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吉良よし子君 マネジメント強化の見直しなどのための係数だと、機能強化の係数だとおっしゃるわけですけれども、結果としては、やはりそうした基盤維持に困難が生じるんじゃないのかと、そういうのが国大協の
指摘なわけなんですね。そういう意味では、そういう
指摘が行われるような係数配分というのはやはり見直すべきだと思うわけです。
今年ノーベル医学・生理学賞を受賞された大隅良典東京工業大学栄誉教授は、十月十二日の自民党の部会の中でも、
日本の
研究環境は劣化している、このままいくとノーベル賞受賞者が十年後二十年後には出なくなると訴えたと言われています。国立大学の運営費交付金などが減らされて、また
政府の助成
対象として産業や医療への応用
研究が重視されている
現状についてとても危惧しているということを
指摘して、
技術のためではなく、知的好奇心で
研究を進められる大事な芽を大学に残してほしいと、基礎
研究の充実、これを訴えられたわけなんですね。この大隅氏の警鐘を重く受け止めるならば、交付金の
確保をすることはもちろん、やっぱりこの機能強化係数というものも見直すべきだということを重ねて私
指摘したいと思うわけです。
また、大学をめぐってはまだ問題がありまして、この基礎
研究の危機や教職員の雇用の不安定化とともに、やはり高過ぎる学費、貧困な奨学金制度によって、学生や院生、ひいては中高校生が高等
教育を受ける権利が脅かされると言ってもいい深刻な事態があるということも私
指摘をしたいと思うわけです。
先ほどの運営費交付金の減少の中でも、博士号取得後のキャリアパスの不安定さ、不透明さなどから博士離れが進んでいるというような
状況も報告されたわけなんですけれども、先週末、金曜日に、国会前で学生
たちが奨学金の問題について、学生ローンじゃないんだと、本物の奨学金を求めたいという緊急アクションを行いました。私もここに参加したわけなんですけれども、約二百人が詰めかけて、給付制の奨学金の創設、これを訴えるとともに、
教育は権利だ、学費を下げろと、こういうコールもしていたわけなんです。
これから、
文科省、給付型奨学金の創設に向けて検討を進めていく、その方向性が一定示されるということは私も伺っているわけなんですけれども、それと併せて、やっぱりこの高過ぎる学費、これを引き下げるということも
政府として是非とも進み出していただきたいと思うわけです。そのためにも、やはり必要なのはこの基盤的経費を増やしていくことだと私は思うんです。
私
たち日本共産党は、この
授業料の標準額等を引き下げるということを
目的にして、国立大学の運営費交付金は毎年百六十億円程度ずつ増やすのであれば、毎年二万六千円程度、十年後には二十六万円学費が値下げできるということを提案しております。また、私立大学については、私学助成の中に学費値下げ緊急助成枠をつくり、また私学助成を毎年九百億円程度引き上げていけば、十年後には
授業料半減化するということができるという提案もしているわけです。
私は、こうしたような提案にあるように、
日本の
学術研究の中心である大学などの基盤的経費を増額していく、見通しを持った計画というのを
文科省が持って、学生
たちにその未来への展望を示していくということが今必要なんじゃないかと
考えますが、この基盤的経費を増額していく方向性について、
大臣の
考えはいかがでしょうか。