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2017-04-14 第193回国会 参議院 東日本大震災復興特別委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二十九年四月十四日(金曜日)    午後一時十一分開会     ─────────────    委員異動  三月二十一日     辞任         補欠選任      小川 克巳君     堀井  巌君      上月 良祐君     太田 房江君      藤木 眞也君     高橋 克法君      大野 元裕君     増子 輝彦君  三月二十二日     辞任         補欠選任      東   徹君     石井 苗子君  四月十三日     辞任         補欠選任      藤田 幸久君     相原久美子君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         櫻井  充君     理 事                 愛知 治郎君                 江島  潔君                 片山さつき君                 平野 達男君                 大島九州男君                 神本美恵子君                 新妻 秀規君                 紙  智子君     委 員                 足立 敏之君                 阿達 雅志君                 石井 浩郎君                 太田 房江君                 岡田  広君                 こやり隆史君                 進藤金日子君                 高階恵美子君                 高橋 克法君                 滝沢  求君                 滝波 宏文君                 中西  哲君                 中野 正志君                 堀井  巌君                 宮本 周司君                 森 まさこ君                 山田 俊男君                 相原久美子君                 川田 龍平君                 小西 洋之君                 田名部匡代君                 長浜 博行君                 舟山 康江君                 増子 輝彦君                 長沢 広明君                 浜田 昌良君                 三浦 信祐君                 岩渕  友君                 石井 苗子君                 山本 太郎君                薬師寺みちよ君    国務大臣        文部科学大臣   松野 博一君        環境大臣     山本 公一君        国務大臣        (復興大臣)   今村 雅弘君    副大臣        復興大臣    橘 慶一郎君        復興大臣    長沢 広明君        経済産業大臣  高木 陽介君    大臣政務官        文部科学大臣政        務官       樋口 尚也君        農林水産大臣政        務官       矢倉 克夫君        経済産業大臣政        務官       井原  巧君    事務局側        常任委員会専門        員        田中 利幸君    政府参考人        内閣大臣官房        審議官      伊丹  潔君        警察庁長官官房        審議官      小田部耕治君        復興庁統括官   関  博之君        復興庁統括官   樺島  徹君        復興庁審議官   大鹿 行宏君        消防庁次長    大庭 誠司君        厚生労働大臣官        房審議官     椎葉 茂樹君        厚生労働大臣官        房審議官     橋本 泰宏君        厚生労働大臣官        房審議官     浜谷 浩樹君        水産庁増殖推進        部長       保科 正樹君        経済産業大臣官        房審議官     佐藤 文一君        資源エネルギー        庁資源エネルギ        ー政策統括調整        官        小澤 典明君        国土交通大臣官        房建設流通政策        審議官      海堀 安喜君        国土交通大臣官        房技術審議官   五道 仁実君        国土交通省水管        理・国土保全局        長        山田 邦博君        国土交通省道路        局長       石川 雄一君        観光庁審議官   瓦林 康人君        環境大臣官房審        議官       小川 晃範君        環境省総合環境        政策局環境保健        部長       梅田 珠実君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○東日本大震災復興総合的対策に関する調査  (東日本大震災復興基本施策に関する件)     ─────────────
  2. 櫻井充

    委員長櫻井充君) ただいまから東日本大震災復興特別委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  昨日までに、大野元裕君、上月良祐君、藤木眞也君小川克巳君、東徹君及び藤田幸久君が委員辞任され、その補欠として増子輝彦君、太田房江君、高橋克法君、堀井巌君、石井苗子君及び相原久美子君が選任されました。     ─────────────
  3. 櫻井充

    委員長櫻井充君) この際、今村復興大臣から発言を求められておりますので、これを許します。今村復興大臣
  4. 今村雅弘

    国務大臣今村雅弘君) 冒頭に当たり、一言御挨拶申し上げます。  四月四日に行われました閣議後の記者会見における私の発言皆様に御迷惑をお掛けいたしましたことをおわび申し上げます。  記者会見の場において感情的になってしまいました。今後は冷静、適切に対応をしてまいります。引き続き、誠心誠意職務に当たり、被災者に寄り添い、復興全力を尽くしてまいります。     ─────────────
  5. 櫻井充

    委員長櫻井充君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  東日本大震災復興総合的対策に関する調査のため、必要に応じ政府参考人出席を求めることとし、その手続につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 櫻井充

    委員長櫻井充君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。     ─────────────
  7. 櫻井充

    委員長櫻井充君) 東日本大震災復興総合的対策に関する調査を議題とし、東日本大震災復興基本施策に関する件について質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  8. 足立敏之

    足立敏之君 自由民主党の足立敏之でございます。少し風邪を引きまして喉が荒れておりますが、御容赦願いたいと思います。  私は、東日本大震災復興特別委員会では初めての質問となります。櫻井委員長片山理事を始め、各理事皆様方に心から感謝を申し上げます。  私は、国土交通省で長らく勤務をしてまいりまして、防災対策治水対策を担当し、東日本大震災復旧復興にも、水管理国土保全局長、そして技監として携わらせていただきました。本日は、その経験も踏まえまして、質問をさせていただきたいと思います。  まずは、昨年の四月十四日、まさにちょうど一年前の今日、熊本地震の前震とも言われる一つ目震度七の大きな地震発生をいたしました。二日後の十六日には本震と言われる二つ目震度七の地震発生し、この二つ地震などによりまして熊本県を中心に大変大きな被害発生をいたしました。亡くなられた皆様に衷心より哀悼の意を表しますとともに、被害に遭われた皆様に心からお見舞いを申し上げます。これからも被災地に寄り添って、早期復旧復興に努めていただきたいというふうに思います。よろしくお願いします。  私は、発災の二週間後の四月二十九日、熊本市と益城町に伺いました。被災地調査をさせていただきました。古い立派な住宅がとても大きな被害を受けていた、そのことに心を痛めました。また、九月八日には阿蘇大橋など阿蘇地方被災地にも伺いました。資料としてお配りをしました、私が撮影した写真に示すとおりの状況でございました。大規模地震の巨大なエネルギー恐怖感を感じるほどでございました。私としても、被災地の一日も早い復旧復興を願っております。  さて、熊本地震から一年になりますが、現在までの復旧復興状況について伺いたいと思います。また、五年前に発生した東日本大震災などの経験教訓熊本震災対応にどう生きたのかも併せてお伺いをいたします。
  9. 伊丹潔

    政府参考人伊丹潔君) お答えいたします。  政府といたしましては、熊本地震発災後、速やかに激甚災害の指定を行ったほか、これまでに三次にわたる補正予算等を通じた財政支援措置等を講じておりまして、これらをフルに活用して復旧復興を後押ししてきたところでございます。  具体的には、四千三百三戸の応急仮設住宅全戸完成を始めとする住まい確保、崩落した阿蘇大橋の橋梁の本体工事の契約を行ったほか、県道熊本高森線俵山トンネルと旧道を活用した東西方向の通行の確保を始めとするインフラ復旧など、被災自治体と一体となって取り組んでおりまして、復旧復興は着実に進んでいる状況でございます。  また、熊本地震の際には、東日本大震災等経験教訓を生かし、自治体の要請を待たず必要な物資等を緊急に供給するプッシュ型支援を初めて実施したほか、NPOと行政との連携が重要であることから、熊本地震支援団体火国会議を設立し、国、自治体及びNPO情報共有活動調整を行うなどの取組を行ったところであります。  さらに、熊本地震でも全国の自治体等から応援派遣を受けた経験教訓を踏まえ、先月末には自治体における災害時の受援体制に関するガイドラインを策定したところであります。  今後とも、将来の災害に備え、貴重な経験教訓を基に災害対策の不断の改善を行ってまいりたいと考えております。
  10. 足立敏之

    足立敏之君 どうもありがとうございました。様々な教訓経験が後世に生きるようにしていただきたい。内閣府の防災担当はその大事な担い手だというふうに思いますので、よろしくお願いしたいと思います。  ところで、熊本震災におきましては、自衛隊や警察、消防の皆さん全力で頑張っていただきましたが、地域建設業皆さんが、測量設計業やコンサルタントも含めまして、しっかり頑張って応急対応が行われ、復旧復興の道筋が付けられたというふうに考えております。  建設産業皆さんは、そこに住んで守るという大事な災害時の地域守り手としての役割も担っております。建設産業皆さんが、場合によっては被災者となっているにもかかわらず、真っ先に現場に駆け付け、被災状況緊急調査被災者支援、崩れた土砂の除去、アクセス道路確保など、様々な緊急対応やその後の復旧復興担い手として大切な役割を果たしています。私の知っている測量会社の社長さんは、会社被災してしまったにもかかわらず、協会の会議室に寝泊まりして応急対応の仕事に頑張ってくださいました。建設産業皆さんの頑張りに心から敬意を表しますとともに、感謝を申し上げます。  しかし、その一方で、熊本災害復旧工事では不調、不落が増加しているというふうに聞きます。需給のミスマッチが起こっているようであります。東日本大震災の際には、不調、不落対策を徹底するため、国土交通大臣出席されまして復興加速化会議を開催し、対応をいたしました。私も当時技監でありましたが、平成二十五年十月にこの会議に参加をいたしました。予定価格の適正な設定に寄与する復興係数導入復興歩掛かりなど、様々な対策を講じて一定の効果を上げてきたというふうに思っております。  東日本大震災のこの貴重な経験を踏まえまして、熊本では、災害復旧工事の不調、不落問題に、特に発注者サイド予定価格の適正な設定を始め、どのような対策を講じているのか、伺います。
  11. 五道仁実

    政府参考人(五道仁実君) お答えいたします。  東日本大震災復旧復興工事の実施に当たっては、入札の不調、不落や生コンの不足が大きな課題となったため、国土交通省では復興加速化会議等において、被災地実態に応じて予定価格の割増しを行う復興歩掛かりや復興係数導入、実勢を踏まえた公共工事設計労務単価引上げ、国、地方公共団体等発注見通し統合、生コンプラントの増設などの対策を講じたところです。その結果、直轄工事では、ピーク時には約七二%あった不調、不落の割合が、先月三月には約一一%にまで低下したところです。  熊本地震対応に当たっては、東日本大震災対応を踏まえ、復旧工事が本格化する前の昨年の七月に、資材や労働者不足し遠方からの調達が必要となる場合には必要経費を適正に支払うよう通知したところでございます。  また、昨年秋以降、不調、不落の割合が上昇してきたことなどから、関係者間において情報共有対応策検討を行うため、昨年十一月に国、県、市町村建設産業団体等により構成する熊本地震等復旧復興工事情報連絡会議の設置、今年の一月より国、地方公共団体等発注見通し統合、二月に復興歩掛かり、復興係数導入、三月には公共工事設計労務単価引上げなどを実施したところでございます。  国土交通省といたしましては、引き続き、現場状況をきめ細かく注視し、機動的に対策を講じることにより被災地復旧復興が一日も早く進むよう取り組んでまいります。
  12. 足立敏之

    足立敏之君 重ねて申し上げますが、不調、不落対策としては、発注者サイド、特に市町村などの自治体予定価格の適正な設定というのが不可欠だというふうに思います。今後とも、引き続きしっかり対策を講じていただきたいというふうに思います。  次に、東日本大震災復旧復興についてお伺いをいたします。  東日本大震災については、安倍内閣における最重要課題一つとして政府を挙げて復旧復興に取り組んできた結果、道路海岸堤防などの基幹インフラ整備につきましてはかなり順調に進んできているというふうに思います。今村大臣所信演説でも、地震津波被災地域では、生活に密着したインフラ復旧はほぼ終了し、住まいの再建も一歩ずつ着実に進展しておりますとの御見解でございました。  しかし、一般的に申しまして、現地からの悪い話は小さなものでも伝わってまいりますけれども、良い話はなかなか伝わってこない、それが実情でございます。このため、大多数の皆さんも、伝わってくる悪い話に大変心配されているのではないかというふうに思います。本日は、そうした点に目を向けて、順次質問をさせていただきたいと思います。  まず、東日本大震災復興予算につきまして、平成二十一年度から二十五年度の予算に未使用が多いという指摘会計検査院がしています。一昨日の報道でも流れておりました。本当にそんなに不用がたくさん出て問題となるような状況なのか、復興庁見解伺います。
  13. 大鹿行宏

    政府参考人大鹿行宏君) お答え申し上げます。  今般取りまとめられましたこの会計検査院報告書におきましては、五年間の集中復興期間における予算執行状況といたしまして、累計支出済額が約二十七・六兆円、このほかに平成二十八年度への繰越額が約一・四兆円、それから平成二十七年度の不用額としまして〇・五兆円、それから五年間の累計不用額としまして約四・五兆円、それから支出済歳出額のうち地方公共団体基金等に約三兆円が積み残されていると、こういったデータが示されております。  これを踏まえまして、未使用額、繰越しとか不用等を含めていると認識しておりますが、未使用額が約五兆円、ないしは累計不用額をもちまして約九兆円といった新聞報道等がなされているというふうに承知をしております。  この背景でございますけれども、未曽有の大災害でありましたこの東日本大震災からの復旧復興には多くの困難あるいは長期の取組といったものが伴うわけでありますけれども、予算編成におきましては、一日も早い復興に向け、十分な予算額を毎年度確保してまいりました。  一方、大震災からのこの復旧復興事業の特性といたしまして、用地取得地元調整等に時間を要し、結果として繰越しや不用を生じるケースが間々ありました。  また、東日本大震災の場合におきましては、被災自治体事務負担あるいは予算不足に対する不安感といったものに考慮しまして、複数年度にわたる事業につきましては特例的に基金制度を多く用いまして事業に係る資金をあらかじめ前倒しをするといった手法を用いてまいりました。  こうした要因から、比較的多額の繰越し、不用のほかに、被災自治体における基金の残といったものが発生しているというふうに認識しております。  復興庁といたしましては、こうした繰越し、不用等発生をもちまして、事業が行われていない、あるいは進んでいないといった誤解を特に地元におきまして招くことのないように、広く復興進捗状況を周知してまいりますとともに、会計検査院の各般にわたる御指摘も踏まえまして、今後とも復興予算の適切な計上、執行に努めてまいりたいというふうに考えております。
  14. 足立敏之

    足立敏之君 実態はよく分かりました。会計検査院にももう少し丁寧に説明をしていただければ、世の中の皆さんがよく分かるんじゃないかというふうに思いました。引き続き、しっかりと復旧復興に努めていただきたいというふうに思います。  次に、津波防潮堤について伺います。  津波防潮堤につきましては、私は、今日は山田水管理国土保全局長が御出席でございますが、その四代前の局長として直接担当させていただきました。本日出席国土交通省の、先ほど答弁をした五道技術審議官も当時は海岸室長として一緒に頑張っていただきました。どうもありがとうございました。  当時は、堤防の高さの問題が論点になってございました。高さにつきましては、数十年から百数十年に一回起こるような比較的頻繁に発生する津波の高さ、いわゆるL1対応と、五百年から千年に一回起こるような最大クラス津波の高さ、L2対応二つ考え方があります。構造物としてはL1対応で設計することとし、それを超える規模津波に対しましては多重防御考え方でハード、ソフト両面施策を総動員して守る、そういう考え方としております。  しかし、現地では、時間の経過とともに、計画の対象となる背後地皆さんが移転してしまったようなケースや、守るべき施設がなくなっている地域などが生まれており、人命を守らないなら堤防の高さをL1よりも下げるべきだというような意見もございまして、一部の地域で対立を生じました。  こうしたことを受けまして、海岸管理者地元皆さんに丁寧に説明を行い、場合によっては計画の見直しを行うなど、努力を重ねて、かなり理解が進んできたんではないかというふうに思います。  お手元資料二、三を配付してございますけれども、そこの写真に示すとおり、被災した海岸復旧も着実に進んでおります。  津波防潮堤復旧復興進捗状況について伺いたいと思います。また、私も被災直後に現地を訪れて御縁もございます気仙沼市の大谷海岸復旧復興状況について特に御説明をお願いをいたします。
  15. 山田邦博

    政府参考人山田邦博君) お答えをいたします。  東日本大震災被災地におけます防潮堤整備進捗につきましては、平成二十九年の一月末時点で、全海岸の八五%、これが着工済みでございまして、二八%は既に完成をしているところでございます。また、全海岸の九九%で既に地元調整済みでございまして、被災六県からは平成三十二年度をめどに全ての海岸防潮堤完成を目指すと聞いております。このように、防潮堤整備は着実に進展しているものと考えているところでございます。  また、議員お尋ねの宮城県の気仙沼大谷海岸、ここでは地元住民の方々の要望を踏まえまして県や市が住民説明会等を開催するとともに、県、市、それから国等防潮堤大谷海岸周辺町づくり計画について検討調整を進めてまいりました。その結果、地元の意向に沿いまして、防潮堤をより陸側に引いて砂浜を三十メートルから六十メートル確保するとともに、防潮堤を兼ねました国道とその背後を一体的にかさ上げをして、そして当該地区観光災害対応の拠点として位置付け、昨年七月末にまとめられました防潮堤町づくり計画に基づきまして、現在県において詳細な設計等を進めていると聞いております。  海岸管理者である県などが地元に対して丁寧に対応していただいた結果、防潮堤復旧が目に見える形で進んできていると考えているところでございますけれども、国土交通省といたしましても、引き続き県などに対し最大限の支援を行ってまいりたいと考えているところでございます。
  16. 足立敏之

    足立敏之君 ありがとうございました。  櫻井委員長にも当時御指導いただきましたけれども、当時担当していた者としても、何とか責任を果たせたのかなというふうに思っておりまして、柔軟な対応をしていただきまして、心から感謝を申し上げたいというふうに思います。  次に、被災地早期復興につながり、被災地経済発展の基盤ともなる道路整備について伺いたいと思います。  私も、常磐自動車道全線開通した後、一度、自分の車で運転して被災地の中を走ってみました。やはり道路がつながるということは大事なことなんだなというふうに、そのとき改めて強く感じました。地域の期待を集めている復興道路復興支援道路進捗状況と今後の見通しについて伺いたいと思います。
  17. 石川雄一

    政府参考人石川雄一君) お答えいたします。  復興道路復興支援道路は、平成二十三年七月二十九日に決定されました東日本大震災からの復興基本方針に位置付けられた道路でございまして、復興支援する重要な道路ネットワークでございます。これらの道路につきましては、早期ネットワークとしてつなげることにより、地元から期待される効果を発揮できるよう、地元の御協力の下、異例のスピードで事業が進められているところでございます。  復興道路復興支援道路につきましては、国土交通省中心となって整備している路線、全長約五百五十キロございますが、このうち約五割に当たります二百六十八キロメートルが開通いたしました。最近では、縦軸三陸沿岸道路南三陸道路約三キロが今年の三月二十日に、そして横断軸一つでございます相馬福島道路阿武隈東道路約十一キロにつきましては三月二十六日に、それぞれ開通したところでございます。また、この開通済み延長開通予定公表済みの区間を合わせますと合計で五百三キロとなり、全体の約九割になります。  引き続き、復興創生期間内の平成三十二年度までの全線開通を目指し、地域皆様の御協力をいただきながら事業を推進してまいります。
  18. 足立敏之

    足立敏之君 ありがとうございました。  少しローカルな話になりますけれども、先ほど気仙沼のお話をさせていただきましたが、先日、気仙沼で集まりがあった際に、市街地の対岸にあります大島地震の際に火災にも遭った島でございますけれども、船で伺いました。現地では陸と直結できる大島架橋工事は進んでおります。お手元資料四として配付をさせていただいておりますけれども、島民の皆様は陸とつながるということで大変大きな期待を持っていらっしゃいます。  現地ではこうして中央のアーチ部の架設が終わるなど工事は順調に進んでおりますけれども、島民の皆さんは、大島架橋がつながるこの先の三陸沿岸道路、この整備も心配されています。特に、気仙沼の湾の奥を横断する横断橋という大規模な橋がございます。その整備が順調に進むのか、心配の声を聞きます。  気仙沼湾奥の横断橋の整備見通しと関連する大島架橋進捗状況、そして今後の見通しについて伺います。
  19. 石川雄一

    政府参考人石川雄一君) お答えいたします。  東日本大震災発災により、宮城県気仙沼市におきましては、市街地全域において津波による甚大な被災があったとともに、離島である大島が海上交通の途絶により孤立状態になったところでございます。気仙沼復興に向けて、委員から御指摘がございました気仙沼横断橋、大島架橋につきましては地元から早期整備の御要望をいただいているところでございます。  気仙沼横断橋につきましては、三陸沿岸道路の一部として気仙沼湾を横断する斜張橋を含む長さ一・三キロの橋梁でございまして、斜張橋につきましては、国において下部工工事を推進するとともに、上部工につきまして現在契約手続を実施しているところでございます。  大島架橋事業につきましては、気仙沼市街地と大島を結ぶ約四百メートルの橋梁を含む架橋事業でございます。先日、架設が完了いたしまして、現在、宮城県におきまして平成三十年度開通に向け事業を進めていると聞いております。  今後とも、気仙沼を始めとする被災地域の復興支援に向け、関係自治体と連携しながら道路ネットワークの強化に引き続き取り組んでまいります。
  20. 足立敏之

    足立敏之君 できるだけ早期に供用できるようにお願いをしたいと思います。  次に、福島の復旧復興についてお伺いをいたします。  今村大臣所信演説でも、インフラ、生活環境の整備の進展に伴い、順次避難指示が解除されており、この春までに帰還困難区域を除くほとんどの地域で避難指示が解除される見込みとのことですが、いまだに多くの避難者が不自由な生活を余儀なくされている実情もございます。福島の復興再生を加速するためには、除染や中間貯蔵施設の整備の促進、さらには福島の第一原発の汚染水対策の推進が必要というふうに考えます。  まず、福島原発で地下水の流入対策として用いている凍土壁について伺いたいと思います。  この凍土壁については疑問を呈する声もありましたけれども、私自身も土木の技術屋として経験をしておりますけれども、あのような狭い場所で、かつ地下埋設物の多いところでしっかりと水を止めるという工法としては最も優れた方法であるというふうに私自身考えておりました。  お手元資料を配付してございますけれども、資料の七でございますけれども、凍土壁の効果を示した図でございます。紫色のところはしっかり凍結しているところ、それから赤や黄色などのところは地下水の調整の観点であらかじめ凍結を見合わせている、空けてあるブロックであります。凍土壁がしっかり凍結している状況は、これを見ても明らかだというふうに思います。  もう一枚、資料八のグラフでございますけれども、これは降雨と地下水くみ上げ量のデータでございます。くみ上げ量が次第に減少しているということは、凍土壁の効果が現れているあかしだというふうに思います。  しかし、報道を見ますと、なかなか固まらなくて役に立っていないとか、そういうような報道もございました。実際のところはどうなんでしょうか。福島第一原発の汚染水の処理対策、特に凍土壁の現状と今後の見通しについて伺います。
  21. 小澤典明

    政府参考人(小澤典明君) お答えいたします。  先生御指摘の凍土壁につきましては、これは汚染源に水を近づけないための予防的かつ重層的な対策一つとして実施しているものでございます。具体的には、お示しいただいた資料にもございますように、福島第一原子力発電所の一から四号機までの原子炉建屋の周りを凍結管で狭い範囲で囲みまして、土壌を凍結して地下水の流入を抑制するというものでございます。  海側と陸側がございますけれども、まず海側につきましては、昨年十月に凍結を完了いたしました。護岸からの地下水のくみ上げ量、これも先生にお示しいただきました資料にもございますが、このくみ上げ量が凍結開始前の日量約四百トンから約三分の一、百二十トン程度まで減少するなど、遮水効果が現れているものというように認識しております。  また、山側につきましては、現在、約九九%まで凍結が進展しております。壁の内外の水位差、これが拡大しまして、遮水効果が現れ始めている状況でございます。さらに、これまで未凍結としていました七か所のうち、先月までに六か所の凍結が開始されております。残りの一か所につきましても、原子力規制委員会において確認をいただきながら、凍結に向けて判断をして、凍結を進めていくということになろうかというように考えております。  今後とも、山側の凍結完了に向けまして、早期に原子力規制委員会からの認可を取得いたしまして、安全かつ着実に作業を進められるよう、引き続き東京電力と協力し、そして指導しながら進めてまいりたいと考えております。
  22. 足立敏之

    足立敏之君 凍土壁が一定の効果を収めているということであれば、早期に全面的な凍結を進めて、地下水の進入を阻止することが大事だというふうに思います。汚染水の増加が抑制できるように、早急に作業を進めていただきたいというふうにお願いを申し上げます。  次に、中間貯蔵施設です。  この施設については、やはり報道では、なかなか用地の取得が進まず、事業が大きく後れを取っているというようなことがあります。しかし、一方で、環境省を始めとする皆様の御努力によりましてかなり進展があったとも聞いております。お手元資料五、六でございますけれども、用地の取得についてもかなり伸びているというふうに伺いました。  中間貯蔵施設の進捗状況と今後の見通しについて伺いたいと思います。
  23. 小川晃範

    政府参考人小川晃範君) お答えいたします。  福島県内の除染作業で生じた除去土壌等を保管する中間貯蔵施設でございますけれども、まず、施設の整備に必要な用地について、三月末時点で七百七十四件、約三百七十六ヘクタールについて契約に至るなど、着実に進捗してきております。また、昨年十一月に土壌貯蔵施設などの本格施設を着工し、整備を進めております。今年度は、さらに、用地担当の職員を増員して用地取得全力を挙げるとともに、必要な施設整備を進めてまいります。  次に、除染土壌等の輸送につきましてですが、昨年度までに約二十三万立方メートルの搬入を完了しております。今年度は五十万立方メートル程度の除染土壌等を輸送する方針でございます。  今後とも、中間貯蔵施設に係る当面五年間の見通しに沿って、中間貯蔵施設事業全力で取り組んでまいります。
  24. 足立敏之

    足立敏之君 ありがとうございました。  今後、運搬に伴う問題などいろいろ課題もあろうかと思いますが、引き続きしっかり進捗に努めていただきたいというふうに思います。  最後の質問に移らせていただきます。  今日いろいろ伺いましたけれども、報道で伺っているのと少し違うようなところもあったというふうに思います。かなり全体的には進捗しているような感触を得ました。また、これからもしっかり進んでいける、そういう感触も得たところであります。  今後の東日本大震災からの復旧復興に向けて、改めて今村大臣の御決意を伺い、できましたら、先ほど申しました建設、頑張っている建設産業へのエールも含めてお言葉をいただいて、質問を終わりたいと思います。
  25. 今村雅弘

    国務大臣今村雅弘君) 東日本の被災、まさに未曽有、そしてまた未経験の大変な災害だったわけであります。そういう中で、本当に建設関連業界の方々には、大変な困難の中で日夜を分かたぬ努力をしていただいたわけであります。おかげさまで、生活インフラはほぼでき上がりました。あとは、やはり復興道路でありますとか防潮堤でありますとか、まさに地域をこれから復興再生していく大きなこれは牽引力として更に充実をしなければいけないわけであります。  そして、今回の経験は、ある意味では、これから日本がいろんな形で、いろんな大災害等々予想されるわけでありますが、是非そういったものにも備えて、今回得られた経験あるいは知見、そういったものをまたしっかりと記憶にといいますか、体験を積んでいただいて、今後のそういった大災害にもしっかりと対応できるような努力を是非していっていただきたいし、我々政府としてもそういった取組に対してしっかりと応援をしてまいります。  改めてでありますが、こういったことで頑張っていただいた方に心から敬意を表し、感謝申し上げる次第であります。
  26. 櫻井充

    委員長櫻井充君) 足立君、時間が来ております。
  27. 足立敏之

    足立敏之君 はい。  ありがとうございました。今日、私が質問した様々なプロジェクトは、みんな建設産業が担っているところでございます。建設産業の活躍なくして東北の復興なし、そういうふうに私は思っておりまして、その点につきましても皆様にしっかり御理解いただければ有り難いというふうに思います。  以上で質問を終わります。ありがとうございました。
  28. 増子輝彦

    増子輝彦君 民進党の増子輝彦でございます。  今日は質問の機会を頂戴したことに御礼を申し上げたいと思います。  今日は、もう熊本の大地震から一年経過いたしました。いまだ四万七千人近くの皆さんが避難をされているということ、心からお見舞いを申し上げたいと思います。  あわせて、東日本大震災から既に六年が経過して、七年目に入っております。もう安倍内閣の最重要課題ということで、この福島の復興再生を含めた東日本大震災からの復興はまさに国の最大の責任であり、使命であり、また、私ども国の政治に関わる者としても当然そのような共有の認識を持っていかなければいけないわけであります。  特に、御案内のとおり、福島県はかつて経験したことのない原発災害という本当に大変な状況にあること、今日、大変お忙しい中、復興大臣はもとより、松野文科大臣山本環境大臣等にもおいでいただきましたので、改めてこの原点に戻って、様々な問題、限られた時間の中ですが、いろいろとお尋ねをしながら、また、前向きな、そしてしっかりとこの復興に取り組んでいくんだという決意を含めて御答弁をお願いを申し上げたいと思っております。  御案内のとおり、今、東日本大震災の避難者は、大臣の所信の中でも書いてありますとおり、四十七万人から十二万人になったというふうに言われております。と同時に、福島県の原発事故の被災者も、避難者もたくさんおられます。これを復興庁としてどのような形で認識をして、どのように把握しているのか、そこから実はお尋ねを改めてしたいと思っておりますが、福島の現在の避難者は何人おられて、それで全国それぞれ自治体にどのぐらい点在しながら避難生活を送られているのか、この件についてお伺いしたいと思います。
  29. 今村雅弘

    国務大臣今村雅弘君) お答えいたします。  福島県全体の避難者数としては、今年の四月十日現在でありますが、七万一千九百二十二人でありまして、全国、これは三月の時点の話でありますが、全国九百六十三の市町村に避難をしておられると承知しております。
  30. 増子輝彦

    増子輝彦君 この中で、いわゆる強制避難を強いられたいわゆる原子力災害の区域外の、自主避難者と一般的に言われておりますが、この自主避難者は現在何名避難をされて、全国何か所の自治体で生活をされているのか、これを把握していることであれば教えていただきたいと思います。
  31. 今村雅弘

    国務大臣今村雅弘君) 多少その時点で流動的なものがあります。そういう中で、福島県の推定では、二十八年の十月時点で約一万四千人と承知をしておりまして、避難先の箇所数については、これは詳しくは承知しておりません。
  32. 増子輝彦

    増子輝彦君 大臣、改めてお尋ねいたしますが、七万一千人の方々が避難生活を強いられている、その中で区域外の方々が約一万四千人。これ、なぜ避難しているんでしょうか、これらの皆さんが。改めてここからちょっと本論に入っていきたいと思いますが、なぜこの福島県民の皆さんはこのような避難生活を強いられているんでしょうか。
  33. 今村雅弘

    国務大臣今村雅弘君) これはまさに原発事故に伴って、いろんな生活の不安、あるいは健康不安、あるいは子供さんの学校の関係等々、いろんな事情があると承知しております。
  34. 増子輝彦

    増子輝彦君 大臣、原発事故ですよね。この原発事故は誰の責任なんでしょうか、お聞きしたいと思います。
  35. 今村雅弘

    国務大臣今村雅弘君) これはまさにこういったエネルギー政策を、原子力政策を進めてきた国、あるいは事業者である東電にも責任の一端があるというふうに思っております。
  36. 増子輝彦

    増子輝彦君 大臣、そうですよね。私も、当時、民主党政権時代から、こういったことについての度々責任論についてはお尋ねをしてまいりました。民主党政権からずっと今日まで、この原発事故の責任は、エネルギー政策を進めてきた国であり、なおかつそれを事業者がその政策に基づいて進めてきたという、この電気事業者の責任だということは間違いありませんよね。ですから、原発のこの被災者皆さんもこれらの原発というこの事故によっての避難生活を強いられている、大変厳しい現状があることはよく御存じだと思っております。  そこで、大変申し訳ないんですが、私は、歴代の復興大臣の中でも今村大臣を信頼し、期待をしていた一人です。昨年十一月だったと思いますが、この委員会でも質問させていただいたときにも激励を込めて大臣質問させていただいたと思っておりますが、それがなぜ記者会見の中であのような発言につながったのか。先ほど冒頭に大臣はおわびといいますか御挨拶をされましたけれども、気持ちがぶち切れて記者会見を実は途中でやめたという問題よりも、やはりその質疑の中の自己責任論というのが問われているんだと思うんですね。  これについて、この自己責任ということについて、大変くどいようですが、改めて、この福島県選出の国会議員として参議院で初めて大臣と向き合ってこのような質疑をする時間を頂戴しましたから、改めて今村復興大臣に、この自己責任発言はどのような気持ちだったのか、そしてまた、これについては明確に撤回をしたのか、そのことについてお尋ねしたいと思います。
  37. 今村雅弘

    国務大臣今村雅弘君) 先ほど申しましたように、この避難のよって起こったところはやっぱり原発事故であるということは、はっきり認識しております。  その上で、私のこの自己責任云々の話は、あのときの記者会見のいきさつをよく見ていただければ分かると思いますが、六年たっていろんな環境整備ができてきている、そういう中で、もうお帰りいただこうかということで今いろいろな条件整備をしています。そういう中で、最終的には、そういったことを勘案しながら、帰還されるかどうかということについては、それぞれの御家庭のいろんな事情があると思います。そういったものを勘案して、最終的には避難されている方の自己判断でということを申したつもりでございまして、冒頭申しましたように、それが避難したことそのものを自己責任だというふうに取られてしまったということについては、私の言葉の至らなかったということで、大変反省をしているところであります。
  38. 増子輝彦

    増子輝彦君 大臣、自己判断、戻るか戻らないかは自己判断、しかし、それが自己責任となると全く違いますよね。  だから、今の大臣の御答弁では非常に私は不十分だと思うので、ここで改めて、大臣、この場で、自己責任という発言は全く私の本意ではなく間違いだったと、その発言は撤回したいというふうに言っていただけませんか。
  39. 今村雅弘

    国務大臣今村雅弘君) そのように受け取っていただいて結構でございます。(発言する者あり)  はい、分かりました。あのですね、こんなことを言っちゃ何ですが、やはり一度言った言葉というのは、なかなかこれは撤回と言われても元には戻らない、物理的には戻らないわけであります。まあ綸言まさに汗のごとしと言いますが、そういう意味で、私はこれについては大変誤解を与えたということでしっかりとおわびもしましたし、そういったことで撤回するということで御理解してもらって結構ですと言ったわけであります。
  40. 増子輝彦

    増子輝彦君 大臣、まあいろいろお気持ち分かりますが、ほかの大臣もいろいろ問題発言をして撤回しているんですから、ここはすっきりと、大臣、そう認めてもらっても結構ではなくて、やっぱり被災者、避難者に対しても誤解のないように、これから大臣が積極的にこの復興に取りかかっていただくということにおいても、是非これはもう明確に、自己責任という発言は撤回させていただきたい、その上で前に進んで福島や東日本大震災熊本復興のために全力で頑張るんだと、そういうふうにはっきりと言っていただけませんか。
  41. 今村雅弘

    国務大臣今村雅弘君) はい、撤回いたします。
  42. 増子輝彦

    増子輝彦君 ありがとうございます。  それによって、大臣がまた更にしっかりと頑張っていただくということを私も強く要望したいと思っていますし、これは、東日本や福島の原発災害熊本、これ超党派でやらなければなりません。今そっちからちらっとやじが出ましたけど、あんなやじをするのはとんでもない話なんですよ。  是非、大臣の率直な今お気持ち、私も重く受け止めましたから、被災者皆さんにも、今回この発言で傷ついた皆さんにも多分私は通じると思いますので、撤回していただいたこと、これから一層復興のために全力で頑張っていただきたいと思っております。  ですから、あとの質問は飛ばしますからね、幾つかこれに関する質問ありましたが、通告しておりますが。それで、次の質問させていただきたいと思います。  避難指示解除された住民、まさに自主避難者ですが、これは避難指示解除、先月三十一日に三か所、そして四月一日に一か所、富岡町、これは大臣にも総理共々行っていただきまして、ありがとうございました。  実は、ここで問題になっていることの、幾つかありまして、実は、避難指示解除された住民は自主避難者扱いなんでしょうか、そうではないんでしょうか、ここを明確に答えていただきたいんです。
  43. 今村雅弘

    国務大臣今村雅弘君) いわゆる自主避難者というのは避難指示区域以外の方の避難者を指すということでありまして、そういう意味では、今度解除されて戻ってこられる方はいわゆる自主避難者ではないという理解であります。
  44. 増子輝彦

    増子輝彦君 ですから、避難指示解除された住民皆さん、残念ながら今、既に解除されたところも余り戻りませんよね。様々な原因があると思います。それは、もう大臣、ここで言うまでもなく、御承知のとおりだと思います。  ですから、問題は、この避難指示解除されたときに、今度、福島特措法も出てまいりますけれども、これは後日質疑をいろいろしてもらいたいと思いますが、そこで、地域住民皆さんの多くの心配は、やっぱり自主避難扱いになってしまって公的な支援サービスも受けられないんではないかという問題が一つ。  それから、やっぱり地域が分断されてしまうんではないかと。福島特措法によって拠点整備をしますが、そこだけで、ほかはしなくなってしまうんではないかという大変な、実はこれは自治体の長にも地域住民にもすごくあるんですね。ですから、今の自主避難者扱いではないという確認をしましたので、これはきちっと今後ともやっていきたいと。  ということは、お聞きしますが、公的支援については、あらゆる公的支援、高速道路の無料化の問題や、あるいは医療費の問題始め、幾つかの大事なことがありますが、これはそのまま公的支援については受けられるということでよろしいんですね。
  45. 今村雅弘

    国務大臣今村雅弘君) 幾つかもう御存じかと思いますけど、住宅支援、あるいは税、それから医療費、介護保険料、あるいは高速道路の無料化、そういったもの、それからいわゆる被災者支援総合交付金によるいろんな対応等々、そういったものの制度の趣旨はしっかり守っていきます。
  46. 増子輝彦

    増子輝彦君 大臣、と同時に、自主避難者の皆さん、これらの皆さんも、先ほどの御答弁にもあったとおり、原発が原因で避難を強いられているんです。それは、放射線量の軽減ということもあって戻れる環境になっても、戻れない様々な事情があります。私も、被災者のところを、全国、随分歩きました。極端な話、皆さん、やっぱり放射能がゼロにならないと戻らないんだという方もいるぐらいなんです。これは、安全基準と安心基準というのは全く違うということは御理解をいただかなければならない。  ですから、ゼロじゃなきゃ戻らないんだという人、おまえは間違っているとは言えないんです。ましてや、子供をお持ちになっている親からすれば、この問題は非常に深刻なんです。ですから、やっぱり自主避難者も、住宅支援が打切りということで残念ながらなってしまって、激変緩和策ということを福島県やるにしても、私は不十分だと思う。  これ、子ども・被災者支援法を作ったとき、超党派でした。民主党の政権時代でした。だけど、野党であった自民党の皆さんも公明党の皆さんも、みんな積極的にしっかりと関わっていただいた。今も実はこの議連があるんですが、残念ながら、自民党の皆さん誰も来てくれないので非常に残念なんですが、是非これは、先ほど申し上げたとおり、オールジャパンでやっていかなきゃいけないという課題だと思うんです。  そこで、大臣、やっぱり、先ほど大臣にお聞きした自主避難者が約一万四千人おられるという中で、どこにどうお住まいになっているかということを把握されていないとおっしゃいましたよね。国は県に丸投げするような形の中で、この自主避難者についてのことは丸投げなんです、ある意味では。だけど、やっぱり国は法律を作ったんですから、法律を作って基本計画を作って方針を進めているわけですから、もう少しというかかなり、私は、福島県に丸投げするのではなくて、国もここに関与して、自主避難者の皆さんが一万四千人どこにお住まいになっているか分からないという状況では、これは、原発というかつて経験したことのないこの被災者皆さんが余りにもかわいそうなんではないかと、私はそう思うんですね。  ですから、避難指示により避難した福島県民あるいは区域外から避難した住民の区別なく、私はやっぱり、国としてはしっかりとした生活再建を含めてこれらの皆さんに対して支援をすることがこれから改めて求められるんではないかと思うんですが、このことについてのお考えを教えてください。
  47. 今村雅弘

    国務大臣今村雅弘君) この二年前に、こういうことで是非戻っていただきたいと、ついてはいろんな環境整備も進んできましたと、線量等も下がってきておりますということで、そういった決定をしたわけですね。それに沿って、できるだけ皆さん方がお帰りになりやすいようにいろんな御相談にもあずかり、それから帰ってきた後の住宅の問題等々も丁寧に、特に福島県が一番身近にいるわけですから、そこを窓口にしてやってきてもらっているつもりでございます。  そういう意味で、これからもまだまだ課題はあるかと思いますが、できるだけそういった丁寧な対応をして、皆さんに心配がないように取り組んでいきたいというふうに思います。
  48. 増子輝彦

    増子輝彦君 大臣、改めて子ども・被災者のこの支援法の目的、基本理念というのを申し上げますが、災害状況災害からの復興等に関する正確な情報の提供、それから支援対象地域の生活地域の移動、帰還のいずれを選択した場合でも適切に支援、そして放射線による健康上の不安が早期に解消されるよう最大限の努力、そして被災者に対するいわれなき差別が生ずることのないような適切な配慮、そして子供、妊婦に対しての特別な配慮ということがこの基本理念であり、目的なんです。ですから、私は、区域内でも区域外でもまさに差別なくこの自主避難者の皆さんにもしっかりとした支援を改めて、これは国の法律で作ったわけですから、やっていくべきではないかと。  先ほど福島県が一番よく知っているというお話がありましたけれども、じゃ、なぜ先ほど一万四千人の自主避難者が、数が把握されて、それらの皆さんがどこにおられるか分からないというのはこれ福島県からの情報だと思うんですが、福島県に強く指導してくれませんか。もうちょっときっちりと実態調査をして把握をして、それらの避難者の皆さん被災者皆さんに寄り添ったやっぱり対策を講じていくことが大事じゃないかと。国と県と自治体と一体になってやるからやってくれと、そういうことを強く指導していただけませんか。
  49. 今村雅弘

    国務大臣今村雅弘君) 私、ちょっと言葉足らずだったかもしれませんが、福島県では、いろんな福島県便りだ何だ、そういったものは、それらの方に分かる範囲で全部送ってあると承知しております。  ですから、そういう意味では、これからも、いよいよこういう時期になっていろんな施策を進めていく上でも、先ほど言いましたように、できるだけコンタクトを取って、丁寧に、更に今まで以上にやっていくことが必要だと思っています。また、そのようにやってまいります。
  50. 増子輝彦

    増子輝彦君 是非大臣のリーダーシップを発揮していただいて、各省庁の一つ上にある復興庁ですから、ましてや大臣ですから、是非このことについては改めて強く御要望させていただきたいと思います。  それでは、質問を少し変えます。  今、基本理念のところでも申し上げましたが、特に被災者に対するいわれなき差別が生ずることのないよう適切な配慮とか、子供、妊婦に対しての特別な配慮ということがこの子ども・被災者支援法でもうたわれております。  松野大臣、お忙しいところありがとうございました。いわゆる文科省が遅きながらも調査をした原発被災の子供たちへのいじめの問題。文科省の方でも調査をしたというデータも頂戴をいたしました。しかし、ちょっと私には違和感がありましてね、文科省の調査には。  現在、まず、福島原発事故により県内外に避難した児童生徒は現在何名でしょうか。
  51. 松野博一

    国務大臣(松野博一君) お答えをいたします。  文部科学省が昨年十二月十六日に公表した調査結果によりますと、平成二十八年五月一日現在で、東日本大震災の影響により震災前の居住地とは別の学校で受け入れた福島県の児童生徒の数は一万一千八百二十八人となっております。
  52. 増子輝彦

    増子輝彦君 大臣、かなりの数ですよね、一万一千超えていますからね。  この実態調査を、文科省によるいじめの実態調査の結果、どのように受け止めていますか、今回の調査結果を。率直にお答えください。
  53. 松野博一

    国務大臣(松野博一君) 原子力発電事故等により福島県から避難している児童生徒のいじめについては、各学校が確認した結果についてフォローアップを行ったところ、今回百九十九件のいじめが認知されており、被災児童生徒を更に傷つけるものであって、決してあってはならないものと考えます。  こうしたいじめの中には、福島県から避難している児童生徒が、放射能がうつる、福島に帰れなどと言われたものもあり、その背景には周囲の大人も含め放射線に関する理解不足や避難を続ける方々のつらい思いに関する理解不足が存在すると考えております。  そのため、先般フォローアップ結果の公表に合わせて被災児童のいじめ防止について私からのメッセージを発表いたしました。メッセージでは、全国の児童……
  54. 増子輝彦

    増子輝彦君 ああ、それはいいです。それはいいです。
  55. 松野博一

    国務大臣(松野博一君) よろしいですか。  以上でございます。
  56. 増子輝彦

    増子輝彦君 大臣、一万一千八百人余りの調査ですよね。そこで原発に関する子供のいじめが僅か十三件でしたっけ。文科省は、これ、多いと思いますか、少ないと思いますか。  と同時に、NHKが別に調査しています。これについては、このデータは大臣もお持ちなんだと思いますが、NHKは、大熊、富岡、双葉、南相馬から避難した九千五百世帯余りを対象にアンケート調査を行い、このうち七百四十一世帯から回答を得たんですね。ここで原発の避難を理由としていじめられたという回答があったのは五十四件なんです。  なぜこのような差が生じているんでしょうか。文科省の調査とNHKの調査、どこにこんなに大きな違いがあるんでしょうか。私は、やっぱり文科省の調査の仕方が少し甘いのではないかと。これだけの数で十三件、何かブラックボックスに閉じ込めるような調査の仕方ではないのかと疑わざるを得ない。まさかそんなことはないと思います。  だけど、NHKが七百四十一世帯から回答を得て、五十四人がいたんですよ。文科省の数からすれば、はるかにこれNHKの方が多いですよね。実はもっともっとあるのかもしれません。子供たちの心理は微妙ですから、言いたくありません、どんな被害があろうが、子供の心理というのは。子供の心のケアというのは極めて重要な課題なんです。  この文科省とNHKの調査のこれだけの違いはどこに原因があると思いますか。お答え願います。
  57. 松野博一

    国務大臣(松野博一君) お答えをいたします。  今回の文科省調査におきましては、各学校が可能な限り児童生徒一人一人に対して丁寧に確認した結果であると認識をしております。加えて、百九十九件全てが被災児童生徒を更に傷つけるものであり、あってはならないことだと考えております。  先生御指摘のとおり、被災児童生徒の心理上、震災や原発事故に関連したいじめを受けたことを言いたがらない場合は当然考えられ、文部科学省としては、東日本大震災又は原発事故に起因する、関連するいじめが十三件に限られるとは言えないものと認識をしております。  文部科学省として、被害児童生徒に対する心のケアなど日常的に格別に配慮を行うことを各学校に求めるとともに、相談窓口を周知するなど被災児童生徒が訴えを上げやすい環境整備を更に進め、被災児童生徒に対するいじめの未然防止、早期発見に取り組んでまいります。
  58. 増子輝彦

    増子輝彦君 大臣、もうちょっと深刻に受け止めてほしいと思います、子供のいじめ、子供に対するいじめについては。言いたくても言えない、悩んでいる、学校の先生が聞いて答えられるということがストレートではないと私は思っているんです。ここのところが、私、文科省としては甘いと思うんです。  ですから、ここはしっかりと今後の対策を含めて、去年のあれはたしか横浜でのいじめからこの問題が大きくクローズアップされましたが、それ以降もいろんな事例が具体的に出ていますよね。ですから、大臣、ここはしっかりと私は子供たちを守ってほしい。そうしないと、これ幾ら、子供、福島に戻りたい、戻れない人も含めて、今後の大臣の指導によっては子供に対する影響は極めて大きいものがあります。  具体的に今後この子供たちに対するしっかりとしたケアをどういうふうにしていくのか、そのことをお答えいただきながら、これは今村大臣にも、昨年、たしかこの問題表へ出たときお聞きして、大変深刻な問題だというふうにお伺いしました。これ改めて今村大臣からも、これは復興庁もやっぱり関わってもらわなきゃいけない。心のやっぱりケアというのは極めて大事だと大臣の所信の中にも書いてありますから、お二人にそれぞれ簡潔にこれからの対応についてお答え願いたいと思います。
  59. 松野博一

    国務大臣(松野博一君) お答えいたします。  文部科学省は、先般、いじめの防止等のための基本的な方針を改定し、原子力発電所事故の避難者である児童生徒に対するいじめの未然防止、早期発見について明記したところであり、各学校における取組を一層促すこととしております。  また、児童生徒が福島県外に避難を続ける方々のつらい思いに関する理解を深めるとともに、放射線に関する科学的な知識を身に付けることができるよう、福島県教育委員会作成の道徳教材の積極的な活用、放射線副読本等の活用を含む放射線に関する教育の充実を各学校に促してまいります。  文部科学省としては、職員を各地の教育委員会に派遣するなどして必要な指導、助言を行い、今後ともいじめの防止に努めてまいります。
  60. 今村雅弘

    国務大臣今村雅弘君) 今、文部科学大臣からもそういう話がありましたが、私は、もう一つ、やっぱりこれは学校あるいは子供だけの問題じゃなくて、一般の大人の社会にもやっぱり放射能に対する誤解とかあると思っております。  ですから、今までもいろいろリスクコミュニケーションやってきましたが、今復興庁で取り組んでいるのは、できるだけ簡単に分かりやすく、そして大々的に官民挙げて、放射能はそんなものじゃないといったことをしっかりと皆さんに分かってもらうということをこれからしっかりと進めていきたいというふうに思っております。
  61. 増子輝彦

    増子輝彦君 まず、松野大臣、子供のことの今の問題について、事務方の書いた文章を読まないでください。子供に失礼だと私は思うんです。自分の心で答えてください。自分がこの問題をどの程度深刻に教育のトップとして考えているのか、是非、お役人の皆さんの書いた文章ではなくて、自分の言葉でしっかりと答えてほしい。  今日はこれ以上求めませんが、これからのこの震災いじめにおける子供たちに対応するにも、大臣が一人の親として例えばしっかりと対応してもらわなきゃいけない。今村大臣全力でこの問題は復興庁のリーダーとして取り組んでいただきたいと強く要望しておきます。  時間は三十分ですが、大島先生に少し時間を頂戴していますので、次の質問に入りたいと思います。  福島の復興についてのことですが、高木副大臣に、今日はお忙しいところ、いただいております。いつもいつも福島の復興に御尽力いただいてありがとうございます。この場を借りて御礼申し上げます。  経産省として様々な補助金を出しました。グループ補助金、津波補助金、帰還・自立補助金、これは福島県のみならず、東日本大震災皆さんにも大変私は大きな成果があったと思っています。  いつだったか、共産党の皆さんにも民主党政権でこれだけは一番いいぞと褒められたことがあったんですが、是非、高木副大臣、今までのこの補助金の効果と今後の対応についてお答え願いたいと思います。
  62. 高木陽介

    ○副大臣(高木陽介君) 今御指摘がありました様々な補助金でございますが、被災した施設設備復旧については、グループ補助金により、これまで六百九十のグループ、一万一千二百七十一の事業者、補助総額が四千九百七十五億円の支援を行ってまいりました。また、このうち平成二十八年七月実施のアンケートでは、約六割が震災前の水準以上まで雇用が回復、また四割強が震災前の水準以上まで売上げが回復しております。  企業立地の支援につきましては、津波補助金で、本年三月末時点で累計三百十七件、千百九十一億円の交付決定しており、三千二百六十四人の新規雇用を見込んでおります。また、二十八年度に創設をしました、いわゆる十二市町村に対する自立・帰還補助金につきましては、本年三月末時点で三十九件を採択しており、三百八十八人の新規雇用を見込んでおります。  これらの補助金はこれで全てではありません。まだまだ現場は大変再建に対して苦しんでおられる方がおりますので、また知恵を絞りながら、現場の声を聞きながら、更に支援を拡大してまいりたいと思います。
  63. 増子輝彦

    増子輝彦君 ありがとうございました。  一部では、補助金に頼っては復興ができない、もうそろそろ決別すべきだという話もありますが、なりわいの回復というのは極めて重要な課題一つであることは、もう副大臣よく御存じ、復興大臣も御存じだと思います。引き続き、この問題についてはしっかりと対応していただきたいと思います。  一つ心配していることがあるのは、汚染水の問題、1Fの収束の問題、これが解決しないことには実は本当の復興はできないんです。風評被害もこれが原因なんです。  今日は本当は大臣に来てほしかったんですが、それ以上に頑張っている副大臣ですからあえてお聞きしますが、東芝問題、これやっぱり原発は東芝が大きなメーカーの一つなんですね。現在も関わってくれているんですね。今回の東芝問題が福島1Fの廃炉収束や汚染水対策に問題が生じないか、影響が出ないか、このことをどのように経産省として考えているのか、お答え願いたいと思います。
  64. 高木陽介

    ○副大臣(高木陽介君) 今御指摘ありました1Fの廃炉・汚染水対策におきまして、この汚染水の浄化処理又は格納容器内部の調査、この間も二号機にロボットを投入いたしましたけれども、これは東芝が重要な役割を果たしております。  この東芝は、もちろん国としても十分に認識をしておりますので、現在東芝の発表によれば、1Fの廃炉事業も含む国内原子力事業の方向性については、再稼働、メンテナンス、廃炉を中心に社会的責任を継続していくとされていると承知しております。したがって、東芝は1Fの廃炉事業に関わる役割を今後も果たしていくものと認識しておりますが、ただ、現状様々報道でもなされているとおり、東芝の経営問題というのは大変な問題もございますので、国としてもしっかりこの問題を注視しながら、1Fの廃炉・汚染水事業については滞りがないように、また、現場被災者皆様方にも不安を与えないように全力で取り組んでまいります。
  65. 増子輝彦

    増子輝彦君 しっかりと対応していただきたいと思います。  東芝は、フラッシュメモリー等でもやっぱり私はしっかりと存続していただかなきゃならないと思っているんですが、最悪のケースも考えた場合に、経産省としても、復興庁もそうですが、この収束の問題、汚染水、本当、これが問題なんです。このことについて、東芝に万が一のことがあった場合は、それなりの対応をしっかりとしていただきたいということを強く要望しておきます。  福島新エネ社会構想もお聞きしたいと思いましたが、時間がないので、これは積極的に進めていただきたいという要望をしておきます。  最後に、山本環境大臣においでいただいていますのでお聞きしたいと思いますが、先ほど足立先生の方からも中間貯蔵施設の問題が出ました。まああの答弁ですのでこの部分については質問させていただきませんが、問題は、中間から最終処分場に至るこのプロセスなんです。三十年以内に県外に造るということが法律化されました。これ、現実、本当に大丈夫かなと。最終処分場の問題は、使用済燃料棒と燃料デブリのいわゆる保管、貯蔵の問題と、この中間から最終に行くという三つのいわゆる最終処分場という課題が重くのしかかっているんですね。この最終処分場、本当に三十年以内にできるのかどうかという物すごい不安とやっぱり不信があるんですね。  実は、大変興味深い報道がなされているのは、この中間貯蔵施設を造るときの三十年という年数の問題、最終処分場に至る問題、これは当時の、実は、名前は申し上げませんが、ある担当局長と当時の福島県の副知事の間でかなりの問題が水面下で話し合われて、結果的にこうなりました。そのときに、年限を切らないと中間貯蔵にならないので、県の希望を聞いてやった、当時は減容化とか再利用とか技術開発がいろいろできてくるんじゃないかという期待があったから三十年に切った。一方、当時の副知事は、副知事の時代のことで記憶を持ち合わせていないというような答弁が出ているんですね、話が出ているんですね。これは、私はいかがなものかと思っているんです。  これは最大の、やはり福島県民が安心して帰還でき生活できる実は条件の一つなんです、三十年以内にできるかどうか。この三十年以内に造るという起点はどこかという問題が一つと、これからどういう形でこのプロセスを進めていくのか。搬送、搬入、パイロットから本格的に入ってきました。しかし、あれだけの膨大な量をこれから搬入、搬送するには、インフラ整備もしなければいけない。土地の買収もまだまだですから。ここの問題が大変重要だと思うんです。  二つだけ教えていただきたい。  起点はいつから三十年以内なのか。そして、本当にこれを造るための、既に私は、省内でも国でもこの問題は検討されていなければ到底間に合わない。いわゆる最終処分場、バックエンド、このいわゆる使用済燃料棒の問題だって、もうずっと日本で、トイレなきマンションと小泉元総理が言うとおり、世界でようやくオンカロがゴーサインが出たぐらいですから、どこにもできていない。この三十年以内のプロセスを、早く工程表を作らなければ間に合わないのではないかと。作っているのか、作っていなければいつから始めるのか。  この二つ、いつが起点で、その工程における課題はどうするのか、この二つをお答えいただいて、私の質問とさせていただきます。大臣、お願いします。
  66. 山本公一

    国務大臣山本公一君) まず、起点のことについて申し上げたいと思います。  起点のことにつきまして、まず、貯蔵を始めた日からということになる、そうしますと、二十七年の三月ということに相なろうかと思っております。  それから、工程表のことに対してお尋ねがございました。  昨年四月に、中間貯蔵除去土壌等の減容・再生利用技術開発戦略及び工程表を取りまとめました。この戦略等に沿って技術開発、再生利用などの取組を着実に進めることで、県外最終処分の実現につなげていきたいというふうに考えております。  先生御指摘のとおり、私も度々福島に参りまして、福島県民の方々から最終処分のことについての御懸念を承ってまいりました。私も、できる限り皆様方に分かりやすい格好で最終処分ということについて御説明をしていきたいと思っております。
  67. 増子輝彦

    増子輝彦君 大臣、ありがとうございます。  起点はまさにそのとおりなんです。しかし、今の二番目の答弁は、搬送、搬入、減容化の技術開発等は今のとおりなんです。私が求めているのは、最終処分場を設置するまでのプロセス、いわゆる用地の選定ですね、これに関することは、なぜバックエンドの話を申し上げたかというと、今もって日本でできていない。これも非常に難しい問題なんです。  ですから、早く手を着けないと、工程表を作って具体的に対策を講じないと、これはできないということなんです。そこのところを誤解のないように御理解をいただいて、是非、山本大臣の間に手を着けていただきたいということを御要望して、時間をオーバーしましたが、大島先生に御礼申し上げて、質問を終わりたいと思います。  ありがとうございました。
  68. 大島九州男

    大島九州男君 ちょうど熊本震災から一年のこの日に東日本大震災復興特別委員会が開催をされるというのも一つの区切りの縁だなということを重く受け止めさせていただいて、被災された皆さんにお見舞いを申し上げたいと思います。  大臣、私が東日本大震災発災後すぐに宮城県の担当を仰せ付かって、宮城に行かせてもらったんですね。そのときに、被災された、特に津波被害に遭われて御家族がお亡くなりになった方がこうおっしゃったんです。私は、御遺体が上がっただけでも有り難いとおっしゃった。それはやはり、多くの人が行方不明になって、そして安否も分からない人におもんぱかったその気遣いの言葉だなと、私はそれをすごく重く受け止めて、そしてその後に福島の担当になりまして、東電、あの原発被害に遭われた方にお話を聞かせていただくと、その方がおっしゃったのは、東電にだまされたとか行政にだまされたとか、本当に家族がばらばらになっていって、本当にそういう悔しい思いをにじませる、そういうお言葉が多かったんですね。私はそのときに、ああ、自然災害と人災は、やっぱり私たちが感じる思いというのはまるっきり違うんだなと。だから、原発事故は人災であると私は受け止めて、ちゃんと対応しなきゃならないというのを強く感じたんですけれども。  大臣は、その自然災害と人災という、そういう違いというか、私が感じたようなことをお感じになったことがありますか、この大震災で。
  69. 今村雅弘

    国務大臣今村雅弘君) おっしゃるとおりでありまして、やっぱり福島の場合は、やはり天災と、そしてまた人災といいますか、そういった複合的な要素で起きたということで、ちょっとほかの地域とは違うものがあるということは私も十分認識しております。
  70. 大島九州男

    大島九州男君 ということは、先ほど大臣は撤回されましたから、私自身、吐いた言葉はのみ込めないというふうに、そうやって教えていただきましたから、慎重に慎重にお話ししなければならないなというのは常にあるんですが。  今回のその発言に至った原因は私はどこにあるのかというふうに自分なりに考えたんですね。多分、これ津波被害の人たちではない、原発被害、私は人災と受け止めていますから、その人災の中で避難をしている人、その人たちの思いはやっぱりいろんな思いがあるんですね。だから、その思いを、先ほどおっしゃった自己責任じゃなくて自己判断だと、いや、確かにそれはもう私たち、自分たちで判断する自己判断、でも原因は、先ほどお認めになったように、国、東電にある原因によって自分たちがそういう避難をしなければならない現状に追いやられたという、その気持ちがあるわけですから、私たちは被害者なんだという、被害者なんだという人たちが多く苦しい思いをしながら郷里を離れているわけですね。  でも、大臣の言葉の端々に、ふるさとを捨てるのは簡単ですよみたいなことをおっしゃるじゃないですか。あれはね、すごくショックだと思うんですよ、避難している人には。その思いはどう受け止められますか。
  71. 今村雅弘

    国務大臣今村雅弘君) この発言も、私の真意が伝わらなかったという私の責任かもしれませんが、要するに、やはりふるさとに、人が減っていく、戻らない、そうなってくると、どんどんどんどんやっぱり寂れていくわけですね。最終的にはもう村がなくなるというようなことにもなります。だから、いろんな手だてを講じて戻れる環境づくりをしますから、どうか皆さん帰ってきてくださいと、そして、これも時間との勝負でありますからひとつ急ぎましょうという趣旨で言ったわけでありまして、真意が伝わらなかったということでは私も反省をしております。
  72. 大島九州男

    大島九州男君 だから、まさに今のようなお話を常にされればいいと思うんですね。  私、大臣が、いや、撤回と受け取ってもらっても構わないみたいな、そういう言葉から、先ほど増子先生の御質問で、撤回しますとはっきりおっしゃったから、そこで少し心が切り替わったなと。それで、今おっしゃったような言葉が素直に出たと思うんです。大臣も私も九州の人間ですから、もう悪いときは悪いと、で、心を入れ替えればそれに向けて前に進んでいくと。  当然、自主避難者の皆さん被害者なんだから、被害者に対して東電や国が賠償していくというのは当たり前の話なんですよね。だから、ここは福島県も、自主避難者の人たちに何らかの手当てはしてあげたいけれど、やっぱり国が、いや、それは自己責任だとか自己判断だと、国、県は関係ないというふうなイメージに取られちゃうから、みんなも、それはおかしいじゃないかと、原因があるのは、責任があるのは国と東電だろうという、やっぱりそういう思いを国民の多くは持っているわけですよ。  だから、それを大臣が本当に思いを受けて寄り添うと言うならば、大臣が積極的に自主避難者に対するいろんな施策を講じるべきだと。だから、そこに知恵を出そうということをおっしゃると、ああ、大臣はちゃんと寄り添っていただけるなと感じるんですが、今、まさに撤回をされたその後、そういうお心とかそういう知恵とか、そういうのが出てくるんじゃないかと思うんですが、どうでしょうか、大臣
  73. 今村雅弘

    国務大臣今村雅弘君) この件は、先ほどもはっきり言いましたが、要するにいろんな、時間がたち、環境整備ができてくる中で、そしてまた、いろいろ個々の御家庭の事情等もある、そういう中で、最終的に帰られるかどうかということは、これはもうあくまで最終的にはそれぞれの方の御判断ですよということを言ったつもりであります。  そういうことで、我々もこれから、そういういろんな事情あることは承知していますから、特に一番身近な福島県の方にしっかりやってもらう、そしてまた我々も、その話をいろいろ聞きながら、やれることはしっかりまたサポートをするということで、これからも頑張っていきたいというふうに思います。
  74. 大島九州男

    大島九州男君 だから、具体的に何をすべきかということは、一義的には、やっぱり住居がなくなるというのはすごく不安なんですよ。だから、そういう当事者の人たちに寄り添うということは、少なくともその住居、しっかりと、今まで住んでいた場所を追い出されたというか、大臣の認識はそれは自分で出ていったという認識かもしれませんけれども、原因がなければ出ていく必要はなかったんですから、だから、そのことをしっかり受け止めたら、その人たちの住むところをしっかりと確保してあげなければならないという気持ちになるのは当然だと思うんです。  これ、もしもということではなく、私たちも九州、玄海発電所ありますよね。もしそうなったらどうだろうと。地元の自分は、やはりそうやって福岡、佐賀、多くの人たちが避難する、これは当然だろうなと、そういう気持ちするわけですよ。だから、自分のことと思って受け止めたときには、やはり住むところなかったら困りますから、だから、そういう意味で何らかの手当てを考えていきたいと。  だから、今回のことを通して大臣が自主避難者の人たちに思いを寄せるのであれば、そういうことを検討するというぐらいのことを言っていただくと、自主避難者の人たちも、ああ、大臣はちゃんと寄り添ってくださっているなというのが伝わると思うんですけど、それを是非言っていただきたいと思います。
  75. 今村雅弘

    国務大臣今村雅弘君) 自主避難者の方にもこれまでいろいろ手当てをやってきたことは御存じかと思います。そういう中で、二年前にこういった方針を決められて今日まで来たわけであります。  今言われたように、本当に個々の皆さん方にいろんな事情があると思うんですよ。ですから、それを一律にどうするこうするじゃなくて、やっぱり個別具体的にいろいろお話を聞いて、そして、じゃ、どういう政策を、対策を取ったらいいのかということも踏まえながら、これから的確に対応していきたいというふうに思っています。
  76. 大島九州男

    大島九州男君 正直言いまして、個別具体的にいろんな事情があるからこそ、それを全部に対応することはできないですと、だけども、国としてそういう自主避難をされた皆さんに最低、まあいろんなことがあると思いますよ、家賃の補助をどうするのかとか、それが今まで満額じゃないけれどもこれぐらいはとか、そういうことを言っていただきたいわけですよ。でなければ、全部個別に対応はできませんからね。  だから、そういう意味で、少なくともこれぐらいはというのはあるはずなんです。多分いろんな検討をされているんですよ。だから、それを大臣がちょっと発信するだけで自主避難者は救われるんですから、そういうことがあったら是非言ってください。
  77. 今村雅弘

    国務大臣今村雅弘君) 一つの例でいえば、戻ってこられる方についての家賃の補助でありますとか、そういったことはもう既に出しております。  その上で、先ほど言ったように、やっぱりいろんなことがありますから、例えば、戻ってくるにしても、ここに住みたいけどなかなかアパートが見付からない、住居が見付からないとか、学校はどうしたらいいでしょうかと、そういったことに、もうこれは一律に最大公約数でやるというんではなくて、やはり個別にしっかり寄り添って、そしてこの問題に対応していくことが必要だと思うんですよ。いろんな支援のための交付金等々も福島県に持ってもらっていますから、そういったものの活用等も含めて丁寧にやっていくということがこれからは大事だと思います。
  78. 大島九州男

    大島九州男君 戻ってもらいたいという気持ちは分かるんですよ。大臣がさっきおっしゃったように、町を、村を再興したい、だから戻ってほしいと、その気持ちは分かりました。  でも、戻りたくても戻れない、今言ういろんな事情がある。だから、その事情を勘案した場合に、帰ってきた人にはこれだけの補助があります、支援がありますと、でも、帰ってこれないあなたにも一〇〇%とは言わないけれども何らかの手当ては講じたいと、それがその自主避難者に寄り添っているという姿なんですよ。だから、その姿を示してくださいとお願いしているんです。  大臣、もう一度どうぞ。
  79. 今村雅弘

    国務大臣今村雅弘君) 今も申しましたように、これからは、そういった個別に、まさにいろんな事情がありますから、そういうのは丁寧に対応をしていくということで言っているわけですけどね。
  80. 大島九州男

    大島九州男君 言った言葉はのみ込めませんからね。だから、大臣、じゃ今の、何度も個別にしっかり聞くとおっしゃった、これ大変重いことですよ。だから、そこの部分を、おっしゃったことを是非それはやっていただくことを私は期待して、今後もずっと委員会でいろいろその確認はさせていただきたいと思います。  これ、ちょっと小さい話で申し訳ないんですけど、大臣が就任されて八か月ですね、大体。被災地にどれぐらい訪問されているのかと。常に行っていればいいというものじゃないですけどね。だから、そこで、訪問、特に福島にはどれだけ行かれているのかというのをちょっと教えていただければと。
  81. 今村雅弘

    国務大臣今村雅弘君) 大臣になりましてから、被災地には全体で二十六日行っています。そして、福島にはそのうち十二回行っております。国会が始まってからは、どうしても平日に行けませんから、土日にかけてこうやって出かけていっております。
  82. 大島九州男

    大島九州男君 基本的に、まあ人と比べるわけじゃありませんけれども、毎週一回ぐらい僕らは担当のときには行かせていただいておりました。大臣も忙しいのは分かりますけれども、寄り添う機会、触れる機会がたくさんなければなりませんので、そういう意味では、もっともっと私は触れる機会をつくっていただければ今回のようなああいう発言にはつながっていないという思いがあるので、ちょっと確認をさせていただいたわけでありますが。  ここで、私、福島の風評被害の関係について、観光をこれからしっかりやっていきますとおっしゃいました。特に、子供たちのあれでいくと教育旅行ですね、要は修学旅行。修学旅行がどれぐらい回復しているかというのが一つの指標にはなると思うんですが、発災以来、福島の観光に、特に修学旅行の回復はどのような状況だったかというのをちょっと教えていただければと。
  83. 樋口尚也

    大臣政務官(樋口尚也君) 福島県の調べでございますが、福島県への修学旅行を含む教育旅行でございます。  発災前は、宿泊延べ人数で約七十万人、学校数で約八千校前後で推移をしておりましたが、震災直後の平成二十三年には、それぞれ宿泊延べ人数が十三万人、学校数で約二千校と大きく落ち込みました。その後、平成二十七年度には、宿泊延べ人数約三十八万人、学校数約五千六百校と、震災前と比べまして、宿泊延べ人数で約五割、学校数では約七割まで回復をしているところでございます。
  84. 大島九州男

    大島九州男君 是非、もっともっとちょっとこれを上げるために、文科省、力を合わせて観光庁や皆さんと一緒にやっていただきたいということは要望しておきます。  それから、所信の中にありました、特に三陸沿岸部の人材不足に対処するために若者や専門人材など幅広い人材を呼び込もうということで、被災地企業の人材獲得力向上を図るための支援策を講じますというのがありましたので、ちょっとそれを具体的にどういう形でやられているか。
  85. 橘慶一郎

    ○副大臣(橘慶一郎君) お答えいたします。  人手不足の解消は大変大事だということで、特に、域外からも呼び込むということが大事だと考えております。  二十九年度からは、関係府省と連携をいたしまして、若者、専門人材を被災地に呼び込むとともに、企業の人材獲得力の向上を支援する人材確保対策を実施するということで、具体的には、学生の成長や企業の経営課題の解決に資する長期滞在型・課題解決型インターンシップの実施、また社会人向けのトライアル就業プログラムの実施、また大企業でキャリアを積んだ現場型の専門人材などを被災地企業へ長期間派遣する事業、こういった事業を通じて、企業に人材確保、定着、育成等の助言、研修も併せて行うことで頑張っていきたいと考えております。また、二十九年度からは新たに住宅支援の費用についても助成等を行うこととしております。  今後とも、厚労省始め関係省庁と連携して取り組んでまいります。
  86. 大島九州男

    大島九州男君 引き続き、しっかりとそれをやっていただきたいというふうに思います。  最後の方の質問に入りますが、さっき松野文科大臣が自分のメッセージを言おうとしていたメッセージをちょっと簡単に紹介すると、被災地状況や放射線に関する理解不足からくる大人の配慮に欠ける言動があると考えられると、そのいじめの背景にはですね。被災された方々、ふるさとを離れて生活をされている方々の思いを理解することというようなことを大臣はメッセージで出されているんですよ。まさに、今回の今村大臣に言いたいような言葉をここに書いてあるというのが大臣発言だったなと思うんです、私は。  ここで何が問題かというと、区別するということは、これ、全てとは言いませんけど、区別は差別につながると私自身は受け取っているんですね。だから、自主避難だと、帰れる人、帰れない人、これ区別しているわけですよね。当然、その区別から私は差別が生まれると。末は博士か大臣かと、その大臣という偉い人が自主避難は自己責任だというふうなことをあれだけマスコミでやられたら、子供は、ああそうかと、大臣が言っているんだから、おまえら自主避難のやつは福島帰れとか、おまえら自己責任だろうとかいうようなことを言うような子供が出てくる、私は懸念が大きくあると思うんですよ。  大臣、その件についてどう思われますか。
  87. 今村雅弘

    国務大臣今村雅弘君) 先ほどから言っていますように、最終的には、そうやって帰還されるかどうかについてはまさにそれぞれの方の自主的な判断に基づいてということで言っているわけですね。ですから、今、差別云々と言いましたが、私はそういうことで言っているわけではありません。
  88. 大島九州男

    大島九州男君 大臣、だから、そういう気持ちじゃないんですから、発信する発信としては。いやいや、子供たちにメッセージ、大臣、文科大臣が出したようなメッセージですよ。いや、私が言った自己責任というのはこういうことじゃないと、子供たちはそういう避難している人たちに寄り添う心を持って仲よくしてほしいという復興大臣メッセージ、じゃ、是非出してください、それ。どうですか。
  89. 今村雅弘

    国務大臣今村雅弘君) そういうことを出した方がいいのか、もっと中身にしっかり入って原因をよく確かめて対応した方がいいのか、これはいろんな考え方があると思います。それは文部科学大臣ともよく相談しながら進めていきたいと思います。
  90. 大島九州男

    大島九州男君 是非、今大臣、文科大臣とも連携しながらとおっしゃいましたので、今回出てくる法律にもいじめ対策の関係がありますから、それも法案出てきたらしっかりと議論をさせていただきたいと思いますが。  私は、今日、増子先生のお話、質問を聞かせていただいていて、やっぱり増子先生は福島県の県民の声を代弁されているんだなというのをすごく感じたんです。あえて厳しい言葉を余りお使いにならないじゃないですか。それは、復興大臣に福島の復興をしっかりやってほしいというその願いの表れだと思うんですね。だから、大臣がその言葉をお受けになったから撤回されたと思うんです。  だから、私は、その思いでしっかりやっていくんだということであるならば、自主避難者の皆さんに対する新たな施策をしっかりと検討していただいて、そして、なおかつ子供たちにいろんなメッセージを発信して、福島から避難している人たちはふるさとを離れて寂しいんだと、帰りたくても帰れない事情があるその子供たちに、しっかり仲よくやっていこうというメッセージを出していただければ大きく前進するんだというふうに私は感じるんですけど、どうですか、再度。
  91. 今村雅弘

    国務大臣今村雅弘君) 先ほども言いましたように、福島については、やっぱり特別な思いを私も持っているわけですよ。ですから、いろんなことで最重点にやっております。そうやって被災者に寄り添うことも大事、そしてまた、できるだけ福島を元気にしていろんな働き場をつくる、そういったこともやっぱり大事だと思っております。  ですから、今言われた、じゃ、自主避難者の人にまだまだ課題があるとおっしゃるわけですが、これも今までもいろんな支援センター等々をつくってやってきています。ですから、これからもそれ以上にやはりもう少しこういう手当てをやらなきゃいけないんだということは、そういった方々のいろんなお話を聞いて、そして、じゃ、どういうことをやればいいのかと、こういったことをよく福島県とも相談しながら進めていくということを先ほどから言っておりますので、これからもしっかり頑張っていきたいと思います。
  92. 櫻井充

    委員長櫻井充君) 時間が来ました。よろしくお願いします。
  93. 大島九州男

    大島九州男君 ありがとうございます。期待していますから、頑張ってください。  終わります。
  94. 三浦信祐

    ○三浦信祐君 公明党の三浦信祐です。  まず、私は、生まれは宮城県、育ちは福島県です。そして親戚は熊本にたくさんいます。また、いじめの問題が惹起をした横浜にも住んでおります。いろんな方から、この東日本大震災復興が未来をつくってくれることなんだと、ですから一日も早い復興のために政治家の皆さん頑張ってくださいと、子供からも言われました。  この委員会で議論することは未来をつくっていくことだと思います。どうか、大臣もしっかり皆さんの声を受け止めていただいて、党派を超えて日本の未来のために前進的な御決断をいただきたいと思います。改めて、決意をお願いします。
  95. 今村雅弘

    国務大臣今村雅弘君) まさに今委員が言われましたように、未曽有災害、本当に私はもうこの国も大変だなというふうに思っております。しかし、負けてはいられないわけであって、一日も早くそういったところから復旧復興、再生をして、そして私たちの子供たちあるいは孫たちにいい国を、強靱な国を残していきたいという思いでしっかりと取り組んでまいります。
  96. 三浦信祐

    ○三浦信祐君 復興庁の職員の皆さんもまた省庁横断で現場に張り付いて皆さんやっていただいていると思います。必ずそれが実を結べるように、しっかり議論を深めていきたいと思います。  まず最初に、大臣の所信的な発言について質問をさせていただきます。  住宅再建の復興まちづくりについて伺います。  福島県内、各地域での避難指示解除によって、避難されていた方が徐々に故郷に戻れることが加速をするという段階にも入りつつあると思います。また、災害公営住宅の建設、高台移転も進めていただいているところだと承知をしております。  町づくりに当たっては、大切なのは安全、安心を確保していくこと、万が一への対策が必要だと思います。被災地域での消防救急の体制、また対応状況について伺います。
  97. 大庭誠司

    政府参考人(大庭誠司君) お答えします。  原子力発電所事故に伴い設定された避難指示区域を管轄区域に含む消防本部は、伊達消防、相馬広域消防本部、双葉広域消防本部、郡山広域消防本部の四つの消防本部でございます。これら四消防本部の消防署、出張所の体制につきましては、基本的に震災前と同様に設置、運用されております。  なお、双葉広域消防本部の浪江消防署、富岡消防署については、現在臨時庁舎で運用しておりますが、平成二十九年度中に新庁舎の建設が開始され、平成三十年度から運用開始されると聞いております。  また、平成二十九年四月一日現在、四消防本部合計で、消防車両につきましてはポンプ車五十三台、救急車四十三台、人員八百三十一人となっており、おおむね震災前の体制に復旧し、対応しております。  消防庁といたしましては、これまでも、福島県や関係する消防本部の御意見を伺いながら、体制の整備や消防活動が円滑に行われるよう支援を行ってきたところでございます。特に、双葉広域消防本部につきましては、関係機関とともに活動支援のための調整会議を設け、個別の課題等について調整してまいりました。  今後とも、この地域における消防救急体制の確保に努めてまいりたいと考えております。
  98. 三浦信祐

    ○三浦信祐君 加えて、救急医療体制の再建や構築というのは重要だと思います。帰還された方々というのは、もう前の段階でちゃんと一一九番すればきちっと来てくれるんだと、そういうことを当然前提としていると思います。また、今後帰還しようと考えている方にも重要な情報だと思います。帰還が迷っている人が、その体制ができているかどうかという、その僅かな懸念でも取り払っていくことが私は大切だと思います。  万が一のときの各医療機関の受入れ体制、救急搬送ヘリの体制、これは大丈夫でしょうか。
  99. 椎葉茂樹

    政府参考人(椎葉茂樹君) お答えさせていただきます。  福島県につきましては、東日本大震災に伴う原子力災害の影響によりまして医療従事者を含む地域住民が福島県外に流出した中、避難指示区域の解除に当たりまして、住民の帰還を支援するためには、二次救急医療体制を含め医療施設の再開支援、また人材確保支援を通じた医療のインフラ整備が重要な課題だと考えているところでございます。  まず、御指摘のドクターヘリにつきましては、平成二十年から福島県立医科大学に配備され、避難指示が解除された区域を含め、福島県における救急医療体制の強化に尽力いただいていると承知しております。厚労省としては、このドクターヘリの運航に必要な経費等に対する支援を行っており、引き続き必要な予算確保に努めてまいりたいと考えています。  また、現在避難指示が解除された区域における救急患者でございますけれども、主に近隣のいわき市や南相馬市等の医療機関に搬送されているところでございますが、更なる救急医療体制の確保のため、平成三十年四月に、二次救急医療機関として県立ふたば医療センター、まだ仮称でございますが、これを富岡町に設置するための準備が進んでいるところでございます。  厚労省としては、このための必要な予算確保などに当たりまして、今後とも、引き続き福島県と連携して、一日も早い被災地復興に取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
  100. 三浦信祐

    ○三浦信祐君 ちょうどいわきとこの南相馬の間の富岡、これ、できることはもう決定的だと思いますので、円滑に進めていただきたいというふうに思います。  また、警察の体制も欠かすことはできないと思います。一一〇番を含めて緊急通報の際に体制がちゃんと確保できているかどうか、この状況について伺います。
  101. 小田部耕治

    政府参考人小田部耕治君) お答えします。  被災地におきます事件、事故への初動対応は、住民の安全、安心の確保のために非常に重要であると認識しております。  警察におきましては、警察官の増員により福島県警察の体制を強化し、また、他の都道府県から派遣した応援部隊と一体となった被災地域の警戒活動を実施しているところであります。  また、本年三月三十日には楢葉町の臨時庁舎で業務を行っていた双葉警察署を富岡町の元の庁舎に戻すとともに、これまでの臨時庁舎を引き続き同署の活動拠点として活動することにより、初動対応を始めとする治安対策を更に推進しているところでございます。  警察といたしましては、今後とも、被災地域の方々の気持ちに寄り添いながら、安全、安心を確保するための各種対策に取り組んでまいりたいと考えております。
  102. 三浦信祐

    ○三浦信祐君 是非、今度は防犯の部分に関しても地域住民協力をしていただければというふうに考えております。  話題は変わりますけれども、先日、横浜市の金沢区にあります中央水産研究所を視察をさせていただきました。ここでは、福島第一原発周辺の沖で捕れた水産物の放射線モニタリングを行っておりました。原子力事故直後は、魚検体そのままの状態から放射性物質が検出をされていた。しかし、現在では、乾燥させて粉末にして検出器に掛けているけれども、百ベクレル以下の放射性物質の状況で、もうほぼ検出をされないというお話を伺いました。福島県沖で捕れた水産物が市場に出てこれは大丈夫かということも、しっかり今後は判断していかなきゃいけない時期だというふうに私は考えました。  その上で、これらのデータについて客観的信頼性の確保というものも必要だと思います。水産物の放射性物質調査の国際原子力機関、IAEAのモニタリングの評価、またIAEA及び国内分析機関により水産物の放射性物質測定に係る機関間の比較、すなわちILC、これの結果、それぞれどう評価、報告をされているか、水産庁に伺います。
  103. 保科正樹

    政府参考人(保科正樹君) 国際原子力機関、IAEAは、平成二十五年に日本に調査団を派遣しておりまして、二十六年に公表されたIAEAの報告書の中で、日本の海産物について、放射性物質の基準値の設定やモニタリング、出荷制限などの措置が市場に流通する海産物の安全性を確保していると評価をしております。  また、平成二十七年度には、IAEA及び日本国内の分析機関が参加をいたしまして、同一の水産物サンプルを用いて放射性物質の測定手法や結果の比較を行っております。昨年五月に公表されたIAEAの報告書では、海洋試料中の放射性核種の分析に参加した日本の分析機関が高い正確性と能力を有していることを示していると評価をされております。
  104. 三浦信祐

    ○三浦信祐君 要は、単に我が国がその数字を出しているだけではなくて、国際機関もちゃんと認めているということを今答弁いただいたと思います。  その上で、中央水産研究所では、長年にわたって日本近海の放射能の蓄積されているものに関する継続的調査データがあると承知をしております。今回の原発事故後の調査データとの比較から得られた知見について、水産庁に伺います。
  105. 保科正樹

    政府参考人(保科正樹君) 中央水産研究所も傘下にございます水産研究・教育機構と申しますけれども、この水産研究・教育機構では、東日本大震災の以前から、我が国の周辺海域における海産生物などの放射性物質の調査研究を行ってきております。この調査結果は、バックグラウンドのデータとして、例えば福島第一原子力発電所事故に伴う放射性物質の拡散状況等の研究に貢献をしております。  農林水産省といたしましては、四方を海に取り囲まれ、主要たんぱく質の多くを海産生物から得ている我が国にとって、海洋生物とそれを取り巻く漁場環境の放射性物質を継続的に調査することは大変重要であると考えております。
  106. 三浦信祐

    ○三浦信祐君 ちょっと順番変えますけれども、皆様にお配りをさせていただいた資料一を御覧いただければと思います。  中央水産研究所は蒼鷹丸を所有をして、海洋調査をしております。この蒼鷹丸、調べてみますと、これまでの調査で新しい貝を発見をして、その船の名前である蒼鷹が和名であったり学名として付けられたのは二十六種類あります。多くの実績を上げてきて、世界にとって初めての発見もしてきた船です。  特筆すべきは、その下のところにありますけれども、深海の海底土を直接採取をして、泥の放射能調査、また、深海生物を直接採取をして、生物に蓄積された放射能調査を実施をしてきた船です。この蓄積したデータというのは数知れません。今後も継続して実行できるように、これ予算的に人的確保というのは努めるべきだと私は考えます。  しかし、竣工してこの船は、竣工は平成の六年、現在で二十三年も経過をして、老朽化が著しいというのを私、実際に見てまいりました。また、経年のみならず、広い太平洋を何度も調査で行き来をして定期的航海を繰り返しているものですから、航行距離というのは大変に大きくなっている。  これは何とか新しい船の予算確保して、この放射線関係の調査継続が風評被害の払拭の大切な科学的根拠となり続けると私は思います。是非、この検討状況の御答弁をいただければと思います。
  107. 矢倉克夫

    大臣政務官(矢倉克夫君) 三浦委員におかれましては、中央水産研究所を御視察、大変にありがとうございます。  委員からも御指摘もございました蒼鷹丸を含めた調査であります。水産研究・教育機構が東日本大震災以前から行っている我が国周辺海域における海産生物等の放射性物質の調査研究につきましては、原子力発電所等の事故や核実験による海洋生物等への影響を評価する上で非常に貴重なデータとなっておりまして、当該調査が継続できるようにしっかりと努めてまいりたい、予算措置も含めて努めてまいりたいというふうに思っております。  今御指摘の蒼鷹丸を含めた調査船でありますが、建造後相当の年数が経過をいたしております。研究の推進に支障がないよう、優先順位の高いものから計画的に整備をしていく必要はあるかなというふうに思います。船齢、船の年齢であったり、また大きいものからというような順番になっていく部分があると思いますが、例えば、現在、練習船である天鷹丸につきましては三十一年経過をしているわけでありますが、調査機能を強化して大型化した代船の建造を進めており、本年十月に竣工する予定であります。  御指摘の蒼鷹丸であります。年齢としてはまだ二十年ちょいではございますが、今御指摘がありましたとおり、非常に広い範囲に進むということもあり、また放射性物質の検査ということでも非常に重要な意義も有しているところであります。こういった要素も踏まえながら、今後しっかり国立研究開発法人水産研究・教育機構が求められる調査研究が十分に行えますように、調査船の整備に必要な予算確保をしっかり努めてまいりたいと思います。
  108. 三浦信祐

    ○三浦信祐君 是非取り組んでいただきたいと思います。仮にAIが発展をしたとしても、実際に物を取ってくるというのはやっぱり人がやってくることでありますし、そのプロセスだったり結果というのはそういうことに活用できると思いますけれども、是非必要な予算全力で取っていただきたいと、確保していただきたいと思います。  今後、福島県の漁業について、商業的な操業再開をどう考えているのか。いつまでも試験操業、現状維持のままですと、漁業者の生活、将来設計、またモチベーションだって成り立っていかないと思います。その上で、出荷制限の解除と風評被害対策との関係についてどう取り組んでいくのか。また、海産物に、これだけのデータがある、放射性物質の蓄積はほとんどないという事実を海外にも広く事実として発信、伝達をしていかなければいけないと思います。  御意見を、御決意を農水大臣政務官伺います。
  109. 矢倉克夫

    大臣政務官(矢倉克夫君) ありがとうございます。  私も福島には本当に何度も何度もお伺いをいたしました。復興の要というのは、やはりなりわいの再開であると思います。漁業者の方も含めて皆様、消費者に安全なものを届けたいという思いで血のにじむような努力をされていらっしゃいます。それにしっかりと寄り添って、必ず風評被害も含めた克服に努めてまいりたい、もうこれが使命であるというふうに感じております。  福島の今の試験操業や販売につきましては、開始から五年が経過をいたしました。着実に一歩一歩進んでいる段階であります。操業海域も、原子力発電所から半径十キロより更に外はもう全て可能という形にもなっておりますし、対象漁業種、こちらは底引き網漁業であったりとか、そういうのは十三種まで広がりました。また、対象種なども、ヒラメやマアナゴ等のいわゆる常磐物、こちら底魚も出荷制限が相次いで解除をされて、今は十二種を除いて出荷制限は全て解除をされている状態であります。  今後、更にしっかりとこういった拡大を進めていくためにも、農林水産省といたしましても、福島県地域漁業復興協議会や組合長会への参画を進めていく、また、水産研究・教育機構と連携をし、放射性物質の挙動調査の実施をこれを行ってまいります。また、放射性物質研究等の実施のための福島県の研究施設整備確保、こちら今年度ほぼ三億、三億弱計上をさせていただいたところであります。こういった取組をしっかり行って、出荷制限解除とともに、再開が更に進むように全力を尽くしてまいりたいというふうに思います。  風評被害に関しましては、御案内のとおりでありますが、生産から流通、販売に至るまで風評の払拭を総合的に支援をする四十七億円の予算が計上されているところでございます。  水産に関しては、産地における自主検査のこちらの安全性のPRや水産エコラベルの認証取得等もございますが、販路開拓という部分も含めてしっかりと推進をしていく。それとともに、農林水産省といたしましては、先ほど委員もお話もありました、平成二十七年四月以降は全て基準値を海産物については下回っているわけであります、これをホームページ等にも提供もしていく、このような作業をしっかりしてまいります。  海外についての発信であります。私も国際会議等でも機会を設けていろいろとお話もさせていただいているところでありますが、今申し上げた安全であるということ、こちらについては英語等でもしっかり記載をして、今ホームページで発信もしているところであります。そういった取組全力で進めてまいりたいと思います。  いずれにいたしましても、まだ震災前から漁獲量としては八%の段階であります。まだまだ復興という段階ではないところではありますが、冒頭申し上げましたとおり、被災者の方々、そして現地で一生懸命頑張っていらっしゃる方の思いに寄り添うべく、全力で国として頑張ってまいりたいというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。
  110. 三浦信祐

    ○三浦信祐君 よろしくお願いします。  観光の振興について伺います。  被災地域への観光客、特にインバウンドの増大に向けてこれまでの発信強化を行っているということは承知をいたしております。その上で、外国人旅行客、リピーターを含め、どこにこの観光地として興味があったのか、また、この地域不足をしていること、ここに来ようと判断をした情報をどこから得たかなど、アンケート等の調査というのは実施をしているのでしょうか。取組について観光庁に伺います。
  111. 瓦林康人

    政府参考人(瓦林康人君) お答え申し上げます。  被災地を始め東北地方へのインバウンドにつきましては、御指摘のとおり、外国人旅行者延べ宿泊数で見まして、一昨年ようやく震災前の水準に戻りましたものの、全国に比較すると伸び率が必ずしも高くないということでございまして、昨年を東北観光復興元年といたしまして、これまで以上に東北の観光振興を重点的に進めてきております。  その一環といたしまして、インバウンド拡大に向けた海外への情報発信の強化、これに取り組んでおります。日本政府観光局、JNTOを通じまして、東北ならではの大自然でありますとか文化などの映像を海外大手メディアで放送したり、海外旅行会社の招請による旅行商品づくりなどを進めております。    〔委員長退席、理事神本美恵子君着席〕  このような情報発信の取組におきましては、海外の目線による評価、これを今後の取組に活用することが重要でありますことから、例えば、海外の旅行会社や外国人旅行者に対してアンケートを実施しまして、観光地の印象のほか、移動や滞在について改善すべき点などを調査しております。また、その調査結果につきましては、地元地方公共団体観光関係者にもお知らせしまして、連携して改善に向けた取組も進めております。  今後におきましても、観光庁といたしまして、復興庁などの関係省庁や地方公共団体との連携の下で、海外からの評価、これをきめ細かく把握しながら東北地方へのインバウンドの拡大に取り組んでまいります。
  112. 三浦信祐

    ○三浦信祐君 その得られた情報というのは、今後の事業再開であったりとか戦略にとって大変重要なことだと思いますので、是非寄り添って情報提供していただきたいと思います。  資料二を御覧いただきたいと思います。  平成二十九年一月時点において福島県の有効求人倍率は一・四四、決して低いわけではありません。しかし、同時点での福島県の職業別雇用情勢の状況では、業種ごとに極めてアンバランスとなっております。求職超過となっている、すなわち就職難な業種というのは事務的職業、配送・掃除など、これに対して、求人超過、いわゆる人手不足の業種というのはかなりありますけれども、専門・技術職、またサービス、輸送、製造業、全般的に人手不足状況となっております。これはリバランスが必要だと思いますけれども、復興のためにはここをしっかり取り組んでいかないといけないと私は思います。  今後どう取り組んでいくか、今村復興大臣伺います。
  113. 今村雅弘

    国務大臣今村雅弘君) 福島の産業そしてなりわいの再生ということについては、もう非常に大事なことであります。その中で、今言われました雇用のミスマッチということが問題になってきているわけでありますが、これは、一つには、全体的にやっぱり労働力不足といいますか、そういったものがあるということ、で、その中でのまたミスマッチがあるという二重の問題。それから、やっぱり地域的に少しそれぞれ偏りがあるといいますか、そういったことがいろいろあるわけでございます。ですから、この問題の解決というのは福島のこれからの復興再生に大きなこれは課題でございますので、できるだけその対策を小まめにやっていこうと。  厚労省の方でもいろんな職業相談とか職業紹介等をやってくれておりますし、それからまた、産業政策と一体となった支援として、被災求職者の雇入れ費用の助成を継続するとか、あるいは新たに住宅支援の費用等についても助成するとか、そういったことをやってもらっているわけでありますが、復興庁としても、今あるこういった現状を認識して、どういう対策が必要なのか、それはまたいろいろ現地の企業の方のいろんなお話なんかもしっかり伺いながら、きめ細かな対策を一体となってやっていきたいというふうに思っています。
  114. 三浦信祐

    ○三浦信祐君 是非、このミスマッチを解消することによって、例えばサービス業の方に事務的仕事から移っていただくだけで観光というところにも更に投資ができる可能性も十分あると思いますので、是非現場でよくお話を聞いていただければと思います。  福島県の浜通りの各地域が大変期待をしているイノベーション・コースト構想について伺いたいと思います。  その中で、ロボットテストフィールドの建設が始まって、またロボット実証区域として福島県浜通りが指定をされております。今後大きく成長することを全力で応援していきたいと思います。  例えば、夢ある取組としまして、ドローンワールドコンテストなんか、また技術競技、また、ロボットの技術を活用した競技大会、ロボット技術世界選手権のような競技を生み出して、政府が全面的にバックアップをしてロボットのオリンピックとして生み出していくなんという考え方もあったらいいと思います。単に地元計画をしたことに乗るだけではなくて、世界から技術を集める、本構想を具体的に進捗させるためにも、日本の福島に来てこの大会に出ることを目標にするまで国の施策として戦略的に取り組んでいくことが、私は夢もあって大切なことではないかと考えます。  その入口として、ロボットテストフィールドについて国内外にも社会的認知度を高める取組、まず広報が必要であると考えますけれども、取組と御決意について井原政務官伺います。
  115. 井原巧

    大臣政務官(井原巧君) 熱い思いの三浦委員にお答えを申し上げます。  イノベーション・コースト構想、それがやはり先ほどの雇用のミスマッチとか雇用の場という意味でも非常に期待されるものでありますから、その中核的なのがこのロボットテストフィールドということでありまして、物流、インフラ点検、災害対応で活躍するロボットとかドローンの研究開発に必要な実証試験と性能評価が一か所でできるという、世界にも本当に誇れる類を見ない拠点でございます。  二〇二〇年には、世界が注目する高度なロボット技術が集結する国際大会、ワールドロボットサミットの一部も開催されることになっております。御指摘のとおり、この大会の認知度をどうやって上げていくかというのが非常に重要でありまして、地元の方では、首都圏のロボット、ドローン関連企業を集めて、先般、立地場所である南相馬市がテストフィールドを広報するような、企業に対してですね、セミナーを開催したりもいたしておりまして、それで進出する企業が出てきたという報告も聞いております。このサミットにつきましては、既に専用のホームページを作成いたしておりまして、日本語及び英語で開設し、先週、競技種目の概要を公表したところであります。  今後、福島県とも連携し、国内外の学会への働きかけ、国内外への働きかけ、国際大会や展示会等の場の活用、幅広い層への周知広報活動を積極的に行ってまいりたいと思っておりますし、先生おっしゃるとおり、これが一つの聖地となって福島県の産業につながればと期待をいたしているところであります。
  116. 三浦信祐

    ○三浦信祐君 是非、子供が夢を見る、そしてまた、大人がそれに本当に応援ができて、世界から当たり前のように集まってくる、それがイノベーション・コースト構想の魂だと思いますので、是非今後とも政府挙げて取り組んでいただきたいと思います。  以上です。ありがとうございました。
  117. 紙智子

    ○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。  東日本大震災、東京電力福島原発事故から六年がたちました。そして、昨年四月十四日、今日ですね、熊本地方を襲った震度七の地震からちょうど一年がたちました。被災された皆さんに心からお見舞い申し上げますと同時に、復旧復興のために尽力されている皆さんに敬意を申し上げたいと思います。  今日は、復興特別委員会ですから、私も東京電力福島第一原発事故と住宅支援についてお聞きしたいと思います。  大臣は、福島原発事故による放射性物質の影響をどのようにお考えでしょうか。例えば、セシウム134、この半減期が約二年というふうに言われます。それから、セシウム137の半減期というのは三十年ですね。ですから、除染作業は進んで避難指示が解除されているわけだけれども、この放射能の影響を不安に思う方々がおられるわけです。なぜ不安に感じているとお考えでしょうか。大臣にその御認識を伺いたいと思います。
  118. 今村雅弘

    国務大臣今村雅弘君) これは、一般的に、やはり放射能は怖いものだという意識が非常に強いというふうに思っております。そしてまた、いろんな除染作業等々随分進んでおるわけでありますが、その辺のことについてもまだまだ不安を持っておられると。それが原因だと思います。
  119. 紙智子

    ○紙智子君 やっぱり放射能汚染の被曝ということが非常に怖いわけで、健康に対する影響というのがあって、これ以上だったら安全でこれ以下だったら大丈夫という閾値というのはないんですね、閾値はないんです。少なければ少ないほどいいというのが、この放射線防護の大原則ということなんですね。  そこで、自主避難者に対する住宅支援についてお聞きしたいんですけれども、支援策には、災害救助法に基づく、福島県が応急仮設住宅を供与するスキームがありました。これは、原発事故だけではなくて、自然災害対応したスキームなわけです。応急仮設住宅は、基本は二年ということですよね。二年もたてば、自然災害であればそこから収まって復興に向かうことができるということで二年というふうになっているわけです。  原発事故で放出、拡散したセシウム137の半減期が三十年ということになっているように、自然災害のように二年程度では収まらないと。だから、既に六年過ぎているわけですけれども、それでも二年という枠なわけですけれども、それでも福島県は、そういうことがあるから被災者住まい確保するために災害救助法で支援をしてきた、延長しながら支援してきたということだと思うんです。  そこでなんですけれども、復興庁は、これ、原発事故によって避難している被災者に対して独自に行った住宅支援策というのはあるのでしょうか。
  120. 今村雅弘

    国務大臣今村雅弘君) まず、これは、よく福島県ともいろいろ相談しながらいろんなお話を聞いて対応してきたのがまずベースであります。その上で、復興庁としても、例えば、これまでは雇用促進住宅での受入れでありますとか、あるいは国土交通省と連携しての公営住宅への入居の円滑化とか、そういったことをやってまいりました。  引き続き、こういった取組についてはしっかりやっていきたいと思います。
  121. 紙智子

    ○紙智子君 今おっしゃられた支援というのは、これは有償の支援なんですね。災害救助法のような無償の支援策というのは行ってきたでしょうか。
  122. 今村雅弘

    国務大臣今村雅弘君) これまでも、自主避難者等につきましても、二十九年三月まででありますが、これは無償提供をしてきております。
  123. 紙智子

    ○紙智子君 災害救助法のような無償の住宅支援策というのはやってきましたか、国として。  要するに、支援はしてきたと言うけれども、それは有償なんですよ、今言った雇用促進住宅とか公営住宅とか。災害救助法のような無償の支援策というのはやっていないんじゃないですか。
  124. 今村雅弘

    国務大臣今村雅弘君) 今言いましたように、応急仮設住宅等については、これは無償提供をやってきております。
  125. 紙智子

    ○紙智子君 ちょっと、そういうふうに聞いていなかったですけど、本当ですか。ちょっと事務方の方に確認したいんですけれども。
  126. 関博之

    政府参考人(関博之君) お答えいたします。  この二十九年三月までは、根拠法令は災害救助法でございますが、その負担につきまして震災復興特交なども充てまして対応してきたということでございます。ですから、その住宅は二十九年三月まで無償で対応してきたということで、内閣府と一緒になって取り組んできたということでございます。
  127. 紙智子

    ○紙智子君 先日お聞きしたところでは、無償の災害救助法の枠でいうと、これはなかったというふうに聞いているんですよ。違うんですかね。
  128. 関博之

    政府参考人(関博之君) 私が申し上げているのは、内閣府の災害救助法の適用になってきたケースについて申し上げておりまして、それは、個々人が負担をせずに福島県がその負担をし、それに対して財源的に補填をしてきたというそのスキームでして、ちょっと問いと答えが違ったかもしれません、申し訳ございません。    〔理事神本美恵子君退席、委員長着席〕
  129. 紙智子

    ○紙智子君 福島がやったやつに支援をしているわけですよね。直接国としてじかにやっているというのはないんですよ。  原発事故の責任というのは、さっきも繰り返しになりましたけれども、国と東電の側に責任があるのに、なぜ直接支援しなくてやってきたのかというと、今ずっと繰り返されたように、福島に任せてきたということがあるわけです。  それで、災害救助法は四年も五年も対応するスキームになっていないんですね。それなのに、福島に任せて、任せ続けてきて、国は独自の支援策を作っていないと。その側面からのはあるけれども、直接はやっていないと。それが分かっていながら、大臣から自己責任の発言が出たと。ここで怒りの声が出るのは当たり前だというように思うわけですよ。  それで、大臣は、記者会見でやり取りしたときに、帰れない人はどうするんでしょうかと問われて、それは本人の責任でしょうと答えたと。自己責任ということなんですかと問われて、基本はそうだと思いますというふうに答えたわけですね。国が独自の支援策を取らなかった中で自己責任発言が出たと。被災者から信頼されるどころか、これはやっぱり不信を買ったわけです。混乱を招いたと。  独自の支援策を作らなかったわけで、これは先ほども撤回するというふうに言われた、反省するという話があったんだけれども、やっぱり一旦不信が広がったものは本当にもう受け入れられないという人たちもいるわけで、辞任すべきじゃないかと、こういう厳しい声、いかがですか。
  130. 今村雅弘

    国務大臣今村雅弘君) 誤解があるようでありますが、先ほどもはっきり言いましたように、お戻りになるについては、要するにそれぞれの御家庭のいろんな事情がありますねと、そういったものをよく勘案して、それぞれの皆さんが自主的判断でやっていただくということで言っているつもりです。自己責任という言葉は記者の人が先に言われたわけですよ。それははっきり言っておきます。  その上で、いろいろそういうこと、私も発言の仕方が誤解を招いたということでは反省をしておるわけでありまして、今辞任云々という話がありましたが、これは、一日も早く福島をとにかく復旧復興、再生するということが一番の任務だと。そのためには、いろんな、産業のなりわいの再生とか、そういったまだまだ国としてやらなきゃいけない課題も、しかもこれ時間の勝負ということで、風評被害等、風化の問題等も含めてありますから、そういったことに全力を尽くしてこれからも頑張っていきたいと思います。
  131. 紙智子

    ○紙智子君 やり取り先ほども聞いていたんですけれども、やっぱり言葉を撤回すると、撤回したということ自体はすごく重いことだと思いますよ。  だけど、やっぱり大事なことは、言葉を換えたとか、やっぱりその一時しのぎじゃ駄目なんですよね。反省したと言う以上は、進める政策の中身で示してこそ本当に失った信頼をまた取り戻すことができるんだというように思うわけですよ。  そういう意味では、やっぱり自主避難者が、先ほども話になっていましたけれども、安心できるメッセージを送るべきじゃないのかと。今住んでいる方たちの中にもやっぱりそういう声を聞きたい人もいます。私も知っている福島から札幌に避難された方、ずっと頑張ってきて雇用促進住宅で住んでいた方が、もう自分で家を見付けて何とか移った方もいるけれども、そうできない人もいるわけですよ。そういう方に対して、もう期限が来たよとなったときに、それに対してどうするのかという具体的な提案をしていただきたいと、メッセージを送っていただきたいと思うんですけれども、いかがですか。
  132. 今村雅弘

    国務大臣今村雅弘君) これも先ほど申しましたが、二年前にこういった帰還の方針を、解除の方針を決めてやってきたということであります。そして、この間もそれぞれの皆さん方に寄り添いながら、そしてお帰りになる条件づくりをいろいろなことでやってきたわけです。  ここに来て、いよいよそういった解除があって、まだ帰るか帰らないか迷っておられる方もいっぱいおられるわけでありますから、そういった方には、じゃ、どうしてその方がやはり迷っておられるのか、帰られないのか、帰れないのか、そういった事情はいろいろあると思います。  例えば、私はこういう仕事をしたいけどそういう仕事はあるでしょうかとか、あるいは子供の学校の関係あるいは保育園の関係等々あると思います。そういったものにできるだけこれから個別に丁寧に寄り添って、そしてそれに対する対策を福島県と一緒になってやっていこうということで、これから取り組んでいきたいと思います。
  133. 紙智子

    ○紙智子君 それじゃ、お聞きしますけど、現在住まい確保できていない自主避難者は何世帯で、何人おられるでしょうか。
  134. 今村雅弘

    国務大臣今村雅弘君) ちょっと今あれですが、一万二千人ちょっとおられる中で、約一・七%ぐらいだったと思います。
  135. 櫻井充

    委員長櫻井充君) じゃ、事務方から、関統括官から補足説明してください。
  136. 関博之

    政府参考人(関博之君) 補足いたします。  福島県が実施しました三回目の戸別訪問の結果で伺っておりますのは、本年三月十日現在ですが、平成二十九年四月以降の住宅が未確定の世帯が二百二十七世帯、御不在の世帯が百十六世帯ということで伺っているところでございます。
  137. 紙智子

    ○紙智子君 今二百二十七世帯が未確定ということで、その中身はまたいろいろあると思うんですけれども、福島県が独自にやった調査でいいますと、県外の避難者、県外に出ている方は避難先で生活を継続するという世帯が七九・六%いるというふうに福島の調査で出ているわけですよ。八割近い人たちが、外に出た方ですね、戻るというよりはそこで継続するというふうに言っておられるという意思を示していると。  それで、大臣、今も言われましたけど、四月七日の記者会でも言われました。帰還されない方がどういう理由、どういう状況で帰還されないのか、原因をよく分析をしながら、どういうところが足りなかったのかについてしっかり把握をして、今後の対策を立てる参考にしたいというふうにホームページでも言われていると思うんですね。  信頼を回復するためにこれは急がなきゃいけないと、今言った数字というのは三月十日ですから、もう今四月超えているわけですから急がなきゃいけないと思うんですけれども、この状況掌握や分析、対策、これはいつまでにされるんですか。もう指示されたんでしょうか。
  138. 今村雅弘

    国務大臣今村雅弘君) それは指示をしております。
  139. 紙智子

    ○紙智子君 それじゃ、指示されたということなので政府参考人の方にお聞きしますけれども、大臣の指示を受けてどのような計画をやって今取り組んでいるのかということを御報告ください。
  140. 関博之

    政府参考人(関博之君) お答えいたします。  先ほど申し上げた数字は三月十日現在でございますので、改めて今福島県ともお話をしながら、その後の状況について福島県側も一世帯一世帯改めて戸別訪問をして状況把握に努めていただいておりますし、その情報をお互いに共有しまして今後の相談、いろいろ一緒になって連携して進めていきたいと考えているところでございます。
  141. 紙智子

    ○紙智子君 これも、この復興特の委員会で何回も繰り返し言われていることですけれども、子ども・被災者支援法は、避難指示が解除されようがされまいが原発事故から避難する権利、どこに住むのかの自己決定は避難者の権利であると定めて、国はそれを支援することを定めていると。東電事故による避難者への支援は切れ目なく行うと、これが国の果たすべき責任の取り方なんだというふうに法律の中でも言っているわけですよ。そのことを強く改めて要求をしておきたいと思います。  それで、もう一つ、次にお聞きしたいのが在宅被災者についてなんです。  それで、これは定義はないようなんですけれども、在宅被災者というのは、震災で自宅の被害を受けながら仮設住宅に入れずに自宅で生活を続けられている方を在宅避難者というふうに言われています。例えば、震災後、災害救助法に基づく住宅応急修理制度があることを知って活用したんだけれども、この支援を受けたがために仮設住宅には入れなかったと。結果、自宅で生活を余儀なくされた、こういう方がいらっしゃるんですね。  それで、私は昨年の三月にも、参議院予算委員会で在宅被災者についてお聞きしました。当時、復興庁は、在宅避難者の定義はない、実態把握を行っていないというふうに言われたんですけれども、その後何らかの対策を取ったのかどうか、政府参考人にお聞きします。
  142. 関博之

    政府参考人(関博之君) お答えいたします。  まず、在宅被災者の方々の定義でございますが、これは、私ども国として一律に定めていないというのは同じ状況でございます。かえって、一定の定義をして枠をはめることがふさわしいのかどうかというのは議論があるところだと思っておりますが。  ただ、いずれにしましても、この在宅の被災者の方々につきましても、やはり被害を受けた住宅の補修ですとか再建ですとか、そういうものに対する国や自治体支援制度を御活用いただけるけれども、その使い方などについてアドバイスが必要な場合、これもあると思います。  そのような中で、この被災者の方々の生活再建の状況に応じたきめ細かな支援を行うために、平成二十八年度から被災者支援総合交付金を設けまして、この中でこのような自治体などの取組支援してきております。この交付金を活用していただいて、在宅の被災者の方々に対しましても、日常的な見守りを通じた生活実態の把握や再建に向けた御意向の確認、自宅補修などに対する支援制度の紹介、今後の生活再建に関する相談などの支援を行っていると承知しております。  被災自治体などとともに、引き続き切れ目のない支援に取り組んでまいりたいと考えております。
  143. 紙智子

    ○紙智子君 それで、この今おっしゃってくださいました被災者総合交付金、これはどの地域でどの程度活用されているのでしょうか。
  144. 関博之

    政府参考人(関博之君) この制度を二十八年度に設けまして、各地域で御活用をいただいております。  例えば、宮城県内で申し上げますと、石巻市ですとか仙台市ですとか多賀城市ですとか、それぞれ御申請をいただきまして、私ども、その必要な交付金を交付しておりますが、これ、平成二十九年度の予算にも計上してございまして、予算額は全体で二百億円の予算額確保しておりますので、各自治体が、例えば、先ほど申し上げました、仮設住宅などで生活する方に対する、あるいは地域における日常的ないろいろな見守りですとか、あるいはコミュニティーの形成に資する、あるいは人と人とのつながりや生きがいづくりに資する心の復興とか、様々な取組に対しまして、御申請をいただければ我々の方で御相談に応じているというところでございます。
  145. 紙智子

    ○紙智子君 在宅被災者二百五十八世帯を戸別訪問した仙台市の弁護士会の皆さんの報告をいただいているんですね。それで、今まで、事務所に来るのを待つ待機型の法律相談では実現できなかった相談が実現をした、ボランティア団体の同行で一緒に行って実現できたということなんですね。在宅被災者支援物資や各種サービス、支援情報が届いていない世帯が多数確認できたということが報告されているわけですよ。  大臣、こうした支援活動は重要だと思われますか。支援を拡充していくということも必要だと思うんですけれども、大臣、いかがでしょうか。
  146. 今村雅弘

    国務大臣今村雅弘君) 在宅被災者の方も、これもいろいろな御事情あると思います。やっぱり自分の家で住みたいという希望もあるわけでありまして、そういった方について、できるだけの御支援をしてきたつもりでありまして、被災者支援総合交付金、そういったもの等を通してしっかりと的確にまたやってまいりたいと思います。
  147. 紙智子

    ○紙智子君 報告の中身をよく読みますと、非常に、一時はもう全く手が着けられていなかった、全く知られていなかった存在を、一人一人訪問しながらいろいろ聞き取り調査をしているわけですよ。  それで、例えば、そういう在宅の被災者の中でいうと、六十五歳以上の方が七五%いるとか、それから、法律相談の手法から見た特徴としては、その中で、例えば、被災者だということで、そういう認識をされていない方もいらっしゃったそうですけれども、例えば、マスコミだとかの取り上げ方でも、ほとんどここは全く触れていなかったということがあったんですね。国や県や市町村やマスコミ、支援団体、国民全体に在宅被災者被災者だという認識が薄かったということがこの皆さん取組によって明らかになってきたと。それから、日本赤十字から支援物資の支給を受けられなかった住宅被災者世帯が多数いるとかですね。災害救助法の三十二条、災害対策基本法八十条を見ても、それにかみ合う中身なんだけれどもそれが認定されなかったとか、その他たくさんのいろんな特徴ということが分かっているわけなんですよ。  やっぱりそういうきめ細かな活動をやって、そこに支援をしていくということ自体がとても大事な活動だと思いまして、是非これ更に拡充していただきたいということを、最後にもう一度、大臣の方からの答弁をお願いしたいと思います。
  148. 櫻井充

    委員長櫻井充君) 今村大臣、時間が来ておりますので、簡潔にお願いします。
  149. 今村雅弘

    国務大臣今村雅弘君) 発災当初、大変な混乱があったわけでありまして、ここに来て少しずつ落ち着いてきておりますので、今言われました手の届かなかったところについても、もう少し丁寧にやっていくということで考えたいと思います。
  150. 紙智子

    ○紙智子君 引き続き、課題はこの分野も山積していると思いますので、また取り組んでいきたいと思います。  よろしくお願いいたします。
  151. 石井苗子

    石井苗子君 日本維新の会の石井苗子です。  熊本地震から一年、そして東日本大震災から丸六年、被災された方に心からお見舞い申し上げます。  私は、先日、一人で避難指示が解除された富岡町を初めて歩いてきました。六年も医療支援活動をしてきたんですが、復興はこれからなのかと肌で感じて戻ってきた次第であります。  個人的な考えではありますが、地震津波があった土地と、それから福島県の復興とは別なのではないかと思っております。復興庁があと五年で撤退する中で何ができるか、法律上、組織の要件がなくなるので、その後どういうふうに引き継いでいってくれるのかということを考えていく時期だと思っております。その意味では、福島県復興再生特別措置法案の改正は、是非、要件がその中にある実効性のある政策として詳細を詰めていっていただきたいと思っております。  昨年の十二月から、日本維新の会は被災地に党の義援金を渡すために現地を訪れておりまして、そこで仮設住宅の方とお話をしてきた声などを今日は基にして質問をさせていただきたいと思います。  富岡町の仮設で暮らす方々とそれから石巻の方々とでは声に違いがございまして、やはり富岡の方は、ふるさとに帰れるといっても、荷物をまとめるのがしんどくて、体のどこが悪いというわけじゃないんだけれども気が乗らないとおっしゃっているのに対して、石巻の方は、災害公営住宅に引っ越すときに今までつくってきた仮設住宅のコミュニティーを崩さないで移る方法はないものだろうかとか、震災から給料カットになったので新しい転居先で新家賃の適用を少し待ってもらえないだろうかという、苦しい中も積極性が見られる。これはもう原発事故が、人々のなりわいを、六年間でどのように影響を心身に与えてしまったかという結果だと受け止めております。  資料の一と三にありますが、資料の三の方は、石巻の方の仮設住宅でああやって会議をしているというところに私たち行ってまいりまして、一緒に座って話を聞いてきたんですけれども、今村大臣は御発言の中で、一人一人が置かれた状況を踏まえて、寄り添い、細やかな対応をしていくとせっかくおっしゃっているのに、先ほどからの質疑の中にテレビの話が出ております。私、マスコミの業界におりましたけれども、人々はテレビを理屈で見ません。情緒で見ます。動いている人とその言葉が長く残ります。しかし、せっかくこうおっしゃったんですから、仮設住宅の方が政治家は一人もこうやって来ないよとおっしゃっていたので、ちょっとああいうところにふらっと行くことでも情緒が変わってくるのではないかと思います。  質問に移らさせていただきます。  国が積極的に関わっているという姿勢を見せてほしいという御意見。避難指示解除が出たふるさとに帰る、その安全の提供として、ちょっと細かいですが、イノシシなどの鳥獣、有害鳥獣というのの駆除と、それから泥棒ですね、窃盗の排除、労働基準の監督署やハローワーク、法務局など、国の出先機関の早期帰還の時期、これを明らかにしてほしい。国の積極性は復興に対してどうあるのかということで、いかがでございましょうか、お答えいただきたいと思います。副大臣、お願いします。
  152. 長沢広明

    ○副大臣長沢広明君) お答えいたします。  石井委員におかれましては、被災地に頻繁に足を運んでいただいて、様々民間からの復興の活動をサポートいただき、御指導いただいていることに心から感謝を申し上げます。先日も、この四月一日午前零時をもって避難指示解除された富岡町にお運びをいただきましたことを承知しております。大変ありがとうございます。  今、富岡町のお話いただきましたけれども、双葉郡の中でも、郡都富岡というふうに言うぐらい、ある意味、双葉郡の復興を象徴する大事なポイント、地域だというふうに思っております。  その富岡町におきまして、一つは、まず鳥獣対策というのが課題になっているというふうに承知をしております。イノシシが畑を掘り起こしたりするということがありまして、農林業の被害防止ということだけではなく、帰還しようとする御家族の中でもお子さんがいる御家庭は怖くて帰れないと、こういうような不安の声が出ているのも事実でございまして、大変大事な課題だと思っております。  今、関係機関が協力をして、猟友会による捕獲、あるいは侵入防止柵の整備、あるいは捕獲した鳥獣の焼却施設の整備等を国としても支援をしております。今年一月から、国と県と市町村、これ一緒になって、避難十二市町村鳥獣被害対策会議を立ち上げまして、イノシシについても研究されている専門家の方に入っていただいて、そういうことの中で、広域で連携をしてこの鳥獣対策をやろうと。その中には、例えばこの十二市町村の中でもどこかモデル地域を決めて、そこで具体的な効率的なやり方、どういうふうにやるのか、そういうことを進めていきたいというふうに思っております。  それから、国の出先機関ですが、まさに富岡町は、郡都富岡と言われているぐらい、国や県の出先機関が集中していたところでございます。そうした出先機関の帰還についても、できるだけ早く帰還できるようにということで今調整をしております。  例えば、厚生労働省関係でいいますと、富岡労働基準監督署、それからハローワーク富岡、ございました。これ、広野町やいわき市に今サテライトで移っておりますけれども、こうした関係自治体調整をする、これをしっかり踏まえつつ、本年度中の帰還を目指してまいります。  それから、法務省関係でも、福島地方法務局の富岡出張所、これは今年夏までに登記申請の受付、相談の一部業務を再開し、その後、登記申請の動向等を踏まえつつ、できる限り早期に業務を再開するという方向になっております。簡易裁判所、富岡簡易裁判所がありましたが、今年夏までに富岡町内に臨時の執務場所、これをつくりまして、そこに裁判所職員を派遣して手続案内等の業務を再開することを目指すと、こういうことで、一つ一つ再開に向けていけるようにしております。  ちなみに、先生今御指摘になった警察ですけれども、双葉警察署はこの三月に再開しました。それから、県の合同庁舎もこの四月から再開をしております。  引き続き、関係機関と連携を図って、必要な対策支援を講じてまいります。
  153. 石井苗子

    石井苗子君 御丁寧なお答え、ありがとうございます。  時間がなくなってしまいそうなので、ちょっと質問を先に飛ばしまして、復興交付金の柔軟な運用についてなんですが、これは宮城県石巻の方から意見がありました。  ハード面という、いわゆる道路とかそういうものでしょうが、交付金で着実に進めてきたが、被災者が移転先で直面する新たな課題対応するソフト面といいますが、この事業について、予算があっても人材の確保ができないと、どのようにしたらいいか、どのように把握したらいいか難しいということなんですけれども、復興交付金の効果促進事業の運用はこれまでは被災地復興のスピードに合ったものでやってこられましたが、この更なる再生といいますか、創生期に入ってから事業の必要性というのが再検討されるようになってしまったと。復興があと五年という最終段階に入ってきているときに、被災自治体の自主性とか主体性というのが保てなくなって、難しくなってきている方向に進んでいると感じておりますということなんですが、復興交付金の運用について国は柔軟性を持つことがもう少しできるアイデアがあるでしょうかと。  人材不足について追加いたしますと、いわゆる応援職員ということなんですが、帰ってしまうということで人材不足になると。継続した職員の派遣について、国からの働きかけといいますか、をお願いしたいと。  石巻は、職員派遣元の団体にお願いして四百四十三名送ってくださいと言ったら、先月までに六十八人しか来ていない、どうにかならないものでしょうかというふうに言われたんですが、このようにソフト面に対する復興交付金の柔軟性というのは具体的なアイデアがあるでしょうか、お聞かせください。
  154. 関博之

    政府参考人(関博之君) お答えいたします。  今の御質問の中で、大きく二点あろうかと思います。  一つは、復興交付金制度自身の運用の柔軟化といいますか、使いやすくするということだろうと思います。これについては、これまでもいろんな制限の撤廃などをしてきておりますが、どのような活用事例があるかということを広くメニュー化して公表するということを、二十七年度、それから二十八年度、行ってきております。また、職員も実際に、今具体的には石巻市の例がございましたが、各市町村にむしろ出向いていろいろ御相談をしていくという仕組みも整えておりますので、そういうことで円滑な事業推進を図っていきたいと思っております。  また、人材不足という御指摘が今ございました。我々も、現在、全国知事会などを通じまして職員の派遣を各方面に要請を再度始めておりますが、やはり、復興庁の方から派遣している職員も含めて、この人材確保というのは大変重要なお話だと思いますので、引き続き、それぞれの地域のニーズに合った職種ということも含めた人材の確保に取り組むということで努力してまいりたいと思います。
  155. 石井苗子

    石井苗子君 そのニーズに合ったというのが、どこで、何人で、なかなか人は来てくれないことはみんな知っているんですけれども、何とか工夫して、国として責任を持ってここまでは用意するというのを示していただけると有り難いと思います。  質問の順番が変わるかもしれませんけれども、実は、オリンピックに向けていろいろなアイデアが出ているのですけれども、やはり聖火リレーというのについて、例えば、今、石巻には前の国立競技場の聖火台というのがあるんです。そこから子供たちが聖火を持てたらすばらしいなと、まあ向こうからもアイデアがあるんですが、私も何か形ができないかと思って、資料の二が、これはこうなったらいいなという希望の資料の二のポスターですけれども、大臣から、これはきっとオリンピックの担当大臣があるんでしょうけれども、そのような、コンペティションでもいいです、何かそういった聖火リレーでのお考えがあったらお聞かせください。
  156. 今村雅弘

    国務大臣今村雅弘君) この聖火リレー等については、この組織委員会等でやっていくことになると思います。  今委員が言われたように、何といっても復興五輪ということでありますから、できるだけそういった趣旨を踏まえて、競技の開催であるとかやっていきたいと思って、お願いしたいと思っております。その一環として、この聖火リレーもその一つだと思いますが、是非、これで何とかならぬかということでお願いをしてまいります。  ただ、御存じかと思いますが、この聖火リレーについてはやっぱりIOCの一つの決まりがといいますか、あるわけでありますが、しかし、それはそれとして、これはもう特例なんだから何とかなりませんかというようなことでまたお願いもしていきたいというふうに思います。
  157. 石井苗子

    石井苗子君 ありがとうございます。  折り返し地点ということでも、復興を目指して、これからは新しい創生だということで、いいメッセージになるんではないかと思うんですが。  少し時間がありますので、先ほど質問にもございましたけれども、福島県の個別の事情によって、帰る人が、さっきちょっと私も言いましたけれども、心身共に疲労こんぱいにあるという状態の場合は、高速道路の無料措置や医療費の免除措置、そして生活支援というものをこれは継続していくと約束していただけたと受け取ってよろしいでしょうか。
  158. 関博之

    政府参考人(関博之君) お答えいたします。  事実関係を申し上げます。  高速道路の無料化措置でございますが、国土交通省において本年二月に一年間延長することを決定いたしました。平成三十年三月三十一日までは実施するということで決まっております。それ以降の取扱いは国土交通省において検討されることになるものでございます。  それから、医療費の関係でございますが、避難指示がなされた区域における被災者の医療費の窓口負担の免除に対する国の財政支援につきましてはこの二十九年度も継続することとしまして、実施に必要な費用を二十九年度予算に既に盛り込んでございます。  その後の財政支援の継続については毎年度の予算編成過程で検討することになりますが、今後とも、被災地状況などを踏まえながら、関係省庁と連携して対応してまいりたいと考えております。
  159. 石井苗子

    石井苗子君 ありがとうございます。  次も、これは、所得税、法人税の低迷に対する財政措置の補填ということにつきまして、原発事故による企業の撤退、休業を余儀なくされて、地方税収が低迷して一般財源の確保が難しいというその状況の中で、避難指示解除してもなお町の財政運営は厳しいという現状であります。  住民税、固定資産税、国民健康保険税、介護保険料などに対する減収補填ということを引き続きできますというふうにお約束していただけたと理解してよろしいでしょうか。
  160. 関博之

    政府参考人(関博之君) まず、お答え申し上げます。  平成三十二年度までの復興創生期間における復旧復興事業についての関係でございますが、地方税、今お話がありました地方税等の減収、それに対する補填措置というのをしております。財政運営に支障が生じないように減収部分を補填する措置でございますが、これにつきましては基本的に震災復興特別交付税による措置を三十二年度まで継続するということといたしておりますので、今後とも、総務省とよく連携を図りながら対応してまいりたいと考えております。  また、お話のございました国民健康保険税、保険料、介護保険料の減免についてでございますが、これ、医療費の先ほど申し上げた減免措置と同様の内容で国が財政支援をしております。これも二十九年度においても財政支援を継続するということでこの二十九年度予算に盛り込んでございますので、対応してまいりたいと思います。その後につきましては毎年度の予算編成過程で検討することになりますが、やはり被災地状況などよく踏まえまして、厚生労働省と連携して対応してまいりたいと考えております。
  161. 石井苗子

    石井苗子君 ありがとうございます。  質問はこれで終わるんですけれども、来週からまた富岡町の医療支援に行ってきます。ここに書いてあるんですけれども、戻りたいのは七十歳までの、あるいはそれ以上の人たちで、戻りたくないと、十代、二十代が六八%、三十代が六八%、四十代が五七%、十八歳未満の子供のいる家庭は六二・五%という数字が出ていますが、私は、戻ってきた人たちの顔を見れば、その人たちがあと十年、自分の命がなくなった後、故郷を取り戻していくのだという、これは、人が人に、住んでいる人が自分から話しかけなければ戻ってこないと思っておりますので、いろいろな問題はあるでしょうが、これからも引き続き、戻りたいという人の気持ちに寄り添って国はやっていっていただきたいとお願いして、質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。
  162. 山本太郎

    山本太郎君 自由党共同代表、山本太郎でございます。自由・社民の会派、希望の会を代表いたしまして、今村大臣にお聞きをいたします。  四月四日、記者会見大臣の御発言、今日もさんざんいろんなことをお聞きになったと思いますけれども、趣旨だけを申し上げたいと思います、そのときの発言を。自主避難者が福島に帰れないのは本人の責任である、基本は自己責任である、裁判でも何でもやればよいではないか、やったではないか。この言葉に避難者の多くが心を痛め、絶望に近い感覚であれからの毎日を過ごされていると思います。  私、この発言自体には驚かなかったんですよ、自分はびっくりしなかったんです。どうしてびっくりしなかったかというと、この大臣発言されたことの全てが安倍政権の避難者へのスタンスそのものだからなんですよね。改めて、安倍政権の自主避難者への取組方を、御自分の口を通して大臣が言葉にされただけのことなんです。ただ、私がこの件で驚いたのは、この発言をされた方が今村大臣だったということに一番びっくりしたんです、心から。  私、この復興特別委員会の委員になって二年たつんですけれども、その間に復興大臣は三回代わりました。歴代の復興大臣の中で自主避難者に対して最も寄り添うお気持ちを持っていらっしゃるんじゃないかと私自身が感じていたのは、今村大臣なんですね。だから、一番びっくりしたんですよ。  人間って、何かストレスを抱え過ぎたりとかすると、何といいますか、振り切る瞬間というのは誰にでもあることだと思うんです、私自身。つまり、ふさわしくないとか、ふだんの自分とは違った振る舞いをしてしまうとか、言動がしてしまうとかということって確かにあると思うんですよね。  復興大臣というお立場を考えるならば、決して望ましくない発言だったとは思います。でも一方で、大臣御自身も、御自身を削り続けながらといいますか、自分自身を削りながら、復興に何とかというお気持ちでやられていて、疲弊しながら立たれたあの記者会見だったんじゃないかなというふうに、その結果だったんだろうなというふうに想像すると、ただ、けしからぬなというふうに私は言う気持ちになれないんですね。  大臣は以前、本委員会の質疑が終わった後に、私の質疑が終わった後、少しの時間でよかったらというお話で、実際にその日に傍聴に来てくださっていた自主避難のお母さんたちの声を直接聞いてくださったんですよ。これ、私、びっくりしました、本当に。今までの復興大臣の方々にもそういうアプローチはしたことがあったんですけど、皆さん結構あっさりとお帰りになられることがあったんですけど、逆に大臣は、私が近づいてくるのを待っていてくださったというような雰囲気さえ見えたんですね、そのときに。  たとえ大臣になったとしても、弱い立場の方には寄り添うんだという政治家になったときの基本的な姿勢というのは崩されていないんだなというふうに、私自身、すごく感激した覚えがある。だけじゃなく、そのときにお話を聞いてくださったというか、大臣にお話を聞いてもらったお母さん方も、物すごく感激されていたんですよ。あのときに大臣に直接お話聞いていただいたお母さんたちというのは、今も、直接お会いして、直接話を聞いていただいていますから、記者会見での発言はあったけれども、直接大臣のお話聞いてもらっているから、あれは決して本心ではないというふうに信じていらっしゃる方がいらっしゃるんですね。私も同じです。  そのお母さんたちが、毎日本当に強引な追い出しであったりとか、何といいますか、追い出し、いつ出ていくんだという話だったりとかという、すごく強引な追い出しだったりとか、とにかく毎日おびえるように過ごしているという話を聞くんですね。そのたびに胸が痛くなるといいますか、もう一日に何十回も電話が掛かってきて、何回も家の前に来られて大きな音でドンドンされてというような、いつ出ていくんだというような、もうまるで犯罪者にでもなったような、早く出ていけというような状況をずっとここ数か月続いていて、もう精神的にもかなり疲れ切ったというような状況が実際にお話を伺うと感じ取れるんですね。  そこで、大臣に、是非お母さんたちに、元気が出るといいますか、エネルギーを感じるような一言をいただきたい。その一言というのは何かというと、意に反する、その方々の意に反するような追い出しは行わない、させないということを大臣の方から一言いただけないですか。
  163. 今村雅弘

    国務大臣今村雅弘君) 今委員がおっしゃいましたが、私も、やっぱりこの福島の被災者の方というのはほかの被災地とは違う特別なものだと、だからこそしっかり寄り添って対応しなきゃいけないという気持ちは誰にも負けないつもりであります。いろんな施策があります。そういったものを力強く私は力の限りまたやっていくつもりでございますが、そういう中で、今申されましたこの今の方々、そういったことについての対応はもうできるだけ丁寧にやっていくし、今言ったように、追い出すというようなことは、そんなことはさせないということで言ってください。
  164. 山本太郎

    山本太郎君 ありがとうございます。  もう一度、その言葉だけいただけませんか。意に反する追い出しはさせないということだけをいただけませんか。済みません。ありがとうございます。
  165. 今村雅弘

    国務大臣今村雅弘君) そういうことはできないし、またさせないというふうに私は考えております。
  166. 山本太郎

    山本太郎君 本当にお母さんたち、今ほっとしていると思います。強引に出されてしまう方々というのもいらっしゃいます。やっぱり相手が強引過ぎて、もう押されて、しようがなくというようなこともあると思います。やっぱり話合いが必要だし、やっぱりちゃんとしたケアがなされなきゃいけないと思うんですよね。  是非、大臣の立場から、その強引な追い出しということは決して許さない、意に反する追い出しは許さないということをお仕事としてしていただけることを、よろしくお願いいたします。ありがとうございます。  続きまして、福島県において、百八十四人の子供たち、甲状腺がんないしその疑い、これが先日の報道で全てではなかったことが分かりました。  資料の一。民間が設立した基金を通じて、事故当時四歳の子供が福島県立医大で甲状腺摘出手術を受けていたが、先ほどの百八十四人の中にはカウントされていなかった。なぜカウントされなかったのか。事故当時四歳の子供は、以前に県民健康調査で検査を受けた際、経過観察とされました。経過観察以降は個別の保険診療になってしまう。県民健康調査の、県民健康調査の枠から外れるということになるんですね。その後、子供は状況が変わり手術を受けましたが、この百八十四人、良性も含むと百八十五人ですけれども、この百八十四人の患者数にはカウントされなかった。  確かに手術は受けたのに、その数には含めない、別ルートが存在するというお話、簡単に説明します。  資料の二。福島県民健康調査で行われる甲状腺検査の評価には、A1、A2、B、Cなどの区分があるのは皆さん御存じのとおり。最初の一次検査で全員が甲状腺の超音波検査をします。そこで、しこり、嚢胞などが見付かり、その大きさや状態でB判定、C判定とされた場合、二次検査に進みます。資料の二、青の丸部分です。二次検査では再度の超音波、血液、尿検査が行われ、さらに、ガイドラインに照らし必要と医師が判断、患者も合意した場合、甲状腺の組織や細胞を注射器で吸い取って顕微鏡で分析する穿刺細胞診へ進み、結果、悪性ないし悪性疑いとなった人数が報告されます。  一方で、B、C判定になり、二次検査では細胞診はせず、細胞診はせず、しばらく様子を見る、経過観察ですよね、資料の二、赤で囲った部分、通常診療等、通常診療等、ここに経過観察も含まれると。その後、医療機関で甲状腺がんですと診断されても県民健康調査の枠外に置かれ、たとえ手術を受けたとしても甲状腺がん又は疑いにカウントされることはありません。  ただし、保険診療でも、県立医科大、福島県の県立医科大で手術された場合はその情報は県民健康調査検討会に報告されますと環境省は説明するんですけれども、先ほどの四歳児の件を考えれば、環境省の説明に矛盾が生じます。その矛盾を隠すために環境省は、報道が正しいかは分からないというふうにすり替えを始めているんですよね。何かずるくないですか。  話を戻します。がんの疑いがはっきりと出る穿刺吸引細胞診を受ける機会というのは二通りあります。一つ、県民健康調査の二次検査、二次検査、一部の対象者に。もう一つは、経過観察中などの医療保険診療で。どちらもがんと診断される患者がいるのに、公表されるのは片方だけ。それが、今回の事故当時四歳児のケースで広く知られることになりました。  事故後、甲状腺がんないしは疑いとなった実際の患者数は、別ルートの存在により、公表された百八十四人、良性含む百八十五人よりも多いことが今回判明したという話なんですね。これ、一体どういったつもりでこういう恣意的なカウント方法採用しているんでしょうか。数を少なく見せるための手法と疑われても仕方ないですよね、これ。別ルートに含まれる可能性がある子供たち、これ以外にもどれぐらいいるんだろうと考えると、ちょっと心配になってきます。  経過観察、経過観察が含まれる通常診療等の数は、先行調査、一巡目で千三百七十六人、本格調査一回目、二巡目途中で千二百七十六人、本格調査二回目、三巡目途中で五十六人と。ただし、これは重なっている人もいるため、これらの人数を単純に加算はしていませんとのことです。経過観察の後、後の治療でも、どの病院で手術を受けるかによって県民健康調査検討会に報告される人とされない人がいる。  厚労省にお聞きします。福島県内で甲状腺がんの手術ができる病院、幾つありますか。
  167. 橋本泰宏

    政府参考人(橋本泰宏君) お答えいたします。  厚生労働省が指定いたしますがん診療連携拠点病院のうち、福島県内の病院で甲状腺がんを専門としている旨国の方に報告のありました病院の数というのは、平成二十八年の報告で九病院あったというふうに承知いたしております。  ただし、甲状腺がんの手術と申しますのは、特別な資格や設備が必要ということではございませんので、何をもって甲状腺がんを専門としているかということについて具体的な基準があるわけではございません。したがいまして、委員指摘の甲状腺がんの手術を行うことができる病院が幾つあるかということにつきまして、なかなか明確なお答えをすることは難しゅうございます。
  168. 山本太郎

    山本太郎君 明確には答えられない、これが正しいお答えです。九病院というのは、がん拠点病院などを指しているということですよね。どれを指していいか分からないから取りあえずこれを指しておきました、九ぐらいかな、でもそれ特に決まりがあるわけじゃないし、すごく広い範囲だからこれ把握し切れてませんというお答えだったと思います。  資料の三。厚労省では、平成十五年から、DPCという新しい医療費支払制度の導入に当たり、治療や手術件数の調査を実施、データを保存、甲状腺がんの手術症例が十件以上であれば報告され、記録されます。最新では二〇一五年の結果がまとまっているそうですけれども、福島県でこの調査に参加している病院のうち、甲状腺に関する手術を行った病院数は幾つですか。その中に福島県立医大は含まれていますか。これ、一つずつ病院名挙げるのやめてくださいね、全部数で教えてください。
  169. 浜谷浩樹

    政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。  議員御指摘のDPCデータに基づきますと、二〇一五年に甲状腺の悪性腫瘍に分類されている傷病につきまして手術を行った医療機関は九病院でございます。また、お尋ねの福島県立医科大学附属病院は、この九病院に含まれております。
  170. 山本太郎

    山本太郎君 その九病院で二〇一一年から一五年までの五年間に行われた甲状腺がんの手術、合計で何件ですか。
  171. 浜谷浩樹

    政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。  九病院で二〇一一年から二〇一五年までの間に甲状腺の悪性腫瘍に分類された傷病につきまして行われた手術件数は、合計千八十二件でございます。
  172. 山本太郎

    山本太郎君 ありがとうございます。  千八十二件、全て手術したんですって。しかも、データは症例数十以上が記録されるものであり、手術数十件未満の医療機関は対象ではないと。  皆さん、お手元資料があると思いますけれども、横棒が引いてあるところは十未満だったから記録されてないということですよね。と考えると、それ以外の病院も、一件、二件、三件、五件とかやっているところあるかもしれないですもんね、ここにはデータはないけれども。  このデータ、数字の内訳、大人と子供の割合は分かりません。九割が大人かもしれないし、その逆もあるかもしれない。たとえ子供の数が分かったとしても、経過観察が含まれる通常診療等での手術であれば、もちろんこれも別ルート、カウントしないですよね、四歳児のように。ほかにも、事故後、一度も健康調査に加わらず県外に出た福島の子供、経過観察中に県外で手術を受けた子供などももちろんこれ別ルート、カウントしない。  一方で、二〇一五年六月、県外に引っ越しをした福島県出身の十八歳を超えた方々にも治療、経過観察が必要とされた場合、九百人程度に、福島県、医療費負担するということを発表していましたよね。これ、データ持っているはずなんですけど、後追いに関しても報告、公表されていませんよね。どういうことかといったら、これも別ルートだ、カウントしないという話なんですね。  事故当時福島県に住んでいた同じ病気の疑いや同じような手術を受けた十八歳以下のデータ、検討委員会甲状腺評価部会に報告するもの、報告しないものを勝手に選別している。カウントするもの、カウントしないものを選別している。結果、データの数が少ない中で、偏った中で専門家に議論をさせている。なぜわざわざ福島で県民健康調査が始まったんでしたっけ。どうしてその情報を検討委員会などに報告するんでしたっけ。  福島県立医科大の放射線医学県民健康管理センターホームページによると、その意味の一つとして、東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う健康影響の有無を検討する上で有益な情報となる可能性があることなどの理由で検討会に報告をしていると書かれている。当たり前じゃないかって。原発爆発していなかったらこんなことしていないんだよって。だのに、そこから出てきたデータ、一部は使うけど一部は使わないってどういうことだよと、どんな恣意的な調査やろうとしているんだよって話なんですよ。  いろいろあるんですけれども、時間もなくなってきたので、委員長にお願いしたいことがあります。  委員長、まず、本日、私の質疑の中で、数にカウントされない、別ルートと称した県民健康調査の数に反映されない数々のデータ、個人の特定がされない形での情報提供を本委員会としてお求めください。  加えて、本委員会において、この甲状腺問題とみなし仮設住宅の打切りについての集中審議をどうか別々に開いていただけませんか。その際、事前にそれぞれ参考人をお呼びし、その意見を聴取し、それに対する政府側に質疑する機会を本委員会としてどうか設けていただけませんでしょうか。
  173. 櫻井充

    委員長櫻井充君) 後刻理事会で協議させていただきます。
  174. 山本太郎

    山本太郎君 数にカウントされない別ルートのデータまで全て集約、これ、ちゃんとデータ出させて委員会で話させる必要があるということなんです。  これ、環境省、国の窓口ですよね。大臣としてちゃんと旗振っていただきたいんです。大臣山本大臣、よろしくお願いします。
  175. 櫻井充

    委員長櫻井充君) 山本環境大臣、時間が来ておりますので、簡潔にお願いします。
  176. 山本公一

    国務大臣山本公一君) 甲状腺検査の在り方については、福島県の「県民健康調査検討委員会で議論をされるものと承知をいたしております。議員御指摘の経過観察後の症例の取扱いについても、同委員会で検討が行われるものと考えております。
  177. 山本太郎

    山本太郎君 ゼロ回答じゃないですか。国の窓口なんですよ、環境省が、健康問題の、今この原発の問題の。何で丸投げなんですか。余りにもおかしいと申し上げて、是非よろしくお願いします。  ありがとうございます。
  178. 薬師寺みちよ

    薬師寺みちよ君 無所属クラブの薬師寺みちよでございます。  今村大臣、いよいよ折り返しを迎えております。復興庁の設置、あと五年でございます。しっかりと、今こそ、次の五年、何をすべきなのかということを真剣に考えるべきときではないでしょうか。  残念な調査結果が私の目に飛び込んでまいりました。日経新聞が三月に調査をいたしましたら、この十一日で東日本大震災から六年がたちました、あなたは地震津波による被災地復興が進んでいると思いますか、四七%の方々が進んでいないと思っていらっしゃいます。あなたは世間の震災復興への関心がどのように変化していると考えますか、約七四%の方々が弱まっていると。大変残念な結果でございます。  私は、しっかりと次の五年、いえ、十年、二十年先を見据えて今から復興庁として何を発信をしていくのか、何を復興庁としてその歴史を残していくのか、しっかりと今こそ足を踏み固めるときだと思いますけれども、大臣の御意見いただけますでしょうか。
  179. 今村雅弘

    国務大臣今村雅弘君) 発災からもう六年たつわけであります。この間のいろんな取組がある。その中で、一つはやはり、どういうところがやっぱりこういった被災が起きた原因だったのか、いろんな防潮堤の造り方等々、一つあったかと思います。そういったところをもう一回よく復興をしていく中できちんと精査をしておくと。これは将来の防災・減災にも関わってくるわけであります。  もう一つは、やはり、そうはいっても、いろんな災害というのは今後日本列島どこで何が起きるか分からない。そのときにどういう対応をすべきなのかといった、その緊急対策一つ。  そしてもう一つは、さっき冒頭申しましたことを、検証を踏まえてどういうこれから国づくりをやっていった方がいいのか、そういったことをきちんとアーカイブ的にこれは残して、それが今後ほかのところでも何か起きたときにもてきぱきとその知見等を生かしてやれるような、そういったこともやっていきたい。  そしてもう一つは、それはそれとしながら、まだまだ復興庁としてやらなければ、いろいろございます、急がなければいけないものもあるし、そしてまた除染とか廃炉、除染土の処理とかあるいは廃炉の問題、これは本当に極めて中長期に掛かる大変な困難な課題でありますから、そういったものも、関係省庁としっかりとスクラムを組んで、中長期にわたるかもしれませんが、取り組む体制を何らかの形で取っていかなきゃいけないんじゃないかなというふうに思っています。
  180. 薬師寺みちよ

    薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  私は、この歴史に残すべきものというのは、建物のような目に見えるものではなく、しっかりと人の心の中に残すべきものの方が多いんではないかと思います。  復興庁では、今、語り継ぎの事業というものを行ってくださっています。どのような効果を期待していらっしゃるのか、樺島さん、お願いできますでしょうか。
  181. 樺島徹

    政府参考人(樺島徹君) お答え申し上げます。  東日本大震災経験を語り継ぐとともに、新たな町づくりにおける防災性向上の観点から、多くの被災市町村等において、震災復興記録の収集、整理、保存、そして公開が進められております。復興庁におきましても、復興交付金の効果促進事業においてこれらの震災アーカイブ事業支援を行ってきたところでございます。  その事業効果といたしましては、東日本大震災に関する被害教訓を次の世代にしっかりと伝えるとともに、被災地当地の復旧復興のみならず、広く今後の防災・減災対策に役立てるという観点からも極めて重要であると認識しております。今後とも、震災アーカイブ事業の展開、効果の発揮に的確に対応してまいります。
  182. 薬師寺みちよ

    薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  熊本地震から一年という話がございました。私、あのときに、補正予算の審議でもさせていただきましたけれども、地震が起こってすぐに熊本の県庁、そして熊本市の教育委員会が動いてくださったんですね。子供たちの心は大丈夫なのか、まさにそれを真っ先に考えていただくようなきっかけになったのは阪神・淡路の大震災、そしてこの東日本大震災からの教訓でございました。  しかし、私は、この心のケアというようなもの、特に子供たちの心のケア、今まさにまた大きな問題となっているというふうなことをつかんでまいりました。大臣は、今、特に小学校低学年、本当に幼い頃にこの震災経験した子供たちの心のケアが今重大な局面を迎えているというこの事実、御存じでいらっしゃいますでしょうか。
  183. 今村雅弘

    国務大臣今村雅弘君) この件については、私も関心があったところであります。  幼いときの記憶というのは本当に大人になってもしっかりと残るということはよく御存じかと思いますが、そういう意味で、この小学生等々、ちょうどちっちゃいときの本当に幼いときの記憶が云々ということで、これはたしか新聞記事でも読んだことありますが、余り表に出てきていなかったんですが、これからはそういったことがあるんだということを我々もしっかり認識をして、丁寧な対応をしていかなければいけないというふうに思っております。
  184. 薬師寺みちよ

    薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  皆様方に今日資料をお配りさせていただいております。この資料三をまずは御覧いただきたいと思っております。  これは、岩手県の教育委員会が毎年行っているものでございます。この岩手県全体で一体どのくらいの子供たちのサポートが必要なんだろうか。この数字を見ていただいても、そんなに大きな変化はないんですね。被災のストレスで支援が必要な小学生の割合というものは、特に沿岸部、低学年ほど高い傾向にあるということも分かってきております。実際に、小学校一年生では例年二、三割、一五年のこの調査でも一八%に及んでいるんですね。  被災というものは、復興庁自体は十年かもしれません。しかし、本当に長い支援というものが必要だということが神戸の例からも分かってきております。  神戸の有名なレインボーハウス、大臣、いらっしゃったことございますか。あしなが育英会の方々が遺児を支援しようじゃないかということで建てられたハウスでございますけれども、ここがまた東北にも三つ施設を造ってくださっております。このレインボーハウスで追悼式の最後を迎えたのが、まさに震災から二十年を経て、ようやくこれで終わりにしようじゃないかということになった。結局は、それだけ長い子供たちに対する、そのときに、被災したときに子供だった方々に対する支援が必要だということでございます。  この資料二に、見ていただきましたら分かりますように、宮城県の教育委員会からは、これは今年度からでございます、心のケアや家庭環境の改善を進めるために、指導主事や臨床心理士らの相談に乗る心のサポート班というものを設置いたしまして、沿岸部の小中学校、家庭に派遣をし始めました。本当に、これからまさに大きな問題が起こってくるかもしれない、だからしっかり予防していこうではないかという取組だと思います。  関統括官、教えてください。この児童の心のケア、どのような支援を現在行われているのでしょうか、お願い申し上げます。
  185. 関博之

    政府参考人(関博之君) お答えいたします。  私ども復興庁、それから文部科学省さんと連携しまして、一つは、被災した児童生徒の皆さんの心のケアや教職員の方々に対する研修、保護者などへの助言、援助などを行うスクールカウンセラーなどの派遣事業を行っております。また、被災した児童生徒に対する心のケアや学習支援のための教職員定数の加配措置を行っております。あわせまして、いろいろな実態の関連する調査なども行うことといたしておりまして、この岩手県教育委員会の調査などについても委託予算を計上しているところでございます。  また、復興庁取組として、被災者支援総合交付金という制度がございますが、これは、児童生徒の皆さんの心のケアの関係でも御活用いただけるものでございまして、今お話のございました宮城県教育委員会の児童生徒の心のサポート班の設置の取組などにつきましても、この被災者支援総合交付金により支援をさせていただいているところでございます。  引き続き、関係省庁あるいは地元現場のお話も伺いながらしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
  186. 薬師寺みちよ

    薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  我々、国会にいて一体何ができるのかと考えたときに、しっかりとまず予算を付けるということはできると思います。しかし、そこになかなか毎日毎日寄り添うことはできません。しかし、いつも寄り添っているんだよという、そういう信号を発信することは可能だと思うんです。  しかし、残念なことながら、先ほど来から出ております文科省におけるいじめの問題、私もどのような形で発信なさったのかなということを調べてみまして、資料一に付けさせていただきました。実際に多くの子供たちが多くの地域で悩んでいる。福島、原発の被害に遭ったにもかかわらず、更にプラスアルファ、傷にまた塩をすり込まれているような状況でございます。  このいじめ防止等のための基本的方針というものの中でしっかり特出しをして書かれているんだろうと思ったんですけれども、残念なことに、学校におけるいじめ防止、早期発見、いじめに対する措置のポイントというところに記載があるだけでございました。  ここは、復興というものを考えた上におきましても、しっかりと文科省においてこの問題を重く受け止め、これを特出しして更にランクアップさせる必要があると思うんですけれども、政務官、いかがでしょうか、御意見いただけますでしょうか。
  187. 樋口尚也

    大臣政務官(樋口尚也君) 薬師寺先生御指摘のとおりでございまして、原発事故等により避難をしている児童生徒に対する配慮については、本年三月の国のいじめの防止等のための基本的な方針の別添二のところに盛り込んだものでございますが、これは、文部科学省といたしましてこの別添を含めて国の基本方針と位置付けておりまして、その全体を教育委員会や学校現場に周知をし、取組を徹底を求めているところでございます。  このいじめ防止の観点から申しますと、被災児童生徒のみならず、例えば発達障害のある児童生徒、外国人児童生徒、性同一性障害や性的指向、性自認に係る児童生徒などについても、心のケアや見守り等を含めて十分な配慮が必要であるというふうに思っております。  文部科学省といたしまして、こうした様々な事情を抱えている児童生徒への支援については、個別の状況に応じて必要性を判断した上で、それぞれの児童生徒の特性を踏まえて適切に行っていくことが重要であると考えております。新年度、新学期が始まりましたので、新たな決意で取り組んでまいりたいと思います。
  188. 薬師寺みちよ

    薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  大臣、私先ほど御紹介いたしましたレインボーハウス、阪神・淡路大震災から四年後に建てられたものです。それは、一人の女の子が、虹を描く、その虹を真っ黒く塗り潰したところから、これは、これだけ時間がたっても子供たちの心に傷が残っている、だからこそ何か支援をしなければというところで設立されたものなんですね。  ですから、私どもが考えている以上に小さい子供の心に何が残っているのか、その子供たちが、じゃ、大きくなったらどういう影響が及ぶのか、これはまだまだ検証が始まったばかりでございます。  大臣一つお願いがございます。是非そういう子供たちとも交流をしていただきたいんですけれども、いかがでいらっしゃいますか。
  189. 今村雅弘

    国務大臣今村雅弘君) 今のお話はレインボーハウスのことも含めてのことだと受け止めまして、是非、被災地に行っても、東北のですね、皆さん方の、子供たちの話もしっかり聞いていきたいなと思います。
  190. 薬師寺みちよ

    薬師寺みちよ君 一緒に遊んでいただくだけでも子供たちというのはとても喜ぶものでございます。  実際に千七百人以上の遺児がおりますし、先ほど資料からございまして、私どもの事務所の方で教育委員会の方に問合せをしましたら、やはり両親を亡くされたり片親を亡くされた皆様方にとっては、これからがまさにその正念場だと。阪神・淡路大震災経験からも、三、四年目というのが一つの大きな山場だそうです。ようやくその山を越えたかなという子供たちの成長をこれからじっくりと私ども大人が責任を持って育んでいく、こういう姿勢が私はとても大切だと思っております。  これから、この長期的なフォローの問題というものは、先ほどの関心が薄れていくというふうなこともあって、だんだんと忘れていかれるかもしれません。でも、しっかりと誰かがそれを覚えていて、復興庁がなくなろうが何があろうが、責任を持って誰かが司令塔となって、しっかりとその子が二十歳に、少なくとも二十歳になるまで、そこを指標として追っていっていただきたいんですけれども、そこ、大臣の覚悟のほどを最後にお示しいただければと思いますが、いかがでしょうか。
  191. 今村雅弘

    国務大臣今村雅弘君) まさに、被災した当初はまだよく分からないかもしれません、子供たちは。しかし、だんだん大きくなるにつれて、いや、実はおじいちゃんがこうだ、お母さんがこうだ、そういうことがだんだん分かってくるわけでありますから、やはり周りのほかのお友達に比べるとやっぱり落ち込むことが多いかと思います。  私も孫がいますから、その気持ちになってこれからもしっかりと寄り添って、本当に寄り添って対応していきたいと思いますし、そして、私個人だけじゃなくて、やっぱり仕組みとしても、今言われたように、そういったもの、レインボーハウス等々を参考にしながら丁寧にやっていくことも今後考えていきたいというふうに思います。
  192. 薬師寺みちよ

    薬師寺みちよ君 ありがとうございます。これからも息の長い支援をよろしくお願いします。  以上、終わります。ありがとうございました。
  193. 櫻井充

    委員長櫻井充君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後四時二十九分散会