○とかしき
委員 ありがとうございました。
ここからは、大阪の吹田市と摂津市で今現在取り組んでいるプロジェクト、これは予防医療を中心としたプロジェクトなんですけれ
ども、それを御紹介しながらちょっと
質問を進めさせていただきたいと思います。
実は、これは健都という名前でございます。健都プロジェクトと言われておりますけれ
ども、これは町を挙げて循環器の病を減らしていこうという方法であります。
駅前に、吹田と摂津にわたる土地なんですが、三十ヘクタールの土地があります。JR沿線上の新大阪から三駅目の非常にアクセスのいいところに三十ヘクタールの更地がございます。そこを使って新しく町をつくっていこうということで、国立循環器病センターが、これはもう移転が既に決まっております。その横に吹田市民病院、さらに国立循環器病センターの裏には医薬基盤・健康・栄養研究所が移転してくること、これも決まっております。ということで、医療機関と研究機関が集中してこの町にやってきて、さらにここには住宅もできますし、そして公園もあるということで、ある
意味町の機能を全て持っているのがこの駅前の
状態であります。今これは工事に入っているところで、二〇二〇年完成予定で動いております。
このまちづくりのポイントは、高齢社会もいいものなんだ、そして幾らでもまだ地域でビジネスチャンスを生み出せるんだよということを世界に証明して、行く行くは観光地も目指していこうよ、こういうことを
考えているわけであります。
特徴は三つありまして、まず
一つ目は、
日本だけが商品化できる予防医療の情報をビジネスにしていこう、こういうふうに
考えているわけであります。
これは何で循環器の病に注目したのかといいますと、循環器というのは、実は、死亡率、御存じのように、一位はもちろんがんであります。これが二八・七%。次に、循環器の脳と心臓の疾患、これを合わせますと二五・五%。ほぼ、がんとそんなに遜色のない死亡率であります。
さらに、これにかかっている医療費の方を
考えますと、循環器の病というのは結構お金がかかりまして、長く患って体に障害を背負ってしまう場合もありますので費用がかかりまして、医療費が一番かかるのは実は循環器の病であります。五・四兆円。二番目にかかるのががんで三・四兆円ということで、非常に医療費もかかるし、体への負担も大きい。
ところが、循環器の病は、ありがたいことに、がんと違って非常に明確に予防ができることであります。食事と運動のバランスがきちっととれればこれは予防することができるということで。誰でも好きなものを好きなだけ食べて、なるべく楽して運動したいわけであります。その技術開発を町を挙げてしていって、そして予防医療の情報でビジネスをどんどん生んでいこうよ、こういうまちづくりを目指していこうというふうに
考えているわけであります。
大阪は、ありがたいことにといいますか、健康寿命が実は最下位に近くて、男女とも四十四位、四十五位ということで、これ以上下がりようのない状況でありますので、これからは逆を言えば測定しやすい、データがとりやすいのではないか、こういうふうにも言えるわけであります。
ということで、今までのようにモラルに訴えて、頑張って町をつくっていこうよ、これだと三年ぐらいで飽きてしまいますけれ
ども、こうやってビジネスを起こしてみんなで稼いでいこうよ、こういう町も挑戦していこうよというのが
一つ目の特徴であります。
二つ目は、今お話しさせていただきましたように、地域医療は予防医療を中心にしてやっていくべきだ。
今、ありがたいことに、技術が進んできまして、発症しそうな病というのがわかるようになってきましたので、それをなるべく発症させないようにどういう健康管理をしたらいいのかというので、地域の医療機関、お医者さんや薬剤師さんとかがしっかり健康管理をして、それで体を病気にならないように維持する。
もちろんこれは皆保険制度の外の話でありますから、実費をいただかなくてはいけません。ということは、患者さんが納得をしていただけるようにどれだけ付加価値のある情報発信、カウンセリングができるか、これは医療
関係者の人たちの腕の見せどころ、こういうふうにもなりますし、自由にアイデアを出して付加価値をつけていくこともできるのではないか、このように
考えております。
そして、三番目なんですけれ
ども、このように言いますと、今までの保険料と違って実費で負担しなくてはいけないとなると、しんどいねという声も当然上がってまいりますので、それでしたら、このプロジェクトのまちづくりに皆さんも参加してくださいよということで、市民の皆さんにも
経済活動の一翼を担っていただこうと
考えております。食事と運動のバランスについて勉強していただいて、市民の皆さんには外から来た人たちに食事と運動のバランスを指導してもらう人になってもらおうと思っております。
というのは、食事と運動のバランスというのは、ダイエットをなさった方はおわかりになると思いますけれ
ども、一人でやると結構しんどいんですが、誰かと一緒だと結構できるので、それにつき合ってあげる人を市民の皆さんに、そしてそれに対してちゃんと報酬をいただくということで、このまちづくりに参加すると
経済活動の一翼も担える、そういうまちづくりを今
考えているわけであります。
詳しいことは吹田市のホームページを見ていただければわかるんですけれ
ども、今こういう町をつくろうということで、イノベーションパークには、この
考えに賛同する
企業もあわせて、食事と運動のバランスを楽してとれる方法を技術開発する
企業を一緒に誘致して、そして町をいろいろなアイデアで循環させていく挑戦をしていこうというふうに
考えております。
さらに、ここは地域で
雇用を生むわけでありますから、地域で比較的長距離で通勤するのが困難な方、例えば
高齢者とか、子育て中の方とか、介護をしている方とか、障害をお持ちの方とか、こういう方々がなるべく地域で仕事ができるようにしていきたいな、このように
考えております。
特に
高齢者の方々、今、引退してしまうと、家でやることがなくてごろごろして、年に数回の旅行だけが楽しみ、こういう方が非常に多いわけでありますけれ
ども、これでは非常にもったいないということで、なるべく
高齢者の皆さんに、事業を起こしたりとか、今までのノウハウを地域に生かしてもらう、こういう挑戦もしていただけたらありがたいかな、このように思っております。そして、先ほど言いましたように、
高齢者や障害者や子育て中や介護中の皆さんを
雇用してもらうような事業を起こしていただけたらありがたいなというふうに思っております。
厚生労働省は、生涯現役起業支援助成金、これは既に導入していただいておりますけれ
ども、この
高齢者の起業支援についての取り組みと今後の方針について教えていただけますでしょうか。