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磯崎仁彦君 自由民主党・こころの
磯崎仁彦でございます。
今
議題となりました
原子炉等規制法等の
改正法案について
質問をさせていただきたいと思います。
まず、
質問に先立ちまして
一言発言をさせていただきたいと思います。
去る三月の十七日に前
環境大臣政務官をされておりました
白石徹衆議院議員が逝去されました。ちょうど私がこの
環境委員会の
委員長をさせていただいているときに
環境大臣政務官をされておりました。そのとき体調が悪い様子でございましたので、非常に心配をしておりましたけれ
ども、このように残念な結果になってしまいました。
山本大臣はまさに同郷の同志でございますし、私も
四国の
議員ということで、
四国ブロックの
会議におきましてはいろいろ御指導いただきました。
白石徹先生の御冥福を心からお祈りを申し上げたいというふうに思っております。
それでは、気持ちを切り替えまして、
質問をさせていただきたいと思います。
まず、非常に大きな話でございますけれ
ども、
安心と安全ということについて
大臣に
質問をさせていただきたいというふうに思っております。よく安全、
安心ということで、対で
いろいろ話がなされます。しかしながら、安全と
安心とは当然のことながら
内容は異なるわけでございます。
私は、この安全、
安心につきまして意識をしましたのは、
国会議員になります前に民間の
企業におりまして、
危機管理、
リスクマネジメントを担当しておりました。また、同じくコンプライアンスというのを担当しておりまして、そのアドバイザーの
先生から、もう十年近く前になりますけれ
ども、最近は
消費者の
企業を見る目が非常に厳しくなってきている、
消費者の方は安全ということだけではなくてやはり
安心を求めるようになったという、そういう
発言をされたことがございました。そして、たしか昨年であったと思いますけれ
ども、党のある部会の中でもある有識者の方が、
安心と安全とは違うんだ、これをやはりはっきり分けて議論すべきだという、そういう話を
伺いまして、改めてこの安全と
安心ということにつきまして強く意識したということでございます。
安全は
基準等で推し測ることができる、そういう
評価することが可能なものだというふうに
認識をしております。
他方で、やはり
安心というものは、まさに人それぞれの心理的なものがあるというふうに思っております。なかなか
評価をしたり推定をすることができない、ただ、やはり非常に重要な要素だというふうに思っております。
安心感を得るためには、まさに
信頼を得ることが
前提であるというふうに思っております。
信頼のない
企業が
幾ら安全基準を満たしたと言っても、安全だ安全だと言っても信じてもらえないわけでございます。
信頼感のないところに
安心はない、私はそのように思っております。
そして、一般的には、安全は、その安全の
基準を満たすためにはやはり
コストが掛かるという面があるかと思います。安全の
基準を厳しくすることにはなかなかやはり上限がない、どこまで安全というのを満たしたらいいんだろうかということも恐らくあるんだろうというふうに思っております。また、
コストを考えない
安全対策というものは、それによって別の
安全対策、これを失うということで
機会費用をもたらすということがあるんだろうというふうに思っております。私は、決して安全ということをおろそかにすべきだということではないので、誤解をしていただきたくないなというふうに思っておりますけれ
ども、そのように考えております。
私は
航空会社におりましたので、
一つ例を挙げさせていただきたいと思います。今でこそ
飛行機はほとんど
エンジンが二発、こういった
飛行機が今一般的になってきておりますけれ
ども、昔は、例えばジャンボとかいって四発
エンジン、こういった
飛行機がたくさん飛んでおりました。これもある
意味理由がございまして、いわゆる
ETOPSという、こういう
考え方がございます。英語は苦手なんですけれ
ども、エクステンデッド・レンジ・ツイン
エンジン・オペレーショナル・パフォーマンス・スタンダード、いわゆる
ETOPSというふうに言われておりますけれ
ども、これは、ツインの、
エンジンを二基しか持たない旅客機、これはそのうちの一基が
飛行中に停止した場合であっても
一定時間に代替の空港へ緊急着陸できる、こういうことが可能な
航空路のみでしか
飛行が許されないということで、例えば、一番
最初は、最寄りの
飛行場から百マイル、あ
るいは、そこに六十分以上離れたら駄目なんだということで、大きな
大洋上空を飛んだり、
北極海上空を飛ぶことが難しい、こういった
状況の下で、四発の
飛行機がそういう長距離では使用されておったという
状況がございました。
ただ、その後、やはり
エンジンの
性能も非常に良くなって、この
ETOPS、百二十分ルール、いわゆる、昔は六十分離れておったら駄目だということが百二十分まで拡大をされて、それによって例えばこの二発の
エンジンの
飛行機が今のようにどんどん
導入されてくるようになった。今では
ETOPS二百四十とかで、百八十とか二百七とか二百四十とか、どんどんやはり
エンジンの
性能が良くなってきているということで、こういった
基準も緩和をされて現在に至っているということがございます。
やはり私は、
技術開発をされたり新しい
技術が
導入をされる、これによって
安全基準といったものも不断に
見直していく、そういうことが必要なんだろうというふうに思っております。ただ、やはり
他方で、いろんな
事故が
発生をした場合には、それに伴って
規制を厳しくしていく、こういったことも必要なんだろうというふうに思っております。
私は、多くの人が納得をするような、こういう
安全基準を満たした上で、日頃から
消費者に対して、
国民の
皆様に対しては真摯な
対応を取ること、これはやはり必要なんだろうというふうに思っております。
またとかく
隠蔽という言葉もよく使われるわけでございますけれ
ども、こういった
物事を隠す
隠蔽体質ということではなくて、公開をしていく、
透明性を持って臨む姿勢、これがやはり
信頼感を醸成することにつながるんだろうというふうに思っております。
更に言えば、万が一の
事故の場合でも被害を阻止できる、そういう
体制を、例えば
企業であれば社内にきちんと完備をしていく、こういったことを取っていくことによって
国民の
皆様に
安心感を持ってもらう、
安全基準をきちんと満たした上で
国民の
皆様に
安心感を持ってもらって初めて事業は成り立っていくんだろうなというふうに思っております。
そういった
意味では、とかく安全、
安心ということで一くくりに言われるわけでございますけれ
ども、やはり安全、
安心というのはきちんと区分けをした上で、安全とは何なのか、
安心とは何なのか、これをやはり、きちんといろんな
機会に
認識をした上で
物事を遂行していかなければいけない、このように思っているわけでございますけれ
ども、この安全、
安心ということについて、
大臣の所見がございましたら
是非お
伺いをしたいというふうに思っております。