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宮川委員 ありがとうございます。
キャリアステージに応ずるということも大変重要だと
思いますけれども、やはり、ややもすると、
自分ができないから、例えば
電子黒板を入れるのは嫌だとか
英語教育に反対をするとか、そういう
現場の声があることも現実としてあると
思います。
こういう
思いを反面
教師にして、やはり
学校の
先生というのは、ずっと
研修を積み重ねて、そのときの
子供たちに必要なことに
自分がまず追いついていく。それを教えるに当たっての
技能や
方策やいろいろなアイテムとなれ親しんで、ちゃんと
自分がそれを
子供たちに教えられるような、その人の
キャリアステージというよりも、
子供たちの
時代にしっかり
自分たちが追いついていくということが大変重要だと思っておりますので、ぜひここについても
具体化をしていただきたいと思っております。
今回のこの
法案ですけれども、「
校長及び
教員の」というふうによく文言が出てまいります。このことを見ますと、では、
教頭先生はどこに行っちゃったんだと皆さんはお
思いになると思うんですが、
教頭というのは、昇格、昇任をしていくので、
教員群の中の一人、
一つの役職というふうに捉えられていますけれども、ここで「
校長及び」というふうに
校長は別になっているのは、
校長というのは
採用になるんですね。
校長試験を受けて、その
学校の
経営者として
採用になるわけであります。
ただ、
校長先生に対して、また、
校長になるに当たって、しっかりとした
経営感覚を持っていただくとか、また
リスクマネジメントができるような
能力、それを、
教師の
立場とは違って、
経営者として身につけていかなければいけないというふうに思うんですが、残念ながら、
校長先生、
学校長に対しての
研修の
機会というのは非常に少ないんじゃないかなというふうに私
自身は思っております。
教師が教室を出て、そして
経営者になるということは、
立場と
考え方をそこからがらっと一転させなければいけません。人、物、金、また時間や
情報、さまざまなものをどうやって
判断して、
校長として
学校を運営していくのかということが大変重要だと
思います。
私が
教師の
立場で申し上げると、例えば
自分が
高校一年生の受け持ちをしたら、二年、三年まで行きたいなというふうに思うものです。しかし、私の実際の
経験としてありますけれども、
高校一年生の
担任を持っていたのにもかかわらず、二年生のときには
担任をかえられて、私は
中学一年生の
担任になりました。そのとき非常に、一
教師としては、何だ、一年間積み重ねてきたことを無にされた、そういう
思いがあったわけですけれども、しかし、よくよく、第三者的になって今
考えれば、あれは
学校長の
判断だったと思うんですね。
中高一貫教育をするに当たって、六年間しっかりその学年を
マネジメントする人がいない。ですから、そういう
主要教諭になるようにということで、
中学一年生の
担任を持たされた。
ですから、それを見れば、そういう
先生がいないとこれからうまく
学校が回っていかないんだという
学校長の
判断というのはやはり重要なんだというふうに
思います。ですから、ある
意味では、冷徹に、冷静に物事を
判断して、しっかりと
学校を運営し、また
人事配置をしていくということが大変重要ではないかなというふうに
思います。
ただ、今見ていますと、
校長先生が本当にそういう
マネジメント能力があるかなというと、やはり疑問を抱かざるを得ないというふうに思っております。これから、
学校の
先生方、それぞれ一
教師として
研修を積んで、すばらしい
先生になったとしても、その
人たちを動かす
校長の
マネジメント能力がなければ、やはりその
学校の中で一〇〇%の力を開花することはできない。そして、それぞれの
教師の力が合わさって一〇〇%、一五〇%の
効果を生み出すことは私はできないんじゃないかなというふうに思っております。
きょうは、
委員の
先生方のお手元に
資料を配付しております。兵庫
教育大学の
校長先生に対する
マネジメントの
研修の
資料をお渡ししておりますので、私の話など聞かず、それにぜひ目を通していただきたいぐらいのものなんですが、
教育法規であるとか、また、今の現状、どんなことをしなければいけないのか、
リスクマネジメントやいろいろなことについてそこに記されております。非常に興味深い
資料だというふうに思っております。徹底した
ケーススタディーをして、こういう場合にはどういう
対応をしていくべきなのかということがこんなに詳細にわたって書かれており、その
ケーススタディーがこんなにふんだんに入れられている
研修の冊子というのは余り見かけたことがありません。
ですので、やはりこれからこういう
研修をしっかりやっていかなきゃいけない。それに向けては、
教材の
研究ももちろん必要だというふうに
思いますし、今回、
センターを
支援機構に変えていくわけですので、ぜひ、この
教育支援機構の中でこのような
教材をたくさんつくって、今ないところから、ゼロから生み出すのは大変です。そして、早くこの
研修をしていただかなきゃいけないことを
考えると、
支援機構の役目というのも見えてくるんじゃないのかなというふうに私個人は
考えております。
これから
校長を
採用するに当たっては、
マネジメントをやるというと、何か
資格を想像するならば、
MBAみたいなものがあると
思います。もちろんこれは
ビジネスに関してですけれども、この
ビジネスをある
意味では
経営と捉えれば、
MBAのような、やはりそういう
資格を与えてもいいんじゃないのかな。例えば
校長MBA、名前はどうするかにはよりますけれども、そういうものをつくっていく
必要性があるんじゃないかなというふうに実は思っております。
今まで、
大学経営コースとか
教育行政学、つまりこの
マネジメントにかかわるような分野というのが日本では非常に発展がおくれている。私はそれは
大学時代から感じていたことでありますけれども、ぜひ
校長先生に対しては、ある
意味での
資格試験、
校長の
採用試験じゃなくて
資格試験というのが必要ではないかなと
思いますが、今後、
校長の
研修に対して具体的な
方策をお
考えでしたら、ぜひ
大臣から伺いたいと
思います。