○平木大作君 今いろいろ具体的に御答弁いただきました。
私も大変評価しているところが大きいんですけれ
ども、平たく言ってしまうと、私、当時象徴的に覚えているのが、九八年の四月から私自身が
金融の業界で働き始めたわけでありますが、入社する前に卒業旅行ってよく行かれますね。そのときに私自身の頭の中に何があったかというと、自分はこれから、当時、いわゆる
銀行のATMって基本的に二十四時間やっておりませんでした、今みたいにコンビニの中にあったりすることもなくて、私が就職することになっていた
銀行というのが、当時、
日本の中で唯一、二十四時間三百六十五日ATMを稼働させていましたので、すごく先進的な
銀行に入るんだ、こういう形で胸を高鳴らせて四月から就職したわけでありますけれ
ども、三月に卒業旅行に行って、トルコに行ったんですね。トルコに行きましたら、名前聞いたこともないような
銀行がもう三百六十五日二十四時間ATM普通に稼働していまして、あれっというふうに思いました。
要するに、
一つ、これは別に規制を緩和したからできるようになったとかいうことではなくて、
金融ビッグバンってある
意味、何というんでしょうね、世界で先進的な
金融市場をつくるというその前に、そもそも当時から世界で当たり前に行われてきたことがようやく当たり前に
日本でも行われるようになったという、その
一つの端緒だったんだろうなというふうに思っております。ようやくそういった
意味で自由で公正な競争というものが始まって、ああ、じゃ、ATMみたいなものももっと稼働時間延長したらどうかとか、コンビニの中につくったらどうかとか、そういう話が広がっていったわけですね。
やっぱり本当に目指すべき、今、東京としてアジアナンバーワンということを掲げられているわけでありますけれ
ども、例えば、もう取引規模でナンバーワンとか、余りそういう抽象的なところを狙うんではなくて、やっぱりきちっとゴールを、これ何のためにそもそもやるのかというところも含めて
議論していかないと、なかなかこれ改革として実のあるものというのはできないんじゃないかと思っておりまして。例えば、そういった
意味でいくと、先ほど越智副
大臣から御紹介いただいたような、いろいろな施策によって市場が効率化して、
金融技術を高度化して、
金融機関の立場からするとグローバルな市場の中で戦える力を付けるんだと、こういうことが当時から言われていて、実際に、リーマン・ショックの後、外資系の
金融機関が軒並み力を落とす中で、今、
日本の
金融機関というのは割とグローバルに打って出て存在感を出してきている。私、それ
一つのビッグバンの成果だというふうに思っております。
一方で、じゃ、例えば個人とか家計のところから見たときに、そもそも、それ以前というのは株式の売買委託手数料も含めて全部決まっていたと、競争というものは基本的に制限されていた。こういうのが
一つずつ崩れる中で、今だと例えば株式を買おうと思ったらネット証券でクリック
一つで買えるようになったわけでありますが、当たり前になったわけでありますけれ
ども、一方で、家計にとっていわゆる資産運用とかというものが身近にはなったけれ
ども、御答弁の中にあったように、じゃ、実際にそれ使いこなせているか、資産形成、資産運用というものが我々にとって身近なものに本当の
意味でなったかというと、まだやっぱり道半ばなわけですね。ここについてきちっと検証して、そしてこれ最終的には、じゃ、東京の改革どう進めていくのかというときに、この蓄積、経験があるのって基本的には国の方にあるというふうに思っていますので、やっぱりこの連携を具体的にどう図っていただくかということに尽きるんだというふうに思っております。
そして、じゃ、東京の改革、国際
金融都市ということを掲げられているわけでありまして、今普通に公表
資料等を見ていくと、やっぱりさっき、少し冒頭に申し上げましたけれ
ども、具体像がちょっといま
一つなんですね。
こういう例えばことが書いてあります。大手町から兜町地区を、国、関係区、民間事業者とタッグを組んで、二〇二〇年には海外の高度
金融人材が集積するショーケースへと大改革するんだとあります。ちょっとどういうことかなと思ってより見てみますと、例えば内外の大手の
金融機関とか弁護士、会計事務所、こういったものを同じエリアに集積していくんだとか、あ
るいはその近くに製薬
企業とかいわゆるライフサイエンス系の
企業が集積しているんだから、そこと交流、連携活発にするんだとかいうことがいろいろいろいろありまして、何かこれが本当の
意味でアジアナンバーワンの
金融市場への道なのかなというと、ちょっとクエスチョンなんですね、私自身は。
そこでまたお伺いしたいんですが、今、東京として掲げているこの
金融改革、目指すべきビジョンを今国としてどの程度共有できているのか、あ
るいは、そもそもこの東京が国際
金融市場として発展することで
日本の例えば家計とか
企業にとってどういう恩恵というものが今
考えられるのか、この点についてお伺いしたいと思います。