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2017-03-23 第193回国会 参議院 外交防衛委員会 第8号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二十九年三月二十三日(木曜日)    午後二時開会     ─────────────    委員異動  三月二十二日     辞任         補欠選任      藤田 幸久君     野田 国義君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         宇都 隆史君     理 事                 阿達 雅志君                 堀井  巌君                 山田  宏君                 大野 元裕君                 浜田 昌良君     委 員                 佐藤  啓君                 佐藤 正久君                 滝沢  求君                 武見 敬三君                 中曽根弘文君                 中西  哲君                 山本 一太君                 小西 洋之君                 野田 国義君                 福山 哲郎君                 山口那津男君                 井上 哲士君                 浅田  均君               アントニオ猪木君                 伊波 洋一君    国務大臣        外務大臣     岸田 文雄君        防衛大臣     稲田 朋美君    副大臣        外務大臣    岸  信夫君        外務大臣    薗浦健太郎君    大臣政務官        外務大臣政務官  小田原 潔君        外務大臣政務官  武井 俊輔君        外務大臣政務官  滝沢  求君    事務局側        常任委員会専門        員        宇佐美正行君    政府参考人        内閣官房内閣審        議官       増田 和夫君        内閣国際平和        協力本部事務局        長        宮島 昭夫君        外務大臣官房審        議官       水嶋 光一君        外務大臣官房審        議官       滝崎 成樹君        外務大臣官房審        議官       相木 俊宏君        外務大臣官房参        事官       岡田 誠司君        外務省北米局長  森  健良君        防衛大臣官房長  豊田  硬君        防衛省防衛政策        局長       前田  哲君        防衛省人事教育        局長       鈴木 良之君        防衛省地方協力        局長       深山 延暁君        防衛省統合幕僚        監部総括官    辰己 昌良君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○外交防衛等に関する調査  (南スーダンPKOにおける自衛隊活動に関  する件)  (南スーダン派遣施設隊の日報に係る特別防衛  監察に関する件)  (防衛省における文書管理に関する件)  (日露関係に関する件)  (普天間飛行場の騒音問題に関する件) ○在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務  する外務公務員の給与に関する法律の一部を改  正する法律案内閣提出衆議院送付)     ─────────────
  2. 宇都隆史

    委員長宇都隆史君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  昨日、藤田幸久君が委員を辞任され、その補欠として野田国義君が選任されました。     ─────────────
  3. 宇都隆史

    委員長宇都隆史君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  外交防衛等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として内閣官房内閣審議官増田和夫君外十一名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 宇都隆史

    委員長宇都隆史君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  5. 宇都隆史

    委員長宇都隆史君) 外交防衛等に関する調査を議題といたします。  質疑のある方は順次御発言願います。
  6. 大野元裕

    ○大野元裕君 民進党・新緑風会の大野元裕でございます。  昨日に引き続き質問の機会をいただきましたことを感謝を申し上げたいと思います。  まず、稲田大臣に、今日はPKOに関して主として伺いたいと思っておりますけれども、南スーダンでつい先般、五名の自衛官拘束された、こういった事案があったというふうに防衛省の方から報告を受けております。当該自衛官は、武装した上で公務による買い出しを行っていたと。その際、いわゆる武器狩りを行っている二名の南スーダン兵士買い出し先店舗において尋問をされ、武器を取り上げられた上、自衛隊車両の運転を命ぜられて、広場まで連行された。そして、約一時間後に、駐ジュバの日本大使の説得により解放されたと、このように承っております。  今次の拘束事案では、店舗を出て広場連行させるために自衛隊車両に乗車した際になって初めて上官に拘束等状況を無線で報告することができたというふうに聞いておりますけれども、大臣報告が接到したのは事案発生後どのぐらい後になりますでしょうか。
  7. 稲田朋美

    国務大臣稲田朋美君) 今委員が御指摘になりましたように、三月十八日、土曜日の現地時間十時十分頃、日本時間十六時十分頃に、南スーダン政府軍兵士から尋問を受け、誤って連行された派遣施設隊員は、尋問から約十分後には派遣施設隊に電話にて一報いたしました。また、派遣施設隊から本省への一報を受け、連行から約一時間以内の十一時頃、日本時間においては十七時頃には私に一報があり、その後、すぐに隊員帰隊を許されたとの報告がございました。連絡報告を受けた際、私からは、事実関係確認と、南スーダン政府にしかるべく対応を行うよう指示をしていたところでございます。
  8. 大野元裕

    ○大野元裕君 ありがとうございます。  大臣自衛官の安全を守るためにはあらゆる選択肢を検討する必要があろうかと思っておりますけれども、今回の事案は論理的には駆け付け警護対象になり得ますか。
  9. 稲田朋美

    国務大臣稲田朋美君) 駆け付け警護は、自衛隊部隊の近傍でNGO等活動関係者が襲われ、他に速やかに対応できる現地治安当局国連部隊等が存在しないといった極めて限定的な場面で、緊急の要請を受け、その人道性緊急性に鑑み、応急的かつ一時的な措置としてその能力の範囲で行うものでございます。この対象となる活動関係者につきましては、自衛隊部隊隊員も当然含まれます。  他方、今回の事案においては、自衛隊施設部隊隊員は、南スーダン政府軍の一部兵士による尋問を受けた後、誤って連行されましたが、現地日本大使館政府軍協議により適切に対応した結果、約一時間で帰隊に至ったと承知をいたしております。襲われたわけでは全くなく、駆け付け警護により緊急の保護を行う必要性があるような状況ではなかったというふうに認識をいたしております。
  10. 大野元裕

    ○大野元裕君 確認ですが、襲われたわけではないと言うけど、拘束をされたわけでございます。これが今の大臣のお話だと、いわゆる正規部隊拘束をされたのでそのケースには当たらないと、そういう理解でよろしいんでしょうか。
  11. 辰己昌良

    政府参考人辰己昌良君) 今大臣から申し上げましたように、今回の事案というのは、誤って連行したということでございます。しかも、現地大使館が行って、政府軍協議により適切に対応できたと、そういう事案であるということだったので、襲われたわけではないということにより、緊急の保護を行う必要性がある状況にはなかったというふうに認識しています。
  12. 大野元裕

    ○大野元裕君 誤って連行されたという根拠は何でしょうか。ちなみに、SPLA兵士である、つまり正規軍兵士であるということを判断をしたのは、何をもって、いつそれが分かったんでしょうか。
  13. 辰己昌良

    政府参考人辰己昌良君) まず、現場におきまして、この兵士ですけれども、南スーダン軍軍服を着ていたと。その中で、発言内容等におきましても、事情聴取を行うため軍の施設に移動するという話をそのやり取りの中で現場で行っています。また、この二人の兵士でございますが、検問をしていたということで、軍の任務として検問をしていたというふうなことも現場で見ております。またさらに、大使が行ったときにもその上級中佐級指揮官が来て軍としての対応を取っているということでございますので、これはもうSPLAの軍の兵士だということを確認できていると考えています。
  14. 大野元裕

    ○大野元裕君 要するに、大使が来るまでということは、一時間の間の総合的な判断SPLA兵士だということを判断したというふうにお伺いをいたしましたが、外務省伺います。  南スーダン正規軍制服を着ている者は正規軍兵士に限られていますか。例えば、昨年末にキール政権を武力によって打倒するというふうに宣言をした南スーダン民主戦線には、正規軍に一旦加わっていたコブラ勢力が再び合流した等の、実は間が全く私は明確ではないと思っています。  また、私の理解では、正規軍制服を保持している人たちも実はたくさんいる。そして、南スーダンの場合には、我が国と違って軍の制服を着てしばしばいわゆる公務に就いていないような部隊が外にも、町中に普通にいるというのが私の理解ですけれども、もう一度伺います。南スーダン正規軍制服を着ている者は正規軍だと直ちに判断できますか。
  15. 岡田誠司

    政府参考人岡田誠司君) お答え申し上げます。  我々は、SPLA制服を着ている者が全て一〇〇%SPLA兵士である、要員であるということは、一〇〇%確認はできておりません。ただ、一般的に申しまして、やはりその制服を着ている、かつその隊の規律の下で動いているということであれば、これはSPLA兵士であろうということは類推できるということだと思います。
  16. 大野元裕

    ○大野元裕君 一般的な規定で法律定めに従うことができますか。
  17. 宇都隆史

    委員長宇都隆史君) 質問理解できましたか。
  18. 大野元裕

    ○大野元裕君 もう一度聞きますけれども、一般的にそうだとしても、法律定めに従っていろんな判断をしなければいけない。先ほども申し上げましたが、防衛省、そして特に大臣は、様々なことを判断しながら可能な限り自衛隊員の安全を確保するというのは当然だと思いますけれども、一般的に確かにそうかもしれませんが、断言をできない中で、正規軍だということを制服を着ていたことをもって断言することができますかと聞いているんですが。
  19. 岡田誠司

    政府参考人岡田誠司君) 先ほど申しましたように、これは一般論として申し上げれば、SPLA制服を着ているということであれば、まずそのSPLA要員であるということは類推できると思います。ただ、先ほど申しましたけれども、それが、じゃ一〇〇%常にそうかということは、それは全ての状況で申し上げることはできないわけでありますが、やはり、SPLA制服を着ている、そして規律を持って動いているということであれば、これはやはりSPLA要員であるというふうに判断するということだと思います。
  20. 大野元裕

    ○大野元裕君 なぜ聞いているかというと、これ、佐藤委員御存じだと思いますけれども、九六年、九七年ぐらいのイラクを考えると、実は、警官や兵士の服装をして検問をしているところを外国人が通ると止めて、そこで拘束をする、そして丸裸にして帰すなり人質にするというケースが実は散見されていて、同じその地域の出来事であります。  したがって、結果としてよかったんです、解放されて。これはもう我々も安堵したところです。ただ、部隊に対する徹底というものはこれ必要だと思うし、確認というものは必ずしなければならないと思いますが、稲田大臣、改めてお伺いしますけれども、今回の対応というものは、結果としては適切であったと思いますけれども、SPLA兵士であるということを実は確認がしていないのではないか。  また、施設に行くということで実は連れていかれましたが、広場に行っています。このように、実は最初の話と違いますですよね。こういった意味では、我々は反省するべき点ないんでしょうか、お答えください。
  21. 辰己昌良

    政府参考人辰己昌良君) もう一度繰り返しますが、まず、現場というのは二つあると思います。一つは、衣料を購入していた現場で、まさに尋問を受けた場面ですけれども、ここで、まさに軍服を着ている、これも大きな理由ですが、この相手兵士検問をやっていた、軍の任務をやっていたということを現場隊員確認をしているということ。  それから、ちょっと軍の施設と申し上げましたが、私の方が言いましたけれども、この広場というのが、実は武器狩りをしている、そういうことのいわゆる集積所というか、そこのポイントでやっているということでございましたので、その軍の施設という意味はそういうことだったのではないかというふうには推察はしていますが、その現場において、上級指揮官もおりましたし、兵士がその指揮の下にいたということも確認をしておりますので、今回の場合において、SPLA政府軍ということは何度にもわたって確認をしているというふうに理解しております。
  22. 大野元裕

    ○大野元裕君 稲田大臣にお伺いをします。  情勢の悪化に伴って、南スーダンに派遣されている部隊員は、要員生命等防護するために必要最小限武器を携行できるということになっていると理解をしています。  さて、そのような中で、大臣にお伺いします。自衛隊法の九十五条は御存じですよね。大臣PKO部隊員による武器等防護のための武器使用は可能でしょうか。教えてください。  大臣に聞いています。事態です。
  23. 稲田朋美

    国務大臣稲田朋美君) 自衛隊法九十五条により、職務上警護するに当たり、人又は武器等防護するため必要と認める相当な理由がある場合には、その事態に応じ合理的に必要と判断される限度で武器使用することができる、可能であるというふうに考えます。
  24. 大野元裕

    ○大野元裕君 PKOの場合は可能ですか。
  25. 辰己昌良

    政府参考人辰己昌良君) PKOの場合においても可能だということが以前から整理されているところでございます。
  26. 大野元裕

    ○大野元裕君 以前からではなくて、平成十三年でしたかね、途中でたしかこれ適用が外れたんだと、私は、十三年だったと思いますが、理解をしています。  大臣、今回の事案隊法の九十五条が適用されなかった、これは適切でしょうか。
  27. 稲田朋美

    国務大臣稲田朋美君) 今回は、先ほど申し上げましたように、相手方軍服発言内容を総合的に勘案して、南スーダン政府軍要員であると隊員判断をいたしました。そして、その隊員への尋問、誤った連行が行われた事案について、施設隊現地日本大使館の迅速かつ正確な対応によって早急な解決が図られたということでございます。
  28. 大野元裕

    ○大野元裕君 確認しますが、南スーダン正規軍であったので、回避行動を含めた九十五条の対応を取らなかったことは適切という御答弁でよろしいですね。
  29. 稲田朋美

    国務大臣稲田朋美君) その相手方の、南スーダン政府軍であったことや一連の状況判断をし、また、本事案では隊員は落ち着いて対応し、現場SPLA兵士トラブルに発展もなく、けがもなかった、また、派遣施設隊現地日本大使館が緊密に連携して発生後約一時間という短時間で解決したこと、一時没収された武器も返却され、車両破損等もなかったことから、適応は適切であったというふうに考えます。
  30. 大野元裕

    ○大野元裕君 武器を既に取られているんです。武器を取られてから後を含めた一時間ではなくて、武器を取られるまでの間の対応が問われるのではないでしょうか。  大臣、もう一度お伺いしますけれども、PKOの場合を含めて、九十五条の武器等防護については、相手が国であろうが国準であろうが構わないはずです。そして、その上で、彼らがSPLAかどうか、恐らくその時点ではきちんとした確信はないとしても、そうだろうという段階武器は取り上げられています。これは対応として適切かどうかというのを改めてお答えください。
  31. 辰己昌良

    政府参考人辰己昌良君) この場面におきまして、隊員自身は、隊長とも緊密に連絡を取っておりますが、まさに身の危険がある状態かというと、それは襲われるとかそういう状況ではないと。武器を持って防護するような状態ではない。まず話して意思疎通を図ると、そういうことが可能な段階ではなかったかというふうに思っていますし、すぐに大使も駆け付けましたし、その間においてもそういう襲われるというような、武器を持って守らなくちゃいけないような状態発生したとは考えていません。
  32. 大野元裕

    ○大野元裕君 相手が話してくれば、武器を取られても破壊されても合法だということでよろしいですか。
  33. 辰己昌良

    政府参考人辰己昌良君) それはいろいろな状況によると思いますが、今回の場合におきましては、まさに相手ともコンタクトを取れる、話もできる状態でございますし、軍の施設と言っているのは、その場所まで連れていくというだけの明示でございますし、そういう危険な状況であったというふうに、武器を持って守らなくてはいけないというような状況ではなかったと認識しています。
  34. 大野元裕

    ○大野元裕君 大臣、これ、なぜ言っているかというと、九十五条は、元々国内において我々が、自衛隊国内を守るときに、武器取られたりしたら困るだろうということで、国内で適用するために最初考えられた条項であります。これが国外に今度適用されるときに、なおかつ、これは裸の、クローズの自衛官なんです。上司の命令とかではないんですね。あるいは、隊に付与された行動権限でもないんです。自衛官判断をする。しかし、それは元々国内であって、国内だったら武器なんか相手は持っていませんから、普通は、その中で武器取られたらまずいだろうというものをそのまま国外に当てはめているという条項なんですよ。  最終的には自衛官がこれを判断しなきゃいけないという状況の中で、武器等防護が解除されて、PKOにも付与をされた。現実にこういった状況が起きた。しかも相手は、前々回ですか、議論させていただきましたが、我が方は五・五六ミリが最大なのに向こうは七・六二ミリという、より大きな武器を持っている。もしもぶつかってしまったら大変なことになる。こういう中で、実は判断が適正かどうかというのをしっかりとした基準を大臣が与えないと自衛官がかわいそうだということで私はたださせていただいているんです。  大臣、その上でお伺いしますが、そうだとすれば、検証は必ず必要だと思いますけれども、九十五条は回避行動を求めていますけれども、この自衛官五名は回避行動を取ったんでしょうか、確認をしましたか。教えてください。
  35. 辰己昌良

    政府参考人辰己昌良君) 何度も繰り返しますが、現場状況においてそういうふうな状況じゃなかった、落ち着いて対応すればこのトラブルは何とか解決できる、そういうような認識がこの当該隊員等にもございますので、そういうふうに、襲われるとか相手武器を使われるとかいうような状況ではなかったというふうには認識をしております。  そして、その一時間後ですけれども、約一時間内ですけれども、この事案については間違っていたというふうな誤解によって解決をされているわけでございますし、現場対応としては適切であったというふうに考えております。
  36. 大野元裕

    ○大野元裕君 きちんと答えてください。僕、大臣に聞いています、まずそもそも。  回避行動を取ったか確認しましたかと聞いています。  大臣に聞いています。
  37. 辰己昌良

    政府参考人辰己昌良君) 先ほど来申しているように……(発言する者あり)
  38. 宇都隆史

    委員長宇都隆史君) 辰己総括官、ちょっと座ってください。
  39. 稲田朋美

    国務大臣稲田朋美君) 九十五条の武器使用する場合にその退避行動が必要であったかどうかということは確認をすべきだと思いますけれども、この条文からいたしますと。  ただ、本件におきましては、そういう武器使用する、使用しなければならないというような状況ではなく、現場隊員は落ち着いて対応をし、また、施設隊現地日本大使館の迅速かつ正確な対応で早急な解決が図られたものでございますので、今おっしゃる点の確認は必要がないのではないかというふうに思います。
  40. 大野元裕

    ○大野元裕君 確認をしましたか。
  41. 宇都隆史

    委員長宇都隆史君) 速記を止めてください。    〔速記中止
  42. 宇都隆史

    委員長宇都隆史君) 速記を起こしてください。
  43. 稲田朋美

    国務大臣稲田朋美君) そもそも、自衛隊法九十五条による武器使用する場合の要件として、武器等退避によってもその防護が不可能である場合等、他に手段のないやむを得ない場合でなければ武器使用できないという、この武器使用要件でございます。  本件武器使用しなければならないような状況ではなかったことから、この点についての確認はしていないということでございます。
  44. 大野元裕

    ○大野元裕君 武器使用するような状況でなければ回避行動は取らなくていいということですね。つまり、未然に終わった場合、仮に、そのほかの場合でも結構ですけれども、回避行動の必要は武器を使わなければ必要はないということですか。
  45. 辰己昌良

    政府参考人辰己昌良君) 当然、隊員は、自らの安全を担保するため、守るため、必要な行動を取ります。その中で、要すればそれは退避をするということもあると思いますが、今回の場合は話合い、この話合いが重要だということで、現場隊員はまさに落ち着いてその兵士と話をして、トラブル発生させない、そういう冷静な対応を取ることによって今回無事にこういう形で一時間後に解決が図られておりますので、そういう状況をきちっと隊員は冷静に判断したものと認識しています。
  46. 大野元裕

    ○大野元裕君 辰己さん、混同していませんか。あなたがおっしゃったのは、緊急退避等による武器使用です。私が申し上げているのは、武器を守るための行動です。自分の身を守るための話ではありません。実際にトラブルがあったかなかったかといえば、武器は取られています。そしてそれは、SPLA兵士かどうかというものは確信が持てる状況にはないと思います、一定の判断から、最終的な総合的な判断はそうですよ、取られるまでの間には。  だとすると、武器を取られるまでの間に回避行動をしなかったかと聞いているんです。別に我が方が武器使用をしろとは言っていません。それを、その前の段階としての回避行動は何をしたのかということは、確認すらする必要がないんですか。それは無責任じゃないですか。
  47. 辰己昌良

    政府参考人辰己昌良君) 現場状況確認をしています。  だから、今おっしゃったように、今回の事案は、まさにその武器を守るために退避するとかそういう状況ではなくて、相手とよく話合いをして、向こうも話をしているわけですから、これは話によって、交渉によってやっぱり解決することが一番だということで、相手にある程度、まあ武器を渡せと言われれば渡すことによって、変に相手を刺激しないでやることが適切だと隊員判断をして、そのことによって結果的にも一時間後には、前には、解放されているわけでございますので、落ち着いた冷静な判断隊員にされたという報告を受けています。
  48. 大野元裕

    ○大野元裕君 先ほど大臣回避行動を取ったかということについて確認をしていないとおっしゃいました。辰己さんは今、現場状況確認をして、そして武器を渡すということが適切であったというふうに言いましたけれども、もう一度伺いますけど、武器を取られるまでの間に回避行動若しくはそれに匹敵、今、恐らく話合いというのはそうかもしれませんけれども、そういった行動を取ったということを確認したんですか、しなかったんですか、どっちが正しいんですか。
  49. 宇都隆史

    委員長宇都隆史君) 速記を止めてください。    〔速記中止
  50. 宇都隆史

    委員長宇都隆史君) 速記を起こしてください。
  51. 稲田朋美

    国務大臣稲田朋美君) 今、辰己総括官の方から御答弁申し上げましたように、当時の状況からして、武器使用するような状況ではなかった。また、やはり、そういう状況の下で最も重要なことは、必ずしも武器を守るというよりも、むしろ自分の身を守ってトラブルなく対応することではないかというふうに承知いたしております。
  52. 大野元裕

    ○大野元裕君 今の答弁は大変重要ですよ、大臣。よろしいですね、そこは。  緊急退避等による武器使用ももちろんある、あるいはそれ以外の形での自分の身を守る行動もある。そちらの方が武器等防護よりも優先されるという御答弁になりますが、そこは確認をさせてください。
  53. 稲田朋美

    国務大臣稲田朋美君) 私が申し上げましたのは、今回の事案において武器を没収されたということについて、武器を没収されないように守ることよりも、むしろ自分の身を守り、またトラブルなく対応することを優先させた隊員行動は適切であり、そしてその結果、現場SPLA兵士トラブルに発展することもなく、けがもなかった、さらには、施設隊大使館、緊密に連携して一時間という短時間で解決をした、また、没収された武器も返却をされ車両破損等もなかったということから、私は、全体として対応は適切であったというふうに考えております。
  54. 大野元裕

    ○大野元裕君 先ほどから申し上げているとおり、最終的な対応が適切か適切じゃないかという話ではないんです。私は良かったと思っています、全体として。そこは評価しているんです。  そうじゃなくて、さっきから申し上げているとおり、自衛官という個人が判断をする、しかも元々の法律は海外で行うことが想定されていない。こういう法律がある中で、多分幾つかの数少ない事例の中で、これは恐らく、今後、幾つかの基準になっていくと思うんです。自衛官一人一人がこれは判断するときの基準です。だとすれば、そういうことを明確に与えてあげないと極めて彼らは混乱することになると思います。  そして、武力行使に至る前の警察権を含めた武器使用については、これ実は幾つか法律同士、私は、矛盾とは言いませんけれども、どちらを優先させたらいいかということを個人ではなかなか判断しにくいところもあるけれども、現場に任せているというのが現状だからこそ、今回のことについては慎重に検討した方がいいというふうに申し上げているところでございます。  実は、この話、こんなに時間が掛かるつもりなかったのでやめておきますけれども、大臣、そこは是非、今回教訓はきちんと、結果として良かったです、私、この自衛官は別に批判するところも一切ないです。  ただ、そうじゃなくて、きちんとこの事例は聞いてください。聞いた上で、どういう形でという想定をしっかりと与えていただくこと、ここはお願いをさせていただいて、次の質問に移らせていただきます。  南スーダン派遣のPKO自衛隊施設部隊からの日報の破棄事案に関わる特別防衛監察について伺いたいと思います。  この特別防衛監察は、平成十九年八月二十五日付けの防衛監察の実施に関する訓令及び今月十七日付けの特別防衛監察計画についてに書かれた大臣決裁、これをベースとして行われるものだと私は理解をしております。  十七日付けの文書では、監察の対象として、一連の経緯、行政文書管理関連規則の遵守状況、情報公開法に基づく関連規則の遵守状況、日報の取扱いに係る情報保全関連規則の実施状況と遵守状況というふうに並べられていますが、日報そのものについて伺いますけど、これは防衛省が扱っている特定秘密、特別防衛秘密及び省秘に当たりますか。
  55. 辰己昌良

    政府参考人辰己昌良君) 当たりません。
  56. 大野元裕

    ○大野元裕君 簡潔な御答弁ありがとうございます。  日報は情報公開法が定める不開示文書ではないまでも、不開示部分を含むものですか。
  57. 辰己昌良

    政府参考人辰己昌良君) 不開示部分も含みます。
  58. 大野元裕

    ○大野元裕君 日報は一年以上の保存期間を定めた文書、つまり公文書館に移されたり、破棄の際に総理への報告を求めるものですか。
  59. 辰己昌良

    政府参考人辰己昌良君) 一年未満はそういう扱いにはなりません。
  60. 大野元裕

    ○大野元裕君 ありがとうございます。  実は、防衛省関連の文書規則ってこんなにあるんですよ。私も全部見ました、もう一回。読んで分かったことは、秘文書以上については、データの保管場所だとか複写の仕方だとか破棄の際の上司の許可だとか、物すごく事細かに決められているんです。あるいは、破棄した場合でも帳簿に記載するとか、そういったことが細かく決められています。また、秘文書以上でなくても、一年以上の保管期間があるものについても実は様々な規定があります。  ところが、秘文書以下、今おっしゃった今回の日報のケースですね、なおかつ一年未満のものについてはほとんど破棄しなければならない以外の規定がないんです。破棄しなければならない以外の規定がないんです。  まず、そこについては正しいかどうか確認をさせてください。
  61. 豊田硬

    政府参考人(豊田硬君) 委員御指摘のとおりだと思います。
  62. 大野元裕

    ○大野元裕君 そうしますと、大臣、この防衛特別監察なるものを行うということで、根拠として大臣が行ったこの決裁を基にしてやるとしても、実は情報公開法関連について、大臣はもうこれまでの御答弁でも、情報公開法関連の規則そのものや、不存在であったものが見付かった後に開示したものについてはそごはない、問題はなかったということを明確に答弁をされておられます。そして、防衛省のこの関連文書については破棄をしなければならないということ以外については決まりがないんですね。  ところが、こちらの計画についてというものを見ると、先ほど読み上げたように、情報関連法関連規則や様々な訓令あるいは通達、規則、こういったものに問題がある場合、遵守状況を、まずこれを確認すると。ここで問題があったらその次の原因の特定や様々なことをやると書いてあるんですけど、上の方の経緯は除きますよ、上の方の経緯ではなくて、この根拠となる規則については、最初から当てはまる文書ではないということになってしまいませんか。
  63. 豊田硬

    政府参考人(豊田硬君) 監察の内容等の詳細につきましては、当然のことながら、特別防衛監察の適正な実施を確保する観点からお答えは差し控えさせていただきますが、先生御指摘の点につきましては、行政文書管理関連規則の遵守状況という規定が監察の具体的内容の中に含まれておりますけれども、これにつきましては、私どもとしては、一連の経緯における本件日報の保管や廃棄に係る遵守状況につきまして、例えば防衛省文書管理規則や陸上自衛隊文書管理規則にのっとって文書が適切に作成、取得されるとともに、保存期間を設定されていたかどうかという点や、保存期間満了後廃棄するとしていた文書の管理状況も含め、こういった規定に該当するかしないかも含めて、独立した立場で厳正かつ公正な監察を実施する際に必要な項目だということで掲げられているものと理解しております。
  64. 大野元裕

    ○大野元裕君 だけど、対象の文書じゃないんですよ。対象の文書ではないんです。破棄することだけが書かれていて、ここには。  大臣は、情報公開法の規定等について、そのものについては抵触しているわけじゃないとおっしゃっているんです。とすると、何が問題になるんだろう、経緯とかは別です。判断は別です。そうじゃなくて、規則上、これ大臣特別防衛監察についてはこの計画でやりなさいと決裁して指示しているんですよね。指示しているけど、根拠がそれ対象になっていないということはどういうことなんですかね。これ、アリバイ工作ですか。どういうことをやろうとされているのか、ちょっと教えてください。
  65. 稲田朋美

    国務大臣稲田朋美君) 一つは、本件のこの監察における一連の経緯、一連の経緯の事実確認、ここはやっぱり徹底的に調査する必要があると思います。そして、その中において、この一連の経緯における日報の保管、破棄の行政文書管理関連規則の遵守状況防衛省文書管理規則、陸上自衛隊文書管理規則にのっとって文書が適切に作成、取得されて、保存期間が設定されていたか、保存期間満了後廃棄するとしていた文書の管理状況も含めて監察を実施されるものというふうに考えております。
  66. 大野元裕

    ○大野元裕君 だから、経緯までは分かったんです。そこまでは大事です、とても。だけど、その上で、保存期間が設定されていたか。設定されているんだそうです。一年未満だと聞いています。これ、多分変わらないんじゃないですかね、監察やったからといって、一年以上でしたとは言わないんだと思いますよ。その一年未満のものが保存されていたか。保存に関する規則がないんですね、一年未満のものについては。そして、破棄しなければならない、それは書いてあります。でも、それ以外書いてないんです。だとしたら、一年未満のものについて調べたところで、文書規則に遵守状況って、遵守しているとしか返答来ないんじゃないんですか。だからこそ大臣に聞いているんです。なぜこんな規則で仰々しく、特別防衛監察と銘打ちましたが、何を、最初の経緯のところ以外は、調べたいんですか。アリバイ工作なんですかと私は聞いているんです。
  67. 豊田硬

    政府参考人(豊田硬君) 特別防衛監察計画につきましては、大臣からの要請に基づきまして、監察本部の方で大臣に上げてきたものを大臣が承認されたということでございますけれども、この括弧二の行政文書管理関連規則の遵守状況につきましては、私どもとしましてはきちんと遵守しているというふうに理解をしているところでございますが、文書管理規則等々の各規則への当てはめ等につきましても、そうした私どもの判断の是非について監察の対象になるものというふうに考えております。
  68. 大野元裕

    ○大野元裕君 要請があったからやる、遵守していると思っているけれども大臣に言われたから取りあえずやったと、そういうことですね、今の御答弁は。  そうだとすると、官房長が今遵守しているというふうにおっしゃいましたが、済みません、結論について今防衛省の幹部が述べるということは、特別監察を今実施している最中ですよね、その結果について、遵守しているということを言うのは、圧力を掛けることになりませんか。実は、大臣の御答弁の中でも何度も、隠蔽はないんです、遵守していますということを言って、その大臣が特別監察を命じるチームをつくり、その大臣報告を受けるということ自体私は非常に疑問なところが多いんですけれども。  そもそも、先ほど申し上げたとおり、ここには対象になるような規則はありません。その上で、つくってやる、しかも、今の官房長もそうですし、これまでも大臣の答弁もそうだけれども、本来結果に予断を持ってはいけないんだと思いますけれども、そういった発言が行われること自体私は大変遺憾だと思います。  その上でお伺いしますが、皆様にお配りをしている時系列①というのを見てください。②はありません。①を見てください。  これ、時系列で書いてあるんですが、要するに二ルートあるんです。二ルートというのは、私の理解では、一つは統幕が独自に掲示板から日報をダウンロードしてみたもの、これは最初からあった。陸幕等で探したけどなかったということで、ありませんと、不存在ですと。ところが、十二月二十六日にこの上の方はデータが見付かって、一月二十七日に大臣報告された。その後いろいろな経緯が始まっていく。その一方で、陸自には、実際にはその後ですけれども、あったんだということが分かって、これが内部で発覚をして、統幕の幹部が破棄を指示し隠蔽工作をしたというような報道があったもの、この二ルートだと思っております。  そうすると、これについて、矢印が違いますが、二つのルート両方が監察の対象になるということになるわけですけれども、大臣、これ、発表されたものによると、陸自において保持されていた方の日報に関するNHKの報道を受けて、こんなことがあっちゃまずいということで特別監察を指示されたということですけれども、隠蔽の疑いがある報道によって、これを受けて特別監察を行うということは、なぜなんですかね。防衛省、一々こういった報道があると特別監査のチームを立ち上げるということでよろしいんでしょうか。
  69. 稲田朋美

    国務大臣稲田朋美君) まず、私がこの特別防衛監察を開始する以前に隠蔽がありませんというふうに申し上げておりましたのは、情報開示請求をされた日報に関して、防衛省自らが発見をして、そして全て公表しているということを受けて私はそのように繰り返し答弁をしてきたところであります。  では、なぜ特別監察を行うのかということでございます。もちろん、その間国会の中でもしっかりと、なぜ大臣報告するのが一か月遅れたのかということを中心に様々御指摘がありました。また、そもそもこの日報が一年未満、用済み後廃棄というその取扱いでよいのかとか、あと最初の探索範囲がどうだったのかなどなど、疑問があった点については検証するように私からも命じておりましたが、十五日の報道を受けて、報道されている内容が事実であるとするならば、防衛省自衛隊に対する国民の信頼を大きく損ないかねないものであるから、私の責任で陸上自衛隊から離れた独立性の高い立場から徹底した調査を行わせることが重要だというふうに考えたということでございます。
  70. 大野元裕

    ○大野元裕君 おっしゃるとおり、この統幕監部参事官の名前で発行されているものも、報道された内容が仮に事実であるとするならばというふうに書いてあります。だけど、その報道と関係のないこの上の方のも一緒に特別監察の対象にするということになった。上の方については、大臣が今おっしゃったように、答弁をこれまでされた対象であるというふうに考えています。  そうすると、要するに、私の質問は、一々疑惑が報道されると防衛省はこれからも特別監察を行うということでよろしいですねと聞いているんです。
  71. 稲田朋美

    国務大臣稲田朋美君) 結果として、やはり当初の開示請求への対応には不十分な点があった、たとえ後から公表したとしても、最初の開示請求については不十分な点があったことは否めません。既に、陸上自衛隊も含め、文書管理の在り方、情報公開への対応の在り方などを含め、調査を実施し、再発防止策をまとめるよう事務次官にも指示をしていたところですけれども、本件の報道を受けて、これは特別防衛監察を実施し、徹底的に事実関係調査すべしと判断をしたということでございます。
  72. 大野元裕

    ○大野元裕君 だとすると、大臣、そういった疑惑報道で特別防衛監察をおっしゃるのであれば、大臣は記憶に自信がいつもおありになるので覚えていらっしゃると思いますが、昨年の九月十四日、この委員会の質疑において、ミサイル破壊措置命令が下令されたということについての議論がありました。これ、報道でいっぱい出ていたんです。これは、今回のどころか、実は省秘です。その漏えいがあったんじゃないんですかというふうに私がたださせていただいたという委員会での質疑がありました。その後も、この命令がもう発出されたことは周知の事実、既定の事実であるかのような報道もマスコミが行っています。  その際に、私は、この破壊措置命令、自衛隊法八十二条の三の命令については、命令の期間を定め防衛大臣が下命するものだと、このため、命令の下令を公表した場合には、我が方が態勢を取った事実やその期間などが明らかになるから非公表とすることが基本ですということについては、これは合意しています。だけど、そのときに私が聞いたのは、一般論として聞きますけれどもとして、この訓令の、まさに秘密管理の訓令ですね、の十六条を引いた上で、省秘に当たることが漏れたとすれば、これ調査しなきゃまずいんじゃないですかというふうに、私は報道をベースにしてお伺いをさせていただきました。  大臣、下令の正否は別として、実際に下令したかどうかは別として、これまでの一年未満の文書で、省秘にも満たない文書ではなくて、その前の省秘ですからね、しかも極めて機微な案件です。調査しましたね。
  73. 辰己昌良

    政府参考人辰己昌良君) 今委員おっしゃったように、この命令については対外秘ということで、命令を出しているかどうかの有無についても答えていない性格のものでございます。したがって、そういう報道を受けまして調査を実施しているところでございます。
  74. 大野元裕

    ○大野元裕君 報道を受けて調査を実施したということですね。
  75. 辰己昌良

    政府参考人辰己昌良君) はい。調査を実施しています。
  76. 大野元裕

    ○大野元裕君 もちろん、下令の正否はいいんですよ。ところが、これ漏えいですよね。もしこれが本当だとすれば、漏えいですよね。大臣、その調査について命令をされたということですけれども、その報告は上がってきましたか。  大臣に聞いています。大臣が命令したんだから大臣報告が上がるんだろう。
  77. 宇都隆史

    委員長宇都隆史君) 速記を止めてください。    〔速記中止
  78. 宇都隆史

    委員長宇都隆史君) 速記を起こしてください。
  79. 辰己昌良

    政府参考人辰己昌良君) その細部についてはお答えを差し控えたいと思います。
  80. 大野元裕

    ○大野元裕君 済みません、先ほど調査をしていますと言っていましたよね。調査をしていますということは、報告がありましたかということを聞いていくことに何が差し支えあるんでしょうか。  報告がありましたか。大臣、御記憶で結構ですからお答えください。
  81. 辰己昌良

    政府参考人辰己昌良君) そういう実際に我々の中でどういう対応をしているかということについては、細部に関わる問題であって、お答えを差し控えたいと思います。
  82. 大野元裕

    ○大野元裕君 そうすると、先ほど調査をしていますというのはどうなるんですか。調査をしていますというのも、それと同じことじゃないですか。調査しているんだったら、報告が出たかどうかぐらい言えるはずじゃないですか。  別に私は、下令したかどうかなんて聞いていません。そこは結構です。ただ、報道があったらそうやって調査するというのが防衛省のスタンスだとしたら、調査しているんですかと聞いたら調査したと言ったじゃないですか。だったら、報告があるかないか、そのぐらい答えてください。
  83. 宇都隆史

    委員長宇都隆史君) 速記を止めてください。    〔速記中止
  84. 宇都隆史

    委員長宇都隆史君) 速記を起こしてください。
  85. 辰己昌良

    政府参考人辰己昌良君) 報道に関する内容について調査をしていますが、その内容についてはまだ実際にやっている最中でもあり、詳細についてはお答えを差し控えます。
  86. 大野元裕

    ○大野元裕君 調査中なのでまだ報告は来ていないという、そういうことでよろしいですか。
  87. 辰己昌良

    政府参考人辰己昌良君) 大臣には報告はしていません。
  88. 大野元裕

    ○大野元裕君 大臣に大体その報告が来るのは、十二月二十六日にデータが見付かったにもかかわらず、一月二十七日ということで相当なタイムラグがありますから、調査して、また多分その一か月後ぐらいに恐らくこういった話も上がっていくんだろうと思いますが。これ省秘の話ですからね。是非、もしも、今回もそうですけれども、NHKの報道に一々反応するのであれば、やはりこういった機微な問題についてはしっかりと見ていって、そして大臣としても必要であれば措置をとらないと、シビリアンコントロールの問題にも関わります。  そして、これは国会も関わります。シビリアンコントロールは御存じのとおり三種類あって、一つは国会によるシビリアンコントロール、一つは内閣全体としてのシビリアンコントロール、そしてもう一つは文官の助言を受けて組織内で大臣等が行うシビリアンコントロール、この三つがあります。国会によるシビリアンコントロールも我々は利かさなければならないということが極めて重要なことでございますので、お願いをしたい。  その上で、このシビリアンコントロールについてお伺いしますが、今申し上げたとおり、十二月二十六日にデータが見付かって、一月二十七日の間に大臣報告が行きませんでした。これ、先ほど大臣もここに触れられました。この段階で包括的な調査あるいは独立機関による調査等が行われなかったことについて、大臣はどのような、今振り返ってみて御感想をお持ちでしょうか。  なぜならば、この段階でもしも、報告が行われていた段階で、ここでおかしいなと、何で一か月も私のところに来なかったのか。これについて、大臣は、その間、防衛省でどこの部分を公開できるかとか、そういった議論をしていたからと言っていますが、要するに大臣、蚊帳の外で、そして防衛省の中でみんなは議論していたけれども、結局その議論をするまでは報告来なかったということになります。それは、大臣がシビリアンコントロール利いているというふうに言えるんでしょうか、教えてください。
  89. 稲田朋美

    国務大臣稲田朋美君) まず、この日報自体は、一年未満用済み後廃棄、すなわち廃棄することは違法ではない、むしろ廃棄すべき日報で、そして、そこは廃棄により不存在で不開示にしたと十二月十六日に報告を受けたところでございます。  そして、私は、まさしく自分の今までの、弁護士としても、また一国民としても、経験則に従えばどこかにこの日報はあるのではありませんかと、そしてその日報があれば全部公表しましょうという、そういう指示をしたわけです。  そして、確かにそこから一か月掛かったわけですけれども、その間、年末年始もあります。また、私も三回海外視察も行っていたり、さらに、聞きましたら、その間にあって、公表するということを前提にどこを不開示にするかということを作業をしていたということでございました。なので、私は、もちろんその期間が短かったとは思いませんし、むしろ、先生もおっしゃるように、あればすぐになぜ報告をしてくれなかったのかということも申し上げております。そういった点も含めて、しっかりと事実確認をした上で検証をするという方針を立てていたということでございます。
  90. 大野元裕

    ○大野元裕君 方針は立てていましたけれども、まさに言っていたことと違ったわけですね。  ここの段階でなぜ、例えば独立した委員会を立てなかったんですか、調査のための、今回の特別監察でも結構ですけれども、そういったことを指示しなかったんですか。
  91. 稲田朋美

    国務大臣稲田朋美君) 一月の段階では、当初文書不存在と、陸幕長からの報告は、日報を作っている派遣施設隊とその報告先であるところの中央即応集団とを探索して不存在であったということであり、また出てきたのは統幕から出てきて、出したということでございます。  もちろん、最初の捜索の範囲や捜索の仕方がどうであったのかということ、さらにはその一か月間私に報告がなかったこと、そもそもその文書管理の在り方、さらには日報を一年未満、用済み後廃棄とすることの適否等々を検証するように指示をしたということでございます。
  92. 大野元裕

    ○大野元裕君 要するに、その段階では独立した委員会等について指示はしなかったということですね。  実は、その段階でしていれば、もしかすると、この時系列を見ると隠蔽工作という報道がされました。これは一月から二月というふうにも言われています。この段階でその組織は指示することはなかったかもしれませんよ、もう動いていれば。これ、不要な、犯罪者とは言いませんが、とがめられるような人をつくらなくともよかったかもしれない。  それは、部署からいえば、報道のですよ、辰己さんを含む辰己さんのところの組織が、報道によればですけれども、恐らく疑われる組織だと思うんですけれども、そういったものが起こらなかったかもしれない。この段階でしっかりとした対処ができなかった、不作為という私は大きな問題がある。  そして、もう一つは、一月二十四日、総理が不存在前提の国会答弁をされておられます。ところが、実際には防衛省の中では公開を前提とした作業をしていたと先ほど大臣おっしゃいました。防衛省の中では公開を前提としていた作業をしていたにもかかわらず、不存在前提の答弁を、もう作業をしていたはずですよね、二十四日には、二十七日に報告されていて、そうですよね。そうだとすると、この国会軽視というのは、問題は大きいと私は思いますよ。もちろん、公開ができるとかできないとか、ただ、随分違う恥を総理にもかかせてしまったんではないんですか。  そういった意味でも、二十七日に大臣報告があった段階で、内閣の一員としての大臣は、これは手続としておかしかったのではないか、隠蔽しようとしていたかどうかは分かりませんけれども、組織としての問題があったのではないかということで、そこで委員会を立ち上げることが私は適切だったと思うし、なおかつ、二月になってからです、十四日、我が党の同僚議員が独立した委員会立ち上げませんかと聞いたら、大臣はしっかり検証しますとおっしゃった。これは予算委員会の理事会の中で出た話ですけれども、政府・与党に対して調査委員会の設置を提案をしたけれども、これが蹴られたという発言が出ています。さらには、報道ですけれども、二十一日には、浜田予算委員長委員会についての設置を肯定的な発言をしたのに、大臣はここでも否定をしています。やっと重い腰を持ち上げて出てきたのが、NHKの報道を受けて。  余りにも遅過ぎませんか、大臣。この間に不要の処分者をつくっていませんか。その責任というものは、大臣、お感じになっていらっしゃいませんか。
  93. 稲田朋美

    国務大臣稲田朋美君) まず、日報自体は用済み後廃棄の扱いの文書で、廃棄すること自体は違法ではないわけでございます。そして、防衛省自らが日報を発見をして公表をしているところでございます。  そして、その間において私に対する報告が遅れていたこと、さらには、その文書の管理の在り方そのもの、そして最初の不存在、不開示とした点、またその捜索範囲、そして、そもそもこの保存期間を一年未満、用済み後廃棄としたことが適当であったか等々を私は検証をするということでございます。
  94. 大野元裕

    ○大野元裕君 大臣、だから聞いているんです。  そもそも遅いんです。遅いだけじゃない。中身も正直、矮小化されていませんか。先ほども申し上げたとおり、ここには、対象になっていない文書をそもそも規定の中から抜き出してきて、そこで問題があればということで書かれている。遅い、そして矮小化されている、そういった問題だと思っています。  ただし、大臣、仮にですよ、これはもちろん今やっていますから、結果について私は影響を与えるつもりはありませんけれども、仮にそこで問題があったということが、組織的な問題なのか、人のか、そこは分かりません、問題があったとなれば、大臣はそこに対して厳正に厳しく処分し、対処するということを明言いただけますか。
  95. 稲田朋美

    国務大臣稲田朋美君) まず、既に特別防衛監察計画、承認をして、さらにはその監察が開始されております。したがいまして、様々報道はされておりますけれども、その結果について私はここで予断を持ってお答えをすることは控えたいと思いますが、徹底的な調査、そして徹底的な事実解明、その上で、防衛省自衛隊に改めるべき体質があればしっかりと改善をしていきたいと考えております。
  96. 大野元裕

    ○大野元裕君 改善ではなくて、厳正に処分をする覚悟はありますか。
  97. 稲田朋美

    国務大臣稲田朋美君) 予断をすることは差し控え、それにおいてしっかりと対処していきたいと考えております。
  98. 大野元裕

    ○大野元裕君 予断ではありません。結果について聞いているわけではありません。特別監察がやるのはそこの調査までです。その後の最終的な処分等については大臣がお決めになることだと私は理解をしています。大臣はその処分を厳正に行う用意がありますか。
  99. 稲田朋美

    国務大臣稲田朋美君) 事実関係の徹底的な解明が私は必要だと思っております。その結果について予断を持って、また仮にということではなく、私は、改めるべき体質、しっかりと改善していくということでございます。
  100. 大野元裕

    ○大野元裕君 そうしたら、それが確認をしっかりとこれまでされなかったわけですよね、対応について。そこを仮に素直に向こうが認めて、今後とも誠実に、誠心誠意や、頑張りますと言ったらそれで終わりですか。
  101. 稲田朋美

    国務大臣稲田朋美君) 徹底的な調査の上、事実関係を明らかにした上で、改める体質があればしっかり改善していくということでございます。
  102. 大野元裕

    ○大野元裕君 質問に答えていません。誠心誠意これから頑張りますと言ったらそれで終わりですかと聞いているんです。
  103. 稲田朋美

    国務大臣稲田朋美君) 結果について予断することは控えたいと思います。しかし、どうしてもとおっしゃるのであれば、仮にですよ、仮にそこに違反行為、違法行為があるのであれば、厳正に対処することは当然であり、そして、改めるべき体質があれば改善をしていくということでございます。
  104. 大野元裕

    ○大野元裕君 大臣の責任ももちろん大きなものがあります。ただ、なぜこれどうしても聞きたかったかというと、大臣言っているんです、これは森友関係の話ですが、なぜ確認をしっかりしなかったかという点は素直に認め、今後とも誠実な答弁に努め、誠心誠意職務に当たってまいりたいと考えておりますと、これで話を終わらせているんですよ。  こんなことを言っている大臣が、仮に悪いことがあった、防衛省の職員あるいは自衛隊員か私には分かりません、その人に対して処分を行う。これ、受ける方はたまったものじゃないですよ。だったらまずは大臣改めてくれと言われるに決まっているじゃないですか。私だったらそう言いたい、もし処分を受ける方だったら。大臣は許されるけれども下の者は許されないということは絶対に許されません。  大臣、仮に適正に処分をするんであれば、御自分の立場もしっかりとお考えになって、責任のある処分をいただけるようお願いを申し上げて、私の質問を終わります。
  105. 井上哲士

    ○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。  私からも、南スーダンの日報隠蔽問題でお聞きいたします。  陸自で廃棄をされたとされていた日報のデータが実は陸自にあって、つじつまを合わせるために、隠蔽した上、統幕の幹部の指示で廃棄をされたと、こういう報道が続いております。  昨日の夜のNHKでは、防衛省幹部によるものとして、陸上自衛隊で日報が見付かったのは今年一月中旬で、これを受けて陸上自衛隊の複数の部署が事実を公表しようと説明用の資料を準備した、しかし、統合幕僚監部の背広組と言われる防衛官僚から公表しない方針が伝えられ、陸上自衛隊の複数の部署が関連資料を廃棄していたことが分かったと報道をされております。さらに、防衛省幹部は、この際、陸上自衛隊では資料が確実に廃棄されたことを確認する作業も入念に行われたと証言、その後、陸上自衛隊の司令部に保管されていた日報のデータそのものも先月になって消去をされたと、こういう具体的な報道でありました。  ですから、資料もデータも両方残っていた、それを廃棄したわけでありますね。極めて重大だと思います。  元々の最初の報道以降、大臣が統幕、陸幕の幹部のうち直接事実を確かめたのは誰でしょうか。昨夜の報道内容を含め、現時点で確認している事実は何か、明らかにしてください。
  106. 稲田朋美

    国務大臣稲田朋美君) 先般の報道を受けまして、報道されている内容が事実であるとすれば、防衛省自衛隊に対する国民の信頼を大きく損ないかねないものであることから、私の責任の下で陸上自衛隊から離れた独立性の高い立場から徹底した調査を行わせることが重要と考え、元検事長を長とし、現役の検事も勤務する大臣直轄の防衛監察本部に特別防衛監察の実施を指示をいたしました。十七日には私が特別防衛監察計画を承認をし、既に特別防衛監察を開始をいたしております。  本件につきましては、独立性の高い立場から徹底した調査を行わせるため、特別防衛監察が既に開始されていることから、その調査に支障を来さないよう、私から、特別監察開始以降、本件について事情を聞くことは控えているところでございます。
  107. 井上哲士

    ○井上哲士君 では、その監察前に、始まる前に、統幕、陸幕の幹部のうち、直接事情を確かめて明らかになった事実は何でしょうか。
  108. 稲田朋美

    国務大臣稲田朋美君) それについても今後、特別監察の中で検証が行われるものでございますので、詳細についてはお答えすることは差し控えたいと思います。
  109. 井上哲士

    ○井上哲士君 では、辰己総括官にお聞きしますけれども、あなたはいつ陸自にこのデータが残っているという事実を知ったのか、廃棄の指示についてはいつ知ったのか、いかがでしょうか。
  110. 辰己昌良

    政府参考人辰己昌良君) 私は統合幕僚監部に今所属しております。統合幕僚監部は、特別防衛監察の対象機関に含まれておりまして、徹底的に調査をされることになっています。したがって、これ以上のコメントは差し控えたいというふうに考えています。
  111. 井上哲士

    ○井上哲士君 この間、独立性の高い特別監察の対象になっているから答弁ができないと、こういうことの繰り返しなんですね。  先ほどもありましたように、この防衛監察の実施に関する訓令を見ますと、第二条、防衛監察について防衛省の他の機関から独立した立場において調査、検査するとしておりまして、防衛省そのものから独立しているわけじゃないんですね。これはやっぱり行政内部の調査なんです。  これは国会での答弁を拒否する理由に私はならないと思うんですが、官房長、お聞きしますけれども、この訓令の中に特別監察の対象だからとして、国会での答弁を拒否するような根拠があるのでしょうか。
  112. 豊田硬

    政府参考人(豊田硬君) 先生御指摘のとおり、防衛監察の実施に関する訓令の第二条(1)のところで防衛監察についての定義がございます。防衛省の他の機関から独立した立場において、一部略しますけれども、法令遵守の観点から防衛省における職務執行の状況を厳格に調査し、及び検査することにより、職員の職務執行の適正を確保することを目的とした防衛監察本部が実施する監察をいうということでございます。  お問合せの国会等々との関係でございますけれども、私どもとしましては、国会との関係に関する規定はこの訓令の中にはございません。ございませんが、私どもも、この徹底的な特別防衛監察の対象機関というのが定められておりまして、調査が徹底的に行われるということでございますので、私ども職員としましては、防衛監察の円滑な運営を阻害するようなことはできないわけでございまして、その点については是非御理解を賜りたいと思います。
  113. 井上哲士

    ○井上哲士君 訓令の第五条には、防衛監察の実施に対する協力義務が定められておりまして、対象となった機関等の関係者は、防衛監察監等から書類その他の物件の提出、説明を求められたときには、これに誠実に協力しなければならない、これがあるだけなんですね。ですから、皆さんが協力するのは当然ですけれども、それをもって国会での答弁を拒否する理由には全くならないんですよ。  で、訓令の中には、じゃ、この防衛監察に協力をしなかった場合の罰則あるんですか。防衛監察監に強制調査の権限はありますか。
  114. 豊田硬

    政府参考人(豊田硬君) 御指摘の防衛監察の実施に関する訓令の中には、そのような規定はございません。
  115. 井上哲士

    ○井上哲士君 ですから、大臣はさっきも元検事長を責任者にする、そして検事もいる特別監査を指示したと述べて、何か検察のような、そういう権限を持っているかのような答弁を繰り返しておりますけれども、これは防衛省の中の内部調査なんです。そして、協力をしない場合の罰則もなければ強制調査の権限があるわけではありません。国会での答弁を拒否する理由はどこにもないんですよ、根拠は。  で、もちろん特別監察を行ってください。真実解明してください。しかし、同時に、国会は独自にこれは真相解明をしなくちゃいけないんです。先ほどもあったように、一月の総理の答弁、二月の予算委員会での答弁、全くこれは虚偽答弁を国会で大臣や総理がさせられていたと、一月にあったとすれば。ないと大臣、何回も答弁したんですから。ですから、これについては国会が独自に事実解明する必要があるんですよ。特別監察をしているからといって、そのことについて答弁ができないというようなことは絶対ありませんから、特別監察を理由にした答弁拒否はやめると、大臣自身もそうですし、是非指示をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
  116. 稲田朋美

    国務大臣稲田朋美君) 私は、本件に関してはしっかり、何が客観的事実であったか、事実の徹底的な解明が必要であると思っております。  その上で、当日に、まず陸幕長にこの一連の事実経過について事実の解明を指示をいたしております。そして、その陸の中で解明した事実を更に特別監察に報告を上げて、そこで検証した上で、いろんなところの検証が行われた上での客観的事実の解明、徹底的な解明が必要であると、このように考えております。
  117. 井上哲士

    ○井上哲士君 では、解明してくださいよ、特別監察で。しかし、同時に、国会は独自の解明が必要なわけですから、大臣が独自に陸幕長などから直接話を聞く、国会でも答弁に答える、これ当然じゃないですか。それができないって言うんならば、結局、特別監察を隠れみのにして自らの延命を図るだけだということになりますよ。ちゃんと自らも国会の求めに応じてそういう幹部から事情も聞く、答弁もする、是非お願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
  118. 稲田朋美

    国務大臣稲田朋美君) この特別防衛監察においては、関係者への聞き取り、必要な場所への立入り、書類の確認等が含まれ、その間の調査は独立した立場の専門家に委ねることが必要だと考えており、この点は御理解をいただきたいと考えます。
  119. 井上哲士

    ○井上哲士君 全く理解できません。だからそれをやってくださいと言っているんですよ。それと、独自に国会での事実解明が必要だから、ちゃんと国会での質問に答えられるようにしてくださいと言っているんですよ。それができないって言うんなら、先ほど申し上げましたように、結局、これを隠れみのにして自らの延命をしているだけだということを厳しく申し上げたいと思います。  その上で、私、この間、自衛隊のいわゆる隠蔽体質というものを指摘をしてまいりました。同様の問題として、安保法制の審議の際に我が党の仁比聡平議員が委員会で明らかにした統合幕僚長の訪米記録に関して、十七日に現役の陸上自衛隊の三等陸佐がさいたま地裁に提訴した問題に関連してお聞きをいたします。  この訪米記録の内部文書が問われたのは、一四年の十二月に、総選挙後のまだ安保法制の法案の具体化も検討も与党協議もされていないときに、統幕長が訪米をして米軍の幹部に対してこの法律は夏までに成立する、こういうことまで語っていた、まさに、制服の暴走が問われているということを申し上げました。ところが、防衛省がやってきたのは言わば犯人捜しであります。  提訴した自衛官は、この内部文書を漏えいした犯人扱いをされて、警務隊から執拗な取調べや配転を強いられて、物理的、心理的苦痛を受けたということで慰謝料五百万円を求めておりますけれども、まず当局に確認しますが、この仁比議員が国会で明らかにした内部文書に関して情報漏えいの疑いがあるということで自衛隊法五十九条違反で捜査をしていると、このこと自体は事実ですか。
  120. 鈴木良之

    政府参考人(鈴木良之君) 警務隊が自衛隊法五十九条違反の疑いで捜査を行っていることは事実でございます。ただし、警務隊が何について捜査をしているかにつきましては、捜査の具体的内容に関することでございますので、お答えは差し控えさせていただきます。
  121. 井上哲士

    ○井上哲士君 私、これ仁比議員が関わっておりますので、弁護団から訴状もいただきました。具体的に、例えば警務隊から行政府の長が怒っているなどと言われた、官邸主導の捜査ではないかと提訴した自衛官は会見でも語っているわけですけれども、当時の大臣も、仁比議員が示した資料と同一のものは防衛省にないと繰り返し答弁をしておりました。ないと言いながら、なぜないはずの文書の流出元を漏えいの疑いがあるとして調べるんですか。おかしいんじゃないですか。
  122. 鈴木良之

    政府参考人(鈴木良之君) 先ほど申し上げましたように、警務隊が自衛隊法第五十九条違反の疑いで捜査を行っていることは事実ですが、先生御指摘の文書が捜査対象になっているかどうかも含めまして、具体的内容についてはお答えは差し控えたいと思っております。
  123. 井上哲士

    ○井上哲士君 いや、その捜査をされた本人が提訴して訴状でそう言っているんですよ。違うんですか。
  124. 鈴木良之

    政府参考人(鈴木良之君) 訴状につきましては、まだ防衛省の方には届いておりませんので、訴状を確認した上で適切に対応したいと考えております。
  125. 井上哲士

    ○井上哲士君 訴状が来たら答弁できますね。
  126. 鈴木良之

    政府参考人(鈴木良之君) 訴状が届きましたら、訴状を確認の上、裁判の中で適切に対応したいと考えております。
  127. 井上哲士

    ○井上哲士君 国会では言えないということですか。これ、本当に生々しいことが書いてありますよ。ポリグラフで調べられたことであるとか家宅捜索をされたこととか具体的に書いておりますけれども。  仁比議員が特別委員会で資料を提示したのは九月の二日でありますけれども、その後、防衛省は省内にあったこの訪米記録を、それまでは取扱厳重注意でありました、我々が国会で示したものは。その後、この訪米記録について秘密指定にしておりますけれども、それはいつなのか、その理由は何でしょうか。
  128. 宇都隆史

    委員長宇都隆史君) どなたが答えますか。  速記を止めてください。    〔速記中止
  129. 宇都隆史

    委員長宇都隆史君) 速記を起こしてください。
  130. 前田哲

    政府参考人(前田哲君) お答えいたします。  平成二十六年十二月の統幕長訪米時の会談記録、これをいわゆる省秘に指定いたしましたのは平成二十七年九月三日でございます。それまでの間は取扱い上の注意を要する文書として扱われてきたわけでございます。  当時、海自幹部学校及び統幕が作成をいたしました平和安全法制に係る法案に関する説明資料、これが外部に流出していたことを受けまして、当時の中谷大臣から文書の取扱いに係る規則の遵守と情報の保全を徹底するよう指示がございました。このことを踏まえて保管する文書等の再点検を行ったわけでありますが、これを行う中で統幕長訪米時の記録についてはいわゆる省秘に指定することが適当であると、こういう判断に至ったことから、その当該記録を省秘に指定したわけでございます。
  131. 井上哲士

    ○井上哲士君 訪米記録は元々は取扱厳重注意だったと。つまり、九月二日に仁比さんが提示したときにはそうだったんですね。そして、その翌日に慌てて秘密指定しているんですよ。前からの指示と言われましたけれども、まさに国会でこれが出てきたということだから翌日秘密指定にしたんじゃないんですか。
  132. 前田哲

    政府参考人(前田哲君) お答えいたします。  繰り返しになりますが、統幕長訪米時の会談記録をいわゆる省秘に指定いたしましたのは、当該記録が防衛省から流出したことを受けて行ったわけではございません。あくまで当時の中谷大臣からの指示、これは八月に出ているわけでありますが、これを踏まえまして再点検を行う中で、情報の保全と文書の適正な取扱いの観点から行ったということでございます。
  133. 井上哲士

    ○井上哲士君 誰がそんな答弁納得するかという話ですが、この記録は、ですから取扱厳重注意であって秘密指定ではありませんから、言わば普通の省内OAの端末に残っていたわけですね。  三日に秘密指定をして、九月五日頃に防衛省の職員に向けて省内OAの端末に残っていた類似の文書を削除するという指示が出されていると思いますけれども、これは一体誰が指示をしたんでしょうか。
  134. 前田哲

    政府参考人(前田哲君) この当該記録の取扱いの詳細につきましては、秘密保全に関することでございますのでお答えは差し控えたいと思いますけれども、いずれにしても、この当該記録は現在、この当該記録そのものは現在、防衛省で適切に管理をされているということでございます。
  135. 井上哲士

    ○井上哲士君 削除の指示をしたんじゃないんですか。違うんですか。
  136. 前田哲

    政府参考人(前田哲君) お答えいたします。  一般論として申し上げますと、作成後、配付済みの文書につきまして、事後的に秘密指定を行う必要が生じた場合等におきましては、この従前の文書を一旦回収するなどした後に改めて秘密指定を済ませたものを必要な部署に限定して配付をすると、こういうことになるものと考えております。
  137. 井上哲士

    ○井上哲士君 つまり、それ以外のところは廃棄をしたということですよ。  訴状の中では、九月三日に秘密指定がされ、そして五日頃に防衛省内の職員に向けて電子データで保管している統幕文書と同一か類似の内部文書を削除することが指示をされたと明確に書かれております。  ですから、国会では、同一のものはありませんと、こういう答弁をしていながら、一方では、実際にある内部文書は秘密指定をして、そして削除を命じている、残っているものは。国民の知らないところで秘密にして廃棄すると。今回の日報と全く同じことをやっているじゃありませんか。これが大臣、隠蔽体質なんですよ。これを正すことが必要だと思いますけれども、大臣、いかがですか。
  138. 稲田朋美

    国務大臣稲田朋美君) 今回の南スーダンの日報、一年未満、用済み後廃棄、廃棄すること自体は違法ではなく、一旦不開示としたものを防衛省自らが捜索をして公表したものであります。  しかしながら、今回の報道を受け、特別防衛監察において事実関係を徹底的に調査をした上で、改めるべき体質があれば私の責任でしっかりと改革を進めていくということでございます。
  139. 井上哲士

    ○井上哲士君 あればじゃなくて、あるんです。  真相解明とこの体質の一掃を強く求めて、質問を終わります。
  140. 浅田均

    ○浅田均君 日本維新の会、浅田均でございます。  今、日報に関してはいろいろやり取りがありまして、私、先日のこの委員会で、防衛省の行政文書管理規則と、それから今回の事件、それと特別監察の関係についてお尋ねしましたところ、この防衛省の行政文書管理規則というものを所与のものとして、それがちゃんと守られているかどうかについて言わばオペレーションの部分での監察ですというふうに防衛大臣はお答えになっているんですけれども、今日の答弁ですと、この文書管理の在り方も含めて調べるというふうに、今、二人の委員質問されたその答弁の中で答えられているんですよ。どっちが本当なんですか。  私の質問に対しては、防衛省行政文書管理規則は今回の見直しの対象にはなっていないと私にはお答えになっています。今日は、その文書管理の在り方も含めて見直していきたい、調べていきたいというふうにお答えになっているんです。文書管理の在り方というのは、取りも直さず防衛省の行政文書管理規則のことなんですね。だから、それも対象にするのか、どっちなんですか。どっちが本当ですか。
  141. 稲田朋美

    国務大臣稲田朋美君) 特別監察の対象に関しては、行政文書管理関連規則の遵守の状況について、一連の経過における本件日報の保管や廃棄に係る行政文書管理関連規則の遵守状況ということでお願いをいたしております。  その特別監察にお願いをしていることは、まず徹底的な事実解明とその遵守状況、これは両方でございますが、またそれとは別に、この国会においても、そもそもこの日報が一年未満、用済み後廃棄でいいのかとか、それから、むしろ現地の日報の在り方とか、そういうことも議論されておりましたので、特別防衛監察ということとは別に、その点についての検討ということは必要と考えているということでございます。
  142. 浅田均

    ○浅田均君 この間も言いましたけれども、所与のものとして、これは当然の前提として、防衛省の行政文書管理規則、これが当然のものとして隊員ほか防衛省の方々全員が守るべきものとして、所与として、それを実際に遵守しているかということを今回の特別防衛監察で調べておられるわけでしょう。それは、だからこれは所与のものとして、当然変えるべきものではないと。防衛省の行政文書管理規則というのがあって、統括管理者とか機関による管理者とか決めて、文書管理者、現場の管理者も決めて、それぞれの権限も決めて、それぞれの文書に関して保存期間とか、ファイリングどういうふうにせいとか、それから廃棄簿を作れとか、その規則の中に書かれてあるわけですよね。だから、それを所与にして、当然の前提として守っているかどうかというのは、これに欠陥があるんだから、調べられたら隊員の皆さんかわいそうですよということを僕は申し上げたんです。  だから、防衛省の行政文書管理規則、これ自体も見直していただく必要があるんですよ。あるから先般そういうことを申し上げたわけであって、各部局によってそのやり方が違うと。だから、廃棄したところと残していたところがあって、廃棄したと思っていても出てきた。だから、こういう統一基準があったら、当然なくなっているものやったら全部なくなっているし、残っているものやったら全部残っている、それが規則の求めるものでしょう。  遡って言うと、公文書管理に関する法律というのは、あることが起きて、跡付けることができる、跡付けるため、また検証するために文書を作成するというふうに公文書管理法では書かれているんですよ。それを受けて各省庁で行政文書管理規則が作られていると。  今またその特別監察というのをやられていろいろ調べられていますけれども、直ちに、この日報に関して、果たして破棄されたのか残っていたのか、どういう指示に基づいてそういうことがされたのかというのを今まさに調べておられるわけでしょう。だから、今、跡付けることはできる、そのために文書を作るという法律の要請にはこの規則は基づいていないと僕は言うているんです。  だから、防衛省の行政文書管理規則も見直していただきたいとあのとき言うたところ、大臣は、それは対象になっていないという当時は御答弁で、今日は違いますと、それも含めて調べるということやったんですけれども、これ訓令なんですよね。防衛省文書管理規則というのは大臣訓令です。だから、大臣が見直して、これおかしいからこれこういうふうにやってくださいと言うたらみんな一斉にそれに従うわけですよ。  だから、もし今の規則が僕が言うているように穴が空いていて、それを見付けて大臣が新たな訓令を発すると。すなわち、防衛省文書管理規則を改めるというふうな訓令を出していただかないことには、同じようなことは何回も起きますよと言うているんです。  だから、今回は、オペレーションに関してですから、どこで隠していたとか隠蔽体質だとか何か言われていますけれども、各部局でそれぞれの規則を守っていくためのルール、細則で決められていて、その細則が違っていたら、それは細則を、ルールを守ってちゃんとやっている、みんなやっているのに、ある部署では残っていて、ある部署ではなくなってしまっていたというのが事実なんですよ。だから、こういう規則はおかしいでしょう、直してくださいと、これは大臣の訓令一つでできますよということを申し上げているんです。  大臣、明らかにおかしいんですよ。あるところに残っている、あるところに残っていない、この事実をもってしてもこの行政文書管理規則には穴が空いていると言わざるを得ない。その事実を受けて、直しますと発言されませんか。
  143. 稲田朋美

    国務大臣稲田朋美君) まず、文書関連規則の遵守状況に関しては監察の対象であります。また、規則の運用についても、改めるべき点は改めるということになろうかと思いますが、まずは監察の結果を予断を持って予想をすることは差し控えたいということでございます。
  144. 浅田均

    ○浅田均君 それ、守られているか守られていないかというのは、これは当然の前提として考えられているわけですよ。当然の前提ではないんですよ、ここに穴が空いているんやから。  だから、これも見直してくださいってこの間言うたら、それは特別監察の対象にはなっていないというお答え。ところが今日、大野委員と井上委員、続けて同じような質問されて、大野委員の場合には、行政文書管理体制の在り方も含めて調べるというふうに答弁されているんです。  だから、今日の御答弁で、防衛省の行政文書管理規則も、これは見直しの対象であるというふうに答弁できないんですか。
  145. 稲田朋美

    国務大臣稲田朋美君) 監察の結果、改めるべき点があれば改めるということでございます。
  146. 浅田均

    ○浅田均君 ということは、単にこれを所与のものとみなして、これを遵守しているかどうかということだけではなしに、遵守しているけれども遵守している元々の規則がおかしいというところがあれば規則を改める、そういう理解でいいんですね。
  147. 稲田朋美

    国務大臣稲田朋美君) 御指摘のとおりでございます。
  148. 浅田均

    ○浅田均君 そうしたら、この間の答弁と今日の答弁と違うと思いますので、それはちょっと統一していただきたいと思います。  南スーダンのことについてお伺いします。  日本の新聞でも、最近では、南スーダンの民族浄化とか部族間抗争に発展しているというふうな報道がされております。  ところで、五月末で施設部隊が撤収するということでありますが、現在従事されている道路整備に一定の見通しが付いて、片が付いて、それが五月末になるんで、その段階で撤収をするということでありますが、五月末までこれ掛かるんですか。
  149. 辰己昌良

    政府参考人辰己昌良君) 今、施設部隊は、国連施設の整備と、それからジュバ市内の道路整備、それからジュバ市内から少し遠いところにございます西の方の幹線道路、これをやっております。  それで、今、一生懸命やっているところでございまして、まさに五月末までにはめどが付く、そういうふうにできると思っていますが、可及的速やかにできるように作業は日々進めているところでございます。
  150. 浅田均

    ○浅田均君 それで、安倍総理談話でありますが、その施設部隊が撤収しても、これからも南スーダンPKO司令部への自衛隊要員の派遣は継続するとお話しになっておられます。  戦闘がだんだん激化する状況下で、どういう人道支援が可能であるというふうにお考えになっているのか。これは外務大臣ですか。
  151. 岸田文雄

    国務大臣(岸田文雄君) 今回、南スーダンPKO活動において派遣部隊活動を終了するわけですが、強調しておきたいことは、南スーダンの国づくりに対する関与、これはこれからもしっかり続くわけです。  そして、委員御指摘のように、PKO活動においても司令部への要員は続くわけですが、あわせて、日本の国の南スーダンの国づくりに対する支援を、自立に向けての南スーダンの取組を支援していく部分に力点を移していくということであります。そして、その中身として、政治プロセスと国民対話ですとかあるいは衝突回避合意の履行ですとか、こういったものを支援していく、さらには人材育成について支援をしていく、そしてさらには人道支援、先日も国連を通じまして六百万ドルの支援を行いましたが、こういった人道支援にもしっかり貢献していく、こういった部分に力点を移していく、これが我が国の基本的な考え方です。
  152. 浅田均

    ○浅田均君 基本的なお考えは分かるんですけれども、現実を直視するというか、僕らは報道を通じて知るしかないんですけれども、今のあの南スーダンの現状を自分なりに、自分の理解するところによりますと、とにかく人々はもう飢餓状態に陥っている方が非常に多いと。それでも政府は武器の輸入をやめないと。  まず、キール大統領派というのがあって、これ亡命していますけれどもマシャール前副大統領派、それからタバン・デン第一副大統領派の三つどもえになっていると。キール派においては、軍隊以外に政府の治安部隊とかそれから民兵組織までつくっていると。武器の所持がすごく裾野まで広がっているという状況です。こういう状況だからこそ、市民の皆さんは武装するか逃げざるを得ないと。だからエチオピアとかスーダンとかウガンダとか、そういうところに逃げ出している難民が今はもう世界三位の数になっているという状況になっています。  こういう状況で、今まだ、五月末まではPKO道路施設部隊というのが作業を続けるというお話でしたけれども、PKOのいわゆる駆け付け警護の基準が曖昧になってしまうんではないかと。先ほどお話がありましたけれども、PKO部隊、何人かが捕まって連行されてというお話はさっきあったとおりです。武装集団が市民を襲って、その市民もまたどういうわけか自衛のために武装していると。こういうときに、駆け付け警護の範疇と言えるんですか。武装集団が、国連軍とかあるいはNGOの団体、南スーダンを何とかしたいという思いで集まっているNGOの集団以外に、そういう一般人も武装している、そういう状況になってきて、一般人が武装集団に襲われているという場合に、その施設部隊の方々はそれを目撃したときに助けることできるんですか。
  153. 宮島昭夫

    政府参考人(宮島昭夫君) お答えいたします。  駆け付け警護、いわゆる駆け付け警護につきましては、自衛隊部隊の近傍でNGO等活動関係者が襲われ、ほかに速やかに対応できる現地治安当局国連部隊等が存在しないといった極めて限定的な場面で、緊急の要請を受けて、人道性緊急性に鑑み、応急的かつ一時的な措置としてその能力の範囲内で行うということでございまして、一般の南スーダンの方につきましては、活動関係者というふうには、当然のように含まれておりません。
  154. 浅田均

    ○浅田均君 キール大統領派というのは民兵組織までつくっているんですよ。民兵というのは一般のシビリアンかミリタリーか、軍人さんか分からないと、そういう状況です。そういう方々が普通に生活していて武装だけはしているわけですよね。そういう方々が、あっ、こいつはキール派の民兵やいうことで、よその武装集団が襲いかかっているというところに道路整備の方々がおられて、襲われている民兵を守ることは、助けることはできるんですか。
  155. 宮島昭夫

    政府参考人(宮島昭夫君) 現場で人道的な緊急的な意味で何ができるかということはまた別途あるかと思いますが、駆け付け警護につきましては先ほど御説明したとおりでございまして、活動関係者対象になっております。一義的に、今のようなものは現地の治安当局、それからあと国連の今のUNMISSのマンデートは文民の保護でございますので、国連の治安関係部隊ですとか警察の部隊等々が対応するということが想定されております。
  156. 浅田均

    ○浅田均君 よう分からぬ答えですけど。よう分かりませんよね、実際。正直言うたらよう分からへんというところですけど、こういう場やから、よう分かりませんと答えられへんから今みたいな答えになるんですよね。まあいいです。  現在、十一次派遣隊というのが行っていて、それが帰ってこられると。十二次派遣隊は今訓練中ですけれども、この十二次派遣隊というのは一体どうなるんですか。派遣されるんですか。
  157. 辰己昌良

    政府参考人辰己昌良君) 十二次隊として道東、北海道の東の第五旅団を予定していましたが、今回の決定によって今訓練は中止をしております。
  158. 浅田均

    ○浅田均君 訓練中止で、訓練中止というのはもう派遣はしないということですか。
  159. 辰己昌良

    政府参考人辰己昌良君) おっしゃるとおりです。
  160. 浅田均

    ○浅田均君 終わります。ありがとうございます。    〔委員長退席、理事堀井巌君着席〕
  161. アントニオ猪木

    アントニオ猪木君 元気ですか。元気があれば何でもできる、元気があれば絶滅も免れるというような。ニホンカワウソって御存じだと思いますが、二〇一二年に絶滅に認定されています。ところで今、うそつきは絶滅せずに世にはびこっているというか、今日の委員会も、先ほど見ておりましたが、よく分かりません。でも、かわいいうそならいいけど、違ったうそはやっぱり一発パンチをぶちかまさなきゃ駄目かなと思います。  そこで、本題ですが、前にも質問させていただきましたが、中国の一帯一路について質問をさせていただきます。  中国は、シルクロード経済ベルト、二十一世紀の海上シルクロードという、西からユーラシア大陸諸国に行って、そして経済ベルト、東南アジア、南アジア、中東、アフリカの海上ルートを築いております。私もずっとあの辺を回ったことがあります。陸のシルクロードではカイバル峠とか歩いて回ったこともありますが、中国の目的は、自国の港湾、鉄道、通信、電力、パイプラインなどによる輸送とエネルギー網を拡大していく、強化だと思います。友好国を増やし、外交戦略でもありますが、トランプ政権になり、中国のやり方に変化が見られるのでしょうか。アフリカも中国がいろんな国を経済援助をしながら強烈な友好関係をつくっています。外務大臣に、見解をお聞かせください。
  162. 岸田文雄

    国務大臣(岸田文雄君) 御指摘の一帯一路構想ですが、欧州とアジア諸国の経済関係強化を目的とするシルクロード経済ベルト構想と、もう一つ、中国とASEAN等の経済関係強化を目的とする二十一世紀海上シルクロード構想、この二つの構想から成っていると承知していますが、二〇一三年、習近平国家主席が発表いたしました。そして、この構想の中国の意図ですとか、さらにトランプ政権発足後の変化の有無等についてコメントする立場にはありませんが、中国としては、同構想の推進、引き続き重視しているものと承知をしています。この五月にも、一帯一路国際協力ハイレベルフォーラム、首脳レベルの会議を開催するということが発表されています。  是非、こうした動き等も含めて、どのように構想が具体化されていくか、これは注視していかなければならない、このように考えます。
  163. アントニオ猪木

    アントニオ猪木君 その一環ですが、タイに今、クラ地峡運河構想というのが、もう既に進んでいるんでしょうか、スリランカに行ったときにも、港湾を全部中国資本で押さえ、その周りをホテルあるいは労働者が、何万人という人が入っている状況で、その中で一つ、クラ地峡はタイとマレーシア、ミャンマーが連なるマレー半島中央部に位置しています。ここに運河を建設し、西のアンダマン海と東のシャム湾をつなげば、マラッカ海峡を経由しなくてもヨーロッパ、中東、インドの太平洋を直接結ぶことができます。  この構想について、現状どのようになっているかお聞かせください。
  164. 滝崎成樹

    政府参考人(滝崎成樹君) お答えいたします。  ただいま委員の方から御指摘のありましたクラ地峡の運河構想というものですけれども、これはタイ南部のマレー半島にありますクラという名前の地峡に、東側のタイ湾と西側のアンダマン海を結ぶ運河を建設しようという構想であるというふうに承知いたしております。  タイの国内にはこの構想の支持をするという人が存在しているということは承知していますけれども、これまでタイ政府の要人からはこの構想を支持しないという旨の発言が度々行われているということが報じられておりまして、現時点でタイ政府がこの運河の建設を決定したというような情報には接していないというのが現状であります。  しかしながら、この地域の動向については、引き続き、日本政府としても注視していきたいというふうに考えております。    〔理事堀井巌君退席、委員長着席〕
  165. アントニオ猪木

    アントニオ猪木君 「百年のマラソン」という話も前にさせてもらいましたが、マイケル・ピルズベリーという中国の軍事戦略研究家が書いた記事ですが、今日は、長いのでちょっと読み上げることはできませんが、本当にそういう百年の大計というか、我々日本人の感覚、あるいはそれぞれの民族が持っているやっぱり意識というんでしょうかね、中国がそこまでどういうふうに考えたか分かりませんが、今の三十年、四十年、五十年前の上海を知っている人はほとんどいないと思うんですが、私も四十何年前に訪問したときに本当に裸電球でしたが、そんな中で、是非、やっぱりもうちょっと深い意味でその国の考え方というものを研究すべきだと思います。  次に、日ロ外相会議について岸田大臣にお伺いいたします。  外務省防衛省が先日配付した紙を読ませていただきましたが、その中から幾つか質問をさせていただきます。  二〇一八年のロシアにおける日本年、日本年というんでしょうかね、日本におけるロシア年の実施に向け作業を加速することで一致しているとありますが、具体的に今どのような内容なのかお聞かせをください。
  166. 岸田文雄

    国務大臣(岸田文雄君) 御指摘のロシアにおける日本年及び日本におけるロシア年ですが、昨年十二月の日ロ首脳会談の際に二〇一八年における開催を発表しました。そして、その開催に関する覚書に私とラブロフ外相で署名をしたものであります。そして、二十日に行われました本年二回目の日ロ外相会談では、私とラブロフ外相との間で、我が国はロシアにおける日本年の実施、ロシアは日本におけるロシア年の実施に向けて調整を加速していくこと、このことで一致をいたしました。  そして、内容についてどうかという御質問ですが、二〇一八年のロシアにおける日本年、これは日本が準備をし検討をしていくことになりますが、その際には、政治、経済、文化、科学、教育、青年、スポーツ、自治体間交流その他の分野における日本紹介行事をロシアで幅広く開催する方針であり、現在様々な調整を進めているところです。  そして、日本におけるロシア年については、今ロシアの方で検討をするということになりますが、恐らく同様にロシア紹介の行事を開催することになるのではないかと想像をいたします。
  167. アントニオ猪木

    アントニオ猪木君 平和条約締結交渉において、元島民墓参りなど調整を進めているとお聞きします。日本固有の領土でもあり、北方領土問題の解決に向け、しっかりと対話を続けていただきたいと思いますが、いろんな、昔の島民、あるいは昔、八九年、私が政治に出たときに、斎藤六郎さんという方が非常に熱心に抑留問題や何かを交渉をしておられたと思います。  シベリア抑留について、約六十万人の関東軍の兵士がソ連やモンゴルへ送られ、長期にわたり強制労働をさせられたとあります。私のおじも抑留されましたが。そんな中で、私もトルクメニスタンに訪問したときに、日本人が建てた建物が非常によくできているということで、今も現存していると思いますが、ロシア人が造ったのは何年ももたずに壊れたという話を聞きました。  シベリアで亡くなった人々の遺骨も多く現在も残っていると思います。ロシアと日本との間の友好条約、戦争を過去のものとし、未来に向け前進するために欠かせない条件だと思います。領土問題もありますが、シベリア抑留者の問題について、現ロシア政府、どのように今働きかけることができるのか、お考えをお聞かせください。
  168. 岸田文雄

    国務大臣(岸田文雄君) 政府としましては、このいわゆるシベリア抑留は人道上問題であるのみならず、当時の国際法に照らしても問題のある行為であったという認識に立っています。そして、シベリア抑留に関する諸問題に日ロ両国が真摯に取り組んでいくことは両国国民間に真の信頼関係を築いていく上でも不可欠であると考え、そうした観点から、日ロ間では、一九九一年に日ソ間で締結された協定に基づいて遺骨収集、慰霊巡拝、資料調査、慰霊碑建立など様々な取組を行ってきているところです。  抑留者の方々が御高齢になっている現状を踏まえ、未提供のこの抑留中死亡者資料等の提供を始め、本協定に基づく協力を今後一層進めていくこと、これが重要だと考えています。私自身も、これまでにシベリア抑留に関する資料提供等におけるロシア側の協力を依頼し、ラブロフ外相からも協力したいという反応を得ています。  引き続き、政府として、シベリア抑留に関する諸問題についての取組をロシア側にしっかり働きかけていきたいと考えます。
  169. アントニオ猪木

    アントニオ猪木君 次に、朝鮮から捕虜としてあちらに連れていかれて、まだ帰ってこないという話も聞いたこともあります。その辺も訪朝したときに話したことがありますが、その後について、その方たちの今、状況をお聞かせください。
  170. 相木俊宏

    政府参考人(相木俊宏君) お答え申し上げます。  日本の降伏後、ソ連は、旧満州、現在の中国東北部でございますが、でありますとか、朝鮮半島、樺太、千島などにおりました日本の軍人ら推計約五十七万五千人をシベリア等に抑留したところでございます。抑留者のうち、現在までに約四十七万三千人が帰還をし、約五万五千人が死亡したと推計されております。また、ソ連に入った後に病弱などのために旧満州、北朝鮮に送られた者などが約四万七千人いたというふうに推計をされております。  これまでに厚生労働省がロシア側から受領いたしましたソ連抑留者の方々の資料の中には、朝鮮半島出身者と思われる方が含まれているというふうに承知をしておりますけれども、朝鮮半島出身者の方々の現状について、政府としては特段把握をしておらないところでございます。
  171. アントニオ猪木

    アントニオ猪木君 概要の国際情勢についてお伺いいたします。  シリア情勢、ウクライナ情勢について議論を行い、ロシアが情勢改善のために建設的な役割を果たすよう働きかけたとあります。具体的にどのような話か、お聞かせをください。
  172. 岸田文雄

    国務大臣(岸田文雄君) 二十日の外相会談におきましては、約三時間にわたりまして、日ロ二国間関係について、さらには国際情勢について意見交換を行いました。  その中で、特にシリア情勢については、日本側から、シリア危機の政治的解決には停戦の遵守がまず何よりも重要であることの考えを述べ、ロシア側からはアスタナ・プロセスの現状を含め説明がありました。ウクライナ情勢については、日本側から情勢の改善にはミンスク合意以外に道はないということを強調し、ロシア側からはロシアの立場に沿った発言がありました。  いずれにしましても、委員御指摘のように、ロシアがシリア及びウクライナ情勢改善のため建設的な役割を果たすべきである、こういった働きかけはしっかり行った次第であります。
  173. アントニオ猪木

    アントニオ猪木君 北朝鮮戦略ということで、先日、岸田大臣がティラーソン国務長官と飯倉公館で会談し、共同記者会見をされました。ティラーソン長官は、北朝鮮を非核化しようとする二十年間の努力は失敗に終わった、脅威がエスカレートしており、新たなアプローチが必要だと指摘しています。  今後の北朝鮮対策について岸田大臣とティラーソン長官はどのような話をされたのか、お聞かせください。
  174. 岸田文雄

    国務大臣(岸田文雄君) まず、委員指摘のティラーソン国務長官の発言については、米国の今日までの取組にもかかわらず、引き続き北朝鮮が核・ミサイル開発を続けている、こういった点を指摘した発言であると認識をしています。  この十六日の外相会談においては、両大臣の間で、北朝鮮の核・ミサイル開発は断じて容認できないとの認識を共有し、そして北朝鮮に対して挑発行動を自制する、あるいは累次の安保理決議を遵守させる、こういったことを強く求めていくことを確認し、中国の役割の重要性についても議論をしました。また、日米、日米韓の協力の重要性、これも確認したところであります。  御案内のとおり、米国は今、北朝鮮政策を見直ししている、見直しを進めている、こういった状況にあると認識していますが、その中にあって、日本としての考えを伝えた上で政策のすり合わせを行い、日米が一致した立場を形成していくことを確認した、このことが意義あることであったと思います。  あわせて、拉致問題についても私の方から我が国の主権、国民の命と安全に関わる重大な問題であるということ、安倍政権の最重要課題であるということ、こういったことを述べ、日米で引き続き連携していく、こういった確認も行った次第であります。
  175. アントニオ猪木

    アントニオ猪木君 日々国際情勢が変わっていく中で、本当に歴史というのは、一ページ一ページめくっていったときに大変、そのときの権力者によって考え方が変わってしまうという、せっかく軍縮ということで進めていた時代が、逆に軍拡という時代に変わってしまったと。  最後に、日ロ関係についてもう一回話をお聞きしますが、諸般の事情許せば四月、逆に安倍総理が訪ロ、プーチン大統領と会談することを確認、首脳会談に向けて準備を加速するとあります。この前、五月ぐらいですかとお聞きをしましたが、これがどのぐらいの実現性があるのかお聞かせください。
  176. 岸田文雄

    国務大臣(岸田文雄君) 二十日に行いました日ロ外相会談の場で安倍総理の訪ロについて議論を行い、確認を行いました。その中で、諸般の事情が許せば四月下旬に安倍総理は訪ロしたいということを日ロの外相間で確認をした、こういった次第であります。  安倍総理の訪ロに向けて様々なレベルでこれから、平和条約締結交渉問題を始め様々な課題について準備を進めていかなければならない、このように考えます。
  177. アントニオ猪木

    アントニオ猪木君 鳥籠、あっ、いや、籠池さんでした。早くこの事件も終わって国会が、私どもが見ている中で、これから世界という部分に目を向けたときに、本当に今の状況の、外国から見たときにどのように映っているのかな、その辺が気になります。  ということで、ありがとうございました。
  178. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 沖縄の風の伊波洋一です。  普天間飛行場の危険性除去について伺います。  三月九日の委員会質疑では、日米地位協定に伴う航空特例法により米軍飛行場には航空法第三十八条一項の適用がないことから、滑走路端安全区域、RESAを含む航空法上の安全基準が適用されないことが確認されました。では、なぜ普天間が飛行場として通用しているのか。  普天間飛行場が現在まで安全性を無視して使用されているのは、一九七二年五月十五日の沖縄返還で米軍統治時代に建設された基地をそのまま施設提供をする五・一五メモで使用目的を飛行場としたからではありませんか。それ以外の根拠はありますか。
  179. 深山延暁

    政府参考人(深山延暁君) お答え申し上げます。  日米地位協定第二条1(a)によりますと、「合衆国は、相互協力及び安全保障条約第六条の規定に基づき、日本国内施設及び区域の使用を許される。個個の施設及び区域に関する協定は、第二十五条に定める合同委員会を通じて両政府が締結しなければならない。」と規定しておりまして、かかる規定に基づき、我が国は米国に施設及び区域を提供しているところでございます。  普天間飛行場につきましては、御指摘の昭和四十七年五月十五日に開催された日米合同委員会において、日米地位協定二条1(a)の規定に従い、主目的を飛行場とするなどの条件により米軍による使用が許されるということが合意したものと認識しておりまして、この合意に基づきまして提供しているものでございます。
  180. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 皆さんのお手元に五・一五メモのコピーがございますが、一九七二年五月十五日に沖縄県民は念願の日本復帰を果たしたわけでありますけれども、残念ながら基地はそのまま存続されました。それらの基地は、一つ一つが本来の米軍の基準やあるいは安全基準などが考慮されて造られているわけではありません。それが今日まで続いている。普天間飛行場はその最たるものであります。  米太平洋海兵隊司令部のインタビューや、あるいは総司令官ジェームズ・コンウェー大将の米連邦議会の証言で述べたように、沖縄では、民間地域の基地への侵害と、米側はそう言うわけですけれども、インクローチメントの問題が在沖海兵隊の運用上の制約となっており、それはグアム移転等への大きな理由の一つです。しかし、まだこうした実情が米連邦議会などにも正確には理解されていないようです。  クリアゾーンなど、米軍飛行場の基準違反も同様です。爆音訴訟でも違法性は認定され、賠償判決が出ています。例えば、昨年十一月十七日の普天間爆音訴訟判決では、これ自体住民の被害を完全に賠償するものとは言えませんが、総額二十四億円超の損害賠償が認められています。日米地位協定第十八条五項の(e)(1)によれば、賠償額の七五%は米側の負担割合です。  質問しますが、各種の米軍基地被害賠償の負担割合について米側に求償権を行使したことがありますか。あるとすれば、具体的に何について、いつどのような機会に求償したのでしょうか。もし、求償し賠償したことがないのであれば、地位協定が守られていない現状は問題だとは思いませんか。
  181. 岸田文雄

    国務大臣(岸田文雄君) 日米地位協定十八条における米軍基地被害賠償の負担の割合ですが、米軍機による騒音に係る訴訟に伴う賠償金の日米地位協定に基づく分担の在り方については、日本政府の立場と米国政府の立場が異なっていることから、妥結を見ていないというのが現状です。  この騒音における賠償についても、日本政府としては、米国政府に対し損害賠償の分担を求める立場で引き続き協議を重ねていきたいと思っていますが、日本政府としては、米国政府に対して騒音に係る訴訟に伴う損害賠償金の分担を求める立場でありますが、米側は、米軍の航空機は日本側から提供された施設・区域を使用して日米安保条約の目的達成のために所要の活動を行っているのであり、このような活動を通じて発生した騒音問題は、日米地位協定第十八条に基づき米側が賠償すべきものではない、こういった立場を取っていると承知をしております。騒音についてはこういった状況であります。  騒音以外の分野においては、この十八条が適用され求償が行われた、こういった実績はあると承知をしております。
  182. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 一つでも具体的に求償を行った事例があれば、もし紹介いただけたらと思います。今提供できなければ、是非委員会にお願いしたいと思います。ありますか。
  183. 森健良

    政府参考人(森健良君) 今手元にございます例としては、米軍人等による公務上の事故、これについて、地位協定第十八条五項及び民事特別法の規定によって、我が国が被害者からの賠償請求を受けて米国政府と協議の上で賠償金額を決定し、被害者の同意を得て賠償金の支払を行って、それに関しまして七五%を米側に求償している、こういう例があるところでございます。
  184. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 求償している例と、実際に払われたということの例とは別ですか。払われたものがありますか。
  185. 深山延暁

    政府参考人(深山延暁君) 個別の事件名、事故名は手元にございませんが、日米地位協定十八条五に基づく米側からの償還額は手元にございまして、例えば平成二十七年度におきましては一億五千三百八十九万九千円の償還が米側から行われたという記録がございます。
  186. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 それでは、ここで委員長に求めたいと思いますが、これまでの事例について、是非、委員会に提出を願いたいと思います。
  187. 宇都隆史

    委員長宇都隆史君) ただいまの件につきましては、後刻理事会において協議をいたします。
  188. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 二〇〇四年八月十三日の沖縄国際大学への大型ヘリの墜落炎上事故は、本館ビルを含めて周辺に多くの被害を起こしました。奇跡的に住民の被害はありませんでしたが、日米は、その後、場周経路を設定して飛行を再開しました。防衛省の説明では、皆さんに配付しております資料のように、滑走路から七百五十メートル離れて高度三百三十メートルで旋回訓練を行うことで、万が一エンジンが停止してもヘリに備わっているオートローテーション機能により滑走路に戻ることができるとして、普天間飛行場と住宅地の境界に沿って設定されました。  ところが、海兵隊機は合意した場周経路をほとんど守りませんでした。私は当時、宜野湾市長のときに沖縄防衛局に航跡監視を要請し、二〇一〇年一月一日以来、沖縄防衛局が今日までレーダーを設置して常時監視をしており、毎年、月ごとの飛行航跡集約図を公表するようになりました。資料で示してあります。この調査結果から、海兵隊機が基地施設外の住宅密集地の上空を旋回飛行訓練等を行っていることが客観的に明らかになりました。  しかし、普天間飛行場周辺での海兵隊ヘリの場周経路から外れた飛行訓練が常態化しています。その飛行航跡を沖縄防衛局は全て把握しているはずです。普天間飛行場で海兵隊機の住宅地上空飛行が一向になくならないのは防衛省の怠慢ではないのでしょうか。なぜ海兵隊に日米合意の場周経路を守らせないのか。在沖海兵隊を含め、在日米軍司令部や米国務省に抗議したことはあるか、あるとすれば、具体的に日時と申出内容を説明してもらいたいと思います。
  189. 深山延暁

    政府参考人(深山延暁君) 場周経路について、まずお答えをいたしたいと思います。  普天間飛行場においては、進入及び出発経路を含む場周経路は、できる限り学校や病院を含む人口密集地域上空を避けるように設定されておるところでございます。  普天間飛行場周辺の住民の皆様から、設定されている場周経路をヘリコプターが遵守していないとの御指摘があることを踏まえ、また、委員からも、市長をお務めのときに御指摘があったというお話がございましたけれども、こうしたことを踏まえまして、防衛省としては、平成二十二年一月から普天間飛行場における飛行状況調査を行っております。平成二十七年度を対象とした調査結果、これは既に公表いたしておりますが、確認したところ、我々から見ますと、おおむね設定されている場周経路に沿った航跡が見受けられたと評価しております。  一方、防衛省が公表している飛行経路図を見ると、場周経路が守られていないではないかという御指摘があることは承知しております。一般的に、ヘリコプターの飛行は、風向き、風速などの気象条件やバードストライクの回避等により大きく影響を受けるため、列車がレールの上を走るように飛行することは困難であって、飛行経路に差異が生じることを踏まえれば、おおむね設定された場周経路に沿った飛行であると私どもは認識しておるところでございます。  また、米側からは、引き続き場周経路を遵守し、地元に影響を及ぼす騒音の軽減対策を講じるように努めるとともに、搭乗員への継続的な教育を通じて、常に飛行の安全確保を優先するとの説明がなされております。  いずれにいたしましても、防衛省といたしましては、場周経路に沿った飛行を行うなど、普天間飛行場の周辺住民の皆様に与える影響を最小限にとどめるよう米側に求めてまいります。
  190. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 配付した資料の十二と十三を見ると分かるんですけれども、飛行場の敷地とこの場周経路の位置というのは随分ずれているんですね。それで、一番最初の報告書は、今回の調査結果から、場周経路の飛行はおおむね守られていると、八割はそれを守っていないものにもそう書いてありますし、その次の報告では、非難がありましたので、今回の調査結果は米軍が報告書を守っていないということを示すものではないと考えられると、要するに、そういうふうに肯定をしております。  つまり、今も答弁は、おおむね守っていると。しかし、皆さん、おおむね守っているのがあの状態だったら、日本政府が一体何をしているのかと。米軍に対して本当に申入れはしていないということをお認めになるわけですね。
  191. 深山延暁

    政府参考人(深山延暁君) 先ほど御答弁申し上げましたように、この件については米側からの説明を受けておりますし、我々、場周経路を守るという申入れはこれまでも行ってきているところでございます。  具体的な日時は手元に今ございません。
  192. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 やはり市民や県民が納得するような具体的な遵守を実現をしてもらいたいと、こう思います。このようなことが今の普天間飛行場状況です。ですから、普天間飛行場での海兵隊機の住宅地上空飛行が一向になくならない、こういう状況があるということは是非理解していただきたい。  今は普天間飛行場の、市役所とか学校とか、その上を平気で飛ぶようになっています。宜野湾市役所はちょうど真ん中空いておりまして、もし平日にそこに落ちるようなことがあればとんでもない大惨事になります。そういう意味で、この今の状況を放置するわけにはいかないと、こういうふうに理解をしています。昨年十二月十三日にはオスプレイが墜落をいたしました。オスプレイ配備に伴う騒音被害や振動被害もそうですけれども、本当にまた、その飛ぶエリアの問題も大きくあります。是非、そこら辺のことに対して国の責任をしっかり持っていただきたい。  一九九六年三月の合同委員会で航空機騒音規制措置が普天間飛行場で合意されています。その中で、二十二時から六時まで、深夜の夜間飛行は禁止されています。しかし、現実には、現在二十二時以降も、二十三時までの飛行訓練、飛行が常態化しています。政府はこの実態を把握しながらも放置しているのが現状です。確かに運用の所要というのは認められていますけれども、その中でも、最小限に制限されるとか、あるいは司令官はできるだけ早く夜間の飛行訓練を終了させる努力を最大限に払うと、こういうことになっています。  その意味で、騒音規制措置に基づいて夜間飛行の制限を求める考えは政府にあるのでしょうか。
  193. 深山延暁

    政府参考人(深山延暁君) お答え申し上げます。  夜間の騒音も含めまして、航空機による騒音は周辺住民の方々にとって大変深刻な問題であり、飛行場周辺の騒音軽減は重要な課題の一つであると認識しております。今委員から御指摘がありましたように、普天間飛行場における航空機騒音を規制する騒音規制基準、航空機騒音規制基準についても日米合同委員会で合意をしているところでございます。  防衛省としては、これまでも累次の機会に米側に対して、この騒音規制措置の遵守、そして土曜日、休日を始め年末年始、入学試験等、地元の重要な行事に配慮するよう申入れを行ってきているところでございます。また、防音対策につきましては、その一方で、住宅防音工事なども進めさせていただいているところでございます。  我々といたしましては、こうした各種措置、また米側についても引き続き申入れを行うことによりまして飛行場周辺の騒音を軽減しまして、周辺住民の方々の負担軽減が図られるよう努めてまいりたいと思っております。
  194. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 オスプレイ配備以降、一層苦情が本当に何百にもなっています。ですから、決して今の対応のような形ではこれは解決できないと思います。  昨年、本委員会でも紹介しましたが、二〇一五年六月二十三日の朝日新聞のインタビューで元米駐日大使マイケル・アマコスト氏は、普天間で事故が起きたら日米関係に壊滅的な影響を及ぼすと述べ、十九年も解決できないなら沖縄から国外への移転を含めて難しい決断も必要だと提言をしました。  先日の日米首脳会談の共同声明のように、普天間の危険性除去の唯一の手段は辺野古移設の実現と言うだけで、何もせずに普天間飛行場周辺住民の墜落の危険性や激しい騒音被害など人権侵害が放置されている現状はおかしいことは明らかです。  米軍には、地位協定上、国内法の規制が直接適用されないとしても、二〇〇〇年九月十一日の環境原則に関する共同発表では、環境保護及び安全のための在日米軍による取組は日米の関連法令のうちより厳しい基準を選択するということが、確認しています。このことの重要性は、昨年の当委員会での外務大臣からも御確認いただいたところです。  普天間飛行場の米海兵隊に場周経路の合意、夜間飛行制限、低空飛行禁止などを遵守させ、違反した場合には通報して制裁を科す、あるいは再発防止について確認をするなど、具体的なメカニズムが必要だと考えますが、両大臣の御見解を伺います。
  195. 稲田朋美

    国務大臣稲田朋美君) 普天間飛行場については、日米安保体制を支える基盤として非常に重要な防衛施設である一方、市街地の真ん中に位置し、米軍機による航空機騒音については周辺住民の方々に多大な御負担をお掛けしていると認識をしております。  その上で申し上げれば、日米安保条約は、我が国の安全並びに極東の平和及び安全の維持に寄与するため、米軍の我が国への駐留を認めており、飛行訓練を含めた軍隊としての機能に属する諸活動を一般的に行うこと、前提といたしております。  飛行訓練について言えば、一般的に米軍が飛行訓練を通じてパイロットの技能の維持向上を図ることは即応態勢という軍隊の機能を維持する上で不可欠であり、日米安保条約の目的達成のためには重要です。ただし、米軍は全く自由に飛行訓練を行ってよいわけではなく、我が国の公共の安全に妥当な考慮を払って活動すべきことは言うまでもありません。  防衛省としては、これまでも外務省とも連携しつつ、米軍機の飛行訓練による地元住民への影響を最小限にとどめるよう米側に様々な機会を通じて申し入れてきているところであり、今後も引き続き適切に対応してまいります。
  196. 岸田文雄

    国務大臣(岸田文雄君) まず、普天間飛行場、そして飛行訓練に対する我が国の基本的な考え方は今防衛大臣から答弁させていただいたとおりであります。  しかしながら、これも今防衛大臣の答弁の中にもありましたが、米軍は全く自由に飛行訓練を行ってよいわけではなく、我が国の公共の安全に妥当な考慮を払って活動すべきであるということ、これはもう言うまでもないことであります。  そして、委員の方から新たな具体的なメカニズムが必要ではないか、こういった御質問をいただいたわけですが、我が国としては、今言った認識に立ちながら、日米合同委員会合意など今の仕組みを最大限活用することによって米国側に我々の考え方を伝え、そして住民に対する配慮をしっかり求めていく、この努力が引き続き重要であると認識をしています。  是非、これを最大限、具体的に活用することによって結果を出せるよう引き続きまして努力を続けていきたい、このように考えます。
  197. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 是非努力をしていただきたいと思います。  私たち沖縄県民は、辺野古新基地建設に反対すると同時に、普天間基地の危険性除去、安全対策、沖縄県と宜野湾市へ約束した二〇一九年二月を期限とする五年以内の運用停止を今後とも求めていくことを強調しまして、質問を終わります。
  198. 宇都隆史

    委員長宇都隆史君) 本日の質疑はこの程度にとどめます。  防衛大臣は御退席いただいて結構でございます。     ─────────────
  199. 宇都隆史

    委員長宇都隆史君) 次に、在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。  政府から趣旨説明を聴取いたします。岸田外務大臣
  200. 岸田文雄

    国務大臣(岸田文雄君) ただいま議題となりました在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案につきまして提案理由を御説明いたします。  改正の第一は、在レシフェ日本国総領事館及びアフリカ連合日本政府代表部を新設するとともに、同総領事館及び同政府代表部に勤務する外務公務員の在勤基本手当の基準額を定めることであります。  改正の第二は、既設の在外公館に勤務する外務公務員の在勤基本手当の基準額を改定することであります。  以上の改正内容のうち、在勤基本手当の基準額の改定については、平成二十九年度予算案と一致させて行うため、四月一日から実施する必要があります。  以上が、この法律案の提案理由及びその概要であります。  何とぞ、御審議の上、本件につき速やかに御賛同くださいますようお願いいたします。
  201. 宇都隆史

    委員長宇都隆史君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。  本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。    午後四時二十五分散会