○鬼木
委員 福岡二区選出の、自由民主党、鬼木誠でございます。
本日は、
黒田総裁にお越しいただきまして
質問の機会をいただきましたこと、ありがとうございます。
先ほど、通貨及び
金融の調節に関する
報告書の
説明をいただきましたが、昨日、
金融政策決定会合におきまして、物価上昇率二%の
目標達成時期について発表がありまして、そこで、新聞各紙も一面で取り上げているという
状況でございますので、そのことについてまず話を進めたいと思います。
昨日の発表では、物価上昇率二%の
目標達成時期を、二〇一八年度ごろになる
可能性が高いという発表をなさいました。きょうの新聞各紙を見ますと、私が見たところで、一面で取り上げている新聞が四紙。その見出しのつけ方や、また、総裁の
コメントをどういうふうに切り取るかという切り取り方が各紙それぞれ特徴がありまして、同じ会見、同じ発表でもいろいろな見方があるんだな、おもしろいなと思いましたので、まず四紙、取り上げたいと思います。
まず読売新聞の見出し、「物価二%「一八年度頃」」、
日銀先送りと書いてありまして、その中で総裁の
コメントを切り取った部分が、「大
規模な
金融緩和について「二%に達しても続ける」と述べ、かなり長期化するとの見通しを示した。」また、「「二年で実現できなかったのは残念だ。原油
価格の下落や新興国経済の減速などが国際
金融市場に大きな波乱をもたらした」と理由を
説明した。」ということで、割と事実や原因を的確に捉えているかなというふうな印象の
記事でした。
次に朝日新聞は、「物価二%
目標 任期中断念
黒田日銀「一八年度ごろ」」という見出しになりまして、総裁の
コメントについては、「「物価がどうなるかということと私自身の任期に特別な関係はない」と言及を避けた。」そして、「早期実現に適切な
政策を決定し実行することに尽きる」という
コメントを取り上げられております。つまり、任期中の
目標達成を断念されたということが中心の
記事となっております。
次に毎日新聞ですが、「
日銀総裁
物価目標五回先送り」、かぎ括弧で「何をもって
責任 難しい」と書いてありまして、「「物価見通しが後ずれしているのは欧米の中央銀行も同じ。石油の動向は予測が難しいし、新興国の減速も予測しがたい。何をもって
責任とするかは難しい問題だ」と述べた。」ということで、見出しにおいては五回先送ったということを強調した上で、
責任については、「何をもって
責任とするかは難しい」という部分の
コメントを取り上げられております。
そして、私が見た限りで四紙が一面で扱いました最後に、日経新聞です。見出しは、「デフレ払拭「相当な時間」
日銀総裁、「物価二%」先送り」、そして
コメントとしては、「「
デフレマインドは相当強く、払拭に相当な時間を要している」と語った。」ということで、同じことを同じように書いているようですが、それぞれ捉え方も取り上げる部分の
コメントも違って、非常に興味深いなと思いながら読みました。
中でも私がはっと思ったのは、日経新聞が取り上げた「
デフレマインドは相当強く、払拭に相当な時間を要している」という部分でございまして、これだけ
金融のさまざまな技術を駆使して経済というものと闘っている、挑戦している、技術的な、テクニカルなものの中で、最後に、
デフレマインドという、国民の心理というところに届かなくちゃ難しいんだなというような
感想を述べられたところを日経新聞が拾ったというところが、なるほど、おもしろいなと思ったんです。
私たちは、この
日銀の
政策を、何のために何をやっているのかということを、国民に対してわかりやすい議論、そして
日銀からの
メッセージを正しく届けていくということが、経済の上でも大事なことなんじゃないかなというふうに思っております。
そういう中で、まず、物価上昇の必要性について御
質問したいと思います。
日銀は二%の物価上昇を目指すと言って久しいのですが、しかし、三年半が経過してもまだ実現ができておりません。そもそも、物価上昇に対して幅広い国民から十分な理解が得られていないという印象もございます。すなわち、一般国民の中には、物価が上がると聞くと、みずからの生活が苦しくなるのではないかと不安を感じる人も多いのではないでしょうか。
改めて、二%の物価上昇がなぜ経済によいことなのか、できるだけわかりやすい御
説明をいただきたいと思います。