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2017-05-10 第193回国会 衆議院 決算行政監視委員会 第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二十九年五月十日(水曜日)     午後一時開議  出席委員    委員長 玄葉光一郎君    理事 後藤田正純君 理事 瀬戸 隆一君    理事 田畑 裕明君 理事 武田 良太君    理事 山際大志郎君 理事 石関 貴史君    理事 松田 直久君 理事 伊藤  渉君       赤枝 恒雄君    秋本 真利君       浅尾慶一郎君    甘利  明君       今枝宗一郎君    今村 雅弘君       大隈 和英君    大西 宏幸君       加藤 鮎子君    河村 建夫君       神田 憲次君    菅家 一郎君       木村 太郎君    木村 弥生君       河野 太郎君    白須賀貴樹君       新谷 正義君    園田 博之君       田中 英之君    武部  新君       中山 展宏君    星野 剛士君       牧原 秀樹君    三ッ林裕巳君       務台 俊介君    村上誠一郎君       八木 哲也君    青柳陽一郎君       木内 孝胤君    篠原  豪君       西村智奈美君    馬淵 澄夫君       松木けんこう君    中川 康洋君       穀田 恵二君    宮本  徹君       松浪 健太君    中村喜四郎君     …………………………………    財務大臣    国務大臣    (金融担当)       麻生 太郎君    法務大臣         金田 勝年君    文部科学大臣       松野 博一君    防衛大臣         稲田 朋美君    国務大臣    (復興大臣)       吉野 正芳君    国務大臣    (地方創生担当)     山本 幸三君    外務副大臣        岸  信夫君    財務大臣        大塚  拓君    経済産業大臣      松村 祥史君    会計検査院事務総局第一局長            鈴土  靖君    会計検査院事務総局第二局長            腰山 謙介君    会計検査院事務総局第三局長            戸田 直行君    政府参考人    (内閣大臣官房審議官) 緒方 俊則君    政府参考人    (法務省入国管理局長)  和田 雅樹君    政府参考人    (外務省大臣官房参事官) 志水 史雄君    政府参考人    (財務省理財局長)    佐川 宣寿君    政府参考人    (文部科学省大臣官房審議官)           大山 真未君    政府参考人    (厚生労働省大臣官房審議官)           諏訪園健司君    政府参考人    (厚生労働省医政局長)  神田 裕二君    政府参考人    (厚生労働省雇用均等児童家庭局児童虐待防止等総合対策室長)       山本 麻里君    政府参考人    (厚生労働省保険局長)  鈴木 康裕君    政府参考人    (農林水産省消費安全局長)           今城 健晴君    政府参考人    (農林水産省生産局長)  枝元 真徹君    政府参考人    (経済産業省大臣官房審議官)           田中 茂明君    政府参考人    (経済産業省大臣官房審議官)           竹内 芳明君    政府参考人    (経済産業省貿易経済協力局長)          寺澤 達也君    政府参考人    (経済産業省商務情報政策局商務情報政策統括調整官)            吉本  豊君    政府参考人    (国土交通省住宅局長)  由木 文彦君    政府参考人    (環境省大臣官房廃棄物リサイクル対策部長)   中井徳太郎君    政府参考人    (防衛省防衛政策局長)  前田  哲君    政府参考人    (防衛省整備計画局長)  高橋 憲一君    政府参考人    (防衛省地方協力局長)  深山 延暁君    政府参考人    (防衛省統合幕僚監部総括官)           辰己 昌良君    政府参考人    (防衛装備庁装備政策部長)            中村 吉利君    政府参考人    (防衛装備庁プロジェクト管理部長)        田中  聡君    決算行政監視委員会専門員 安齋 雄一君     ――――――――――――― 委員の異動 四月二十六日  辞任         補欠選任   田畑  毅君     今村 雅弘君 五月十日  辞任         補欠選任   秋本 真利君     三ッ林裕巳君   遠藤 利明君     星野 剛士君   河村 建夫君     武部  新君   神田 憲次君     菅家 一郎君   木村 弥生君     大西 宏幸君   鈴木 馨祐君     大隈 和英君   篠原  豪君     木内 孝胤君   石田 祝稔君     中川 康洋君 同日  辞任         補欠選任   大隈 和英君     中山 展宏君   大西 宏幸君     木村 弥生君   菅家 一郎君     神田 憲次君   武部  新君     河村 建夫君   星野 剛士君     遠藤 利明君   三ッ林裕巳君     今枝宗一郎君   木内 孝胤君     篠原  豪君   中川 康洋君     石田 祝稔君 同日  辞任         補欠選任   今枝宗一郎君     秋本 真利君   中山 展宏君     務台 俊介君 同日  辞任         補欠選任   務台 俊介君     鈴木 馨祐君     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  政府参考人出頭要求に関する件  平成二十六年度一般会計歳入歳出決算  平成二十六年度特別会計歳入歳出決算  平成二十六年度国税収納金整理資金受払計算書  平成二十六年度政府関係機関決算書  平成二十六年度国有財産増減及び現在額総計算書  平成二十六年度国有財産無償貸付状況計算書  平成二十七年度一般会計歳入歳出決算  平成二十七年度特別会計歳入歳出決算  平成二十七年度国税収納金整理資金受払計算書  平成二十七年度政府関係機関決算書  平成二十七年度国有財産増減及び現在額総計算書  平成二十七年度国有財産無償貸付状況計算書  昭和十九年度朝鮮総督特別会計等歳入歳出決算及び昭和二十年度朝鮮総督特別会計等歳入歳出決算      ――――◇―――――
  2. 玄葉光一郎

    玄葉委員長 これより会議を開きます。  平成二十六年度決算外二件、平成二十七年度決算外二件、昭和十九年度朝鮮総督特別会計等歳入歳出決算及び昭和二十年度朝鮮総督特別会計等歳入歳出決算を議題といたします。  これより全般的審査を行います。  この際、お諮りいたします。  各件審査のため、本日、政府参考人として、お手元に配付いたしておりますとおり、内閣大臣官房審議官緒方俊則君外二十二名の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 玄葉光一郎

    玄葉委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。     ―――――――――――――
  4. 玄葉光一郎

    玄葉委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。赤枝恒雄君。
  5. 赤枝恒雄

    赤枝委員 自由民主党、赤枝恒雄でございます。  きょうは、産婦人科医療、特に産科医療の窮状といいますか現状を皆様に訴えて、それで、それに対する対策みたいなものも提言をさせていただきたいと思っております。  私は、知る人ぞ知る、知らない人は知りませんが、国会議員でただ一人の産科医でございます。そういうわけで、きょうの訴えは、自分のことでもあり、しかし、社会の中で今産科医がいない、とにかく診療科が偏在している、困っているということの分析も含めて、何が問題なのかということを明らかにしていきたいと思っております。  私のことを最初にちょっと自己紹介的に言わせていただくと、私は、東京医科大学を昭和四十三年に卒業して、十年間医局にいて、その間に何と、北海道の八雲市立病院新潟小出病院新潟の中のもう一つ県立病院、それから飯山日赤とか、八カ所ぐらい、教授に数日前に、おまえ、行ってこいと言われると、はい、わかりましたですぐ飛んでいった時代です。そのころを考えると、やはり医局制度というのは懐かしいというか、まあ、それもいいのかなというふうな、話題が違っちゃいますけれども、そういうことも考えたりはしております。  まず、私は、産科医を三十八年にわたって六本木で開業してやっていまして、医師会関係の仕事とかもいろいろやってきて、自分が、お国が言う、今後産科医療推進するという言葉が実感できないという日々が実は続いているわけなんです。  では、ここで、産科医療推進しているよというお国の今までの対策、特に、一般産科医がわかるような、産科に特別の支援策をやってきたのかどうか、その辺をまずお聞きしたいと思います。
  6. 神田裕二

    神田政府参考人 お答えいたします。  地域で安心して子供を産み育てることができるよう、産科医療推進は大変重要な課題であるというふうに認識いたしております。  厚生労働省といたしましては、これまで産科医療推進のために、まず、地域医療介護総合確保基金によりまして、産科医の処遇を改善し、産科医療確保を図ることを目的として、分娩件数に応じた医師への手当を支給する事業等に対して、平成二十八年度におきましては十八億五千四百万円を補助しているところでございます。  また、離島や山間部など、分娩可能な産科医療機関の少ない僻地の産科医療機関運営費に対しまして、平成二十八年度で三億一千二百万円の補助をしているところでございます。  また、日本医療機能評価機構が運営いたします、分娩に係る医療事故により重度脳性麻痺になった患者補償を行います産科医療補償制度とあわせて実施をしております事故原因分析ですとか再発防止策の策定に対しまして、平成二十八年度で七千三百万円の補助を行っているところでございます。  また、産婦人科に係ります診療報酬につきましては、合併症等を有する妊産婦の入院管理に対する評価など、これまでの改定充実を図ってきているところでございます。
  7. 赤枝恒雄

    赤枝委員 ありがとうございます。何か、額が非常に少なくて驚いたわけですが。もっと手厚くしてほしいんですが。  平成二十六年にそれまでの補助金から基金に変わりましたね。補助金から基金の方に変わって、産科医療体制に対して何か薄くなったのではないか。つまり、基金というのは、各県が主導して、その県なりにいろいろなアイデアを出してお国に要望するわけですから、県にやる気がなければ産科医療地域でも進まないわけで、ここのところの、産科医療への支援地域都道府県がきちんとやっているのかどうか。この辺を指導してほしいんですが、その辺はどうですか。
  8. 神田裕二

    神田政府参考人 御指摘のとおり、平成二十六年から、医療介護総合確保基金によりまして、先ほど申し上げた産科医に対する分娩手当等補助を行ってきているところでございます。  それ以前は補助事業等実施をしていたものがございますけれども、この新しい基金というのは、都道府県の判断に基づいて独自の事業を行うことができるといったことですとか、従前補助事業と比べますと国の負担割合が二分の一ということでかなり上がっているということで、支援としては従前より厚くなっているところでございますので、この基金を活用していただきましてぜひ地域の実情に合った補助をしていただけるよう、我々としても、都道府県に対して先進事例等情報提供をして、できるだけ有効に活用していただけるようにしていきたいというふうに考えております。
  9. 赤枝恒雄

    赤枝委員 これからも、基金に移ってからも、周産期医療をやる医療機関全てがその交付の対象になるように、どうか指導をよろしくお願いしたいと思います。  産科医地域偏在が今問題になって、そこで診療科偏在もあるわけですけれども、産婦人科地方にはいないと言われているそのもともとの大きな原因は、初期研修の二年間の間に産婦人科必修じゃなくなった、これが大きいんじゃないかというふうに言われていますが、それについてはどうお考えですか。
  10. 神田裕二

    神田政府参考人 御指摘のとおり、初期研修制度必修化されましたときには産科必修ということでございましたけれども、その後見直しいたしまして、平成二十二年度からであると承知いたしておりますけれども、選択必修ということになっております。そのほかにも、外科ですとか小児科とか選択必修になったものがございますけれども、やはり経験することによって一定の方についてはその診療科に進んでいただけるということがございますので、先生指摘の趣旨を踏まえまして、産婦人科につきましても必修科を復活してはどうかという御意見をいただいておりますので、私どもとしても検討していきたいというふうに考えております。
  11. 赤枝恒雄

    赤枝委員 ありがとうございます。  今局長もおっしゃられたように、やはり専門家意見を聞いても、これは必修科に絶対しなければいけない、これは物すごく大きな問題だと。そうしないと、産婦人科がこれだけ減って、いないのに、おまけに、後で申し上げますけれども、経営実態も悪いというところで、そこで必修になっていなくて選択だということになると、ますます、これから出生率一・八を目指してやるのに、産婦人科ってそんなものかというふうに思われるので、ぜひ、これは必ず必修科にするという強い決意をお述べいただきたいと思います。
  12. 神田裕二

    神田政府参考人 先生指摘のように、強い御要望をいただいております。そのほかにも、実は、外科でございますとか小児科精神科等についても必修科に戻してほしいという要望をいただいております。  これにつきましては、医道審議会臨床研修部会の中で検討をすることによって、関係者意見も聞きながら検討していきたいというふうに考えております。
  13. 赤枝恒雄

    赤枝委員 ありがとうございます。  お手元に、これは皆さんのところにあるかどうか、第二十回の医療経営実態調査があります。これは中医協でやったものですけれども、これを見ていただくと、九つの診療科の中でとにかく、もうかっていないと言うとおかしいですが、一番収益の少ないのが産婦人科で、一番収益が上がっているのが眼科なんですね。眼科は三倍近くありますね。二倍近くあるのが整形外科外科も多いですね。  こういうわけで、初期研修が終わってそれから専門に行こうという学生がこういう表を見ると、一つ選択肢として、産婦人科は先が暗いよねという話になっちゃうんじゃないか。  これは重大な実態調査だと思うんですが、厚労省はこれを見てどういうふうにお考えになっているのか、ちょっと教えていただけますか。
  14. 鈴木康裕

    鈴木政府参考人 産婦人科経営実態についてお尋ねがございました。  御指摘のように、第二十回の医療経済実態調査、これは二年ごとの診療報酬改定の前に実施をしておるものでございますが、これにおきましては、産婦人科のいわゆる損益率収益から費用を引いたものが一番小さくなっております。  お配りいただいた資料で、一番右側が全体、右から五番目が産婦人科ということでございますが、全体では損益率が一五・五%でございますけれども、産婦人科の場合は七・六%ということになっております。
  15. 赤枝恒雄

    赤枝委員 一時代前は、産婦人科一般的には非常にもうかるというような、中絶があった時代が、脱税の問題とかいろいろ言われて、産婦人科自費があるからもうかっているよねというのが一般的な産婦人科医に対するイメージでしたが、実際、こうやって見てみると、この数字は、産婦人科は確かに、ピルだ、中絶だ、自費があるんですよ。ほかの科に比べて自費が物すごく多いんですよ。多くて、それを入れてもなおかつ最低だというところを見ると、本当にひどいんだなと僕は思いますよ。  どうですか、この私の危機感をわかってもらえますか。
  16. 鈴木康裕

    鈴木政府参考人 確かに、御指摘のように、産婦人科の場合の特殊性として、保険診療以外の自由診療部分が多いということがございます。全体ですと一二・九%が自由診療ですが、産婦人科の場合は五六・八%が自由診療ということでございますので、お産も含めて自由診療部分が多いということでございます。  そういう中で、非常に収支が、ある意味で言うと一番低いということでございますので、来年、同時改定診療報酬改定もございますから、ぜひ、それに向けて関係の方々の御意見も聞いて、しっかりと検討したいというふうに思います。
  17. 赤枝恒雄

    赤枝委員 ありがとうございます。何か前向きなお返事をいただいたようで、少し明るい気持ちになりました。  そこで、診療報酬産婦人科も、診療報酬のところで少し、今まで国会議員の中に産婦人科医がいなかったからこうなったのかなと思わない節もなくて、置いていかれているような気がするんですね。  というのは、産婦人科というのは、検診台が二つあるわけですよ。内診台産科検診台、部屋に二つあるわけです。そこで下着を含めて洋服を脱ぐという行為があって、また着るという行為があって、今度はこっちに来ておなかを出すためにまた一部脱ぐという行為があって、時間がかかる。冬場は特に時間がかかりますよね、厚着をしているから。それから、お年寄りは特にそうですね、時間がかかってなかなか脱げないという問題もあったりして。非常に産婦人科は時間がかかるということですよ。  それから、我々産科医は、患者さん一人を診ているんじゃないんですよ。中に胎児がいるじゃないですか。だから、我々は絶えず二人診ているんですよ。ですから、ちょっと風邪を引いて薬を下さいといっても、我々は、厚い薬の本を出して、出す薬が胎児に対して危険性があるかどうか、どういう副反応があるかどうかを調べるんですよ、分厚い本を。  もし、出して、胎児がその後、出産した後に、奇形じゃなくても何か異常分娩になったとき、先生が出した薬でこうなりましたと言われて訴訟になるのが怖いから、薬もできるだけ出したくはないんです。でも、便秘の薬とか風邪薬とかアレルギーの薬とか、どうしても出さざるを得ないこともあるんです。そのときに、やはり胎児ということを頭に入れて我々は出すわけです。  そういう意味で、二人を診ているというところで、ほかの科と違うんじゃないんですか。初診料も再診料も同じ、二百八十二点でいいんですか。産婦人科は二人診ている、内科は一人診ている、同じ初診料、再診料でいいんですか。どうですか。
  18. 鈴木康裕

    鈴木政府参考人 御指摘のとおり、産婦人科医療、特に子供さんがおなかの中におられるということもありまして、適切な提供のためには診療報酬における評価というのは非常に重要だと思っております。  その充実を図る観点で、従来から、例えば平成十八年にはハイリスク分娩管理加算、それから二十年にはハイリスク妊娠管理加算、さらには二十八年度の改定では、緊急の場合の外科手術、例えば帝王切開のような場合ですね、それから複雑な手術の場合、それぞれに加算を提案させていただいて、実現してまいりました。  こういうことで、さまざまな学会、医会の御要望を入れながら逐次きちっと引き上げを図りたいというふうに思います。
  19. 赤枝恒雄

    赤枝委員 何か、局長に反論するのはまことに申しわけないんですが、そういう例は少ないわけです。そういう例は少ない。日常産科検診をやっている我々、お産を、患者さんを診ているときに、こういう手当もあるよというんじゃなくて、日常診察として産科診察料がほかの科と同じでいいんですかというところを、もう一回ちょっとお答えを、気持ちだけでもいいですよ、ちょっとお尋ねしたいんです。
  20. 鈴木康裕

    鈴木政府参考人 いわゆる健診の場合の、診療報酬じゃないところで診ている場合の費用部分と、それから一般診察の場合の診療報酬で診ている場合を分けて考える必要があると思いますが、恐らくおっしゃっているのは後者の診察の場合だと思います。  診察の場合、確かにおっしゃるように、実際の診察の例えば手間がかかるとか、お子さんがおなかの中におられることによってより考慮しなきゃいけない部分があるというようなところをどのように評価したらいいかということも含めて、来年の改定に向けてしっかり検討したいというふうに思います。
  21. 赤枝恒雄

    赤枝委員 とにかく、今、かなり前向きな御答弁をいただきまして、本当にありがとうございます。  今、ちょっと診療報酬のところに入ってきていますけれども、産婦人科が、絶対これはおかしいと思うのは、手術点数手術点数が、皆さんにわかりやすく言うと、流産、二千点。  流産というのは、突然来られることもあるけれども、大体、大出血しているとか出血しているとか破水しているとかが多いわけですよ。これは、だめな場合に、早く手術しないとお母さんがおかしくなるので、急いで手術になることも多い。大出血で来る、これは、病院側は、状態にもよりますけれども、本当にリスクの高いものは、やはり外来の患者さんが何人か待っていれば、開業医といえどもなかなか紹介を受けられないということもあるんですね。  それから、うちなんかは都会のクリニックですから、全部じゅうたんを敷いています。じゅうたんにして、安静室も、ニトリで買ったんですけれども、いいベッドを入れています。そういうのが、流産患者さんが来ると、だだだだっと出血したまま平気で歩いてくる、だあっと出血している、もうじゅうたん血だらけになるようなことはよくある。  これを二千点で、二万円で全部やるんですか。こんなリスクが強い、もうこれは危ないと思えばすぐ、転送もできない場合はそこで点滴、輸血をして自分手術しなきゃいけない、こういうリスクもあるのに、流産が二千点、二万円。これをどう思うかと聞いてもちょっと局長は困るでしょうけれども。  では、はっきりと皆さん説得力のある症例をお知らせします。  例えば帝王切開帝王切開というと、これはもう産科医の花というか、産科医が一番ダイナミックにできて、喜ばれる、すごい手術ですね。この帝王切開は二万二千点ですよ。  ところが、二回前の査定でこれを二千点削られた、御存じのとおり。どうして削ったんだ、こんな帝王切開をと言ったら、これは外保連で、帝王切開手術は短いじゃないですか、手術時間で削りましたと言った。とんでもないということで、私はそのときあちこちに話しかけて、説得して回って、前回の改定のときに戻してもらいました。戻してもらいましたが、今、二万二千点、二十二万円。  外科手術の本を見ていて、二万二千点、帝王切開と同じ点数のものを見つけました。これが乳房切除術乳房切除術が二万二千点と書いてあります。同じです。  そうすると、乳房の方はある程度、私、外科先生の悪口を言うつもりは全然ないんですが、手術として比較しているんですけれども、乳房手術は、何月何日の何時から、誰と誰と誰でやりましょうと決められる。しかし、帝王切開は時間がない。単に普通のお産をしている人の中で胎児の心音が悪くなれば、突然、帝王切開。こういう不定期で予想もできない手術が同じ点数。  それから、我々は、ここでもまたそうですが、帝王切開というのは二人の命を救うというリスクがあるわけです。二人の命を救うという手術をしているのに、乳房切除術のことを本当に悪く言うつもりはないんですが、やはり、一人の人、対象と、二人の命をかけてメスを振るっているこの点数が同じなのかという、ここに我々産科医のモチベーションが上がらないところもあるんじゃないか。  特に、破水して帝王切開になる場合は、破水しているわけです。破水していて何が怖いかというと、子宮の中は羊水があるから、中の赤ちゃんはメスが来ると逃げるんです。羊水があるから、メスが来ると逃げる。ところが、破水している場合は、ぺったり子宮口にくっついているの、赤ちゃんの顔が。だから、急いで切開して早く出さなきゃいけないので、こっちも急いでいる。メスで赤ちゃんの顔を切ることはかなりあるんです。これがまた訴訟の原因にもなるんですね。  だから、そういう、早くしなきゃいけない、時間が短くて安全な方がいいのに、外保連は、帝王切開手術時間が短いから削りましたと言った。ここが、帝王切開だけは別にしてもらいたい、そんな考え方は。手術時間が短いから二千点減りましたというのは、これはあり得ない。特に、二人の命をかけているというリスクを我々は持っている。そこを考えれば、二万二千点と二万二千点、これは比較しても私はおかしいと思う。  どうですか。まあ、これは点数のことですから。でも、感覚としてどうですか。
  22. 鈴木康裕

    鈴木政府参考人 産婦人科手術評価についてお尋ねがございました。  大事な点が二点あると思いますが、一点は、先生から御指摘いただいたように、外科系の学会が、どのような手術も、どのぐらい時間がかかって、どのような人が何人いて、どういう器具を使ったかというのを全てエビデンスとして挙げてまいりますので、手術自体の評価についてはやはりある程度それを踏まえた上でするということになるとは思いますが、おっしゃっていただいたように、例えば、予定手術といういつ手術するかわかっているものと、緊急で手術をしなきゃいけないので、そのためにお医者さんなり看護師さんなりを待機させておかなきゃいけないものが同じというのは、やはりちょっといけないんじゃないかということはありますので、そういうことも踏まえて、産婦人科の特性を踏まえた評価をどうするかということを来年に向けて検討したいというふうに思います。
  23. 赤枝恒雄

    赤枝委員 ありがとうございます。  これは本当に、中医協でしっかりと厚労省としての立場を主張して、頑張っていただきたいというふうに思います。どうかよろしくお願いをいたします。  それから、産婦人科医の中の婦人科の領域で申し上げたいのは、内科なんかだと慢性疾患指導料というのが結構いろいろな病名について数多くあるんですが、産婦人科は慢性疾患指導料というのは何でつけられないんですか。私たちが時間がかかって結構長く対応している中には、自律神経失調、更年期障害、この辺は非常に診察時間も長いし、つけてもらってもいいし、あと月経前緊張症とか月経困難症、この辺も、毎月のように来ていろいろな不定愁訴があるわけですが、こういう婦人科領域で慢性疾患指導料がついていないのはどういうわけだと思いますか。我々が主張しないからつかなかったんでしょうか。感想でもいいですよ。
  24. 鈴木康裕

    鈴木政府参考人 産婦人科に対する医学管理料についてお尋ねがございました。  御指摘の医学管理料は、いわば比較的慢性的な患者さんに対してお支払いするものですけれども、基本的に、非常に多くの手技を行う、例えば手術をするとか検査が行われる場合にはそちらの方で一定程度の報酬になります。それ以外に、例えば、問診といいまして患者さんに聞いたりするのに時間がかかるというようなところについてどうやって評価をするかということが医学管理料につながっておるわけですけれども、御指摘の婦人科の場合の例えば更年期障害それから月経困難症について同様のことがあるのではないかということは、御指摘は幾つかございますので、そういう学会、医会等の要望を聞きまして、やはり来年に向けて検討したいというふうに思います。
  25. 赤枝恒雄

    赤枝委員 ありがとうございます。  先に進みますが、診療報酬関係なく、産科検診というのがこれまたあるわけですね。産科検診は何といっても開業医の仕事みたいに、本当は開業医の仕事でいいんですよ、仕事でいいんですが、産科検診患者さんが持ってくる検診券、検診票というのは十四枚もあるわけですけれども、この十四枚の検診票が六千円ぐらいなんですね。これは、各市町村によってみんなやり方が違うということで、最終的に何回言ってもはねられちゃうんですが、実は、五千円から六千円というのは、大体どこの都市でも産科検診が六千円ぐらいというのは同じなんですね。  その六千円の検診券を患者さんが持ってきて、これを持ってくれば無料なんですよ、無料。最初の初回検診だけはいろいろな検査があって一万一千円ぐらいいただくけれども、それを出た分は患者さんからいただくんですけれども、二回目からの再診は、その黄色券を持ってくると全部無料でやらなきゃいけない。  しかし、端の方に、この六つの検査の中から御自由にお選びください、この券であなたの好きな検査ができますよと。その中に五千円の検査も入っている。五千円の検査を患者さんが選んで、私、これと言われたら、病院は千円しかもうからない。もうからないと言うとそれはちょっと、失礼、これはもとへ戻しますが、千円しか残らないということになります。これで検診をやれと言うんですか。おかしいでしょう、これは。  とにかく、内診台、それからこちらの産科検診台、お着がえをして、それで心音も聞いて、脈をはかり、いろいろなことをして、八項目ぐらいやって、それで患者さんが、きょうはこの検診をお願いしますといって超音波検査を指摘されたら、それをその黄色券で全部やってしまう。残るのが千円。  これをお聞きするのは誰ですか。これだけ、では、ちょっとお願いします。
  26. 山本麻里

    山本政府参考人 お答え申し上げます。  議員御指摘産科検診、私ども、よく妊婦健診と呼んでおりますけれども、これは安心、安全な出産のために大変重要であると考えてございます。  このため、私どもとしては、妊娠中の健康管理に必要な回数を十四回程度ということで、どこの自治体でも実施していただくように呼びかけを行っておりまして、それで全ての市区町村でこの十四回程度を実施していただいているところでございます。  議員御指摘の公費負担の額についてでございますけれども、これは平成二十五年度から地方財政措置を講じておりまして、いわゆる一般財源化しているということでございますので、最終的な単価は各市区町村において決定していただいているところでございます。  そうした中でも、私どもとしては実施状況を把握してございまして、平成二十七年四月時点の各市区町村の公費負担額の全国平均額は、母子保健課の調査によりますと、妊婦さん一人当たり九万九千九百二十七円というふうになってございます。  議員御指摘のように、これは市区町村によって大きな格差もございますので、私どもとしては、実態を随時把握いたしまして、それを各市区町村に情報提供するということによって、それぞれの自治体の取り組みの立ち位置をきちんと把握していただきまして、適切に進むように努めてまいりたいと思っております。
  27. 赤枝恒雄

    赤枝委員 時間がないということでまた別の機会に譲るとして、とりあえず、最後に言っておきたいのは、産婦人科はそういうわけでもうやることがなくなっちゃったので、今度は、老人医療の地域包括ケアの中に入っていこう、それで往診もやろうと。実際私もあるんですが、年寄りのいろいろなかかりつけ医の先生から、下血、変な出血、おりものの色がおかしいとかいう要請があって、往診することがあるわけです。そっちの方をやはりやっていこうと。そのかわり、往診料は、かかりつけ医がもらっている在宅往診料と同じ額の往診料を我々もつけてくれないかな、それを一度考えてほしいんです。  局長、最後に一言でも。お年寄りを我々が往診した場合の、かかりつけ医がもらっている往診料、それが産科医が行ってももらえるような、そういうのはできないですかというお願いなんですが、どうですか。
  28. 鈴木康裕

    鈴木政府参考人 往診料についてお尋ねがございました。  産婦人科に限らず、いわゆる在宅訪問しておられる先生の依頼があって専門医の先生が行かれるときの往診をどのように評価するかというのは、次回の改定に向けての議題になっておりますので、その中で検討させていただきたいと思います。
  29. 赤枝恒雄

    赤枝委員 ありがとうございました。  これで終わります。
  30. 玄葉光一郎

    玄葉委員長 次に、石関貴史君。
  31. 石関貴史

    ○石関委員 まず、参考人の佐川局長にお尋ねをいたしますが、局長が好んで使われている日本語で、差し控える、これはどういう意味なんですか、教えてください。
  32. 佐川宣寿

    ○佐川政府参考人 お答え申し上げます。  厳密にお答えできるかどうかわかりませんけれども、述べることを差し控えるといつも申し上げておりますのは、ここでそのことについてお答えするのを控えるということをいつも申し上げてございます。
  33. 石関貴史

    ○石関委員 ちょっと、全然意味がわかりませんでした。  さっき辞書で調べてみました、三省堂の大辞林。「さしひかえる 物事をひかえめにする。内輪にする。ある動作をなるべくしないようにする。見あわせる。」こういう言葉があるんですね。類義語も調べました、同義語。もともとの言葉は、引っ込めるというのがもとですね。意義素と書いておりますけれども、そうなっている。「見あわせる」「差控える」「見合わせる」「留保」「差しひかえる」「留め置く」「見あわす」というふうになっています。  では、今、説明にならない説明をされていましたけれども、連休前に同僚の宮本議員が、音声、田村国有財産審理室長と籠池森友学園の前理事長の会話の録音等について、この確認を聞いたところ、控えさせていただきたいというふうに局長はおっしゃっていますが、これはどういう意味で、なぜ控えることにしたんですか。
  34. 佐川宣寿

    ○佐川政府参考人 お答え申し上げます。  そのとき宮本先生から御質問をいただきまして、音源データですか、報道に流れている録音データについて確認をしていただきたいということでございまして、私がそのときお答え申し上げましたのは、その録音データそのものが、報道には流れておりますが、どういうものであるか、どこでどういうふうに誰が録音したものであるか本当に承知してございませんでしたので、そのことについて国会の場で私の立場で答弁することはできないと思いましたので、差し控えさせていただきたいというふうに御答弁申し上げました。
  35. 石関貴史

    ○石関委員 その後、委員委員長の指示によって確認をされているわけですが、この間、どういう変化があって確認ができたんですか。
  36. 佐川宣寿

    ○佐川政府参考人 お答え申し上げます。  衆議院の財務金融委員会の御議論でございまして、四月の二十八日の金曜日だったと承知してございます、宮本先生の方からそういう御意見があって、理事会の協議事項になりました。  したがって、その後、衆議院の財務金融委員会の御法川委員長の方から私どもに、その音声データが二十八年三月の当日のやりとりを記録したものかどうか確認するようにという御指示がございましたので、そういう委員長の指示を踏まえて、私ども確認をさせていただきました。
  37. 石関貴史

    ○石関委員 でも、国会議員が確認をしてくれと言って、それは控えて、やらないということですよね。それが何で委員長の指示ならやるんですか。どういう違いがあるんですか。宮本議員の質問をばかにしているんですか。どういう違いがあるんですか。
  38. 佐川宣寿

    ○佐川政府参考人 お答え申し上げます。  個別に御質問で、個別の点の御確認をという御指摘ではございますが、そのときも答弁で申し上げておりますが、どういう資料であるのかわからない資料等につきまして、さまざまな資料、情報が出回っているわけでございますので、そういうことにつきまして一件一件確認するというのは、なかなか当方も大変でございますので、控えさせていただきたいと申し上げてございます。  ただ、そういう委員会での議論の積み重ね等もあって、委員会の理事会での御議論もあって、そういう積み重ねを踏まえた上で、委員長からの御指示ということであれば、私ども、それは委員会の委員長の御指示ということで確認をさせていただいている、こういうことでございます。
  39. 石関貴史

    ○石関委員 いろいろな資料がある、真正のものかわからないということですけれども、だって、これは焦点が当たっているものですよ。テレビで公開されて、それからこの質疑までどれぐらい時間があったんですか。相当な時間があったんでしょう。それで差し控えられては困るんですよ。  委員長に言われれば、はいはい、やりますと。最初からやった方がいいですよ。だから疑惑がどんどん広がるんですよ。局長の言うことが、それは本当かな、またうそをついているんじゃないか、こういう印象をばらまいていますよ、広めていますよ。  これは態度を変えた方がいいと思いますよ。ちゃんと言って、事実をちゃんと確認して公開して、そして対処するというふうにやられた方がいいと思うし、日本語としても、説明できないんだったら、使わない方がいいですよ。  これは差し控えるというより、恐らく、局長の使い方は、ちゃんと用語を使えば、自分たちに差し支えがある、場合によっては第三者にある場合もあるかもしれません、差し支えがあるのでお話しできないとか、ちゃんと日本語を考えてやられた方がいいというふうに思います。差し支えがあるというのは、裁判で日程調整をするときに、差し支えがあるからその日はやめてくださいとか、そういう用語でよく使われますけれども、よくお考えになって、余りこういうことで国会の時間を使わないように、聞かれたことは素直にお答えをするという姿勢でやってもらいたいと思います。  前回に引き続いて、森友学園の国有地の取引をやらせていただきたいと思います。今のもその一部でございます。  今お話ししたとおり、四月の二十八日に、森友学園の籠池前理事長を招いて民進党がヒアリングを行いました。  確かに、この森友学園の振る舞いについてはさまざまな問題が浮上している、これも事実でございます。ただ、籠池さんが言った言葉、示した資料は、今役所の方で御確認をいただいたとおり相当真実性が高い、こういうものが含まれているということも明らかになっています。  実際、籠池さんがヒアリングでお話しした今の録音データというのも、局長自身が、八日、予算委員会で本物だと認めたというふうに聞いていますが、昨年三月十五日、財務省内で田村国有財産審理室長と籠池夫妻の会議を録音したというこのデータは本物であるということで、もう一度確認してもよろしいでしょうか、それと、本物であるということは誰にどのように確認したのか、お答えください。
  40. 佐川宣寿

    ○佐川政府参考人 お答え申し上げます。  先ほど御答弁申し上げましたとおり、財務金融委員会の御法川委員長の御指示を受けまして、その当日のやりとりを記録したという音声データを、私どもの理財局におります国有財産審理室長というのが、当時、二十八年の三月に先方の籠池御夫妻と面談をしたということでございましたので、審理室長に確認をさせました。それで、音声がはっきりせず不明瞭な点が多いものの、当日のやりとりを記録したものと思われるというふうに当人から聞いたところでございます。
  41. 石関貴史

    ○石関委員 本物ということですので、それを前提に質問します。  録音を聞くと、三月十五日の会議では、その前年の二〇一五年九月四日、近畿財務局、大阪航空局、そして森友学園小学校の設計会社、建築会社の四者会議の議事録が取り上げられています。これも既に国会で質問があったというふうに承知をしておりますが、お尋ねいたします。  この委員会、四月十七日に私自身が、建設会社中道組がつくった議事録を示させていただきました。先日の予算委員会の資料でも配付をされていたと思いますが、パネルにして公開したのは私が初めてだったというふうに思います。  この議事録、財務局の担当者が場内処分という言葉を使って、ごみの不法投棄を中道組や設計会社キアラ設計に指示しているやりとりがあります。これも、佐川局長に事実関係を既に尋ねています。しかし、局長は、そういったやりとりはなかったと否定をされました。しかし、籠池さんが公開した録音データを聞くと、田村室長と籠池夫妻の会議では、まさにこのときの場内処分というのが問題になっていたことがわかります。  これも記憶がということで既に御答弁をされているようですが、私の手元にこの録音の要約、全て読みました、一部をここで改めて読み上げたいと思います。  籠池さんが田村さんに対して述べたもの。籠池さん、場内処分というのは、ごみをそこに残しとけということですよと。また籠池さん、悪い土地、土をもう一度建物の中に埋め戻して、しまえということを言っているんですよと。籠池さんが近畿財務局からごみの不法投棄を指示されたと抗議しているのに対して、田村室長は何も反論しておりません。つまり、籠池さんの言っていることを、普通に考えれば、肯定しているのと同じだというふうに受け取るのが普通の人ですよ。  財務省にもう一度伺いますが、録音データが本物だというんだったら、この九月四日の議事録も正しいということになると思いますが、いかがでしょうか。
  42. 佐川宣寿

    ○佐川政府参考人 お答え申し上げます。  二点御質問があったと思いますので、まず一点目の二十七年九月四日の業者のメモということにつきまして、その中の、産廃残土を場内処分の方向で協力お願いしますということを前提にした上での二問目の質問だったと思いますので、一問目の質問の方は、これも衆参の財金の委員長から御指示をいただきまして、私が直接、当時の担当者の統括官に確認をしてございます。  場内処分の方向で協力お願いしますと、財務局の発言としてそういう記述があるが、これは事実かと。本人は、二十七年九月当時、有益費についての議論をしていたので、打ち合わせを行っていた記憶はありますと。ただし、業者に対して産業廃棄物の場内処理を求めるような発言を行ったことはなかったということでございまして、この点については委員会で御報告をさせていただいてございます。  そういう発言を行ったことはなかったという前提の上で、当時の三月の音声データの話の二問目でございますが、先ほど申しましたように、音声がはっきりせず不明瞭な点が多いということもありますし、本人自身は、新たな地下埋設物については、そもそもは三月十一日に発見されて、近畿財務局から事前に聞いてございました。したがいまして、こういうものについては、もちろん国の責任で対処する可能性もございますので、当時、近畿財務局において、現場で対応するものとの認識でおりましたというのが一点。  それから、面談におきましては、実は先方のお二人は初めて室長に会って初対面なわけでございまして、そういう意味では、これまでの経緯から始まって、それからその地下埋設物の話もされたようでございますが、そういう中で、テープを聞いた本人たちに言わせると、先方のお二人から非常に一方的にお話をずっとされているというのが一点、それで、正直申しまして趣旨がよくわからないことが大変多かったというのと、もう一点は、お二人同時にお話をされるようなケースが結構あって、それについても、正直申してちょっとよくわからないことがありましたということであります。  そういう意味で、相手方の発言についての詳細については本当に全体として記憶に残っていなくて、自分たちの頭の中にあるのは、新たに発見された、財務局から既に報告を受けていた新たな埋設物について対応するということについてが非常に重要な点だということだったので、本人たちは、事実を踏まえて法令に従って対応します、引き続き現地で近畿財務局が大阪航空局と連携して対応するというふうに対応したというのが、本人たちの強い記憶でございます。
  43. 石関貴史

    ○石関委員 そういういいかげんな役人はやめてもらった方がいいと思いますよ。一々同時にしゃべられても論点を明確にして、国有財産の処分にかかわることですから、何をおっしゃっているのかはっきりとメモにして、今後こういう例のないようにする役人じゃないと困るんですよ。わあわあ言われたからよくわからない、こんな人はやめてもらった方がいいと思いますよ。国有財産の処分にかかわっているんですから、よく考えた方がいいですよ。こんないいかげんな役人がそんなにいるんですか、財務省は。処分すべきですよ、こんなのは。何億円という額の国有財産の処分にかかわっている責任者の一人でしょう。冗談じゃないですよ、事実だとすれば。  場内処分を指示している議事録は絶対に認めないということがよくわかりました。  きょうは環境省から来てもらっていますが、環境省の参考人にお尋ねをいたします。これは一般論で結構ですけれども、一度掘り出した廃棄物を再び敷地内の別の場所に埋め戻す行為というのは法令違反になる可能性はありますか。
  44. 中井徳太郎

    ○中井政府参考人 お答え申し上げます。  一般的に、廃棄物処理法では、排出事業者は、その事業活動に伴って生じた産業廃棄物をみずからの責任において適正に処理しなければならないとされております。  産業廃棄物につきましては、廃棄物処理法に基づく処理基準に従って適正に処理する必要がございまして、当該廃棄物を基準に従わず地中へ埋立処分することは適正な処理とは認められないものでございます。  なお、廃棄物処理法におきましては、法に定める基準に適合しない処理等を行いまして、さらに都道府県知事等による改善命令に違反した場合等、法の規定に反する不適正な処理を行った場合の罰則等も規定をしておるところでございます。
  45. 石関貴史

    ○石関委員 つづめて言うと、法令違反に当たる可能性があるということでよろしいんですね。
  46. 中井徳太郎

    ○中井政府参考人 そうでございます。
  47. 石関貴史

    ○石関委員 佐川局長も、否定されたり、当事者の記憶が定かでないとか御説明されていますけれども、私が示した議事録等に基づいたり、それからいろいろほかにも出ている資料や何かに基づけば、近畿財務局の職員が建設業者に犯罪行為を指示した可能性があるということにもなるのではないかと思います。  佐川理財局長も安倍首相も法令違反はないと繰り返し答弁をしていますが、法令違反の可能性というのは十分あるように思います。文書も処分して、証拠隠滅を図る理由も動機もある、だとすればそういう可能性も十分にある、そういう事案だというふうに思います。  これは会計検査院ですか、まだ支払い等が済んでいないものについては、資料を廃棄してしまうということはこの案件が終了していない段階では不適切だ、こういう趣旨の声明を出しているというふうに承知していますが、普通の感覚で考えてもそういうことですよ。まだこれだけ国会で追及されるような案件であり、落ちつき先がまだ決まっていない、こういうものについて関連するメモや何かもとっていないとか記憶が曖昧だとか、これは通用しないと思いますよ。  この森友学園がどういうふうに最後落ちつくのかどうか我々もまだわかりませんけれども、このことを発端に、私は別件で資料の提出を求めています。連休に入ったら悪いので、連休前に私なりに十分な時間をとって資料の提出を求めておりますが、これもナシのつぶてです。  森友問題がどうなろうと、国有財産というものの処分の仕方について不適切なものがあるのかどうかということについては今後もやはり関心を持たざるを得ないですよ。あるんだったら、すぐ出した方がいいですよ。宮本議員に言われては控えて、委員長に言われればほいほい出す、この姿勢自体が極めておかしいと思いますよ。  この問題を調査するということに当たっては、当事者からやはり話を聞かなければならないというふうに思います。  委員長にお願いしますが、田村室長と、この業者等四者会議出席した近畿財務局の池田統括管理官の参考人招致を求めます。
  48. 玄葉光一郎

    玄葉委員長 理事会で協議いたします。
  49. 石関貴史

    ○石関委員 さっきも申し上げましたけれども、本委員会の委員として、森友学園の取引以外、さまざまな国有地の取引について財務省に問い合わせをしているところです。しかし、残念ながら、調べればわかる簡単な情報すら出してこないという状態になっています。  こういう姿勢を続けていくということになれば、こんなことはやりたくないですよ、みんなでハッピーな話をして、いい決算をやって、そして予算に生かしていきましょう、こういうふうに考えていますよ。だけれども、不必要だったり、あるいは必要があるのかもしれませんが、資料を出してこない、引き延ばしをする、そういうことをされると、後にたたると思いますよ。  お尋ねをしている案件については、財務省の能力や組織からすれば半日あれば出てくるようなものについてもナシのつぶてになっています。どういう資料を要求しているかは局長は御存じだと思いますが、いつごろ私が要求しているものについては出てくるのか、めどを教えてください。
  50. 佐川宣寿

    ○佐川政府参考人 お答え申し上げます。  国有地の処分に関しましては、今大変大きな議論になっております森友学園の国有地の処分を初めとしまして、本件は今、大変多いんですけれども、議員の方々あるいは報道関係者などから説明あるいは資料提出の依頼が多数ございます。対応を大変一生懸命やっているところでございますが、そういう中で、可能な限り説明あるいは内容の確認を行った上で資料の提出について対応しております。  資料につきましては、不開示事由の有無の確認など内容確認の事務が生じることとなります。したがいまして、これらの作業をきちんと行っていきたいと思っておりますので、提出に当たりましては一定の時間を要するということにつきましては御理解を賜りたいというふうに思います。
  51. 石関貴史

    ○石関委員 全然理解はできないということをさっきから申し上げているので、迅速に処理をして、出せないのであれば、こういう理由で出せないと。これは差し控えてもらったら困りますよ、差し控えてもらっては。出してくださいとお願いをしているんですから、ぜひこれはしっかりと取り組んでいただきたいというふうに思います。  私もこんなことをいつまでもやっていたくないので、あるものはしっかり出して、そして議論をして乗り越えていく、国のためにこれに資するようにぜひお願いをしたいと思います。  以上で私の質問は終わります。
  52. 玄葉光一郎

    玄葉委員長 次に、青柳陽一郎君。
  53. 青柳陽一郎

    ○青柳委員 民進党の青柳陽一郎でございます。  本日は、三十五分の時間をいただきました。ありがとうございます。  質問に入ってまいりたいと思います。  まず、政府の地震調査委員会がゴールデンウイーク直前の四月二十七日に全国地震動予測地図二〇一七を公表したわけでございます。私の地元は横浜市でございますけれども、四月二十八日の神奈川新聞の一面に「震度六弱以上横浜八一% 三十年以内確率、全国二位」と。きょう皆さんには配付していませんけれども、このように大きく載るわけですよ。そうすると、これを見た一般の方はどきっとして、すごく驚くわけでございます。  そういうことで、この地震調査委員会の地震動予測地図の件について伺いたいと思いますけれども、その前に、きょうは吉野新復興大臣にお越しいただいておりますので、最初に、今村大臣の発言の問題と、東北の被災地の方々の信頼回復にどのように取り組んでいくのか、改めて伺いたいと思います。  私も、二〇一一年の東日本大震災の発生当時、私は二〇一二年が初当選ですから、まだ議員になる前でございましたけれども、当時はNPOを運営していまして、二〇一一年の三月にそのNPOの大きなイベントを予定しておりました。しかし、そのイベントは中止せざるを得ない、こういう状況になり、その対応に追われている中でも、その三・一一の発生から十日後、割と早い段階ですぐに被災地入りして、支援物資の補給や配達を行ったり、その後もボランティアとして炊き出しを行ったり、募金活動などを行って、何度も被災地入りをしてきました。そして、三・一一の十日後に入ったそのときの光景、人々の表情などは、今でもとても忘れることができません。  少しでもボランティア活動をした人、直接そうした被災地の光景を見た人であれば、今村大臣のあのような発言や態度には絶対ならないんじゃないかと私は思います。安倍政権自身が東北の被災地の復興の支援に全力で取り組んでいくと何度も表明されていますけれども、とても今となっては空虚に聞こえてしまいます。とても残念でなりません。  こうした思いを受けて、改めて吉野大臣の御答弁をまずは求めたいと思います。
  54. 吉野正芳

    ○吉野国務大臣 私が復興大臣に就任して最初の質問を受けました。寄り添って、被災者に寄り添って。大変耳ざわりのいい言葉です、寄り添って。でも、その寄り添ってという言葉は大臣にとってどういうことなんだと。  私は、ある経験をお話ししました。それは民間施設です。大きな建物がある民間施設ですから、避難所という形で何百人も避難をしておりました。落ちつくにつれ、一人去り、二人去り、最後の一人になったんです。民間施設ですから、周りの方は早く出ていってもらって民間の本来の役割の施設にしようというふうに言っていたんですけれども、そこの最高責任者は追い出さなかったんです。いろいろ事情があるんです、被災者には。その人が自主的に退出するまで待っていたんです。  このことを、私は復興大臣として、支援を必要とする方がいれば、最後の一人まで支援をしていきたい。こういうのが私の復興大臣としての決意、これが被災者に寄り添ってという言葉に置きかわるのかなと。この心を持ってやり抜いて、復興を加速化させていきたい、こういうことでございます。
  55. 青柳陽一郎

    ○青柳委員 ありがとうございます。  今、真剣に聞かせていただきました。大臣の思いが伝わる答弁だったと思います。ぜひ、その思いでこれから仕事に当たっていただきたいと思います。ありがとうございます。  それでは、先ほど申し上げました全国地震動予測地図二〇一七の公表について伺います。  これは、先ほども申し上げましたけれども、見る人にとっては、特に初めて見る人にとってはかなりの衝撃になるような記事でもあるわけでございますけれども、この全国地震動予測地図の公表の狙いとそれによる効果、そしてその予測に基づく対策を簡潔に御説明いただきたいと思います。
  56. 大山真未

    ○大山政府参考人 お答えいたします。  地震調査研究推進本部地震調査委員会では、今後一定の震度以上の揺れに見舞われる確率の分布等を示した全国地震動予測地図を公表してございます。  日本は世界的に見ましても非常に地震の多い国でございまして、日本国内では、地域によって強い揺れに見舞われる確率の違いはあるものの、その確率がゼロとなるところは存在いたしません。  地震はどこでも発生する可能性があるということを念頭に置きまして、文部科学省といたしましては、この地図を自治体等の防災対策や各家庭での地震に対する備えなどに役立てていただきたいと考えております。
  57. 青柳陽一郎

    ○青柳委員 この予測に基づく対策の説明がなかったんですが、これは違うところですか。
  58. 緒方俊則

    緒方政府参考人 お答えいたします。  全国どこにおきましても地震が起こりやすいことを想定いたしまして耐震対策を進めていくことは、大変大事と考えております。  特に、大規模地震に関してお話を申し上げたいと思いますけれども、南海トラフ地震それから首都直下地震対策につきまして、それぞれ特別措置法に基づきまして、十年間を期限といたします定量的な減災目標を定めまして、建築物の耐震化を初めとしまして、予防的なさまざまな対策関係省庁が連携して取り組んで進めてきております。こういったようなことを進めていきまして、政府としましてもしっかりと取り組みを進めていきたいと考えております。
  59. 青柳陽一郎

    ○青柳委員 簡単に言えば、この地図を公表することによって危険があるんだという認識を持っていただく、それは、住民とか自治体の担当者とかにこうした認識を共有してもらう、そしてそのことによって今説明していただいたような具体的な行動を促して備えを普及していく、その備えを普及することによって被害を最小化していくんだというのが狙いなんだろうと。簡単に言うとそういうことなんだろうと思います。  次に、東日本大震災や熊本地震を分析、検証していると思いますけれども、その結果の教訓というのは今後どのように具体的に生かされていくのか。そして、具体的な対策としては今現状どういう対策がとられているのかについてもまずは伺いたいと思います。
  60. 緒方俊則

    緒方政府参考人 お答えいたします。  東日本大震災の経験や教訓を生かすといった観点でいきますと、熊本地震の際におきましては、自治体の要請を待たずに必要な物資などを緊急に供給いたしますプッシュ型の物資支援を初めて実施いたしました。加えまして、国の職員をプッシュ型で被災市町村に派遣し、支援も行ってまいりました。  さらに、熊本地震の経験を踏まえてといった観点で申し上げますと、対策の一層の円滑化を図っていく観点で、国と都道府県が物資調達や輸送状況を共有するためのシステムを開発いたしまして、昨年の十二月から運用を開始いたしております。また、市町村におきまして受援を想定いたしました防災体制づくりの促進などにも取り組んできている、そういったふうな状況でございます。
  61. 青柳陽一郎

    ○青柳委員 つまり、これまでは要請がなければ動かなかったところから、どんどんプッシュ型で支援をしていくというのが新たに打ち出されている方針だと思います。  先ほども申し上げましたとおり、私の地元横浜市でございますが、発生確率が八一%、全国二位ということでしたので、先ほどの答弁で、この予測地図が公表されまして危険が認識されて、具体的行動を促してもらう、そして備えを普及していくんだということだったと思います。  その具体的行動の中の柱の一つというのが住宅の耐震化、これをやっているんだと思いますけれども、ちょっとローカルな話題ですが、住宅の耐震化の横浜市の状況について御説明をお願いします。
  62. 由木文彦

    ○由木政府参考人 お答えいたします。  横浜市は、全国の中でも住宅の耐震化に大変熱心に取り組んでいただいている自治体の一つでございます。  現在、全国の住宅の耐震化率はおおむね八二%でございますが、平成二十七年度の横浜市の耐震化率は八九%で、全国トップクラスでございます。横浜市の耐震改修促進計画におきましては、平成三十二年度にこの率を九五%にするということを目標にされておられます。  この目標を達成いたしますために、横浜市におかれては、特に戸建て住宅に対する住宅の耐震診断や住宅の改修に対して、例えば、耐震診断につきましては、診断士を無料で派遣するという取り組み、それから、耐震改修につきましては、補助限度額百五万円まで定額の補助を行うといったような支援を行っているところでございます。  国、国交省といたしましても、こうした横浜市の取り組みを支援するために、防災・安全交付金等を通じて支援を行ってまいっているところでございます。引き続き、市とも連携しながら住宅の耐震化に努めてまいりたいと考えております。
  63. 青柳陽一郎

    ○青柳委員 ありがとうございます。  横浜市は全国トップクラスだという御答弁をいただきましたけれども、確率も全国二位で八一%ということなので、目標の三十二年、九五%について、前倒しできるぐらいの取り組みを期待したいと思いますし、今後もぜひ注視してまいりたいと思います。大臣、どうぞよろしくお願いしたいと思います。  次に、震災が発生した地域におけるNPO、国、自治体の連携についての検討状況について伺いたいと思います。  特に、災害支援に実績や実力のある民間団体やボランティア団体、NPO団体に阪神・淡路大震災以降は活躍の場面がふえてきたというのは事実だと思いますが、それでも、そうした民間ボランティア団体が被災地や被災者を支援しようとしても、いまだに、地元自治体や行政が受け付けないとか、なかなか受け入れてもらえないという事例がまだ散見されるというお話を聞きました。  これは実にもったいないことでありまして、こうしたことによって救われるはずの被災者もまだまだいるんだろうと思います。災害支援に実力のあるボランティア団体にもっと活躍の場があってもいいんだろうと思いますけれども、政府の取り組みとして、NPOやこうした実力のある団体との連携、そして自治体との連携、NPO、自治体、国の連携についての今の検討状況をお伺いしたいと思います。
  64. 緒方俊則

    緒方政府参考人 お答えいたします。  災害時におきましては、御指摘のとおり、NPO等のボランティア団体につきまして、被災地に駆けつけまして、国とか自治体では手が届かないきめ細やかな被災地支援活動をしてもらっております。御指摘のございました災害支援に力を持っておられます団体も多数おられまして、こういったふうな団体におきましては、その力を遺憾なく発揮していただきまして、被災地で活動していただきたいというふうに考えております。  そのためには、NPO等と国、自治体の連携の場を被災地で設けまして、その場を通じて支援活動を展開していただくということが大変重要というふうに考えております。昨年、防災基本計画を修正いたしまして、その旨を盛り込んだところでもございます。  また、実際に、昨年の熊本地震におきましては、三百以上のNPO等が参加いたしまして火の国会議というものがつくられまして、その場を通じましてNPO等と私ども国そして県とが連携いたしまして被災者の支援に当たりまして、大きな成果を上げたというふうに評価をいただいております。  また、内閣府としましては、平時からNPO等との連携に取り組んできておりまして、各自治体レベルにおきましても、全国でこういった連携の場の構築が進んでいきますように、平時から研修とか訓練などを今後実施していきたいというふうに考えております。  また、こういった取り組みにつきましては、内閣府におきまして設置いたしました広く防災に資するボランティア活動の促進に関する検討会がございまして、ことしの三月にこういった内容につきましても提言がございましたところでございます。  今後とも、NPO等としっかりと連携していきたいと思っております。
  65. 青柳陽一郎

    ○青柳委員 ありがとうございます。  こうした会議体やネットワーク、支援の輪が広がっている、これを内閣府としてもしっかり見ているんだ、こういう御答弁だったと思います。  私は最近、ある方から紹介を受けて知ったんですけれども、今御答弁いただいた実力ある支援団体の中に、百二十年以上の歴史と経験がある全国規模の災害救援組織、まさに自己完結型で行っている天理教災害救援ひのきしん隊という組織がありまして、これは全国最大規模だと。そして、これまで数々の被災地で実際に活躍してきていただいたという組織であるそうでございます。  この組織、これはまさに先ほど質問させていただいた実力ある民間団体だと私は思いますし、実際にそうした実績もあるし、機材も持っているし、その機材を扱えるマンパワーもあるという団体だと私は考えております。こうした団体は今御答弁いただいたネットワークや会議体の輪に入るべきだと考えますが、いかがでしょうか。
  66. 緒方俊則

    緒方政府参考人 お答えいたします。  今お話がございました天理教災害救援ひのきしん隊でございますけれども、熊本地震の際におきまして、火の国会議に入っていただきまして、熊本復旧支援に活躍をいただいたというふうに聞いております。また、屋根のブルーシート張り、それからブロック塀の解体などを行いまして、益城町の社会福祉協議会からは感謝状が贈られているというようなことも承知をいたしております。  内閣府としましても、全国で先ほど申し上げましたNPO等と国、自治体の連携の場の設立を促進していく考えでございまして、こういった中で、ぜひ入っていただきまして、活躍を期待したいと思っております。
  67. 青柳陽一郎

    ○青柳委員 前向きな御答弁をいただきまして、ありがとうございました。  吉野大臣は、最後に伺いますけれども、このひのきしん隊の存在について御存じだったでしょうか。ぜひこういう団体があるということも知っていただいて、国、自治体、そしてNPO、こういう実力ある団体の連携について私はどんどん大臣にも見ていただきたいと思いますが、御感想をいただきたいと思います。
  68. 吉野正芳

    ○吉野国務大臣 こういうすばらしい団体があるということを今初めて知りましたので、きちんと代表の方とお会いして、どういう活動をしているのか勉強していきたいと思っています。  災害の起きた直後、NPOの皆様方、ボランティアの皆様方、うちの方はボランティアセンターをつくって、本当に、瓦れきの片づけから行方不明者の捜索から大活躍をしていただきました。  復興庁では今、もう創生期間に入りましたので、ハード面よりはソフト面です。私自身、今、津波の映像を見られないんです、チャンネルを切りかえちゃうんです。ですから、今まさに心のケア、心の復興が大事な時期に差しかかっております。復興庁といたしましても、そういうNPOの方々と連携しながら心の復興、ソフト面のところを今やっているところです。  ありがとうございます。
  69. 青柳陽一郎

    ○青柳委員 大臣、ありがとうございました。  これで震災関係に関する質問を終わりますので、大臣、御退席いただいて結構です。ありがとうございました。  次に、国家戦略特区法、クールジャパン・インバウンド外国専門人材の就労の促進について伺いたいと思います。  山本大臣にお越しいただいております。基本認識から伺いたいと思います。外国専門人材のさらなる活躍、受け入れの促進について、私は、必要だという立場で質問させていただきます。  その必要だと思う私の認識は、安倍政権がこれまでずっと言ってきている世界で一番ビジネスがしやすい環境をつくるんだということ、これは、まだまだ日本は少ないと思いますけれども、外国からの投資に資すると思いますし、このタイトルにもありますとおり、インバウンドにも関係する。ですから、経済成長の観点というのがまず一点目だと思います。  もう一つは、国際交流、国際貢献の観点。これは、留学生あるいは日本で働く外国人材が将来自国に帰って活躍してくれれば、国際交流や国際貢献、日本のイメージアップにつながるんだろうと思います。これが二点目です。  三点目が、今の出生率、日本の生産年齢人口は残念ながらずっと減少の一途をたどっているわけでございまして、さらに、最近の問題では労働力不足だということが言われています。こうした人口減少、労働力不足の観点というのが三点目です。  四点目は、実は地方創生にもつながるんだろうと。これは、前石破大臣から私の質疑でも、この外国人材の活用というのは地方創生にもつながるという答弁をいただいております。  ということで、私は外国人材の活躍というのは必要だろうというふうに思っていますけれども、山本大臣の基本的な認識をまず伺いたいと思います。
  70. 山本幸三

    山本(幸)国務大臣 お答え申し上げます。  生産年齢人口とか、そのほかの広い観点について、全体からの外国人の受け入れについては所管外ではございますけれども、特区担当大臣としてお答えできるところはしたいと思います。  人口減少時代への対応という観点からは、まずは政府一体となって出生率の向上に取り組むほか、生産性の向上、若者、女性や高齢者など潜在的な労働力の活用等の施策に取り組むことが重要だと考えております。  その上で、外国人材の受け入れにつきましては、日本再興戦略二〇一六にもあるとおり、移民政策と誤解されないように配慮しながら、我が国の将来の形や国民生活全体に関する問題として、国民的なコンセンサスを踏まえつつ、政府全体で検討していく必要があるものと認識しております。  一方で、日本経済のさらなる活性化を図り、競争力を高めていくためには、これに資する専門的、技術的分野の外国人の受け入れは極めて重要だと認識しております。  このため、国家戦略特区担当大臣としては、日本経済の活性化の観点から、外国人家事支援人材の受け入れ事業推進するとともに、現在提出中の改正特区法案に盛り込みました強い農業を実現するための農業外国人材の受け入れや、クールジャパン、インバウンド分野の外国人材の受け入れを進めてまいりたいと考えているところであります。
  71. 青柳陽一郎

    ○青柳委員 ありがとうございます。極めて重要だという認識を御答弁いただいたところでございます。  その上で、今回の特区法の改正で、今御答弁がありましたけれども、外国人材の受け入れについて具体的にどのような人材を想定し、具体的にどのようにその人材を受け入れるために制度を緩和して、そしてそれによってどのぐらいふえてくるのかということについてお答えいただきたいと思います。
  72. 山本幸三

    山本(幸)国務大臣 現在の法律改正では、農業外国人材の受け入れ、それからクールジャパン・インバウンド外国専門人材の受け入れということで考えているところであります。  どれぐらいふえるかについては、現時点ではちょっと、すぐに数字というものがございませんけれども、そういう要請をしている地域がございますので、そことしっかり相談しながら、最大限努力をしていきたいと思っております。その際に、農業人材の方については、例えば技能研修制度でいろいろ問題がありましたので、そういう問題がないように、適正受け入れ管理機関というのを政府と自治体との間でつくって、しっかりと問題が生じないような仕組みを入れていきたいというように思っております。  また一方、クールジャパン・インバウンド外国人材につきましては、近年、ファッション、デザイン、アニメ、食などのクールジャパン分野や、観光、ホテル、旅館などのインバウンド分野に対応できる外国人材のニーズが急速に拡大、多様化しておりますので、これに対応するためには、今般の改正特区法案では、区域会議において、受け入れようとする外国人の活動が技術・人文知識・国際業務または技能の在留資格に該当するかや、現行の上陸許可基準、これは学歴とか実務経験があるんですけれども、それに該当しない外国人でも国内外の資格、試験や受賞歴等があれば入国できないかなどについて協議、検討を行った上で、現行の上陸許可基準に特例を設けることを可能としているところであります。  この区域会議で協議、検討する仕組みや、上陸許可基準の特例により、これまでの画一的な判断がニーズに即した柔軟なものとなる結果、受け入れ人数の拡大や、より多様な能力を有する人材の受け入れも可能になると考えております。  国家戦略特区につきましては、毎年度事業実施状況などを評価の上、特区諮問会議の調査審議を通じて必要な見直しなどを検討することとしておりまして、本事業についても的確に対応してまいりたいと考えております。
  73. 青柳陽一郎

    ○青柳委員 今御答弁いただきましたけれども、クールジャパンというのは比較的新しい分野だし、特区でわざわざやるというのは、全国でなかなかできないので特区でまず実験的にやってみようということだと理解しています。今うなずいていただいていますけれども。  にもかかわらず、現行の受け入れ範囲を変更しない。つまり、入ってくる人材の種類は変えないというのが先に決まっているわけですよね。しかし、クールジャパンというのはいろいろな新しい分野の人材というのがあるんじゃないかと思うんですけれども、現行の受け入れ範囲を変更しなかった理由は何でしょうか。
  74. 和田雅樹

    ○和田政府参考人 お答えいたします。  クールジャパン分野での外国人材の受け入れにつきましてでございますが、御指摘のとおり、いわゆる技術・人文知識・国際業務あるいは技能という現行の在留資格で受け入れるということでございます。  クールジャパン分野での外国人材の受け入れにつきましては、関係省庁との協議を踏まえまして、国家戦略特区ワーキンググループにおきまして、現在の在留資格のもとでの受け入れを積極的に推進していくこととして、受け入れの在留資格自身は変えないということで、上陸許可基準について特例措置を設けるということにしたものでございますが、このクールジャパン分野といいますのは相当に広い概念となり得ますので、地域限定的とはいえ、各特区がそれぞれの考えに基づきまして受け入れ範囲を緩和することにつきましては、これまでの政府の外国人受け入れの検討の前提である国民全体のコンセンサスを踏まえるという方針との関係で慎重に対応すべきではないかということで、国家戦略特区ワーキングにおいてこのような形で了解されたものというふうに理解しております。
  75. 青柳陽一郎

    ○青柳委員 全国で了解を得ながらだったら、特区にする必要は全くないと思いますよ。特区でやる意味、趣旨が全然違うんじゃないかと私は思いますけれども。  金田大臣にせっかく手を挙げていただいたので、食とかファッションとかアニメ、これはクールだそうですけれども、実際に要望があったのは美容業界とか美容師とか、これは外国人で、日本で免許を取っているんですよ。免許を取っているということは、その免許、免状というのは、日本で働いていいですよという資格が免許、免状だと思います。それを取った外国人が、例えば美容師は日本で働けないんですよ。  でも、美容師は結構クールな人材だと思いますよ。しかも、日本の美容というのはとてもクールだと言われていて、海外では、日本で働いた経験のある人が日本の免許を持っているというと、はやるんですよ、その店が。  では、どう線引きされているんですか。クールな金田大臣にお伺いしたいんですけれども、食とかファッションとかアニメはクールで、美容師は何でクールじゃないんでしょうか。これを決めているのは法務大臣だと思いますよ。現行の範囲を変えないと言ったのも法務大臣です。  ぜひ、金田大臣、なぜ食とファッションとアニメはクールで美容師はクールじゃないのか、なぜ現行の範囲を変えないのか。これを大臣が決めれば変えられるんですよ、どうですか。御答弁いただきたいと思います。
  76. 金田勝年

    ○金田国務大臣 青柳委員の質問にお答えをいたします。  私は、外国人材の受け入れに関する基本的な考え方は、まず、外国人材の受け入れについては、専門的、技術的分野の外国人というのは我が国の経済社会の活性化に資するとの観点であれば積極的に受け入れることが重要である、このように委員と同じように認識しているわけですが、その中で、我が国に在留する外国人というのは、入管法に定められた在留資格をもって在留し、当該在留資格に応じた活動ができるものとされているところでありますが、アニメ、ファッション分野は在留資格、技術・人文知識・国際業務による在留が認められることになっております。  その一方で、理美容の分野というのは、その就労活動については法務省としては在留資格に該当する活動には当たらないと考えておるわけであります。  要は、アニメやファッション分野であれば、全ての活動が該当するわけではありませんが、外国人が大学の学部等において習得した技術、知識を生かす就労活動が技術・人文知識・国際業務に定める人文科学の分野に属する技術もしくは知識を要する業務の要件に該当することがあり得るのだということのために在留が認められる場合があるとなっております。  一方で、理容師や美容師の場合には、その活動は知識を生かすというよりも熟練した技能を生かすものでありまして、在留資格的には技能に類似すると考えられるわけでありますが、現行の入管法上の技能の在留資格というのは産業上の特殊な分野と定められておるわけでありまして、理美容はこれに該当しないと判断しているために在留が認められていないというのが現状であります。
  77. 青柳陽一郎

    ○青柳委員 それが現状なんですけれども、現状は大臣が変えられるんですよ、大臣が範囲をふやすと言えば変えられるんですよ。それは法律を読みました。ぜひ変えてもらいたいなと思います。  今、美容師というのはまさにファッションとリンクしていますよ、裏表。メイクもやるんです。ですから、ファッションがクールだから受け入れができて、頑張って勉強して免許を取った美容師が学校を卒業したら帰らなきゃいけないというのは、なかなか理屈としてよくわからないところがあります。だからこそ、特区でやるんだろうと思いますよ。だからこそ、全国でできないから、では特区でまずやってみようというのが普通の考え方だと思うんですけれども、なぜ現行の範囲を大臣は変えないんでしょうか。  これは山本大臣に御答弁していただきたい。
  78. 山本幸三

    山本(幸)国務大臣 一般の美容師などは現行の在留資格、技術・人文知識・国際業務等での受け入れはできないと承知しておりますけれども、そもそも、在留資格、技術・人文知識・国際業務等は特定の業種を念頭に置いたものではないと考えております。  いずれにしても、そういうことについて地域からの要望があれば、今回設ける協議、検討のための地域ごとの枠組みのもとで、関係省庁及び自治体と十分協議、検討を行っていきたいと考えているところであります。
  79. 青柳陽一郎

    ○青柳委員 今の山本大臣地域から要望があればというのは、要望はいっぱい出ていますよ、ぜひ見ていただきたいと思います。要望が出ているけれども却下しているんです。この現状はぜひ一度見ていただきたいなと思います。  もう一つ伺います。IT人材の不足、これも伺いたいと思います。  JEITAという業界団体があります。情報技術産業協会ですね。ここに先日ちょっとヒアリングがあってわかったんですけれども、IT企業及びユーザー企業情報システム部門に所属する人材というのが現状で既に十七万人不足している、現状ですよ。現状、既に十七万人不足している、それが三年後の二〇二〇年には倍増して三十七万人不足するというふうに推計されているわけでございます。それに対応するために、IT業界としては今、日本の大学生に、業界団体として寄附講座をつくって講師を派遣し、IT人材を養成している。こういう活動をしているわけでございますが、それでも全く足りないというのが今のIT業界の推計でございます。  私は、こうした人材の不足に対応していくためには、日本の大学に寄附講座をつくってIT人材を養成するだけではなくて、それも必要なんですけれども、海外の高等教育機関にも寄附講座をつくり、そこに講師を派遣し、IT人材を養成してあげて、オフショアなり、あるいは高度人材として日本で働いてもらう人材を養成するべきではないかというふうに考えております。  これは、最後、時間が来てしまったので、山本大臣にお伺いしてもいいですか。
  80. 玄葉光一郎

    玄葉委員長 経済産業省竹内大臣官房審議官、時間が来ているので、簡潔で結構です。
  81. 竹内芳明

    ○竹内政府参考人 お答え申し上げます。  ただいま委員指摘のとおり、IT人材は質、量ともに不足しております。数字は、先ほど委員から御紹介のあったとおりでございます。  この対策として、もちろん国内での人材育成を行うということから産業界それから大学が一緒にやっておりますが、これだけではやはり足りませんので、今御指摘がありましたように、私どもは、海外での人材育成を行うということと、その育成された人材を国内に受け入れやすくするという、この二点を同時並行で今進めております。  少しだけ御紹介申し上げます。  海外での育成については、実際に日系企業が研修を行う場合に専門家を派遣するということ、それから海外での寄附講座についても私どもは運営の支援を行っております。また、受け入れを行う場合にも在留資格の取得において若干受け入れやすくするという工夫も、入管当局ともお話をさせていただいて進めているところでございます。しっかりやっていきたいと思います。
  82. 青柳陽一郎

    ○青柳委員 ありがとうございます。  ちょっと時間を超過して済みません。終わります。
  83. 玄葉光一郎

    玄葉委員長 次に、木内孝胤君。
  84. 木内孝胤

    木内(孝)委員 民進党、木内孝胤でございます。  本日は、質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。  まず、東芝についてお伺いをいたします。  東芝につきましては、二〇一五年八月の予算委員会、あるいはその後も財務金融委員会等で複数回質問させていただいております。  もともとの問題意識としましては、東芝が米国のウェスチングハウスを買収した際に、当時私は投資銀行にいまして、およそ二千億円ぐらいの価値のあるものを六千四百億円というすごい価値で買ったものですから、これは相当やばいのではないかといううわさがある一方で、当時の西田社長の選択と集中、決断ということで、実はあの時点では、物すごい経営者だということで、当時、西田社長はもてはやされていたということでございます。  しかしながら、その後、二〇一一年の福島原発事故の後に、この二千億円の価値ですら相当減価しているはずだと。そうしますと、六千四百と減価した五百なり千億の差額、こののれん代をきちんと減損処理しませんと粉飾的な状態にあるということで、それで、二年くらい前からこの件については質問させていただいております。  きょうは、それがけしからぬとか、どういう監督をしているんだという視点ではなくて、どのようにして東芝をきちんとした形で事業再生させるかということに焦点を当てて質問させていただきたいと思います。  幾つか論点がある中で、来週月曜日が決算発表のタイミングでございますが、そもそも二〇一六年度第三・四半期の決算も、適正意見がついたという形では締めることがまだできていません。それと、来週月曜日に年度決算がきちんと発表できるかということも、まあ恐らくできないだろうというのが、今、市場の見通しでございます。  それに関連して、そもそも上場を維持できるのか。適正意見のついた決算を発表できない会社が上場できるわけはないでしょうから、その問題がクリアできないと上場が維持できない。あと、六千二百億円の債務超過という問題もございます。この上場を維持するしないというのは、自主規制法人、元金融庁長官の佐藤氏をヘッドに六人が独立した法人で今審査をしている真っ最中ということでございます。  あと、もう一つ非常に大きな論点としましては金融機関ですね。一兆円を超える借り入れがある東芝でございますので、表面的には六千二百億円の債務超過がある東芝を銀行団が本当に支援し続けることができるのか否か。一方で、最大のメーンバンクでありますSMBCの頭取は支援表明を明確に記者会見等でもしておりますけれども、こういう事態になりますと、下位の銀行からは、もう自分たちは撤退したい、金を回収したいということで、メーンが引き受けざるを得ない。あるいは、支払い条件等の悪化等でそもそも借入額をふやさないといけない、こういう問題もいろいろあろうかと思います。  この中で今非常に焦点に上がっておりますのが、東芝の半導体部門。三月末に分社化をいたしまして、これの価値が二兆円ぐらいあるのではなかろうかとか、あるいは、いや、そんなに高くなくて一・二兆円だとか、いろいろな数字が報道等ではございますけれども、これを売却さえすれば、この六千二百億円の債務超過を解消することもできるし、銀行の返済等もできるし、東芝の財務体質も大きく改善するということで、今、そうした半導体の売却が目指されているというふうに理解をしております。  しかしながら、ここでちょっと一つ違和感があるんです。何のために半導体を売却するかというところでございますけれども、上場を維持するため、すなわち債務超過を解消するために半導体会社を売却するのか、あるいは、銀行が短期的な視点で債務を回収してほしいからということなのか。本来であれば、東芝全体の事業の再生が必要でありますし、半導体部門もきちんとした形で成長していかなければならない。  こうした中で、政府の役割について今お伺いしたいんです。  当然、一義的には東芝の経営陣、そしてメーンバンクを中心とした銀行団がこれをどういう形で処理するかということをやらなければならないんですが、ちょっと東芝の置かれた状況が非常に複雑でして、原発事業や半導体事業を抱えておりますので外為法第二十七条が適用されるのか否か、上場が維持されるのか否かというのも非常に大きなポイントでございます。債務者区分も、正常債権から要注意債権や破綻懸念先に分類される可能性もある。  ここまで来ると、東芝という会社に任せているのではなくて、一定程度政府もきちんとした形で介入をするべきではないかというような考え方、これはしない方がいいという考え方もございます。  そこで、一つ質問でございますけれども、半導体部門の買い手候補にINCJ、産業革新機構が浮上しております。INCJさんが東芝の半導体を買おうとしているのか否か等、個別の話はお答えできないというふうには承知しておりますが、産業革新機構の投資哲学あるいは投資基準、こうしたものについて、どういう考えで投資を行うのか、よくオープンイノベーションという話を聞きますけれども、この点につきまして、明確な定義について教えてください。
  85. 田中茂明

    田中(茂)政府参考人 産業競争力強化法に基づきまして、産業革新機構が支援する高い生産性が見込まれる事業や新事業の開拓等は、みずからの経営資源以外の経営資源を活用することが前提となってございます。このみずからの経営資源以外の経営資源の活用、これをいわゆるオープンイノベーションと呼んでいるところでございます。
  86. 木内孝胤

    木内(孝)委員 そのオープンイノベーションの今おっしゃった定義の中に、東芝の半導体事業というのは該当するのか否か。  今、東芝の半導体といいますと、一部の人からは、人工知能、AIであるとか、あるいはインターネット・オブ・シングスだとか、今後の戦略的成長分野だという見方をしている方もいますし、半導体はもはや国策でやるような、あるいはオープンイノベーションと言えるものではないのではないかというような意見もございますけれども、この東芝の半導体はどういうような位置づけになりますでしょうか。
  87. 田中茂明

    田中(茂)政府参考人 東芝の半導体子会社に係る産業革新機構の支援につきましては、これは個別企業の経営に関するものでもございますし、その具体的な内容、これからどうしていくかということに不明確な点もございますので、お答えを差し控えさせていただきたいと思います。
  88. 木内孝胤

    木内(孝)委員 産業革新機構は、資本金の部分約二千七百億円に加えまして約一・八兆円の保証枠がございますので、投資の枠が約二・一兆円弱というふうに理解しております。  現在、これの使用実績及び枠あき、今、ルネサスに現在投資をしていまして、五月にも一部売却という報道が出ております。こうしたルネサスの株の含み益等も活用して、ルネサスの株も全部売却した場合、この投資の枠というのは二・一兆円から二・四とか二・五兆円に膨らむのか、その枠が使えるのかという点をお聞かせいただければと思います。
  89. 田中茂明

    田中(茂)政府参考人 産業革新機構の投資能力は、今先生指摘のとおり、資本金〇・三兆円、政府保証枠一・八兆円、合わせて二・一兆円でございまして、これまで、そのうち九千八百五十四億円を支援決定しているところでございます。  それから、ルネサスエレクトロニクスにかかわる含み益はどの程度かというお尋ねでございますが、きのうの株価を用いて単純計算した場合の含み益でございますけれども、約一兆一千三百億円と推定できるということでございます。
  90. 木内孝胤

    木内(孝)委員 今これだけの含み益と投資枠があった場合、含み益があるとか枠が大きいから投資するしないという話ではございませんけれども、例えば東芝という個別の会社、東芝に限らずですけれども、投資基準の哲学に照らし合わせて合致さえしていれば、全体の二・一兆に対して例えば五千億とか六千億、この程度の規模の投資を一社に対してすることはできるのか否か。過去の事例としてはジャパンディスプレイが一番多いと承知しておりますけれども、五千、六千億程度の枠を活用して一社に投資することは、分散投資という考えがあることは承知しておりますけれども、可能なのかをお聞かせいただければと思います。
  91. 田中茂明

    田中(茂)政府参考人 いずれにいたしましても、東芝の半導体子会社に係る産業革新機構の支援につきましては、個別企業の経営に関するものでございますので、答弁は差し控えさせていただきたいと思います。  先ほどお尋ねの、産業革新機構の支援基準上分散投資がどういう取り扱いになっているかということでございますが、この支援基準の中で、特定の事業分野等に過度に偏ることがないように適切な分散投資を行うことと規定されてございます。その中で最大の支援決定を行った事例はジャパンディスプレイでございまして、二回の支援決定の累計で二千七百五十億円、これが今まで最大の支援決定額でございます。
  92. 木内孝胤

    木内(孝)委員 ありがとうございます。  今回、半導体売却に当たって一つ論点となっておりますのが、外為法第二十七条に該当するか否かということでございます。  もし、外資系のファンドあるいは事業会社等、もう既に手を挙げている会社が複数ございますけれども、こうした会社が東芝の半導体を買収したいと言った場合、審査の対象にはなると思うんですが、審査の対象として認められる、認められない、現時点ではわからない、どれかだと思うんですけれども、どういう状況でしょうか。
  93. 寺澤達也

    ○寺澤政府参考人 お答えします。  具体的案件についてはちょっとコメントを差し控えさせていただきますけれども、一般論ということで申し上げますと、機微な製品を製造する企業に対して外国投資家が投資するような場合は、外為法に基づいて、審査つき事前届け出制の対象になります。その審査の中では、国の安全等の観点から厳格に審査を行うということになっております。
  94. 木内孝胤

    木内(孝)委員 今回の買い手の候補先の中には、中国勢、韓国勢、台湾勢、米国勢、多くの海外先も含まれていると承知しております。こうした戦略分野なので、できれば日本の中に抱え込んでおきたいという考えの方もいらっしゃいますし、もはやそういう時代でもないし、売却はやむを得ないという双方の考え方があろうと思います。  非常にオープンなマーケットにしなければいけないということで、私は、会社の事業の展望さえあれば海外勢へも積極的に売却すればいいと思っていますし、海外のファンドにも積極的に売却すればいいというふうにも思っておりますが、その一方で、雇用あるいは技術流出、そうした観点からやはりできれば何とかとどめ置いておくべき中で、今、来年の三月末までの債務超過を解消するためにということで、何か慌てて半導体部門を売り急いでいるような気がしているんです。  私はこの半導体部門をまさに成長分野、戦略分野というふうに捉えておりまして、東芝の経営陣からしますと、善管注意義務というのもございますので、別に外国勢だから売りたくないとか言わずに、一番高く買ってくれるところを総合的な判断で決めるということになるかと思いますけれども、経済産業省さんにお伺いしたいんですけれども、そこら辺、政府としてどういうような取り組みをしようとしているのか、いま一つちょっと現時点で見えないところがございます。東芝という個別具体名、今もまだ株は取引されておりますし、なかなか難しいところがあるのは承知しておりますけれども、経済産業省さんとして、半導体全般への取り組み、過去にもINCJでルネサスで成功した事例もございますし、そこら辺の取り組みの考え方についてお伺いできればと思います。できれば副大臣にお願いします。
  95. 松村祥史

    ○松村副大臣 まず、東芝の再生につきましては、やはり一義的には東芝御自身が判断をなさって経営方針を決めるべき問題であるというふうに認識いたしております。  ただ、委員指摘のとおり、一方で東芝は、フラッシュメモリーという日本の成長戦略上非常に重要な技術を保有しているのも事実でございます。特に半導体においては世界で第二位でございますし、生産拠点としても、四日市工場は世界最大であるということで、グローバルに見ても高い競争力を有している事業であると認識しております。  また、原子力事業につきましても、これまで国内において二十基を超える原発の建設に関与いただいておりますし、福島第一原発におきましても、廃炉、汚染水等の対策についてもたくさんの社員の皆さん方が関与いただいている、このように理解をしております。  こういったことを加味した上で、我が国経済にとりまして、産業にとっても大変重要な事業になっておるという認識がございます。今後は、その対応についてはしっかりと注視をしてまいりたい、このように考えております。
  96. 木内孝胤

    木内(孝)委員 非常に前向きな御答弁をいただいたと思います。ありがとうございます。  私は、関係している金融庁あるいは東証、財務省さん、経済産業省さんはもちろんですけれども、いろいろな方と意見交換を実はさせていただいております。それぞれに非常にバランスのとれたいい御判断をいただいていると思っているんですが、一つ心配していることがございます。  これはちょっと麻生大臣にお伺いしたいんですけれども、上場を維持するかしないかということは、東証の下部組織である自主規制法人が判断することでございます。決定するのは彼ら六人ぐらいのチームで決定するということではありますけれども、やはり、その彼らがそれを判断する際に、パッケージとして、例えば金融機関がきちっと支援をその後していくのかいかないのかとか、そういう全体像を全部固めてからでないと、実は、上場を維持するという結論を出しても、あるいは上場を廃止するという結論を出しても、どちらの判断をしてもなかなかこれはしびれる判断というか、四十万人も東芝の株主はいます、これだけのことをしたんだから上場廃止にするのが当然だと言われればそういうことになるでしょうし、一定のルールがございますけれども、そのルールの間の改善がきちっとできているか否かというのはある意味非常に曖昧な基準でもございますので、そこの話し合いが関係当事者間でいま一つとれていないような気もしているんです。  ここまで大きな案件になりますと、それが経済産業大臣なのかあるいは麻生金融担当大臣なのかわかりませんけれども、きちっと膝詰めで話し合って、一義的には会社のことだから会社がというのはそのとおりですけれども、一歩踏み込んだ政府の役割が必要だと私は思っています。そこの政府の役割について、麻生金融担当大臣、お願いします。
  97. 麻生太郎

    ○麻生国務大臣 木内先生、こういう話をちゃんとしようという話になったら、銀行をやったんだから、この種の極めてセンシティブな話をこういう場でやるとどういう答えになるかというと、木で鼻をくくったような返事にしかならないんですよ、ここは法律を扱っているんだから。  だから、金融商品取引法というのがありますから、その金融商品取引法に基づいてどうするかといえば、取引所のやることは非常にはっきりしていて、取引が公正かという話と、傍ら投資者を保護するためという、この二つの目的のために自主的な判断で適切にやりますというように答えるしか方法はほかにない。しかも、議事録なんかに残されたら後でまた何を言われるかかなわないから、これはうかつなことは言えないんですよ。  だけれども、基本的には、今、通産省の方から話がありましたように、この会社の抱えている問題というのは極めて大きい話であって、フラッシュメモリーというものが何を意味するかというのはよく御存じのとおりで、これがなくなると、多分、世界じゅうで一社になっちゃうんだね。その会社がどういう会社かというのは御存じのとおりなので、そういったようなことを考えると、これは極めて戦略的な商品を扱っている会社として考えないかぬということが私どもとしても十分にわかっている。  そういった意味では、金融を担当している大臣としてコメントするといったら、さっき言ったように、きちんと法律にのっとって扱いますとしか答えようがないというのが実態だろうと思います。
  98. 木内孝胤

    木内(孝)委員 いろいろ、コメントが難しい中で最大限の前向きな御答弁をいただいたというふうに、非常に感謝しております。松村経済産業大臣も非常に前向きだというふうに捉えております。  実は私、以前から、産業革新機構あるいは政投銀さん、こうした官民ファンドとか政府系金融機関はもう役割を終えていると、批判的に今まで委員会等でも質問してまいりました。  一方で、今、東芝を再生させるために何が一番大切なのかということを考えたときには、私は、この火事場泥棒的な状態の中で、半導体を投げ売りするようなことだけはやってほしくないと思っています。  余り変な形で政府が介入すると、日本の市場はわけがわからないと。ただ、一方で、アメリカでも、エクソン・フロリオという、包括通商条約というのがございます。私もアメリカの上院議員のところにロビーイングに行って、この会社を日本の会社が買いたがっているけれども、売ってくれるかということをお願いしに行ったら、目の前で、ジョージ・ブッシュはいるかといって、多分電話をしたふりをしただけだと思いますけれども、日本の政治家みたいなパフォーマンスを向こうもやるんだなと思いました。  エクソン・フロリオ的な発想で、今、外為法二十七条で十分だとお考えでしょうか。
  99. 寺澤達也

    ○寺澤政府参考人 お答えします。  先ほども申し上げましたとおり、外為法に基づいて、国の安全等の観点から、機微な製品をつくっている日本企業に対する外国企業の投資については厳格に審査をします。その上で、必要があれば変更、中止勧告、さらには変更、中止命令をかけられる、こういう制度に外為法はなっています。  他方、アメリカのエクソン・フロリオ条項というのは、御指摘のとおり、安全保障の観点から、アメリカ企業に対する外国企業からの投資に対して規制する法律になっておりまして、そういう意味では、アメリカのエクソン・フロリオ条項と日本の外為法は役割としては同様のものだと思っています。  その上で、今国会には外為法の改正法案というのをお諮りしているところでございます。その中で、例えば違法な投資があった場合に事後的に株式売却命令をかける、そうした措置命令規定も盛り込むということを考えております。この外為法の改正法案が成立し施行できれば、対内投資規制についての実効性はさらに増すと考えているところでございます。
  100. 木内孝胤

    木内(孝)委員 同じ問題意識を共有していただいておりまして、ありがとうございます。  次の質問に移りたいと思います。国有財産の活用についてお伺いをいたします。  国有財産というと、みんな森友と思うかもしれませんけれども、ちょっと違う視点できょうは質問したいと思います。  いろいろなところで有識者会議というのがございまして、これは非常に古い有識者会議ですけれども、二〇〇七年の一月二十九日に、国有財産の有効活用に関する検討・フォローアップ有識者会議、リーマン・ショックのちょっと前ということになろうかと思いますが、不動産協会、宅建協会、証券業協会、信託協会等業界団体から推薦いただいた多くの会社が具体的な提案をしているということでございます。  国の財務諸表を見ますと、借金もたくさん、いつも借金が千何兆円と言われますけれども、資産サイドも六百八十兆円程度、非常にたくさんあるかと思います。  ある土地をそのまま単純に売るということではなくて、例えばですけれども、具体的な提案がこの有識者会議でもありましたが、霞が関の再開発ですね。日比谷公園が約十六ヘクタールですが、それよりちょっと大きい、国道一号を挟んだ二十ヘクタールぐらいの官庁街を、現状は容積率が五〇〇%です、これを九五〇%に増加させると、約百九十万平米の延べ床面積が創出できる。総事業費は、今、建築費も大分高騰していますので、保守的に見積もっても大体八千億円ぐらいあれば建築可能だと思いますけれども、年間三千億円ぐらい回収できますので、三年ぐらいで回収して、一方で、三年後には非常に大きなビルが残っているということになろうかと思います。  もちろん、政府の資産を単純に切り売りするということではなくて、日本の顔、東京の顔としての霞が関、文化面、防災、環境、こうしたことを全て含めて日本の顔として再開発して、なおかつ、容積率を倍増させると土地の価格というのは理論値では倍になるわけでございます。  今まで何となく格安で譲渡するとか、そういうことではなくて、むしろ容積率を緩和して、かつ、資産を倍増させて売却する。たった二十ヘクタールでも、現在価値で割り返せば六兆とか七兆という価値に十分なり得る資産なんですね。なぜこういうことをもっと活用してやらないのかというのが、非常に不思議でしようがないんです。例えば豊洲の問題や築地の問題がございますけれども、これは東京都の問題ですけれども、ああいうところも容積率を上げれば、当然いろいろな資金面の問題がクリアできます。  これは理財局にお伺いしたいんですけれども、そういったような前向きの考えはないでしょうか。
  101. 佐川宣寿

    ○佐川政府参考人 お答え申し上げます。  ちょっと古いといえば古いですが、平成十九年の有識者会議の集まりで、今先生がおっしゃいましたようにメンバーは学者の方とか公認会計士とかいろいろな方ですが、今先生指摘の十九年一月に民間の方からヒアリングをいただきまして、不動産会社の方とか、銀行、証券の金融の方とか、そういう方から御提案があったということで承知してございます。  そういうことも踏まえまして平成十九年六月に国有財産の有効活用に関する報告書がまとめられたわけでございますけれども、その中で、霞が関につきましては、基本は、土地の売却ではなく、未利用の容積の活用等により庁舎を高層化し、霞が関以外にある中央省庁等の庁舎の集約地として有効活用する、それから、霞が関も含めた東京二十三区内の庁舎に係る集約化とか移転、再配置計画、そういうのも策定したところでございます。何を言いたいかというと、まず最初に、未利用の容積率が随分あったものですから、まずそこが基本ですよという話をした上で、今委員がおっしゃったような容積率の議論も考えたらどうかというのがこの報告書に書いてございます。  ただ、その後、そういう計画を策定してやっているわけでございますけれども、庁舎整備等に係る行革の議論もございまして、それから東日本大震災がありまして、まずは復興第一だというお話になりまして一部計画の見直しを行ったわけでございますが、基本で言うと、例えばあそこに中央合同庁舎の八号館がありますが、あそこは、二十六年三月に内閣府が入ってございます。これは容積の利用率をぐっと、当時まで三割ぐらいしか使っていなかったのを九十何%まで高めるとかそういうことをしまして借り受け庁舎の改修を図るなど、集約化とか高層化の取り組みを随分進めてまいったところでございます。  したがいまして、基本は、我々、そういうことをこの会議とかに基づいてやっていこうと思いますが、今先生指摘の霞が関の容積率の話は、おっしゃるとおり、都市計画法に基づきまして五〇〇%でございます。これを増加させようという場合には東京都におきまして都市計画を変更する必要がございますので、まずは、この見直しをするという意味では、霞が関地区のあり方とか機能とかそういうものを総合的に御議論いただいてということかなと考えてございます。
  102. 麻生太郎

    ○麻生国務大臣 これはちょうど自分内閣のときにやったから記憶があるんですけれども、これは二桁ぐらいの容積率。今、幾らだか知っていますか。一〇〇%ないぐらいですよ、全部足して。財務省は六七%。一番最初にあそこを財務省にしたときに、地震が来たときに大臣室が一番危ないので最初に出ていただきます、最も危ないと言われているのが大臣室ですから、よく頭に入れておいていただきますと。それぐらい、財務省というのは絞りに絞っておるわけです。ふざけろ、俺がとまったらどうするんだと言って、耐震をやり始めました。耐震だけはちゃんとやれということになりましたので、もうこれは当分建てかえはありませんよ。  だけれども、実際問題として、今言われたのは全く正しいのであって、ちょっとさわるだけで入居者は必ずあります、各役所に関しては。MOF担はほとんど財務省へ移ってきますよ。当たり前でしょう、商売だもの。一番近くて交通費も安くて済むんだからということを考えるのは当然だから、最も高く売れるじゃないかと。賃貸ですよ、ちゃんと金を取るのよという話までしたぐらい、当時、かなり一生懸命詰めてやったんですけれども、内閣が倒れたのと、例の震災でそちらの金の方にぼんと振ったものですから今の計画は途中で頓挫しておりますが、やはり全体をどう考えるかというのをもう一回考えないと、いわゆる地方分権なんという話が出てくるとまた別の話になって、何でこんな無駄なものを建てたんだという話になりかねませんから、そこらのところもよく詰めないといかぬところかなという感じがします。
  103. 木内孝胤

    木内(孝)委員 これは、東京都ですとか国土交通省さんあるいは財務省さん、いろいろな関係者が該当しますので、ぜひ副総理に音頭をとっていただければと思います。  資金面に関しても、すぐ借金だという話になりますが、これは質問じゃなくて要望というか、GPIFさんは五%までオルタナティブ投資をできるという枠組みに今なっております。政府保証で、今、国債を買えばゼロ金利みたいなものですから、それを〇・三とか〇・五で貸し付けても十分事業として採算がとれるものでございますので、GPIFさんはせっかく五%までベンチャー投資とかプライベートエクイティーとかそういうこともできるようにしておりますので、ぜひそういった面も積極的に取り入れていただければというふうに思います。  最後に、高校授業料無償化についてお伺いをいたします。  昨年の民進党の代表選挙の際に、玉木雄一郎氏がこども国債というのを一つの政策の柱で訴えました。その後、自民党さんの中でも教育国債、あるいは小泉進次郎さんを中心としてこども保険という話も出てきております。そうしましたら、安倍総理からも憲法改正の項目の中で教育の無償化というような話がございました。かつて民主党政権時代に高校授業料を無償化して制度設計が大分変わっておりますけれども、これを、せめて所得制限を外すような方向、廃止にできないか、ちょっと最後の質問になって申しわけないんですが、大臣にお出ましいただいて、よろしくお願いいたします。
  104. 松野博一

    ○松野国務大臣 高等学校等の授業料につきましては、平成二十二年度に、教育に係る経済的負担の軽減を図り、教育の機会均等に寄与することを目的として、公立高等学校に係る授業料不徴収制度及び高等学校等就学支援制度が創設されたことであります。  しかしながら、制度創設後も、低所得における授業料以外の教育費負担が大きいことや、公私間の教育費格差等の課題がありました。  このため、厳しい限られた財政状況のもと、有効活用する観点から、平成二十六年度に所得制限を設けることによって財源を捻出いたしまして、私立高等学校に通う生徒の就学支援金の加算の拡充、授業料以外の教育費を支援するための高校生等奨学金給付金制度の創設等、制度の見直しを行ったところであります。  これによりまして、さきに述べた課題の是正を含め、所得に応じた教育費負担の軽減を図ることにより、教育の機会均等をより一層推し進めたものと考えております。  こうした状況に鑑みまして、所得制限を撤廃することにつきましては慎重に検討する必要があると考えております。  文部科学省としても、今後とも、必要な財源をしっかりと確保した上で、教育費負担軽減に向けた取り組みを進めてまいりたいと考えております。
  105. 木内孝胤

    木内(孝)委員 以上で質問を終わります。どうもありがとうございました。
  106. 玄葉光一郎

    玄葉委員長 次に、宮本徹君。
  107. 宮本徹

    ○宮本(徹)委員 日本共産党の宮本徹です。  まず、武器等防護についてお伺いいたします。  先日、安保法制に基づいて初めての米艦防護の任務が発動されました。しかも、太平洋側を航行するアメリカの補給艦を防護するということで、一体何から防護するのかも意味不明であります。安保法制初の実績づくりだけのために行われました。米艦を警護するために護衛艦二隻を派遣したということですけれども、専守防衛というこれまでとってきた政策からも明白に逸脱していると言わなければならないと思います。  政府は、米艦防護の根拠である自衛隊法九十五条二に基づく武器の使用について、これが憲法が禁止する武力行使に当たらないと説明する際に、五要件を示して、受動的かつ限定的な必要最小限のものだというふうに言ってきました。しかし、あの二年前の安保法制を審議した際、宮崎礼壹元内閣法制局長官からは、この五要件にある武器退避義務や追撃禁止を米軍も守らなければ、たちどころに憲法違反の武力行使となる、こう指摘をされておりました。  稲田大臣にお伺いしますが、この武器退避義務や追撃禁止などの五要件について、米軍が守るということを私たち国会はどうやったら確認できるんですか。
  108. 稲田朋美

    ○稲田国務大臣 今御指摘の自衛隊法九十五条の二についての、五要件についてのお尋ねでございます。  九十五条の二は、現行の九十五条と同様に、職務上武器等の警護に当たる自衛官に使用が限られていること、他に手段のないやむを得ない場合でなければ武器を使用できないこと、いわゆる警察比例の原則に基づき、事態に応じて合理的に必要と判断される限度に限られていること、防護の対象の武器等が破壊された場合や、相手方が襲撃を中止し、または逃走した場合には、武器の使用ができなくなること、正当防衛または緊急避難に当たる場合でなければ人に危害を与えてはならないことなど、厳格な要件が満たされなければならないという、極めて受動的かつ限定的な必要最小限度の武器の使用を認めるものです。  このことは、政府として、統一見解も含め、国会において十分に説明をしております。また、本制度の運用を開始するに当たっては、あらゆる機会を捉えて米側に必要な説明、調整を行い十分な理解を得ているところでございます。  いずれにいたしましても、政府としては、法令にのっとった厳格な運用を確保するとともに、適切な情報の公開を行っていく考えでございます。  そして、どのように担保をしているのかということでございますけれども、この点については、自衛隊法九十五条の二を適正に運用するため、警護に係る日米間の連絡調整の要領を日米間で交わしているところでございます。
  109. 宮本徹

    ○宮本(徹)委員 日米間の連絡調整の要領を交わしているということですが、そこには何と書いてあるんですか。この五要件をそのままアメリカが守るということは盛り込まれているんですか。
  110. 稲田朋美

    ○稲田国務大臣 詳細につきましては、その性質上、お答えは差し控えさせていただきたいと思います。
  111. 宮本徹

    ○宮本(徹)委員 きょうは、差し控えるという意味の論争もこの前にあったんですけれども、結局、国会に対してこういう問題を差し控えられたら、国会としては米軍が五要件を守るということの確認のしようがないわけですよ。  安保法制特別委員会で元内閣法制局長官が参考人として来て指摘した事項なわけですよ。この五要件を米軍も守らなければ、たちどころに憲法違反になると。だからこそ、調整にも手間取って、去年の十二月までかかったわけですよね、この九十五条の二は、アメリカとの関係で。  では、その日米間の連絡調整の要領には五要件は書いているのかどうか。これぐらい言ってもらわないと確認のしようがないじゃないですか。
  112. 稲田朋美

    ○稲田国務大臣 先ほど答弁いたしましたように、日米間の連絡調整の要領を日米間で交わしているところでございます。  さらに、本制度の運用を開始するに当たっては、その適正な運用を図るため、いわゆる五要件の内容など、極めて受動的かつ限定的な必要最小限度の武器の使用を認めるものであることについて、あらゆる機会を捉えて米側に必要な説明、調整を行い十分な理解を得ているところでございます。  また、本制度対象となる米軍等の部隊は、自衛隊と連携して我が国の防衛に資する活動に現に従事している部隊であり、相互に緊密に連絡をとりつつ警護が行われることになります。当該部隊との緊密な連絡を踏まえた状況判断に基づいて主体的かつ的確に判断することが可能である、このように考えているところでございます。
  113. 宮本徹

    ○宮本(徹)委員 ですから、アメリカ側に説明して理解を得ていると言うんだったら、五要件を書いていたら書いていますと言えるはずなんですよ。この連絡調整の要領には書いていないんじゃないですか。だから、そういう答弁になるんじゃないですか。  大臣は見ているんですか、この日米間の連絡調整の要領について。
  114. 稲田朋美

    ○稲田国務大臣 その連絡調整の要領は書面で出されており、見ておりますけれども、その詳細については、その性質上、お答えを差し控えさせていただいているところでございます。
  115. 宮本徹

    ○宮本(徹)委員 見ているんでしたら、理解を得ていると言うんだったら、本当に理解を得ているんだったら、書かれているはずなんですよね。それは答えられるはずだと思うんですよ。それを答えられないというのは、結局、この要領には五要件を書いていないということなんじゃないですか。  なぜ、私がこの問題にここまでこだわるかといいますと、自衛隊の武器の使用基準とアメリカの武器の使用基準が全く違うからなんですよ。自衛隊の武器の使用基準は、受動的、限定的にしか使えないというのは従来からずっと政府は繰り返してきているわけですが、アメリカの武器の使用基準は、公表されているものを見れば全然違います。  標準交戦規則、一番新しいのでも二〇〇五年版しか公表されていませんが、それに平時のセルフディフェンスについて記載がありますが、どういうときにセルフディフェンス、攻撃できるかと書いていますよ。敵対的行動だけではなくて、敵対的意図に対してもアメリカはセルフディフェンスができると書いてあるんですね。敵対的意図ですから、相手が攻撃していない時点でもアメリカ側が先制的にセルフディフェンスすると。もう言葉として矛盾していると思いますけれども、先に先制自衛攻撃をやるというのがアメリカの標準交戦規則になっているわけですよね。  先ほどから、米軍の十分な理解を得たと言っていますが、では、米軍はこの標準交戦規則を改正したということでいいわけですね。
  116. 前田哲

    ○前田政府参考人 お答えいたします。  今先生指摘になりましたSROE、アメリカの標準交戦規則でございますが、これは、米軍による自衛権の行使及び任務遂行のための武器使用に関する指針を示したものであると承知をしています。そして、これに基づいて任務または軍事作戦ごとの個別のROEというものが、このSROEに示された基本的な考え方をもとに作成されるものというふうに承知をいたしております。  この米軍のSROEの改正の状況につきましては、これは米国のものでございますので我が国としてお答えする立場にございませんけれども、自衛隊と米軍の部隊は、日ごろから共同訓練等を通じて、それぞれの武器の使用について理解が十分深まっているところでございます。武器等防護についても、制度を適正に運用するために、部隊レベルでの具体的な運用要領についてもこれは調整をするということも含めて、米側に必要な説明、調整を行い十分な理解を得ている、このように認識しているところでございます。
  117. 宮本徹

    ○宮本(徹)委員 よくわからないんですけれども、アメリカは標準交戦規則とは別に個別のROEがあるというお話ですけれども、では、日本から警護を受けるとき用のROEを米軍は新たに作成した、こういうことでいいわけですね。
  118. 前田哲

    ○前田政府参考人 お答えいたします。  今御説明をいたしましたのは、SROEというものの性格について一般的な御説明をいたしました。この標準交戦規則に基づいて任務または軍事作戦ごとの個別のROEというのがつくられると承知をしておりますけれども、アメリカがどのような場面のROEをつくっているかということについては、これは承知をいたしておりません。
  119. 宮本徹

    ○宮本(徹)委員 アメリカのROEを承知していないという話じゃないですか。では、アメリカの理解を得たといっても、アメリカ側がこの五要件を守る保証というのは制度上どこにもないということになるじゃないですか。アメリカはSROEと先ほどの説明では個別の作戦ごとのROEに基づいて行動するわけでしょう。そのどちらも知らない、そんなことで五要件についてアメリカの十分な理解を得ているなんておよそ言えないんじゃないですか、大臣
  120. 稲田朋美

    ○稲田国務大臣 本制度の運用を開始するに当たっては、その適正な運用を図るため、あらゆる機会を捉えて米側に必要な説明、調整を行い十分な理解を得ているところでございます。  また、この対象となる米軍等の部隊は、自衛隊と連携をして我が国の防衛に資する活動に現に従事している部隊であって、相互に緊密に連絡をとりつつ警護が行われることとなります。  このため、武器等の退避によっても防護が可能かどうかや、ほかに手段のないやむを得ない場合かどうかについても、当該部隊との緊密な連絡を踏まえた状況判断に基づいて、主体的かつ的確に判断することが可能であるというふうに考えているところでございます。
  121. 宮本徹

    ○宮本(徹)委員 ですから、私の質問に何にも答えていないわけですよ。  結局、五要件を守る制度的な保証はないじゃないですか。アメリカ側のROEについても何も知らない。基本の公表されているアメリカのROEというのは、先制攻撃だってやると言っているんですよ。武器を退避するどころか、攻撃がある前に相手をやっつけようというのがアメリカのROEなんですよ。そんなROEを持っている米軍を自衛隊法を改正して防護するということ自体、本当に憲法上成り立たないということだと私は厳しく指摘しておきたいというふうに思います。  それと、またもう一点お伺いしたいと思いますが、今回発動された米艦防護についても、メディアでこれだけ報道されながら、公式には米艦防護をやっているということを言わないという姿勢を貫かれておられます。この武器等防護の任務の付与について公表しないという運用指針では、国会も国民も結局知るのは紛争に巻き込まれた後になる、こういうことになってしまうんじゃないですか。
  122. 稲田朋美

    ○稲田国務大臣 米軍等の防護の実施については、米軍等の活動への影響や相手方との関係もあり、その実施の逐一についてお答えすることは差し控えさせていただいております。  平和安全法制により新設をしたこの武器等防護に関して、法律上国会報告の対象とはされておりませんが、可能な限り最大限の情報は開示をする考えでございます。  具体的に申し上げれば、米軍等を警護している際に自衛隊または米軍等に対し何らかの侵害行為が発生した場合など、特異な事象が発生した場合には事実関係を速やかに公表いたします。また、重要影響事態において警護の実施が必要と認められる場合には、あらかじめ警護を実施する旨を公表いたします。また、毎年、米軍等の警護の実施結果についてNSCへの報告が義務づけられており、その内容についても適切に情報公開を行う考えでございます。  他方、米軍等の警護を行うのは、米軍等がみずからを守る能力が不十分な状況であり、脆弱な状況に置かれている場合であることから、その実施の逐一について公にすることは、米軍等の能力及び運用上の重要な点を明らかにし、その活動に影響を及ぼすおそれがあること、または相手方との関係もあり、お答えを差し控えさせていただいているところでございます。
  123. 宮本徹

    ○宮本(徹)委員 重要影響事態で計画を発表するなんというのは、それは当たり前の話なわけでして、あとは侵害があった場合という話じゃないですか。侵害があって反撃してというのは、もう交戦状態が生まれた後という話じゃないですか。そうなるわけですよ。  平和か戦争どっちに進むのかというのは、この国の外交にとって一番大きな問題ですけれども、その一番の問題で、勝手に、国民が知らないまま、国会が知らないまま、警護の任務が与えられて、そして、侵害があったら交戦状態に入るということになるわけですよね。  私、シビリアンコントロールの根本は何なのかというのを、大臣、やはり考える必要があると思いますよ。シビリアンコントロールというのは、別に大臣が自衛隊をコントロールすればいいという話じゃないんですね。シビリアンコントロールの大もとというのは国民による軍隊の統制なんですよ。そして、国民の代表である国会によるコントロールなんですよ。その大もとが全くわかっていないからこういう運用指針になっているんじゃないですか。  私、集団的自衛権の裏口入学だということをこの武器等防護の問題については安保法制の際も指摘しましたけれども、本当にこういうものはやめるべきだということを強く申し上げておきたいと思います。  その上で、もう一点きょうは質問することがあります。スノーデン・ファイルについてお伺いします。  四月下旬、インターセプトがNHKと協力して、いわゆるスノーデン・ファイルのうち、日本に関連する十三の文書を発表しました。極めて重大な内容です。アメリカのNSAが日本政府も監視の対象にしていた、盗聴で情報を収集していた、国際捕鯨委員会での日本政府のロビー活動について盗聴されていたということも明らかになっております。  きょう、外務副大臣に来ていただきましたけれども、これはアメリカに対して抗議されたんですか。
  124. 岸信夫

    ○岸副大臣 今委員指摘のような報道があったことは承知をしているところでございますけれども、そこにあります、インターセプトのホームページ上に掲載されておりますこの文書自体が出所不明のものでありますので、これに対してコメントをすることは差し控えさせていただきたいと思います。
  125. 宮本徹

    ○宮本(徹)委員 いや、出所不明で差し控えるという話じゃないと思いますよ。  ドイツのメルケル首相は、同じようなことがありましたよね。NSAの機密文書に携帯番号が出ていた、盗聴されていたんじゃないかということになって、メルケル氏側はアメリカ側に抗議しているわけですよね。こうした手法が事実なら重大な信義違反だ、直ちにやめなければならないと、ドイツ政府として声明を出したわけですよ。  なぜ、ドイツ政府で声明が出せて日本政府は出せないんですか。
  126. 岸信夫

    ○岸副大臣 繰り返しになりますけれども、この文書自体が出所が明らかでないことにつきまして、先ほどお尋ねの、アメリカ側に尋ねているかどうか、説明を求めているかどうかという御質問でございましたけれども、そうした文書に関してアメリカに逐一確認を求めるという考えは今持っておりません。
  127. 宮本徹

    ○宮本(徹)委員 ちょっとそれは余りにも情けない姿勢ですよ。やはり主権国家の大臣、副大臣皆さんがそういう姿勢だと本当になめられますよ。私は、愛国者として、そういう姿勢は本当に許されないということを言っておきたいと思います。  次にお伺いします。  スノーデン・ファイルによりますと、日本政府が二〇〇四年に米軍横田基地内にサッカー場の約半分の大きさ、約三万二千平方フィートの施設を提供し、建設費六百六十万ドルのほとんどを日本が負担したとあります。この施設は世界じゅうの監視業務に使うアンテナの修理と製造のための施設だった、こう報じられております。  そこで、一般論として思いやり予算の使途について伺いますが、二〇〇四年に米軍横田基地内に、建設費およそ六百六十万ドル程度、そしてサッカー場の半分程度の大きさの建物、これは提供しているんでしょうか、日本政府は。
  128. 深山延暁

    ○深山政府参考人 お答え申し上げます。  外務副大臣からもありましたが、スノーデン元CIA職員が不法に持ち出したとされる出所不明の文書についてはコメントは差し控えようと思いますが、その上で、一般論として申し上げますと、日本側は、日米安保体制の円滑かつ効率的な運用を確保するとの観点から、日米地位協定に基づいて、在日米軍駐留経費負担のうち提供施設整備費によりまして日本側負担で施設を整備し、米側に提供しております。  これまで全国の米軍基地においてさまざまな施設を整備してきておりますが、御指摘のようなものといたしましては、防衛省は、二〇〇四年、横田飛行場において、提供施設整備費約七億八千万円により、面積約三千百平方メートルの工場を米側に提供しているところでございます。
  129. 宮本徹

    ○宮本(徹)委員 スノーデン・ファイルのとおりなわけですよね。  それから、このスノーデン・ファイルでは、日本政府は、この工場施設内での七人の専門家の給与三十七万五千ドル相当を含め、スタッフにも資金を提供しているとあります。  これも一般論でお答えいただいていいんですが、思いやり予算の使途、横田基地内での傍受用アンテナをつくるスタッフの給与も思いやり予算で出しているということですか。
  130. 深山延暁

    ○深山政府参考人 一般論として申し上げますと、防衛省は、横田飛行場を含め、在日米軍基地で勤務する駐留軍等労働者の給与については、在日米軍駐留経費負担に係る特別協定に基づき、例えば今年度において二万二千八百四十五人分を上限として日本側で負担しております。  なお、横田飛行場においては、平成二十九年三月末の時点で二千九十四名の駐留軍等労働者が勤務しておりますが、その個別の勤務場所等については、米軍の運用にかかわることであり、お答えを差し控えさせていただきたいと思います。  したがって、同飛行場のどの工場に駐留軍等労働者が勤務しているかを含めて、その給与を負担しているかどうかについてお答えすることは困難でございます。  また、在日米軍基地には米軍人軍属が勤務しておりますけれども、その給与については米側が負担することになっておりまして、防衛省としては負担していないところでございます。
  131. 宮本徹

    ○宮本(徹)委員 つまり、負担している可能性もある、このスノーデン・ファイルのとおりの可能性も大いにあるというのが先ほどの答弁だったと思います。  この工場でつくられている監視業務に使うアンテナというのは、アフガニスタン、韓国、タイ、バルカン半島などで使用されたというふうになっているわけですよね。  二〇〇四年に提供した工場の建設目的について、日本政府はあらかじめ知っていましたか。
  132. 深山延暁

    ○深山政府参考人 この件についても一般論としてお答えをさせていただきますけれども、防衛省としては、工場を含め、米側に提供する施設を整備するに当たりましては、日米地位協定の範囲内で米側の希望を聴取するとともに、日米安保条約の目的達成との関係、我が国の財政負担との関係、社会経済的影響など、いろいろ総合的に勘案いたしまして、我が国として予算措置を講じて提供するかということを適切に判断してきているところでございます。  今般の横田飛行場における工場についても、米側と仕様の調整を行う中で目的を含む施設の概要について確認しておりますけれども、その詳細については、米側の運用にかかわることでもございますので、お答えは差し控えさせていただきたいと考えております。
  133. 宮本徹

    ○宮本(徹)委員 目的を知って提供しているとなったら、これは大変問題じゃないですか。この工場でつくられたアンテナは、アフガニスタン、アルカイダの攻撃にも使われたということをスノーデン・ファイルには書いてありますよ。安保条約の目的からもはるかに逸脱している行動を米軍横田基地内で、工場で米軍はやっているわけですよね。しかも、日本政府の出しているお金で人も雇ってやっているわけですよ。建設目的も知っていて国民の税金で出しているというのは、これは大変大問題だと言わなければなりません。  スノーデン・ファイルについてはほかにも質問したいと思いましたが、時間になってしまいましたので、続きはまた次回やらせていただくということを宣言しまして、質問を終わります。  ありがとうございました。
  134. 玄葉光一郎

    玄葉委員長 次に、松浪健太君。
  135. 松浪健太

    ○松浪委員 日本維新の会の松浪健太であります。  大臣には前回、予備費のときに、アパッチ64Dの問題で、国民の皆さんには、まさに六十二機調達予定のブロック2と言われるアパッチが十三機しか調達できずに富士重工と裁判になって、そして国は血税四百八十億円という多大なお金をどぶに捨ててしまったということについて質問させていただきました。質問時間も前回は短く、きょうも短いんですけれども、前回と違ってありがたいのは前回の議事録があることでありまして、読むにつれても、大臣もみずからのお言葉で常識的な議論をしないと、この問題はやはりちゃんと国民の負託に応えるものにならないんじゃないかなと思います。  前回も、反省点についても、大臣はあえて反省点を申し上げるという言い方をされましたけれども、やはりこれは、あえてというような反省点ではなくて、真摯に反省をしていただかなければならない問題でありますし、この四百八十億について誰がどのように責任をとったのかということを高橋局長に伺わせていただきましたけれども、そのときの答弁が、このことについて特段の責任は発生していないという文言が堂々と載っているわけでありまして、私は、これでは本当に国民の皆さんの理解は得られない、ただ、これは長年、戦後ずっと続いてきた日本の防衛装備品の調達方法についてやはり構造的な欠陥があるんだろうと。今の皆さんを責めるよりも、この構造を直していかなければならないと思います。  その一つに、やはり私はコスト意識の問題があろうかと思います。前回も国産比率というものについて質問させていただいて、私も、国産であるにこしたことはないと思いますし、コスト意識で、国内でやったものは国内の経済に資するものであるべきであろうとも思います。  そこで、別にこれは通告しているわけではないんですけれども、防衛装備品の調達で国内の雇用とか経済効果とかいったものは意識されるべきだと大臣はお考えなのかどうか、まずもって伺います。
  136. 稲田朋美

    ○稲田国務大臣 それは当然意識すべきものではないかというふうに考えます。
  137. 松浪健太

    ○松浪委員 ありがとうございます。  やはりこの防衛装備品の調達というのが、私も一時、銃に凝りまして、自分で試験を受けて取ってみました。なかなか日本の銃刀法は大変で、自衛官でも散弾銃を取っても十年たたないとライフルも持てないというぐらい、大変厳しい法律の中にあるんです。銃の値段というのが、普通のアサルトライフルなんというのは各国では数万円かかるというんですけれども、これは別に通告していないですけれども、もし御存じであれば、役所でいいので、八九式のアサルトライフルが今幾らぐらいするか御存じですか。  いいです、質問しません。申しわけありません、こんなものは一番オーソドックスなので、すぐ出てくるかなと思ったんですけれども。  当時は二十八万円ぐらいに下がったこともあるということも聞きましたし、今は四十万円ぐらいするということも聞いたんですけれども、私は何が言いたいかというと、各国のアサルトライフルに比べて値段が十倍近く高いとか、そういう違いがある。日本の場合は、豊和工業という有名な会社が独占しているわけですけれども。  このコスト意識というところが、これは小銃だからいいです。でも、この小銃をずっと納入していることによって、結局これは八九式ですから八九年ですよね、もう二十数年にわたって納入しているんですけれども、今、自衛隊でも海自、空自に行ったらいまだに六四式を使っていますよ。六四年式ですね、私が生まれる前の話です。後藤田筆頭も生まれる前の話ですよ。この時代のものがいまだに使われているわけで、これはやはり、調達時期と、当然、口径もNATO弾は当時は七・六二ミリで今は五・五六が主体ですから、弾の互換性もないわけですよね。  こうしたことが、銃一つをとってもそうですけれども、ヘリにとっても非常に大きな、海外ではいまだに紛争地ではAK47、カラシニコフが使われているわけで、小銃だからいいけれども、これにもっと高度なネットワーク機能とかいうものが入ってくると、これははっきり言って喜劇的な悲劇になるというのが現状だと思います。  そこで、前回取り上げましたブロック2なんですけれども、これは二〇〇二年から調達し出したんですけれども、既にアメリカでは、前回の答弁でも明らかになったように、二〇〇四年段階ではブロック3の開発を認識していたと私は聞きましたけれども、そのときには公表されていたわけであります。それから調達打ち切りの決定が二〇〇八年まで時間を要したのはなぜなのか、伺います。
  138. 高橋憲一

    ○高橋政府参考人 お答えいたします。  防衛省がAH1Sを取得しておりましたけれども、二〇〇三年以降AH1Sの減耗が始まるということでございましたので、二〇〇一年に機種選定を行いまして、AH64Dブロック2を六十二機調達することとしておりました。  米陸軍がAH64Dブロック3の導入を計画していることにつきましては、防衛省としては二〇〇四年二月に知り得る立場にございました。ブロック3はブロック2に比較して各射程の延伸や他の部隊との情報共有能力が向上された改良が行われていると承知しておりました。  他方、残念ながら、AH64Dの米軍の装備化の時期がその時点では明らかではございませんし、また、米国からの調達、いわゆるリリースが可能なのかどうかという点につきましても明らかではなかったということがございましたので、防衛省としましては、二〇〇四年から二〇〇七年におきまして、当初の計画どおりAH64Dを、AH1Sの減勢が既に始まっておりましたので、引き続き調達するということにいたしたものでございます。
  139. 松浪健太

    ○松浪委員 それでも構わないんですけれども、その間、防衛省として、ボーイングや米国防総省から情報収集を行っていたのか、富士重工との協議というのはしっかり行っていたんですか。そうでないと皆さんがなぜ裁判になったのかというところがはっきりしませんので、そのあたりをもう一度はっきりさせてください。
  140. 高橋憲一

    ○高橋政府参考人 まず、米国との関係でございますが、防衛省が調達を決定いたしましたAH64Dブロック2につきましては、陸上自衛隊の課長クラスが、年二回程度でございますが、米国の相当職の人間との間で定期的に協議を行っておりまして、さまざまな意見交換や情報収集を行っていたところでございますが、現在確認し得る限りにおきましては、ブロック3の開発を米側から伝えられたのは二〇〇四年二月以降というふうな状況でございました。  また、富士重工業との関係でも、二〇〇四年から二〇〇七年にかけましてAH64Dの調達を行っていたわけでございますが、それにおきましても防衛省の課長クラスが富士重工のしかるべき人間との協議を続けておりましたが、残念ながらこれも、二〇〇七年三月に、AH64Dブロック2の調達を二〇一〇年以降継続するためには約二百二十億円の追加費用が必要となる旨を防衛省に予告したという状況でございました。
  141. 松浪健太

    ○松浪委員 実は、どうしてこういうことが起きたのかというと、先ほど公共事業的な視点がないということも申し上げましたけれども、もう一つには、やはり比較するべき対象がない。ですから、セカンドオピニオン的な意見が入らないということで、今まで国内企業は、先ほど十倍になるというような話を申し上げましたけれども、数倍になっていくのは相手がいないからですね。企業側が安易に値上げをしても防衛省がのんできたというような、えらい金をたかってもこいつらは出してくれるわという構図が明らかにあったというのが今回のこの裁判の病根であります。  そうでないと、それでもなあなあになっていたから、普通ならこんなのは裁判でべた負けする必要はないですよね。三百五十一億全額と遅延金を合わせて四百八十億円、これを最高裁でばんとはねられて国が払うというのは本当に、大臣の首が飛ぶか、局長の首が飛ぶかというような責任がないと。  これはすさまじい額だと思うんですけれども、そうした構造に対して何か改善された点というのはあるんですか。
  142. 高橋憲一

    ○高橋政府参考人 このようなコストの増加につきましては、いわゆるライフサイクルコストをきちんと計算するということ、それから、全体としてのプロジェクト管理を行いまして、当初の予定よりもコストが一定規模上がりますと、それについての所要の検討を行うというふうな形で、所要の改正、見直しを行っているところでございます。
  143. 松浪健太

    ○松浪委員 ライフサイクルコストということもありましたけれども、恐らくこれは本当なら国会議員の責任ですね。当時、こんなでたらめな計画を通して、皆さんはこれを認めたのかということなんです。  実は、公共事業をさきに出しましたけれども、やはり公共事業ならダムをつくる、ダムをつくるのであればどういうタイプにするのか、水源にするのか、電源開発もやるのか、治水に資するのか、いつまでにするのか、コストはどうするのかというのがあるんですけれども、防衛装備品の場合は、特にこのアパッチ64Dのブロック2は、どういうふうに使うかということが私は明確ではなかったのではないかなと思います。  その証拠に、たしか防衛省の方は、これを十三機しかできなかったから、その前に八十九機調達したAH1で代替するというようなことをおっしゃっていたと思いますけれども、それで正しいですか。
  144. 高橋憲一

    ○高橋政府参考人 委員指摘のとおり、AH64Dは十三機の調達に終わったところでございますが、我が国の防衛体制という観点から申しますと、AH64D十三機、それからAH1S三十九機をもちまして、五十二機体制で我が国の防衛体制を考えていくということになってございます。  また、AH1Sにつきましては、今後もまた減耗していくということがございますので、次期中期防の策定の中で、陸自が保有すべき航空戦力につきまして必要な検討を行っていきたいというふうに考えてございます。
  145. 松浪健太

    ○松浪委員 まさに、先ほど六四式、八九式の話をしましたけれども、たしかAH1が導入されたのは昭和五十二年とか、私がまだ幼稚園のときの話でありまして、その時代のものを使うというのもすさまじいんですけれども。  では、この攻撃ヘリというものの性質について、別に通告もしていないけれども伺います。  AH1という攻撃ヘリは、当初は戦闘ヘリでタンクキラーだったということがあると思います。戦車に近づいて戦車を攻撃する。今の攻撃ヘリは、ネットワーク機能等を持ちながら、いわゆるISR機能というんですか、情報、インテリジェンスとかサーベイランスとか、そういうものをまさに受け持つということで、私はAH1とアパッチではその能力がまさに違うという認識なんですけれども、防衛省はいかがですか。
  146. 高橋憲一

    ○高橋政府参考人 委員指摘のとおり、AH1Sでございますが、いわゆる広範囲に迅速に空中機動するという特性を生かしまして、主に戦車等を撃破するということのための装備品だと考えてございます。  これに対しましてAH64Dは、いわゆる情報のネットワーク化、レーダーを所有しているということから、島嶼部に対する攻撃、ゲリラや特殊部隊による攻撃などの事態に対しても有効に対処できるものというふうに考えてございます。
  147. 松浪健太

    ○松浪委員 前回指摘しましたけれども、AH64をブロック2からブロック3にレベルアップするのであればそれは理解できるんですけれども、この64Dから恐らく二十年以上前のAH1で代替できるというのは、自衛隊の戦闘力としてそうしたことは言い切れるんですか、無理があるんじゃないですか。
  148. 高橋憲一

    ○高橋政府参考人 現在考えてございますのは、AH1S三十九機、AH64D十三機という体制でございまして、これはそれぞれ教育所要も考えてございますが、主にAH64Dにつきましては南西諸島に展開するというふうな体制を考えてございます。これによりまして必要な我が国の防衛体制を維持できるものというふうに考えてございます。
  149. 松浪健太

    ○松浪委員 では、一応通告しているんですけれども、AH1とブロック2を併用するデメリットというのを端的にお答えください。
  150. 高橋憲一

    ○高橋政府参考人 委員指摘のとおりでございますが、自衛隊の航空機等の装備品、複数機種保有するという場合には、例えばパイロットの教育でございますとか整備員の教育につきまして、複数の機種を扱える体制をとらないといけないという問題がございます。  しかし、また一方で、いわゆる航空機等を複数機種保有することによりまして、例えば一つの機種にふぐあいが出まして飛行停止というような措置になりました場合には、一つの機種だけで構成されていますと全ての飛行機が飛べないというようなことになりますので、例えば航空自衛隊でございますと、F4戦闘機が仮に飛行停止になってもF15やF2がありますので、それによって対領空侵犯措置やパイロットの訓練ができる、また、同じく陸上自衛隊につきましても、観測ヘリコプターにつきましてはOH6DとOH1の二機種を持っているということで、一つの機種が飛行停止になっても機能は維持できるということも一つの利点であるかと考えております。
  151. 松浪健太

    ○松浪委員 今の答弁、大変無理があると思いますね。さっきの、御承知のとおり、昭和五十年代に出たものと、その後の二〇〇〇年代に調達しているもの、八〇年代からアパッチは出だしているかもしれませんけれども、こんなのは、私なんかはバイク乗りですけれども、ハーレーダビッドソンで百キロしか出ない、どれだけ排気量が多くても九九年以前のワンカムではそんなものしか出ないんですよ、それと最新のレーサーマシンと両方乗れるのがいいんだと言っているようなものです。  これは、先ほどもおっしゃったように、戦闘の方法が違う。まさに情報、索敵が中心なのと、それからまたこっちの戦闘攻撃ヘリでは違うのに、これを一緒にするというのは、やはり自衛隊がいざ戦闘したときにどうなるかという視点が欠けていると思うんです。  そこで、さっきの、十三機しかないですけれども、ブロック2を六十二機所有したときの運用というのはどのように考える予定だったんですか。
  152. 高橋憲一

    ○高橋政府参考人 AH64Dを計画どおり六十二機、仮に取得したということでございますと、基本的な配置といたしまして、北部方面隊、東北方面隊、中部方面隊、西部方面隊の対戦車ヘリコプター隊に十二機、それから東方の対戦車ヘリコプター隊に六機を配備いたしまして、いわゆる空中から火力を発揮しまして、地上の障害物等の影響を受けることなく広範囲に迅速に空中機動する、ゲリラや特殊部隊に対する攻撃、島嶼部に対する攻撃などの事態に有効な対処を図る、それ以外に教育所要の八機を考えておりましたので、トータルとして六十二機ということで運用することを考えておりました。
  153. 松浪健太

    ○松浪委員 先ほどはパイロットのことだけをおっしゃいましたけれども、パイロット以外に整備士の必要もあって、では整備士も二種類やれた方がいいのかとか、こんなことを言っていると、バイク屋の話ばかりして恐縮ですけれども、ハーレー屋とレーサーのマシンをいじるメカニックは、バイクですら変えているわけですね。私は、正直言って、ヘリコプターほどの高度なものだとこうしたロジックは全く通じないと思いますし、また、この十三機についても、十三機飛ばすんだったら、訓練用のものも要る、今整備しているものも要るということで、運用というのは大変限られてくると。釈迦に説法になりますけれども。  では、ブロック2の現在の稼働率というものはどれぐらいになるんですか。
  154. 田中聡

    田中(聡)政府参考人 お答え申し上げます。  自衛隊機の稼働率というものを明らかにいたしますと、有事における自衛隊の対処能力等を明らかにすることになりかねませんので、結果といたしまして我が国の安全を害することになりかねないということから、従来から対外的には明らかにしていないところでございます。  御容赦いただきたいと思います。
  155. 松浪健太

    ○松浪委員 これは、また普通に現場の方と話をしたら、公の話と全く違う答えが出てまいります。  国内産のエンジンとかはすばらしいといいますけれども、我々がふだん乗る航空機等に比べて、人が乗るものとこういう自衛隊のものでは随分と、現場の話では、故障とか、こういうものは決して日本はすばらしくないというようなことも伺っていますし、特にこうした少なくしか調達できなかったものについては、恐らくおぞましい結果というものもあるのではないかなと私は危惧をしているところであります。  ちょっと時間の方もなくなりましたけれども、最後に大臣に。  先ほど、ダムの話を申し上げました。やはりこうしたことが起きれば、国民の生命財産を守るための戦略というのが、先ほど言いましたけれども、レーサーマシンでサーキットを回らないかぬところをハーレーで回らないかぬというような、こうしたちぐはぐな現状ではレースに勝てないと私は思います。これから、何機つくるのか、どういう戦略でつくるのか、最初にこうしたことを明らかにして、票にも金にもならないということで我々政治家はなかなかこういうところをチェックしないんですけれども、そういうものを明らかにして国会に示していくような仕組みをおつくりいただきたいと思います。大臣、いかがですか。
  156. 玄葉光一郎

    玄葉委員長 時間が来ておりますので、稲田大臣、短くて結構ですから、簡潔に答弁してください。
  157. 稲田朋美

    ○稲田国務大臣 前回、今回と委員の御質問を通じて、しっかりと、コストの考え方、さらには、先ほどの我が方の安全の観点からなかなか公表できないこともございますけれども、しっかりと国民に対する説明責任も果たしてまいりたいと考えております。
  158. 松浪健太

    ○松浪委員 ありがとうございました。
  159. 玄葉光一郎

    玄葉委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後三時五十三分散会