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2016-11-10 第192回国会 衆議院 本会議 第10号
公式Web版
会議録情報
0
平成
二十八年十一月十日(木曜日)
—————————————
議事日程
第九号
平成
二十八年十一月十日 午後一時
開議
第一
環太平洋パートナーシップ協定
の
締結
について
承認
を求めるの件(第百九十回
国会
、
内閣提出
) 第二
環太平洋パートナーシップ協定
の
締結
に伴う
関係法律
の
整備
に関する
法律案
(第百九十回
国会
、
内閣提出
)
—————————————
○本日の
会議
に付した案件
農林水産大臣山本有二
君
不信任決議案
(
山井和則
君外五名
提出
)
日程
第一
環太平洋パートナーシップ協定
の
締結
について
承認
を求めるの件(第百九十回
国会
、
内閣提出
)
日程
第二
環太平洋パートナーシップ協定
の
締結
に伴う
関係法律
の
整備
に関する
法律案
(第百九十回
国会
、
内閣提出
) 午後三時二分
開議
大島理森
1
○
議長
(
大島理森
君) これより
会議
を開きます。 ————◇—————
笹川博義
2
○
笹川博義
君
議事日程追加
の
緊急動議
を
提出
いたします。
山井和則
君外五名
提出
、
農林水産大臣山本有二
君
不信任決議案
は、
提出者
の
要求
のとおり、
委員会
の審査を省略してこれを上程し、その
審議
を進められることを望みます。
大島理森
3
○
議長
(
大島理森
君)
笹川博義
君の
動議
に御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
大島理森
4
○
議長
(
大島理森
君) 御
異議
なしと認めます。よって、
日程
第一に先立ち追加されました。
—————————————
農林水産大臣山本有二
君
不信任決議案
(
山井和則
君外五名
提出
)
大島理森
5
○
議長
(
大島理森
君)
農林水産大臣山本有二
君
不信任決議案
を
議題
といたします。
提出者
の
趣旨弁明
を許します。
福島伸享
君。
—————————————
農林水産大臣山本有二
君
不信任決議案
〔本号(二)に掲載〕
—————————————
〔
福島伸享
君
登壇
〕
福島伸享
6
○
福島伸享
君
水戸浪士
を経て
国会
に上がってまいりました、
民進党
の
福島伸享
です。 私は、
民進党
・
無所属クラブ
、
日本共産党
、自由党、社会民主党・
市民連合
を代表して、ただいま
議題
となりました
農林水産大臣山本有二
君
不信任決議案
について、提案の
理由
を
説明
いたします。(
拍手
) まず、案文を朗読いたします。 本院は、
農林水産大臣山本有二
君を信任せず。 右決議する。 〔
拍手
〕 以下、その
理由
を
説明
申し上げる前に、本日、本
会議
において、
環太平洋パートナーシップ協定
、
TPP
及びその
関係法整備法案
の
審議日程
を強硬に立てたことについて申し述べます。
思い
返してみれば、
TPP協定
の
審議
は、呪われているとしか言い
よう
のないものでありました。
TPP交渉
を担当してきた甘利前
担当大臣
は、
都市再生機構
、URの
開発事業
にかかわる現金授受問題の発覚を受けて
辞任
、その後、やんごとなき事情によって
国会
での
説明
の場から立ち去られてしまいました。 晴れの舞台の
署名式
に
甘利大臣
にかわって和服をお召しになって参加した
高鳥内閣
府副
大臣
は、おいしい
ブルーチーズ
を食べたなどと
物見遊山気分
をブログで明らかにして、世間の失笑を買いました。 ナンバーツーの鶴岡前
首席交渉官
は、駐
英大使
に栄転し、遠くロンドンで優雅な
ゴルフ三昧
の
王侯貴族
の
よう
な生活をしていることをフィナンシャル・タイムズで
世界じゅう
に紹介されましたが、やはり
国会
の場での
説明
から逃げ続けています。
通常国会
の
審議
では、
政府
は、
TPP
の
交渉経過
などについて、真っ黒、
黒塗り
の
資料
、
通称ノリ弁
しか示さず、
余り
の
情報隠しぶり
への
国民
の
怒り
を買う中で、当時
TPP特別委員会
の
委員長
だった
西川公也
さんと
同姓同名
の
衆議院議員西川公也
なる
人物
が書いた「
TPP
の真実 壮大な
協定
をまとめあげた
男たち
」という本のゲラが発見され、そこには次の
よう
に書かれていたのであります。
交渉経過
については、私は詳しくは知らないという
立場
を守り続けたのです。
TPP交渉
は
保秘義務
があり、
情報
は極めて限られていました。
自分
だけが知っていると言えば、党内からもねたまれ、立ち行かなくなります。
情報
はほんの一部だけ知った人は
内容
を話しますが、知り過ぎたら怖くて話せないものです。私から漏れた
情報
は一切ありません。 事実であれば、極めてディープな
情報
がこの本に書き連ねられていたのです。 ぜひとも
西川公也衆議院議員
というこの方に
国会
で証言をしていただきたかったのですが、
通常国会
での
TPP
の
審議
は、
国民
の間に
TPP協定
は何だか怪しいぞという印象を残しただけで、開かれることがなくなってしまいました。
臨時国会
に入っても、
審議
に入る前から、
TPP特別委員会
の
理事
の
福井照衆議院議員
が、先ほど出てきた、
西川公也先生
の
思い
を
強行採決
という形で実現する
よう
に頑張らせていただく、この
よう
に
発言
して、引責
辞任
することから始まりました。
安倍総理
は、
審議
の中で、
自民党
は、結党以来、
強行採決
など考えたことがないと
発言
しましたが、初めから真面目に
議論
などするつもりはなく、
強行採決
することを決めていたのではないですか。
総理
の
国会
での
発言
は、歴史的な大
うそ
なんじゃないですか。 その後は、
強行
に次ぐ
強行
の
委員会運営
が行われ、とうとう先週四日には、与野党とも一致して一刻も早い批准を目指していた
パリ協定
の
採決
に向けた本
会議
の開催を協議している最中に、
議長
にも
議運委員長
にも知らせずに、一方的に
委員会
を開催して
採決
をするという
憲政史上
に汚点を残す暴挙の末、
強行採決
をしたのであります。
国会
は、
政府
や官邸の
下請機関
ではありません。
国権
の
最高機関
として、真摯な
議論
を行い、
国民
の
皆さん
に論点を明らかにして世論を喚起し、民意を受けた国の進むべき道を決める場ではなかったんですか。(
発言
する者あり)
審議
したいと言っているんですよ。
アメリカ大統領選挙
までに
TPP協定
を通したいということだと報道されていますが、まさにこれから
議論
が佳境に入るというところで
審議
を打ち切ることは、一体どこの国の
国民
のための
国会
なのか、全く理解できません。
TPP協定
は、食の安全、
医療制度
、
知的財産
、環境など、
TPP特別委員会
において
議論
を深める点がまだまだいっぱい残っています。
委員会
の
審議
では……(
発言
する者あり)していますよ。こうした論点に対する
同僚委員
の
質問
に対して、
担当大臣
はまともに
答弁
できず、何度も立ち往生したではないですか。役所が書いた的外れな
答弁
を丸読みするだけで、およそ
大臣
の
責任
を持って
TPP協定
の
我が国
や
国民
への
影響
を真面目に考えているとは思えません。いや、その
能力
すらあるか怪しい姿が
国民
の目の前に明らかになったのではないでしょうか。 こうした
審議
を見て、
国民
の
皆さん
は、
TPP協定
のことを知れば知るほど簡単には賛成できないなという
思い
になって、さらに知れば知るほど
反対
という声がふえていることは、
世論調査
の数字でも示されています。だからこそ、十月末に共同通信が行った
世論調査
では、合わせて七六・八%の人が、
TPP協定
を成立させる必要がないと、今
国会
にこだわらず慎重に
審議
すべきだと答えているのです。この
よう
な声を無視していいんでしょうか。 そして、きのうの
アメリカ大統領選挙
での
トランプ候補
の勝利。
トランプ候補
は、
選挙キャンペーン
中に、
就任初日
に
TPP
から撤退するということを明言しています。
上下両院
で過半数を占めた共和党の
マコネル上院院内総務
も、きのう、いわば
レームダック期間
と言われる次の
大統領就任
までの
引き継ぎ期間
中に
TPP協定案
を議会に
提出
しないことは確かだと明言をしております。
TPP協定
に
米国
が批准しないことはもはや明白です。
TPP
が発効しないことはどう見ても確実なんです。それなのに、本日とどめの
強行採決
をするというのは、正気の沙汰なのでありましょうか。
TPP
を諦めて次の道を探すことを始めるときではないですか。
日本
以外の他の
交渉参加国
で、批准に向けた手続を完了した国はありません。みんな
米国
の動向を見きわめているんです。それなのに、よりによって
TPP
からの撤退を明言する
トランプ
氏が
大統領選挙
に当選した翌日に、
強行採決
の末に
我が国
は
TPP協定
に突き進んでいく。これは、悪い
冗談
でなければ、究極的に間抜けなことで、
世界じゅう
に恥をさらしているとしか言い
よう
がありません。
安倍総理
は、これまで
国会
で、
日本
が先に批准することで、機運を醸成していく
役割
を
日本
は果たしていくべきだとか、
日本
が
リーダーシップ
を持って
アメリカ
にむしろ
影響力
を与えていくとか、大言壮語をしておりましたが、結局何の
影響力
も与えませんでしたね。
安倍総理
は来週十七日にニューヨークで
トランプ次期大統領
と初の会談を行うということですが、
就任初日
に
TPP
から撤退すると言っている
トランプ
氏に、一体
TPP
について何を言うというのですか。 株価や為替が乱高下し、韓国も含めた東アジアの
国際環境
が極めて
不安定化
、流動化する中にあって、今
国民
が期待するのは、きょう
TPP協定
を
強行採決
することではなく、新しい
米国大統領
の誕生後、
我が国
がどの
よう
な
安全保障政策
や
経済政策
をとっていくべきなのかという骨太で本質的な
議論
ではないんですか。直ちに
予算委員会
を開催して、この
よう
な
国民
の期待に応える
議論
を
国会
で行うことを強く求めさせていただきます。 そして、きょう
TPP協定
の
採決
に賛成で応じ
よう
としている
与党
とユ党の
皆さん
、本当に
TPP協定
の条文の中身を
自分
で読んで、調べて、考えたことがありますか。
うそ
をつかない、ぶれない、
TPP断固反対
というポスターを張りめぐらせて当選してきた
皆さん
、
与党
だからといって、ただ党の方針に従って、この
よう
な国の恥となる
よう
な
TPP協定
の
採決
に黙って起立をする、そんなことが
皆さん
の
政治家
としての
役割
なんですか。
採決マシン
になるために人生をなげうって厳しい苦しい
選挙
を戦ってきた、そうなんですか。
ふるさと
のことを頼むと握手をしてきた、それぞれの
地元
の
人たち
の手のぬくもりを覚えているなら、今この瞬間も木枯らしに吹かれながら田畑を耕し、美しい
田園風景
を守り続けている、その
人たち
を
思い
浮かべるなら、みずからの信念に従って行動すべきなのではないですか。 さて、この
臨時国会
の
審議
が
強行
に次ぐ
強行
に終始し、
国民
の
皆さん
が期待する
よう
な
議論
に深められなかった一番の
責任
は、
山本有二農林水産大臣
にあります。
山本農林水産大臣
は、十月十八日の夜に開かれた
佐藤勉衆議院議院運営委員長
の
パーティー
で、
強行採決
するかどうかはこの
佐藤勉
さんが決める、だから私ははせ参じたと
発言
しました。多くの聴衆の前で、全国に向けて放送される
テレビカメラ
の前でこの
よう
な
発言
を堂々と述べるのは、破廉恥の
きわみ
であります。
立法府
の
権威
を守るために日々奮闘していらっしゃる
佐藤議院運営委員長
にとっても、その
権威
をおとしめる、迷惑きわまりない
発言
だったのではないでしょうか。 さきに述べた
福井照TPP特別委員会理事
の
発言
は
立法府
の
立場
での
発言
ですが、行
政府
である
内閣
の一員の
大臣
が
国権
の
最高機関
である
国会
の
運営
に口を挟むこの
発言
は、まさに言語道断。
立憲主義
を根幹から揺るがす、前代未聞のより悪質な
発言
であることは、
福井理事
の比ではありません。
山本大臣
と同じ
土佐出身
の
福井理事
は
辞任
をされましたが、この一言をとってみても、みずから職を辞そうとしないその神経は、非常識の
きわみ
であります。
山本農林水産大臣
は、この
発言
について、先月二十七日の
国会質疑
で、
国会
のことは
国会
がお決めになるという
趣旨
で申し上げたと釈明し、
発言
を
撤回
しました。しかし、これは詭弁にもならない
自分
勝手な言いわけです。もう
発言
の
内容
は全国に
テレビ
で流れています。あの
発言
がその
よう
な
趣旨
で
発言
したとするならば、
山本大臣
の
日本
語の
能力
に疑問をつけざるを得ず、そもそも
大臣
としての資質がないと断ぜざるを得ないのではないでしょうか。 しかも、
山本農林水産大臣
の
問題発言
は、これにとどまることはありませんでした。
強行採決発言
について
特別委員会
で陳謝を余儀なくされたにもかかわらず、そのわずか二週間後、その舌の根も乾かぬうちに、先日、某
自民党議員
の
政治資金パーティー
で、この間
冗談
を言ったら首になりそうになったと高らかに言い放ったのであります。
冗談
だったとは何たる言いぐさでありましょうか。
国会
では不用意な
発言
であるとか軽率だったと謝っておられましたが、それが口先だけの上辺の
発言
であることがはっきりと明らかになりました。
冗談
とは、全く
国会
をばかにした
発言
です。 昔、
反省
だけなら猿でもできるという
テレビコマーシャル
がありました。十一月四日の
委員会
で再びこの
発言
について
謝罪
と
撤回
をしたものの、
山本大臣
のおわびが口先だけにすぎず、
謝罪
や
反省
の気持ちなど全くないのは明らかであります。
謝罪
をもって、
任命権者
の
総理
や
与党幹部
が言う
よう
に続投を許すという、その
よう
な
信頼関係
を取り戻すのは、もはや不可能であります。 この
よう
に、
山本農林水産大臣
は、今回、二度にわたる
問題発言
を繰り返し、
国民
と
国会
の
信頼
を失いました。 しかしながら、そもそも
山本大臣
は
農林水産行政
を預かる
大臣
としての器にふさわしい資質と
能力
を持ち合わせているのかどうかについても、残念ながら大いに疑問と言わざるを得ません。 今
臨時国会
での
TPP協定
の
審議
が始まる前、
主食用
に輸入する米の値段が偽装されているのではないかという問題が報道により明らかとなりました。
国家貿易
として輸入され、
政府
が公表している
輸入米
の
売り渡し価格
が、実際には、商社から
卸売業者
へリベートが流れていて、二割、三割安いのではないか、こういう問題であります。
TPP協定
が発効すれば、やがて七万八千四百トンもの
主食用
の米が新たに
米国
と豪州から輸入されることになりますが、これは、
政府
は、
輸入米
も
国産米
も値段が変わらないから、輸入する米と同じ量の
国産米
を
備蓄用
として買い上げれば何の
影響
もないと繰り返し
説明
してきました。ところが、
輸入米
は
国産米
より二割、三割安いということになれば、競合する
国産米
の
価格低下
は避けられません。
我が国
の
主食用
の米の生産に大きな
影響
を与えることになります。
TPP特別委員会
の
参考人質疑
では、
農業経済学者
から、三千億円以上の
生産額
の減少もあり得るという試算が示されたのであります。これは、
政府
が試算した
TPP
の
農林水産物
全体への
影響額
千三百から二千百億円を米だけではるかに上回るものですから、
TPP対策予算そのもの
の
妥当性
、
正当性
も再検討しなければならない問題です。また、
TPP
が
国会決議
を守っているのかどうかという、
審議
の根幹にもかかわる問題となってまいります。 この問題に対して、当初、
山本農水大臣
は、九月十六日の
記者会見
で、これまで
国内産米
の
市場価格
に変動はないと言ってきたことと異なることが最大の問題と思っていると、この
輸入米
の
価格偽装
の問題の本質をしっかりと認識していることを認めた上で、
調査
をすることを約束しました。 にもかかわらず、この問題が
農林水産省
のガット・ウルグアイ・ラウンド以降の
水田農業政策
の
正当性そのもの
を揺るがしかねない大きな問題であると
官僚たち
からストップをかけられたのか、あるいは
TPP協定
を初めからまともな
議論
を避けて
強行採決
し
よう
ともくろんでいた官邸からブレーキがかけられたのか、だんだん真面目に
調査
する姿勢が後退していき、米の
価格
に
影響
はなく、問題はないという結論ありきの
報告書
を公表したのです。
TPP特別委員会
や我が党の
調査チーム
では、具体的に誰に対してどの
よう
な
調査
を行ったのか、
調査対象
からどの
よう
な回答を得たのか、そういうことを何度聞いても、具体的な
調査対象
からの回答の
内容
どころか、
調査
の方法すら明らかにしません。とうとう
委員会
では、
山本大臣
は、役所がつくった
答弁
をただひたすら読み上げるだけの
朗読マシン
となってしまい、しかも、その読み上げる
答弁書
は
質問
とは
関係
のない箇所を読み上げるという、お粗末きわまりない姿をさらしました。
調査票
すら示さない
調査
を、
政府
として
調査
を行ったなどということは、民主的な
先進国
ではあり得ない話です。こうするうちに、
テレビ
や新聞では、
農林水産省
の
調査
結果は
自分たち
が回答した結果と全く違うという告発のニュースが連日出され、
農林水産省
の
調査
結果を信じる者はほとんどいなくなってしまったのであります。 この
よう
な状況にもかかわらず、
山本大臣
は一切再
調査
に応じ
よう
とせず、
特別委員会
の
理事会
にも必要な
資料
の
提出
すらしません。もはや、
輸入米
の
価格偽装
問題は、
輸入米
価格偽装
問題の
調査
偽装問題へと変質してしまい、
農林水産行政
への
信頼
は地に落ちてしまったのです。
食糧法
第一条には、主要な食糧である米穀が主食としての
役割
を果たし、かつ、重要な農産物としての地位を占めていることに鑑み、米の
生産者
から
消費者
までの適正かつ円滑な流通を確保するための措置を総合的に講ずることにより、
主要食糧
の需給及び
価格
の安定を図り、もって
国民生活
と
国民経済
の安定に資することを目的とするという規定がありますが、
農林水産大臣
はまさに、
国民
の食を守り、それを生産する
農業
の
発展
を図るという職責を全く果たす気がないと断ぜざるを得ません。 残念ながら、話はこれだけでは終わりません。終わらないんです。 さきに申し上げた、
強行発言
は
冗談
だったと
発言
したその場で、
山本農林水産大臣
は、
JA
の方々が大勢いる
よう
なので、あすでも○○先生の紹介で農水省に来ていただければ、何かいいことがあるかもしれませんよとも
発言
しました。絶対に看過できない
発言
です。
自民党議員
の紹介で
農林水産省
に行けば、一体どの
よう
ないいことがあるんですか。ぜひとも私
たち
にも教えてください。 本来、法令に従って中立的に執行されるべき
行政機関
の長が、
与党
の一
議員
の口ききで何らかの取り計らいがなされるなんということが、絶対にあってはならないんです。
自民党
には、まだこの
よう
な
利権誘導政治
の亡霊がう
よう
よしているんですか。 その場で
大臣
の
発言
を聞いていたある方は、
余り
にも
JA
をばかにした
発言
だ、片や
農協改革
なんて格好をつけて、現場を無視した
改革ごっこ
を気取りながら、
与党
に従えば利益を上げますよ、従わなければ締め上げるぞと脅す、こんな人が
農水大臣
なんて許せないと、
怒り
の声を私に電話してきました。
山本大臣
、あなたにとって
農林水産行政
は、権力を使って票をとるための道具でしかないんですか。
余り
にも数の力におごり高ぶり過ぎているのではないですか。 ことしは、米のでき
ぐあいがいま一つ
だったり、
天候不順
で野菜の収穫が減ったり、
収穫間際
の作物をイノシシに荒らされたり、私の
地元
の多くの
農業
に携わる
皆さん
が気の休まる
思い
なく頑張っていらっしゃいます。そんな
皆さん
は、
山本大臣
の
国会
での
対応
を見て、心の底から
怒り
の声を上げています。
与党
の
皆さん
、この
よう
な
大臣
を、同じ
与党
の
議員
だからといって、そのまま
農林水産大臣
という大事な職につけて本当にいいんですか。
与党
の矜持が問われているんですよ。いいんですか。 私の出身は、維新の先駆けと言われる
水戸藩
ですが、
山本農林水産大臣
の
地元
である高知県も、
坂本竜馬
に代表される
よう
に、これまで多くの維新の偉業にかかわった偉人を輩出してきました。
高知県民
の気風は、
いごっそう
と言われる
よう
に、頑固で妥協をよしとはせず、生真面目で
権威
におもねらず、一本気であることとされております。
山本大臣
は、昨年、
TPP協定大筋合意
後の十一月十五日に、
JA土佐
くろし
おのJAまつり
で、
TPP交渉大筋合意
に
撤回
を求める署名に応じていたと報道されております。この
国会
における
山本農林水産大臣
の
働きぶり
は、もしかしたら体を張って
TPP
をとめ
よう
とされたのではないかとも考えます。 しかし、これから始まる
強行採決
で、も
うそ
の
役割
は必要ないんですよ。
農林水産行政
という重要な
役割
を担う者としての自覚も
責任感
もなく、
農林水産行政
を通じて
日本
の
ふるさと
を守っていくという信念も感じられず、軽々しい
問題発言
を繰り返してはその
反省
もできず、
国民
と
国会
を混乱に陥れたその姿は、
高知県民
の美風である
いごっそう
から全くかけ離れたものと言わざるを得ません。 本来、
大臣
御本人、みずからがおやめになるのが
いごっそう
としての美徳、生き方であるし、それを我々が黙って見送るのが武士の情けであると
思い
ますが、御本人が、往生際悪く、みっともない姿で
大臣
の座に居座り続けている以上、
国権
の
最高機関
としての
国会
の
権威
を守るために、この
よう
な
人物
を即刻に罷免すべきことを申し述べ、
提案理由
といたします。 ありがとうございました。(
拍手
)
—————————————
大島理森
7
○
議長
(
大島理森
君)
討論
の通告があります。順次これを許します。
赤澤亮正
君。 〔
赤澤亮正
君
登壇
〕
赤澤亮正
8
○
赤澤亮正
君
自由民主党
・
無所属
の会の
赤澤亮正
です。 私は、
自由民主党
・
無所属
の会を代表して、ただいま
議題
となりました
山本農林水産大臣不信任決議案
に対し、断固
反対
の
立場
から
討論
を行います。(
拍手
) とはいえ、
山本大臣
には心から深く深く
反省
してもらわなければなりません。 厳しい
審議日程
を念頭に置きつつ、
野党
の
諸君
の御理解もいただきながら
TPP特別委員会
の
審議
を丁寧に進める中で、
山本大臣
から
一連
の問題となる
発言
がなされました。これらの
発言
は誤解を招く軽率なものであり、配慮に欠ける不適切なものであるという
趣旨
の御指摘については、確かにそのとおりと認めざるを得ません。
山本大臣
の猛省を求めるものであります。 一方で、
山本大臣
は、既に今回の件について大いに
反省
をし、
TPP特別委員会
において
一連
の
発言
を
撤回
の上、深く
謝罪
しておられます。 また、
山本大臣
は、
就任
以来、
農林水産業
の
成長産業化
に向けて、
農林水産業関係者
が夢と希望を持てる新時代の創造に全力で取り組み、強い
使命感
と強力な
リーダーシップ
で
我が国
の
農林水産行政
を牽引してきました。 本年八月以降の台風による大規模な
農林水産業
の被害についても、
山本大臣
は先頭に立ち、被災された
方々
に寄り添いながら、迅速かつ丁寧に
対応
をしてきたところです。 国政に停滞は許されません。今、我々に求められているのは、
農林水産行政
に熱い情熱を持って取り組んでいる
山本大臣
に、今般の件で
国民
の皆様に多大な御迷惑をかけた分、深い
反省
の上に立って、しっかりと仕事でお返しする
よう
強く促すことであると考えます。
山本大臣
御自身も、今後一層職務に精励する決意であると承知をしております。
山本大臣
の
一連
の
発言
については
与党
としても到底支持できないものですが、しかしながら、ただいま
審議
中の
TPP協定
の
早期発効
は目下の
我が国
の最
重要課題
の
一つ
であり、
協定
の
承認
と
関連法案
の
成立
は、
日本経済
全体の
活性化
を図る上で極めて大切であります。 この
協定
は、
アジア太平洋
において自由、公正で開かれた
巨大市場
を創出するという極めて大きな
経済的意義
に加え、
関係国
間の緊密な連携が
地域
の平和と安定に大きく寄与するという
戦略的価値
をもあわせ持っております。
山本大臣
は、その
TPP特別委員会
での
審議
においても、SBS米問題への
対応
を初め、
野党
の
諸君
の
質問
や
要求
にできる限り真摯かつ誠実に
対応
し、充実した
審議
の実現に尽力してこられました。 繰り返しますが、
TPP協定
の
早期発効
は
我が国
の
経済活性化
を図るために必要不可欠であり、一日も早い
協定
の
承認
と
関連法案
の
成立
が望まれます。そのことこそが、折しも
米国
で
日本
時間の昨日
勝利宣言
を行い、
安倍総理
と同様、
経済再生
、強い
経済
を目指すドナルド・
トランプ次期米国大統領
に対し、我々の祝意とあわせて、
我が国
からの
三つ
の強い
メッセージ
を送ることになると確信いたします。
一つ目
は、国際的な
貿易交流
の拡大が
日米両国
、ひいては
世界経済
の
発展
に資するという
メッセージ
であり、
二つ目
は、
アジア太平洋地域
の
発展
と平和を
日米両国
でリードしていくという
メッセージ
であります。加えて、
我が国
は
TPP協定
の再
交渉
に応じる考えはないという
三つ目
の
メッセージ
も届けたいと
思い
ます。 私
たち自由民
主党・
無所属
の会は、これからも、
TPP
を通して強い
日本経済
を実現するため、
国民
の理解のもと、国を挙げて最高の準備に取り組む決意であります。 終わりに、
我が国
の
農林水産業
の
発展
に誠心誠意努力を重ねてきた
山本農林水産大臣
の
不信任決議案
には断固
反対
であると再度申し上げ、私の
反対
討論
を終わります。(
拍手
)
大島理森
9
○
議長
(
大島理森
君) 村岡敏英君。 〔村岡敏英君
登壇
〕
村岡敏英
10
○村岡敏英君
民進党
、秋田県
出身
の村岡敏英でございます。 私は、
民進党
・
無所属クラブ
を代表し、ただいま
議題
になりました
山本有二農林水産大臣
不信任決議案
に賛成の
立場
で
討論
いたします。(
拍手
) さて、
アメリカ
では、昨日、
トランプ
氏が次期大統領に
就任
することになりました。その
トランプ
氏ですが、来年一月二十日の
就任初日
に
TPP
の枠組みからの離脱を表明すると、この十月に
発言
しております。さらに、マコネル米上院院内総務は、九日の会見で、
TPP
法案の年内
採決
はまずないと言明しています。なぜ今、
国会
で
採決
を急ぐのでしょうか。 さらに、この離脱をするというのが、たとえ、話に応じたとしたら、むしろ
アメリカ
の再
交渉
を後押しすることになるのではないですか。今、
我が国
が急いで
国会
承認
をすることに何の意味があるのでしょうか。
国民
の納得は得られません。 このたびの
TPP
の
交渉
結果の
審議
では、まずは、
国会決議
が守られていない、さらに、
情報
開示の請求で出てきた
交渉
内容
の文書はまっくろくろすけ。本来なら、この
よう
な
審議
ができない状況の中で、我々は、
TPP
が重要だということで真摯に
審議
に応じてまいりました。 その最中で、今回、
山本大臣
の
発言
、大変残念であります。私が
大臣
であれば、農家の苦しみや悲しみを一身に受け、悩み考えながら、しっかりと
発言
一つ
一つ
を覚悟を持って言わなければなりません。
山本大臣
の失言は、農家の
方々
、暮らしや
生活
がかかっています、到底看過することができません。
大臣
は農家の
皆さん
の気持ちをわかっているのでしょうか。稲刈りのときに、あぜ道に米が少し落ちたのを手で拾いながら、米を大事にしている農家の
皆さん
の気持ちを考えてください。 また、
TPP
審議
中に、
TPP
の
影響
試算の前提を覆すことになるであろうSBS米の調整金の問題が入ってきました。この調整金は、自由貿易を守るために、外国からの米を、農家の方は涙をのんで耐えてきたわけです。そのSBS米が調整金によって
価格
が下げられているという疑いがあるとすれば、しっかりと
調査
するのが農林省、農林
大臣
の
役割
じゃないでしょうか。 しかしながら、
価格
の
調査
はしていない。その上、十万トン、
TPP
が発効すれば七万八千トン、十七万八千トンもの米が外国から入ってくるのに、
影響
がない。先ほど言った
よう
に、一粒の米でも大事にしている農家の気持ちを完全に踏みにじっているとしか言い
よう
がありません。 そして、SBS米は
主食用
の米になります。しかし、備蓄して、安全だと言われた国内の農家がつくった米は餌用になるんです。農家の
人たち
は悲しいんですよ。悔しいんですよ。その気持ちをわかった上で、しっかりとした
調査
をするべきではありませんか。 そんな
TPP協定
の
国会
での
審議
の真っただ中での
大臣
の
発言
、
強行採決
するかどうかは佐藤
委員長
が決める。これは
強行採決
ありきで、
国会
軽視も甚だしく、また、これに続き、この間は
冗談
を言って首になりそうになりましてとの
発言
はさらなる衝撃的なものでした。 私の
発言
で皆様に御迷惑をおかけしましたことをおわび申し上げますと言っておられた
よう
ですが、
大臣
の
発言
は、農家はもとより、
国民
が
怒り
を持っており、到底看過することはできません。
総理
や官房長官、国対
委員長
など身内に対しては謝っていますが、
国民
に真摯におわびする気持ちが本当にありますか。その気持ちは伝わってきません。結局、本音の
発言
が出たのではないかと農家の人は思っております。 これでは、
国民
も我々
国会
議員
も、
大臣
を
信頼
することができないのです。失言が二回も出る
よう
であれば、
大臣
の
委員会
での
答弁
も、しっかりやっていたのか、これは信じることができません。 さらに、
JA
の
方々
が大勢いらっしゃる
よう
ですが、あすでも農林省に来ていただければ何かよいことがあるかもしれませんという
発言
は、
農林水産大臣
は
JA
に対して監督
責任
を持っている省庁のトップです、利益誘導を示唆するかの
よう
な
発言
をすることは、
農林水産大臣
としてあるまじき行為と言わざるを得ません。 この場であえて申し上げたいのは、
政府
の緩み切った体質であります。
国会
審議
なんか時間をこなせばいい、数があるからそれでいい、
世論
なんかそのうち忘れるだろうと思っていないでしょうか。だから、緩みで失言が次々出てくるのではないでしょうか。 先日の衆議院補欠
選挙
の後、
自民党
の二階幹事長は、期待に応えるために、謙虚な姿勢を忘れず、しっかり
対応
していきたいとおっしゃっておりました。しかしながら、その言葉は届いていない
よう
です。
国民
の
皆さん
、
TPP断固反対
、ぶれないとは、
自民党
の
皆さん
のポスターです。 共同通信社の中で考えても、
審議
を尽くしていないという人がほとんどであります。 今まで結党以来、
強行採決
を考えたことはないということですけれども、まさに
強行採決
を行ってしまいました。この暴挙は許せません。
国会
日程
ありきで、
TPP
の
特別委員会
の
強行採決
は、我々は認めることはできません。
TPP
をめぐる
議論
はまだまだ深まっていません。
強行採決
は認められません。食の安全の問題、ISDSの条項等、新しい
論点
も次々と出てきています。
審議
は尽くされていません。我々は、
委員会
での
強行採決
は認めていません。
審議
のやり直しを求めます。ましてや、本
会議
での
採決
には到底応じることはできません。 さらに、
農業
政策においては、国の政策がころころと変わる猫の目政策と言われる
よう
に、先日、財務省の財政制度
審議
会において、飼料米への転作で交付金が膨らむので野菜に転作すべきと促されたと指摘しています。 私は、
国会
の中で何回も聞きました。飼料米政策は岩盤政策なのか、せめて十年という単位でやらなければ、また猫の目農政と言われると
質問
しました。米政策の重要な柱だと言っておきながら、これは続けることは困難の
よう
な示唆なんでしょうか。またもや、農家の
人たち
の
怒り
を買ってしまいます。
大臣
は、
TPP特別委員会
でこの
よう
に申しました。
山本大臣
、
大臣
は
就任
当初の
記者会見
で、私は、
高知
県という大変風光明媚な、山と川と海、まさに
農林水産業
のメッカの土地でございます、そういうところで
選挙
区を置いて、また生まれ育って現在に至っておりますので、肌感覚で農山漁村というものを日常として接してきております、そういう私の存在の中から何かお役に立てる、
農林水産業
という行政の中でお役に立てることがあればいいという
よう
に念じておりますとおっしゃられておりました。 だからこそ、農家の方が怒っているんです。
TPP
の
審議
の中で、
強行採決
の
発言
をしたり、訂正したのをまた
冗談
という、このことをしっかりと認識していただきたい。 この大変な
農業
の状況です。六十七歳以上の平均年齢、二百万人を切る中、食料は、
消費者
と農家と、両方大事な、国の食料の安全保障です。この
農業
を進めていく上には
信頼
が必要です。農家の
方々
も改革は覚悟いたしております。しかし、
信頼
ある
大臣
がやらなければなりません。
大臣
の
出身
地である
高知
、
土佐出身
の、先ほども出ましたが、明治
維新
の志士、
坂本竜馬
の言葉、これは司馬遼太郎さんの「竜馬がゆく」で出てきますが、人間、不人気では何もできませんな、いかに正義を行おうと、ことごとく悪意にとられ、ついにはみずから事を捨てざるを得なくなりますとあります。
信頼
が大事なんです。やはり
信頼
がある
大臣
が必要なんです。
大臣
、みずから身を処されることを本当はお願いしたい、この
よう
に思っております。しかしながら、みずから判断しないとすれば、
山本農林水産大臣不信任決議案
への賛成
討論
をやらせていただきました。 御清聴ありがとうございました。(
拍手
)
大島理森
11
○
議長
(
大島理森
君) 斉藤和子君。 〔斉藤和子君
登壇
〕
斉藤和子
12
○斉藤和子君 私は、
日本共産党
を代表し、ただいま
議題
となりました
山本有二農林水産大臣
に対する
不信任決議案
に賛成の
討論
を行います。(
拍手
) 第一に、
山本有二農林水産大臣
の二度にわたる
国会
審議
を愚弄する暴言は断じて許されません。
山本大臣
は、十月十八日、
佐藤勉
議院
運営
委員長
の
パーティー
で、私は内心思っております、
強行採決
するかどうかはこの
佐藤勉
さんが決めるであろう、ですから、私ははせ参じたわけでございますと
発言
しました。これは、
政府
が
国会
に露骨に介入し、しかも
強行採決
をけしかけるものであり、
国民
の厳しい批判を浴びたのであります。 ところが、
山本大臣
は、不適切な
発言
で御迷惑をおかけし申しわけないと述べた直後の十一月一日、田所
議員
の
パーティー
で、この間
冗談
を言ったら首になりそうになりましてなどと
発言
したのであります。
強行採決発言
を
冗談
というなら、
国会
で陳謝したことも
冗談
だというのでしょうか。
山本大臣
はみずからの
発言
の重大性も全く認識しておらず、
反省
もしていないことは明らかです。
野党
四党が
辞任
を
要求
したのは当然です。 第二に、利益誘導
発言
です。
山本大臣
は、十一月一日の田所
議員
の
パーティー
で、
JA
の
方々
が大勢いらっしゃるみたいでございますので、あすでも田所
先生
の御
紹介
で農林省に来ていただければ、何かいいことがあるかもしれませんと
発言
しました。利益誘導そのものであり、
大臣
としての資格も
資質
もないことは誰の目にも明らかです。 その一方で、農家の願いには全く聞く耳を持たず、踏みつけにする態度をとってきました。それは、九月に発覚した
輸入米
価格偽装
問題での
対応
に端的にあらわれています。
山本大臣
は
TPP特別委員会
で、
輸入米
は
国産米
価を押し下げていないと
答弁
を繰り返しました。しかし、実際には、
輸入米
は
国産米
より二割も安く取引されていることが明らかになり、
輸入米
と
国産米
は同じ
よう
な
価格
だから
影響
はないとしてきた
政府
の主張は根底から破綻しました。 ところが、
山本大臣
は
野党
が何度も求めた
調査
を行いませんでした。
大臣
の
責任
は、農家や
国民
の納得が得られる
よう
事実を明らかにすることであって、事実を隠したり、ごまかしたりすることではありません。 多くの農家が、安い米価のもとで、減反や飼料米への転換を余儀なくされながらも、歯を食いしばって米をつくり続けているんです。だまされたという農家の
怒り
の声が
大臣
には聞こえないのでしょうか。農家に対してこれほど不誠実な
大臣
が
農林水産大臣
の職にあることに憤りを感じざるを得ません。直ちに
辞任
すべきです。 第三に、
山本大臣
が、
国会決議
に違反し、公約に反して、
農林水産業
に甚大な打撃を与える
TPP協定
を推進していることです。 二〇一三年の
国会決議
は、
日本
にとって重要な米、麦、牛・豚肉、乳製品、砂糖などの五つの農産物について、除外または再協議とするとしています。ところが、
政府
でさえ、重要五品目で無傷のものはないと
答弁
したではありませんか。 さらに、
日本
だけに課せられた七年後の再協議規定で、さらに厳しい譲歩が強いられることは明白であります。明らかに
国会決議
違反です。 それだけではありません。
山本大臣
は、二〇一二年の総
選挙
では
TPP断固反対
を掲げて当選しました。ちょうど一年前の十一月、
JA土佐
くろしお主催の祭りで、
TPP
の合意は
撤回
し、
協定
への調印、
批准
は行わないことという請願に
署名
したのであります。
TPP
大筋合意の直後に、合意は
撤回
、
批准
は行わないと表明しながら、
TPP
批准
に突き進む。こんなにも農家や
国民
を欺く姿勢はありません。 最後に、この
よう
な
山本大臣
を任命し、かばい続け、
TPP協定
を
強行
し
よう
としている安倍首相、自民、公明両党の
責任
は重大です。 十一月四日、
TPP特別委員会
の塩谷
委員長
は、同日の本
会議
の開催が議院
運営
委員会
で協議されているさなかに、職権で一方的に
委員会
を開催し、
民進党
、
日本共産党
の質疑権を奪い、
TPP協定
と
関連法案
の
強行採決
に及びました。 これは、
国会
のルールも無視した前代未聞の暴挙であります。我が党が
要求
した
よう
に、
委員会
に差し戻し、
審議
続行するのが当然であります。 今や、
TPP
参加のどの国でも、
TPP
に
反対
する市民の声が渦巻いています。それは、
TPP
が投資家や多国籍企業の利益を優先して、
国民
の権利と国の主権を危うくし、食の安全を脅かし、雇用を奪うからであります。
日本
の
農林水産業
を破壊し、豊かな自然と
地域
社会を荒廃させることも明らかです。
アメリカ
では、
TPP
に断固
反対
だという大統領が誕生しました。
大島理森
13
○
議長
(
大島理森
君) 斉藤君、時間が来ておりますよ。
斉藤和子
14
○斉藤和子君(続) 今からでも遅くはありません。
日本
でも、
全国
津々浦々に
怒り
の声が渦巻いています。この声に耳を傾け、
TPP協定
及び
関連法案
の
採決
はやめるべきです。 以上、賛成
討論
を終わります。(
拍手
)
大島理森
15
○
議長
(
大島理森
君) これにて
討論
は終局いたしました。
—————————————
大島理森
16
○
議長
(
大島理森
君)
採決
いたします。 この
採決
は記名投票をもって行います。 本決議案に賛成の
諸君
は白票、
反対
の
諸君
は青票を持参されることを望みます。——議場閉鎖。 氏名点呼を命じます。 〔参事氏名を点呼〕 〔各員投票〕
大島理森
17
○
議長
(
大島理森
君) 投票漏れはありませんか。——投票漏れなしと認めます。投票箱閉鎖。開票。——議場開鎖。 投票を計算させます。 〔参事投票を計算〕
大島理森
18
○
議長
(
大島理森
君) 投票の結果を事務総長から報告させます。 〔事務総長報告〕 投票総数 四百四十八 可とする者(白票) 百二十五 否とする者(青票) 三百二十三
大島理森
19
○
議長
(
大島理森
君) 右の結果、
農林水産大臣山本有二
君
不信任決議案
は否決されました。(
拍手
)
—————————————
山井和則
君外五名
提出
農林水産大臣山本有二
君
不信任決議案
を可とする
議員
の氏名 安住 淳君 阿部 知子君 青柳 陽一郎君 赤松 広隆君 荒井 聰君 井坂 信彦君 井出 庸生君 石関 貴史君 泉 健太君 今井 雅人君 江田 憲司君 枝野 幸男君 小川 淳也君 小熊 慎司君 緒方 林太郎君 大串 博志君 大島 敦君 大西 健介君 大畠 章宏君 太田 和美君 逢坂 誠二君 岡田 克也君 岡本 充功君 奥野 総一郎君 落合 貴之君 柿沢 未途君 金子 恵美君 神山 洋介君 菅 直人君 木内 孝胤君 吉良 州司君 黄川田 徹君 菊田 真紀子君 岸本 周平君 北神 圭朗君 黒岩 宇洋君 玄葉 光一郎君 小宮山 泰子君 小山 展弘君 後藤 祐一君 郡 和子君 近藤 昭一君 近藤 洋介君 佐々木 隆博君 坂本 祐之輔君 重徳 和彦君 階 猛君 篠原 豪君 篠原 孝君 鈴木 克昌君 鈴木 義弘君 田島 一成君 田嶋 要君 高井 崇志君 高木 義明君 武正 公一君 玉木 雄一郎君 津村 啓介君 辻元 清美君 寺田 学君 中川 正春君 中島 克仁君 中根 康浩君 長島 昭久君 長妻 昭君 西村 智奈美君 野田 佳彦君 初鹿 明博君 原口 一博君 伴野 豊君 平野 博文君 福島 伸享君 福田 昭夫君 古川 元久君 古本 伸一郎君 細野 豪志君 馬淵 澄夫君 前原 誠司君 牧 義夫君 升田 世喜男君 松木けんこう君 松田 直久君 松野 頼久君 松原 仁君 水戸 将史君 宮崎 岳志君 村岡 敏英君 本村 賢太郎君 山尾 志桜里君 山井 和則君 柚木 道義君 横路 孝弘君 横山 博幸君 笠 浩史君 鷲尾 英一郎君 渡辺 周君 赤嶺 政賢君 池内 さおり君 梅村 さえこ君 大平 喜信君 笠井 亮君 穀田 恵二君 斉藤 和子君 志位 和夫君 清水 忠史君 塩川 鉄也君 島津 幸広君 田村 貴昭君 高橋 千鶴子君 畑野 君枝君 畠山 和也君 藤野 保史君 堀内 照文君 真島 省三君 宮本 岳志君 宮本 徹君 本村 伸子君 小沢 一郎君 玉城 デニー君 照屋 寛徳君 吉川 元君 上西 小百合君 川端 達夫君 仲里 利信君 野間 健君 否とする
議員
の氏名 あかま 二郎君 あべ 俊子君 安倍 晋三君 逢沢 一郎君 青山 周平君 赤枝 恒雄君 赤澤 亮正君 秋葉 賢也君 秋元 司君 秋本 真利君 浅尾 慶一郎君 麻生 太郎君 穴見 陽一君
甘利
明君 安藤 裕君 井野 俊郎君 井上 信治君 井上 貴博君 井林 辰憲君 伊東 良孝君 伊藤 信太郎君 伊藤 忠彦君 伊藤 達也君 伊吹 文明君 池田 道孝君 池田 佳隆君 石川 昭政君 石崎 徹君 石田 真敏君 石破 茂君 石原 伸晃君 石原 宏高君 稲田 朋美君 今枝 宗一郎君 今津 寛君 今村 雅弘君 岩田 和親君 岩屋 毅君 うえの賢一郎君 江崎 鐵磨君 江渡 聡徳君 江藤 拓君 衛藤 征士郎君 遠藤 利明君 小倉 將信君 小此木 八郎君 小里 泰弘君 小田原 潔君 小野寺 五典君 小渕 優子君 尾身 朝子君 越智 隆雄君 大岡 敏孝君 大串 正樹君 大隈 和英君 大塚 高司君 大塚 拓君 大西 英男君 大西 宏幸君 大野 敬太郎君 大見 正君 岡下 昌平君 奥野 信亮君 鬼木 誠君 加藤 鮎子君 加藤 勝信君 加藤 寛治君 梶山 弘志君 勝沼 栄明君 勝俣 孝明君 門 博文君 門山 宏哲君 金子 一義君 金子 万寿夫君 金子 めぐみ君 金子 恭之君 金田 勝年君 上川 陽子君 神谷 昇君 神山 佐市君 亀岡 偉民君 鴨下 一郎君 河井 克行君 河村 建夫君 神田 憲次君 菅家 一郎君 木内 均君 木原 誠二君 木原 稔君 木村 太郎君 木村 弥生君 城内 実君 黄川田 仁志君 岸 信夫君 岸田 文雄君 北川 知克君 北村 茂男君 北村 誠吾君 工藤 彰三君 熊田 裕通君 小泉 進次郎君 小島 敏文君 小林 鷹之君 小林 史明君 小松 裕君 古賀 篤君 後藤 茂之君 後藤田 正純君 河野 太郎君 高村 正彦君 國場 幸之助君 今野 智博君 左藤 章君 佐々木 紀君 佐田 玄一郎君 佐藤 勉君 佐藤 ゆかり君 齋藤 健君 坂井 学君 坂本 哲志君 櫻田 義孝君 笹川 博義君 塩谷 立君 柴山 昌彦君 島田 佳和君 下村 博文君 白須賀 貴樹君 新谷 正義君 新藤 義孝君 菅 義偉君 菅原 一秀君 助田 重義君 鈴木 馨祐君 鈴木 俊一君 鈴木 淳司君 鈴木 貴子君 鈴木 憲和君 鈴木 隼人君 瀬戸 隆一君 関 芳弘君 園田 博之君 薗浦 健太郎君 田所 嘉徳君 田中 和徳君 田中 英之君 田中 良生君 田野瀬 太道君 田畑 毅君 田畑 裕明君 田村 憲久君 平 将明君 高市 早苗君 高木 毅君 高木 宏壽君 高鳥 修一君 高橋 ひなこ君 竹下 亘君 竹本 直一君 武井 俊輔君 武田 良太君 武部 新君 武村 展英君 橘 慶一郎君 棚橋 泰文君 谷 公一君 谷川 とむ君 谷川 弥一君 津島 淳君 辻 清人君 土屋 品子君 土屋 正忠君 寺田 稔君 とかしきなおみ君 土井 亨君 冨樫 博之君 渡海 紀三朗君 冨岡 勉君 豊田 真由子君 中川 俊直君 中川 郁子君 中谷 元君 中谷 真一君 中根 一幸君 中村 裕之君 中山 展宏君 中山 泰秀君 永岡 桂子君 長尾 敬君 長坂 康正君 長島 忠美君 二階 俊博君 丹羽 秀樹君 丹羽 雄哉君 西川 公也君 西村 明宏君 西村 康稔君 西銘 恒三郎君 額賀 福志郎君 根本 匠君 根本 幸典君 野田 聖子君 野田 毅君 野中 厚君 葉梨 康弘君 萩生田 光一君 橋本 英教君 馳 浩君 鳩山 二郎君 浜田 靖一君 林 幹雄君 原田 憲治君 原田 義昭君 比嘉 奈津美君 平井 たくや君 平口 洋君 平沢 勝栄君 ふくだ 峰之君 福井 照君 福田 達夫君 福山 守君 藤井 比早之君 藤丸 敏君 藤原 崇君 船田 元君 古川 康君 古川 禎久君 古田 圭一君 古屋 圭司君 星野 剛士君 細田 博之君 堀井 学君 堀内 詔子君 前川 恵君 前田 一男君 牧島 かれん君 牧原 秀樹君 松島 みどり君 松野 博一君 松本 純君 松本 剛明君 松本 文明君 松本 洋平君 三ッ林 裕巳君 三ッ矢 憲生君 三原 朝彦君 御法川 信英君 宮内 秀樹君 宮川 典子君 宮腰 光寛君 宮崎 政久君 宮澤 博行君 宮路 拓馬君 宮下 一郎君 武藤 容治君 務台 俊介君 宗清 皇一君 村井 英樹君 村上 誠一郎君 望月 義夫君 茂木 敏充君 盛山 正仁君 森 英介君 森山 裕君 八木 哲也君 保岡 興治君 簗 和生君 山際 大志郎君 山口 俊一君 山口 泰明君 山口 壯君 山下 貴司君 山田 賢司君 山田 美樹君 山本 公一君 山本 幸三君 山本 拓君 山本ともひろ君 山本 有二君 吉川 貴盛君 吉野 正芳君 義家 弘介君 和田 義明君 若狭 勝君 若宮 健嗣君 渡辺 孝一君 渡辺 博道君 赤羽 一嘉君 井上 義久君 伊佐 進一君 伊藤 渉君 石田 祝稔君 稲津 久君 上田 勇君 浮島 智子君 漆原 良夫君 江田 康幸君 大口 善徳君 太田 昭宏君 岡本 三成君 北側 一雄君 國重 徹君 輿水 恵一君 佐藤 茂樹君 佐藤 英道君 斉藤 鉄夫君 高木 美智代君 高木 陽介君 竹内 譲君 角田 秀穂君 遠山 清彦君 富田 茂之君 中川 康洋君 中野 洋昌君 浜地 雅一君 濱村 進君 樋口 尚也君 古屋 範子君 真山 祐一君 桝屋 敬悟君 吉田 宣弘君 小泉 龍司君 長崎 幸太郎君 武藤 貴也君 ————◇—————
日程
第一
環太平洋パートナーシップ協定
の
締結
について
承認
を求めるの件(第百九十回
国会
、
内閣提出
)
日程
第二
環太平洋パートナーシップ協定
の
締結
に伴う
関係法律
の
整備
に関する
法律案
(第百九十回
国会
、
内閣提出
)
大島理森
20
○
議長
(
大島理森
君)
日程
第一、
環太平洋パートナーシップ協定
の
締結
について
承認
を求めるの件、
日程
第二、
環太平洋パートナーシップ協定
の
締結
に伴う
関係法律
の
整備
に関する
法律案
、右両件を一括して
議題
といたします。
委員長
の報告を求めます。
環太平洋パートナーシップ協定
等に関する特別
委員長
塩谷立君。
—————————————
環太平洋パートナーシップ協定
の
締結
について
承認
を求めるの件及び同
報告書
環太平洋パートナーシップ協定
の
締結
に伴う
関係法律
の
整備
に関する
法律案
及び同
報告書
〔本号(二)に掲載〕
—————————————
〔塩谷立君
登壇
〕
塩谷立
21
○塩谷立君 ただいま
議題
となりました両案件につきまして、本
委員会
における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。 まず、
環太平洋パートナーシップ協定
は、本年二月四日にニュージーランドのオークランドにおいて、
我が国
及び
米国
を含む環太平洋
地域
の十二カ国の間で
署名
されたものであり、物品及びサービスの貿易並びに投資の自由化及び円滑化を進めるとともに、
知的財産
、電子商取引、国有企業、
環境
等幅広い分野で二十一世紀型の新たなルールを構築するための法的枠組みについて定めるものであります。 次に、
環太平洋パートナーシップ協定
の
締結
に伴う
関係法律
の
整備
に関する
法律案
は、同
協定
を
締結
し、これを実施するため、関税暫定措置法、著作権法、独占禁止法、畜産物
価格
安定法等必要な
関係法律
の規定の
整備
を総合的かつ一体的に行うものであります。 両案件は、第百九十回
国会
の四月五日に本
会議
において
趣旨
説明
及び質疑が行われ、翌六日に本
委員会
において岸田外務
大臣
及び石原国務
大臣
からそれぞれ
提案理由
の
説明
を聴取した後、七日から質疑に入り、総括質疑及び一般質疑をそれぞれ三日間行い、今
国会
まで継続審査に付されたものであります。 今
国会
におきましては、十月十四日に質疑に入り、両
大臣
及び
山本農林水産大臣
等に対する質疑や、安倍
内閣
総理
大臣
の出席を求めての五日間の総括的集中質疑のほか、
農業
、食の安全等及び知財、ISDS等のテーマごとに
参考人質疑
を行い、また、北海道及び宮崎県においていわゆる地方公聴会を行うなど、慎重に審査を重ね、去る十一月四日、締めくくり総括質疑を行い、質疑を終局いたしました。引き続き、
討論
を行った後、順次
採決
いたしましたところ、
環太平洋パートナーシップ協定
の
締結
について
承認
を求めるの件は
承認
すべきものと議決し、
環太平洋パートナーシップ協定
の
締結
に伴う
関係法律
の
整備
に関する
法律案
は原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。 なお、
環太平洋パートナーシップ協定
の
締結
に伴う
関係法律
の
整備
に関する
法律案
に対し附帯決議が付されたことを申し添えます。 以上、御報告申し上げます。(
拍手
)
—————————————
大島理森
22
○
議長
(
大島理森
君) 両件につき
討論
の通告があります。順次これを許します。升田世喜男君。 〔升田世喜男君
登壇
〕
升田世喜男
23
○升田世喜男君
民進党
の升田世喜男です。 私は、
民進党
・
無所属クラブ
を代表し、ただいま
議題
となりました
環太平洋パートナーシップ協定
及び
環太平洋パートナーシップ協定
の
締結
に伴う
関係法律
の
整備
に関する
法律案
につきまして、
反対
の
立場
から
討論
をいたします。(
拍手
) この場に
総理
はおりませんが、
総理
がいるつもりでお話をさせていただきます。(
発言
する者あり)済みません。
総理
、そっちなんですか。
安倍総理
、昨日、恐らくあなたの予想と違う、ドナルド・
トランプ
氏が、第四十五代
アメリカ
大統領に当選されました。
トランプ
氏は、
TPP
に関して、
就任初日
に離脱を宣言すると表明し、明確に
反対
をしております。加えて、国内
世論
も、六五%以上の
国民
が
審議
不十分の声を上げているのです。 にもかかわらず、昨日の次の日のきょう、本
会議
において
採決
を行うことは、
日本
の外交は大丈夫か、これは
冗談
か、ジョークか、世界の笑い物になると
思い
ます。
総理
、やめましょうよ。
総理
、ここは頭を冷やして、一旦立ちどまるべきではないですか。新しい大統領、
アメリカ
の動向を見きわめながら
TPP
への
対応
をされることが、常識中の常識ではないでしょうか。
総理
、冷静になっていただきたいと
思い
ます。この
よう
な政治状況の中で
TPP
を急げと言っている人は、もはや
国民
の中では誰もいないのであります。 二〇一二年の総
選挙
において、当時
野党
の
自民党
は、
TPP断固反対
、
うそ
つかない、ぶれない、
自民党
、このポスターを
全国
に張り出して戦ったことは、よもや忘れてはいないでしょうね。これも、これも、これも
冗談
で済ませるんですか。
冗談
ではありません。
総理
、これ以上、農家の不安、不満、これにアクセルを踏むのはやめてください。
TPP
反対
の新しい
アメリカ
大統領が誕生したきのうのきょうなんです。諸先輩
先生
方、
皆さん
、ここは重大な局面ではないですか。与
野党
を超えて、きょうの
採決
はやめ
よう
ではありませんか。 さらに、
批准
の見通しが全く立たない
TPP
の案件を一カ月もかけて参議院で
審議
を展開させるのは、税金の無駄遣いではありませんか。断じて本日の
採決
を認めるわけにはいきません。
全国
の農家に
思い
をはせて、魂を込めて、まいねことはまいねと申し上げさせていただきます。 これまで、
予算委員会
並びに
TPP特別委員会
での
議論
が行われてまいりましたが、
TPP協定
は、
我が国
の産業や
国民生活
に大きな
影響
を及ぼすと予想され、多くの
国民
から不安や疑念の声が上げられているにもかかわらず、
政府
は丁寧な
説明
を行わず、日付と表題以外は全て
黒塗り
の
交渉
経緯のメモを示しました。秘密保持の義務があるから
情報
は出せない、それを定めた書簡も秘密だから見せられないと
政府
は
説明
してまいりました。 もちろん、外交上のやりとりについては、秘密にしなければならないことがあることは一定程度わかります。しかし、秘密にしなければならないとする書簡自体を秘密にするのは、過度な秘密主義ではないでしょうか。その
よう
な詭弁を繰り返す
政府
の姿は、
国民
の不安を払拭するために
説明
を尽くすという
総理
の姿勢からは、全くかけ離れたものと言わざるを得ません。 しかも、九月になって、これまでの
政府
の
説明
を根底から覆しかねない重大な事実が発覚いたしました。SBS米の
価格偽装
問題であります。 これまで
政府
は、SBS方式で輸入された米の
価格
は、
国産米
の
価格
水準を見据えて形成されているので、
国産米
とほぼ同様の水準で流通していると
説明
をしてきました。また、今回の
TPP協定
において新たに設けられる米の輸入特別枠については、これに相当する
国産米
を
政府
が備蓄米として買い入れることから、国産
主食用
米の
生産
量や農家所得に
影響
は見込みがたいと
説明
をしてまいりました。 しかし、今回、調整金の存在により、SBS米の実質的な取引
価格
が異なっていることが発覚し、これまで
政府
がしてきたこれらの
説明
が全く意味をなさず、うつろで実態から遠くかけ離れた
説明
であることが露呈したのであります。すなわち、
協定
及び法案
審議
の前提として
政府
が公表した
経済
効果分析と、これに対する対策である関連政策大綱の両方とも、根拠となる土台そのものがもはや崩れてしまっていることは明白となりました。(
発言
する者あり)農家はもっと苦しんでいるから、汗など拭きません。 この
よう
に、
TPP
に関する安倍政権の
説明
と対策は、まさに
うそ
と隠蔽で塗り固められたものであって、我々
民進党
としては、到底納得できるものではありません。 そもそも
民進党
は、輸出、投資を拡大して国富を増幅し、
我が国
の
生活
者、
消費者
に恩恵をもたらすため、高いレベルでの
経済
連携を実現することが重要と考えています。
アジア太平洋
貿易圏、FTAAPを初め
経済
連携については、否定する
立場
ではありません。 また、
農業
の国内
生産
力を高めることは、これに従事する
農業
者のみならず、新鮮かつ安全な食べ物を求める
全国
の
生活
者、
消費者
にとって大きなメリットにつながるものです。さらに、農山漁村の人口が維持されることによって、国土や自然
環境
が保たれ、
地域
経済
や文化の
発展
が期待されるなど、多面的な効果が期待されることも忘れてはなりません。 よって、個別の
経済
連携
協定
の是非を判断するに当たっては、これらの要素を総合的に勘案し、新たにどの
よう
なメリットが得られ、また守られるべきものがしっかり守られているのか、その中身を十分に見きわめることが必須であるということは言うまでもありません。その意味において、今回の
TPP協定
の
内容
は極めて不十分であると言わざるを得ません。 例えば自動車分野については、
米国
向けに輸出される乗用車は、十四年間もの長期間にわたって現行の関税率が維持され、その後に関税は段階的に削減されますが、撤廃までには二十五年もの年月がかかります。さらに、トラックに至っては、二十九年間も関税が維持されるなど、関税削減や撤廃に至るまで期間が極めて長いことが特徴であります。
大島理森
24
○
議長
(
大島理森
君) 升田君、升田君、時間が来ておりますから、そろそろ終わる
よう
にしなさい。
升田世喜男
25
○升田世喜男君(続)
TPP交渉
参加に当たっては、安倍政権は、自動車分野のみならず、早々に日米二国間協議について先行させ、その結果、これら長期間において関税を維持することを、条件をのまされることとなりました。
農業
分野の
交渉
を開始する前に、
米国
にこの
よう
な約束をさせられてしまったことは、戦略上のミスであり、
我が国
の国益を損なっていると言わざるを得ません。 また、
農業
分野のうち、例えば米については、現行の関税率は維持されるものの、現行のミニマムアクセス枠に加えて新たに無税で導入される特別枠が七・八万トン設定されることになりました。 米を初め農産物重要五品目にて、多くの関税撤廃、削減や関税割り当ての設定がされるなど、守らなければならない分野で相当な譲歩を余儀なくされており、これは、
平成
二十五年の衆参農林水産
委員会
決議に違反していることは明確ではないでしょうか。
大島理森
26
○
議長
(
大島理森
君) 申し合わせの時間が過ぎました。結論を急ぎなさい。
升田世喜男
27
○升田世喜男君(続) すなわち、今回の
TPP協定
の中身は、
我が国
として攻めるべき分野を攻め切れず、守らなければいけない分野が守られていないのであります。
大島理森
28
○
議長
(
大島理森
君) 早く終わりにしてください。
升田世喜男
29
○升田世喜男君(続) 明らかなのは、この
TPP協定
で
我が国
にどの
よう
な利益があるのか全く不明なままで、衆参農林水産
委員会
が重要五項目を守るべきとした
国会決議
が……
大島理森
30
○
議長
(
大島理森
君) 時間を守りなさい。
升田世喜男
31
○升田世喜男君(続) 再度申し上げます。
安倍総理
、ここは一旦立ちどまるのが当たり前の形です。よって、安倍
内閣
によるこの
よう
ないいかげんな
TPP協定
について、私
たち
民進党
は到底賛成することはできません。ここに
反対
である旨を申し上げ、私の
反対
討論
といたします。(
拍手
)
大島理森
32
○
議長
(
大島理森
君) 西村康稔君。 〔西村康稔君
登壇
〕
西村康稔
33
○西村康稔君 私は、
自由民主党
の西村康稔です。
自由民主党
・
無所属
の会を代表して、ただいま
議題
となりました
TPP協定
及び
TPP協定
関係法律
の
整備
に関する
法律案
につきまして、賛成の
立場
から
討論
させていただきます。(
拍手
) 現在、
世界じゅう
で、保護主義、孤立主義的な動きが広がりつつあります。大変な危機感を覚えるものであります。 戦後、
我が国
は、自由貿易のもとで目覚ましい
経済
成長を遂げてきました。自由で公正な、開かれた
経済
の枠組みをつくり、先頭に立って保護主義の蔓延を食いとめることは、
我が国
の大きな使命であります。 その核となるのが、
TPP協定
です。
TPP協定
は、関税の削減、撤廃だけでなく、投資、サービスの自由化を進め、さらには、
知的財産
の保護、電子商取引、労働、
環境
など、二十一世紀の新しいルールをつくり上げ、
アジア太平洋地域
に開かれた巨大
経済
圏を構築します。
TPP協定
には、今後人口減少が見込まれる
我が国
が、成長著しい
アジア太平洋地域
の活力を取り込むという
経済的意義
だけではなく、自由、民主主義、法の支配といった基本的価値を共有する国・
地域
と
経済
関係
を強化し、
地域
の安定を維持するという戦略的な意義もあります。
TPP協定
では、
日本
以外の参加十一カ国における工業製品の九九・九%の関税は撤廃され、特に、
米国
向けの自動車部品は八二・七%の関税が即時撤廃され、競合する韓国よりも条件がよくなることは大きな成果であります。また、今治タオルなどの関税も撤廃され、地方の中小企業にとっても輸出拡大のチャンスが広がります。 さらに、通関手続の迅速化、投資や
知的財産
の保護のルールによって、
我が国
の企業のリスクは大幅に軽減されます。そして、原産地規則や電子商取引のルールとあわせて、域内に最適なサプライチェーンを構築し、地方の中小企業にとっても販路拡大が実現していきます。 農家の
皆さん
にとっても、各国の関税は撤廃され、輸出の可能性が広がります。例えば、
日本
から
米国
向けの牛肉の輸出については、昨年の実績約二百トンに対し、初年度十五倍から、やがて三十倍強に相当する六千二百五十トンもの無税枠を獲得しつつ、最終的に関税は撤廃されます。
日本
酒についても、全ての国の関税が撤廃されるとともに、
米国
内において四合瓶などの流通も認められる方向となり、また、神戸ビーフ、下関ふくなど、
地域
ブランドを地理的表示という制度で保護する仕組みが規定されました。これらにより、
地域
の名産品の輸出拡大につながります。 さらに、ベトナムやマレーシア等で公共事業の入札などが国際的にオープンになり、また、金融機関についても出店規制が緩和されるなど、
日本
企業のビジネスチャンスが広がります。 また、
消費者
にとっては、域内のさまざまな商品を安く、安心して入手できる
よう
になる、こうしたメリットもあります。 以上、
TPP
の
我が国
経済
に与えるメリットについては枚挙にいとまがありません。まさに、アベノミクスの重要な推進力であり、GDP六百兆円実現に向けて大きく前進させるものであります。 他方、
農業
については、今なお各地から不安の声が聞こえてきます。
委員会
質疑の中で、
安倍総理
は、まだまだ不安を持っておられる
方々
がたくさんいらっしゃるのは事実でありまして、十分にその不安を解消し得ていないことは私も
総理
大臣
として申しわけないとはっきりとおっしゃられました。農家の
方々
に寄り添う気持ち、これは私も同じであります。
TPP交渉
では、多くの国が関税撤廃をしている中、
我が国
は、
農林水産物
の約二割について関税撤廃の例外を確保するとともに、重要五品目を中心に、
国家貿易
制度の堅持や関税削減までの長い期間の確保、さらにはセーフガード等の有効な措置もしっかりと獲得いたしました。
国会決議
を守り、ぎりぎりのところで踏ん張った結果だと
思い
ます。 それでもなお残る、
農業
や水産業の
方々
の不安を真摯に受けとめ、例えば、牛・豚マルキンについて補填割合を九割へ引き上げるなど充実を図り、また、規模拡大に取り組みにくい中山間
地域
についても、所得向上支援対策など、しっかりと対策を講じていきます。
安倍総理
は、不安を解消していくべく汗を流していきたいと述べられました。継続して万全の措置を講じていくことを期待したいと
思い
ます。 また、
国民
皆保険や食の安全が脅かされるのではないかと懸念する声も聞かれました。しかしながら、
我が国
の公的医療保険や食の安全について制度変更を求める
内容
は一切含まれておりません。さらに、食の安全については、
安倍総理
から取り組み体制の一元化、強化という方向性が示され、引き続き食の安全に万全を期していく強い決意が示されました。
国民
の
皆さん
に安心していただける
よう
、
関係
省庁の縦割りを排し、一層の取り組みの強化を求めたいと
思い
ます。
TPP特別委員会
では、三度にわたる各分野の専門家の
参考人質疑
や地方公聴会での質疑を含め、約七十時間もの
議論
を通じて、
協定
や対策の
内容
が共有されてきたと
思い
ます。
政府
においては、これまでも、三百回にわたる
説明
会を開催し、四千ページ以上もの
資料
を公表していますが、今後とも、緊張感を持ち、謙虚な姿勢で、そして丁寧に
説明
していくという姿勢を持ち続けていただきたいと
思い
ます。 さて、
TPP
のサプライチェーンに入ろうと、幾つかの国々が意欲を示しております。結果として、将来、投資や知財の保護など、高いレベルのルールが広がっていくことになります。 さらに、日・EU
経済
連携
協定
やRCEPなど、
米国
が参加していない枠組みの
交渉
も刺激し、加速する契機になります。逆に今度は、これに取り残されまいとする機運を
米国
の中に高めることも期待されます。 そして、何より、
我が国
の
国会
で
TPP協定
が
承認
されれば、再
交渉
はしないという
我が国
の強い意思が明確に示されることになるのです。 ほかの十カ国の国々も、
日本
の
リーダーシップ
に期待をしています。ベトナムやマレーシアなどは、自国内の多くの国営企業の改革や公共入札の国際化など、
TPP協定
の高いレベルの厳しい取り組みを約束しました。苦しいけれども、貿易や投資をふやそうと必死に取り組もうとしているのです。
日本
は、こうした新興国の姿勢や期待に応えるためにも、率先して
TPP協定
を
承認
すべきなのです。 以上のことから、今こそ、
TPP協定
を
承認
し、
整備
法案を
成立
させるべきだと考えます。そして、以上申し述べた
TPP
の重要性を、
トランプ次期大統領
も含め、
米国
に改めてしっかりと伝え、確認、共有することが急務であります。ちなみに、
米国
産牛肉は、
TPP
が発効しなければ、日豪FTAがスタートしたオーストラリア産の牛肉より関税が高いままで、競争力を失い続けるのです。 以上、
我が国
が主導して
TPP協定
の
早期発効
を実現させることがぜひとも必要なのです。
TPP交渉
では、
甘利
前
担当大臣
が先頭に立って大変な御努力を尽くされました。
米国
のフロマン通商代表と夜を徹して
交渉
を行うなど、まさに
甘利
前
大臣
の御尽力のたまものだと
思い
ます。 私も、副
大臣
として、
甘利大臣
を補佐する
役割
を担わせていただきました。
安倍総理
の強力な
リーダーシップ
のもと、
日本
政府
が総力を挙げて合意をなし遂げたことを指摘させていただき、
TPP協定
とその
関連法案
について、賛成の
討論
とさせていただきます。(
拍手
)
大島理森
34
○
議長
(
大島理森
君) 畠山和也君。 〔畠山和也君
登壇
〕
畠山和也
35
○畠山和也君 私は、
日本共産党
を代表して、
環太平洋パートナーシップ協定
及び関連十一法案に断固
反対
の
討論
を行います。(
拍手
) 何よりまず、
TPP特別委員会
における質疑打ち切りと
採決
強行
に厳しく抗議するものです。我が党は、結党以来、
強行採決
をし
よう
と考えたことはないと述べた安倍首相の目の前で、
国会
ルールを踏みにじり、慎重
審議
を求める
国民
多数の声に背く暴挙が行われたのです。 そもそも、
山本農水大臣
の二度にわたる暴言は、
国会
と
国民
を愚弄するものです。辞職は当然です。にもかかわらず、
政府
・
与党
から事態の打開についてゼロ
回答
とはとんでもありません。 その上、
米国
では、
TPP
離脱を明確に口にした
トランプ
氏が次期大統領に選ばれました。
TPP
によって雇用が奪われることへの米
国民
の
怒り
と不安が反映したものです。
米国
のみならず、
日本
でも各国でも
反対
や批判の声が広がる中で強硬に
採決
へ突き進むとは、まさに愚の骨頂ではありませんか。
国民
への
説明
責任
は果たされていません。
国会
で問題点を明らかにするべく
責任
を投げ捨てる、自民、公明による強引な
運営
に対して、満身の
怒り
を込めて抗議するものです。
委員会
質疑を通じて、
TPP協定
の重大な問題点が明らかになりました。 第一に、
TPP協定
の原則は関税撤廃であり、
国会決議
に真っ向から反するということです。 決議は、農産物の重要五項目を除外または再協議とし、十年を超える期間をかけた段階的な関税撤廃も認めないことを求めていました。しかし、
TPP協定
には除外も再協議もなく、重要五項目のうち三割で関税が撤廃され、残り七割でも、関税率の引き下げなどにより、無傷な品目は
一つ
もないと
政府
は認めました。乳製品や林産物、水産物の中に十年を超える段階的な関税撤廃品目があることも認めました。
政府
がかち取ったというセーフガードなどの例外も、発効七年後の再協議規定で撤廃に向けた協議が約束させられています。小
委員会
や作業部会などで協議の対象となることを
政府
も否定しなかったではありませんか。 決議では、
交渉
により収集した
情報
については、
国会
に速やかに報告することも求めています。しかし、
交渉経過
は
黒塗り
文書でやり過ごし、
審議
を通じても、
交渉
の中身については言えないとの一点張りで、
国会
にも
国民
にも限られた
情報
しかもたらされていません。 さらに、SBS
輸入米
での
価格偽装
疑惑によって、
政府
試算の前提は覆りました。再
調査
も再試算さえもしない
政府
の姿勢に、米農家の
怒り
や不信が広がっています。 これが
TPP協定
の紛れもない結果であり、
国会決議
違反であることは明白ではありませんか。 第二は、
TPP協定
が、食の安全を初め
国民
の暮らしと命、健康を脅かすことです。
TPP
発効で、輸入食品や遺伝子組み換え食品の急増は明らかです。輸入食品の九割以上が無検査のまま流通し、残留農薬基準違反でも消費されている驚くべき実態がある現状で、
政府
は、食の安全を守れる保証を示せなかったではありませんか。 日米二国間の交換文書で将来の保険制度の協議を約束し、
国民
皆保険制度が崩される危険があります。
米国
の製薬企業が薬価決定に
影響
を及ぼし、薬価が高どまりする懸念は否定できません。助け合いの精神で始まった共済事業が、民間保険との競争のもとで制度の見直しが
議題
になる可能性も
政府
は認めました。極めて重大です。 第三に、
TPP
の効果は、
日本
の企業の圧倒的多数を占める中小企業には、恩恵が及ぶどころか、取引先の多国籍企業による海外展開につき合わされ、国内の産業空洞化が一層ひどくなることです。
政府
は、技術力などを持った中小企業がいながらにして海外へ展開することの後押しになると言いますが、現在、海外展開している中小企業はわずか〇・九%にすぎず、九割は海外展開の必要性さえも感じていません。 また、安い
農林水産物
の輸入によって、農林漁業を基幹産業とする
地域
では、食品加工や流通、運送などの中小企業に打撃が及ぶことは、火を見るより明らかではありませんか。 第四は、多国籍企業や投資家が損害を受けたとして、投資先の国を訴えることができるISDS条項が盛り込まれていることです。 質疑で明らかになった
よう
に、
米国
政府
が訴えられても敗訴した事例は
一つ
もないなど、
米国
とその多国籍企業に有利な仕組みとなっているのが実態です。最低賃金の引き上げや原発ゼロ政策などに対してまで訴えが起こされているのが世界の現実です。濫訴の歯どめとなる保証は全くない
ばか
りか、各国の
経済
主権が侵害されることは明白であり、断じて認められません。 加えて重要なことは、
政府
自身が生きた
協定
と述べてきた
よう
に、各種小
委員会
や規制の整合、
TPP
委員会
などの仕組みによって、発効直後から
TPP協定
そのものが変えられていくということです。
政府
は、国内の制度は変更を迫られないとか、国益に反する再
交渉
はしないなどと述べてきましたが、何の保証にもなりません。
TPP
の本質は、あらゆる関税と非関税障壁の撤廃にあるからです。 その上、
政府
調達、公共事業、
環境
や労働にかかわる
論点
は
審議
さえもされていません。
国民
の暮らしと命にかかわる問題について十分な
審議
をせず質疑を打ち切るというのでは、
国民
に問題点を明らかにすべき
国会
の責務を果たしたとは到底言えません。 最後に、
国民
の暮らしや命よりも多国籍企業の利益のために
日本
の
経済
主権、食料主権を脅かす
TPP協定
は断じて認められません。 今、世界では、行き過ぎた貿易至上主義に対する
反対
の声が沸き起こっています。
大島理森
36
○
議長
(
大島理森
君) 畠山君、時間が来ております。
畠山和也
37
○畠山和也君(続) 各国の
経済
主権を尊重しながら、民主的で秩序ある
経済
の
発展
を目指す平等互恵の貿易と投資のルールづくりこそ、世界の流れです。
日本
が進むべき道は、
TPP
ではありません。
日本共産党
は、引き続き、
TPP協定
の全容と問題点を明らかにするとともに、
国民
の
世論
と運動とかたく結んで
批准
を阻止する決意であることを表明して、
反対
討論
を終わります。(
拍手
)
大島理森
38
○
議長
(
大島理森
君) 稲津久君。 〔稲津久君
登壇
〕
稲津久
39
○稲津久君 私は、公明党を代表して、
環太平洋パートナーシップ協定
の
締結
について
承認
を求めるの件及び
環太平洋パートナーシップ協定
の
締結
に伴う
関係法律
の
整備
に関する
法律案
について、賛成の
立場
から
討論
をいたします。(
拍手
) 賛成する
理由
の第一は、
環太平洋パートナーシップ協定
、いわゆる
TPP
が、中長期的、戦略的に大変重要な意義を有している点です。 今後、人口が減少していく
日本
において、将来にわたる持続的な
経済
成長を実現するためには、海外の需要を取り込むことが極めて重要です。
TPP
参加国のGDPは、世界全体の約四割、人口は八億人に上り、
協定
が発効すれば、巨大な自由貿易圏が誕生し、
日本
の中長期的な
経済
成長の基盤となります。また、
TPP
は、
アジア太平洋地域
において、二十一世紀にふさわしい新たな貿易・投資ルールを構築するという戦略的な意義があるほか、
経済
的な
関係
を深めることにより、
地域
の平和と安定にもつながります。 第二に、
TPP
は、
日本
にとって大きなメリットが期待できる点です。 世界銀行の試算によれば、
日本
のGDPを十三・一兆円押し上げる
経済
効果が期待されます。
国民
一人当たりでは約十万円強であり、
米国
の約二倍にも相当します。
TPP
は、大企業のみならず、むしろこれまで輸出に挑戦していなかった中堅・中小企業こそ大きなチャンスがもたらされます。
日本
以外の参加十一カ国において工業製品の九九・九%の関税が撤廃され、
日本
を初め
TPP
参加十二カ国のどこで製造しても関税の優遇が受けられます。また、投資や
知的財産
を保護するルールの明確化や電子商取引の促進、通関手続の迅速化、簡素化など、海外展開に係るリスクが大幅に軽減されます。 こうした
TPP
のメリットを最大限に活用するため、
政府
は、新輸出大国コンソーシアムにより、中堅・中小企業の海外展開を後押しすることとしています。 さらに、
消費者
という
立場
に立てば、今まで関税のかかっていたものを安く買うことができ、選択肢がふえることで、消費
生活
をより豊かにしていくことができ、家計の負担軽減にもつながります。 第三に、
農業
の重要品目など、当初懸念された分野が守られた点です。 厳しい
交渉
の結果、他の参加国がほぼ一〇〇%の品目の関税を撤廃する中、
日本
は九五%にとどまり、
農林水産物
は約二割が関税撤廃の例外となっています。特に、重要五品目では、米の
国家貿易
制度や豚肉の差額関税制度など基本的な制度が維持され、セーフガードの創設や長期の関税削減期間が確保されました。関税が撤廃されたものも、品目の中身をしっかりと精査した上で、品目全体に
影響
が出ない
よう
措置されています。 さらに、
生産者
が安心と希望を持って
農林水産業
に取り組める
よう
、公明党の提言も踏まえ、総合的な
TPP
関連政策大綱が策定されました。こうしたことから、
国会決議
の
趣旨
は守られたと評価をいたします。 また、
TPP交渉
の当初より、食の安全や公的医療保険など幅広い分野において、
国民
からさまざまな懸念が聞かれていました。これについては、
国会
での
審議
を通じ、食の安全や
国民
皆保険制度が脅かされる
よう
なルールは一切ないこと等、
安倍総理
を初め
政府
より明確な
答弁
を得ることができました。 さらに、
関連法案
において著作権法の非親告罪化の対象を限定し、二次創作が不当に萎縮しない
よう
配慮されたほか、牛や豚の経営安定対策を法制化するなど、
国民
の不安に応えた
内容
となっております。 なお、昨日、
米国
で
大統領選挙
が行われ、新大統領が決まりました。
我が国
としては、その結果にかかわらず、各国の
TPP協定
の
早期発効
を促すための
リーダーシップ
を発揮することが重要です。 既に、
米国
を含む
TPP
参加十二カ国の首脳は、昨年十一月に
TPP
の
早期発効
を目指すことを確認しています。今、
我が国
としては、世界の中で、自由、民主主義、法の支配のもと、新たな自由貿易
経済
圏域を構築し、国益を最大化することが求められています。よって、今
国会
において着実に国内手続を完了すべきと考えます。 以上、賛成する主な
理由
を述べました。
政府
におかれては、引き続き、
国民
に対する丁寧な
説明
と、
農林水産業
を初めとする国内対策の的確な実施を強く要請し、私の賛成
討論
といたします。(
拍手
)
大島理森
40
○
議長
(
大島理森
君) 丸山穂高君。 〔丸山穂高君
登壇
〕
丸山穂高
41
○丸山穂高君
日本
維新
の会の丸山穂高です。 私は、党を代表して、ただいま
議題
となりました
TPP協定
及び
TPP協定
の
関連法案
について、賛成の
立場
から
討論
いたします。(
拍手
)
山本農水大臣
のいわゆる失言問題については、特に二回目の
パーティー
の席で、あした農水省に来たらええことあるでと利益誘導をほのめかした
よう
な
発言
は、まさに古い
自民党
体質そのものであり、その
発言
の軽率さは許されるものではありません。 しかし、その後の
委員会
でも
撤回
と
謝罪
を行っており、一度目の折に
委員会
で、私、丸山より苦言を申し上げたにもかかわらず、残念ながら二度も同じことを繰り返されましたが、しかし、政策的な間違いがあったわけではなく、金銭的な疑惑でもないことから、不信任にまでは当たらないと考えております。よって、我が党は、本
会議
には出席しますが、やめさせる、やめさせないの茶番劇にはおつき合いはいたしません。
政府
・
与党
は緊張感を持って、逆に
野党
側は、その言葉尻をとって足を引っ張る行動や、
委員会
室でプラカードを掲げたり、税金の無駄遣いの欠席戦術などのパフォーマンスに終始せず、真に国益にかなう
議論
をし
よう
ではありませんか。
我が国
が
TPP
関係国
との協議を開始したのは、民主党政権のときでした。そして、現在、
民進党
は
TPP協定
に
反対
の姿勢をとっています。一方、
野党
時代の
自民党
は
TPP交渉
参加
反対
を掲げておりましたが、現在の自公政権は
交渉
への参加を表明し、現在、こうして
承認
への賛成を求めています。 これに対し、我が党は、結党以来、
TPP協定
に一貫して賛成してまいりました。本
協定
は、
我が国
の
経済
成長のためにも安全保障のためにも欠かせない、重要な
協定
だと考えるからです。
日本
国内で少子高齢化と人口減少が進む中、
我が国
の
経済
にとって、成長著しい
アジア太平洋地域
の活力を取り込んでいくことが必要不可欠です。
TPP協定
は、輸入農産物への関税撤廃による国内
消費者
へのメリットが大きい上に、国内の中小企業や農家の海外進出を後押しするものです。
TPP協定
に対して、タイ、フィリピン、台湾、韓国等、現在の参加国以外の国や
地域
も関心を示しています。WTOを通じた
交渉
が停滞している現状では、自由貿易体制の維持
発展
のためには、こうした多国間
協定
の推進が不可欠です。 現在、
アメリカ
の国内ではオバマ大統領が任期中の
TPP協定
承認
を目指しておりますが、次期大統領である
トランプ
氏は
TPP
反対
を掲げており、議会の両院とも
TPP
には慎重な姿勢です。 ヨーロッパでも、イギリスのEU離脱賛成が
国民
投票で多数を占めました。自由貿易体制を批判する声が強まり、
世界じゅう
が内向きになっているときだからこそ、
世界経済
の成長に向けて
日本
が
責任
ある態度を示すべきであります。 歴史のさなかにおいて、
我が国
はどういう未来を目指していくのか、
日本
の国益はどこにあるのか。筋を通していかなければなりません。
アメリカ
とは、東アジアで最重要の同盟国として、共通の価値観を持つアジアの
経済
大国として、安全保障にしても
経済
にしても、これまで以上に腰を落ちつけて対処すべきであり、
TPP
について
米国
が
批准
する可能性がないので
日本
も様子を見
よう
などと言っていては、足元を見られるだけです。大統領がかわりそうだからといって、その腹のうちも見えないときに右往左往すべきものではありません。
TPP
は、外交、安全保障上も
我が国
にとって重要です。
日米両国
だけでなく、自由、民主主義、法の支配といった基本的価値を共有する国々が新しい
経済
ルールをつくることは、
アジア太平洋地域
の安定につながるものでございます。 一方で、現在の
TPP協定
とその対策については、まだまだ改善すべき点もあります。 今後、
農業
の国際競争力をつけるために、農地所有のあり方を再検討し、
農業
の各分野で新規参入を進めるなど、徹底した
農業
改革を進めるべきです。中小企業が海外展開等において
TPP協定
のメリットを生かせる
よう
にするため、
政府
はその支援策を早急に具体化すべきです。また、
国民
の食の安全に対する不安を払拭するため、加工食品の原料等が明確となるルールを策定して、食品表示の規制を
消費者
に一層わかりやすいものとすべきです。 以上、徹底した
農業
改革、中小企業支援策の具体化、食品表示規制の厳格化の三点が必要なことは引き続き主張いたしますが、その上で、これまで申し述べた
理由
から、我が党は、
TPP協定
の
承認
と
関連法案
に賛成いたします。 御清聴ありがとうございました。(
拍手
)
大島理森
42
○
議長
(
大島理森
君) これにて
討論
は終局いたしました。(退場する者あり)
—————————————
大島理森
43
○
議長
(
大島理森
君) これより
採決
に入ります。 まず、
日程
第一につき
採決
いたします。 本件を
委員長
報告のとおり
承認
するに賛成の
諸君
の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
大島理森
44
○
議長
(
大島理森
君) 起立多数。よって、本件は
委員長
報告のとおり
承認
することに決まりました。 次に、
日程
第二につき
採決
いたします。 本案の
委員長
の報告は可決であります。本案を
委員長
報告のとおり決するに賛成の
諸君
の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
大島理森
45
○
議長
(
大島理森
君) 起立多数。よって、本案は
委員長
報告のとおり可決いたしました。 ————◇—————
大島理森
46
○
議長
(
大島理森
君) 本日は、これにて散会いたします。 午後五時六分散会 ————◇————— 出席国務
大臣
外務
大臣
岸田 文雄君
農林水産大臣
山本 有二君 国務
大臣
石原 伸晃君