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2017-04-25 第193回国会 参議院 国土交通委員会 第11号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二十九年四月二十五日(火曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員異動  四月二十日     辞任         補欠選任      小川 敏夫君     羽田雄一郎君  四月二十一日     辞任         補欠選任      辰巳孝太郎君     山添  拓君  四月二十四日     辞任         補欠選任      室井 邦彦君     高木かおり君  四月二十五日     辞任         補欠選任      末松 信介君    渡辺美知太郎君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         増子 輝彦君     理 事                 井上 義行君                 石井 正弘君                 酒井 庸行君                 長浜 博行君                 新妻 秀規君     委 員                 足立 敏之君                 青木 一彦君                 朝日健太郎君                 大野 泰正君                 金子原二郎君                 中野 正志君                 長谷川 岳君                 福岡 資麿君                 吉田 博美君                渡辺美知太郎君                 野田 国義君                 羽田雄一郎君                 鉢呂 吉雄君                 魚住裕一郎君                 高瀬 弘美君                 山添  拓君                 高木かおり君                 青木  愛君                 行田 邦子君    国務大臣        国土交通大臣   石井 啓一君    副大臣        財務副大臣    大塚  拓君        国土交通大臣  田中 良生君    大臣政務官        総務大臣政務官  冨樫 博之君        国土交通大臣政        務官       藤井比早之君        国土交通大臣政        務官       大野 泰正君    事務局側        常任委員会専門        員        田中 利幸君    政府参考人        財務省理財局次        長        北村  信君        農林水産省農村        振興局農村政策        部長       新井  毅君        国土交通省都市        局長       栗田 卓也君        国土交通省水管        理・国土保全局        長        山田 邦博君        国土交通省道路        局長       石川 雄一君        国土交通省住宅        局長       由木 文彦君        国土交通省航空        局長       佐藤 善信君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○都市緑地法等の一部を改正する法律案内閣提  出、衆議院送付)     ─────────────
  2. 増子輝彦

    委員長増子輝彦君) ただいまから国土交通委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  昨日までに、小川敏夫君、辰巳孝太郎君及び室井邦彦君が委員辞任され、その補欠として羽田雄一郎君、山添拓君及び高木かおり君が選任されました。     ─────────────
  3. 増子輝彦

    委員長増子輝彦君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  都市緑地法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、国土交通省都市局長栗田卓也君外六名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 増子輝彦

    委員長増子輝彦君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  5. 増子輝彦

    委員長増子輝彦君) 都市緑地法等の一部を改正する法律案を議題といたします。  本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  6. 足立敏之

    足立敏之君 自由民主党の足立敏之でございます。今国会に提出されました都市緑地法等の一部改正案につきまして質問をさせていただきます。  私は、国土交通省で長らく勤務をさせていただきまして、四国、中部の整備局長として、あるいは近畿の企画部長として、公園事業につきましても携わらせていただきました。本日は、その経験も踏まえまして質問をさせていただきます。  まず、都市公園といいますと、私にとりましては、皆様もそうかもしれませんが、ブランコとか滑り台とか鉄棒とか砂場とかジャングルジムだとか、そういった遊具が画一的に配置されている児童公園、これが頭に浮かびます。高度成長期子供たちにとりましては安全に遊ぶことができる貴重な空間であり、かつては元気に遊び回る子供たちの声があふれていたように思います。しかし、最近では、少子化や子供たち生活パターン変化で、あちらこちらで設備も古びてしまい、閑散とした小さな公園が目に付くようになってまいりました。もったいない、そのように感じております。  私にとりまして公園に対する考え方が変わりましたのは、実は新婚旅行でニュージーランドのクライストチャーチを訪れたのがきっかけでございます。お手元資料を配付させていただきましたが、ハグレイ公園というんですけれども、豊かな森のある広大な緑地の中で人々がゆったりと散策を楽しみまして、そんな中を自然豊かな川が流れ、そこで川遊びをする人たちがいる、そんな光景を目にしてから公園に対する考え方が大きく変わりました。児童公園の中で与えられた遊具で遊ぶのではなくて、ゆったりとそこで過ごすことのできる、そういう公園に憧れを持ちました。  そのような目で見ると、都内にも新宿御苑だとか代々木公園、砧公園など魅力的な公園があります。しかし、そのような公園は限定的でありまして、わざわざ出かけていかなければ体験できません。こうした公園をもっと身近に何とか増やせないか、私はそういうふうに思っております。  最近の東京を見てみますと、少しずつ変化が生じてきているように思います。六本木ヒルズミッドタウン二子玉川など大規模な市街地再開発に合わせまして、ゆったりと過ごすことのできる緑とオープンスペース整備され、そういう雰囲気を楽しむため、たくさんの皆さんがそこに訪れています。こうした公園をもっともっと増やしていただきたい、私はそういうふうに思っております。  恐らく国土交通省皆さんにも、特に都市局皆さんには、都市公園に対して様々な熱い思いがあるのではないでしょうか。都市においてこれからの公園はどのような考え方で造っていくべきか、お考えを伺います。
  7. 栗田卓也

    政府参考人栗田卓也君) 都市公園は、良好な都市環境を形成し、市民レクリエーション活動健康活動文化活動等の場となるとともに、災害時の避難場所となる場を提供するなど、都市において多様な役割を有しております。これまでに都市公園計画的な整備を進めてきた結果、平成二十七年度末現在での全国面積は約十二万四千ヘクタールに達しております。一人当たりの都市公園面積は約十・三平米となっております。  他方、質的側面に着目いたしますと、都市公園に求められる役割時代背景によって変化するものでもございます。かつては、先ほど御指摘ございましたような、児童利用を前提として遊具中心とした公園整備、ここに注力をしていた時期もございました。しかしながら、社会が成熟し、人々公園に対するニーズが多様化する中にありましては、にぎわいや交流、美しい空間整備といった観点から、多様な世代に向けて公園魅力を上げていくことをより重視すべき時期に来ていると考えております。  こうした認識の下、老朽化した施設を適切に更新しつつ、より魅力ある公園へとリニューアルすることで地域魅力を高めるような都市公園整備推進してまいりたいと考えております。この際、地方公共団体財政制約も踏まえますと、先ほどヒルズミッドタウンの例も御紹介いただきました、民間活力を最大限活用していくことが重要と考えているところでございます。
  8. 足立敏之

    足立敏之君 是非ともそうした考え方でしっかりと進めていっていただきたいというふうに思います。今回の法改正はまさにそうした取組を進めていくための大事な道具立てが盛り込まれたものだというふうに思いますので、よろしくお願いしたいと思います。  さて、今後の公園を考えるに当たりまして、今もお話がございましたけれども、私は、既存公園の再構築、そして、町の顔となる公園個性創出ブランド化というふうにも言うようですけれども、この二つが大事だというふうに思っております。  まず、既存公園の再構築について伺います。  あるべき公園の姿を全く新たに具現化するには、財政的に見ても用地確保の面から見てもなかなか厳しいものがあるというふうに思います。それなら、先ほどもお話がありましたとおり、今ある公園をしっかりリニューアルをして、まさに再構築していく取組が大事だというふうに思っております。しかし、再構築にも財政的な厳しさが付いて回ります。そのため、民間活力を導入する、民間など多様な担い手に参画していただく、そんな仕組みが大事だというふうに思います。  お手元に配付した資料三の方ですね、民間営業施設を導入した南池袋公園でございます。私も伺いました。平日の昼間ではありましたけれども、写真で見ていただいたような魅力あふれる雰囲気でありました。こうした取組を可能にするのが今回の法改正一つの目的だというふうに思っております。  今回の法改正で考えている民間活力活用してリノベーションしていく、そういったこれまでの成功事例、これを二、三紹介していただきますとともに、今後の見通しについて伺いたいと思います。
  9. 栗田卓也

    政府参考人栗田卓也君) 現行制度民間活力により公園を再生、活性化している事例を幾つか御紹介したいと思います。  一つ目、今議員から御紹介ございました池袋駅から徒歩五分程度に立地します豊島区の南池袋公園でございます。この公園は、以前は施設も老朽化し、人が余り寄り付かない公園でありましたけれども、豊島区が平成二十八年に全面的にリニューアルしております。芝生広場等整備するとともに、地元資本レストランが出店しまして、公園活性化に成功した事例というように考えております。  二つ目としまして、琵琶湖の湖岸に位置します滋賀県大津市の大津湖岸なぎさ公園でございます。この公園は、公園の一部のエリアにおきまして、大津市が芝生広場園路などを整備するとともに、まちづくり会社飲食店施設整備を行いまして、地元事業者がテナントとしてカフェレストランなど四店舗を運営している事例でございます。  三つ目、静岡県藤枝市の蓮花寺池公園がございます。この公園では、地方公共団体が屋内型の子供遊び場駐車場整備するとともに、同じエリア民間事業者、これ全国チェーンコーヒー店でございますが、出店をしております。  いずれの事例も、地方公共団体民間事業者取組が組み合わさりまして、大変多くの方が訪れる地域にぎわいの拠点となっておるということで成功例と考えております。  今般の法改正では、このような取組をより一層推進する仕組みとして、公募による公共還元型の収益施設設置管理制度を創設することとしております。本制度は、園路広場など、これまで地方公共団体整備していた施設民間事業者に一体的に計画整備管理していただくものでございます。民間活力による地域魅力を高めるような都市公園リニューアル各地推進してまいりたいと考えております。
  10. 足立敏之

    足立敏之君 ありがとうございました。  民間のセンスを入れて魅力的な公園を増やしていただきたい、そういうふうに思っております。  次に、町の顔となります公園個性創出公園ブランド化という観点で伺いたいと思います。  配付資料の二を御覧いただければと思います。  四国高知県の東部に北川村という人口千三百人ぐらいの小さな村がございます。坂本龍馬の盟友の中岡慎太郎が生まれたところでもありますが、いわゆる四国8の字ネットワークと呼ばれる高速道路のうち、徳島から室戸岬の方を回って高知と結ぶ区間がまだつながっていないため、交通の便は良くありません。  ここに、しかし、北川モネ庭マルモッタンという公園がございます。印象派の画家クロード・モネのフランスにありますジベルニーという、そこにあります庭、それを再現した公園でございます。今の村長の上村さんが若い頃、現地と直接して、ちゃんと本家の許可を得て導入し、名前もいただいた公園です。実にこれがいい、そういうふうに思います。モネの「睡蓮」の絵のとおりの池があり、橋があります。こういう魅力のあるブランドをしっかり有する公園が大事だというふうに思っております。ちょっと遠いんですけれども、是非とも皆様にも一度訪れていただければ有り難いというふうに思います。  こうしたブランドを大事にするには、特にこうした地方部におきましては行政役割が大事であります。このモネの庭も村主導整備したものでございます。こうした魅力ある施設にとっても、更新も大事ですし、メンテナンスも必要になってきます。地方の自治体が頑張って維持しているレベルの高い超一流のこうした施設に対しまして国としてどのような支援ができるのか、伺いたいと思います。
  11. 栗田卓也

    政府参考人栗田卓也君) いわゆる公園というように申しますと、都市公園法に基づきまして主として都市計画区域内で設置される都市公園以外にも、今御紹介がありましたようなモネの庭のように、地方公共団体条例等に基づきまして独自に設置管理している公園もございます。地域ブランド価値向上につながっているものも多数あると思います。  このような地方公共団体が独自に設置管理し、地域魅力を高めるような公園整備につきましては、都市計画区域外に位置しまして農山漁村地域生活環境向上に資する公園で、一定の要件を満たすものにつきましては、これまでも社会資本整備総合交付金により支援を行っているところでございます。  また、地方公共団体が独自に設置されておられる公園の場合、都市公園のように施設設置管理許可期間ですとか建蔽率等制約がございません。したがいまして、独自に工夫をいただいて、民間活力活用した質の高い公園整備を行っていただくこともまた可能であるというようにも考えております。  今後とも、今般の法改正趣旨を、都市公園に限らず、条例等に基づく公園整備管理にも生かしていただきますように幅広く周知していくことで、地域魅力を高めるような公園整備を進めてまいりたいと考えております。
  12. 足立敏之

    足立敏之君 ありがとうございます。  是非地方で頑張っている、きらりと光るようなこうした施設に国としてもしっかり支援ができるように検討を進めていただきたいというふうに思います。  また、今日は道路局長には声を掛けておりませんが、四国8の字ネットワークという高速道路ネットワークについても、このモネの庭のためだけではなくて、南海トラフ巨大地震対応というような観点からも、一日も早く整備するようにお願いをしたいというふうに思います。  次に、都市における緑地保全について伺いたいと思います。  緑地を開発してどんどん宅地化する時代ではなくなったと思います。一方、人口の減少に伴いまして、都市内で使い道のない空き地が増えていくことに対して、緑地の有する多機能性を考慮して保全、確保していくことが大事だというふうに考えます。しかし、都市緑地もしっかり管理しなければ荒れ果てていきます。少しでもそうしたことに歯止めを掛けるには、緑地管理担い手を幅広く市民団体NPO法人企業等に広げていくことが大切だというふうに思います。  今回の法改正で考えている、都市緑地維持管理担い手として民間主体対象に加える効果について伺います。また、その民間に緑という分野で専門的な技術を有する造園業者皆さん是非参画していただきたいと思いますけれども、その可能性があるのか、併せて伺います。
  13. 栗田卓也

    政府参考人栗田卓也君) 都市における緑地は、潤いのある豊かな都市空間の形成に不可欠なものでございます。しかし、財政制約等から、地方公共団体公園緑地整備維持保全を自ら行うことが困難となってきておりまして、民間の力を最大限活用することも重要と考えております。  現在でも、まちづくり会社自治会等住民団体が広く住民利用するような緑地整備管理している例が見られます。また、企業等が質の高い緑地中心市街地等で自ら創出して管理している取組も増えてきているところでございます。  これまで、緑地保全等活動を行っていただく者を認知する制度でございます緑地保全緑化推進法人、この指定対象は社団、財団、NPO法人等に限られておりました。今般の法改正におきまして、このような都市緑地保全及び緑化推進に資する活動を行っている民間会社等緑地保全緑化推進法人対象に追加することとしたいと考えております。  このような民間会社等を公的に信任し緑地創出担い手としての位置付けを持っていただくことでその取組を一層推進して、地方公共団体による緑地保全緑化推進を補完していただきたいと考えております。  造園会社につきましてのお尋ねがございました。  造園会社は元々、緑地保全あるいは緑化推進に関する技術、ノウハウを備えた専門家集団でございます。現在、全国各地で百五十社以上の造園会社指定管理者として都市公園管理運営を行っております。このように、豊かな実績を有する多くの造園会社緑地保全緑化推進法人位置付けを得て、緑地保全緑化推進担い手として今後ますます活躍いただけるものと期待しておるところでございます。
  14. 足立敏之

    足立敏之君 どうもありがとうございました。  造園業界皆さんは、緑の専門家として活躍できる大事な担い手であります。また、そこに住んで、災害時には地域守り手としても活躍していただいている方々でもございます。是非とも、技術と意欲のある造園業界皆さんにこうした分野への参画を期待したいというふうに思います。また、造園業界皆様にも、そのようなチャンスが訪れたときにしっかりと活躍できるように日頃から準備に努めていただきたいと、そういうふうに思っております。  そのほかにも、今回の法改正では、都市公園内で保育所などの施設設置することを可能にしたり、用途地域として田園住居地域を創設して農地と調和した住居環境を保護するなど、重要な施策がたくさん盛り込まれております。私は賛成の立場でございますので、できるだけ速やかに法改正を行い、実施に移していっていただきたいというふうに思います。よろしくお願いいたします。  続きまして、まちづくりにおけます川や水辺活用について伺いたいと思います。  都市において公園緑地農地などとともに大事な要素が川や水辺だというふうに思っております。しかし、私などは河川管理者立場で、どうしても川の中からだけで考える、あるいは川の方だけから見て考える、そういうような狭い視野でこれまで川を考えてきてしまったのではないかというふうに反省をいたしております。  最近ようやく、かわまちづくりといいまして、一歩進めて、川だけではなくて背後地との連携も含めて川づくりを考えていこうという取組が出てき始めました。東京の日本橋川、大阪道頓堀川、広島の太田川、徳島新町川などが代表的な例だと思います。  配付した資料四でございますが、徳島新町川でございます。これまで川に背を向けていたお店が川に向けて扉を設けて、町が川に向けて開かれてきている、そういうような象徴的な川でもございます。こうしたかわまちづくりの実情とその効果について伺いたいと思います。
  15. 山田邦博

    政府参考人山田邦博君) お答えをいたします。  委員指摘のかわまちづくりでございますが、これは市町村、それから民間事業者地域方々等連携をいたしまして、川が有します自然、歴史、安らぎ等魅力地域の資源として活用することによりまして、町に新たな人の流れをつくり、にぎわいの場の創出や、あるいは観光振興などの地域活性化を行うものでございます。  そのため、国土交通省では、かわまちづくり支援制度によりまして、水辺基盤整備や、あるいは民間事業者方々によります河川利用制度促進など、ハード、ソフトの両面から支援をしているところでございます。  この支援制度には、今年度新規に登録されました十二か所を含めて百六十九か所が登録されておりまして、全国各地でかわまちづくりが進められているところでございます。  例えば、先ほど委員も御紹介にございました大阪市の道頓堀川でございますが、川沿いの遊歩道を整備するとともに、民間事業者によります水辺空間活用を行ったところ、これまで川に背を向けていた店舗が、平成二十七年度時点で七十八軒、川側に入口を設けるなど、川に面した空間が一変して更ににぎわいのある観光地となっております。  また、広島市の京橋川は、繁華街や駅も近い市の中心部にありながら、かつては人通りの少ない川でございましたが、平成十六年から川沿いオープンカフェ設置を開始して以降、今では八軒の店舗が建ち並び、平成二十七年度には年間八万人を超える利用客が昼夜を問わず水辺飲食を楽しむ新しい広島にぎわいの場になっております。  御紹介いたしました地域のように、川の魅力活用して地域活性化を行うかわまちづくり全国各地で進められているところでございまして、国土交通省といたしましては、今後も引き続き市町村地域皆様によるかわまちづくり支援してまいりたいと考えているところでございます。
  16. 足立敏之

    足立敏之君 ありがとうございました。  御紹介のありました広島京橋川の川沿いレストランですけれども、先週ちょっと行ってまいりまして、ちょっと一杯ビールをいただいてまいりましたけれども、とてもすばらしい雰囲気で良かったと思います。  ただ、全国的にかわまちづくり見ますと、まだまだお化粧だけ、川だけで考えているという取組も見られます。若干苦言を呈するようでございますけれども、しっかりとまちづくりと一体となってこれから整備を進めていっていただきたいというふうに思います。  次に、最近、まあ一部だと思いますが、注目を集め始めているミズベリングという新たな活動について伺いたいと思います。  私が国土交通省水管理国土保全局長山田さんの四代前の局長をしていたときには、私自身は他の業務に追われておりまして余り関わることはできませんでしたけれども、このミズベリングは、行政は主役ではなくて市民企業主体となったいわゆるソーシャルデザイン、エリアマネジメント的な考え方のものだと聞いております。水辺きっかけに、町を楽しく豊かな暮らしを実現するような場として取り込んでいこうというような動きというふうに聞いております。  配付した資料は岐阜県高山市の宮川の例でございますけれども、私のような河川管理に携わった者にとりましては、洪水が来るかもしれないような空間にこんな施設を設けるのはとても驚くべき光景ではございますけれども、これもまた市民ならではのユニークで画期的な取組が始まっているように思います。  ミズベリングのこれからの可能性、そしてまちづくりに与える効果について伺いたいと思います。
  17. 山田邦博

    政府参考人山田邦博君) お答えいたします。  ミズベリングは、これまで身近にある川をほとんど意識していなかった人々ですとか、あるいは民間企業方々が改めて川の価値を見出して主体的に川の魅力活用しようとする新しい活動でございます。国土交通省といたしましても、この水辺への関心を高める機会の提供などによりましてこの活動を積極的に支援しているところでございます。  平成二十六年に活動を開始して以降、地元市町村民間企業地域住民などが連携し協力し合う動きが広がり始め、様々な立場の参加者が自由な発想で水辺活用のアイデアを提示し、各地域においてアイデアを実現させるため、全国で五十件を超えるミズベリング会議が開催され、これまでの水辺活用の殻を破った活動が繰り広げられているところでございます。  例えば、新潟市の信濃川では、地域住民皆様による水辺活用の人気投票を行うなどのミズベリング活動によりまして、新潟市内の飲食店経営者の水辺への関心が一気に高まりました。これを受けまして、平成二十八年に都市地域再生等利用区域に指定をし、河川敷を活用した期間限定の十一軒の店舗営業が実現をいたしました。その結果、夏場を中心とした三か月間で推計約三万人の利用客でにぎわったところでございまして、今後は利用区域全体での飲食店や売店等の営業活動につきまして、民間事業者中心にしたエリアマネジメントが開始される予定でございます。  このように、ミズベリング活動にはマーケティングや地域ブランド化に関するノウハウを有する民間企業の関わりが重要であると考えているところでございます。多くの参加者がこれまでにない斬新な視点で主体的な水辺活用を行おうとするミズベリング活動は、魅力個性あふれるまちづくりを進めていく上で大変効果的であると考えておりまして、国土交通省といたしましては、今後とも全国でこのような活動が進むよう支援してまいりたいと考えているところでございます。
  18. 足立敏之

    足立敏之君 ありがとうございました。  未来を先取りしたようなすばらしい取組だというふうに思いますので、是非ともこれもまちづくりと一体となって進むようにお願いをしたいというふうに思います。大臣、副大臣、政務官都市局長にも是非ともこの取組を応援していただければ有り難いというふうに思います。  それでは、最後の質問に参ります。  これからの美しく豊かなまちづくり、大変大事なことだというふうに思います。今お話をしました水辺活用して町を楽しく豊かな空間にしていく取組も大事な取組だというふうに思います。今回の法改正を契機として、水辺活用も含めまして、すばらしいまちづくりが進むように私も期待をいたしております。  これからの美しく豊かなまちづくりに向けまして、水辺空間活用も含めまして、大臣の御決意を伺いたいと思います。
  19. 石井啓一

    ○国務大臣石井啓一君) 都市における公園緑地、河川空間等のオープンスペースは、景観、環境、防災、にぎわい等の多面的な機能を有し、美しく潤いのある都市空間の形成に不可欠であります。また、美しく緑豊かなまちづくりを進めるためには、まちづくり主体である地方公共団体が多様な主体の参画を得つつ、地域の自然や文化に根差した魅力個性あふれるまちづくりを進めることが重要と考えております。  特に、人口減少社会におきましては、地方公共団体の財政等の制約の下、このようなオープンスペースを生み出し、守り育てるためには、民間の力も最大限活用することが重要であります。このため、今回の法案に公共還元型の収益施設設置管理制度等の施策を盛り込んだところであります。また、河川が有する魅力活用し、町に新たなにぎわい創出するミズベリング活動などを通じたかわまちづくり取組推進することで、オープンスペースの質を向上させ、地域魅力向上につなげてまいりたいと考えております。  こういった取組を通じまして、水辺空間を含め、美しく緑豊かな都市空間の形成に全力で取り組んでまいりたいと考えております。
  20. 足立敏之

    足立敏之君 石井大臣のリーダーシップに大いに期待をしまして、質問を終えたいと思います。  ありがとうございました。
  21. 野田国義

    ○野田国義君 おはようございます。民進党の野田国義です。  この都市緑地法の前に、前回のこの国土交通委員会、大塚財務副大臣ですね、おいでいただいて、辰巳孝太郎議員の質問だったと思いますけれども、本件は相当政治的な問題になっている、一般的に与党の理事に相談するのは普通だと発言をされまして、この委員会室もどよめきが起こったということでございまして、この件が、私は本当に非常にゆゆしき問題というか、行政と与党がつるめば情報が出てこないということになるわけでございますけれども、今日は大塚副大臣にもおいでいただいておりますけれども、この真意を是非とも御説明いただきたいと思います。
  22. 大塚拓

    ○副大臣(大塚拓君) 前回、国土交通委員会、お呼びをいただきまして答弁をしたところでございますけれども、森友学園に対する国有地の処分に関しては、これまでも契約書とか鑑定評価書とかいろいろな資料をお示しするとともに、国会審議の中でも丁寧に御説明をしてきているところでございます。  このほかにも、国会議員や報道関係者などから関連資料について大変多くの御依頼をいただいている状況になっておりまして、理財局において提出に向けて不開示情報の有無の確認など必要な作業、これかなり業務量増えておりますので、ここ二、三か月終電で帰れないという職員も結構いる状況にはなっておりますけれども、全力でこれに取り組んでいるところでございます。  先般、これ四月二十日の当委員会での質疑について、改めまして私も確認をいたしましたけれども、辰巳委員の財務省に対する資料要求については参議院予算委員会理事会協議事項となっているものに関してでございまして、委員会の運営に影響を与えることのないよう、与野党を含めた理事会の御指示を仰ぎつつ対応することになるのはこれ当然のことと思いますけれども、その過程において、一般的に与党の理事に相談するのも普通であるというふうに述べたところでございます。(発言する者あり)  いずれにせよ、国会議員からの資料要求に対しては、今後とも可能な限り協力してまいりたいと存じます。
  23. 野田国義

    ○野田国義君 それだけではないというような声も聞こえておりますけれども。  これ、本当にそういうことが行われるということになれば、今副大臣おっしゃいましたけれども、今全く国会あるいは国民の目から見てもこの資料が出てこないということ、これが一番、私、以前からこの委員会でも指摘をさせていただいておりますけれども、とにかく情報開示をしないことには議論ができないということでございまして、これは非常に大きな問題である。そしてまた、かつ、それを検閲するがごとくやっていく、そしてそれが結果的には隠蔽につながるということではなかろうかと思いますけれども、これが日常茶飯事に行われているということになれば、私は大きな問題ではないかと思っているところでございますけれども、大臣、いかがでしょうか。
  24. 大塚拓

    ○副大臣(大塚拓君) 大臣に格を上げていただきましたが、副大臣でございますけれども。  国会議員からの資料要求に関しては、これは基本的に、法令上の根拠のある場合もない場合も可能な限り丁寧に対応しようということでやっているところでございます。  ただ、提供すべき情報の範囲、これも一般的にお問合せをいただいた場合は、法令上何か定めがあるわけではないわけですけれども、できるだけ出していく中でも、当然個人情報など不開示情報、情報公開法上のですね、に該当する場合は、これは慎重に、どこが出してはいけない情報に当たるかということは慎重に見極めなければいけないわけですけれども、いずれにしても可能な限り協力させていただいているところでございまして、ただ、その不開示情報の確認などには一定の時間が掛かるということは先ほども申し上げたとおりでございますけれども。  その上で、これは、中でも委員会において理事会協議事項となっている資料については、これは与野党の理事の先生方に御相談をしていかないといけないわけでございますので、その中で適宜適切に、これは委員会の運営に関わることでございますので、それについては丁寧に相談をさせていただきながら、委員会の運営に影響を与えることがないように進めていくということになるわけでございます。  また、委員会として資料要求、情報要求をされるということになると、また手続が変わってまいりますので、そうしたことも踏まえて丁寧に対応させていただいているところでございます。  隠蔽というようなことは全くございませんので、はっきり申し上げておきたいと存じます。
  25. 野田国義

    ○野田国義君 都合の悪いそういった資料は開示しないということになれば本当にこれは大きな問題でございますので、是非ともそういうことがないように、特に、今回の森友学園の問題につきましては、この情報を破棄した、情報が出てこないというところに一番大きな問題があると思うところでございますので、財務省としてもよろしくお願いをしたいと思っております。  それで、石井大臣、国交省でも同じような扱いをされているのでしょうか。
  26. 石井啓一

    ○国務大臣石井啓一君) 森友学園の件につきましては、これまでも与野党を問わず様々な資料要求を受けているところでございますが、情報公開法上の不開示情報に該当する部分がないか否かを精査した上で、提出可能なものについては提出をするなど、必要な対応を行っております。  なお、当該資料民間事業者から入手した情報が含まれている場合については、公表に当たりまして当該民間事業者の了解が必要となる場合がありまして、その場合、了解が得られなければ資料を提出できないこともございます。  いずれにいたしましても、可能な限り資料要求には丁寧に対応してまいりたいと考えております。
  27. 野田国義

    ○野田国義君 この間、大塚副大臣が発言をされた、先ほども私、披瀝いたしましたけれども、本件は相当政治的な問題になっている、一般的に与党の理事に相談するのは普通だというような発言をされたわけでございますけれども、石井大臣としては、このことについてどう思われるのでしょうか。
  28. 石井啓一

    ○国務大臣石井啓一君) 要求された資料を公表するか否かが理事会の協議事項となっている場合には、資料の公表に当たり、関係する委員の先生方に事前に御説明をする必要があるというふうには考えております。
  29. 野田国義

    ○野田国義君 これは恐らく理事会で、必要事項ではなくて、八億円の値引きをした根拠となる地下埋設物の確認場所を記した地図などを出してほしいということを要求したということだったと思います。それを出せないということでございますので、そういった問題ではなかろうと思いますので、こういうことにつきましては、是非とも、やはり情報開示ということがまた国会あるいは国民に対する説明責任につながるということでございますので、情報をしっかりと提供していただく、このことが私は審議をする上でも重要なことだと思いますので、よろしくお願いをしたいと思います。  それでは、都市緑地法の質問に移らせていただきたいと思います。あっ、失礼いたしました、その前に、財務省。この間から、これは毎日新聞だったと思いますけれども、近畿財務局の国有地の取引をめぐるトラブルということで記事になっておったところでございますけれども、二〇〇四年十一月が、兵庫県の西宮の土地を売却後に土壌汚染が確認され不動産会社が提訴、そして二千百万円の賠償をした。あるいは二〇〇七年五月ですか、大津市の土地を売却、二〇〇八年十一月に土壌汚染が確認され、契約破棄と損害賠償に応じるというような記事、それから森友学園の問題、隣の豊中市の公園の問題等々いろいろなことが起こっておりまして、これは事実かどうか、まず確認をさせていただきたいと思います。
  30. 北村信

    政府参考人(北村信君) お答えいたします。  まず、御指摘のありました三件のうち、兵庫県西宮市の国有地につきましては、平成七年に近畿財務局が相続税物納を受け、平成十六年十一月に民間事業者へ一般競争入札により売却したものでございます。  この土地につきましては、売却後、地中から産業廃棄物及び土壌汚染が確認され、その除去費用が高額となることが見込まれたために、平成十七年九月に契約解除に至ったものでございます。解除後も損害賠償について相手方と協議を行ってまいりましたが、平成十八年十一月に相手方より損害賠償請求訴訟が提起され、平成二十一年十一月の大阪高等裁判所の判決に基づき、相手方が負担した土壌調査費用等を損害賠償として支払ったところでございます。  次に、滋賀県大津市の国有地につきましては、昭和三十三年、米軍からの返還を受けまして、昭和五十一年まで陸上自衛隊の訓練場として使用されておりましたけれども、訓練場としての使用終了に伴い近畿財務局が引き受け、平成十九年五月に民間事業者へ一般競争入札により売却したものでございます。  この土地につきましては、売却後、地中から有害物質を含む地下埋設物及び土壌汚染が確認され、その除去費用が高額となることが見込まれたため、平成二十年十一月に契約解除に至ったものでございます。  なお、契約解除により、国有地の売買代金を返還したほか、相手方が負担した地下埋設物撤去費用等を損害賠償金として支払っているところでございます。  三つ目に、豊中市の国有地につきましては、国土交通省所管の自動車安全特別会計空港整備勘定所属の国有地であり、財務省近畿財務局が国土交通省大阪航空局より事務委任を受けて、平成二十二年三月、約十四億円で豊中市に対して公園用地として売却をしております。  この国有地の処分に当たっては、明らかになっておりました地下埋設物の存在を事前に説明した上で、売買契約書にも、地下埋設物調査に関する報告書に記載の内容の地下埋設物が存在していることを了承した上、売買物件を買い受けるものとするとの条項が盛り込まれており、国と豊中市双方合意の上で売買契約を締結したところでございます。  なお、この売買契約には引渡しから二年間の瑕疵担保条項が盛り込まれておりまして、売却後に明らかになった土壌汚染については、これに基づき対応しているところでございます。  以上でございます。
  31. 野田国義

    ○野田国義君 この問題、今いろいろと言い訳されましたけれども、結果的には、ここの記事も指摘いたしておりますように、非常に調査がずさんだと、事前の調査がですね。こんなことあっちゃいけないんじゃないですか。  ある意味では皆さんプロでありますから、こんなことが頻繁に行われていると、調査がずさんであるということ、これは非常に問題であると思いますので、しっかり今後取り組んでいただきたいと思いますし、せっかく大塚副大臣おいでいただいておりますので、このことについてもよかったら一言お願いしたいと思います。
  32. 大塚拓

    ○副大臣(大塚拓君) できるだけずさんと言われることがないように、しっかり丁寧に調査をして進めていくべきものだというふうに思っておりますので、今後ともしっかり対応していきたいというふうに思います。
  33. 野田国義

    ○野田国義君 国民の財産でありますので、しっかりこの辺りのところはしていただきたいと思います。  それでは、都市緑地法の方に移らせていただきます。  大塚副大臣、どうもありがとうございました。
  34. 増子輝彦

    委員長増子輝彦君) 大塚副大臣におきましては退席して結構でございます。
  35. 野田国義

    ○野田国義君 この問題、都市公園でございますけれども、足立議員の方から本当にいろいろな紹介もあって非常に勉強にもなりましたけれども、私も、外国に行ってというか、ちょっとすごいなと思ったのは、メルボルンですか、あそこの公園もすごくて、日本と違って公園があるところに人が移り住んでいく、そして都市が形成される、そういう説明を受けまして、随分日本と違うんだなと、そういう思いがしたところでございます。  それから、本当に公園というのを造っていくのは大切なんだということで私もやらせていただいたわけでありますけれども、今日、本当、また新緑、若葉が非常にみずみずしくて、緑っていいなと、ちょっと肌寒い気候にはなっておりますけれども、そういう思いをしながら宿舎から歩いてきたところでございます。  そこで、都市公園の中で、今回の法律案は、昨年からずっと問題になっております保育園の問題、これは特区でやるということでございました。  それで、私も、汐入ですか、それから祖師谷、成城学園の保育所を視察に行ってまいったところでございますし、また、この保育所の問題については非常に私も経験上、何というか、この間から問題になりました子供たちの声がいわゆる騒音だと、私もこの経験がございまして、本当にもう悲しい思いをいたしました。逆に、子供たちの声が聞こえない、町の中で、そういう時代になったと言われております。しかし、保育所をそこに造ろうとすると、こんなことまでおっしゃったんです、悪魔の声に聞こえると。本当に悲しい思いがしたところでございますけれども、しかし、これは私の地元だけじゃなくて、やっぱり全国いろいろなところでそういった問題が起きているということが明らかになったところでございますけれども。  当然、公園保育所を開設をするということになりますと、騒音の問題、今申し上げました、それから、当然送り迎えを子供たちやるわけでございますけれども、そういったスペースの確保、それから、当然公園内でございますから、安心、安全、防犯的なことも含めて、その辺りのところをどうお考えになっておるのか、お聞きしたいと思います。
  36. 栗田卓也

    政府参考人栗田卓也君) 公園での保育所設置についてのお尋ねでございます。今、子供たちの声の問題ということ、それから送迎の車の問題ということの御指摘がございました。  公園は元々子供の遊び場でございますので、公園内に保育所設置した場合、周辺の公園空間そのものが音が伝わりにくくなるという意味での緩衝地帯となるということでございます。また、駐車場公園には設置されている場合も多くございますので、子供たちの声の問題ですとか、送迎の車による道路混雑の問題はそもそも起こりにくいというようには考えております。  国家戦略特区についての委員からのお話もございました。これまでに、公園内で国家戦略特別区域の制度によりまして設置が認められております十五か所につきましては、保育所設置と併せまして駐車場設置を求めたものもございます。  これまで地域との関係で御指摘のような点について特段問題となっているものはないと承知しておりますので、そのような運用も参考にしながら、今回お認めいただきましたら、適切に運用してまいりたいと考えております。
  37. 野田国義

    ○野田国義君 本当に、自治体としては非常にこの公園のスペースを使えるというのは有り難いなと恐らくみんな思っておられるんじゃなかろうかと思いますので、有効活用という意味では非常にいいんではなかろうかと思いますので、そういった騒音とか先ほど指摘いたしました問題点をクリアするようにしながら、前へ是非とも進めていただきたいと思うところであります。  それで、公園活性化に関するメリットとデメリットについてお聞きしたいと思いますけれども、これは本当に公園づくりも、御承知のとおり、ワークショップ、市民との協働によって公園をどういう公園にしていくのかというようなことで進めていくということだと思います。  今回、収益施設としてカフェなど飲食店とか売店ができるということ、これも本当に、公園を造るときに、そういうちょっとおしゃれなカフェがあればいいなとか発想をするわけですよね。また、地元の方からもそういった要望等があるということでございますので、非常にいいんではなかろうかと思いますし、またPFI事業によりましてプールとか水族館等の事業もやっていくということでございます。  そこで、公園管理者と民間施設設置運営者、それから近隣の事業者が公園活性化方策について協議、そして協議の設置の場を設けながら前に進めていくということでございますけれども、メリットしか私はちょっと見えませんけれども、このデメリットということからすれば、私が一つ思うのは、そこが、何というか、経営破綻というか撤退せざるを得ないとか、そういうこともできてくると思います、収益施設でございますので。その辺りのところをちょっと、デメリット的なところをどうお考えになっているのか聞きたいと思います。
  38. 栗田卓也

    政府参考人栗田卓也君) まず、今いろいろ御指摘いただきましたように、今回の制度、この公募型の制度によりまして公園利用者の利便が向上するということで、大きなメリットを私たち期待して制度の御提案を差し上げております。  ただ、その中で、今お話がございましたように、許可制度でございますので、きっちりと事業者の審査、これ客観的な視点も含めて行われるわけでございますが、万が一にも事業が立ち行かなくなるというようなことについての御懸念ということをデメリットの一例として御指摘いただいたんだろうと思います。  これは、もちろん、まず事業者がそのような事業を行うに足るというようなことをきっちりと選定段階で公園管理者の側が判断するということが当然でございます。そのほかに、例えば運用の問題としまして、例えば実際にうまくいかなくなったときには地方公共団体が預かるというようにあらかじめ定めておくとか、あるいは承継者はちゃんと探してほしいというようにあらかじめ定めておくとか、あるいは施設をいざとなって撤去しなくてはいけないというような事態が生じたときに、それに要する費用をあらかじめお預かりしておくとかというような、いろいろな運用の考え方があろうかと思います。  こういったことは、我々、これお認めいただきましたら、運用指針を整理いたしまして公園管理者の方に丁寧にお伝えをして、御懸念のような事態が生じないように努めていきたいと考えております。
  39. 野田国義

    ○野田国義君 しっかりやっていただきたいと思います。  それから、公園を運営する中で、私も、ごみ箱の設置、この論争を議会でやったことを思い出したところでございますけれども、ヨーロッパ辺りに行きますと、何かおしゃれなごみ箱なんかも公園設置されておると。例えば、犬のふんなんかを入れるような、捨てるような、そういうごみ箱も設置されたりなんかはしております。しかし、日本はどちらかというと、ごみ箱を撤去すると、ごみは持ち帰ってくださいというような方向になりつつある、まあなったと言ってもいいと思いますけれども、そういうような論議もして、思い出しておりますが。  それとともに、先日から、また悲惨な事故が起こったということでございまして、子供さんがまた遊具に挟まって亡くなったというようなニュースを耳にしたところでございまして、この遊具の問題も本当にいろいろ論議され、そうしましたら、ある新聞の声の欄に、数日前だったと思います、ちょうどそのことが載っておりました。どういう記事かと申しますと、いわゆる公園から子供たちの声が聞こえなくなった、そして行政遊具を撤去していると、そういう指摘だったんですね。しかし、やっぱり設置者としては、非常にこの遊具というのは、事故が起きる、あるいはメンテナンスをちゃんとやっていくというようなことで、非常にエネルギーが要ると申しますか、注意深くやっておきませんと、そういった事故になる可能性があるということでございます。  そこで、今回、この都市公園の維持修理の基準の法令化というようなこともされておるようでございますけれども、この遊具の問題についてどのようにお考えになっているのか、非常にこれは重要な問題でございますので、お答えいただきたいと思います。
  40. 栗田卓也

    政府参考人栗田卓也君) 遊具の問題でございます。それに関連いたしまして、今回の改正案の中では公園施設の老朽化対策、盛り込んでおります。  まず、老朽化の実態についてでございますけれども、現在約二割の公園設置後四十年以上経過しております。二十年後にはこれが六割に達する見込みでございます。また、遊具について申しますと、現時点で、設置後いわゆる遊具の標準使用期間とされる十年、十五年を超えまして二十年以上経過したものが約五割に達している状況でございます。  これまで、公園施設の点検等の基準については地方公共団体への技術的助言としての指針をお示ししてまいりましたけれども、この際、老朽化対策を強化するため、今回の改正で都市公園の維持修繕に関する技術的基準を法律に位置付けたいと考えております。  具体的には、法律により委任される政省令におきまして、利用状況等を勘案して適切に公園の巡視や清掃等を行うこと、事故の多い遊具等を定期的に点検すること、異常を把握した場合には修繕、撤去等の措置を講ずること、点検結果や修繕内容を履歴書として記録、保存することなどを定めるということを政省令で規定したいというように考えておるところでございます。  先ほど、子供の声が聞こえなくなるというようなことのお話がございました。これまで、平成二十五年度一年間について申しますと、公園管理者が実施した遊具等の点検の結果、修理、撤去などの安全確保措置が必要とされたものは、設置総数約四十六万件に対しまして約三万件と、全体の約八%ということでございました。  子供の声がなくなるということですけれども、個々の公園において、そういった問題のある、異常のある遊具、これを修理、更新を行うか、あるいは撤去するか、これは周辺住民利用ニーズなどを踏まえて公園管理者が適切に判断すべきものと考えております。  その際、今回の改正では、別途御提案しております、公園管理者と地域の関係者とが公園利用者の利便の向上のため必要な協議を行う協議会という措置も御提案しております。これも委員先ほどお触れいただきました。この協議会で、公園における遊具設置をどう考えるべきか、地域の関係者の意見の集約を図ることもまた有効なことかというように考えておるところでございます。
  41. 野田国義

    ○野田国義君 そういった協議会をつくって、その中で考えていく。先ほど言いました恐らくごみ箱の問題なんかもそういうところでいろいろと論じられるのかなと思ったところでございますけれども、しっかり、また安心、安全というのも非常に公園にとっては大切なことでございますので、やっていただきたいと思うところであります。  それから次に、都市農地保全活用について、いわゆる都市農業について関連でちょっとお伺いしたいと思いますけれども、都市農地都市農業につきましては、御承知のとおり、防災機能とか環境保全機能とか景観創出機能とか交流創出機能とか食育、教育機能とか地産地消機能とか、非常にこれ、都市緑地活用としてはいろいろ効果があると思うところでございますけれども、これからは都市農業という観点からしても非常に重要であると、緑の保全ということでも必要ですし、そのように思っているところでございます。  そこで、今後の市街化区域内の農地の賃貸借についてということで御質問させていただきたいと思います。  市街化区域内の農地については、それ以外の農地とは異なり、相続税の納税猶予制度の適用は相続人が自ら農業経営を行う場合に限定されている、その結果、納税猶予制度利用しながら賃貸借はできず、意欲ある経営体の規模の拡大や多様な市民による農地利用が拒まれている。こうした現状については都内の関係自治体からも関連する要望書が出されておりまして、そこで、今後の市街化区域内農地の賃貸借に関わる検討見通しについてお聞きしたいと思います。
  42. 新井毅

    政府参考人(新井毅君) お答え申し上げます。  相続税納税猶予が適用されております市街化区域内農地につきましては、現在、御指摘のとおり農地所有者自らが営農しなければならないこととされておりまして、そのような農地を貸借した場合には納税猶予の適用を打ち切られてしまうという仕組みになってございます。  他方で、都市農地利用につきましては、市民農園や学童農園、福祉農園としての利用など様々なニーズがありますし、今先生御指摘のような活用の仕方もございます。このようなニーズに対しまして、所有者のみならず所有者以外の方が利用できますようになりますれば、都市農地の一層の有効活用が図られるものと考えているところでございます。  このため、保全すべき都市農地を明確化し、このような都市農地を貸借しても相続税納税猶予が打ち切られることなく継続して適用されますよう、都市農地の貸借を促進するための制度等につきまして検討した上で、早期に関係者との調整を図りまして、その実現に向けまして努力してまいりたいと考えているところでございます。
  43. 野田国義

    ○野田国義君 これ、都市農業を振興する上でも非常に重要であり、皆さん期待をされているところでございますので、よろしくお願いをしたいと思います。  それから、直売所や農家レストラン等の調和についてということで質問をさせていただきたいと思います。  直売所や農家レストラン等に関して、この飲食施設駐車場の規模はどの程度までが認められると想定しているのか、また、その規模はどのような規定等に基づいて運用されるのか。周辺道路の混雑の発生や低層の住宅の良好な住環境を乱さないためにも、その調和には十分配慮すべきであるかと考えますけれども、いかがでしょうか。
  44. 藤井比早之

    大臣政務官藤井比早之君) 本法案におきましては、生産緑地が住宅地に近接して立地する環境を生かし、直売所や農家レストラン等を設置できるようにすることといたしております。都市農地保全するという生産緑地制度趣旨を踏まえまして、これらの施設につきましては、設置後においても、生産緑地に求められる現行では五百平米以上とされている面積オープンスペースとして残され、かつ、施設面積は当該生産緑地地区全体の二割以下とすること等を施設設置基準として省令で定めることを予定しております。  このような基準を設けることから、周辺環境に大きな影響を与えるような大規模な施設となるといった事態は余り想定されないというふうに考えております。また、これらの施設設置には地方公共団体許可が必要ということになります。制度趣旨地方公共団体にしっかりと伝え、適正な運用を求めてまいりたいと考えております。
  45. 野田国義

    ○野田国義君 こういう地区は非常に景観とか重要でございますので、しっかりよろしくお願いをしたいと思います。  それから、ちょっと肝腎なことを聞いておりませんでした。どうも済みません。先ほどお聞きいたしましたいわゆる過去の国有地の取引について、国交省から聞いておりませんでした。  財務省はああいう形で非常に調査がずさんというところがあったということでございましたけれども、国交省としては過去幾つかおやりになっているようでございますけれども、払下げですね、どのような状況になっているのか、お聞きしたいと思います。
  46. 佐藤善信

    政府参考人(佐藤善信君) お答え申し上げます。  国土交通省航空局、特に地方航空局における取組について御説明を差し上げたいと存じます。  普通財産である国有地の処分につきましては、国有財産の管理及び処分の統一化を図るとともに、国有財産全体の有効活用を図る観点から、財務局に対する処分事務の委任を積極的に進めるとされており、地方航空局においては、現在、全ての普通財産である国有地の処分の事務を財務局に委任をしております。この財務局への処分事務の委任に先立ちまして、地方航空局においては、土地を公共用道路に供する場合など、土壌汚染、地下構造物の存在が問題とならない場合や、土地に建物が現存し、調査を行うことが物理的に困難な場合などを除きまして、原則として土地の土壌汚染及び地下構造物の調査を行っております。これらの調査結果につきましては、財務局への処分事務の委任時に提出をいたします処分依頼書に添付をしているところでございます。  具体的な調査の中身でございますけれども、土地の土壌汚染調査といたしましては、まず土地の履歴調査を行いまして、土壌汚染の蓋然性があると認められる場合には、試料を採取して測定、分析を行うなどの調査を実施しております。また、地下構造物の調査といたしましては、地中レーダー探査により、埋設管、コンクリート殻などの地下構造物の探査を行っているところでございます。
  47. 北村信

    政府参考人(北村信君) 先ほど副大臣に対して御質問のありました、全体としてずさんではないかということについて、若干補足をさせていただきたいと思います。  国有地の処分に当たりましては、処分する土地の履歴あるいは周辺の土地の状況を踏まえ、土壌汚染や地下埋設物等の存在の可能性が高いと考えられる場合には、処分価格等に適正に反映する必要があるため、財務局において事前に調査を行い、その状況を示した上で処分を行っているところでございます。ただし、毎年全国で四千件を超える多くの国有地を処分をしておりまして、予算等の制約がある中で、土壌汚染や地下埋設物等の存在の可能性が高いと考えられるものについて優先的に調査を行っているところでございます。  一方で、国有地の売買契約には、通常、瑕疵担保条項を盛り込んでおり、仮に地下埋設物や土壌汚染などの隠れた瑕疵が発見された場合には、事後的に瑕疵担保責任による損害賠償等により対応を行っているところでございます。  いずれにせよ、国有地につきましては、法令、契約に基づき適正な価格で処分を行っているところであり、今後とも個々の国有地の状況を踏まえて適切に対応してまいりたいと存じます。
  48. 野田国義

    ○野田国義君 今、財務省の場合は、もうずっと、本当、四千件からやっておられるということでありますけれども、国交省の場合、今回の森友の問題で初めてやったとか、いろいろなことが予算委員会等でも論議がされたところでございますけれども、過去にもやったことがあるということをこの委員会で聞きました。  そういう、やったことがある中で、後でいわゆる裁判になったとか賠償金をまた払ったとか、そういうことは今までないんですか。
  49. 佐藤善信

    政府参考人(佐藤善信君) お答え申し上げます。  先ほどお答えをいたしましたように、国有地、普通財産である国有地の処分につきましては、地方航空局からその処分の事務を財務局に委任をしているわけでございまして、その処分件数は、例えば平成二十五年度は十八件、二十六年度は十件、二十七年度は十六件、二十八年度は二十三件というふうになってございます。  その中で、事前にその売却を委任をして、財務局の方で売却していただいた後で、土壌汚染でありますとか地下埋設物といったものが出てきたといったようなケースはございます。例えば、これは平成二十五年に売買契約を締結した事例でございますけれども、福岡の私どもの職員宿舎の跡地を建物付きで売却をしていただいたという事例がございます。建物が付いてございましたので、売却前に土壌汚染については履歴の調査を行いましたですけれども、地下構造物についての調査は行っていなかったということでございます。売却をした後で、その買主さんの方で整備をしようとしたところ、浄化槽の跡が出てまいりまして、これにつきましては損害賠償金を支払ったと、そういう事例もございます。
  50. 野田国義

    ○野田国義君 国民の財産でありますので、しっかりこの辺りのところは事前調査をやっていただきますようにお願いを申し上げまして、質問を終わります。  ありがとうございました。
  51. 新妻秀規

    ○新妻秀規君 おはようございます。  まず、都市公園法について四問伺います。  最初に、公園内の保育所など社会福祉施設設置について伺います。  先月、世田谷区の祖師谷公園内に特区制度活用して新たに建設された保育園を視察させていただきました。先ほど、野田先生も訪問された保育園です。本当にすばらしい、もう緑に囲まれた本当いい環境で、しかも、世田谷区は待機児童数が大変に今多くて、住民から待ち望まれたオープンだと、保育園だというふうに伺っています。三月当時、この四月のオープンを待つばかりの状況でした。待機児童都市部で皆さん御存じのように大きな問題となっておりまして、使える土地がなかなか潤沢にないという中、公園に保育園を設置できればこの待機児童問題の解消に貢献できるんじゃないかなというふうにつくづく思いました。  今回の法律案が可決、成立をいたしますと、保育所その他社会福祉施設全国的に、特区にかかわらず、都市公園における占用の許可を受けることが可能になるということです。  第一問目に入ります。まず、占用期間について伺います。ここで、保育所等の占用期間は政令で定められるとされているんですけれども、これ、どれくらいにするということを考えていらっしゃるのでしょうか、御答弁をお願いします。
  52. 栗田卓也

    政府参考人栗田卓也君) 今般の制度によりまして保育所等による都市公園の占用が一般的に可能になりますが、その占用の期間の上限については政令で定めることとなっております。その期間の上限につきましては、現在、国家戦略特別区域における保育所等による公園の占用期間の上限が十年と定められておりまして、これと同じ十年とする方向で検討しているところでございます。
  53. 新妻秀規

    ○新妻秀規君 次に、再申請について伺おうと思います。  今、局長の御答弁の中で、占用期間は十年を想定しているということでした。これ、十年たちましたよというときに、再度申請することによって占用期間の延長は可能になるんでしょうか。
  54. 栗田卓也

    政府参考人栗田卓也君) 公園内での保育所等の設置について、当初の占用許可において設定された占用期間経過後に占用を継続しようとする場合には、設置者が改めて公園管理者に占用許可の更新申請を行うことが可能でございます。この場合、公園管理者は、それまでの保育所等の設置管理の状況ですとか事業を継続する必要性などを見極めまして、公園利用に著しい支障がない場合には更新許可を行うことになると考えております。
  55. 新妻秀規

    ○新妻秀規君 じゃ、状況を見て、それまでの実績を見て適切に判断して、問題がなければ再度の占用の許可を与えるということですね。
  56. 栗田卓也

    政府参考人栗田卓也君) そういうことでございます。
  57. 新妻秀規

    ○新妻秀規君 あと、確認なんですけれども、それで二十年今度たちましたよと、二十年たって更にもう一回、そして更に三十年たってもう一回、これも可能なわけですよね。
  58. 栗田卓也

    政府参考人栗田卓也君) それまでの設置管理の状況ですとかその時点での保育所のニーズ、そういったものを見極めまして、公園利用に支障がないと、その都度判断が行われますけれども、再度の延長、再々度の延長、これも制度的には可能でございます。
  59. 新妻秀規

    ○新妻秀規君 分かりました。  次に、通所利用に限定する理由について伺いたいと思います。  この法律案では、保育所その他の社会福祉施設は通所により利用されるものに限って占用許可対象とされていると伺っています。今、特別養護老人ホームの不足などで介護難民なんという言葉もありまして、大きな課題となっています。  ここで、なぜ通所利用にのみ限定して居住型の利用を認めないのか、考え方についてお答えをいただきたいと思います。
  60. 栗田卓也

    政府参考人栗田卓也君) 今回の改正、保育所を代表例として御説明申し上げております。待機児童の解消のための保育の受皿確保といった我が国の緊急課題に対応するための措置でございます。  また、今後の高齢者の増加等によりまして、特に首都圏の近郊等においてデイサービス等の社会福祉施設の不足が見込まれるといった状況も十分認識しておりまして、保育所に限らず、そういった社会福祉施設についても今回占用の道を開いておるということでございます。  ただ、今回の措置は、いわゆる通所型に限定することにしております。これは一般的に、都市公園におきましては公園管理者が夜間には常駐していないのが実態でございます。仮に、夜間の救急患者の搬送ということですとか、夜間災害時の避難誘導、こういった事態が発生したときに公園管理者側で万全の対応を行うことが困難となることが想定されますので、いわゆる通所型に限定しておるということでございます。この取扱いは、国家戦略特別区域における保育所等の社会福祉施設の占用の取扱いと同じということでございます。
  61. 新妻秀規

    ○新妻秀規君 じゃ、都市公園法、最後の質問に行きます。協議会の役割について伺いたいと思います。これは先ほど野田先生からも質疑がありましたが、私からも問わせていただこうと思います。  この十七条の二におきましては、公園管理者は、都市公園利用者の利便の向上を図るために必要な協議を行うための協議会を組織することができるとされています。  ここで、公園管理者である地方公共団体が協議会を組織できることを法定化した理由、必要性は何なんでしょうか。また、協議会の参加メンバーや協議の内容、これはどのようなものを想定しているのか、さらに、地方公共団体における協議会の組織化をどう推進していくのか、まとめて御答弁をお願いいたします。
  62. 栗田卓也

    政府参考人栗田卓也君) 都市公園、量的には一定のストックの蓄積を見ておりますけれども、まだまだそのポテンシャルを十分生かし切れていないというようなものもあると思います。都市公園効果的に整備管理しまして、持続的にその魅力向上させていくためには、公園管理者と地域の関係者が密に情報交換を行い連携することが重要と考えています。  国土交通省設置しました都市公園等のあり方検討会、こちらから平成二十八年五月に提言を頂戴しております。そこでは、利用者の声を反映し、公園の継続的な質の向上を支えるために、地域の多様なステークホルダー、行政等を構成員とする協議会のような組織を地域の実情に応じて設置することが必要というような内容を頂戴しておるところでございます。  実際に、豊島区の南池袋公園、これ先ほども言及いたしましたけれども、地域の関係者の参加によります持続可能な公園運営、公園を拠点としたにぎわい創出のために、公園管理者とカフェレストランなどの事業者、町会などを構成員としまして、南池袋公園をよくする会、こういった協議会類似のものが設置されております。これで公園を拠点にした地域活性化活動等が実施されております。  こうしたことを踏まえまして、今回、公園管理者と地域の関係者とが協議を行う協議会を設置できることとしたいと考えております。メンバーにつきましては、公園管理者のほかに、関係の行政機関、学識経験者、周辺の商工関係者、自治会、あるいは公園利用しておられる住民団体等を想定しておるところでございます。  協議内容につきましては、例えばですけれども、いろいろな主体地域にぎわい創出のためのイベント、これどうやって開催していこうということですとか、あるいはボール遊びなどもしばしばされますが、そのような多様なニーズに応じた公園利用ルールをどう設定しようかということですとか、あるいは中長期的な公園整備維持管理の方針、これ、遊具を置いておこうか撤去しようか、こういったことも含まれると思います、等が考えられるところということでございます。また、今回、公共還元型の収益施設の公募選定制度を提案しております。これに手を挙げようとされる民間事業者をメンバーとして加える、こういったことも有意義なことと考えております。  このような地方公共団体における協議会の設置推進するために、例えば南池袋公園のような先進的な事例、あるいは地域の状況に応じた制度活用方法について地方公共団体に適切に周知していきたいと考えております。
  63. 新妻秀規

    ○新妻秀規君 今局長が最後におっしゃった地方公共団体への適切な周知、これ本当に大事だと思います。やはり、こうした実のある話合いがどんどん進むような、そうした取組推進をお願いをしたいと思います。  続いて、都市緑地法について二問伺いたいと思います。  まず第一に、緑地農地が含まれることを明確化する意義について伺いたいと思います。  本法律案の三条において緑地の定義に農地が含まれることが明確化されますが、なぜこれが必要になったんでしょうか。御答弁お願いします。
  64. 栗田卓也

    政府参考人栗田卓也君) 昨年、農水省と一緒に御提案申し上げまして、都市農業振興基本計画というものを閣議決定させていただいております。そこでは、都市農地が有します防災、良好な景観の形成、農業体験、交流の場の提供などの緑地オープンスペースとしての多様な機能を評価して、都市政策上、農地都市にあるべきものとするような方針転換を行っておるところでございます。  一方、緑地政策の上位法であります都市緑地法の中では、これまで緑地の定義を樹林地、草地、水辺地、岩石地やこれらに類する土地というように規定しておりまして、農地の取扱いは不明確となっております。このこともありまして、都市農地保全する取組は一部の意欲ある市町村に限られております。  基本計画で打ち出されました政策転換を具体化するために、農地緑地に含まれるものとして今回定義上明確に位置付けたいというように御提案差し上げているところでございます。  これによりまして、市町村の緑のマスタープランを始めとし、都市緑地法が定めます緑地保全に関する諸制度活用した農地保全が図られるなど、住民を農とつなぐ取組が促進され、農と共生するまちづくりの実現につながるものと考えております。
  65. 新妻秀規

    ○新妻秀規君 よく分かりました。  続きまして、二問目なんですけれども、基本計画都市公園管理方針と生産緑地地区内の緑地保全を追加する意義について伺いたいと思います。  この改正案の四条の二において、緑地保全及び緑化推進に関する基本計画都市公園管理方針に関する事項と生産緑地地区内の緑地保全に関する事項が追加されることになりましたが、これはなぜ必要になったのでしょうか、御答弁をお願いします。
  66. 栗田卓也

    政府参考人栗田卓也君) 今委員から御指摘がございました緑の基本計画でありますけれども、これは都市緑地法に根拠を置きまして、都市公園整備都市緑地保全緑化推進するために市町村が定める総合的なマスタープランでございます。本改正案の中では、この緑の基本計画に、都市公園管理の方針、それから生産緑地地区内の緑地保全に関する事項を追加することとしております。  まず、都市公園管理の方針についてでありますけれども、その追加の背景といたしまして、都市公園の老朽化等に対応しまして公園ストックを適正に管理していく、この必要性の高まりがございます。公園設置された遊具のうち、設置後二十年を経過する遊具は五割に達しているということは先ほども申し上げましたけれども、そういった状況に対処したいということが一つの大きな背景でございます。  また、都市化の進展によりまして都市緑地が全体として継続的に減少しております。そういった中で、都市農地に関します先ほどの方針転換を踏まえまして、緑地機能を発揮している都市農地計画的に保全することの重要性が高まっている、これが生産緑地地区内の緑地保全に関する事項を計画事項に追加するということの背景でございます。  このようにマスタープランを充実させていただいておりますが、都市公園管理の基準の創設と相まって公園ストックの計画的な老朽化対策が推進され、公園管理者だけでなく、民間事業者、NPO等の多様な主体連携して個々の公園の特性に応じたマネジメントが導入される、こういったことを期待しております。  また、生産緑地関係では、生産緑地地区の指定要件の見直しと相まって小規模な都市農地も含めて計画的に保全されること、さらには、コミュニティー農園など多世代交流の場に活用できる地域活動活性化など、農と共生するまちづくり推進されること、こういったことも期待しているところでございます。
  67. 新妻秀規

    ○新妻秀規君 次に、生産緑地法について二問伺います。  まず、生産緑地の一団要件の明確化について伺おうと思います。  本法律案の第三条に二項を新設することによって、いわゆる道連れ解除問題の対応のため、条例を定めることによって生産緑地に指定される規模の要件を三百平米にまで下げることができるとされています。  この道連れ解除の問題については、我が党の都市農業のPTでも度々制度の改善への要望がなされておりまして、また都市農地保全推進自治体協議会からも要望が出ていたところでありまして、この制度の改善を大変高く評価したいと思います。  ここで、一団要件について、今回、この下限の緩和に伴って一団の要件の考え方自体が変わるのか、また、その場合、具体的に連続していない土地をどのような場合に一団とみなすのか、御答弁をお願いします。
  68. 栗田卓也

    政府参考人栗田卓也君) 生産緑地制度につきましては、今御指摘ございましたいわゆる道連れ解除、これへの対応を求める要望を地方公共団体、農業団体から数多く頂戴してきております。  まず、一団性の要件についてでございますが、生産緑地地区を都市計画に定めるに当たりましては、地形上の一体的なまとまりを有している農地の区域であること、いわゆる一団性の要件を現在求めておるところでございます。  具体的な運用では、現在では、複数区画の農地一つの生産緑地地区とする場合には、原則として物理的に接している場合に限り指定できるということを都市計画の運用指針に示しております。  今回、生産緑地の指定面積要件、これ法定されております。これの見直しを御提案しておりますけれども、これ認めていただきましたら、その際にこの運用も併せて変えさせていただきたいと考えておりまして、同一の街区又は隣接する街区に複数の農地が存在する場合、地域の実情に応じて一団の農地と取り扱うことができるようにしたいというように運用を改善したいというように考えておるところでございます。
  69. 新妻秀規

    ○新妻秀規君 今の、この一団性要件が緩和されるという方向だと理解しましたが、同一の街区又は隣接の街区であればよいということなので、これが現場の方によく分かるような周知徹底を是非ともお願いをしたいと思います。  次に、生産緑地の五百平米要件の緩和による切り売りの懸念について伺いたいと思います。  本法律案において、この生産緑地面積の下限が条例により引き下げることが可能となります。市街化区域内の農家の多くは農業以外に不動産経営を行っていることが多く、相続税など納税資金の確保のために生産緑地を売るケースもあります。実際、日本の農業会議所が昨年の三月に公表した報告書では、実に農業者全体の三分の一が相続税を軽減するために農地を転用して建てたアパートがあると回答をしています。  法改正をする前の現状では五百平米が要件なんですけれども、法改正後は、条例によってはそれ以下でも生産緑地として維持することが可能になります。それによって、条例で定められる下限まで生産緑地を切り売りしてしまうような事態が発生する懸念がないかどうか、これについて御答弁をお願いいたします。
  70. 栗田卓也

    政府参考人栗田卓也君) 現在、五百平米以上で都市計画決定されている生産緑地地区につきましては、仮に市町村が条例を制定しまして面積要件を引き下げた場合でも、直ちに下限面積まで開発や宅地としての売却が可能になるものではございません。また、現行五百平米程度の生産緑地で営農を行っている方が相続などによりまして農地の一部を売却する必要がある場合、その売却することによって今の五百平米という面積要件を満たさなくなる、そういった場合に、多くの場合には、これまで営農意欲が仮にあっても農地全体を売却せざるを得ないというような実態がございました。  しかしながら、今般の面積要件の見直しによりまして、五百平米を下回っても生産緑地地区として指定を継続できることとなりますので、仮に市町村が条例を定めますとそういうふうになりますので、その場合、全体としては農地の売却、転用の抑制効果が作用するというふうに考えております。
  71. 新妻秀規

    ○新妻秀規君 それでは次に、都市計画法について一問伺います。  まず、この田園住居地域の導入の必要性について伺います。  この改正都市計画法の第八条において、既存の十二の用途地域に加えて、新たにこの田園住居地域平成四年の法改正以来二十五年ぶりに加わることになります。なぜ新たにこの田園住居地域の指定が必要になったのか、経緯と必要性についてお示しいただきたいと思います。
  72. 栗田卓也

    政府参考人栗田卓也君) 都市農地保全は、人口減少社会における潤いある豊かな都市空間の形成の観点から、都市計画制度にとって重要な課題でございます。平成二十七年に制定されました都市農業振興基本法、それから昨年閣議決定しました都市農業振興基本計画では、都市農地位置付け都市にあるべきものと大きく転換したことを受けまして、今般、新たな用途地域を創設したいというものでございます。  用途地域を創設する前提としまして、従来、都市計画観点から、都市農地保全する施策でありました生産緑地制度、これは農地をスポット的に保全するものでございます。必ずしも面的に農環境を保全するというものではないという課題がございました。このため、農地というオープンスペース保全し、もって住環境を保護する、それから、戸建て住宅等の低層建築物にこの田園住居地域におきます用途は限定しておるわけですが、そういうふうにしまして農地の日照等を確保する、それから、都市農地が多く存在する低層住居専用地域でこれまでは制限されておりました温室、農家レストラン等の立地を可能とする、こういったことが田園住居地域の主な内容でございますけれども、これによりまして、都市農地と低層住居の双方が良い影響を及ぼし合って良好な市街地環境の形成が面的に図られる、こういう田園住居地域制度を新たに設けることと御提案しておるところでございます。
  73. 新妻秀規

    ○新妻秀規君 それでは最後に、建築基準法について一問伺います。これも実は田園住居地域についてのものなんですけれども、田園住居地域に建てられる施設について伺いたいと思います。  この改正建築基準法の法律案の別表の第二に、この田園住居地域で建てることができる施設について書かれています。この別表の第二が、(い)、(ろ)、(は)、(に)、(ほ)となっていまして、この(ち)というところに農産物の生産、集荷、処理又は貯蔵に供するもの、また農業の生産資材の貯蔵に供するものとありますけれども、これ具体的にはどのようなものを想定しているのか、御答弁をお願いいたします。
  74. 由木文彦

    政府参考人(由木文彦君) お答えいたします。  田園住居地域におきましては、住宅や小規模な物販店舗等のいわゆる低層系の住居専用地域において建築可能な用途に加えまして、今委員から御指摘ございました農産物の生産等に供する施設でございますとか農業の生産資材の貯蔵に供する施設等のいわゆる農業の関連施設を建築することを可能とすることといたしております。  このうち、農産物の生産、集荷、処理又は貯蔵に供するものといたしまして想定しておりますのは、温室あるいは青果物の集出荷施設、米、麦の乾燥場、農産物の貯蔵所などを想定しているところでございます。また、農業の生産資材の貯蔵に供するものといたしましては、農機具等の収容施設などを想定しているところでございます。  以上でございます。
  75. 新妻秀規

    ○新妻秀規君 終わります。  ありがとうございました。
  76. 山添拓

    山添拓君 日本共産党の山添拓です。  事前にお伝えしていた順序を若干入れ替えまして、都市公園法の改正から伺います。  再生、活性化を目的とするものなんですけれども、これは都市公園の緑を確保するという性質のものではないということなんでしょうか、大臣にまず御答弁いただきたいと思います。
  77. 石井啓一

    ○国務大臣石井啓一君) 都市公園は、良好な都市環境を形成し、市民レクリエーション活動、健康運動、文化活動等の場となるとともに、災害時の避難場所となる場を提供するなど、都市において多様な役割を持っております。個別の都市公園におきましては、その立地環境や周辺住民利用ニーズに応じまして、求められる機能が高度にバランスよく発揮されることが望ましいと考えております。  今回の法案におきましては、都市公園につきまして、民間活力も最大限活用し、公園の質の向上利用者サービスの向上を図る制度を盛り込んでおります。  都市公園に具体的に求められる機能は、立地環境や利用ニーズ等に応じて様々でありまして、緑の確保につきましても、こうしたニーズ等を踏まえ、公園の質の向上を図る中で公園管理者が適切に判断するものと考えております。
  78. 山添拓

    山添拓君 ですから、緑の量的観点の法律では少なくともないということなんですね。  私がこういうふうに述べますのは、都市公園で現に住民利用者の意向を無視して緑が減らされていると、こういう実態があるからなんです。  例えば、東京の上野公園です。東京都が二〇〇九年に上野恩賜公園再生基本計画を策定しまして、現在、JR上野公園広場整備工事が行われています。資料の二枚目に図面を示しています。公園口から動物園まで直線化すると、そのために改札口を北へ五十メートル移動させて、駅前道路も整備すると。その際に、邪魔だということでイチョウなどを伐採する計画がありました。昨年十二月に張り紙に気付いた皆さんが上野公園の樹を守る会を立ち上げネット署名を呼びかけましたところ、直ちに二万人を超えまして、現在二万七千人近くが賛同しています。それぐらい愛されている上野公園の緑だと。  結局、仮設道路を設置するために一本伐採され、五本が移植をされました。三枚目、四枚目に写真を載せていますが、私も先日の日曜日に現地を見てまいりました。人は大変多いんですけれども、混乱しているというわけじゃないんですね。そもそも改札から動物園まで真っすぐに行く必要があるのか、木があってもよけて通れるじゃないかと、こういう声もありますが、JRも台東区も事業の全体像を明らかにしておりません。工事で更に伐採が進むのではないか、こういう懸念の声が出されています。  資料の五ページを御覧ください。  東京都は、既に幹回り九十センチ以上の大木二百四十四本、これ上野公園の中で伐採しているんですね。サツキなどの小さい木でいえば一千本以上伐採していると。藤棚やヒカンザクラを切って、そこに大型のスターバックスなどのカフェ設置したりしていると。緑を減らすことが都市公園の再生、活性化とは言えないと思うんですけれども、大臣はどうお考えでしょうか。
  79. 石井啓一

    ○国務大臣石井啓一君) 個々の都市公園につきましては、公園管理者である地方公共団体地域の実情や都市公園の特性、ニーズ等を踏まえた上で整備管理を行うものでありまして、個別の公園についてのコメントは差し控えさせていただきたいと思います。  一般論で申し上げますと、樹木の管理につきましても、個々の公園に求められる機能が適切に発揮されるよう公園管理者が個別に判断するものでございます。
  80. 山添拓

    山添拓君 行政というのは個々の積み重ねですから、個々の問題だからコメントしないというのは適切ではないと考えます。しかも、この上野公園ですが、二〇一五年の七月に上野「文化の杜」新構想が作られまして、ここには国交省の都市局も検討会のメンバーとして加わっています。だから、個々の問題ということで答弁避ける話ではないと思います。東京オリンピックを契機に年間の来場者数を二倍近い三千万人にすると。今でも上野公園って休みの日に行けば人であふれていますから、これ倍になれば、もう芋の子を洗うような状態になります。  この構想の中には、景観に配慮したホテルだとか大規模休憩スペースの設置なども挙げられています。博物館や美術館はお金を出せませんので外の民間業者に入ってもらう、これを想定していると。さらに、民間活力を導入した大規模な地下モールの整備なども書かれています。ですから、半ば今度の法改正を先取りするような収益施設の大開発が構想されています。  本来、都市公園というのは公共用地で市民の憩いの場でもあります。いざというときには避難場所にもなるオープンスペースだと、単なるもうけのための場ではないと考えますが、大臣はどのような御認識でしょうか。
  81. 石井啓一

    ○国務大臣石井啓一君) 先ほども申し上げましたが、個々の都市公園に具体的に求められる機能はその立地環境や利用ニーズ等に応じて様々でございまして、公園管理者が個別に判断をするものであります。  一般論として申し上げれば、都市公園は、良好な都市環境を形成し、市民レクリエーション活動、健康運動、文化活動等の場となるとともに、災害時の避難場所となる場を提供するなど、都市において多様な役割を果たすべきと考えております。  また、今回の法案には、民間事業者収益施設設置と周辺の広場園路等の整備を一体的に実施することで民間活力により公園リニューアルを図る、公募による収益施設設置管理制度を盛り込んでおりますが、このように民間事業者設置する施設自体が利用者のニーズに応え、また、その収益を公園整備に還元をし都市公園の質の向上を図ることができれば、民間事業者が収益を上げる事業を行うことは利用者の利便を向上させ、公園魅力を高める観点から意義があると考えているところでございます。  なお、委員紹介の上野の杜新構想につきましては、この構想の実現につきましては各施設管理者が今後検討を進めていくものであり、地下モール等の整備につきましては、上野公園管理している東京都からは現段階で具体的な検討は行っていないと伺っております。
  82. 山添拓

    山添拓君 収益性追求する余りに住民無視、あるいは利用者の意向を軽視する、こういうことがあってはならないものです。ですから、上野のお山と呼ばれた緑がそういう中で姿を変えさせられてきているということは是非御認識いただきたいと思っています。    〔委員長退席、理事長浜博行君着席〕  大臣は、衆議院の質疑の中で、都市公園整備に当たって住民の意見を聞く仕組みを法的に担保すべきだという我が党の本村伸子議員、清水忠史議員の質問に対し、これ、あらかじめ学識経験者の意見を聞くと、また、公園管理者と地域の関係者による協議会を活用することが望ましい旨を運用指針等で示す、それによって利用者や住民の理解を得ながら進めるんだと答弁しております。  協議会は、制度上は必須のものではありません。運用指針にも強制力はございません。上野公園でもそうですが、住民の声に耳を傾けない行政に対しては、国交省がこれ指導するということなんでしょうか。
  83. 石井啓一

    ○国務大臣石井啓一君) 上野公園整備につきましては、現在、構想が取りまとめられた段階でありまして、構想を踏まえた具体的な公園整備計画につきましては、公園管理者である東京都が、地域住民等の意見も踏まえつつ検討をしていくものと認識をしております。  なお、今回の法案の公募制度では、民間事業者の選定に当たりまして、都市公園の機能を損なうことなくその利用者の利便の向上を図る上で最も適切な者を選定するために、公園管理者はあらかじめ学識経験者の意見を聴くとしております。このことによりまして、都市公園整備管理の公平性、透明性が増すことを目指しております。  また、今回の改正案の中では、公園管理者と地域の関係者による協議会を設置できる制度を創設することとしております。公募制度の運用に当たりましては、この協議会を積極的に活用していただくことが望ましいということを法律の運用指針等で示したいと考えております。  こういった措置を通じまして、各公園管理者が公園利用者、地域住民の理解を得ながら、本制度活用推進されるように促してまいりたいと考えております。
  84. 山添拓

    山添拓君 指針を周知させるというだけでは現実にはなかなか効果がないんですよね。  二〇〇四年の法改正で導入された立体都市公園という制度がございます。資料の六に概要を示しています。都心は土地代が高いので立体化する、都市公園の地下を駐車場とするなどして効率化を図りまして整備を促す、こういう制度です。新たに都市公園を造るケースを念頭に置いていました。  ただし、これ既存都市公園でも適用は可能でして、都市公園法の運用指針、この中では、既存都市公園に立体都市公園制度を適用するケースとして、原則としてこうだということを書いています。既存都市公園に立体都市公園制度を適用するのは、原則として既存都市公園の地下を利用とする場合になるものと考えられると。ですから、地下を使うのはぎりぎりいいけれども、建物の屋上を公園にしたり、人工地盤を造って新たに造り出す、こういうのは想定外だということです。  ところが、この制度を悪用しているのが渋谷区の宮下公園整備事業です。資料の七枚目、八枚目を御覧ください。  現在、一階が駐車場で、その上が都市公園となっているんですが、官民連携のPPP事業で、三十三年間、三井不動産に貸し出すと。地上三階、延べ床面積一万六千平米の商業施設を造って、地下に駐車場を造ると。公園は屋上十七メートルの高さに持ち上げるというものです。さらに、公園の敷地の一部を三井に貸し出して、原宿方面には十七階建ての二百室のホテルも建設すると。区の都市計画変更原案には九十八件の意見が寄せられましたが、ほとんどが反対でした。ところが、渋谷区は、三月二十七日には解体工事のために公園を締め切り、もう利用もできなくしてしまったと。都市計画決定はその後の四月七日に行われました。  既存公園について、こういう運用指針に反するような屋上型、人工地盤型の立体都市公園が現に造られようとしています。大臣、これ御覧になって、これが公園だと言えるでしょうか。運用指針では歯止めにならないということがもう明らかになっているんじゃないかと思います。渋谷区に対して、運用指針に従うように指導されるでしょうか。大臣、お答えください。    〔理事長浜博行君退席、委員長着席〕
  85. 栗田卓也

    政府参考人栗田卓也君) 今、立体都市公園制度の運用指針につきましての言及がございました。  確かに、運用指針の中には、既存都市公園に立体都市公園制度を適用するのは、原則として既存都市公園の地下を利用とする場合になるものと考えられる、こういうふうに触れております。ただ、その前段として、いろいろな比較考量をしてほしいということも書いておりまして、若干紹介いたしますと、既存都市公園と区域変更後の立体都市公園の機能、効用について、樹林地等の環境面、利用者のアクセス条件等の利用面、地震災害時の防災面等を総合的に勘案して比較することが必要だということで、この比較の結果として、原則として地下を利用する場合になるというように指針では述べております。ただ、この指針の考え方は、樹林地等の環境面、利用者のアクセス条件等の利用面、地震災害時等の防災面等を総合的に勘案して、これらについて都市公園の機能が十分に確保される場合にまで地下利用以外の既存公園の立体都市公園化、これを妨げるというものではないと、そういう方針の記載の内容と理解しております。  なお、都市公園に求められる機能や周辺を含めた土地利用の在り方は地域により異なります。個別の都市公園に立体都市公園制度を適用するに当たっては、公園管理者である地方公共団体において適切に判断されるべきものと考えておりまして、御指摘事例も渋谷区の都市計画審議会等を経て判断されたものというように承知をしておるところでございます。
  86. 山添拓

    山添拓君 大臣の御答弁が、運用指針を周知徹底していって利用者や住民の意見を反映させる、こういうことでしたから伺ったんですけれども、大臣から御答弁いただけなかったのは非常に残念です。  今、環境面や利用面あるいは防災面を勘案すべきだと、こういう話がありましたが、地上四階の高さに、その屋上に公園を持っていく、これで果たして防災上大丈夫だということになるのか。あるいはアクセス、避難するときにしても通常の利用にしても、四階まで上がらなければいけないわけです。これで果たして総合考慮した結果と言えるのか、そもそも運用指針に従うようなものとなっているのかということです。  違法でなければ構わないという事業者は当然出てまいります。ちょっとしたカフェを造るとか芝生整備するとか、そういう牧歌的な話じゃないわけです。こういう大型の開発をする。  宮下公園でも、これは有識者の意見聴取がされて、運用指針では想定されなかった事態が生じて、法解釈を駆使して言わば大企業がもうけの種にしていると。国交省もそうした事態認識されているはずですが、今度の提案では住民意見の反映というものが法制度としては取り込まれていないと。  都市公園を、その公共の場を大企業が大もうけする道具にしてはならないということを最後に強調しまして、時間が参りましたので、これで私の質問を終わりたいと思います。  ありがとうございました。
  87. 高木かおり

    高木かおり君 日本維新の会の高木かおりでございます。  本日は、国土交通委員会におきまして質問の機会を与えていただきまして、誠にありがとうございます。  では、早速質問に入らせていただきたいと思います。まず、公園のPFI事業についてでございます。  今回の都市緑地法等の一部を改正する法律案ですが、民間活力を最大限に生かして、緑やオープンスペース整備、それから保全効果的に推進し、緑豊かで魅力的なまちづくりを目指していくものであり、私も大変関心を持っております。  といいますのも、私の地元大阪の堺市の南部には、泉北ニュータウンといいましてベッドタウンがございます。今年五十周年を迎えまして、人も町も大変高齢化が進んでおります。そこに原山公園というところがございまして、この公園の再整備維持管理、運営をPFI事業で行う計画が今進んでおります。  原山公園のPFI事業は、今事業者の公募が締め切られまして、これから提案された事業を精査し、事業者を選定しようという段階に来ております。市の見込みとしてはPFI事業によって事業費一三・六%減ということで、まずまずの計画であるというふうに思っております。このように、地方公共団体の財政状況が厳しい中で公園施設整備を進めるためには、民間によるPFI事業、これをもっと活用すべきではないかというふうに考えております。  これまでの公園でのPFI事業の実績と、今回の改正案による効果、どのように見込んでいるのでしょうか。お聞かせください。
  88. 栗田卓也

    政府参考人栗田卓也君) 平成十一年にPFI法が制定されて以降、都市公園では十二件のPFI事業の実績があります。PFI事業は、一般的に建設コストの縮減、財政負担の平準化、利用者サービスの向上などの活用メリットがございます。これまで公園で行われてきたPFI事業は、神奈川県の湘南海岸公園の水族館ですとか埼玉県の川越市のなぐわし公園のプールなど、大規模で料金徴収を伴う施設の建設等において活用されてきています。  これまで、公園で大規模な施設整備する計画それ自体が必ずしも多いということではありませんでしたので、公園でのPFI事業の実績は十二件にとどまっておりますが、公園魅力を高めていく上で、財政の制約等もありまして大規模な施設整備することが困難となっている地方公共団体におきましてPFI事業の活用を進めることは重要と、あるいは有効というように考えています。  PFI事業で大規模な施設整備を行う際に、投資を回収する期間を勘案しますと、運営期間は二十年から三十年を見込む、これ、これまでの十二件の例を見ましてもそういった例が多うございます。他方、都市公園法でそういった施設設置許可を出せる、この期間は十年が上限とされています。  今委員から御紹介がございました原山公園は、これは実はPFI事業者をそのまま指定管理者とするという仕組みと伺っていますので、都市公園法上の設置許可を要しないというケースに当たるんですけれども、民間資金による施設整備管理推進するに当たって、設置許可の上限であるこの十年というのがPFI事業を進める際の隘路となるという場合があるというふうには考えています。  このため、今般の法改正で、PFI事業に係る施設設置許可期間、最長三十年まで設定できるように措置する、こういうことで、より長期的な事業運営が担保されて民間事業が参入しやすくなって、PFI事業の活用が進むというように考えています。
  89. 高木かおり

    高木かおり君 ありがとうございました。  是非ともこの民間活力利用して、今回の法改正によって更にPFI事業の推進是非とも期待したいというふうに思っております。  続きまして、都市公園内の保育所設置についてでございます。  本日も様々議論がございましたけれども、今回の都市公園法の改正では、保育所等の社会福祉施設を占用対象に追加したことで、これまでは国家戦略特区特例でしか認められていなかった都市公園での保育所等の設置が可能になるということでございます。保育所の待機児童の問題は大都市特有の問題であるかというふうに思いますけれども、これを一般措置化して全国展開した場合、活用ニーズはあるんでしょうか。また、保育所等の社会福祉施設のことでございますけれども、保育所以外の施設のニーズとしてはどうなのでしょうか、お聞かせください。
  90. 栗田卓也

    政府参考人栗田卓也君) 待機児童の解消、これ保育所の不足も一つのファクターになっていると思いますが、この問題は国家戦略特別区域に指定されている都市ではなくて、全国的な課題というように考えています。  厚生労働省におかれては、全国保育所の待機児童の状況を取りまとめておられますけれども、平成二十八年四月一日時点の取りまとめによりますと、待機児童数が五十人以上の市区町村のおおむね四割がこれは国家戦略特別区域の区域外でございます。関西方面の例で申しますと、例えば奈良県の奈良市ですとか滋賀県の東近江市、こういったところが今申し上げました四割に含まれている市町村でございます。  実際に、都市公園内への保育所等の設置につきましても、国家戦略特別区域以外の都市からも既に複数の都市から問合せを頂戴しておるという状況でございます。また、今後の高齢者の増加等によりまして、特に首都圏の近郊等におきましてはデイサービス等の社会福祉施設の不足も見込まれる、こういった状況も十分認識しています。地方公共団体から都市公園内へのそれらの高齢者向けの施設設置可能性についても、お問合せを頂戴しているというような現状でございます。  このような状況を踏まえまして、今回の制度改正の中で、国家戦略特別区域内に限り特別措置として認められておりました保育所等の社会福祉施設、これの都市公園内への設置について一般措置化したいと考えておるところでございます。
  91. 高木かおり

    高木かおり君 ありがとうございます。  先ほど新妻委員の方の御議論の中にもございました、介護施設も通所型のみだということではございましたけれども、今後、高齢化が進む中でそういったこともニーズとしてどんどん増えていくのではないかというふうに思っておりますので、その辺りも是非とも御検討していただきたいというふうに思います。  先ほどの待機児童対策が望まれる中で都市公園の中に保育所等が設置できるようになること、これは大変朗報である反面、衆議院の国土交通委員会でも懸念されていたように、都市公園であるがゆえに、従来どおりの公園利用が制限されるのではないか、また、不特定多数が出入りする公園で園児の安全対策は大丈夫なのかという質問もございました。  ここで確認をさせていただきたいのですが、これらの懸念につきまして、これまで公園内での設置が認められた十五か所につきまして、地域との関係で特段問題となっているものはないという御答弁があったかと思います。この十五か所につきまして、これは設置の段階であるかと思います。開設が早いもので今年の四月から、遅いものでは平成三十一年四月からということでございます。そうしますと、この地域との関係、今後もやはりしっかりと注視していく必要があるのではないかというふうに思いますが、この点につきまして、お考えをお聞かせください。
  92. 栗田卓也

    政府参考人栗田卓也君) 今何点か、都市公園内への今回の占用許可の道を開くということでの御懸念の御指摘がございました。  公園のいわゆるオープンスペースとしての価値を減じないか、これは建蔽率の制限、きっちり運用していただくということで担保したいと思っています。  それから、園児の安全、安心の問題、これは施設への施錠、それからちゃんと柵で囲んで二重に施錠する、こういった対策を施していただくということが大事かというように考えております。  これまでの十五例で、特段地域との関係で、まだ設置がされたものが数例でございまして、計画段階のものもありますが、問題となったものはないというようにこれは確認の上承知をしておりますけれども、そのような問題が生じないように継続的に関心を持ってチェックをしていきたいと考えております。
  93. 高木かおり

    高木かおり君 是非とも、今後ともその辺り、地域とやはりしっかりと連携しながら、御意見も聞きながらということは大切かと思いますので、よろしくお願いをしたいと思います。  公園というのは元々子供たちの遊び場であるということもあります。公園内に保育所設置というのは、本当に待機児童解消ということに対しても本当にすばらしい対策になると思っております。しっかりと今後ともその辺りを踏まえながら進めていっていただきたいというふうに思います。  続きまして、農業の第六次産業化の推進についてお伺いをしたいと思います。生産緑地法の改正についてでございます。  今回の改正で、生産緑地地区内で直売所、それから農家レストラン等の設置が可能になるということでございます。農業分野では農林漁業の生産と加工、販売の一体化や、地域資源を活用した新たな産業の創出、六次産業化の取組推進されているわけですが、日本政策金融公庫の調査では、六次産業化に取り組んだ農業経営者のうち七割強が所得向上を実感しているという結果も出ております。  今回の法改正におきまして、生産緑地内に農家レストランなど農家が稼ぐことのできる施設、これを設置することは、農業の第六次産業化に資する取組ですから、推進していくべきと考えておりますが、生産緑地区内に設置可能となる施設の範囲を広げる効果、これはどのようにお考えでしょうか。お聞かせください。
  94. 栗田卓也

    政府参考人栗田卓也君) 昨年五月に都市農業振興基本計画というのを閣議決定させていただいております。これで都市政策、農業政策の両面から、都市農業あるいは都市農地位置付けを転換させていただいたということでございます。  農業政策の側からは、今御指摘のありましたような六次産業化、地産地消、あるいは農業と福祉の連携、こういった施策のモデルとなる取組都市農業から生まれていることを評価して、改めて農業振興施策によって支援する方向への転換、こういったこともその計画の中では触れられているところでございます。都市政策側からの政策転換につきましても、先ほどから答弁申し上げているところでございます。  こうした方向性を具体化する施策の一つとして、今回、生産緑地区内で直売所、農家レストラン等を設置できるようにさせていただきたいという御提案でございます。これによりまして、農地が住宅に近接して立地する環境を生かした農業の六次産業化が図られ、収入の道を広げ、経営の安定化に資するものというように考えております。ひいては、農地の安定的な保全にも寄与しまして、農地の例えば防災ですとか環境ですとか、こういった都市農地に期待される多様な機能の確保、こういったものも図られるというように考えております。この改正、自立志向の高い営農者などからかねて強い要望をいただいていた内容でございます。  さらに、地場の新鮮な農産物を身近で消費できる機会が増えることは、周辺住民を農とつなぐコミュニティー空間が形成され、農と共生するまちづくりの実現、ひいては成熟した地域社会の形成、こういったことにもつながるというように考えております。
  95. 高木かおり

    高木かおり君 今回の法改正によって本当に農家レストランや直売所というのが設置されるということは、本当にどんどんこれは推進していくべきだと思いますので、お願いをしておきたいというふうに思います。  ちょっと時間がございませんので、最後、先日、私、地元の方とスカイツリーに上ったんですけれども、三百六十度見渡しましたら、緑の公園地帯も少しは見えましたけれど、ほとんどが建物でございました。東京や私の地元の大阪中心部では本当に緑の少ない状態でございます。これは、世界の主要都市と比べましても大変少ない。一人当たりの都市公園面積が、東京二十三区で三平米、大阪市で三・六平米、それから、これがロンドンになりますと約二十七平米、ニューヨークが十九平米と、緑豊かな大都会が機能しているということがうかがえます。  是非、今回の法改正を機に、日本の都市都市としての機能を果たす一方で、豊かな自然を身近に感じることのできる魅力のある都市づくりを目指してほしいと考えております。  最後になりますけれども、大臣都市オープンスペース保全に向けた御決意をお聞かせください。
  96. 石井啓一

    ○国務大臣石井啓一君) 都市公園緑地等のオープンスペースを確保し、潤いある豊かな都市空間を形成することは重要な政策課題と考えております。人口減少社会の到来は、ゆとりある都市空間の形成という観点から一つの好機と捉えることもできると思います。  近年、NPO等の民間団体が都市の緑を生み出し、オープンスペースを生かす取組が広がりつつあります。公園におきましては、来園者のサービス提供に民間事業者はこれまでも重要な役割を果たしております。また、都市農業振興基本計画によりまして都市にあるべきものへと捉え方を転換をいたしました都市農地は、農業という生産活動を通じて守られている貴重な都市内の緑地と見るべきであります。  今後とも、厳しい財政状況が見込まれることから、このような民間主体活動に着目をし、その意欲や投資を積極的に引き出して、都市の緑、オープンスペースの確保に取り組んでいくことが重要と考えております。  今回の改正案には、こういった考え方に沿いまして総合的な施策メニューを盛り込んでおります。御可決いただきましたならば、これらの施策をフルに活用いたしまして、官民が連携をし、適切に役割分担をしながら、緑豊かな都市空間の形成を推進してまいりたいと考えております。
  97. 高木かおり

    高木かおり君 大臣、ありがとうございました。  これで質問を終了させていただきたいと思います。
  98. 青木愛

    青木愛君 希望の会、自由党の青木愛です。  まず、生産緑地法からお伺いをさせていただきます。  今回の改正で、特定生産緑地制度が創設をされたために、引き続き営農を希望し認められた生産緑地の所有者は、十年ごとに固定資産税などの税制優遇を受けることができるようになります。ただ、このことを知らない多くの都市部近郊の生産緑地の所有者に対しまして、ディベロッパーが三十年を過ぎると税制優遇はなくなるとして土地所有者に対し売却を勧めているという現状があります。  国交省はその辺の事情をどのように認識をしておられるか、また、関係者には速やかに情報を周知すべきだと考えておりますけれども、今後どのような御計画をお持ちでしょうか。
  99. 栗田卓也

    政府参考人栗田卓也君) 生産緑地につきましては、都市計画決定後三十年経過しますと、所有者が市町村に対しまして買取り申出ができることとなります。平成三十四年には面積ベースで約八割の生産緑地がこの三十年という節目を迎えまして、その扱いが所有者の意思に委ねられることになります。このような関係から、開発業者から生産緑地の所有者を対象に土地活用のセミナーを開催するといったようなビジネスにつなげようとする動きがあるということは、我々、報道ですとかあるいは関係者からのヒアリング等を通じて承知しておるところでございます。  他方、平成三十四年のその節目の到来に備えまして、幾つかの自治体におきまして都市農業者に対しまして調査を行いました。そこでは、三十年経過をするとすぐに市町村への買取り申出をするというような回答は約二%の方々に限られるという結果を得たところでもございます。  このような状況を踏まえまして、都市環境の形成を図る上で引き続き農地として保全されることが望ましく、かつ農家に営農継続の意向がある生産緑地については、関係権利者の同意を前提に、三十年経過後も保全措置を十年ごとに延長できる特定生産緑地制度を設けることとしたところでございます。  生産緑地の継続的な保全を図るためには、今後、本制度活用推進することが大事と考えております。このため、議員御指摘のとおり、本法案成立させていただきましたら、地方公共団体、農業関係団体、こういったところへの説明会などを通じまして、関係者あるいは営農をしておられる方々制度をよくお伝えするように努めてまいりたいと考えています。
  100. 青木愛

    青木愛君 現在そういったディベロッパーの動きもある状況の中で、速やかに情報を営農者に周知すべきだというふうに思っておりますけれども、今回のこの生産緑地の改正に当たりまして、法案の中身とは関係ありませんけれども、この提案説明に使われているいわゆるポンチ絵というものがありますが、その中に特定生産緑地制度の記載が一切ありませんでした。しかし、この制度農地所有者にとっては極めて重要なことでありますし、この法案の肝であるというふうに思います。  にもかかわらず、このポンチ絵に一切の記載がなかったということで、もしかすると政府は宅地化を進めようと考えているのではないかとか、何か不都合なことがあるのではないかとか、そういう考えに至ってしまうわけなんですけれども、なぜこのポンチ絵に特定生産緑地制度という極めて大事なこの制度の記載がなかったのでしょうか。
  101. 栗田卓也

    政府参考人栗田卓也君) まず、都市農地につきましては、昨年閣議決定いたしました都市農業振興基本計画の中で、都市農地はこれからも保全していくというように位置付けを変えたということでございます。これ閣議決定で定めた政府の意思ということでございますので、それを隠したりとかという、その他の特段の意図を今回の資料編成に当たって持っているということではないということをまず申し上げたいと思います。  今回の法案は、都市公園ですとか農地を含む緑地保全、その他いろいろな制度を御提案しております。生産緑地法についてだけ申し上げましても、生産緑地地区の面積要件、あるいは地区内の農家レストランなどの開発規制の見直しとか、各方面から多くの御要請をこれまでにいただいていた内容について措置する、こういったことも盛り込んでおります。  また他方、特定生産緑地制度につきましては、この制度が実効性を帯びてきますのは、多くの生産緑地が指定後三十年の時期を迎えます平成三十四年ということでございます。それ以降ということでありますので、その制度の本格的な運用は少し先になるといったようなことでございます。  こういったことから、御説明に用いておりました一枚の資料にはこの事項を触れておりませんでしたけれども、まあちょっと言い訳がましいんですけど、この一枚と合わせまして三枚のセットで御説明しております。そこにはきっちりと触れておりまして、それをもちまして、隠すとか特段の意図がないというようなことについては紛れのないこととして御理解を頂戴したいと思います。  ただ、今の御指摘も十分受け止めまして、この法案成立させていただきましたら、地方公共団体、農業関係団体、ひいては生産緑地の所有者、こういった方々制度の周知、きっちりと徹底していきたいと考えているところでございます。
  102. 青木愛

    青木愛君 この法案審査に当たって、やはりポンチ絵というのは全体を見る極めて重要な資料だというふうに私は思っておりますし、国土交通委員会においては私も一から取り組む法案ばかりなものですから、是非丁寧で分かりやすい資料説明を心掛けていただきたいということはお願いをしておきたいと思います。  次に、特定生産緑地の指定に当たってでありますけれども、農業者の同意を得るというふうにはなっております。さらに、市町村都市計画審議会等の意見を聴取した上で指定が決定されるということにもなっています。三十年間という長きにわたって営農を続けてこられた農業者の意向はしっかりと尊重されるものなのかどうか、お伺いしたいと思います。  自治体の都市計画、そして営農者の意向、これが異なる場合、どのような判断がなされるのかをお伺いしたいと思います。  さらに、この平成三十四年という期日を迎えて、買取りを申し出たけれども自治体が買い取らないという判断をしたために、第三者へ売買することにしたんだけれども、場所が悪く売買ができなかった、あるいは希望する額に達しなかった。そうした場合、改めて生産緑地として指定を受けたいと申し出た場合、この後戻りといいますか、そうした状況に対して対応はしていただけるものなのでしょうか。
  103. 栗田卓也

    政府参考人栗田卓也君) 市町村が、特定生産緑地、今回の御提案の制度ですけれども、これを指定するその行為の際には生産緑地の所有者等の同意を得る必要がある、これ法定しておるところでございます。このため、営農者等の意思に反して市町村が特定生産緑地を指定することはできません。  一方、生産緑地の所有者から市町村に対し、特定生産緑地としての指定を提案することができる仕組みを設けているところでございます。さらに、市町村が特定生産緑地を指定するときや提案があっても指定しない、こういったときには都市計画審議会の意見を聴かなければならないというようにしております。  このように、特定生産緑地の指定は土地所有者等の意向を前提的に行う、そういう制度組みになっているというように御理解を頂戴したいと思います。  また、特定生産緑地の指定を受けずに市町村に生産緑地の買取りを申し出たけれども買い取られなかった、あるいは、さらに第三者への売却を試みたんだけどうまくいかなかった、こういうお尋ねのケースでは、市町村に買取りを申し出た、それに伴いまして生産緑地地区に係る規制が解除されまして、都市計画が廃止されるというようなことになります。  特定生産緑地の指定は三十年を経過する日までに行うというように法律の規定で置かせていただいておりますので、今のお尋ねのケースで特定生産緑地の指定を振り返って受けるということはできませんが、改めて生産緑地として営農を続けたいというような場合には、生産緑地地区の都市計画を改めて決定するといったような道はあろうかと考えておるところでございます。
  104. 青木愛

    青木愛君 その期日を迎えたときの営農者の判断が極めて大事だということだと思います。是非、営農者が見通しを持った判断ができるような支援が必要だとお願いをしたいというふうに思います。  緑の保全という観点からも、また三十年という長い間営農を続けていただいたやはり営農者の立場に立ったきめ細やかな対応が必要だというふうに思っておりますので、是非引き続きの御支援をよろしくお願い申し上げます。  また、平成三十四年という期日を迎えて、先ほど約二%とおっしゃいましたか、買取りの希望が二%とおっしゃいましたけれども、まだ平成三十四年まで状況が変わることも考えられます。いろいろなケースを考え合わせる必要があるという観点から、多数の営農者が買取りを申出をしてしまった場合、さらに、自治体が財政上の都合で買い取れないといった場合、この市街地区域内の緑の保全をどのように国として確保していくのか、その辺りのお考えをお聞かせいただきたいと思います。
  105. 石井啓一

    ○国務大臣石井啓一君) 市町村に買取りの申出があった場合、現行制度におきましても、市町村が買い取れない場合には他の農業者へのあっせんに努めることとされております。申出に応じられない場合も、まずはこうした取組で生産緑地として残すよう努めていただくことが重要と考えております。  他方、平成三十四年に備え、幾つかの自治体における都市農業者に対する調査を行いましたが、そこでは三十年経過後にすぐに買取り申出をするとの回答は約二%という結果を得ております。この結果からは、三十年を経過した際にも、必ずしも多くの生産緑地において直ちに買取り申出がなされることにはならないのではないかと考えられます。また、この調査では、六割以上の回答者が三十年経過後も営農を継続する意向が示されております。  本法案では、こうした現場の実態や農地保全強化という都市政策上の方針転換を踏まえまして、三十年経過後も保全措置を十年ごとに延長できる特定生産緑地制度を設けることといたしました。御可決いただきましたならば、この制度を個々の農家の方々にまで十分に周知をし、三十年経過した生産緑地につきまして、市街化区域内の貴重な緑地として適切に保全が図れるよう取り組んでまいりたいと考えております。
  106. 青木愛

    青木愛君 ありがとうございます。  この法改正のその後は自治体での、現場での対応によるところが大きいのかなと感じておりますけれども、国としても、営農者あるいは自治体関係者に対しましても必要な支援策を講じていただくようお願いを申し上げます。  最後の質問になります。  都市公園は、良好な都市環境の形成とともに、住民への憩いの場の提供、また、震災、大火などの災害時には避難地、延焼防止、また復旧復興の拠点などの役割を果たすことが期待されています。  先ほど、ミズベリング事例など大変参考になりましたし、こうしたアイデア豊富な事業者による新しい利便性が付与される一方で、公園が本来備えている開放性ですとか公共性ですとかが損なわれることを懸念しております。民間事業者公園の使用を提供した場合のデメリットについてどのように考えているか、またその対策についてどのような方針を定めておられるか。  もう一点、公園災害時などに住民避難場所になります。その場合、この事業者は避難者に対する水や食料や電気の提供など、こうした便宜を提供することになっているのかどうか、この辺りの都市公園本来の意義について、非常時での役割も含んだ中で、石井大臣の御答弁をお願いを申し上げたいと思います。
  107. 石井啓一

    ○国務大臣石井啓一君) 今回、公募による収益施設設置管理制度を提案をしておりますが、収益施設設置により公園オープンスペース機能や一般の自由な利用が阻害されないよう十分配慮する必要があります。このため、公募対象となる収益施設につきましては、他の公園施設も併せた建蔽率の上限を設けることとしておりまして、その上限を一二%としたいと考えております。個々の公園の態様に応じて上限未満で公園管理者が適切に判断をするものでございます。  また、事業者の選定に当たりましては、広場、植栽等の整備内容や配置も含めまして、総合的な評価を行うこととしております。地方公共団体に対しまして、公園オープンスペース機能の確保に十分配慮するよう運用指針等において周知してまいりたいと考えております。  収益施設において災害時に一時避難者や帰宅困難者に水や食料を提供することなどにつきましては、民間事業者に公共性を発揮してもらうという観点で意義があることと考えております。このため、公募を行う際の指針におきまして、応急対応として行うべき措置を明示し、提案をまとめることは大変有益であると考えております。公園の立地環境等を勘案して積極的な運用が図られるよう、運用指針等において周知をしてまいりたいと考えております。
  108. 青木愛

    青木愛君 質問を終わります。  ありがとうございます。     ─────────────
  109. 増子輝彦

    委員長増子輝彦君) この際、委員異動について御報告いたします。  本日、末松信介君が委員辞任され、その補欠として渡辺美知太郎君が選任されました。     ─────────────
  110. 行田邦子

    ○行田邦子君 無所属クラブ、行田邦子です。よろしくお願いいたします。  我が国における都市公園等の総面積は、平成二十七年末では十二万四千ヘクタールと、一人当たり面積で見ますと十・三平米ということであります。これ、昭和三十五年と比較をしてみますと総面積で八・六倍になっていて、一人当たり面積では四・九倍に増えているということです。  これ、私にとっては意外だったんですけれども、結構増えていると、結構というか、かなり増えているということでありますが、一方で、諸外国の代表的な都市東京二十三区を比較をしてみますと、一人当たりの都市公園面積というのは非常に小さいわけであります。  一人当たり都市公園面積は都道府県でばらつきがありますけれども、大臣に伺いたいと思いますが、今後どの程度どのように増やしていくのか、また望ましい一人当たりの都市公園面積はどの程度とお考えでしょうか。
  111. 石井啓一

    ○国務大臣石井啓一君) 委員今御紹介いただいたとおり、都市公園につきましては、計画整備が進んだ結果、都市公園法施行令において示しております一人当たり公園面積十平米以上という基準を全国的には達成をしております。しかし、例えば東京二十三区の一人当たり公園面積は三・〇平米、大阪市の一人当たり公園面積は三・六平米であります。それに対してニューヨークでは一人当たり公園面積が十八・六平米、ロンドンでは二十六・九平米であり、我が国の大都市部では公園面積が著しく少ない状況にございます。一方、各地方公共団体における都市公園整備の目標は、十平米という政令の基準を参酌した上で自ら条例で定めることとされております。  例えば、御地元のさいたま市では、条例において都市公園整備の目標をさいたま市内全体で一人当たり公園面積十平米以上、市街地部で一人当たり公園面積五平米以上としております。これに対する一人当たり公園面積の現状は、市内全体で約五・一平米、市街地部で約二・六平米にとどまっております。  今後の都市公園整備につきましては、地方公共団体が自ら設定した目標の達成に向け、着実に公園整備を図ることが重要と考えております。
  112. 行田邦子

    ○行田邦子君 私が住んでおりますさいたま市の例も取り上げていただいて、ありがとうございます。  やはり、一人当たりの面積十平米という一つの望ましい姿があろうかと思いますけれども、都市部におきましてはなかなかそれが確保できていないという状況でありますが、一方で、今回の法案につきましては、今ある都市公園をいかに有効活用していくのかという、こういった課題解決があろうかと思います。  そこで、局長に伺いたいと思いますけれども、都市部の住宅密集地域では、面積が狭くて、そしてまた立地条件も良くなくて余り使われていない公園を私はよく目にします。よく目にするといいますか、私が育ったのは、今は埼玉に住んでいますが、東京の大田区の町工場が密集する地域なんですけれども、ちょうど家のすぐ近くのはす向かいといいますかの、いわゆる街区公園なんでしょうか、ちっちゃい公園があるんですけれども、二方は道路に面していて、もう二方が建物に面しているという、常に日が当たらなくて、そして遊具もかなり古くて、誰も使ったのを見たことがないと。私自身も使ったことがないとか、足を踏み入れたことがないという公園なんですけれども、こういった公園というのは私の実家のはす向かいだけじゃなくて、結構、特に二十三区を見ると多いかと思います。  地域内の居住人口のバランスとか、あるいは生活動線、また、ほかの施設とのバランスなどを考慮して遊休公園の利活用、再生を進めるべきではないかなと考えておりますけれども、本改正法案ではどのようなことが可能となるんでしょうか。
  113. 栗田卓也

    政府参考人栗田卓也君) 今、幾つか、委員の御経験の中でのなかなか上手に使われていない公園の例、御紹介いただきました。  幾つかの地方公共団体では利用者ニーズの変化に対応してストックの有効活用を図る、そういった取組をしております。二例ほど御紹介申し上げたいと思います。  北九州市の例ですけれども、これ、小規模で広場も小さくて余り利用されていなかった二つ公園、これを廃止して、近くにありました遊休の公用地を活用して広い広場のある公園を新たに整備する、いわゆるストックの再編、こういったものでございます。新しくできた公園は、子供から高齢者まで多様な世代に利用されているというようなことでございます。  東京都武蔵野市の例でございます。利用者ニーズに応じて、例えば子供の遊びを想定して遊具を充実する公園、それから多世代にわたる利用を想定して多目的広場を確保する公園、いわゆる公園役割分担をちゃんと定めて公園ごとに機能を特化して全体として魅力アップを図る、こういった計画を作って公園リニューアルを進めている、こういった取組が出てきております。  今回の法案の中でそういった再編を直接に進めるためのというような道具立てがあるということではありませんのですが、今回の法案の中では市町村が定める緑地のマスタープランであります緑の基本計画の記載事項に都市公園管理の方針を追加しております。この中で、人口減少等を踏まえた公園の再編の方針、あるいは官民連携による公園活性化の方針等を定める、こういったことを想定しております。その方針に即して、公園リニューアル、統廃合、再編、こういったことが計画的に進められるということが期待されると思います。  また、今回、都市公園利用者の利便のより一層の向上を目的として公園管理者と地域の関係者とが協議を行う協議会の仕組みを御提案しております。この協議会の仕組みも積極的に活用することでいろいろなニーズに応えて公園活性化が進む、こういった作用が期待されると考えています。
  114. 行田邦子

    ○行田邦子君 都市公園の統廃合あるいは役割分担ということを見直して、そして有効活用に資する本改正法案であってほしいというふうに思っておりますし、また、協議会によりまして地域皆さんの知恵を出し合うということも非常に重要かなと思っております。  続きまして、緑化地域における緑化率の最低限度の基準の見直しについて伺いたいと思うんですけれども、これも局長に伺いたいと思います。この緑化地域緑化率の最低限度の基準の見直しを本改正法案に盛り込んだ意図は何でしょうか。
  115. 栗田卓也

    政府参考人栗田卓也君) 緑化地域制度についてのお尋ねでございます。  この制度は、主に大都市などで緑地が不足して、緑化推進が必要な地域民間の建築行為に併せて植栽等の緑化施設整備を求める、こういう制度でございます。この制度では、建築敷地面積に対しまして整備すべき植栽等の緑化施設面積の割合、こういったことで緑化率の最低限度を定めるということでございます。  ただ、現行制度は、空地におけます緑化、屋上とか壁面でなくて空地における緑化を念頭に置いて考えられておりましたので、商業地域など建蔽率が高く指定されている地域では緑化率の最低基準が低く設定される、こういう仕組みになっておりました。近年、屋上緑化ですとか壁面緑化が普及してきております。そうした中で、緑化地域制度をより効果的に活用したいという地方公共団体の意向も出てきております。  今般、その基準を見直しまして、商業地域などでも地域の実情に応じてより柔軟に緑化率の最低基準を設定できるようにしたいというような御提案でございます。
  116. 行田邦子

    ○行田邦子君 この緑化地域制度なんですけれども、緑化地域を指定している市区町村がどれだけあるかというと、世田谷区、横浜市、名古屋市、愛知県の豊田市と、この四市区だけだということで、ちょっと寂しい状況だなと思っております。こうした緑化地域を指定する自治体というのは、恐らく都市緑化について非常に思いが強かったり、あるいは意識が高いんだろうと思いますけれども、この緑化地域の指定ってなかなかこのままだと広がっていかないのかなというふうに思っております。  自治体が緑化地域指定をする敷居を低くするために、私は何かこのインセンティブ要素を制度に加えた方がよいのではないかなと思いますが、局長、いかがでしょうか。
  117. 栗田卓也

    政府参考人栗田卓也君) 緑化地域制度は、もう御案内のとおりでありまして、民間事業者にその建築の際に一定の緑化を義務付けるというようなことでございます。委員指摘のように、自治体に直接的に地域指定をする、そういったインセンティブ加えることについては多々難しい面があろうと思いますけれども、引き続き知恵絞らせていただきたいと思います。  ただ、今般の法改正の中では、市町村の緑のマスタープラン、この記載事項の見直しを行っておりまして、この法案、もしも施行させていただくという段階になりましたら、自治体でこの緑のマスタープランの見直し、これ積極的に促していきたいと思います。そういった見直し作業を契機として、自治体で緑地保全緑化推進について総合的に改めて検討していただくという契機になりますので、緑化地域制度活用についても今回の制度の見直しの趣旨と併せてきっちりとお伝えをしていきたいと思っております。  また、自治体が制度展開、この制度活用していくという上では、最終的に規制を受けることになる民間取組を盛り上げるということが大事だと思います。この点、企業などの自発的取組によって建築物の屋上、壁面の緑化は実態として増えてきています。例えば、屋上、壁面緑化の一年当たりの施工面積、これ平成十二年には約十四万平米でありました。平成二十六年にはこれ約三十四万平米になっていまして、大体二・四倍に増加しています。  引き続きまして、我々、技術支援ですとか成功事例の普及、こういったことで民間取組を盛り上げる、こういったことで自治体の制度適用の一助にもしていきたいというようなことを考えているところでございます。
  118. 行田邦子

    ○行田邦子君 屋上、そしてまた壁面緑化というのは随分一般化されつつあるとは思います。  そこで、続いて伺いたいんですけれども、昨年の十月に、二〇二〇年オリパラに向けての検討ということで、アスリート・観客にやさしい道づくりに向けた提言というものがなされています。その中にもあるんですけれども、壁面緑化というのは、これ、道路の方位や緑化面積によって差があるものの、道路空間の温度低減にも一定の効果があるというふうに提言がなされています。  そこで伺いたいんですけど、ちょっとこれ、五番と六番一緒にお答えいただけたらと思うんですけれども、二〇二〇オリパラを迎える東京において、壁面緑化を増やすことが暑さ対策につながり、また緑の多い国際都市東京をアピールできると考えますけれども、国土交通省としての壁面緑化を増やすための取組についてお聞かせいただけますでしょうか。
  119. 栗田卓也

    政府参考人栗田卓也君) 二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピック、これ夏季の開催でございますので、競技者、観客の暑さ対策、大変重要な課題であります。そのための方策の一つとして、壁面緑化、大変重要と考えています。  壁面緑化効果につきましては、平成十八年に独立行政法人建築研究所が研究をしております。コンクリート壁面と緑化パネルを比較して、表面温度が日中の最大ピーク時で約二度から四度低下する、体感温度が約一から二度低減する、こういった報告がございます。  また、平成二十七年に国土交通省設置したアスリート・観客にやさしい道の検討会の中でも、シミュレーションによりまして、壁面緑化によります一定の気温低減効果が検証されているということでございます。  壁面緑化、これまでも我々、例えばコンクールで顕彰するということですとか、メリット、成功事例をまとめたガイドブックを作成、公表するといったようなことでその推進に取り組んできておるところでございます。技術的にも、既に成長した花などを植えた薄いパネル状の植栽基盤を建物の壁面に設置する、こういった技術開発が進んできておりますので、そういった技術の周知も図っていきたいというふうに考えております。  今回の緑化率の基準の見直しも含めまして、大都市における壁面等の緑化、積極的に推進していきたいと考えているところでございます。
  120. 行田邦子

    ○行田邦子君 二〇二〇年のオリパラというと、非常に暑い中での開催となります。ちょうどマラソンなどが行われる時期は道路の温度が五十度を超えるだろうというふうに言われていますけれども、そこで、道路局長に伺いたいんですけれども、二〇二〇オリパラの暑さ対策として、国土交通省として路面温度の上昇を抑制する道路舗装について検討を重ねてきたと承知していますけれども、その検討結果をお聞かせいただけますでしょうか。
  121. 石川雄一

    政府参考人(石川雄一君) お答えいたします。  先ほど都市局長から答弁がございましたように、国土交通省では、平成二十七年四月にアスリート・観客にやさしい道の検討会を設置いたしまして、二〇二〇年オリンピック・パラリンピック東京大会に向けた暑さ対策について検討を行ってまいりました。この中で、路面温度上昇抑制機能を有する舗装等につきまして、昨年八月に検討会委員の競技経験者に実際に舗装の上を現地で試走をいただきまして、御意見を聴取いたしました。また、学識経験者を含めた委員皆様方からの御意見等も踏まえまして、委員指摘の昨年十月に提言が取りまとめられたところでございます。  この提言の中では、路面温度上昇抑制機能を有する舗装として遮熱性舗装を積極的に採用することに加えまして、緑陰の形成や暑さに関する情報提供など、ハード、ソフトの対策が効果的、効率的に行われるよう、そのコストにも配慮しながら、関係機関等が互いに連携し協力することの重要性が指摘をされております。  今後とも、この検討を踏まえまして、東京都を始めとする関係機関とも連携をいたしまして、二〇二〇年に向けて必要な対策を講じてまいります。
  122. 行田邦子

    ○行田邦子君 終わります。
  123. 増子輝彦

    委員長増子輝彦君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。  これより討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
  124. 山添拓

    山添拓君 日本共産党を代表して、都市緑地法等の一部を改正する法律案に反対の討論を行います。  まず、生産緑地法改正による都市農園の保全を図る内容は、従来から我が党が提案してきた方向であり、また、二〇一五年の都市農業振興基本法を具体化するもので、賛成です。しかし、再生、活性化という名目で、営利目的の民間事業者による都市公園の開発手法を拡大する規制緩和を含む都市公園法の改定には反対です。  都市公園は、建築行為等が制限される公共空間であり、市民の憩いの場です。緑が安らぎを与えるだけでなく、災害時には延焼防止や避難場所としての機能も期待されます。本来、設置者である自治体の責任で施設設置管理を行うべきであり、その役割民間事業者に肩代わりさせる一方で、収益施設設置による大規模な開発を認めることは、公共施設としての公園の機能を損ないかねません。  また、公共還元収益施設設置管理を行う民間事業者を公募選定で行う制度には、住民利用者の意向を反映させる仕組みがありません。学識経験者の意見聴取や任意の協議会、運用方針、またその運用指針自身も事業者に都合の良い解釈を許すものですが、こうした法的拘束力のない仕組みでは制度の悪用を防げません。そのことは、立体都市公園をめぐって渋谷区宮下公園で起きている事例を見ても明らかです。さらには、公園管理の責任主体についても曖昧になるおそれがあります。  なお、都市の緑の総量を保全し増やす方向を基本とする生産緑地法等の改正と、投資、開発によって収益を上げる仕組みを新たに導入しようとする都市公園法改定とは、目的も内容も、また法成立後に想定される事態も大きく異なります。本来、こうした内容を一本の法案として提案すること自体にも問題があると考えますので、指摘をいたします。  以上の理由から本法案には反対とする旨を申し述べ、討論といたします。
  125. 増子輝彦

    委員長増子輝彦君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。  これより採決に入ります。  都市緑地法等の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  126. 増子輝彦

    委員長増子輝彦君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  127. 増子輝彦

    委員長増子輝彦君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時三十一分散会