○伊波洋一君 野党
時代には、
稲田大臣自らが、米軍が策定中のエアシーバトル構想、
日本の
外務大臣だったらこれをきちんと認識しなきゃいけないんですと力説されております。
こういう
状況が現実に今来ているわけでございますね。そういう
意味で、二〇一五年十二月には、「南西諸島を軍事拠点化する
日本版A2AD、中国の海洋進出に対抗」というロイターの
記事が出されております。南西シフトは、米国からまさにエアシーバトル構想やオフショアコントロール戦略に沿ったものと
評価されているのです。
当
委員会でこれまでも論じられてきましたように、AAV7は、サンゴ礁に囲まれ急峻な地形の尖閣の危機では
運用できません。当時、米国海軍大学教授であったトシ・ヨシハラによる二〇一二年の論文「アメリカ流非対称戦争」には、琉球列島は、黄海、東シナ海から太平洋に出るためのシーレーンを扼するように立ちはだかっている、中国海軍は、台湾の東海岸に脅威を与え、米軍に対処するためには、琉球諸島間の狭隘な海峡を通り抜けざるを得ない、このような、狭小な、外見はささいな
日本固有の島嶼をめぐる争いは、通峡、通峡阻止をめぐる戦いでは紛争の前哨戦として一気に重要になる、列島の戦略的な位置は、日米にとり、形勢を中国の不利に一変させる
機会を与える、米国及び
日本にとってこの列島の戦略的位置が中国
政府との
関係をひっくり返すチャンスとなるのである、と書いています。
宮古島への陸自配備についても、宮古島市民の生命を危険にさらし、島全体を要塞化し、戦場とするような戦争が想定されています。これは台湾
防衛という米国の国益に基づく限定戦争として位置付けられているのです。米国の国益に応えることが
日本の国益になるのか、立ち止まって考えるべきです。
四月に出された平成二十九年版
外交青書では、大筋、米国の指導力の後退と中国の、新興国の台頭などパワーバランスの変化と多極化、中国、北朝鮮の脅威など
情勢認識を受けて、第一に日米同盟の強化、第二に近隣諸国との
関係強化、第三に経済
外交の推進を
日本外交の三本柱として
外交に取り組むことが述べられています。しかし、米国の後退と多極化を受けて、なぜ日米同盟の強化なのか、「日米両国は基本的価値及び戦略的利益を共有しており、日米同盟は
日本の
外交・安全保障の基軸である。」と書かれているだけで、日米同盟の強化が
日本の国益にどのようにつながるのか明らかになっておりません。
一方、五月十四日、十五日には、北京で一帯一路サミットが開催され、
日本から
総理の親書を携えた
自民党二階幹事長など、二十九か国の首脳を含む五十七か国の
代表が参加しました。二階氏は十五日にAIIBへの早期参加を提唱しました。また、二十二日にベトナムで行われたRCEP閣僚
会合では、ASEAN創立五十周年に当たる本年中の交渉妥結が大筋合意されたと
報道されています。
外務省にお聞きします。それぞれについて簡潔に御説明ください。