○平野達男君 それをこれだけの、これだけというか、こういう形で事業実施プログラムということでこれやっていますから、これをやったことによるアウトプットが何かという形はやっぱり見えるような形をするというのは、これは
政府としての、農水省としてのやっぱりこれは責務だと思いますよね。間違ってもこの公表が、ここでやっているプログラムを取りあえず、
規制改革についてはこれだけやりました、銘柄についてはこれだけ統合しました、
事業参入はこれだけありましたというだけではこれは済まないということだけは、これははっきりちょっと申し上げていきたいというふうに思います。
その上で、今回の法律の中身については、私
どもは今までどちらかというと、私だけかもしれませんけれ
ども、特に米なんかについては、米の
価格を、要するに
価格をいかに上げるかということにかなり今まで
努力を注いできました。ある年では米の
価格が、一挙に卸売
価格が二千円ぐらいまで下がりまして大騒ぎになったことがありまして、このときに
農林水産委員会で何
議論したかといったら、
市場に出ている米を買って
市場隔離しろということを大
議論やったわけです。実際にやりました。やって、僅かですけれ
ども価格は戻ったんですね。
ところが、それでも経年的に見ますと米の
価格というのは下がり続けて、一昨年はもう一万二千円、一万三千円を割るぐらいのすごい低い
価格になって、今ちょっと戻していますけどね。その背景にあるのは、やっぱり消費はもう年々八万トンずつ減っていくというこの避け難い現実だと思います。もちろん需給調整はこれからも自主的にやっていくんですけれ
ども、このいわゆる
供給と需要のバランスの関係から考えていきますと、米の
価格そのものについてはやっぱり上げるというのはなかなか難しいというのはこれは現実として捉まえないかぬと思いますね。
だからこそ今まで余り、やってこなかったというわけじゃないんですけれ
ども、
生産構造に切り込むということについては、あと機械経費、それから
肥料、それからあと
農薬、機械の問題は何か結構いろいろ
議論した記憶はありますけれ
ども、
肥料とか
農薬というのはほとんど余り
議論することはなかったようにも思います。そういったところに入っていってこういった形で成果が出てくるということであれば、それはそれで
意味のあることではないかなというふうには思います。
ただ、このプログラムの法の中にもう一つ入っているのは、ITというのが入っているんですね、IT。これは
農産物の
流通の
合理化の方で後でちょっと入りますが、これがちょっと私はくせ者だなというふうには思っていますが、そのことは後でまたちょっとお話をさせていただきます。
その前に、近年の
農業構造の変化ということについて、この法律と直接関係していないかもしれませんけれ
ども、
大臣の
認識をちょっとお伺いしたいと思いますが、元々、
農業協同組合法というのは、もう釈迦に説法になりますけれ
ども、農地
改革の後に、それまで少数の大規模地主、大多数の零細小作という
状況から、大体、何というんですか、規模では大体同じような少数の自作農がいっぱい出てきたわけです。経営規模が小さいものですから
価格交渉力というのは元々ないと。それから、物を買うにしてもやっぱり共同で買った方がいいという趣旨で元々の
農業協同組合というのはできたわけですね。だから、その
農業協同組合の精神というのは、あくまでも高く売って安く購入するという、それが協同組合の元々の精神だったわけです。
ところが、最近は、現場歩いていて、正直言って
全農さんに対する批判も結構出てきました。
全農さんは
手数料だけ取って何もしないんじゃないかという、そういう批判も出てくる中で、一方で
農業構造もかなり変わってきまして、先ほど言ったような多数の小規模自作ではなくて、今ではもう生産法人もあります、農事組合法人もあります、それから、自作農でも二十ヘクタール、三十ヘクタールぐらいやっている人もいる。それから、兼業
農家はもちろんかなり多数ありまして、その中でかなり生産法人とか自作農的に規模が大きくなると、
自分で
農業資材を買って
自分で売りたいというインセンティブが当然出てくるわけですね。
こういう多様なニーズに
農業協同組合がどのように応えていくかということもやっぱりこれからの課題だと思いますけれ
ども、この
農業構造の変化と
農業団体の
在り方ということについて基本的な考え方を
大臣にちょっとお伺いしておきたいと思いますけれ
ども。