○川合孝典君 ICTとか
技術革新が進んでいく中で、診療のいわゆるデータを共有することによって効率的かつ迅速に
医療サービスが正確に提供できるような体制を整えるという、この
考え方自体は非常に方向として正しいことだと思っておるんですが、私、この
議論聞いておりまして少し違和感を実は感じていることがありまして、そのことについて少し
大臣の御見解もお伺いをしたいんですが。
この
議論をしていく中で、いわゆるレセプトの審査の地域差、審査の在り方自体が統一感がないといったことや、いわゆるレセプト審査にコストが掛かるということをもって、より
組織を効率化することで要はローコストでこのシステムが動くようにしようという、こういう偏った
議論になっているんじゃないのかと実は私は思っております。
従前も申し上げましたとおり、私の親族、関係者も医師、
医療機関の関係者でございますので、支払基金と
医療機関との関係がどうなっているのかということについては重々承知しております。いわゆるコスト面だけで、
職員が多い、
事業所が多い、そのことをもってそれを効率化できないのかという
議論になっておりますが、私は、この業界を中から見ておりまして
思いましたのは、支払基金がレセプトの厳しいチェックを行うということでもって、処方、レセプトが、というか、薬剤の処方の適正化が図られていると、要は抑止力としての効果というものが非常に大きいんじゃないのかというふうに思っております。恐らく、レセプト審査が甘くなれば、薬剤の処方量だとかというものについても間違いなく増えていく方向に働くだろうと
思います。
これはもう皆さん釈迦に説法でありますが、
医療機関にとって、いわゆる薬価差、薬価差益というのは少なからず病院の収入にもつながっているものでありますので、薬剤をたくさん使えばそれだけ場合によっては
医療機関の収入にもつながっていくということがございます。したがって、厳しくチェックをするということがあるということ自体が今の薬剤費の水準に抑え込んでいるという側面があるということを踏まえた上で
議論をしていただきたいということなんです。
それと、もう一つなんですが、機械化することで
事業所を集約できるのではないのかということの御
議論があることも伺っております。
もちろん、集約できるものは集約していこうという
議論について、これに反対をするつもりはないんですが、他方、
医療というのは究極のオーダーメードであります。同じ疾患であっても人によって当然、薬剤や様々な治療の効果というのが変わってくる。それをお医者さん、ドクターがきちんとお一人お一人確認された上で治療方針や処方というものを
考えていらっしゃる。したがって、それを、それぞれの地域で、これは国保連も同じことでありますけれども、それぞれの地域できめ細かく
対応を行っていくことで今のシステムが成り立っているということであります。
関係者の方にお話を伺いますと、審査をされるいわゆるドクターを、いわゆる支払基金でレセプトチェックをしていただいているドクターを確保するというこの手間だけでも、相当な実は人材確保にも手間が掛かっているということを
考えたときに、地域の治療方針だとか、様々な
医療機関、大学病院等々の治療のやり方、方針というものを全く無視して、一本だけ線を引いてこの水準でということを、安易に機械化させるということだけでは恐らく本質的な
医療の質を守ることにつながらないのではないのかという、こういう実は認識を持っておるんですが。
いろいろ申し上げて申し訳ございません。今私が指摘したことに関して、
大臣、その辺りのところを丁寧にちょっと検証、御
議論、これから御
議論に生かしていっていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。