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2017-03-07 第193回国会 参議院 環境委員会 第2号
公式Web版
会議録情報
0
平成
二十九年三月七日(火曜日) 午後零時二十四分開会 ─────────────
委員
の
異動
一月三十一日 辞任
補欠選任
進藤金日子
君
鴻池
祥肇
君 ─────────────
出席者
は左のとおり。
委員長
森
まさこ
君 理 事 磯崎
仁彦君
高橋
克法
君 芝 博一君 石井 苗子君 委 員 尾辻 秀久君
鴻池
祥肇
君 佐藤 信秋君 中川 雅治君
二之湯武史
君 松山 政司君
渡辺美知太郎
君
榛葉賀津也君
浜野
喜史
君 柳田 稔君 長沢 広明君 若松
謙維君
市田 忠義君 武田 良介君
国務大臣
環境大臣
国務大臣
(
内閣
府
特命担
当
大臣
(
原子力
防災
))
山本
公一
君 副
大臣
環境
副
大臣
関
芳弘
君
環境
副
大臣
伊藤 忠彦君
大臣政務官
環境大臣政務官
比嘉奈津美
君
環境大臣政務官
井林
辰憲
君
政府特別補佐人
原子力規制委員
会委員長
田中
俊一
君
公害等調整委員
会委員長
富越
和厚
君
事務局側
常任委員会専門
員 星 明君 ───────────── 本日の
会議
に付した案件 ○
環境
及び
公害
問題に関する
調査
(
環境行政等
の
基本施策
に関する件) (
平成
二十九年度
環境省予算
及び
環境保全経費
の
概要
に関する件) (
公害等調整委員会
の
業務等
に関する件) (
原子力規制委員会
の
業務
に関する件) ─────────────
森まさこ
1
○
委員長
(
森まさこ
君) ただいまから
環境委員会
を開会いたします。
委員
の
異動
について御報告いたします。 去る一月三十一日、
進藤金日子
君が
委員
を辞任され、その
補欠
として
鴻池祥肇
君が選任されました。 ─────────────
森まさこ
2
○
委員長
(
森まさこ
君)
環境
及び
公害
問題に関する
調査
を議題といたします。 まず、
環境行政等
の
基本施策
について、
山本国務大臣
から所信を聴取いたします。
山本国務大臣
。
山本公一
3
○
国務大臣
(
山本公一
君)
環境大臣
及び
原子力防災
を担当する内閣府
特命担当大臣
の
山本公一
です。 第百九十三回国会における
参議院環境委員会
の御審議に先立ち、
環境政策
及び
原子力防災
に関する私の考えを申し述べ、
委員各位
の御理解と御協力をお願いいたします。 現在、
環境行政
の柱としては、大きく、
東日本大震災
からの
復興
、
創生
と
循環共生型社会
の構築の二つを基軸に考えております。 まず、
東日本大震災
からの
復興
、
創生
について申し上げます。
東日本大震災
から今年の三月で六年が経過します。引き続き、
被災地
の
復興
を最優先の課題とし、取り組んでいかなければならないと考えております。
復興
の更なる
加速化
に向け、まずは、本年三月までに
除染実施計画
に基づく
面的除染
を完了させるべく
取組
を進めてまいります。
中間貯蔵施設
については、昨年、
土壌貯蔵施設等
の本格的な
施設
の
整備
に着手いたしました。本年も、引き続き
施設
の
整備
と
除染土壌等
の継続的な搬入を着実に進めていきます。また、住民の方々の放射線に係る
健康管理
や健康不安への対応についても、福島県の
県民健康調査
への
支援
、疾病の動向の把握、
地域
の
ニーズ
に合った
リスクコミュニケーション事業
の
推進
などの
取組
を適切に進めてまいります。
帰還困難区域
については、
復興拠点
の
整備
につき
福島復興再生特別措置法
の所要の改正がなされた上で、必要な役割を果たしてまいりたいと考えております。
指定廃棄物
については、各県それぞれの状況を踏まえつつ、引き続き安全な
処理
の実現に向けて地元と
調整
を進めてまいります。 さらに、
放射性物質汚染対策
を担う各組織を
廃棄物
・
リサイクル部門
と併せて一元化する等の
機構改革
を行い、
復興
、
創生
を加速してまいります。 まだまだ困難な課題がありますが、私は、
被災地
の皆様との
信頼関係
こそが一番大切であると考えています。何よりも
被災地
の皆様の思いに寄り添いながら、引き続き誠心誠意取り組んでまいります。 次に、
循環共生型社会
の構築について申し上げます。大きく、
地球温暖化対策
、自然の
保全
、活用と
生き物
との
共生
、
資源循環
の実現と安心、安全の
確保
という三つの柱から成ります。 まずは、待ったなしの
地球温暖化対策
について申し上げます。 昨年は、
パリ協定
が早期に発効するとともに、
国連気候変動枠組条約
第二十二回
締約国会議
、COP22において、各国が一致団結して
温暖化対策
に取り組むという固い決意を確認した年でした。
世界
は既に、
産業革命
以前と比べて
平均気温
の上昇を二度より十分低く保つとともに、一・五度に抑える努力を追求することを目的とする
パリ協定
の実現に向けてかじを切っており、私も会議に参加し、その潮流は変わらないものと確信しています。その中において、
我が国
は引き続き中心的な役割を果たしてまいります。
温室効果ガス
の
長期大幅削減
に必要な
技術
、製品、
サービス等
の将来市場は巨大なものとなります。
技術
、
経済
、
社会
、
ライフスタイル
のイノベーションを通じて低
炭素投資
を拡大し、この市場を獲得し、
経済戦略
の重要な要素として
気候変動対策
を進めてまいります。その際、
環境先進国
である
我が国
が相応の責任を果たし、高い
国際競争力
を維持し、
世界
全体の削減にも継続的に貢献していく上で、
国内
での
大幅削減
を実現していくことが欠かせません。 このため、まずは、昨年五月に閣議決定した
地球温暖化対策計画
に基づき、
国内
での
温室効果ガス
を二〇三〇年度に二〇一三年度比で二六%削減する目標の達成に向け、徹底した省エネルギーの
推進
や最大限の
再生可能エネルギー
の導入、
代替フロン対策
、民生や運輸を始めとする各
部門別
の
取組
、
ESG投資
など
環境金融
の
充実強化
、低炭素な
ライフスタイル
や
製品等
の選択を促進する
国民運動等
を進めます。
我が国
が有する優れた
技術
を生かして、二
国間クレジット制度等
も活用しながら、
国内
のみならず
世界
全体での削減に貢献し、
我が国
の更なる
経済成長
につなげてまいります。 また、二〇五〇年までに八〇%削減することを目指し、
環境省
として長期低
炭素ビジョン
の策定を進め、政府全体での長期低
排出発展戦略
の策定につなげてまいります。今後の中長期的な排出の大幅な削減と新たな
経済成長
のための有効な手段の一つであるカーボンプライシングについて検討を進めてまいります。 さらに、
温暖化
の影響が顕在化しつつある中、
適応策
についても、
国内
、
国際両面
で進めてまいります。 次に、自然の
保全
、活用と
生き物
との
共生
に向けた
取組
について申し上げます。 二〇一六年には、推計約五百四十六万人の
訪日外国人
が
国立公園
を訪れました。これを、
自然環境
の保護と両立した上で、大胆な
利用
の拡大を図り、二〇二〇年には一千万人の方々に日本の自然に親しんでいただくことを目指す
国立公園満喫プロジェクト
を進めます。まずは、八か所の
国立公園
において、昨年末までにステップアッププログラム二〇二〇が策定されました。これに基づき、優れた
自然環境
の
保全
を前提とし、自然の魅力を最大限引き出す
取組
や快適な
利用環境
の
整備等
を進め、
世界水準
の
ナショナルパーク
へと改革していきます。 また、人と自然との
共生
を目指し、
生物多様性条約
の
愛知目標
の達成に向け、
生物多様性
を
確保
するための
取組
を進めます。 まず、
希少種
の
保全
や
遺伝子組換え生物
の
使用等
の
規制
を更に図るため、今国会に、絶滅のおそれのある
野生動植物
の種の保存に関する
法律
の一部を改正する
法律案
及び
遺伝子組換え生物等
の
使用等
の
規制
による生物の
多様性
の
確保
に関する
法律
の一部を改正する
法律案
を提出いたしました。また、鹿やイノシシなどによる
被害
を防止するための
鳥獣管理
を
推進
するとともに、
外来種
の防除などに取り組みます。さらに、
災害
時の対応も念頭に、ペットの
適正飼養
などを進めます。 次に、
資源循環
の実現と安心、安全の
確保
に向けた
取組
について申し上げます。 将来にわたり
地域社会
、暮らしを支えるための更新時期を迎えつつある
一般廃棄物処理施設
の
整備
については、
地域
の需要に的確に応えられるよう、
広域化
、
集約化
を図りつつ、早急かつ適切に
支援
を進めてまいります。あわせて、
浄化槽
についても普及を進めます。 また、
熊本地震
や台風十号などによる
災害廃棄物
の
処理
について、全力で
支援
を行ってまいります。さらに、近年の
災害
の経験を踏まえ、
災害
が起こってから行動を起こすのではなく、今後想定され得る大
規模災害
もあらかじめ念頭に置いて、
災害廃棄物
の円滑な
処理体制
の
確保
及び
処理施設
の
防災拠点化等
の
強靱化対策
を進めてまいります。 さらに、
国内
における
廃棄物
の適正な
処理
の
確保
と、
特定有害廃棄物
の
輸出入規制
の
適正化
を図るため、今国会に、
廃棄物
の
処理
及び清掃に関する
法律
の一部を改正する
法律案
及び
特定有害廃棄物等
の
輸出入等
の
規制
に関する
法律
の一部を改正する
法律案
を提出いたします。また、
使用済小型家電
からの
リサイクルメダル
の
取組
を始めとする3Rの
推進
に取り組んでまいります。 現在及び将来の世代が良好な
環境
の中で健康に暮らす、そのための安心、安全の基盤を
確保
するための
取組
は、
環境省
の原点でもあります。様々に存在する
環境リスク
の低減に向け、しっかりと
取組
を進めます。 まず、
水俣病
を始めとする
公害健康被害対策
、
石綿健康被害者
の救済については、引き続き真摯に取り組みます。 また、
土壌汚染
に関する適切な
リスク管理
を
推進
するため、今国会に、
土壌汚染対策法
の一部を改正する
法律案
を提出しました。 さらに、
化学物質
の
環境リスク
の低減により一層取り組みます。子供の健康と
環境
に関する
全国調査
、いわゆる
エコチル調査
については、息の長い
取組
として引き続き着実に
実施
してまいります。 水銀に関する
水俣条約実施
の対応に関して、
国内
での
取組
を着実に進めるとともに、
途上国
の
水銀対策
の
支援等
を通じて
世界
の
水銀対策
をリードしていきます。
PCB廃棄物
については、一番早い
地域
では来年度末にも
処分期間
を終えることから、その処分を確実に達成できるよう
取組
を進めます。 依然として
環境基準達成率
の低い
微小粒子状物質
、いわゆるPM二・五については、
モニタリング体制
を強化するとともに、
科学的知見
の充実を図りつつ、
排出抑制対策
を
推進
します。あわせて、中国を始めとする
アジア各国
と
大気汚染対策
に関する協力を
推進
します。
マイクロプラスチック
を含めた
海洋ごみ対策
、瀬戸内海や琵琶湖の
環境保全
にも着実に取り組んでまいります。 次に、
原子力防災等
について申し上げます。 万が一の
原子力発電所
の事故に対応するため、内閣府
特命担当大臣
として
原子力防災
に取り組みます。
原子力防災会議
を中心に、
関係省庁
を挙げて、地方自治体の
地域防災計画
、
避難計画策定
への
支援
、要
配慮者
への対応や
防災資機材
の
整備
への
財政支援
、
原子力防災業務
に携わる人材の育成など、きめ細かな
取組
を行います。
原子力災害
に対する備えに終わりや完璧はありません。今年度は、
泊地域
で冬季の訓練を含めた
原子力総合防災訓練
を
実施
しており、これらの
防災訓練等
を通じて、各
地域
の
防災計画
、
避難計画
の継続的な
充実強化
に努めてまいります。
原子力規制
に関しては、
原子力規制委員会
が、
独立性
の高い
三条委員会
として、科学的、
技術的見地
から
公正中立
な立場で
規制
を進められるよう、
環境大臣
としてしっかりとサポートします。 また、今国会に、
原子力利用
における
安全対策
の強化のための
核原料物質
、
核燃料物質
及び
原子炉
の
規制
に関する
法律等
の一部を改正する
法律案
を提出しました。 昨日より今日、今日より明日、未来に豊かな
環境
をしっかりと引き継げるよう、そして将来、子供や
孫たち
の世代に、我々が頑張ったから今の豊かな
環境
があるんだと思ってもらえるよう、私は全力を尽くしてまいります。 以上、
環境大臣
として、また、
原子力防災担当
の内閣府
特命担当大臣
として、当面の
取組
の一端を申し上げました。
森委員長
を始め、理事、
委員各位
におかれましては、今後とも、
環境行政
及び
原子力防災
の一層の
推進
のため、御
支援
、御協力を賜りますようお願い申し上げます。
森まさこ
4
○
委員長
(
森まさこ
君) 次に、
平成
二十九年度
環境省予算
及び
環境保全経費
の
概要
について
説明
を聴取いたします。
関環境
副
大臣
。
関芳弘
5
○副
大臣
(
関芳弘
君)
平成
二十九年度
環境省所管一般会計予算
及び
特別会計予算
について御
説明
申し上げます。 まず、
一般会計予算
では
総額
三千二百六十六億円余を計上しております。 以下、その
主要施策
について御
説明
申し上げます。 第一に、
地球環境保全対策
については、昨年十一月に
パリ協定
が発効したこと等を踏まえ、
国内
及び
世界
全体での
地球温暖化対策
を着実に
推進
するとともに、
気候変動
の
影響
への
適応策等
に積極的に取り組んでまいります。そのために必要な
経費
として一千三百八十八億円余を計上しております。 第二に、
廃棄物
・
リサイクル対策
については、
廃棄物処理施設
や
浄化槽
の
整備
、
災害廃棄物対策
、
循環産業
の
育成
や
国際展開
の
支援
、リデュース、リユース、
リサイクル
のいわゆる3Rの
取組
の
推進
、
不法投棄対策
や
適正処理対策
の
推進
などに必要な
経費
として四百八十億円余を計上しております。 第三に、
自然環境
の
保全対策
については、
生物多様性
の
保全
及び持続可能な
利用
に向けて、
鳥獣保護管理
の
強化
、
希少種保護
や
外来生物対策
の
推進
、
国立公園
や
世界自然遺産
などの優れた
自然環境
の
保護
と適正な
利用
の
推進
などに必要な
経費
として百四十五億円余を計上しております。 第四に、総合的な
環境政策
の
推進
については、
環境
、
経済
、
社会
が相互に高め合う
社会経済
の仕組みを
構築
するべく、
事業活動
や
金融
の
グリーン化
、
環境教育施策
の
推進
、実効ある
環境影響評価
の
推進
などに必要な
経費
として三十三億円余を計上しております。 第五に、
公害健康被害対策等
については、
水俣病対策
、
公害健康被害補償制度
や
石綿健康被害救済制度
の適正かつ円滑な
実施
、
化学物質対策
の着実な
推進
などに必要な
経費
として二百九十五億円余を計上しております。 第六に、
大気
、水、
土壌環境等
の
保全対策
については、
微小粒子状物質
、いわゆる
PM
二・五などの
大気環境保全対策
、漂流・漂着・
海底ごみ対策
、
土壌汚染対策
などの
推進
に必要な
経費
として五十八億円余を計上しております。 第七に、
環境保全
に関する
調査研究
、
技術開発
については、
地球環境
の
保全
、
化学物質対策等
に関する
調査研究
、
技術開発
の
推進
などに必要な
経費
として四十億円余を計上しております。 第八に、
国民
の
ニーズ
、
地域
の実情に応じた
環境政策
を展開するため、
地方環境事務所
における
経費
として六十億円余を計上しております。 第九に、
原子力
安全の
確保
については、
原子力規制委員会
が行う
原子力安全規制対策
の
推進
に必要な
経費
として四百二十八億円余を計上しております。 次に、
特別会計予算
について御
説明
申し上げます。 まず、
エネルギー対策特別会計予算
では
総額
一千九百六十七億円余を計上しております。 以下、その内訳について御
説明
申し上げます。 第一に、
地球温暖化対策
については、
環境
が
経済
を牽引する
社会
となることを見据え、家庭・
業務部門
を
中心
とした
地域
における再エネ及び省エネの
普及
、
先導的技術
の
開発
と
社会実装
、
環境金融
や
社会システム
の低
炭素化
、
我が国
の
技術
による
世界
の低
炭素化
への貢献などに必要な
経費
として、
エネルギー需給勘定
に
一般会計
から一千三百五十四億円の繰入れを行い、
総額
として一千五百三十四億円余を計上しております。 第二に、
原子力安全規制対策
については、
原子力安全規制
の更なる
高度化
及び
原子力規制委員会
の
専門能力
の
強化等
を図るために必要な
経費
として、
電源開発促進勘定
に
一般会計
から三百二十六億円の繰入れを行い、
総額
として四百三十二億円余を計上しております。 次に、
東日本大震災復興特別会計予算
では、
中間貯蔵施設
の
整備
や
除去土壌等
の
適正管理
、
搬出等
の
実施
、
廃棄物
の
処理等
の
推進
などに必要な
経費
として、
復興庁所管予算
に
総額
七千百九十九億円余を計上しております。 以上が
平成
二十九年度
環境省所管一般会計予算
及び
特別会計予算
の
概要
であります。 最後に、各
府省
の
平成
二十九年度
環境保全経費
の
概要
について御
説明
申し上げます。
政府
全体の
環境政策
の効果的な
実施
を
目的
として取りまとめております
環境保全経費
については、
平成
二十九年度におけるその
総額
として一兆八千七百八十四億円余を計上しております。 これを
事項別
に見ますと、
地球環境
の
保全
のために五千百六十五億円余、
生物多様性
の
保全
及び持続可能な
利用
のために一千四百二十一億円余、
物質循環
の
確保
と
循環型社会
の
構築
のために八百七億円余、
水環境
、
土壌環境
、
地盤環境
の
保全
のために八百七十七億円余、
大気環境
の
保全
のために一千八百二十六億円余、包括的な
化学物質対策
の確立と
推進
のために四十六億円余、
放射性物質
による
環境汚染
の防止のために七千三百七十一億円余、
各種施策
の
基盤
となる
施策等
のために一千二百六十七億円余をそれぞれ計上しております。 以上、
平成
二十九年度の
環境省所管
の
予算
及び各
府省
の
環境保全経費
の
概要
について御
説明
申し上げました。
森まさこ
6
○
委員長
(
森まさこ
君) 次に、
公害等調整委員会
の
業務等
について
説明
を聴取いたします。
富越公害等調整委員会委員長
。
富越和厚
7
○
政府特別補佐人
(
富越和厚
君)
公害等調整委員会等
が
平成
二十八年中に行った
公害紛争
の
処理
に関する
業務
及び
鉱業等
に係る
土地利用
の
調整
に関する
業務
について御
説明
申し上げます。 まず、
公害紛争
の
処理
に関する
業務
についてでございます。 第一に、
平成
二十八年に当
委員会
に係属した
公害紛争事件
は合計五十三件でございます。 主な
事件
といたしましては、
空港
を離着陸する
航空機
を増便する旨の
計画案
が
実現
すると近隣において
事業
を営む
申請人
らの
人格権
及び
財産権
に対し
騒音
により甚大な
被害
が生ずるとして
滑走路
の
供用制限等
を求めた
東京国際空港航空機騒音調停申請事件
、
申請人
らに生じた
健康被害
が
建設工事
において
土地
を掘削した際に
発生
、拡散させた何らかの
化学物質
によるものであるとの
判断
を求めた江東区における
建設工事
からの
土壌汚染
による
健康被害原因裁定申請事件
、
水俣病
と認定された
患者
と
チッソ株式会社
との間で
患者個々人ごと
に具体的な
損害賠償額
を定める
水俣病損害賠償調停申請事件
などがございます。 また、
平成
二十八年中に終結した
事件
は三十四件でございます。 主な
事件
といたしましては、
申請人
らの家屋の損傷及び
健康被害
が
工場
から
排出
される
ガス
により生じたとして
損害賠償
及び
因果関係
の
判断
を求めた大東市における
工場
からの
排出物質
に係る
大気汚染等
による
財産被害等責任裁定申請事件
及び同
原因裁定申請事件
、油の漏えいによる
土壌汚染
をめぐる
民事訴訟
が係属中の
大阪地方裁判所
から
因果関係
の存否について
裁定
を嘱託された泉大津市における
土壌汚染被害原因裁定嘱託事件
などがございます。 以上のほか、
水俣病損害賠償調停申請事件
の
調停成立
後に症状の変化が生じたとして
慰藉料額等
の
変更
を求める
申請
が五件係属し、うち三件について手続が終了しております。 当
委員会
では、
公害紛争
の迅速、適正な
解決
に向け、
多様化
、複雑化する
公害紛争
への着実な
対応
と
公害紛争処理制度
の
利用
の
促進
を図ってまいりました。 具体的には、
地方
に在住する
当事者
の
負担
を軽減するため、
被害発生地
などの
現地
で
審問期日等
を積極的に開催すること、事実
関係
を明らかにする
事件調査
の
充実
を図ること、
国民
や
関係機関
に本
制度
を積極的に周知することなどに努めてまいりました。今後もこうした
取組
を一層進めてまいります。 第二に、
平成
二十八年に
都道府県公害審査会等
に係属した
公害紛争事件
は九十三件でございます。
公害
の
種類別
では、
騒音
に関する
事件
が多くなっております。これらのうち、同年中に終結した
事件
は五十二件でございます。 第三に、
全国
の
地方公共団体
の窓口に寄せられた
公害苦情
につきまして実態を
調査
いたしました結果、
平成
二十七年度の
公害苦情
の総件数は、前年度から約二千件減少して約七万二千件となっております。 これを
苦情
の
種類別
に見ますと、
大気汚染
、
水質汚濁
、
騒音
、悪臭など、いわゆる典型七
公害
に関する
苦情
は約五万一千件、それ以外の
苦情
は約二万二千件となっております。 当
委員会
といたしましては、
住民
に身近な場で
公害紛争
や
公害苦情
の
処理
を担う
地方公共団体
との
情報交換
などにも努め、緊密な連携を図ってまいります。 続きまして、
鉱業等
に係る
土地利用
の
調整
に関する
業務
について御
説明
申し上げます。 第一に、
鉱業等
に係る
行政処分
に対する不服の
裁定
に関する
業務
についてでございます。
鉱業法
に基づく
特定
の許認可などの
処分
に不服がある者は、
一般公益
や他の
産業
との
調整
を図るため、当
委員会
に不服の
裁定
を
申請
できるものとされております。
平成
二十八年に当
委員会
に係属した
事件
は、滋賀県甲賀市信楽町地内の
岩石採取計画変更認可処分
に対する
取消裁定申請事件
など五件でございます。 第二に、
土地収用法
に基づく
意見
の
照会等
に関する
業務
についてでございます。
土地収用法
に基づく
審査請求
に対して
国土交通大臣
が裁決を行おうとする場合などには、当
委員会
の
意見
を求めること等とされております。
平成
二十八年に当
委員会
に係属した
土地収用法等
に基づく
意見
の
照会
は四十五件であり、そのうち、同年中に
処理
した事案は十七件でございます。 以上が
平成
二十八年中に行った
公害紛争
の
処理
に関する
業務
及び
鉱業等
に係る
土地利用
の
調整
に関する
業務
の
概要
でございます。 続きまして、
公害等調整委員会
における
平成
二十九年度
歳出予算案
について御
説明
申し上げます。 当
委員会
の
歳出予算額
は五億六千万円でございます。厳しい
財政状況
の中、
公害紛争
の迅速、適正な
解決
に資するよう、第一に、
地方
に在住する
当事者
の
負担
を軽減するため、
現地
で
審問期日等
を開催する
経費
として千二百万円、第二に、事実
関係
を明らかにする
事件調査
の
実施経費
として三千二百万円をそれぞれ計上しております。 以上が
公害等調整委員会
における
平成
二十九年度
歳出予算案
の
概要
でございます。
公害等調整委員会
といたしましては、今後ともこれらの
業務
を迅速、適正に
処理
するため、鋭意努力してまいる所存でございます。何とぞよろしくお願い申し上げます。
森まさこ
8
○
委員長
(
森まさこ
君) 次に、
原子力規制委員会
の
業務
について
説明
を聴取いたします。
田中原子力規制委員会委員長
。
田中俊一
9
○
政府特別補佐人
(
田中俊一
君)
原子力規制委員会委員長
の
田中俊一
でございます。
参議院環境委員会
における御
審議
に先立ち、
原子力規制委員会
の
業務
について御
説明
申し上げます。
原子力規制委員会
は、
原子力
に対する確かな
規制
を通じて人と
環境
を守るという使命を果たすため、様々な
課題
に取り組んでおります。 まず第一に、
原子力施設等
に係る
規制
の厳正かつ適切な
実施
について申し上げます。
東京電力福島
第一
原子力発電所
の
事故
の教訓を踏まえ制定された新しい
規制基準
への
適合性審査
については、これまで、
発電用原子炉
について十一の
事業者
から二十六基の
原子炉
に係る
申請
が、核燃料
施設
等について九つの
事業者
から二十の
施設
に係る
申請
が出されております。 これまでに、九州電力川内
原子力発電所
一号炉及び二号炉、玄海
原子力発電所
三号炉及び四号炉、関西電力高浜発電所一号炉、二号炉、三号炉及び四号炉、美浜発電所三号炉並びに四国電力伊方発電所三号炉の計十基に対して設置
変更
許可を行い、高浜発電所一号炉及び二号炉並びに美浜発電所三号炉について運転期間延長の認可を行いました。 一方、九州電力玄海
原子力発電所
一号炉、日本
原子力
発電敦賀発電所一号炉、関西電力美浜発電所一号炉及び二号炉、中国電力島根
原子力発電所
一号炉並びに四国電力伊方発電所一号炉の計六基について、廃止措置計画の認可
申請
に基づき審査を
実施
しております。 また、試験研究炉については、国立大学法人京都大学
原子炉
実験所の臨界実験装置及び近畿大学
原子力
研究所
原子炉
の設置
変更
承認及び許可、国立大学法人京都大学
原子炉
実験所の研究用
原子炉
の設置
変更
承認を行うなど、
原子力施設等
に関する審査、検査を順次進めております。 このほか、高速増殖原型炉「もんじゅ」については、昨年末の
政府
方針を受けて、安全かつ着実な廃止措置が行われるよう、
関係
規則を
整備
する等の所要の
取組
を進めております。 第二に、
東京電力福島
第一
原子力発電所
の廃炉に向けた
取組
の監視等について申し上げます。
原子力規制委員会
は、
東京電力福島
第一
原子力発電所
の早期かつ安全な廃炉や汚染水対策の
実施
に向け、
規制
当局としての立場から、積極的な監視、指導を行うとともに、周辺
地域
のモニタリングに取り組んでおり、当初の様々なトラブルへの緊急
対応
が
中心
であった状態から、現在は、対策全般について、計画を一つ一つ十分に検討し、着実に対策を進めることのできる状態に移行したと認識しています。 引き続き、安全上の観点から優先順位を明確にした中期的リスクの
低減
目標
マップを定期的に改定し、完了した措置と引き続き監視が必要な措置を明示するなどして、
処理
した水の
処分
や廃炉作業に伴って
発生
する
廃棄物
の
処理等
の対策が適切に行われるよう、監視、指導を行っていきます。 第三に、
原子力災害
対策及び放射線モニタリングの
充実
について申し上げます。
原子力規制委員会
では、最新の国際的知見を積極的に取り入れる等、
防災計画
の立案に使用する
判断
基準等が常に最適なものになるよう
原子力災害
対策指針の
充実
を図るとともに、
原子力災害
拠点病院の指定
促進
の
支援等
、
原子力災害
時における医療体制の着実な
整備
を進めております。 放射線モニタリングについては、
地方
放射線モニタリング対策官事務所における人員の増強等により、緊急時
モニタリング体制
の
充実強化
を図っております。また、総合モニタリング計画に基づき、
東京電力福島
第一
原子力発電所
の
事故
に係るきめ細かな
環境
放射線モニタリングを継続するとともに、モニタリング結果について、
関係
自治体その他の
国内
外への情報発信にも努めています。 最後に、
原子力利用
における
安全対策
の一層の
強化
のための
制度
の見直しについて申し上げます。
原子力規制委員会
は、国際
原子力
機関、IAEAの勧告等を踏まえ、
原子力
事業者
等に対する検査
制度
の見直し、放射性同位元素の防護措置の義務化、放射線
審議
会の機能
強化等
の措置を講ずるための検討を進めてまいりました。これを踏まえ、今
国会
に、
原子力利用
における
安全対策
の
強化
のための
核原料物質
、
核燃料物質
及び
原子炉
の
規制
に関する
法律等
の一部を改正する
法律案
を提出したところであり、
原子力規制委員会
としては、引き続きより実効性の高い
規制
の
実現
に取り組んでまいります。 以上、
原子力規制委員会
の
業務
について御
説明
いたしました。
我が国
の
原子力規制
に対する信頼の回復は、いまだ道半ばにあります。
原子力規制委員会
では、与えられた職責を踏まえ、真の安全文化を
構築
し、
原子力利用
の安全が確実に担保されるよう今後とも努力してまいります。何とぞよろしくお願い申し上げます。
森まさこ
10
○
委員長
(
森まさこ
君) 以上で所信及び
予算
等の
説明
の聴取は終わりました。 本件に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。 午後一時散会