○自見はなこ君 今
局長が、必要な
医療という
言葉を言っていただきましたけれ
ども、
医療といいましても、実は、御承知のように様々なことを指します。例えば、乾燥性の湿疹があるのでクリームを処方しましょうというのもこれも
医療的な処置でございますし、あるいは、少し尿が出づらいので導尿しましょうというのももちろん
医療処置でございます。また、軽い胃腸炎になったときに脱水になることがよくありますけれ
ども、点滴、輸液をしようというのもこれも
医療であります。
また、恐らく一番、私が働いておりましたのは一般病院でありますけれ
ども、総合病院でありますけれ
ども、勤務医として働いておりまして、救急患者さんというのを受け入れるときという
観点から見ますと、やはり一番多いのは、施設からの受診のパターンとしては誤嚥性肺炎などの感染症による発熱というのが一番多いというふうに
感じております。どうしても寝たきりのままの姿勢が多いので横になっておりますし、それから、ごっくんする力、嚥下の機能が落ちておりますので、口の中にいる口腔内のばい菌、細菌が気管の方に入りやすくなりますので、誤嚥性の肺炎になることがよくあります。
この肺炎に対して採血やレントゲンといったものがいわゆる必要な検査でございまして、治療といたしましては抗生剤などの点滴ということになっております。順調に抗生剤が反応した場合というのは、大体十日間、幅はありますけれ
ども、十日間ぐらいの加療で落ち着く場合が一番多いのではないかと思いますけれ
ども、今の現状ですと、その間よくありますのが、やはり総合病院などで、救急車で搬送されまして急性期の肺炎という診断で、DPCも一番高いところで算定をされるということが現実的にはあります。
また、施設に入っておられる方の立場からいたしますと、やはり変化というものに大変敏感であります。今までいるスタッフ、スタッフに囲まれて日々の
ケアをしてもらうということも非常に大事でありますし、また、急性期病棟では、御承知のようにアラームが鳴っていたりいろんなモニターが付いておりますので、若い方が
入院しても、ICUシンドロームといいますけれ
ども、ちょっと譫妄が起きたりいらいらしたり、普通じゃないような言動をされるような方もおられます。
ですから、総合的に
考えますと、
医療ということの幅はもちろんあるわけでありますけれ
ども、幅のある
医療の
部分のこの幅に関してでありますけれ
ども、私はこの
医療保険の外出しのことというものに関しましては、いろんなことをさっき申し上げた、繰り返しますけれ
ども、肺炎に関して同じ治療でありますので、
高齢者の心理的そして身体的な
負担からも
考え、そして
医療費の
負担適正化という
観点、そして救急
現場の
負担感ということ、この三つのことから
考えまして、
是非介護現場における
医療というものの給付の在り方には見直しをしてほしいと思っておりますし、
蒲原局長がおっしゃってくださいましたような三十年のダブル改定というものもございますので、期待をしているところであります。どうぞよろしくお願いをいたします。
また、付け加えますと、
介護医療院のことから少し離れますけれ
ども、日本の行政の仕組みづくりということに関しましては、おおよその場合でありますけれ
ども、様々な場面、恐らく
厚生労働行政以外もだと思いますけれ
ども、施設と結び付いていることが多くあると思っております。例えば、保育園でも保育とそれから病児保育というのを分けておりますし、これは施設ごと分けております。ただ、ヨーロッパでは子供は風邪を引くものだという大前提がありますので、保育園の園長が看護師の資格を持っていなければいけないということを定めているところもありますし、あえて病児保育ということで施設ごと切り分けていない国も大変多うございます。
日本は何かと施設ごと切り分けるのが好きな国なんですけれ
ども、そろそろ私
たち日本も、人的資源もそれから
財源ももう限られてきておりまして、二十年前、三十年前の日本ではもうございませんので、丸ごとということをうたってくださっておりますから、そういった
観点からも
社会保障全体の見直しをしてくださることを願っております。よろしくお願いいたします。
それでは、次の
質問に移ります。
全国には八百近い地区医師会、地区の医師会というものがございます。大変興味深いのですが、それぞれの地区医師会には必ず歴史がございます。長いと百年以上の歴史がございます。そして、それが必ずしも行政の区分と一緒になっていないんですけれ
ども、実はその歴史の方が古いから一緒になっていないということが多々あります。例えば、京都の西陣とかもそうですけれ
ども、自分
たちの長年守ってきたエリアがあると、そっちの方を優先して医師会活動が今も行われている。非常に患者様、
利用者や
医療従事者、そして行政の方と顔が見える関係というのが構築されている地区医師会というのが実は大変多うございます。
私自身、
全国を回らせていただく中で、この
地域包括
ケアというものを
考えますと、この
地域の中で顔が見える関係が構築されているような
地域力のあるところというのは既に
地域包括
ケアの土台ができ上がっているなと思っておりまして、これかなり
地域差があるんですけれ
ども、やはり一番難しいのが顔が見える関係の構築から始めなければいけない
地域というのが難しいなというふうに思っております。
その中で、この
地域包括
ケアを今後どうやって進めていくかという話ですけれ
ども、私の感覚からいいますと、
地域を丸ごと病棟に例えて機能させてくださると大変に有り難いなと思っております。
といいますのは、御承知のとおり、医師は診断とそれから治療方針を決めることはできるんですけれ
ども、それ以外のことは本当に何も一人ではできません。病棟でも、
入院していただきますと、ナースステーションがあって、看護師の皆様にいろんな処置をしていただいて、それから事務の
仕事はクラークさんがいてしてくださいますし、それから、
入院した方が退院に向けてどのような
支援をしようかというときは、
入院して早々からソーシャルワーカーさんにも助けていただきます。また、リハビリに関しましては理学療法士の方にしていただくといった具合で、病棟というふうに
考えますと、そこだけでも既に多職種連携であります。
是非、この
地域包括
ケアというのは、地方が丸ごと病棟だという感覚でおりますので、今回の
医療と
介護連携、非常に大事でありますが、そういった多職種連携といった概念、これを真ん中に置いていただきたいというふうに思っております。
それでは、
質問に入ります。
今後でございますが、先ほど私なりの
地域包括
ケアに対する所感を述べたところでございますけれ
ども、
厚生労働省は
介護と
医療の連携を深めるために、今後具体的にどう取り組んでいこうと
考えておられるのか、お
考えをお聞かせください。