○藤井基之君 ありがとうございました。
今回、私まだ
大臣の声を聞いていないので、
一つ大臣に
お尋ねをさせていただきたいと存じます。
今、
東京女子医大の件で、お薬の名前で、プロポフォールという名前が出てまいりました。このお薬は、イギリスで開発された全身麻酔剤でございまして、現在、日本を含めまして世界では百か国以上の国で使われている意外とポピュラーな薬でございます。
ただ、私
ども、どちらかというと薬物乱用、いろいろな話をする機会、会合に出てまいりますと、このお薬は別な
意味で非常に有名なお薬だということが
認識されています。といいますのは、プロポフォールと聞くと、まず思い浮かぶのは誰かと、マイケル・ジャクソンなんですね。世界のポップス界に君臨しておりましたマイケル・ジャクソンが五十歳の若さで亡くなった、これは二〇〇九年のことでございました。その死因はこのプロポフォールの中毒でありました。彼は以前から薬物依存があったのではないかとの
指摘が強うございましたけど、このプロポフォールの、死因としては急性プロポフォール中毒となっておりまして、この主治医、そしてその注射をしたという
医師は有罪判決を受けたというものでございました。
このほかにもこのプロポフォールを使った乱用
事件というのは実は幾つも出ておりまして、お隣の韓国でも、二〇一三年には芸能界の多くの女性の方々がこの乱用の問題がありまして、社会問題になったと記憶をしております。
このプロポフォールの乱用というのは、実はそういう芸能人の方が多いように聞こえますけれ
ども、本当はこれ、調べてみますと
医療関係者に多いんですね。もうそれは薬剤の性格だと思うんですね。注射でありますし、麻酔のところで使われる睡眠
導入、これは必ずしも適応じゃないと言われている。そういう使われ方をすることによって、
医療関係者の乱用が多いとも言われております。
この乱用の問題で、ちょっとポイントずれますけれど、今、アメリカなどでは、いわゆる処方薬といいましょうか、お医者さんが
医療に使うお薬、この乱用が大きな問題になっているという
報告がいっぱい伝わっているわけです。
もう御案内のとおりと思いますけれど、現在アメリカで処方薬の乱用による死亡者、この死亡者数はアメリカにおける交通事故の死亡者数を上回るものになっていると。そして、アメリカの麻薬取締局、DEAが、非
医療目的、
医療の目的以外の目的で使われているこの処方薬の費用、これだけで年間五百三十億ドルを上回るなどと、そのような推計もされております。非常にアメリカにおいては今処方薬の乱用ということが取り沙汰されておりまして、もちろん日本は、おかげさまでと申しましょうか、
厚生労働大臣の
指導もありまして、乱用の問題というのはそれほど大きな問題になっていない、もう御同慶の至りでございます。
ただ、この日本におきましても、例えば精神安定剤等の処方薬の
医療機関からの紛失であるとか、あるいは盗難を受けた、こういったケースは毎年起こっているわけなんですね。
私は、今回のプロポフォール、この名前を聞いて、まず最初私はそちらを思いまして、なぜこれだけ有名な、薬物乱用のターゲットの
一つであるような薬剤の乱用をどうしてすぐに止められなかったんだろうかと思いました。そして、私は、これを知っているとしたら、多分お医者さんよりも
薬剤師の方が知っているんだろうと思うんですが、なぜ
薬剤師はちゃんと言えなかったのかということを残念でならない。今回の安全問題、
特定機能病院の
医療安全管理に関する
承認条件の
見直しで、これ昨年の六月に既に施行規則を変えていただきまして、特機
病院の
承認要件に
医療安全管理責任者を配置するとか、あるいは専従の
医師、
薬剤師、看護師を
医療安全管理部門に配置するんだ等々の非常に積極的な
対応を取っていただきました。これは、今回の
改正法に示されている
ガバナンス改革と相まってすばらしい効果を用意していただけるんだと思っております。そして、それをリードしていただきました
大臣、努力に対して高く評価をいたしたいと思っているんです。
ただ、
大臣が衆議院での
厚生労働委員会で、実はこのような発言をなさっておるところがあるんですね、言葉尻を捉えるつもりは毛頭ありませんけれ
ども。これらの配置問題に加えまして、内部通報窓口の
設置というものを義務化いたしました、やはりなかなかパラメディカルの方々がお医者さんの批判をするのは勇気が要るわけでありますけれ
ども云々と、だけど、それに負けないようなそういう窓口というのをやりましょうよと、こう
大臣は言われているわけですね。そして、この
病院の風土を変えるということは簡単ではございませんけれどということから、そのときの答弁の中でこういうふうにも言われているんですね。専任の
医師あるいは看護師、
薬剤師等々の
資質がどうなのかということ、
厚生労働省においてもしっかりと見て、必要なら
指導していくということをやっていきたいと思いますとも答弁されている。つまり、制度をつくっても、そこに働く方々がどのような気持ちでどのように仕事をするかということが大切だと、そういうことを言われたんだと思う。私もそのとおりだと思うんです。
ただ、御案内のとおり、例えば今回、
特定機能病院に専従の
医師と
薬剤師と看護師さんを配置しますと言われたけど、実はこの
医療専門職、先ほ
ども太田
先生からもお話ありましたけど、結構、単純に人増やしてくださいと言っても、実は、そういう
医療機関で人を充足していることってめったにないんですよね。そして、
業務はただただ増えてきているわけです。ある種のブラック企業化していると言うと言葉は悪うございますけど、
医療環境というのはかなり劣悪になっているんじゃないかというふうに危惧します。
薬剤師も同様でございまして、病棟
業務が増えたり
医療安全対策
業務が増えていると。ただし、じゃ、それに伴って増員が認めてもらっているかといったら実はそうでもない。これは全ての
医療職について同じだと思うんですよ。
私は、このように、国民が応えて、そして
行政担当から、こういうこともこういうこともやった方が国民、世のためになるんだと、こう言ってくれている。じゃ、それができるようにするためにはどうするのかというところも踏まえて、私はこれから
厚生労働大臣にこのジャンルでのリードをお願いしたいと思っております。
医薬品の院内の
医療事故、これを防止するために、私は、やはり
医薬品の適正
使用というものに対してのプロだと思っております、
医薬品情報に接する機会の多い
医薬品の
専門家である
薬剤師がより主体的に関与するような仕組みというもの、これも用意していただけたらと考えております。
最後になりますけれど、
大臣の御見解を伺いたいと存じます。