の安全保障に関するブリーフを谷内国家安全保障局長から受けていたところでございます。
  157. 櫻井充

    櫻井充君 こういう都合のいいやつはみんな出てくるんです。都合の悪いのは全く出ておりません。  さて、柳瀬参考人にお伺いしたいと思いますが、柳瀬さん、久しぶりでございます。柳瀬さんとは、特に原発の事故のときには大変お世話になりまして、柳瀬さん、私、柳瀬さんと今日久しぶりにお会いするんですが、前にお会いしたの、いつだか覚えていますか。
  158. 柳瀬唯夫

    参考人柳瀬唯夫君) いつ頃でしたでしょうか、多分七、八年前でしょうか、ちょっと正確じゃございませんけれども。
  159. 櫻井充

    櫻井充君 そうなんですよ。七、八年ぐらい前に財務省の当時の主計局長さんが会合を開いてくださって、官僚のこの方々が優秀で、これから先は日本の将来を担っていく人だから、副大臣、お付き合いしてくださいと言われてお会いしたのが最初だったと思いますが、それでよろしいですよね。
  160. 柳瀬唯夫

    参考人柳瀬唯夫君) 財務省の方が当時の櫻井大臣にどう御説明されたか、ちょっと私は存じ上げませんので、申し訳ございません。
  161. 櫻井充

    櫻井充君 でも、まあそのときに宴席一緒にしましたよね。
  162. 柳瀬唯夫

    参考人柳瀬唯夫君) 夜、お食事をさせていただいたのをよく覚えてございます。
  163. 櫻井充

    櫻井充君 さあ、七、八年前のことを覚えていらっしゃるんですから、去年、おととしのことは覚えていらっしゃると思うんですがね。  そうなってくると、これは記事でしかありませんが、今治市と会ったのがその当時の柳瀬首相秘書官だと、そう言われているんですが、これは事実でしょうか。
  164. 柳瀬唯夫

    参考人柳瀬唯夫君) お答え申し上げます。  当時、私は総理秘書官として国家戦略特区、成長戦略担当してございました。その関連で内閣府の担当部局と打合せもしておりました。私の記憶をたどる限り、今治市の方とお会いしたことはございません。  私が秘書官をしていました平成二十七年の前半までは、そもそも五十年余り認められてこなかった獣医学部新設をどうするのかという制度論が議論されていまして、この後、先生の御指摘のあったよりも多少後に、今、石破四原則とおっしゃった、再興戦略二〇一五というのをまとめて、いわゆる石破四原則というのをそこで書いたわけで、その過程でございまして、制度を具体的にどこに適用するかというふうな話は全く、当時の段階では全くございませんでした。  したがいまして、この段階でどなたにお会いしても、今治市がいいとか悪いとか、そういうことを私が申し上げることはあり得ないと思ってございます。
  165. 櫻井充

    櫻井充君 そうすると、簡潔に答えてください、今治市の職員とは会っていますか、その日、会っていませんか。
  166. 柳瀬唯夫

    参考人柳瀬唯夫君) 私の記憶をたどる限り、お会いしていないということでございます。
  167. 櫻井充

    櫻井充君 それは否定されたということでいいんですね。
  168. 柳瀬唯夫

    参考人柳瀬唯夫君) 私の記憶する限りはお会いしていないということでございます。
  169. 櫻井充

    櫻井充君 済みませんが、それは事実としてもう否定したということでよろしいんですね。
  170. 柳瀬唯夫

    参考人柳瀬唯夫君) 事実としまして、私の記憶のある限りはお会いしていないということでございます。(発言する者あり)
  171. 山本一太

    委員長山本一太君) 速記を止めて。    〔速記中止〕
  172. 山本一太

    委員長山本一太君) 速記を起こしてください。
  173. 柳瀬唯夫

    参考人柳瀬唯夫君) 記憶している限りはお会いしたことはございません。(発言する者あり)
  174. 山本一太

    委員長山本一太君) 速記を止めてください。    〔速記中止〕
  175. 山本一太

    委員長山本一太君) 速記を起こしてください。
  176. 柳瀬唯夫

    参考人柳瀬唯夫君) 会った覚えがないということでございますので、それで御判断をいただくということだと思います。
  177. 櫻井充

    櫻井充君 それでは、和泉補佐官今治市職員と会っていますか、その日に。
  178. 和泉洋人

    参考人和泉洋人君) 私は会ってございません。
  179. 櫻井充

    櫻井充君 今のように、会っていない方ははっきりと会っていないとおっしゃっているんです。  改めて、柳瀬参考人、いかがですか。
  180. 柳瀬唯夫

    参考人柳瀬唯夫君) 記憶たどっても会っていないということでございます。
  181. 櫻井充

    櫻井充君 そうすると、総理、首相官邸には、先ほど申し上げたとおり、誰かとアポイントを取っていない限り入れないんです。総理も違うとおっしゃる。それから、萩生田官房長官はあの当時はその職になかった。この間は菅官房長官からも違うと言われた。  であったとすると、今治市にはこういう記録が残っているんです。じゃ、なぜ、なぜですね、この一時間半の間こうやってアポが取れた。この点について、総理ですよ、総理、この点の疑惑を晴らさない限り、総理、こういう懸念、おかしいじゃないかという懸念は払拭できないと思いますが、総理、いかがですか。
  182. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) この今治市の職員の方が誰と面会したかについては、既に萩生田副長官国会答弁しているとおり、確認できなかったと承知をしております。
  183. 櫻井充

    櫻井充君 今回、私は参考人招致で今治市長をお呼びしたいと。要するに、今治市には明確な記録が残っているので、今治市の方に来ていただければはっきりすることだと思っています。  当委員会に是非、今治市の市長をお招きしたいと思いますので、よろしくお願いします。
  184. 山本一太

    委員長山本一太君) 後刻理事会で協議をいたします。
  185. 櫻井充

    櫻井充君 今、福山理事から言われたのは、与党が否定したということで、真相をちゃんと明らかにしたいのであればちゃんと今治市の方を呼んでやるべきだと、私はそう思います。  それで、今治市の方は割と情報公開は積極的でして、今治市から情報提供されたのがこういう資料もあって、これも不思議で、加計ありきじゃないのかと思っているんですが、スケジュール感、要するに、これは今治市の中で特別委員会が設置されていて、国家戦略特区の特別委員会の協議資料です。  スケジュール感のところに、一番、何て書いてあるかというと、赤い文字になっていますが、内閣府の主導で進められるため動きが不透明であるもののと書いてあって、一行飛ばして、内閣府としても最速で平成三十年四月の開学を目指していることがうかがえると。要するに、内閣府主導でやっていますと、それから平成三十年四月の開学を目指していると。これはちゃんと委員会資料ですからね、今治市の。そして、しかも事業者の意向と書いてあって、事業者は何をしたいかというと、赤い文字で書いてありますが、ボーリング調査等を行わせてほしい旨の申出の意向があると。つまり、このボーリング調査何でやらなきゃいけないかというと、平成三十年四月に間に合わせるためには土地の調査から何から必要だからこういうことをやっているわけです。そして、市の判断としては何かというと、内閣府の考えているスケジュール感に対応するためにと、もう全部こうやって書かれているんですよ。  ですから、内閣府が決めていなければボーリング調査もできないはずなんです。要するに主導してきたのは内閣府でですよ。総理、これが加計学園ありきと言われるゆえんなんですよ。こういう資料を我々は提示してどうなんですかとお伺いしているんですが、明確な答弁をいただけていないんです。  これについて、我々、だから加計ありきだと思うんですが、総理、この資料を見てどう思われますか。総理に聞いている。総理に聞いています。要らない。出ていけ。出ていけよ。(発言する者あり)
  186. 山本幸三

    国務大臣山本幸三君) 私どもは、常に最速の、できるだけ早く事業を実施して……(発言する者あり)
  187. 山本一太

    委員長山本一太君) 静粛に願います。
  188. 山本幸三

    国務大臣山本幸三君) その効果を検証したいということを考えているわけでありまして、そのことは常々そういうふうに申し上げております。それについてはそれぞれが、私どもが言っているできるだけ早くやってもらいたいということについて、それなりのシナリオ、それなりのシミュレーションをやっていくことだと思っております。  しかし、最終的に三十年四月からというのはパブリックコメントで出したということでありまして、それまでは一切どちらにも示しておりません。
  189. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 私は常々、構造改革、岩盤規制改革を進めていく上において、全体としてスピード感を持って進めていくように常々指示をしているわけであります。その上に立って山本大臣が調整した結果、言わばこれは文部科学省とも合意をして進めていったものだと、このように承知をしております。
  190. 櫻井充

    櫻井充君 山本大臣というのは本当に質疑の妨害しかしないんですから、答弁立たないでくださいよ。  それで、もう一つ申し上げておきたいことがあります。このボーリング調査平成二十八年の十月三十一日に申請しているんです、加計学園側から。そして、決裁が下りたのは十月三十一日、その日なんです。だけど、稟議書が回り始めた、起案は十一月の四日なんです。これは今治市でちゃんと全部情報公開してくれているんですよ。つまり、もう急がなきゃいけないので、稟議書を回すのは後回し、とにかく何でもいいから加計学園に言われたらやれと。  もう一つ、加計ありきのことを証明しておきたいと思いますが、高圧受電設備という設備を使わなきゃいけないと。なぜかというと、これから大きな建物を造るからです。これも実は平成二十八年の十二月の十四日に稟議書が回っているんですが、この際にその高圧受電の仮申込書というのは今治市から四国電力に行われているんですが、それはなぜ今治市からやっているのかというと、当学園が希望する電力量の供給におきまして新たな配電経路の整備が必要なことからと、早急に高圧受電申込書の提出を求められておりますと。本当であればやらなきゃいけないんですが、まだ認められてきていないと。そして、もう一つ、ここに書いてあるんですが、平成三十年四月の開学に向けて早急な対応が必要なことから、貴市により仮申込みを提出していただきたく下記のとおり申し出いたしますと、こう書いてある。  つまり、まだこの時点加計と決まっていないんです。加計で決まっていません。ボーリング調査ではありません。これはもう工事のための設備の準備をしてきている。こういうことまで行われてきているから加計学園ありきではないのかと我々は思っているわけですよ。  この点について、総理、いかがですか。
  191. 山本一太

    委員長山本一太君) 山本担当大臣。(発言する者あり)大臣、簡潔にお願いします。
  192. 山本幸三

    国務大臣山本幸三君) そういう細かいことを総理にお尋ねしても無理だと思います。それは私が担当しているわけでありまして、私に聞いていただければと思います。  ボーリング調査にしてもですね、これは今治市側でそういう申出があるところはどこでも認めるというふうに議会でも決めてやっているというふうにお伺いしております。  それから、その受電、電気系統についての話につきましては、それは今治市がまた判断しているし、それぞれオウンリスクでやっているんだと考えております。
  193. 櫻井充

    櫻井充君 今、山本大臣、看過ならぬ言葉をおっしゃいましたからね。そんな小さなことってどういうことだよ。言ったよ、今。そんな小さなことは総理答弁することじゃない。我々が調べてきたことに対してそういう失礼なことを言うのはおかしな話じゃないか。失礼だよ。いいから。もうあなたは答弁結構だ。時間の無駄だ。時間の無駄だから出てくるなよ。(発言する者あり)
  194. 山本一太

    委員長山本一太君) 速記止めて。    〔速記中止〕
  195. 山本一太

    委員長山本一太君) 速記を起こしてください。  山本大臣に申し上げます。表現には十分注意をしていただきたいと思います。
  196. 櫻井充

    櫻井充君 それでは、もう一つ、まだまだあるんです、実を言うとですね。今後のスケジュール開学まで決められているんです。これは文部科学省で作ったイメージ図でよろしいんですよね。
  197. 松野博一

    国務大臣(松野博一君) お答えをいたします。  御指摘の文書につきましては、平成二十八年九月から十月の初旬頃に、国家戦略特区に係る内閣府とのやり取りを踏まえ、シミュレーションを行うために文部科学省の担当官が作成したものでございます。
  198. 櫻井充

    櫻井充君 もうこの文部科学省開学までのスケジュールということが決まっていて、ちゃんと、最後のところ見ていただきたいんですが、平成三十年の四月開学と、もうこうやって決まっているんですよ。決まってきているんです。(発言する者あり)いや、イメージであろうが何しようが、こういう流れでやりましょうと。済みませんが、これはですね、これはこのとおりになっているし、それから、どうしてこれは今治ありきで進むんでしょうか。イメージでも何でも結構です。なぜ今治なんでしょう。どうしてそれは京都とかそういうことではなくて今治になるんでしょう。だから、この時点でやはり加計ありきじゃないんですかという話になるんですよ。  済みませんが、総理、これは、これはですよ、総理、京都にはこういうイメージ図なんか作っていないんです。ですから、今治のためだけに作ってきているんですよ。だからおかしいんじゃないかと申し上げているんですが、その点について、総理、どうですか。総理、ちょっと総理に。
  199. 山本一太

    委員長山本一太君) いや、まずこの件は文科大臣が担当です。
  200. 松野博一

    国務大臣(松野博一君) 文部科学省の作成でございますので、私の方から答弁をさせていただきたいと思います。  当該文書は、先ほど申し上げましたとおり、平成二十八年の九月から十月の初旬に作成されたものと思われますけれども、文部科学省に対して、当時、特段、京都産業大学の構想について内閣府から連絡があったものでもなく、文部科学省として、国家戦略特区として獣医学部新設についてそのプロセスの検討が進んでいる区域は今治市のみと承知をしていたために、今治市をもってシミュレーションを行ったということでございます。
  201. 櫻井充

    櫻井充君 今のとおりですよ。要するに、もう文部科学省はそう思ってやっているんですよ。だから、やっぱり今治市。そして、この間の参考人で加戸前愛媛県知事に来ていただいて、愛媛県知事、あの方が、与党の参考人が何とおっしゃっていたのかというと、今治市と加計学園はずっとセットですと、そういうふうにおっしゃっているんですよ。  ですから、総理、こういうことになればやはり加計学園ありきと思われてもしようがないと思いますが、総理、いかがですか。
  202. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 先ほど文部科学大臣答弁したとおりでございまして、当時出ていた加計学園今治市ですか、当時出ていた今治市について、言わば文部科学省説明を……(発言する者あり)
  203. 山本一太

    委員長山本一太君) 静粛に願います。
  204. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) こうしたものを作成したものだと私は、先ほどの文部科学大臣答弁した、を聞いていてそのように理解したところでございます。
  205. 櫻井充

    櫻井充君 それでは、まだあるんですよ、加計学園への伝達事項、これは資料でお配りしています。資料三の二にあります。資料三の二に加計学園への伝達事項として、これは十一月の八日だったと思いますが、文部科学省内でこの注意事項でいいんだろうかということをやっていて、それから、先日に加計学園から構想の現状を聴取したことについてと、昨日、大臣及び局長より、加計学園側から、これ資料の三の一ですが、文部省として構想は不十分だから早急に厳しく伝えるべきと、こういう指示があったということなんですが。  前川参考人にお伺いしたいと思います。獣医学部は告示でできないことになっていて、事前審査は行えないことになっているんではないかと思いますが、それについていかがでしょうか。
  206. 前川喜平

    参考人前川喜平君) 確かに、医学部、歯学部、これは歯ですね、それから獣医学部、さらに船舶職員の養成に係る学部につきましては、告示をもって新設は認めないということになっておりますので、通常ですと、そういった御相談があってもですね、これはいわゆる、まあ言葉は悪いですけれども門前払い、これは、御相談に応じてもこれは申請はできませんということでお断りするというのが通例であろうと思っております。
  207. 櫻井充

    櫻井充君 そういうことなんですよ。だから、ここでも特別扱いなんです。  さらにですね、前川参考人にお伺いしたいと思いますが、七十二人の教員を集めたから、これがですね、京都産業大学より熟度が高いと山本大臣答弁されているんですが、私は、東北医科薬科大学の関係者に話をお伺いしてみると、これは正式に決定するまでは教員を集めてはいけないと文部科学省に言われたと。これは、東北医科薬科大学、非常に公平に選ばれました。そこの関係者がそうおっしゃっているんですが、一般的にですよ、これは前川参考人にお伺いしておきたいと思いますが、大学の設置が決まる、設置審にかけて、いいですよということで決まるまでですね、教員を集めるということをやっていいんでしょうか。
  208. 前川喜平

    参考人前川喜平君) まあここは、私も実務の実態のところは具体的には承知しておりません。ここは学校法人側のオウンリスクでやるというケースはあるかもしれないと思っております。
  209. 櫻井充

    櫻井充君 オウンリスクなんですよ。要するに、例えばどこかの大学の方が辞めて来られることになれば、平成三十年四月開学が決まっていない限りはですね、そこで辞めて来られたら身分保障がなくなるんですよ。ですから、それを回避するために加計学園も少し考えたんですが、どうしたかというと、退職された方、この方はそういうリスクがありません、大学院を卒業された方、だからこういう方々が増えているんだろうと、そう思いますが、いずれにしてもですね、いずれにしても、一般的に申し上げればですね、平成三十年四月の開学が決まっていなければこういうことができないということだけ申し上げておきたいと、そう思います。  総理にお伺いしますが、総理は、和泉補佐官、若しくはあの当時の柳瀬秘書官にですね、その加計学園のことについて伝えたことはあるでしょうか。
  210. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 伝えたことは全くございません。
  211. 櫻井充

    櫻井充君 そうするとですね、総理意向という言葉がこうやってずっと独り歩きしていることについて総理はどうお考えですか。
  212. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) この昨日の審議でも明らかになったことでありますが、前川参考人も含めてですね、私から指示を受けたということを証言された方は誰もいないわけでございます。また、私から働きかけを受けた方も誰もいないわけでございます。  そこで、私は常々、国家戦略特区諮問会議におきまして、岩盤規制改革を全体としてスピード感を持って進めていくよう指示をしております。その私の指示の中においてですね、内閣府がですね、ワーキンググループとともにですね、この岩盤規制に穴を空けようと努力をしていく、関係省庁と交渉をしていく中においてですね、この私の言わば構造改革特区諮問会議における全体に対する指示について説明をしていくことがですね、言わば総理の意思ではあるわけでありますが、その伝わり方がどうだったかということについていろんな議論があるところであろうと、このように思います。
  213. 櫻井充

    櫻井充君 前回の、前回というか、文部科学と内閣の合同委員会のときに前川参考人はこうおっしゃっていたんですが、官邸がここにこういう場合に関与するということはまずないんだと。それはなぜかというとですね、国家戦略特区の所掌事務は内閣府だからなんです。ですから、ここのところで総理の御意向という言葉が出てくること自体、僕は非常に不自然だと思うんですよ。  国家戦略特区の案件でですよ、総理総理、この文言の中で、いろんな案件があります、いろんな案件がある中で、こういう文書、ここの文書の中にはちゃんと総理の御意向と書いてあって、総理の御意向と書いてある文書を総理は御覧になったことがありますか。
  214. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) この総理の御意向という文書を事前に見ていたということは全くございません。
  215. 櫻井充

    櫻井充君 事前にというのは、そうではなくて、この加計学園というか今治市の獣医学部新設以外ですね、ほかの案件で総理の御意向というような文書が回っていった、指示が回っていったと、そういう文書を総理御自身は、いや、済みませんが、これも時間がないので総理にお願いしたいんですが、総理は見たことないですよね。ありますか。
  216. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) それは見たことはございません。
  217. 櫻井充

    櫻井充君 ないんだと。ないんだと思うんですよ。要するに、この案件だけこうやって突出して、総理の御意向だ、総理の御意向だと。それから、前回も前川参考人がおっしゃっていたのは、今までこういう総理の御意向だということを、要するに首相官邸が関与するということ自体が経験がないと、そういうふうにおっしゃっているんです。  ですから、総理、もう時間になりましたので……
  218. 山本一太

    委員長山本一太君) 時間ですので、まとめてください。
  219. 櫻井充

    櫻井充君 はい。  疑念を晴らすためには、やはり記憶がないとか記録がないとか、今のようなことに対して、先ほどの山本大臣みたいな答弁じゃなくて、きちんとした説明をしていただかないと、いつまでたっても疑念が晴れないということだけは申し上げて、私の質問を終わります。  どうもありがとうございました。
  220. 山本一太

    委員長山本一太君) 以上で櫻井充君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────
  221. 山本一太

    委員長山本一太君) 次に、河野義博君の質疑を行います。河野義博君。
  222. 河野義博

    河野義博君 まずは冒頭、各地で発生をしております豪雨災害に関しまして、犠牲となられた方々の御冥福を心よりお祈り申し上げますとともに、被災者の方に謹んでお見舞いを申し上げます。公明党一丸となって被災者への支援、そして生活再建に向けて取り組んでいきますことを御決意申し上げまして、質問に入らせていただきます。  まず、獣医学部新設に関連して質問をいたします。  国家戦略特区を活用した大学獣医学部新設に関しまして、国民の多くは、総理が旧知の方が経営される学校法人に対して何らかの便宜が図られたのではないか、すなわち手続が不公平であったのではないかという疑念を持たれております。この手続の公正性に関しましては、去る七月十日の衆参両院で行われました連合審査、また昨日の衆議院予算委員会、そして本日の参議院予算委員会でも繰り返し答弁がなされておりますけれども、政府内において総理は直接指示したこともないし、官邸内に総理から直接指示されたという方々も一人も当事者は確認されませんでした。  また、国家戦略特区のワーキンググループ座長であります八田氏からは、決定のプロセスには一点の曇りもないと、諮問会議特区ワーキンググループでは、全ての規制に関して、規制官庁がその規制に合理的な根拠を示せるか否かを基準にして議論をしているということでありまして、最も基準が整っていた今治市が最初の一校目になったというふうに明確に答弁されておりまして、決定に至るプロセスは適正であったという説明が繰り返しなされているわけであります。  一方で、ないと言っていた文書が後から出てきたり、不要と言っていたのに調査を後からやり直すといった対応が後手後手になった点、こういった点が国民の信頼を失う一つの理由になったものだと思っております。公文書の作成や保管の在り方に関しては、私はなお一層改善の余地があるというふうに思っています。  総理は、去る六月十九日、記者会見におきまして、一連の問題に対する御自身の姿勢について反省の弁を述べられるとともに、政府としても今後分かりやすく丁寧に説明していくというふうに述べられました。改めて安倍総理から国民皆様に、疑問に対してしっかりと説明責任を果たして信頼を回復をしていく、そういう御決意を披露いただきたいと思います。
  223. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 李下に冠を正さずという言葉がございます。私の友人が関わることでありますから、国民皆様から疑念の目が向けられることはもっともなことであります。その観点が私の今までの、振り返りますと、答弁には欠けていた、足らざる点があったことは、至らない点があったことは率直に認めなければならないと考えております。  厳しい国民目線がある、そのことをしっかりと踏まえた上において、事実に基づいて丁寧な上にも丁寧にお話をしていきたいと、こう考えております。
  224. 河野義博

    河野義博君 総理の丁寧な御答弁、引き続き政府挙げてお願いをしたいところでありますけれども、先ほどの問題、手続の公正性に加えまして、重要なのは、政策判断が妥当であったかということもしっかり議論すべきだと思います。その点の議論も深めてまいりたい。  今回の獣医学部新設に関しては相当な時間を使って質疑がされてきましたけれども、その大半は、いつ誰が何を言ったか言わなかったといった議論が大宗を占めておりまして、その政策的な意義というのは余り議論がなされておりませんでした。  半世紀ぶりの規制改革でありまして、獣医学部新設される、これが実現するとなる、国民にとって具体的になぜ必要であって、そして新設されたならば今後どのようなメリットをもたらしていくのか。動物検疫に関わる獣医師が不足している、獣医師の偏在がある、地域に偏在がある、そして公務員獣医師も確保が非常に難しい状況に陥っている、これらの状況を踏まえて、具体的に獣医学部新設されたならば今後どういうふうなメリットがあるのか。総理の口から国民皆様に分かりやすく御説明をいただきたいと思います。
  225. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) これまで閉会中審査におきましても前愛媛県知事の加戸知事からも御説明がございましたが、近年、鳥インフルエンザあるいは口蹄疫といった感染症が国際的に拡大をしています。あるいは創薬をめぐる国際競争が激化をしているわけでありまして、このように世界的に獣医師の役割が拡大している中において、アメリカでは獣医大学の新設を認めているのに対して、我が国では五十年以上にわたって医学部の新設を阻んできた規制が存在するわけであります。  今回の獣医学部新設は、こうした時代のニーズに応え切れなくなった岩盤規制に改革の突破口を開き、獣医学部新設することにより獣医療の知見を生かした新薬の開発、これは新薬といってもこれ動物用の新薬だけではなくて、言わば動物から動物、動物から人間にうつっていくものもありますから、私たちの命を守るための新薬も含めてでありますが、新薬開発など我が国の創薬産業の活性化を図るとともに、感染症の水際対策など畜水産業の振興を図ろうとするものでありまして、産業の国際競争力の強化を通じて多くのメリットをもたらすものと考えております。
  226. 河野義博

    河野義博君 必要性に関しましては参考人にも伺っておきたいと思います。  規制官庁御出身であります、文部科学省御出身でございます加戸前知事でございますけれども、愛媛県知事として長年にわたり規制改革を訴え、今治市への獣医学部誘致を訴え続けてこられました。半世紀以上維持されてきた獣医学部の設置規制、これにより保護されてきたものは何か、そしてまた逆に失われたものは何なのか、また今回規制改革地方創生にどのように貢献していくのか、御所見をお聞かせいただきたいと思います。
  227. 加戸守行

    参考人(加戸守行君) 思い返しますと、今から十年以上前、獣医学部構想に私は先頭を切って走りました。それは県内の事情等もありますし、また、私に教えていただいたアメリカでのいろんな獣医学部の充実の構想自体も受けながら、初めは、これだけの材料があれば行けると思って古巣にも当たりましたけれども、まず門前払い、言うなれば受付がされないということからスタートして、十年間の日時を振り返ってみますと、いかに既得権益を守ろうとする既存の団体が頑丈な岩盤を築き上げてきたのかということを今しみじみと感じております。  世界でいかなる国においても、これだけの必要があるとみんなが認識しているものが十年たっても認められない世界なんてあり得るんでしょうか。これは獣医の問題です。しかし、こういったことがほかの分野でもあり得るんじゃないのかと。時代が求め、国民が求め、世界が求めて、なさねばならぬ、特に地方の悲痛な声も含めて、それがなぜ崩せないのか。  そして、先ほど委員の御質問で、得たもの等の御質問ありました。  考えてみれば、岩盤規制によって、既存の大学は教員を少ないままに据え置いて人件費を節約し、そして水増し入学で授業料を入れて、経営的にはほかの学部よりも獣医学部はドル箱になっております。そういう、ピーク時には何百人も増員、水増し入学がされておきながら、百六十人の今度の構想はびた一文駄目、玄関払いです。これは世界の常識から外れています。こんな規制があるのは日本だけです。私は思いました。それは、自分自身が軽く考えて、私の出身官庁ですから、先輩に敬意を表して努力してくれるかと期待しました。ありませんでしたね。  でも、昔の役人は、私、違っていたと思います。私の若い頃、文部省が何に燃えていたか。教員の給与を上げることです。それは、実態として、県庁に入った職員と教員とは給与体系も違いますけれども、仕組みとして、行政職は係員から係長、課長補佐、課長と上がるたびに等級が上がっていきますから、給料が跳ね上がっていきます。教員の世界にはそれがない。それから、行政職は、特別昇給制度によって年間、一年間に一五%の職員が自動的に一号俸上がる。教員の世界では、勤務評定反対闘争があり、勤務評定によって差が付けられちゃいけない。  したがって、これだけの、初めは肩を並べているはずが、気が付いてみたら一〇%も二〇%も県庁へ入った職員の方が上になっていくんです。でも、卒業する時点では、優秀なのは学校の先生になった人たちだったんですよ。これでいいのかというのが、文部省職員の思いが文教族をたきつけました、先生方頑張ってくださいと、必死に。したがって、政治の力を借りてでも公務員としてなすべき思いを達成できました。  私は、安倍総理に任命された教育再生実行会議の中で繰り返し、今のなし崩しに消えていった教員給与に関して、これを、二〇%の優遇を措置した原点に戻って、教職員の人材確保に関する臨時措置法、略称して人確法の原点に戻ってほしいという悲痛な願いを提言の中にも盛り込んでいただいております。いつかはこれがまたよみがえってくることを願っている、これが私が役人としてなす仕事なのではないのか、そんな思いでございました。  本当は、今の文部官僚に期待したいのは、こんな岩盤規制は取っ払いましょうよと大臣に進言して、他の力を借りることなく自らできるような役所になってほしいなと思います。しかも、所管の違いが、省庁の縄張があると同時に、文科省の中にも課の縄張があります。御承知のように、獣医学を担当するのは、獣医教育担当するのは専門教育課です。そして、同じ四年制から六年制の教育に延長されて、国家試験によって決められ、本当は総量規制があってしかるべき薬剤師は、薬学部は医学教育課の所管です。課が違うんです。ただそれだけの理由で、岩盤規制が固められてきた獣医学部は一名たりとも増員まかりならない。片や、横目で眺めておりましたけど、薬学部はかつて六千人ぐらいの入学定員が今一万二千人の入学定員に倍増しております。薬学部も二十幾つ増えております。誰も文句は言いませんでした。  仮に加計学園今治に薬学部をつくりたいと言えば、誰も文句は言わずすっとパスしたはず。加計学園だから薬学部認めないとは誰も言わないでしょう。こんなにたたかれません。獣医学部だからたたかれる、不思議ですねと。そこはやっぱり考えていただきたいと思います。  恐縮でございます。
  228. 山本一太

    委員長山本一太君) 残余の質疑は午後に譲ることといたします。  午後一時に再開することとし、休憩いたします。    午前十一時五十五分休憩      ─────・─────    午後一時開会
  229. 山本一太

    委員長山本一太君) ただいまから予算委員会を再開いたします。  予算執行状況に関する調査を議題とし、安倍内閣基本姿勢に関する集中審議を行います。  休憩前に引き続き質疑を行います。河野義博君。
  230. 河野義博

    河野義博君 午前に引き続きまして、愛媛県に獣医学部新設されることになった件に関しましてお伺いをいたします。  加戸参考人の方からもございました。これまで定員が抑制をされてきたと、定員に対して超過の人数を大学は実際に今まで受け入れてきたという御発言もございました。  去る七月十日の参議院の連合審査会におきまして、我が党の里見隆治委員質問でも明らかになったように、全国の獣医学部の入学定員は、昭和五十年以来四十二年間、若年人口や畜産の数が大きく変化する中にあっても、九百三十名のまま四十二年間変化がございませんでした。実際の入学者数は毎年おおむね一割程度超過している状況にありまして、制度と実態が乖離している状況が明らかになっております。また、昨年の入試倍率は、定員が九百三十名に対して志願者、これは重複志願者も含めますけれども、一万三千五百七十八人ということで、平均すれば倍率が十四・六倍と非常に高い状況にあるのが獣医学部の特徴でございます。  今回、国家戦略特区における獣医学部新設に当たり、獣医師の需給バランスを保つために設定されている獣医学部の定員が大きく超過していると、こういった状況を踏まえれば、特区の枠組みにとらわれずとも獣医学部新設を検討する余地があったのではないかと。  そもそも、獣医学部新設、定員増を抑制してきた文部科学省の方針について、その妥当性をしっかりと検証する必要があるのではないかと思いますけれども、文部科学大臣の御所見を伺います。
  231. 松野博一

    国務大臣(松野博一君) お答えをいたします。  原則として、大学・学部等の設置認可に係る申請は自由となっておりますが、医師、歯科医師、獣医師及び船舶職員については、人材需給に関する政策的要請を踏まえた計画的な人材養成が必要であるとともに、養成には相当の時間を要し多額の公費の投入を伴うこと等から、各所管省庁の人材需要に関わる意見を受けてこれらの分野の学部等の新設又は定員を抑制をしているところでございます。したがいまして、文部科学省独自の判断によりこのような抑制の方針を取っているというものではございません。  今後、獣医師の需給を所管する関係省庁が獣医師の需給の観点から問題がないと判断されるのであれば、文部科学省としても抑制の方針について対応を検討してまいりたいと考えております。
  232. 河野義博

    河野義博君 獣医師の偏在解消、また公務員獣医師をしっかりと確保していくという視点からもしっかりと検討を進めていただきたいというふうに思います。  また、本件は規制緩和をするかしないかの議論でありまして、当然、今まで認めてこなかった文部科学省と、それから、新しく認めさせたい規制改革側との立場というのは相反するのは当たり前のことでありまして、規制緩和を求められた文科省としては公正な行政がねじ曲げられたと言い、また、改革側からは、元々不公平な行政だった、これが正されたんだという、相反する立場というのはお互い間違っていないのかなと私は思っております。  大事なことは、政策的な意義は何か、なぜ必要なのかというところをやっぱりしっかりと議論していくということが立法府に求められた視点だと思いますし、また、公文書の作成、管理、保存、そして開示といった在り方は引き続き改善の余地があると思いますので、こういった努力を不断にしていかなければならないというふうに思います。  次に、豪雨災害に関して伺います。  昨日も東北中心に大きな雨が降りまして、災害が発生をしております。現場の確認が進められているところでございますけれども、三週間前、北部九州豪雨災害が発生をいたしました。(資料提示)福岡県の朝倉市、東峰村、大分県日田市など北部九州集中豪雨に見舞われまして、朝倉市の黒川の観測所では七月六日八時までの二十四時間に実に八百二十九ミリもの雨が降った。七月五日十五時までの一時間では百二十四ミリという大雨を観測をしております。  この局地的な豪雨によりまして、朝倉市、東峰村、そして日田市を中心に多数の斜面崩壊や土石流が発生をいたしまして、土砂とともに大量な流木が下流まで流出しまして、一帯が大きな被害をもたらされました。死者三十五名、行方不明者は依然六人という大惨事でありまして、昨日も警察と自衛隊が中心となって集中的な捜索活動が行われているところでございます。  政府におきましても、発災直後に防災対策を実行着手をしていただきまして、地元行政ともしっかり連携をしながら、警察、消防、自衛隊、海上保安庁、連携して人命救助、救援活動を行いました。その後も、復旧復興活動にも政府一丸となって取り組んでいただいているものと承知をしております。  公明党も毎週、復興・防災会議を、復興・防災本部を開催をいたしまして、全省庁からのヒアリング、また要望を行っておるところでありまして、今後、官邸に対しても総合的な対策申入れをやらせていただく予定としております。  私自身も九州、沖縄を中心に活動しておりますので、すぐさま被災地に、現地に入りまして、これまでも現地調査を重ねてまいりました。訪問した全ての自治体から言われることは、まずは激甚災害指定を早くやってくださいという強い要望がなされてまいりましたけれども、今般、政府は、発災後約二週間というまさに異例とも言えるスピード感を持って激甚災害指定に向けた見通しを示していただいたということは大変重要であります。また、今回は農地に関しては広域に指定をしていただいておりますので、秋田で発生をいたしました災害についても含まれるというように私は聞き及んでおります。  こういったように、激甚災害指定をすることで国の補助率がかさ上げになりますので、地元の自治体としては復興復旧に向けた予見可能性が非常に高まるということで非常に高く評価をされておりますし、スピード感を持った対応、私は高く評価をいたします。  一方で、今後、激甚災害指定のプロセス、まあいつも時間が掛かるということで、プロセス自体を短縮化してはどうかという意見もあるこの制度の見直し自体を求める声もありますけれども、こういった声にどう対応していくのか、総理の御所見をお聞かせください。
  233. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 私自身も十二日に被災地に入りました。そこで、家やあるいは道路や橋が流され、至る所にもう流木があるという状況を目の当たりにいたしまして、被害の甚大さをこの目で確認をいたしました。被災自治体が財政面で不安なく、不安なく復旧復興に向けて専念できるように、一刻も早く激甚災害の指定を行うよう指示をしたところでございます。  政府としては、緊急災害対策派遣隊や専門家等の派遣による現地調査等の支援、被災地の航空写真を活用した被災額の早期把握などの取組により、今回は、特に被害の大きかった福岡県、大分県を始め、指定基準に達したものについて、閣議決定を待たずに、二十一日に指定見込みとして公表したところであります。これは、まさに自治体の皆さんにとって安心して、財政面で安心できるためにそのような指定を行ったところでございます。  これまでも指定の迅速化について不断に見直しを行い、取り組んでいるところでありますが、今後とも、被災された方々や被災自治体の立場に立ちながら、激甚災害の円滑な指定を始め被災地の支援の在り方について更にどのようなことが可能なのかを検討してまいりたいと思います。
  234. 河野義博

    河野義博君 不断な検討をお願いしたいと思っております。  現場では、緊急対応フェーズから復旧復興に向かった本格的な作業に入っていくところでございまして、やはり地元からの要望は、中長期的な支援をお願いしたいというところを多く聞くわけであります。  今後、被災自治体が財政面の不安なく復旧復興を図るために、自治体からのこういった中長期的な支援、この要望にどのようにお応えをしていかれるでしょうか。また、創造的な復旧復興には、長期にわたって政府が多面的にハード、ソフト両面で支援をしていく必要があると思います。特に、国庫補助率の負担金や特別交付金を始めとした地方財政措置により十分な財政支援が不可欠と考えますけれども、総理、どのようにお考えでしょうか。  また、被災地は九州でも有数の農林業の産地でございまして、農産品の被害は大変甚大でございます。また、流木が堆積する筑後川河口では有明海にまで流木が訪れておるわけでございますが、今、ノリの養殖を直前に控えておりまして、こういった流木対策も喫緊の課題、総じて農林水産業に対する支援は緊迫をしております。また、近隣は多く温泉地を抱えておったり、また、三連水車など観光資源も豊富であります。夏休みを前に宿泊のキャンセルも増えておりまして、風評被害を含めた総合的な観光対策も求められております。  加えまして、なりわいを回復するための商工業対策、また、被災者の生活再建に向けてきめ細やかなサポートが必要と考えますけれども、どのように対応されるおつもりか、御所見をお聞かせください。
  235. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 被災された方々が被災前の笑顔を取り戻し、安心して暮らせる生活を取り戻していくことができるようにするために、なりわいと、そして生活の復旧復興に取り組んでいくことが必要であります。そのため、被災自治体が財政面に不安なく復旧復興に専念できるよう、まずは災害救助法が適用された五市町村に対し普通交付税の繰上げ交付を行うとともに、激甚災害の指定の見込みを公表したところでありますが、今後は速やかに激甚災害指定を行い、財政支援等の特例措置を講じてまいります。あわせて、被災した地方公共団体の実情を十分にお伺いをし、地方交付税や地方債による地方財政措置により、その財政運営に支障が生じないように取り組んでまいります。  また、現在も避難所には多くの被災者の方々が避難されています。避難所の生活環境を整える一方、速やかな仮設住宅の建設の着手や被災自治体への被災者生活再建支援制度の適用など、被災者の生活の再建に向けてきめ細かな取組を行っているところであります。  また、今御指摘にあった、農業も大変な被害を受けました。甚大な被害を受けた農林水産業や商工業、観光業などの被災地のなりわいについて、発災直後から、農林水産関係の技術系職員の被災地派遣による被害状況調査や被災した中小企業に対する特別相談窓口の設置及び資金繰りなどの支援の実施、また、観光需要の回復に向けた風評被害払拭対策として、観光庁などのホームページにて正確な情報の発信等の取組を進めています。  今後とも、被災者の生活となりわいを一日も早く取り戻すことができるように、被災自治体と緊密に連携し、被災者の目線に立って、政府一丸となってしっかりと復旧に、できることは全てやるとの思いで取り組んでいきたいと思っております。
  236. 河野義博

    河野義博君 被災地目線に立った中長期的な支援をお願いしたいと思っております。  続きまして、国土交通大臣に伺います。  国交省は発災後直ちに、その現場力を生かしていただきまして、九州地方整備局を中心に、全国からテックフォース、またリエゾン人員と呼ばれる技術者をすぐに派遣をしていただきまして自治体を支援していただいたこと、これは地元の行政からも高く評価をされ、また感謝の思いが伝えられているところでありますけれども、近年、全国各地水害が頻発、そして激甚化をしております。一昨年九月の関東・東北豪雨、また昨年八月、台風による岩手県そして北海道の県管理河川などの中小河川氾濫をし浸水被害が発生したことを受けまして、迅速な災害復旧を行うため国土交通省が県に代わって工事を実施できる権限代行制度、これがさきの通常国会河川法が改正されまして今年の六月に創設をされました。  今般、福岡県からの要望に従いまして、赤谷川、大山川、そして乙石川、この三つの河川に関しまして権限代行制度が活用される第一号事案となりました。改めて、権限代行制度の概要及びその採択に至った経緯を御説明いただきたいと思います。
  237. 石井啓一

    国務大臣石井啓一君) 高度な技術力等が必要な場合に、都道府県等からの要請に基づき国が権限代行で災害復旧等を行う制度を、さきの国会で成立をいたしました改正河川法により新たに創設をいたしました。  今回の災害におきましては、福岡県が管理している筑後川水系の赤谷川等では、上流部での山腹崩壊によりまして大量の土砂が流出し、著しい数の流木が堆積をいたしました。このため、今後の降雨によって二次災害が発生するおそれがあり、また土砂の流動性が高いことなどにより工事に高度な技術力を要するとして福岡県知事から工事の代行の要請を受けたところであります。  国としても極めて緊急性が高く、高度な技術力が必要であることを考慮いたしまして、権限代行制度適用の第一号といたしまして七月十八日に国が権限代行により土砂や流木の除去を実施することを決定をいたしまして、翌十九日から現地での作業を開始をしているところでございます。  引き続き国土交通省として全力を挙げ被災地の復旧復興支援に万全を期してまいります。
  238. 河野義博

    河野義博君 特に基礎自治体では、専門的な技術者がいないということで国交省を本当に頼りにしているというのが率直な自治体の意見だろうというふうに思います。引き続きお願いをしたいと思います。  もう一点、国交大臣に伺います。  北部九州は非常に豪雨災害多く、五年前にも大きな被害を受けました。災害復旧の実施に関しては、壊れた状態を元に戻す原形復旧ではなくて、再度災害が起こっても大丈夫なように改良した復旧工法を採用してほしいという自治体の意見が多く寄せられておりますけれども、この御意見、改良復旧工法を採用する件についてどのように処される方針か、御意見をお聞かせください。
  239. 石井啓一

    国務大臣石井啓一君) 甚大な被害を受けた被災地におきましては、早期復旧を図るとともに、より災害に強い地域をつくっていくことが求められるため、原形復旧のみならず、再度災害の防止を図ることができるよう川幅を広げる等の機能を強化する改良復旧事業の活用を図ることが重要であります。  今回の災害を受けまして、国土交通省が自ら管理する一級河川においては、流量増への対応などの改良復旧等を進めるとともに、地方公共団体が実施する事業につきましても改良復旧事業の活用が進むよう、地方公共団体が行う事業計画の策定などに対しまして国土交通省として支援を行ってまいります。さらに、改良復旧事業の実施を円滑に進めていくに当たり、地方公共団体からの御要望があれば、よくお伺いをした上で、どういったことができるか検討をしてまいります。  国土交通省といたしましては、被災者の方々が一日も早く元の暮らしを取り戻すことができるよう、被災箇所の早期復旧に全力で取り組んでまいります。
  240. 河野義博

    河野義博君 改良復旧工法に関しては、地元の要請があれば検討していただけるという御答弁でございました。  これは国交省には最後になりますが、これ要望ですけれども、JRの久大線、また日田彦山線が不通になっております。この復旧に向けてJR九州の支援もお願いしたいという点に加えまして、大分県から福岡県内に通学をされている学生さんがいらっしゃる。鉄道が不通になっておりまして、代替のバスも現時点では得られていないということで、そういった問題も発生をしておりますので、きめ細やかなフォローも是非ともお願いしたいというふうに、これは要望でございます。  続きまして、総務省に伺います。  自治体職員の支援体制に関しまして、被災地の福岡県、大分県からは、既に熊本大地震への対応や東日本大震災への対応で職員派遣を行っている側でございまして、タイトな人員での対応を迫られている状況にございます。  また、基礎自治体におきましても、今後の復旧復興に向けては、今後、罹災証明の手続、また被害状況の査定、そして基本的な住民サービスへの対応が増えていくということから、圧倒的にマンパワーが足りなくなるのではないかということが懸念をされます。  そこで、明らかに足りなくなるのであればしっかりとプッシュ型の支援をしていただきたいというふうに私、思っておるんですけれども、総務省としては、この充足の要望があれば対応するというスタンス、従来からのスタンスでありますけれども、是非ともプッシュ型で支援していく、もう明らかに足りなくなるわけですから、もう今のうちから是非手だてを講じていただいて、手が挙がったらすぐに派遣をできるような体制を整えていただきたいというふうに思いますけれども、高市大臣の御所見をお聞かせください。
  241. 高市早苗

    国務大臣(高市早苗君) 九州北部豪雨の被災自治体からの応援職員派遣要請につきましては、今朝の時点におきましても一〇〇%充足しています。これは、福岡県、大分県のお力添えによりまして県及び県内市町村からの応援によるものでございます。更に今後マンパワーが不足することが想定されますので、まずは九州地方の知事会で対応して、それでも不足する場合には全国知事会と総務省で連携をして全面的に対応することにいたしております。  発災後すぐに総務省からもリエゾンを現地に派遣しておりますので、そこの連絡は大変密にしております。現在は、被災県から要請があり次第、いつでも応援派遣ができるように準備をしております。  また、七月十二日に私、被災地に伺いました。そのときにも、今後、復旧復興に向けて、先ほど先生がおっしゃいました罹災証明等の事務もありますが、土木ですとか農業土木の専門の職員が必要になるというお声も伺いましたので、速やかに事務方に指示をいたしました。  先ほど普通交付税の前倒し交付など財政支援の話も総理から答弁がありましたが、プッシュ型で連絡を密にしながら取り組んでまいります。
  242. 河野義博

    河野義博君 プッシュ型でやっていただけるという有り難い御答弁をいただきました。感謝申し上げます。  次に、今回の災害の要因の一つは、林業の衰退によって、また山の間伐が不十分で山の保水能力が著しく低下しているという、これが原因ではないかという指摘がありますけれども、農林水産省としてどのように受け止められておられるか、また今後の方針と併せてお聞かせください。
  243. 山本有二

    国務大臣山本有二君) 河野議員の御指摘は、国土保全の観点から大変重要な指摘だというように思っております。  特に北部九州のこの度の被災は、土砂と流木の数が異常に多いというような特徴がございます。おっしゃるように、適切な間伐を行うことによりまして、木の根の発達や、低木、草の森林内の進入を促して土壌緊縛力等を増大させて、森林の山腹崩壊を防止する機能あるいは保水能力を高める能力が森林にはございます。その森林の機能が働かなかったことは何ゆえかという点でございます。  林野の治山の専門職員の調査によりまして、今回の災害で発生しました山腹崩壊は、真砂土等の脆弱な地質地帯、沢地などの地形におきまして、記録的な豪雨によって森林の機能を大きく超える外力が働いた結果発生したものと推察されております。すなわち、二百から三百ミリの雨量のところでは森林の崩壊防止機能は顕著でございます。しかし、五百ミリを超え、土石流も含むことになりますと、この機能は維持できません。限界を超えることになります。  したがいまして、引き続き省内に流木災害等に対する治山対策検討チームを置きまして、更なる科学的な分析を今図っておるところでございます。  以上でございます。
  244. 河野義博

    河野義博君 中小河川被害が甚大であった、私は、流木による被害が大きくなったというのが今回一つのキーワードであろうかと思います。通常の雨量であれば保水力があれば何とかなったんだけれども、五百ミリを超えるような雨であれば、真砂土の地域によっては何を植えられていても防ぎようがなかったというのが実情なんだろうというふうに思いますけれども、今回検討チームを立ち上げていただきましたので、しっかりと検証をしていただいて全国展開していただけるようにお願いをしたい。  また、ハード面ではもう防ぎ切れない状況であれば、ソフト面にどう生かしていくのかということも課題でございますので、省庁連携したお取組を是非ともお願いしたいというふうに思っております。  最後に、地球温暖化防止に向けて更なる取組環境大臣に伺います。  現時点では、個々の豪雨や台風などの気象状況と気候変動との因果関係について必ずしも明らかでないというのが環境省の立場でありますけれども、近年の豪雨災害や台風など自然災害と地球環境、温暖化との関連性を指摘する研究結果というのは枚挙にいとまがないわけであります。我が国でも温暖化がもたらす自然災害の脅威を防ぐということを広く伝える努力をすべきと考えますが、御所見をお聞かせください。
  245. 山本公一

    国務大臣山本公一君) 温室効果ガスの排出量の増大によりまして平均気温は上昇しておりまして、今後も大雨や台風の発生頻度は増加すると予測をいたしております。したがいまして、温室効果ガスの排出削減に着実に取り組むとともに、気候変動影響に対処し、被害を回避し、そしてまた軽減する適応策が重要になってこようかと思っております。  そういう意味におきまして、平成二十七年十一月に気候変動影響への適応計画を……
  246. 山本一太

    委員長山本一太君) 時間ですので、短くまとめてください。
  247. 山本公一

    国務大臣山本公一君) 閣議決定をいたしておりまして、それに従いまして、環境省としては国民運動を旗印に今後とも地球温暖化対策計画を進めてまいりたいと思っております。
  248. 河野義博

    河野義博君 ありがとうございました。終わります。
  249. 山本一太

    委員長山本一太君) 以上で河野義博君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────
  250. 山本一太

    委員長山本一太君) 次に、小池晃君の質疑を行います。小池晃君。
  251. 小池晃

    小池晃君 日本共産党小池晃です。  九州北部で豪雨災害があり、その後も、秋田県、新潟県などで被害が広がっています。心からのお見舞いとお亡くなりになられた方にお悔やみを申し上げます。  私も、福岡県朝倉市、東峰村、そして大分県日田市など被災地回って、お見舞いと、要望もお聞きをして、日本共産党対策本部として松本防災担当大臣に申入れも行いました。当面、行方不明者の捜索に全力を挙げるとともに、被害状況の把握、必要な対策を取ること、そして、今回の被害は被災自治体の財政規模をはるかに超える規模被害になっておりますので、激甚災害指定は当然ですが、被災した自治体に対する特別な財政支援をまず求めておきたいと思います。  陸上自衛隊が南スーダンPKO部隊の日報データを保管していたとされる問題について、昨日、我が党の笠井亮衆議院議員の質問に対して総理は、陸自に残っていたということについての説明はまだ報告を受けていないと。私ね、これ驚くべき答弁だと思うんですよ。NHKで報道されたの三月十五日ですよね、それから四か月以上たつのに報告も求めていないんですか。もしも陸自にデータが残っていたとすれば、今までの総理答弁は全部ひっくり返るような、そういう問題じゃありませんか。総理は防衛省に問いただすことすらしていないんですか、いまだに。
  252. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) この陸自に残っていたかという問題につきましては、まさに日報の情報公開をめぐる問題でありまして、国民皆様の疑念を解消するために特別防衛監察を開始する旨防衛省からは報告を受けております。  まさにこの特別防衛監察をしているわけでありまして、そして、この特別防衛監察は、元高検検事長をトップとして現役の検事も所属する防衛監察本部において独立性の高い立場から厳正かつ公正に行われるものでありまして、このためですね、このため、独立性を持って行わなければならないものでありますから、このため、私自身が稲田大臣から事情を聞く等のことはしていないわけでありますし、まずはこの特別防衛監察の結果をまず待ちたいと、当然そしてその報告を受けることになります。
  253. 小池晃

    小池晃君 あのね、自衛隊の最高責任者なんですよね、今もあったけれども。海外に派遣された自衛隊が、銃声が響く中で命懸けで送ってきた報告ですよ。それを握り潰していたかもしれないという話じゃないですか。こんなこと放置しておいて、自衛隊員の命守れるんですか、日本の防衛、安全保障守れるんですか。自衛隊の海外での活動内容が隠蔽されていたとすれば、まさに日本の民主主義の根幹に関わる問題であり、これは政府と実力組織の、これは自衛隊の関係の根幹に関わる問題じゃないですか。  特別防衛監察だといって、まるで隠れみののようにして、総理が防衛省を問いただすこともしない、国会でも答弁もしない。そうこうするうちに、特別防衛監察の指示した防衛大臣情報隠蔽を了承していたというのではないかと疑惑が生じて、監察を指示した大臣調査されるという異常な事態になっているんですよ。これを四か月間放置してきたわけですよ。監察そのものの信頼性と正当性が私は完全に崩れてきていると思いますよ。  総理、これだけ重大な事案について、これだけ問題になっているにもかかわらず、報告を受けずに自ら確認もしようともしなかった。これは、自衛隊の最高責任者、最高指揮官としてのこれは資格が問われる問題じゃありませんか。
  254. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 私は当初から、言わばこの日報等についてはできる限りこれは情報は開示をしなければならないという立場は一貫をしているわけであります。これは防衛大臣においてもそうであります。  そこで、言わば、統幕に、当初統幕にあったものを直ちに開示するという措置がとられたわけでございますが、同時に、今、小池委員が御下問になったのは、この陸自にあったことについて防衛省から説明を受けているかということだと思いますが、まさに、この陸自にあったかどうかという情報についてしっかりとこれは確認するために特別防衛監察を行っているわけでありまして、言わば、この際、それぞれですね、稲田大臣もそうでありますが、次官等もそうであります。この監察の方からこの事情を聞かれるわけであります。この事情を聞かれる方々から私が説明を受けるのではなくて、まさにこの監察が終わって報告を受けるというのがこれは当然取るべき手順であろうと、このように思います。
  255. 小池晃

    小池晃君 いや、それはそれでやりながらですよ、防衛次官なり職責の人に問いただすって当然やることなんじゃないですか。四か月間何にも報告も受けていないと。私はこれ驚きなんですよ。普通はこんなことはただすのが当然じゃないですか。政府としてやっぱりこれは解明しようとする意思がないとしか思えないですよ、こんなことでは。だから、そうだとすれば、これは総理も含めて隠蔽しようとするのであれば、国会が真相解明のこれは役割を果たすしかありません。  委員長、稲田防衛大臣、黒江事務次官、豊田官房長、岡部陸幕長始め、関係者の証人喚問を求めます。
  256. 山本一太

    委員長山本一太君) 後刻理事会で協議いたします。
  257. 小池晃

    小池晃君 稲田大臣は直ちに罷免すべきであります。そして、真相の徹底解明を求めたいと思います。  加計学園の問題について聞きます。  総理が、加計学園獣医学部新設の要望を持っていたこと自体を今年一月二十日まで知らなかったと。これ、全く信じられない話ですね。今まで国会で何度もこの問題取り上げられているんです。総理ね、総理加計学園が希望を持っていたことを知っていたでしょうという質問、何度もやられているんですよ。急な質問に答えたからとか、そんな話じゃないですよ。  五月九日の当委員会で森ゆうこ議員が、加計太郎氏が今治市で国家戦略特区により獣医学部新設の希望を持っていることを知っていましたかと。この質問に対して、この加計学園が、当然これは特区申請今治市が出しますから、特区申請した段階において当局から説明を受けるわけで、その段階で当然総理大臣として知り得た。はっきり言っているじゃないですか。  六月五日の決算委員会、先ほど紹介ありました平山佐知子議員の、大親友である加計さんがずっと獣医学部新設したいという思いであったことは当然ながら御存じでいらっしゃいましたよねと。この質問に対して、これは、安倍政権になりましてから、国家戦略特区に、その申請今治市とともに出された段階で承知したわけでございますと。  今治市が国家戦略特区申請を出したのは二〇一五年の六月なんですよ。つまり、今年の一月二十日どころか、今から二年前の六月には知っていたということじゃないですか。今年一月二十日まで知らなかったというのは、明らかな虚偽答弁じゃないですか。
  258. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) もう既に御紹介をいただいておりますが、森ゆうこ議員に対して、これは知り得る立場であったと、知り得たというふうに申し上げているわけでございます。これは構造改革特区についてでございます。これは、今治であるということを言わば知り得たということでございますが、それはですね……(発言する者あり)
  259. 山本一太

    委員長山本一太君) 静粛に願います。
  260. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) それは、この構造改革特区時代の今治市の提案については、これは数十件ある案件の一つにすぎないわけでありまして、結果も四度とも提案を事実上認めないものだったので実際には全く認識をしていなかったということであります。そこでですね、そこで、今ちょっと整理して答弁をさせていただきたいと思いますが、四度ともこの提案を事実上認めていないものだったので実際には私はこの認識をしていなかったわけであります。ただし、その対応方針は私が本部長を務める構造改革特区本部で決定していることから、本件について知り得る立場にあったことをそのような表現で申し上げたところでございます。  そこで、平山議員に対してのお答えについては、これは国家戦略特区にその申請今治市とともに出された段階で承知をしたというふうに答弁したわけでございますが、当時は急なこの御質問でございまして、この整理が不十分なままにお答えした部分がありまして、今回の閉会中審査に当たりましてもう一度しっかりと確認をさせていただきましたので、正確にもう一度申し上げますが、今治市の国家戦略特区加計学園から事業者としての応募があったのは一月のこれは十日であります。申請があったのは一月の十日でございますが、正確に言えば、私が議長を務める国家戦略特区諮問会議にこの申請がかけられたのは申請段階ではなく申請を決定する段階でありまして、それは十日後の一月の二十日でありまして、その意味で厳正さには欠いておりましたが、あの答弁で申し上げようとしたことは、申請今治市とともに決定する段階で私は諮問会議の議長として加計学園の計画について了承したということであります。(発言する者あり)
  261. 山本一太

    委員長山本一太君) ちょっと速記止めてください。    〔速記中止〕
  262. 山本一太

    委員長山本一太君) 速記を起こしてください。
  263. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 今、私がお答えを、先ほどもお答えをさせていただいたわけでございますが、この質問においては、国家戦略特区による獣医学部新設の希望を持っていることを知っていたかということでありまして、この加計学園が、当然これは特区申請今治市が出しますから、この特区申請した段階ということで私はお答えをさせていただいておりますが、その後ですね、その後、私は、構造改革特区本部においての……(発言する者あり)いや、私の答えでございますが、構造改革特区本部においてこの提案に対する政府対応方針を決定しており、他の多くの案件と同様に本件についても知り得る立場にあったと。これは、実はこれ言い直しているわけで……(発言する者あり)いや、森先生に対しては答弁を言い直しているわけでございまして、この言い直したところが言わば正確な答弁であったということでありまして、改めて今答弁をさせていただいたとおりでございます。
  264. 小池晃

    小池晃君 あのね、今のは全くでたらめな答弁ですよ。これ、だって、私ははっきり分けて言っています、国家戦略特区の問題、それから構造改革特区の問題。構造改革特区の問題については、これは例えば五月八日の衆議院予算委員会で民進党の宮崎議員が質問しています。全く同じ答弁、今言われたことと同じ答弁を言っていますから、これは急な質問とかじゃない、ちゃんと答弁書があるんですよ。  で、何と言っているかというと、構造改革特区については、これは加計学園が候補として記載されているので知り得る立場にあったというふうに言っているわけです、これはこれとして。そして、国家戦略特区の方については、今あったですよね、今あったように、この加計学園が、申請今治市が出しますから、特区申請した段階において当然総理大臣として知り得たと言っているんです、言っているんですよ。だから、知り得たんですね、じゃ。  まさか、まさかですけど、この答弁は知り得たという答弁であって、実際には知っていなかったというふうにおっしゃるんですか。
  265. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 言わば加計学園とそして今治市ということがあり、かつ構造改革特区国家戦略特区と、これ二つがもうあるものでありますから、多少そこのところが少し混乱して答弁したのは事実でございまして、そこはおわびをし訂正をさせていただきたいと、こう思っているところでございますが、森ゆうこ議員への答弁についても、この二回目に私は答弁をし直しておりまして……(発言する者あり)いや、これは総理も、事務方とほかの大臣から説明を受けるだけではなく、直接いろんなお話をされたんじゃないですかということについて、既に答弁をさせていただきましたがと言って、これは言い直しをさせていただいているわけでありまして、今申し上げましたように、既に答弁をさせていただいておりますがと、こう一応申し上げておき、そして、第二次安倍政権発足後も、内閣総理大臣本部長である構造改革特区本部においてこの提案に対する政府対応方針を決定しており、他の多くの案件と同様に本件についても知り得る立場にあった。  つまり、これは、構造改革特区のときには、言わば知り得る立場、言わば今治であることを知り得る立場ではありましたが、四回にわたってこれは認めていない中において、数十ある中の一つでございましたから、私は認識、承知をしていなかったのであります。  そして、国家戦略特区におきましては、これは今治市の提案があった後、国家戦略特区諮問会議にかかった段階で私は今治市については知っていたということでございます。
  266. 小池晃

    小池晃君 どう考えてもおかしい、今の説明はね。  じゃ、構造改革特区について、切り離しますよ、構造改革特区についても、今、今治だって言ったけど、これ、加計学園が候補として記載されていましたから知り得る立場にあったと言っているんですよ。だから、加計学園のことをこれは知っていたわけですよ、構造改革特区の。だから、すなわち第二次安倍政権が始まった段階から加計学園という名前をそこに記載されていたことを知り得る立場にあったわけですね。  だから、聞くけど、知り得る立場にあったということを言っただけで、知らなかったということなんですか。知らなかったと、うんうんって後ろでうなずいていますよ、そういうことなんですか。そんな答弁
  267. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) これはですね、これは既に再々答弁をさせていただいておりますが、知り得る立場にあったということは、言わば今治市としてこれは出ているわけでありますが、数十ある申請を私は一々全部これ説明を受けるわけでもありませんし、見ているわけでもありません。  そこで、もう既に答弁をさせていただいておりますが、知り得る立場に、知り得る立場にありましたが、しかし、数十件ある案件の一つにすぎないわけでありまして、今の御質問につきましては、結果も四度とも提案を事実上認めていないものでございましたので、実際には今治市の提案についてこれは全く認識をしていなかったということでありまして、今申し上げている答弁が正確な答弁でございます。
  268. 小池晃

    小池晃君 もう今までの安倍総理答弁の中で一番説得力のない話です、はっきり言って。  それで、先ほどの平山議員の質問に対しては、知り得るなんて言っていない、承知したわけでございますと言っているんですよ、明確に言っているんですよ。大体ね、これは知り得る立場にあったということを答えたなんて言うけれども、質問者は何て聞いているかというと、知っていましたかと聞いているんですよ。総理、聞いてください、知っていましたかというふうに聞いて、総理、これは、知り得る立場だ、でも実際には知りませんでした、そんな話を今頃やられたら、国会審議なんて成り立たないじゃないですか。  これだったら、そのときに、じゃ、知り得る立場にあったけれども実際には知りませんでしたと言っていないじゃないですか。こんなでたらめな話、駄目ですよ。これじゃ駄目。これもう全く認められない。(発言する者あり)
  269. 山本一太

    委員長山本一太君) ちょっと速記止めて。    〔速記中止〕
  270. 山本一太

    委員長山本一太君) 速記を起こしてください。
  271. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) まずですね、これ、森議員の御質問に対するお答え質問お答え、そしてまた平山議員の御質問に対する、御質問お答え、これはそれぞれ別でございまして、まず森ゆうこ議員に対して最初これお答えをしたのは、「国家戦略特区による獣医学部新設の希望を持っていることを知っていましたか。」ということについて、この加計学園が、当然これは特区申請今治市が出しますから、この特区申請した段階においてこの説明を受けると、当局から説明を受けるわけでございますので、その段階で総理大臣として知り得たということでございますと、こう答えているんですが、その後もう一度、既に答弁をさせていただきましたがということで……(発言する者あり)いや、しかし、それは、既に答弁をさせていただきましたがという形で実はこれ訂正をさせていただいているわけでありまして、そこで、そこでですね、構造改革特区本部においてこの提案に対する政府対応方針を決定しており、他の多くの案件と同様ですね、本件についても知り得る立場にあったということであります。  そして、もう一つ、平山議員につきましては……(発言する者あり)いや、平山議員につきましてはこれはちょっと違うので申し上げておきたいと、こう思いますが、平山議員に対しての説明としては、私が議長を務める国家戦略特区諮問会議にこの申請がかかるのは、申請段階ではなくて申請を決定する段階であり、それは十日後の一月二十日、つまり、私が……(発言する者あり)いや、いや、ですから、私が平山さんに答えたのは、国家戦略特区に、その申請今治市とともに出された段階で承知をしたというふうにお答えをさせていただきましたが、これは十日前のことでありまして、これは私が混同したわけでございまして、これは十日後、十日後の二十日であったということは先ほど答弁させていただいたわけであります。  厳密さには欠けておりましたが……(発言する者あり)
  272. 山本一太

    委員長山本一太君) 静粛に願います。
  273. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) あの答弁で申し上げようとしたことは、申請今治市とともに決定する段階で私は諮問会議の議長として加計学園の計画について承知をしたということでございまして、今の答弁にこれを訂正をさせていただきたいと、このように思います。(発言する者あり)
  274. 山本一太

    委員長山本一太君) ちょっと速記を止めてください。    〔速記中止〕
  275. 山本一太

    委員長山本一太君) 速記を起こしてください。
  276. 小池晃

    小池晃君 全く説明になっていないんですよ、これ。しかも、これは、これまでの予算委員会だけじゃない、決算委員会、あるいは衆参両院全ての委員会で今まで質問して答えてきたことを全部今になってひっくり返すような話を言い出しているわけですよ。これはもう一回やり直さないと駄目ですよ。もうこれ以上このやり取りをやってもしようがないからね、もう。  それで、更にこれを聞きますよ、更に聞きますよ、知らなかった問題。  山本農水大臣加計太郎加計学園理事長に会ったことはありますよね。そのとき獣医学部の話、聞きましたか。
  277. 山本有二

    国務大臣山本有二君) 獣医学部の話を聞いたことはございます。  昨年八月二十三日に、私が農林水産大臣に就任したため、御挨拶をしたいという趣旨で来られました。私の友人の同道で来られたわけでございます。そうしたことによりまして、五分から十分、しかも、内容については聞いておりませんでしたので役人の方は同席はしておりません。したがいまして、御挨拶をいただいたという認識でございますが、その折に獣医学部の話はお聞きしたということでございます。
  278. 小池晃

    小池晃君 松野文科大臣はいつお会いになりましたか。
  279. 松野博一

    国務大臣(松野博一君) お答えをいたします。  私は、平成二十八年九月六日に加計理事長と当時の理事であった豊田さんにお会いをしております。(発言する者あり)あっ、獣医学部について。これは御挨拶でいらっしゃいまして、私には獣医学部お話はございませんでした。
  280. 小池晃

    小池晃君 山本幸三大臣、簡単に。加計太郎氏に会ったことはありますか。獣医学部の話はされましたか。
  281. 山本幸三

    国務大臣山本幸三君) 昨年の九月七日に加計理事長が来られまして、そのときに、今治市に獣医学部提案をしてやっていきたいと思っているのでよろしくお願いしたいという話がありました。それに対して私は、これは公正中立にやりますと、最終的には公募で決めますからねと申し上げました。
  282. 小池晃

    小池晃君 その二日後に国家戦略特区諮問会議が開かれて、残された岩盤規制ということで獣医学部新設提案され、一気にこれが進んでいくわけですね。  大体、加計太郎という人は何でこんな次々と大臣に会えるんですか。三人の大臣に次々会っているわけですよ。しかも、二人の山本大臣には加計学園獣医学部をつくろうとしていることを言っているわけですよ。それで何で総理が知らないんですかという。だって、総理はその前後に何度も会っているじゃないですか。七月二十一日焼き肉店で会食、二十二日ゴルフ、八月十日居酒屋で会食、十一日ゴルフ、十月二日焼き肉屋で会食。総理はこれだけ加計太郎さんと頻繁に会っているのに、関係大臣には獣医学部新設を伝えておきながら、安倍首相だけには伝えなかったと言うんですか。これをにわかに信じろと言われて国民は信じられますか。
  283. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 今質疑を伺っておりましたが、まさにこれ担当の大臣のところに、言わば担当の役所を訪問し、そして言わば自分申請を考えているわけでありまして、まさにその担当の大臣に対して自分の言わば申請の意思について恐らく説明をしたんだろうと、このように思うわけでありますが、私はそういう仕事の場面では会ってもいないわけでありまして、確かにそうした様々な場面で、これは昔からの友人でありますから、そういう場面で会うことはございますが、そこでは、まさにそこでは役所の中で陳情を受ける、応えるということは一切ない関係で来たわけでありまして、お互いに、ずうっと学生時代からの友人でありますからお互いに立場が変わっていくことはありましたが、しかし、その地位を利用して彼は何かを成し、何かを成し遂げようとしたことはなかったわけでございまして、これは私が各大臣に会うように言ったということでは全くないわけでございます。  それは、今までも、私が指示をしたことないということは、各大臣は既に証言をしているとおりでございまして、ということはどうか御理解をいただきたいと、このように思います。
  284. 小池晃

    小池晃君 幾ら説明聞いてもこれは納得できないですよ、やっぱり、この経過全体で。やっぱりこれは加計太郎さんの話聞くしかありません。  委員長加計太郎さんの証人喚問を求めます。
  285. 山本一太

    委員長山本一太君) 後刻理事会で協議をいたします。
  286. 小池晃

    小池晃君 そして、この前川氏が和泉補佐官から呼び出されたのは、まさに山本幸三大臣のところに加計太郎氏が来た二日後なんですね。  昨日の衆議院予算委員会で、前川さん、この問題でお聞きしたいんですが、和泉補佐官は、これは直接この業務には関与してないと言っている。直接業務に関与してない人から呼び出されて、関与してない業務である国家戦略特区における獣医学部新設について指示された、これ異例なことなんじゃないでしょうか。この意味を前川さんはどのように受け止められました。
  287. 前川喜平

    参考人前川喜平君) 和泉さんは内閣総理大臣補佐官という職にいらっしゃるわけでございますので、その職にある者として私に要望されたんだろうと思っておりますが、それはどういう意味かと考えますと、やはり総理大臣を補佐する立場でおっしゃったんではないか。私がお聞きした言葉の中には、何度も申し上げておりますけれども、総理自分の口からは言えないので私が代わりに言うと、そういうお言葉がございましたので、これは総理が言えないことを代わりに言っていると、そういう意味だというふうに思いました。それはやはりこの加計学園のことだというふうに理解したわけでございます。  また、この本来担当ではないということではございますけれども、元々長く特区の仕事をしてこられた方ですので、内閣官房あるいは官邸の中でも特区制度については通暁しておられる、よく知っておられるわけです。どういうふうにその制度を使えばどういうことができるかということもよく知っておられる。ですから、私の、これは後になってからの感想でございますけれども、内閣府の藤原審議官の実質的な上司だったんじゃないかと、そんなふうに思っております。
  288. 小池晃

    小池晃君 大変背景もよく分かるお話をしていただいたと。まさに補佐官としての役割を果たされたということですかね。総理自分の口から言えないから私が代わって言うと。この発言について和泉補佐官は記憶がないようですが、前川氏にこの手続をスピード感を持って取り組んでほしいということは言われたというんですね。このスピード感を持って取り組むようにというのは総理意向であるということは前川氏に伝えたんですか、その趣旨は。
  289. 和泉洋人

    参考人和泉洋人君) 総理は、かねがね国家戦略特区諮問会議で、岩盤規制改革を全体としてスピード感を持ってやるようにと、こう指示しております。そういった意味で、私は前川さんに対してアドバイスとして、一つは、前川さん、当時よくこの話を知っておらないようだったので、事務次官としてしっかりフォローしてほしいということを言いました。もう一つは、一般論として、こういった改革についてはスピード感を持って取り組むことが大事だと、こういったことを申したことは事実でございます。
  290. 小池晃

    小池晃君 一般論なんでしょうか。やっぱり総理補佐としての役割だったんじゃないか。  今日、加戸氏が先ほど、虎の威を借りるような発言を用いてでも強行突破していただいたことを私は喜んでいると。私、これ見て、ああ、そうなんだと、よく分かりましたよね。だから、結局そういう動きがあったんじゃないかと。  総理ね、やっぱりあなたの内閣で重要な役割を果たしてきた人の言い分が真っ向から食い違っているんですよ。だとすれば、これ、真相の解明のためには証人喚問どうしても必要だと私は思いますよ。どちらかが真実を言っていないということになるわけですよ。私は、前川さんには真実をゆがめる動機はないと思いますよ。どう考えたってない、理由はないじゃないですか。  やっぱりこれは、改めて、委員長前川氏とそれから和泉氏の証人喚問を求めます。
  291. 山本一太

    委員長山本一太君) 理事会で協議をいたします。
  292. 小池晃

    小池晃君 更に聞きます。  獣医学部新設が初めから加計ありきだったという問題ですが、昨日、文科大臣は、昨年十一月八日に文科省が作成した加計学園への伝達事項、このパネルの文書が存在することを認めました。(資料提示)この文書は、五月二十二日に私の国会事務所にファクスでも送られてきたものであります。  五月二十五日の文教科学委員会で私、質問した際に大臣は、文書の存否や内容などの確認の調査はしていないと、調査すら拒否されました。文科省はこれを実際には十一月九日の国家戦略特区会議の前日の八日に加計学園に伝えていたということですね。これを認めたわけです、昨日。  大臣ね、獣医学部新設の対象は文科省としては加計学園だと考えていたということですね。
  293. 松野博一

    国務大臣(松野博一君) お答えをいたします。  この文書といいましても、この文書で十一月八日に文部科学省から加計の方に出したわけではございません。十一月八日は電話、口頭によって伝えたわけでありますけれども、それに当たっての取りまとめとしてのメモがその文書の性格でございます。  あわせて、これは従来から答弁をさせていただいていることでございますけれども、国家戦略特区に関する件でありましても、大学の設置認可の事前相談というのは、従来から受け入れている、受け入れているものでございます。それに関して、これ、通常の文部科学省の業務として行った事前相談に関してですね。加えて、これは文科省からというよりも加計学園側からの問合せに関して答えたものだということでございます。
  294. 小池晃

    小池晃君 いや、大分違うんじゃないかと思うんですが。  今日お配りしておりますけど、メール、この伝達事項という文書はメールと一緒に文科省内で回覧されているわけですね。そのメールの中には何と書いてあるかというと、昨日、大臣及び局長より、加計学園に対して、文科省としては現時点の構想では不十分だと考えている旨早急に厳しく伝えるべきだという御指示がありましたとメールには書いてあります。  大臣、そういう指示を出したんですね、イエスかノーかでお答えください。
  295. 松野博一

    国務大臣(松野博一君) 今回公表した文書及びメールは、あくまで大学からの学部等の設置に関わる事前相談であるということは答弁させていただいたとおりでございまして、加計からこの時期に国家戦略特区を活用した設置についての問合せがあったところであります。  担当者にヒアリングをいたしましたところ、そういった状況の中で、どうして今先生の方から御指摘があったような表現になったかということに確たることは今記憶がありませんが、このとき、十一月八日の状況を勘案すると、十一月九日に追加規制改革事項が決定されることが見込まれるところ、たとえ追加規制改革事項が決定されても獣医学部新設に関してはこれは別途設置認可のプロセスが必要である、そのために様々な課題をクリアする必要があることをこの時点で伝える必要があるということが事務方の方から私の、この当時のことが、現状において確認してのことでありますけれども、事務方からこういった意識が私の方に伝えられたと、伝えられましたので、そういった判断であるならばそのようにしたらどうかということを言ったんだと思います。
  296. 小池晃

    小池晃君 これね、ということはですよ、要するに、国家戦略特区諮問会議で広域的に獣医学部が存在しない地域に限りという文言が加わって加計学園しか事実上通れない穴つくったけれども、しかし今のままでは加計学園はこの穴すら通ることができないと、だから文科省はこれだけの厳しい指摘をしたわけじゃないですか。今そういう話ですよね。  これ見てください。本当にね、既存の獣医学部と差別化が必要だ、国際性の特色を出す具体的な取組が示されていない、獣医師の具体的需要の説明が必要だ、四国における具体的需要、もうこのままではこれは国家戦略特区の要件だって満たしませんよという警告に近いようなものですよ。そういうものを文科省国家戦略特区諮問会議の決定の前の日に加計学園に伝えたわけですよね。後ろから、事務方いいですよ、そんなメモなんて出さなくて。  大臣、だから私が聞いているのは、どうやったらば穴が通れるようになるかまでと、手取り足取り懇切丁寧に加計学園情報提供したわけでしょう、文科省は。(発言する者あり)いやいや、そのことの是非を言っているんじゃない。要するに、文科省としては、要するに、大学の設置認可にこのままでは通りませんよとさっき言ったじゃないですか、だからそのための、そのための助言をしたんでしょう。  ということは、ということはですよ、質問はここなんです。要するに、文科省としては、これは加計学園が、翌日に決定される国家戦略特区諮問会議獣医学部新設の対象はこれは加計学園になると、加計学園をおいてほかにないという認識を文科省としては持っていたということですよねと私は聞いているんです。
  297. 松野博一

    国務大臣(松野博一君) お答えをいたします。  先ほどの答弁で申し上げたとおりでございますが、この意図は、追加事項、改革事項が決定をして設置認可申請を受け入れることになったとしても、当然のことながら大学の設置審というプロセスがありますから、それに向けてしっかりと取り組んでほしいという趣旨のことでございますし、加計を前提とした話じゃないかというお話でありましたが、前回、先ほどの答弁で申し上げたとおり、加計学園側から大学の事前設置に関する相談があったわけであります。  ですから、加計学園さんに関して、今回のこれは国家戦略特区に絡む事案でありますから、まず設置認可を取るためには、そのプロセスとして国家戦略特区に対する対応をしっかり、これは今治の方でですね、あったということがなければ駄目ですよと、それに関しては四条件に関してのことがしっかりとなされないと開かれませんよということを申し上げた、アドバイスをしたということでございます。
  298. 小池晃

    小池晃君 これに添付されているメールはそんな中身じゃないじゃないですか。これ、非常に厳しく伝えないと駄目だと、これ大変だと、翌日このままでは諮問会議通らないと。  私の事務所に送られてきたこの文書には、告発されてきたと思われる方のメッセージも添付されているんです。そのメッセージにはこう書いてあります。国家戦略特区諮問会議における正式な決定前に加計学園側とこうしたすり合わせが行われていたことからも、総理の御意向をかなえるべく文部科学省が出来レースに加担していたことは明らかである。また、この最後の丸、設置申請のところですね、設置申請に向けてとは、国家戦略特区における事業者として加計学園総理が決定した後、文部科学省に対して行う設置申請を見越してのすり合わせである、加計学園による新設ありきで検討が進められていたことについて厳しく糾弾してほしいと、こういう手紙を添えてこれ来ているわけですよ。  私、これがまさに……(発言する者あり)またそうすると誰が誰が誰が誰がって騒ぐんですよ、我々がこういう文書を示すと。全く反省していないじゃないですか、怪文書だという、そういったことと同じことを、これ自民党全く反省していない。これが今の、出どころが不明確だとかそういったことしか言えない、これが今の自民党ですよ。だから国民からこれだけ見放されているんじゃないですか。そのことを知るべきだと私は思います。  総理、一点の曇りもないと言っているけれども、例えば昨日の毎日新聞の世論調査では、政府説明が信用できない、七六%ですよ。それでも一点の曇りがないと言うんですか。これは、一点の曇りもないなんという発言はこれは撤回すべきだというふうに思いますが、どうですか。
  299. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) この一点の曇りもないということは、まさに特区諮問会議に民間議員が入っていただき、そしてワーキンググループがあるわけでありますが、民間のこの八田座長がプロセスには一点の曇りもないと、こう申し上げているところでございまして、まさに民間人が入った特区諮問会議、そして専門家の入ったワーキンググループでしっかりと議論がなされているわけでありますし、また事業者の申請においても、分科会において、これは山本大臣と、そして自治体の長だけではなくて関係省庁も入りますし、文部科学省が推薦した専門家も入ってしっかりと議論をして進めていくことでありますし、議事録は全て公開されているわけでありまして、プロセスをしっかりと経た……
  300. 山本一太

    委員長山本一太君) 時間が終わっておりますので、おまとめください。
  301. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 適切なものであると、このように考えております。
  302. 小池晃

    小池晃君 一点の曇りもないなんという発言に国民は不信を強めているんだということを申し上げて、質問を終わります。
  303. 山本一太

    委員長山本一太君) 以上で小池晃君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────
  304. 山本一太

    委員長山本一太君) 次に、浅田均君の質疑を行います。浅田均君。
  305. 浅田均

    ○浅田均君 日本維新の会、浅田均でございます。  まず、この度の北九州並びに東北、北陸地方を中心とする豪雨災害で亡くなられた方に心よりお悔やみ申し上げます。また、被災された方にお見舞い申し上げますとともに、政府におかれましては万全の支援体制をお願いしておきます。  では、加計学園の問題について質問させていただきます。  今まで、衆議院、そして今日の参議院と、いろいろな議論がなされてきましたが、四点あったと思います。まず、総理自らが国家戦略特区というドリルで岩盤に穴を空けるというその岩盤規制の問題。それから二番目が、その空けた穴を誰が通るかという問題。それから三番目に、総理加計氏の個人的な関係から行政がゆがめられたのではないかという点。それから四番目として、今の問題を提起させるに至った文書あるいは文書管理の問題であったと思います。また、三につきましては後ほどお尋ねしたいと思いますが、まず安倍総理に二点お伺いしたいと思います。  先ほど来問題になっておりますが、一月二十日まで、今年の一月二十日まで加計学園獣医学部新設の希望、要望を持っているということを知らなかったとおっしゃっております。知っていると言うと大臣規範に抵触するので認めようとしないのか、あるいは、もし本当に知らなかったら政府として情報共有ができていないのでこれも問題だと思いますが、国家戦略特区の性質上そういうことになるのか、この二点について安倍総理にお尋ねいたします。
  306. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 改めてまた整理させて御説明をさせていただきたいと思いますが、まず大前提として、獣医学部新設提案者は、構造改革特区でもその後の国家戦略特区においても自治体である今治市であって、加計学園ではないということであります。  今治市からの提案は、平成十九年の福田政権のとき以来、構造改革特区として申請が行われてまいりました。第二次安倍内閣になってからも四度にわたって申請があったのが事実でございます。その対応方針は私が本部長を務める構造改革特区本部で決定をしておりまして、今治市からの提案についてはこれを私は知り得る立場にあったというのはこういうことでございます。書類上はそういう立場にあったということを申し上げてきたわけであります。  しかし、果たして本当に私がそこで認識していたかということにつきましては、これは数十ある申請案件の一つにすぎないわけでありますし、事実、この結果においても四度とも提案を事実上認めていない、数ある提案を認めていないものの一つでありまして、提案が認められていたものであればこれは注意が行くということもあり得るわけでありますが、しかし、これは数ある中の一つでありまして、実際には今治市の提案については全く認識をしていなかった、今治市の提案については全く認識をしていなかったということであり、また、かつ、第二次安倍政権になってからは、これは加計学園ということの記載はなかったわけでございます。構造改革特区においてもそうであります。  その後、国家戦略特区制度が誕生しまして、二年前の十一月から私が議長を務める国家戦略特区諮問会議において今治市の特区指定に向けた議論が進む中で、私は今治市が獣医学部新設提案していることをこれ事務方からの説明で知ったわけでございます。しかし、その時点においても、またその後のプロセスにおいても、事業主体が誰かという点について提案者である今治市から説明はなかったわけでございまして、加計学園の計画は承知をしていなかったということになるわけでございます。  最終的に本年一月に事業者の公募を行い、加計学園から応募があったその後、分科会でのオープンな議論を経て、一月の二十日であります、二十日に諮問会議で認定することになりますが、その際、言わば加計学園の計画について事務方から説明を受けたということがこれ事実でございます。
  307. 浅田均

    ○浅田均君 またやり取りの応酬になると、この点にばかり時間が費やされてしまいますので、次に行きますが。  安倍総理は李下に冠を正さずという言葉を何回も使っておられます。それは、御友人がお立場を利用して何か事を成し遂げようということが今までなかったから友人関係を保つことができたというふうにおっしゃっています。しかし、李下に冠を正さずというのは、そういう関係であればこそ余計にそこに線引きを厳しくするという、これが李下に冠を正さずという意味ではないのかと思うんですが、総理、御見解いかがですか。
  308. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) それはまさにそのとおりでございまして、李下に冠を正さずという言葉がございますが、今委員から御紹介をいただきましたが、私の友人が関わることでありますから、ですから当然、でありますから、国民皆様から疑念の目が向けられることは当然のことであろうと思います。  ですから、その観点が今まで私の答弁等に思い返せば欠けていた、至らない点があったということは率直に認めなければならないと、このように思っているところでございます。
  309. 浅田均

    ○浅田均君 それでは、パネルをお願いします。(資料提示)今回のこの加計学園の問題ですね、国家戦略特区での獣医学部新設経緯をここに私なりにまとめてみました。これまでの議論の中心になっておりますのは、一番、前半の方ですね、前半の方が中心になっております。しかし、公平性とか透明性の議論は非常に重要だと思いますが、それと同様に、なぜこの岩盤が岩盤であるのかという議論が全然なされておりません。  これまでの議論で抜け落ちていた点について質問をさせていただきたいと思っております。すなわち、文科省告示第四十五号、大学、大学院、短期大学及び高等専門学校の設置等に係る許可の基準そのものについて質問をしていきたいと思います。  次のパネルをお願いします。これが告示の四十五号を大きくしたものであります。原則自由な社会で営業の自由を規制することは、既得権益者によって、圧力によって根拠なく、根拠が明らかにされることなく規制がつくられることが多いと。したがって、規制官庁は営業の自由を制限する場合はいつでもその根拠説明できなければならない、つまり挙証責任があるということになります。  この文科省告示第四十五号によって獣医学部新設は禁じられております。その根拠を示す責任、つまり挙証責任がどこにあるのか、我が党高木委員質問に対しまして、六月十六日の予算委員会山本大臣は明確に文科省にあるというふうにお答えになりました。一方、松野大臣答弁は非常に曖昧でした。先ほど公明党の河野委員質問に対しましても、関係省庁がゴーサインを出せば判断すると、言わば国家戦略特区ワーキンググループの議論や結論を全く無視するような答弁をされております。  そこで、総理大臣にお伺いいたします。この挙証責任、どこにあるんでしょうか。
  310. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 必要があれば詳しくは山本大臣から答弁させますが、特区基本方針、これは閣議決定をしているものでありますが、調整に当たり、規制所管府省庁がこれらの規制・制度改革が困難と判断する場合には、当該規制所管府省庁において正当な理由の説明を適切に行うこととする旨定められています。挙証責任という言葉がよいかどうかはともかく、今申し上げたこの基本方針に従って内閣府とそして文科省など関係省庁が調整を行うものと考えております。
  311. 浅田均

    ○浅田均君 今の安倍総理の御答弁でも明確ではありません。  次のパネルを御覧ください。これは、平成二十七年六月三十日に閣議決定されました日本再興戦略改訂二〇一五、これは閣議決定されております。この十四番目が、獣医師養成系大学の新設に関する検討という項目があります。これ、いわゆる石破四条件というところでありますが、新規参入を一切禁じる規制の合理的な根拠については文科省、農水省共に国家戦略ワーキンググループのヒアリングで何回も尋ねられております。これ、平成二十七年六月八日から始まって、平成二十八年九月十六日等、議事要旨を御参照いただきたいと思います。  しかし、この議論の中で、ワーキンググループの八代委員、それから今日参考人でお越しいただいております原委員、昨日お越しいただきました八田座長等を納得させるような回答ができておりません。「本年度内に検討を行う。」と書かれておりますが、議事要旨によりますと、この意味するところは、平成二十七年度中に獣医学部新設ができるのか、できないならばその理由を示すということであります。  国家戦略改訂二〇一五で閣議決定しているのに結論を出せなかった、これは閣議決定違反ではないんですか。総理大臣にお伺いいたします。
  312. 山本幸三

    国務大臣山本幸三君) 閣議決定している以上は、その年度内に結論が出せなかったということは、そのままでいえば閣議決定違反ということで、その点についてワーキンググループの民間議員の先生方はおかしいではないかということをしきりに指摘していたわけであります。
  313. 浅田均

    ○浅田均君 この時点文科省は告示四十五号で獣医学部新設というのを禁じているんです。禁じているものは理由を示す必要がある、挙証責任を果たす必要がある、ワーキンググループでそういう質問をされて文科省は答えることができなかったんです。この時点でもう勝負ありですよ。  文科省は告示四十五号の根拠を示せなかった。この時点でどうして告示第四十五号の規制そのものを廃止しなかったのか、文科大臣にお尋ねいたします。
  314. 松野博一

    国務大臣(松野博一君) お答えをいたします。  獣医学部新設また定員増につきましては、獣医療行政を所管する農林水産省の需給に関する見解を踏まえまして昭和五十九年以降抑制をしてきたところでございます。文部科学省としては獣医師の需給の観点から抑制を行ってきたところでありますけれども、需給を所管する省庁において判断が行われれば、これは告示の扱いを含め検討を行う必要があると考えております。
  315. 浅田均

    ○浅田均君 今のような文科大臣答弁に対してワーキンググループの中ではもう大激論になったんですよ。大激論になって、何回も何回もあんたのところに責任が、挙証責任があるやろと問い詰められて答えられなかったんですよ、文科省は。だから、ここでもう勝負ありなんです。  文科省告示第四十五号は獣医学部新設を禁止することにより国民の権利を制限する規定を設けております。この告示の根拠となる法律は何でしょうか。文科大臣
  316. 松野博一

    国務大臣(松野博一君) お答えをいたします。  学校教育法の第四条は、大学や学部の設置等につきまして文部科学大臣の認可を受けなければならないとしております。この規定により与えられた権限に基づき、文部科学大臣は、大学として必要な要件を満たしているか、国全体の大学の配置等の妥当な状態を確保できるかどうか等の観点から設置の適否の判断をすることになります。  文部科学省告示第四十五号は、学校教育法第四条に基づき文部科学大臣に与えられた認可権限を適切に行使するため、認可の基準を定めたものであります。
  317. 浅田均

    ○浅田均君 そういう答弁されるならば、次のパネルを見てください。これは国家行政組織法であります。これ、省令では法律の委任がなければ国民の権利を制限する規定を設けることはできないと、十二条の三です。省令でできないやつを告示でできるとする根拠は何ですか。今のあれですか、学校教育法の四条一ですか。文科大臣
  318. 松野博一

    国務大臣(松野博一君) お答えをいたします。  先ほどお答えをしましたとおり、文部科学省告示第四十五号は、学校教育法第四条により文部科学大臣の権限とされた大学の設置認可について、文部科学大臣に与えられた認可の権限を適切に行使するための認可の基準を定めたものであり、国民の権利を制限するものではございません。したがって、本告示は国家行政組織法に反するものではないと考えております。
  319. 浅田均

    ○浅田均君 権利を制限するものではないとおっしゃいましたけど、これ根拠なく、営業権の自由ですよ、加計さんにしても、獣医学部新設したい、これ営業権の自由を奪っている。国民の権利を制限しますよ、獣医学部で勉強したいという方々の権利を奪っている。これ、そういう意味で憲法違反ではないんですか。これは法制局にお伺いいたします。
  320. 松野博一

    国務大臣(松野博一君) お答えをいたします。  大学の設置については、学校教育の公共性に鑑み、学校教育法第四条において文部科学大臣の認可を要することと規定をされております。大学として必要な要件を満たしているかや、国全体の大学の配置等の妥当な状態を確保できるのか等の観点から、大臣が行う認可を受けて可能となるものであります。  文部科学省告示第四十五号は、その認可に際しての大臣の権限を適切に行使するための基準を定めたものであり、大学の有する財産を侵害するものではないとともに、学生が獣医師の職業に従事することを妨げるものではなく、憲法違反に当たるものではないと考えております。
  321. 浅田均

    ○浅田均君 それでは、法制局にお伺いしたいと思うんです。  先ほど国家行政組織法で、省令は法律委任がなければ国民の権利を制限することはできないというふうに書いてあります。法令によらず告示という形で国民の権利を制限することはできるんですか。
  322. 横畠裕介

    政府参考人横畠裕介君) まず、御指摘の平成十五年の文部科学省告示第四十五号は、学校教育法第四条第一項第一号に定められている文部科学大臣の大学設置等に係る認可権限の行使について大臣自らがその運用の基準を公示したものでございまして、御指摘の省令のようないわゆる委任命令ではないと考えております。    〔委員長退席、理事二之湯智君着席〕  告示の根拠でございますけれども、その意味で、実質的な根拠、法令上の根拠は学校教育法第四条第一項による大臣の認可権でございます。また、形式的な根拠といたしましては、御指摘もありましたけれども、国家行政組織法の第十四条第一項に、各省大臣等は、その機関の所掌事務について公示を必要とする場合においては告示を発することができると定められております。それが根拠でございます。
  323. 浅田均

    ○浅田均君 今の法制局のお話ですと、学校教育法の四条の一、これでそういう告示の権限が大臣に委ねられていると。告示の根拠であるその責任、告示の挙証責任、これ文科省は果たせなかったわけですよ。その時点で、文部大臣、文部大臣にそういう権限があるんですよ。その制限、権利を制限しているその根拠が明確でなくなった、明確でなくなった時点で文部大臣の権限でその告示を廃止することができるんではないですか。
  324. 松野博一

    国務大臣(松野博一君) お答えをいたします。  今回の国家戦略特区における議論で特に文部科学省が一貫して主張しておりました、全体の需給に関する事案が明確にならなければならないということをずっと主張してきたわけでありますけれども、これは実際の獣医師の需給関係を掌握しております農水省によってこれは一義的には把握をされているものでございますから、農水省の判断を得て文部科学省として判断するわけでございますが、今回の農林水産省の判断は、全体の需給に関する影響からという判断ではなく、内閣府を中心としてまとめた今回の新たな獣医師に対するニーズを鑑みれば全体の獣医師の需給に影響を与えないというのが農水省の判断であったと承知をしておりまして、今回の判断がすなわち告示の撤廃等に結び付くものではないと考えております。
  325. 浅田均

    ○浅田均君 その国家戦略特区ワーキンググループの委員であられます原英史さんに参考人でお越しいただいております。  このワーキンググループの議論でも、この文科省告示四十五号の正当性、妥当性についてさんざん議論がされております。関係告示の改正を直ちに行うべきであるという提案平成二十八年十一月の九日に八田座長が、名前でされておりますけれども、その辺の、この提案に対しまして文科省がどういうふうに対応したのか、原参考人の方から手短にお話をお聞かせいただけたらと思います。
  326. 原英史

    参考人(原英史君) お答えいたします。  今御議論のございました立証責任の問題ですが、合理的な根拠なく国民の権利を制限してはいけないという憲法上の大原則の議論だと思います。政府内の瑣末な問題では全くないと思っております。  こうした認識の下で、特区ワーキンググループでは、平成二十六年からでございますが、文部科学省にこの告示について規定の根拠を示していただくように求めてまいりました。何度も議論いたしましたが、結果として示されていないと認識しております。つまり、この規制を続けなければライフサイエンスなどの新しい分野も含めてどうしても供給過剰になって問題が生じてしまうというデータはこれまで示されていないと認識をしております。  こうした場合、本来は告示の規定を廃止するのが筋だと思っております。しかし、文部科学省さんが様々な難しい御事情があって動かれない中で、特区限定、さらには特区の中で限定を付した特例措置という形で何とか前進を図ってまいりました。最終的には、特例措置に関しては文部科学省と同じ方向を向いて一緒になって政策決定したと認識しております。    〔理事二之湯智君退席、委員長着席〕
  327. 浅田均

    ○浅田均君 ありがとうございます。廃止が筋であるけれども文科省の抵抗で特区の中でしか認めざるを得なかった、しかも条件付でということでございます。  次のパネルをお願いします。これは、日本獣医師会の藏内会長が、日本獣医師会の会長の短信というやつであります。これ、ホームページから抜粋しております。この中で、藏内会長は、できれば獣医学部新設決定の撤回、これが不可能な場合でもせめて一校のみとするよう山本大臣らに御理解いただくよう奔走したと、この会長短信「春夏秋冬」四十二号に書かれてあります。  こういう要請があったのは事実か、山本大臣にお尋ねいたします。
  328. 山本幸三

    国務大臣山本幸三君) 十二月八日に正式に文書で獣医師会から、撤回が無理なら一か所、一校に限るようにしてもらいたいという要請がございました。
  329. 浅田均

    ○浅田均君 十二月八日にこういう御要請があったと。翌年の一月四日に内閣府、文科省の一校に限るという共同告示が出ております。こういう御要請を反映してそういう告示になったんでしょうか。山本大臣にお尋ねいたします。
  330. 山本幸三

    国務大臣山本幸三君) 私も獣医師会との合意ができるものなら一番望ましいと思っておりましたし、この獣医師会の十二月八日の要請、そしてプラスして、パブリックコメントをやりまして、その結果が十二月十七日で締めまして出てまいりまして、その中でも慎重な意見もかなり多いということがございまして、最終的にその二つを受けて私が決断し、そして文科大臣と農水大臣に御相談申し上げて、最終的に十二月二十二日の三大臣合意ということに至ったわけであります。
  331. 浅田均

    ○浅田均君 今までのお話をまとめてみますと、文科省獣医学部新設を禁止する挙証責任があったにもかかわらず、それができなかったと。できなかったということは門戸が開かれたということですが、そこに獣医師会等からの圧力というか働きかけがあって一校に限るということになったと。一校に限るということになって、そのときもう既に申し込んでいたのは加計学園しかなかったと。午前中、前川参考人がいみじくもそういう御発言をされていますけれども、加計ありきではなしに、結果としてそうならざるを得なかったというのがこのやり取りを通じて分かったことであると思います。  それで、文科大臣にお伺いいたしますが、一校に限るというのはこの一年限りでしょうか。
  332. 松野博一

    国務大臣(松野博一君) お答えをいたします。  一校に限るという文言につきましては、今、山本大臣から御説明があったとおりでございます。それに文科省として同意をしたということでございますが、いずれにしろ、今後新たに獣医師を養成する機関に関してのことが国家戦略特区において追加の規制改革事項に入ることが議論をされるということになれば、それは従来どおり内閣府を中心として関係省庁等が話し合った中において進められるということでございます。
  333. 浅田均

    ○浅田均君 ということは、今定数が九百三十人で、加計学園がもし認められたら……
  334. 山本一太

    委員長山本一太君) 時間が終わっておりますので、まとめてください。
  335. 浅田均

    ○浅田均君 それを超えるということになりますが、大臣にそういう権限があるなら、それ以上に定数を増やすというお考えはありませんか。
  336. 山本一太

    委員長山本一太君) 時間です、時間です。最後に一言だけ、松野文科大臣、一言、一言でお願いします。
  337. 松野博一

    国務大臣(松野博一君) 獣医師の養成機関に関しては、現状のところ、国家戦略特区の枠の内において、そして閣議決定した四条件を基に考えられるものだと思いますので、それに従って進められると承知をしております。
  338. 浅田均

    ○浅田均君 終わります。
  339. 山本一太

    委員長山本一太君) 以上で浅田均君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────
  340. 山本一太

    委員長山本一太君) 次に、森ゆうこ君の質疑を行います。森ゆうこ君。
  341. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 自由党の森ゆうこでございます。社民党との共同会派、希望の会を代表して質問させていただきます。  まず、私の地元新潟を始め全国でこの度豪雨災害に遭われている皆様に心からお見舞い、そしてお悔やみを申し上げますとともに、災害には与党も野党もないということで、一日も早い激甚災害の指定、ちなみに民主党政権で史上最速の激甚災害を指定していただいたのは新潟・福島豪雨のときでございました。どうか政府におかれまして、被災者に寄り添ってしっかりとやっていただければと思います。  さて、安倍総理、困りました。先ほどの私の五月九日の予算委員会、その私の質問に対する安倍総理答弁、非常に混乱をいたしております。質問するつもりではありませんでしたけれども、整理をさせていただきたいと思います。  まず、昨日、今年の一月二十日まで知らなかったというふうに言われているんですけど、ちょっとこれまでの国家戦略特区における今治市、獣医学部経緯を資料にまとめましたので、資料一を御覧ください。(資料提示)  二年前の四月二日になぜか官邸に今治市の職員が二名訪れているところから始まっております。今回、必要な部分だけちょっと抜き出して一ページにまとめてみましたけれども、先ほど問題になっているのはこの最後の方ですね、今年の一月二十日、ここで、国家戦略特区諮問会議、区域計画の認定というところで最後に加計学園が事業実施者として決まるということなんですけれども。  総理、私の五月九日の質問に対する、まず私の質問ですけれども、改めて申し上げますが、「加計孝太郎理事長今治市で国家戦略特区による獣医学部新設の希望を持っていることを知っていましたか。」という質問に対して、これ、国家戦略特区に対する質問なんですよ。「この加計学園が、当然これは特区申請今治市が出しますから、この特区申請した段階においてこの説明を受ける、当局から説明を受けるわけでございますので、」、全然会議でなんて言っていませんよ、このときに。「当局から説明を受けるわけでございますので、その段階で当然総理大臣として知り得たと、こういうことでございます。」ということで、つまり、この表からいたしますと、今年の一月十日、加計学園今治国家戦略特区に応募した、この段階で総理が知ったと五月九日には答弁しているんですけれども、これでよろしいですか。
  342. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 私のこの答弁を、二回答弁をしているわけでございますが、このとき御質問に確かに、国家戦略特区による獣医学部新設の希望を持っていたことを知っていますかと、こう質問されたわけでございますが、これについて私の答えを見ますと、この加計学園が、当然これは特区申請今治市が出しますから、この特区申請した段階においての説明を受ける、当局から説明を受けるわけでございますので、その段階で当然総理大臣として知り得たということでございますと、こう一回答えるんですが、その後、森議員から続けて、直接いろんなお話をされていたんじゃないですかと、こう質問がございます。そこで、既に答弁をさせていただいておりますがとお答えをし、言わば獣医学部新設する主体については、平成十九年十一月の今治市等による構造改革特区提案においてというふうに答えておりますので、私自身、言わば委員の御質問について、構造改革特区国家戦略特区について言わば取り違えていたんだろうと。その後の答えがこの正解の答えでございます。
  343. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 私、かなりフェアに今質問したんですよ。二年前の六月四日と間違えたんでしょうというふうに言ってもよかったんですけれども、そうではなくて、今回の国家戦略特区、この今治市、その事業者の募集が行われる、そこに加計学園が応募したときに、そのときに事務方から説明を受けたというふうに私は真っ当に受け取ったんですよ。  なぜ総理がこんな、昨日からこの一月二十日に初めて知りましたという答弁でこんなにも混乱するのか、理由を教えてあげましょうか。教えてあげますよ。それは、構造改革特区のときは今治加計はセットだった、名前も出ていた。もう今治といえば加計なんですよ。加戸守行さんも言っていたじゃないですか。今治といえば加計なんですよ、セットなんですよ。だけれども、わざわざ国家戦略特区では、まあ不自然ですけれども、加計学園の名前をあえて伏せた、みんなが知らないという前提で、まだ事業者は手を挙げていない、あくまでも公募なんだという前提にした、本当は知っているのに知らないふりをした。だから混乱しているわけですよ。  とにかく、この答弁、本当に一月二十日だったのか、これ全部混乱していますから、もう全く信用できませんけれども、整理をしていただきたいと思います。委員長
  344. 山本一太

    委員長山本一太君) 後刻理事会で協議をさせていただきます。
  345. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 それから、先ほど小池晃議員の加計学園への伝達事項ということについて、松野文科大臣、御答弁をされました。つまり、告示の改正を行っていない時点でも門前払いをせずに事前の相談に乗るということはあるので、だからこそ加計学園に対していろいろ相談に乗っていたというふうに答弁を先ほどもされましたし、昨日もしていたと思います。  しかし、それは私が見た議事要旨、国家戦略特区における議事要旨ともう全然違うことを言っているなと思って、先ほど探しました。どこにあったのか。これは去年の十月十七日、そこに書いてあります、京都産業大学がヒアリングに出席をしてプレゼンを行った、そのときの議事要旨であります。最後の方にございます、議事要旨八ページ目。京都産業大学の副学長は、正式に設置申請に向けての事前調整ということではなくて、何とかそこを御配慮いただきたいという事前の事前相談みたいなところがあったのですが、なかなか農水省を含めて、獣医師は充足しているという論法の中で、これ以上獣医学部をつくる必要はないんだというお話で終わってしまっている。言わば門前払いをしているということで、京都産業大学はこの国家戦略特区のヒアリングの場で、八田座長の、設置審に要請されようとしたら事前協議が必要だと言われ、事前協議ではこれは無理ですよと言われたということですが、その無理だという根拠は何だったんですかという質問に対して、去年の十月十七日にそう答えています。  告示が改正されていなくても丁寧に相談に乗ったと、丁寧に相談に乗って、加計学園への伝達事項、こういう形で加計学園に対して丁寧に事前の事前の調整を行っている。全然違うじゃないですか。京都産業大学、門前払いじゃないですか。一般的にそんなことやっていないじゃないですか。さっきのは虚偽答弁じゃないんですか。訂正してください。
  346. 松野博一

    国務大臣(松野博一君) お答えをいたします。  国家戦略特区が前提であっても大学設置の事前相談に乗ってきたことは、これは過去の事例でもあることでございます。  あわせまして、十月十七日と御指摘があったかと思いますが、そのヒアリングに関して文部科学省呼ばれていないんですね。それなんで、その内容について文部科学省として詳しく承知をしておりませんが、これはもう当然のことながら、全てのと言ってもいいと思いますが、新しい大学や学部を設置するときはほとんど全ての法人が文部科学省に事前相談を、いらっしゃいます。  それに関して、問合せ事項に関してはしっかりと対応しているということでございますから、京都産業大学が、京都産業大学が仮に、これは設置、事前審査に対する相談があったかなかったかということに関しても公表しないということにしておりますけれども、仮に京都産業大学からそういった設置申請の事前相談があったとすれば、文部科学省として適切に対応していると考えております。
  347. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 でたらめ言わないでください。京都産業大学には何にも丁寧に対応していないじゃないですか。門前払いしたと、国家戦略特区の公開されている、議事録じゃないですからね、議事録は公開されていません、四年後にしか公開されていないそうです、議事要旨にきちんとこういうふうに書いてあるじゃないですか。ついこの間協議されたことですよ。何でそんなでたらめ言うんですか。大臣答弁とここで京都産業大学がヒアリングに答えた内容、全く違います。どっちが正しいんですか。
  348. 松野博一

    国務大臣(松野博一君) お答えをいたします。  先ほど答弁をさせていただきましたとおり、十月十七日のヒアリングに文部科学省参加をしておりません。そして、ヒアリング内容があったことについては後日ホームページで確認をさせていただいた状況でございますが、この問題に関して先生からの詳細な質問通告をいただいていないかと思いますので、先ほどの、今御指摘があった点についてしっかりと確認をさせていただきたいと思います。
  349. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 ということで、加計学園には丁寧に特別扱いで一生懸命やりましたということです。  ちなみに、文科省が知らないのも無理ないんですよ。私たちも今年の三月の終わりになるまで京都産業大学がヒアリングを行ったかどうかさえも知らなかった。なぜか。去年の十月十七日に行ったのに、今年の三月の半ばに朝日新聞に指摘されるまで非公開だったんですよ。文科省にさえ知らされなかったんですよ。おかしいじゃないですか。  それで、山本大臣に伺いたいと思います。その三府省合意。  この間いろいろな条件を付けて、まあ言わば規制強化ということで加計学園しか通れない穴を空けました。広域的に獣医学部のない地域に限り、それから一校に限り、そしてもう一つはこの間議論になっております平成三十年四月開学であります。それで、その平成三十年四月開学がどこで決まったのか、この間委員会で度々伺ってまいりましたけれども、明確な回答はありません。最後は大臣の何か決断をしたんだとか、いろいろ出てくるんですけれども。  皆さんにお配りした資料、三大臣合意文書、これは、まあ、いろいろ聞いても記録がない、記憶がない、確認できないという答弁を繰り返す内閣府が唯一と言っていいほど出してきた資料でございます。これはなぜこれが出てきたかといいますと、櫻井委員と私が、なぜ一校に決めたんだ、どこで決めたんだと三月の末にさんざんやりましたものですから、急に出てきたんですよ、去年の平成二十八年十二月二十二日の資料ですけれども。  ここ、御覧ください、この三大臣合意文書。一つは十一月九日に決まった条件であります。そしてもう一つは、まあ獣医師会から要請を受けた一校に限りということなんです。  なぜ、山本大臣、この三大臣合意に、平成三十年四月開学というもう一つの条件を合意内容に入れなかったんですか。
  350. 山本幸三

    国務大臣山本幸三君) 三十年四月開学ということは既にパブリックコメントで出しております。パブリックコメントというのは内閣府と文科省の共同告示で出す文案をパブリックコメントするわけでありますので、もう既に分かっているわけであります。ただ、一校に限るということはその時点では決まっておりません。  したがいまして、それは先ほども御答弁申し上げましたけれども、十二月八日に獣医師会から一校に限るようにという要請が強く寄せられまして、そしてまた、そのパブリックコメントが十二月の十七日に結果が出たわけでありまして、そこで慎重な意見がかなり多いと、そういうことを踏まえてですね、これを一校に限るというようにしようということで私が決断し、そして文科大臣と農水大臣に御相談を申し上げて、十二月二十二日に合意文書ができたということであります。
  351. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 おかしいですよ。パブリックコメントでこれに反対する意見が多数寄せられたんですよ。改めて、これ、どこでも決まっていませんからね、平成三十年四月開学総理がお尻を切った平成三十年四月開学、これによって京都産業大学が諦めたこの条件です。なぜその重要な条件を三大臣合意に加えなかったのか。余りにも不透明なんですよ。  総理、余りにも不透明なので……
  352. 山本一太

    委員長山本一太君) 時間です。まとめてください。
  353. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 総理が幾ら潔白を証明しても国民は絶対納得しません。きちんといろんな資料を出させるように指示していただけませんか。
  354. 山本一太

    委員長山本一太君) 終わりです。(発言する者あり)じゃ、一言、総理、最後に一言だけ。
  355. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) お答えをさせていただきます。  この四月、平成三十年四月開設とするよう個別に指示を行ったことは一切ございません。  この告示案はですね、特区諮問会議にかかるものではございませんから、事前に報告も受けておりません。その上で申し上げれば、国家戦略特区は、閣議決定した文書である特区基本方針に定めているとおり、スピードを重視し、機動的運営を行っていくことを運用の原則としておりますし、私も常々、岩盤規制改革を全体としてスピード感を持って進めていくよう指示をしておりまして……
  356. 山本一太

    委員長山本一太君) 時間ですので、短くお願いします。
  357. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 具体的に山本大臣はこの方針の下に文科大臣と合意の上で作成したものと理解をしておりますし、なお、京都産業大学も、先般の記者会見において、京産大外しの意図があったとは考えていない、また納得できない部分は特にないと、こう述べていると承知をしております。
  358. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 終わります。
  359. 山本一太

    委員長山本一太君) 以上で森ゆうこ君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────
  360. 山本一太

    委員長山本一太君) 次に、松沢成文君の質疑を行います。松沢成文君。
  361. 松沢成文

    ○松沢成文君 無所属クラブの松沢成文でございます。  今日は、私は、加計太郎氏の政治活動について総理の御見解を伺っていきたいと思います。  総理は、腹心の友と言っている加計氏にこれまで自民党の政党活動を支援してほしいと頼んだことはありますでしょうか。
  362. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 自民党の政党活動について、それを支援してもらうように頼んだことはございません。
  363. 松沢成文

    ○松沢成文君 それでは、加計太郎氏が岡山県で自民党の職域支部の代表者を務めているということを御存じだったでしょうか。
  364. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) お尋ねの件については、参議院の文教科学委員会内閣委員会連合審査会で御質問をいただくまでは承知をしておりませんでした。
  365. 松沢成文

    ○松沢成文君 これは加計さんの厚意かもしれませんが、総理衆議院議員に初当選された一九九三年、その翌年に加計太郎さんは岡山県の自治振興支部の支部長になられて、自民党の党活動も支援に入っております。これは事実としてお伝えをしておきます。  それでは、皆さんにお配りしている、またテレビ御覧の方はこちらのボードを見ていただきたいと思うんですが、(資料提示)これは自民党の岡山県自治振興支部の収支報告書でございます。  まず、この所在地なんですけれども、岡山市北区学南町と読むんですかね、一の九の一。これは、加計学園グループの英数学館の所在地に自民党支部もあるんです。同じ学校の中が所在地なんですね。代表者の氏名は加計太郎と書いてありますが、どういうわけか、私がこの前質問をした七月十日の日に孝太郎の孝の字がこれ訂正されているんですね。こちらが本名なのかもしれません。これはどうでもいいです。次に、会計責任者の氏名。これ氏名は伏せますけれども、この方は実は岡山理科大学の同窓会の副会長でございます。それから、その下の事務担当者の氏名。この事務担当者の方は英数学館岡山校の校長先生なんですね。  この収支報告書の中を見ますと、これはボードを用意していませんけれども、収支報告の中で、その支出の方ですね、支出の方というのは例えば事務費とか人件費とか光熱費とかいろんな項目があるんですが、そうした項目は全てゼロで、政治活動費、組織活動費だけに毎年七万か八万計上されているんですね。  さあ、総理、この収支報告を見ると、この収支報告見る限り、学校の中で学校関係者が代表者と事務方を務めて自民党を支援する政治活動を行ったということになります。そういう情況証拠なんですね。総理、こんなこと許されるんでしょうかね。自民党の総裁として、支部の活動でこういうことが許されるのかを私はお聞きをしたいんです。だから、文科省じゃないんです、これは。自民党の総裁として、自民党の支部の活動で学校の中で学校関係者が役員になって政治活動を行っていた、これ許されるのか、自民党総裁としてお答えをいただきたいと思います。
  366. 山本一太

    委員長山本一太君) まず、松野文科大臣。その後、総理に御答弁お願いします。
  367. 松野博一

    国務大臣(松野博一君) まず、私の方から事実関係についてお答えをさせていただきます。  教育基本法の第十四条第二項は、学校の政治的中立を定め、この学校とは学校教育法第一条に定める学校、いわゆる一条校を意味をしております。このため、学校法人や各種学校、その役職員について政治的活動の制限を課すものではありません。学校法人英数学館の理事長である加計太郎氏や各種学校である英数学館の校長については同法の適用は受けないということでございます。  他方、英数学館岡山校の校舎におきましては、各種学校としての教育のほかに一条校である並木学院高等学校、これは広域通信制学校でございますが、この授業が実施をされているところから、所轄庁であります広島県が現地調査で確認をしたところ、生徒に影響を与えるような政治活動は行われておらず、教育基本法に反する状態にはないと判断したとのことでございました。
  368. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) ただいま委員が御指摘の点について、法令上どうなのかということについては松野大臣からお答えをさせていただいたところでございます。言わば自民党として支部をつくる上においては法令にのっとって支部をつくっていくということでございます。
  369. 松沢成文

    ○松沢成文君 今、文科大臣は、英数学館岡山校はこれ各種学校ですから、要するに学校教育法の一条校ではないので教育基本法のこの範疇に入らないというふうに言いました。  しかし、このホームページを調べたんですね。そうしたら、英数学館岡山校は、現在は高校卒業資格の取得を目指す並木学院高等学校の岡山キャンパスとして、各教科の指導はもとより、各種検定に向けての特別指導なんかを行っていく学校だと書いてあるんです。並木学院の岡山キャンパスとなっていますけれども、この並木学院というのは、実はこれ通信制と単位制の高校で、一条校であって、そしてこれは教育基本法の対象になるんですね。  ですから、形式上は各種学校だから教育基本法の対象にならないと言っているけれども、実態は並木学院の生徒が通っているんです。各種学校の生徒はほとんどいない。留学生がちょろちょろいるだけです。今各学年二十人生徒がいますが、六十人ですね、計、高校ですから。これ全て並木学院の通信制、つまり一条校の生徒なんですね。だから、実態を見れば、一条校の学校の中で、それで加計学園グループの関係者が全部役員になって、そして政治活動費だけにお金を使っているわけですから、これは教育基本法に触れる可能性があるというふうに私は判断するんですが、総理、いかがでしょうか。
  370. 松野博一

    国務大臣(松野博一君) お答えをいたします。  先ほど答弁をさせていただきましたとおり、先生から御指摘があったとおり、並木学院高等学校は一条校でございます。  それを受けて、所轄庁である広島県が現地調査を含め調査をしたところ、広島県の判断におきまして、生徒に影響を与えるような政治活動は行われていないと、教育基本法に反する状態にないと判断をしたという、これはもう所轄庁の広島県の判断ということでございます。
  371. 松沢成文

    ○松沢成文君 文科省の判断は、要するに広島県がこれ調べて問題ないからそれでよしとしているわけですね。私は、文科省がこれ調べるべきだと思いますよ。だって、今、新学部の申請まで出ているんですから。その議論をしているんですから。  そして、総理、これやっぱり、自由民主党という政党として、教育基本法に違反するような支部活動を学校の中でやっている可能性があるのであれば、これ調査すべきだと思うんです。(発言する者あり)違う、自由民主党としてです、要するに所轄官庁じゃなくて。だって、自民党の支部なんですから。それで、この政治活動は何をやっているのか。もし何か並木学院の生徒に対する政治的なアプローチをやっているとしたら、これ完全に教育基本法に触れるわけですからね。これ、自由民主党としても、この政治活動、何やっているんですかって調査をすべきだと思うんですが、いかがですか。
  372. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) ただいま松野文部科学大臣が、所轄庁である広島県より報告を受け、それをお答えをさせていただいたとおりであります。  いずれにせよ、法令を遵守して適切な教育活動が行われることは言うまでもないことでありまして、引き続き文部科学省等においてしっかりと対応することになると思います。
  373. 松沢成文

    ○松沢成文君 時間がないので次進みますけれども、この収支報告書を見ると、今度はちょっと総務大臣にお聞きしますが、事務所の賃借料が事務所費に計上されていないんですね。英数学館からこれは事務所の無償提供を受けた場合には、収入欄に事務所の賃借料相当の寄附として記載しなければならないんですね。これは政治家の事務所でもよく指導を受けるところです。皆さん、訂正している方多いですよね。にもかかわらず、この記載がない。この不記載は政治資金規正法の第十二条の違反に当たる可能性があると私は思います。  そしてまた、広島県の学事課が調査したと言いますが、この支部の活動の実態はなかったというような弁明もしているらしいんですね。もしなかったのであれば、政治活動費を費やしていたというのもこれ誤記載となるし、所在地が、ここで活動していないのであれば、なかったというのであれば、同様にこれ誤記載の法律違反となる可能性があります。さらに、そもそも活動実態が全くなかったというのであれば、架空の組織を登録していることになり、これまた法律違反なんですね。  このように、加計氏が支部長を務めるこの自民党支部が政治資金規正法に違反している可能性は私は否定できないと思いますが、総務大臣はいかがお考えでしょうか。
  374. 高市早苗

    国務大臣(高市早苗君) まず、政治資金規正法は議員立法でございますが、その中で総務省につきましては個別の事案について実質的な調査権を与えられておりません。具体的な事実関係を承知する立場にないので、詳細にお答えをすることは困難であるということはまず御理解いただきたいと思います。  また、当該支部の収支報告書でございますが、岡山県選挙管理委員会に提出をされておりますので総務省には形式的審査権もございません。  その上で一般論として申し上げますと、まず、支出項目別金額の記載に当たっては、政治資金規正法施行規則別記第十四号様式の記載要領を踏まえて、会計責任者が事実に即して適切に支出を分類し、それぞれ該当項目に記載するということになります。それから、政治団体の事務所を他の者が所有する建物内などに置いた場合、その利用実態は様々であると。つまり、通常の賃貸の場合もございます。また、単に連絡場所として使う場合もあることから、賃料を支払うことについては社会通念上相当であるかどうかということによって判断されることになります。  違法か適法かというのは、これはもう司法が判断することでございます。
  375. 松沢成文

    ○松沢成文君 総理、教育基本法に違反している疑いも私は免れないと思いますし、政治資金規正法に違反している疑いも免れない。これ、政治家もよく指摘されるところなんですよ、それをみんな必死になって訂正したりしていますよね。訂正していないんですから、自分の名前は訂正するけれども、そういうところを訂正していませんからね。  こういう法律違反の疑義がある方が経営する学校法人の新学部の設置というのを認めてよろしいんでしょうか。総理の見解をいただきたいと思います。
  376. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 政治資金規正法関係については総務大臣、また教育基本法につきましては文部科学大臣からそれぞれ答弁をさせていただいたとおりでございます。  そこで、他方、加計学園獣医学部新設については、文部科学省審議会において学問的、専門的な観点から現在審査を行っているところでありまして、今後も公正で専門的な審査をしっかりと行ってもらうことになると、このように考えております。
  377. 松沢成文

    ○松沢成文君 一般の国民の皆さんから見ると、こんな加計さんというのは法律違反の疑義も掛けられちゃうような人なのかなと、大学経営者として大丈夫なのかなと私は思われると思いますよ。  総理、やはりこれは自民党の総裁としても、支部の活動がきちっと行われているのか、教育基本法に違反していないのか、あるいは政治資金規正法に違反していないのか、これきちっと調べて、違反していないのであれば、こうこうこういうふうに調べたけど大丈夫だという説明責任を果たすべきだと思うんです。もしそれを果たせない、やらないというのであれば、やはり加計太郎さんをこの場に呼んで証人喚問するなりしないとこの疑惑は解明できないんですね。  総理、きちっと調査していただけますか。いかがでしょうか。
  378. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) この証人云々等につきましては国会がお決めになるところであります。  そして、自民党の支部、それぞれの支部については、まさに適切にこれ設置がなされなければならないし、政治資金規正法との関係でも適切に行われていなければならないということでありまして、それ、もし本当に法令違反があるならば、直ちにそれは、これは廃止しなければならないということではないかと思いますが、この法令との関係におきましては……
  379. 山本一太

    委員長山本一太君) 時間ですので、おまとめください。
  380. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 文科大臣総務大臣からそれぞれお答えをさせていただいたとおりでございます。
  381. 山本一太

    委員長山本一太君) 松沢君、一言だけ。時間です。
  382. 松沢成文

    ○松沢成文君 是非とも加計太郎氏のこれ証人喚問をやっていただかないと真相究明できませんので、取り計らいよろしくお願いします。  以上です。
  383. 山本一太

    委員長山本一太君) 後刻理事会で協議をいたします。  以上で松沢成文君の質疑は終了いたしました。(拍手)  これにて安倍内閣基本姿勢に関する集中審議は終了いたしました。  本日はこれにて散会いたします。    午後三時十一分散会