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2017-04-21 第193回国会 衆議院 安全保障委員会 第6号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二十九年四月二十一日(金曜日)     午前九時開議  出席委員    委員長 山口  壯君    理事 江渡 聡徳君 理事 小野寺五典君    理事 寺田  稔君 理事 中谷 真一君    理事 中村 裕之君 理事 後藤 祐一君    理事 升田世喜男君 理事 浜地 雅一君       今枝宗一郎君    大西 宏幸君       門山 宏哲君    金子万寿夫君       北村 誠吾君    熊田 裕通君       小林 鷹之君    左藤  章君       武田 良太君    藤丸  敏君       宮澤 博行君    和田 義明君       青柳陽一郎君    神山 洋介君       横路 孝弘君    佐藤 茂樹君       赤嶺 政賢君    下地 幹郎君       吉田 豊史君    照屋 寛徳君       武藤 貴也君     …………………………………    防衛大臣         稲田 朋美君    内閣官房副長官      萩生田光一君    外務大臣        岸  信夫君    外務大臣政務官      武井 俊輔君    防衛大臣政務官      小林 鷹之君    防衛大臣政務官      宮澤 博行君    政府参考人    (内閣官房内閣審議官)  山田 重夫君    政府参考人    (内閣官房内閣審議官)  槌道 明宏君    政府参考人    (内閣官房内閣審議官)  横田 真二君    政府参考人    (内閣官房内閣審議官)  岡本  宰君    政府参考人    (内閣国際平和協力本部事務局長)        宮島 昭夫君    政府参考人    (外務省大臣官房審議官) 宮川  学君    政府参考人    (外務省大臣官房参事官) 岡田 健一君    政府参考人    (外務省大臣官房参事官) 四方 敬之君    政府参考人    (外務省北米局長)    森  健良君    政府参考人    (財務省主計局次長)   可部 哲生君    政府参考人    (防衛省大臣官房衛生監) 塚原 太郎君    政府参考人    (防衛省防衛政策局長)  前田  哲君    政府参考人    (防衛省防衛政策局次長) 岡  真臣君    政府参考人    (防衛省整備計画局長)  高橋 憲一君    政府参考人    (防衛省人事教育局長)  鈴木 良之君    政府参考人    (防衛省地方協力局長)  深山 延暁君    政府参考人    (防衛省統合幕僚監部総括官)           辰己 昌良君    政府参考人    (防衛装備庁防衛技監)  外園 博一君    政府参考人    (防衛装備庁装備政策部長)            中村 吉利君    政府参考人    (防衛装備庁プロジェクト管理部長)        田中  聡君    政府参考人    (防衛装備庁技術戦略部長)            三島 茂徳君    安全保障委員会専門員   林山 泰彦君     ————————————— 四月二十一日  戦争法の廃止を求めることに関する請願(阿部知子紹介)(第八六〇号)  同(大平喜信紹介)(第九四七号) は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  政府参考人出頭要求に関する件  防衛省設置法等の一部を改正する法律案内閣提出第二六号)      ————◇—————
  2. 山口壯

  3. 山口壯

    山口委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     —————————————
  4. 山口壯

    山口委員長 これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。浜地雅一君。
  5. 浜地雅一

    浜地委員 おはようございます。公明党の浜地雅一でございます。十五分間よろしくお願い申し上げます。  まずは冒頭、きょうは、与党第一会派でございます自民党の先生方から御質問を始められるのが通例でございますけれども、私は他の委員会質問がかぶっておりますので、御配慮いただきまして、理事皆様、また委員皆様に感謝を申し上げます。ありがとうございます。  十五分しかありませんのですぐ始めたいと思いますが、まずはちょっと一点、外務省確認をしたいことがございます。  今、在韓、韓国にいらっしゃる米国人に対して、退避勧告等米国政府から何らかの警戒情報が発せられていますかという質問をしたいんですけれども、これは北朝鮮危機と言われていました九四年当時の状況もあわせて、わかれば御答弁お願いします。
  6. 四方敬之

    四方政府参考人 お答え申し上げます。  お尋ねの点につきまして、我が方から米国側確認しましたところ、米国政府から、一九九四年も、現在も、韓国に在留している米国人に対して退避勧告等は出していないとの説明を受けております。
  7. 浜地雅一

    浜地委員 今御説明のとおり、九四年もそうですが、現在も退避勧告等のアラームのようなものは出されていないということでございます。  今、朝鮮半島が非常に緊張感を増しておりますので、私の中で、そういった何らかの、在韓の米国人の方々に対して米国政府から警戒情報のようなものが出されていれば、これはやはり一つ緊張のメルクマールになるんじゃないかなと思いまして、聞かせていただきました。  九四年も実際危機であったわけですが、出ておりません。そうなりますと、逆にこれが出るということになると、まさに北朝鮮情勢というものが非常に緊迫してくるであろうと思っています。  報道によりますと、そういった米国が何らかの行動に出る場合には日本政府との事前協議が行われるというふうに報道ベースでは聞いておりますので、しっかり、この点、把握はされていると思いますが、ぜひ注視をしていただきたいという意味で御質問させていただきました。  今回の法案防衛省設置法の一部改正案の中には、自衛隊法改正も含まれております。先日、参議院で承認をされまして、晴れて国会承認となりました新しい日米ACSA、また日豪ACSA、そして、本当にこれは初めて締結しました日英ACSA承認をされたわけでございますが、これと自衛隊法改正との関係について確認をしたいと思っております。  隊法改正がなされないと実施できない部分改正がなくても実施できる部分日米ACSAについては隊法改正がなくてもよいことは承知をしておりますので、逆に、この新しい日米ACSA運用が開始される時期について御答弁をお願いいたします。
  8. 岡真臣

    岡政府参考人 お答え申し上げます。  まず、日米ACSAにつきましては、先ほど御質問の中にあったとおりでございまして、手続的なことを申し上げますと、先般、国会の御承認をいただいたことから、四月二十五日の発効を目指して手続を進めているところと承知をしているところでございます。  次に、日豪でございますけれども、共同訓練災害派遣などの平素活動に際して豪州国防軍に対して物品または役務提供を行う際に、ACSAに基づいて決済を実施するための国内法上の根拠規定を現行の自衛隊法に置いておりますが、他方、海賊対処行動機雷等の除去、在外邦人等保護措置及び情報収集活動に際しまして豪州国防軍に対して物品または役務提供を行う場合に、ACSAに基づいて決済を実施するための国内法上の根拠規定は存在しておりません。現時点では、これらの活動に際して物品または役務提供を円滑かつ迅速に行うことはできないところでございます。  日英につきましてでございますけれども、共同訓練災害派遣などの平素活動に際しまして英国軍に対して物品または役務提供を行う場合に、ACSAに基づいて決済を実施するための国内法上の根拠規定が存在しておりませんので、現時点では、これらの活動に際して物品または役務提供を円滑かつ迅速に行うことはできません。  このように、現状におきましては、豪州国防軍及び英国軍との協力を円滑かつ迅速に進めることが困難な場面も生じることから、今回の法改正によりまして自衛隊法根拠規定整備し、自衛隊豪州国防軍英国軍との間の緊密な協力を促進してまいりたいと考えているところでございます。
  9. 浜地雅一

    浜地委員 丁寧な御答弁、ありがとうございました。  日米ACSAについては自衛隊法改正は要らないんですけれども、この運用が開始される時期というのが私、気になっておりましたが、四月の二十五日、来週の火曜日から実際に物品役務提供がスムーズに行えるようになりますので、これは事態等が新たに拡大をされて、対象拡大をされておりますので、まさに、今緊張状態にある中で……(発言する者あり)そうですね、はい。済みません、筆頭に答えてしまいましたが、まさに、本当にこういった緊張状態の中で行えますので、その点は安心したところでございます。  しかし、先ほど、日豪については情報収集活動時の物品役務提供がまだスムーズにできない状態ですので、やはりこれは、当委員会としても、早く隊法改正についても採決をし、早い発効を目指すということが大事であろうというふうに思っております。  日英については、全く最初から行えますので、これも同じ理由でございます。  しっかりここは、この委員会緊張感を持ってこの運用という面にも早期に取り組んでいきたいというふうに思っております。  私、今の状況の中で、カールビンソンが今実際、正確にどこにいるのかは、にわかに存じ上げておりませんけれども、朝鮮半島、また日本海を通過するのではないかという報道に接しております。  この中で、特に、二年前に成立しました平和安全法制の中で、いわゆる駆けつけ警護というのが一つ付与されましたが、もう一つ、新しい制度の中で、もしかするとこれは必要性が生じてくるんじゃないかなというものの中に、米軍等部隊等武器等防護という、自衛隊法九十五条の二の規定がまさに、私は、適用場面がもしかするとあるのではないかと思っています。  九十五条の二でございますけれども、これは要件がかなり厳しくなっています。一つには、実際に、米軍等といっても、我が国防衛に資する活動に現に従事している米軍等武器等でないと防護できないというふうになっています。  二年前の平和安全法制を思い出しますと、この我が国防衛に資する活動に現に従事しているとはどういうことかということを、当時の議事録を見ましたけれども、当時、中谷防衛大臣でございましたけれども、例えば、重要影響事態となった場合に日本後方支援として輸送等を行っている場合が一つ考えられるであろう、そしてもう一つが、共同訓練の場合が考えられるであろう、そして、もう一つ言われているのが、弾道ミサイル防衛も含めた情報収集警戒監視米軍等が行っている場合が想定されるという答弁が残っております。  共同訓練については、一緒にやりますし、もともとスケジュールが組まれて行うわけでございますから、これは非常にわかりやすいと思います。また、重要影響事態につきましても、これは基本計画承認等々ございますので、国会の場でどういう場面にあるかというのがわかりやすいと思いますが、逆に今回、カールビンソン日本海をもし航行するとなると、これは果たして何のためにそこを航行しているのか、実際に我が国防衛に資する活動なのかというところが疑問符がつくところでございます。  そこで、そういった情報収集警戒監視場面において我が国防衛に資する活動に現に従事しているというのはどういった基準で判断をされるのか、御答弁をお願いいたします。
  10. 岡真臣

    岡政府参考人 お答え申し上げます。  自衛隊法第九十五条の二で言う、我が国防衛に資する活動といいますのは、我が国防衛の助けとなる活動を意味しております。また、同条の規定に基づく警護を実施するには、当該活動自衛隊と連携して実施されているということが必要となります。  その上で、いかなる活動我が国防衛に資する活動に該当するかということにつきましては、活動目的内容等を踏まえて、個別具体的に判断することとなります。  なお、一般論として申し上げますけれども、例えば情報収集警戒監視活動に際して、共通監視対象について得られる情報を交換しながら当該活動を実施するといった場合につきましては、自衛隊法第九十五条の二の対象となり得るものと理解をしております。
  11. 浜地雅一

    浜地委員 個別具体の事情はございますが、共通監視活動としての情報共有というような言葉が出てきましたので、一つキーワードになろうかというふうに思っております。  実際これが発動されたかどうかはなかなか発表はされないとは思いますけれども、実際に発動された場合には、まさにこれは2プラス2、また日米のガイドラインでも示されたとおり、アセット防衛ということになりますので、しっかりと連携をとって行っていただきたいと思いますし、また、安全も大事でございますので、それに配慮しながら行っていただきたいというふうに思っております。  もう一つ聞きますが、逆に、この九十五条の二の武器等防護は、あくまでこれは平時から有事に至る直前、もしくは武力行使と一体化してはいけないという中で行われるものでございます。ですから、この条文の中にも「現に戦闘行為が行われている現場で行われるものを除く。」というふうにわざわざ明記をされているわけでございます。  そうなりますと、これは仮定の話になってきますが、九十五条の二で武器等防護が付与されているときに仮に米軍艦船等武力行使があった場合、これは九十五条の二で防護ができないわけでございますが、そのときの自衛隊運用は具体的にどのようになるんでしょうか。
  12. 岡真臣

    岡政府参考人 お答え申し上げます。  そもそも、国際的な武力紛争が発生しておらず、また周囲にその兆候も認められない状況において自衛隊米軍等部隊等とともに活動している現場で、突発的に戦闘行為、すなわち、国際的な武力紛争の一環として行われる人を殺傷しまたは物を破壊する行為が発生することは想定されておりません。  しかしながら、万が一、状況変化により、戦闘行為であると認められる武力攻撃が発生するおそれがあると認められるに至った場合につきましては、本条によりこれに対応することがないよう、防衛大臣指揮系統を通じて速やかに部隊警護中止を命じることとなります。
  13. 浜地雅一

    浜地委員 戦闘行為が始まって戦闘現場になった場合は、一応この規定では防衛大臣が速やかに中止ということなんですが、それだとやはり、日米同盟、そうなったので日本自衛隊は何もしてくれないのかということではまずいわけでございます。  そうなりますと、やはり、存立危機事態武力攻撃事態をしっかりと認定して、これはいわゆる適用場面が変わります。これはいわゆる存立危機事態武力攻撃事態になって、それでまさに限定的な集団的自衛権行使として行う場合になろうかというふうに思っております。  そうなりますと、スムーズに、これは事態認定ですから、対処基本方針国会に示されて、国会承認を得る必要があります。この対処基本方針には、事態認定をするための前提事実も書かなければなりません。逆に、これがもし事後承認であったとしても、承認が得られなければ、また自衛隊は撤収をしなければいけないわけでございますので、非常にこの対処基本方針に書く事実というものは重要でございますし、特に国会承認というのは、当然これは重い決でございます。  そこで、稲田防衛大臣にお聞きしますが、国会への情報提供に対する姿勢、特にこれは特定秘密という部分も多く含まれてくるとは思いますが、そのことも踏まえて、国会承認に向けて、事実をどのように開示される御姿勢でいらっしゃるのか、最後に稲田防衛大臣にお聞きしたいと思います。
  14. 稲田朋美

    稲田国務大臣 事態対処法第九条には、武力攻撃事態等または存立危機事態認定に当たっては、事態認定前提となった事実などを記載した対処基本方針を閣議決定し、国会承認を求め、これを公示して周知を図ることなどが定めてあり、国会国民皆様に対し必要な情報提供が適切に行われることとなります。  政府といたしましては、対処基本方針の作成に当たっては、国会国民皆様に適切に情報公開を行い、その御理解を得ていきたいと考えております。また、国会に御承認いただくために必要な情報を可能な限り開示すること、これは当然であると考えております。
  15. 浜地雅一

    浜地委員 結構でございます。  中谷防衛大臣当時に同じ質問をしたことがございまして、稲田防衛大臣にも同じ質問をし、認識確認したいということでございますので、しっかりと国民への開示ということも大事でございます。  ただし、当然、そういった情報源でございますとか、また実際の部隊の具体的な数字でありますとか、そういったことでかえって自衛隊が危険にさらされることになってはいけないということも私も承知をしておりますので、そこのバランスを図りながらしっかりと開示をして、しかし、国会承認がないとこれは動けませんので、そこの部分も含めて、当然でございますけれども、御認識をいただければと思っております。  以上で終わらせていただきます。ありがとうございます。
  16. 山口壯

    山口委員長 次に、門山宏哲君。
  17. 門山宏哲

    ○門山委員 自由民主党の門山宏哲でございます。  十五分の御質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。十五分でございますので、早速、法案についての質問に入らせていただきます。  最初に、自衛官定数のあり方について御質問いたします。  宇宙空間サイバー空間は、第四、第五の戦場とも言われ、近年、これらの空間における安全保障面での対処必要性が急速に高まっております。  今回、防衛省設置法改正し、サイバー空間宇宙空間における攻撃への対処能力を向上するために、共同部隊定数を六名、航空自衛隊定数を二名増員させることは意義あるものと考えてはおりますが、そもそも、合計八名程度増員で十分と言えるのでしょうか。大幅な増員が必要ではないんでしょうか。  また、今回の法改正では、増員がある一方では、陸上自衛隊で七名、海上自衛隊で一名の減員を実施し、結果として自衛隊定数総数は維持されておりますが、陸自、海自の役割が減少しているとも思えない現下の情勢において、定数減とする理由は何でしょうか。端的に、共同部隊、空自の定数増員することはできないのでしょうか。
  18. 稲田朋美

    稲田国務大臣 まず、宇宙空間サイバー空間についてのお尋ねですが、周辺国は、陸海空に加え、宇宙空間サイバー空間といった幅広い分野で優位に立つことを目指しており、防衛省としても、宇宙空間サイバー空間において自衛隊能力を向上させることは喫緊の課題と認識をいたしております。  こうした認識のもと、平成二十九年度は、サイバー攻撃に関する訓練機能強化するため、サイバー防衛隊約百名を六名増員し、体制強化を図るとともに、宇宙状況監視システム整備を担当する航空幕僚監部に必要な要員として二名を増員することにより、合計八名の増員を行うことといたしております。  同時に、委員指摘のとおり、宇宙空間サイバー空間における自衛隊体制についてはこれまで以上に強化する必要があると考えており、今後の検討の中で、サイバー防衛隊宇宙状況監視システムに関する定数増員も含め、サイバー空間宇宙空間に関する体制強化に真摯に取り組んでまいりたいと考えております。  また、自衛官定数については、平成八年以降減少の一途をたどってきたところですが、平成二十四年度の安倍政権発足以降、防衛計画の大綱及び中期防を見直し、それまでの減少傾向に終止符を打ち、定数を維持する方向に変更したところであり、自衛官定数の観点からも防衛力強化に取り組んでいるところでございます。  具体的には、スクラップ・アンド・ビルドにより、自衛官定数総数は維持しつつも、第一線の部隊、例えば、陸自与那国沿岸監視隊水陸機動団奄美大島や宮古島、石垣島への陸自部隊新編や、海自の護衛隊を四十七隻から五十四隻に増強するなど、優先度の高い定数を増加させていく考えでございます。  厳しい安全保障環境を踏まえ、必要な人員及び装備を確保していくのが基本的な方向性でございます。今委員の御指摘も踏まえながら、自衛官定数を含めて必要な見直しを行い、自衛隊体制強化に取り組んでまいります。
  19. 門山宏哲

    ○門山委員 サイバー部隊は、アメリカが六千二百名に対して日本は百名程度でございまして、サイバー攻撃対策は、一部のマスコミ等では三周おくれなどと指摘されてはおりますけれども、しっかり対策を講じていただきたいと思います。  続きまして、陸上総隊の新編についてお伺いします。  今回の自衛隊法改正により、陸上自衛隊について、海上自衛隊自衛艦隊航空自衛隊航空総隊と並んで、新たに陸上総隊が新編されます。  本改正は、統合運用のもとで陸上自衛隊の各方面隊に係る統制、調整、報告、命令等の業務を効率化することが主たる目的と思われますが、なぜ今まで陸上総隊が編成されなかったのでしょうか。また、陸上隊司令官が各方面隊を指揮する場合が一体的運用を図る必要がある場合に限定されているのはなぜでしょうか。
  20. 稲田朋美

    稲田国務大臣 我が国を取り巻く安全保障環境は一層厳しさを増しており、弾道ミサイル攻撃島嶼部に対する攻撃、大規模災害など、陸海空自衛隊統合運用により全国レベルで機動的に対応すべき事態拡大しております。  これまで、陸上総隊と各方面隊との関係についても各種検討を重ねてまいりましたが、今般、事態の推移、状況に応じて全国的に陸自部隊を転用するなど、陸自部隊を一体的に運用することなどを目的とした組織として陸上総隊を新編することが最も合理的であるとの結論に至ったところです。  また、一個方面隊の対応で完結し、他の方面隊部隊を出動させる必要が全くない事態等については、方面総監方面隊運用する従来の体制で十分機能しており、陸上隊司令官指揮下に置く必要はないとの結論に至りました。  その結果、防衛大臣方面隊陸上隊司令官指揮下に置く状況について、一体的運用を図る場合と限定をしているところでございます。
  21. 門山宏哲

    ○門山委員 有事が起こった際に効果的に対応できる組織は何かということは非常に大事な問題でございまして、やはりそれについて、いろいろな状況変化もあるので、引き続き、本当に有効な組織は何かということについてまた研究して、努力をしていただければというふうに思います。  続きまして、不用装備品等譲与等に関する規定整備に関することについて質問させていただきます。  財政法九条一項は、「国の財産は、法律に基く場合を除く外、これを交換しその他支払手段として使用し、又は適正な対価なくしてこれを譲渡し若しくは貸し付けてはならない。」と規定しております。今回、自衛隊法改正し、財政法第九条一項の「法律に基く場合」をまさに規定し、自衛隊において不用となった装備品等を無償もしくは低い対価で譲渡できるようにするという法改正をするわけでございます。  本改正は、我が国がASEAN諸国等の海洋安全保障に係る能力向上を支援するため、防衛装備協力を推進し、また、海洋秩序維持の強化に向けた協力関係を深化させる意義があると思いますが、装備品の譲与は、いかなる国にいかなる装備品をどのような基準で譲与するのでしょうか。とりわけ、日本の国益に重大な影響のあるシーレーン防衛との関係はどうなっているのか、大臣、お答えください。
  22. 稲田朋美

    稲田国務大臣 改正自衛隊法第百十六条の三に基づく装備品等の無償譲渡等は、独力で十分な装備品等を調達することが難しい開発途上地域の政府対象といたしておりますが、本規定に基づきいかなる装備品等をいかなる国に譲渡するかについては、我が国を取り巻く安全保障環境の改善にどの程度寄与するかとの観点から、相手国と我が国との安全保障、防衛上の協力、友好関係等を勘案した上で、防衛装備移転三原則などに基づき個別具体的に判断することとなると考えております。  その上で申し上げれば、議員御指摘のとおり、海洋国家である我が国としては、平和と安定の基礎である、開かれ安定した海洋の秩序を強化するため、海上交通の安全確保に万全を期す必要があります。このため、我が国シーレーンの要衝を占めるASEAN諸国を含む各国の海洋安全保障に係る能力向上の支援は、我が国安全保障に資する取り組みになると認識をいたしております。  かかる観点から、本規定による装備品等の無償譲渡等は、我が国を取り巻く安全保障環境の改善に寄与するため有効な政策手段となり得ると考えているところでございます。
  23. 門山宏哲

    ○門山委員 装備品の譲渡に関しては、不用となったものとはいえ、一部いろいろな御意見もあるところでございます。本改正を機に、特に、海洋安全保障とかシーレーン防衛のために、関係国との関係が一層強化されるという観点から、本当に必要なもの、そして外交手段の一つとしてもぜひ有効に使っていただいて、柔軟な外交防衛政策を推進していただきたいということをお願いしまして、質問を終わります。  どうもありがとうございました。
  24. 山口壯

    山口委員長 次に、青柳陽一郎君。
  25. 青柳陽一郎

    ○青柳委員 民進党の青柳陽一郎でございます。  本日は、五十分という貴重な時間をいただきました。まことにありがとうございます。  質問に入りたいと思います。  本日は、法案審査でございますので、まずは法案審査の方から始めたいと思います。  防衛省設置法改正について伺います。先ほどの質疑でもあったんですけれども、私から何点か、少し重ねますけれども、改めて伺います。  まず一点目は、今回の改正で、自衛官定数総数は維持したまま、先ほどもありましたけれども、サイバー防衛隊に六名振りかえる、宇宙状況監視システムに一名振りかえるという正直小幅な改正ですけれども、特にサイバーの部分、このような小幅な改正増員で現下の状況に対応できるのかということについて、まずは簡潔にお伺いしたいと思います。
  26. 高橋憲一

    高橋政府参考人 お答えいたします。  先生御指摘のとおり、現下の厳しい状況を考えますと、宇宙空間における対応、サイバーに関する対応は非常に重要なものだと考えておりまして、今後とも体制強化を図っていきたいと考えてございますが、ただ、残念ながら、自衛官定数につきましては、大綱、中期防におきまして二十五年度の水準を維持するという、ある意味の縛りがかかってございますので、今後とも、長期的な観点も含めまして、しっかりとしたサイバーに対する体制強化していきたいというふうに考えてございます。  以上でございます。
  27. 青柳陽一郎

    ○青柳委員 おっしゃるとおりですけれども、このサイバー防衛ということ、あるいは他国からのサイバー攻撃にどう備えるかということについては、しっかりと今後も検討いただきたいと思います。  次に、即応予備自衛官そして予備自衛官制度について伺いたいと思います。  我が国の即応予備自衛官と予備自衛官の員数について、諸外国と比較して、国際的に多いのか少ないのかということについては一概に言えないところでございますけれども、予備自衛官の員数とその充足率はともに少ないのじゃないか、そして、充足率の低下に歯どめがかかっていないという指摘がありまして、こういう状況では日本防衛に万全とは言えないんじゃないかと懸念する指摘がありますけれども、大臣、この点についていかがお考えでしょうか。
  28. 稲田朋美

    稲田国務大臣 今御指摘になりましたように、平成二十七年度末の充足状況については、予備自衛官は六八%、即応予備自衛官の充足率は五五・九%でございます。  こういった予備自衛官、即応予備自衛官の充足が低い状況というのは、委員も御指摘のとおり、改善をしなければならないというふうに考えております。  退職者が多い要因としては、例えば職場の事情などが多く挙げられており、予備自衛官及び即応予備自衛官であることと生業との両立が難しいことが作用しているものと考えているところでございます。  予備自衛官等の充足の向上は重要であります。そして、防衛計画の大綱及び中期防計画において、予備自衛官等の充足向上のため、制度の周知を図るとともに、予備自衛官等本人や予備自衛官等の雇用の企業のインセンティブを高める施策などを実施することとされているところでございます。  防衛省としても、予備自衛官本人、雇用企業等に対するインセンティブを高めるための施策を進めてまいることなどにより充足の向上を図ってまいりたい、このように考えております。
  29. 青柳陽一郎

    ○青柳委員 ありがとうございます。  一定程度、この充足率の問題について、インセンティブを上げていくような制度上の改革、改正検討の余地はあるというような御答弁だったかと思います。私は、この即応予備自衛官、予備自衛官、員数と充足率の低下については改善の余地があろうかと思いますので、お取り組みをお願いしたいと思います。  次に、陸上総隊新編について、これも先ほど議論があったところですけれども、私からはもう一度簡潔に、なぜ今改正するのか、なぜ今新たに、新編するのかというその背景といわゆる立法事実について、わかりやすく具体的に御答弁をお願いしたいと思います。  私は、先日の代表質問でこの質問をさせていただきましたけれども、大臣の御答弁は、一般論としてはそうなんだろうなと思いますけれども、なぜ今で、それが具体的に変わると、その組織が変わるとどう変わっていくのか、あるいは、過去にこの陸上総隊がなかったことでどんな不都合が生じたのかということがないと、そういう具体的な御説明をいただかないと、逆になかなか理解が得られないんじゃないかなと思いますので、その辺を御答弁いただきたいと思います。なぜ今なのか、過去にこの総隊がなかったことでどのような問題、課題が残ったのか、こうしたことについて御説明をいただけますでしょうか。
  30. 稲田朋美

    稲田国務大臣 まず、我が国を取り巻く安全保障環境が一層厳しさを増しており、陸海空自衛隊統合運用により全国レベルで機動的に対応すべき事態拡大をしています。  今般、陸上自衛隊においても、これらの事態に円滑に対応するため、全国の部隊を一元的に運用する体制が必要となってきており、陸上自衛隊の複数の方面隊を指揮することが可能な陸上総隊を新編することとしたわけです。陸上総隊の新編によって、陸上隊司令官が各方面隊を一元的に指揮するとともに、統幕、海自自衛艦隊及び空自航空総隊との調整を一元的に担うこととなり、五つの方面隊が並立している現在の陸自体制に比べ、迅速かつ的確に防衛体制を構築することが可能となります。  具体的に過去の例にということでございますので、例えば、昨年発生した熊本地震において、被災者の救助や生活支援などを迅速かつ的確に行うため、被災地を担任する西部方面総監の隷下に他の方面隊等から部隊を集める必要がございました。その際、西部方面隊に転用する部隊の規模、任務や、転用する部隊をどのように被災地域まで展開させるのかなどといった点について、統合幕僚監部が五つの方面隊との間で調整を個別に実施したところでございます。  今回の陸上総隊の新編により、陸上隊司令官が各方面隊を一元的に指揮するとともに、統合幕僚監部などとの調整を一元的に担うことが可能となり、現在の陸上自衛隊体制に比べ、迅速かつ的確に防衛体制を構築することが可能となるということでございます。
  31. 青柳陽一郎

    ○青柳委員 過去にこの総隊がなかったことで不都合があったかどうかということを知りたいんです。というのも、そういうことがなく、一般論として現下の安全保障の状況について新編するんだということであれば、逆に、新しい組織上のオペレーションがふえるだけで、かえって指揮命令系統が混乱するんじゃないかという懸念もあるんじゃないかと思います。  非常に過去にこういうことがあって問題になったので、それを解消するために新たに創設、新編するんだという説明をもう一度いただけるととてもわかりやすいと思うので、よろしくお願いいたします。
  32. 高橋憲一

    高橋政府参考人 先ほどの、大臣が御答弁されました昨年の熊本地震のケースでございますが、例えば、生活支援のために、陸上自衛隊を、千人規模の程度部隊を西方に派遣してほしいというような形の要望が西部方面総監部から上がってまいりました。  統幕は、その場合、西方以外の北方、東北方、東方、中方にそれぞれ連絡をいたしまして、どういう形でどういう体制ができるかということについて個別に調整する必要があったわけでございますが、先ほど大臣も御答弁いたしましたように、仮にこれが陸上総隊ができますと、統幕は陸上総隊に指示を出しまして、生活支援の部隊千人を、どういう形でもいいから集めて、直ちに西方に転用させろということの指示ができるということになりますので、統幕はもっと陸海空の統合的な観点からの仕事、陸上総隊、もしそれができますと、陸の内部の調整については陸上自衛隊の中の組織である陸上総隊が的確に調整するということで、明確な役割分担が図れるというふうに考えてございます。  また、陸上総隊をつくるに当たりまして、CRFをスクラップいたしまして、発展的に解消する形で陸上総隊をつくるということでございますので、組織の過大になるということについてもそれなりに配慮したというふうに考えてございます。  以上でございます。
  33. 青柳陽一郎

    ○青柳委員 時間もありますので、次の質問に移りたいと思います。  ACSA締結に対応するために自衛隊法改正するということでございますので、ちょっと外務委員会の議論にも重なるんですけれども、今回新たに英国とACSAを締結したわけでございますけれども、日米、これは当然、同盟関係にあるわけですから、必要性理解しておりますし、日豪についても、地理的な要件から一定程度理解はできます。  英国とACSAを締結し、それに合わせて自衛隊法改正する背景については、これも具体的にどういう事態を想定しているのかについて、改めて大臣から伺いたいと思います。
  34. 稲田朋美

    稲田国務大臣 自衛隊英国軍は、これまで、共同訓練やPKO、国際緊急援助活動等のさまざまな場面においてともに活動してきたところです。  共同訓練については、例えば、昨年、英空軍戦闘機タイフーンが訪日して航空自衛隊戦闘機部隊との共同訓練を実施いたしましたが、そのほかにも多くの多国間共同訓練にともに参加しており、着実に実績を積み重ねているところでございます。  また、PKOについては、国連南スーダン共和国ミッション、UNMISSに英国軍とともに参加しており、国際緊急援助活動については、例えば、平成二十五年のフィリピン台風災害、平成二十六年のマレーシア機消息不明事案、平成二十七年のネパール地震災害等に際して、英国軍とともに活動した実績がございます。  英国は、我が国との防衛協力、これを一層進めていく意思をさまざまな機会に表明し、実際に防衛協力を進めている重要なパートナーであることから、今後も、これらの活動において物品または役務を相互に提供する所要が見込まれるほか、在外邦人等保護措置など、さまざまな場面においても物品または役務の相互提供の所要が生じることもあり得ると考えているところです。  防衛省としては、自衛隊法等における規定整備を通じて英国軍に対する物品または役務の相互提供を可能とすることは、英国軍協力して実施する活動を円滑かつ効果的なものとし、ひいては英国軍との協力を一層促進する上で重要である、このように考えているところでございます。
  35. 青柳陽一郎

    ○青柳委員 その説明は、一般論としては非常によくわかりますし、否定されるものではないということもわかっています。今、大臣の御答弁の中で、さまざまな事態が想定される中で必要だと。  では、具体的に英国軍とどういう事態があるんでしょうか。それもひとつ教えていただきたいと思います。
  36. 稲田朋美

    稲田国務大臣 例えば、現在の日豪ACSA、先ほど委員も必要だとおっしゃいました日豪ACSAにおいては、日豪共同訓練、多国間共同訓練の際や、フィリピン台風被害、マレーシア機捜索などの国際緊急援助活動の際に、自衛隊が食料、燃料などを提供し、または受領した実績があります。  こういった所要は日英間においても見込まれることから、今般の自衛隊法等の改正により必要な規定整備を行いたい、このように考えているところです。
  37. 青柳陽一郎

    ○青柳委員 ありがとうございます。  これも確認ですけれども、外務委員会でも議論がありましたけれども、今後、カナダ、フランス、そしてニュージーランドとも研究を開始したということですけれども、必要性については今大臣が御答弁されたことと同じような理由から始めているんでしょうか。お答えをいただきたいと思います。
  38. 岡真臣

    岡政府参考人 お答え申し上げます。  ACSAの各国との締結ということにつきましては、相手国との安全保障、防衛協力を進展させる上でも非常に有意義なものであるというふうに考えておりますけれども、政府といたしましては、相手国との二国間関係であるとか協力の実績、具体的ニーズ等を踏まえながら、必要なACSAの締結を推進してきているところでございます。
  39. 青柳陽一郎

    ○青柳委員 それでは、カナダ、フランス、ニュージーランド、そして、今大臣が御答弁した英国について、二国間共同訓練は近年どのぐらい行っているんでしょうか。回数を教えてください。
  40. 稲田朋美

    稲田国務大臣 共同訓練については、日英二国間のものとしては、昨年、イギリス空軍戦闘機タイフーンが訪日して、航空自衛隊戦闘機部隊との共同訓練を実施しましたが、その他にも多くの多国間共同訓練にともに参加しており、その数は、平成十八年以降だけでも約三十回に上るところです。(青柳委員「二国間で結構です。カナダ、フランス、ニュージーランドを教えてください」と呼ぶ)
  41. 岡真臣

    岡政府参考人 御指摘の、他の国との共同訓練の実績につきまして、突然の御質問でございまして、手元に資料をちょっと用意しておりませんので、そこは確認の上、また申し上げさせていただきたいというふうに思います。
  42. 青柳陽一郎

    ○青柳委員 いや、これは明確に通告しましたし、私の事務所にファクスで入っていますので、これは連絡ミスなんじゃないんでしょうか。
  43. 山口壯

    山口委員長 きちっと後日お伝えしてくださいね。  どうぞ。
  44. 岡真臣

    岡政府参考人 そのあたり、確認をいたしまして、いずれにいたしましても、後日御報告させていただきたいというふうに思います。
  45. 青柳陽一郎

    ○青柳委員 確認もしないで、通告いただいていないという答弁をしないでいただきたいと思いますよ。明確に通告していますし、事務所にファクスもいただいております。英国は一回、カナダ、フランス、ニュージーランドは実績がないというファクスをいただきました。  一方で、韓国とはどのぐらいの共同訓練を行っていますでしょうか。通告しています。紙もいただいています。
  46. 岡真臣

    岡政府参考人 申しわけございません。ちょっと、そのあたり、連絡が必ずしも行き届いていないのかもしれませんが、今手元に数字はございません。  ただ、日韓でもさまざまな各軍種レベルでの訓練はやっているものというふうに理解はしております。(発言する者あり)
  47. 山口壯

    山口委員長 では、速記をとめてください。     〔速記中止
  48. 山口壯

    山口委員長 速記を起こしてください。  青柳君。(発言する者あり)  それでは、後ほど防衛省の方からきちっと答弁していただくようにお願いします。  その間、青柳君、どうぞ。
  49. 青柳陽一郎

    ○青柳委員 これは御答弁いただこうと思っていたんですが、昨日というか、これはもう一昨日にいただいているんですけれども。  繰り返しますけれども、日英は一回、カナダ、フランス、ニュージーランドは実績がない、そういう中で、ロシアは数回にわたって共同訓練を実施している。そして韓国、私が問題意識を持っているのは韓国ですね、韓国もしっかり共同訓練の実績を紙で出していただきました。近年、数回、共同訓練を行っているということです。  何が言いたいかといいますと、こういう朝鮮半島緊張感が高まっている状況で、日英は必要だと思いますし、カナダ、フランスともやったらいいと思いますけれども、韓国とはどういう交渉状況になっているのか。韓国こそ、昨年GSOMIAを締結しましたけれども、韓国ACSA状況共同訓練状況必要性が高いんじゃないかという問題意識で質問をさせていただきたいと思います。
  50. 岡真臣

    岡政府参考人 大変失礼いたしました。  韓国につきましては、過去五年、二十三年、二十五年、二十七年でございますけれども、捜索救難訓練といったことで共同訓練を行っているということでございます。  日韓の防衛協力の重要性ということにつきましては、私どもとしても重々認識をしておりまして、御指摘のありましたような情報面での、いわゆるGSOMIAといったようなことについても進めてきているところでございます。  ちょっと、ACSAについて今どういう状況か、私自身つまびらかに承知しておりませんけれども、これは相手のあることではございますけれども、全般的な防衛協力ということにつきましては進めていきたいというのが私どもの考え方でございます。
  51. 青柳陽一郎

    ○青柳委員 大臣の御見解も伺いたいと思います。日韓は非常に重要だ、緊密だと言っているわけですから、これはどう取り組んでいくか、お伺いしたいと思います。
  52. 稲田朋美

    稲田国務大臣 昨年の暮れにGSOMIAが締結をされた、これは、我が国安全保障環境が厳しくなる中で、特に北朝鮮の脅威が新たな段階になる中で、非常に有益であったというふうに考えますし、また、今事務方からも答弁いたしましたように、防衛協力、これを日韓との間において進めていく上においても、このACSAの議論を深めていくということは重要であろうというふうに考えます。
  53. 青柳陽一郎

    ○青柳委員 それでは、弾薬の提供のところについて伺いたいと思います。  今回の自衛隊法改正及びACSAの締結で、日米はもちろんですけれども、日英日豪、そして、このフォーマットで、それに続いてカナダ、フランスと、締結をふやしていくという御答弁がありましたけれども、国際的な、一般的な認識理解として、弾薬の提供というのは兵たんと解されているわけでございまして、そうすると、当然ですが、武力行使と一体化するという懸念が指摘されているのは事実でございます。  そうしたことが、どんどんそういう国がふえていくというのは、逆にその方針が近隣諸国に対して無用な誤解やリスクを生じさせることになってしまうのではないかという一部指摘もありますけれども、こうしたことに対する大臣の御見解を伺いたいと思います。
  54. 稲田朋美

    稲田国務大臣 弾薬についてのお尋ねでありますが、我が国重要影響事態法やPKO法の規定に基づいて実施する後方支援は、武力の行使に当たらない活動であって、また、他国による武力の行使と一体化しないことを確保した上で行う活動でございます。  後方支援は、その性質上、そもそも、戦闘が行われているような場所で行うものではなく、危険を回避して、活動の安全を確保した上で実施するものでございます。いかなる部隊後方支援を受けている間は攻撃に対して脆弱になるので、このため、危険を回避し、安全を確保することは当然であり、そうでなければ十分な後方支援はできません。  したがって、重要影響事態法や国際平和支援法の規定に基づいて実施する後方支援についても、部隊の安全が確保できないような場所で行うことはなく、戦闘に巻き込まれるようなこともない。したがって、外国の武力の行使と一体化するといった御指摘は当たらないというふうに考えております。
  55. 青柳陽一郎

    ○青柳委員 いや、私が具体的に聞いたのは弾薬ですね。  弾薬の提供をしていくというのは、一般的には兵たん活動だと捉えられている、理解されているわけでありまして、後方支援全般ということではなくて、特に弾薬の提供というところが今回入ってくるわけですし、そうした国がこれからふえてくるというのが方針なので、私はそれを全部否定しているわけではありません。  ただ、その弾薬の提供のところで、一体化するんじゃないかということについてどうお考えになるかということ、具体的に弾薬の提供についてどのように説明していくおつもりなのか、御説明をいただきたいということでございます。  これも通告いたしております。
  56. 岡真臣

    岡政府参考人 お答え申し上げます。  弾薬ということでの御質問でございますけれども、これは、考え方としては、先ほど大臣から答弁申し上げました後方支援の全般的な考え方と変わるところはないのではないかと思っております。  一体化ということとの関係で申し上げますと、そこについては大きな変わりはないのではないかというふうに思っております。
  57. 青柳陽一郎

    ○青柳委員 私、気を使って、通告を水曜日にやったんですよね。そうしたら、こういう状況になっているということは一応お伝えさせていただきたいと思います。早過ぎましたね、通告が。働き方改革だと思って早くやったら、逆に早過ぎて忘れられたということじゃないかなと思います。(発言する者あり)そうですね、これまでの慣例どおりやった方がいいのかというのをちょっと反省したところでございますが、次の問題に移りたいと思います。  北朝鮮の問題、朝鮮半島有事について伺ってまいりたいと思います。  これまでも、この安全保障委員会でも議論があったところですが、直近では四月十六日のミサイルの発射事案、この結果は失敗だったわけですけれども、事前にいろいろな報道が先行したこともあって、特に産経新聞とFNNの四月十五日、十六日の世論調査では、北朝鮮の核、ミサイルに脅威を感じると答えた人が九一・三%と非常に高い数字になっている。我が国国民全体が、何となくどころか、非常に北の脅威を感じているということが明らかになった。  私も地元を歩いていると、北朝鮮の問題とか、ミサイルを撃たれるんじゃないかとか、日本の安全保障は大丈夫なのかとか、警報システムは本当にうまく作動するのかとか、本当にかつてないぐらい聞かれるというのが昨今の状況です。  この委員会質疑でも、政府国民への情報提供のあり方、これが議論されてきたところでございます。私も、きょう、もう一度何点か確認をさせていただきたいと思いますが、四月十六日の事案は、午前六時二十一分に弾道ミサイル一発を発射しましたけれども、直後に爆発して失敗したという分析がなされているわけですけれども、日本の、我が国政府が発表したのは午後三時ごろ。NHKは、もう八時に第一報を報じている、これは韓国情報に基づいて発表している。  さきの本委員会で岸田大臣は、安全保障上の影響がないということを確認して、そして国民に正確な情報を発信したという答弁をされている。つまり、発射したんですけれども、それが失敗で影響がないと確認したので発表が午後になったんだということ、そういう理解でよろしいですか。つまり、失敗して影響がないとわかったから、午後、国民の皆さんにお知らせしたと。  それでは、もし、これが失敗しないで、万が一日本の領土や領海に着弾するという可能性があったんだったら、速やかに国民に知らされたという理解でよろしいんでしょうか。これは事態室の方になるんですか、御答弁をお願いしたいと思います。大臣が御答弁いただけるんでしたら、大臣にお願いしたいと思います。
  58. 稲田朋美

    稲田国務大臣 北朝鮮における軍の動きなどについては、我が国としても平素から情報の収集、分析に努めているところですが、米国との間の緊密な連携を含め、さまざまな形で収集した種々の情報を総合的に勘案する必要があることから、事実関係を明らかにできるまでに一定の時間を要することがあるということでございます。  他方、国民への迅速な情報提供という観点からは、改善できる余地もあり得ると考えており、引き続き、国民の安全、安心の確保のため、しっかりと取り組んでまいります。  また、一般論で申し上げますと、ミサイルが発射されたことを公表するかどうか、あるいはその公表の仕方については、まずはいろいろな要素を検討します。我が国の安全保障への影響、また、国民の生命財産への影響といったことももちろん重要です。また一方で、我が国情報収集能力を相手に見せることがあってはいけない、そういったことなど、いろいろな要素を総合的に判断して、その個別の発射事案ごとに検討して、最終的に判断をしているということでございます。
  59. 青柳陽一郎

    ○青柳委員 もちろん、個別の事案ごとに検討して、どう情報を発信していくかというのは、そのとおりだと思います。  ただ、その情報提供のあり方については、これまでこの委員会で後藤委員との質疑にもありましたけれども、改善できる余地があるのでそれは今後検討していきたい、こういう議論もあったと思いますけれども。  そもそも、情報をしっかり察知できているのか、情報を把握できているのか、分析できているのかという、発信の仕方については改善の余地があるということでしたんですけれども、そもそも、いつ、どこでミサイルを発射されるかというのを事前にきちんと把握できているのかという点については、当然、答弁されないんでしょうけれども、私はそこが一番心配だと思うんです。  ミサイルで迎撃するにしても、国民にお知らせするにしても、いつ、どこで、どういう状態になっているのかというのをしっかり本当に把握できているんでしょうかというところについてお伺いしたいと思います。もし、逆にそこが足りていないところがあるなら認めて、むしろだから予算要求して、しっかりシステムを構築していくんだという方が、国民には安心感があるんじゃないかなと。本当に大丈夫なのかと思われているんじゃないかと思います。  ですから、改めて確認しますけれども、これまで北朝鮮がミサイルを発射してきた事案も複数ありますけれども、その中で、国民にJアラートやエムネットを通じてしっかり事前に知らされた事例というのはあるんでしょうか。
  60. 横田真二

    横田政府参考人 お答え申し上げます。  過去におきまして、北朝鮮が弾道ミサイルを発射した事案において、Jアラートを使って国民情報提供した事案といたしましては、平成二十八年の二月七日、人工衛星と称する弾道ミサイルが沖縄方面に向けて発射された事案、この一件でございます。
  61. 青柳陽一郎

    ○青柳委員 それは、事前に北朝鮮から発射するぞという通告があった事案ですか。そういう通告なしで、きちんと情報を事前につかんで、そして、発射されて、しっかり国民に伝えたという事例はあるんでしょうか。
  62. 横田真二

    横田政府参考人 お答え申し上げます。  先ほどの事案につきましては、北朝鮮から事前の予告があった事案でございます。  そのほかの事案につきましては、Jアラートにつきましては、ミサイルが我が国に飛来する可能性がある場合にJアラートを使うということになっておりまして、これまで、そのほかの事案で我が国に飛来する可能性があるというものがなかったということで、Jアラートは使用しなかったものでございます。
  63. 青柳陽一郎

    ○青柳委員 改めて申し上げますけれども、本当に能力の限界がないのであればいいですけれども、情報収集能力の限界がもしあるのであれば、それを認めて、だからこそ、しっかり整備していく、予算をきっちりつけていくということの方が、国民の生命や安全に対して責任ある態度ではないかということもありますので、そこはちょっと指摘しておきたいと思います。  次に伺うのは、四月十六日にミサイルを発射して、結果として失敗したので我が国の安全に影響はなかった事例なんですけれども、この際、国家安全保障会議は開催されたんでしょうか。四月十六日に開催されたのかどうか伺います。
  64. 山田重夫

    山田政府参考人 お答え申し上げます。  今御指摘のございました四月十六日のミサイル発射につきましては、我が国に向けて飛来する飛翔体が確認されていなかったこともあり、我が国の安全保障に直ちに影響を与える事態は発生していなかったということもありまして、当該ミサイル発射当日にはNSCは開催いたしませんでした。
  65. 青柳陽一郎

    ○青柳委員 通常、こういう安全保障で、朝鮮半島有事緊張感が高まっている状況の中で、ミサイルが実際発射されて、これは失敗したんですけれども、過去の事例でも、別に失敗していても、発射した段階で国家安全保障会議を開催している事例の方が多いわけですけれども、今回は、国民の関心も非常に先ほど申し上げましたように高かった、そして緊張感も高まっているという事実はある、その中であえて北朝鮮はミサイルを発射した、結果として失敗した、だけれども国家安全保障会議は開かなかったんですね。これはなぜでしょうか。日曜日だったからですか。
  66. 山田重夫

    山田政府参考人 お答え申し上げます。  国家安全保障会議は、情勢等に応じまして、議長である総理が必要と認める場合に適時適切に議題を設定の上開催されることになっておりまして、北朝鮮情勢に関しましても、北朝鮮をめぐる状況を総合的に勘案いたしまして、議長である総理が必要と認める場合にはNSCを開催いたしております。  先ほど申し上げましたとおり、四月十六日のミサイル発射に関しましては、我が国に向けて飛来する飛翔体が確認されていなかったこともございまして、ミサイル発射当日にはNSCは開催いたしませんでした。  一方、北朝鮮は、核実験やミサイル発射を繰り返しておりまして、特に、現在は米韓合同演習に対する批判を強めている、こうした状況がございます。  そのような状況を総合的に勘案いたしまして、四月十七日、NSC四大臣会合を開催いたしまして、最新の情勢認識や今後の対処方針の確認を改めて行った次第でございます。
  67. 青柳陽一郎

    ○青柳委員 適時適切に、本当に私は必要な状況だったと思いますので、引き続き緊張感を持って当たっていただきたいと思っております。  次に、北朝鮮のミサイルと核技術について伺ってまいりたいと思いますけれども、今回のミサイル発射失敗事案の分析、弾種の解析、分析はいつごろまでにわかるんでしょうか。  そしてあわせて、ここ二回失敗していますし、過去のミサイル発射の失敗事案というのは、ほぼムスダン、中距離弾道ミサイルのムスダンだと言われておりますけれども、こうした事実についてどのように分析しておりますか。なぜムスダンばかりが失敗しているのかということについて、どういう分析を行っているんでしょうか。
  68. 岡真臣

    岡政府参考人 今回の、四月十六日、発射直後に爆発して失敗したと推定をしているところでございますが、その詳細については分析中でございまして、弾種がいつまでにわかるのかという御質問でございますが、そこについては、何か具体的に申し上げられるようなものがないことを御理解いただければというふうに思っております。  また、失敗を繰り返している、特にムスダンについてお話がございましたけれども、その原因というのも、なかなか一言で申し上げられるようなものではないかとは思います。さまざまな要因があるのであろうと思いますけれども、いずれにいたしましても、これまでの事案について、詳細については分析中でございます。  他方、そのような中ではございますけれども、北朝鮮のミサイルの開発につきましては、これまで、長射程化であるとか、複数のミサイルを同時に発射して、場合によっては我が方の排他的経済水域の中のほぼ同じ地点に撃ち込むといったような形で、技術的信頼性を向上させてきているのではないかというふうに考えております。
  69. 青柳陽一郎

    ○青柳委員 一部報道ですけれども、このミサイル発射の失敗というのは、米国サイバー攻撃による成果ではないかという報道指摘があるんですけれども。  一般論で結構ですけれども、一般論として、サイバー攻撃でミサイルの発射に何らかの影響を与えることというのは技術的に可能なんでしょうか。どのように分析しておりますか。
  70. 岡真臣

    岡政府参考人 お答え申し上げます。  一般論ということでございますけれども、サイバー攻撃につきましては、その態様が一層高度化しているという状況にあるというふうに考えておりまして、サイバー攻撃によりまして、重大な被害をもたらすものも含めて、さまざまな効果が生じ得るものとは考えております。  他方で、そもそもサイバー攻撃は、秘密裏に実行されることも多く、また、これを成功させるためには、攻撃側の能力のみならず、相手国がそのサイバー攻撃に対してどのような防御能力を有しているか、あるいは、攻撃側が相手国に関連して有している情報収集や分析力といったさまざまな要素も関係してくるというところもございまして、一概にお答えすることはなかなか難しいかなというふうに考えているところでございます。
  71. 青柳陽一郎

    ○青柳委員 答弁としてはよくわかりませんけれども、これ以上やってもこれ以上のものは出ないので、次に行きます。  核の能力、核実験の兆候について伺いますが、米国ジョンズ・ホプキンス大の米韓研究所によると、北朝鮮の豊渓里の核実験場を撮影した画像に基づく分析は、命令が下ればいつでも核実験可能としている一方で、戦術的におくらせているのではないかという見方もありますが、我が国日本政府防衛大臣はどのように分析をされておりますか。
  72. 稲田朋美

    稲田国務大臣 核兵器開発の状況を含め、北朝鮮の動向については、防衛省として重大な関心を持って平素から情報収集、分析に努めておりますが、個々の具体的な情報の内容や分析については、事柄の性質上、お答えは差し控えます。  北朝鮮による核兵器開発は、我が国を含む地域、国際社会の安全に対する重大かつ差し迫った脅威であり、断じて容認することはできません。  防衛省自衛隊としては、米国韓国等とも緊密に連携しつつ、引き続き、核兵器開発を含む北朝鮮の動向について、必要な情報収集等に努めてまいります。
  73. 青柳陽一郎

    ○青柳委員 きょう、五十分いただいたので、細かくいろいろなことを聞いていこうと思ったんですけれども、五分になってしまいましたので、通告した内容を少し変えます。  そもそも、稲田大臣は金正恩あるいは金正恩政権をどのように評価しているかについて伺いたいんですね。金正恩は、何をやるかわからない、単純にクレージーな指導者として捉えているのか、それとも、実はすごく合理的で能力の高いすぐれた指導者として評価しているのか、大臣の御所見を伺いたいと思うんですね。  いろいろな評価はあるんですけれども、実際に、金正恩政権になって、核とミサイル、これは着実に性能が向上しているわけですね。それには資金も要るわけで、そうした資金も調達できているわけです。実際に、金正日の時代に比べると、頻繁に映像に出てきて、演説もこなしている、視察も精力的にこなしている。さらに、身内であっても不満分子であればちゅうちょなく粛清、処刑しているわけです。これは、逆に言えば、権力基盤が強固でないとできないんじゃないかという見方もあります。  こうしたさまざまな見方があるんですけれども、稲田大臣は金正恩と金正恩政権についてどのように評価されていますか。
  74. 稲田朋美

    稲田国務大臣 今委員が御指摘になった、全く何をしでかすかわからない指導者、もしくは、何か計算に基づいて着々とやっているのか等々、いろいろな評価はあろうかと思います。  ただ、重要なことは、そういった国が我が国にとって日本海を隔てたすぐそこにあって、そして、金正恩体制となって五年が経過して、昨年には一年間だけでこれまでで最多となる二十発以上の弾道ミサイルを我が国近海に発射し、さらに二回の核実験を行ったということだというふうに思います。  そして、二〇一六年五月に開催された党大会において、自国を核保有国と位置づけ、経済建設と核武力建設の並進路線を恒久的に堅持する旨を表明したほか、本年一月一日の新年の辞においては、大陸間弾道ロケット試験発射準備事業が最終段階に至った旨発表するなど、核・ミサイル開発のための活動を継続していく姿勢は崩していないということでございます。  言うまでもなく、北朝鮮による核・ミサイル開発の継続、累次にわたる弾道ミサイルの発射は、我が国を含む国際社会の平和と安全を損なう安全保障上の重大な挑戦行為であって、関連の安保理決議にも明白に違反をしているわけでございます。  私たちとしては、米国韓国とも緊密に連携しつつ、引き続き、核・ミサイル開発を含む軍事動向について、必要な情報収集に努めてまいる必要があると考えております。
  75. 青柳陽一郎

    ○青柳委員 時間が来ましたので、最後に一問伺って終えたいと思います。  先ほど申し上げましたとおり、今、朝鮮半島有事に対して国民の不安もとても高まっている、私の地元でも非常にそういうことを感じるわけですけれども、先日の安保委員会の、この委員会での議論でもあったんですけれども、国民保護措置国民保護計画について最後に伺いたいと思います。  北朝鮮は、仮に米軍攻撃してきた場合に、反撃する対象として、在日米軍基地に報復するんだという旨の発言があります。  私の地元である神奈川県、民進党の安保委員会は神奈川県が三人いるんですけれども、神奈川県は日本で三番目に広い米軍基地を持つ県です。そうしたことから、県民の皆様攻撃対象になるんじゃないかという不安や心配の声が高まっているんだと思います。世論調査の数字もそれが出ているわけですね。  有事の際に、神奈川県にも国民保護計画があるということは承知しておりますし、先般の安保委員会の議論でもそうした答弁がされました。そして、萩生田官房副長官は、訓練の重要性と必要性は認める、しかし、政府側から、おたくの県、おたくの自治体で訓練してくれということを申し上げると間違ったメッセージになる可能性もあるので、自治体から手を挙げてほしいという答弁だったわけです。しかし、なかなか自治体から手は挙がらないですよね、現実は。  ですから、私はむしろ、基地を抱えている県、そういう自治体には、政府側、国から積極的に訓練を促していただく方が責任を果たすことになるんじゃないかと思います。いや、県から挙げてくださいと言っても、現実的には難しい。でも、実際に今、北朝鮮は在日米軍基地があるところを攻撃するんだ、反撃するんだということを言っているわけですから、我々神奈川県の議員としては、できれば国の方からそういう訓練をするべきだということを言っていただきたいと思いますけれども、こうしたことについて御見解をいただきたいと思います。
  76. 横田真二

    横田政府参考人 お答え申し上げます。  今般の我が国を取り巻く環境に鑑みれば、弾道ミサイルが我が国に落下する可能性がある場合における対処について、国民理解を広く進める必要がございます。  そういうことから、弾道ミサイルを想定した住民避難訓練の積極的な実施につきまして、全国の都道府県に実施をしてくださいという通知を行いました。それから、国民保護に関します都道府県説明会、こういうのも実施いたしまして、今現在、地方公共団体に対して積極的な訓練の実施を広く働きかけているところでございます。  今御紹介いただきましたように、特定の市町村に国から直接というのは、特定の市町村に危険があるのかという間違ったメッセージになる可能性もございますので、ぜひ、大都市からも希望があれば、積極的に取り組んでまいりたいと考えておるところでございます。
  77. 青柳陽一郎

    ○青柳委員 時間が来ましたので終わりますけれども、だからそういうことを言っているんじゃなくて、もう北朝鮮は在日米軍のあるところを攻撃すると言っていて、そういう県があるんですから、そこはもう少し責任を果たしていただきたいなということを申し上げて、終わりたいと思います。  ありがとうございました。
  78. 山口壯

    山口委員長 次に、後藤祐一君。
  79. 後藤祐一

    ○後藤(祐)委員 民進党の後藤祐一でございます。  まず冒頭、南スーダンの派遣施設隊が無事撤収していただけるよう、そして、これをサポートに行っている中央即応集団の皆様も含めて、撤収のときが一番危険だというお話も時にございます、その安全に万全を期していただくようお願い申し上げたいと思います。  さて、まず、足元に幾つか気になる記事がありますので確認をしたいと思いますが、本日の産経新聞に、自民党安全保障調査会にサイバーセキュリティー小委員会を新設して、サイバー攻撃能力の保有を検討するという記事がございました。  本日、初会合を開くということでございますが、こういったことを検討することは大変よろしいことだというふうに思いますけれども、この中で、「最初攻撃をミサイル防衛システムでしのいだ上で相手のネットワークにサイバー攻撃をしかけ、第二撃以降の発射を遅らせるといった形で攻撃力をそぐことを目指す。」という記述がございます。  これも私は検討するべき話だと思いますけれども、これは法律上はどうなるんでしょうか。このような攻撃は、法的には武力攻撃をしたことになるんでしょうか、防衛大臣
  80. 稲田朋美

    稲田国務大臣 高度化するサイバー攻撃の態様を踏まえれば、今後サイバー攻撃によって極めて深刻な被害が発生する可能性も否定できず、サイバー攻撃への対応は我が国の安全保障にかかわる重要な課題である、これは一般論としてサイバー攻撃について申し上げているところです。  そのサイバー攻撃、すなわち今委員が御指摘になったサイバー攻撃が武力の行使に当たるかという御質問だというふうにお聞きいたしますが、サイバー攻撃と自衛権の行使関係については一概に申し上げることは困難であって、何らかの事態武力攻撃に当たるか否かは個別具体的な状況を踏まえて判断すべきものであって、武力の行使の三要件を満たす場合には憲法上許されるということだというふうに思います。
  81. 後藤祐一

    ○後藤(祐)委員 私が申し上げたのは、やられた場合に第二撃以降の発射をおくらせるといった目的で相手のネットワークにサイバー攻撃日本の側がしかける場合、これが日本による武力行使に当たるのかどうか、武力攻撃に当たるのかどうかということを聞いております。
  82. 稲田朋美

    稲田国務大臣 防衛省としては、我が国に対する武力攻撃への対処に際して、自衛隊がこれを効果的に排除するため、相手方によるサイバー空間の利用を妨げることが必要となる可能性についても留意しつつ運用検討していくことといたしております。  防衛省としては、関係法令に従い、情報収集機能や調査分析機能を強化するとともに、実戦的な訓練環境の整備等を通じて部隊等対処能力の向上に努めているところでございます。
  83. 後藤祐一

    ○後藤(祐)委員 その答弁が過去にあった上で聞いているんです。日本自衛隊がそのようなサイバーアタックをする場合、「サイバー空間の利用を妨げることが必要となる可能性にも留意しつつ自衛隊運用検討する、」ですから、この運用に基づくサイバーアタックを日本自衛隊がする場合、これは武力行使に当たるのかどうかを聞いております。
  84. 山口壯

    山口委員長 一度、では、とめますか。     〔速記中止
  85. 山口壯

    山口委員長 では、速記を起こしてください。  稲田防衛大臣
  86. 稲田朋美

    稲田国務大臣 それは、個別具体的な状況を踏まえて、三要件を満たすかどうか、憲法上、サイバー攻撃が許されるかどうか検討していくということだというふうに思います。
  87. 後藤祐一

    ○後藤(祐)委員 相手から受けた武力攻撃のことを言っているのではありません。日本が相手に対してサイバーアタックをする場合に、それが武力攻撃法律上みなされることがあるのかどうかを聞いています。相手から受けた攻撃をどう評価するかと聞いておりません。
  88. 稲田朋美

    稲田国務大臣 今申し上げましたように、憲法上の武力の行使に当たるかどうか、これは、三要件を満たす場合であれば憲法上許されるということでございます。
  89. 後藤祐一

    ○後藤(祐)委員 許されるということは、武力攻撃に当たる可能性があるということでしょうか。
  90. 山口壯

    山口委員長 一度とめてください。     〔速記中止
  91. 山口壯

    山口委員長 では、速記を起こしてください。  稲田防衛大臣
  92. 稲田朋美

    稲田国務大臣 今申し上げましたように、憲法上許される武力の行使であるというためには、三要件に当たるかどうか、これを個別具体的な状況を踏まえて判断すべきであるということでございます。(後藤(祐)委員「答えていないです。同じ答弁です」と呼ぶ)
  93. 山口壯

    山口委員長 見方はあるけれども、答えてはいるな。結論をぽんと言ってしまっているから飛んでいるように聞こえるけれども、言ってはいるよ。
  94. 後藤祐一

    ○後藤(祐)委員 それはサイバーアタックについて何の評価もしておりません。  今の答弁の中で、日本自衛隊がサイバーアタックをする場合、それが三要件を満たして武力行使に当たる場合があり得るのかどうか、お答えください。  必ず当たるとか必ず当たらないということでなければ、場合によっては当たり得るでも結構です。
  95. 稲田朋美

    稲田国務大臣 サイバー攻撃と自衛権行使関係については、一概に申し上げることは困難であるということでございます。
  96. 後藤祐一

    ○後藤(祐)委員 場合によっては当たり得るということでよろしいですか。
  97. 稲田朋美

    稲田国務大臣 今申し上げましたように、サイバー攻撃と自衛権の行使関係については、一概に申し上げることは困難で、先ほども申し上げましたように、個別具体的な状況を踏まえて、武力の行使の三要件を満たすかどうか、そして、満たす場合には憲法上も自衛権の行使とみなされる場合もあるということであって、一概に申し上げることは困難であるということでございます。
  98. 後藤祐一

    ○後藤(祐)委員 最後、はっきり答弁いただきました、武力行使にみなされる場合もあると。日本自衛隊による他国に対するサイバーアタックは武力の行使とみなされる場合もあるという御答弁だと、常にそうだというわけではありませんが、三要件をもちろん満たした場合ですけれども、そのような答弁だと受けとめました。  そういう答弁でしたよね。今そういう答弁でした。もし違うんだったら言ってください。みなされる場合もあると今お答えになったので。
  99. 稲田朋美

    稲田国務大臣 私が申し上げているのは、それが憲法上許されるかどうかということについて、三要件をしっかりと検討しなければならない、そして、サイバー攻撃と自衛権行使関係については一概に申し上げることは困難であるということを答弁したということでございます。
  100. 後藤祐一

    ○後藤(祐)委員 どこまでいっても同じだったら、紙でちゃんと出していただけますでしょうか。三要件を満たしている場合に、日本自衛隊が他国に対してサイバーアタックすることが武力行使に該当することがあり得るのかあり得ないのかについて、政府としての統一見解を紙で提出していただくよう求めます。
  101. 稲田朋美

    稲田国務大臣 私がるる御答弁申し上げているのは、我が方からサイバー攻撃をする、これが自衛権の行使として許されるかどうか、これはしっかり憲法上の三要件を吟味すべきであるということを申し上げているわけであります。  先生の御質問は、他国はどう評価するかという……(後藤(祐)委員「違います」と呼ぶ)そうじゃないんですか。我が国のということですか。(後藤(祐)委員「違います。日本が外国に攻撃するものが武力行使に当たるかどうかと聞いています」と呼ぶ)  それは、憲法上許されるかどうかという観点の三要件の吟味は必要である、サイバー攻撃と自衛権の行使関係については一概に申し上げることは困難だということを申し上げております。
  102. 後藤祐一

    ○後藤(祐)委員 やはり答えていませんので、明確に、他国から何らかの武力攻撃があって、三要件を満たした状態になっているという状態の中で、日本の他国に対するサイバーアタックが武力行使に該当する可能性があるのかどうかについて、政府見解を統一したものをこの委員会に提出していただくよう求めます。  委員長、お計らいをお願いします。
  103. 山口壯

    山口委員長 次の理事会で少し相談しましょう。
  104. 後藤祐一

    ○後藤(祐)委員 続きまして、前回、四月十八日の我が党の本村賢太郎議員の質問に対して、こういうやりとりがありました。今の体制で、北朝鮮からミサイルが飛んできた場合、本当に撃ち落としが可能なのかどうか、イエスかノーかでお答えください。稲田大臣は、可能ということでございますという答弁をされましたが、そんな、可能であると断定できるんでしょうか。  ちなみに、四月六日の参議院の外交防衛委員会で、前田防衛政策局長は、維新の党の浅田議員の質問に対し、このように答弁しています。  現在私どもが持っています多層防衛のイージスから撃つSM3と地上のペトリオットPAC3があるわけですが、少なくとも中距離の弾道ミサイルについてはきちんと迎撃ができる能力を持っているということが言えると思います。ただ、最近、今委員も御指摘になりましたように、撃ち方の多様性も北朝鮮は図っているということは、これは言えると思います。ロフテッドという撃ち方をすると、より高度が高く、そして終末の突入速度も速くなってくる、こういうことがございます。こうすると、一般論として申し上げますと、防御する側からすると防御がしにくくなってくるんだ、これは事実でございますという答弁がございました。  稲田大臣の前回の、可能ということでございますという答弁とあわせて読みますと、一般論としては、防御が難しく、しにくくなってくる、このようなケースは、ロフテッドですとかこういったものは一般論としては防御はしにくくなってくるが、現在の北朝鮮が日本を狙うという状況の中においては、日本に対する攻撃については撃ち落としが可能である、こういう答弁だと理解してよろしいでしょうか。
  105. 山口壯

    山口委員長 それでは、速記をとめてください。     〔速記中止
  106. 山口壯

    山口委員長 速記を起こしてください。  稲田防衛大臣
  107. 稲田朋美

    稲田国務大臣 ちょっと先生の質問が余りにも長過ぎて、どこを聞きたいのかわからなかったんですけれども……(後藤(祐)委員「いや、答弁を引用しただけですよ、私、今。質問は正しいと与党の議員からも御指摘があります」と呼ぶ)  まず、先日の、今御指摘のあった私の答弁は、我が国が北朝鮮から飛来する弾道ミサイルへの対処能力を有しているという趣旨で可能ということを述べたということでございます。
  108. 後藤祐一

    ○後藤(祐)委員 いや、極めてわかりやすい質問をしているつもりなんですよ。  前回の本村議員に対しての答弁は、今の体制で、北朝鮮からミサイルが飛んできた場合、撃ち落としが可能なのかと聞かれて、可能ということでございますと明確に答弁されました。  ところが、四月六日の参外防委員会で、前田防衛政策局長は、ロフテッドという撃ち方をすると、一般論として申し上げますと、防御する側からすると防御はしにくくなってくるんだと。これは非常に上手な言い方を私はされていると思いますよ。そこは合わせわざで答弁することで、非常に微妙なところを言いあらわしていると私は理解しますが、そこを除いて、前回、稲田大臣は、可能だと断定しちゃったんですね。  しかも、本村議員は、今の体制で、北朝鮮からミサイルが飛んできた場合と具体的に言った上で答弁されたわけですから、二つあわせて読むと、前田防衛政策局長の言った、一般論として申し上げますと、ロフテッドで撃たれると、防御する側からすると防御はしにくくなるということはありますが、今の北朝鮮と日本との関係において、北朝鮮が撃った場合においては撃ち落としが可能だ、ロフテッドで撃たれても可能だということだと考えてよろしいですか。
  109. 山口壯

    山口委員長 では、速記をとめてください。     〔速記中止
  110. 山口壯

    山口委員長 では、速記を起こしてください。  稲田防衛大臣
  111. 稲田朋美

    稲田国務大臣 今御指摘前田局長の答弁は、一般論として申し上げると、ロフテッド軌道をとることにより迎撃を回避することを企図して発射された弾道ミサイルについては、迎撃がより困難となるという一般論を言ったわけでございます。  そして、私の答弁は、我が国弾道ミサイル防衛システムについては、海上自衛隊のSM3ミサイル搭載のイージス艦による上層での迎撃と航空自衛隊のPAC3ミサイルによる下層での迎撃を組み合わせた多層防衛によって我が国全域を防護するシステムとなっておりますと。そして、我が国が北朝鮮から飛来する弾道ミサイルへの対処能力を有しているという趣旨で可能であるということを述べたということでございます。
  112. 後藤祐一

    ○後藤(祐)委員 一般論としては、ロフテッドで撃たれると、ちなみに防衛政策局長は、防御がしにくくなってくるという、えも言われぬ微妙な表現をしているのに、今、困難となると断定しちゃうとまずいですよ。表現ぶりが違いますよ。  一般論としては、少なくとも防御は、今の言葉で言うと困難となるけれども、北朝鮮の今の状況からすると、能力を有しているということは、それだけのロフテッドの撃ち方は北朝鮮はできないという分析をされているということになりますが、そういう理解でよろしいんですか。
  113. 稲田朋美

    稲田国務大臣 先ほど申し上げた答弁の繰り返しになって恐縮なんですけれども、一般論として申し上げれば、ロフテッド軌道をとることによって迎撃を回避することを企図して発射された弾道ミサイルについては迎撃がより困難になると考えられますが、現在我が国が北朝鮮から飛来する弾道ミサイルへの対処能力を有しているとの趣旨で、先ほど申し上げましたように、対処能力を有しているという趣旨で可能ということですというふうに述べたものでございます。
  114. 後藤祐一

    ○後藤(祐)委員 対処能力を有していることと可能は意味が違います。対処能力を有しているという意味で可能というのは、可能ということなんでしょうか。つまり、対処する能力はありますよ、でも撃ち落とせるかどうかわかりませんということだってあり得るんですよ。場合によっては撃ち落とせない可能性もありますということだってあるんですよ。  対処能力を有しているということと可能と意味は違います。前回、本村議員に対する答弁では、可能ということでございますと断定しているんです。対処能力があることはわかりますよ。ですが、北朝鮮からミサイルが飛んできた場合、本当に可能なんですか。ロフテッド軌道で撃たれることも含めて、一遍にたくさん撃たれることも含めて、本当に可能だと断定できるんですか。  もし答弁を修正するんだったら、答弁を修正していただけますか。
  115. 稲田朋美

    稲田国務大臣 本村委員の御質問は、今の体制で、北朝鮮からミサイルが飛んできた場合、本当に撃ち落としが可能なのかどうなのか、イエスかノーで答えてください、そういう説明であったわけであります。それに対して私は、可能ということでございますというふうに答えた。この趣旨は、我が国が北朝鮮から飛来する弾道ミサイルへの対処能力を有しているという趣旨で可能です、可能ということでございますと述べたということでございます。
  116. 後藤祐一

    ○後藤(祐)委員 答弁を修正したと理解していいでしょうか。対処能力を有しているという意味で可能ということでしかなくて、対処能力はある、だけれども、撃ち落としが可能……(発言する者あり)  では、もう一回聞きます。  対処能力を有しているか否かにかかわらず、今の体制で、北朝鮮からミサイルが飛んできた場合、撃ち落としは可能なんでしょうか。もう一回聞きます。
  117. 稲田朋美

    稲田国務大臣 我が国が北朝鮮から飛来する弾道ミサイルへの対処能力を有しているという趣旨で可能ということでございます。
  118. 後藤祐一

    ○後藤(祐)委員 答弁を修正したものだと理解しました。  対処能力を持っているということで可能というのであれば、どんな場合でも守れるということになっちゃいますよ。それは対処能力は一定のものを当然持っているわけですから、対処能力を持っているということと実際撃ち落とせるということは別ですよ。  それは同じですか、大臣対処能力を持っているということと実際に撃ち落とせるということは、同じですか、違うんですか。
  119. 山口壯

    山口委員長 速記をとめてください。     〔速記中止
  120. 山口壯

    山口委員長 では、速記を起こしてください。  稲田防衛大臣
  121. 稲田朋美

    稲田国務大臣 もう一度御答弁いたします。  本村委員が、今の体制で、北朝鮮からミサイルが飛んできた場合、本当に撃ち落としが可能かどうなのか、イエスかノーで答えてくださいという質問だったわけです。それに対して、イエスかノーかで答えてください、可能かどうか、そういう質問に対して、可能ということでございますというふうにお答えをいたしました。そして、その趣旨は、我が国が北朝鮮から飛来する弾道ミサイルへの対処能力を有しているということでございます。
  122. 後藤祐一

    ○後藤(祐)委員 私は、それを聞いているのではなくて、対処能力を持っているということと実際に撃ち落としが可能ということは同じですか、違うんですかということを聞いております。
  123. 山口壯

    山口委員長 では、速記をとめてください。     〔速記中止
  124. 山口壯

    山口委員長 では、速記を起こしてください。  稲田防衛大臣
  125. 稲田朋美

    稲田国務大臣 例えば、同時に何発まで弾道ミサイルを迎撃可能なのかという問題もありますよね。もちろんロフテッドの問題もありますし。  ただ、個別具体的な能力に関する内容については、我が方の手のうちを明かすことになることから、お答えは差し控えさせていただいております。我が国のBMDシステムの同時対処能力の詳細については、個別具体的な能力に関する内容であって、我が国の手のうちを明かすことになることより、従来からお答えは差し控えさせていただいております。  その上で、我が国のBMDシステム、先ほども言いましたように、イージス艦とPAC3で、多層防衛によって我が国全土をカバーする形でミサイル防衛を、対処をしているわけであります。  私の先日の答弁は、我が国が北朝鮮から飛来する弾道ミサイルへの対処能力を有している、そのような趣旨で可能である、可能ということでございますと述べたものであって、従来の答弁と何ら矛盾するものではないと考えております。
  126. 後藤祐一

    ○後藤(祐)委員 質問に答えてください、二回聞いたんですから。  対処能力を持っているということと撃ち落としが可能ということは別のことではありませんかと聞いているんです。もう三回目です。  これは、戦闘と戦闘行為の話、日報の話と同じじゃないですか。ずばっと、ちょっと違うことを言っちゃったから後でつじつま合わせ、今の話は、だから、二つのものは違うと答弁すればいいだけの話じゃないですか。違わないというんだったら、また日報問題的になってくるんですよ。(発言する者あり)違うでいいんだと与党からも声が出ていますよ。違いますでしょう、対処能力があるということと撃ち落とせるということは。  それについては、では、紙で提出していただくよう。答弁できますか。だって、二回聞いて違うことをお答えになられるんですから、時間を食っちゃいますもの。お答えできるんだったら聞きますけれども、違うかどうかについて。答えられないんだったら、もう聞かないですよ。委員長……
  127. 山口壯

    山口委員長 答弁の仕方のスタイルもあるから、そういう意味では別に、答えている、答えていないということではないような気がするんだ。  だから、そういう意味では、ちょっともう少し整理してもらいたいという気持ちはあるけれども、後藤さんの言われんとしていることとそんなにずれていないような気もするんだ。だけれども、もうちょっと整理が必要だな、防衛省の方で。もうちょっと一般的な感じで後藤さんは聞いている面もありますから。余り僕が答弁する必要もないけれども。
  128. 後藤祐一

    ○後藤(祐)委員 委員長の名裁きで、わかりやすい形で、やはり統一見解をこの委員会に提出していただくよう求めます。  委員長、お取り計らいをお願いします。
  129. 山口壯

    山口委員長 次の理事会でこれも相談しましょう。
  130. 後藤祐一

    ○後藤(祐)委員 こんなことで時間がかかると思わなかったんですが。  ゴールデンウイークに稲田大臣は、一部報道によると、ベトナムに行くという話があるようでございますが、今、北朝鮮との関係では大変微妙な時期だと思います。安倍総理も、ロシア、イギリスにはゴールデンウイークに行かれるということですが、北欧四カ国は取りやめたという報道もございます。  総理は、外交の関係から、少しいろいろなリスクがあっても行かれるということについて私は理解しますが、防衛大臣はやはり留守を預かる立場なのではないでしょうか。これだけ北朝鮮との関係が緊迫しかねない中で、海外に行かれるのはいかがなものかという考え方もございます。  実際どうされるんでしょうか、稲田大臣
  131. 稲田朋美

    稲田国務大臣 まず、ゴールデンウイークにベトナムに行くということは、決めたということはございません。
  132. 後藤祐一

    ○後藤(祐)委員 決めていないということは、これから行くこともあり得るということかもしれませんが、そこはよく考えて御判断いただきたいと思います。  さて、きょうは防衛省設置法改正の審議ですので、いろいろ用意していたんですが、確認したいことがございます。  陸上総隊の話がございますが、配付資料二枚目を見ますと、海については自衛艦隊がほかの艦隊の上に立ちます。組織上も上に立ちます。人事とか管理の権限もございます。空についても、航空総隊がほかの方面隊の上に立ちます。  それに対して、一枚目、陸上総隊については、上ではなく、各方面総監部とは横並びの関係に立つということになっておりますが、この意味をはっきりさせる必要があると思うんです。  人事ですとか管理ですとかというものは陸上総隊は各方面部の上には立たず、運用に関してのみ、幾つかの方面とかかわるような場合に陸上総隊が上に立って指揮権を持つ。運用に関してのみということでよろしいんでしょうか。
  133. 稲田朋美

    稲田国務大臣 そういうことでございます。
  134. 後藤祐一

    ○後藤(祐)委員 法律上もそうしか書いておりません。  そうしますと、運用に関しては、今まで、各方面隊にかかわるような、統合的にやるようなものについては統幕でやっていたわけでございますが、統幕で行っていた運用を束ねる機能を陸上総隊に移すという、大まかに言うとそういうことだと思うんです。  もしそれだけだとすれば、別に統幕でできていたわけですから、先ほど青柳委員のお話でもありましたけれども、別にそのままでもいいじゃないですか。やはり統幕ではできない何かが陸上総隊にできるからこそ、こういう組織を変える意味があると思うんですが、統幕ではできないことであって今回陸上総隊ができるようになることというのは何があるんでしょうか。  通告しています。通告していますよ、これは明確に。精緻に通告していますよ。
  135. 稲田朋美

    稲田国務大臣 どこが違うか、統幕ができないことですね。  各方面隊を指揮するということはできないということでございます。
  136. 後藤祐一

    ○後藤(祐)委員 統幕が直接指揮することは多分できないとは思いますが、統幕が運用において各方面隊を束ねるということと、束ねることに加えて指揮をすることの差というのは何でしょうか。
  137. 稲田朋美

    稲田国務大臣 陸上総隊の新編によって、各方面隊を一元的に指揮ができるということでございます。
  138. 後藤祐一

    ○後藤(祐)委員 これまで統幕が行っていた運用とは違う指揮とは何でしょうか。
  139. 稲田朋美

    稲田国務大臣 今申し上げましたように、陸上総隊を新編することによって一元的に指揮ができる、五方面隊をそれぞれ別々に指揮するんじゃなくて、一元的に指揮することができるというところが違っているということでございます。
  140. 後藤祐一

    ○後藤(祐)委員 差分がよくわからないんですが、では、今までの体制の場合は、指揮はどうなっているんでしょうか。
  141. 稲田朋美

    稲田国務大臣 陸上自衛隊に関しては、五方面隊それぞれを指揮するということでございます。
  142. 後藤祐一

    ○後藤(祐)委員 誰が指揮するんでしょうかと聞いております。  とめていただけますか、もし時間がかかるなら。
  143. 山口壯

    山口委員長 では、一度とめてください。     〔速記中止
  144. 山口壯

    山口委員長 では、速記を起こしてください。  稲田防衛大臣
  145. 稲田朋美

    稲田国務大臣 後藤委員が示された参考資料一にありますように、今までは防衛大臣が五方面隊を指揮する、これからは陸上総隊を通じて指揮をする、一元的に指揮ができるということでございます。
  146. 後藤祐一

    ○後藤(祐)委員 まず、防衛大臣の指揮について、ここまで時間をかけて、国会をとめて後ろを振り返って聞かなきゃいけないことに大変懸念を覚えます。防衛大臣の指揮権ですよ。  しかも、今通じてとおっしゃいましたが、今回、陸上隊司令官は直接指揮できるんじゃないんですか。防衛大臣陸上隊司令官を通じて指揮するんですか。陸上隊司令官は直接指揮できるんじゃないんですか。
  147. 稲田朋美

    稲田国務大臣 陸上隊司令官は、大臣の命令を受けて一元的に指揮をするということでございます。
  148. 後藤祐一

    ○後藤(祐)委員 命令を受けて指揮をするのは陸上隊司令官ですよね。先ほど、大臣陸上隊司令官を通じて指揮すると言いましたけれども、違いますよね。大臣の命令を受けて、陸上隊司令官が指揮権を持って指揮するんじゃないんですか、大臣
  149. 稲田朋美

    稲田国務大臣 ですから、私の命令を受けて、陸上隊司令官が一元的に指揮をするということでございます。
  150. 後藤祐一

    ○後藤(祐)委員 ここが同じだというと、別に今までと何が違うんだという話になってくるんですよ、統幕を通じて今までやっていたわけですから。指揮権があるかないかというのが今回の違いだと先ほど答弁されたから、私はそこを確認しているんですよ。  大臣の命令を通じて陸上隊司令官が指揮するということが大臣が指揮するのと同じなんだというのであれば、別に今と何も変わらないじゃないですか。何が変わるんですか、もう一回もとに戻りますが。  先ほど、陸上隊司令官が指揮するから、そこが変わるんだという説明があったから私はそれを聞いているのに、そこの差分はないんだみたいな答弁じゃないですか。そうすると、何が変わるんですか。
  151. 稲田朋美

    稲田国務大臣 この条文に書かれておりますように、陸上隊司令官指揮下にこの五方面隊が置かれるということが、変わるということでございます。
  152. 後藤祐一

    ○後藤(祐)委員 わかりません。  陸上隊司令官は直接指揮できるんですか。それは、大臣の命令を受けて、指揮権があるんでしょう。でも、今までは、あくまで防衛大臣が統幕長なりを通じて、指揮権は、大臣から直接方面隊に対してあるんでしょう。
  153. 稲田朋美

    稲田国務大臣 今、そういうことを申し上げているわけです。  そして、陸上司令官は防衛大臣の指揮監督を受けて陸上総隊も総括する、そして、陸上隊司令官指揮下に五方面隊が置かれるということでございます。
  154. 後藤祐一

    ○後藤(祐)委員 自分の指揮権が何であるか、誰が指揮権を持っているのか、誰は通じるだけなのか、こういう基本的なことは頭に入れておいてください、大臣大臣の指揮命令権の、それがどう分解されていくかということが今回変わる話なんですから。いかに頭が整理されていないかを露呈しているじゃないですか、こんなところで後ろを向いて、国会をとめて。  時間がないので次に行きます。  配付資料三ページ、今回の自衛隊法の中にACSAを位置づける条文がございます。アメリカとのACSAについては内容がほかと違うので別でいいと思うんですが、そこは三列になっておりますが、オーストラリアとイギリスについては、これは比較表を防衛省につくっていただきましたが、全く同じです。  全く同じなのであれば、これは一々全部条文で書くのではなくて、英国についてはオーストラリアの例によるとか、全部同じことをコピーして書く必要はないと思うんです。しかも、これから、カナダ、フランスとはもう交渉中ですし、ニュージーランドというような話もございます。この後、全部こんな条文をコピーしていくんですか。今回イギリスで、オーストラリアの例によるとしなかったら、次、フランスなりカナダが来たときに、何でそのときだけ例によるにするんですかと、法制的に何か整合性がとれなくなっちゃうんです。  これは今からでも、イギリスのところはオーストラリアの例によるとなり、法制的に、全部コピーするのではない形に条文を改めるべきだと思いますが、いかがですか。
  155. 稲田朋美

    稲田国務大臣 改正後の自衛隊法において、豪軍に対する物品役務提供根拠規定として百条の八、英軍に対する物品役務提供根拠規定として百条の十を設けていて、今委員が御指摘のように、相手国軍隊の名称に係る部分を除いては、両者の内容は同じとなっております。  他方、これらの規定は、豪側及び英側それぞれとの議論を踏まえ、それぞれの相手国軍隊ごとに自衛隊物品役務提供し得る活動類型のメニューを規定したものであって、結果的に内容が同じになったにすぎません。そのような立法経緯を踏まえれば、それぞれ別個の独立した条文とすることは自然であると考えます。  また、仮に、今後の日豪または日英間の議論により当該メニューに変更が生じた場合、第百条の八と第百条の十とで内容に違いが生ずる可能性もあります。  また、今回は二カ国に対する規定を同時に整備する必要があり、第百条の八は日豪ACSAの効力発生の日に、第百条の十は日英ACSAの効力発生の日にそれぞれ施行することとしていますが、両施行日が同日になるとは限りません。  そのため、規定の内容が全く同じとなる場合であったとしても、仮に一つの条文にまとめた場合には、一つの条文の中に施行部分と未施行部分が併存してしまう場合が生じます。  以上を踏まえ、今回は、オーストラリア軍に対する物品役務提供を定める規定を百条の八、英軍、イギリス軍に対する物品役務提供を定める規定を百条の十という別個の条文に置くこととした次第でございます。
  156. 後藤祐一

    ○後藤(祐)委員 後段の理由理由になっていませんね。百条の十に、別途、英国とのものについては百条の八のオーストラリアとの例によると書けばいいだけの話ですから。後段は理由になっていないと思いますが、答弁としてはわかりました。  そうすると、これからフランス、カナダなど全部これをやり続けるという答弁だと理解しました。大変私はリダンダントだと思いますが、そういう答弁だと理解しました。  次に、官房副長官、大変お待たせして済みませんでした。  ミサイルからの身の守り方について、配付資料五、これは内閣官房の出している資料で「武力攻撃やテロなどから身を守るために」というものでございますが、ここに、屋内にいる場合、ドアや窓を全部閉めましょうとありますが、例えば八ページの方では、核爆発の場合とあって、四つ目の丸、屋内では、密閉し、できるだけ窓のない中央の部屋に移動しましょう。  つまり、核爆弾なんかが破裂したときには、窓ガラスが吹っ飛んで、それでけがをするということは大いに予想されるので、できるだけ窓から遠ざかるというのは大変重要な指摘だと思うんですが、Jアラートが鳴って数秒後に爆発する可能性もあるわけです。窓を閉めに行っている間に窓ガラスの被害に遭ってしまったら、大変なことになるわけです。実際、窓がたくさんある御家庭もいっぱいあるので、窓を閉めに行くというのは、私は間違った対応の可能性があるんじゃないかと思うんです。本当にこれで正しいんですか。しかも、一発目にまず窓を閉めましょうというのは、ちょっと誤解を招く表現ではないかなと思います。  さらに言うと、その八ページ目の核爆発の場合、閃光や火球が発生した場合には、失明するおそれがあるので見ないでくださいとありますが、こんなのは、実際に閃光や火球が発生してしまったら、もう一秒以下の非常に短い時間に起きてしまうわけですから、その後、見に行くとかいう話じゃなくて、Jアラートが鳴ったら空を見ないでくださいというような言い方をしないと、現実にはほとんど意味のない間違った書き方をしているのではないかという気がします。  その下の、とっさに遮蔽物の陰に身を隠しましょうというのは、とっさといっても無理でしょう、核爆弾が爆発したときに瞬間的に来るわけですから。それよりは、Jアラートが鳴ったらもう空を見るなとか、遮蔽物の陰に身を隠すとか、家の中でも窓から遠いところに行くとか、そういう書き方をしないとこれは実践的じゃないんですね。  しかも、テロの場合ですとかいろいろな場合がまぜて書いてあって、今まさに毎日テレビでやっていますけれども、実際ミサイルが飛んできたらどうすればいいんだということについては、この委員会でもたくさん皆さん御議論されておりますけれども、副長官、これはやはりつくり直した方がいいと思うんです。  実際、これは事態室の方にも申し上げているところなんですが、事態室の方の御説明をまとめますとこういうことじゃないかと思うのですが、ぜひ御確認いただきたいんです。  まず、Jアラートが鳴ったら、携帯なり市町村の放送なりが鳴ったら、一、空を見ない、二、できるだけ堅固な建物の中に入る、三、地下があるんだったら地下に逃げる、四、窓からは遠ざかる。これがまずとっさにやるべきことなのではないでしょうか。その上で、着弾した後、窓を閉めるなり目張りをするなり、そういう二次的な行動に移るということじゃないかと思いますが、いかがでしょうか、副長官。
  157. 萩生田光一

    ○萩生田内閣官房副長官 貴重な御提言をいただきまして、ありがとうございます。  政府としましては、これまで、内閣官房ホームページ内の国民保護ポータルサイトなどにおいて、武力攻撃やテロなどに際してどのように行動すべきか等について、国民皆様へ周知を図っているところであります。  また、昨年十月には、我が国に弾道ミサイルが飛来するおそれがある場合のJアラートによる情報伝達の流れや注意点について同ポータルサイトに掲載をいたしました。  政府としては、北朝鮮の脅威が新たな段階に入り、国民保護ポータルサイトへの国民皆様のアクセス数が急増している状況を踏まえ、より一層国民皆様理解が進むよう、当該ホームページの内容の充実や、一層の広報の実施に取り組むこととしております。  そういう中で、今、後藤委員からも御指摘がありまして、非常に御説明がわかりやすかったと思います。一定の時間があれば窓を閉めてから避難した方がいいんですけれども、しかし、こういうパンフレットの中で相反することを違うページで書いても、なかなか国民も大変困惑をされると思いますので、この際、弾道ミサイル落下時の行動について、取りまとめを少し整理していきたいと思っております。  あわせて、本日、実は十時半から、今まではそういった対応をしたことがなかったんですけれども、国民皆様からもこのような問い合わせが政府の方に数多く来ていますし、また、いざとなれば地方自治体とも連携をとらなくてはいけないということで、内閣官房と消防庁で合同で主催をしまして、今まさにこの時間に、都道府県の防災担当者にお集まりいただきまして、万が一ミサイルが飛来した場合の対応などについて、協議、説明をさせていただいているところでございます。  そのことによって、国民の皆さんの、ある意味では不安を感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、認識を高めていただくいい機会にしていきたいと思いますので、これからも、ホームページの内容あるいは国民の皆さんへの注意喚起については、できるだけ簡潔に、できるだけわかりやすく、ただいまの後藤委員の御指摘も踏まえて、改良を重ねていきたいと思っています。
  158. 後藤祐一

    ○後藤(祐)委員 副長官、大変積極的な御答弁をいただき、ありがとうございます。  ぜひ早急にまとめていただいて、ホームページに載っけるだけではなくて、マスコミに提供されたらいいと思うんです。あれだけカールビンソンがどこにいるかということに国民が関心を持つのもいいんですが、国民にとっては、いざというときに何ができるのかということを知らせていただいた方が、ややあおってしまうという面はあるとはいえ、ここまでももう既にテレビであおっているわけですから、どうせでしたら、今御答弁いただいた新しくまとめる内容を、先ほど私が申し上げたような簡略な形で、テレビ、新聞等を通じて、報道機関を通じてやると、これは非常に効率のいい避難訓練というか、訓練になるのではないかなと思いますので、ぜひお取り組みをしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
  159. 萩生田光一

    ○萩生田内閣官房副長官 御意見を踏まえ、検討を加えていきたいと思います。
  160. 後藤祐一

    ○後藤(祐)委員 ありがとうございます。  時間がちょっと短くなってきました。  副長官、今会議があられるんですよね。もしあれでしたら、御退室いただいても結構です。  最後、米艦防護、九十五条の二についてお伺いしたいと思いますが、配付資料の九ページから、九十五条の二に関する指針というものを示させていただいております。  これについては、先ほど浜地委員の方からも、この九十五条の二の話がございました。その中で、実際に警護をしているときに戦闘行為が発生したような場合にどうするのかといったときには、速やかに警護中止を命じるというような答弁がございました。その場合には存立事態の方に移行していくというような、極めてこれは重要な御指摘がございましたけれども、これは浜地委員の方からあったわけです。  この九ページから十ページにかけての我が国防衛に資する活動のうち、情報収集警戒監視活動。例えば、日本とアメリカのイージス艦同士が日本海に展開していて、お互いの警護があり得るという中で起きた場合というのは、我々はこの存立事態自体は認めたくない立場でありますが、現実的な話として起きるのかとは思いますが、問題は、十ページ、ウの共同訓練の場合です。  共同訓練の場合に、こういった戦闘行為が発生して、そこから存立事態に至るというのは、これは大変問題が大きいと思うんです。というのは、訓練というのは事前の意思で行うわけですから、やらなきゃいいんです、そんな危ないところでは。  つまり、今、カールビンソン朝鮮半島の近くまで来るというようなお話がございますけれども、実際、先ほど浜地委員のやりとりの中で、現に戦闘が行われている現場になってしまったら警護できないわけですから、その場合は、警護中止どころか、逃げてくるわけですよね。  そんなことになったら、それこそ同盟国との関係というのは大変厳しい関係になってしまうわけですから、そういった戦闘行為が起きるような可能性のあるところで共同訓練はしないということがむしろ大事なのではないかというふうに思うんです。  そういう意味では、北朝鮮の弾道ミサイルでやられるような、ある程度近いエリアで共同訓練はすべきでないと考えますが、防衛大臣、いかがでしょうか。
  161. 稲田朋美

    稲田国務大臣 一般論として申し上げれば、他国との共同訓練のみならず、自衛隊が訓練を実施する際には、その目的や内容のみならず、その時点での国際情勢我が国安全保障環境、さらには訓練中に生じ得る危険等についても考慮しつつ、十分に安全を確保した上で、適切な時期、場所において実施することといたしております。
  162. 後藤祐一

    ○後藤(祐)委員 ということは、やることはあるということですか。北朝鮮の弾道ミサイルが、あるいは、これはどっちのミサイルの場合か、ちょっとわかりませんが、北朝鮮からの直接の攻撃を受ける可能性のあるような地域でも共同訓練を行う可能性があるということですか。巡航ミサイルの場合の方が予想されるのかもしれませんが。
  163. 稲田朋美

    稲田国務大臣 今申し上げたように、十分に安全を確保した上で、適切な時期、場所において実施をするということでございます。
  164. 後藤祐一

    ○後藤(祐)委員 北朝鮮のすぐ近くで共同訓練を行うということは、そこから逃げて帰るということをしないということになると、まさに存立事態という話になっていくわけです。でも、共同訓練していて、実際に戦闘行為が起きて集団的自衛権というのは、これは私は大変問題だと思います。共同訓練する場所は、今大臣答弁したように、選べるんですから、武力攻撃を受ける、戦闘行為が起きるような可能性のある場所で共同訓練はしないということを強く求めたいというふうに思います。  その上で、配付資料の同じ十ページ、ここに内閣の関与というのがございます。(1)のアというところで、当該合衆国軍隊等から初めて警護の要請があった場合にこういった段取りが進んでいくことになるんですが、四月十四日の国家安全保障会議大臣会合では、北朝鮮情勢についてという題名で四大臣会合が行われています。四月十七日の四大臣会合でも、北朝鮮情勢等についてが議題になっています。  その前の四大臣会合も含めて、既に九十五条の二の運用に関する指針に基づく、3(1)の「国家安全保障会議で審議するものとする。」というものは、この審議というのは行われているんでしょうか。
  165. 稲田朋美

    稲田国務大臣 個別具体的な警護の要請、実施の状況等に係る内容については、事柄の性質上、お答えを差し控えさせていただきます。
  166. 後藤祐一

    ○後藤(祐)委員 それはアの方ですね。アメリカから警護の要請はあったんでしょうかということに対して、お答えできないということですね。ということは、警護の要請があったかもしれないわけですね。まだないとは断定しないわけですね。
  167. 稲田朋美

    稲田国務大臣 事柄の性質上、お答えを差し控えさせていただきます。
  168. 後藤祐一

    ○後藤(祐)委員 時間が来たので最後にしますが、分けて聞けばよかったですね。  「国家安全保障会議で審議するものとする。」この3の(1)に基づく国家安全保障会議の審議は、既に行われたんでしょうか、行われていないんでしょうか。
  169. 稲田朋美

    稲田国務大臣 事柄の性質上、お答えを差し控えさせていただきます。
  170. 後藤祐一

    ○後藤(祐)委員 これは、既に警護の要請があり、NSCで既に了承がされ、九十五条の二に基づく米艦防護ができる状態にあるのかないのかというのは、大変重要な話なんです。  今の状態でこれができるのかできないのかについてお答えができないというのは大変問題な答弁だということを申し上げて、政務官、お越しいただいたのに、ちょっと質問時間がなくて済みませんでした。  終わります。ありがとうございました。
  171. 山口壯

    山口委員長 次に、升田世喜男君。
  172. 升田世喜男

    ○升田委員 民進党の升田世喜男です。どうぞよろしくお願いをしたいと思います。  本日は、自衛隊の任務の円滑な遂行を図るための防衛省設置法等の一部を改正する法律案の審議でありますので、まず初めに部隊編成関連についてお伺いをしたいと思います。  陸上総隊の新編に伴い、中央即応集団を廃止するわけでありますが、この十年間の役割と、廃止をする理由についてお伺いしたいと思います。
  173. 高橋憲一

    高橋政府参考人 お答えいたします。  陸上自衛隊におきましては、平成十六年に策定されました防衛計画の大綱及び中期防に基づきまして、新たな脅威や多様な事態に実効的に対処するという観点、国際平和協力活動に主体的かつ積極的に取り組むという観点から、平成十九年でございますが、中央即応集団を新編いたしました。  その新編以降、中央即応集団におきましては、第一ヘリコプター団や第一空挺団などの機動運用部隊、特殊作戦群や中央特殊武器防護隊などの各種専門部隊を一元的に管理するということにより、ゲリラ、特殊部隊による攻撃などの各種の事態発生時に各地に部隊を迅速に派遣することが可能となる体制整備いたしました。  また、東日本大震災におきましても、中央即応集団司令官が統合任務部隊指揮官として原発の対処に当たったところでございます。  国際平和協力活動に迅速かつ継続して一定の部隊を派遣できるよう、国際平和協力活動の指揮を一元的に行うとともに、国際活動教育隊等により、国際平和協力活動に係る専門的な教育訓練をこれまで実施してきたところでございます。  以上のような役割を約十年間担ってまいりました。  しかしながら、近年、我が国を取り巻く安全保障環境は一層厳しさを増しており、島嶼部に対する攻撃、大規模災害など、陸海空自衛隊統合運用により全国レベルで機動的に対応すべき事態が今後ますます想定されるところでございます。  このため、陸上自衛隊におきましても、これらの事態に円滑に対応するため、陸上自衛隊の複数の方面隊を一元的に指揮することが可能な陸上総隊を新編いたしまして、方面隊の区分にとらわれることなく柔軟に運用されるべき性格を有するこれまでの中央即応集団の中央即応連隊等々の各隷下部隊陸上総隊に編入いたしまして、陸自部隊を一体的に運用する体制強化するというふうな目的で考えているところでございます。  以上でございます。
  174. 升田世喜男

    ○升田委員 十年間、中央即応集団、部隊間での調整の手間を除くことが目的だったと。  わずか十年間で変えるということなんですが、こういうことはあり得るということを想定できたんじゃないですか。
  175. 高橋憲一

    高橋政府参考人 我々といたしましては、平成十六年の段階におきましては、新たな脅威、例えば化学テロでございますとか、そのようなものに実効的に対処するために何が一番効率的かということでございまして、中央即応集団をつくりまして、その下に特殊作戦群でございますとか、化学戦に対応するような特殊武器防護隊を集めまして、実効的に対応するというような体制を整えたところでございます。  ただ、その後、東日本大震災でございますとか、去年の熊本の大地震というようなことが、各種の大規模災害が起こったところでございまして、その際には、特に陸上自衛隊を、他方面隊から柔軟に円滑に救援部隊を送り込むというような全国運用必要性がますます痛感されたところでございますので、今般ございますような陸上総隊司令部の新編防衛省設置法改正でお願いしているところでございます。  以上でございます。
  176. 升田世喜男

    ○升田委員 今の答弁必要性というのはよくわかりました。  次に、陸上総隊の運用についてお伺いしたいと思います。  通常の場合は各方面隊が同格の横並びで任務を遂行し、非常時において陸上総隊が指揮系統のかなめになり、各方面隊に指揮命令が伝達することになっておりますが、陸上自衛隊として、各方面隊陸上隊司令官指揮下に置かれる場合を、一体的運用を図る必要がある場合に限定する理由を教えてほしいんですが。
  177. 高橋憲一

    高橋政府参考人 お答えいたします。  我が国を取り巻く安全保障環境は一層厳しさを増してございますので、陸海空自衛隊統合運用により全国レベルで機動的に対応すべき事態がますます想定されているところでございます。  このため、陸上自衛隊においても、複数の事態が同時に発生した場合を含め、これらの事態に円滑に対応するため、全国の部隊を一元的に運用できる体制が必要となってございますので、今般、事態の推移、状況に応じて全国的に陸自部隊を転用するなど、陸自部隊を一体的に運用することを目的とした組織として陸上総隊を新編するところでございます。  また他方、一個方面隊の対応で解決するような場合、他の方面隊部隊を出動させる必要がないような事態におきましては、これまでと引き続き、方面総監方面隊運用するという従来の体制で十分対処が可能であるという判断をいたしまして、陸上隊司令官指揮下に置く必要はないというふうに考えてございます。  こうしたことから、防衛大臣方面隊陸上隊司令官指揮下に置く状況につきまして、一体的に運用を図る場合という形で限定させていただいたということでございます。
  178. 升田世喜男

    ○升田委員 陸上総隊を新設する、陸上自衛隊組織としては、これは一番大きな組織体になるんだろうと思いますが、大きくなればなるほど、この指揮命令が横の連携とかを密にしないと機能しないと思うんですが、その辺の対応についてはいかがですか。
  179. 高橋憲一

    高橋政府参考人 まず第一段に申し上げますと、現在、陸海空自衛隊運用につきましては、統合幕僚監部が一元的にそれを担当し、防衛大臣を補佐いたしまして、防衛大臣の命令を執行するという立場に立ってございます。  その場合に、では、陸海空自衛隊部隊の実戦部隊をどういうふうな形で運用するか、あるいは相互の連絡調整をするかということでございますが、まず、陸につきましては、これまで統合幕僚監部が、各五つの方面隊、中央即応集団をそれぞれ指示するという関係でございました。また、海空につきましては、既に海上自衛隊につきましては自衛艦隊という司令部、航空自衛隊には航空総隊という司令部がございまして、実戦部隊を一元的に指揮するという体制が既に整ってございました。  今回、陸上総隊ができますと、統幕は、五つの方面隊、中央即応集団に対して指示をするのではなく、陸上総隊に対して指示をするということで、簡潔な対応が可能になります。  また、横の連絡におきましても、陸上総隊が自衛艦隊あるいは航空総隊と相互に調整するということで、五つプラス中央即応集団の六つのプレーヤーがいる陸上自衛隊に比しまして、一人のプレーヤーになるということで、より迅速な、かつ円滑な対応が可能になるというふうに考えてございます。
  180. 升田世喜男

    ○升田委員 こうなってきますと、各方面隊の業務並びに人員の体制の見直しというのは必ず起きてくると思うんですが、この辺はいかがでしょうか。
  181. 高橋憲一

    高橋政府参考人 お答えいたします。  陸上総隊の新編に当たりましては、現在ございます中央即応集団司令部を廃止いたしまして、その隷下の部隊陸上総隊に入れ、また、一元的に運用するという観点からの陸上総隊司令部を新編させていただきました。また、その際には、運用情報といった各方面総監部の指揮管理機能を効率化、合理化させていただきました。  現在、各方面隊は、隊員の教育でございますとか、自衛官の募集、それから就職援護、地方自治体との連絡調整、装備品の維持整備、また、部隊運用以外、このような点につきまして多くの任務を担ってございます。  我々としましては、陸上総隊と方面総監部の権限の分配につきまして、これが現在体制が最適なものと考えてございまして、現時点でお出しした法案以上のものを見直す考えはないということでございます。
  182. 升田世喜男

    ○升田委員 次に、ACSAについてお伺いしたいと思いますが、確認の意味での質問となります。  私どもは、平和安全法制により措置された存立危機事態といった場合の武力行使は憲法違反であるという主張を繰り返し申し上げてまいりました。有事の際の物品または役務提供については、自衛隊法ではなく、各個別の法により規定されておりますが、対象国は合衆国軍隊等とされており、この等によってアメリカ以外の軍隊にも提供は可能になる、こうなっております。  今回、我が国とオーストラリア、イギリスとのACSAにより、合衆国軍隊等の中にオーストラリアもイギリスも入るということは、有事の際に、オーストラリア、イギリスにも提供が可能になった、こういう認識でよろしいんでしょうか。
  183. 稲田朋美

    稲田国務大臣 我が国を取り巻く安全保障環境はますます厳しさを増しています。今や脅威は安易に国境を越えてくる時代となりました。もはやどの国も一国のみで平和を守ることはできない。  こうした中で、重要影響事態といった各種の事態に際して、米軍以外とも、事態拡大を抑制し、またはその収拾を図るために活動する外国軍隊に対して、自衛隊物品役務提供を含む必要な支援活動を行うことは極めて重要だと考えております。  豪州国防軍英国軍については、これらの事態に際して自衛隊協力して活動を行う可能性があり、後方支援として物品役務提供を行うこともあり得るため、重要影響事態法等に基づいて行われる自衛隊による物品役務提供対象に含まれます。
  184. 升田世喜男

    ○升田委員 物品役務規定の弾薬の提供に関することを質問したいと思うんです。  今回、ACSAを、二〇一三年、オーストラリアと締結し、また二〇一七年三月には英国と協定書承認がされております。  私は、平時であっても弾薬の提供はいかがなものかなと思っているんですが、日豪並びに日英とのACSAで弾薬の提供を可能とするとなっておりますが、この弾薬というのは具体的に何を指すんでしょうか。
  185. 岡真臣

    岡政府参考人 お答え申し上げます。  弾薬につきましては、これは一般に、武器とともに用いられる火薬類を使用した防衛の用に供される消耗品ということで理解をしております。
  186. 升田世喜男

    ○升田委員 具体的に事例を述べてください。
  187. 岡真臣

    岡政府参考人 お答え申し上げます。  弾薬を具体的にということでございますけれども、これは網羅的に述べることは困難ではございますけれども、一般的な、先ほど申し上げました意味を踏まえますと、拳銃、小銃、機関銃などに使用する銃弾などがこれに当たると考えております。
  188. 升田世喜男

    ○升田委員 大砲は含まれるんですか。
  189. 岡真臣

    岡政府参考人 大砲の砲弾の部分ということでございましたら、これもそういうことに含まれ得るものであろうかと思います。
  190. 升田世喜男

    ○升田委員 国民目線からいって、今るるお話を聞きましたけれども、では、逆に弾薬に含まれないものというのはどういう認識をしたらいいんでしょうか。
  191. 岡真臣

    岡政府参考人 お答え申し上げます。  先ほど、弾薬につきましては、一般的な考え方、その中で消耗品ということで申し上げましたけれども、そうではなく、例えば武器システムそのものであるようなもの、そういったものについては弾薬とはまた別のものというふうに理解をされると思います。
  192. 升田世喜男

    ○升田委員 次に行きたいと思います。  装備品等の海外譲渡に関することで何点かお伺いしたいと思います。  自衛隊において不用となった装備品等の開発途上地域の政府に対する譲渡等に関する規定整備でありますが、不用となった装備品等とは、これはまたどのような物品を指すんでしょうか。
  193. 中村吉利

    中村政府参考人 お答え申し上げます。  お尋ね改正自衛隊法第百十六条の三の規定に基づきます装備品等の無償譲渡等でございますが、我が国と戦略的な利益ですとか価値を共有し、安全保障、防衛上の協力、友好関係にある開発途上地域の軍隊の能力の向上を図ることを通じまして、安全保障環境の改善に寄与することを目的としております。  御指摘の本規定におきます装備品等でございますが、これにつきましては、装備品、船舶、航空機または需品をいいます。一般論として申し上げますと、このうち装備品には、例えば車両ですとか通信用の機材、建設用の機械などが含まれまして、需品としましては、例えば救命胴衣ですとかヘルメットなどが含まれることになります。ただし、武器ですとか弾薬は、この法律規定からは除外をしているところでございます。  なお、本規定に基づきまして、実際にいかなる場合にいかなる装備品等を譲渡し得るかにつきましては、外為法の運用基準であります防衛装備移転三原則などを踏まえ、個別具体的に検討する必要があると考えているところでございます。
  194. 升田世喜男

    ○升田委員 基本的なまた確認になってしまうんですが、装備品等の海外譲渡というのは、そもそも、する目的をちょっと御答弁ください。
  195. 中村吉利

    中村政府参考人 お答え申し上げます。  先ほど来ございますとおり、我が国周辺の安全保障環境は非常に厳しいものとなっているところでございます。  その中で、我が国と戦略的利益ですとか価値を共有し、安全保障、防衛上の協力、友好関係にありながら、財政上の問題、経済上の問題などから十分に装備品をそろえることができない国もございます。そういった国からは、自衛隊の中古品について譲渡の要望があるところでございますので、そういった装備品について譲与を行えば、我が国周辺の安全保障環境の改善にも資するのではないかというように考えているところでございます。
  196. 升田世喜男

    ○升田委員 わかりやすいですな。  では、南スーダンでも同じ考えで譲渡するという方向なんですか。
  197. 辰己昌良

    辰己政府参考人 委員御案内のとおり、今、南スーダンでは撤収作業をしております。自衛隊が持っていたものの中で、UNMISSに譲渡すべき、あるいは向こうから要請のあるものを含めて、できる限り譲渡するように、今UNMISS側と調整をしているところでございます。
  198. 升田世喜男

    ○升田委員 次に、拉致の問題についてちょっとお伺いしたい、こう思います。  これは、主権侵害、先般もほんの少しだけ質問をさせていただきましたけれども、もし自分の娘が拉致されたら、こう思うと大変胸が痛くなるんですね。僕は今、娘二人の親なんですが、長女は十九歳です。五年前を振り返れば、横田めぐみさんと同じ年齢だ。あれから四十年、お父さん、お母さんは、どんなに娘を生きている間に見たいか、この思いで今、日々暮らしているんだろうな、こう思います。  安倍総理は、我が内閣の最重要課題だと何度もいろいろな場面で言い切っておりますが、ここ十五年間、どのぐらい進んだのかなと思えば、表現できないぐらい進んでいないように僕は感じます。  横田御夫妻は、もちろん北朝鮮を恨んでいると思います。なぜこの地球にこんな国があるんだと。しかし、一方で、我が日本国の対応にもそれ相当な思いでいるんだろうと思います。ただ、日本人として母国の批判はしたくないので、言葉をのみ込んでいるだけだ、こう推測をしております。  新聞報道で知りましたが、きのう、平沼赳夫先生が安倍総理に十項目にわたって要望書を提出した、こういうことでございました。かつて平沼先生に御指導いただいた一人として、今でも敬意と感謝の念は忘れてはいけないな、こう思っています。お体を悪くされても、なお一層この問題には取り組んでいくというその姿勢に、新聞報道で知りましたが、感銘を受けている一人であります。  そこで、改めて、基本的なことになってしまうんですが、解決するために、本当にやる気があるのかどうかと同時に、何をどうしてどうすればいいかというところを政府としてはどう考えているんですか。この点、御答弁いただきたいな、こう思います。
  199. 岸信夫

    ○岸副大臣 今委員指摘のとおり、この拉致問題、発生してからもう四十年の長い年月がたっております。一刻も早くこの問題を解決しなければいけない、最重要課題であるということは、安倍内閣のもとで何度も繰り返し申し上げてきたことでございます。  昨日、超党派の拉致議連が開催をされ、その場で要請が決議をされて、安倍総理のもとに平沼会長から渡されまして、私もその場に立ち会っておりましたけれども、本当にこの問題、これまで長い期間、大きな進展がないまま来ているということに対してじくじたる思いもしておりますし、何とか一刻も早く解決をさせていきたい、このようにも思っておるところでございます。  その上で、拉致問題は、我が国の主権と国民の生命と安全にかかわる大変重大な問題でございます。政府としては、対話と圧力、そして行動行動の原則のもとで、引き続き、北朝鮮に対してストックホルム合意の履行を求めつつ、一刻も早く拉致被害者全ての帰国を実現すべく、あらゆる努力を傾注してまいる所存でございます。  これまでも、政府としては、あらゆる機会を捉えて、各国に対し、拉致問題を提起し、協力を要請してまいりました。先般、イタリアで開催されましたG7の外相会合においても、岸田外務大臣から各国外相に対して拉致問題の早期解決に向けた理解協力を呼びかけ、そして賛同を得たところでございます。また、三月の日米外相会談、そして先般の安倍総理とペンス副大統領の会談でも、この拉致問題の解決に向けた連携を確認したところでございます。  我が国としては、引き続き、米国や国際社会と緊密に連携しながら、北朝鮮が拉致問題の解決に向け具体的に行動をとるように強く求めていく考えでございます。
  200. 升田世喜男

    ○升田委員 トランプ政権が北朝鮮をテロ支援国家に再指定しよう、こういう動きがあるというのを新聞報道で知りましたが、政府はこれに対してはどう向き合っていくんですか。トランプ政権がテロ支援国家に再指定しよう、ある意味では、これはアメリカのカードの中では相当高いカードだと思うんですね。これに対して我が国は、私は当然支援してほしいと思っているんですが、どんな対応をなされるのか、お伺いしたいと思います。
  201. 岸信夫

    ○岸副大臣 先般ティラソン国務長官がテロ支援国家再指定に言及をされておりますことは、承知をしておるところでございます。  米国による北朝鮮のテロ支援国家指定は、すぐれて米国内の法令の解釈、適用の問題であり、最終的には米国政府が判断する事柄ではありますが、政府としては、米国と緊密に意思疎通をしてまいる考えでございます。  いずれにいたしましても、政府として、先ほどの繰り返しになりますが、対話と圧力、そして行動行動の原則のもとで、諸懸案の包括的な解決に向けて何が最も効果的かという観点から、今後の対応を不断に検討してまいりたいと思います。
  202. 升田世喜男

    ○升田委員 解決のためには中国の動向というのも当然重要視されるんだろうと思います。いろいろな場面での答弁で、アメリカにさまざまな要請をかけているということで、現実路線としてはその答弁でいたし方ないのかなとは思うんですが、日本人を救うための国家はこの地球上で日本でなくてはいけないというのが本来当たり前の形だと思います。他国に依存してでなければ救うことができないということは、僕は、これは本質的な最重要問題だなと思います。  ただ、今、日本にはいろいろな憲法のこともありますから、やれることとしたら、そのような答弁の枠の中でやるしかないのかなとは思いますが、しかし、日本人を救う国は日本国でなければならない、そういう気持ちというか矜持というか、これは忘れてほしくないと御指摘をさせていただきたいと思います。  次に、北朝鮮からミサイルが飛んできた場合、一体どうなるんだということで、先般は本村委員、先ほどは後藤委員から関連した質問がございました。  私も、大変この問題は、興味を持つというか、興味を持たざるを得ません。といいますのも、四月の十三日の安倍総理の外交委員会ですか、先日の十八日の委員会での質問のときも触れさせていただきましたが、残念ながら、我が国防衛システムをくぐり抜けて着弾された云々でどうのこうのと、これは自民党の中の議論だと。ですから、敵基地攻撃をする用意が必要だねと。安倍総理の答弁をつぶさに見ると、防衛システムそのものは根本的な抑止力にはならない、こういう意味合いを言及されておりました。相手に対して攻撃できるようでなければ、本当の抑止力にはならないということなんですね。  ここの議論はおいておいて、くぐり抜けてくる可能性はある、自民党での議論というふうにかぶせはしたものの、これを述べた安倍総理の心の中にも、これはあり得るねというのがあるから、普通、政治をやっている人はこれに触れるわけでありますから。これを考えますと、先ほど我が党の青柳委員も述べましたが、それは基地のある地域や、青森県は核燃料サイクルと原発がありますから、ここに飛んできたらやはりどうなるんだろうというのは、これはもう大変な心配事です、県民の一人として、県民は。  そういう中で、本村委員質問稲田大臣は、可能でございますという、先ほど以来のやりとりでありますが、こう答弁されましたが、私はあの答弁を聞いて、素直に、本当ですかというのが、心の中で言葉が出てまいりました。  これは何度もあって恐縮でありますが、稲田大臣が可能でありますと答えたその理由は、単発ならば可能だ、いや、二発、三発ならば可能だ、どんな意味合いで可能なんですとお答えしたか、もう一度御答弁、お願いしたいと思います。
  203. 稲田朋美

    稲田国務大臣 先ほども答弁申し上げましたが、本村委員から、可能であるかどうか、イエスかノーか、そういう質問に対して、可能ということですというふうに答弁を申し上げました。  その趣旨は、我が国が北朝鮮から飛来する弾道ミサイルへの対処能力を有している、そういう趣旨で可能であるということを述べたということでございます。
  204. 升田世喜男

    ○升田委員 普通、可能だということであると、素直な理解で、心配要らないねという理解になるんですね。  三発撃ったのが、今資料がちょっとないですけれども、それから間もなく四発同時にやった。北朝鮮も、これは開発していくわけでありますから、いずれ、同時に十発、二十発やれるようになるかもしれない。これでも可能だという言葉を国民は素直に信用していいのかどうか。大臣、これはいかがでしょうか。
  205. 稲田朋美

    稲田国務大臣 委員指摘のように、三発同時に撃って三発同時にほぼ同じEEZ内に着弾させることができる能力、先日は四発を同時に発射いたしました。  我が国弾道ミサイル防衛システムにより、同時に何発までの弾道ミサイルを迎撃可能なのかについては、個別具体的な能力に関する内容であり、我が国の手のうちを明かすことになるので、お答えは差し控えさせていただきます。  その上で、我が国のBMDシステムは、多目標対処を念頭に置いたシステムであって、SM3搭載イージス艦とPAC3による多層防衛により、我が国が複数の弾道ミサイルを我が国に向け発射された場合であっても、対処する能力を有しているということでございます。  いずれにいたしましても、防衛省自衛隊としては、我が国の平和と安全の確保、国民の安全、安心の確保に万全を期していきたいと考えております。
  206. 升田世喜男

    ○升田委員 実は、本村委員がイエスかノーかという問いかけであっても、防衛大臣としては今のような答弁をされるのが、私は大臣としてのありようではないかなと思うんですね。イエスかノーかと来たからイエスかノーかで答えないといけない、そういうことであっては、安全保障のトップで……(発言する者あり)いや、質問する方はする方ですから。答える方は、これは最高責任者ですので、防衛省の。そこはそこでしながらも、堂々と冷静な答弁をするからシビリアンコントロールがきくんじゃありませんか。大臣、いかがですか。
  207. 稲田朋美

    稲田国務大臣 委員の御指摘を素直に受けとめたいと思います。  ただ、本村委員とのやりとりの中で、先ほど申し上げました、さまざまな今のミサイル防衛の現状等を説明いたしまして、そして、何度も質問をしている最後に、本村委員から、今の体制で撃ち落とすことは可能なのかどうなのか、イエスかノーかで答えてくださいという御質問であったので、そういう対応能力はありますという意味において可能ということでございますというふうにお答えをしたということでございます。
  208. 升田世喜男

    ○升田委員 素直に聞くという御答弁でありましたので、大変ありがたいな、こう思います。  何度もというのであったからというようなまたお言葉もありましたけれども、野党ですから、何度でも聞きますよ、これは。  北朝鮮も何度でも撃ってきますよ。十六日に、たとえ失敗だと言われても、発射をしたという事実はこれは重いんですね。アメリカに屈しません、中国よ、ごめんなさい、あなたの言うことも聞きませんねというこれは意思表示ですから、成功、失敗は関係ないと思います。発射したということを行ったということは、これから何度でも何回でも私は北朝鮮のこのような安全保障を揺るがす行動は起きてくるんだろう、こう思います。  さて、別な質問をしましょう。  北朝鮮から弾道ミサイルが発射されました。まあ、知っているから聞くというのもおかしいんだけれども、日本には何分ぐらいで、場所によるんでしょうけれども、これは国民の一人として、もし発射されたら何分で着弾になると理解したらいいんでしょうか。
  209. 岡真臣

    岡政府参考人 お答え申し上げます。  ただいまの御質問は、どれぐらいの距離のところにどういう撃ち方でと、いろいろな要素があろうかと思いますが、ごく一般的に申し上げますと、例えば、千キロぐらいであれば十分程度というふうに認識していればよろしいかというふうに思っております。
  210. 升田世喜男

    ○升田委員 発射されてからどのぐらいでいわゆるJアラートを鳴らすことになるんですか。
  211. 横田真二

    横田政府参考人 お答えいたします。  北朝鮮のミサイルに関し、防衛省におかれてミサイルが発射されたことを確認した場合には、防衛省より内閣官房に直ちにその情報の伝達が開始されることとなっております。  これを受けまして、国民に対して迅速かつ適切に情報伝達を行うということで、ミサイルが我が国に飛来する可能性がある場合には、Jアラートを直ちに活用して情報を伝達するということにいたしております。
  212. 升田世喜男

    ○升田委員 直ちにというのを何分というふうにお言葉をかえて答弁していただけませんか。
  213. 横田真二

    横田政府参考人 お答えを申し上げます。  一概にはちょっと申し上げにくいのですが、例として、これは平成二十八年の二月七日の、沖縄に北朝鮮がミサイルを発射した事例の場合ですが……(発言する者あり)失礼しました。沖縄の方向に向けて、上空を通過した事例の場合でございます。失礼しました。  これにつきましては、防衛省からレーダーによる情報が入ったのが九時三十三分ごろでございまして、Jアラートは九時三十四分に発信をいたしております。
  214. 升田世喜男

    ○升田委員 十七日、北朝鮮の宋日昊日朝国交正常化交渉担当大使が日本メディアに対して、戦争になったら一番被害をこうむるのは日本だ、こう言及されました。この事実も極めて国民に対しては大きいことだな、僕はこう思っています。  先ほど以来の議論にもあるように、青柳委員でしょうか、新聞の世論調査だと九一%が不安に思っているという話で、誰しもがもう無関心ではいられない、そういう状況になってまいりました。なので、るる稲田大臣に、何発防げるんですか、迎撃できるんですかと言うのは、当然これは出てきて当たり前なんです。  大臣一つお伺いしたいと思います。  大臣が、きょうはどういうわけか時間があって、たまには銀座をぶらっとしたいなと銀座に行っていました。ところが、北朝鮮がミサイルを飛ばしました。Jアラートが、二分後か三分後なんでしょう、あるいは一分後かもしれない、鳴りました。稲田大臣はどこに逃げますか。
  215. 稲田朋美

    稲田国務大臣 まずは、役所にすぐに駆けつけると思います。
  216. 升田世喜男

    ○升田委員 そのとおりだと思います。  では、銀座にいる一般国民はどこに逃げたらいいんでしょうか。
  217. 横田真二

    横田政府参考人 お答えいたします。  ミサイルが我が国の領土、領海に落下する可能性があると判断した場合には、直ちにJアラートなどにより屋内避難を呼びかけさせていただきます。このメッセージが伝達されたときは、直ちに近隣のできる限り頑丈な建物、そして、地下街それから地下鉄の駅舎などの地下施設に避難していただきたいと考えてございます。  なお、この旨は、国民保護ポータルサイトなどで国民皆様への周知に今努めているところでございます。
  218. 升田世喜男

    ○升田委員 どこに避難すればいいか。先ほど後藤委員からも、もっと現実路線で、すぐ窓に行きなさいというのはおかしいじゃないかという御指摘がありましたが、これをもう一回整理整頓して、そして国民に、各地方の自治体を通してとなるんでしょうけれども、現実を踏まえた形でしっかりと何度でもこれは周知徹底を図らないと、万々が一あったときに、みずからがみずからの命を守ることができませんので。  不安というのは、北朝鮮の動向に対する不安はあります、基本的に。しかし、ミサイルが飛んできたときにどこに避難すればいいかというのがわからない不安が、大きい不安になるんです。これを知らしめるということは、国として必ずやらにゃいかぬことですから。答弁ください。
  219. 横田真二

    横田政府参考人 お答えいたします。  先ほど申し上げましたように、国民保護ポータルサイトというのを立ち上げておりまして、そこへのアクセス数が非常に今ふえておるところでございますが、より一層国民皆様理解が進むように、当該ホームページの内容を充実させて、一層広報の実施に取り組むことといたしております。  こうした中で、最近問い合わせが多く寄せられているのは、おっしゃるように、弾道ミサイル落下時の行動についてでございますので、これについて簡潔にわかりやすく取りまとめてホームページに掲載をすることといたしております。
  220. 升田世喜男

    ○升田委員 いや、ホームページだけだと私は弱いと思いますよ。ホームページは勝手に教えてくれませんから。こっちでアクセスした人がわかるわけで。そうしますと、これはもっと別な方法で、いわゆる集会とかなんとかでもいいし、やる必要があると思うんです。  ただ一方で、不安をむやみにあおってもいけないのかなというところは行政としてはよぎると思うんです。しかし、それはもうそういう事態じゃないと思うんですね、ここは。そこは考えないで、知らないことが最も大きな不安だということを考えると、日本人はわかれば備えができるわけですから、こういうことが今世界で起きているんだということをやはりみんな共有していかないといけない。その上で、平和とは何ぞね、安全とは何ぞねとなる。ホームページだけだと興味がある人だけですから。いかがですか。
  221. 横田真二

    横田政府参考人 失礼しました。  ホームページには載せますが、ホームページだけではなくて、一つは、今、地方公共団体を通して住民の方々にこれを周知していただこうということで……(発言する者あり)ええ、会議をまさに今、途中だと思いますけれども、地方公共団体の担当者を集めまして会議を開き、それはマスコミにもオープンでやっております。マスコミの方にも広報していただくし、地方公共団体の方からも住民に対して広報について協力を要請しているという状態でございます。  済みません。
  222. 升田世喜男

    ○升田委員 残された時間、南スーダンについてちょっとお伺いしたいと思います。  先般、六十八名でしょうか、帰還されました。大変うれしいことだな、こう思っております。隊員の皆さんには心から敬意を表したい、こう思うわけでありますが。  基本的なことです。今後どんなスケジュールで完結されるのか、その辺のスケジュール感を教えていただければと思います。
  223. 辰己昌良

    辰己政府参考人 委員が今おっしゃったように、四月十九日に約七十名が第一波として帰国しました。今後、第二波、これで百十名が五月六日に同じく青森空港に到着する予定です。これで半分程度の要員が戻ってくるというふうに考えております。  現在、ジュバでは、輸送などの専門的知見を有する撤収支援要員が装備品などを送るための作業を今徹底的にやっているところでございます。  先の予定につきましては、こういった装備品の輸送、こういうことが順調にいくという前提で申せば、五月末までには全員が青森に帰ってくる、そして、装備品も南スーダンから送り出せるのではないかというふうに考えています。
  224. 升田世喜男

    ○升田委員 五月の六日に第二弾、その他は末までとなりました。この中間で、この日とかというのはないんですか。
  225. 辰己昌良

    辰己政府参考人 今申したように、現地においては、装備品の輸送作業に今取り組んでいるところでございます。この作業も慎重にやらなくてはいけない部分もございますので、その進捗を見ながら帰国の日程については確定していきたい、こういうふうに考えています。
  226. 升田世喜男

    ○升田委員 次に、隊員の、相当過酷であったんだろうと思うんですね。昨年の七月にいろいろなことがあって、精神的に相当参っている方もおられるんじゃないかと思うんですね。隊員に対する心のケア、そして、毎日毎日、きょうは大丈夫かなと心配された家族の心のケアも必要だと思うんですが、この辺の対応はいかが考えているでしょうか。
  227. 塚原太郎

    ○塚原政府参考人 お答えします。  海外派遣に際しましては、隊員やその家族の心理面でのケアについて十分留意することが必要であると考えております。  このため、南スーダンPKO派遣に際しましても、ストレスへの対応やストレス軽減に必要な知識を付与するための教育、講習を隊員に対して行うとともに、派遣先におきましても、部内カウンセラー等が派遣隊員の不安や悩み相談に対応しております。  また、派遣前、派遣中、派遣直後の各段階に応じましてメンタルヘルスチェックを実施するとともに、その後も毎年メンタルヘルスチェックを実施し、継続的に隊員の心の健康状態の傾向を把握するなど、隊員のメンタルケアに努めております。  また、派遣隊員の帰国後におきましても、引き続き、家族支援の一環といたしまして、部外の各種相談窓口の活用でありますとか、隊員と家族がいつでも利用可能な相談事業を行っているところでございます。  防衛省といたしましては、引き続き、メンタルヘルスケアや家族支援施策を推進いたしまして、派遣隊員及びその家族の心理面でのケアに万全を期したいと考えております。
  228. 升田世喜男

    ○升田委員 南スーダンでの活動というのは、二〇一二年から始まっておりますから、五年間、時間が過ぎたと思うんですね。  この五年間の間での成果、そして、当然課題もあろうと思いますので、成果と課題について、大臣より御答弁いただきたいと思います。
  229. 稲田朋美

    稲田国務大臣 今委員がおっしゃいましたように、平成二十四年一月からUNMISSへの施設部隊の派遣を開始して、五年を超える派遣期間を通じて、これまで延べ約四千名の隊員を派遣してきました。これは、施設部隊の派遣としては、期間も、そして実績も、最長、最大規模のものです。  主要な実績だけでも、道路補修は延べ約二百六十キロ、用地造成は延べ約五十万平方メートル、施設の構築等の箇所は九十七カ所など、いずれも、過去、我が国のPKO活動と比較して最大です。特に、道路補修としては、首都ジュバを起点とする南西方面、北東方面、西方面の全ての主要幹線道路の補修を実施してきており、特に、北東方面の道路補修ジュバ—マンガラ間、西方面の道路補修ジュバ—コダ間、これは、先生の御地元の第十一次隊が行ったものでございますが、南スーダンの北部への物資輸送のために非常に重要なものだと認識をしております。  このような施設部隊活動成果、能力及び規律は、国連機関や南スーダンを初めとする国際社会から高い評価を得てきました。活動終了の方針を伝えた際にも、南スーダン大統領から自衛隊のこれまでの活動に対する謝意の表明があり、私も大変日本らしい活動ができたというふうに思っております。  本活動を通じて、我が国の国際平和協力活動について貴重な知見と経験も蓄積できたと考えておりますし、また、終了後、反省点また改善点なども摘出しつつ、今後の活動に活用してまいりたい、このように考えております。と同時に、やはり、五月末までに全ての隊員がしっかりと安全を確保して元気に御家族のもとに戻られるまで、しっかりと安全の状況なども見てまいりたいと考えております。
  230. 升田世喜男

    ○升田委員 時間が来たようであります。  これまでの自衛隊員、そして、このたび南スーダンからお帰りになられた自衛隊員、全てに心から敬意を表して、そしてまた、今後も日本らしい貢献のありようというのをしっかりと中心に据えてほしいし、そしてまた、北朝鮮の今次のありように対して、これまた日本らしい外交でもって我が国の安全を守ってほしい、このことを伝えて、質問を終わりたいと思います。  ありがとうございました。
  231. 山口壯

    山口委員長 この際、休憩いたします。     午後零時九分休憩      ————◇—————     午後一時三十分開議
  232. 山口壯

    山口委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  この際、防衛省から発言を求められておりますので、これを許します。防衛省防衛政策局長前田哲君。
  233. 前田哲

    前田政府参考人 午前中の青柳委員の御質疑におきまして、他国との二国間共同訓練についてお尋ねをいただきました際、事前に御質問をいただいていたにもかかわらず十分なお答えができなかったことにつきまして、おわびを申し上げます。
  234. 山口壯

    山口委員長 質疑を続行いたします。赤嶺政賢君
  235. 赤嶺政賢

    ○赤嶺委員 日本共産党の赤嶺政賢です。  質問通告というのは、議員にとってある意味大変大事な仕事でありますから、二度と先ほどのことがないように、私の方からも一言申し上げておきたいと思います。  そこで、法案に入る前に、沖縄の米軍基地問題について幾つかお聞きしたいと思います。  沖縄県恩納村の米軍キャンプ・ハンセン内の工事現場で、今月六日、水タンクに穴があき、その中から銃弾らしきものが発見されました。十三日にも、同じ工事現場にとめてあった作業員の車のドアに傷がつき、付近で銃弾らしきものが確認をされました。人命にかかわる極めて重大な問題であります。  防衛省に伺いますが、被害が明らかになってから一週間になります。事故原因はわかったんですか。
  236. 深山延暁

    ○深山政府参考人 お答え申し上げます。  御指摘のとおり、四月六日及び四月十三日に、キャンプ・ハンセン内の工事現場において弾薬らしきものが発見された、水タンクに突き刺さっていた、あるいは車両に傷がついていたという事案がございました。  当方といたしましては、それを先週金曜日、四月十四日に承知いたしたところでございます。  これまでのところ、米側からは、現在、キャンプ・ハンセン内において、本件と関係する可能性のある射撃場の使用を中止し、事実関係を調査中であるとの回答を得ているところでございます。  防衛省といたしましても、このような事態の発生は人命にかかわり得る問題として深刻に捉えており、沖縄防衛局長から在沖米海兵隊基地司令に対し、強く抗議するとともに、本件に関する原因究明と再発防止策について申し入れを行ったところです。  いずれにしても、防衛省としては、米側に対し事実関係の早期究明を求めておりまして、詳細な情報が得られ次第、速やかに関係自治体に対して御説明してまいりたいと考えているところでございます。
  237. 赤嶺政賢

    ○赤嶺委員 米軍の銃弾かどうか、これは確認できたんですか。
  238. 深山延暁

    ○深山政府参考人 現在のところ、まだこの銃弾が米軍のものと確認されたという情報米軍から得ておりません。
  239. 赤嶺政賢

    ○赤嶺委員 沖縄県は、きのうの県議会で、見つかったものは、長さが約三センチで、海兵隊が使用するM240機関銃の弾の長さに数値的に近い、こういう認識を示しています。こういう認識、この点は防衛省、どのように考えておりますか。
  240. 深山延暁

    ○深山政府参考人 お答え申し上げます。  先ほど申し上げましたとおり、現在、米側において調査中でございます。  御指摘の件につきましては、したがいまして、まだ、防衛省としましては、米軍の弾丸であったかどうかについて確認できておりませんので、確認でき次第、関係者に御説明したいと思っておるところでございます。
  241. 赤嶺政賢

    ○赤嶺委員 沖縄県は、さらに、金武町の方から発射されたと推測されるという認識も示しているんですね。この点はどうですか。
  242. 深山延暁

    ○深山政府参考人 先ほど申し上げましたが、米軍のものだとしますと、射場から飛んできたということが推定されるわけですが、それも複数射場があるところでございまして、現在、米側で関係があると思われるところの射場の使用は中止しておるということでございます。  今の、どちらから飛んできたかにつきましても、現在あわせて究明中でありまして、現在のところ、我々としてはちょっとお答えできるデータはございません。
  243. 赤嶺政賢

    ○赤嶺委員 米軍に抗議されたとおっしゃいましたが、使用を中止している射場、レンジ、これはどこですか。
  244. 深山延暁

    ○深山政府参考人 御案内のとおりなんですが、ハンセンには複数の、相当数の射撃レンジがございます。具体的にどこを中止しているかにつきましては、米側から情報は得ておりません。
  245. 赤嶺政賢

    ○赤嶺委員 防衛大臣に伺いますけれども、今回の被害が米軍基地の中だったということから、一定の危険はやむを得ないかのような受けとめが一部にあるようですが、これは現場を知っている者から見ればとんでもないことであります。  米軍の基地の中であっても、工事現場の安全が確保されるべきことは当然であります。工事に伴う共同使用の手続もとられていたはずであります。にもかかわらず、米軍の実弾射撃訓練によってこのような被害があったとすれば、これは絶対に許されることではありません。防衛大臣、そういう認識はありますか。
  246. 稲田朋美

    稲田国務大臣 今回のキャンプ・ハンセン内の安富祖ダム工事現場における流れ弾によるものと思われる事案の発生は、人命にかかわり得る問題であって、周辺住民の方々に不安を与えたことについて、先生もおっしゃるように、深刻に受けとめなければならないと思っております。  防衛省としては、速やかな原因解明と再発防止が重要であると考えており、本件発生後、沖縄防衛局の職員を現場に派遣するとともに、本日、沖縄県と恩納村とともに現場に立ち入り、状況確認することといたしております。  また、米側に対し事実関係の早期究明を求めており、詳細な情報が得られ次第、速やかに関係自治体に対して説明していきたいと考えております。
  247. 赤嶺政賢

    ○赤嶺委員 もう射場がキャンプ・ハンセンの山いっぱいに広がっている。ですから、最初、複数と言ったときに、その発言にも私はちょっとかちんときましたが、多数のレンジが広がっているところなんですよね。  それで、恩納村の長浜村長と安富祖区の宮里区長は、沖縄防衛局と米軍に対し、抗議の申し入れを行っています。長浜村長は、多くの現場作業員がおり、一歩間違えば人命にかかわる大きな事故が予想された、離れた場所には民家もある、その人たちにも流れ弾が当たったかもしれないと述べています。宮里区長は、現場から約百メートル離れた場所には水田があり、農作業をしている区民がいる、再発防止を徹底してほしい、こう述べています。  これは初めてじゃないんですよ、こういう事故は。二〇〇八年には、キャンプ・ハンセンを挟んで反対側の金武町伊芸区で、自宅の駐車場にとめてあった乗用車のナンバープレートに銃弾が突き刺さっているのが発見されました。しかし、事件発生日を取り違えるようなずさんな米軍の調査報告書だけで、原因も責任も当時はうやむやにされてしまいました。県警の立入調査が米軍に認められたのは、事件から一年近くたった後であります。  こうしたことからも、日米政府の責任で、しっかりと事故原因を明らかにし、問題の射場の閉鎖も含めて、二度と被害が繰り返されないようにすべきだと思いますが、大臣、いかがですか。
  248. 稲田朋美

    稲田国務大臣 先ほど申し上げましたように、人命にかかわり得る問題であって、周辺住民の方々に不安を与えた深刻な事案だと受けとめております。  また、本日、沖縄県と恩納村とともに現場に立ち入り、状況確認することといたしているところでございますが、しっかりと、事実関係の早期究明を求め、再発防止を求めたいと考えております。
  249. 赤嶺政賢

    ○赤嶺委員 集落の近くに実弾射撃訓練場が広がっている、こういう状態が放置されていけば、同じような事故が繰り返されます。これまでは、事故が起きても米軍の責任は曖昧にされ、日本の警察の取り調べもできなかった。無責任な状態が続いていますので、絶対にそういうことを繰り返してはならないということを申し上げておきたいと思います。  もう一点、米軍基地問題にかかわって聞きますが、読谷村の米軍トリイ通信施設周辺で米軍ヘリが車両をつり下げて飛行しているのが確認をされました。三月にも、米軍ヘリが木箱や車両をつり下げて三度にわたって飛行を繰り返し、村議会がつり下げ訓練の即時中止を求める決議、意見書を全会一致で可決したばかりであります。  防衛大臣、こうした危険なつり下げ訓練が繰り返されていることについて、どのように認識しておられますか。
  250. 深山延暁

    ○深山政府参考人 まず、事実関係について御答弁させていただきたいと思います。  御指摘のとおり、今月十九日に米軍のCH53ヘリコプターが読谷村の米軍トリイ通信施設から米軍車両をつり下げて離陸し、海上方向に飛行したという報道があることは承知しております。  本件について米側に対し事実関係を問い合わせたところ、地元住民の方々の安全に配慮して、影響を与えないように訓練を行ったとの回答を受けてはおります。  具体的な訓練内容については必ずしも承知をしておりませんけれども、引き続き、米側に対しても地元の皆さんへ与える影響が最小限にとどまるように働きかけ、対応してまいりたいと考えております。
  251. 赤嶺政賢

    ○赤嶺委員 こんなことを繰り返していて、物、車両をつり下げて、住民がまさに生活している地域、陸であれ海であれそういう地域で訓練して、危険を感じて住民が通報したら、米軍の答えは安全に配慮して訓練をしているという、こんな木で鼻をくくったような答えが出てくる。日本政府は、いや、まあ影響が最小限になるようにしていきたいと言う。こんなことでは、この地域もこういう事件が繰り返されているんですよ。  二〇〇六年には、乱気流に巻き込まれた米軍ヘリが沖合二百メートルの海上に車両を落下させ、住民に大変な不安を与えました。  トリイ通信施設には広大な黙認耕作地があります。周辺には住宅地が広がっています。豊かな漁場が広がり、漁船や水上バイクが行き来するところです。  防衛大臣、今度読谷でつり下げ訓練をやったそういう場所は、住民の大事な生活の場だという認識はおありですか。
  252. 稲田朋美

    稲田国務大臣 今御指摘になったように、広大な黙認耕作地と、周辺には市街地を抱えるトリイ通信施設を使用したつり下げ訓練であったということであり、米軍が訓練を行うに当たっては、必要な訓練であったとしても、公共の安全に妥当な配慮を払うのは当然であり、地元の皆様に与える影響が最小限にとどまるよう、適切に対応してまいりたいと考えております。
  253. 赤嶺政賢

    ○赤嶺委員 三月も当委員会でも私は取り上げたんですけれども、金武町や宜野座村の周辺で、米軍ヘリがつり下げていたタイヤを落下させる事故を引き起こしました。金武町議会事務局がつくった地図を当委員会で示しながら、公共施設や民家が入り組むところで起きた事故であるということをそのときも指摘いたしました。  住民の頭上で、危険なつり下げ訓練が沖縄の県内の各地で繰り返されていることは、異常と言うほかはありません。  防衛大臣、こうした現状を直ちに改めるべきであります。民間地上空でのつり下げ訓練は直ちに中止するよう米軍に求めるべきだと思いますが、いかがですか。
  254. 稲田朋美

    稲田国務大臣 米軍は必要な訓練を行っているところですが、その際、公共の安全に妥当な配慮を払うのは当然のことだと思います。  防衛省としては、引き続き、米軍と密接に連携を図りながら、安全面に最大限の配慮を求め、地元の皆様に与える影響が最小限にとどまるよう、適切に対応してまいります。
  255. 赤嶺政賢

    ○赤嶺委員 米軍の必要な訓練といったら、無限ですよ。彼らは、戦場を想定して、戦争で戦うための訓練をやりますから、そういう無限に拡大するような軍事優先の訓練を県民の生活の場でやっている。これを必要な訓練だと思って日本政府が認めるから、こういう事故が繰り返されるんですよ。  やはり、市街地上空や県民の生活の場である、海上であってもですよ、そういうつり下げ訓練、危険な訓練、何度も犠牲を出してきました、そういうのはやめさせるべきだ。負担の軽減というのを口にするのであれば、まさに、辺野古に基地をつくるような負担の軽減ではないですよ。やはり、こういう生活の場で県民が軍事訓練に感じている恐怖、これを米軍の必要な訓練だと言うような認識から改めていただきたいと思います。  法案について質問をします。  今回の法案は、自衛隊法財政法九条一項の特例を設けて、開発途上地域の政府に対し、自衛隊不用装備品等を譲与または時価よりも低い対価で譲渡することを可能としています。  条文に即して聞きますが、譲与等対象国については、「開発途上にある海外の地域の政府」、こうあります。これは具体的にどの地域を指しているんですか。
  256. 中村吉利

    中村政府参考人 お答え申し上げます。  本規定に言います「開発途上にある海外の地域の政府」とは、経済的、社会的に開発途上にある国、地域の政府をいいまして、一般的には、経済協力開発機構、いわゆるOECDでございます、こちらの開発援助委員会、DACと言われているものですが、ここが作成いたします開発途上国リスト、いわゆるDACリスト、これに掲載されている国などを指すものと考えています。  一方で、本規定に基づきまして、実際にいかなる場合にいかなる装備品等をいかなる国に譲渡し得るかにつきましては、防衛装備移転三原則なども踏まえまして個別具体的に判断することとなるため、一概に具体的にお答えすることは困難であると考えています。
  257. 赤嶺政賢

    ○赤嶺委員 もうちょっと具体的に確認したいんですが、午前中の質疑でもありましたが、ASEAN諸国、それから中東やアフリカ地域、これは該当するんですか。
  258. 中村吉利

    中村政府参考人 お答え申し上げます。  先ほど申し上げましたDACリストの中には、委員指摘の東南アジアの国、中東の国なども含まれていると承知をしておりますが、いずれにいたしましても、実際にいかなる場合にいかなる装備品等をいかなる国に譲渡し得るかにつきましては、防衛装備移転三原則なども踏まえまして個別具体的に判断することが必要であると考えているところでございます。
  259. 赤嶺政賢

    ○赤嶺委員 該当しない地域というのはあるんですか。
  260. 中村吉利

    中村政府参考人 お答え申し上げます。  「開発途上にある海外の地域」でございますので、先ほど申し上げましたOECDの開発援助委員会がつくっております開発途上国リスト、これにない国につきましては対象にはならないというところでございます。
  261. 赤嶺政賢

    ○赤嶺委員 法文の表現ぶりでいろいろなことを質問したくなるわけですが、「開発途上にある海外の地域の政府」、このように規定しております。この規定からすると、開発途上にあるかどうかは、地域ごとに判断するということなのか、さっき国の名前も挙げておりましたが、国ごとに判断するということなのか。なぜ地域というぐあいにしているんですか。
  262. 中村吉利

    中村政府参考人 お答え申し上げます。  「開発途上にある海外の地域」としました理由としましては、まず一点目としまして、自衛隊において外国人に対する教育訓練の受託を行う場合であって、委託者が開発途上にある海外の地域の政府であるときに給付金を支給することができる旨を定めた自衛隊法第百条の二第三項の用例、あるいは、独立法人国際協力機構法、いわゆるJICA法でございますけれども、こちらの用例にも、開発途上にある海外の地域となっているところでございます。  一方で、先ほど来申し上げておりますDACリストというものにつきましては、具体的な国名ですとか地域のリストが掲げられているところでございまして、こういったDACリストに掲げられている国がこの法の対象になってまいるというように考えているところでございます。
  263. 赤嶺政賢

    ○赤嶺委員 実際に譲与などを行うかどうかの判断基準ですが、防衛大臣が「当該軍隊の当該活動に係る能力の向上を支援するため必要と認めるとき」と規定をしています。  午前中の質疑で、日本の安全保障に資するかどうかを判断基準の一つに挙げていましたが、法文上は明記されていないんですね。それはなぜですか。
  264. 中村吉利

    中村政府参考人 お答え申し上げます。  装備品の移転につきましては、政府が閣議決定をいたしました防衛装備品等の移転三原則に基づいて行うことになります。この法に基づきます開発途上にある海外の地域への政府の不用装備品の譲渡等につきましても、この防衛装備移転三原則に基づき行われることとなります。  この防衛装備移転三原則の中には、御指摘のように、我が国の安全保障に資するといったような、移転し得る場合の原則が書き込まれているというところでございます。
  265. 赤嶺政賢

    ○赤嶺委員 法文には、「当該軍隊の当該活動に係る能力の向上を支援するため必要と認めるとき」、このように規定をしているだけです。  この防衛装備移転三原則のいろいろな要件、これは法文の中から読めないのではありませんか。どうやって読むんですか。
  266. 中村吉利

    中村政府参考人 お答え申し上げます。  法文中には、具体的に装備移転三原則という言葉は書かれてございませんが、政府の方針といたしまして、防衛装備の移転に関しましては、この三原則に基づいてすべからく行うというところでございます。
  267. 赤嶺政賢

    ○赤嶺委員 法文上は、何ら限定的な規定にはなっていないわけですね。政府の判断に委ねるものになっていると言わざるを得ません。  装備品等の使用目的について伺いますが、災害応急対策のための活動情報の収集のための活動、教育訓練その他の活動というぐあいにしております。戦闘作戦行動は除外されるんですか。
  268. 中村吉利

    中村政府参考人 お答え申し上げます。  委員今御指摘の法文の条文につきましては、具体的な活動の例示を申し上げているところでございます。その中で、情報の収集の活動と申しますのは、例えば警戒監視ですとかといったような各種の情報収集活動のことを指し、具体的には、航空機を用いた海洋状況把握の活動等が想定をされているところでございまして、戦闘行動といったものはこの中には含まれてございません。  なお、移転し得る装備品の中からは武器弾薬というものは除外をされているということを付言させていただきます。
  269. 赤嶺政賢

    ○赤嶺委員 戦闘作戦行動を除外されている。除外した理由は何ですか。
  270. 中村吉利

    中村政府参考人 お答え申し上げます。  我々といたしましては、先ほど来申し上げているとおり、防衛装備移転三原則に基づいて装備品の移転等を行うということになっているところでございまして、そのためには、警戒監視活動ですとか情報収集災害派遣といった能力の向上のための移転を行うというところで、従来からそういった政策をとっているところでございます。
  271. 赤嶺政賢

    ○赤嶺委員 警戒監視活動情報収集のための活動、これは具体的にはどういう活動を指していますか。
  272. 中村吉利

    中村政府参考人 お答え申し上げます。  先ほども触れたところではございますけれども、情報収集のための活動と申しますと、例えば警戒監視など各種の情報収集活動のことを指しておりまして、具体的には、航空機を用いた海洋状況把握のための活動などが想定されているところでございます。
  273. 赤嶺政賢

    ○赤嶺委員 せっかく二問聞いたわけですから、さらに踏み込んで、ちょっと詳しく答えてください、同じ答えを繰り返すんじゃなくて。
  274. 中村吉利

    中村政府参考人 お答え申し上げます。  申しわけございませんが、我々、この装備品の移転につきましては、具体的な相手国からのニーズに基づきまして、また我々の法律、政策に基づきまして移転をするというところでございますので、あらかじめ具体的なケースを幾つも想定しているところではございません。あくまでも相手国からのニーズに基づきまして、我々として主体的に判断をするというところでございます。
  275. 赤嶺政賢

    ○赤嶺委員 では、ちょっと伺いますが、フィリピンへの海上自衛隊の練習機TC90の貸与に当たっても、人道支援、災害救援、輸送及び海洋状況把握に係るフィリピンの能力の向上のためとしております。  一般的に、海洋状況把握とはどのような活動を含むんですか。フィリピンに実際にもう貸与が始まっているわけですから。いかがですか。
  276. 中村吉利

    中村政府参考人 お答え申し上げます。  一般的な海洋の警戒監視活動と申しますのは、領空、領海周辺におきまして、海洋におきまして不審な船ですとか不審な行動が行われていないか、そういったような情報収集を行うといったことが主なものになるというように承知をしているところでございます。
  277. 赤嶺政賢

    ○赤嶺委員 去年の五月にも同じような質問を我が党の議員が、当時は中谷防衛大臣にしているんですが、中谷大臣答弁では、海洋状況把握の中には海洋監視等が含まれ、具体的な活動として、事態への対処、未然防止、情報収集警戒監視、偵察などを挙げております。  事態への対処とはどういうことですか。
  278. 中村吉利

    中村政府参考人 お答え申し上げます。  事態への対処というのは、文脈にもよろうかと思いますが、情報収集活動によりまして、さまざまな不法行為ですとかさまざまな安全保障にかかわる事態を未然に防ぐといったようなニュアンスが含まれているものと承知をしております。
  279. 赤嶺政賢

    ○赤嶺委員 これは防衛大臣にも答えをいただきたいんですが、中谷大臣事態への対処と言って、今さまざまな安全保障事態への対処というのも答弁の中にありましたが、そういう安全保障事態への対処というのはどういうことですか。
  280. 前田哲

    前田政府参考人 お答えいたします。  事態という言葉を使うときは、かなり幅広いものになろうと思います。  先ほど装備庁の方からもございましたが、不法行為のようなものというのが一つございますし、今先生がお尋ねの、事態ということになりますと、我が国の法制上、さまざまな事態というものが規定をされてございます。そういった安全保障に関係のあるさまざまな事態を広く含むという意味で事態という言葉を大臣はお使いになった、このように考えてございます。
  281. 赤嶺政賢

    ○赤嶺委員 幅広い、我が国の安全保障法制でいろいろな定義をされていることも含まれているというお話ですね。  戦闘作戦行動も含まれるんですか、大臣
  282. 稲田朋美

    稲田国務大臣 事態の解釈については先ほど局長から述べたとおりです。  そして、TC90をフィリピンに移転した際の実施の覚書においては、この覚書のもとでの防衛装備品及び技術の移転は、フィリピン共和国海軍のTC90による人道支援、災害救援、輸送並びに海上安全活動を支援するための海洋航空監視及び情報収集、監視、偵察を含む海洋状況把握に関する任務並びにこれらの任務のための訓練を実施するためのみに行われるという取り決めになっているというふうに承知をいたしております。
  283. 赤嶺政賢

    ○赤嶺委員 同じ答弁であるわけですが、武器は搭載しないという、日本政府はそのように考えているのか、武器弾薬を除外されているわけですね。その理由は何ですか。
  284. 中村吉利

    中村政府参考人 お答え申し上げます。  これまでの防衛装備、技術協力に関します開発途上地域の政府との協議におきまして、自衛隊が保有する中古の武器及び弾薬の無償譲渡等を求められる具体的なニーズは示されていないところでございます。  また、防衛装備協力という物の面からの協力は、人の面からの協力である能力構築支援事業と組み合わせて実施することが効果的であると考えられますところ、これまで防衛省は、特に、人道支援、災害救援、海洋安全保障、防衛医学等の分野における能力構築支援事業を実施してきているところでございます。  こうしたことを踏まえまして、この規定におきましては、当面の具体的なニーズに対応し、また、我が国に強みと実績のある分野における能力構築支援事業と効果的に組み合わせながら無償譲渡等を行う上で必要十分な装備品等を規定するとの観点から、武器及び弾薬は除外をしたところでございます。
  285. 赤嶺政賢

    ○赤嶺委員 ただ、日本政府が武器弾薬の譲与を行わなかったとしても、その後、譲与を受けた国が武器弾薬を搭載することについては、今回の法文の上では何の制約もありませんよね。いかがですか。
  286. 中村吉利

    中村政府参考人 お答え申し上げます。  本規定の中におきましては、移転をしました装備品の目的外の使用ですとか第三者への譲渡を制限する国際約束を締結するということが前提になってきております。  具体的に、日本が譲与しました装備品に武器をつけるというようなニーズがあるかどうかは今のところ承知をしていないところでございますけれども、仮にそのような申し出がありましたときには、本来我々が譲与をした目的に沿ったものであるのかどうなのかということを判断した上で、それに同意をするか否かということになってこようと思っております。  いずれにいたしましても、我々としては、先ほど来引用させていただいております防衛装備移転三原則上認められないような目的に使用するために我々が譲与しました装備品に改修を加えるといったようなことに、同意を与えるということはあり得ないと考えております。
  287. 赤嶺政賢

    ○赤嶺委員 先ほど、偵察活動航空機を使っての情報収集活動のお話にも触れられました。  二〇〇一年に、沖縄の嘉手納基地を飛び立った米軍の偵察機、EP3が海南島沖の公海上で中国軍の戦闘機と空中接触をしました。  こういう過去の事例に照らしても、海洋状況把握が目的だとおっしゃいましたけれども、日本提供した装備品などが軍事衝突の引き金になる可能性、これも排除できないのではないかと思うんですよ。国際紛争を助長するおそれ、実際に海洋状況を把握する活動が非常に危険な事態に発展してきたという過去の事例に照らしても、国際紛争を助長するおそれ、これは否定できないのではないかと思いますが、大臣、いかがですか。
  288. 稲田朋美

    稲田国務大臣 我が国を取り巻く安全保障環境が厳しさを増す中で、戦略的利益や価値を共有し、安全保障、防衛上の協力、友好関係にある開発途上地域の国々が適切な能力を備え、安全保障環境の改善に向けて国際社会全体が協力して取り組む基盤を整えることは極めて重要です。  自衛隊で不用となった装備品等を譲渡すること等を通じ、これらの国の能力の向上を支援することは、我が国安全保障環境の改善に寄与し得る有効な政策手段であり、地域の平和と安定にも資するものであると考えております。  また、このような装備品の譲渡等を通じた防衛装備、技術協力を行うに当たっては、防衛装備移転三原則なども踏まえ、平和国家としての基本理念を維持しながら、厳正かつ慎重に対処していくことは当然だと考えております。
  289. 赤嶺政賢

    ○赤嶺委員 実際には、そういう譲与先の装備品を使った活動の中に、非常に軍事的には危険な中身も、活動内容も含まれているわけです。やはり私は、政府による武器の提供が国際紛争を助長するおそれは否定できないと思います。  しかも、南シナ海をめぐっては、五カ国一地域が領有権を主張しているところであるわけです。こうしたもとで、一方の側に武器の貸与や譲与等を行っていくことは、絶対にやってはいけないことだという点を指摘しておきたいと思います。  防衛省は、既に二〇一一年度から、東南アジアを中心としたアジア太平洋地域において能力構築支援に関する現地調査やニーズの把握を行い、二〇一二年度以降、本格的に事業を開始しています。  二〇一二年度以降の事業の実施状況、これを明らかにしていただけますか。
  290. 前田哲

    前田政府参考人 お答えいたします。  能力構築支援でありますが、これは、自衛官等を教官として相手国に派遣することなどを通じまして、他国の軍あるいは軍関係機関の人材育成を支援する、そして、相手国自身が、みずから国際安全保障環境の安定化、改善に貢献をする、こういうことを通じまして、主としてアジア太平洋地域における安全保障環境の改善を図るものでございます。  能力構築支援を本格的に開始いたしましたのは、今委員指摘のとおり平成二十四年度でありますが、この年度と平成二十八年度の実績を比較いたしますと、能力構築支援の重要性が増してまいっておりまして、各国からの期待が高まる中、対象国で申しますと五カ国から十二カ国、そして関連予算で申しますと一・六億円から約二・七億円に増加をしてございます。  これまでの支援対象国につきましては、我が国のシーレーンの要衝を占める東南アジア諸国が多くなっておりますけれども、このほかにも、例えばモンゴル、あるいはパプアニューギニアといった国にも実施をしてきているところでございます。
  291. 赤嶺政賢

    ○赤嶺委員 これらの能力構築支援の活動の中で、日本とアメリカが具体的に連携している事例、これはどういうものですか。
  292. 前田哲

    前田政府参考人 お答えいたします。  今先生御指摘のとおり、同盟国である米国、あるいは重要なパートナーである豪州能力構築支援を重視してきてございます。こうした国々と協力、連携しながらやっているものもあるわけでございますが、ちょっと今、手元にその具体的な事例がございません。  例えば、二十八年の一月、フィリピンにおいて、ASEAN諸国に対しまして日英の共催の多国間セミナーのようなものをやってございます。これは、申しわけありません、一例でありますけれども、こういう形でバイ、マルチで協力しながらやっている例はあるところでございます。
  293. 赤嶺政賢

    ○赤嶺委員 これも質問通告していたものだよということを言わせていただきますが、そのときのレクでいろいろ聞いた内容がありますから、私の方からちょっといきたいと思うんです。(発言する者あり)そうなんですよ。通告したから、来たから、私もわかることなんですよね。  オーストラリア軍主催の東ティモール軍の工兵部隊に対する施設分野の技術指導、これに日米が参加していますよね。二〇一五年十月から十一月です。それから、自衛隊主催のベトナムにおける潜水医学セミナー、これにアメリカ、オーストラリアが参加をしております。  そこで、こういうことは、日米ガイドラインの中で、パートナーの能力構築支援について初めて規定をされました。「日米政府は、適切な場合に、各々の能力及び経験を最大限に活用することにより、能力構築支援活動において協力する。」日米ガイドラインにそのように規定されているわけです。  日米協力の項目にパートナー国の能力構築支援を規定したのはなぜですか。
  294. 前田哲

    前田政府参考人 お答えいたします。  これは、先ほども申し上げましたけれども、安全保障環境の安定化、改善を図っていく上で、先生が今御指摘になりましたように、地域の各国の安全保障上の能力を底上げしていくことというのは非常に意味があることだというふうに考えてございます。  ガイドラインにおきましても御指摘になったような記述があるわけでありますが、アメリカ、そして、先ほども申しましたけれども、アメリカのみならず豪州といったパートナー国との間でもそういった能力構築支援の意義というものを共有いたしておりまして、これは場面場面に応じて、ともに連携をしてこういう活動をやることが重要である、このように考えてございます。
  295. 赤嶺政賢

    ○赤嶺委員 アメリカ政府は、二〇一五年八月に、アジア太平洋海洋安全保障戦略などで、アジア太平洋地域において同盟国やパートナー諸国の軍事力を育成強化し、海洋の警戒監視活動などでより大きな軍事的役割を担わせる方針を明らかにしています。こういうアメリカの方針に沿って、日米が一体となってアジア太平洋地域の軍事体制強化しようとするものだ、アメリカのイニシアチブが強く働いているということを言わなければなりません。  今度は財務省に伺います。  財務省は、そもそも財政法は一九四七年に新憲法と一体で制定されたものでありますが、外国軍隊に自衛隊の武器を提供するなどということはおよそ想定しなかったことだと思いますが、いかがですか。
  296. 可部哲生

    可部政府参考人 お答えいたします。  財政法は、その一条に定めておりますように、国の予算その他財政の基本に関して定めた法律でございます。ただいま御議論いただいております財政法九条も、健全財政主義の一環として財産管理処分の原則を定めたものでございますので、具体的な事案をあらかじめ全て想定して制定されたものではないというふうに考えております。  むしろ、時代の変化あるいは個別の事情等に応じて対応することは当初から念頭に置かれており、したがいまして、第九条第一項においても、個別の法律によって低価での貸与や譲与を可能とする特例を設けることを明示的に認めている、そういうことになっていると考えております。
  297. 赤嶺政賢

    ○赤嶺委員 こういうことは、財政法ができたのは一九四七年ですよ、およそ時代が変わったら、環境が変わったら軍事なども当然想定していくことになるんだという話ではなくて、そもそも財政法ができたとき、つくったときのそもそもの精神は憲法九条と一体ですよ。  「国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。」このように明記しています。そういう日本が、軍縮の方向で働きかけるのではなくて軍拡の方向で軍事的に関与していくということは、憲法にも国連憲章にも反するものだと言わなければなりません。  もう一点、国有財産の適正な処分という観点から財務省に確認をいたしますが、財政法九条一項は、国の財産を適正な対価なくして譲渡または貸し付けてはならないことを規定しています。森友学園の問題もありますが、別にきょうはそれを聞くわけではありません。九条一項の規定、これはどういう趣旨で置かれたものか、そのそもそもの趣旨を説明してください。
  298. 可部哲生

    可部政府参考人 お答えいたします。  先ほども触れさせていただきましたけれども、健全財政主義の一環としまして財産管理処分の原則を定めたものでございまして、別に法律に基づく場合を除くほかには、適正な対価なくしてこれを譲渡しもしくは貸し付けてはならないという基本原則を定める、仮にその例外を設ける場合には別に法律で定めるということを求めたものでございます。
  299. 赤嶺政賢

    ○赤嶺委員 財政法九条一項は、別途法律をつくれば、この規定にかかわらず無償または時価よりも低い対価で譲渡できる、このようにされていますが、これは具体的には、財務省としてどういう基準を満たした場合にそういうことが認められるんでしょうか。
  300. 可部哲生

    可部政府参考人 国が財産を譲与または低価で譲渡するためには財政法の特例規定を立法措置する必要がございますけれども、どのような財産をどのような趣旨で譲与または譲渡する必要があるのかということを、まず手続としては、所管する省庁において御検討いただくことといたしております。  その上で、どういうものであれば認められるかというお尋ねでございますけれども、先ほど申し述べました財産管理処分の適正化という観点から、その特例規定を設ける趣旨並びに各省庁の政策判断などを総合的に勘案して判断をしてきております。  したがいまして、あらかじめ一律の基準をお示しすることはなかなか難しく、そうした事情もございまして、ほかに法律で定める場合があるということを規定しているものと考えております。
  301. 赤嶺政賢

    ○赤嶺委員 財務省が一律の判断基準は持たないということなわけですね。それが妥当かどうかというのは財務省において判断するわけですね。
  302. 可部哲生

    可部政府参考人 関係省庁から御協議がございました場合には、それが政策目的に照らして必要かどうかということは財政当局として意見を申し述べさせていただいております。
  303. 赤嶺政賢

    ○赤嶺委員 フィリピンへのTC90練習機五機の貸与については、時価の金額は幾らなのか、また、貸与するに当たっての対価は幾らなのか、これを説明していただけますか。
  304. 田中聡

    田中政府参考人 お答え申し上げます。  フィリピンへ貸付対象となっておりますTC90のうち、四機につきましては、民間業者による鑑定価格を踏まえまして、一機当たり時価額を約二千万円というふうに算定しており、貸与額は年間七千ドルとしているところでございます。  また、この四機よりも使用期間の長い一機、いわゆる古い機体でございますが、こちらの時価額は、同型機の鉄スクラップ価格を踏まえまして、約二十万円と算定しているところでございます。賃貸の価格につきましては、年間二百ドルというふうにしているところでございます。
  305. 赤嶺政賢

    ○赤嶺委員 一機は二十万円。そして、四機については七十七万円、もう一つのは一機二・二万円。この金額というのは無償みたいなものですよね。  防衛省は、今回の法整備必要性として、フィリピン政府から無償での譲渡を求められたことも挙げていますが、今回の規定整備されていれば無償で譲渡していたということになるわけですね。
  306. 中村吉利

    中村政府参考人 お答え申し上げます。  現時点で、無償譲渡等に関します法案というのは国会で御審議をいただいている状況でございますので、この案件が果たして御審議いただいている法の条文に沿って妥当するものなのかどうなのかということについては、確定的に申し上げることは差し控えるべきものであるというように考えておりますけれども、我々としては、フィリピン側のニーズも踏まえまして、法が成立した際には、法に基づき、また装備移転三原則に基づきまして協議を行う必要が生じるのではないかというように考えているところでございます。
  307. 赤嶺政賢

    ○赤嶺委員 結局、フィリピン側の無償譲渡要求が法案作成のきっかけになっていくという経過はもう明らかであります。国有財産ですよ、政府の判断次第で財産が無償または時価よりも低い対価で譲渡されてしまうことになっていくわけです。国民の税金で調達した国有財産であるにもかかわらず、何の基準もなしに政府の判断次第で外国政府に無償譲渡できる仕組みになっていること、これも非常に問題だと思います。  次に、航空自衛隊の南西航空混成団を南西航空方面隊に改編するとしていますが、これは具体的に何がどう変わるんですか。
  308. 高橋憲一

    高橋政府参考人 今回の南西航空混成団を航空方面隊に格上げする件でございますが、まず第一に、スクランブルが非常にふえているということで、南西方面における対処体制を拡充するという観点から体制を拡充するものでございまして、既に航空機につきましては第九航空団を新設いたしまして航空隊を二個新設するということ、それから航空警戒管制隊を航空警戒管制団という形で体制強化するということを内容としているものでございます。
  309. 赤嶺政賢

    ○赤嶺委員 今の答弁にもありましたように、昨年の一月には那覇基地の戦闘機部隊が二個飛行隊化され、第九航空団が新編をされました。先島諸島への自衛隊配備とあわせて、沖縄における自衛隊体制が非常に強化されてきています。  こうしたもとで、最近の報道によりますと、スクランブルの体制に関して、従来は領空侵犯のおそれのある航空機一機に対し航空自衛隊の戦闘機二機で対処していたが、これを四機で対処できるように変更したことが報道に出ております。  それはそういうことでしょうか。
  310. 辰己昌良

    辰己政府参考人 お答えします。  従来より防衛省自衛隊では、領空侵犯のおそれのある航空機に対しては個別具体的な状況に応じて必要な数の戦闘機を緊急発進させておりますが、詳細については、我が方の手のうちを明らかにするおそれがございますので、お答えは差し控えさせていただきます。
  311. 赤嶺政賢

    ○赤嶺委員 時間が来たので、残りの質問は次回に回しますけれども、実は、スクランブルで発進していくときは、私の自宅というのは那覇基地のすぐそばにありまして、何機で飛んでいくかというのがすぐわかるんですよ。手のうちを見せるとか、もったいぶって格好つけて答弁しても、見えるわけですから。  ちゃんと質問に対しては答える、質問通告は真面目に受けとめるということはもちろんですが、議員の質問に対しては真面目に答えるということを申し上げて、残りは次回に回して、きょうの質問を終わりたいと思います。
  312. 山口壯

    山口委員長 次に、吉田豊史君。
  313. 吉田豊史

    ○吉田(豊)委員 日本維新の会、吉田豊史です。きょうもどうぞよろしくお願いいたします。  法案に即しながらですけれども、きょうは、特にサイバーセキュリティーのこと、それから弾道ミサイル関係のところについて、ミサイル迎撃について、絞ってお聞きしたいと思います。  きょうも午前中からこの委員会をずっと拝聴しておりますけれども、今一番本当に大事なことは、やはりこの委員会の議論を通して国民皆様に、どういう厳しい状況になっているかということとあわせて、我が国として最大限できる対応、体制、準備は整えている、このことを明らかにしていくということが重要であり、ある意味での一つの安心と言えばいいか、そこのところにたどり着くということが本来は重要ではないかというふうに思うわけです。  そのためには、できていること、できていないこと、これをきちっと、うやむやにするわけではなくて、物事というのは、常に、現時点に来て、やはりもう少しこうしておけばよかったなとか、それからこの部分が足りないというのは、当たり前のことだと思うわけですね。それが、常に全てが備わっている、そういうことというのは逆にあり得なくて、そういう話になってしまうと、いや、それは本当に大丈夫なのかなということにやはり人として感じるんじゃないかなと思います。  きょう、済みません、最初からこれがいいかわかりませんけれども、きょうの質問の中で、私はいつも、この委員会のやりとりもそうなんですけれども、終わったらすぐ自分のホームページにアップしまして、そして、私の支持者の方々を含めいろいろな方に見ていただいて、その議論がどういうことだったのかということがわかるようにというふうにしているものですから、ちょっとわかりにくかったです。対処能力を有しているということと撃ち落とせるということが同じなのか違うのかという、このことがどれぐらい今の国民として知らなくてはいけないことなのか、あるいはその区別がそんなに重要なことなのかということ自身、今のこの問題の喫緊というか緊迫度とかそういうことからすると、よくわからないんです。  これは、私自身は、日本語の問題として、対処能力を有しているということと撃ち落とせるということの意味が、例えば、ここが対処能力じゃなくて、掛け算の能力を有しているということと掛け算ができるということ、これは同じだろうと思うわけですね。でも、実際に掛け算ができるという人がテストをやったときに百点をとれるかどうかとなると、それはまた別の話だろうというところじゃないかなと私は理解するんです。  こういうこと一つをとっても、もう少し、升田委員がおっしゃいましたけれども、やはり安心したいわけです、いろいろなことを。だから、このやりとり一つをとっても、それこそ、きょうはきちっと通告しているんだからという話がありましたが、やはりそこのところについてもうちょっと丁寧に備えていただいて、そして、一つ一つ明確にばすっばすっと答えていただく、そのことが私は本当に大事なことじゃないかなと思いますので、大変生意気ながら、最初の方でお伝えさせていただきたいと思います。  それでは、サイバー攻撃とは何かというところから入ります。  サイバー攻撃という言葉も新しい言葉かなと思いますけれども、これは具体的には、今までやっている具体的な、物理的なミサイルあるいは弾が飛び交う戦争じゃなくて、こういう攻撃があるということ、これは何のことをそう言っているのかということを簡単に御説明いただきたいと思います。
  314. 高橋憲一

    高橋政府参考人 お答えいたします。  サイバー攻撃でございますが、これについては質問主意書に対する答弁書を既に出させていただいているところでございますが、情報通信ネットワークや情報システム等の悪用により、サイバー空間を経由して行われる不正侵入、情報の窃取、改ざんや破壊、情報システムの作動停止や誤作動、不正プログラムの実行やDDoS攻撃、いわゆる分散サービス不能攻撃等として整理されているところでございます。
  315. 吉田豊史

    ○吉田(豊)委員 今の御説明ですと、サイバー攻撃というのは、特に国家の国防にかかわる問題のみならず、さまざまな分野においてこのサイバー攻撃というのは起こっている、そういう理解でよろしいでしょうか。
  316. 高橋憲一

    高橋政府参考人 委員指摘のとおりでございまして、このサイバー攻撃の主体については特定されておらない、民間の方も当然対象になるということでございます。
  317. 吉田豊史

    ○吉田(豊)委員 その上で、国防関係のところのサイバーセキュリティーということをお聞きするわけですけれども、二〇一六年の十一月二十八日のメディアの報道によりますと、我が国陸上自衛隊もこういうサイバー攻撃に遭ったというようなことの記事が、報道がなされたわけですね。  これは具体的にはどういうことなのか、どういう認識として整理なさっているか、これを確認させていただきたいと思います。
  318. 高橋憲一

    高橋政府参考人 委員指摘報道については承知しているところでございますが、個々具体的なサイバー攻撃の有無や手法につきましては、我が方のサイバーに対する対処能力を明らかにするという観点から、従前よりお答えを差し控えさせていただいているところでございます。  今回の事案につきましても、陸上自衛隊を含め、防衛省自衛隊情報システムにおいて具体的に情報流出や機材の破壊といった被害は確認されていない、そういう状況でございます。
  319. 吉田豊史

    ○吉田(豊)委員 ここで非常に重要なことだと思いますけれども、結局は、サイバー攻撃ということは、仮想空間と言えばいいか、目に見えるものとして結果が残る場合、そうでない場合も当然あるんでしょうけれども、そういう中で、わからない、よく見えない、つかみどころのないところで起こっているということ、ここがやはりまず根本的な、本質的な難しさだろう、こう私は思うわけです。  そうなんですけれども、こういうものについて、具体的に攻撃があるということを承知しておるという言い方が私は正しいだろうとは思いますけれども、実際、今の国防における戦いの場所、現場というものが、もう明らかに、物理的な目の前の、例えば土地を占有するあるいはそういういろいろなものではなくて、サイバーエリアというそういう新しい部分においての勝ち負けが非常に全体の帰趨を制する、その非常に重要なことになっている、そういう認識でよろしいでしょうか。
  320. 高橋憲一

    高橋政府参考人 現在のところ、宇宙空間あるいはサイバーにおけるいろいろな事象につきまして、これは国防上、安全保障上、非常に重要な問題だと考えてございます。  この点について、我々としては、今後も力を入れまして、宇宙空間やサイバーについての対処がきっちりできるようにやっていきたい、そういうふうに考えてございます。
  321. 吉田豊史

    ○吉田(豊)委員 そして、きょうも最後まで多分私の質問もたどり着かないので、今のところで一回振っておきたいんですけれども、それは何かといいますと、サイバー攻撃というものが、今まで戦いの場所としては私たちは想定していなかったんですね。  そうすると、我が国はもちろん法治国家ですから、法律にのっとってさまざまなことを、特に国家の防衛に関することについては、やっていいこと、いけないことを厳格に、厳密に縛りつつやっている、そういうのが私たちの国の歴史であり、それが私たちの国の国防の安全保障のよさだろうとも思うわけです。  ですから、今こうやってお聞きしただけでも、サイバー攻撃という、サイバーの仮想の空間というものが、仮想と言えばいいか、目に見えないという言い方がいいかもしれませんけれども、そういうものが本当の意味で戦いの場所になっている以上、私たちは、当然、今までの物事、例えば簡単に言うと専守防衛という言葉一つとってもそうですし、それから、盾と矛があったときは盾という守るところ、そこに特化した国防のあり方を示していくということなんですけれども、サイバー空間に対してあるいはサイバーの攻撃ということについて、では、私たちが国としてどのようなところまで備えていいのか、それから、どこまでやらなくてはいけないのか、このことについては改めてしっかりと考えて、そしてそれを法整備もしていかなくちゃいけないということが私は非常に重要なことだと思うんです。  それをやらないでいろいろなことを進めようと思っても、結局のところ、それは私たちが自信を持って堂々とやっていいことなのか、いけないのかということ、このことがわからなくなるわけですし、物理的なことというのは全て時間がかかるんですけれども、このサイバーの世界というのは全てが一瞬で起こるという、そういうことも全く異質なものなわけですね。  だから、こういうことについてぜひ検討をより進めていただく、いろいろなことの想定をしていただく、そして、わからないものだからこそ、国民理解がないと、結局、法律のもの、憲法のことでしょうけれども、何も進まないんですよ。  ですから、わからないなりにもこれがどれだけの大きな重要性を抱えていることかということについてはより皆様にお伝えしていく、そういう努力も私は政府として並行して進めていただかなくてはいけない、それも喫緊にやっていただかなくてはいけないということが、今、目の前にある問題、本質的な問題じゃないかな、こういうふうに感じています。  それで、次に行きますけれども、サイバー防衛隊を今回の法案でというところでかかわってくるわけですけれども、具体的には、このサイバー防衛隊について、部隊、何をやっているのか、説明いただきたいと思います。
  322. 高橋憲一

    高橋政府参考人 御質問サイバー防衛隊でございますが、まず第一に、防衛省自衛隊は、防衛省が持っております情報システム、情報通信ネットワークに対するサイバー攻撃対処するということが第一の目的でございます。  そのための体制といたしまして、陸海空共同の機関として、自衛隊指揮通信システム隊というのがございまして、その隷下の部隊といたしまして、平成二十五年度末に、約九十名の部隊としてサイバー防衛隊新編いたしました。  この組織の役割でございますが、自衛隊情報通信ネットワークの監視及びサイバー攻撃対処を二十四時間体制で実施しておりまして、また、逐次増員ということで、平成二十八年度末に約百名、二十九年度の今回の法改正によりまして、百十名の体制で実施したいというふうに考えているところでございます。  また、各自衛隊におきましても、陸上自衛隊には陸上自衛隊システム防護隊、海上自衛隊には海上自衛隊保全監査隊、航空自衛隊には航空自衛隊システム監査隊などの各隊がそれぞれの陸海空自衛隊のシステム防護に当たっているところでございます。
  323. 吉田豊史

    ○吉田(豊)委員 そういう体制で今我が国サイバー防衛隊防衛を行っているということなんですけれども、私の一つ手前の質問というか問題意識からすると、このサイバー防衛隊という方々は、我が国法律にのっとった専守防衛という考え方からすれば、サイバーの世界の分野においても、監視するのはそれはもちろん防衛でしょうけれども、対処という意味では、何か起こってから今対応している、そういうきちっとした枠がはまってやっている、そういう考え方なんでしょうか。
  324. 高橋憲一

    高橋政府参考人 自衛隊サイバー防衛隊は、自衛隊の持っております情報通信ネットワークに対するサイバー攻撃対処するという観点でやっておりますので、その主な任務としましては、システムの二十四時間を通じた監視、それから、サイバー攻撃があった場合の対処ということで、そのような体制を組んでやっているというところでございます。
  325. 吉田豊史

    ○吉田(豊)委員 ほかに、我が国政府として、我が国として、内閣サイバーセキュリティセンターというものがあるということをお聞きしました。この部署と先ほどのサイバー防衛隊というのは全く別なんですか。
  326. 高橋憲一

    高橋政府参考人 まず、我が国全体のサイバーセキュリティーの施策に関する問題でございますが、これは、官房長官を本部長といたしますサイバーセキュリティ戦略本部というのが設けられておりまして、また、今御質問がございました内閣サイバーセキュリティセンター、いわゆるNISCでございますが、セキュリティ戦略本部の事務局といたしまして、サイバーセキュリティーに関する施策についての必要な企画立案及び総合調整を担当しているところでございます。  具体的には、政府の総合対策促進、事案対処支援のほか、重要インフラ、例えば電力でございますとか金融でございますとか、そのようなインフラセキュリティー対策、インフラのサイバーセキュリティー対策の調整、我が国のサイバーセキュリティー対策確保のための調整、協力など、そのようなさまざまな事業を内閣官房のサイバーセキュリティセンターのもとで、防衛省を含む関係各省庁がそれぞれの対策をとっているというところでございます。  他方、防衛省自衛隊は、自衛隊活動に支障を来さないようにということで、みずからの情報システムネットワークの防護及びそのための能力向上に取り組んでいるところでございます。  また、防衛省におきましては、NISCに対して、情報共有、要員派遣、政府全体としての総合的な取り組みに対しての貢献という形で協力をしている、そういう関係になってございます。
  327. 吉田豊史

    ○吉田(豊)委員 ちょっと長くてわかりにくかったなと思いましたが。  そうすると、この二つに分かれてやっている中にも連関してやっているんでしょうけれども、サイバー攻撃というものが具体的に起こるというのは、それは戦いをしかけられるということなわけですね。それがサイバーでなくて普通の場合であれば、当然、防衛大臣のところにすぐに報告が行ってというところから指揮系統が始まるわけですけれども、サイバー攻撃の場合というのは、これも同じように、まず防衛大臣のところに全てが、攻撃がありましたというところから始まるんですか。
  328. 高橋憲一

    高橋政府参考人 まず、現状で申しますと、自衛隊のシステムについて、日々、実は複数、何件かのサイバー攻撃ではないかという事象が既に起こっております。それを我々が今常に状況を監視しておりまして、そのうち我々にとって重要なものにつきましては、当然、大臣あるいは内閣官房に御報告をいたしまして、必要な対処をしている、そういう状況でございます。
  329. 吉田豊史

    ○吉田(豊)委員 そのとおりなんでしょうけれども、私自身がやはりわかっていないからでしょうけれども、サイバー攻撃というものに、その規模が当然ある、それが、今回は国防関係の、安全保障の部分サイバー攻撃というふうに特定した中ででいいと思うんですけれども、こういうものがどれぐらいのものが起こるかという、それは、あった段階で受けとめて、これはこれぐらいの規模の攻撃だということはサイバーだといえどもわかるという、そういうことですか。
  330. 高橋憲一

    高橋政府参考人 いわゆるサイバー攻撃のある意味での難しさでございますが、実は、どの程度攻撃を受けているのか、我々がどの程度の被害を受けているのかというのが、システムの中に隠されている場合、それが何らかの事象に基づいて起き上がりまして、我々のシステムに攻撃を与える、あるいは情報漏えいさせるというような事象がございますので、サイバー攻撃を受けた段階でその全ての全貌を的確に把握するというのは非常に難しい問題だと考えております。
  331. 吉田豊史

    ○吉田(豊)委員 そういう難しさがある中で、よその国、私たちが今思っている仮想敵国という言葉が正しいかどうかちょっとわかりませんが、近隣の中で我が国に対してその攻撃をしかけてくる可能性があるという、そういう部隊あるいは国、幾つかあると思うんですけれども、ほかの国の状況の中で、まず中国、本当に私も聞きかじった程度ですが、これは読み方さえわかりませんけれども、六万千三百九十八部隊というのですか、六一三九八部隊、こういうものがあるというのを聞くんですけれども、これはどのような存在ですか。
  332. 前田哲

    前田政府参考人 お答えいたします。  御指摘の六一三九八部隊というものなんですが、これは、中国人民解放軍の旧総参謀部第三部の隷下、旧といいますのは、最近中国は軍の組織改正、改革をしているものですから、旧でいいますと総参謀部というものの下についているサイバー部隊である、こういう指摘があることを承知いたしております。  今、改編があったと申しましたけれども、近年、建国以来最大規模とも評される軍改革に中国が取り組んでおりまして、二〇一五年の十二月末には、サイバーなどを担当するとされる戦略支援部隊というものが立ち上げられたというふうに承知をいたしております。ただ、この組織の詳細は不明でありますので、この六一三九八の部隊との関係、あるいは吸収されたかといったことは、ちょっとよくわかりません。  一方、この六一三九八部隊については、二〇一四年の五月でありますが、アメリカ、米国が、この部隊の幹部とされる五名を起訴しております。これは、米国企業等に対するコンピューターハッキングあるいは経済スパイ行為ということで起訴をしている、こういう発表をしているということがございます。  いずれにいたしましても、この部隊は中国の持っているサイバー部隊であるという認識であります。
  333. 吉田豊史

    ○吉田(豊)委員 そして、問題の北朝鮮、ここも、百二十一局というのですか、これがあると聞きますが、これはどれぐらいの規模で、どれぐらいの能力ということについて確認させてください。
  334. 前田哲

    前田政府参考人 お答えいたします。  北朝鮮の一二一局でありますけれども、これは、北朝鮮におけるサイバー関連組織一つであるということでありまして、偵察総局というものの隷下に置かれている。そして、サイバー攻撃を統括し、北朝鮮では最大の実行部隊であるといった指摘がなされているところでございます。  規模でございますけれども、この一二一局を含む北朝鮮のサイバー部隊の規模については、これは韓国の国防白書が数字を載せているんですけれども、これを含んで全体で約六千八百名というふうにされていると承知をしております。  北朝鮮は、核、ミサイルを開発しているわけですけれども、これと並んでサイバー攻撃を三大攻撃手段であるというふうに位置づけているとされていまして、また、北朝鮮の関与が指摘されるサイバー攻撃の事例というものも見られております。  防衛省としても、北朝鮮のサイバー部隊あるいはその能力について重大な関心を持って、引き続き必要な情報収集に努めてまいりたいと考えてございます。
  335. 吉田豊史

    ○吉田(豊)委員 そして、サイバーだけに、今までの攻撃ということを考えたときには、我が国は、やはり地理的要件、条件ということは、当然、近いところがいろいろなことについて攻めてくる可能性があるというのは当たり前、常道だったと思いますけれども、サイバーですから、世界じゅうどこからでもいろいろな意味で攻撃しようと思ったらできる状況にあるというふうに素人でも思うわけですね。  その中で、例えばテロ組織、いろいろなものが世界で、それこそ一番扱いにくい厄介なものだというふうになっていますけれども、このサイバーの部分において、軍が中心あるいは国が中心とは言えない、けれども、そういう攻撃をする可能性がある存在というのは幾つもあると思うんですけれども、これらについては今どのように把握して、どう捉えているか、確認したいと思います。
  336. 前田哲

    前田政府参考人 お答えいたします。  今委員が御指摘になったとおりでありまして、今日のサイバー攻撃は、非常にますます高度化、巧妙化をしてきておりますし、攻撃主体という点につきましても、先ほどから申しております軍それから国の情報、治安機関といったものはもちろん考えられるわけですが、そのほかにも、金銭を目的とする犯罪集団といったもの、それから主義主張を唱える民間のハッカー集団、こういったものまでさまざまなものがある、その関与というものが指摘されているわけでございます。  ちょっと一例でございますが、非国家主体によるサイバー攻撃事案としては、例えば二〇一五年に、これはフランスです、イスラム過激派組織によるものと見られるフランスの国際放送局に対するサイバー攻撃というものが発生したというふうに承知をしているわけであります。  我々防衛省としても、非国家主体によるサイバー攻撃も含めまして、サイバー空間をめぐる動向について、必要な情報の収集、分析にこれからも努めてまいりたいと思っています。
  337. 吉田豊史

    ○吉田(豊)委員 そして、今回の法案定数も変えているというところですけれども、実際にこの法案によってどのようにサイバー防衛隊強化しようという考えなのかを確認させていただきます。
  338. 高橋憲一

    高橋政府参考人 今回お願いしてございますサイバー防衛隊増員でございますが、主として、ペネトレーションテスト、いわゆる攻撃を実際にしかけまして、我々のシステムの脆弱性がどこにあるかということを検証していこうというものと考えてございまして、我々としては、こういうことを対応しながら、我々のシステムの中に弱いところや穴がないかどうかを検証していきたいというふうに考えてございます。
  339. 吉田豊史

    ○吉田(豊)委員 それはぜひやっていただければいいと思いますし、今ほどの私が幾つか聞いているだけでも、やはり、サイバー戦争と言えばいいか、この部分ということが本当の意味で今の、現代の戦争なんじゃないかな、戦いなんじゃないかなということからすると、本当に素人のイメージですけれども、結局は、サイバーということは、例えばコンピューター、それからネット環境とか、いろいろなそういう総合力の話ですね、これは明らかに。  そして、例えばスーパーコンピューター、スパコン一つとっても、中国と日本でのその壮絶な戦いというのが今あるわけで、それに付随して、演算能力あるいはさまざまな解析能力、こういうものというのが、結局のところ、今おっしゃったペネトレーションテスト、シミュレーションというようなことをしていくわけでしょうけれども、そういうことのどれだけのことが量としてできるのか、あるいはやり方としてできるのかということは、全て実は、そういう能力とそれから人員、体制、それによってということじゃないかなと思うわけです。  ですから、今回はそういう形でおっしゃったけれども、これは全然僕は不十分じゃないかなと思うんですけれども、どのように考えていらっしゃいますか、そこらの辺のところを。
  340. 高橋憲一

    高橋政府参考人 委員指摘のとおりでございまして、我が国のサイバーセキュリティー能力につきましては、現在、着実に増強に努めているところでございますが、まだ完全なものというふうには我々も考えてございません。  また、さまざまな事態対処できるように、人材の育成、確保でございますとか体制強化ということに引き続き努めていきたいというふうに考えてございます。
  341. 吉田豊史

    ○吉田(豊)委員 大臣にお聞きしたいと思うんですけれども、今のところの、とにかくサイバーの部分については体制強化していきたい、こういうことを今おっしゃっていただきましたが、我が党の下地委員も先般お伝えしましたけれども、やはり国家の防衛にかかわる予算として、自主的に一%のところをキープしているという話ですけれども、国民の今の状況から考えると、理解がある部分というのは、例えば、今、攻撃の話をするとか、具体的なミサイルの話とかいろいろなものをよりたくさん整備していくとなると、それはまたいろいろな議論が必要だろうけれども、このサイバーという部分については、これは明らかに、具体的に攻撃すること自身が人を殺傷する、物を壊すとか、そういう話ではないわけですよ。ですから、こういう部分についての体制をより強化していくということ、それは物すごく進めやすいし、今、実は一番必要な部分だろうと思うんです。  それと、もう一つ、このサイバー攻撃ということからすれば、それは、我が国として、今国防の話の枠をはめて話をしていますけれども、でも、それは電力のことだったり、さまざまな私たちのインフラの問題、そういうことについても、とまるということが一手おくれるわけですよね、もし攻撃があったときは。私が敵だったら、先にそっちの方から並行して攻めるとか、いろいろな作戦はあると思うから、こういうことについての対応する能力を急速に高めなくちゃいけないということについてのお考えは、どういうふうに考えていらっしゃるかというところを確認させていただいてもよろしいでしょうか。
  342. 稲田朋美

    稲田国務大臣 きょうずっと委員のお話を聞かせていただいて、私も全く共感いたします。法的な側面、それから人材育成、そして体制というもの、それをスピード感を持って充実をさせていくこと、そして、それは単に防衛のみならず、国民の生活に緊密に関連するものも含めて重要なことであるということを、しっかりと国民の皆さん方にも理解をしていただけるのではないかというふうに考えております。  そして、特にこの安全保障に関しては、高度化するサイバー攻撃の対応を踏まえれば、今後、サイバー攻撃によって極めて深刻な被害が発生する可能性を否定することはできず、非常に重要な課題であるというふうに認識をいたしております。
  343. 吉田豊史

    ○吉田(豊)委員 ありがとうございます。  それでは、戻りますけれども、サイバー攻撃というのは、最初の方の御説明でありましたけれども、いつ起こっているかさえわかりにくいとかという話がありましたが、やはり、私とすれば、具体的には何か大きな影響が出た、そういう場合については誰がやったかということ自身こそが一番大事な話で、そして、それに次に備えていかなくちゃいけないということだろうと思うわけです。  そういう意味での実行者、誰がやったかということの特定について、これはどのような考え方で今対応しているかを確認したいと思います。
  344. 高橋憲一

    高橋政府参考人 いわゆるサイバー攻撃の実行者の特定でございますが、近年のサイバー攻撃は非常に高度化、巧妙化している。他国に所在するサーバーを経由したり、ソフトウエアを用いて攻撃源を秘匿するというような非常に巧妙な手段を使われているということでございます。  そのため、サイバー攻撃の主体を特定することは非常に困難な状況でございますが、我々としても、攻撃手法やマルウエアの解析、関係部局間の情報共有ということで、攻撃源の特定に努めているところでございますが、この特定については非常に困難なものだというふうに我々は認識してございます。
  345. 吉田豊史

    ○吉田(豊)委員 マルウエアというのは何ですか。
  346. 高橋憲一

    高橋政府参考人 システムのハッキング等に使われる不正なソフトウエアだというふうに認識してございます。
  347. 吉田豊史

    ○吉田(豊)委員 そして、このサイバー攻撃ですけれども、仮想空間なんですけれども、それはそれで、実は、今おっしゃったマルウエア一つ、マルというのは悪いという意味ですよね、何をもって悪いというかというと、それは我が国に対して悪いということなんでしょうけれども、でも、そういう存在に対してこれを排除していくという、これはもう明らかに戦いなわけで、これを具体的にやっていくときは、現実の戦いのときでも、我が国は同盟をして、そしてさまざまな国と同盟して、地域と同盟して、いろいろなことに対処しているということなのですけれども、サイバー攻撃に対してはどのような形で今それに対応しようとしているのかというところを確認させていただきたいと思います。
  348. 高橋憲一

    高橋政府参考人 まず、サイバーに関しましては、日米でございますとか、日英でございますとか、いろいろな関係各国との間で情報共有情報交換、それから、必要な場合には共同訓練共同演習というものを逐次やっている、そういう状況でございます。
  349. 吉田豊史

    ○吉田(豊)委員 今、日米、日中とおっしゃったんですけれども、これは、ごめんなさい、ちょっともう一回お願いします、済みません。
  350. 高橋憲一

    高橋政府参考人 失礼いたしました。  日米日英と申しました。
  351. 吉田豊史

    ○吉田(豊)委員 そういう国と国での連携ということ、これは、サイバー攻撃の場合は役割分担しているんですか。
  352. 高橋憲一

    高橋政府参考人 サイバーセキュリティーという関係におきましては、まだ多国間の連携というようなところまではいってございません。
  353. 吉田豊史

    ○吉田(豊)委員 連携までいっていないということが、そういうものなのかもしれませんけれども、攻撃ということからすると、我が国を本当にたたきたいということであった場合には、そう思っている人たちの中にその連携というのは当然あるだろうということも想定できるんですね。それで、実際に、一番、外づらでは別に敵になっていないよという国であっても、サイバーの部分こそが、見えないところで、悪いものに対する応援だったり、あるいは私たちの防御を邪魔する、そういうことだって当然できるわけです。  ですから、なおさら、そういうことを想定すると、今、日米日英というところでおっしゃいましたけれども、そのことについてもっときちっとした連携を図っていく、そういうことの必要性を私は感じるんですが、どうでしょうか。
  354. 前田哲

    前田政府参考人 お答えいたします。  きょう、もう先生もるる御議論されていますように、サイバーの問題というのは、不正行為から、むしろ攻撃というものまで幅広いものになっています。各国とも、サイバー空間をめぐるリスクというものの深刻性というのはほとんどの国が非常に強く感じているということでございます。  そこで、安全保障上の課題でもあるサイバー攻撃に対して迅速的確に対応していくために、諸外国との間でも効果的に連携することが必要だ、これは、我が国だけではなくて、先ほど整備局長の方から申し上げましたけれども、各国ともそういう認識になってございます。  こうした問題意識のもとで、各国の防衛当局と、例えば、脅威情報についてはどんなものをお互い持っているか、それから、サイバー攻撃対処に対してそれぞれどんな取り組みをしているか、こういった問題について意見交換を行うなどなど、連携強化に取り組んでいるわけであります。  米国との間では、我々、二十七年四月に新ガイドラインというのをつくっているんですけれども、この中で、まあここも同じですが、さらなる情報共有、それから今御指摘になりましたように、防衛分野のみならず、重要インフラに対する攻撃防護、こういった点についても、具体的な協力分野として非常に大事であるということを書いてございます。こうした方向性に基づいて、日米間でも防衛協力を一層加速しております。  また、豪州、英国、あるいはNATOといった組織関係国あるいは国際機関との間でも、レベルもさまざまありますが、さまざまなレベルでの情報共有等々、この協力を進めてきております。  陸海空に加えて、次の、ドメインという言葉を我々は使いますけれども、宇宙、サイバーの分野というのが決して避けて通れない分野になっている、こういう認識は各国共通しておりますので、その分野もこれからしっかりやっていきたい、このように考えています。
  355. 吉田豊史

    ○吉田(豊)委員 各国共通になってくる、そして、我が国が、陸海空、今おっしゃったドメインというところのドメインこそが、我が国の技術力、さまざまなところでやはり一番先を行かなくちゃいけないということを思うわけです。やはり技術、それからいろいろなノウハウ、さまざまな仕組み、システムを押さえるものが全てを制することはどの世界でも同じことですから。  ここの部分で、私自身は、よりこの部分についての国防としての強化をしていく、その必要性を強く感じているというところをお伝えして、きょうはここで終わりたいと思います。  ありがとうございます。
  356. 山口壯

    山口委員長 次に、照屋寛徳君。
  357. 照屋寛徳

    ○照屋委員 照屋寛徳です。いつもながらのしんがりの質問でございます。  なお、きょうは、与野党国対委員長会談がセットされて重なりましたので、途中、委員会を中座したりしましたが、なるべく先に済んだ委員質問と重複しないようにやりたいというふうに思っています。  防衛省に尋ねますけれども、予備自衛官と即応自衛官の充足率の低下に長年歯どめがかからない状態が続いているようです。  平成二十七年度及び平成二十八年度の予備自衛官の定員数と現員数、充足率について、陸海空自衛隊ごとに明らかにしてください。同様に、平成二十七年度及び平成二十八年度の即応予備自衛官の定員数と現員数、充足率についても伺います。
  358. 鈴木良之

    鈴木政府参考人 平成二十七年度の年度末におきましては、予備自衛官については、陸上自衛隊が、員数四万六千人に対し現員三万一千四百八十五人、充足率は六八・四%、海上自衛隊は、員数千百人に対し現員五百二十五人、充足率は四七・七%、航空自衛隊は、員数八百人に対し現員五百四十四人、充足率は六八・〇%、全体として、員数四万七千九百人に対し現員が三万二千五百五十四人で、充足率は六八・〇%です。  即応予備自衛官につきましては、員数八千七十五人に対し現員が四千五百十三人、充足率は五五・九%です。  また、平成二十八年度につきましては、現在集計中でございますが、集計している最新のものとして本年二月末現在で申し上げれば、予備自衛官につきましては、陸上自衛隊が、員数四万六千人に対し現員三万二千九十八人、充足率は六九・八%、海上自衛隊が、員数千百人に対し現員五百三十人、充足率は四八・二%、航空自衛隊が、員数八百人に対し現員五百六十二人、充足率は七〇・三%、全体として、員数四万七千九百人に対し現員が三万三千百九十人、充足率は六九・三%です。  即応予備自衛官は、員数八千七十五人に対し現員が四千五百五十四人、充足率は五六・四%です。
  359. 照屋寛徳

    ○照屋委員 そうすると、防衛省にお伺いしますが、これまで衆議院調査局安全保障調査室等が出した、公刊された資料による平成二十六年度までの予備自衛官、即応予備自衛官の充足率等に比べると、二十七年度、二十八年度はどういう傾向になっていますか。
  360. 鈴木良之

    鈴木政府参考人 予備自衛官の充足率につきましては、平成二十六年度末が六七・六%、平成二十七年度末が六八%、先ほど申し上げましたように、平成二十九年二月末現在が六九・三%でございます。  即応予備自衛官については、平成二十六年度が五九・六%、平成二十七年度が五五・九%、平成二十九年二月末現在が五五・九%でございます。
  361. 照屋寛徳

    ○照屋委員 大臣にお伺いしますけれども、今、予備自衛官、それから即応自衛官の充足率について詳細なお答えをいただきましたけれども、依然として充足率が低迷をしているのは間違いないと思うんですね。即応予備自衛官については、むしろ二十六年度よりも低下をしているように聞きましたけれども、稲田防衛大臣は、このような予備自衛官、そして即応予備自衛官の充足率の低迷の原因と、充足率を向上させるための具体的な方策をどのようにお考えなのでしょうか。
  362. 稲田朋美

    稲田国務大臣 予備自衛官等の充足低下の傾向については、さまざまな要因が考えられますが、この十年程度を見ますと、予備自衛官等の退職者が採用者を上回る傾向にあり、充足低下につながっております。  退職者が多い要因としては、例えば、予備自衛官等の退職理由に職場の事情が多く挙げられており、予備自衛官及び即応予備自衛官であることと生業との両立が難しいことが作用しているものと考えられます。  予備自衛官等の充足向上は重要な課題であると考えており、例えば、平成二十七年度には、予備自衛官等を雇用し、訓練等に出頭しやすい環境づくり等の協力に努めた事業所を認定する予備自衛官協力事業所表示制度を導入するなど、予備自衛官等制度に対する社会的な関心と理解を深めるように努力をいたしております。  防衛省としては、予備自衛官等の充足向上のため、制度の周知を図るとともに、予備自衛官等本人や雇用企業等に対するインセンティブを高めるための施策を進めてまいりたいと考えております。
  363. 照屋寛徳

    ○照屋委員 防衛省に尋ねますけれども、沖縄県に居住する予備自衛官と即応予備自衛官はそれぞれ何名ほどいるのでしょうか。また、予備自衛官と即応予備自衛官を居住する都道府県別に見た場合、沖縄県居住の予備自衛官と即応予備自衛官はそれぞれ全国で何番目に位置するのか、どれぐらいの位置にあるのか、それを教えてください。
  364. 鈴木良之

    鈴木政府参考人 平成二十七年度末現在で把握している範囲でお答えしますと、約三万二千四百名の予備自衛官のうち沖縄県に居住している者は約二百七十名、約四千五百名の即応予備自衛官のうち沖縄県に居住している者は約八十名です。  全国で見ますと、四十七都道府県中、予備自衛官は四十番目、即応予備自衛官は二十三番目の居住数となっております。  なお、先ほど私の答弁の中で、即応予備自衛官の充足率について、平成二十九年二月末現在の数値を五五・九%と申し上げましたが、これは誤りでございまして、五六・四%に訂正させていただきます。
  365. 照屋寛徳

    ○照屋委員 防衛省に尋ねますけれども、即応予備自衛官雇用企業給付金制度が一九九七年、平成九年度に創設されました。同制度は、即応予備自衛官を雇用する企業等の負担や労苦に報い、即応予備自衛官が安んじて訓練等に出頭することを可能とするため、即応予備自衛官を雇用し、かつ、訓練等の出頭のために所要の措置を講じている企業等に対し、雇用する即応予備自衛官一人当たり月額四万二千五百円を支給する制度だと理解をいたしております。  それで、尋ねたいのは、平成二十七年度及び平成二十八年度の沖縄県における即応予備自衛官雇用企業給付金制度の支給対象事業者数と、一事業所当たりの平均支給額について伺います。
  366. 鈴木良之

    鈴木政府参考人 沖縄県におきます即応予備自衛官雇用企業給付金の支給状況についてでございますが、確認したところ、平成二十七年度につきましては、年度で平均して、二十九の事業所に対しまして年間総額約二千二十七万円を支給しているとの報告を受けており、これに基づいて計算しますと、一事業所当たりの年間平均支給額は約七十万円となります。  また、平成二十八年度につきましては、現在集計中との報告を受けておりまして、手元に数値はございません。
  367. 照屋寛徳

    ○照屋委員 それでは、大臣お尋ねしますけれども、本法案によると、現在は、陸上幕僚監部が北部、東北、東部、中部、西部の五方面隊方面総監部を率いておりますが、その間に総隊を挟むことで、陸幕、総隊、五方面隊といった指揮命令系統につくりかえられるようであります。  現在の五方面体制については、旧陸軍が暴走して戦争に突き進んだことを教訓に、陸上自衛隊の権限集中を避けた産物であるとか、あるいは五方面に分けることで文民統制の強化につながっているなどの指摘をする者がおります。  防衛大臣は、陸上自衛隊の五方面隊体制をどのように評価しておりますでしょうか。また、総隊新設による権限集中を回避する方策をどのようにお考えか、あわせて伺います。
  368. 稲田朋美

    稲田国務大臣 我が国を取り巻く安全保障環境は一層厳しさを増しており、弾道ミサイル攻撃島嶼部に対する攻撃、大規模災害など、陸海空自衛隊統合運用により全国レベルで機動的に対応すべき事態がますます想定され、海自及び空自については、それぞれ自衛艦隊及び航空総隊が主要な部隊を一元的に運用できる体制整備してきています。  このため、陸上自衛隊についても、五つの方面隊等との調整を一元的に行い、海自、空自と同様、陸上自衛隊の一元的運用を可能とする陸上総隊を整備する必要があるというのが今回の改正の趣旨でございます。  今御指摘になりました、総隊に権限が集中することになり、かつての旧軍が暴走したことと同様の懸念があるのではないかとのお尋ねでありますが、そもそも我が国においては、旧憲法下の体制とは全く異なり、国会内閣防衛省の各レベルで厳格な文民統制が徹底をされており、防衛省においては、文民統制の主体である私が、副大臣や政務官等から補佐を得つつ、自衛隊の隊務を統括しているところでございます。  したがって、陸自部隊の一元的運用を可能とする陸上総隊を設置しても、これまでと同様、シビリアンコントロールは十分確保されており、旧憲法下のような、陸軍が暴走するといったような指摘は当たらないのではないかと考えております。
  369. 照屋寛徳

    ○照屋委員 防衛大臣に尋ねます。  陸上総隊司令部の新編に合わせ、在日米陸軍の司令部があるキャンプ座間に日米共同部が設けられます。日米共同部には数十人規模の陸自スタッフが常駐し、アメリカ側との連絡調整に当たり、米陸軍との連携が強化されるようであります。  一九六三年に防衛庁の武官、制服組を中心に極秘に行った図上作戦演習、いわゆる三矢研究が国会で暴露されました。戦時体制前提とした言論統制など、憲法を全否定する研究を武官が行い、政治判断のシナリオまで用意していたことから、文民統制が機能していないと批判され、当時の防衛庁長官は引責辞任し、一九六五年九月には、防衛庁幹部二十六人が処分されております。  日米共同部の新設は、日米統合作戦司令部や日米共同作戦を想定した三矢研究を想起させるものです。日米協力の一線を越えるものではないかと危惧していますが、その任務について具体的に説明してください。また、何らかの歯どめが必要ではないでしょうか。大臣に尋ねます。
  370. 高橋憲一

    高橋政府参考人 ただいま委員指摘陸上総隊司令部の日米共同部でございますが、これは、陸上総隊司令部が朝霞で設置されるということがございますので、これまで中央即応集団が在日米陸軍司令部と行っておりましたそれぞれの連携ということを確保する観点から、引き続き、陸上総隊司令部の日米共同部は、在日米陸軍司令部が所在する座間に配置する予定でございます。  この業務でございますが、平素から在日米陸軍等と日々情報共有等を行いまして、事態発生時にはシームレスな調整を担うといった任務を遂行することを想定してございます。  また、陸上総隊が設置された場合におきましても、従前と同様、日米が緊密に連携しつつ、おのおの独立した指揮系統に従って対処することに何ら変わりはございませんので、先ほど委員指摘のように日米統合司令部を設けるというようなことではございませんで、日本自衛隊米軍指揮下に入ることにより日米が一体化するということはないものと考えてございます。
  371. 照屋寛徳

    ○照屋委員 火曜日の当委員会質問で、レクも済んでおりましたが、時間の関係大臣質問できませんでした。その点についてお尋ねをしたいと思います。  防衛省は、普天間飛行場周辺の騒音コンター見直しを行わない方針のようです。現状の普天間飛行場周辺における防音工事対象、第一種区域が指定されたのは一九八三年九月のことであり、それ以降、一度も更新されておりません。  一方で、普天間飛行場の運用形態は、二〇一二年からMV22オスプレイ二十四機が配備され、外来機の飛来も増加するなど、当時と比べて大きく変化をしております。  普天間飛行場周辺地域における殺人的爆音が激化している中で、宜野湾市当局や多くの周辺住民が騒音コンターの見直し、拡大を強く求めております。沖縄の基地負担軽減のためにできることは何でもやるというのが安倍内閣の基本姿勢であるならば、一刻も早く騒音コンター見直しに着手をし、少なくとも普天間飛行場の運用停止が実現されるまでの間は、対象区域を拡大して、周辺住民の要求に応えるべきではありませんか。大臣の見解を伺います。
  372. 深山延暁

    ○深山政府参考人 騒音のお尋ねでございますが、まず私から現状を御報告申し上げたいと思います。  普天間飛行場につきましては、これまでも、一日も早い移設、返還の実現に向けて取り組んできておるところでございます。  こうした中で、二十六年八月には、KC130十五機全機が岩国飛行場へ移駐をいたしました。また、オスプレイの訓練につきましても、県外での訓練ということを着実に進めているなどの取り組みを行っております。  また、この普天間飛行場周辺の騒音状況につきましては、昭和六十年以降、航空機騒音自動測定装置を設置いたしまして、その把握に努めておりますけれども、六十年当時、設置した当時と比べますと、年によって、御指摘のとおり、その間で増減はありますが、当時に比べますとおおむね減少傾向にあるものと認識いたしているところでございます。  これらの状況を踏まえますと、同飛行場における第一種区域の拡大をするような状況にはなく、防衛省としては、同飛行場の一日も早い移設、返還を実現して沖縄の負担を早期に軽減していくという取り組みを進めていく上で、現在、第一種区域を見直すという方針は持っておりません。  防衛省としては、航空機による騒音の問題が深刻であるということにつきましては我々も十分認識しておりまして、今の騒音の範囲におきましても、住宅防音工事をまだ待っていただいている方等もいらっしゃいます、そうした工事を着実に実施して騒音対策に取り組んでまいりたい、かように考えておるところでございます。
  373. 照屋寛徳

    ○照屋委員 大臣、再三申し上げているように、普天間飛行場や嘉手納飛行場については日米間で騒音防止協定が結ばれているんです。しかし、それが守られない。  そして、最近は、普天間飛行場でオスプレイが夜間訓練、これが日米間で合意された訓練条件が守られずに行われて、夜中、九十デシベルを超える騒音が連続して発生して、市民が非常に困っているんです。  ぜひ、司法の場でも違法だと断罪された騒音の実態をしっかり大臣認識していただいて、しかるべき騒音コンターの見直しをやらないといけないと思いますが、大臣の決意を聞いて、終わりたいと思います。
  374. 山口壯

    山口委員長 では大臣、簡潔にお願いします。
  375. 稲田朋美

    稲田国務大臣 前回も御質問いただき、騒音の問題は周辺住民の方々にとって大変深刻な問題であって、この騒音軽減は重要な課題の一つ認識をしておりますし、航空機の騒音を規制する規制措置について、日米政府は合意をしているところでございます。  また、住宅の防音工事を実施することにより、環境基準が達成された場合と同様の屋内環境を保持するなどの措置も講じているところであります。  今後とも、これらの措置を総合的に実施することなどにより、飛行場周辺の騒音を軽減して周辺住民の方々の負担軽減が図られるよう努力していきたいと考えております。
  376. 照屋寛徳

    ○照屋委員 終わります。
  377. 山口壯

    山口委員長 次回は、来る二十五日火曜日午後二時二十分理事会、午後二時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後三時三十二分散会