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2017-04-18 第193回国会 衆議院 総務委員会 第14号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二十九年四月十八日(火曜日)     午前九時開議  出席委員    委員長 竹内  譲君    理事 古賀  篤君 理事 左藤  章君    理事 坂本 哲志君 理事 田所 嘉徳君    理事 葉梨 康弘君 理事 小川 淳也君    理事 奥野総一郎君 理事 輿水 恵一君       池田 道孝君    大西 英男君       金子万寿夫君    金子めぐみ君       川崎 二郎君    菅家 一郎君       小林 史明君    新藤 義孝君       鈴木 憲和君    田畑 裕明君       高木 宏壽君    土屋 正忠君       冨樫 博之君    中川 郁子君       中谷  元君    野中  厚君       三ッ林裕巳君    武藤 容治君       宗清 皇一君    山口 俊一君       逢坂 誠二君    黄川田 徹君       近藤 昭一君    鈴木 克昌君       高井 崇志君    武正 公一君       稲津  久君    角田 秀穂君       梅村さえこ君    大平 喜信君       田村 貴昭君    足立 康史君       吉川  元君    長崎幸太郎君     …………………………………    総務大臣         高市 早苗君    総務大臣        あかま二郎君    厚生労働大臣      古屋 範子君    総務大臣政務官      金子めぐみ君    総務大臣政務官      冨樫 博之君    総務大臣政務官      島田 三郎君    政府参考人    (内閣官房内閣審議官)  向井 治紀君    政府参考人    (総務省大臣官房総括審議官)           稲山 博司君    政府参考人    (総務省大臣官房地域力創造審議官)        時澤  忠君    政府参考人    (総務省行政管理局長)  山下 哲夫君    政府参考人    (総務省自治行政局長)  安田  充君    政府参考人    (総務省情報通信国際戦略局長)          谷脇 康彦君    政府参考人    (総務省統計局長)    会田 雅人君    政府参考人    (総務省政策統括官)   今林 顯一君    政府参考人    (厚生労働省大臣官房審議官)           谷内  繁君    政府参考人    (厚生労働省大臣官房審議官)           浜谷 浩樹君    総務委員会専門員     塚原 誠一君     ――――――――――――― 委員の異動 四月十八日  辞任         補欠選任   田畑 裕明君     中川 郁子君   谷  公一君     三ッ林裕巳君   山口 泰明君     野中  厚君   稲津  久君     角田 秀穂君   梅村さえこ君     大平 喜信君 同日  辞任         補欠選任   中川 郁子君     田畑 裕明君   野中  厚君     山口 泰明君   三ッ林裕巳君     谷  公一君   角田 秀穂君     稲津  久君   大平 喜信君     梅村さえこ君     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  政府参考人出頭要求に関する件  地方公共団体情報システム機構法等の一部を改正する法律案内閣提出第四五号)      ――――◇―――――
  2. 竹内譲

    竹内委員長 これより会議を開きます。  内閣提出地方公共団体情報システム機構法等の一部を改正する法律案を議題といたします。  この際、お諮りいたします。  本案審査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣審議官向井治紀君、総務省大臣官房総括審議官稲山博司君、大臣官房地域力創造審議官時澤忠君行政管理局長山下哲夫君、自治行政局長安田充君、情報通信国際戦略局長谷脇康彦君、統計局長会田雅人君、政策統括官今林顯一君、厚生労働省大臣官房審議官谷内繁君及び大臣官房審議官浜谷浩樹君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 竹内譲

    竹内委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     ―――――――――――――
  4. 竹内譲

    竹内委員長 これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。菅家一郎君。
  5. 菅家一郎

    菅家委員 おはようございます。自民党の菅家一郎でございます。  質問の機会を与えていただきまして、御礼を申し上げます。  地方公共団体情報システム機構法等の一部を改正する法律案について、何点かお聞きしたいと存じます。  さて、まず、このたびの改正案では、機構ガバナンス強化及び総務大臣機構に対する監督権限強化のための改正を行うこととしているわけでございますが、機構は、住民基本台帳法公的個人認証法及び番号利用法規定する事務等地方公共団体にかわって行う地方共同法人でありますので、この改正案内容は、地方公共団体側の、現場のそういった意見を十分に踏まえたものにすべきである、当然ながらそう思うわけであります。  そこで、地方公共団体側意見といいますか現場の声をどのような形で聞き、その意見をどのように改正案に反映されたのか、まずお示しをいただきたいと思います。
  6. 安田充

    安田政府参考人 お答えいたします。  平成二十八年の一月から三月に生じました一連のカード管理システム障害への対応につきましては、J―LISにおいて、同年四月に発生原因特定され、また、六月に発生背景原因特定に長時間を要した要因等の検証結果が公表されたところでございます。  これを受けまして、その後、マイナンバー制度の一層の円滑な運用を図る観点から、J―LISガバナンス強化が必要であるという問題意識をもとにいたしまして、総務省において法律改正検討を開始したわけでございます。  J―LIS代表者会議飯泉議長でございますとか地方団体とこの間、逐次意見交換を行いながら検討をしてきたわけでございますが、その結果、J―LISにおける自主的なガバナンス強化すること、それから総務大臣による必要最低限関与規定を設けることにつきまして、方向性を共有できたというふうに認識しているところでございます。  これを踏まえまして、地方団体側におきましても、J―LIS自身ガバナンス見直しが必要であるという考えから、J―LISが自主的に平成二十八年九月に定款変更を行いまして、代表者会議出席することができるメンバーを限定する、情報システム安全性信頼性運営透明性確保するために情報システム監査等を明文化するといったような対応を行ってきたわけでございます。  一方、法改正により対応すべき事項については、今回、改正法案を作成したところでございまして、この内容につきましては、改めて地方団体情報を提供いたしまして、理解をいただいているものと考えているところでございます。
  7. 菅家一郎

    菅家委員 私も、現場に入りまして、どのような声があるのか、利用者、市民、あるいはどのような改善をしたらいいのかというのを、ちょっと現場に行っていろいろな方と話を聞いてまいりましたので、その点について何点かお聞きしたいと思うんです。  まず、個人番号カードに格納されているプログラムであります利用者証明用電子証明書、これの有効期間は、カード発行の日から五回目の誕生日までということ、実質は四年程度になっているということなんですね。これはカード本体有効期間のいわゆる半分でありますので、ある意味では、地元から、利用しにくい面もある、あるいは更新手続のため市町村窓口に出向くことが不便との声も実はあるわけでございます。  やはり、マイナンバーカード発行状況を見ますと、四月五日時点で一千三百二十三万七千四百十五発送しているということであり、約一割なので、セキュリティーも大事なんですけれども、この発行枚数を上げていく必要もあろうかと思いますので、そういった意味では、今のこの声とか。  あるいは、もう一点あるんですね。さらに、電子証明書を更新するときに二百円の手数料発生するわけでありますので、カード発行手数料無料だということになっているんですけれども、といいながら、有効期間の途中で費用が発生するというのは納得いかないなんという声も実はありました。  ここは私も非常に頭が痛い。いろいろ調査してみますと、民間でこの活用を広げるためには、利用者証明用電子証明書有効期間カード本体有効期間と同じ方が利便性向上につながる、こう思っているんですが、一方では、番号カードに格納されているもう一つ署名用電子証明書考えると、文書に改ざんがないかを証明する必要があるということで、この辺の課題は認識している。この辺は、両方、成り済まし防止活用するという二つの課題があります。ここはぜひ今後検討していただきたいと思います。  ぜひ電子証明書を更新するときの二百円の手数料無料にすべき、このように思うわけで、カード普及するためにも、いわゆる使いやすいカードであるということにするためには必要なのではないかと思いますが、お考えをお示しいただきたいと思います。
  8. 高市早苗

    高市国務大臣 菅家委員には、国民皆様の貴重なお声をお届けいただき、ありがとうございます。  マイナンバーカードに搭載されている電子証明書有効期限でございますが、成り済まし防止のために、暗号技術などの進展を定期的に見きわめながらシステム運営を行う必要があることから、五年としたものでございまして、ここは御理解を賜りたいと思います。  しかしながら、私としましても、マイナンバーカードに搭載されている電子証明書というのは、情報化社会公的インフラとしての役割を担っておりますので、全国どこでも廉価に発行を受けることができることが必須だと認識しております。より便利になるように、改善にチャレンジしてまいりたいと思っております。  なお、発行手数料でございますが、平成三十年三月三十一日までは無料とする予算措置を講じておりますが、委員の御指摘も踏まえまして、今後の予算編成過程においてしっかりと努力をしてまいりたいと思います。
  9. 菅家一郎

    菅家委員 ぜひよろしくお願いをしたいと思います。御期待をしてまいりたいと思います。  もう一つ現場に行きまして、これは会津若松市の窓口なんですけれども、住民基本台帳カード活用しまして、タッチパネルがあったんですね、タッチパネル。これを操作することによって住民票などの交付が受けられるサービス、これを実施しているんですね。いわゆる申請書記入が不要になっていて、タッチパネルで申請して、後は、会計のところに呼ばれて行ったら、お金を払うと同時に証明書がもらえる、こういう仕組みになっているんですね。  ですから、現場の声としては、個人番号カードでも活用できるようになれば、さらにサービス向上につながるのではないか、ぜひそのような実現に向けて対応していただきたいという声が上がっておりますので、この辺についてはどうでしょうか。これが実現できれば、他の市町村でも積極的に導入して、利便性向上、これにつながる、取り組むことになるのではないかというのは、やはりマイナンバーカード普及促進にもなるわけでありますので、この辺についてのお考えをお示しいただきたいと思います。
  10. あかま二郎

    あかま副大臣 お答えいたします。  今、菅家委員の方から御披露ありましたとおり、委員の御地元である福島県会津若松市においては、住基カードを所有している住民に対して、窓口で簡単に住民票の写しなどの証明書発行するサービス実施しているというふうに伺っております。  この仕組みにより、申請者申請書記入負担軽減や、市区町村窓口業務負担軽減等が実現されているというふうに思っております。  総務省では、平成二十八年度にマイナンバーカードによっても、コンビニ交付サービス仕組み活用することで同様のサービスが行えるよう実証事業を行っており、実現可能であることを確認しております。  この結果を受けて、サービス導入に必要なソフトウエアである窓口申請ツールを、平成二十九年五月以降に、J―LISが、希望する市区町村無償で提供することとしております。  このサービスは、さきに申し上げたとおり、住民皆様方の手間、負担というものの軽減と、市区町村、ここにおいての業務負担軽減というメリットがあるため、全国市区町村に対し、説明会等を通じて、コンビニ交付導入とあわせた導入を推進してまいりたいというふうに考えております。  以上です。
  11. 菅家一郎

    菅家委員 ぜひ積極的にお願いしたいと思います。大変心強いです。  次に、自治体窓口で取得していた住民票戸籍等証明書を、先ほど御答弁ありましたように、コンビニで取得が実は可能になっているわけであります。しかし、過疎地域といいますか、コンビニがない過疎地域は、コンビニでとれないんですね。ですから、ぜひ、昔の特定郵便局というか、地方郵便局ですね、これでも個人番号カード活用して証明書発行ができるようになれば、さらに住民サービスにつながって、カード普及にもつながるのではないか、このように思うんですが、これについて、総務省対応についてお示しをいただきたいと存じます。
  12. 高市早苗

    高市国務大臣 行政サービス向上に当たりましては、全国郵便局の力を活用するということが非常に有効だと考えておりまして、昨年開催しましたワンストップ・カードプロジェクトのプロジェクトチームにも、日本郵便にも御参加をいただきまして、検討を進めてまいりました。  菅家委員も御指摘のとおり、特にコンビニもないような過疎地では、郵便局証明書交付などの行政サービスが受けられるような方策が重要かつ利便性向上に直結するという考え方から、昨年十二月に取りまとめましたワンストップ・カードプロジェクトアクションプログラムに、郵便局における自動交付機設置促進を盛り込みました。  具体的には、住民票戸籍証明書など各種証明書発行に必要なキオスク端末郵便局への設置について、市区町村がみずから端末設置する場合には、郵便局が、試験的に、設置スペース維持管理業務無償で提供する。日本郵便設置する場合には、まずは十局程度で試行的に設置をして、コピーなどの有料サービスを含めて運営して、今後、設置局拡大検討するということにしております。  引き続き、日本郵便連携を図りながら、過疎地も含めた全国的導入促進してまいります。
  13. 菅家一郎

    菅家委員 ちょっと時間もなくなりましたのであれなんですけれども、情報連携、これは私、非常に期待しています。やはり各地方自治体でも、各部がセクト主義になっていて、なかなか、住民の共有した情報があれば、こういう場合になぜあの情報が入ってこなかったというような、そういう課題があるものですから。この情報連携については、いろいろテストが行われるわけでありますが、ぜひ円滑に進むようにお願いしたい、このように思いますし、システム障害、これはテストされておられますから、それに対してしっかりと課題があれば前向きに対応してほしい、このように思います。  あわせて、仮に、機構運営する自治体中間サーバーシステム障害発生した場合、あるいはサーバー攻撃により情報漏えいが生じることを前提とした対応策というんですか、機構及び総務省においてこの辺も検討していただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
  14. あかま二郎

    あかま副大臣 お答えいたします。  情報連携に係る総合運用テストは、本年七月から情報提供ネットワークシステムに接続する全機関参加をして、昨年九月からことし六月までの期間確保して実施しておるところでございます。  総務省では、総合運用テストについて、地方公共団体の適切な実施を促すとともに、地方公共団体システム発生したエラー等の対処についての助言を行うなど、システム上の課題の抽出と修正に向けて対応をしておるところでございます。  また、四月から五月にかけて、国の行政機関等地方公共団体との総合運用テストを本格的に実施することとしており、総務省において、適切にテスト実行管理課題への対応を行うこととしております。  総務省としては、これらの対応により、情報連携開始に向けて、システム障害等が生じないよう取り組んでまいりたいというふうに思っております。  また、今委員の方から、セキュリティー対策等々についての話もございました。この点については、J―LISにおいて設置管理する自治体中間サーバーは、セキュリティーに万全を期すため、データ保護ログ管理、適切なアクセス権限の設定、マルウエア対策等セキュリティー対策実施しております。  また、LGWAN回線を用いることで、インターネットとは完全に分離することにより、第三者からのアクセスを遮断しております。  これらの対策に加え、第三者によるシステム監査を年一回実施し、安全性及び信頼性確保に努めているところでございます。  以上です。
  15. 菅家一郎

    菅家委員 時間になりましたので、これで終わります。前向きな御答弁、心から御礼申し上げます。ありがとうございました。
  16. 竹内譲

    竹内委員長 次に、輿水恵一君。
  17. 輿水恵一

    輿水委員 おはようございます。公明党の輿水恵一でございます。  地方公共団体情報システム機構法等の一部を改正する法律案につきまして、質問をさせていただきます。  地方公共団体情報システム機構、J―LIS、これは、住民基本台帳ネットワークシステム全国センター運営マイナンバー制度関連システム構築を進めるとともに、地方公共団体情報システムに関する支援を行う、地方公共団体が共同して運営する組織地方共同法人であります。  この地方共同法人であるJ―LISには、財務や業務の方針を決定する機関として、地方公共団体代表並びに有識者で組織された代表者会議設置をされております。  今回の改正では、この地方公共団体代表する代表者会議と、総務省によるJ―LIS機関処理事務に対する管理監督体制強化をされるというものであると思います。  具体的には、J―LISの役員や職員法令等に反すると思われる行為の是正や処分について、代表者会議権限拡大される。  また、J―LISに対して、その処理事務実施に関して、機構処理事務管理規程を定めることを義務づけると同時に、その策定や変更に対して、総務大臣認可等規定が定められます。さらに、J―LISに対して、機構処理事務に関する報告書等の作成と公表を義務づけると同時に、総務大臣による監督命令、立入検査、義務命令に対して不履行等があった場合の処罰等規定も定められます。  そこで、質問させていただきますが、今回、このように地方公共団体代表する代表者会議と、総務省によるJ―LIS機構処理事務に対する管理監督体制強化するに至った背景経緯について、お聞かせ願えますでしょうか。
  18. 安田充

    安田政府参考人 お答えいたします。  背景経緯等についてのお尋ねでございますけれども、マイナンバー制度が順次施行されていく中で、今後、J―LISにつきましては、マイナンバーカード利活用拡大に伴いまして、その発行事務の円滑、適正な実施が求められること、また、本年秋ごろから本格運用を開始する予定の情報連携におきましても大きな役割を担うことから、これらが適正に運用されるためには、J―LISマイナンバー法に基づいて行う機構処理事務を適正に実施することが必要不可欠であると認識したところでございます。  これまでも、J―LISにおきましては、J―LIS自身ガバナンス強化やトラブルの未然防止のための見直しを行ってきたところでございます。  まず、組織体制観点からは、民間出身技術担当理事を登用する、あるいは情報システムの総合的な企画、評価、点検等を行うシステム統括室設置するということが行われてきております。  また、定款変更も昨年九月に行っているところでございます。  また、本年四月からは代表者会議によりまして新理事長が任命されまして、経営審議委員会委員を一名増員するという対応もされたところでございます。  このようなJ―LIS自身見直しに加えまして、今回の法改正を行いまして、法制的にもJ―LISガバナンス強化を図るとともに、マイナンバー法機構処理事務に関する総務大臣各種監督権限等規定することとしたものでございます。
  19. 輿水恵一

    輿水委員 どうもありがとうございます。  適切にJ―LISガバナンス管理が進められて、安全、安心なそういった運用が進められる、このようなことが確認できたわけでございます。  ここで、J―LISデータセンターサーバーには、もう皆様も御存じのとおり、国民個人情報や日常を支えるシステムが、今あったように、今後はさらに集中することが想定されるわけでございます。そのサイバーセキュリティーを含む総合的なセキュリティー確保、当然重要になってまいります。  ここで、内部の不正利用防止のためには、今日まで、システム操作者守秘義務を課し、刑罰を加重、また、操作者用ICカードやパスワードにより操作者限定追跡調査のためのコンピューターを使用した記録を保存したり、あるいは照会条件限定など、そういったきっちりとした措置が講じられていると思います。  また、外部からの侵入防止するためには、専用回線LGWAN利用、あるいは地方公共団体情報システム機構管理するファイアウオールやIDS、不正侵入検知システムによる厳重な通信制御もなされている。また、通信相手となるコンピューターとの相互認証を行い、通信を行う際、データ暗号化し、独自の通信プロトコルの使用など、重層的な対策が施されているわけでございます。  その上で、今回の改正で、「機構処理事務特定個人情報等の適切な管理のために必要な措置を講じなければならない。」とすることという規定が追加されましたが、この中では具体的にどのようなこういった措置というものが想定されるのか、お聞かせ願えますでしょうか。
  20. 安田充

    安田政府参考人 お答えいたします。  J―LISは、機構処理事務実施する中で、御指摘ございましたように、特定個人情報を含むプライバシー性の高い情報を大量に取り扱うことになるために、これらの情報漏えい等防止し、適切かつ安全に管理する必要がございます。  このため、今回の法改正におきまして、機構処理事務特定個人情報等の適正な管理のために必要な措置、これをJ―LISに対して義務づけることといたしまして、具体的には、物理的保護措置として、保管庫の施錠、立ち入り制限防災設備整備技術的保護措置として、ファイアウオール構築情報暗号化組織的保護措置として、職員に対する教育や研修の実施セキュリティー責任者設置等管理体制整備等といったことを予定しておりまして、今実施していることも含めて、こういうものを予定しているということでございます。  現在もJ―LISにおきましては、NISCの政府統一基準群あるいは総務大臣の定める告示等に基づきまして、今申し上げましたような措置も含めて、適切に講じられているものでございますが、今回、機構処理事務特定個人情報等安全確保措置について法律上明確に位置づけることによりまして、適切な情報管理に資するもの、このように認識しているところでございます。
  21. 輿水恵一

    輿水委員 どうもありがとうございました。  まさに、セキュリティー管理と同時にJ―LIS業務がますます重要になってくる中で、その業務継続性、とまらないでしっかりと業務が続けられるような、そういった取り組みも含めてしっかりと進めていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。  そして、今回の改正においてもう一つ機構処理事務へ、J―LIS住基ネットで保有している本人確認情報利用を可能とする改正がなされました。この改正によりどのような効果があるのか、具体的にお聞かせ願えますでしょうか。
  22. 安田充

    安田政府参考人 お答えいたします。  現在、住民の氏名、住所等に異動があった場合には、市町村が既存住基システムに異動情報を登録することに加えまして、マイナンバーカードの申請に備えまして、J―LISカード管理システムにも当該情報を登録する必要がありまして、市町村からは事務負担になっているとの声やミスが生ずる原因になっているという指摘もあるところでございます。  このことを踏まえまして、今回の改正案におきましては、J―LISが通知カードマイナンバーカード発行事務本人確認情報、今申し上げました住基ネットで保有している情報のことでございますけれども、これを利用することを可能といたしまして、例えば、マイナンバーカード発行事務において、J―LISが最新の本人確認情報を確認する工程を追加することによりまして、異動が確認できた場合のみ、異動情報を登録するといった運用も可能になるのではないかということで、市町村の事務作業が必要最小限になると考えられること、それから市町村の事務処理誤りが防止されること、こういった効果が期待できるというふうに考えているところでございます。
  23. 輿水恵一

    輿水委員 まさに無駄の排除と、それに正確性を増してくるということで、適切に進めていただきたいと思います。  続きまして、地方公共団体情報システム機構、J―LIS業務、先ほどからありますが、住民基本台帳ネットワークシステムやマイナンバー管理システム運用に加えて、今後は、マイナンバーカードのICチップ部を活用し、マイナンバーカードに登録されたマイキーIDに、図書館カードID、地域ポイントカードIDなど、さまざまなカードのIDをひもづけるマイキープラットフォームの利用拡大によるマイナンバーカードの多機能化、こんなことも期待されているわけでございます。  さらに、マイナンバーカード活用しての公的個人認証、また電子委任状、チケットレス化など、個人番号カードアプリケーション搭載システム運用拡大など、活用の分野もさらに広がっていくことが想定されるわけでございます。  また、公共データのオープン化の推進により、行政の透明性向上住民サービス向上が図られるほか、民間事業者によるデータ活用を通じた新たな産業の創出等の効果も期待をされるわけでございます。  そのほか、さまざまな分野での地方公共団体のICT化の適切な推進のためのサポートなども含め、ますますJ―LISの事業の重要性と必要性が高まってくるものだと思います。  そこで伺いますが、今後は、J―LIS情報通信研究機構との技術連携なんかも含め、また、マイナンバーカード活用したサービスがより安全に、より便利に、安定的に国民に提供される環境の構築も必要ではないか。そういった意味では、J―LIS業務ガバナンス強化に加えて、J―LISの機能の充実と強化にも力を入れる必要があるのかと思いますけれども、その辺の支援のあり方、また考え方について、お考えをお聞かせ願えますでしょうか。
  24. あかま二郎

    あかま副大臣 お答えいたします。  今、輿水委員の方から、J―LISとNICTとの技術連携、さらには、安定的に国民に提供される環境を構築するために機能の拡充強化、これについての見解という話がございました。  御案内のとおり、マイナンバーカード普及及び利活用に当たっては、J―LISに寄せられる期待、また求められる役割というものは大きいものと認識をしております。  まず、J―LISがみずからの責任を果たし、マイナンバー制度を効果的かつ確実に推進するためにも、J―LISにおいて、情報システムセキュリティー等に関し専門的な知識を有する人材の確保、育成が必要であるというふうに思っております。  現在、J―LISとしても、若手の人材育成に努めているものと承知をしております。その中で、情報通信研究機構との連携として、同機構実施をしている実践的サイバー防御演習、CYDERでございますけれども、これをJ―LIS職員が受講し、必要な技術の習得を行ったものというふうに伺っております。  また、マイナンバーカードのICチップに搭載されている公的個人認証機能及び空き領域、いわゆるマイキー部分についてでございますけれども、民間でも利用ができることとなっており、ここにさまざまな可能性があると考えております。  具体的には、このマイキー部分の公的個人認証機能を利用する民間事業者として、現在、十社に対して総務大臣認定を行っており、認定取得後の実施サービスの展開も進んでおります。さらに、今後の利活用策として、チケットレスサービス、健康保険証としての利用やインターネットバンキングへのログインなどが検討されており、今後、ますますの拡大を期待しておるところでございます。  J―LISは、このマイナンバーカード普及の鍵であるマイキー部分の基盤となるシステム運営を担っていることから、その体制や機能の充実等が図られることが期待されており、総務省としても連携して取り組んでまいりたいと考えております。  以上です。
  25. 輿水恵一

    輿水委員 どうもありがとうございました。  もう今さまざまな取り組みが進められ、また強化をされるということで、J―LISは、今後、それ以外にも、地方公共団体が共通的に利用できる情報システムの研究開発、新技術の導入の支援もJ―LISが行うということとか、あとは、それらのシステム導入した運用管理課題に対する支援、さらには災害に強い地方公共団体情報システムのあり方と、さまざまな支援、地方公共団体に対する支援がこのJ―LISからさまざま進められる。また、地方公共団体にも、情報システムに関する人材がなかなかいないところに対しても、J―LISがしっかりとサポートすることによって、適切にそういった情報化が進められる、そういったことが期待されるわけでございます。  今、あかま副大臣からさまざまありましたように、J―LIS、今後さまざまな点で、その機能の安定、安全、そして国民利便性向上に大きく寄与する事業がここで展開されるわけでございますので、さらなる機構ガバナンス強化と同時に、機能の拡充、また人材の拡充についても御支援を願えればと思いますので、よろしくお願いいたします。  以上で質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
  26. 竹内譲

    竹内委員長 次に、奥野総一郎君。
  27. 奥野総一郎

    ○奥野(総)委員 民進党の奥野総一郎でございます。  本日もよろしくお願いいたします。  ちょっと順序を入れかえまして、法案改正ガバナンスの部分は今るる御質問がございましたので、J―LIS情報公開のあり方について、最初にまず伺ってまいりたいと思います。  ガバナンスといっても、いろいろあると思うんですね。もちろん、政府の側からのガバナンス、内部統制。と同時に、やはり国民情報を預かっている機構でありますから、国民の側からのガバナンスも私は必要だと思います。その一つの道具として、情報公開、国民情報公開を求めたときに、もちろん不開示のものもありますけれども、ルールをきちんと定めて、情報公開を原則としてやっていくということが、やはり国民情報を預かる機構として私は必要だと思うわけであります。  そこで、これもまたちょっと順序が入り繰りしますが、まず伺いたいんですが、先ほど菅家委員ですか、地方公共団体意見をきちんと聞いているという話があったかと思います。地方団体意見代表者会議を通じてというお話だったかと思いますけれども、その中で、機構情報公開のあり方について何か議論はあったんでしょうか。
  28. 安田充

    安田政府参考人 お答えいたします。  情報公開についての地方公共団体等々からの意見があったかどうかというお話でございましたが、先ほども御答弁申し上げましたように、昨年来、J―LISガバナンス強化等につきまして、飯泉代表者会議議長などを含めて、地方公共団体側とも意見交換を行いながら、検討を行ってきたところでございます。  この中で、J―LIS情報公開のあり方につきましても検討を行ったわけでございますが、地方公共団体により運営される法人であるJ―LISにつきましては、従来より独自に情報公開規程というものを策定しておりまして、代表者会議意見としては、今後は、定款変更を行って、独自に定めた情報公開規程を定款上明確に位置づけをして、情報公開に取り組んでいきたい、こういう意向がございました。  こうしたことから、昨年九月にその旨の定款変更を行ったと承知しているところでございます。  本改正法案につきましては、地方団体側から特段の意見はなかったということでございます。
  29. 奥野総一郎

    ○奥野(総)委員 私も定款を拝見しまして、その定款をベースに規程が定められている、こういう位置づけ、情報公開の規程があるということまでは承知をいたしております。  原点に返ってといいますか、情報公開については情報公開法制が整備をされていて、国については行政機関情報公開法があり、独法についても独法情報公開法がある、地方公共団体については行政機関情報公開法の中で努力義務規定が定められている、こういう理解をしておりますが、それでよろしいかということと同時に、では、この機構機構は法的に何かそういう情報公開は求められているのか。  機構は、独法でもなければ国でもない、地方公共団体そのものでもない。私の理解では、地方共同法人、これは法的な位置づけがあるのかどうかわかりませんが、類型としては地方共同法人というふうに言われているものだと思うんですけれども、もうちょっと言えば、この地方共同法人について情報公開を求めるような法的な根拠が何かあるのかということを伺いたいと思います。
  30. 安田充

    安田政府参考人 お答えいたします。  ただいま御指摘ございましたように、地方公共団体情報公開につきましては、地方公共団体の定める情報公開条例等に基づいて実施されているところでございます。  御指摘ございましたように、行政機関の保有する情報の公開に関する法律第二十五条におきまして、同法の趣旨にのっとり、その保有する情報の公開に関し必要な施策を策定し、及びこれを実施するよう努めなければならないとする努力義務が定められておりますが、具体的には条例で定められているということでございます。  また、J―LISの法的位置づけということでございますけれども、J―LISにつきましては、地方公共団体が共同して出資し、運営する組織といたしまして、住民基本台帳法公的個人認証法マイナンバー法規定による事務並びにその他の地方公共団体情報システムに関する事務等地方公共団体にかわって行うこと等を目的とする組織でございまして、いわゆる地方共同法人のカテゴリーに属するというふうに承知しているところでございます。  この地方共同法人について、何か情報公開に関する法律があるかどうかということでございますが、独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律というものがございますけれども、ここでは地方共同法人は対象にされていない、具体的には、J―LISは対象になっていないということでございます。
  31. 奥野総一郎

    ○奥野(総)委員 重ねて伺いますが、地方共同法人というのは、いわゆる講学上の概念なのか、それともどこかに法的な根拠がある類型なんでしょうか。
  32. 安田充

    安田政府参考人 地方共同法人について、法律上の根拠があるとは承知しておりません。  平成十三年に閣議決定されました特殊法人等整理合理化計画の中で、地方共同法人という類型が位置づけられてございまして、地方公共団体の共通の利益となる事業等、その性格上地方公共団体が主体的に担うべき事業であって、国の政策実施機関実施させるまでの必要性が認められないものの実施主体の選択肢の一つとして、当該特殊法人等を地方公共団体が主体となって運営する地方共同法人とすることが考えられる、このようにされているのが根拠といいますか、定められているものというふうに認識しているところでございます。
  33. 奥野総一郎

    ○奥野(総)委員 これも通告していないんですけれども、うろ覚えですが、あのときに特殊法人をなるべく整理していこうという話だったと思うんですね。できるだけ独法に変えていこうとか、民営化できるものは民営化していこうとかいう議論の中で恐らくそういう類型が出てきたんだと思うんです。  そういう意味で、もうちょっと言うと、地方共同法人というのは、これも講学上の分類になるんですが、法律によって直接設立されているという理解でよろしいんですか。その場合、法律によって直接設立される法人という意味で、広い意味での、広義の特殊法人だ、こういう理解でもよろしいんでしょうか。
  34. 安田充

    安田政府参考人 現在、先ほどの閣議決定で位置づけられている地方共同法人に当たるものといたしまして、日本下水道事業団、地方公務員災害補償基金など五法人あるというふうに認識しているところでございますが、これらはいずれも直接法律に基づいて設立されているものでございます。  これを広義の特殊法人と呼ぶかどうかというのは、これはその定義の問題かというふうに思います。
  35. 奥野総一郎

    ○奥野(総)委員 済みません、通告していなくてあれですけれども、私の理解だと、そういうものを広義の特殊法人だというふうに理解しています。それはいろいろな言い方があると思いますけれども、そういう類型がある。  というと、地方共同法人というのは、地方公共団体が出資をしていて、法律により直接設立されている法人だ、重ねて、こういう理解でよろしいんですね。
  36. 安田充

    安田政府参考人 基本的にそういう性格のものだと思っております。
  37. 奥野総一郎

    ○奥野(総)委員 その上で、先ほどの議論に戻りますが、そういう定義の法人が五法人あるということでありまして、それについては特段の法的な、法律的に情報公開を求められていないという整理になるということですね。それだからこそ、定款を定め、定款に従って、規程で独自にやっている、こういうことをおっしゃっているということであります。  これも通告していませんが、ほかのいわゆる五法人もそういうことでやられているという理解でよろしいんですね。
  38. 安田充

    安田政府参考人 他の五法人につきましても、法律等に基づいて情報公開を行っているということではございませんで、独自に規程等を定めて情報公開に対応しているというふうに承知しております。
  39. 奥野総一郎

    ○奥野(総)委員 その上で、今度は、では具体的な運用についてどうなっているかということでありますが、規程を見ますと、確かに行政機関情報公開法に倣ってほぼ同じような規定ぶりが規程には定められているということを私も確認をいたしております。ちゃんとやっているということなんですが、さらに具体的な運用を伺いたいんですけれども、気になるのは、不開示になった場合の不服申し立てなんですね。そこがきちんと行われているかどうかということはやはり大事だと思います。  規程を見れば、情報公開審査会というのを定めることになっていますね。不服申し立て機関として、機関というか、J―LISの中に不服申し立て先として情報公開審査会、審査会を設けるというふうになっていると思いますが、これは、「定める。」となっているだけで、具体的なメンバーとか実績とかいうものがネット上を見ても出ていないんですが、具体的にどういう運用をされているんでしょうか。
  40. 安田充

    安田政府参考人 J―LIS情報公開審査会についてのお尋ねでございますけれども、御指摘のように、J―LISの不開示決定等に不服申し立てが行われた場合には、原則として情報公開審査会に諮問しなければならないとされているわけでございますが、J―LISにおいては、これまで実際に開示請求がなかったということから、情報公開審査会の委員をこれまで委嘱してこなかったというふうに聞いているところでございます。
  41. 奥野総一郎

    ○奥野(総)委員 ただ、この法律ができて二年、三年近くたっているんですかね、まずは委員の任命をして器を整える方が私は先だと思うんです。百歩譲って、局長のおっしゃるように、いや、ニーズがないんだということかもしれませんけれども、では、一般の方がそういう情報公開制度がJ―LISにあるのかというのを、周知しているか、理解しているかということなんです。  たまたま私はほかの法人を見ていたんですが、地方公共団体金融機構というのがあります。これも多分地方共同法人ですかね。ここは丁寧にトップページから、トップページといっても一番下のところなんですね、トップページの一番下のところに「情報公開について」というリンクが張ってあって、それを押すと、ちょっと見にくいんですが、「情報公開について」、こういう、開示請求とか申請書とか、ちゃんと手続がわかるようにホームページ上なっているんですね、トップページのところから飛ばせるように。ちょっと不満なのは、一番下のところに、注意して見ないとわからないようになっているんですが、一応トップページから情報公開について飛ばす。飛ばすと、こういうフォーマットとか、申請できるようなガイドラインができているわけですね。  では、J―LISはどうなっているのかなと思ってホームページを見てみたんですが、トップページを見る限り、何も書かれていません。  そもそも、では、J―LISについて、組織とか定款とか先ほどの規程なんかを、どこから入っていくのかというのを見てみたんですが、ストレートには書いていないんです。普通は、組織についてというのだと、概要とか理事長挨拶とかというのがぼんとあって、そこから入っていけるようなのが大体の法人のホームページのあり方なんですが、J―LISはそうなっていない。今ですと、例のJ―LISをかたったメールに注意してくださいという、あれは当然頭に来るべきなんですけれども、その辺はきちんとしているんですけれども、組織についてとかそのあたりについては、トップページから見ても、なかなか入っていけないんですね。  ずっと一番下のところを入っていくと、セキュリティーについてとかそういうところがあって、そこを押すと、今度、ようやく組織についてというのが右側に出てくるんです。ちょっと、用意してこなかったのでうまく説明できませんが。要するに、トップページを見てもわからないわけです。ほかの、セキュリティーについてとかそういうところを押すと、ようやくそこにたどり着く。  今度、組織について出てくるんですけれども、法令についてという項があって、それをクリックする、そうすると、J―LIS法とか、それから定款までは出てくるんですね。では、そのページに今言った情報公開の規程が出ているかというと、出ていないんですね。「その他の規程」というのをさらに押さないと出てこないんですよ。  だから、三ランクぐらい、トップページから一つ落ち、さらにそこから法令についてというところを押し、法令についてを押しても出てこなくて、今度、「その他の規程」ということで、「その他の規程」を押すとようやく、真ん中あたりに「地方公共団体情報システム機構の保有する情報の公開に関する規程」、こう出てくるわけですね。  ちょっと説明が回りくどかったんですが、非常に不親切じゃないか。同じ地方共同法人でも、地方公共団体金融機構の方が親切。申請書まで用意して、少なくとも、情報公開請求しようと思えば出せるようになっている。  ところが、J―LISの方は、そもそも規程になかなかたどり着かない。押しても、規程が書いてあるだけで、具体的に申請書とか申請のやり方とか、全然何も書いてくれていないんですね。規程だけ読んで、勝手に考えてくれ、こういうこと。非常に不親切じゃないか。  今の時代、こういうのはなかなか、僕はしっかりやるべきだと思うんですね。もちろん組織の論理としては、いろいろなことを聞かれたら大変だからという気持ちは、理解すると言うと問題ですが、そういうのはあると思うんですけれども、だからといって、この情報公開の時代に、ここまで不親切にやるのはいかがなものかと思うわけです。  結局これも、だから、法律上求められていない規程に落としてやっているからこういうことが行われるんじゃないか。もちろんちゃんとやっている金融機構のようなところもあるんですけれども。  ですから、やはりまずは、法律にきちんとこの法人類型、先ほど言った定義でいえば、地方公共団体が出資をしていて、法律によって直接設立される法人というものをちゃんと位置づけて、それを情報公開法制にのせるべきじゃないかというのが私の意見なんです。  では、一番手っ取り早いのはどういう話か、どうすればいいかというと、国そのものではないので、独法の情報公開法の別表というのがありますね、そこに載せてはどうか。そうすると、自動的に情報公開審査会なんかも、今は情報公開・個人情報保護審査会と名前が変わっていますが、そのスキームも、あそこに載せれば、活用できるようになるはずなんです。  では、この別表に載っているもの、これは必ずしも独法とは限らないんですね。日銀なんかも載っていますし、いろいろな法人が載っています。国立大学法人とかいっぱい載っていますが、必ずしも独法とは限らないという位置づけなんですが、基準は何なんだ、別表に載っている法人の定義、どういうものがここに載っているのか、答弁を伺いたいと思います。
  42. 山下哲夫

    山下政府参考人 お答えいたします。  国の行政機関については行政機関情報公開法があるわけでございますけれども、国には、独立行政法人など政府の一部を構成すると考えられる法人がございますので、これらについても、国の行政機関と同様、国民主権の理念にのっとり、その諸活動について国民説明する責務を全うするよう、独立行政法人情報公開法があるわけでございます。  このため、同法では、独立行政法人、国立大学法人のほか、政府の一部を構成すると考えられる特殊法人、認可法人といたしまして、法人の長を大臣が任命している、法人に対し政府が出資している、そういった法人を対象としているものでございます。
  43. 奥野総一郎

    ○奥野(総)委員 原則は、たしか答弁があって、国が出資をしている、それから人事に国が関与しているということ、それを例示としながら、今言ったような政府の一部を構成する法人、かつてこういう答弁があったと思います。  最初にJ―LISあるいは地方共同法人について、広義の特殊法人じゃないかと申し上げたのはそういう意味でありまして、国そのものではないにしても、法律によって直接設立されている。地方というからには条例で設立されるのでありましょうし、地方そのものではもちろんないはずですよね。微妙な位置づけだと思うんですよ、この地方共同法人というのは。  例えば、こういう法律により直接設立されている法人について、国の一部とみなすのか、あるいは少し外縁を広げてそういうものまでこの別表につけ加えるということは、法制的にはどうなんでしょうか。
  44. 安田充

    安田政府参考人 先ほど御答弁がありましたとおり、独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律の対象となる法人については一定の整理がされているということでございます。  J―LISにつきましては、今、情報公開の規定を条例で定めることになっている地方公共団体の共同出資の法人であることに加えまして、理事長代表者会議により任命されている、地方公共団体以外の者は出資することはできない、国は出資することはできないということにされておりますので、現在のその対象法人の基準には該当しないというふうに考えてございます。  J―LISに独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律を含めまして法律規定を適用することにつきましては、こうした現在の考え方をどう整理するか、これが必要だと考えておりまして、地方団体との協議も含めて慎重に検討する必要があるのではないかと考えております。
  45. 奥野総一郎

    ○奥野(総)委員 今の御答弁、確かに、国と地方とどっちに近いんですかと言われれば、地方そのものではないにしても、地方寄りなんだろうというふうに私も理解はしますけれども、制度の立て方ですから、情報公開法制を広げてそういうものまで含むという整理はもちろんあり得るんだと思います。憲法違反ではない限りできると思います。  そういう検討もぜひしていただきたいんですけれども、せっかく今回ガバナンスという話だったので、先ほど冒頭伺いましたけれども、地方から確かに積極的には、情報公開するべきだという意見は出てきにくいでしょうけれども、ガバナンスという意味であれば、最初に申し上げたように、国民からのガバナンスも敬意を払っていただいて、こういう提案を一緒にやっていただければ早かったと思います。  私が気になるのは、もちろん、先ほど言ったように、審査会の委員も任命していない、あるいは、わかりやすく申請書とかそういう告知もちゃんとしていないということなんですね。だから、やはりきちんとそういうことを、やらないんだったら、なかなか自主的にはやりにくいですよ、これは、どう考えても。やりにくいのであれば、法的に何らかの措置を講ずべきだと思います。  さらに、実際動き出したとしても、不服申し立て機関がJ―LISの中にあるわけです。独法なんかはちゃんと外に置いていますよね。やはり中だと、最終的な決定権者は代表者会議ということに恐らくなるので、お手盛りの批判も出てくると思うんです。だから、外部にやはりそういう不服申し立てをつくるべきだし、であれば、今ある個人情報保護審査会を使えばいいんじゃないですかというのが今の提案だったんですね。  さらに、では、難しいというのであれば、例えば準用するとか、適用が難しいのであれば独自の法制、地方共同法人に限る法制をつくって準用していくとか、そういうこともあると思うんですが、いずれにしても、地方団体意見を聞いてということでありますが、そういういろいろな検討をこれからしていくという理解、御答弁でよろしいんでしょうか。
  46. 安田充

    安田政府参考人 御指摘のように、法制的にはいろいろなやり方はもちろん考えられるというふうに思います。  ある意味で、その際に、いずれのやり方をとるにしても、考え方をどう整理するかということがやはり一番重要ではないかというふうに考えてございまして、現在の情報公開法制では、地方公共団体については条例で独自に定めるというふうになっておりまして、委員指摘のように、地方共同法人は、これらの地方公共団体が共同で出資しているというものでございますので、地方側からすると、私どもの法人という意識がございます。  こうした中で、今までの整理は、先ほど申し上げたとおりの整理になっておりますので、地方団体と協議しながら、これは慎重に検討する必要があるのではないかというふうに考えております。
  47. 奥野総一郎

    ○奥野(総)委員 やはり今の時代、情報はきちんと開示していくという流れだと思うんですね。だから、国もやっていますし、地方もやっています。もちろん、機微に触れるものは不開示事由がちゃんとあって、何が何でも全て出すという話にはなっていないし、個人情報については個人情報保護法が働くということで制度が整備されてきているわけですね。  ですから、その不服申し立て機関なんかも含めて、そういうインフラを、既存のインフラを使ってもよし、あるいは独自につくってもよし、これはなかなか地方の発意に任せていては進まないと思うんですね。だからこそ、総務省にお願いをしたいということであります。  今回、そういう意味で、修正案を審議終局後に出させていただくことにしています。附則の三条として、J―LISの保有する情報を公開するための制度のあり方について検討を加えて、その結果に基づいて必要な法制上の措置を講ずるものとするということで、すぐにやりなさいという話じゃなくて、ちゃんと地方意見も聞いた上で法制的な措置を講じてくださいね、こういう趣旨の附則、修正案を出させていただくことにしています。  大臣、この修正案についてコメントをいただきたいと思います。
  48. 高市早苗

    高市国務大臣 先ほど来、奥野委員からは、ホームページの掲載事項の不親切さなど、さまざま御指摘を賜りました。  J―LISに対しては、ホームページ上に情報公開請求の手続を掲載することや、J―LISが行った不開示決定等に対する不服申し立てを行った方が速やかに不服申し立てに対する決定を受け取れるよう、情報公開審査会の委員を直ちに委嘱することについて、既に総務省から要請を行っております。  先ほど来、局長からも答弁しましたとおり、J―LISは、これまで地方共同法人としてみずから規程を定めて情報公開に対処してきておりますので、そのあり方については、地方公共団体の御意見を十分に踏まえて検討していただくことが重要だと思います。  また、民進党が御提出の修正案の可否につきましては、これは、各党各会派の御議論によるものでございますから、総務大臣として個別にコメントすることは差し控えたいと存じます。  いずれにしましても、J―LIS運営透明性確保するということは大変重要だと認識をいたしております。
  49. 奥野総一郎

    ○奥野(総)委員 大臣御答弁いただきましたけれども、早速委嘱を要請しているということであります。それから、ホームページもちょっとごらんいただいて、なるべくわかりやすく、申請手続のわかりやすいようなホームページに可及的速やかに更新していただきたい、私からも、お礼と同時にお願いをしておきたいと思います。  さらに、やはりこれはすき間なんですよね。きちんと情報公開法制を整備したときに、こういった類型の法人についても、あるいは、ほかにも広義の特殊法人というのはあるはずなんですけれども、そういったものについてもやはり情報公開をやるべしという規定を設けておくべきだと思いますし、今からでも遅くないので、漏れがないか、情報公開について、やはり行政がそこは隠してはいけないので、要請があればきちんと出すんだ、そういうたてつけをつくっておくことは、私は今の時代必要だと思います。  先ほど局長は明言なされませんでしたけれども、ぜひ、地方団体意見を聞きながら、統一的な制度、できれば法律で統一的な制度をつくっていただきたいと改めて私の方から指摘をし、お願いをして、この質問については終わりたいと思います。  済みません、順序が入れかわったんですが、最初に伺うはずだった話、今は国民からの統制の話ですけれども、内部の統制のお話を伺っていきたいと思います。  先ほど来も議論がありましたけれども、改めて、昨年一月以降のシステム障害原因、この場でも、途中経過で、中間サーバーの不備とかいろいろなことが言われていましたが、最終的に何が原因だったのか。それから、それに対して責任の所在はどうなっているのか。もちろんベンダー側もあるでしょうし、それから、あわせてJ―LIS側の責任も、これはあるのかないのかというのをまず言っていただきたいんですが、あるとして、どういう責任があったのか、どこが問題だったのか。あわせて答弁いただきたいと思います。
  50. 安田充

    安田政府参考人 お答えいたします。  J―LISカード管理システムにつきましては、中継サーバーにおいて二つの障害発生したわけでございまして、影響を与えたところでございます。  この障害発生の要因についてでございますけれども、中継サーバーの作成を担当した事業者における事前検証やテストの不足等に起因するものであった、このように認識しているところでございます。  システムの修復、修補関係費用でございますとかJ―LISの判断により追加的に講じた対策に要した費用として生じた一億九千四百五十万円につきましては、J―LISと本システム構築した五社コンソーシアムとの協議によりまして、五社コンソーシアムが負担するということで整理されたというふうに承知しているところでございます。  また、J―LISにおきましてでございますけれども、障害発生背景及び原因特定に長時間を要した面がございまして、その要因等の検証を行いまして、その結果を踏まえまして、J―LISのプロジェクトマネジメント能力の強化、マイナンバー関連システムの総点検といった再発防止策が平成二十八年六月に定められて、順次実施されるとともに、理事長、副理事長の役員報酬の返納が行われたというふうに承知しているところでございます。
  51. 奥野総一郎

    ○奥野(総)委員 一応、ベンダー側も、たしか復旧の費用を彼らが持って、システムを直す、修正の費用は彼ら持ちで、一部損害賠償も求めているんですか、払ったんですかね、というふうに理解していますし、J―LIS側も一定のけじめがついたという理解なんですが、その上で、今回の改正、もちろん一番大事なのは内部の組織であったり、その部分については法律というよりはまさに組織規程の話であって、自主的に代表者会議等が考えていく、あるいはJ―LIS自身考えていく話だと思うんです。  その上で、今回の法律改正の意義といいますか、今回の障害原因特定をし、責任のあり方も含めた上で、では今回の改正でどこまで改善されるのか、今回の反省に立ってどこをどう変えたのかということを伺いたいです。
  52. 安田充

    安田政府参考人 お答えいたします。  今回の改正で問題点が改善されるのかどうかということでございますけれども、まずは、今回の改正によりまして、新たに内部統制に関する事項を業務方法書の記載事項とすることによりまして、例えば、想定されるリスクを特定いたしまして、リスクを回避するための方策や体制をあらかじめ定めることで、障害発生の予防効果が期待できるというふうに考えております。  また、仮に一連のカード管理システム障害のような事案が生じた場合には、個別具体のケースになりますので一概には申し上げられないところでございますけれども、今回、J―LISみずからのガバナンス強化として、J―LIS法以外の法令違反等の場合にも代表者会議理事長に対する是正措置命令が可能になるということがございます。  また、機構処理事務の適正な実施確保するため必要があると認めるときは、総務大臣のJ―LISに対する監督命令が可能になること、こういうことが規定されることにしておるわけでございまして、こういうことによりまして、J―LISにおいて速やかに適切な対応をとることが期待されるところでございます。  総務省としても、必要な助言を引き続き行ってまいりたいと考えているところでございます。
  53. 奥野総一郎

    ○奥野(総)委員 監督の強化ということ、あるいは業方書とか事務管理規程ということで、きちんと書類を整備し、それを監督していくということの改正理解していますけれども、これは、従来、住民基本台帳法に基づく事務とか、それから公的個人認証法に基づく事務については、その規定がそれぞれの法律規定されていたはずなんですね。  今回、その並びを整えるというふうに理解していますが、では、もともとこの番号利用法の事務をJ―LISがやるときに、どうして同じようなたてつけにして、同じような規定を最初から設けておかなかったのかということは疑問でありまして、ぜひ答弁いただきたいと思います。
  54. 安田充

    安田政府参考人 お答えいたします。  御指摘ございましたように、現在、住民基本台帳法及び公的個人認証法におきまして、その事務の適正な実施確保のため、総務大臣がJ―LISに対して監督権限を行使できる規定が設けられている一方で、現行のマイナンバー法には同様の規定が置かれていない状況でございます。  その理由としてでございますけれども、現行のマイナンバー法、この法律自体に明記されているJ―LISの事務はマイナンバーとすべき番号の生成及び通知事務だけでございまして、住民基本台帳法規定で足りるのではないかというふうに考えられたわけでございます。そのために、総務大臣監督権限については特段の規定を設けなかったところでございます。  しかしながら、J―LISは、現実には、市町村からの委任によりまして、マイナンバーカード発行に関する事務を行うようになりました。また、今後、情報連携に関する事務でも重要な役割を果たすということになってまいりますので、こうした地方公共団体からの委託を受けてJ―LIS実施する事務につきましても、マイナンバー法上に機構処理事務として位置づけを行うことといたしまして、法制的に当該事務にも総務大臣監督権限が及ぶものとして明確化したところでございます。
  55. 奥野総一郎

    ○奥野(総)委員 もともと番号生成事務に限るということであったのが、だんだん広がってきた、通知票の発行だったり、カードそのものの発行だったり。それが省令で委託事務が広がっていくということなんですね。さらに今後も広がっていくということでありまして、また、カード発行枚数もこれから、まだ全体の一割ぐらいですかね、だからどんどんふえていくということなんですよ。  システムの話はなかなかわかりにくいですね。いつまた何どきこういう事故が起きるかもしれない。一〇〇%絶対あり得ないとは言えない、バグがあったりして、言えないわけです。  そのときに、やはり大事なことは、すぐに原因を究明して、即座に復旧していく。今回問題になったのは、なかなかそこが、先ほども答弁ありましたけれども、時間がかかった、原因特定できなかった。大臣も何度か答弁いただいて、原因の究明に努めるという答弁をいただいていたんですが、なかなか最後すっきりしなかった。特定できなかったんですね。  だから、今後もそういうことはあり得るということでありますが、最後に大臣、あり得るといってもあってはいけないので、こういうことがないようにしっかり監督をしていくという決意を述べていただいて、終わりにしたいと思います。
  56. 高市早苗

    高市国務大臣 昨年のシステムトラブル発生時には、残念ながら、マイナンバー法上、総務大臣監督命令権限もなく、報告徴収、立入検査などの権限もなく、全くそれらが不可能でございました。  あのときは、システム全体を総ざらいする、そして、五社コンソーシアムの中でどの業者が担当したところに問題があるのかを早期に特定する、そして、再発防止策を講じるためにやはり組織内の体制もしっかりと整えていただく、情報の専門家をしっかりと配置して、徹底的に体制を強化していただく、さまざまなことを私も考えましたが、やはり権限がなかったことから、理事長に要請するにとどまりました。理事長側も、法的権限がないのにといった形で、やはりすぐに対応をとっていただくことができなかったという苦い経験がございます。  本法律案、成立させていただいた暁には、総務省も重大な責任を担うことになりますけれども、しっかりとトラブルがないように、J―LIS本体でもしっかり対応していただかなきゃなりませんが、総務省も責任を持って取り組みをしてまいります。
  57. 奥野総一郎

    ○奥野(総)委員 これで終わります。ありがとうございました。
  58. 竹内譲

    竹内委員長 次に、高井崇志君。
  59. 高井崇志

    ○高井委員 岡山から参りました高井崇志です。  きょうも、質問の機会をいただき、ありがとうございます。  先ほどから、今回のこのJ―LIS法改正は、やはりその発端は昨年のシステム障害であったわけでありますが、その原因等々はもう随分質疑がされましたので、私、大臣にお伺いしたいと思います。  確かにその当時、この法改正までは、権限がないというか曖昧であるということであります。しかし、さはさりながら、マイナンバーを所管され、また地域情報化を所管される大臣として、今回のこのJ―LISの不祥事というか問題が、理事長が二カ月間の役員報酬二〇%の自主返納、それから副理事長は一〇%なんですかね、副理事長というのは総務省の退職者でもあり、またもう一人の理事は現役出向だと思いますが、こういった総務省とのかかわりもある中で、このJ―LISの責任のとり方がこれで十分であったとお考えでしょうか。
  60. 高市早苗

    高市国務大臣 昨年のシステム障害発生した一月から三月の時点では、私自身はマイナンバー制度を担当する大臣ではございませんでした。昨年の八月三日以降、内閣府特命担当大臣を兼任いたしております。  ただし、地方自治体と深い関係を持つ総務大臣でございましたので、さまざま、J―LIS理事長に対しても、先ほど来答弁しましたような要請をしてまいりました。その中で、平成二十八年六月二十二日の代表者会議において、役員の報酬の返納を承認されたと承知いたしております。  私としては、率直に申し上げて、この理事長二〇%二カ月、副理事長一〇%二カ月という役員報酬の返納の実施については、十分な責任のとり方ではないと感じておりました。役員の報酬等については、J―LIS代表者会議権限に属するものでございますから、総務大臣として、昨年の事態に関与する権限はございませんでした。  だからこそ、今般、御審議いただいておりますJ―LIS法の改正案によりまして、J―LIS内部のガバナンス強化について法制的な手当てを行うとともに、J―LISに対して国として最低限必要な関与を行うことができるように、規定整備することといたしました。
  61. 高井崇志

    ○高井委員 本当にこれだけ多くの国民皆様に迷惑もかかり、大きな社会問題ともなったということを考えると、今、大臣から率直に、十分ではなかったという御発言がありましたので、だからこそこの法改正だということでありますから、そのことを受けとめて、法改正の審議、質問をしていきたいと思いますが、私はやはり、このJ―LISのそもそも体制というかあり方そのものを、もっと根本的に見直していかなきゃならないんじゃないかと思っています。  それで、実は韓国の、J―LISと似たような組織がありまして、地域情報開発院という組織がございます。これは今、ちょっとホームページで見ていましたら、昨年の十一月二十四日にIT総合戦略室が、きょう向井室長に来ていただいていますけれども、なかなかよくまとめた資料があって、ああ、ちゃんと政府はわかっているんだなと思って改めて見たんですが、地域情報開発院という韓国の組織は、二〇〇三年に自治情報化組合ということで、まさに地方自治体が集まって組合組織でつくった。  それは、一九九〇年代まで、今の我が国と同じように、ベンダーロックインと言われる、地方自治体ごとにそれぞれベンダーが異なって、ばらばらで、無駄も多くてという状況を何とかしたいということで、二〇〇三年にできるんですが、実は、これは韓国の詳しい方から聞いたんですけれども、モデルはまさにJ―LISの前身であったLASDECという地方自治情報センター。日本が先につくっていたものを、まさに韓国は、これはすばらしいじゃないかということで、まねをしてつくったんですね。  ところが、その後、韓国は進化していきまして、二〇〇八年にこの地域情報開発院というのができるんですが、ここが自治体の共通システムをつくってしまう。今では、ソウルを除く全自治体がこの同じシステムを使っている。しかも、これは一元的に無償で提供する。国が開発費は出して、ソフトを開発して、それを自治体に無償で提供している、そういうことが内閣官房の資料にも書いてあるわけです。  確かに、自治体の数が、日本と韓国、韓国は約二百五十ぐらいなので、大分違う面はあります。しかし、韓国も同じように、やはりITベンダーの抵抗はあったんじゃないか。これは、実は、この地域情報開発院の方のインタビュー記事も同じホームページに出ていたんですが、やはりITベンダーを説得してそういったことをやってきたということが書かれていました。  これはぜひ、もともとこの韓国地域情報開発院は、我が国の仕組みをまねて始めたものであります。今度は、我々がこれをまねるというか、参考にすべきじゃないかと考えます。  まさに地方自治体に今ベンダーロックインという状況が起こっている、このことはもう大臣も御承知だと思いますけれども、ぜひこれを改善していくという意味でも、この韓国の取り組み、私は大変参考になるんじゃないかと思いますが、大臣、御見解はいかがですか。
  62. 高市早苗

    高市国務大臣 事務システム検討に当たりましては、特定の事業者に固定される状況、いわゆるベンダーロックインは好ましいことだとは考えておりません。  現状、地方公共団体におきましては、業務システムの更新に当たり、他社のシステムへの変更検討しようとしても、他のシステムとの情報連携が困難、データ移行経費が多額になる、専門知識を有する職員が不足していて、経費が高どまりしている認識がないといった理由から、従前のシステムを継続して使用している状況もあると考えています。  総務省から地方公共団体に対しまして、地域情報プラットフォーム標準仕様に準拠したシステム導入ですとか、データ移行を行う際の標準的な様式、中間標準レイアウトの活用、こういったことを要請しております。既存のベンダーのみならず、複数ベンダーが調達に参入できる環境を整えるということのほかに、自治体クラウド導入時のデータ移行経費に特別交付措置を講じまして、ベンダーロックイン解消に向けての地方の取り組みを支援しているところでございます。
  63. 高井崇志

    ○高井委員 その取り組みでは、やはり私は多分解消されないと思うんですね。ですから、この韓国の、今申し上げました、思い切ったやり方だと思いますが、しかし、私は十分検討する余地があると思います。  J―LISの体制という意味では、同じく韓国の地域情報開発院というところでは、今、ITベンダーの技術者が百五十人常駐しているということだそうです。毎年入札をしてそのベンダーは決めるそうですけれども、常に百五十名のITベンダーが常駐をしている、そういう体制なんですが、今、J―LIS、何人いるか、ちょっと私は正確には把握していませんけれども、とても今の地方情報化を担うには十分な体制とは言えないんじゃないかと考えますが、この点はいかがですか。
  64. あかま二郎

    あかま副大臣 お答えいたします。  J―LIS役割、この拡大に伴って体制ということでございますけれども、今回、J―LIS自身ガバナンス見直しとして、定款変更を行い、代表者会議出席することができる地方団体選出委員の代理委員を、原則、地方公共団体の長に限定することといたしました。  また、J―LISにおいて行われたマイナンバー関連システムの総点検により洗い出された課題を踏まえて、安定的なマイナンバーカード交付を可能とするための経費を、総務省において平成二十八年度第二次補正予算に計上し、J―LISにおいてカード管理システム等の処理能力を増強する改修等を実施し、さらに、二十九年四月から、代表者会議により、新理事長として、情報システム関係の経験さらには経営者としての経験が豊富な吉本氏を任命し、経営審議会委員委員を一名増員して、情報システムに関する豊富な実務経験を有する者が新たに任命されるということになっております。  さらに、吉本新理事長の就任会見では、カード管理システム障害において不足のあったプロジェクトマネジメントについての教育を行い、迅速に事態に対処するべき体制を整えていきたいとの発言があったと承知しており、J―LISにおいて積極的に教育、研修を通じて人材育成を行うとともに、必要に応じて人材の補強を図る等、現場における運用実施体制の強化に取り組んでいただけるものと認識をしております。
  65. 高井崇志

    ○高井委員 実は、地方情報化は韓国は地域情報開発院というところですが、国の情報化は情報化振興院というところがやっていまして、ここには三百五十名の方が在籍をしていて、九割以上が博士号を取得している、そして大半が民間出身者という組織があって、ここが国のIT政策なんかを立案しているということです。  大臣、ぜひ、ちょっと通告していないんですけれども、これはもう政治家じゃないと決断できないと思います。例えば、内閣官房IT総合戦略室の人を幾らふやしてくれと言ったって、向井審議官に聞いてもそれは答えられないと思いますが、やはりもう政治決断で、しかもこれは、民間からの出向者が九割で三百五十名という組織がある、それから、今の日本のJ―LISに相当するところもITベンダーから百五十名を常駐させている。やはりIT、ICTを所管する総務大臣として、こういう組織を思い切ってつくらないと、我が国のICTは今のままの人数あるいは予算額では本当に進んでいかない。  これは本当に我が国の大変重要な、大きな課題であり、政治決断が必要だと私は考えていますが、大臣、いかがですか。
  66. 高市早苗

    高市国務大臣 ICT全体の国策を進めていくということに関しましては、総務省も大きな責任を負っておりますし、内閣府においてIT政策の担当大臣もおります。そのような中で総合的に検討されるものだと思います。  J―LISに関しましては、現在、民間から四十二名、国から十七名、自治体から十七名出向いたしております。また、プロパー職員が百十二名おられるんですけれども、その中でも、かなり高度な知識、技能に分類される資格を随分取っていただいております。  技能に関しての資格といいますと、情報セキュリティーのスペシャリストが二十名、ネットワークスペシャリストが九名、データベーススペシャリストが四名、システム監査技術者四名、プロジェクトマネジャー七名、ITストラテジスト二名、システムアーキテクト五名、ITサービスマネジャー三名といったことでございます。  今回、理事長もかわられまして、非常にやはり、情報システムの安定的な運用、そして安全な運用、そしてプロフェッショナルな人材の必要性ということに強い問題意識をお持ちでございますので、私は、J―LISについては非常に安定的な運営ができる体制が今後整っていくということを期待しておりますし、国としてもしっかりとできる応援をしてまいります。
  67. 高井崇志

    ○高井委員 私は、J―LISというか地方情報化だけじゃなくて、国全体のこともお聞きしたかったんですが、きょうの議題じゃないですし、時間もないので、改めて。総務省にはテレコム三局で八百名の職員がいます。もう圧倒的に政府の中で人員がいる部隊であります。こういったところが、韓国のような、民間企業からの方を三百五十名も集めて、さらに新たな組織をつくっていくということは私は大いに検討すべき課題だと思いますので、また次の委員会で取り上げたいと思います。  きょうはマイナンバーの話もぜひしたいと思うんですが、マイナポータルが間もなく、ことしからスタートをすると思います。既にもう登録者がいると思うんですが、今のマイナポータルの登録者数と、それから今後どのような見込みでふえていくと予測されておりますでしょうか。
  68. 向井治紀

    向井政府参考人 お答えいたします。  アカウントの開設は、一月十六日より可能となってございます。平成二十九年四月十七日時点でのアカウント開設数は、二千三百八十件でございます。  現時点では、利用可能な機能が基本的にはアカウント開設だけということでございますが、順次、機能を充実いたしまして、ことしの秋ごろには本格運用をマイナポータルでも行うということにしておりますので、そのような本格運用に向けまして、さまざまなサービスの提供、利用環境の向上に取り組みまして、国民皆様利便性を実感していただくことによりまして、マイナポータルのアカウント開設数、ひいてはマイナンバーカード発行枚数の増加につなげていきたいというふうに考えてございます。
  69. 高井崇志

    ○高井委員 まだまだそんなものなんですね。  一方で、民間のSNSサービス、これはもう皆さんも随分使われている方、LINEであったりフェイスブックであったり、多いと思いますが、例えばLINEの契約数というのは六千八百万人です。六千八百万人が今LINEを使っていて、ここと連携をすれば、私は、そのマイナポータルの、全然、今、少ない数なわけですけれども、これがどんどん広がる可能性があると。  では、そんなことができるのかということですが、実は、実際に、東京都の渋谷区ではLINE社と子育ての支援協定を結んで、API連携といって、画面はLINEの画面、だけれども、そこからすぐにサーバーが移転して、飛んで、マイナポータル、渋谷区でいえば、渋谷区の子育て支援サイトとつながる。だから、セキュリティー面でも全く問題がない。こういうAPI連携という仕組みがあるわけです。  ぜひ、大臣地方情報化を所管する大臣として、まさに渋谷区のような例で、地方自治体とSNS、これを連携していくということを積極的に進めるべきだと考えますが、いかがですか。
  70. あかま二郎

    あかま副大臣 お答えいたします。  今、委員指摘のとおり、渋谷区におけるSNS活用、API連携という話でございますけれども、渋谷区がスマートフォン向けのコミュニケーションアプリ、LINEを活用して、予防接種や保育サービス等の情報配信を行う子育て支援サービスを行っていることは承知をしております。  このような取り組みは、地方公共団体民間サービス活用してデータ利活用を進めることによって、住民のニーズに対応した行政サービスの高度化、効率化を可能にするものというふうに理解をしております。  総務省においても、データ利活用が地域経済の活性化等の手法を大きく変えるものだというふうな認識でおります。そうした認識のもと、昨年十月に、大臣が主宰をする地域IoT実装推進タスクフォース、この中において専門の分科会を立ち上げ、地域におけるオープンデータやビッグデータの推進方策について検討を進めているところでございます。  この分科会においては、地域の行政サービスの高度化、効率化に向け、SNSを含む民間サービス活用が有効であるというふうにして、優良事例の発掘や周知、地域の関係者の意識醸成、人材育成、地方公共団体民間サービス事業者とのマッチング支援等が必要だと意見をいただいております。  そして、これを踏まえて、現在、総務省において、昨年十二月に取りまとめた地域IoT実装推進ロードマップについて各地域で説明をしておりますが、その際にも、データ利活用の意義や民間サービス活用の重要性を強調しており、今後とも、タスクフォースの御意見や有意義な先進事例を踏まえつつ、必要な取り組みを推進してまいりたいと思っております。
  71. 高井崇志

    ○高井委員 ぜひ、マイナポータルも、これは大臣が所管ですが、当委員会は何か大臣の答弁じゃないと聞いていまして、大臣、もし答えられなければ事務方でも結構です。  渋谷区と同じように、子育てワンストップサービスが始まりますので、これはたしかプッシュ機能で、メールで通知が行くと思うんです。今、総務省の調査で、ちょっと数字を忘れてきちゃったんですけれども、メールよりSNSを使う十代、二十代は圧倒的に多い。まさに子育てワンストップサービス利用するのは二十代、三十代、若い世代の方ばかりですから、メールよりもSNSを活用した方がはるかにいいわけです。  ぜひ、マイナポータルについても、SNSサービスとAPI連携を図るべきだと思いますが、いかがですか。
  72. 向井治紀

    向井政府参考人 お答えいたします。  多くの国民皆様にマイナポータルを御利用いただくには、スマートフォンなどの身近な媒体からアクセスいただけるなど、利用者の視点で使い勝手のよいものであることが重要でございます。  この観点から、御指摘のSNS連携機能につきましても、例えば、マイナポータルで提供予定の子育てワンストップサービスにおきまして、SNSを通じて各種電子申請サービスの検索が可能とするなどの検討を現に進めているところでございます。  さらに、APIを公開し、官民のさまざまなウエブサイトにおいて、マイナポータルの自己情報表示機能をウエブコンテンツのパーツとして利用し、行政機関が保有している税情報や予防接種記録等のデータと、本人の同意を前提に連携することを可能とするなどの検討も進めているところでございます。
  73. 高井崇志

    ○高井委員 検討を進めているということで、実現すると理解してよろしいんですかね。  これはぜひ、大臣が所管大臣となりますので、また内閣委員会などの場で改めて実施状況というか検討状況をお聞きしたいと思います。もう本当に、国民利用者の皆さんのことを考えたらぜひともやるべき施策だと思いますので、進めていただきますようにお願いいたします。  それでは、次に、個人情報保護の問題もちょっと取り上げたいと思います。  この委員会でも何度も取り上げてまいりましたが、先般、個人情報保護条例、これが自治体ごとに全部違う。そうすると、自治体千七百八十プラスいろいろ、約二千ぐらいの団体によって違う。二千個問題と我々呼んでいるわけですが、これが、この間、総務省検討会で、モデル条例というのができて、これでやるんだという方針が出たんですが、これに対してかなりやはりいろいろな、専門家から疑義が出ております。  一つちょっと質問したいのは、このモデル条例の中で、非識別加工情報を作成するときの匿名加工の基準、この基準を、規則で定める基準に従いとなっていますが、規則で定めるのは、それぞれの自治体が独自に定めるということなんでしょうか。  本来であれば、国の行政機関個人情報保護法では、個人情報保護委員会の規則で定める基準に従いとなっていますから、これは、私は、個人情報保護委員会が定める規則に、やはり全国ばらばらだと困るので統一すべきだと思いますが、いかがですか。
  74. 時澤忠

    時澤政府参考人 お答えいたします。  総務省が開催いたしました検討会におきまして、非識別加工情報の加工基準等につきましては、行政機関個人情報保護法と同等の内容であることが望ましいとの指摘を受けたところでございます。  今後発出する技術的助言におきまして、検討会における指摘を踏まえまして、加工基準等は行政機関個人情報保護法と同等の内容であることが適当である旨の記載をする予定でございます。  その上で、検討会では、加工の基準を同等の内容としつつも、地方公共団体ではその地域について網羅的に収集している個人情報が多いということがございます。そのような個人情報につきまして安全に加工するためには、いわゆるサンプリングを行うことを基本とすべきではないか等、地方公共団体の保有する個人情報の特質を考慮する必要があるのではないかとの指摘があったところでございます。  この点に関しまして、個人情報保護委員会規則では、サンプリングという加工手法を具体的には規定しておりませんで、個人情報保護委員会事務局のレポートにおいて例示をしているところでございます。  こうしたことから、国の加工基準の内容と実質的に異なるものではないわけではございますが、地方公共団体の判断により、加工手法を規則で明確に規定することも想定されるところでございます。そのようなことも踏まえまして、条例改正のイメージの規定ぶりを現在なお検討しているところでございます。
  75. 高井崇志

    ○高井委員 現在検討中だということなので、ぜひこれは検討していただきたいんですが。  この匿名加工情報は、私、おととし、内閣委員会、法改正のときにも随分議論しましたけれども、非常に専門的な部分があって、この規則を読むと、非常に抽象的で、解釈の余地が相当大きいんですね。ですから、こういった解釈が自治体によってばらばらであるということは非常に不都合だと思いますし、また、民間企業なんかだと、民間団体がそれぞれつくって、それを基準にするということをやるんですけれども、では、それぞれの自治体ごとにそんな専門家がいるのかという不安もあります。  ですから、やはり、解釈権がばらばらになるというのは、私は非常に、自治体ごとに解釈が違うというのは困るんじゃないかと思うんですけれども、その点はいかがですか。
  76. 時澤忠

    時澤政府参考人 先ほどもお答えをしましたように、非識別加工の加工基準につきましては、行政機関個人情報保護法と同等の内容であることが適当である旨の技術的助言を行う予定でございます。  総務省としましては、民間事業者が非識別加工情報活用しやすい環境となりますように、行政機関個人情報保護法の加工基準やその考え方につきまして、地方公共団体に対し丁寧に説明するとともに、場合によりましては、個々の相談にも応じて適切に対応してまいりたいと考えております。
  77. 高井崇志

    ○高井委員 これはぜひしっかり検討していただきたいと思います。  それともう一つ、ちょっと細かい話ですけれども、このモデル条例を見ると、欠格事由が書いてございまして、そこに、契約を解除され、その解除の日から起算して二年を経過しない者については提案をすることができないとありますが、これは自治体ごとなんですね。  だから、その自治体でそういった契約解除された人は、その自治体には提案できないけれども、隣の自治体や別の自治体には提案できるという仕組みなんですが、これはちょっと、法の趣旨というか、おかしいんじゃないか、モデル条例としていかがかと思いますが、どうですか。
  78. 時澤忠

    時澤政府参考人 条例改正のイメージにおきましては、非識別加工情報に関する提案を行う者の欠格事由といたしまして、当該地方公共団体の条例や行政機関個人情報保護法などに基づいて非識別加工情報利用契約を解除された事業者を規定しているところでございますが、他の地方公共団体の条例に基づいて契約を解除された事業者につきましては、具体的に規定を設けず、必要に応じて、非識別加工の提案の審査を通じて、契約を行わないとすることができる規定を盛り込んでいるところでございます。  これは、国の行政機関との契約を解除された事案につきましては各省庁間で共有されるということが想定されている一方、他の地方公共団体との契約が解除された事業者に関する情報を共有するための手段について、現在、どういった対応が可能か検討を行っているところでございまして、そうしたことから、条例改正のイメージにおいては明確な規定を設けていないところでございます。  今後、情報共有手段の検討をすることといたしておりますので、その検討状況も踏まえながら、適切な規定内容検討していきたいと考えております。
  79. 高井崇志

    ○高井委員 こういう具体的なことを言い出すと切りがないんですが、ちょっと総論で、ぜひ大臣にお答えいただきたいのです。  先般四月の十三日の日に、番号創国推進協議会という、これは佐賀県の多久市の市長さんなどが中心になって、自治体の首長さんもかなり入っている、それから個人情報保護の専門家も名を連ねている会議なんですが、ここで、地方公共団体個人データ保護利活用法(仮称)の制定を求めるということで、総務省地方公共団体が保有するパーソナルデータに関する検討会報告書案を受けてという意見書が出されています。  大臣、ごらんになったかわかりませんが、ちょっと抜粋しながら読みます。  三月二十九日の総務省の報告書案は、残念ながら、官民データ活用推進の観点から問題があると言わざるを得ない。ルール設定を地方公共団体の条例に委ねたのでは、条例の内容運用に差異が生じ、また条例整備の時期にもばらつきが生じる可能性が高い。さらに、準備の整った地方公共団体からとの方針が示されていることによって、問題は増幅するおそれがある。地方公共団体にとっては、匿名加工のような新たな取り組みにつき条例改正を行うことは大きな負担である。同じデータをある地方公共団体から提供されたが、別の地方公共団体から対応できないといった状況をもたらすことは、全く合理性を欠くと考える。総務省において、上記報告書案の方向を軌道修正し、当協議会がかねてより指摘しているとおり、立法措置による解決を早急に図るべきである。地方公共団体個人データ保護活用法(仮称)を制定し、地方公共団体の保有する個人データ活用に関しては、条例ではなく、法律でルール整備をすることを求めるという意見書が出されております。  私も全く同感でありますが、大臣、御見解はいかがですか。
  80. 高市早苗

    高市国務大臣 現在のところ、総務省としては、まず、同等のルールが地方公共団体においても導入されるということがかなうように、条例改正のイメージをお示しするといった技術的助言を行うとともに、検討会から御指摘をいただきました、地方公共団体共通の提案受付窓口や非識別加工情報の作成を委託する仕組みについて、地方公共団体の御意見も伺いながら速やかに検討を行うということによって、民間事業者の皆様が非識別加工情報活用しやすい環境を整えたいと考えております。  今、高井委員が御紹介いただいたのは、多久市長さんなどが提言された提言書で、医療関係のものだったように思うんですが、一番ニーズが高いと思われる医療情報については、特別法の国会審議が進んでいると承知をしています。  それで、この非識別加工情報の作成、提供に係る法律による統一的な整備ということにつきましても、有識者の皆様の御意見を伺うなどして、必要な研究を進めてまいりたいと考えております。
  81. 高井崇志

    ○高井委員 最後にもう一つ、ぜひ進めていただきたいと思うんですが、規制改革推進会議の投資等ワーキング・グループというところで、自治体から情報提供を受けている民間事業者が萎縮しないように、官民データ活用のルールについて公的な事前相談窓口を設けるべきという提言が出されているんですけれども、これについてはいかがでしょうか。
  82. 時澤忠

    時澤政府参考人 私どもは、非識別加工の仕組みが円滑に導入運用されるように、地方公共団体からの相談に対して適切に対応するために相談窓口を設けることを考えておりますけれども、その窓口におきまして、地方公共団体から非識別加工情報の提供を受けようとする事業者の方からの相談につきましても対応していきたいと考えているところでございます。
  83. 高井崇志

    ○高井委員 これは、私たち、データ活用を図るIT業界を初め、大きな問題だと認識していますので、またこれからも取り上げていきたいと思います。  以上で終わります。ありがとうございました。
  84. 竹内譲

    竹内委員長 次に、梅村さえこ君。
  85. 梅村さえこ

    梅村委員 日本共産党の梅村さえこです。  システム機構法改正案について質問いたします。  最初に、この改正案は、マイナンバー制度が、国の行政機関同士、さらには国と地方公共団体や、地方公共団体相互で情報連携が開始されるという新たな段階を迎える中で行われるものです。大きな情報連携の開始を前に、本当にマイナンバー制度が安全かつ安心な仕組みとされるのか、どんなリスクがあるのか、きちんと想定して対策されているのかをまず伺いたいと思います。     〔委員長退席、坂本(哲)委員長代理着席〕
  86. あかま二郎

    あかま副大臣 お答えいたします。  情報連携に係る総合運用テストは、本年七月から情報提供ネットワークシステムに接続する全機関参加をして、昨年九月からことし六月までの期間確保して実施をしております。  総務省では、総合運用テストについて、地方公共団体の適切な実施を促すとともに、地方公共団体システム発生したエラー等の対処についての助言を行うなど、システム上の課題の抽出と修正に向けて対応をしておるところでございます。  また、四月から五月にかけてでございますけれども、国の行政機関等地方公共団体との総合運用テストを本格的に実施することとしており、総務省において、適切にテスト実行管理課題への対応を行うこととしております。  さらには、本年七月からの試行運用期間においては、総務省において、情報連携を行う機関から問題が発生した場合の報告を集約し、本格運用に向けた検証を行うこととしております。  総務省といたしましては、こうした対応によって、情報連携の円滑な開始に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
  87. 梅村さえこ

    梅村委員 今、取り組み状況を御答弁いただきました。  ただ、国民の中では、個人情報が本当に守れるのか、プライバシーがこの制度の中で守られているのか、そういうやはり疑念の声が引き続き大きくあるのだと思います。  繰り返し国会で指摘されていることですが、中間サーバーにおいては常時、個人情報のコピーが保存され、全国二カ所に共同化、集約化がされるようになっており、ここがサイバー攻撃を受けたら大量の情報が一気に漏れるのではないか。  また、符号や数字の羅列で、漏れても何の情報もわからないというようなQアンドAがあるかと思いますが、人間がつくり、運営する以上、一〇〇%大丈夫などないというふうに思います。  また、今後、役所だけでなく、民間事業者にも広げるなら、個人情報が流出するリスクは格段に増すことになるのではないでしょうか。  さらに、マイナンバーが何者かに抜き取られ、複数の機関から取り出された情報をマッチングし、個人情報が集積されていく危険もあり、マイナポータルも、ICカードとパスワードさえあれば、特定個人情報を一覧できるものとなっているかと思います。  そこで、こうした不安の中で、先日、四月十一日、総務省の統計局のサイトへのサイバー攻撃で登録者名などの流出のおそれがあり、現在停止されているというふうに聞く問題であります。  ネットなどやいろいろな声を拾ってきますと、総務省ともあろう組織が、本来セキュリティー対策を旗振りする立場なのに被害に遭うとはとか、だからマイナンバーを使わないようにしているとか、脆弱さがあったでは済まされないという意見が上がっていると思いますが、このような声をどのように受けとめていらっしゃいますでしょうか。
  88. 会田雅人

    会田政府参考人 お答えいたします。  政府統計の総合窓口e―Statの一つの機能であります、地図による小地域分析、jSTATMAPと呼んでおりますが、これが第三者による不正アクセスを受け、同機能における情報が抜き取られたことが判明いたしました。  現時点では、不正アクセスにより抜き取られた情報個人情報が含まれていることは確認されておりません。  個人情報を抜き取るには、限られた者しか知り得ないパスワードなどを入手した上で、個人情報を格納した別のサーバーを乗っ取る必要があることから、その可能性は極めて低いと考えております。  情報流出発覚後、e―Statを構成しますシステム全てに対して点検を行い、脆弱性がないことを確認しております。  さらに、特別なファイアウオール導入によるシステム監視の強化や、セキュリティー監査強化など、e―Stat全体の再発防止措置を講じることとしております。  このような対策を講じ、今後、不正アクセスによる情報流出が生じないよう、しっかりと対応してまいります。
  89. 梅村さえこ

    梅村委員 信頼にかかわる大変重要な、重大な問題だというふうに思います。  こういう問題が起こってからではなくて、事前に防ぐことはできなかったんでしょうか。
  90. 会田雅人

    会田政府参考人 いろいろ対策は講じてきておりますけれども、どうしても、脆弱性というのは新たに徐々に発見されていることがある。新たな脆弱性が発見されてくる、それに対しての対応がちょっと今回は手おくれになったという面があるかと思います。  今後、しっかりと対応してまいりたいと思います。
  91. 梅村さえこ

    梅村委員 今回の原因として聞くのは、システムに脆弱さがあったという御答弁だというふうに思います。これは何度も聞く答弁になってきているというふうに思います。  本法案の提出のきっかけとされる、システム機構、いわゆるJ―LISマイナンバーカード作成作業におけるトラブル、これも、機構が発注した五社コンソーシアムによるシステム上のミスが重なったということが挙げられているかというふうに思います。  システム上の脆弱さだとかシステム上問題があった、こういうことがJ―LISマイナンバーカード発行システムのときにも言われたわけですけれども、では、今回、万全の対策をJ―LISにおいてとられているのか、そのことについて御答弁をお願いします。
  92. 安田充

    安田政府参考人 委員指摘のように、昨年、システムトラブルがございまして、特に中継サーバーを中心にシステム障害があったということでございました。  それを受けまして、J―LISにおきましても、ガバナンス強化ということで、さまざまな取り組みをしておりますけれども、これに加えまして、今回、法改正を行いまして、法律改正によって対応できるものについて対応しているということでございます。  具体的に言いますと、まず、今回の改正によりまして、新たに内部統制に関する事項を業務方法書の記載事項とすることによりまして、例えば、想定されるリスクを特定し、リスクを回避するための方策や体制をあらかじめ定めることで、障害発生の予防効果が期待されるというふうに考えております。  また、仮に一連のカード管理システム障害のような事案が生じた場合に、どう対応できるかというのはなかなか予見が難しいわけでございますけれども、今回の改正によりまして、J―LISみずからのガバナンス強化策といたしまして、J―LIS法以外の法令違反等の場合にも、代表者会議理事長に対する是正措置命令が可能になるということ、それから、機構処理事務の適正な実施確保するため必要があると認めるときは、総務大臣のJ―LISに対する監督命令が可能となること、こういうことが規定されることになっております。  こういう規定背景にいたしまして、J―LISにおいて速やかに適切な対応をとることが期待されるものと考えているところでございまして、今後も総務省として必要な助言を引き続き行ってまいりたいと考えております。     〔坂本(哲)委員長代理退席、委員長着席〕
  93. 梅村さえこ

    梅村委員 今御答弁があったように、そういうもとで今後ガバナンス強化大臣権限強化するという法改正が今回提案されているということでした。  ただ、J―LISにかかわる問題は、このカード発行をめぐるトラブルだけではなくて、通知カードの送付トラブル、別人に同一のマイナンバーが付番されたトラブル、また二〇一七年二月十三日はコンビニ交付が三時間停止する、こういうような関連の事例が続いているかというふうに思います。  それで、私、トラブルを受けた後の地方公共団体情報システム機構代表者会議の議事録を読ませていただきましたが、そこには大変リアルな報告がありました。  今回出た弱みに対しては、今後も持ち続けないといけない弱みとなっている。二〇一七年度に予定されている情報連携においてはプレーヤーがふえる。国や地方公共団体等のさまざまなシステム連携することになる。国や地方公共団体等のさまざまなシステム連携することになれば、何かが起こったときに、どちらのシステム原因で起こっているのかというのが問題になるが、その原因究明に時間を要することは容易に想像できる。  ということで、その時点でのトラブルと同時に、新たに連携強化をする際に、そうしたリスクというか不安というか、そうした問題もさまざま当時から提起をされていて、率直に言って、大変、本当に危なっかしい中で、綱渡りをしながらやっておられる状況もあるのかなというふうに思いました。  今回、七月開始だった情報連携が、運用試験期間を三カ月置き、本格運用を秋にしたのも、そういう事情を踏まえてのものもあるのかなというふうにも思うわけであります。  そこで、次に聞きますけれども、昨年六月三十日のJ―LISの総点検結果については、こうしたシステム上のトラブルと同時に、カード管理システムの能力以上の利用があったということで、当初計画年千万枚から、三カ月千万枚と大幅に多くなったと。こうした交付計画に対する考慮が不十分だった、そういう分析もあろうと思いますが、そうした分析があったということも事実でしょうか。
  94. 安田充

    安田政府参考人 昨年のシステムトラブル等を受けまして、その背景でございますとか時間がかかった要因などが、逐次J―LISにおいて分析されてございます。  その中で、一番の要因というのは、やはり中継サーバーに起こったシステム障害、これが非常に大きな影響だったということが分析されております。  ただ、さらに、その能力の問題といたしまして、特に三月末、転入転出が多い時期にかなりの量のアクセス数かつ利用があったということがその一定の発行の遅延等につながった、こういうような分析もされているということを承知しております。
  95. 梅村さえこ

    梅村委員 おっしゃるとおりで、今御紹介させていただきましたけれども、当初、年千万枚の計画だったのが、三カ月で千万枚というような発行が求められるもとでのトラブルというのも、事実、総括、指摘をされているかというふうに思うわけですね。  そういうことを踏まえますと、やはり、システムに脆弱さがあったということと同時に、予算的にも、カード発行枚数を、補正予算で千五百万枚を追加し、二千五百万枚の交付予算措置する流れとなっていったこともありますが、そういうふうにあおるような、進めようというような流れも、自治体の準備やシステム上しっかりと準備が整っていないのに、突き進んでいってしまった原因もあるのではないか。  ですから、現場や、本当に個人情報がしっかりと確保されているのかというのを時々チェックしながら、危ないときにはやはりその進行をとめるような対策も、私は、この間の経過を踏まえれば、大きく言えるのではないかなというふうに思います。  こうした経過を踏まえ、また、三木浩平総務省自治行政地域情報政策企画官が昨年十二月の「時評」の中で、最近、自治体をターゲットとしたサイバー攻撃は年々増加している、攻撃も刻々と変化していますと述べられております。そうしたサイバー攻撃から、地方公共団体が本当に住民個人情報をまた守れるのかという問題もあると思います。  そこで、総務大臣にお伺いします。  本法案によって、機構ガバナンス強化総務大臣機構に対する監督権限等の強化を行うとありますが、やはり、情報連携システムの本格稼働が始まれば、想定しない障害発生する可能性は否定できないと思いますし、個人情報漏えいのリスクはさらに大きくなるのではないかと思います。  そうしたときに、監督権限強化、どんなふうに対応していくのかということを伺いたいと思います。
  96. 高市早苗

    高市国務大臣 J―LISは、機構処理事務実施する中で、特定個人情報を含むプライバシー性の高い情報を大量に取り扱うこととなります。ですから、これらの情報の漏えいなどを防止して、適切かつ安全に管理する必要がございます。  このため、今回御審議をお願いしている改正法案においては、これらの情報について、適切な管理のために必要な措置をとることをJ―LISに対して義務づけることとしております。  また、これらの情報の保護に関する事項を調査審議し、理事長に対して意見を述べることができる第三者組織として、機構処理事務特定個人情報等保護委員会を新たに設置することとしております。  なお、現行法の規定においても、機構処理事務に従事するJ―LISの役職員には、マイナンバー法などにより、秘密保持義務や秘密を漏らしたときの罰則がかかっております。  これらを踏まえまして、J―LISにおいては、適切な情報保護体制を構築していただくべきだと考えております。  総務省としても、責任を持って、今回マイナンバー法に関しても大臣監督権限をお与えいただきましたら、しっかりと監督責任を果たしてまいりたいと思っております。
  97. 梅村さえこ

    梅村委員 漏えいを防ぐ、安全、安心を守る、そういう御答弁だったというふうに思いますが、しっかりと個人情報の保護をやっていただきたいというふうに思います。  そこで、最後に伺いますが、本法案は、本人確認情報について、マイナンバー法規定による機構処理事務のうち総務省令で定めるものに使用できるとしています。  どんな内容を想定しているのか、御答弁をお願いします。
  98. 安田充

    安田政府参考人 お答えいたします。  今回の改正法案のうち、住民基本台帳法改正に係る部分でございますけれども、今回の改正によりまして、機構処理事務のうちの通知カードマイナンバーカード発行事務に、本人確認情報、これは住基ネットで保有している情報でございますが、これを利用することを可能にするということを考えているわけでございます。  これによりまして、市町村の事務負担軽減、正確な事務の実施を可能とするということを念頭に置いているということでございます。
  99. 梅村さえこ

    梅村委員 確認ですけれども、初めて顔写真が加わる可能性もあるということになりますでしょうか、マイナンバーカード
  100. 安田充

    安田政府参考人 お答えいたします。  本人確認情報の中には、顔写真は入っておりません。いわゆる四情報と住基コード、それからマイナンバー、こういうものが入っているということでございます。  御指摘ございましたのは、今回新たに保護の対象といたします機構処理事務特定個人情報等という概念をつくるということにいたしているのでございますが、これには、特定個人情報、これは、マイナンバー、マイナンバーとともに取り扱われる氏名、性別、生年月日、住所等のほかに、顔写真などマイナンバーカードを申請する際の個人情報、こういうものも含まれるというふうに考えております。ただ、これは、こういうものを保護の対象にしようという考え方でこういう概念を設けているということでございます。
  101. 梅村さえこ

    梅村委員 こういう今御答弁があったとおりだというふうに思いますし、保護をしていくということですけれども、ただ、今まで対応する保護委員会がなかったから、新しく今回つくるということでありますね。  では、今までの保護委員会を調べてみますと、ある二つ、年に一回ぐらいしか開いていなかったということですけれども、今までも、マイナンバーカードを扱いながら、年一回それでフォローしていたということだったと思いますけれども、年一回ぐらいしか開いていなかったということでしょうか。問題点はなかったんでしょうか。
  102. 安田充

    安田政府参考人 お答えいたします。  今回、マイナンバー法に基づく個人情報を保護するための機構処理事務特定個人情報等保護委員会というものを設けていただこうという法改正内容になっております。  ただ、同様の保護委員会につきまして、住民基本台帳法に基づく本人確認情報公的個人認証法に基づく委員会ということで、既に二つの委員会が存在してございます。これらの委員会の開催状況につきましては、御指摘ございましたように、年一回程度ということでございました。  今後、新しく特定個人情報保護委員会、これを立ち上げるとともに、この活性化についてもJ―LISに対して助言をしてまいりたいというふうに考えております。
  103. 梅村さえこ

    梅村委員 マイナンバーは、本来、個人情報がしっかりと守られることが前提だという法のたてつけになっているかというふうに思います。  情報連携強化ではなく、マイナンバー制度の廃止こそ求めて、質問を終わります。
  104. 竹内譲

    竹内委員長 次に、田村貴昭君。
  105. 田村貴昭

    ○田村(貴)委員 日本共産党の田村貴昭です。  地方公共団体情報システム機構法等の一部改正案について質問します。  最初に、住民基本台帳法改正についてであります。  端的にお答えいただきたいと思います。機構機構保存本人確認情報利用して扱う事務が、この法改正によってどう変わるのでしょうか。
  106. 安田充

    安田政府参考人 お答えいたします。  現在、機構が保有する本人確認情報につきましては、番号利用法上の事務のうち、個人番号とすべき番号の生成の事務にのみ利用できるということになっているわけでございますが、今回の改正によりまして、省令で定めるものとしておりますが、今申し上げたものに加えまして、通知カード及びマイナンバーカード関連の事務にも拡大するということを考えているところでございます。
  107. 田村貴昭

    ○田村(貴)委員 つまり、本人確認情報利用拡大を可能にするという法改正であります。これは大きな変更でありまして、私たちは重大であるというふうに考えております。  続いて伺いたいと思います。  本人確認情報と番号カード管理システムをJ―LISにおいて照合して、不一致があれば自治体に連絡をするという話を伺いました。その目的は何なんでしょうか。そして、この照合というのは誰が行い、自治体に対する連絡というのはどなたが行うのか、お答えください。
  108. 安田充

    安田政府参考人 お答えいたします。  現在の仕組みでございますけれども、住民の氏名、住所等に異動があった場合には、市町村が既存の住基システムに異動情報を登録すること、これに加えまして、マイナンバーカードの申請に備えて、J―LISカード管理システムにもその情報を登録する必要がございます。これが、市町村からは、事務負担になっている、あるいはミスが生ずる原因になっている、こういう指摘があるわけでございます。  こうしたことを踏まえまして、今回の改正によりまして、先ほど御答弁申し上げましたように、通知カードマイナンバーカード発行する業務本人確認情報利用することを可能とするということによりまして、本人確認情報カード管理システム情報の不一致があれば地方公共団体に連絡され、カード管理システム情報が更新されるということを考えているところでございます。  これによりまして、異動が確認できた場合のみ異動情報を登録するといった運用も可能になるのではないか、それによって市町村の事務作業が必要最小限になるのではないかと考えております。また、市町村の事務処理誤りの防止、これはできるだろうというふうに考えております。こういうことを目的にしたものでございます。  そして、この本人確認情報カード管理システム情報の確認を誰がやるかということでございますが、これはJ―LISにおいて行っていただく。その情報に不一致があった場合の地方公共団体への連絡も、これはJ―LISが行うということを考えているところでございます。
  109. 田村貴昭

    ○田村(貴)委員 なかなかよくわからないんですけれども、その情報の照合、例えば住民票の異動における情報とそれからカード管理システム、この照合というのは、これは自治体の仕事ではないのか、カード発行する人が希望して、窓口においてこの照合を自治体が行えば済む話ではないかなと私は思うんですけれども、今ちょっとお答えを聞いていて、私はそう思ったわけですよ。局長、いかがですか。
  110. 安田充

    安田政府参考人 基本的に、カード管理システム情報登録、これは自治体が行っていただくべきものでございます。  ただ、現実の話といたしまして、これが二つのシステムを操作しなければいけないということになっておりましたので、ミスが生じたり手間がかかっているということがございまして、この照合を行って通知することによって自治体の登録を事実上助ける、そういう位置づけになろうかというふうに思います。
  111. 田村貴昭

    ○田村(貴)委員 それで、J―LISの方から自治体に対して、番号管理システムも入力してくださいよ、ここに照合していないので、この入力をお願いしますよというふうに連絡するということです。  この連絡というのは、連絡なのか指示なのか、どちらなんでしょうか。
  112. 安田充

    安田政府参考人 お答えいたします。  あくまで連絡であるというふうに考えております。  異動情報の登録は、その連絡を受けた市町村が行うべきものというふうに考えております。
  113. 田村貴昭

    ○田村(貴)委員 しかし、情報をちゃんと照合して、符合していませんから調整してくださいよ、入力してくださいよと連絡するんですから、これは指示であるんですよ。私はそう理解します。  長崎市で住所の誤記載があって、今度の法改正につながったというふうに伺っておりますけれども、カード発行の段階において長崎市のような事例はほかから報告が上がっているんでしょうか。
  114. 安田充

    安田政府参考人 長崎市の事例に関してのお尋ねでございますが、長崎市で発生したマイナンバーカードの誤記載の事例がございましたが、これは、既存住基システムに異動情報は登録したのでございますけれども、カード管理システムの方の登録を怠ってしまった、こういうケースであったと聞いております。  ほかにあるかというお尋ねでございますが、全ての事例を網羅的に把握するということはいたしておりませんけれども、私どもに少なくとも一件の情報がほかにも寄せられてございます。  こういうものが、今回の改正によりまして、チェックによって防げるのではないか、このように考えている次第でございます。
  115. 田村貴昭

    ○田村(貴)委員 だから、希有なケースだったわけですよね。レアケースであったということであります。  先ほど言いましたように、その情報の照合というのは、これはやはり第一義的には自治体の仕事であって、自治体でできるならば自治体が行うべきである。局長、うなずいておられるんですけれども。だから、別にこういうことをやる必要はないんじゃないかなと私は思うわけであります。  それで、今度の法改正ですけれども、J―LISは番号の生成のみを事務とする仕事だったんですけれども、今度は、カード発行、それに伴う本人確認情報利用拡大をしていくということであります。しかも、自治体に対して指示的な連絡も含まれるということになります。  J―LISは行政機関ではありません。そのJ―LISが、公務員でもない人が国民個人情報等に触れる機会をこれからふやしていくというもので、私は、これは重大な法改正であるというふうに思うわけであります。大変なリスクもこれから伴っていくのではないかなというふうに思います。  改めてお伺いしますけれども、機構職員本人確認情報を扱う機会がふえるとするのであれば、情報保全へのリスクも高まっていくのではないでしょうか。いかがでしょうか。
  116. 安田充

    安田政府参考人 現在の運用におきましても、住民の氏名、住所等に異動があった場合に市町村からJ―LISカード管理システムに当該情報を登録するということになっておりまして、カード管理システムにおいても、本人確認情報と同等の情報は保有しているわけでございます。機構においてもこれは保有しているということでございます。  今回の改正によりまして、J―LISが通知カードマイナンバーカード発行を行うシステムにおいて、住基ネット本人確認情報利用を可能とすることで、カード管理システム情報の不一致を確認することになりますけれども、本来、これらの情報カード管理システムが保有すべき情報でございます。  そのため、カード管理システム住基ネットにおいて保有する情報の量がふえるわけではなく、また、あくまでJ―LISの内部で利用するものでございますので、本人確認情報の保全先がふえるといったものではないというふうに考えているところでございます。
  117. 田村貴昭

    ○田村(貴)委員 機構職員が、機構が保有する本人確認情報を扱う機会はふえていくわけなんですよ、この法律のたてつけによったら。そうですよね。それは間違いないですよ。リスクが伴っていくんじゃないですか、拡大していくんじゃないですかということをお伺いしているんです。  高市大臣に伺います。  今後、機構機構処理事務がふえていく、それを、総務省令が改定となれば、本人確認情報機構における利用というのはふえていく傾向にあるのではないでしょうか。
  118. あかま二郎

    あかま副大臣 お答えいたします。  今回の住民基本台帳法改正により、現行、規定されているマイナンバーとなるべき番号の生成事務に加えて、機構処理事務のうちマイナンバーカード発行事務本人確認情報利用できるようにするものでございます。  ここで言う機構処理事務とは、マイナンバー法規定によりJ―LISが処理する事務と定義されており、マイナンバー法自体に規定されている事務や、マイナンバー法上の具体的な省令への委任規定をもとに省令に規定されている事務に限定されているものであり、無際限に新たな事務を追加することができるものではございません。  なお、そもそも、機構処理事務の範囲でしか本人確認情報利用できないことから、J―LIS内部でしか用いられないものであり、他の機関などへ拡散していくものではございません。  以上です。
  119. 田村貴昭

    ○田村(貴)委員 そうはあっても、機構職員本人確認情報アクセスできる機会をふやしていけば、それはやはり情報漏えいのリスクが高まるということではないでしょうか。  リスクの拡大が高まる、そういう事務量をふやしていくと同時に機構ガバナンス強化するというのは、私は、おのずと限界があり、矛盾していると思います。こうしたやり方は認められないということを指摘させていただきます。  住民個人情報を扱って、その個人情報の保護に努める仕事というのは、まず第一義的には地方自治体の仕事ではないでしょうか。確認させていただきたいと思います。いかがですか。通告していますよ。
  120. 安田充

    安田政府参考人 J―LISにおける個人情報保護につきましては、マイナンバーを含む個人情報、すなわち特定個人情報を提供する場合にも、地方公共団体と同様に、安全確保措置、提供の制限等の義務が課せられておりまして、また、一定の事務に関しましては、正当な理由なく特定個人情報ファイルを提供し、知り得たマイナンバーを自己や第三者の不正な利益を図る目的で提供した場合には罰則が適用されることになる、こういう法的な保護が図られております。  したがいまして、J―LIS特定個人情報を取り扱う場合に、地方公共団体と比較してリスクが大きくなるとは必ずしも言えないのではないかというふうに考えている次第でございます。
  121. 田村貴昭

    ○田村(貴)委員 時間の関係上、次の質問に移ります。  次は、マイナンバーカード利活用について質問です。  マイナンバーカードを図書館のカードとして利用する図書館があっています。カードAP方式であるとかJPKI方式であります。これに加えて、総務省は、貸出券機能にマイキープラットフォームを活用した方式を今後立ち上げるというふうに伺っております。  このマイキープラットフォームを活用した方式によって、図書館利用者にとってはどういう利便性が生まれてくるのか、このことについて御説明いただけるでしょうか。
  122. 時澤忠

    時澤政府参考人 お答えいたします。  現在、図書館やスポーツ施設の利用者証など、自治体サービスのためのさまざまなカードが存在をしております。このため、複数のカードを持ち歩かなければならない住民にとって不便でございますし、また、各カード管理を行う地方公共団体負担となっているところであります。  そこで、マイナンバーカードのマイキーと呼ばれる公的個人認証の部分を活用しまして、一枚のカードでふだん利用しております図書館などの利用者カード等として活用できるようにするマイキープラットフォームを構築することとしているものでございます。
  123. 田村貴昭

    ○田村(貴)委員 総務省の資料をお配りさせていただいております。  ここに、マイキープラットフォームを活用した図書館の利用のイメージが描かれています。ここの対象の自治体は、福岡県の大牟田市、それから熊本県の荒尾市を初め、有明圏定住自立圏の連携にある六つの自治体をイメージしてつくられているわけであります。  そこで、お伺いしますけれども、この共通利用というのは、マイキープラットフォームを使って、マイナンバーカードを毎日持ち歩くことを前提としているわけであります。しかし、そのマイナンバーカードというのは、住所、氏名、生年月日、それから大事な個人番号が付されています。  個人番号というのは、大臣、他人に見せないように慎重に扱うべきという性質があります。もう一つは、手軽に持ち歩いて利活用というのは、これは私は相反しているのではないかなと思うんですけれども、この矛盾について大臣はどうお考えでしょうか。
  124. 高市早苗

    高市国務大臣 まず、マイナンバーそのものでございますけれども、仮にマイナンバーが他人に知られた場合も、マイナンバーを使う手続というのは厳格な本人確認が必要でございますから、マイナンバーだけでは手続ができないようになっていて、本人への成り済ましはできません。  それから、マイナンバーカードを図書館利用者カードとして利用する際には、マイナンバーそのものは利用しないという前提でございます。  それから、マイキープラットフォームを活用される際には、マイナンバーカードに追加で情報登録することはございません。  マイナンバーカードセキュリティーも、ICチップには税や年金などのプライバシー性の高い情報は記録されず、また、特殊な加工によって偽造や不正利用もできないようになっています。  それから、たくさんのカードを今多くの方は持ち歩いていると思います。例えば免許証や保険証などにも氏名など個人情報は記載されています。クレジットカードなども大切なカードでございます。ところが、マイナンバーカードを紛失した場合には、三百六十五日、二十四時間コールセンターで対応しておりまして、電話一本ですぐに、マイナンバーカード、全ての機能を停止することができますので、たくさんのカードを財布に入れていて、全部落としてしまって、もうどこに電話をすればいいのかわからない状況に比べると、セキュリティー面でも配慮したつもりでございます。  こういった対策国民皆様に周知して、マイナンバーカードを積極的に利用していただきたいと思います。  やみくもに番号そのものを他人に見せるということは好ましくないことから、今、カードのケースには番号が隠れるような対応がなされているということも事実でございます。
  125. 田村貴昭

    ○田村(貴)委員 いや、そうはいっても、やはり利活用というのは、持ち歩くということです。持ち歩くということは、つまり、紛失、盗難それから盗撮等々、個人情報の漏えい、悪用にいつも向き合うということになるわけであります。  政府広報、QアンドAでも、マイナンバーを取り扱う場合に何を注意すればいいのですか、これに対する回答として、「通知カードマイナンバーカードをなくしたり、マイナンバーをむやみに提供したりしないようにしてください。」と呼びかけているではありませんか。  利活用というのは情報漏えいと背中合わせにあります。それがマイナンバーカードの根本的矛盾であり、それは解決できない問題であることをこの際指摘させていただきたいと思います。  先ほどの、この有明圏の六つの自治体におけるマイキープラットフォームのイメージ図なんですけれども、大牟田市や荒尾市を初めとするこの六つの自治体は、既に協議して実施を計画しているんでしょうか。いかがですか。
  126. 時澤忠

    時澤政府参考人 大牟田市を含めました関係六市町から成ります有明圏域定住自立圏におきまして、圏域内の住民に対しまして、各地方公共団体の図書館での貸し出しを含む相互利用によります図書サービスが提供されてきたところでございます。  これまでの相互利用に当たりましては、それぞれの地方公共団体発行します図書館カードが必要とされたわけでございますが、今回、マイキープラットフォームを活用することで、マイナンバーカード一枚で全ての図書館の利用を可能とするものでございます。  このマイナンバーカードを使っての相互利用につきましては、団体間での情報共有がなされておりまして、今後、検討を進めるというふうに聞いているところでございます。
  127. 田村貴昭

    ○田村(貴)委員 つまり、決まっていないわけなんですよ。話し合いもやっていないんですよ。六つの自治体が合い議したこともないわけなんですね。そういった中で、このように御丁寧に六つの自治体名まで入れていく、漫画まで入れていく。そして、こうしてやったら便利になりますよというふうにプレゼンテーションしたという話であります。総務省はそこまでするんですか。私は改めて驚きました。  ある自治体は、マイナンバーカードを使った利活用については、慎重の上にも慎重を期して検討していきたいというふうに話しているところもあるわけであります。  ここで、確認したいんですけれども、マイナンバーカードを使っての利活用はこういうメリットがありますよと説明されることはあろうかと思います。しかし、その利活用について、それを取り入れるのも自治体の判断、活用するのは住民の判断ではないかと思います。決して政府はそれを押しつけたり強制したりしてはいけないと思いますが、いかがでしょうか。大臣でも局長でもいいです。
  128. 高市早苗

    高市国務大臣 決して押しつけたり強制したりはしておりません。  ただ、マイナンバーカードというのはICチップを搭載したカードでございますから、それぞれの自治体で似たようなものをつくろうと思うと大変高いコストがかかります。  自治体の行政サービスに伴うさまざまなカードにも御活用いただけますし、また、商店街など、ポイントカード、なかなかセキュリティー性の高いものをつくれないといったところでも御活用いただけます。  私どもが自治体に要請をしておりますのは、特にマイナポータルに伴います子育てワンストップサービス、これは多くの子育て世代にメリットのあるサービスでございますから、できるだけ全ての自治体で対応していただきたい。それから、住民票などをコンビニでとれるサービスについても、入っている自治体、入っていない自治体がありますと、これは全ての国民皆様にメリットが及びませんので、ただ、導入するには自治体にもコストがかかるということで、その軽減策も私どもで構築をいたしました上で要請をしているというものでございます。
  129. 田村貴昭

    ○田村(貴)委員 もう終わりますけれども、マイナンバーの整備にこれまで要した費用は五千億円を超えています。利活用すればするほど、この負担が自治体にも、また国民にもかかってくる。こうした点も指摘して、きょうの質問を終わらせていただきたいと思います。  終わります。
  130. 竹内譲

    竹内委員長 次に、足立康史君。
  131. 足立康史

    ○足立委員 日本維新の会の足立康史でございます。  共産党の田村委員質疑は、きょうはいつになく言いがかりに近いもので、余り賛同できませんでした。余り前の方の論評をすると怒られるのでやめておきますが。  きょうは法案審議ということで、高市大臣には通告をしていません。質問通告をするときに、役所の方と議論するんですね。それで、これはどうしても大臣ですかと言われると、いや、別に大臣じゃなくてもいいよなということで、結局、大臣に対する問いがなくなっておりますが、決して避けているわけじゃありませんので、気楽にやっていただければと思います。こういう法案に関する議論は、本当に際どいところは大臣にお願いせないかぬわけですが、大抵は政府参考人で足りますので、決して他意はありませんので、御理解をいただければと思います。  それから、きょう、この裏で、安全保障委員会が久しぶりに再開をされました。大変よかったと思いますが、いろいろ政局で大切な委員会が飛ぶということは、開催されないということは、大変危惧をしておりました。  安全保障委員会もそうですし、それから、きょうのテーマとも多少かかわりますが、私、きょうは法案に絡んで、地方自治の話ですからちょっと合併とか分権の話をいたしますが、ちょうどあさっての憲法審査会で、国と地方のあり方をやります。  これも、本来、先週十三日に予定されていた憲法審査会が、なぜか、武正筆頭と辻元幹事の御差配、御要請で一回飛びました。憲法審査会というのはとにかく政局からは切り離すというのが、中山太郎会長率いる憲法調査会の時代からの伝統でありまして、とにかく、野党、特に民進党、共産党の方、特に民進党の御主張で国会の審議が滞るということについては、改めて批判をしておきたいと思います。  さて、きょうのJ―LIS地方公共団体情報システム機構、この件については、細かいことはもういいんですが、総務大臣権限強化しています。私は、こういう地方自治体の取り組み、あるいは地方自治体が共同して行うこうした取り組みについて、総務大臣がどこまで手を出すかについては、やはりよく議論を整理しておいた方がいいと思っています。  一方、きょうのテーマとは関係ありませんが、きょうのテーマについては、総務大臣権限強化です。でも、きょうのテーマに先立って、民進党の高井委員とか私が何度か取り上げている、いわゆる二千個問題、こだわりますが、このテーマについては、地方公共団体が保有するパーソナルデータに関する検討会報告書というものがまとめられていまして、ここについては相当抑制的に、モデル条例をつくることにとどめて、余り国が手を突っ込まない形で報告書が取りまとまっています。  改めて、この二千個問題について、私が勝手に対照しているわけですけれども、きょうの法案は総務大臣権限強化、それに対して、二千個問題に関する検討会の報告書は条例を尊重する、この間はどうなっているのかなということで、ちょっときょうはまず二千個問題について、条例での対応に御執心されたこの理由を端的に御紹介いただければと思います。
  132. 時澤忠

    時澤政府参考人 お答えいたします。  個人情報保護法の制定前から地方公共団体が自主的に個人情報保護施策に取り組んできた経緯というのがございます。こういった経緯を踏まえまして、現在の個人情報保護法制におきましては、地方公共団体の保有する個人情報につきましては条例により規律するというふうにされているところでございます。
  133. 足立康史

    ○足立委員 ありがとうございます。  経緯はいろいろあるわけですが、釈迦に説法ですが、この二千個問題が議論されている、二千個というのは、見られている方はわからないかもしれませんが、要すれば、地方公共団体が千七百ありますから、結局、地方公共団体の数が多過ぎて、いろいろ問題が起こっていますよということなわけです。  今さっきおっしゃったように、個人情報保護に係る条例が先んじて地方公共団体において整備をされてきた、そういった経緯があるんだということですが、今我々が直面している個人情報保護の問題は、例えばこの報告書でも、非識別加工情報仕組みを入れていくとか、大変高度な、概念的にも大変ファインな、ファインチューニングをしていかないと適切に取り扱えない。  だからこそ、二千個問題というのは、自治体ごとに取り扱いが異なると、要は国が千七百あるみたいなもの、国が二千カ国あるみたいなものですから、制度が違うと、自治体の境界を越えて事業に取り組まれている方々の御負担は甚大になるというのが問題なわけです。  制度がこうして非常に高度化していく中で、私の地元でも、一万人、二万人の町があります。これは、役場にも専門家がいません。そういう中で、なかなか対応ができないわけでありまして、やはり国がもう一歩出ていった方がいいんじゃないかという議論をしているわけであります。  では、一方で、今回のJ―LIS法については、総務大臣権限強化する。これは、地方自治の本旨というものがある中で、どうして今回は権限強化できるのか。その辺の頭の整理を教えてください。
  134. 安田充

    安田政府参考人 お答えいたします。  J―LISは、地方公共団体が共同して運営する地方共同法人でありますので、国の関与につきましては必要最小限にすべきというふうに考えられてきたところでございます。  一方で、J―LISにつきましては、今後開始する情報連携におきまして大きな役割を担うということがございます。また、マイナンバーカード利活用拡大に伴いまして、円滑な発行事務が求められるということもございます。こうしたことから、J―LISがこれらの事務を適正に実施できるよう、マイナンバー制度を担当する総務省として、今回の法改正が必要であると考えたところでございます。  今回の法改正でございますけれども、J―LIS自身によるガバナンス強化を図るとともに、マイナンバー法に基づいてJ―LIS実施する事務の適正を確保するため、マイナンバー法に基づく事務の実施に関することに限定して、総務大臣監督命令等を行うことができるということにするものでございまして、主体的な運営を阻害するものだとは考えていないところでございます。  なお、同様の規定、既に住民基本台帳法また公的個人認証法にもございますので、これと同等の規定を定めるという内容でございます。
  135. 足立康史

    ○足立委員 今おっしゃっていることはよくわかります。  したがって、私は、今回の法案について、権限強化し過ぎだ、こう申し上げているわけではなくて、むしろ、地方公共団体の取り組みについては、特に個人情報の問題とかマイナンバーとかセキュリティーとか、かつてないような非常に高度な整理、事務が発生してきます。これを小さな村、小さな町、こういうところに委ねていくことに限界があるので、やはり基礎自治体の規模について、しっかりと一定規模以上に、合併を完遂していくのか、あるいは、それがかなわないのであれば、一定程度国の役割強化していかなければ、この分野での適正なビジネスの、ビジネスだけではありませんが、さまざまな行政サービスあるいはビジネスの振興、こういったことがままならないということを危惧しているわけであります。  そういう関係で、あと残りの時間、その合併の話をちょっとしておきたいんです。  これは、一年ほど前にこの委員会でも一回取り上げたことがあります。改めてなんですが、結局、平成十一年から二十二年ころに平成の大合併ということをやりました。私は、繰り返しになりますが、これは失敗だったと思っているんですね。  何で失敗だったと思っているかといえば、私の地元でも、一つの小選挙区に三市二町、特にその二町に至っては、先ほど申し上げたように、少し複雑な事務が発生すると、行政需要が発生すると対応できません。例えば、先般も、いろいろな環境問題、土砂の問題、ダイオキシンの問題、いろいろあると、たちまち大阪府に頼らざるを得なくなる。本来自治体でやればいい話を、なかなかできないわけであります。  そうした中で、大阪府では、やはり合併をもっともっと進めていって、三十万都市ぐらいの基礎自治体に集約をしていかなければ、これからの少子高齢化、厳しい人口減少時代を乗り越えていくことはできない、こういう危機感を持っているわけであります。  一問ちょっと飛ばして、いわゆるそうした平成の大合併の合併政策、これは、既に特例法が終わったことをもって合併政策は終わった、政策は変更された、こういう理解でいいでしょうか。
  136. 安田充

    安田政府参考人 政策が変更されたのかというお尋ねでございますけれども、合併推進については一段落したというふうに考えております。  具体的には、平成の合併におきましては、強化された支援措置を講じながら合併を推進してきたところでございますけれども、約十年が経過した時期に行われました第二十九次の地方制度調査会の答申におきまして、「従来と同様の手法を続けていくことには限界がある」とされたことなどを踏まえまして、こうした全国的な合併推進は、平成二十一年度をもって一区切りとしたところでございます。  今後、市町村においては、自主的な合併に加えまして、広域連携、都道府県との連携など、多様な手法の中から最も適したものをみずから選択し、持続可能な行政サービスを提供していくことが重要だと考えているところでございます。
  137. 足立康史

    ○足立委員 一区切りということでありますが、なかなか自主的に合併というのは、要は、特例制度のもとでの合併ができなかったところが残っているわけですから、自主的にということを期待するのは大変難しい、私はこう思っています。  極端な話、もう国の法律で強制的に合併させたらどうか。地域ではそういう意見も多々あります。自治体の首長の選挙あるいは議員の選挙で合併について賛同を得るというのはやはりなかなか難しいんですね。だから、乱暴ですが、そういう議論、そういうことをやってくれという声が一部あります。  きょうは法制局に来ていただいていませんが、そういう議論というのはあり得るのか、やはり法制的あるいは憲法の議論からないと考えたらいいのか、法制的な整理としてはどうでしょうか。
  138. 安田充

    安田政府参考人 お答えいたします。  法律により直接に市町村を合併させる強制合併に関しましては、合併が市町村の存廃そのものにかかわる事項であることから、強制によるものではなくて、関係市町村とその住民の判断により自主的に行うことが地方自治の本旨にかなうものであると考えているところでございます。
  139. 足立康史

    ○足立委員 これは、まさに先ほど冒頭私が申し上げた憲法審査会とかでもしっかり議論をしていった方がいいと思うんですね。  民進党はやりたくないようですが、やりたくない理由は、もしかしたら細野さんが余り発言すると困るということもあるかもしれませんが、各委員が思うところをしっかりと発言する、その上で各党がポジションをしっかりと固めて、それを党の意見としてテーブルにのせていく、これはもうやらなあかんタイミングだと思うんです。小川先生、済みませんね、総務委員会と違う話でありますが。  今、我々が直面しているさまざまなテーマは、憲法にぶち当たる話がたくさんあります。地方自治の問題あるいは九条の問題、いずれも喫緊のテーマでありますので、日本維新の会としては、批判を恐れずに、果敢にここは突っ込んでいくつもりであります。  きょうのこのテーマ、私がなぜこれにこだわっているかというと、私は、一期目のときに厚生労働委員会でずっと仕事をしていました。当時、山井さんが野党筆頭で、もうにぎやかにぎやか。田村大臣と山井筆頭がやじの飛ばし合いをするという大変楽しい厚生労働委員会だったわけでありますが、今は柚木さんが山井さんの後を継いで、少しでも山井さんらしく、負けじとやられているようでありますが、余り感心をするものではありません。  厚生労働分野で、要すれば、医療と介護をしっかりと連携していこう、地域包括ケアということをやっているわけです。ところが、介護は市町村ですよ。医療も、国保は今まで市町村が財政責任を負ってきたわけです。ところが、財政基盤が弱い、私に言わせれば、平成の大合併が失敗をしたために、結局、国保の財政責任を都道府県に移管しちゃいました。  これから医療と介護を連携しようと言っているときに、介護は市町村、医療は、今までも地域計画とか医療計画とかそういうのは都道府県がやっていましたから、厚生省に言わせれば、そこを合わせたんですということかもしれませんが、結局、どれをどれに合わせるかというのは哲学が必要ですので。  そういう政策思想ということでいうと、地域ケア、医療、介護の現場は基礎自治体にしっかりと委ねていく、保険者機能も基礎自治体レベルで果たしていく、これが私は本当は当たり前だと思っていたんですよ。  そうしたら、厚生労働省が、平成の大合併が失敗したために、町村がもたなくなったために、国保の財政責任を都道府県に移管しちゃいました。本当に、自民党政権というのは一体何を考えているのか、よくわかりません。  厚生省にきょう来ていただいていますが、これは何で移管したんですか。
  140. 谷内繁

    谷内政府参考人 お答えいたします。  今、議員から、平成三十年に予定されております市町村国保の改革の目的についてお尋ねがございました。  市町村国保につきましては、被用者保険と比べまして加入者の年齢構成が高く、医療費水準が高い、また、無職、低所得者の加入が多く、所得水準が低いといった構造的な問題を抱えまして、もともと財政基盤の強化課題としてございました。  そのため、一昨年、法改正を行いまして、平成三十年四月以降、毎年約三千四百億円の追加的な財政支援を行うとともに、都道府県が国保の財政運営の責任主体となり、国保運営に中心的な役割を果たしていただくことにより多様なリスクを都道府県全体に分散するなど、国保の財政基盤を一層強化することとしたところでございます。  この改正の狙いでございますが、今申し上げた国保の財政基盤の強化ということだけではございません。もう一つの狙いといたしまして、都道府県は地域医療構想の策定等の主体でございますし、国保の財政運営の責任主体とすることによりまして、都道府県が医療保険と医療提供体制の両面を見ながら地域の医療の充実を図り、効率的かつ質の高い医療を提供できるよう取り組んでいただく、それも一つの狙いでございます。
  141. 足立康史

    ○足立委員 結局、自民党の政治が今までつくってきたものは、こういう継ぎはぎというか、まあ、仕方ないんですよ。現状からのインクリメンタルな修正をしていく、これは政権政党としては当たり前だと思いますが、これから少子高齢化の人口減少時代を乗り越えていくためには、こういうびほう策ではもう無理だというのが、我が党が発足した、結成された意義、背景であります。  日本維新の会としては、この総務委員会もそうですが、憲法審査会も含めて、地方公共団体のあり方については抜本的な改革を提案していきます。  細野委員も個人的にはおっしゃっているようですが、余り私案とか言っても仕方ありませんから、しっかりと党でまとめていただきたい、こう思います。  いずれにせよ、基礎自治体は数百、それから都道府県四十七は、合区の話があるように、大変難しいです。こういう広域行政、基礎自治体のあり方、抜本改革を進めることをお誓い申し上げて、質問を終わります。  ありがとうございました。
  142. 竹内譲

    竹内委員長 次に、吉川元君。
  143. 吉川元

    ○吉川(元)委員 社会民主党の吉川元です。  法案の中身に入る前に、何点か厚労省に確認したい点があります。  それは、先般、四月七日だったと思いますけれども、新聞で報じられておりました、マイナンバーシステムで医療保険者が行う情報連携利用料についてということであります。医療保険者からの委託を受けた形で、社会保険診療報酬支払基金、国民健康保険中央会が情報提供ネットワークシステムに一元的に接続する仕組みというふうに承知をしております。その際、中間サーバー運営経費は委託する各医療保険者が支払うことになっていると報じられております。  恐らく、新聞報道ですけれども、このシステムの開発は厚労省が主導して進め、二百二十億円かかる、さらにサーバー運営経費が年間で約百億円かかるといった内容だったと思うんですが、まず数字の確認をさせてください。開発費二百二十億、それからシステム運営費年間約百億ということでよろしいのでしょうか。
  144. 浜谷浩樹

    浜谷政府参考人 お答えいたします。  医療保険分野におけるマイナンバーを活用した情報連携を行うための医療保険中間サーバーシステムに係る平成二十八年度までの開発費は、約二百七十二億円でございます。  次に、医療保険者中間サーバーシステムに係る運営費につきましては、まだ確定しておりませんけれども、健康保険組合に運営費の目安としてお示しした金額は、情報連携の開始を予定している本年七月から来年の三月にかけての九カ月分で約七十五億円でございます。
  145. 吉川元

    ○吉川(元)委員 七月から三月までで七十五億円ということです。恐らく年間百億程度になるんだろうというふうに思います。  これは、新聞によりますと、この利用料、利用件数にかかわらず加入者及び家族の一律負担というふうに書かれております。  そうしますと、加入者とその家族の利用料、これを調べてみますと、月額で大体九・八七円のようですが、その総額を医療保険者が委託先に支払うということでよろしいのでしょうか。また、開発費はどなたが負担をしているんでしょうか。
  146. 浜谷浩樹

    浜谷政府参考人 お答えいたします。  まず、医療保険者中間サーバーに係るシステム開発等のイニシャルコストにつきましては、国庫負担でございます。  一方で、運用、保守等のランニングコストにつきましては、利用者である医療保険者に負担していただくことになるものと考えております。
  147. 吉川元

    ○吉川(元)委員 医療保険者ということですが、それは、結局のところ、医療保険者は当然、国費も入っているとしても保険料を集めてやっているわけですから、最終的には被保険者、つまり国民が保険料の中から負担をするという認識でよろしいんですよね。
  148. 浜谷浩樹

    浜谷政府参考人 お答えいたします。  財源構成につきましては、それぞれ、事業主や国庫などが入っているということで異なりますけれども、基本的には保険料で負担していただくということでございます。
  149. 吉川元

    ○吉川(元)委員 そうしますと、医療保険に入られている方は、もし扶養で家族がいらっしゃれば、その人も含めて大体九・八七円程度負担が生じるということになろうかと思います。  病院の窓口で健康保険証を提示するわけですけれども、情報連携になっても手続自体は変わらないわけで、利用者本人の利便性というのはほとんど認識できないのではないかと思います。にもかかわらず、利用料が毎月発生していることをもし仮に被保険者の皆さんが知れば、別に頼んだわけでもないのにという話になっていくのではないかというふうにも思います。  きょうは古屋厚生労働大臣にもおいでいただいておりますが、こうしたことについて、これはきちんと加入者に周知をされているんでしょうか。
  150. 古屋範子

    ○古屋副大臣 マイナンバーのシステム、いわゆる中間サーバー運営、また保守費用につきましては、各医療保険者等が負担をしていただくための予算編成等の準備に間に合うように、平成二十九年一月までに周知を行ったところでございます。
  151. 吉川元

    ○吉川(元)委員 いや、保険者の皆さんではなくて、利用者の皆さんにはきちんと伝わっているんでしょうか、こうしたことについては。  余り時間がありませんので、次に行きますけれども。  これも報道ですけれども、厚生労働省としては、利用料の大幅引き下げを言及されておられます、厚労省保険局ということで。  これは、いつまでに結論を出すおつもりなのでしょうか。七月に稼働を目指しているということでありますけれども、これはいつごろまでに結論を出すんでしょうか。
  152. 古屋範子

    ○古屋副大臣 医療保険者等のマイナンバー制度における情報連携を開始するに当たりましては、利用者である医療保険者等にそのメリットを実感していただくことが第一であると認識をいたしております。  運営、保守等に係る費用につきましても、本年七月に予定をしている情報連携の開始に向けまして、関係機関と協力をしつつ引き下げを図り、医療保険者等に納得をしていただけますよう、なるべく早期に一定のめどをつける必要があると考えているところでございます。
  153. 吉川元

    ○吉川(元)委員 利用料を引き下げるということですけれども、そうしますと、システム運営費、先ほどの答弁では、七月―三月で大体七十五億円、年間で大体百億円ぐらいかかるということになりますけれども、当然、利用料を下げれば、このシステム運営費、これを賄えなくなるわけでありまして、不足分は一体誰が負担をされるんでしょうか。
  154. 古屋範子

    ○古屋副大臣 現在も、医療保険者等の中間サーバーの保守運用費用につきましては、保守運用事業者等との費用の引き下げの交渉を行っているところでございます。  当該交渉におきましては、保守、運用に必要な費用そのものの引き下げを目指しておりまして、御指摘のような引き下げによる運営費の不足というものは生じないと考えているところでございます。  厚生労働省としても、保険者や関係府省と連携しながら費用の引き下げを図ってまいりたいと考えております。
  155. 吉川元

    ○吉川(元)委員 今のお話ですと、運営費そのものを下げた結果として利用料が下がることになるという答弁でございますけれども、そうしますと、これは新聞を見ますと大幅に引き下げるというふうに書かれておりますが、一体どの程度まで引き下げられるおつもりなんでしょうか。
  156. 浜谷浩樹

    浜谷政府参考人 お答えいたします。  費用の引き下げにつきましては、現在、関係事業者等と引き下げに向けて交渉中でございまして、具体的な額について現段階で申し上げることはできませんけれども、可能な限り引き下げるよう努力してまいりたいと考えております。
  157. 吉川元

    ○吉川(元)委員 大体どのぐらいのつもりでやっておられるのか。例えば百億かかるのが九十億で済みましたで済むのか、あるいは五十億、三十億、二十億というふうに下げられるのか、そのあたりは、どのぐらいのところを目指して引き下げの交渉をされていらっしゃるんでしょうか。
  158. 浜谷浩樹

    浜谷政府参考人 お答えいたします。  繰り返しになりますが、具体的な額を申し上げることは現段階ではできませんけれども、まず、平成二十九年度分のランニングコストについて、コストの中身、根拠を含め精査を行っているということでございます。  また、平成三十年度以降のコストにつきましても、平成二十九年度の稼働実績、トラブル対応実績などにより情報が蓄積される、定常的な運用に入ることから、平成二十九年度と比較して運用体制の見直しや機器等保守の効率化を図ることができる余地があると考えておりまして、そういう意味では、平成二十九年度、三十年度以降も含めて引き下げるよう今交渉しているということでございます。
  159. 吉川元

    ○吉川(元)委員 ちょっと非常に基礎的なことをお伺いしますけれども、この契約というのは、主体は誰なんでしょうか。厚生労働省なんでしょうか。
  160. 浜谷浩樹

    浜谷政府参考人 お答えいたします。  契約そのものにつきましては、取りまとめ機関と申しまして、先ほど御指摘のあった支払基金と国保中央会ということでございます。
  161. 吉川元

    ○吉川(元)委員 そうしますと、支払基金の方は特別民間法人、それから国保中央会の方は公益社団法人というふうになっています。つまり、いろいろな公共の部門を担うとはいいつつも、あくまで、これは民と民の契約関係ではないんでしょうか。それに対して厚生労働省が値下げをさせるというようなこと、そんなことは可能なんでしょうか。
  162. 浜谷浩樹

    浜谷政府参考人 お答えいたします。  今回のこの事業につきましては、国として、開発費の補助金等も出しながら、バックアップしながら進めてきております。そういう意味では、契約主体は先ほど申し上げたとおりでございますけれども、国としても価格交渉のバックアップを最大限していくということでございます。
  163. 吉川元

    ○吉川(元)委員 先ほど、その運営費については保険料だというふうに、最初のシステムをつくるのは国費で出すから、それについては値段を下げてくれというような話はできると思いますけれども、運営費に関しては、これは純粋に、先ほどの答弁では保険料だったはずですよね。そこから運営費を賄うというのに、なぜ国が民と民の関係の契約の中にああしろ、こうしろということを言えるのか、私は非常に不思議でなりません。  また、そもそも、百億から、新聞報道では大幅に引き下げるとなっておりますから、恐らく五%や一〇%ではなくもっと大幅に引き下げることを目指しているんだろう、数字はおっしゃいませんけれども、そういうふうに推察できるわけであります。  そうしますと、最初の百億円というのは、一体どうやってその百億円という数字が出てきたのか。これは相手側の、どこがやっているのかわかりませんが、いわゆるこのシステムをつくる側の言い値でやられたんじゃないんですか。そのあたり、どういう経緯なんでしょうか。
  164. 浜谷浩樹

    浜谷政府参考人 お答えいたします。  基本的な積算につきましては、予算編成過程などで、業者の見積もりなどをもとに、あくまで目安として七十五億ということで、現段階ではそういった数字になっているということでございます。  繰り返しになりますけれども、そういった積算の根拠につきまして、現在、精査をいたしまして、可能な限り値下げができるよう努力をしているということでございます。
  165. 吉川元

    ○吉川(元)委員 一年先、二年先に連携が始まるというのであれば、まだ今から交渉できると思いますが、七月ですよ。あと二カ月ちょっとしかないわけです。  その中で、目安というふうに言われましたけれども、では、今までその積算根拠を明らかにしないままこの目安というのはつくられたという理解でよろしいんですか。今、積算根拠をこれから明らかにしてもらうという話ですけれども、積算根拠は不明なままこの目安を出したということでよろしいですか。
  166. 浜谷浩樹

    浜谷政府参考人 お答えいたします。  当然、積算根拠を出していただいておりますけれども、より詳細な根拠につきまして、一つ一つ確認をし、精査をしているということでございます。
  167. 吉川元

    ○吉川(元)委員 そういうことは目安を出す前にやるべきことだというふうに私は思います。  内閣官房にお聞きします。  大臣にお聞きしようと思ったら、大臣総務大臣としてしか答弁ができないということなので、役人の方にお聞きしますけれども、今後、連携拡大させていくということが予定されております。こうした情報連携で、いわゆる中間サーバー、これを置かなければいけないということになろうかと思いますけれども、これは一体誰が負担をすることになるのか。初期投資、それから運営費についてお聞きします。
  168. 向井治紀

    向井政府参考人 お答えいたします。  マイナンバー制度導入に当たりまして、国の政策として全国一律の導入を求めるということもございます。一方で、マイナンバー制度は、当然、ITを使い、事務の効率化、国民利便性向上ということもございます。  そういうことを勘案いたしまして、マイナンバー制度の中で、中間サーバーというのは全ての情報連携機関につくるものでございますけれども、原則、初期投資につきましては、業務システムの開発費用につきましては国の補助でやり、かつ、一方、運営費につきましてはそれぞれの情報連携を行う者が負担するというふうな考え方で行われているところでございます。  これは、運営をすること、マイナンバーを使い情報連携をすることによりまして事務の効率化もなされるということも勘案した上でしたものでございます。  一方で、初期投資につきましては、従前の補助率を大幅に上回る補助率で国費で負担したということでございます。
  169. 吉川元

    ○吉川(元)委員 では、改めて厚生労働省にお聞きをしたいと思います。  厚生労働省の資料を見ますと、医療保険の分野で、今言った、百億円運営費がかかるということで、中間サーバー設置される。それ以外にも、年金、労災、雇用保険、これらそれぞれに中間サーバーを置いて、今答弁が内閣官房からありましたけれども、運営費についてはそれぞれ、保険ですから、医療保険と同じように、保険者、つまり最終的にはそこを利用する被保険者が負担をするということでよろしいんでしょうか。
  170. 向井治紀

    向井政府参考人 お答えいたします。  マイナンバー制度情報連携を設計し、そして調達する際に、基本的に、先ほど申し上げました考え方で、運営費は、原則、情報連携する各機関負担するということになってございます。
  171. 吉川元

    ○吉川(元)委員 そうしますと、例えば医療保険というのは、これは全ての方、いろいろな、協会けんぽだったり健保組合だったりありますけれども、国民皆保険ですから必ず入っています。それから、年金についても、全ての方が年金に、なかなか保険料が払えないということで減免等々は受けられたにしても、入っております。それから、労災、雇用保険、これは被雇用者は入っております。  そうすると、それぞれに中間サーバーが置かれて、それぞれの利用料を利用者利用者といいますか、最終的には被保険者が支払っていくということになりますと、例えば、今回おおよそ九・八七円ということでありますけれども、これを三つやれば、そんなに値段は変わらないと思いますから、一人三十円ぐらいは毎月中間サーバーのためにお金を払わなければいけない。中間サーバーがふえればふえるほど、一つ当たりの中間サーバー利用料、運営費というのは当然、大体同じ値段だと考えれば、十円ずつ払っていかなきゃいけない。十個中間サーバーができたら、一人月百円、年間千二百円、家族が四人いれば、それで年間四千八百円ですか、こういうふうになるという理解でよろしいんですか。
  172. 向井治紀

    向井政府参考人 お答えいたします。  中間サーバー運営費は、それぞれの中間サーバー情報量、規模によって異なってまいります。  例えば、自治体の場合ですと、知事部局、教育委員会合わせまして、自治体の数掛ける二になりますが、三千六百幾らですか、のものを一括して共同で整備してございまして、これらにかかる費用はせいぜい数十億ぐらいになろうかと思っています。  これらにつきましては、中間サーバーのつくり方次第でございますが、ただ、中間サーバー運営費といいましても、連携当初はインシデント対応等でSE等の人のはじきがふえますので、平年度化いたしますとそれより減ることも考えられます。  いずれにしても、私ども、マイナンバーを推進する側といたしましては、それぞれの費用ができるだけかからないように、各情報連携機関連携しながら、できるだけ費用を下げられるように努力してまいりたいと考えております。
  173. 吉川元

    ○吉川(元)委員 できる限り費用をかけないようにするとは言いますけれども、だけれども、中間サーバーの数だけ運営費、二重払い、三重払い、四重払いというふうに言えばいいのかわかりませんが、そうなっていくというふうに私は危惧をせざるを得ません。  法案について一点だけ確認させていただきたいんですけれども、J―LISの最高意思決定機関委員の数は六人以上十二人以内ということで、今現在は六人ですかね。  昨年六月二十二日に開催をされた代表者会議、これは出席者を見ますとわずか二人しか出席をしていない。その二十二日というのはトラブル障害の最終報告を受ける非常に重要な会議なわけですけれども、それにもかかわらず二人しか出席していないというのは、これは果たしてガバナンス上どうなのかというふうに思いますが、この点について総務省はどういうふうにお考えでしょうか。
  174. 安田充

    安田政府参考人 お答えいたします。  J―LISガバナンス見直しの議論を行う中で、この代表者会議のあり方についても、私どもとJ―LISとの間でも議論は行いました。  確かに、六月の代表者会議で、代理出席が多いし、代理出席が、各三団体の事務局が出てきているということがございました。  そこで、平成二十八年九月にJ―LISにおいて定款変更を行いまして、代表者会議出席することができる地方団体選出の代理委員を、原則、地方公共団体の長に限定するということにいたしました。  平成二十八年六月の代表者会議では、今申し上げましたように全て事務局職員が代理をされたわけでございますが、定款変更後に開催された三回の代表者会議では、いずれの回においても地方団体が指定する地方公共団体の長が出席しておりまして、代表者会議における地方団体ガバナンス強化が図られてきているのではないかというふうに考えているところでございます。
  175. 吉川元

    ○吉川(元)委員 時間が来ましたので終わりますけれども、わずか三分の一しか、今は変わったということですけれども、三分の一、しかもそれは、代理は代理なわけで、だとするならば、ここはしっかりガバナンス強化観点から見直しが必要なのではないかということを指摘して、質問を終わります。
  176. 竹内譲

    竹内委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。     ―――――――――――――
  177. 竹内譲

    竹内委員長 この際、本案に対し、奥野総一郎君外一名から、民進党・無所属クラブ及び社会民主党・市民連合の共同提案による修正案が提出されております。  提出者より趣旨の説明を求めます。奥野総一郎君。     ―――――――――――――  地方公共団体情報システム機構法等の一部を改正する法律案に対する修正案     〔本号末尾に掲載〕     ―――――――――――――
  178. 奥野総一郎

    ○奥野(総)委員 ただいま議題となりました地方公共団体情報システム機構法等の一部を改正する法律案に対する修正案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。  地方公共団体情報システム機構の保有する情報の公開に関する制度については、機構の内部規程で定められているものの、同規程において情報公開請求に関する不服申し立てについての諮問機関とされている情報公開審査会の委員がいまだ任命されていないなど、不十分なものとなっております。  そこで、本修正案は、法律案の附則に、政府は、この法律の施行後速やかに、機構の保有する情報の一層の公開を図る観点から、その保有する情報を公開するための制度のあり方について検討を加え、その結果に基づいて必要な法制上の措置を講ずるものとする規定を追加するものであります。  以上が、本修正案の趣旨であります。  何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
  179. 竹内譲

    竹内委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。     ―――――――――――――
  180. 竹内譲

    竹内委員長 これより原案及び修正案を一括して討論に入ります。  討論の申し出がありますので、これを許します。田村貴昭君。
  181. 田村貴昭

    ○田村(貴)委員 私は、日本共産党を代表して、地方公共団体情報システム機構法等の一部を改正する法律案、その原案について反対討論を行います。  本法案提出のきっかけとされるマイナンバーカード作成業務におけるトラブルは、そもそも、機構が発注した五社コンソーシアムによるシステム構築上のミスが重なったものであります。機構ガバナンス強化総務大臣機構に対する監督権限等の強化を行っても、今後、情報連携システムの本格稼働が始まれば、想定していない障害発生する可能性は否定できません。  また、住民基本台帳法の一部改正は、機構が保有する本人確認情報利用できる事務を拡大するものです。カード管理システムにおける個人情報の照合は、自治体の窓口において行えば済むことです。マイナンバーカード作成業務にかかわり、新たに機構職員住基ネット個人情報アクセスできる業務拡大すれば、秘密の保全を損なう可能性が生まれます。  さらに、本法案は、本人確認情報について、マイナンバー法規定による機構処理事務のうち、総務省令で定めるものに利用できるとしています。マイナンバー法改正によって機構処理事務が広がり、総務省令を改定すれば、個人確認情報利用範囲はさらに広がることとなり、情報漏えいの危険性は広がることになります。  以上を述べて、反対討論とします。  なお、修正案については、機構の保有する情報の公開を図る上から賛成するものです。  以上です。(拍手)
  182. 竹内譲

    竹内委員長 これにて討論は終局いたしました。     ―――――――――――――
  183. 竹内譲

    竹内委員長 これより採決に入ります。  地方公共団体情報システム機構法等の一部を改正する法律案及びこれに対する修正案について採決いたします。  まず、奥野総一郎君外一名提出の修正案について採決いたします。  本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  184. 竹内譲

    竹内委員長 起立少数。よって、本修正案は否決されました。  次に、原案について採決いたします。  これに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  185. 竹内譲

    竹内委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。     ―――――――――――――
  186. 竹内譲

    竹内委員長 この際、ただいま議決いたしました法律案に対し、葉梨康弘君外四名から、自由民主党・無所属の会、民進党・無所属クラブ、公明党、日本維新の会及び社会民主党・市民連合の五派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。  提出者から趣旨の説明を求めます。葉梨康弘君。
  187. 葉梨康弘

    ○葉梨委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。  案文の朗読により趣旨の説明にかえさせていただきます。     地方公共団体情報システム機構法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、本法施行に当たり、次の事項の実施に努めるべきである。  一 地方公共団体情報システム機構は、地方分権の理念に立ち、地方公共団体が共同して運営する組織として設立されたものであることに鑑み、総務大臣による監督権限の行使に当たっては、その目的を達成するため必要かつ合理的なものとするとともに、同機構の自主性及び自立性に十分配慮すること。  二 地方公共団体情報システム機構における情報の公開については、同機構が個人番号制度の基幹的な業務を担う法人として説明責任を全うする重要性に鑑み、その業務の遂行に関する情報の一層の公開が図られるよう、地方公共団体意見を踏まえつつ、速やかに適切な措置を講ずること。併せて、同機構を含めた地方共同法人情報公開の在り方について、地方公共団体意見を踏まえつつ、情報公開制度の整備のため、法制上の措置を含め検討を行い、必要な措置を講ずること。  三 地方公共団体情報システム機構管理運営する情報システムについては、外部からの不正アクセス情報漏えい等を防止するため、セキュリティ対策に万全な措置が講じられるよう十分な支援を行うこと。  四 地方公共団体情報システム機構において、情報システムに関する高度な専門的知識を有する人材の確保及び育成が円滑かつ的確に図られるよう、同機構における自主的な取組を尊重しつつ、適切な支援措置を講ずること。その際、「天下り」とならないよう十分留意すること。  五 地方公共団体情報システム機構運営に、地方公共団体の意向が適切に反映されるよう、地方公共団体意見を踏まえつつ、代表者会議組織の在り方の見直しを含め、地方公共団体によるガバナンスを抜本的に強化するための方策を検討すること。 以上であります。  何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。(拍手)
  188. 竹内譲

    竹内委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。  採決いたします。  本動議に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  189. 竹内譲

    竹内委員長 起立多数。よって、本動議のとおり附帯決議を付することに決しました。  この際、総務大臣から発言を求められておりますので、これを許します。高市総務大臣
  190. 高市早苗

    高市国務大臣 ただいま御決議のありました事項につきましては、その御趣旨を十分に尊重してまいりたいと存じます。     ―――――――――――――
  191. 竹内譲

    竹内委員長 お諮りいたします。  ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  192. 竹内譲

    竹内委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     ―――――――――――――     〔報告書は附録に掲載〕     ―――――――――――――
  193. 竹内譲

    竹内委員長 次回は、来る二十日木曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後零時十五分散会