○平木大作君 先ほど申し上げました、銀行マンとして、取引先企業のそもそも、例えば売上げ情報だとか利益の情報、要するに
財務諸表の中でトップラインとボトムラインという一番大事な二つの数字書き換えてまで何でノルマを達成しなきゃいけないんだというところにやっぱり行き着くと思うんですね。
端的に、五%から一〇%、これを大きいと見るか小さいと見るかっていろいろあるかと思いますけれ
ども、やっぱりそれだけじゃないんだろうと思っております。これがどれだけ、やはりこれ経営者として、経営陣としてきちっと、どう働いてほしい、どういう業績を達成してほしい、どういう目標に向かって働いていただきたいのかという、ここが伝わる、従業員の皆さんに伝わる形でのやっぱり人事の評価の仕方ということをこれからつくっていただかないと、これもう立て直しようがやっぱりないということは改めて
指摘させていただきたい。
そして、この
第三者委員会における
調査報告書、私、よく調べているなと思いましたけれ
ども、同時に掘り下げが足りないなということもちょっと読みながら
感じました。私自身も自分の在籍した銀行が
処分を受けたことがあって、一年半にわたってコンプライアンスからいろいろ不正のいわゆる事案、
調査したことあるんですけれ
ども、例えばこんなことが
調査報告書、今回の、書いてあるんですね。
問題があった支店の従業員のコメントとしてこんなのがあります。
試算表の改ざんは銀行員としてあり得ないこと、この人たちは頭がおかしいのではないかと思ったと。私も本当にそのとおりだと思いました。もし仮にこの業績を達成して自分のボーナスが五%、一〇%増えるがために、ある
意味、これ後で分かったらもう銀行マンとしてのキャリアが全部なくなるわけです。ほかの銀行に行ったってどこも雇ってもらえるところないという、それぐらい深刻なことをそれだけやってしまうと、おかしいんじゃないかと普通思うわけですけれ
ども、この報告書、続きがありまして、こういうコメントを残していて、不正に強い抵抗感を示していた
職員が上司である課長からのプレッシャーもあって不正に手を染めるようになってしまっていたんだと。そして、それは何でかというと、組織の一員として働く上で、一個人の矜持によって不正へのハードルが低い環境にあらがうことが必ずしも容易でない環境だったからだみたいな書き方をしている。でもね、これちょっと違うと思うんです。不正へのハードルが低いといったって、銀行員としてやっぱりやっちゃいけない一線を完全に越えているんです。
そして、じゃ、これ何という言葉で報告書の中ではまとめているかというと、営業○○課の特殊性という言葉なんですね。私、
調査報告書の中に、部下がもし特殊性という言葉で原因はこれですと持ってきたら、突き返します。確かに、いろいろここで書かれている課長のプレッシャーの掛け方とかその
一つ一つを見ると、これは人間の問題なのかなとか人物の問題なのかなと思いたくなるところもあるんですけど、それを
調査報告書でやっちゃうと
意味がないわけです。
つまり、組織的な行為としてやっぱり行われてしまった以上、そこをもう一歩掘り下げて
調査していただかないと打ち手が見付からないわけですね。あの人、特殊だから
処分しろで終わってしまう可能性があるわけでありまして、ここを是非ともこれからの
調査の中できちっと明らかにしていただきたいというふうに思っております。最終的に、ちょっとこれは異常じゃないかとかこうかつじゃないかと書かれている例えばこの課長のプレッシャーの掛け方も、じゃ、何で課長はそんなことやったのかといったら、元をただせば、例えばその課長の人事評価が営業ノルマの達成によってこれだけ左右されたとかということがやっぱり後ろにあるはずなんですね。そこを改めてきちっと調べていただきたいということをお願いしたいと思います。
ここでもう一度
社長にお伺いしたいんですけれ
ども、
商工中金の使命、これ公表されているものがあるのは分かっているんですけれ
ども、分かりやすい言葉でこれ御
説明いただきたいと同時に、じゃ、この
商工中金の使命って、当然これ従業員の方にも経営陣の方にもまさにそこに向かって働いていただかなきゃいけないわけでありますけれ
ども、経営陣の皆さんあるいは一般行員の皆さんのいわゆる業績評価だとか人事評価の中に具体的にどういう形で結び付けられているのか、御紹介いただきたいと思います。