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佐々木さやか君
大臣から御答弁いただきました、特に人権についての
啓発活動については強力に推進をしていくと力強いお言葉をいただきました。
是非よろしくお願いをいたします。
次に、テーマを変えまして、
児童虐待について今日は
質問をさせていただきたいと
思います。
この
児童虐待、昨年の一年間の児童相談所の相談対応件数、これは厚労省によりますと十万三千二百六十件ということで、これまでの最多を更新をしております。この
児童虐待は、中には大変重篤な案件もありまして、虐待を受けた上殺害されたと、こういう
事件も時々報道される
状況でございます。
また、児童の性的虐待というものは、これは命を落とすまでには至りませんけれども、それに匹敵するほど、被害を受けた子供の精神また人生を破壊するものでありまして、これ自体極めて重大な
犯罪であると思っております。女児、男児を問わず、そのような被害を受けた児童をどういうふうに保護をして、また、その後の自立のための
支援をしていくかと、このことにもっと更に日本の
社会は関心を持っていくべきだと思っております。
この性的虐待について申し上げますと、政府の
統計によりますと、
平成二十六年度でありますけれども、児童相談所の
児童虐待対応件数、この年は八万八千九百三十一件のうち性的虐待については千五百二十件ということでありました。成人の
性犯罪被害につきましても、警察などが認知する件数というのは実際の被害のごく一部だというふうに指摘をされております。ですから、この千五百二十件といいましても、子供の場合の性的虐待についてはなおさら、自ら言うことも難しいですし、発見が困難という側面もあります。
ですから、この数字以上に恐らく大変つらい
思いをしている子供たちというのは多いというふうに思っていただきたいと
思いますけれども、こうした被害をどのように早期に発見をしていくか、また、更に重篤な被害になる前にどうやって早期に
支援をしていくかと、これが非常に重要な問題であります。
また、
法務省におきましては、こういう児童に対する性的虐待というものは極めて重大な
犯罪であるということの
認識に立って、
社会においてもそれがきちんと
認識されるように努めていただきたい、適切な訴追、処罰に努力をしていただきたいと思っております。
この性的虐待を含めた児童が
犯罪の被害者になる、また目撃をする、そうした
犯罪に巻き込まれる児童に対する
事情聴取についてお聞きをしたいんですけれども、こうした子供たちからの
事情聴取というものには本来高度な専門性が必要になります。どうしてかといいますと、一つは、子供というのは自分の自ら経験したことと、また他者から言われたこと、聞いたことの
情報の区別が付きにくく、誘導、暗示に陥りやすいため、事実を正確に聴取するためには誘導的、暗示的な聴き取り方法を排除した専門的な面接手法が必要であります。
二つ目には、体験したことについて聴かれることで更に再体験をする、トラウマをひどくしてしまう、そうした二次被害を
防止すると、この必要性がございます。
こうした観点から、アメリカを始めとして諸
外国で多く採用されているのが司法面接という
制度でございます。司法面接というのは、面接技法であると同時に、そうした被害を受けた子供たちに関係をする医療機関、福祉機関、捜査機関、訴追機関、そうした
関係機関がチームとなって
連携して取り組むと、こういうシステムでございます。そうした
関係機関から何度も被害事実の聴取を受けて、そのたびに更なるトラウマを負うというような子供の
負担をできるだけ軽減させると。また、そのために、そういう
関係機関が一堂に会して別室、子供が
事情聴取を受けている部屋とはまた別の別室から見守る形で、しかも原則として一回に限って専門的な面接者を介して子供からの聴き取りを行うと。もう子供から
事情を聴くことは一回だけですよと、その
事件に関してですね、こういうシステムでございます。私は、この司法面接を
是非日本でも導入をして普及をしていくべきであるというふうに思っております。
もう少し説明をちょっとさせていただきますと、この司法面接、要するに誘導的、暗示的でない
事情聴取というものは冤罪
防止という観点からも重要でございまして、アメリカでこの司法面接が発達してきた契機といたしまして、一九八三年に起こったマクマーティン・プレスクール
事件、性的虐待
事件という
事件があります。この
事件というのは、ある幼稚園で多くの幼児が性被害の訴えをしました。その職員や関係者が複数逮捕されたんですけれども、裁判の過程で、その被害を訴えた子供たちの証言というのはカウンセラーの誘導的な
質問によって導き出されたものだと、このように判断をされて、要するに供述の信用性がないということで全員が無罪となったと、こういう
事件であります。
ここからも分かるように、冤罪を防ぐためにも必要でありますし、また立件すべきものは適切に立件をしてその公判を維持していくと、こういうためにも、そうした被害を受けた子供たちの
事情聴取に当たって供述の信用性をどう担保するかと、こういう観点からも司法面接の技法というものは非常に重要であると、こういうふうに思っております。
この司法面接については、日弁連などからも導入を求める
意見が出されております。それで、実は神奈川で全国で初めて二〇一五年に子どもの権利擁護
センターかながわというところができまして、ここでは全国で初めて司法面接とその被害を受けた児童の全身の診察が受けられる、そうしたワンストップ
センターであります。ここでは専用の部屋があって、聴き取りのためのですね、別室からは検察官ですとか警察ですとか児童相談所の職員の
皆さんが見守りながら、電話でこういうことをお子さんに聴いてくださいとか、そういうやり取りもできるように設備も整っていると、こうした施設というか
センターができました。
これから徐々に普及をしていってほしいと期待するところでありますけれども、こうした被害児童からの
事情聴取について、日本でも現在、警察、検察、児相など関係者の多機関
連携を実現していくために
取組を進めていただいているというふうに聞いております。昨年は通知を出していただいたとお聞きしましたけれども、この
現状の
取組についてまず伺いたいと
思います。
法務省からですね。