運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

2017-08-10 第193回国会 参議院 外交防衛委員会 閉会後第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二十九年八月十日(木曜日)    午後一時四十分開会     ─────────────    委員異動  六月十六日     辞任         補欠選任      中西  哲君     野上浩太郎君  六月十九日     辞任         補欠選任      野上浩太郎君     中西  哲君  八月七日     辞任         補欠選任      堀井  巌君     山田 修路君  八月八日     辞任         補欠選任      佐藤  啓君     古賀友一郎君      滝沢  求君     宮本 周司君      山田 修路君     堀井  巌君  八月九日     辞任         補欠選任      小西 洋之君     杉尾 秀哉君      山口那津男君     宮崎  勝君      伊波 洋一君     糸数 慶子君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         宇都 隆史君     理 事                 阿達 雅志君                 古賀友一郎君                 山田  宏君                 大野 元裕君                 浜田 昌良君     委 員                 佐藤 正久君                 武見 敬三君                 中曽根弘文君                 中西  哲君                 堀井  巌君                 宮本 周司君                 山本 一太君                 杉尾 秀哉君                 福山 哲郎君                 藤田 幸久君                 宮崎  勝君                 井上 哲士君                 浅田  均君               アントニオ猪木君                 糸数 慶子君    国務大臣        外務大臣     河野 太郎君        防衛大臣     小野寺五典君    副大臣        外務大臣    佐藤 正久君        文部科学大臣  丹羽 秀樹君    大臣政務官        内閣大臣政務        官        長坂 康正君        外務大臣政務官  堀井  巌君    事務局側        常任委員会専門        員        宇佐美正行君    政府参考人        内閣大臣官房        審議官      田中愛智朗君        外務大臣官房審        議官       大鷹 正人君        文部科学大臣官        房審議官     松尾 泰樹君        防衛大臣官房長  高橋 憲一君        防衛大臣官房審        議官       辰己 昌良君        防衛大臣官房審        議官       土本 英樹君        防衛省防衛政策        局長       前田  哲君        防衛省地方協力        局長       深山 延暁君        防衛省統合幕僚        監部総括官    鈴木 敦夫君        防衛省防衛監察        本部監察監   丸井  博君        防衛省防衛監察        本部統括監察官  小波  功君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○理事補欠選任の件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○外交防衛等に関する調査  (特別防衛監察の結果に関する件)  (行政文書管理に関する件)  (弾道ミサイルへの対処に関する件)  (米軍オスプレイの事故と飛行自粛要請に関す  る件)     ─────────────
  2. 宇都隆史

    委員長宇都隆史君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  昨日までに、佐藤啓君、滝沢求君、山口那津男君、小西洋之君及び伊波洋一君が委員辞任され、その補欠として古賀友一郎君、宮本周司君、宮崎勝君、杉尾秀哉君及び糸数慶子君が選任されました。     ─────────────
  3. 宇都隆史

    委員長宇都隆史君) まず、理事補欠選任についてお諮りいたします。  委員異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。  理事選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 宇都隆史

    委員長宇都隆史君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事古賀友一郎君を指名いたします。     ─────────────
  5. 宇都隆史

    委員長宇都隆史君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  外交防衛等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として内閣大臣官房審議官田中愛智朗君外十名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 宇都隆史

    委員長宇都隆史君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  7. 宇都隆史

    委員長宇都隆史君) 外交防衛等に関する調査を議題といたします。  まず、特別防衛監察の結果について政府から報告を聴取いたします。小野寺防衛大臣
  8. 小野寺五典

    国務大臣小野寺五典君) この度、防衛大臣を拝命しました小野寺五典です。  我が国防衛という国家存立の基本である崇高な任務を再び担うことになり、大変光栄に感ずるとともに、改めてその重責に身が引き締まる思いであります。  宇都委員長を始めとする理事及び委員皆様の一層の御指導、御鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。  これまで本委員会等において御議論いただきました、昨年十月に開示請求のあった南スーダン派遣施設隊日報をめぐる問題については、七月二十八日に特別防衛監察の結果を公表いたしましたが、明らかになった事項は、次のとおりです。  その日報に対する開示請求に先立つ七月にも日報に関する開示請求がありましたが、その際、中央即応集団司令部幹部は、存在している日報開示せず、情報公開法第五条の開示義務違反につながり、自衛隊法五十六条の職務遂行義務違反に当たるものがあり、本件日報を不開示とした契機となるものでありました。  本件日報に関する開示請求においては、陸幕関係職員及び中央即応集団司令部関係職員は、七月の日報対応を踏まえて対応した結果、七月同様、存在している日報開示せず、情報公開法第五条の開示義務違反につながり、自衛隊法第五十六条の職務遂行義務違反に当たるものがありました。  また、本件日報に関する開示請求においては、陸幕幹部開示請求受付後に日報の廃棄を指示したことは、情報公開法第五条の開示義務違反につながり、自衛隊法第五十六条の職務遂行義務違反に当たるものである。さらに、陸幕幹部統幕幹部による日報発見後の大臣報告の遅れのほか、対外説明を含む不適切な対応が取られるなど、自衛隊法第五十六条の職務遂行義務違反にもつながるものでした。  この特別防衛監察によって、日報に係る開示請求への対応において、情報公開法第五条違反につながる行為があったこと、適切に廃棄され不存在とされた日報陸自内に存在したことの取扱いに関する不適切な対応が認定されたことを踏まえ、関係者を厳重に処分いたしました。  具体的には、前防衛事務次官のほか三名を停職とし、前陸上幕僚長減給処分といたしました。  また、稲田防衛大臣の関与については、特別防衛監察の結果において、本年二月十三日及び同十五日、省幹部より稲田大臣に対し日報関連説明が行われた際、陸自における日報データ存在について何らかの発言があった可能性は否定できないものの、陸自における日報データ存在を示す書面を用いた報告がなされた事実や非公表了承を求める報告がなされた事実はなかったとされました。また、稲田大臣により公表の是非に関する何らかの方針の決定や了承がなされた事実もなかったと認定されております。  本件は、情報公開への対応が不適切であったことのみならず、国民皆様防衛省自衛隊情報公開に対する姿勢について疑念を抱かせ、また、内部からの情報流出をにおわせる報道が相次いだことにより、防衛省自衛隊ガバナンスに対する信頼を損ない、結果として、国内外の現場任務に当たる隊員士気を低下させかねないという点で、極めて重大で深刻なものだと考えており、今般の特別防衛監察の結果についても、防衛省自衛隊にとって大変厳しく、反省すべきものであったと受け止めております。  この日報問題の根底にあるのは、防衛省自衛隊において、情報公開重要性に対する認識が十分でなかったということ、そして、省内関係部局内局統幕陸幕意思疎通が十分になされなかったことだと考えております。  その上で、安倍総理からの御指示も踏まえ、特別防衛監察の結果を受けた再発防止策を今月より順次実施するよう指示したところであり、昨日には、情報公開業務チェック機能を強化するため、情報公開査察官の新設、任命を行ったところです。  今後とも、再発防止策を着実に実施しつつ、隊員意識改革等を行い、風通しの良い組織文化を醸成し、各部署間で一層の連携強化に取り組み、我が国安全保障に万全を期してまいります。
  9. 宇都隆史

    委員長宇都隆史君) 以上で報告の聴取は終わりました。  これより質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  10. 阿達雅志

    阿達雅志君 自由民主党の阿達雅志です。  北朝鮮情勢が緊迫する中、外交安全保障重要性は今、日本にとって一層高まっていると思います。そういう中におきまして、本日、外務大臣また防衛大臣、両大臣におかれては、これから更に一層の取組をお願いをしたいところです。  ですが、ただいま防衛大臣からお話がありました今回の特別防衛監察、この報告書、またその後の大臣辞任、五人の処分という、こういう深刻な状況の中で、やはりこの防衛省自衛隊がしっかり国民信頼を取り戻していくためにどうすればいいか、そういうことで、本日のこの閉会中審査ということになっているわけです。  そういう中で、今回の特別防衛監察、先ほど大臣お話にありましたとおり、これはやっぱり防衛省ガバナンスにとっても非常に大きな問題であろうと思います。こういうガバナンスの問題、民間企業においてもよく起こります。そういうときにやはりこの内部調査をしっかりするというのは、まず事実関係を明らかにする、そして問題を是正する、再発を防止する、そして責任問題をしっかり追及すると、こういう目的で内部調査というのは行われます。  ですから、こういうことをなぜやるかというと、やはり信頼を回復するためであります。この信頼を回復するためには、この内部調査がしっかりとなされており、そして問題を的確に指摘をしている、これが非常に大事なところなんであろうと、ここがもし十分できていなければ、やはり再発防止策をつくっても形だけになりかねない。また、逆にその再発防止策でいろんな書類を出せということになると、かえって事務作業に追われ、あるいは職員の方の士気にも関わる、萎縮をする、こういったことにもなりかねない問題であろうと思います。  そういう意味で、私は、今回の特別防衛監察、どういうふうに行われたのかについての質問をまずさせていただきたいと思います。  今回の特別防衛監察によって日報問題の実態解明は十分になされたとお考えなのでしょうか。特に、防衛監察をめぐっては、いろんなシビリアンコントロールの問題、情報管理問題点、出されております。そしてまた、これらのいろんな問題点について、やはり問題が起きるということはそこにやはり何らかの動機というものがある。そういう不適切な対応がなされた動機背景というのもあるんではないかと思うんですが、こういう点、十分に明らかになったと言えるのか、この点について小野寺大臣の所見をお伺いいたします。
  11. 小野寺五典

    国務大臣小野寺五典君) 今般の特別防衛監察は、元高等検察庁検事長をトップとし、現役の検事も勤務する独立性の高い防衛監察本部により、防衛監察本部職員、最大三十四名の職員が、事実関係解明するため独立性の高い立場から徹底的に監察を実施し、監察対象機関に対する現場確認では五十部署約二百五十名を対象とし、紙媒体保有状況及び端末等データ保有状況について確認、その他、監察対象者への面談延べ百四十名に上ります、アンケート調査延べ三千六百名に上ります、これを実施し、さらに、陸上自衛隊が使用している情報システム陸自指揮システム端末約三百台及び省のOAシステム端末約三千六百台の操作履歴についても確認をいたしました。  その結果、開示請求への不適切な対応日報管理に対する不適切な対応が明らかになっており、防衛省自衛隊において情報公開重要性に対する認識が十分でなかったということ、そして、省内関係部局内局統幕陸幕意思疎通が十分でなかったことなどが挙げられております。  このような今回の問題に関して、防衛省自衛隊としては、過去の反省とこの問題についての重大性を心から感じ入り、しっかりとした対策にこれからも努力をしてまいりたいと思っております。
  12. 阿達雅志

    阿達雅志君 ありがとうございます。  ただいま防衛大臣からこの特別防衛監察がどのように行われたか、そういう面から、この監察独立性客観性公正性ということの御説明があったと思います。また、実際にその監察をどこまでの範囲をやったかというような御指摘もありました。  そういう中で、いろんな事実関係がこれ明らかになってきているとは思うんですけれども、ただ、こういう事実関係というのは、実は私も民間企業でこういう内部調査というのをいろいろ担当をしたことがあります。ただ、この事実関係解明というのは、簡単なように見えて実際は非常に難しいものであろうと思います。いろんな人が、やはりそれぞれの受け止め方が違う中で、そしてまた、それぞれの記憶に基づいて話をされる、その事実関係をまとめていくというのはこれ非常に困難であるということは、あの芥川龍之介が小説「藪の中」でも書いているとおり、本当にその事実を特定していくというのは難しいところはあろうかと思います。  ですが、やはり大きなところで大筋の話がしっかりとしていないといけない、また、その動機背景というのがしっかりしていなければ、個々の事実以上に、やはりその動機背景という部分もこれは非常に重要なんだと思うんです。  今回のこの特別防衛監察というのの中で、最終的に出ている報告書とは別に、やっぱりこの動機が本当にどこにあったのか、背景はどこにあったのか、それぞれ現場がどういうことでそういう判断をしたかというのは、これはなかなか外に対して出せないような話もあるかと思います。  ただ、これはやっぱり防衛大臣としてしっかり今後も引き続き取り組んでいただきたいと。今回の問題を単に小さな日報問題というだけでなくて、やはり防衛省そのものガバナンスの問題として是非考えていただきたいと思いますけれども、この点、ちょっと通告はしておりませんけれども、小野寺防衛大臣の御見解をお聞かせください。
  13. 小野寺五典

    国務大臣小野寺五典君) 今回の日報問題をめぐるこの一連の内容の中で、そして特別防衛監察報告書、結果の中で様々な問題点が明らかになりました。  そして、その責任を取る形で大臣事務次官、そして陸幕長辞任をするということ、大変重い今回は責任の取り方にもなりましたが、逆に言えば、それだけこの問題が大変重要だということにもつながると思います。私どもとしては、国民にしっかりと説明をする中で、再発防止に誠心誠意対応していきたいと思っております。
  14. 阿達雅志

    阿達雅志君 ありがとうございます。  特に、やはりこういう情報あるいは情報公開ということで考えた場合も、防衛省自衛隊の場合というのはやはり通常行政機関とはまた違う部分が相当出てくるんだろうと。そういう中で、特に現場自衛官からすると、日報におけるこういう部隊情報、こういったものを出すということに対して、あるいはそういったものを紙にいろいろ書いていくということに対する何となく抵抗というのもあったり、そういういろんな要素が重なっているんではないかと思うんです。ですから、やはりそういう点も逆にこれしっかりと問題として出していただく必要があるんではないかというふうに思います。  そういう点から今回のこの特別監察を見ますと、これ、特別監察対象として行政文書管理関連規則遵守状況情報公開関連規則遵守状況、そして情報保全関連規則遵守状況、こういったものをしっかりと今回の監察確認をするんだと、こういうふうに書かれております。ですが、この最後の報告書を見ると、特に、実際には不適切な対応について、行政文書開示義務違反、そしてこれが情報公開関連規則違反し、そして職務執行義務違反という、こういう指摘はあるんですけれども、では、この行政文書管理関連規則あるいは情報保全関連規則について不適切な対応というのが具体的にこういった関連規則のどの条項にどのように違反したのかというところまでは明記されていないわけでございます。  ですが、やはりこういった点をむしろしっかりと中で御検討いただくということがこれからいろんな情報公開に対してどういう対応をするかという上でも非常に大事なんではないかというふうに思います。これについて具体的にどのような違反があったのか、分かるようでしたらお答えをいただきたいと思います。
  15. 丸井博

    政府参考人丸井博君) お答えいたします。  本件日報につきましては、当該事務に関与しない職員にみだりに知られることが業務遂行に支障を与えるおそれのある注意文書取扱いであり、保存期間は一年未満、用済み後破棄に設定されておりました。  文書管理規則遵守状況につきましては、防衛省行政文書管理細則におきまして、「文書管理に必要な情報を記載することに努めるものとする。」と定められているところ、当該文書の分類、枚数等文書管理情報表示されておりませんでした。  保全関連規則遵守状況につきましては、本件日報注意文書のため、「取扱い上の注意を要する文書等及び注意電子計算機情報取扱いについて」に基づき「注意」の標記を表示する必要があるところ、表示がなされておりませんでした。また、同通達に基づき保存期間を明示する必要があるところ、表示がなされておりませんでした。さらに、同通達に基づき注意文書配布先及び作成部数必要最小限度にとどめる必要があるところ、陸自指揮システムの掲示板上にアップロードされた日報データは、多数の者がダウンロードし、閲覧できる状態でした。  このような行政文書取扱いは、いずれも内部規則であります通達の趣旨に沿ったものとは言えないものの、法令上の違反とまでは言えるものではありませんでした。したがって、報告書では、法令上の違反について不適切な行為として言及し、内部規則等に係る違反につきましては一連の経緯、改善策において言及しましたが、分かりづらかったとすればもう少し書き方が工夫が必要だったかもしれません。  以上でございます。
  16. 阿達雅志

    阿達雅志君 この個々規則への違反云々というのは別にして、今回のこの日報問題、私、最初に聞いたときに少し分かりにくい感を受けたんです。それは、片方において、この日報というのの取扱い、これが注意文書という形でありながら非常に広範に拡散している部分がある。しかも、その中身については基本的に不開示にしたいということですから、いろんな情報が入っていたんだと思うんです。現に入っているわけですね。そうすると、一体、こういう日報というものを、これを本当になるべく、自衛隊の中においてもなるべくみんなに見せないで、とにかく中枢の方々が貴重な情報としてそれを整理していこうということで考えていたのか、それとも、そうでなくて、もうある程度共有するということを前提にしていたのか、こういった点もちょっとはっきりしない。これが、まさにさっき答弁をされたように、その情報の扱いについて一貫性が徹底していなかった部分があるという、そういうことなんではないかと思うんですね。  そういう問題というのは、やはりこれからのこの再発防止規則をいろいろ考える上でしっかりと織り込んでいただく必要があるんではないかと。それはやはり、今回のこの監察中身もしっかり織り込んでいただかないといけないというふうに思います。  ただ、今回の再発防止策の中で、ちょっと一点、私はこれまだ欠けている部分があるなというのは、これ、日報問題が国会で議論になっている状況においても、やはり通常どおり文書処分を継続していたというところがあります。ある時点においてようやくブレーキが掛かったわけですけれども、ただ、やはりこういうことが単に国会だけではなく、国会以前でメディアでも出たり、あるいは中でも何か問題だと思ったら通常のルーチンとしての文書処分を行うというのはやはりこれはおかしいのではないかと。やはり、こういったところについてはしっかりと今後のその規則の中でも書いていっていただき、こういった反省をしっかりと含めていっていただく必要があるというふうに思います。  そういう意味で、実はもう一点、大きな問題ということで、先ほどもちょっとお話がありましたが、私はどうもこの現在の行政文書管理関連規則あるいは情報保全関連規則というのはデジタル化時代に適していないんじゃないかというふうな気がいたします。それがこのデジタル化時代に、先ほど例えば配布先という言い方をされましたけれども、ハードコピーの配布先デジタルデータの、電子データ配布って、これ全然違うわけですね。電子データの場合、特にメールで添付という形で、しかもCCという形で行くと非常にいろんなところに拡散していく。そしてまた、本件の場合は、日報というのが、あるサーバーに入っていただけでなくて、それがいろんな形でいろんな方がアクセスをし、またダウンロードされ、そしてそのダウンロードもいろんなサーバーに点在して保管され、あるいはそれぞれの方が持っているPC上で保管されると、こういったことまで起きているわけです。  そうすると、どうもこういうデータ保存だとかデータの共有について、この電子データ、もちろん行政文書の中に電子データが含まれるということにはなっていますけれども、電子データ固有のやっぱり技術的な問題というのが非常にあるのではないか。そして、今回、日報というのがいろんなところで後から出てきたというのも、やっぱりいろんな人がある程度このサーバーへ自由にアクセスをし、そしてそこから自由にダウンロードでき、そしてそれを誰がどのようにダウンロードしてどのように保管しているかを全体でコントロールできていなかった。そのために、ないと思っていたのがいろんなところに実は散らばっていた。その結果として今までの説明と異なる説明をせざるを得なくなったという、こういった部分もあったというふうに思います。  そういう意味で、この再発防止策の中でこの電子データの問題をどのように改善していくのかについて御見解をお伺いいたします。
  17. 高橋憲一

    政府参考人高橋憲一君) 御指摘電子データの問題でございますが、これについても行政文書に該当する旨、各種法令で定められているところでございまして、この点、防衛省においても教育を実施してきたところでございます。  しかしながら、御指摘のとおり、今般の特別防衛監察の結果、電子データを含む文書についてどのような文書行政文書に該当するのか、あるいは注意文書へのアクセス制限の必要性といった認識防衛省内において必ずしも強く共有されていなかったという面も明らかになったところでございます。  このため、再発防止策といたしまして、行政文書の定義、電子データを含むことについて改めて周知徹底を図るための教育の実施、注意文書につきましては取扱区分の適切な表示や適切なアクセス制限を徹底させること。電子データの増加等に伴う顕著な例として挙げられます複数の部局で行政文書を共有する場合につきましても、責任部局を明確化いたしまして、行政文書の整理、保存、廃棄といった管理全般に関する責任の所在を明らかにすること。行政文書管理に関するガイドラインが政府全体において検討が進められているところでございますが、防衛省としても行政文書管理に取り組んでいくこと。このような施策によりまして、電子データ管理につきましても適切に対応していきたいと思ってございます。  また、今般の情報公開開示請求に対しまして、対象文書の不存在、不開示決定がなされた場合の査察を行うために昨日新設されました情報公開査察官は、電子データを含む行政文書管理状況につきましても現地調査を行うように考えておりまして、今般のような事案の発生を防止してまいりたいと考えております。  以上でございます。
  18. 阿達雅志

    阿達雅志君 やはり、こういうシステムの改変というのは非常にコストも掛かりますし、またそのシステムの設計というのも難しいところがあります。  ですが、やっぱりこのアクセス、どういうふうにするのか、サーバーでどういうふうに保管するかというのは、これやっぱり特に、こういう将来サイバー攻撃を受ける、サイバーセキュリティーというのを考えた上でも極めて大事なところだと思いますし、単に行政文書の中に電子データが含まれるということではなく、やっぱりむしろ別カテゴリーとしてでもしっかりとシステムそのものを考えていっていただくという、こういう改善策を是非お願いをしたいと思います。  こういうまだ事実関係等においても必ずしもこの報告書の文面だけでは読めない部分も多々ありますけれども、ただ、その一方で、今のいろんな問題にも取り組んでいくという意味では、やはりこの再発防止をどのようにしていくのか、そして、その再発防止策の中で、本当にそれがまた現実的でなおかつ現場にとって過度な負担にならないようにするためには、まあ今のシステム的なものをなるべくITの利用によって行うとか、そういうことも含めて考えていく必要はあるんだというふうに思います。  そういう中で、この再発防止は、やはり大臣のイニシアチブでしっかりやっていただくということが欠かせないと思いますけれども、この再発防止策具体化に向けた大臣の決意をお伺いをしたいと思います。
  19. 小野寺五典

    国務大臣小野寺五典君) ただいま委員から御指摘がありましたように、防衛省自衛隊情報管理、保全、これも大変重要な役割があります。その中で、今回の日報事案が起きたことは誠に申し訳なく思っております。  その再発防止策ということでただいま官房長から説明がございましたが、いずれにしても、デジタルの時代であります。委員の御指摘も踏まえ、私どもとしてしっかりこの文書管理、そしてまた内部の統制につきましてシビリアンコントロールを利かせていきたいと思っております。
  20. 阿達雅志

    阿達雅志君 ありがとうございます。  この再発防止策については、本当にもうできるところからどんどんどんどん進めていっていただくと、そして、やはりその積み重ねというのが、今後、今回の日報問題で出てきた信頼感への疑念に対する答えということにもなると思いますので、是非大臣のイニシアチブで引き続きしっかりと取り組んでいっていただきたいと思います。  以上で質問を終わります。
  21. 福山哲郎

    ○福山哲郎君 民進党の福山でございます。よろしくお願い申し上げます。  冒頭、先月の九州北部地域の集中豪雨、また秋田、新潟等、災害が頻発をしております。お亡くなりになられた方々に心から御冥福をお祈りするとともに、被災者の方にお見舞い申し上げます。  また、防衛省が混乱しているさなかにもかかわらず、これらの災害に際して派遣をされた自衛隊員の皆さんが献身的に御尽力いただいていることに心から感謝と敬意を申し上げたいと思います。  さて、河野外務大臣小野寺防衛大臣におかれましては、御就任おめでとうございます。この厳しい外交安全保障環境のところで大変な大役だと思います。是非、御奮闘を御期待申し上げたいと思います。  まず、河野大臣、フィリピンの外相会合、就任直後だったわけでございますが、出席をされて各外務大臣との会談等、本当にお疲れさまでございました。まず、お伺いしたいのは、北朝鮮の李外相と短時間お話をされたというふうに報道で聞いております。北朝鮮の外相との会談というのは私の記憶では久々だと思っておりまして、特に七月の二十八日の深夜にICBMが日本海に発射された状況下での会談でございました。この李外相は、御案内のように、六者会合の首席代表を務めた方でございますから、北朝鮮とアメリカとの関係、そして、日本、六者会合、中国、いろんなことをそれなりに精通をしている方だと思います。  どのような会談がなされて、河野大臣からはこの状況についてどのようなものを言及されたのでしょうか。外交ですから言えないことはたくさんあると思いますけれども、国民も今、北朝鮮の情勢は非常に不安がっていますので、できる範囲で御答弁いただければと思います。
  22. 河野太郎

    国務大臣(河野太郎君) 御激励ありがとうございます。しっかりやってまいりたいと思っております。  六日の夜でございますか、ASEANリージョナルフォーラムに参加をする外務大臣が集まった夕食会がございまして、その夕食会が始まる前に別室で各外務大臣だけが集まるレセプションのようなものがございました。  そこで、北朝鮮のカウンターパートもいらっしゃいましたので、会談というよりは接触というのが一番正しいのかもしれません。そこで、我が国の基本的な、核、ミサイルあるいは拉致問題に関わる我が国の基本的な立場というものを申し上げ、極めて短時間のやり取りがございました。中身については外交でございますので差し控えたいと思いますが、二年ぶりの接触だったんだろうというふうに思っております。  これからも、こういう状況の中、北朝鮮がこの状況に対して挑発的な行動を停止をし、やるべきことをしっかりやるように、我が国としてもしっかり頑張ってまいりたいと思います。
  23. 福山哲郎

    ○福山哲郎君 これはお答えにくいのは承知の上でお伺いしますが、相手の反応はどんな反応でした。
  24. 河野太郎

    国務大臣(河野太郎君) 極めて短時間のやり取りでございましたというところだけ申し上げて、相手側のやり取りの中身については控えさせていただきたいと思います。
  25. 福山哲郎

    ○福山哲郎君 小野寺防衛大臣にお伺いします。  まず、稲田大臣辞任され、先ほどもありましたが、事務次官も、そして陸幕長も、同じ日ではありませんが辞任を表明するというような事態の中で、ある意味、空白のような一日の中で、二十八日の深夜に北朝鮮からミサイルが発射されました。安全保障上、我が国にとって大きな隙があったと言わざるを得ない事態だったと思います。  もちろん、当時の岸田外務大臣は兼務の中で御奮闘いただいたことは私も認めますが、このような状況に陥っている防衛省、本当に私、危機感いっぱいで当然だと思います。一つはシビリアンコントロールの問題、一つは隊員士気の問題、それから国民からの信頼の低下の問題。まさにこういったさなかにミサイルが発射された、このことをどのように受け止めて、反省も含めて、大臣は今どういう認識でいるのか、短くて結構ですから、お答えください。
  26. 小野寺五典

    国務大臣小野寺五典君) 委員が御指摘されました七月二十八日の北朝鮮による弾道ミサイル発射について、防衛省においての初動対応につきましては、同日二十三時四十二分、北朝鮮内陸部より弾道ミサイルが北東に発射された模様、この後、委員御存じのとおり、累次の対応をさせていただいて、私どもとしては、関係幹部会議を二度開催するなど、しっかりとした対処をさせていただいていると思っております。  その中で、やはり現場で今この瞬間も北朝鮮のミサイル対応、あるいは先ほど委員が御指摘いただきました九州北部豪雨での災害対応で懸命に任務を果たしている隊員がいる中で、私ども、この日報問題を含めて防衛省自衛隊への信頼が揺らいでいること、これは大変大きな問題だと思っております。現場士気が下がらないよう、これからもしっかり防衛省信頼回復に努めてまいりたいと思っております。
  27. 福山哲郎

    ○福山哲郎君 できれば、大臣、もう役人の書いた答弁は結構ですので、御自身のお言葉でお答えください。そのことを僕は御期待申し上げます。  一つ、私が間違っていれば御指摘いただければと思いますが、防衛大臣が御就任をされてから、まだアメリカのマティス国防長官との電話会談されていないというふうに受け止めております。実際あったならあったと言っていただければと思いますし、あったかなかったかも言えないなら言えないと言っていただいても結構ですし、一方で、申入れをしているがアメリカとの関係でまだ電話会談が実施されていないのか、それとも申入れもしていないのか、事実関係をお答えいただきたいと。やはりマティス国防長官との、やっぱり新任の大臣とのコミュニケーションというのはこういう情勢ですから普通でいえば早いにこしたことはないと私は考えておりまして、そのことの事実関係についてお答えいただけますか。
  28. 小野寺五典

    国務大臣小野寺五典君) これは、私どももそのような機会を設けたいと思っておりますが、現在までまだ電話等の会談は行われておりません。
  29. 福山哲郎

    ○福山哲郎君 ということは、アメリカ側に申入れしているけどまだ実現していないということだと思います。  率直に申し上げます。稲田防衛大臣とマティス国防長官の間で信頼関係ができていたとは私は到底想定し得ないです、当時の稲田防衛大臣状況から考えてですね。しかしながら、小野寺防衛大臣の場合は、こういう状況ですから、早く電話会談なりでコミュニケーションを取ってもらわなければいけない。これはいささか僕は遅いと思いますよ。急いでまずはコミュニケーションを取っていただきたいと思いますが、いかがですか。
  30. 小野寺五典

    国務大臣小野寺五典君) 委員の御指摘と私も同じ認識を持っております。できるだけ早くしっかりとしたコミュニケーションと関係を築いていきたい、そのように思っております。
  31. 福山哲郎

    ○福山哲郎君 安全保障上は、本当に歴史を見ると小さな誤解と思い込みから衝突が起こり得ます。今、トランプ大統領と北朝鮮との間には随分激しい威嚇の議論が始まっています。私自身は今のところアメリカが軍事的行動に出るような具体的な兆候が朝鮮半島や在日米軍の中に見えるというふうには認識をしておりませんが、北の意図、アメリカの現状認識等によっては本当に緊迫する場面があるかもしれません、近い将来。  十七日に2プラス2をやられると聞いております。是非、この北の意図、アメリカの現状認識等を、河野外務大臣小野寺防衛大臣におかれましてはしっかり信頼関係状況認識を一致させて帰ってきていただきたいと、まずそのことをお願いしたいと思いますが、河野外務大臣から短くお答えください。
  32. 河野太郎

    国務大臣(河野太郎君) マニラにおきまして、ティラソン国務長官と、二国間の会談を含め、日米豪、日米韓、都合三回にわたって様々話をさせていただきました。今回はこういうASEANの場でございましたので、南シナ海の問題、それから北朝鮮問題、この二つに特化した話合いでございましたが、防衛大臣と御一緒にワシントンへ参りますので、そこで北朝鮮の問題については更にきちんとした話合いをしてまいりたいと思っております。
  33. 小野寺五典

    国務大臣小野寺五典君) 河野大臣とともにしっかりとした対応を2プラス2で取ってまいりたいと思いますし、私にとっては二度目の2プラス2ということになります。安全保障の問題、そしてまた日米関係の問題、沖縄の問題、様々課題がございますので、しっかり議論を交わしてきたいと思います。
  34. 福山哲郎

    ○福山哲郎君 小野寺防衛大臣におかれましては、就任直後の会見等でも敵基地攻撃について積極的な検討姿勢を示されました。一方で、防衛大綱の見直しも総理から言及があったというふうに承っております。ところが、八月の六日の総理は、この敵基地攻撃の検討については当面考えないということで、大臣が就任直後に言及されたこととは今真逆の話になっておりまして、自民党内でこのことはまとめられて、そのまとめた責任者が小野寺大臣だと思っておりまして、このことについては総理と防衛大臣が今若干意見のそごがあるという認識をしております。そのことに関して、現状のことを聞こうと思っていたんですが、大野委員からもそのことがあると思いますので、問題を指摘だけして次に行きたいと思います。  日報問題に行きましょう。  なぜこの審議に稲田大臣出席されないのか、非常に遺憾であります。これは官邸が判断をしたのか与党が判断をしたのか政府が判断をしたのか、私は存じ上げませんが、やっぱり内閣改造した後でも安倍内閣国民に疑惑を晴らすような姿勢、考え方、改めたとは今日の段階では考えられません。江崎大臣出席も求めましたが、今日は拒否をされました。江崎大臣の、ある意味いろんな、いきなりの問題発言も含めて、我々は指摘したいことたくさんありましたが、これも拒否をされました。  日報問題で、問題の二月の十三日に出席をした方々に参考人として来ていただきたいと言いましたが、それも辰己さん以外拒否をされました。非常に私はこのことについては、日報に対する防衛監察報告書が出たにもかかわらずこの事態だということについて非常に残念に思っているということを指摘したいと思います。防衛大臣信頼回復に努めたいと言われることは分かりますが、信頼回復に努めたいとおっしゃるならば、それに見合った行動と姿勢を国民に示していただかなければなかなか国民は理解できないのではないかなというふうに私は考えています。  それで、防衛大臣防衛大臣に聞くことではないかもしれませんけど、防衛大臣にこのことを聞くの酷ですよね、だって全然プロセス関係ないわけですから。普通なら前大臣に来ていただいて前大臣説明をいただいた方が、防衛大臣に今聞かれたって、それは知ったこっちゃないですよね、実際は。今はそう答えないと思いますが。でも、実際、稲田大臣に出てきてもらうべきだと防衛大臣は思われませんか。
  35. 小野寺五典

    国務大臣小野寺五典君) ただいまは委員会への参考人の出席ということでの御質疑だと思いますが、これは委員会でお決めになることが適切かと思っております。
  36. 福山哲郎

    ○福山哲郎君 ということなら、与党がやっぱりしっかりと説明責任を果たすために稲田大臣を出す、その御努力を与党にいただきたいと思います。こうやって防衛大臣をさらしものにしていますが、新大臣は全く罪ないわけですから。そのことについては与党側としても責任を果たしていただきたいと思います。  大臣、お答えにくい場合は事務方でも結構でございます。  まず一つです。お手元にペーパーをお配りしました。これ、いわゆる報道にある、御案内のようにメモでございます。報道によると、これがノートのようなものになっていて、手書きでしっかりとしたメモがあります。それを字に起こさせていただきました。その次のペーパーが実は今回の防衛監察報告書にあるものでございます。辰己審議官はこの会に出ておられますので、出ているか出ていないかからまずお伺いしましょう。出席しているかしていないか、事実だけお答えください、二月十三。
  37. 辰己昌良

    政府参考人(辰己昌良君) 出席しております。
  38. 福山哲郎

    ○福山哲郎君 ここに、「破棄もれがある。」という話とか「指揮官による」とか「総理もある前提で答えている。」、「廃棄もれ」等々、こうやって辰己審議官はよくお話しされていますが、こういう発言をした事実があるかどうか、お答えください。
  39. 辰己昌良

    政府参考人(辰己昌良君) まず、この日のことについては、特別防衛監察の中で、私自身もこの調査に誠実に協力し、聴取に対して、私の知っていることは真摯にお答えしてきているところです。  一方で、私のこの証言も含めまして、今回、防衛監察本部が一方面だけの主張ではなく多方面からの主張等を総合的に勘案して事実関係を構築し、客観的な資料等を基軸として事実関係が認定され、ここでもお配りされているように、陸自における日報データ存在について何らかの発言があった可能性は否定できないものの、陸自における日報存在を示す書面を用いた報告がなされた事実や非公表了承を求める報告がなされた事実はなかった、また、防衛大臣により公表の是非に関する何らかの方針の決定や了承がなされた事実がなかったということが認定がされているものと承知しておりますので、それ以上のことについて申し上げることは差し控えたいと思っています。
  40. 福山哲郎

    ○福山哲郎君 ちょっと待ってくださいよ。私はちゃんとここにもう配っているんですよ、あなたが読み上げたことを。時間稼ぎしないでください。  私は、総合的に勘案して事実認定がされたなんということを聞いていません。あなたが出席をした中でこういう発言をあなたはしたかどうか、あなた個人がしたかどうかについて、個人といっても、あなたはこのときには十分役職者として出席しているんですが、あなたが発言をされたかどうかの事実関係をイエスかノーかでお答えください。
  41. 辰己昌良

    政府参考人(辰己昌良君) 私自身は、この日のことについて、監察に対して真摯に知っていることをお答えしております。それをまとめた上で、総合的に監察本部の方からまとめていることでございますので、これ以上の話は申し上げることは差し控えたいと、そう思っております。
  42. 福山哲郎

    ○福山哲郎君 何で差し控えるんですか。物が出てきているじゃないですか。言ったか言わないかですよ。  じゃ、こういう記憶はあるんですか、あなた。こういうことを話した記憶はありますか、記憶にないんですか。
  43. 辰己昌良

    政府参考人(辰己昌良君) 特別監察は三月から行われました。その間、私も何度かこの特別監察の聴取に応じました。その中で、知っていることについては真実をお答え、真摯にお答えしてきたところでございまして、その結果まとめられたものが現在示されていますので、それ以上のことについて申し上げることは差し控えたいと申し上げている次第です。(発言する者あり)
  44. 福山哲郎

    ○福山哲郎君 済みません……(発言する者あり)
  45. 宇都隆史

    委員長宇都隆史君) 速記を止めてください。    〔速記中止〕
  46. 宇都隆史

    委員長宇都隆史君) 速記を起こしてください。
  47. 福山哲郎

    ○福山哲郎君 防衛監察には真摯に答えられるけど国会の場では答えられないというのはどういうことですか、防衛大臣。こんなの許されるんですか、部下が防衛監察では答えるけど国会の場では答えを差し控えると。これで、この疑惑、日報問題、疑惑晴れるんですか、大臣
  48. 小野寺五典

    国務大臣小野寺五典君) 今回、特別防衛監察をするに当たって、監察本部が様々な形で事情を聞いたということは報告を受けておりますし、そしてそれぞれの該当する方々が真摯にお答えされたということなんだと思います。  ただ、監察の内容ということを考えますと、例えばその監察の中のそれぞれの言い方、表現が外につまびらかになるということになりますと、今後同じような監察をする場合にしっかりとした証言を得ることが難しくなる可能性も出てまいります。  これは、防衛監察という一つの役割の中で、今審議官お話しされたような内容になっていると私も理解しております。
  49. 福山哲郎

    ○福山哲郎君 全く答えていない。今の姿勢についてどう思うかと聞いているんです。防衛監察のやり方を聞いているわけではありません。  じゃ、確認します。この報道に流れている、報道でいえばノートみたいなものに走り書きがしてあるメモ、あれの存否は確認しましたか。
  50. 丸井博

    政府参考人丸井博君) お答えいたします。  七月二十五日に報道された手書きのメモにつきましては、どういった経緯によって入手されたものか明らかではないため、その真贋や作成経緯についてお答えすることは困難と認識しております。
  51. 福山哲郎

    ○福山哲郎君 違います。存否を確認したか、あったかなかったか、あのメモがあったかなかったかの確認をしたんです。  だって、出席者はこれだけ、人数限られているんですよ。誰が出席したか分かっているから、それぞれにメモを取ったかどうかを聞いて、そしてあなたのメモを見せてくださいと言えばそれで済む話ですから、あの報道に流れているメモについての存在、あるのかないのかを確認したかどうか、イエスかノーかでお答えください。
  52. 丸井博

    政府参考人丸井博君) 七月十九日に防衛大臣に対しまして二月十三日に陸自電子データが保管されていたと報告がなされていたとの報道等があったことから、手書きメモの内容等についても大臣を含めた関係者確認を行い、また収集した様々な資料等も分析しております。それらを総合的に判断した結果、先ほど提示された結果になっているわけでございます。  したがいまして、二月十三日の大臣室におけるやり取りにつきましては、この手書きメモの内容等も含めましてこの監察結果に反映されていることから、改めてこのメモの作成者等を確認する意味はないと考えております。(発言する者あり)改めてその手書きメモの作成者等を確認する意味はないと考えております。
  53. 福山哲郎

    ○福山哲郎君 このメモの存在確認する意味がないと今おっしゃったんですね。意味がないとおっしゃったんですね。  じゃ、存否は確認していないでいいですね、意味がないんだから。このメモを作った人にメモを書いたのかどうか、そのメモがあるかどうかについて確認をしていないということでいいんですね。イエスかノーかで答えてください。
  54. 丸井博

    政府参考人丸井博君) そういうことでございますので、その報道を受けまして、改めて手書きメモの作成者等を確認する意味はないと考えておりまして、改めて確認しておりません。
  55. 福山哲郎

    ○福山哲郎君 ということは、存否は確認していないわけですね。存否は確認していないんですね。イエスかノーかで答えてください。
  56. 丸井博

    政府参考人丸井博君) 逐一、どのような資料を入手したかについては、先ほど来、防衛監察にも支障が生じるということでお答えを差し控えさせていただきます。(発言する者あり)
  57. 宇都隆史

    委員長宇都隆史君) 速記を止めてください。    〔速記中止〕
  58. 宇都隆史

    委員長宇都隆史君) 速記を起こしてください。
  59. 丸井博

    政府参考人丸井博君) 失礼いたしました。お答えいたします。  この特別監察が開始されましてから、我々といたしましては各種資料等を入手いたしております。その中身について逐一は申し上げられませんと先ほどお答えしたところでございます。  この手書きメモについて、その報道を受けて確認したのかということにつきましては、それにつきましては改めて確認はしておりませんということを答えたところでございます。
  60. 福山哲郎

    ○福山哲郎君 確認していないということは、存否について、存在するかしないかも確認していないということですね。
  61. 丸井博

    政府参考人丸井博君) 作成者に確認したのかと言われた、御質問でございましたので……(発言する者あり)我々として、だからどういう資料を持っているか否かについては……(発言する者あり)
  62. 宇都隆史

    委員長宇都隆史君) 答弁を続けてください。
  63. 丸井博

    政府参考人丸井博君) 存否につきましても、だから、我々がどういう資料を保有しているか、その存否につきまして逐一についてはお答えを差し控えさせていただきたいと……(発言する者あり)
  64. 宇都隆史

    委員長宇都隆史君) ちょっと整理しますから。  速記を止めてください。    〔速記中止〕
  65. 宇都隆史

    委員長宇都隆史君) 速記を起こしてください。
  66. 丸井博

    政府参考人丸井博君) 失礼いたしました。  この手書き内容のメモにつきまして存否を確認をいたしましたけれども、我が方でどういう資料を逐一保有しているかについてお答えを差し控えさせていただいておりますので、その結果についてはお答えを差し控えさせていただきます。
  67. 福山哲郎

    ○福山哲郎君 確認しないと言ったと思ったら、今度は確認したけれども存否を明らかにできない。ということは、あの手書きの内容があったかないかについて明らかにできないということですね。で、当の出席した辰己審議官は、自分が何を言ったかは差し控えさせていただきますと。何にも明らかにならないじゃないですか。  大臣、これじゃ駄目ですよね。メモの存否ぐらい明らかにしろって指示してくださいよ、その場で。もう前の大臣じゃないんだから、もうこんなのいつまでも引きずっていちゃ駄目ですよ、こんなくだらないことを。もう早く明らかにして、間違いだったというんだったら言えと、大臣、指示してください。どうですか、大臣
  68. 小野寺五典

    国務大臣小野寺五典君) 恐らく今の御指摘は、報道に出たメモの議論をされているんだと思います。私も内容については報道で知っております。そして、その内容を踏まえた上で、特別防衛監察本部が幅広く資料を集め、意見を徴収し、最終的な今回の報告書の結果になったと私ども理解をしておりますので、その中でしっかりと対応策を取っていきたいと思っております。
  69. 福山哲郎

    ○福山哲郎君 もう大臣も残念ながら消極的だということが分かりました。  なぜこんなふうに、出席者が書いているメモがあったかないかまで言えないんですか。それじゃ、この防衛監察信頼性なんてあるわけないじゃないですか。お手元にお配りしたこれ、黄色い線、何で私引っ張ったか分かります。二月十三日の話も二月十五日の話もわざわざ米印で、本文ではない方にわざわざ十三と十五日の記載をして、この黄色の線の文章、丸々同じ文章です。コピペです。こんな不誠実な問題、ないでしょう。  そして、現実に物が出てきているのに、当の出席した本人は、そう言ったかどうか答えを差し控えたい。調べた防衛監察は、その資料があったかないかについて存否を明らかにしない。最初は確認するのも意味がないとまで言った。何なんだ、この防衛監察報告書は。こんなので本当に疑惑を解明する気持ちがあるのかどうか甚だ疑問で、もうとても残念だというふうに申し上げざるを得ません。  もう時間がないので、どうしても八月、聞いておきたいことがあったので、今日、委員会違いますが、新任の文科の副大臣に来ていただきました。本当に申し訳ありません。と、新しいことを聞こうと思ったら、報道が出ました。  昨日、加計学園の問題の獣医学部新設をめぐる、設置の可否を判断する設置審が開かれたと報道が出ています。実は、設置審は開かれているかどうかについて基本的には公開されていません。内容も議事も何も公開されていません。私はそのこと自身が問題だと思っておりますが、副大臣、昨日、この加計学園の獣医学部新設をめぐる設置審が開かれたことはあったのかなかったのか、事実をお答えください。
  70. 丹羽秀樹

    ○副大臣(丹羽秀樹君) お答えいたします。  加計学園の獣医学部新設につきまして、現在、大学設置・学校法人審議会で学問的また専門的な観点から審査が行われているところでございます。  また、この審議会の内容につきましては、公平公正な審査の環境を確保するためという観点から、会議日程も含め、非公表とさせていただいております。
  71. 福山哲郎

    ○福山哲郎君 違います。昨日あったのかなかったのか、イエスかノーかでお答えください。
  72. 丹羽秀樹

    ○副大臣(丹羽秀樹君) 再度同じ答弁になるかもしれませんが、この審議会における審査の開催につきましては、公平公正な審査環境を確保するという観点から、この会議の開催日程も含めて非公表といたしておりますので、あったかどうかということはお答えできません。
  73. 福山哲郎

    ○福山哲郎君 あったかなかったか答えできないのに、何でこれ報道出ていると副大臣はお思いですか。
  74. 丹羽秀樹

    ○副大臣(丹羽秀樹君) あくまでもこれは報道ベースで出た内容でございまして、我々といたしまして行政の立場から申し上げさせていただきますと、この会議が開催されたかどうかということは、正式にコメントすることはお答えしかねますので、よろしくお願いいたします。
  75. 福山哲郎

    ○福山哲郎君 実は大学設置分科会審査運営内規というのがありまして、それによると、第五条は、「前条に規定する組織の構成員は、審査が終了するまでの間は、審査の過程において取得した一切の情報を、口頭及びその他の手段を用いて漏らさないものとする。」という守秘義務が掛かっているんです。  こんなだらだら報道出ているじゃないですか。これ、誰がしゃべっているんですか、副大臣
  76. 丹羽秀樹

    ○副大臣(丹羽秀樹君) 報道に出た過程につきましては、どこから報道に出たかということも含めまして、存じ上げておりません。
  77. 福山哲郎

    ○福山哲郎君 もう一回聞きます。  昨日設置審が開かれて、加計学園の判断を保留したという内容のものは決定してあったのかなかったのか、決定したのかしなかったのか、お答えください。
  78. 丹羽秀樹

    ○副大臣(丹羽秀樹君) 改めさせていただきまして、もう一度お答えさせていただきます。  昨日、大学設置の審議会が開かれたかどうかということにつきましては、学問的、専門的な観点から今審議が行われているところではございますが、この審査日程、会議日程につきましては、公平公正な観点から申し上げさせていただきますと、会議が実際開かれたかどうかも含めまして、申し上げさせていただくことはできません。
  79. 福山哲郎

    ○福山哲郎君 公正公平な観点から、加計学園の獣医学部の設置について、国家戦略特区の中で公正でないという疑義が今生じているからこれだけ問題になっているんじゃないんですか。  僕ね、これ提案しているんです、副大臣。新任ですから、思い切って言ってください。これ、大学設置審を、僕、公平公正の観点で公開できないというのはある種理解できるんです。いいじゃないですか、加計学園の審査の部分だけ、獣医学部の設置の部分だけちゃんと議事録を公開し、ちゃんとこの日のこの時間はやりますということを発表して、そして国民の周知の下で、この設置審が公平公正に議論されているかどうかについて過去の経緯も含めてこれ開示しないと、いつの間にか潜水艦が頭出てきました、設置認可ですって、国民納得しないですよ。文科行政に対する本当に信頼失墜しますよ。  副大臣、どうですか。加計学園の獣医学部の問題だけちゃんと抜き出して、過去の議事録、それから昨日やられたかどうかも、このことが言えないぐらいで、報道出ていて隠したら、これ国民もっと納得できないですよ。副大臣、どうですか。この部分だけ公開して設置審をやるべきだと新しく文科省の中で主張してくださいよ、副大臣
  80. 丹羽秀樹

    ○副大臣(丹羽秀樹君) お答えさせていただきます。  審査機関に例えばその審査内容等を、また審議会の方が会議の内容を公表した場合、また外部からその審議会の先生方に、様々な意見が委員に寄せられるということもございますので、そういった観点からも、もちろんその審査内容や会議の日程等は公表しないようにいたしております。  しかし、この審査の内容が、具体的に決まった場合においては、この審査の内容等はしっかりと公表するという形にさせていただいております。
  81. 福山哲郎

    ○福山哲郎君 いいですか、今日の報道では安倍総理の秘書官が加計学園の事務局長と官邸で会っていたという記録があると証言が出てまいりました。今おっしゃられたように、決まってから会議公開したって遅いじゃないですか、これだけ疑義があるんだから。ましてやこうやって出ているんですよ、もう報道で。報道でやったって出ているのに、副大臣が、文科省だけがやっていないやっていない、やっていないかやっているか言えないと言ったって、全然それは例えば公正性担保できないじゃないですか。国民から見たら全く全部クローズドの中じゃないですか。  この加計学園の獣医学部の申請の設置審の問題だけで抜き出してちゃんと国民の前で公開して議論をするべきだと思いますが、副大臣、どうですか。僕は一般論を聞いているんじゃありません。この加計学園の問題について聞いているんです。
  82. 丹羽秀樹

    ○副大臣(丹羽秀樹君) 福山先生から加計学園の話で御指摘がございましたが、今実際、この大学審議会における審査の内容等につきましては私も詳しくは、どういった、具体的な話は存じ上げておりませんが、加計学園だけではなくて他の大学や学部設置についても審議しているというふうに思っております。そういったところにおいて、大学運営に関する有識者や学問分野の専門家によりこの審議会は構成させていただいております。こういった方々が公平公正な環境で審査ができるようなことも含めて、改めて非公開という場でやらさせていただいております。
  83. 福山哲郎

    ○福山哲郎君 いや、だから、ほかのものはいいと私は言っているじゃないですか。この加計学園だけはプロセスで公正公平性が担保できないという疑義が国民からもうずっと上がっているからこそ、この問題だけは設置審で公開でやるべきではないかと申し上げているんですが、副大臣は全くやる気がないということは分かりました。そして、昨日開かれたかどうかも明言いただけないのはとても残念です。  いいですか。防衛省防衛省でメモの存否すら説明できない。出席した人間は自分が何を言ったか答えを差し控える。加計学園は審議会がやったかやっていないかも言えない。何なんですか、これ。これ審議しているけど、国民の疑惑と不満をもっと広げているんじゃないですか。もっと不信感が募るんじゃないですか、これ審議したら。  僕は今日は安全保障の問題もちゃんとやりたいと思っていました。だから少しお話しさせていただきましたけど、とてもじゃないが時間も足らないし、何にも議論は前に進まない。新しい内閣になっても全く同じ状況だということを申し上げて、私の質問を終わらせていただきたいと思います。  ありがとうございました。
  84. 大野元裕

    ○大野元裕君 民進党・新緑風会の大野元裕でございます。  冒頭、稲田防衛大臣辞任につきましては、黒江事務次官、そして岡部陸幕長という貴重な人材を退官に追い込んでからという点も含めて、余りにも遅く、かつ自らの責任をしっかりと認識しない理由で退任されたということに対しては強い遺憾の意を表明をさせていただきたいと思います。  そして、今日は新任の大臣でございます河野大臣小野寺大臣、御出席をいただきました。尊敬する両大臣におかれましては、今非常に重要な時期であります、国益と国の安全保障に対し是非御健闘されますよう、重要な職責を担われておられますので、御活躍を祈念を申し上げたいと思っております。  その上で、小野寺大臣にお伺いをいたします。  先ほど同僚の福山議員の方から若干お話がございました。北朝鮮は言語道断な国際社会に対する挑発行為、継続しています。ICBMとされるミサイルを発射し、我が国のEEZに着弾させる、このような状況が日常茶飯事に今なっています。  そんな中で、小野寺大臣の御見解、ミサイル防衛に対する御見解をお伺いをしたいと思っていますけれども、先ほど福山委員が取り上げられました敵基地反撃能力、これについては党側で小野寺大臣が取りまとめの中心であったと伺っております。午前中の衆議院の委員会でもございましたけれども、大臣としての見解を伺いたいんです。弾道ミサイル対処のための総合的能力の検討を始めるというふうに提言の中ではありますけれども、それは、これは防衛大臣としての見解を伺いたいんですが、敵基地反撃能力の検討を直ちに開始するということを意味しているのでしょうか、教えてください。
  85. 小野寺五典

    国務大臣小野寺五典君) 弾道ミサイル対処能力の総合的な向上とは、自衛隊の装備体系についての検討のみならず、日米同盟全体の抑止力強化のために何をすべきかという観点も含め、様々な要素を総合的に考慮して検討を行って能力の向上を図っていきたいということであります。  具体的には、長射程化、正確性及び運用能力の向上など、北朝鮮の弾道ミサイル能力の進展を踏まえれば、日米間の適切な役割分担に基づき、弾道ミサイル防衛能力、情報収集・警戒監視能力、指揮通信能力、後方支援能力などを含め総合的な対処能力の向上を図る必要があると考えております。  八月六日、安倍総理は、もとより我が国を取り巻く安全保障環境が一層厳しくなる中、国民の生命と財産を守るため何をすべきかという観点から、常に現実をしっかり踏まえながら様々な検討を行っていくべきものと考えておりますが、現時点において敵基地攻撃能力の保有に向けた具体的な検討を行う予定はありませんと御発言されました。  防衛大臣としては、総理が示された考えの中で、弾道ミサイル対処能力の総合的な向上のための検討を進めてまいりたいと考えております。
  86. 大野元裕

    ○大野元裕君 今おっしゃったISRやBMD、さらには後方支援、こういったものについてはいわゆる敵基地反撃能力ではないと私は思います。  大臣、五月、メディアに出られたときに、米軍の保有するトマホーク巡航ミサイルを念頭に置かれて、長距離を飛んで直接相手基地をたたくものというものに言及をされました。そしてさらに、日本にとってコスト的にも能力的にもいいのか、選んで装備していくことが大事だと述べられておられます。  大臣、私もイラク戦争を経験していますけれども、イラク戦争でも、実はほとんどイラク軍の、夜間においてですね、移動式の発射台はたたけていないんです、米軍ですら。ですから、地下にあるTEL等に関して言えば、巡航ミサイルではたたけないと私は思います。  そうすると、大臣、これから検討する中で、例えばですけれども、爆撃機を買ってそれにGBU28や43のようなものを使ってたたく、しかもその途中には中国のADIZや韓国の領海を経由していく、そして爆撃する、こういったことも検討の範囲には入るんでしょうか。
  87. 小野寺五典

    国務大臣小野寺五典君) 当時の五月であれば、私はまだ自民党の衆議院議員で、政府の中に入っている立場ではなく、弾道ミサイルチームの座長として党の提言をまとめた立場であります。そのときに今言った具体的な装備についてちょっと言及したかどうかは記憶にございませんが、いずれにしても、当時は、反撃能力についてこれは検討が必要だという党内の議論は紹介させていただいたと思っております。  防衛省としては、現時点で今御指摘のような装備品の保有は検討しておりません。そのような装備品を保有するといった仮定の質問は、憲法との関係も含めお答えすることを差し控えさせていただきますが、憲法の制約の下で保持が許される装備の限度について申し上げれば、従来から、自衛のための必要最小限を超えない実力を保持することは憲法九条二項によって禁じられていないと解しております。  その上で、従来から、性能上専ら他国の国土の壊滅的な破壊のためにのみ用いられるいわゆる攻撃的兵器を保有することは、直ちに自衛のための必要最小限の範囲を超えることになるため、いかなる場合も許されないと考えております。このため、例えば大陸間弾道ミサイル、ICBM、長距離戦略爆撃機、攻撃型空母についてはいかなる場合においても保有することは許されない旨、政府として累次申し上げてきております。  憲法上の制約の下において保持が許される自衛の具体的な制度については、その時々の国際情勢や科学技術等の諸条件によって左右される相対的な面を有するということは否定できません。結局は、毎年度の予算等の審議を通じて、国民の代表である国会において判断されるほかはないと考えております。
  88. 大野元裕

    ○大野元裕君 大臣、前回大臣のときの長い答弁を思い出してしまいました。是非的確にお答えをいただきたいと思っております。  日報問題についてお伺いします。今般明らかにされたいわゆる日報問題に関する特別防衛監察報告についてお伺いをしたいと思っています。  衆議院と同様、本委員会においても野党側からは、総理やあるいは稲田防衛大臣を含め、政府参考人としてあるいは参考人として多くの方の御出席を求めさせていただきましたが、残念ながら御出席はいただけませんでした。また、陸自のいわゆる報告書、そして二月十三日の会議のメモの提出についても求めましたが、基本的には辰己当時の総括官以外はゼロ回答でありました。そんな中で、真摯に国会に対して向き合うという姿勢、ないんじゃないんでしょうか。  特に、私、今日びっくりしたんです。まさに今日の朝ですけれども、国会の中で、この委員会で、委員長のお取り計らいの下に与野党が合意をして、この理事会、出席する参考人等について最後まで追求をするという与野党の合意でした。ところが、朝の五時四十三分にいきなり防衛省から答弁者の予定者というのが入ってきて、もうこれ防衛省で決めちゃっているんですよ。さっき大臣おっしゃいましたよね、出席者については委員会で、国会でお諮りになるものだと承知しておりますと大臣答弁されましたよね。ところが、いきなり防衛省決めちゃっているんですよ。  我々、防衛省の下請じゃありません。政府の下請ではありません。国会に対して真摯に向き合うという姿勢が全くないというふうに言わざるを得ませんけれども。  大臣、改めてお伺いしますけれども、国会が求めた参考人、理事会で合意をしてですね、国会が求めた参考人はここに来て真摯に説明をする、そしてその中身についても真摯に説明をするというのは、安倍政権では今までの政権と違うんですか。是非そこについては大臣にお伺いしたいと思います。(「委員長」と呼ぶ者あり)
  89. 宇都隆史

    委員長宇都隆史君) まず大臣に。(発言する者あり)まずは大臣御答弁いただけますか。
  90. 小野寺五典

    国務大臣小野寺五典君) 今、大野委員から御指摘がございましたが、まだ具体的な今回の理事会における状況について私報告を受けておりませんが、もし防衛省としてそのような不手際があったとすれば、私の方からもおわびを申し上げたいと思っております。
  91. 大野元裕

    ○大野元裕君 土本審議官、駄目だよ。国会の対策の方でできていないのを。私、大臣に聞いているの。妨害しないでくれないかな。  その意味でも、私は真摯に向き合っていただくことが、政府に厳しい目が向けられています。日報問題では、大変残念なことながら、先ほど大臣、私も気が付きましたが、御説明の中で、部内の連絡、省内関係部局意思疎通と書いてあるのを、わざわざ大臣はそこに内局統幕陸幕と御自分の言葉で付け加えられました。私は、あれはすごく重かったと思っています。そういった厳しい目が自衛隊員らにまで向けられているわけですから、是非真摯に御答弁、対応いただきたいと思っています。  いずれにしても、我々国会は、そんたくや、あるいは不都合なことは国民に真摯に説明しない、そういった安倍政権の下請ではありません。背広組が組織的に関与して防衛省として隠蔽しようとしたのか、あるいはシビリアンコントロールが利いているのか、稲田大臣はこの件を承知し、関与したのか、こういった点について、文官の補助を受けて大臣がコントロールをするという意味でのシビリアンコントロールに疑いがある以上、国会がシビリアンコントロールを果たすしかありません。だからこそ我々はしっかりと求めているわけですけれども。  大臣、お伺いしますけれども、仮に、今日は稲田防衛大臣来られていませんが、大臣に対して、例えば稲田防衛大臣の記憶についてお伺いしたときに、大臣、答弁することができるんですか。また、都議選であの元防衛大臣が公職選挙法違反の発言を行ったときにもし辞任していれば、私は黒江さんも岡部さんも辞任しなくてよかったと思っています。ああやって辞任の遅れが、責任取られなければいけないのに、辞任の際に彼女は何と言ったか。かねてより総理に相談をしていたと。総理も共謀して辞任が遅れているじゃないですか。だから、総理を呼ぼうとしたんです、その総理の責任聞こうと思って。これ、この二つについて大臣聞かれて答弁できるんですか。まず教えてください。
  92. 小野寺五典

    国務大臣小野寺五典君) 済みません。もう一度質問の趣旨をお願いいたします。
  93. 大野元裕

    ○大野元裕君 では、お伺いいたします。  陸自データ問題について稲田大臣の記憶を小野寺大臣にお伺いして答弁ができるんですか、また、辞任が遅れたことについて総理も関係をしたと言われていますが、その責任について私が問うて小野寺大臣は答弁ができるんですかと聞いているんです。
  94. 小野寺五典

    国務大臣小野寺五典君) 今回の特別防衛監察の結果について、私が大臣に就任した直後、監察本部から説明を受け、その中で、幅広い事情聴取を行い、多くの資料の中から最終的な今回の結論に至ったということの報告を受けました。その報告を受けた後、私は稲田大臣の方に電話を掛けさせていただき、その報告書の内容について稲田大臣からも意見を聞き、私として報告書を了としたわけでございます。  稲田大臣辞任をされたことについては、これは政治家としての責任を取られたことではないかと理解をしております。
  95. 大野元裕

    ○大野元裕君 結局、その程度の話しか御答弁できないわけじゃないですか。  委員長、是非お願いをさせていただきますけど、そもそも答弁のできない方にお越しいただいて議論しても何も明らかになりません。国会国民に対する責任をしっかりと果たすためにもシビリアンコントロールや大臣責任について問いただす必要があります。改めて、総理並びに稲田防衛大臣を招致しての委員会の開催を御検討いただきたいと思います。
  96. 宇都隆史

    委員長宇都隆史君) 引き続き理事会において協議いたしたいと思います。
  97. 大野元裕

    ○大野元裕君 先ほど議論のありました、福山委員が取り上げられた二月十三日並びに十五日の会議の件についてお伺いをいたします。  皆様のところに資料を配付いたしましたが、実はログという議論、コンピューターの記録ですね、が当時ありました。  稲田大臣は、二月十四日の衆議院における後藤委員の質問に対して、日報はいつ廃棄されたかと聞かれたことについて、今、いつ破棄したかということをしっかりと調査しているところでございますと答弁いたしました。その三日後の十七日、玉木委員の質問に対して、陸自指揮システムの掲示板のログは取れない、これ、掲示板は陸自の指揮システムの方です。ところが、ダウンロードした方については実はもう一本あるんですね。  そこで、実は、防衛省で何をやっていたかというと、この答弁の前後で、陸自の通信隊がログを確認をして、CRFの司令部の一部端末等日報が保有されている状況とか陸幕にある状況をこれ確認しているんです。これを、陸幕運情部長を通じて統幕長に行き、統幕長が再び次官にまで上げている。十五日はこの例の問題になった会議で、まあ報告があったかなかったかということは断言できないらしいですけれども、可能性は否定できないということになっています。  大臣、そうすると、稲田大臣の記憶を是非聞きたいと私は思ったんですが、大臣見解で結構なんですけれど、その後三月十六日に、稲田大臣報告は受けていなかったということまで言っているんです。そうすると、これ、もし正しいとすると、稲田大臣は、報告をしない防衛省の部下や陸幕責任を押し付けて、保身のためにうそを述べたとお考えですか。それともそうではなくて、あれだけ話題になって、ログについても本人意識していました、そのどこにログを取ったという話まで細かい話知っていました、それだけ話題になって徹底的に調査すると約束していたのに、大臣として能力が欠如していたので質問しなかった、十五日に、そうお考えですか。是非大臣の御見解をお伺いします。
  98. 小野寺五典

    国務大臣小野寺五典君) 稲田大臣は、七月二十八日の会見において、私自身、報告を受けたという認識は今もなく、私のこれまでの一貫した情報公開への姿勢に照らせば、そうした報告があれば必ず公表するようにとの指導を行ったはずですと述べたが、特別防衛監察においては、稲田大臣の二月十三日及び十五日の説明において、何らかの発言があった可能性は否定できないものの、書面を用いた報告がなされた事実や非公表了承を求める報告がなされた事実はなかった、また、稲田大臣により公表の是非に関する何らかの方針の決定や了承がなされた事実もなかったとの事実が認定されたところであり、稲田大臣認識を覆すような事実は監察の結果確認できなかったと承知をしております。
  99. 大野元裕

    ○大野元裕君 だから、稲田大臣の記憶は今しゃべれないでしょう。やっぱりこれでは議論進まないんですよ。国民の疑惑は晴れないんですよ。その会見の記録や監察報告書は私も読んでいます。それはよく分かっています。それ読まれても仕方がない話なんです。  ところが、この監察についてはしっかりとした形でなされているというのを午前中から何度も大臣繰り返しておられますけれども、お伺いしたいんですが、監察監にお伺いしたいんですけれども、この監察においては、大臣によって防衛監察監が監察対象として権限を与えられている、あるいはその人たちは協力義務が課されている、これは当時の小池大臣のときの訓令に書いてございます。その一方で、政務三役については協力も与えられていません。大臣については対象にも入っていなくて、あくまで協力するというベースです。しかも、この監察監の権限と監察の根拠は大臣が与えているんですよ。  とすると、協力義務もある、あるいはその対象にきちんと明示されているその人と、協力義務もない、そして自分が制度を決めることができるこの人の、両方の意見というのは同じ扱いでいいと、それが担保される根拠は何ですか、教えてください。
  100. 丸井博

    政府参考人丸井博君) お答えいたします。  ただいま先生おっしゃいましたように、防衛監察本部は、防衛大臣職員の服務を統督する権限を分掌し、職員職務執行における法令の遵守その他の職務執行の適正を確保するための監察に関する事務をつかさどっております。  しかしながら、防衛監察の実施におきまして、防衛大臣防衛大臣政務官内閣が任免権を有することから、防衛大臣の統督権を根拠とする防衛監察対象とすることは適切でないと考えております。こういうようなことから、制度上、政務三役については防衛監察への協力義務を課すことは適切ではありませんが、職員職務執行における法令の遵守その他の職務執行の適正を確保するために政務三役がこれに協力することは当然のことと考えられます。  防衛監察におきましては、防衛省の他機関から独立した立場において、関係者の聞き取り、必要な場所への立入り、書類の確認等を実施し、これを総合的に評価するとともに、必要に応じてこうした政務三役の協力も得ることにより、厳正かつ公正な調査を行うことについて実質的には担保されているのではないかというふうに理解いたします。
  101. 大野元裕

    ○大野元裕君 ちょっと待った。実質的に担保されているって何ですか。だったら、こんな制度つくる必要ないじゃないですか。  大臣、あなたが命令権者です、今はね、防衛監察全体に対して。特別防衛監察はそのときごとに決めますけれども、あなたが命令権者です。そして、その権限も与えます。  これ、決める必要がないんですね、実質的に担保されていればそれでいいんですね。大臣、制度として担保をどうしているんですかと聞いたときに、我々一生懸命やりますから大丈夫です、これでは誰も信じませんけど、大臣、それでいいんですか、教えてください。
  102. 小野寺五典

    国務大臣小野寺五典君) 今答弁がありましたように、必要に応じて政務三役の協力を得るということ、そして政務三役は政治家でありますので、当然そのことに関しては誠心誠意応えるということなんだと思っております。  今回の特別防衛監察においては、稲田大臣が自らその聴取対象ということで、大臣の聴取には高検の検事長でありました防衛監察監そして現職の検事等が当たり、その聴取の中で、私は、稲田大臣は正確に自分の思っていることを答弁されたんだと思っております。
  103. 大野元裕

    ○大野元裕君 全く制度的担保がない、信頼ができない話であります。  そもそも、だって、対象となるべき機関を追加するのであれば、これ、計画を変えなければいけないんです。そして、大臣、協力をする、協力義務のないけれども私は協力してやってもいいという人と協力義務がある人、これは同列ではない。それを全部ごちゃまぜにして、発言があったと言う人もいれば、発言がなかったと言う人もいる。こんな結論では毛頭誰も信用ができません。  しかも、大臣は、訓令によれば、御丁寧に、政務三役以外の者が協力しない場合は、大臣報告監察監はできるんです。大臣はその協力度合いを判断できるんです。大臣が協力しない場合、誰が判断するんですか。制度的な担保ゼロじゃないですか。  大臣、やはりここは、大臣先ほどおっしゃいました、稲田大臣は誠実に答弁されたんじゃないかというふうにおっしゃいました。多分、小野寺大臣のおっしゃられていること、正しいかもしれない。でも、正しいということを国民に知ってもらうためには、やはり第三者による委員会などを設置して制度的に担保された中で証明する、これが政府として、防衛省として、防衛大臣としての責任ではないでしょうか。いかがでしょうか。
  104. 小野寺五典

    国務大臣小野寺五典君) 繰り返しますが、今回の特別防衛監察は、私ども防衛省から離れた、御経験がおありになる元高等検察庁検事長をトップとして、現役の検事も勤務する独立性の高い監察本部ということです。そこで私は公正中立に御判断をいただいたんだと思いますし、稲田防衛大臣自らがその調査対象ということで、誠心誠意その聴取を受けられた、その結果をまとめたのが今回の特別防衛監察の結果だと私どもは認識をしております。
  105. 大野元裕

    ○大野元裕君 大臣、政治的な役割を果たす、そういう気がないという御答弁だと私は承りました。幾ら大臣の首がすげ替わっても隠蔽体質というものは変わらないというふうに国民に判断されても致し方ない、そういう答弁だと私はお伺いをしました。  その防衛監察だって、私、中身変だと思っていますよ、正直。例えばですけれども、大臣陸自データがあった、これがダウンロードされて、当初個人データで扱っていたという、そういう記載が何か所もあります。大臣もそこはお読みになったというふうに思います。  大臣ね、これは平成二十一年七月三十一日付けの事務次官通達の中で実は様々なことが決められていて、これは、「取扱い上の注意を要する文書等及び注意電子計算機情報取扱いについて」という通達なんですけれども、そこでは、この注意を要する文書取扱い上の注意を要する文書、これを含む文書だということを実はこの報告書の中にも入っていますが、こういった文書保存期間を明示した上で、「部内限り」若しくは「注意」ということを右肩に書けと書いてあります、はっきりと。  ところが、この公開された日報、最終的な判断としては、こういった注意を要する部分を含む文書なんですよ。ところが、外形的には何のこういった記載はないんです、いいですか。そして、それを表に出すときには、これは、実はそういった記載はないけれども注意を要する文書でした、だから黒塗りにしてしか出せません。ところが、なぜか、個人的にダウンロードしたものはこれ個人データです。むちゃくちゃな話じゃないですか。ここについて実は防衛監察監は重きを置いて報告をしていないんです。同じ文書ですよ。注意を要する文書が、外から要求されると黒塗りにされて、注意を要する文書、外形的には何も書いてありません。でも、個人的にダウンロードできる、それは個人データです。こんなむちゃくちゃな文書の扱いでいいんですか。  そもそも、監察監、なぜここに踏み込んでいないんですか、教えてください。
  106. 小波功

    政府参考人(小波功君) お答えいたします。  ただいま委員から御指摘のありました点、先ほど阿達委員からも同じ趣旨の御質問をいただいたと思うんですけれども、私ども、報告書の中でも力点を置きましたのは、まず法令違反ということで、情報公開法等の違反等を中心に記述させていただいたところでございます。  ただ、今御指摘がありました法規も、いわゆるその下級法令通達に類するものだと思うんですけれども、その違反につきましても、既に御指摘いただきましたように、本文等で指摘させていただいたところではございます。  もう一度、確認になりますけれども、ただいまおっしゃられましたように、行政文書は、もう定義については御案内かと存じますけれども、行政機関職員が職務上作成し、又は取得した文書、図画、電磁的記録であって、当該行政機関職員が組織的に用いるものとして当該行政機関が保有しているものという定義でございます。  ですから、今委員の御指摘のとおり、それがダウンロードした瞬間に行政文書でなくなるというふうなのは基本的には短絡的な理解でございまして、御指摘がありましたように、それが注意文書であれ普通の文書であれ、行政文書に当たるかどうかについては、今の三要件に基づいて当たるものでございます。  ですから、今回、陸上自衛隊の多くの隊員の中にこの点についての理解が必ずしも十分でない点がございまして、今回のような事案の一因になったことはもう御指摘のとおりでございます。
  107. 大野元裕

    ○大野元裕君 まさに、こういったところから改めていく必要が私はなければならないと思います。  恣意でこれは表に出せる、恣意でこれは自分の個人データだと、恣意でこれは行政文書だ。一年未満のやつについては実はほとんど規則ないんです。破棄するという以外は規則がないんです。ところが、それ以外については、データをコピーするところから、それからどこどこに、右肩にこれを付けろとか細かい規則がたくさんあります。私も、このぐらいたくさんの通達、全部読ませていただきましたけれども、これ、あるだけなんですよ。徹底されてない、これが一番大きな問題だと思っています。  大臣、そこで、是非お願いをさせていただきたいのは、やはり第三者で委員会をつくって是非チェックをしていただきたい。というのは、先ほど話したデータについて、要注意文書でなかったものを切り替えたのはCRFなんです。部内に必要な照会を掛けずに、あるいは廃棄を指示されたのは陸幕及び統幕の背広組です。さらに、この個人データなるロジックで偽装を完成させたのは次官を含む防衛省自衛隊幹部なんですよ。みんなでやっているんです。これは一般には隠蔽体質と呼びます。あるいは、二重三重のチェック機関があったにもかかわらず、それが機能されていないんです。全体の問題なんです。  だから、大臣、ここで明らかにしませんかと、そう申し上げているのです。是非、第三者委員会、立ち上げてください。
  108. 小野寺五典

    国務大臣小野寺五典君) 今回、この日報事案の発端となりましたのは、今回の特別防衛監察の中で明らかになったように、七月の情報公開請求があったときにその文書を不存在という形で報告をした、ここにまず問題が、発端がありました。本来であれば、情報公開請求の中でしっかりとした文書があるということ、ただ、内容について、その内容を開示すると部隊の運用等に問題がある場合には不開示という扱いで、それでもきちっと公開をし、そしてその文書がどこにあるかということはしっかり把握をする、この全て一連の流れが私は重要だったと思います。  ただいま大野委員がおっしゃったとおり、今回はこの発端から様々な部署で関与があり、このような文書管理の問題が起きてしまいました。防衛大臣、そして事務次官陸幕長辞任するという大変重い今回の件につきましては、私ども、しっかり対応を検討していきたいと思っております。
  109. 大野元裕

    ○大野元裕君 しっかりとした対応の中には第三者委員会の設置をお願いしたい。  大臣、最後に多分なると思いますけれども、実は前大臣との間で議論したことがあります。それは、先ほど加計学園で報道されたという、いわゆる審議会の話がありました。報道各社が、弾道ミサイル破壊措置命令を常時発出したと、これ既成事実のように何度も何度も報じられているんです。ところが、国会では何度聞いても我が国安全保障に関わるので明らかにできないと、こういう答弁をされておられます。  報道でさんざん出ているということは、我が国安全保障に関わる、影響がある事態ができちゃっているんです。平気で誰かがリークしているんじゃないんでしょうか、情報管理がないがしろにされているんじゃないでしょうかと、こういう議論をしました。そうしたら、そのときに当時の稲田大臣は、必要ならば調査を行うと、こう答弁をして、そして、まさに辰己さんが当時総括官で、この報告は今調査中で、まだ大臣には上げていませんという話がありました。  大臣、これは現実の問題としてとても大事な問題です。国家の安全保障に関わる問題です。情報管理、そして防衛省自衛隊に対する疑念を晴らす上でとても、最初に取り組むべき重要な問題だと思っています。大臣、是非お約束をいただきたいんです。この問題、誰がリークしたか明らかにしていただけませんか。
  110. 小野寺五典

    国務大臣小野寺五典君) ただいまの御指摘のみならず、私ども、安全保障上重要な問題については、これは秘匿が大変重要だと思っております。ただ、時折、やはり報道に様々なものが出ていく。不確実なものもありますが、私どもとして、このような内容が出ることに関して、これは確かに問題があるということも経験したこともございます。  そういう意味では、これからも情報保全にしっかりとした対応を取ってまいりますし、先ほど委員が御指摘になった点、稲田大臣がそうお答えをしているということであれば、私も、初めての質問でありましたので、部下から報告を受け、どのような対応ができるか、しっかりお答えをしたいと思っております。
  111. 大野元裕

    ○大野元裕君 是非お願いをしたい。  特に、今これだけミサイルディフェンスについて多くの関心が集まっています。我が国の、残念ながら今のところイージス艦は、BMDモードにすると、もう御存じのとおり対応の方向も距離も限定されることになります。これを外に知られることは良くない、それどころか全社報道していますからね、これ。  是非、そこは大臣にしっかりとお取り組みいただくことをお願いを申し上げるとともに、大臣の手で改革してください。隠蔽体質、安倍政権はそうだということを是非打破していただけるような、そんな改革を望んで、私の質問とさせていただきます。  以上です。
  112. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 公明党の浜田昌良でございます。  河野大臣小野寺大臣、御就任おめでとうございます。今まさに、外交安全保障、極めて重要な時期でございまして、国民の負託に応えられますように御期待申し上げます。  まず、河野大臣から質問させていただきたいと思います。  就任早々、フィリピンでのASEAN関連会合、また関連会談、お疲れさまでございました。しかし、その前後にも、八月六日広島、また九日長崎も訪問していただきまして、核廃絶の取組もしていただきました。特に河野大臣はPNNDの会長もしていただきまして、長年この問題に取り組んでいただいております。  ただ、今回の広島、長崎は少し雰囲気が違ったと思います。それは、七月七日に国連で核兵器禁止条約が採択されました。日本はこれ参加できなかったわけですけれども、これについては、私自身は、いわゆる現実を直視すれば、安全保障環境をしっかり直視をして核保有国と非保有国の橋渡しをする、それが一番重要だと思っておりますので、そういう対話が重要と思っておりますが、やはり現地の、被爆地の皆様は日本がなぜいないんだろうという思いを持っておられるのも事実でございます。  よって、今後、この核兵器禁止条約に日本がどのような形で関わっていくのか。署名とか、それは批准はできないと思いますけれども、何らかの、やはり非人道性の問題、また被爆の実相を伝えていく上では、一つの外交文書でもあるわけでございますので、関わり方について河野大臣のお気持ちを御答弁いただきたいと思います。
  113. 河野太郎

    国務大臣(河野太郎君) ありがとうございます。  軍縮議連あるいはPNNDという組織で活動をしてまいりまして、この核軍縮、核廃絶というのは大きなテーマだと私自身思っております。  今回、広島、長崎の式典、あるいはその前の夕食会、あるいは被爆者の皆様からのお話を伺う会合に出席をさせていただきまして、被爆者の方々の真摯な思いというのを改めて感じたわけでございます。  その中で、今回の条約についてもお話がございました。残念ながら、この条約は、核兵器国が一つも参加せず、非核兵器国の間も少しきしみができているという状況でございます。我が政府としては、現実的、実践的に核のない世界を実現するために着実に前進をしていきたいというのが我が国政府の立場でございますので、核兵器国と非核兵器国の間の橋渡しというものをやはりしっかりやってまいりたいと思っております。  なかなか今回の条約にどう向き合っていくかというのは非常に難しいところがございますが、例えば、岸田前外務大臣のイニシアチブで賢人会議というのをスタートさせ、いかに日本が橋渡しができるかという議論をさせていただく。あるいは、包括的核実験禁止条約、CTBTの中で、地域の会合を開き、昨年はミャンマーがこのCTBTに入る、今年もタイが非常に参加に前向きになってくれて、タイが参加すれば東南アジア全てがこのCTBTに入るということになります。  また、CTBTの条約事務局が中心になって行っているモニタリングシステムに中国が核実験に関する情報の提供を始めてくれた、そういうこともございますし、この核実験に関わるキセノンガスの感知をするようなシステムに対して、我が国としてきちっとそれを支援していく。  非常に遠いところではございますが、ゴールは遠いところではありますが、一歩一歩確実に前へ向けて、その究極の目的に向けて我々歩みをしていきたい。そこは後戻りなく、しっかり前に行きたいと思っております。  広島、長崎の被爆者の皆様の体験を始めとする核の実相を世界にしっかりと伝え、地域や世代を超えてその認識を広めていくということと同時に、一歩一歩我が国政府として様々な観点から取り組んでまいりたいと思っております。何とか、この究極の目的に向けて日本政府がしっかり旗を振っている、被爆者の皆様にもそう認識していただけるようにしっかり頑張ってまいりたいと思っております。
  114. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 今外務大臣から、究極の目的に向けてしっかり日本が旗を振っていると被爆地の皆様にそう評価していただけるようにという思いも話していただきました。非常に難しい課題でありますけれども、その思いを保ち続けていただきたいと思いますし、特に、今ほどございました前岸田大臣が賢人会議をつくられる。この賢人会議には広島、長崎の代表も入られます。非常にそういう場でもこの関わり方を議論いただきたいと思っています。  そのときに、是非この賢人会議を、核保有国と非保有国をどうつなげるのかというと、やはり被爆の実相を両方で共有する、非人道性の共感の輪を広げると、これが一番だと思っております。そういう意味では、まずこの賢人会議を被爆地で開催してほしいという我が党の議員も多いわけですが、これについても御検討いただけないでしょうか。
  115. 河野太郎

    国務大臣(河野太郎君) 賢人会議の開催の時期、場所について今検討しているところではございますが、御提案、前向きに検討してまいりたいと思います。
  116. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 ありがとうございます。被爆地の皆様も喜んでおられると思います。  日報問題に入らせていただきたいと思います。  今ほども小野寺大臣から答弁がございました。今回の南スーダンの日報問題の発端は何かというと、七月十九日の情報公開なんですね。このときに、この特別監察報告に書いてございますように、日報が該当文書から外れることが望ましいというCRFの副司令官が意図を持ったと。  その意図の理由は何かというと、部隊情報の保全や開示請求の増加に対する懸念と記載されています。後段はとんでもない理由ですね。開示情報が、開示が多くなるからそういうのはできないと。でも、前段の部隊情報の保全といったらそんな理由があるかもしれませんが、具体的にどのようなことがこの意図として更に当時特別監察の中で調べられたのか。  また一方では、一般の方々はどう思っているかというと、当時、国会では南スーダンのPKOの問題が議論されていました。その国会論戦に変に影響を及ぼすことを避けたのではないかという懸念もあるわけです。そういう事実は把握されていなかったのか、この点についてまず政府参考人から答弁いただきたいと思います。
  117. 丸井博

    政府参考人丸井博君) お答えいたします。  CRF副司令官は、現地部隊の活動、配置などの情報が記述されている日報が公開されることによりまして、部隊の安全に関わるリスクを高める可能性があること及び過去を含めた日報開示請求が増加し業務の負担が大きくなることを危惧していたことから、日報以外の文書対応できないか陸幕確認するよう指導したと確認しております。  なお、当該副司令官が、本件日報開示請求の該当文書となって公開されることにより当時の国会論戦に悪影響を及ぼすことを懸念したという事実は確認されませんでした。
  118. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 今の答弁の中で、この日報開示によって国会論戦に影響を及ぼすということは把握しなかったという答弁が明確にございました。  そういう意味では、今回の情報公開、七月十九日の一番最初の情報公開においては、情報公開法もいわゆる不開示理由というのは法五条三号に挙げられているわけなんですよ。この中には、公にすると国の安全が害されると行政機関の長が認めることにつき相当な理由がある情報というのがありまして、これに関連しましては、防衛省の中では官房長名で基準の類型があるんですね。例えばどういう話があるかというと、我が国防衛及び警備上の能力を減じる等の影響があるおそれがある情報というのがありまして、具体的に(1)から(8)まで詳しく書いてあるんですよ。その部分を、今回、七月十九日の要求があった段階で黒塗りをして全体を、部分開示といいますか、二回目の情報公開はそうしたわけですよ。  なぜ、じゃ、最初の段階でそういう形で黒塗りをして部分開示をしなかったのかについてお答えいただきたいと思います。
  119. 鈴木敦夫

    政府参考人(鈴木敦夫君) お答え申し上げます。  御指摘の昨年七月十九日の情報公開請求に対しましては、本来特定すべきでありましたこの日報の中には、部隊運用に関わる情報など不開示にすべき情報が入っておりました。御指摘のとおり、この日報を該当文書として特定した上で部隊運用等に関わる情報などを不開示という形で対応すべきでした。  しかしながら、今御説明申し上げたような形で、特別防衛監察において明らかになりましたのは、このCRFの副司令官は、部隊情報の保全や開示請求の増加に対する懸念から、日報が該当文書から外れることが望ましいという意図を持って、日報以外の文書で当該請求に対応できないかということを陸幕等に確認するよう指導したという旨報告されております。  こうした行為は、情報公開法情報公開業務を適正に実施するという意識が低かったことから行われまして、行政文書開示義務違反につながるものであり、職務遂行義務違反に該当し、不適切な行為であったということでございまして、このことは特別防衛監察でも指摘されているとおりでございます。
  120. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 事実関係を今長々と答弁いただいたんですが、一応、情報公開法上は、問題ある情報はしっかりそれは不開示にできるんですよ。しかし、それをちゃんと使わなかったという問題なんですね。  今日の防衛大臣の御報告の中でも最後に、「再発防止策を着実に実施しつつ、隊員意識改革等を行い、風通しのよい組織文化を醸成し、」とございます。まさにこの意識改革と組織文化、これが重要だと思うんですよね。これについて、やはり国民の負託に応えて自衛隊が活動していくためにはなるべく情報公開には応えていくんだという、チェック体制を今回いろいろと提言はされていますが、まずその文化と意識改革、これはしっかり取り組んでいただくという、それがなけりゃ、また同じように全体が文書存在ということが繰り返されるかもしれませんので、大臣の決意をお聞きしたいと思います。
  121. 小野寺五典

    国務大臣小野寺五典君) 今委員の御指摘がありましたが、今回の事案の発端は、昨年七月、情報開示請求があった文書に関して不存在ということをしてしまったことがこの問題の発端であります。本来であれば、文書があったということはきちっと開示者に報告をし、ただ、その中で不開示部分があれば、そこは不開示にして報告をするのは基本であります。  今回の再発防止策の中で、私ども情報公開査察官というのを新設いたしました。昨日私が任命をさせていただき、早速今その動きがスタートしております。これは、もし省内から情報公開を受けて不存在報告するという報告があった場合に、この査察官がそれを全て一度確認をして、そして本当にないのかどうかというのを省内にもう一度確認をする、その上でしっかり信頼感を持って情報公開に積極的に取り組むという、そういう仕組みでもございます。  私ども、今回の発端、そしてまた情報管理の不備、様々なことを重く受け止めて、しっかりと今回の反省を改善につなげていきたいと思っております。
  122. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 よろしくお願いしたいと思います。  ただ、この文書情報公開の問題は防衛省だけの問題じゃありません。先ほど加計学園の問題も取り上げられました。また、森友学園という問題もありました。特に多く問題を起こしているのが、いわゆる文書保存期間一年未満という問題について安易に扱われているという状況もございます。  これについては、今日は長坂政務官も来ていただきましたが、公文書管理法が平成二十三年にできまして、ちょうど五年たって、五年見直しのタイミングであるわけですね。今回の見直しで、今回いろいろ起きた、条項、どういうことを見直すのかと、委員会は先行してあったかもしれませんが、今回の事象をしっかり踏まえていただいて、これらにも対応できるような、特にこの一年未満の保存期間文書の廃棄の問題については対象を相当絞るとか、しっかりと今回の対応見直しを検討して進めていただきたいと思いますが、その決意をお願いしたいと思います。
  123. 長坂康正

    大臣政務官(長坂康正君) お答え申し上げます。  公文書管理につきましては、現在と将来の国民への説明責任を全うするため極めて重要な制度であると認識しております。その重要性を踏まえまして、保存期間の設定の在り方を含め、行政文書管理に関するガイドラインの改正を今年中に行うべく、公文書管理委員会においてまさに御議論をいただいているところでございます。  内閣府といたしましては、公文書管理制度を所管する立場といたしまして、各府省庁における公文書管理の質を高めるための不断の取組をしっかりと進めてまいりたいと存じます。
  124. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 ガイドラインの改正、今年中という答弁はあったんですが、特に文書保存期間一年未満のものが多く問題を起こしているわけですから、そこについてはしっかりメスを入れるという御答弁、もう一度お願いしたいんですけど。
  125. 長坂康正

    大臣政務官(長坂康正君) 先生おっしゃるとおりで、しっかり踏まえてやっていきたいと思っております。
  126. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 しっかり踏まえて、やはりこの文書の問題というのが内閣信頼のベースになると思っています。そういう意味では、今回、連立与党としても、これについてはもう一度初心に立ち返ってやるためにも、原点に返ってお願いしたいと思います。  もう一度日報問題に戻りたいと思いますが、今回の特別監察報告においては、この監察結果とともに、改善措置が数多く、先ほど一部紹介もありましたが、盛り込まれています。その改善措置が本当に着実に実施されているのかというのが今後重要な検討ポイント、チェックポイントになるわけでございますけれども、今回この特別監察報告の改善については、定期監察を行ってチェックをするというふうに書かれておりますけれども、現在この定期監察というのは年度年度という単位でやっていくんですが、今年度はもう半分来ているわけですけれども、今年度の後半過程も通じて、今回挙げられた特別監察報告の改善項目、それについてチェックをし、その結果についても公表いただくということをまず大臣にお述べいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
  127. 小野寺五典

    国務大臣小野寺五典君) 御指摘の点につきましては、防衛監察本部が八月下旬以降の定期防衛監察において情報公開業務全般に対して検証することとしております。具体的には、文書の探索及び特定等に係る手続の状況文書探索及び特定等の状況、該当する行政文書の存否について監察を実施する予定です。  また、八月以降行う検証結果については、定期防衛監察結果として、今年度の全ての実施監察終了後、各監察結果について分析や改善策について取りまとめ、翌年、防衛大臣報告後、公表する予定であります。
  128. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 ありがとうございます。  八月から実際に定期監察において、この改善策がどれぐらい実施されているのか、十全に実施されているのか、しっかり大臣報告されますように、で、大臣報告された後にしっかりと国民公表いただきたいと思います。  また、今回、文書管理の面では大分改善もされるようでございます。日報については保存期間が今までいわゆる用済み廃棄であったものが十年ということになりました。また、日報以外の自衛隊の海外活動については三年ということにもなりましたが、これについては、これからの文書だけではなくて、今まだ、この監察でも、既に文書保存されて、結果的に保存されていたと、廃棄の予定であったけれどもあったというものもあるようでありますが、それについてはこれから廃棄するんじゃなくて、これについては今からもう十年という期間を当てはめるということもこの監察報告から読み取れるわけでございますけれども、そういう遡及適用をしっかりしていただきたいことを、防衛省政府参考人から御答弁いただきたいと思います。
  129. 高橋憲一

    政府参考人高橋憲一君) 委員指摘のとおりでございまして、南スーダン派遣施設隊が作成した日報以外につきましても、存在確認できたものにつきましては、今後新たに作成されるものと同様に、日報については今後十年間保存する、日報以外については三年間保存するというふうな方針で臨みたいと思っております。
  130. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 ありがとうございます。  そういう意味では、今回決めたルールを遡及適用して、既に発見された文書については、日報については十年、海外の関連活動については三年を適用させていただきたいと思います。  最後になりますが、今回、発端は確かに七月十九日の情報公開請求に対する対応が不適切であったということだったんですが、その後、何回もいわゆる改善できるチャンスはあったわけですよね。それが改善されずにそのまま行ってしまったと、いわゆる無謬性というんですかね、誤りを認めなかった。  今後、いろんなことがあるかもしれません。是非これは小野寺大臣にお願いしたいんですけれども、そういう過去の問題でも何か問題があった、在任中に問題があった、それが途中で分かったときには、決してこれは、過ちを改めるのにはばかることなかれでございますので、その段階で、早い早い段階でやっていくということを、改めて就任に当たって御決意をお聞きして、私の質問を終わりたいと思います。
  131. 小野寺五典

    国務大臣小野寺五典君) ただいまの御指摘、肝に銘じてしっかり対応してまいります。ありがとうございます。
  132. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 終わります。
  133. 井上哲士

    ○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。  まず、オスプレイの問題でお聞きします。  沖縄普天間基地所属のMV22オスプレイが五日、豪州東海岸で揚陸艦への着艦訓練に失敗をして墜落をし、三人の方が亡くなるという事故が起きました。米軍は、今回の事故を最も深刻なクラスAと分類をしております。そして、この普天間基地所属のオスプレイの事故は、昨年十二月に名護市安部に墜落したばかりでありまして、連続する極めて異常な事態であります。  一方、八日の会見で菅官房長官は、六日に防衛省から米側に、運用上必要なものを除いて国内における飛行を自粛するよう申し入れたと述べておられます。米軍は当然必要だからやっているんだと言うわけでありますから、こんな条件を付ければどうぞやってくださいと言うようなものにほかならないんですね。実際、七日の朝に、運用上必要との判断ということでオスプレイが飛行されました。  何でこんな条件を付けたんですか。
  134. 小野寺五典

    国務大臣小野寺五典君) 御指摘の、普天間飛行場所属MV22オスプレイが日本時間五日午後四時頃、オーストラリア東海岸沖で訓練中、輸送揚陸艦グリーン・ベイへの最終進入中にデッキに衝突し、その後、海中に転落をし、乗員二十六名中二十三名は救助されたものの、大規模な捜索の結果、最終的には三名の米海兵隊員の死亡が宣告されたと承知をしております。  オーストラリアにおける米海兵隊MV22オスプレイの事故を受け、私から米側に対して、運用上必要なものを除くという条件を付すことなく、国内におけるオスプレイ飛行自粛ということを要請をしております。私からは、そのような運用上の必要の判断というようなことを付けたことはなく、自粛をしてほしいという要請をさせていただきました。
  135. 井上哲士

    ○井上哲士君 大臣は言わなかったかもしれません。しかし、例えば七日の朝、我が党の紙議員と畠山議員が北海道の訓練にオスプレイ参加させるなということで防衛省に申入れしたんですよ。そのときに防衛省側が、運用上最低限必要なもの以外は自粛してもらいたいというスタンスですとはっきり述べているんですよ。事務方は全部言っているんですよ。  今、大臣そういう答弁。ということは、こういう事務方の対応は間違いだったと、今後はアメリカが運用上必要との判断と言っても日本は受け入れないということでよろしいですね。
  136. 小野寺五典

    国務大臣小野寺五典君) 私から直接、在日米軍のシュローター副司令官に自粛をしてほしいということを申し述べました。そのとき、シュローター副司令官は、実はその時点でオスプレイが一機飛行したという事実を基に、私に対して、これは運用上必要な最小限のものですというそういう話がありましたが、私としては自粛を求めていたということであります。
  137. 井上哲士

    ○井上哲士君 いや、防衛大臣は言わなくても、現場で言っているんですよ、スタンスだと明確に言っているんですよ。これはつまり、防衛省としては間違いだと、防衛省の態度ではないと、今後違うということでよろしいですね。
  138. 小野寺五典

    国務大臣小野寺五典君) 済みません、副司令官の名前はシュローティでありました。  私からは、そのシュローティ副司令官に飛行の自粛ということをお願いをいたしました。(発言する者あり)
  139. 宇都隆史

    委員長宇都隆史君) 速記を止めてください。    〔速記中止〕
  140. 宇都隆史

    委員長宇都隆史君) 速記を起こしてください。
  141. 小野寺五典

    国務大臣小野寺五典君) 防衛省としてのスタンスも、私が申し入れたとおりであります。
  142. 井上哲士

    ○井上哲士君 となりますと、それまでに事務方などが言っていたことは、これは不適切だったと認められたものだと理解をいたします。  今、その上で、シュローティ副司令官と会談をされたという際に、大臣は、多くの懸念があると、飛行したことについてこう述べられました。どういう懸念があるんですか。
  143. 小野寺五典

    国務大臣小野寺五典君) 御指摘の発言でありますが、今回の事故を受けて国内でMV22オスプレイに係る不安の声が上がっているという趣旨で述べたものであります。  防衛省としては、新たな情報が米側から得られれば、関係自治体にお伝えするなど適切に説明していきたいと考えております。また、事故の事実関係、評価等について詳細を確認しており、米側に対しては引き続き安全面に最大限配慮するよう求めてまいります。
  144. 井上哲士

    ○井上哲士君 まさに多くの国民から不安の声が上がっております。そして、いまだに原因は明らかになっておりません。その懸念がある以上は、たとえアメリカが運用上必要と判断をしたと言っても、懸念がある以上は飛行はするべきでないと、こうするのが私は当然の立場だと思うんですね。  ところが、七日に続いて八日の夜にもオスプレイは飛行しております。これは夜にでして、普天間に戻ってきたのは、午後十時四十七分着陸するのを防衛局が確認をしているとされております。これは日米協議では十時までになっているんですよ。それが、もう早速十時四十七分に着陸をしている。ですから、およそ県民の声も聞かない、大臣の要請も日米協定も守らないという姿勢を直ちにやっているんですよ。  厳しく抗議すべきだと思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。
  145. 小野寺五典

    国務大臣小野寺五典君) 私としては、国民の様々な心配をする声もあり、これは自粛をしてほしいと米側にはお話をしております。  今御指摘の七日の飛行については、米側からは運用上必要との判断により行ったという説明があったと報告があります。また、八日の飛行に関しても、これは米側に照会中でありますが、米側が運用上の必要との判断により行ったということを認識しておりますが、防衛省としては米側に対し、事故の事実関係、評価につき詳細を確認しているところであり、引き続き安全面に最大限配慮するよう求めてまいりたいと思います。
  146. 井上哲士

    ○井上哲士君 結局、運用上必要だと言われれば、配慮をしてほしいと言うだけなんですよ。抗議もしないというわけですね。  沖縄の翁長知事は、この事故直後の飛行について、日本政府が当事者能力を持ってアメリカに何も言えないことが今のような状況につながっていると厳しく批判をしております。私はまさにそのとおりの事態になっていると思います。  その上で、今、全国からもこのオスプレイの飛行中止や自粛を求める要請が相次いでおります。今日から北海道で日米合同演習、ノーザンヴァイパーが始まりまして、普天間所属のMV22オスプレイ六機が参加する予定になっておりました。午前中の答弁で、米軍と調整していると、それが整っていない中でオスプレイは参加せずに行っていると、こういう話がありました。今後も調整をしていくと。自粛の趣旨は事故の報告がなされていないことですので、報告がなされることを前提に総合的に考えていきたいと答弁をされました。八日の会見では、ちゃんと安全が確保できる、そういう状況が大切と言われました。  ということは、安全が確保できると納得できるような報告がない限り、この北海道の訓練への参加はないということで確認してよろしいですか。
  147. 小野寺五典

    国務大臣小野寺五典君) 今御指摘がありました日米の共同訓練、ノーザンヴァイパーへのオスプレイの参加の取扱いについては、引き続き米側と調整していきたいと思っております。
  148. 井上哲士

    ○井上哲士君 ですから、報告が出て、安全が確保できる状況と認められない場合は参加はないということでよろしいですねと確認しているんです。
  149. 小野寺五典

    国務大臣小野寺五典君) 引き続き米側と調整を行っていきたいと思っております。
  150. 井上哲士

    ○井上哲士君 結局、最初の段階で運用上必要だということであれば除きますというスタンスは私変わっていないと思うんですね。この日米共同訓練というのは、共同訓練でありますから日本は一方の当事者なんですよ。日本が駄目だと言えば参加できないはずなんですから、先ほど言ったように、安全が確保できる状況と認められない限りは中止をすべきだということを私改めて強く申し入れておきますし、こうした危険なオスプレイの配備の撤回、そして自衛隊にも配備をするということは中止をすべきだということを強く申し上げておきたいと思います。  その上で、時間もあれですので、日報問題、お聞きをいたします。  先ほどからありますように、この出発が七月の情報開示請求への対応にあるということが特別監察で明らかになりました。私、今年六月十五日の委員会で、当時の報道を基に七月の開示請求について質問をいたしました。報道は、中央即応集団の担当者が日報データが残っていることを確認して上司に報告したところ、上司は、ばか正直に出せばいいものじゃないと叱責をして日報開示しないように命じたと、結果としてそうなったと、こういう報道でありました。実際にこういう情報開示請求があったのかと、このことをただしたのに、当時の稲田大臣は、報道を受けて逐一答弁することは控えたいと言って、そのことすら答弁をされませんでした。しかし、特別監察報告ではこのことが明確に述べられたわけですね。  まず、監察本部に聞きますが、この報道にあった陸自幹部、ばか正直に出せばいいものじゃないという発言は極めて私は重大だと思いますけれども、こういう発言は確認されたんでしょうか。
  151. 丸井博

    政府参考人丸井博君) お答えいたします。  防衛監察におきましては、対象機関からの関係書類等の取得、アンケート調査現場確認、面談により広く情報収集し、様々な角度から収集した情報の分析を行い、事実関係解明に努めております。この際、一方だけの主張ではなく多方面からの主張等を総合的に勘案して事実関係を構築しておりますが、ただいま御指摘にありました発言内容については確認されませんでした。
  152. 井上哲士

    ○井上哲士君 私ね、監察結果は極めて明確だと思うんですね。この開示請求に対してCRFの副司令官が、行政文書としての日報存在確認しつつ、日報開示対象文書から外れることが望ましいという意図を持って非開示を指導したと、こういう中身であります。  先ほどもありましたように、部隊情報の保全や開示請求の増加に対する懸念からということが書かれておりますが、先ほどもあったように、従来から保全すべきものは黒塗りで出してきたわけですから、これ理由にならないわけです。しかも、実際にその後出てきたこの日々報告を見ますと、実際黒塗りで出てきています。  黒塗りにされていないところがあるんですね。例えば、現地で戦闘が起きていたという情報ですよ。だから、黒塗りにできないところを出したくなかったというのが一番の本音だったのではないかと疑うわけでありますが、当時の開示請求された七月の日報というのは、ジュバにおける戦闘が起きていたと。当時の中谷大臣は、これを散発的発砲事案だと記者会見で述べました。国会では、衝突はあるけれども戦闘はないと、こういうふうに言ってきたわけですね。しかし、日報には明確に戦闘と書かれて、そして宿営地にも銃声や爆発音が聞こえるという緊迫した事態を現地の隊員の方が送ってきたわけですよ。こういう大臣の会見や国会答弁と違う事態が日報に書かれている。  こういう不都合な事実を隠そうというのが一番の背景にあった意図であったんではないかと思うわけですが、先ほどそういうことは確認されなかったと監察本部、答弁されましたが、こういうことではないかということをただした上で確認されていなかったのか、それともそういう発言がなかったということなんでしょうか。
  153. 小波功

    政府参考人(小波功君) お答えいたします。  ただいま委員指摘の報道等につきましては、私どもも確認させていただきました。それで、この部分について当人に事実関係等も確認したところでございます。  その結果、ここでの結論で、先ほど副監察監から御答弁いたしましたように、やはり本人のこの時点での意図というのは、先ほど申しましたように、部隊の保全、情報の流出防止でありますとか情報公開業務の多忙感の件であって、本件のようないわゆる、しかも、発言自体の、報道にまさにここ書いておりますとおりの報道が出たと思うんですけれども、いわゆるばか正直に出せばいいってもんじゃないという発言は確認されなかったところでございます。
  154. 井上哲士

    ○井上哲士君 いや、そっちはもうさっき済んだ話。そうじゃなくて、つまり、国会で戦闘はなかったとか、こういう国会答弁や会見とそごをする内容がある、それを出したくなかったということではないんですかと、そういう国会等への影響ということについて、向こうから発言がなかったということなのか、ただしたのか、その点を聞いているんです。
  155. 小波功

    政府参考人(小波功君) それで、今の点につきましても私ども確認をしたところでございます。  このいわゆるCRFの副司令官、国際担当という方は、当時その南スーダンに出しておりました部隊の安全等に直接責任を持つ立場の方でしたので、この方の、ですから、当然証言等によるものなんですけれども、いわゆる部隊等の安全の件であって、自分自身がその時点で国会等の議論でありますとかそういうものを念頭にそういう指導をしたものではないというふうに確認しております。
  156. 井上哲士

    ○井上哲士君 あれだけ国会で議論になっていることを念頭になかったというのは極めて不自然でありますし、この監察結果の中にはそういう、PKO参加五原則と南スーダン情勢の関係国会で大議論になっていたと、そのことの関係、一切ないんですよ。余りにも不自然でありますし、そして、今いろんな声ありましたけど、ほかのことは曖昧なのに、このことだけは明確に言われるというのは、私は極めて御都合主義だと言わざるを得ません。  そして、この時期はどうだったかといいますと、PKOの十一次隊、青森の部隊がもう内定をしておりました。そして、駆け付け警護の新任務どうするかというのが焦点になっていたんですよ。五月の末に中谷大臣が会見をして、新任務の付与の検討は現時点でしておりませんと、そういう事実はありませんという会見されています。一方で、八月の末には新任務のための訓練が始まっているんですね。つまり、一番検討していたときですよ。その真っ最中にこのジュバでの事態が起きたと。  家族からいろんな不安の声が上がっていました。ですから、家族向けの説明資料、私もここで質問しましたけれども、二月の時点の地図には戦闘発生箇所と書いてあるのに、八月時点ではこれが衝突に書き換えられていた。つまり、この七月前後の時点、あのジュバ以降の時点は、そういう新任務付与ということもある中で、戦闘という言葉を使わない、隠すということがずっと行われていたときなんです。その真っ最中にこういう判断が行われた。  私は、この特別監察で七月にこういう日報隠しが行われたということが明らかになった中で、やはり結局、現地情勢隠し、これが一番の背景にあったんじゃなかったかということがいよいよ浮き彫りになったと思いますけれども、小野寺大臣、どうお考えでしょうか。
  157. 小野寺五典

    国務大臣小野寺五典君) ただいま監察本部からその対象者についての報告があったと思います。この担当者がたしか七月のこの事件の発端になったという、大変私どもとしては、不存在と言ったそのスタートの問題でありますので、監察本部として注意深くその状況についても調査し、把握した結果を今御報告しているものと承知をしております。
  158. 井上哲士

    ○井上哲士君 先日出された防衛白書でも、昨年まではあった二〇一三年十二月のジュバでの戦闘という記述が削られております。つまり、国会でのいろんな答弁に合わせてそういうことがずっと行われているんですよ。そういう中で起きている問題だと。  しかし、こういう動機の問題は、結局、特別監察は全く踏み込んでおりません。一定の事実解明はされました。これはやっぱり制度の限界だと思います。この問題は、やはり国会の中で解明していく必要がありますし、これは虚偽答弁にもつながる問題でありまして、我々は、やはりなぜこういうことをしようとしたかという詳細な検証なしにはまた起こるということを問題として、この問題を深めることが必要だと思うんですね。  稲田大臣は、この特別監察による徹底的事実調査の上、防衛省自衛隊に改めるべき隠蔽体質があれば私の責任で改善していきたいと繰り返し答弁をされながら、辞任をされました。改めるべき隠蔽体質はあったんですか、あったとすれば改善をされたんですか。大臣、いかがでしょうか。
  159. 小野寺五典

    国務大臣小野寺五典君) 今回の一連の事案で、各機関から取得した関係書類等、現場確認及び面談により、本件日報管理に係る行政文書管理情報公開情報保全関連規則遵守状況確認した結果、情報公開法違反につながる行為を含む不適切な行為確認をされました。  御指摘の隠蔽体質がいかなる意味か明確ではなく、お答えは困難でありますが、職員の職務遂行の適正性を確保する観点から、このような法令違反する行為確認したものであります。  なお、特別防衛監察結果を踏まえた情報公開及び行政文書管理に対する再発防止措置につきましては、七月二十八日付けで通達を出しております。
  160. 井上哲士

    ○井上哲士君 現実を見てもらう必要があると思うんですね。  八日に陸自幹部学校で開かれた陸自フォーラムで、前田陸幕防衛部長が主催者挨拶に立ってこう言っております。日報問題等で陸自が隠蔽組織ではないかという報道がありましたけれども、そういうところは一切なくて、文書管理上のミスはあったと、こういう挨拶ですよ。私、ひどいと思うんですね。あるものをないと隠して、そして組織的にその後廃棄をしたと。これは文書管理上のミスとして片付けられるんでしょうか。大臣、いかがですか。
  161. 小野寺五典

    国務大臣小野寺五典君) 今御指摘のようなことがあったと、報道を承知をしております。  防衛監察本部監察結果を踏まえ、防衛省は、今後、再発防止策を着実に実施し、隊員意識改革等を行い、国民への説明責任を適切に果たすことにより、自衛隊への信頼を早急に回復することが重要だと思っております。  このような時期において報道にあるような発言があったとすれば誠に残念なことであり、私からは、本件報道に接し、直ちに該当する隊員に対して注意喚起を行いました。
  162. 井上哲士

    ○井上哲士君 前田氏は、発言直後にマスコミの取材に、監察結果を詳細に読まずに発言をした、詳細に読み、真摯に発言すると述べたというんですね。これだけ陸自のことが問題になっていて、国会でこういう審議をしている、そのときに陸自幹部監察結果もまともに読んでいないんですよ。驚くべきことだと思いましたよ。そして、文書管理上のミスであったと。  存在する日報を非存在として、発覚を恐れて組織ぐるみに廃棄までしたと、これは世間から見れば隠蔽なんですよ。隠蔽やっているということの自覚もないまま隠蔽をしていると、ここが私は深刻だと思うんですね。  かつて「たちかぜ」で、いじめ自殺問題で、アンケートを、遺族の開示請求に対して、存在しながら隠したということを取り上げたことがあります。当時、情報公開・個人情報保護審査会の答申は、処分庁には、つまり防衛庁には組織全体として不都合な事実を隠蔽しようとする傾向があったことを指摘せざるを得ないと、ここまで言いました。外部の答申であります。ここまで踏み込んだんです。  私は、その点からいいますと、今回の特別監察は一定の事実解明はありましたけれども踏み込みができていないと、これはいよいよ国会が事実解明をすることが必要だと思います。  今日の質疑、午前中も含めて、やはり当事者の出席なしには解明はできません。総理の関与がありますから総理の出席、さらには稲田大臣、黒江氏、豊田氏、岡部氏、湯浅氏、辰己氏など関係者の証人喚問も行うということも含めて求めまして、理事会協議もお願いをして、質問を終わりたいと思います。
  163. 宇都隆史

    委員長宇都隆史君) 引き続き理事会にて協議をいたします。
  164. 浅田均

    ○浅田均君 日本維新の会、浅田均でございます。  通告しておりますが、ちょっと順番を変えて質問をさせていただきたいと思っております。    〔委員長退席、理事阿達雅志君着席〕  まず、北朝鮮のミサイル防衛についてお尋ねいたします。  確認でありますが、今回、先月の七月二十八日午後十一時四十二分頃と思われる北朝鮮が発射しましたミサイルに関しまして、弾道ミサイル破壊措置命令というのは、これは出されたんでしょうか。防衛大臣になられる前の話ですので、関係者の方で結構ですが。
  165. 小野寺五典

    国務大臣小野寺五典君) ただいまの御指摘の弾道破壊措置命令については、その発出するしないについては、表に明らかに従前からしないことになっております。ただ、私どもとしては、必要な警戒監視体制はしっかり取っているということだと思います。
  166. 浅田均

    ○浅田均君 あのね、大臣、私、これもう前に一回質問させていただいたことあるんですけれども、いつミサイル破壊措置命令が出されて、いつ解除された、そういう答弁をいただいておりますので、いつそういう破壊措置命令出したというのは別に秘密にする必要はないと思いますし、やがて、もし日本に着弾するならば、国民に周知する必要がありますので、これは是非必要だと思っております。    〔理事阿達雅志君退席、委員長着席〕  それで、今回の場合、これ奥尻島から百五十キロメートル北西の海上に落下と。秒速大体四キロとか五キロで飛んできますから、三十度ぐらい傾けて、水平距離を伸ばそうと思えば領海内に着弾しているわけであります。  今回、午前中、衆議院の方でもお話ありましたけれども、グアムに向けて四発発射、同時に弾道ミサイル四発を撃ち込む案があるという報道がされております。これ、島根県、広島、どういうわけか愛媛か香川か欠けていると思うんですけど、高知県上空を通過とまで言われております。こういう場合、弾道ミサイル破壊措置命令は出されると思うんですが、これ、最悪の場合、国内に着弾したときに自衛隊として何か対応できることはあるんでしょうか。
  167. 小野寺五典

    国務大臣小野寺五典君) 基本的にはまず外交圧力で、このような対応を北朝鮮にさせないというのが基本だと思いますが、その上で、万が一このような弾道ミサイルの発射があった場合には防衛省自衛隊は万全の体制で国民を守る、そのような役割を担っております。  ただいまの御指摘であります万が一ということの想定でお答えさせていただきますが、万が一にも我が国弾道ミサイルが着弾した場合、防衛省自衛隊は、関係機関と連携しながら、航空機などからの被害状況確認、行方不明者の捜索救助、輸送車両などを活用した周辺住民の退避支援、危険物質の除染など、事態に応じて必要な措置をとることとしております。  なお、九州北部豪雨のため延期となっておりますが、先月には長崎県において弾道ミサイルの飛来を想定した国民保護訓練が予定されていたところであり、防衛省自衛隊も住民の避難誘導を中心に参加することにしております。  このように、私どもとしては、不測の事態に備え、平素から関係機関と連携し、国民の生命、財産を守るために万全を期していきたいと思っております。
  168. 浅田均

    ○浅田均君 それは当然万全は期していただきたいわけでありますが、先ほどの敵基地攻撃と関係してくるんですが、実際に着弾したと、北朝鮮は明らかに日本に対して攻撃するという意図がありますし、宣言しています。こういうときに、本当に個別的自衛権の範囲で、撃ってきたところに反撃するというのは自衛隊としてはできないんですか。
  169. 小野寺五典

    国務大臣小野寺五典君) ただいまの敵基地に対する攻撃能力についての御質問だと思いますが、その様々な状況に応じて個別の説明は難しいところでありますが、一般的に言えば、座して死を待つよりはという昭和三十一年の国会の答弁もありますので、憲法上は許されると解されると従前から政府は解釈していると承知をしております。
  170. 浅田均

    ○浅田均君 ありがとうございます。  何か、ミサイルが万が一ね、万が一ですが着弾したときに、人命救助とか、それはもちろん重要ですけれども、攻撃されて何もしないというのはやっぱり自衛隊の本来の役割からはちょっと逸脱しているような思いがありますので、その点、小野寺大臣になられたことですので、どういう対応をこれからしていくのか、国民にメッセージとして出していただきたいと思っております。  それから、また万が一の話ですが、これ着弾してしまったと、そこで人的、物的な被害が出たときに、これはどういうふうな対応になるんでしょうか。
  171. 小野寺五典

    国務大臣小野寺五典君) 先ほど来お話がありましたように、私どもとしては、この日本に対する攻撃に対しての抑止力という考え方は、まず、我が国防衛として自衛隊がしっかり国土を守るという体制を取っておりますが、万が一攻撃を受けた場合、当然それに対しての抑止力の意味で、打撃力の行使というのは日米同盟の中で米側が担うと、これが今までの防衛体制の基本ということになります。  今御指摘がありました、もし万が一弾道ミサイルが着弾した場合には、防衛省自衛隊は、関係機関と連携しながら、航空機などからの被害状況確認、行方不明者の捜索救助、輸送車両などを活用した周辺住民の退避支援、危険物質の除染などの事態に応じて必要な措置を講ずることになります。
  172. 浅田均

    ○浅田均君 それでは、日報問題に入らせていただきたいと思いますが、その前に文書管理についてお尋ねしておきたいと思います。  この日報については、「注意」、「用済み後破棄」の扱いであるが、標記の表示がなされていなかったと、これは特別防衛監察報告書に書かれてあります。これは誰かの判断でそうしたのか、あるいは、日報文書管理責任者というのは陸自の中央即応司令部防衛部長というふうに伺っておりますが、この方のミスでそうなったのか、どちらでしょうか。
  173. 小波功

    政府参考人(小波功君) お答えいたします。  ただいま委員から御指摘ありましたように、標記の問題について、そのミスに気が付きましたのは、先ほど来話題になっておりますCRFのいわゆる国際担当の副司令官が、本件日報についてその標記が何もなされていないということに気が付きまして、部下隊員に指導して標記を付けるようになったという経緯がございます。
  174. 浅田均

    ○浅田均君 今の御答弁ですと、CRFの副司令官が気付かれてそういう表示をしろと、それが二十八年の八月三日という理解でいいんですか。
  175. 小波功

    政府参考人(小波功君) はい、そういうことでございます。
  176. 浅田均

    ○浅田均君 特別防衛監察の結果報告の中に、平成二十九年三月下旬に陸自の指揮システムですか、そこにある掲示板の閲覧制限を指示したというふうにありますが、それは誰が指示をしたのか、そしてなぜこの時期にそういう指示をしたのか、お答えいただけませんか。
  177. 小波功

    政府参考人(小波功君) お答えいたします。  今回の特別防衛監察報告書でも書いておりますように、そもそも日報というのは注意文書であって、用済み後破棄というところも問題はあったんですけれども、誰にでも見せていいような、本来、隊内とはいえども、ものではなかったにもかかわらず、そもそも標記をしていなかったために、今回明らかになっておりますように陸上自衛隊内で大変広く拡散していたと。特に本件、南スーダンの派遣部隊から報告をする手段として陸自指揮システムの掲示板にアップロードしていたと。その掲示板のアップロードされているアクセス権がかなり多くの者に与えられていたという経緯がございまして、それをニード・ツー・ノウの原則ということで絞ったという経緯がございます。これについては陸幕幹部の方からの指示というふうに確認しております。
  178. 浅田均

    ○浅田均君 それで、掲示板の閲覧制限が平成二十九年三月下旬にされます。その制限される前に閲覧可能だったのは大体、概数でいいんですけれど、どれぐらいいらっしゃるんですか。
  179. 小波功

    政府参考人(小波功君) お答え申し上げます。  陸自指揮システムにアップロードされておりましたので、陸自指揮システムアクセスできる者ということですと、陸自指揮システムのIDを持っている者ということで、約四万人程度の者が概念的にはアクセス可能だったというふうに承知しております。
  180. 浅田均

    ○浅田均君 四万人ですか。何かすごい話ですね。四万人がその日報アクセス可能で、かつダウンロード可能だったわけですよね。  それで、そういう信じられないことが起きている中で、監察に入る前に、この特別防衛監察報告によりますと、二十八年の十二月十三日頃、陸幕運情部長は用済み後廃棄となっている日報存在しているとの報告を受けたと、その後、陸幕関係職員の指示により、本件日報を含む第十次隊までの日報が掲示板から破棄されたというふうに書かれてあります。  これ、問題なのは、陸幕運情部長が知った、報告を受けたのは二十八年十二月十三日頃とあります。その後、掲示板から破棄されたと。その後、正確に掲示板から破棄されたのはいつなんですか。
  181. 小波功

    政府参考人(小波功君) ここは私どもも確認に努めたところなんですけれども、ピンポイントでは日時は分かっておりませんが、十二月の中旬頃というふうに確認しております。
  182. 浅田均

    ○浅田均君 防衛監察でお調べになった範囲で、ピンポイントでは分からないけれど、十二月の中旬頃と。  これ、防衛省の中の方で、非常に重要なことですので、掲示板からいつ破棄されたかというのは把握されているんですか。
  183. 宇都隆史

    委員長宇都隆史君) 防衛省側で答えられる方、いらっしゃいますか、監察以外で。──じゃ、統括官、お願いします。小波統括監察官。
  184. 小波功

    政府参考人(小波功君) この点につきましては、物理的な廃棄といいますか、あっているデータを消していったという行為なものですから、ちょっと先日来御議論もあったかと思うんですけれども、この掲示板自体にはログが残るシステムになっていなかったという点もございまして、ピンポイントの確認が難しい事情にございました。  ただし、いわゆるヒアリング等を通じまして、この指示を受けた隊員の方の中で実際に廃棄を実施したとおっしゃる方とその方の勤務の実績等から、少なくとも十二月の中旬には、この指示受けましてからそれほど遠からぬうちに本件掲示板からデータが削除されたものと考えております。  それで、これは大変重要な行為でございますので、本文の中でもしっかりとこの件については情報公開法五条違反につながる行為ということで厳しく指摘したところでございます。
  185. 浅田均

    ○浅田均君 非常に微妙な、大事な質問の前にこれ聞きたいんです、絶対。十二月中旬といったら十五日ですか、十六日ですか、十七日ですか。分かりませんか。
  186. 小波功

    政府参考人(小波功君) 申し訳ございません。ですから、今回、私どももそこについてピンポイントで日時を確定しようといたしまして種々の努力をいたしたんですけれども、正確にピンポイントに確定できなかったと。  あと、事情は、これは十次隊までの日報が廃棄されたということで、作業量自体もちょっと膨大なところもございまして、要するに一次隊ですと半年分ですので、それ掛けるの十次隊までということですので、等々の事情から、少なくとも十二月の中旬までに本件日報、ですから十次隊の分が廃棄されていたんだろうということは確認しております。
  187. 浅田均

    ○浅田均君 廃棄のその日時がピンポイントで分からないと。それならば、これ、日報文書管理責任者は、先ほども申し上げましたが、陸自の中央即応司令部の防衛部長です、この方に廃棄を指示したという理解でいいんですか。
  188. 小波功

    政府参考人(小波功君) お答えいたします。  まず、この廃棄を指示した方がまず陸幕の運情部長ということで、陸幕幹部の方でございます。この方からの指示が正しくCRFまで伝わっていきまして、まさにその、ここでまた理屈が出てくるんですけれども、そもそも日報用済み後廃棄であると。ですから、本来の用途である、南スーダンの派遣隊からアップロードしてCRFの司令官に運ばれる、単線の道というか、本来の用途のものはもう廃棄されていたと。ですから、このアップロードされている部分は、いわゆるその廃棄漏れといいますか、そういうふうな理屈で廃棄をしていったということのようでございます、その本人たちの認識としてはですね。ですから、今のようなところで、さしたる抵抗感なく廃棄が行われていったということのようでございます。
  189. 浅田均

    ○浅田均君 この報告書の中に、十二月の、まあ日にちは特定できないけれども中旬に廃棄の指示が出されて、これ報告書によりますと、十二月二十六日に統合幕僚部で発見ですよね。二月上旬まで陸幕、CRF司令部の複数の端末にまだこの日報が保有されていたというふうに記されてあります。  十二月の中頃に指示して、二月の上旬までCRF、当の中央即応集団司令部、そこにまだ残っているというのは僕どうしても理解できないんですけれども、これは間違いないんですね。
  190. 小波功

    政府参考人(小波功君) はい。ですから、まさにその今御指摘を受けましたこの掲示板自体が南スーダンから日本への伝達の経路として使われたものでございまして、そこが、ですから本件日報の元ではあるんですけれども、御案内のように、大変アクセス権を多くの者に与えていた関係で、既にその本件掲示板から削除された平成二十八年の十二月の時点でかなり多くの日報が既に陸自内に拡散していたのだろうと推測されます。  それは、今回私どもが、もう一つの論点でありました本件日報保有状況ということで、報告書の八ページで、過去少なくとも百七十八名の方が日報を保有していたことがあり、現在でも陸自の中で二十九名の方がまだデータの形で持っておられるという報告を上げておりまして、私どもとしては正直に実態を公表させていただいたところでございます。
  191. 浅田均

    ○浅田均君 これ特別防衛監察本部の方に聞く質問ではないのかもしれませんが、先ほどアクセス、ダウンロードできる者が四万人と、概数四万人とおっしゃいましたが、この四万人、ダウンロード可能な人たちに対して、これ用済み後破棄だから破棄せよという指示は出ているんですか。
  192. 小波功

    政府参考人(小波功君) 報告書の本文でも記載させていただいたところなんですが、実はこの本来の大本である掲示板の廃棄は十二月に行われているんですけれども、その後、二月等累次に、それぞれいわゆる廃棄漏れがまだあるということを念頭に、陸幕幹部等から廃棄の指示は出ております。それについても本文で問題のある行為として書かせていただきましたが、いわゆる二月の七日等に公表を決めて出した、防衛省としてもう既に統幕にあるものを公表した以降の行為であれば、基本的には情報公開法そのものの違反ではないだろうということで、不適切な行為という形で記載させていただいたところでございます。
  193. 浅田均

    ○浅田均君 これ一番大事なところなんですが、これは三月二十一日の本委員会で私を含め複数の委員が当時の稲田大臣に質問しております。稲田大臣は、十二月十六日に陸幕長から廃棄済みのため不存在という報告を受けたが、日報はどこかに存在するのではないか、探して、そしてあれば公表するよう指示をしたという答弁されているんですね。  だから、十二月の半ばというのは非常に重要な時期で、思うにこれ、稲田大臣、ここに前大臣がいていただいて、いつ誰にこういう指示をしたというのを聞きたかったんですけれども聞けない。また絶対来ていただいてこの点だけは明らかにしないことには、あなた隠蔽しているでしょうと、シビリアンコントロールの一番肝腎なところに触れるようなことしているでしょうと言いたいんですけれども、そこまで言えませんから、是非それは委員長におきましてお取り計らいいただきたいと思いますが。  小野寺大臣、当事者ではないんですけれども、陸幕長が不存在ですという報告に来られた、小野寺大臣が、そんなことはないと、あるはずだから探しなさいと陸幕長に言われたとします。陸幕長から当然返事はもらいますよね。
  194. 小野寺五典

    国務大臣小野寺五典君) 通常は、指示をすれば、それに対する返答が来ることだと思っております。
  195. 浅田均

    ○浅田均君 だから、稲田大臣は、あるはずだから探せとそのとき報告に来た陸幕長に指示をしているんですよ。陸幕長がそれに対して返事していなかった、報告していなかったら、職務履行義務違反ですか、違反になりますし、もし稲田さんに届いていたとしたら稲田さんが隠蔽していたということになります。  だから、これ、十六日、十二月中旬に、ピンポイントでは特定できないけれども、その時点で破棄の指示をしたと言われていますが、二月までは陸自にそれが残っていたという事実はあります。だから、多分、多分ですよ、陸自には残っていた、それを言えなかった、稲田さんも多分知っていた、今の話からいくとそう推測するのが当然の結論となります。  まだグレーです。グレーだから稲田さんに来ていただいて、是非今のところをはっきりさせていただきたいと思います。委員長にお取り計らいよろしくお願い申し上げます。  以上で終わります。
  196. 宇都隆史

    委員長宇都隆史君) 引き続き理事会におきまして協議をいたします。
  197. アントニオ猪木

    アントニオ猪木君 元気ですか。元気があれば何でもできる。今日は河野大臣初めてなんで、びっくり、もう取りあえずここからじゃないと始まらないものですからですね。  元気があれば熱中症にも勝てるということで、今年も熱中症が随分出ていますが、私も去年、実は熱中症にかかりましたとこの委員会で話をして、熱中症は熱中症でも恋の熱中症だったんで結構やばかったんですけどね。でも、一線は踏み越えていなかったんで大事には至りませんでしたということで、くだらない話で済みません、毎回。  今回は、小野寺大臣、二度目の重責ということで、単刀直入に質問させていただきたいと思います。  私はスポーツ交流を通じて世界平和というものを、ずっと一貫した私の主張なんですが、本当になぜ今この時代に、東西冷戦ではありませんが、こんな、アメリカも、あるいは中国、そしてロシア、そしてほかの国も含めてぎくしゃくし、本当に間違えばまた戦争状態に入るんじゃないかみたいな方向に、本来ならば、七十何年たった、もっと違った形の平和というものを、日本が、逆に言えば、主導的立場で訴えていかなければいけない、私はそう思うんですがね。  大臣は、主権・独立維持、平和を守るための根幹を我が国自身の努力、日米同盟の強化、安全保障の積極的な推進とおっしゃっておられますね。外に対する備えも大変重要ですが、人と人の関係、特に平和というのは、もっと話し合った、私の場合は、何回か委員会でも申し上げましたが、イラクの人質の解放というのがあり、結果的には皆さんが解放になったということで、そういう平和を求める気持ちは皆さん一緒ですけど、そこにやっぱり国の利権、いろんなものが絡んでまいりますので、その点について小野寺大臣見解をお聞かせください。
  198. 小野寺五典

    国務大臣小野寺五典君) 猪木委員には久々に気合を掛けていただきまして、ありがとうございます。  今、猪木委員からお話がございましたが、猪木委員が日頃実践されておりますスポーツ平和外交、これは大変重要なものだと思っております。  どの国の国民であれ、願うのは家族の健やかな生活、平和な暮らしであると思います。ただ、残念ながら、それぞれの国と国との立場の違いで、時には緊張感を持って対応することも必要なんだと思っております。  今、私が与えられているのは防衛の役目でありますので、これは国をしっかり守るという役割ではございますが、これだけでは私はいけないんだと思っております。今日は河野外務大臣、来ていただいておりますが、やはり外交で様々なことを解決していく、人と人とのつながりの中で平和な社会をつくっていく、これが相まって初めて私は日本の安全が保たれると思っております。  これからも、平和外交の推進にスポーツ交流の中でお力を賜れればと思っております。
  199. アントニオ猪木

    アントニオ猪木君 自衛隊隊員の皆さん、災害が起きれば、それこそ本当に命懸けということで、テレビでも放映されているとおりですが、他国での治安維持活動を通してまた信頼を勝ち取っていく、大変ないろんな役割があると思いますが、当面、非常に台風の多い我が国ですから、そのときに活動できるのは自衛隊だと思っております。事実、そうだと思います。  そして、私も震災の後、すぐ翌日にトラックで我々の仲間が物資を運んだんですが、最初は止められたんですが、事情を説明したら逆に自衛隊が案内をして、目的を達することができたということで感謝しております。  そこで、ここ最近は、いろいろ本当に、世の中毎日、何でこんなことが起きるのかということがテレビで放映される。今まではテレビがなかった時代ですから、あっても報道されなかったのかもしれませんが、とにかくそういうものに我々も大変影響を受ける部分、できるだけテレビを見ないようにしようかなと思うけど、やっぱりついテレビを回してしまいます。  先ほども、日報問題、それからいろんなものがもう同僚の先生方からも質問が出たので、日報問題に関しては、多分もう忘れていますかね、ジャイアント馬場という選手が私のあれでいましたけど、あの人のアッポーという、よくあの人のまねをするんですけどね、時々、体が大きいということでジャイアント馬場に間違われるということがあるのでね、この人は何を言っているのかなと思って、そんなばかなまねもしたことありますが。  自衛隊への信頼ということで、今回いろいろ批判もされ、そういう中で再び強固なものにするためにいろいろ話も出ていますが、根本的な、やっぱり時代が変わり目というか、ここが、そういう今まであった形がそうでなくなっていく。今、いろんな事件が表に出ていますが、一昔二昔前だったら当たり前の話だったのが、それが許されないという時代になっています。その辺について大臣の御決意をお聞かせください。
  200. 小野寺五典

    国務大臣小野寺五典君) 子供の頃、馬場さん、猪木さんという日本のスター、ヒーローに憧れた一人であります。  今、防衛省自衛隊についての御評価をいただきました。  今回の日報問題で一番私どもが申し訳ない、悔しいと思うのは、この瞬間も日本のミサイル防衛のためにイージス艦で二十四時間三百六十五日勤務に当たる隊員もおります。レーダーサイトでしっかり空を見守る隊員もおります。ペトリオットの部隊で厳しい環境の中、待機をしている隊員もございます。九州北部豪雨でいまだに捜索、そして復興支援をしている隊員もございます。そういう現場隊員が一生懸命頑張っている中で、防衛省自衛隊の一部に今回の文書を含めた様々な不適切な対応があったということで、現場士気に影響が及ぶことが私どもとしては一番悔しい問題であります。  一刻も早く私どもとして国民信頼を勝ち得るように努力してまいります。
  201. アントニオ猪木

    アントニオ猪木君 次に、防衛省の現状についてお聞きしたいと思いますが、自衛隊OBの佐藤外務大臣にお伺いしたいと思いますが、いろんなお話をさせてもらったことがありますが、カンボジアあるいはソマリアのときも自衛隊の前に私も乗り込んで、夜、銃撃戦が起きているような状況の中で、非常に現場を踏まなきゃ分からないという、その点については佐藤先生と全く意見が一致いたします。  それで、いろんな中でやっぱりやる気が大事だということで、今の自衛隊士気についてどう感じておられるか、それに対して今後どう対処していくべきかという率直な質問をさせていただきたいと思います。
  202. 佐藤正久

    ○副大臣佐藤正久君) 外務大臣を拝命しました佐藤正久です。今後ともよろしくお願い申し上げます。  猪木委員におかれましては、スポーツ平和外交に加えて、今話がありましたように、自衛隊、特に隊員に対する思いというものを日頃から披露していただき、本当に有り難いと思っております。  ただ、お尋ねの件につきましては、外務大臣として答弁することは差し控えたいと思いますが、その上で、自衛隊OBとしての見解を申し上げれば、厳しさを増す安全保障環境の中、自衛隊は与えられた任務を黙々と遂行しており、日本の防衛に揺るぎはないというふうに考えます。  ただ、一般論として、国民信頼があっての自衛隊ですが、法令を遵守すべき自衛隊法令違反の疑いがあるとの指摘を受けた場合とか、あるいは内部情報が部外に流出しマスコミ報道を受けて内部調査が行われた場合、国民からの信頼が揺らぐ可能性もあり、そういう場合には現場士気にも影響を与えるということも起こり得ると思います。  また、これも一般論ですが、内部調査であれ、調査をされるということは士気に全く影響がないということも言えないし、全国の駐屯地で調査がなされ、ヒアリングに多くの時間が取られたり、調査のためデータ印刷に数万枚の紙を使った場合、年間の割当てをほとんど消費してしまう可能性があった場合、結果として業務に影響が出たような場合には士気にも若干の影響が出る場合もあろうかと思います。  ただ、前半に申し上げましたように、自衛隊は今この瞬間も揺るぎのない防衛体制を取っており、士気も旺盛だというふうには思っております。  今後は、国民信頼を得るために、与えられた任務を一つ一つしっかり遂行するということが大事だと思いますし、また、様々な安全保障関係の問題につきましては、外交防衛やら関係機関が一致して一丸となって対応していくということが大事だというふうに考えます。  以上です。
  203. アントニオ猪木

    アントニオ猪木君 もう一つ、質問に入っておりませんが、稲田大臣がおられたときにこういう質問をさせてもらいましたが、大臣として隊員の皆さんから尊敬されていますかという質問をさせてもらったことがあります。そのときは何か曖昧な答えだったかなと思いますが、一つ、当時の稲田大臣が敬礼の仕方を知っているのかなと、それだけ質問しようと思ったけど、辞められちゃったので質問できないので、陸海空の敬礼の仕方が違うということで、もしよろしかったら教えていただきたいと思うんですが。
  204. 佐藤正久

    ○副大臣佐藤正久君) 確かに陸海空の自衛隊の敬礼というのは若干違いがあるというふうに、私も現役時代、私の経験上感じていました。陸上自衛隊と航空自衛隊はほぼ同じ、こういう形だと思います。海上自衛隊の場合は、あるいは潜水艦、あるいは艦艇というように狭い場所に乗る関係上、部署によっては若干こういう縦型の敬礼をするという場合があろうかと思いますけれども、ただ、いずれにしても、やはり上官に対する敬意、あるいは自分の士気の旺盛さを示す、規律、団結あるいは士気という面でも敬礼というのは非常に大事な要素だというふうに思います。
  205. アントニオ猪木

    アントニオ猪木君 回れ右、敬礼、なんて言われたら困りましたけどね。それ以上質問しません。もうありがとうございます。  次に、ICBMについて質問をさせていただきたい。  北朝鮮をめぐる安全保障環境について報道がされております。北朝鮮の核兵器が驚くべきスピードで進歩している。米国の推定では核爆弾の小型化を開発終了したものと報じられていると、新聞に出ておりました。ICBMに搭載可能になるのも時間の問題ではないか、小型化の核兵器に対しパトリオット、PAC3など、どのような対処をするつもりなのか、脅威に感じている国民も少なくないと思います。  大臣防衛省見解をお聞かせいただきたいと思います。
  206. 前田哲

    政府参考人(前田哲君) お答えいたします。  今委員指摘の核兵器が搭載された弾道ミサイルでございますけれども、これはその他の弾道ミサイル、いわゆる通常弾頭等の弾道ミサイルと同様に、自衛隊が保有しております装備で迎撃を行うことになるわけであります。具体的には、PAC3といったミサイル、あるいはSM3搭載のイージス艦、こういったもので多層防衛の体制をつくってございます。これを用いて我が国全域を防衛するということになります。  その上で、一般論として申し上げますと、核兵器が搭載された弾道ミサイルを迎撃した場合には、迎撃によりまして起爆装置等の機能、これは喪失をさせるということになろうと思います。核爆発による被害は、したがって発生しないものと考えております。  現在、防衛計画の大綱に基づきまして、我が国全体を多層的、そして持続的に防護する体制を強化をいたしております。具体的には、PAC3の能力向上型のMSEという弾頭、それから弾道ミサイル対処能力を持っておりますイージス艦、この数を増やす、増勢をさせる。そして、そのイージス艦に積んでおりますSM3というミサイルの、これまた能力向上型のブロックⅡAというものの取得、こういった種々の取組を積極的に進めているところでございます。  今後とも、こうした取組等を通じまして、弾道ミサイルの脅威から国民の生命、財産を守るべく万全を期してまいりたいと、このように考えております。
  207. 小野寺五典

    国務大臣小野寺五典君) 北朝鮮の核、ミサイルの開発の問題については、私どもしっかりとした対応を取ってまいりますし、また、北朝鮮の様々な能力の向上もございます。それに合わせ、様々な見直しをしながら、しっかりとした体制をつくってまいりたいと思います。
  208. アントニオ猪木

    アントニオ猪木君 大変、報道で流される部分と、私が四十一回ですかね、訪朝している中での、向こうの要人と話した中、やはり世界戦略、世界に向けての報道の仕方というんですか、その国にとって有利な報道というのがあると思いますが、アメリカの報道と同時に、北朝鮮側の言わんとしていることを、こうして交流をしていれば、正しい正しくないというようなことは別にして、人が接することがいかに大事かなと、私はそう思っております。  最後に、外務大臣にお伺いいたします。  マニラで行われた日米韓外相会議で、中国及び北朝鮮と接触されたということが報道され、大臣が肌で感じたことを差し支えなければお聞かせ願いたいと思いますが、非常に、何かの接点が起きて、そこからまた次へ広げて、また深い話合いにということであれば、大変今回は、内容は後でお聞きしますが、そういう一つの触れ合ったことは評価できるかなと思います。  そこで、できる範囲内で結構ですから、お聞かせください。
  209. 河野太郎

    国務大臣(河野太郎君) 今度のマニラの会議は外務大臣就任直後でございました。かなり多くの外務大臣といろいろと話をさせていただきましたが、韓国、中国の外務大臣とは忌憚のない、いろんな議論ができるのかなという感触を得ました。北朝鮮の問題については、今は対話というよりは圧力をきちんと掛けるべきだということを申し上げましたし、国連の安保理決議に基づいてこれをしっかりと全面的に履行していくことが大事だということを私の方から申し上げましたし、また日韓、日中、お互い外務大臣レベルで緊密に連絡を取って、行き来をしてやっていきたいということを申し上げました。  北朝鮮の外務大臣とは会談というよりは接触というレベルでございましたが、日本側の基本的な、核、ミサイルあるいは拉致を包括的に解決をして両国関係を前に進めていく平壌宣言が我が国の基本的な立場であるということを申し上げました。北朝鮮とは接触という本当に短時間の話にとどまったわけでございます。  東アジアの平和と安定を保っていくために、やはり外相レベルでもきちんと緊密な連携を取って様々な問題、当たらなければならぬという思いを強くした次第でございます。
  210. アントニオ猪木

    アントニオ猪木君 李容浩外務大臣だと思いますが、本当に、私が何回かの訪朝やあるいはスポーツ交流という部分で、今大臣がおっしゃられた部分で、張雄さんというのは本当にオリンピックの中でもう一番の古株で非常に信頼が厚い。東京オリンピックが決まったときもいち早く森先生のところへ来て、決まりましたよという、そういう報告をしてくれたという。この前日本にも来られたようで、どこか対話の窓口というんでしょうかね、圧力、対話、これはもう毎回お聞きしていますので、対話のできるような一つどこかドアを開けておくことが必要であろうと思います。  そこで、スポーツ交流というのは世界が認めているわけですから、その辺をひとつ、これから最悪の状態にならないためにも日本がひとつ一歩踏み出して、アメリカと北朝鮮の間に入れるくらいの人間関係が北にできていれば、本当にこれから、我々が報道で受けるだけではなく、次の未来志向ということで、是非外務大臣にもその辺を積極的に頑張っていただきたいと思います。  そこで、急遽今回委員会が決まりましたので、私も慌てて予定を変更して今日は質問させてもらっていますが、本当にこういう時間もいただいて、先ほどもよく、それにはお答えできません、あるいは、前回のテレビでは記憶にありませんというのもありましたけど、その辺が本当にもっと、何ですかね、ざっくばらんというか、大衆レベル、国民が分かるようなこういう委員会でもやり取りであった方がいいんではないかと思いますが、本当にこういう時間をいただいておりますので、貴重な時間として、ひとつこれから、新しい今日は外務大臣来られたので、是非是非また小野寺大臣には力を発揮してもらって、佐藤大臣にはひげをもっと立派にしてもらって、よろしく。  どうもありがとうございました。
  211. 糸数慶子

    糸数慶子君 沖縄の風、糸数慶子です。  まず、小野寺大臣、河野大臣、御就任おめでとうございます。本日、伊波洋一委員に代わりまして久しぶりに外交防衛委員会で質問させていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。  まず、オーストラリア沖で発生した普天間飛行場所属のオスプレイ機の墜落事故について質問させていただきます。  今月五日、オーストラリア北東部沖で米軍普天間飛行場所属のオスプレイが墜落いたしました。死者三名という大変痛ましい事故です。御存じのとおり、オスプレイは昨年十二月にも沖縄県名護市安部で墜落、大破するという大変大きな事故を起こしています。  沖縄県民がオスプレイ配備に強く反対する中、二〇一二年十月に普天間飛行場へ強行配備され、五年となりました。この五年間で配備された二十四機のうち既に二機が墜落、全壊しております。恐ろしいほど高い確率で墜落をしております。  この件に関しましては、小野寺大臣に、現在政府が把握しているこの事故の事実関係と事故原因、そのことについてお示しをいただきたいと思います。
  212. 小野寺五典

    国務大臣小野寺五典君) 防衛省としましては、今回の事故の発生直後に在日米軍副司令官が防衛省に来られて、そしてその状況についての報告があったというふうに承知をしております。今、米側とのやり取りをしておりますので、最新のこの事故の状況の把握については事務方から答弁をさせていただきたいと思います。
  213. 前田哲

    政府参考人(前田哲君) お答えいたします。  事実関係でございますが、アメリカの海兵隊によりますと、普天間飛行場所属のMV22オスプレイ、日本時間の五日午後四時頃でございますが、オーストラリア東海岸沖で訓練中、輸送揚陸艦グリーン・ベイへの最終進入中にデッキに衝突し、その後、海中に落下したということでございます。乗員二十六名中二十三名は救助されましたが、大規模な捜索救助活動の結果、最終的に三名のアメリカの海兵隊員の死亡が宣告されたと、このように承知をいたしてございます。事故の状況につきましては、引き続き米側において調査中でございます。  防衛省としても、米側に対して事故の事実関係、評価等につき詳細を確認しているところでございます。
  214. 糸数慶子

    糸数慶子君 昨年十二月の名護市安部における墜落の際、米軍は事故の僅か六日後にオスプレイの飛行を再開し、三週間後には極めて危険な空中給油訓練も再開をしました。当時の稲田防衛大臣、そして菅官房長官も容認しました。最終報告も出ていない中で、なぜオスプレイの飛行再開を認めたのでしょうか。具体的にどのような安全性を確認されたのか、小野寺大臣にお伺いいたします。
  215. 深山延暁

    政府参考人(深山延暁君) お答え申し上げます。  昨年十二月のオスプレイの不時着水についてお尋ねがございました。防衛省としては、昨年十二月のオスプレイの不時着水後、その飛行再開に当たって、オスプレイ全ての機体に対し飛行安全上重要な箇所の確認を行い、機体には問題がないこと、事故の原因は空中給油中にプロペラのブレード、これは羽根でございますが、給油ホースに接触したことによると考えられること、引き続き空中給油については停止し、その再開は集合教育、手順の確認等が完了した後とすることといった米側の対応等を確認いたしました。  また、本年一月六日の空中給油の再開に当たっては、防衛省自衛隊の専門的知見や経験に照らして、本件事故を引き起こした要因について様々な可能性を分析いたしまして、それらの要因を幅広く網羅する再発防止策を米側において全て実施したということを確認いたしたところでございます。  さらに、米側においては、その時点で、一月の時点でございますが、今後とも空中給油訓練は陸地から離れた海域の上空でしか実施せず、陸地の上空では実施しないといったことも米側と確認したところでございます。  こうした措置をとりまして、十二月の飛行再開、また一月の給油再開ということになったところでございます。  いずれにしましても、オスプレイを含む米軍機の飛行に際しましては、安全の確保が大前提であるという認識の下に、米側に対しては安全面で最大限配慮するとともに、地域住民の方々に与える影響を最小限にとどめるよう引き続き求めてまいりたいと考えておるところでございます。
  216. 糸数慶子

    糸数慶子君 安全性の確認ということではしっかりやったということですか。安全性を確認されたにもかかわらず、なぜ今回このような改めてまた事故が起こったんでしょうか。大臣、お伺いいたします。
  217. 深山延暁

    政府参考人(深山延暁君) まず、その時点の安全確認について私からお答えを申し上げたいと思います。  私ども防衛省は、給油再開に当たりまして、委員から御指摘ありましたように、まだ最終報告は出されておりませんが、その時点で八つの可能性があると、これ詳細はちょっと避けます、八つの可能性があるということを分析いたしました。  その上で、米側から説明を受けた米側によって取られた対策、例えば、天候や飛行条件を事故が発生したときと同じものに設定して地上シミュレーターを用いて空中給油のシミュレーションを実施した、あるいは、海兵隊と空軍、これは不時着水におきましては給油した飛行機は空軍、給油を受けたオスプレイは海兵隊でございましたが、海兵隊と空軍が事故を検証し合って飛行中の連携要領を再確認した等々、幾つも措置をとったということを、私どもが想定しました考えられる可能性と突き合わせまして、しかるべき対策が取られているということで、当時、今年一月の時点では給油再開というものが日本としても理解できるという判断をしたところでございます。  今次のことにつきましては、まだ詳細については必ずしも明らかになっていないので、ちょっと言及は差し控えたいと思います。
  218. 糸数慶子

    糸数慶子君 八つのその可能性を分析し、そして対策を取ったということなんですが、結果的にはそれは生かされていないという結果に今回なったのではないですか。  今回の事故を受けて、小野寺大臣はオスプレイの飛行自粛を二度米側に求めたというふうに聞いております。一度目の要請後、一日もたたないうちに普天間からオスプレイが飛び立っています。私は昨日、伊波洋一委員と一緒に沖縄防衛局中嶋局長に対してこの件についても強く申入れと抗議をしてまいりました。しかも、沖縄防衛局によれば、七日の午後十時四十七分まで、あろうことか協定を破って十時過ぎた夜間飛行を行っているわけです。シュローティ副司令官は小野寺大臣に対して、安全性を確認した上で運用上必要との判断を米側がしたと述べたようですが、日本政府の飛行自粛の要請をこれは完全に無視した暴挙と言わざるを得ません。  本来であれば、政府として米軍に対して厳重に抗議し、飛行の自粛要請ではなく日本国内における飛行を即時中止すべきだと思いますが、小野寺大臣見解をお聞かせください。
  219. 小野寺五典

    国務大臣小野寺五典君) 今回の事故については、日本国外で発生し、現在米側において事故の状況について調査中と承知をしておりますが、国内で不安の声もあることを踏まえ、飛行の自粛を要請をいたしました。この要請以降になされた七日の飛行については、米側から、六日の飛行自粛の要請を受け止めているものの、安全性を確認した上で運用上必要との判断により行ったという説明がございました。  防衛省としては、引き続き米側に対して安全面に最大限配慮するように求めてまいりたいと思います。
  220. 糸数慶子

    糸数慶子君 今回は日本国外で起こった事故ということなんですが、日本国外で起こった事故は沖縄でも日本でも起こる可能性が十分あるわけです。  沖縄県内でこのオスプレイの住宅地上空での低空飛行、さらには夜間訓練が常態化しています。さらに、大きな危険を伴う物資のつり下げ訓練も行われております。実際に家屋の損害やいろんなその被害も出ておりますが、このオスプレイの騒音や粉じんによる健康被害も報告されておりまして、周辺住民に悪影響が出ております。  政府としてどう対応されるのでしょうか。またしても効果のない、周辺住民に与える影響を最小限にとどめるように申し入れるだけなのか、改めて政府対応をお伺いします。小野寺大臣にお伺いいたします。
  221. 深山延暁

    政府参考人(深山延暁君) ただいま委員から粉じんあるいは家屋に対する損害という御指摘もあったところですが、こうした御指摘を沖縄防衛局も宜野座村の方々から受けているという報告を私も受けておるところでございます。  防衛省としては、まず、そうした被害につきましては、被害の実態、具体的な因果関係の把握に努めつつ、どのような対応が可能か検討してまいりたいと考えておるところでございます。  また、つり下げ訓練についても御指摘がございました。累次御答弁していますが、米軍は従来、その任務遂行能力を維持して日米安全保障条約の目的を達成するために必要な訓練は行っているところでございますが、米軍が訓練を行うに当たっては、公共の安全に妥当な配慮を払うのはこれまた当然のことでございます。  いつも申し上げているところでございますけれども、我々といたしましては、引き続き米軍と緊密に連携を図りながら、安全面に最大限の配慮を求め、地元の皆様に与える影響が最小限にとどまるよう対応してまいりたいと考えているところでございます。
  222. 糸数慶子

    糸数慶子君 もう本当に今の答弁を聞いて、改めてショックです。  今回の事故で最も衝撃だったのは、日本の防衛大臣の自粛要請も米軍は無視できるということなんです。米軍が運用上必要と考えればいつでも飛行再開できるわけですが、これは不平等な日米地位協定があるためで、日米地位協定がある限り、日本政府は米軍に対し無力であるということを改めて明確に示したというふうに思います。日米地位協定はやはり抜本的に改定すべきだと考えますが、小野寺防衛大臣、河野外務大臣の御見解をお伺いいたします。
  223. 小野寺五典

    国務大臣小野寺五典君) 日米地位協定につきましては、様々な御意見があることは承知をしております。政府としては、日米地位協定について、これまで手当てすべき事項の性格に応じて効果的にかつ機敏に対応できる最も適切な取組を通じ、一つ一つの具体的な問題に対応してきているところであります。引き続きそのような取組を積み上げることにより、日米地位協定のあるべき姿を不断に追求していく考えであります。
  224. 堀井巌

    大臣政務官堀井巌君) この度、外務大臣政務官を拝命いたしました堀井巌でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。  日米地位協定についてでございます。今、小野寺大臣からも答弁ございましたように、様々な意見があることは承知をいたしておりますが、この日米地位協定は合意議事録などを含んだ大きな法的な枠組みでございます。このため、政府といたしましては、先ほど小野寺大臣からの御答弁にもありましたように、手当てすべき事項の性格に応じて効果的にかつ機敏に対応できる最も適切な取組を通じ、一つ一つの具体的な問題に対応してきているところであり、引き続きそのような取組を積み上げることにより、日米協定のあるべき姿を不断に追求していく考えでございます。
  225. 糸数慶子

    糸数慶子君 日米地位協定、本当に不平等条約だと言わざるを得ません。米軍が運用上必要というふうに言えばもう何でもできるという、そういう実態に関して抜本的に改定すべきだということを改めて申し上げたいと思います。  オスプレイはこれまで多くの死者を出しています。このような欠陥機を日本国民の頭上で飛ばすことなど多くの国民は納得しておりません。政府には、オスプレイの国内での飛行中止を求めるとともに、予定されている自衛隊への導入についても撤回すべきだと考えますが、小野寺大臣見解を伺います。大臣見解を伺います。
  226. 小野寺五典

    国務大臣小野寺五典君) 今回の事故につきましては、日本国外で発生し、現在米側において事故の状況について調査中と承知をしておりますが、国内で不安の声もあることを踏まえ、まずは飛行の自粛を申し入れております。  現在、防衛省においては、米側に対して、事故の事実関係、評価等につき詳細を確認しているところであり、引き続き安全面に最大限配慮するということに要請をしております。  V22オスプレイにつきましては、我が国を取り巻く安全保障環境が一層厳しさを増していることを踏まえ、陸上自衛隊の島嶼防衛能力の強化を図るために不可欠の装備品であり、長崎県佐世保市に配備する水陸機動団の一体性の確保等の観点から現在配備を進めております。  防衛省としては、安全性に今後とも注意を払う中でしっかりとした対応をしたいと思っております。  なお、従前の私の防衛大臣のときに、小笠原の方から急患空輸のためにもこのオスプレイの導入についての要請がございました。防衛の分野だけではなく、災害救助あるいは急患空輸のためにもこの装備が活用できるよう、私どもしっかりとした体制づくりに努めてまいりたいと思っております。
  227. 糸数慶子

    糸数慶子君 自衛隊に関しては、災害、救急、あらゆる面で本当に多くの国民の期待に応えるべく頑張っていることは認めております。ただし、欠陥機オスプレイを配備する、そして欠陥機オスプレイを導入するということに対しましては、これだけの事故を起こし死者を出しているという面から考えてやはり安全だとは思いません。改めて導入をしないように申し入れて、次の問題に移りたいと思います。  次に、日報問題についてお伺いをしたいと思います。  日報問題で国民の疑問に丁寧に答えるつもりがあるのであれば、少なくとも当委員会において、安倍総理稲田大臣、豊田事務次官、そして岡部前陸上幕僚長、湯浅陸上幕僚副長、北村防衛監察監の出席、そして、防衛監察関係資料、特に陸自監察本部に提出した報告書、二月十三日の大臣レクの手書きメモなどは事前に資料提供していただき、充実した審議を図るべきでした。これらを拒否されている与党の国会運営について強く抗議をし、質問したいと思います。  十一月十五日、多くの国民が反対する中で、安保法制に基づく駆け付け警護の新任務が、PKO五原則が崩れたと言える南スーダン派遣部隊に付与されました。国民の駆け付け警護への反対は、PKO五原則に反して派遣され続け、駆け付け警護という危険な任務を負わされている自衛隊員一人一人の命を守りたい、大切にしたいという感情に根差したものであります。安保関連法に反対するママの会の「だれの子どももころさせない」というスローガンもそれを表していると思います。  昨年、こうした議論を行う際の最重要の資料である派遣部隊の日報国民から隠され、国会に提供されませんでした。安倍政権は二月上旬まで都合の悪い真実を国民から隠すことに成功した、つまり隠蔽の目的が達成されたと疑われても仕方ありません。安倍政権の根幹には、何が何でも米国の軍事戦略に追従し、米国の国益に応えていこう、そのためには自衛官の命、国民の命を犠牲にしても仕方ないという考えがあるのではないでしょうか。  小野寺大臣は、今般の日報問題について、二月に統幕から開示されたから問題ないとテレビの番組で発言されていましたが、こうした不当な情報開示の遅延、隠蔽体質こそが情報開示法第五条違反ではありませんか。改めて、日報問題に関する大臣の御所見を伺います。
  228. 小野寺五典

    国務大臣小野寺五典君) 御案内のテレビでの恐らく発言かとは思いますが、そのときの私の発言の真意は、日報については二月の段階で稲田大臣調査をされ、そして公表している、ただ、その公表している資料というのは既に開示者にお渡しをしているということであります。  ただ、今回の一連の公開に至る過程におきましては、七月の段階でまず不開示という判断がなされ、その後、開示に至る過程においては様々な問題があったということも今回防衛監察の中で明らかになりました。  この全体の流れを見る中では、やはり今回のこの日報の扱いに関しては防衛省自衛隊として改善すべき点が多々あり、そしてまた、この案件に関して責任を取る形で大臣事務次官陸幕長辞任をする、大変重いことだと思っております。しっかりとした再発防止に努めてまいりたいと思っております。
  229. 糸数慶子

    糸数慶子君 七月三十一日の自民党国防部会において、日報開示文書対象にしていることが問題の根幹ではないかと、情報公開に疑義を唱える意見が出されたと報道されています。他方、小野寺大臣は、就任会見において、日報問題の再発防止を徹底し、国民信頼回復に向けて全力で取り組む、防衛省自衛隊において情報公開重要性に対する認識が十分でなかったと述べていらっしゃいます。  小野寺大臣は、自民党国防部会の日報開示文書対象にしていることが問題の根幹ではないかというその意見について、同様の見識を持たれているのか伺います。
  230. 小野寺五典

    国務大臣小野寺五典君) 御指摘の点は、七月三十一日の自民党国防部会での様々な議員の発言だと思います。  私ども、少なくとも今回、この一連の経緯を振り返れば、まず情報があったことを不存在と答える、本来であれば、これは存在し、そして、もし開示する内容について不開示の内容が安全保障上適当な部分があれば、その部分だけを不開示として公開者に提供するというのがこれは正しい流れだと思っておりますし、その部会の中でもその基本的な議論については異論がないと私は承知をしております。
  231. 糸数慶子

    糸数慶子君 十二月二十六日には、統幕総括官は統幕参事官付きに日報存在していることを確認しています。にもかかわらず、稲田大臣報告されたのは一月二十六日です。他方、日頃から自衛隊の最高指揮権を有していることを強調されている安倍総理は、十二月二十六日に防衛省前田防衛政策局長及び河野統幕長、一月七日と十一日と十九日に岡防衛政策局次長及び河野統幕長、一月十九日には黒江事務次官及び豊田官房長、さらに一月二十四日に宮川情報本部長及び岡防衛政策局次長と面談されています。  日報の隠蔽は自衛隊信頼を傷つける大問題であり、最高指揮権を持つ総理に報告され、対処法が検討されたことも考えられます。仮に報告していないとしても、自衛隊内部ガバナンスのみならず、シビリアンコントロールの根幹に関わる大問題です。  昨年十二月二十六日から……
  232. 宇都隆史

    委員長宇都隆史君) 時間ですので、おまとめください。
  233. 糸数慶子

    糸数慶子君 本年一月二十四日までの間に、日報開示請求に対する対処、隠蔽工作について総理と防衛省の間で報告、検討、協議が行われたのではありませんか。仮に違うということなら、それぞれの面談の議事録をお示しいただきたいと思います。
  234. 宇都隆史

    委員長宇都隆史君) 簡潔に御答弁ください。
  235. 高橋憲一

    政府参考人高橋憲一君) 防衛省から平素より緊密に総理及び官邸に報告することは当然のことと考えてございます。その一つ一つの具体的な内容についてお答えすることは差し控えますが、御指摘の面談において、日報に関する報告、検討、協議は行われておりません。  以上でございます。
  236. 宇都隆史

    委員長宇都隆史君) 糸数君、おまとめください。時間です。
  237. 糸数慶子

    糸数慶子君 はい。  時間ですので終わりますが、防衛省自衛隊に風通しの良い組織文化を醸成する、それはまだまだ先が長いというふうに痛感いたします。早期に安倍総理稲田大臣を始めとする関係者を招いて説明責任を果たすことを与党の皆さんにも改めてお願いをいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。  ありがとうございました。
  238. 宇都隆史

    委員長宇都隆史君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後五時十四分散会