○逢坂
委員 単なる他人に対する侮辱的な発言ではないんだ、警察がそういうことを発することはさらに
国民に対して極めて大きな影響を与える発言だということを理解していただきたいと思います。
この件に関して、先般、ネット上でこんなものを見かけました。反対している住民の
皆さんだっていろいろな暴言を吐いているんだ、だからそれに呼応して警察も言ったんだ、それで何が悪いんだみたいな書き込みがあったのでありますけれ
ども、そこは全く違っているというふうに私は思います。
やはり、公権力の側にいる人間というのは、そういうものに安易に反応してはならない、反応できない立場にいるんだということをわかってもらいたいと思います。これは、実は警察に限ったことではありません。一般の公務員も私はそうだと思っています。
私も税務の仕事を長くやりましたけれ
ども、そのときにやはり、税金の仕事などをしておりますと、さまざまな、いろいろな、ここまで言っていいかなと思うような言葉を浴びせかけられることがあります。しかし、税務の仕事をしている職員というのはまさに非常に大きな権力を持っています、差し押さえできる権利であったり強制的に徴収できる権利であったり、そういうものを持っているわけですので、その者たちが一般の市民の
皆様と同じような目線で、おい、おまえが言ったからまた言ってやるなんてことになってしまえば、それは職務の本質を忘れてしまうということになりますので、ぜひこの点を留意してもらいたいなと思います。
そこで、少し話が違うんですけれ
ども、私が今気になっていることを
お話しさせていただきます。
それは、九月二十六日の、今
国会の冒頭の
総理の所信表明演説のことであります。あのときに、
総理が自衛隊、海上保安庁、警察の
皆さんに感謝の意を表するというような旨の発言をされた。そして、それに呼応して多くの
議員が立ち上がって拍手をしたわけであります。
私は、
国会の中でいわゆるスタンディングオベーションのようなものがあることは、これは何もおかしいことだとは思っておりません。すばらしい演説があったりすばらしい
やりとりがあった後にみんなが思わず立ち上がるということはあっていいのだというふうに思っています。
ただ、今挙げた三つの組織、自衛隊、海上保安庁、警察、この三つの組織は単なる集団ではありません。それは、法によって、人を殺傷する、あるいは物を破壊する、そういう力を持っている組織であります。国家としてこういうある種の実力組織というのは必要なものであるということを認識した上で、民間にはそういうものを与えてしまうとどこでどうなってしまうかわからないので、国家権力のもとにそれを置いて国家がコントロールする、その範囲内において自衛隊や警察や海上保安庁の
皆さんは活動するということなんだと思います。
そして、加えて、
国会議員の我々は、その自衛隊や海上保安庁や警察の
皆さんが円滑に仕事ができるように、予算を手当てしたり定数を考えたりいろいろな仕組みを考えて円滑に仕事できるようにしましょうという役割と同時に、もう一方では、一般の
国民や一般の民間の組織や団体が持ち得ない実力を持っている組織ですから、ある程度そこを抑制する、そういう役割も持っているのが私は
国会議員、
国会の役割だと認識しているんですね。だから、
皆さん頑張ってください、
皆さんの活動に感謝します、
皆さんの活動を応援しますという気持ちと同時に、行き過ぎてはだめですよ、誤った方向になってはいけませんねと、そういう二つの役割を持っているのが私は
国会だと思っています。
一方、
総理大臣は自衛隊という組織の最高指揮官であります。最高指揮官でありますけれ
ども、
総理もやはり、自衛隊の
皆さん、頑張ってくださいと言うと同時に、自衛隊の動きが変にならないようにちゃんとしているというのも
総理の役割だと私は思うんですね。その
総理が、
国会で、自衛隊、海上保安庁、警察の
皆さんに感謝しましょうというふうに、私は、あのビデオ、何回か後で見ました、見たらやはり、
総理が若干促しているような雰囲気を感ずるんです。
そのときに、その
総理の促しに応じて、私も自衛隊や海上保安庁や警察の
皆さんに非常に感謝をしています、だけれ
ども、そこに、促しに応じてみんなが立ち上がって拍手するという、ある種の熱狂といいましょうか、そのことに対するある一定程度の冷めた心みたいなものが
国会議員の中になければ将来変なことになりはしないかな、私はそういう危惧を持っているということを、あえてきょうここで
お話をさせていただきました。
感謝の念を持つこと、さまざまな
皆さん方に御苦労さんだなという気持ちを持つことは私は全く何の異論もありません。しかし、
総理の求めに応じて、必ずしも
総理が求めたかどうかはわかりませんが、何となくそう見える節もある、そういう中で多くの人が立ち上がるということについては少し注意が必要だろうということを申し上げさせていただきました。ちょっと余計なことかもしれませんけれ
ども、また私の発言をもとにして多くの方が考えていただければというふうに思います。
さてそこで、TPPについてちょっと
大臣にお伺いをしたいと思うんです。
TPP、今、
特別委員会で
議論されているんですが、
法務省に、TPPの協定が締結をされたときに影響の出る分野、
法務省が所管している法令、政省令の中で影響の出る分野というのは将来ともにないのかどうか、この点について
大臣から所見をお伺いします。