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2016-11-11 第192回国会 参議院 本会議 第10号
公式Web版
会議録情報
0
平成
二十八年十一月十一日(金曜日) 午前十時一分
開議
━━━━━━━━━━━━━
○
議事日程
第十号
平成
二十八年十一月十一日 午前十時
開議
第一
独立行政法人石油天然ガス
・
金属鉱物資
源機構法
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
、
衆議院送付
) 第二
独立行政法人鉄道建設
・
運輸施設整備支
援機構法
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
、
衆議院送付
)
━━━━━━━━━━━━━
○本日の
会議
に付した案件 一、
環太平洋パートナーシップ協定
の
締結
につ いて
承認
を求めるの件及び
環太平洋パートナ
ーシップ協定
の
締結
に伴う
関係法律
の
整備
に 関する
法律案
(
趣旨説明
) 以下
議事日程
のとおり ─────・─────
伊達忠一
1
○
議長
(
伊達忠一
君) これより
会議
を開きます。 この際、
日程
に追加して、
環太平洋パートナーシップ協定
の
締結
について
承認
を求めるの件及び
環太平洋パートナーシップ協定
の
締結
に伴う
関係法律
の
整備
に関する
法律案
について、
提出者
から順次
趣旨説明
を求めたいと存じますが、御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
伊達忠一
2
○
議長
(
伊達忠一
君) 御
異議
ないと認めます。
外務大臣岸田文雄
君。 〔
国務大臣岸田文雄
君
登壇
、
拍手
〕
岸田文雄
3
○
国務大臣
(
岸田文雄
君) ただいま
議題
となりました
環太平洋パートナーシップ協定
の
締結
について
承認
を求めるの件につきまして、その
趣旨
を御
説明
申し上げます。
政府
は、
平成
二十五年七月から、この
協定
の
交渉
に参加しました。その結果、本年二月四日にニュージーランドのオークランドにおいて、十二か国の
代表者
によりこの
協定
の
署名
が行われた次第であります。 この
協定
は、物品及びサービスの
貿易
並びに
投資
の
自由化
及び
円滑化
を進めるとともに、
知的財産
、
電子商取引
、
国有企業
、
環境等
、幅広い
分野
で新たな
ルール
を構築するための
法的枠組み
について定めるものであります。 具体的には、
市場アクセス
に関し、
我が国
については
農産品
の重要五
品目
を
中心
に
関税撤廃
の
例外
を数多く
確保
しつつ、
我が国
の
輸出
を支える
工業製品
については、十一か国全体で九九・九%の
品目
の
関税撤廃
を実現します。 また、
原産地規則
、
税関手続
、
ビジネス関係者
の滞在、
知的財産
、
電子商取引等
に関する
ルール
の
整備等
により、
中小企業
を含めた
日本企業
の
海外展開
を促進するものであります。 この
協定
の
締結
により、
アジア太平洋地域
に自由で公正な
一つ
の
経済圏
が
形成
され、
世界
の
GDP
の約四割と約八億人の
人口
から成る
巨大市場
がつくり出されます。 また、多様な
企業
、
産業
間の
連携
やイノベーションが促進され、
我が国
を含めた
アジア太平洋地域
全体の
生産性
が
向上
することが期待されます。 さらに、この
協定
には、
経済的利益
を超えた長期的な
戦略
上の大きな
意義
があります。
我が国
の
同盟国
である
米国
を始め、
価値
を共有する国・
地域
とともに二十一世紀にふさわしい新たな自由、公正で開かれた
国際経済システム
をつくり上げていくことにより、
アジア太平洋地域
の
国々
との
関係
が一層緊密化し、ひいてはこの
地域
の平和と安定に大きく寄与するという
戦略的価値
を有するものであります。 以上が、この
協定
の
締結
について
承認
を求めるの件の
趣旨
でございます。(
拍手
) ─────────────
伊達忠一
4
○
議長
(
伊達忠一
君)
国務大臣石原伸晃
君。 〔
国務大臣石原伸晃
君
登壇
、
拍手
〕
石原伸晃
5
○
国務大臣
(
石原伸晃
君) ただいま
議題
となりました
環太平洋パートナーシップ協定
の
締結
に伴う
関係法律
の
整備
に関する
法律案
につきまして、その
趣旨
を御
説明
申し上げます。 この
法律案
は、
環太平洋パートナーシップ協定
を
締結
し、これを
実施
するため、必要な
関係法律
の
規定
の
整備
を総合的、
一体
的に行うものです。 次に、本
法律案
の要旨を御
説明
申し上げます。 第一に、
関税暫定措置法等
を
改正
し、
原産地手続
及び
セーフガード
に係る
手続等
の
規定
の
整備
を行うこととしております。 第二に、
知的財産
の適切な
保護
を図るため、
著作権法等
を
改正
し、
著作物等
の
保護期間
の
延長等
の
規定
の
整備
を行うこととしております。 第三に、
医薬品
、
医療機器等
の品質、
有効性
及び
安全性
の
確保等
に関する
法律
を
改正
し、
外国
にある
登録認証機関
の
監督等
の
規定
の
整備
を行うこととしております。 第四に、
私的独占
の禁止及び
公正取引
の
確保
に関する
法律
を
改正
し、
競争
上の問題を
合意
により解決するための
制度
に関する
規定
の
整備
を行うこととしております。 第五に、
畜産物
の価格安定に関する
法律等
を
改正
し、牛、豚の
生産者
に係る経営安定を図るための
規定
の
整備等
を行うこととしております。 第六に、
特定農林水産物等
の名称の
保護
に関する
法律
を
改正
し、
国際約束
により諸
外国
と相互に
農林水産物等
の
地理的表示
を
保護
できる
規定
の
整備
を行うこととしております。 このほか、所要の
規定
の
整備
を行うこととしております。 以上が、この
法律案
の
趣旨
です。(
拍手
) ─────────────
伊達忠一
6
○
議長
(
伊達忠一
君) ただいまの
趣旨説明
に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。
福岡資麿
君。 〔
福岡資麿
君
登壇
、
拍手
〕
福岡資麿
7
○
福岡資麿
君
自由民主党
の
福岡資麿
です。
自由民主党
を代表して、ただいま
議題
となりました
環太平洋パートナーシップ協定
の
締結
について
承認
を求めるの件及び
環太平洋パートナーシップ協定
の
締結
に伴う
関係法律
の
整備
に関する
法律案
について
質問
をいたします。
安倍総理
は、
TPP
の
意義
として、
我が国
の
成長戦略
の
切り札
であると同時に、自由、
民主主義
、
基本的人権
、法の
支配
といった
基本的価値
を共有する
国々
が集うという二つを挙げられています。
我が国
の
成長戦略
の
切り札
という観点では、
TPP
は、
人口
八億人、
世界
の
GDP
の四割を占める
市場
を生み出します。これによって、
貿易
の
円滑化
、
生産性
の
向上
、
実質所得
の増加などに大きな
効果
が期待できます。
政府
の試算では、
我が国
の
実質GDP
を十四兆円増やし、雇用を八十万人増やすという予測になっています。 これまでアベノミクスの中では
金融政策
が大きな役割を果たしてきましたが、今後、更に多様な手段が求められる中で、
経済連携協定
が有力なツールの
一つ
となることは間違いありません。
TPP協定
は、
我が国
の
経済成長
にとって欠かせない、言わば
成長戦略
のインフラのような存在になるものだと
考え
ます。
安倍内閣
は、
名目GDP
六百兆円という
目標
を掲げています。
名目GDP
六百兆円という
目標
における
TPP協定
の
意義
についてどのようにお
考え
か、
総理
の御
見解
を伺います。 次に、
基本的価値
を共有する
国々
が集うという
意義
であります。
経済効果
に比べれば、こちらは数字で表すのが難しい
効果
ですが、
経済効果
に勝るとも劣らない
重要性
を持っています。 自由、
民主主義
、
基本的人権
、法の
支配
といった
基本的価値
は、様々な
文化
、宗教、
民族
が入り交じる
グローバル化時代
において、国家や
民族
が平和的に共存するために不可欠の原理です。こうした
ルール
を共有してこそ、互いを尊重し、紛争を未然に防ぐことができます。共通の
価値観
を持ち、
経済
的にも
一体
となった
TPP諸国
が、
アジア太平洋地域
の
ルール作り
を主導し、更に
加盟国
を
拡大
していくことによって、このような
価値観
の普及を促すことができます。 したがって、
TPP協定
の
成立
は現在未
加盟
の
国々
に対しても大きな
影響
を与えるものだと
考え
ますが、
総理
の御
見解
を伺います。
TPP協定
は、
署名
した十二か国のうち六か国以上、かつ二〇一三年の
GDP
で八五%以上となる国が批准しなければ
発効
しません。
発効
のために重要な鍵を握るのは、
最大
の
GDP
を持つ
米国
であります。 そのような中、
米国
の
大統領選挙
で選出された
トランプ次期大統領
は、
TPP
には
反対
の姿勢を見せており、
選挙期間
中に
米国
はこの
協定
から脱退すると述べています。
オバマ大統領
は来年一月までの任期中の
議会承認
を目指していると伺っていますが、
次期大統領
が
トランプ
氏となったことで
年内
の
議会承認
は困難だとの見方もあります。このように
米国
の動向が不透明な中、
我が国
としても積極的に後押しをしていく必要があり、
国会承認
を急ぐこともその一環であります。 そこで、
TPP協定
の
早期発効
に向けて、
日本政府
として今後どのような
努力
を行っていくお
考え
でしょうか。
総理
の御所見を伺います。
TPP協定
において、国内的に最も注目されたのは
農業分野
であります。
交渉
の当初は、様々な
関係者
から
懸念
の声が上がり、我々自民党としても
議論
を重ねてまいりました。そして、我が党の
決議
や
国会決議
を背景とした
政府
の粘り強い
交渉
の結果、いわゆる重要五
品目
を
中心
に
関税撤廃
の
例外
を
確保
することができたことは評価に値すると
考え
ます。
政府
は、コストの削減や
経営安定対策
などで
農家
の
所得
や
国内生産量
は維持されると
説明
しておられますが、それでも、
政府
と各
地域
の間での認識の違い、実際に
現場
に携わる中で足下の不安を感じている
農業者
の
方々
がおられることも事実であります。
政府
においては、引き続き十分な
説明
と
対策
を行っていく必要があると
考え
ます。その点について、
農林水産大臣
に伺います。
TPP交渉
の結果を見ると、
我が国
の
関税撤廃率
は九五%でありますが、他の十一か国はいずれも一〇〇%か九九%です。しかも、
農林水産品
については、
我が国
は
関税
を撤廃しない
品目
が一八%であるのに対し、他の十一か国は対
日関税
を撤廃しない
品目
は一・五%です。 つまり、
我が国
がこれまで
締結
した
経済連携協定
と比べて、非常に高い
レベル
の
完全撤廃
を実現しながら、守るべきところは守るというバランスの取れた
内容
となっています。
関税率
で見れば、
TPP
は
我が国
にとって有利な
内容
となっていると言えます。この有利な条件を生かして
農林水産品
や
工業製品
の更なる
輸出促進
を図っていくことが
TPP発効
後の
重要課題
となります。 そこで、今後の
輸出促進
のための方策として、
政府
としてどのような
支援策
を行っていくお
考え
か、
総理
に伺います。
TPP協定
は、
関税
以外にも様々な
分野
の取決めを行っていますが、その中で特に取り上げたいのは
知的財産分野
です。
政府
が
クールジャパン
の
推進
に一丸となって取り組んでいることからも分かるように、
知的財産分野
は
我が国
にとって貴重な
成長分野
の
一つ
です。 とりわけ、今回、
模倣品
、
海賊版対策
の
強化
が盛り込まれたことは、
我が国企業
の持つ
ブランド
や
技術
の
保護
にとって大きな
メリット
となります。現在、
中小企業
の約二割が
模倣品
による被害を受けている中、
中小
・
中堅企業
を始め優れた
技術
を持つ
我が国企業
が安心して
海外展開
する上で大きな
後ろ盾
となるものです。 また、今回、
TPP協定
に伴う
国内法整備
として、
海賊版
などの悪質な
著作権侵害
について、
権利者
の告訴が要らない、いわゆる非
親告罪
とすることが盛り込まれています。
交渉
の開始当初は、非
親告罪
とする
範囲
が広過ぎれば
同人誌
などの
創作活動
を萎縮させてしまうのではないかといった
批判
もありました。しかし、結果的にはその
範囲
がかなり狭くなり、
海賊版
などの悪質な場合に限ることで、
懸念
はかなり払拭できたのではないかと
考え
ます。
クールジャパン
を積極的に
海外
に展開しながら
海賊版対策
にも取り組む均衡の取れた
内容
です。 そこで、今回の
TPP協定
に伴う
著作権法
の
改正等
の新たな
我が国
の
知的財産戦略
によって、どのような
効果
が期待できるか、
総理
の御
見解
を伺います。 これまでの
議論
の中で、
TPP
に関する
情報開示
が不足しているとの
批判
が度々聞かれました。これまでの
政府
の
説明
を聞くと、可能な限りの
情報
の
提供
に努めていると感じますが、
TPP
の
内容
を
理解
する上で必要な
情報
が
提供
されているのか、この点について、
国民
の皆さんに正しい実態を伝えることが重要だと
考え
ます。 改めて、
政府
のこれまでの
情報提供
の
在り方
について、
石原大臣
にお伺いします。
TPP協定
は、
我が国
にとって歴史的な
協定
であり、
日本
と
EU
のEPAや
東アジア地域
の
RCEP
など、
メガFTA
の先駆けとなる
世界
的にも重要な
協定
でありますから、
協定
の
中身
についての真剣な
議論
が必要です。我々
参議院
は、熟慮の府たる
参議院
らしく、
TPP
の
協定
の
中身
についての充実した
議論
を交わすことを強く呼びかけまして、私の
質問
を終わらせていただきます。 ありがとうございました。(
拍手
) 〔
内閣総理大臣安倍晋
三君
登壇
、
拍手
〕
安倍晋三
8
○
内閣総理大臣
(
安倍晋
三君)
福岡資麿議員
にお答えをいたします。
名目GDP
六百兆円という
目標
における
TPP協定
の
意義
と未
加盟
の
国々
に対する
影響
について
お尋ね
がありました。
TPP
は、自由で公正な
世界
の四割
経済圏
を生み出し、
日本
の
実質GDP
を二・六%押し上げると見込まれています。
日本国内
の
人口減少
を乗り越えて、
日本経済
が中長期的に力強く成長していく基盤となります。
日本再興戦略
二〇一六に位置付けられているとおり、まさに戦後
最大
の
GDP
六百兆円の実現に向けた鍵となる
施策
であります。 現在未
加盟
の
国々
に対しては、
TPP協定
の
成立
は、御
指摘
のとおり大きな
影響
を与えると
考え
られます。
大筋合意
後、韓国、台湾、インドネシア、
タイ等
が
TPP参加
に強い関心を表明しました。
TPP
は
巨大市場
の求心力で、
各国
の
経済改革
の
目標
となり、法の
支配
が及ぶ
範囲
が
拡大
していきます。
基本的価値
を共有する
国々
が
経済
のきずなを深め、更にその輪を広げていくことは、
地域
を安定させる力となります。
TPP協定
の
早期発効
に向けた
取組
について
お尋ね
がありました。
保護主義
は、放っておけば蔓延しやすく、
各国
が
自由貿易
を
推進
し続けることによって食い止めなければなりません。
我が国
が
TPP協定
を
承認
し、自由で公正な
貿易
・
投資ルール
を牽引する
意思
を示せば、
保護主義
の蔓延を食い止める力になります。これは
自由貿易
の下で
経済成長
を遂げた
我が国
の使命であります。
国会
で
協定
が
承認
され、
整備法案
が
成立
することで、
自由貿易
を
推進
し、
TPP協定
の
早期発効
を目指すべきとの立法府も含めた
我が国
の
意思
が明確になります。
我が国
が主導することで、
早期発効
に向けた
機運
を高めていきます。今後、あらゆる機会を捉えて、
米国並び
に他の
署名国
に
国内手続
の
早期
の完了を働きかけていきます。
我が国
が
TPP協定
を
承認
することは、
貿易
、
投資
の
ルール作り
を主導していくという
意思
を
世界
に示すことになります。それは、
日EU経済連携協定
、
RCEP
など、
米国
が参加していない
枠組み
の
交渉
も刺激し、加速していけます。これに取り残されまいとする
機運
を
米国
の中に高めることができます。今後、これらの
交渉
を精力的に進めてまいります。
日本
は受け身で他国の動きを待つのではなく、
国益
に合致する道を自ら進んでまいります。
輸出促進
について
お尋ね
がありました。 おいしくて安全な
日本
の
農林水産物
にとって、
TPP
は
輸出拡大
の大きなチャンスであります。このため、
輸出
一兆円
目標
を一年前倒しして、
平成
三十一年の
達成
を目指すこととするとともに、
目標達成
に向けて、本年五月に
農林水産業
の
輸出力強化戦略
を決定し、民間の意欲的な
取組
を加速化するため多様な
施策
を講じております。 具体的には、需要の掘り起こしに向けたプロモーション、
販路開拓
のための相談や
商談会出展等
への
支援
、物流の
高度化
への
支援
、
輸出先
の
輸入規制
の緩和、
撤廃等
、
輸出環境
の
整備等
に取り組んでいるところです。また、今回の
補正予算
でも、
輸出基地
、
輸出対応型施設
の
整備
や
国際競争力
のある
産地
の
形成
などを
支援
することとしています。 さらに、
TPP
により
関税
が撤廃されることで
工業製品
の
輸出
の
拡大
も期待されます。また、
海外
の
ビジネス環境
を改善する様々な
ルール
が
規定
されていることにより、
企業
が安心して
海外展開
に取り組めるようになります。これは、
日本
の
産業
の裾野を
形成
する
中堅
・
中小企業等
に大きな
メリット
をもたらします。 実際に、
TPP
の
発効
を見据えて既に動き出している地方の
中小企業等
が多数あります。例えば、今年二月に設立した新
輸出大国コンソーシアム
を通じて、これまで
全国
津々浦々の二千社を超える
中堅
・
中小企業等
に
支援
を始めております。 引き続き、
政府一体
となって
農林水産物
の
輸出
一兆円の
目標達成
に向け
全力
で取り組むとともに、
TPP
の
メリット
を活用して
海外展開
を図る
中堅
・
中小企業等
の
支援
に
全力
を挙げて取り組んでまいります。
TPP協定
に
対応
した
知的財産戦略
によって期待される
効果
について
お尋ね
がありました。
TPP協定
により
各国
で
著作権
や商標の
保護
が
強化
され、
日本企業
の
ブランド
や
技術
、
日本
の
コンテンツ
が
知的財産侵害
から守られます。これは
正規品
の
輸出
や
ライセンスビジネス
などの
拡大
につながります。
著作権法
の
改正
を通じて、
著作権
の
侵害
が一部非
親告罪
となることや
著作物等
の
保護期間
が延長されることで中長期的な
著作権収入
が増加し、
我が国
の
文化
や
関連産業
の発展が期待されます。 今後も、
知的財産戦略
の
推進
を通じて、
我が国
の
コンテンツ
や
中小企業
の
海外展開
を後押ししてまいります。 残余の
質問
につきましては、
関係大臣
から答弁させます。(
拍手
) 〔
国務大臣石原伸晃
君
登壇
、
拍手
〕
石原伸晃
9
○
国務大臣
(
石原伸晃
君)
福岡資麿議員
にお答え申し上げます。
情報提供
の
在り方
についての
お尋ね
がございました。
政府
といたしましては、
合意内容
を正確かつ丁寧に
説明
することを通じて、
国民
の
懸念
や不安を払拭するよう
最大限努力
をしてまいりました。
TPP
について
情報開示
をほとんど行っていないような
指摘
をされることもございますので、事実を正確にお伝えしたいと思います。 昨年十月の
大筋合意
の後、
国会
や
全国各地
でおよそ三百回
実施
してきた
説明会等
で、
合意内容
について
情報
を全て
提供
して丁寧に
説明
をしてまいりました。この
過程
において、
協定内容
などに関する
各種資料
、
分野別
や
中小企業向け
の
資料
など累計で四千ページ以上の
資料
を
内閣官房
の
ホームページ
に掲載する形で公表しております。
交渉経緯
の
情報
が一切出ていないとの誤解もございます。
交渉
中は、
情報開示
に関して厳しい制約がある中においても、
交渉
の
現状等
に関しまして
記者ブリーフィング等
でできる限り丁寧に
説明
を行いました。その
内容
も
内閣官房
の
ホームページ
に掲載する形で公表し、およそ五百ページに及びます。 このような多岐にわたる公表された
TPP関連情報
の中から、
国民
が個々必要なものに容易にアクセスできるような
努力
も実は払っております。具体的には、
内閣官房ホームページ
に掲載した
資料
を
事項ごと
に整理をいたしまして、また
TPP
に関するQアンドAを作成、公表いたしました。 今後とも、
国会
の御
審議
に十分応えられるよう、
TPP協定
の各
規定
の
内容
や
趣旨
、
解釈等
について丁寧に
説明
をしてまいります。(
拍手
) 〔
国務大臣山本有二
君
登壇
、
拍手
〕
山本有二
10
○
国務大臣
(
山本有二
君)
福岡資麿議員
の……(発言する者多し)
伊達忠一
11
○
議長
(
伊達忠一
君) 静粛に願います。
山本有二
12
○
国務大臣
(
山本有二
君)(続)
農業分野
における十分な
説明
と
対策
の
実施
についての
お尋ね
がありました。 昨年十一月に取りまとめられました総合的な
TPP関連政策大綱
では、新たな
国際環境
におきましても
生産者
が安心して再
生産
に取り組めますよう、
産地パワーアップ事業
や
畜産クラスター事業
などの
体質強化対策
を集中的に講じるとともに、
協定発効
に合わせて
牛マルキン
、
豚マルキン
の
法制化
や
補填率
の引上げなどの
経営安定対策
の
充実等
を講じることとしております。さらに、
農業者
の
所得向上
を図るため、
生産資材価格
の引下げや農産物の流通・
加工構造
の
改革
などを
内容
とした
競争力強化プログラム
を
年内
を目途に取りまとめることとしております。 このような
TPP対策
につきましては、
交渉
結果と併せまして、これまでも都道府県や市町村、又は
品目別
にきめ細かく
説明
を行ってきたところでございます。今後とも、
農家
の皆様の不安が解消されますよう、
現場
の
方々
への丁寧な
説明
を
実施
してまいりたいと
考え
ております。(
拍手
) ─────────────
伊達忠一
13
○
議長
(
伊達忠一
君)
浜口誠
君。 〔
浜口誠
君
登壇
、
拍手
〕
浜口誠
14
○
浜口誠
君
民進党
・新緑風会の
浜口誠
です。 私は、会派を代表して、
TPP
及び
関係法律
の
整備
に関する
法律案
について
質問
いたします。
衆議院
で
TPP
が
強行採決
されました。
安倍総理
が、結党以来、
強行採決
をしようと
考え
たことはないと
国会
で断言されたにもかかわらず、こうした暴挙に至った
政府
・与党の傲慢な
国会運営
に対し、満身の怒りをもって厳重に抗議しなければなりません。 さて、
米国大統領選挙
で
トランプ
氏が勝利しました。
トランプ
氏は繰り返し
TPP脱退
を表明しており、今回の
選挙
結果で
TPP
を取り巻く
環境
は激変しました。
TPP
が
発効
しない
可能性
が極めて高くなった中で、
日本
だけが何の
軌道修正
もせず
手続
を進めていることは、全く
理解
できません。こうした
常識外れ
の
政府
の
対応
は、COP22まで
パリ協定
を批准、
発効
できなかったことに続く、まさに二度目の外交上の大失態であります。 今、
政府
がやるべきことは、速やかに
予算委員会
を開き、
国民
や
金融マーケット
に対し、
経済
問題や
日米関係
の今後の展望について
政府
としての明確なメッセージを発信していくことだと
考え
ます。
安倍総理
の御見識をお示しください。 私
たち民進党
は、綱領にも定めたとおり、
市場経済
を
基本
とし、持続可能な
経済成長
を実現するために、
TPP
や
日中韓FTA
、
RCEP
などの高い
レベル
の
経済連携
により、将来にわたる
日本
の
経済成長
を更に推し進めていきたいと
考え
ております。
TPP
は、
日本
としてこれまで
経験
のない過去
最大級
の
経済連携協定
であり、その対象は、
農林水産物
や
工業製品
だけではなく、食の安全、安心、
医療
、
医薬品分野
、
政府調達
、
金融
、共済、
知的財産権
など二十四
分野
にも及び、
日本
の
国益
、
国民
の生活や社会に大きな
影響
を与えるものであります。 また、多くの
国民
が、
TPP
は非常に複雑で、
中身
も分かりづらいと感じています。だからこそ
国民
に十分な
情報提供
を行い、どのような
影響
があるのかないのか、
メリット
、デ
メリット
を分かりやすく
説明
し、幅広い
国民
的な
議論
を通じて、しっかりと時間を掛けて
合意形成
を図ることが最も重要です。 しかし、これまでの
審議
を振り返ったとき、
政府
の
対応
は
国民
に対して正直だったと言えるでしょうか。
参加国
間での
秘密保持契約
があるとはいえ、
交渉過程
が記載された
資料
が
のり弁
とやゆされるほどの
黒塗り一色
であったこと、また、
SBS米
の
調整金
に対する
調査
が不十分かつ曖昧な
内容
だったことはその
典型例
であります。これら一連の
政府
の不誠実な
対応
に、
国民
は強い
不信感
を感じています。
国民
に正直でなければ、
TPP
に対する
国民
の信頼と
納得
は生まれません。
総理
は、
国会審議
を通じて
国民
への
説明責任
を果たしていきたいと述べられましたが、NHKと共同通信が直近に
実施
した
世論調査
では、
TPP
を今
国会
で
承認
すべきかの賛否について、賛成は一九%、
反対
は一七%に対し、どちらとも言えないとの回答は五二%にも上りました。さらには、約八割が
TPP
の
承認
に慎重な
審議
を求めており、
国民
の多くはいまだ
TPP
に対する
理解
が深まっておらず、
早期
の
結論
を望んではいないのです。
政府
は、昨年十月の
大筋合意
後、
説明会
は三百回以上
実施
、公表した
資料
は四千ページにも及ぶと
説明
していますが、こうした
取組
は
国民
の
理解
と
納得
が進んでいなければ何の意味もありません。 私は、
労働組合役員時代
に
賃金制度
の見直しなどに取り組んだ
経験
があります。一
企業労使
の事例ですが、会社との
論議状況
や新しい
賃金制度
の
内容
などを何度も
組合員
に
説明
し、様々な意見もいただきながら、
組合員
への
理解
と
納得
を得るためには一年半を超える時間と
議論
を要しました。 翻って、
TPP
に関する
衆議院
での
議論
は約半年であります。他の
参加国
は、急がず時間を掛けてじっくり
議論
している
状況
にもかかわらず、
日本
だけが、
国民
の
理解
や
合意形成
が不十分な中で、なぜ
早期
に
結論
を出すことが必要なのでしょうか。
安倍総理
、
国民
に
納得
のいく必要性を
説明
してください。 次に、国内
産業
に関して、
石原大臣
に伺います。 自動車部品の
米国
への
輸出
については、一部の部品で
関税撤廃
までに十年を超える長い期間のものもありますが、八割以上の部品で即時
関税撤廃
となり、米韓FTAを上回る水準になっていること、また、
原産地規則
の統一化、労働
分野
でのILO中核的労働基準の明記、
知的財産権
の
保護
、輸入
手続
の簡素化が全ての
参加国
で共通化されること、こうした点については率直に評価したいと思います。 一方、
政府
は、
TPP
は
中小企業
にとっても大きな
メリット
が及ぶとしていますが、ジェトロの
調査
によると、FTA利用率は大
企業
は五〇%を超えていますが、
中小企業
は三三%程度にとどまっています。
中小企業
のFTA活用を更に進めていくための具体的な方策をお答えください。 また、新たに採用される原
産地
証明の自己証明
制度
ですが、各事業者が機動的に証明を作成できる利点がある一方で、自己証明作成に慣れていない
中小企業
が困ることが予想されます。
関係
書類の作成が
中小企業
にとって過度な負担とならないような
支援
や工夫が必要ではないでしょうか。答弁をお願いします。 また、
米国
への完成車
輸出
は、乗用車、キャブシャシーは十四年間
関税
据置き、二十五年目で撤廃、トラックは二十九年間
関税
据置き、三十年目に撤廃など、
関税撤廃
までの期間が非常に長くなっています。自動車
産業
は、地
産地
消のスタンスの下、現地
生産
を
拡大
していますが、国内の雇用維持のためには、国内販売の活性化と併せ、国内
生産
は年間一千万台
レベル
が必要です。昨今、少子化や個人消費の低迷、また、自動車ユーザーに対する自動車
関係
諸税の重い税負担が続く中で、国内販売は年間五百万台を割り込み、大変厳しい
状況
です。 こうした中で乗用車等の
関税撤廃
までの期間が非常に長くなったことは、
輸出
台数に
影響
し、国内の
生産
台数の
確保
や雇用維持の観点からは課題を残したと
考え
ます。日
EU
・EPA、
日中韓FTA
等では、今回の長い
関税撤廃
を前提としない、このことを約束してください。答弁をお願いします。 また、
投資
家と国との間の紛争解決
手続
であるISDSについて伺います。
政府
は、これまで結んできた三十三のEPAや
投資
協定
にもISDSは含まれており、
日本
は一度も提訴されていないこと、提訴までのハードルが上がっていることなどから、
懸念
はないと
説明
しています。絶対に
日本
としてリスクはないのでしょうか。 二〇一五年末までにISDSに基づく国際仲裁は累計六百九十六件あり、このうち
米国
企業
、
投資
家が原告となっているものは百三十八件と断トツに多いのも事実です。
国会
での参考人質疑でも、訴訟大国
米国
とのISDSに対して
懸念
する声が多くありました。こうした不安視する意見に対して、
石原大臣
の御所見をお伺いします。 次に、農業重要五
品目
についてお伺いします。
国会決議
では、八項目ある
決議
の一番目に重要五
品目
の
決議
が書かれており、その位置付けの重さが伝わってきます。
決議
には、重要五
品目
は、再
生産
可能となるよう除外、再協議の対象とし、十年を超える段階的な
関税撤廃
も認めないとなっています。 この
決議
は、与野党問わず、
農林水産業
関係者
の強い思いを受けて、まさに魂を込めて作られたものです。この重い
国会決議
がある中で、重要五
品目
の五百九十四タリフラインのうち、なぜ百七十タリフラインで
関税
を撤廃したのか。
政府
は
国会決議
は守られたと
説明
していますが、本当にそうでしょうか。 例えば、牛肉の輸入急増を防ぐための
セーフガード
。
政府
は現行
制度
に比べて発動しやすいと答弁していますが、
関税
が段階的に引き下げられる
過程
における
セーフガード
の
有効性
について何ら
説明
をしていません。さらに、十六年目以降は、四年連続発動がなければ
セーフガード
は廃止され、まさにノーガード状態になります。 また、畜産
農家
への経営
支援
制度
、通称マルキンの財源は
関税
収入ですが、
TPP
によって牛肉
関税
収入は約六百八十億円減少すると推計されており、畜産
農家
は、今後の
市場
価格の下落に加え、
支援
金が減少するのではないかとの大きな不安を抱えています。このような状態で、再
生産
可能を求めた
国会決議
に反していないと本当に言えますか。
安倍総理
の明確な答弁を求めます。 また、
SBS米
調整金
の
調査
に関してお伺いします。 農水省の
調査
では、これまで千七百を超える
SBS米
取引の全容が明らかになっていません。さらに、四十二の買受け業者が金銭のやり取りが過去又は現在あると回答しているのに、実需者への販売価格については二業者だけの
状況
しか把握できていませんが、
政府
は
SBS米
の販売価格に
影響
がなかったと強弁しています。 この曖昧で不十分な
調査
内容
では、農業
関係者
を始め、
国民
の
SBS米
の
調整金
に対する
不信感
を払拭することは全くできません。農水大臣に再
調査
することを強く求めます。答弁をお願いします。 次に、
医薬品
の
知的財産
保護
についてお伺いします。
TPP
では、
医薬品
承認
のための試験、審査によって特許権による利益を得られなかった期間を勘案し、特許期間の延長を認める特許期間延長
制度
、新薬のデータ
保護期間
に係る
ルール
の構築、ジェネリック薬の
承認
審査時に特許権の
侵害
を考慮する仕組みである特許リンケージ
制度
の三つが導入されます。また、
医薬品
の特許は、成分が同じでも、用法、用量等を変えることで新薬として特許申請するエバーグリーニングによって特許権が延長される
可能性
もあります。 こうしたことにより、新薬価格の高止まり、安価なジェネリック薬の普及の遅れが
懸念
され、国内では患者負担の増加や
医療
保険財政への
影響
、さらには新興国等への安価な
医薬品
普及にも大きな障害になると危惧されています。こうした不安の声に対して、塩崎大臣の御所見をお伺いします。 次に、食の安全に関してお伺いします。 食の安全は、
国民
の健康と生命を守るためには必要不可欠なものです。これまでも、輸入食品に対しては、コーデックス基準など国際的な規格や基準に沿うように残留基準など独自の安全基準を定め、
国民
の食の安全を
確保
してきました。一方で、肥育ホルモンや飼料添加物等については、
日本
での使用は禁止、輸入食品への使用は認めているというダブルスタンダードが存在しています。消費者としては、現状でもこうした落とし穴があることに不安を感じます。 今後、輸入食品が増加する中、輸入食品に含まれる肥育ホルモン等に対する
日本
独自の安全基準
強化
や消費者目線の実効性ある遺伝子組換え等の食品表示の
拡大
強化
が必要と
考え
ますが、
TPP発効
により食の安全への
影響
は絶対にないと約束できますか。松本大臣の答弁を求めます。 最後に、外交
交渉
において一〇〇、ゼロの
交渉
結果はあり得ません。だからこそ、私
たち民進党
は、
TPP
の全体像や
国民
への
メリット
、デ
メリット
両面を明確にしていきます。
伊達忠一
15
○
議長
(
伊達忠一
君) 浜口君、時間が超過しております。簡単に願います。
浜口誠
16
○
浜口誠
君(続) そして、
総理
が国家百年の計と言われている今回の
TPP
が、将来、
我が国
と
国民
に禍根を残すことのないよう、
国民
目線で徹底的にとことん
審議
していくことを約束し、私の
質問
を終わります。 ありがとうございました。(
拍手
) 〔
内閣総理大臣安倍晋
三君
登壇
、
拍手
〕
安倍晋三
17
○
内閣総理大臣
(
安倍晋
三君)
浜口誠
議員にお答えをいたします。
米国大統領選挙
の結果を踏まえた
取組
について
お尋ね
がありました。
トランプ
次期政権の方針について現時点で予断を持ってコメントすることは差し控えさせていただきたいと思いますが、
日米関係
については、外交・安全保障の
関係
においても
経済
関係
においても基軸となるものであります。
世界
の
経済成長
の
中心
である
アジア太平洋地域
の平和と安定に向けて日米同盟を一層強固なものとしていくことは、昨日、
トランプ次期大統領
とも確認し合ったところであります。
パリ協定
については、
政府
は、
早期発効
を重視する立場から、
年内
発効
という
目標
を掲げるG7伊勢志摩サミットの首脳宣言を
議長
国として取りまとめ、可能な限り迅速なタイミングでの
国会
での
承認
をいただくべく調整した結果、十月十一日に閣議決定を行いました。
保護主義
は放っておけば蔓延しやすく、
各国
が
自由貿易
を
推進
し続けることによって食い止めなければなりません。
我が国
が
TPP協定
を
承認
し、自由で公正な
貿易
・
投資ルール
を牽引する
意思
を示せば、
保護主義
の蔓延を食い止める力になります。これは、
自由貿易
の下で
経済成長
を遂げた
我が国
の使命でもあります。
国会
で
協定
が
承認
され、
整備法案
が
成立
することで、
自由貿易
を
推進
し、
TPP協定
の
早期発効
を目指すべきとの立法府も含めた
我が国
の
意思
が明確になります。
我が国
が主導することで
早期発効
に向けた
機運
を高めていきます。 今後、あらゆる機会を捉えて、
米国並び
に他の
署名国
に
国内手続
の
早期
の完了を働きかけてまいります。
日本
は、受け身で他国の動きを待つのではなく、
国益
に合致する道を自ら進んでいきます。なお、
国会
における
審議
の進め方については
国会
の御判断に従うべきものと
考え
ております。
協定
についての
国民
への
説明
について
お尋ね
がありました。 一部の
世論調査
において、
TPP協定
について慎重に
審議
すべきという回答が多いものがあることは承知していますが、各種
世論調査
において、
協定
の今
国会
での
承認
について賛成の方が
反対
より多いという結果が出ていると認識しています。 昨年十月の
大筋合意
以降、
国民
の間に不安や
懸念
の声があったことから、約三百回
実施
してきた
説明会
やこれまでの
国会審議
の場等で、
合意内容
に関しては
情報
を全て
提供
して丁寧に
説明
をしてきています。この
過程
において、
政府
は合計で約四千ページ以上に及ぶ
資料
を公表しています。
TPP交渉
は
合意
された結果が全てであります。いわゆる黒塗りと言われている
資料
は
交渉過程
に関するものであって、その
内容
いかんが
TPP協定
そのものの是非に
影響
を与えるものではないと
考え
ています。
SBS米
をめぐる
調整金
の問題については、SBS入札日の前後の月で、公表されている国産米の相対取引価格はほとんど変動していないことが確認されています。この問題は、
制度
に対する信頼を損なうことのないよう丁寧に
説明
していきますが、
TPP協定
の是非とは別個の問題であります。
国会
における
審議
の進め方については、
国会
の御判断に従うべきものと
考え
ています。
政府
としては、分かりやすく丁寧な
説明
に努めていきます。その上で、熟議の後に、決めるべきときは決めなければならない、それが
民主主義
の
ルール
であると
考え
ています。 重要五
品目
と
国会決議
との
関係
について
お尋ね
がありました。
関税撤廃
が原則という
TPP
の
交渉
の中で、特に
農業分野
について
国会決議
を
後ろ盾
に粘り強く
交渉
を行いました。その結果、重要五
品目
を
中心
に
関税撤廃
の
例外
をしっかり
確保
し、
関税
割当てや
セーフガード
等の措置を
確保
しました。また、
関税撤廃
する百七十のタリフライン、すなわち
関税
が課せられる
品目
の単位については、個別に
中身
をしっかり精査し、国産品との代替性が低いなど
品目
全体として
影響
が出ないものを選定いたしました。 重要五
品目
の
一つ
である牛肉については、
関税撤廃
を回避し、十六年目に
関税
が九%になるという長期の
関税
削減期間を
確保
しました。また、アジア
地域
を
中心
に
我が国
以外の牛肉需要が急激に伸びる中、他の牛肉輸入国との買い付け
競争
が激しくなる
可能性
も踏まえると、当面牛肉の輸入急増は見込み難いと
考え
られます。 その上で、万が一輸入が急増するような事態が生じることに備えて、厳しい
交渉
の結果、
セーフガード
措置を獲得しました。これについては、初年度の発動水準が近年の輸入量の約一割増となっており、前年比一七%の牛肉輸入増で発動する現行
制度
に比べ発動しやすくなっていること、
関税
削減期間中の発動基準数量が過去
最大
の牛肉輸入量である七十三・八万トン以下の水準に抑えられていることから、輸入急増を抑制する
効果
は十分にあると
考え
ています。 他方、牛肉の
セーフガード
は、
協定発効
後十六年目以降、四年連続で発動がなければ廃止されることになります。このため、
交渉
で得られた措置に加え、総合的な
TPP関連政策大綱
に基づき、省力化機械の導入によるコスト削減等の肉用牛
生産
の
体質強化対策
を
推進
するとともに、
牛マルキン
について
法制化
した上で
補填率
を引き上げるなど、セーフティーネットの充実
強化
を図ることといたしました。これにより、畜産
農家
が安心して営農を継続できるよう万全を期してまいります。 また、
牛マルキン
に必要な財源については、政策大綱に即し、既存の農林水産予算に支障を来さないよう、
政府
全体で責任を持って毎年の予算編成
過程
で
確保
してまいります。
交渉
結果が
国会決議
に沿っているものかどうかは最終的には
国会
で御
審議
いただくことになりますが、
政府
としては、
国会決議
の
趣旨
に沿っているものと評価していただけると
考え
ております。 残余の
質問
につきましては、
関係大臣
から答弁させます。(
拍手
) 〔
国務大臣石原伸晃
君
登壇
、
拍手
〕
石原伸晃
18
○
国務大臣
(
石原伸晃
君)
浜口誠
議員にお答え申し上げます。 国内
産業
への
影響
などに関する
お尋ね
が四点ございました。 第一に、
中小企業
のFTA活用についてでございます。 これまで様々なリスクを
懸念
して
海外展開
に踏み切れなかった地方の
中堅
・
中小企業
を
支援
するために、既に、分かりやすいQアンドAや
中小企業向け
の
資料
などを用いて
全国各地
の相談窓口で様々な相談に応じておりますほか、製品開発から
販路開拓
に至るまで総合的な
支援
を
提供
するために、ジェトロなどの
支援
機関による新
輸出大国コンソーシアム
を今年二月に設立し、
支援
を開始しております。これまでに二千社を超える事業者に対する
支援
を
全国
津々浦々で開始しております。 二番目でございますが、原
産地
の自己証明
制度
についてです。
TPP協定
で採用された自己証明
制度
には、各事業者が自らが機動的に証明書を作成できるという利点がございます。そこで、自己証明
制度
に慣れていない事業者も
制度
を円滑に利用できるような
支援
が必要でございます。このため、ユーザーに分かりやすい解説書の作成、事業者向けのセミナーの
実施
、
全国
主要都市に常設窓口を設置するなど、事業者の方からの相談に丁寧に応じる体制を
整備
いたしました。このようなきめ細かい
支援
を行っております。 三番目でございますけれども、完成車
輸出
の
関税撤廃
についてでございます。
日本
の自動車メーカーは、消費地に近い場所で完成車を
生産
する地
産地
消が
基本
となっております。
我が国
のメーカーの
生産
実態を踏まえますと、北米での
生産
のために
日本
から
輸出
する自動車部品の
関税
を引き下げることに大きな意味があると存じます。実際に、自動車部品の
関税
は
輸出
総額の八割以上が即時撤廃となり、御
指摘
は当たらないものと
考え
ております。 いずれにいたしましても、いかなる
交渉
においても、完成車の
関税撤廃
を含めて、
国益
にかなう結果を得るべくそれぞれ
全力
で
交渉
することは当然であると
考え
ております。 四点目でございますが、ISDSについてです。
TPP協定
の
投資
の章、第九章でございますが、そこに
規定
されておりますISDSの
手続
は、
投資
受入れ国が正当な目的のために必要かつ合理的な規制措置を差別的でない形で講ずることを妨げるものではないことが確認をされております。このような態様で、形で行われる
我が国
の規制措置がISDS
手続
に基づき提訴されることは
考え
られませんし、また仮に訴えられたといたしましても、
我が国
が敗訴するというようなことは想定されておりません。 むしろ、ISDS
手続
は、
投資
家にとって
海外
の
投資
先の国におけるビジネスへのリスクが軽減できるツールでございます。
投資
したビジネスを行う上での予見
可能性
が
確保
できますことやその法的安定性が
向上
することから、
我が国企業
の
海外展開
に重要な
制度
であると認識をしております。(
拍手
) 〔
国務大臣山本有二
君
登壇
、
拍手
〕
山本有二
19
○
国務大臣
(
山本有二
君) 浜口議員から
SBS米
に関する
調査
についての
お尋ね
がございました。 まず、十月七日に公表いたしました
調査
結果では、事業者ヒアリングの結果、
SBS米
の買受け業者は、輸入業者から金銭を受け取った場合においても国産米の価格水準を見据えながら
SBS米
の販売を行っている実態が確認できました。また、関連データの分析では、SBS入札の時期の前後におきまして国産米の価格はほとんど変動していないことが確認されました。 このように、今回の
調査
では、廃業者や連絡が付かない者を除く全ての事業者からヒアリングを行うとともに、過去の
SBS米
の取引実績といった客観的なデータを基に分析を行ったところでございます。したがいまして、再
調査
をする必要はないものと
考え
ております。(
拍手
) 〔
国務大臣
塩崎恭久君
登壇
、
拍手
〕
塩崎恭久
20
○
国務大臣
(塩崎恭久君)
浜口誠
議員にお答えを申し上げます。
医薬品
の
知的財産
保護
に関する
懸念
について
お尋ね
がございました。
医薬品
の
知的財産
保護
に関して御
指摘
のありました特許期間延長
制度
などの三つの
制度
は、既に
我が国
の特許
制度
や
医薬品
の再審査
制度
において導入済みのものでございます。また、
我が国
の特許
制度
では、成分が同じで用法、用量を変えて新薬として特許申請がなされた場合は、極めて優れた
効果
などが認められるとき以外は特許として認められないものと承知をしております。 したがって、
TPP協定
によって今までよりも
我が国
の
医薬品
の特許期間が延長されることや後発
医薬品
の
承認
時期が遅れることはないため、新薬の薬価が高止まりしたり、後発
医薬品
の普及が遅れたりするといった御
懸念
は当たりません。(
拍手
) 〔
国務大臣
松本純君
登壇
、
拍手
〕
松本純
21
○
国務大臣
(松本純君)
浜口誠
議員にお答えいたします。
TPP協定
の
発効
による食の安全への
影響
について
お尋ね
がありました。 残留基準や表示義務等、新たな国内基準の設定について、
TPP協定
における
ルール
はWTOと
基本
的に同じであり、
我が国
の食品安全を脅かすものではございません。 今後とも、科学的根拠に基づき、必要な措置を適切に
実施
をして
我が国
の食の安全を守るとともに、遺伝子組換え食品の表示を始めとする食品表示
制度
については、消費者にとって食品を自主的かつ合理的に選択する機会の
確保
に資する
制度
となるよう、引き続き消費者への
情報提供
の充実に努めてまいります。(
拍手
) ─────────────
伊達忠一
22
○
議長
(
伊達忠一
君) 佐々木さやか君。 〔佐々木さやか君
登壇
、
拍手
〕
佐々木さやか
23
○佐々木さやか君 公明党の佐々木さやかです。 私は、公明党を代表し、ただいま
議題
となりました
承認
案件及び
法律案
について
質問
いたします。 アメリカ
大統領選挙
の結果、
次期大統領
に共和党候補のドナルド・
トランプ
氏が決まりました。
トランプ
氏は、これまでの
選挙
戦において
TPP
に
反対
姿勢を示してきました。そのため、
TPP発効
が不透明になるのではないかとの見方が広がっています。しかし、
世界
経済
の
拡大
、発展のため、そして
日本
の平和と繁栄のためにも
TPP
は重要であり、そのためにも、
政府
には、アメリカと緊密な
連携
を図るとともに対話を重ねていっていただきたいと思います。 こうした
状況
の中、
日本
が
早期
の
TPP
承認
を行うことにどのような意味があるのかについて、
総理
の御所見を伺います。 総務省が先月発表した二〇一五年十月
実施
の国勢
調査
の確定値によれば、
日本
の総
人口
は
調査
開始以来初めて減少し、六十五歳以上の
人口
も全体の四分の一を超えました。
日本
の
市場
が成熟し、縮小傾向にあることを
考え
れば、新たな
海外
市場
の開拓は、
日本経済
の中長期的な力強い成長のために不可欠と言えます。
TPP
は、
世界
の
GDP
の約四割、三千三百兆円というかつてない規模の
経済圏
をカバーした
経済連携
であり、これにより
人口
八億人という
巨大市場
が創出されます。この巨大な
経済圏
の成長を取り込み、国内の
人口減少
を乗り越え、
我が国
の
経済
再生、地方創生に直結させていくことが極めて重要です。
TPP
は、物の
関税
だけでなく、サービス、
投資
の
自由化
を進め、
知的財産
、
電子商取引
、
国有企業
の規律など、新たな広範にわたる
経済
活動に関する
ルール
を
整備
するものとなっています。また、児童労働、強制労働の禁止、
環境
の
保護
、
中小企業
支援
などについても
規定
されているほか、従来の
経済連携協定
には見られない女性及び
経済成長
という女性に特化した独立した条項が設けられており、
我が国
政府
が重視する全ての女性が輝く社会や一億総活躍社会が目指すものと軌を一にしているとも言えます。 こうした幅広い
分野
で新しい二十一世紀型
ルール
を構築する
TPP協定
を
我が国
が
締結
する
意義
について、
総理
の御所見を伺います。
TPP協定
を
締結
することで、
巨大市場
に向けた大きなチャンスが広がります。それを
我が国
の
経済
再生、
地域
の活力に直結させていくためには、
日本
の
産業
と雇用の
中心
的存在である
中小企業
がそのチャンスを十分に生かすことができる必要があります。
我が国
の製造業を見ても、
中堅
・
中小企業
は事業所数の九九%以上、従業員数の八七%、出荷額においても約七五%を占めています。製造業の売上高の約二割が
輸出
によるものですが、これまでも
締結
済みのEPAを利用して
輸出
してきた
企業
の七割は
中小企業
です。
TPP
は、こうした
中小企業
の更なる
海外展開
を後押しするものとなっています。繊維、陶磁器など、地方
中小企業
に関連する
品目
についても
関税撤廃
を実現しており、
原産地規則
における累積
ルール
の導入、
投資
、サービスの
自由化
など、幅広い
分野
で
中小企業
にとって
メリット
がある
内容
を盛り込んでいます。 こうした
メリット
や活用の方法について
中小企業
が十分に
理解
できるよう、分かりやすく周知、
説明
をしていくことが大切です。更なる広報を行うとともに、
中小企業
による
市場
開拓、事業
拡大
成功率六〇%以上の
目標達成
に向け、これまでよりも更に充実した総合的な
支援
を行っていくことが重要ではないでしょうか。
TPP
担当大臣の答弁を求めます。
TPP
は
日本
の
農林水産業
の大きな転換点となります。将来にわたり、
国民
に安全で高品質な食料を供給するとともに、中山間
地域
、離島などを含む豊かな農山漁村を維持発展させていくためには、
農林水産業
の振興が必要です。
TPP
による農業への
影響
について、
生産者
からはいまだ不安の声が根強くあります。食料自給率の
向上
や農業の多面的機能の
重要性
からは、
TPP協定
発効
後の経営安定に万全を期し、安心の持てる農林水産
施策
を進めていくべきです。 その
一つ
として、今回の
法律案
では、
TPP協定
の
実施
に合わせ、肉用牛肥育と養豚の
経営安定対策
の事業、いわゆる
牛マルキン
、
豚マルキン
の
法制化
を行うこととしています。また、砂糖及びでん粉の価格調整に関する
法律
の
改正
も併せて提出されていますが、これらの
趣旨
と期待される
効果
について、
農林水産大臣
に伺います。
TPP
を活用し、
日本
の高品質な
農林水産物
を
世界
の消費者に届けることは、それを作る
生産者
のやりがいと希望に結び付きます。 これまでも、HACCPやグローバルギャップなど、
海外
で通用する品質保証を取得して大きく
輸出
を伸ばしてきた先進的な
産地
がありました。好事例を広めていくとともに、
輸出先
国の
市場
調査
を踏まえた
全国
的な体制を
整備
していくべきです。 また、高齢化や担い手不足が問題とされる中で、若者が希望を持って
農林水産業
に取り組めるようにしていくことが大切です。将来にわたる
日本
の
農林水産業
の発展のためにも、新規就農
支援
、経営力
強化
、
輸出
や高付加
価値
化など、希望の持てる農林水産政策を進めていくべきと
考え
ますが、特にこれからを担う人材の育成をどう行っていくのか、
総理
の答弁を求めます。 消費者の側から見ると、
TPP
は消費の選択肢を増やすものであり、域内の様々な商品を安く手軽に安心して入手することができることになります。
TPP
によって輸入品が増えたとしても、
日本
に入ってくるものについてはその
安全性
をしっかりと
確保
することが大前提です。また、選択肢が増える分、商品の品質や原
産地
などについてより分かりやすく
情報提供
していくことが重要です。 そこで、
TPP
により、食の安全、安心を守る
日本
の衛生植物検疫措置や食品表示などの
制度
に変更が生じるのか確認するとともに、加工品の原料原
産地
表示や遺伝子組換え作物の表示など、消費者への
情報提供
をどう充実させていくのか、
総理
の答弁を求めます。
TPP
は、商標、
地理的表示
、特許、
著作権
などの
知的財産
についても
ルール
を定めています。
知的財産権
の
保護
と利用の
レベル
がこれまで必ずしも高いとは言えなかった域内の国においても、
我が国
の
企業
などが権利を生かした事業展開を行う
環境
が
整備
されます。 本
法律案
では、
知的財産
について、
TPP協定
の
実施
に伴い必要となる
改正
も盛り込まれています。
著作権
の
保護期間
を著作者の死後五十年から七十年に延長する
改正
については、権利の
保護
が
強化
され、
我が国
の
産業
にも有益との期待の声がある一方で、
権利者
不明の孤児
著作物等
の増加も予想されます。
TPP
を契機として、権利の
保護
とともに
著作物等
の利用の一層の
円滑化
を図り、
我が国
の
文化
の発展、イノベーションの創出に結び付く
知的財産
の活用を進めていくためにも、孤児
著作物等
の円滑な利用をどう
確保
するのか、文部科学大臣の答弁を求めます。 最後に、
政府
においては、以上に述べたような
TPP
の
メリット
を
国民
に分かりやすく伝えるとともに、不安の声には引き続き丁寧な
対応
を行い、着実に国内
対策
を実行していくことを求め、私の
質問
を終わります。(
拍手
) 〔
内閣総理大臣安倍晋
三君
登壇
、
拍手
〕
安倍晋三
24
○
内閣総理大臣
(
安倍晋
三君) 佐々木さやか議員にお答えをいたします。
TPP協定
の
早期
承認
の
意義
について
お尋ね
がありました。
保護主義
は放っておけば蔓延しやすく、
各国
が
自由貿易
を
推進
し続けることによって食い止めなければなりません。
我が国
が
TPP協定
を
承認
し、自由で公正な
貿易
・
投資ルール
を牽引する
意思
を示せば、
保護主義
の蔓延を食い止める力になります。これは、
自由貿易
の下で
経済成長
を遂げた
我が国
の使命でもあります。
国会
で
協定
が
承認
され、
整備法案
が
成立
することで、
自由貿易
を
推進
し、
TPP協定
の
早期発効
を目指すべきとの立法府も含めた
我が国
の
意思
が明確になります。
我が国
が主導することで、
早期発効
に向けた
機運
を高めていきます。今後、あらゆる機会を捉えて、
米国並び
に他の
署名国
に
国内手続
の
早期
の完了を働きかけてまいります。
我が国
が
TPP協定
を
承認
することは、
貿易
、
投資
の
ルール作り
を主導していくという
意思
を
世界
に示すことになります。それは、
日EU経済連携協定
、
RCEP
など、
米国
が参加していない
枠組み
の
交渉
も刺激し、加速します。これに取り残されまいとする
機運
を
米国
の中に高めることができると
考え
ます。 二十一世紀型
ルール
を構築する
TPP協定
締結
の
意義
について
お尋ね
がありました。
TPP
は、自由で公正な
世界
の四割
経済圏
を生み出します。
日本経済
が国内の
人口減少
を乗り越えて、中長期的に力強く成長していく基礎となります。
TPP
は、自由、
民主主義
、人権、法の
支配
といった
基本的価値
を共有する
国々
とともに、新たな自由、公正で開かれた
国際経済システム
をつくり上げ、
経済
面での法の
支配
を抜本的に
強化
するものであります。御
指摘
のように、児童労働に関する規律や女性の活躍が
経済
開発に寄与することを認め、それに向けた
各国
の協力を促す条項が設けられるなど、これまでの
経済連携協定
に比べ、広範かつ高い
レベル
の
ルール
を定めています。
TPP
によって新たに作られる
ルール
は、
TPP
にとどまらず、
日EU経済連携協定
、
RCEP
などにおけるモデルとなります。幅広い
分野
で新しい二十一世紀型
ルール
を構築する
TPP協定
を
締結
することは、
我が国
が自由で公正な
貿易
・
投資ルール
を牽引する
意思
を
世界
に示すことになります。 希望の持てる農林水産政策について
お尋ね
がありました。
我が国
の農業については、農業従事者の平均年齢が六十六歳を超えているなど、その活性化は待ったなしの課題であります。
安倍内閣
では、農業の成長
産業
化の実現に向け、農政全般にわたる抜本的な
改革
を進めてまいりました。これにより、四十代以下の新規就農者が年間二万人を超え、この九年間で最も多くなりました。 そして
TPP
、アジア太平洋に巨大な
経済圏
が生まれることは、
日本
の
農林水産業
にとって大きなチャンスです。おいしくて安全な
農林水産物
の
輸出
を始め、このチャンスを生かそうとする意欲のある農林漁業者の
取組
を、あらゆる政策を動員して力強く後押ししてまいります。 総合的な
TPP関連政策大綱
に基づき、攻めの
農林水産業
への転換に必要な体質
強化
策を講じてまいります。具体的には、HACCPやグローバルギャップなどの国際的な認証取得の
推進
、
輸出先
のニーズを把握、開拓し、国内
産地
に迅速につなげる
輸出
サポート体制の構築、六次
産業
化の
推進
による付加
価値
の
向上
などに取り組んでまいります。 さらに、人材の育成については、青年就農者に対する給付金の給付や青年を雇用する農業法人への
支援
に加え、
農業者
が体系的に経営を学ぶことができる場である農業経営塾の充実について、与党とも
連携
して検討を進めております。 これらの
施策
を総合的に展開し、若者が希望を持って取り組める
農林水産業
を実現してまいります。夢や情熱を持って
農林水産業
の未来に挑戦する
方々
を
全力
で応援してまいります。 食品安全について
お尋ね
がありました。 消費者の健康を守るため、国産品であれ輸入品であれ、
安全性
が
確保
されたものでなければ流通は許されません。これは食品行政上の大原則であり、今後もこの原則を堅持してまいります。
TPP協定
により、食の安全、安心を守る
我が国
の衛生植物検疫措置や食品表示などの
制度
に変更が生じることはありません。食品表示
制度
については、原料原
産地
表示を全ての加工食品に導入し、実行可能な表示方法の仕組みを
整備
する検討を進めており、遺伝子組換え食品の表示については
制度
の見直しに必要な
調査
を
実施
しています。 消費者にとって食品を自主的かつ合理的に選択する機会の
確保
に資する
制度
となるよう、引き続き消費者への
情報提供
の充実に努めてまいります。 残余の
質問
につきましては、
関係大臣
から答弁させます。(
拍手
) 〔
国務大臣石原伸晃
君
登壇
、
拍手
〕
石原伸晃
25
○
国務大臣
(
石原伸晃
君) 佐々木さやか議員にお答えを申し上げます。
中小企業
に対する
支援
についての
お尋ね
がございました。
TPP協定
は、
世界
の
GDP
のおよそ四割、
人口
八億人という
巨大市場
をつくり出し、自由で公正な共通の
ルール
に基づく
一つ
の
経済圏
を構築いたします。これまで様々なリスクを
懸念
して
海外展開
に踏み切れなかった地方の
中堅
・
中小企業
にとっても、オープンな
世界
へ果敢に踏み出す大きなチャンスがもたらされると認識をしております。 こうした
中堅
・
中小企業
を
支援
するために、既に分かりやすいQアンドA、
中小企業向け
の
資料
などを用いて、
全国各地
の相談窓口で様々な相談に応じているほか、製品開発から販路の開拓に至るまで、総合的な
支援
を
提供
するためのジェトロなどの
支援
機関によります新
輸出大国コンソーシアム
を今年の二月に設立をいたしました。 実際、
TPP
の
発効
を見据えて既に多くの
中小企業
が動き出していると思います。新
輸出大国コンソーシアム
においては、これまで二千社を超える事業者に対する
支援
を
全国
津々浦々で開始をしております。また、
TPP
は、
輸出
する大
企業
や
中小企業
だけではなく、そこから受注を受けております
中小企業
にも
メリット
がありますので、そうした動きも
支援
していくことが重要であると
考え
ております。 今後とも、総合的な
TPP関連政策大綱
で示した各種政策を一層進め、
政府
一丸となって、
中小企業
が
TPP
の
メリット
を活用できるよう
支援
してまいります。(
拍手
) 〔
国務大臣山本有二
君
登壇
、
拍手
〕
山本有二
26
○
国務大臣
(
山本有二
君) 佐々木議員の御
質問
にお答えいたします。
TPP協定
の
実施
に伴う
畜産物
や砂糖に関する法
改正
の
趣旨
と
効果
について
お尋ね
がありました。 牛肉及び豚肉につきましては、
TPP協定
の
発効
によって仮に国内産牛肉や豚肉価格の低下が生じた場合にも、経営の安定を図る観点から、現行、予算事業として
実施
している牛・
豚マルキン
につきまして、
畜産物
の価格安定に関する
法律
を
改正
し、
法制化
した上で、農林水産省令で補填割合を八割から九割に引き上げるとともに、
豚マルキン
の国庫負担水準を、国一、
生産者
一から、国三、
生産者
一に引き上げることとしております。 また、砂糖につきましては、今般の
TPP協定
により、糖価調整
制度
は現行どおり維持できたものの、加糖調製品について
関税
割当てを新たに設定したことで競合する砂糖の輸入量が減少して、輸入糖からの
調整金
収入の減少をもたらし、
生産者
に対する
支援
に
影響
が生じることが
懸念
されることから、加糖調製品につきましても
調整金
の対象といたしまして、これを財源として国内で
生産
される砂糖の価格を引き下げることによりまして、
競争
力を
強化
し、糖価調整
制度
を安定的なものとするために、砂糖及びでん粉の価格調整に関する
法律
を
改正
することとしております。 これらの措置を講ずることによりまして、
TPP協定
の
影響
による
生産者
の
懸念
を払拭し、
生産者
が安心して再
生産
に取り組んでいただけるものと
考え
ております。(
拍手
) 〔
国務大臣
松野博一君
登壇
、
拍手
〕
松野博一
27
○
国務大臣
(松野博一君) 佐々木議員から、
権利者
不明著作物の円滑な利用について
お尋ね
がありました。
TPP協定
による権利
保護
の
強化
に加えて、
権利者
不明著作物を含めた
著作物等
の利用
円滑化
を図ることは、
我が国
の
文化
の発展のため重要な課題であると認識をしております。
権利者
不明の著作物については、
著作権法
による裁定
制度
があり、
権利者
を捜索しても連絡が取れない場合には、
文化
庁長官の裁定を受けて補償金を供託することにより、適法に著作物を利用することができます。 これまで、この裁定
制度
については、より簡便に裁定を受けられるよう、
権利者
捜索に係る要件を緩和するなどの改善を行ってまいりました。さらに、今年度は、
権利者
団体の協力を得て
権利者
の捜索に係る負担を軽減する方策や、補償金の供託義務の見直しについて検討を行っています。 今後とも、裁定
制度
の改善を通じて、
権利者
不明著作物の円滑な利用の
確保
に努めてまいります。(
拍手
) ─────────────
伊達忠一
28
○
議長
(
伊達忠一
君) 紙智子君。 〔紙智子君
登壇
、
拍手
〕
紙智子
29
○紙智子君
日本
共産党の紙智子です。
日本
共産党を代表し、
環太平洋パートナーシップ協定
及び関連法案について、
安倍総理
に
質問
いたします。
TPP協定
と関連法案は、衆院の特別委員会において
強行採決
が行われました。
国会審議
を損なわせた
最大
の要因は、言うまでもなく山本農水大臣による二度にわたる暴言でしたが、
政府
・与党はその打開策を示さないまま、昨日、衆院の強行突破に走りました。その暴挙に対し、怒りを込めて抗議するものです。 しかも、その採決は、アメリカ
大統領選挙
において
トランプ
氏の当選が決まった下で行われました。
トランプ
氏は
TPP
について、最悪の
協定
だ、大統領の就任初日に離脱すると表明してきました。共和党の議会指導部は
TPP
について、
年内
の議会には提出しないと表明しました。アメリカ抜きに
TPP
は
発効
しません。他の
参加国
も
TPP
の国内
承認
手続
を見合わせる動きになっています。
安倍内閣
は、アメリカの批准を後押しするためとか、
日本
が
TPP
をリードするためなどと言い、
国会審議
を急いできましたが、今や当のアメリカが離脱の方向に動いているのですから、
審議
を進める前提が崩れているのではありませんか。 私たちは
TPP
承認
案、関連法案を廃案にすべきという立場ですが、少なくとも、
政府
・与党としても
トランプ
政権の
TPP
に対する方針を見極めることを最優先すべきではありませんか。
TPP
反対
は
トランプ
氏の個人的
見解
ではなく、クリントン候補も
反対
を表明していたように、アメリカ
国民
の多数の声です。その背景には、一九九四年に
発効
したアメリカ、カナダ、メキシコの三か国間の
自由貿易
協定
である北米
自由貿易
協定
、NAFTAによる苦い
経験
があるのです。 ニューヨーク市長のビル・デブラシオさんは、
TPP
に
反対
する理由を、NAFTAがどれだけひどいものだったか見てきているからだ、アメリカの百万単位で雇用が失われ、ここニューヨークでも何万という職が
海外
に持っていかれた、同じ過ちを繰り返してはならないと言っています。
EU
、欧州連合とアメリカの
自由貿易
協定
で、欧米版の
TPP
と言われる環大西洋
貿易
投資
連携
協定
、TTIPも、フランス、ドイツ、オランダ、ベルギーなどの
国民
の
反対
によって
交渉
が暗礁に乗り上げています。多国籍
企業
の利益のために農業が破壊され、食の安全、
環境
、雇用が脅かされるという
懸念
が増大しました。ISDSによる
各国
の
経済
主権の
侵害
も心配されています。
総理
や官房長官は、
各国
の
自由貿易
反対
の動きに対し
保護主義
だとレッテルを貼ってきました。ところが、今の
自由貿易
は、九〇年代までの
自由貿易
とは違い、グローバル化が進展する下で多国籍
企業
のもうけを
最大
化するための
自由貿易
となっています。
各国
で格差と貧困を広げ、
国民
の利害を損なっています。
自由貿易
を取るのか
保護主義
を取るのかという単純な話ではなく、多国籍
企業
の横暴から
各国
の
国民
の命と暮らしを守る重大な闘いになっているのです。だから、アメリカでもヨーロッパでも
日本
でも大きな
国民
の
反対
運動が起きているのではないですか。
総理
の認識を伺います。
各国
でも
日本
でも
国民
の反発が広がっている
自由貿易
協定
、
TPP
を
成長戦略
の要として掲げること自体おかしいのではありませんか。 その
内容
は、
国民
の暮らしと健康、
地域
経済
に深刻な
影響
を与えるものであることが明らかです。 まず、
農業分野
です。農産物の重要五項目について
関税撤廃
の対象から除外する
規定
がありません。重要五項目のうち三割で
関税
が撤廃され、残り七割も無傷なものはないことを
政府
は認めました。
日本
は農産物
輸出
大国との間で、アクセス数量を増やすために再協議をすること、漸進的に
関税
を撤廃することを受け入れました。これでは、重要農産物の聖域
確保
を優先し、それができない場合は撤退も辞さないという衆参農林水産委員会の
決議
に反しているのは明らかではありませんか。 農林漁業への
影響
試算の根拠は破綻しました。それを象徴する問題がSBS輸入米の不正取引です。輸入業者が卸業者に
調整金
を払うことで国産米よりも大幅に安く売られていた疑惑です。農水省が国産米に
影響
はないと都合よく
結論
付けた
調査
は、ずさん極まりないものでした。
総理
、あなたは、SBS輸入米は国家
貿易
だから国産米の価格に
影響
を与えることはないと
説明
してきました。しかし、その前提が崩れました。
政府
の
影響
試算はやり直すべきではありませんか。 食の安全、安心に対する不安は募るばかりです。
総理
は、食の安全について
制度
の変更は求められていないと言います。しかし、問わなければならないのは、まともな
説明
もなく一貫して規制緩和を続けてきたことです。BSEへの
懸念
があるのに、輸入できる月齢を二十か月齢から三十か月齢に緩めました。
日本
でポストハーベスト農薬は禁止されているのに、食品添加物に名前を変えて容認しています。こういう姿勢を取ってきた
政府
に食の安全を守る毅然たる態度は望めません。
見解
を求めます。
医療
、
医薬品分野
での
影響
は深刻です。薬価を決める
審議
過程
に、透明性、公平性の名で
外国
企業
が口出しできる仕組みがつくられました。
米国
製薬
企業
の言い値で高い薬価が押し付けられるのではありませんか。また、日米二国間の交換文書で、将来の保険
医療
制度
について協議することを受け入れました。
国民
皆保険
制度
が壊され、空洞化する危険がないと言い切れますか。 しかも、
外国
企業
に
政府
を訴える権利まで与えています。ISDS条項は、国の主権が脅かされる重大な条項です。仲裁人は多国籍
企業
で働く弁護士が多く、判決は強制力を伴います。
国民
の命より
外国
企業
の
投資
が守られる結果になるのではありませんか。 加えて重大なことは、
TPP
委員会と各種委員会が設置され、
貿易
や
投資
を
拡大
する仕組みとなっています。
協定
の三年以内の見直し、その後、遅くとも五年ごとに見直すとしています。歯止めなき
協定
です。
政府
は、国内の
制度
は変更を迫られないなどと言っていますが、
TPP
の原則は
関税
と非
関税
障壁の撤廃であり、
政府
の言い分は何の保証にもならないのではありませんか。 このように、
TPP協定
には、
経済
主権と
国民
主権を
侵害
する
内容
が幾重にも盛り込まれています。それゆえ、諸
国民
の
反対
の声が高まっているのです。
各国
の
経済
主権を尊重しながら、民主的で秩序ある
経済
の発展を目指す、平等、互恵の
貿易
と
投資
の
ルール作り
こそ、今
世界
で求められている流れです。
TPP
をやめさせることが、その新しい地平を開くものです。
日本
共産党は、そのために
全力
を挙げることを表明し、
質問
を終わります。(
拍手
) 〔
内閣総理大臣安倍晋
三君
登壇
、
拍手
〕
安倍晋三
30
○
内閣総理大臣
(
安倍晋
三君) 紙智子議員にお答えをいたします。
米国大統領選挙
後の
状況
と
TPP協定
への
取組
について
お尋ね
がありました。
米国
の
トランプ
次期政権の方針について、現時点で予断を持ってコメントすることは差し控えたいと思います。 大
企業
のみならず
中小企業
、ひいては労働者や消費者にとって適切な
経済
的機会をつくり出していくためにこそ、適正な
ルール
にのっとった
自由貿易
体制を維持発展させていくことが重要です。
我が国
が
TPP協定
を
承認
し、自由で公正な
貿易
・
投資ルール
を牽引する
意思
を示せば、
保護主義
の蔓延を食い止める力になります。これは、
自由貿易
の下で
経済成長
を遂げた
我が国
の使命だと
考え
ています。
TPP
に対しては、多国籍
企業
のみを利するとの誤解があります。しかし、
TPP
の新しい
ルール
によって大きな恩恵を受けるのは、これまで様々なリスクを
懸念
して
海外展開
に踏み切れなかった地方の
中堅
・
中小企業
や
農業者
であります。
TPP
の
メリット
は直接
輸出
する
企業
にしか及ばないのではなく、
輸出
企業
と取引のある
企業
、そこで働く人々にも広く及んでいきます。安倍政権は、
輸出拡大
を通じて得た大
企業
の収益が
全国
の津々浦々の下請の
中小企業
の収益として波及するよう国内の取引慣行の適正化に取り組んでおり、引き続き進めていきます。各
企業
における賃上げも引き続き働きかけてまいります。 安倍政権は、
TPP
を
成長戦略
の要として
推進
してきました。
国会
で
協定
が
承認
され、
整備法案
が
成立
することで、
自由貿易
を
推進
し、
TPP協定
の
早期発効
を目指すべきとの立法府も含めた
我が国
の
意思
が明確になります。それは、
日EU経済連携協定
、
RCEP
など、
米国
が参加していない
枠組み
の
交渉
も刺激し、加速します。これに残されまいとする
機運
を
米国
の中に高めることができます。 今後、あらゆる機会を捉えて
米国
及び他の
署名国
に
国内手続
の
早期
完了を働きかけるとともに、他の
経済連携協定
の
交渉
を精力的に進めます。
日本
は、受け身で他国の動きを待つのではなく、
国益
に合致する道を自ら進んでまいります。 農産物の重要
品目
と
国会決議
について
お尋ね
がありました。
TPP交渉
では、他の
交渉
参加国
から
関税
を撤廃すべしとの強硬な主張が延々と繰り返される中、全ての物品を
交渉
のテーブルにのせた上で、
国会決議
を背景に粘り強く
交渉
を行い、重要
品目
について、
関税撤廃
の
例外
をしっかり
確保
するとともに、国家
貿易
制度
の堅持や
セーフガード
等の有効な措置を獲得しました。 それでもなお残る
農業者
の
方々
の不安を受け止め、昨年十一月、総合的な
TPP関連政策大綱
を決定し、必要な
対策
を講じてきています。重要
品目
が確実に再
生産
可能となるよう、
交渉
で獲得した措置と併せて、引き続き万全の措置を講じていきます。 無傷なものはないとの
指摘
については、
一つ
の
品目
に
関税
割当ての枠内と枠外の複数のタリフラインが設定されている場合、双方共に変更を加えなかった
品目
がないため、守り切れた
品目
は
一つ
もないとの御主張と
理解
しています。しかしながら、
政府
としては、そのような機械的な基準でその
品目
を守ったかどうかを判断することは適当でないと
考え
ています。例えば、枠外の高
関税率
を維持するために枠内の輸入枠を増やすなど、国内
生産
に
影響
を与える重要なタリフラインに
影響
が出ないよう措置しており、
品目
全体として
影響
が出ないようにしています。 将来の
市場アクセス
増大のための再協議の条項があることは、
経済連携協定
においては一般的なことです。附属書の再協議
規定
は、
関税率
表を一方的に変えさせるような特別の義務を
日本
に負わせるものではなく、むしろ七年目まで再協議に応じる必要はないことを意味します。仮に再協議を求められても、あくまで
我が国
の判断として、
日本
に不利な
合意
をする必要は全くないと
考え
ます。 漸進的に
関税
を撤廃するとの
規定
については、
関税
を撤廃すると
合意
した
品目
についての
関税率
表の根拠を定めたものであります。この
協定
に別段の定めがある場合を除くとされており、
交渉
の結果、
関税撤廃
の
例外
を獲得した重要
品目
については
例外
として扱われます。
交渉
結果が
国会決議
にかなったものかどうかは最終的に
国会
で御
審議
いただくことになりますが、
政府
としては、
国会決議
の
趣旨
に沿うものと評価していただけると
考え
ています。
TPP
の
影響
試算について
お尋ね
がありました。
TPP交渉
においては、米が
我が国
最大
のセンシティブ
品目
であることを踏まえ、
国会決議
を
後ろ盾
にぎりぎりの
交渉
を行ったところです。その結果、国家
貿易
制度
の維持など多くの
例外
措置を獲得することができたことから、輸入の大幅な増大は見込み難いと
考え
ています。 また、新たに設定される
米国
、豪州向けのSBSの国別枠において輸入される米については、輸入量に相当する国産米を備蓄米として買い入れることにしています。これにより、国内で流通する米の総量管理をしっかりと行い、国内の需給及び価格に与える
影響
を遮断することとしています。
TPP
影響
試算はこのことを前提としたものであり、ここに
影響
がない以上、やり直す必要はないものと
考え
ています。 なお、今回の
SBS米
に関する農林水産省の
調査
では、廃業者や連絡が付かない者を除く全ての事業者からヒアリングを行うとともに、関連データの分析では、SBS入札の時期の前後において国産米の価格はほとんど変動していないことが確認されており、
SBS米
が国産米の価格に
影響
を与えていることを示す事実は確認されておりません。 食の安全についての
お尋ね
がありました。
TPP協定
により、食の安全、安心を守る
我が国
の動植物検疫措置や食品表示などの
制度
に変更が生じることはありません。BSE
対策
の見直しや収穫後に使用される防カビ剤についての食品添加物としての指定は、いずれも国際基準や食品安全委員会による科学的評価等の
手続
を経て安全を
確保
するという
我が国
の
制度
に基づき
対応
しているものであり、食の安全は
確保
されています。 消費者の健康を守るため、国産品であれ輸入品であれ、
安全性
が
確保
されたものでなければ流通は許されません。これは、食品行政上の大原則であり、今後もこの原則を堅持してまいります。 薬価や
国民
皆保険への
影響
について
お尋ね
がありました。
TPP協定
においては、
我が国
の公的
医療
保険
制度
の
在り方
そのものについて変更を求める
内容
は含まれていません。
TPP協定
の
医薬品
等に関する附属書においては、申請者に意見提出の機会を与えることが
規定
されていますが、これは
我が国
の薬価の決定
手続
と同様、
手続
の公正な
実施
を
確保
するためであり、意見の反映を確約するものではありません。したがって、
TPP協定
によって
米国
製薬
企業
の言い値で高い薬価が押し付けられるという御
懸念
は当たりません。 御
指摘
の交換文書においては、
医薬品
等に関する附属書に関するあらゆる事項について協議する用意がある旨を確認しています。これは、
米国
政府
の意見を受け入れることを約束するものではありません。
我が国
は、これまでも
医薬品
等について
米国
を始め
各国
との協議に誠実に
対応
してきており、実質的に新たな義務を負うものではありません。
TPP協定
により
国民
皆保険が壊され空洞化する危険はありません。今後とも、
日本
が誇る
国民
皆保険
制度
を堅持し、しっかりと次世代に引き渡していきたいと思います。 ISDS条項について
お尋ね
がありました。 ISDS
手続
は、
我が国
の
海外
進出
企業
を守ってきたこれまでの
経済連携協定
や
投資
協定
のISDS
制度
と同様、
投資
受入れ国
政府
に
外国
投資
家の利益を不当に
侵害
させないという抑止
効果
を持つと
理解
しております。
TPP協定
の
投資
章では、
投資
受入れ国が公共の福祉に係る正当な目的のために必要かつ合理的な措置を講ずることが妨げられないこととされており、
我が国
が敗訴することは想定されません。
我が国
の主権が脅かされるとの
指摘
も当たりません。(発言する者あり)
伊達忠一
31
○
議長
(
伊達忠一
君) 静粛に願います。
安倍晋三
32
○
内閣総理大臣
(
安倍晋
三君)(続)
TPP協定
における仲裁廷は、申立人である
投資
家と被申立人である国がそれぞれ任命する各一人の仲裁人と、これら紛争当事者の
合意
により任命されて仲裁廷の長となる第三の仲裁人から成る三人の仲裁人により構成されることになっています。そのため、
企業
寄りの弁護士だけが選定されて国側に一方的に不利な判断が下されるとの
懸念
は当たりません。
TPP
委員会などによる
協定
の見直しについての
お尋ね
がありました。
TPP
委員会を含め各章が定める小委員会等の全ての決定は、いずれの国からも
反対
がないことが条件となるので、
日本
が
反対
するような
内容
が決定されることはありません。
協定発効
後の一般的な見直しについては、
TPP
に限らず、
我が国
が
締結
した多くの
経済連携協定
にも含まれております。(
拍手
) ─────────────
伊達忠一
33
○
議長
(
伊達忠一
君) 儀間光男君。 〔儀間光男君
登壇
、
拍手
〕
儀間光男
34
○儀間光男君
日本
維新の会の儀間光男です。 我が党を代表いたしまして、ただいま
議題
となりました
環太平洋パートナーシップ協定
の
締結
について
承認
を求めるの件及び
環太平洋パートナーシップ協定
の
締結
に伴う
関係法律
の
整備
に関する法案について
質問
をいたします。 まず、本
国会
の混乱の主因となりました山本
農林水産大臣
の発言について伺います。 この発言は、自民党議員の紹介で様々な既得権を持つ農業団体に農林水産省が何らかの便宜を与え得ることをほのめかしたものでありました。これはまさに利益誘導と言ってもよい言動で、現職の
農林水産大臣
の発言として言語道断であります。そこで、任命責任者としての
総理
の御
見解
をいただきます。 我々
日本
維新の会は、結党時より、しがらみのない立場から、既得権益を打破することを掲げてまいりました。まさに、農業部門においても既得権を打破し、新規参入を促すことで
我が国
の農業を活性化すべきだと
考え
ており、このため、株式会社の農地所有を解禁する法案を去る十月十二日、
参議院
に提出したところであります。
総理
に伺いますが、
安倍内閣
は、
農業分野
における既得権を
保護
していくのか、それとも、既得権を放棄させ
市場
競争
を促進していくのか、
基本
的な御認識をお示しください。
TPP協定
に関する
衆議院
での
審議
では、
交渉過程
や再
交渉
の有無等、
協定
の
内容
以外の事項にも多くの時間が取られ、また、
協定内容
については、農業に関する
分野
にほとんどの時間が割かれ、
内容
は国内農業
保護
に視点を置いた実に内向きの
議論
が多数を占めました。 もっとも、中山間
地域
の農業や小規模農業等、構造的に国際
市場
などに参入に厳しい
農家
にとっては、国土保全等多面的な役割を担うことに鑑み、新たな農政を手当てすることもまた大事なことであります。 最近の共同通信社の
世論調査
を見ますと、
TPP協定
の
承認
は今
国会
でなくともよいという意見が六六・五%と、前回の
調査
より低いものの、慎重
審議
を求める声がいまだ多くあります。これは内閣の
説明
や
国会
での
議論
が
国民
の
理解
に至っていない現れではないでしょうか。
安倍総理
に伺います。
TPP協定
に関する
政府
の
説明
や
国会
でのこれまでの
議論
は、本議案に対し
国民
の
理解
を得るのに十分であったか、足りないものがあったとすれば何か、御認識を伺いたいと思います。あわせて、
TPP協定
が
発効
後、その
効果
について
国会
へ定期的な報告を行う等、事後的な
説明
についても万全を期すべきではないかと
考え
ますが、御認識をお示しください。 また、
衆議院
の附帯
決議
では、我が党の主張によって、農業
改革
を更に進めることや
中小企業
の
競争
力を
強化
する等が盛り込まれました。
TPP協定
では、あらゆる
分野
にわたって自由で公正な
ルール
を定めることで、
中小企業
や
農家
が
輸出
のチャンスを大幅に増やせることが期待されております。 ここで、
総理
に伺います。
衆議院
の附帯
決議
では、攻めの
農林水産業
への転換に向けて、
農林水産業
の体質
強化
と
競争
環境
の
整備等
の
対策
を講ずることとの項目が掲げられております。我が党の
理解
では、この
趣旨
は、株式会社の農地所有の解禁や独占禁止法等の適用
範囲
の
拡大
により、農業に公正で自由な
競争
秩序を導入することと
理解
をしておりますが、
安倍内閣
も同じ認識でしょうか。確認をさせていただきます。 この点に関連し、
衆議院
において我が党の小沢鋭仁議員が、農協への独占禁止法の適用除外について
質問
をいたしました。その
趣旨
は、農協がかつての小規模な協同組合の時代は適用除外にも意味があったものの、現在の全農は巨大
産業
であり、独占禁止法が適用されないのは問題ではないかというものでありました。これに対する
総理
のお答えは、農協が小規模の事業者による組織である実態から、組合による共同販売や共同購入は引き続き適用除外とすべきであるというものでありました。 改めて
安倍総理
に伺いますが、現在の農協は本当に小規模の事業者の相互扶助組織と言えるのでしょうか。現在、農協は正
組合員
である
農業者
以外の准
組合員
が多数を占めております。もはや事業者組合でさえないとも言われておるのであります。その上、自民党によるプロジェクトチームの
調査
にもあったように、同じ商品であっても二倍近く価格差があるなど、現在の農協は高い手数料を上乗せして
農家
に物品を売っているのではないかとの
批判
も絶えません。 農協は
中小
規模の農業従事者を
保護
するという本来の目的から逸脱した存在となっていないか、再度御認識をお示しいただきたいと思います。 さらに、
衆議院
の附帯
決議
では、
輸出
の
拡大
に向け、国内
産業
の
競争
力
強化
対策
を講ずること、特に、
中小企業
・小規模事業者のための相談
支援
体制に万全を期すこととの項目も掲げられております。
TPP協定
の
メリット
として
政府
が強調してきたのが、
日本企業
が複数国にまたがって財やサービスの供給、調達を行って
輸出
を伸ばしやすくすることでありました。
総理
に伺いますが、
TPP協定
の第二十四章は特に
中小企業
について言及をしております。そこには、各締約国は、小委員会を設置して
中小企業
が本
協定
による商業上の機会を利用することを
支援
する方法を特定すると
規定
されておりますが、
衆議院
の附帯
決議
は、この
規定
への
政府
の
対応
が不十分ではないかとの
懸念
もあって付されたものと
理解
をいたしております。
TPP協定
二十四章の求める小委員会とはどのようなものなのか、そして
中小企業
支援
方法は具体的には何か、どのようなスケジュールで
実施
をされるのか、伺いたいと思います。
TPP協定
は、外交や安全保障上も重要な意味を持ちます。最近では、アメリカにおいても
TPP
反対
の声が高まり、次期政権を担う
大統領選挙
では両候補者とも
反対
を掲げておりました。このようなときだからこそ、島国の我が
日本
が
TPP協定
において
自由貿易
体制を構築する姿勢を明確にし、
世界
経済
の成長に向けてリーダーシップを発揮すべきであると
考え
ますが、
安倍総理
の御認識をいただきます。 また、安全保障上も、
アジア太平洋地域
での
貿易
、
投資
等の
ルール
を率先して構築することは、
地域
の安定に資する非常に重要なことだと
考え
ます。その点につき、近隣諸国との協力
関係
を今後どのように推し進めるのか、
安倍総理
の御認識をお示しください。 最後に、
法律等
の議案に関する採決の
在り方
について述べさせていただきます。 我が
日本
維新の会は、国家
国民
のためにより良い政策を実現することを第一に掲げ、
国会
において
審議
を尽くし、対立する議案に関しては対案を示すなど建設的な
議論
を行い、採決にもしっかりと出席をして態度表明を明確にいたします。 こうした責任ある態度を今後とも取っていくことを
国民
の皆様にお約束をいたしまして、私の
質問
を終わらさせていただきます。 御清聴、誠にもってありがとうございました。ニフェーデービル。(
拍手
) 〔
内閣総理大臣安倍晋
三君
登壇
、
拍手
〕
安倍晋三
35
○
内閣総理大臣
(
安倍晋
三君) 儀間光男議員にお答えをいたします。 山本
農林水産大臣
の発言について
お尋ね
がありました。 十一月一日の山本
農林水産大臣
の発言については、同日のうちに、官房長官から山本大臣に対し、発言に気を付けるように、そして緊張感を持って
国会
に当たるよう改めて厳重に注意を行いました。山本大臣は、十一月四日の
衆議院
TPP
特別委員会の冒頭で、この発言を反省し、撤回の上、おわび申し上げたところであります。 組閣に当たって適材を適所の閣僚に任命し国政を前進させる責任は、もとより
内閣総理大臣
たる私にあります。その上で、山本大臣には、今回の発言を真摯に反省し、
安倍内閣
の一員として職責を果たしていただきたいと
考え
ております。 農業への新規参入について
お尋ね
がありました。 まず、
日本
維新の会が議員立法に積極的に取り組まれていることに対し、敬意を表したいと思います。
安倍内閣
においては、農業の成長
産業
化を実現するため、農政全般にわたる抜本的な
改革
を進めています。特に、農地を所有できる法人については、販売や加工への進出といった第六次
産業
化等を行いやすくするため、
企業
も含め、農業
関係者
以外の者の総議決権を四分の一以下から二分の一未満に引き上げる等の大幅な見直しを行い、本年四月から実行に移したところです。 さらに、九月一日に施行された
改正
国家
戦略
特別区域法に基づき、兵庫県養父市において、
企業
に農地の所有を認める試験的な事業を行うこととしており、去る十一月九日には、同市において農地の所有を認める
企業
を認定したところであります。これらの
改革
の狙いを
現場
に丁寧に
説明
しながら、農業への新規参入を更に進めてまいります。
TPP
に関する
政府
の
説明
についての
お尋ね
がありました。 一部の
世論調査
において、
TPP協定
について慎重に
審議
すべきとの回答が多いものがあることは承知していますが、各種
世論調査
において、
協定
の今
国会
での
承認
について賛成の方が
反対
より多いという結果が出ていると認識しています。
TPP交渉
は
合意
された結果が全てです。それは全て公開しています。
大筋合意
後、
国会
や
全国
で約三百回
実施
してきた
説明会等
で丁寧に
説明
してきています。この
過程
において、
政府
は、
協定
の
内容
等に関する計約四千ページ以上に及ぶ
資料
を公表しています。また、通常
国会
が始まった本年一月以降は、
国会
議員の
方々
からの
資料
要求等にも真摯に
対応
しており、議員に提出した
資料
は約千七百ページに上ります。これらは全て
ホームページ
にも掲載しています。
大筋合意
前の
交渉経緯
に関する
情報
が一切出ていないとの誤解もあります。
TPP
の
交渉
中は、
情報開示
に関して厳しい制約がある中においても、
交渉
の
現状等
に関して
記者ブリーフィング等
で制約の
範囲
内でできる限り丁寧に
説明
を行っており、その
内容
も公表し、約五百ページに及びます。 今後とも、
国会審議
の場も含め、
TPP協定
の
内容
や
発効
後の
効果
について引き続き丁寧に
説明
してまいります。 農協について
お尋ね
がありました。
衆議院
TPP
特別委員会の附帯
決議
にもあるとおり、
農林水産業
の体質
強化
等により攻めの
農林水産業
への転換を図っていくことは極めて重要な課題であると
考え
ています。このため、
安倍内閣
においては、農業の成長
産業
化を実現するため、六十年ぶりの農協
改革
、農地を所有できる法人の要件の見直しなど、農政全般にわたる抜本的な
改革
に取り組んでいるところです。 独占禁止法については、農協は、依然として小規模事業者による組織である等の実態から、組合による共同販売や共同購入といった行為を引き続き適用除外としております。農協は、このことを踏まえ、常に
農業者
の協同組織であるという原点に立ち返って、
農業者
を引っ張っていく組織であることが重要であり、自己
改革
をしっかりと進めていただきたいと思います。 特に、全農の
改革
については、
農業者
が自由に経営できる
環境
と
生産
資材、流通加工を担う業界全体の効率化や再編を進める上で、大変重要です。全農
改革
は農業の構造
改革
の試金石です。肥料や飼料を一円でも安く仕入れ、農産物を一円でも高く買ってもらうために
努力
する、そういう
農家
の皆さんの先頭に立って引っ張っていくため、新しい組織に生まれ変わるつもりで、その事業方式、組織体制を刷新していただきたいと
考え
ています。
政府
としては、引き続き、農協
改革
を進め、消費者ニーズに応えた強い農業をつくり上げていく決意であります。
TPP協定
第二十四章が求める小委員会についての
お尋ね
がありました。
TPP協定
第二十四章では、
中小企業
小委員会を設け、締約国の
中小企業
が本
協定
による商業上の機会を利用することを
支援
する方法を特定すること、
中小企業
の
輸出
者を
支援
するため、各締約国の
経験
や慣行に関する
情報
を交換し、討議することを
規定
しています。小委員会は、
協定発効
後一年以内に会合を開催し、その後は必要に応じて会合を持ちます。
我が国
は、
TPP
の
合意内容
及び活用策について、これまでウエブサイトでの
情報提供
に加え、
経済
産業
局、ジェトロ、
中小
機構の六十五か所の拠点に相談窓口を設置するとともに、
全国各地
で三百回以上の
説明会
を開催することにより、幅広く丁寧な
情報提供
を行ってきています。
TPP
の
発効
を見据えて既に動き出している
中小企業等
が多数あります。こうした
中小企業
を
支援
するため、今年二月には新
輸出大国コンソーシアム
を設立し、これまで
全国
津々浦々の二千社を超える
中小企業
の
支援
を始めています。 引き続き、
TPP
の
メリット
を活用して
海外展開
を図る
中小企業
の
支援
に
全力
を挙げて取り組み、
発効
後は
中小企業
小委員会における締約国間の
議論
に積極的に参画していきます。
世界
経済
の成長に向けてのリーダーシップと近隣諸国との協力
関係
について
お尋ね
がありました。 戦後、
自由貿易
の下で
経済成長
を遂げてきた
我が国
こそが、
世界
の自由で公正な
貿易
、
投資
の
ルール作り
を主導しなければならないと確信しています。
TPP
はその中核であり、自由で公正な
世界
の四割
経済圏
を新たに生み出すものです。
TPP
によって新たに作られる
ルール
は、今後の
経済連携協定
のモデルとなり得るものであり、参加を希望する国や
地域
も相次いでいます。
基本的価値
を共有する
国々
が
経済
のきずなを深め、更にその輪を広げていくことで
地域
を安定させる力にもなります。
国会
で
協定
が
承認
され、
整備法案
が
成立
することで、
自由貿易
を
推進
し、
TPP協定
の
早期発効
を目指すべきとの立法府も含めた
我が国
の
意思
が明確になります。
我が国
が主導することで
早期発効
に向けた
機運
を高めていきます。 今後、あらゆる機会を捉えて、
米国並び
に他の
署名国
に
国内手続
の
早期
完了を働きかけていきます。
TPP
に関心を有する国・
地域
に対しては、
協定内容
に関する
情報提供
を行うなどの協力を進め、
TPP協定
への新規加入を広げるよう取り組んでまいります。(
拍手
)
伊達忠一
36
○
議長
(
伊達忠一
君) これにて質疑は終了いたしました。 ─────・─────
伊達忠一
37
○
議長
(
伊達忠一
君)
日程
第一
独立行政法人石油天然ガス
・
金属鉱物資
源機構法
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
、
衆議院送付
)を
議題
といたします。 まず、委員長の報告を求めます。
経済
産業
委員長小林正夫君。 ───────────── 〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕 ───────────── 〔小林正夫君
登壇
、
拍手
〕
小林正夫
38
○小林正夫君 ただいま
議題
となりました
法律案
につきまして、
経済
産業
委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。 本
法律案
は、
我が国企業
による石油等の資源の
確保
を促進するため、
独立行政法人石油天然ガス
・
金属鉱物資
源機構について、
海外
における石油の採取に係る出資業務、探鉱権等の取得業務及び
政府
保証付長期借入金等の対象の拡充等の措置を講じようとするものであります。 委員会におきましては、産油国国営
企業
株式の取得等の
意義
及び権益獲得への
効果
、
我が国
中核的
企業
の育成に向けた
政府
の
取組
、機構における審査体制の
強化
及び人材育成の必要性等について質疑が行われましたが、その詳細は
会議
録によって御承知願います。 質疑を終了し、討論に入りましたところ、
日本
共産党を代表して辰巳委員より
反対
する旨の意見が述べられました。 次いで、採決の結果、本
法律案
は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、本
法律案
に対して附帯
決議
を行いました。 以上、御報告申し上げます。(
拍手
) ─────────────
伊達忠一
39
○
議長
(
伊達忠一
君) これより採決をいたします。 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。 〔投票開始〕
伊達忠一
40
○
議長
(
伊達忠一
君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。 〔投票終了〕
伊達忠一
41
○
議長
(
伊達忠一
君) 投票の結果を報告いたします。 投票総数 二百三十七 賛成 二百十五
反対
二十二 よって、本案は可決されました。(
拍手
) ───────────── 〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕 ─────・─────
伊達忠一
42
○
議長
(
伊達忠一
君)
日程
第二
独立行政法人鉄道建設
・
運輸施設整備支
援機構法
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
、
衆議院送付
)を
議題
といたします。 まず、委員長の報告を求めます。国土交通委員長増子輝彦君。 ───────────── 〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕 ───────────── 〔増子輝彦君
登壇
、
拍手
〕
増子輝彦
43
○増子輝彦君 ただいま
議題
となりました
法律案
につきまして、国土交通委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。 本
法律案
は、中央新幹線の速やかな建設を図るため、
独立行政法人鉄道建設
・
運輸施設整備支
援機構について、当分の間、当該建設に要する費用に充てる資金の一部を貸し付ける業務を行わせるための措置を講じようとするものであります。 委員会におきましては、参考人から意見を聴取するとともに、リニア中央新幹線の
意義
と全線開業前倒しの
効果
、財政投融資の活用による貸付けの
在り方
及び事業の採算性、
環境
への配慮及び安全
確保
対策
、リニア新幹線が地方の活性化に与える
影響
等について質疑が行われましたが、その詳細は
会議
録によって御承知願います。 質疑を終局し、討論に入りましたところ、
日本
共産党を代表して山添拓委員、希望の会(自由・社民)を代表して青木愛委員より、本
法律案
にそれぞれ
反対
する旨の意見が述べられました。 次いで、採決の結果、本
法律案
は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、本
法律案
に対して附帯
決議
が付されております。 以上、御報告申し上げます。(
拍手
) ─────────────
伊達忠一
44
○
議長
(
伊達忠一
君) これより採決をいたします。 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。 〔投票開始〕
伊達忠一
45
○
議長
(
伊達忠一
君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。 〔投票終了〕
伊達忠一
46
○
議長
(
伊達忠一
君) 投票の結果を報告いたします。 投票総数 二百三十九 賛成 二百十七
反対
二十二 よって、本案は可決されました。(
拍手
) ───────────── 〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕 ─────────────
伊達忠一
47
○
議長
(
伊達忠一
君) 本日はこれにて散会いたします。 午後零時十一分散会