○福山哲郎君 この時点で四十か国ということですから、過半数で採択されるとなると、採択される可能性もそれなりに高いということだというふうに考えております。
私は、むやみやたらに、この核兵器の問題は難しいので、
日本に賛成をしてくれと言いたいわけではありません。もちろん、先生方御案内のとおり、
日本は広島、長崎に原爆が投下をされました。
世界で唯一の被爆国として非
人道性を
世界に
発信する役割はあります。今年、安倍政権が御苦労いただいたオバマ大統領の広島訪問等もその一環であったと私は思っております。我々の政権のときも、そのことについて、
岸田外務大臣にしっかり引き継いでいただいているNPDIの創設も含めて、核軍縮や核の非
人道性を
世界にしっかり伝えていくという役割があると思います。
しかし、一方で、
日本はアメリカの核抑止力に依存している安全保障
政策を持っております。直近の北朝鮮の核開発を考えれば、なかなか、核の抑止を考えると、すぐに核兵器の禁止という議論に至るのかどうか非常に難しい局面だと私は思っております。直ちにコミットしにくい。
日本は、実は長期的には核兵器の縮減というか核兵器を減らすことについてコミットするということを
国連の場でも何度も表明しておりますし、我々の政権のときもそうでしたし、自民党の政権のときもそうだったと考えております。
今回のこの禁止条約がもし本当に採決をされるに至れば、今のお話ですとほぼ採決されるだろうと思いますが、理屈を言えば
日本は四つの道があると。一つは積極的にコミットして賛成をする。二つ目は条件付に賛成をする。例えば、
世界の安全保障体制がこれが強化されるとか、核保有国の将来的な
参加の動向だとか、
会議の運営方法だとか、いろんな条件の中で
日本が賛成をするのが二つ目。三つ目としては、なかなか難しいところですが、関与せず、いわゆる棄権をすると。そして、四つ目が反対をするという選択肢だと考えております。
私は、広島、長崎があり、今年、オバマ大統領が広島に歴史的に訪問いただいたこの年の核の禁止条約についての
国連の場での採決ですから、私自身は基本的に反対を
日本にしていただきたくないと考えております。それは、やっぱり
日本は長期的には核兵器禁止条約に関する議論にはコミットするんだと、長期的にはですね。今の足下の安全保障状況は別にして、長期的にはコミットしていくんだということをやはり私は
世界に表明していただきたいと思いますし、更に言えば、反対するようなことがあれば、国内外では
日本は二枚舌なのかということで
理解が得にくいと。
ですから、私としては、条件付の賛成若しくは棄権という選択肢しかないと私は思っておりますが、そのときには当然、核保有国であるアメリカとの緊密なコミュニケーション、
日本の
立場の
理解を求めることが重要だと考えております。
今、どういう形で
外務大臣がこの核兵器禁止条約について
日本として対応しようと考えておられるのか、率直にお述べをいただければと思います。