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2016-10-19 第192回国会 衆議院 財務金融委員会 第2号
公式Web版
会議録情報
0
平成
二十八年十月十九日(水曜日) 午前九時
開議
出席委員
委員長
御法川信英
君
理事
井上 信治君
理事
土井 亨君
理事
藤丸 敏君
理事
宮下
一郎
君
理事
山田
賢司君
理事
木内
孝胤
君
理事
伴野 豊君
理事
伊藤
渉君
理事
上田
勇君
穴見
陽一
君 石崎 徹君
大野敬太郎
君 大見 正君 鬼木 誠君 勝俣 孝明君 斎藤 洋明君 坂井 学君 助田 重義君 鈴木 隼人君
高木
宏壽
君 竹本 直一君 津島 淳君 中山
展宏
君
宗清
皇一君 村井 英樹君
山田
美樹君 今井 雅人君 重徳 和彦君
田嶋
要君 古川 元久君
浜地
雅一
君
宮本
岳志君
宮本
徹君 丸山 穂高君 小泉 龍司君 …………………………………
財務大臣
国務大臣
(
金融担当
)
麻生
太郎
君
内閣
府副
大臣
越智
隆雄君
財務
副
大臣
木原 稔君
財務金融委員会専門員
駒田 秀樹君
—————————————
委員
の異動 十月十九日
辞任
補欠選任
大岡
敏孝
君
穴見
陽一
君
神田
憲次
君
高木
宏壽
君
前原
誠司
君
田嶋
要君 同日
辞任
補欠選任
穴見
陽一
君
大岡
敏孝
君
高木
宏壽
君
神田
憲次
君
田嶋
要君
前原
誠司
君 同日
理事上田勇
君同日
理事辞任
につき、その
補欠
として
伊藤渉
君が
理事
に当選した。
—————————————
本日の
会議
に付した案件
理事
の
辞任
及び
補欠選任
財政
及び
金融
に関する件 ————◇—————
御法川信英
1
○
御法川委員長
これより
会議
を開きます。 この際、
理事辞任
の件についてお諮りいたします。
理事上田勇
君から、
理事辞任
の
申し出
があります。これを許可するに御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
御法川信英
2
○
御法川委員長
御
異議
なしと認めます。よって、そのように決しました。 次に、
理事補欠選任
の件についてお諮りいたします。 ただいまの
理事辞任
に伴う
補欠選任
につきましては、先例により、
委員長
において指名するに御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
御法川信英
3
○
御法川委員長
御
異議
なしと認めます。 それでは、
理事
に
伊藤渉
君を指名いたします。 ————◇—————
御法川信英
4
○
御法川委員長
財政
及び
金融
に関する件について
調査
を進めます。
質疑
の
申し出
がありますので、順次これを許します。
宮下一郎
君。
宮下一郎
5
○
宮下委員
自由民主党
の
宮下一郎
でございます。
麻生大臣
には、昨年は
財務
副
大臣
として、また、本年の
通常国会
では
財務金融委員長
の
立場
で
大変お世話
になり、また、御指導もいただきました。この場をおかりして、改めて御礼を申し上げます。 本日は、昨日お伺いをしました
大臣所信
を踏まえまして、できるだけ大局的な見地から
大臣
のお
考え
をお聞かせいただければと
考え
ております。 まず、
平成
二十九年度の
予算編成
並びに
税制改正
に向けた
大臣
のお
考え
を伺いたいと
考え
ております。 昨日の御
発言
にもありましたように、
日本経済
は、
安倍内閣
の
取り組み
によりまして
雇用
・
所得環境
が大きく改善するなど、確実に
成果
が生まれている。一方で、
地方経済
の
現状
を見ますと、元気な
企業
はふえてきたものの、
業種
や
地域
によってはいまだ
アベノミクス
の
恩恵
を実感できないという声があるのも事実でございます。まさに、
グローバル企業
を中心に
上場企業
は
史上空前
の好決算が続いてきたわけですけれ
ども
、これを広く均てんするため、さまざまな
取り組み
を
安倍内閣
としてもやってまいりました。
一つ
は、
政労使合意
をして、その
アベノミクス
の
成果
を広く
賃金
の
引き上げ
ということで行き渡らせてほしい、こういうことも
経済界
に働きかけてきましたし、また、
下請企業
との
取引条件
の改善、ガイドラインの見直し、
徹底等
も含めて、多くの
企業
がその
恩恵
に浴するようにという
観点
での
取り組み
もしてまいりました。 また、それぞれの
産業分野
、例えば
企業
であれば、
研究開発
や
生産性向上
の
取り組み
、
予算
や
税制
でしっかり
支援
をしたり、また、
農業
でも、
産地パワーアップ事業
、
畜産クラスター事業
の充実等々で
所得
を拡大できるようにという前向きな
取り組み
を後押しする。そうした
予算
や
税制
の
取り組み
をしております。 また、これも
税制改正
の中で、
賃金
を
引き上げ
ると
減税
となる
所得拡大促進税制
、また、
本社機能
の移転や
地方
での
雇用
を増加させると
減税
となる
地方拠点強化税制
、そして、
生産設備
に対する
投資減税
、こういったことで、いろいろな
主体
が、前向きに頑張る
地域
や
主体
が
恩恵
が得られるようなそうした
観点
から、また、イノベーションを通じて
デフレマインド
から
脱却
する、そのことを後押しするような
予算編成方針
でこれまでもやってきました。 こうしたことを
考え
ますと、
平成
二十九年度につきましても、引き続き、
成長
と
分配
の好
循環
を
実現
するための
未来志向
の
予算編成
と
税制改正
を
実現
すべきだと
考え
ます。
大臣
のお
考え
をお聞かせいただきたいと存じます。
麻生太郎
6
○
麻生国務大臣
政権交代
後かれこれ四年ということになろうかと存じますが、
経済
の好
循環
が始まっていることは、これは間違いなく、学校を出た人が百人、昔は八十何社からしか
求人広告
がなかったものが今百三十七社までふえてきている等々が
一つ
の例ですけれ
ども
、
有効求人倍率
の数字を申し上げればそういうことになりますし、
経常利益
は
史上空前
を行っておりますから、そういった
意味
でも非常に大きく伸びていると思いますが、必然的に
デフレ不況
ではない。しかし、
デフレ
も好
不況
、
インフレ
も好
不況
ありますように、
不況
ではありませんけれ
ども
、まだ
デフレ
から完全に
脱却
しているというわけではない。
世界じゅう
も、ディス
インフレ
とかいろいろな
言葉
を使っていますけれ
ども
、基本的に
デフレ
になりつつあるヨーロッパを初め、いろいろな問題がありますので、私
ども
としては、この
デフレ不況
というものから
脱却
した上で、かつ、
インフレターゲット
二%というのを目指してまだ道半ばだと思っておりますので、これからさらに
脱却
をしていくためには、今あります中で、
個人消費
が伸びていないというとこらからいきますと、やはり、給与等々を引き続き上げていくという
方向
を進めねばならぬと思っております。 いわゆる
勤労者
の
賃金引き上げ
というのは、主たる
仕事
は
労働組合
の
仕事
なので、これは、
労働組合
に
支援
されていない
自由民主党
としてはこれを
支援
するのはいかがなものかと随分御
意見
もありましたけれ
ども
、我々としては、給料は上がるということをやらない限りは
個人消費
がふえませんので、そういった
意味
では、これをきちんとやっていくという点を踏まえて、今後とも
企業
との間では、いわゆる
内部留保
が年間大体二十四、五兆、この三年間たまっておりますので、
賃金
に回っている分がこの三年間では三兆数千億しか回っておりませんから、その分、また、
設備投資
をとっても八兆、九兆ぐらいしか回っておりませんので、そういったものも全部というようなことをやって
民需主導
の主導的な
経済成長
というものにつなげていっていただかないかぬと思って、我々としては、この二十九年度の
予算
につきましても、
補正予算
を含めまして、こういったものをきちんとやっていかないかぬと思っておるところであります。 いずれにしても、
成長
と
分配
の好
循環
というのを
実現
してまいりたいと思っておりますが、
グローバル経済
とか
自由競争
にすれば当然
格差
というのが、成功したところ、しないところ、
地域間格差
、
世代間格差
、
企業間格差
、
業種間格差
というのは必ず出てくるものだとは思いますけれ
ども
、そういった中において、いろいろ
企業
に対してもいわゆる前向きな
設備投資
とか、いろいろなものもさらにやっていけるようなことができる
法人税改革
というのに取り組んでおりまして、
法人実効税率
も二〇%前倒しをさせていただきましたけれ
ども
、その分だけ
外形標準課税
等々は、大
企業
に対しては
外形標準課税
を適用しますとかいろいろな形をさせていただいておるところなので、今後とも、
税制改正
におきましても、どういった結果が出てくるかをよく踏まえた上でさらにこれを進めていかねばならぬものと
考え
ております。
宮下一郎
7
○
宮下委員
きのうの
お話
にもありました。今回の
消費税率
一〇%
引き上げ
の
延期
の背景は、やはり、
少子高齢化
、
潜在成長率
の
低迷
、
個人消費
、
民間投資
が力強さを欠いていること、
新興国経済
の陰りとか、英国の
EU離脱
とか、
世界経済
の
成長
の
減速
の
リスク
が
懸念
されるということ、こういったことを総合的に判断して
総理
が決断されたものと
認識
しております。 一方で、増大する
社会保障費
を支えて我が国の
財政
を持続可能なものとしていくためには、来るべき
平成
三十一年十月に
消費税率
を確実に
引き上げ
ることも非常に重要だと
考え
ております。 そう
考え
ますと、この三年間をどのように我々が頑張っていくか、そこが勝負だなという思いを強くしております。 よく
成長戦略
と言うけれ
ども
、何をやればいいのかよくわかんないねと言われる方もいるんですが、政府としましては、六月に
日本再興戦略
二〇一六、八月には
未来
への
投資
を
実現
する
経済対策
、こうしたものを決定しまして、
実現
すべき
社会
の姿とか
成長分野
はこれだと、しっかり
戦略
は打ち出しております。 例えば
日本再興戦略
では、第四次
産業革命
、
健康立国
の
実現
、
環境
・
エネルギー制約
の克服、スポーツの
成長産業化
、
既存住宅市場
の
活性化
、
サービス産業
の
生産性向上
、
中小
・
小規模事業者
の革新、
農林水産業
の
体質強化
、
観光立国
の
実現
、こういったことを
戦略プロジェクト
としてやるんだということを打ち上げておりますし、また、
未来
への
投資
を
実現
する
経済対策
では、一億総
活躍社会実現
のための子育て・介護の
環境整備
、若者、
女性活躍
の推進、また、二十一世紀型の
インフラ整備
として、
観光
や
農業
の
強化
、
リニア新幹線
や
整備新幹線
の
整備加速
、
世界経済リスク
への
対応
と
中小企業
・
小規模事業者
、また、
地方
への
支援
、
熊本地震
や
東日本大震災
からの復興や
防災対策
の
強化
、こういったことが打ち出されておりまして、こうした
方向
でみんなで頑張ろうというスローガンをしっかり打ち出している
状況
だと思います。 まさにこれからの三年間は、
経済
を前向きに体質改善するための重要な期間と位置づけまして、こうした
方針
を
国民
みんなで共有して、
官民一体
となって
経済
を
体質強化
していく、そして、
消費税率
が
引き上げ
られるような
環境
をつくっていくべきだと
考え
ますが、
大臣
の御所見をお聞かせいただきたいと思います。
麻生太郎
8
○
麻生国務大臣
御指摘ありましたように、基本的に
日本
の
人口構成
というものを
考え
たときにおいて、今後とも
勤労者
の
所得
に対する税に頼るという
所得税
に偏ったものではなくて、
高齢者
等々、広く薄く
消費税
を頂戴することによって
社会福祉関係
も広く薄くということをきちっと行き渡るようにしていかないと、私
ども
のように、やはり中
福祉
・低負担というのではとてももたなくなってきているのではないかというのが基本的な
考え方
のベースにあろうと思っております。 したがいまして、私
ども
としては、
消費税
一〇%というのを掲げておりますけれ
ども
、ここになれるようにするための
経済環境
というものをつくり上げないと、一〇%を頂戴できる、また、一〇%払ってもいいじゃないかという
一般納税者
の
方々
の
気持ち
というものになりませんと、なかなか事は前に進んでいかないと思っております。 これから先、いわゆる
未来
への
投資
ということを言っておりますけれ
ども
、少なくとも、目先の金がふえてきた、インバウンドなんか最たる例かもしれませんけれ
ども
、これが
未来
永劫、毎年千万ずつふえていくなんというのがずっと先まで予想できるはずもありませんので、そういったことを
考え
ますと、私
ども
としては、やはり
未来投資会議
においても、基本的に、今
宮下
先生
が述べられたようないろいろな項目について長期的な視野に立ってきちんとした
対応
を今のうちからやっておくという
意味
で、ハードルとしては結構高い目標を掲げておりますけれ
ども
、こういったものを、
アベノミクス
を一層加速していく上でも、私
ども
としては、この
財政運営
、
経済運営
というものに力を注いでまいりたいと
考え
ております。
宮下一郎
9
○
宮下委員
ありがとうございました。 次に、
金融行政
の
あり方
についても質問させていただきたいと存じます。 昨日は、
大臣
から、
デフレ不況
からの
脱却
、
経済再生
を後押しするために、
金融仲介機能
をさらに
強化
する
観点
から、
金融機関
に対する
検査監督
の
あり方
を見直して、いわゆる
金融処分庁
の印象から
金融育成庁
への転換を一層進めるとの御
発言
がございました。 特に、
地方
の
中小企業
が新たな
商品開発
や
市場開発
、
生産性向上
などさまざまな
体質強化
に取り組む際には、それをサポートする
地域金融機関
の果たすべき役割がこれまで以上に重要でありまして、
コンサルティング機能
を
強化
して
経営支援
を行ったり、
個人保証
に頼らずに、
企業
の
事業性
を評価した融資を行うなど、
企業
に寄り添った
対応
が必要であると
考え
ます。そうした
取り組み
は
金融機関自身
の
体質強化
にもつながるものだと思います。 先月出されました
金融仲介機能
の
ベンチマーク
は、まさにそうした
観点
から
地方金融機関
とのコミュニケーションを図るツールでありまして、
金融庁
としての姿勢を示す
意味
でも
大変意義
のある
取り組み
であると思います。 この
ベンチマーク
も活用しながら
金融機関
の
取り組み状況
をフォローしていくことは、
地方
の
企業
の前向きな
取り組み
を後押しすることにもつながると
考え
ますが、
大臣
の御
意見
をお伺いしたいと思います。
麻生太郎
10
○
麻生国務大臣
御指摘のとおり、これは今から
人口
が減っていくという前提に立ちましたときには、少なくとも、
地方
銀行
の中において、対象とされる県民の数の絶対量が減るということを
意味
しておろうと思っております。 したがいまして、
金融制度
というものを
考え
たら、
金融機関
の
あり方
として、従来みたいに担保をとってという、質屋をやってんじゃないんだから、少なくとも、その
企業
というものは伸びるか伸びないかというのをよく見きわめるというのは、転勤もなく
地元
に一番定着している
金融機関
、これは何と言ったって
中小
の
地方金融機関
ですから、そこが一番幅広く、よく
企業
を見ているはずだし、深くもつき合っているはずだから、
そこら
の
人たち
がもう少し
考え方
を変えてということを少なくともやらない限りは、
処分庁
のイメージは、やはり九七年の、
アジア通貨危機
という
名前
で言われていますけれ
ども
、多くの
都市銀行
、
北海道拓殖銀行倒産
、
三洋証券倒産
、
山一証券倒産
、長銀が翌年倒産し、日債銀が倒産し、
都市銀行
で昔の
名前
で出ていますなんという
銀行
はもう二つぐらいしかなくなりましたので、そういった
意味
では明らかに
金融機関
というのは、猛烈な勢いでこの十数年間、変化せざるを得なかったということは確かであろうと思いますが、今改めて、この四年間、
状況
が間違いなく変わってきているんだから、それに合わせて
金融機関
も、
時代
に合わせて
対応
を変えていかないと、
金融機関自体
の存続が危ぶまれることになるし、
金融機関
が
地元
の
企業側
から見て、まだ
貸し出し態度
というのは
金融庁
が言っているほど変わっていないという
調査
が出てきておりますので、
アンケート等
の結果ですけれ
ども
、その上で私
ども
は
金融仲介機能
の
ベンチマーク
というのをつくらせていただいて、この
方向
でという話を今私
ども
としては、
金融庁
として、
銀行
、
中小
、特に
零細金融機関等
の間の
関係
を私
ども
としてはきちっとした機能するものにさせていきたいと思って、今やらせ始めたところであります。
宮下一郎
11
○
宮下委員
時間が参りましたので、きょうはこの辺にさせていただきます。
越智
副
大臣
には、ちょっと、お時間の
関係
で失礼いたしました。またの
機会
に質問させていただきます。 ありがとうございました。
御法川信英
12
○
御法川委員長
次に、
浜地雅一
君。
浜地雅一
13
○
浜地委員
おはようございます。公明党の
浜地雅一
でございます。 私、本
委員会
で、初めて
財務金融委員会
に所属をさせていただきますので、
委員長
及び
委員
の
皆様
、どうぞよろしくお願い申し上げます。 そして、
麻生大臣
、これから
質疑
をさせていただきますが、よろしくお願いいたします。
大臣
に質問できることを楽しみにしておりました。 きのう
所信
を聞きまして、早速、
与党
の質問ということで、私も超特急で準備をしました。今回から
与党
は特に早く
通告
をし、我が党もしっかり役人の
皆様方
に、残業しないでやるということでございますので、きのうも何とか早目に
通告
をしたつもりでおりますけれ
ども
、御迷惑をかけたのではないかというふうに思っております。 きのうの
大臣
の
所信
の中で、
日本経済
の
現状
と
財政政策
の基本的な
考え方
、これに関しましては、
雇用
、
所得
の
環境
は大きく改善している、しかし、少子化や
潜在成長率
の
低迷
といった
構造的要因
もあり、
個人消費
や
民間投資
は力強さを欠いた状態にあるという
認識
を示されました。しかし、その後に、「また、」ということで、
世界経済
の
減速
の
リスク
の
懸念
ということが記されております。 その
世界経済
の
リスク
にも
対応
するために、二十八年度の第二次
補正予算
三・二兆円が成立した、また、
消費税
一〇%への
延期
をしたということでございまして、この
世界経済
への
リスク
という
言葉
が出てきたのは、たしか、五カ月前の
G7
の
伊勢志摩サミット
のときだったと思っております。このときに、
消費税
をやはり足元の景気を見て
延期
をすべきかすべきでないかといった議論がございまして、私の記憶では、
国際金融経済分析会合
を何度も開かれまして、
世界
の
経済学者
でありますとか識者をお呼びして、
さまざま意見
を聞かれたところでございます。 結果、
G7
では、この
世界経済
の
減速
の
リスク
に
対応
するために、
さまざま各国
が
自分たち
ができる総合的な
政策
をやっていくんだということで一致をさせていただきました。 この
国際金融経済分析会合
に出ている
方々
の中で、
OECD
の
グリア事務総長
がいらっしゃいます。また、IEAの
ビロル事務局長
もいらっしゃったと思っています。私はこのときちょうど
外務政務官
の任にございまして、お二人にお会いをしまして
さまざま意見交換
をさせていただきました。その中で特に
グリア
さんは、
OECD
という
立場
もあると思うんですが、
日本
はしっかり
消費税増税
を実行すべきだという
意見
を表明されまして、
意見
が分かれたところでございます。 その後、六月一日に実際に
安倍総理
より
消費税延期
の
記者会見
が行われまして、私はその翌日に、実はパリで行われました
OECD
の
理事会
の
会合
に参加をしました。
日本
は
OECD
の
開発センター
に、
離脱
をしておりましたが、この日をもって復活をするということで、ですので、少し
特別扱い
を、
特別扱い
ではないんですけれ
ども
、
日本
が来ましたのでセレモニーをしていただきまして、
グリア
さんと話す
機会
がございました。 私は、やはり
グリア
さんが非常に
消費税延期
への
懸念
を示されましたので、ぜひ理解を求めたい、同意を求めたいということで、さまざま、
日本
の現在の
個人消費
の
状況
でありますとか、また、
消費税
を
延期
したとしても、
日本
の今の国債の
買い入れ状況
からしますと金利はそう大きく上がらないということを説明しまして、
グリア
さんからは、アイ・アンダースタンド、アグリーとは言われずに、理解するという
言葉
をいただきました。そして、それに続いて、
日本
は
G7
の
議長国
として
世界経済
の
減速
の
リスク
という
認識
をしたんだから、
日本
としては率先をしてその
リスク
に立ち向かう
政策
を打たなきゃだめだなというふうにおっしゃいましたので、そのとおりでございますという
お話
をしました。 そこで、きのうの
所信
を見ますと、やはり
世界経済
の
リスク
に立ち向かうために、
一つ
は
消費税
の二年半の
延期
ということでございます。そして、二十八年度の三・二兆円規模の
補正
ということでございますが、当然、
日本
の
構造変化
、または、もう少し力強い
成長
のためには
さまざま政策
を動員する必要はあるかと思いますが、まずやはり、
世界
に向けて
G7議長国
として
世界経済
の
減速
の
リスク
に立ち向かうという点において、この
消費税
の二年半の
延期
、それに三・二兆円の今回の
補正予算
においてその
対策
は十分とお
考え
か。
大臣
の御
認識
をお聞かせいただきたいと思います。
麻生太郎
14
○
麻生国務大臣
これは
浜地先生
、
経済
というのは基本的に生き物ですから、今から約一年の間に、例えば
イギリス
がブレグジットというのをやると言って本当にやるんですか、議会で否決されたらどうされるんですと言うと、
イギリス人
でもみんな黙る。また、
中国
の上海の暴落が去年の十月ですけれ
ども
、こういったようなことが起こらないという
保証
はありませんよね。 というようなことを
考え
ましたときに、我々、実にいろいろなことを
考え
ておかないと、
世界経済
によってこれだけ
世界じゅう
がいろいろ複雑に、輸出したりされたり、輸入やら何やらでいろいろかんでいますので、
日本
の場合は、GDPの中に占める輸出の
比率
というか
貿易比率
の数は、
中国
やら西ドイツやら韓国みたいに高くありませんから、そういった
意味
では、
影響力
としてはアメリカ、
日本
というところは少ないところだとは思いますけれ
ども
、それでも
影響
を受ける等々のことをいろいろ
考え
ますと、これはちょっと
対応
を
考え
ておかないかぬと私
ども
思っております。 もう
一つ
は、これだけ三年間の間になってきたんですが、やはり
デフレーション
というのが、まあ
歴史家
は、一九九〇年から株が暴落し始めていますが、三万八千九百円がつけたのが一九八九年十二月二十九日ですから、翌年から株がずっと下がり始めていったので、そういった
意味
では、多分あれと言うか、土地の値段が下がり始めた九二年と言うかは別にして、いずれもあのころから
デフレーション
という傾向が出始めたと記憶しております。 そういった
意味
からいくと、長く続いておりますので、
デフレマインド
というのはこれはなかなかしつこくなっていて、今これだけ
金融業界
が零コンマ何%でも金を借りないという
状況
は、昔六%、七%で金を借りた
時代
とは全く違っている
状況
にあろうと思いますので、やはり、
経営者
の
そこら
のいわゆる
気持ち
、
マインド
が変わるということがすごく大事なので、いろいろな
意味
で積極的に
海外
にとか、
人口
が減っていくんですから、当然
海外
に出ていくというのは当たり前の話ですけれ
ども
、そういった
意味
で、
海外
からこちらに、
設備
、技術、
教育水準
、
治安等
々いずれも進んだところですから、そういった国に
投資
が入ってくる、また、こちらからも
海外
に出ていくというようなことが今後とも必要になることははっきりしていますので、そういったものを
考え
ながら、私
ども
としてはしばらく、どういった危険をほかの国の
状況
を見ながらやりませんと、
治安
が
日本
みたいに
世界
的にはと思ったら大きな間違いですから、きちんと
そこら
のところを
考え
ながらやらぬといかぬところなんだと思っています。 いずれにいたしましても、
企業
のそういった
民間
の
方々
が積極的にという行動が出てくるまでの間は、いましばらく我々としては、いろいろな
意味
でインセンティブを出していくということを継続する必要があろうと思っております。
浜地雅一
15
○
浜地委員
麻生大臣
の、現下の
日本経済
、
世界経済
の
リスク
に
対応
する
日本
の
対応
という
意味
で今お聞きをいたしたわけでございますが、
G7
のときは五月ですから、もうあれから五カ月たちます。先ほど
大臣
からも
お話
しありましたとおり、
イギリス
の
EU離脱
はあのときはまだ決定しておりませんし、現在もまだ
国民投票
が終わったばかりですからしておりませんが、あのときには結果はまだ出ていない
状況
でございます。
中国
につきましても、やはり、リーマン・ショック以降、四兆元の公共
投資
をやり、重厚長大産業を中心に公共事業をばんばん打って、その整理に苦慮しているということはもう言われておりますし、二日前の日経新聞にも掲載をされているところでございます。 そうなりますと、あのとき
G7
で
世界経済
の
リスク
に国際
社会
で
対応
しようと言ってから五カ月たつわけでございますが、現在のこの
世界経済
の
リスク
の
状況
を、これは
日本
ではなく、現下の
世界経済
に対する
状況
について
大臣
がどのようにお
考え
かを所感をお聞かせいただきたいと思います。
麻生太郎
16
○
麻生国務大臣
これは全体として、ヨーロッパとかアジアとかそういうのじゃなくて、全体として、緩やかではあるけれ
ども
回復しているという
現状
認識
というのは現在も変わらないと思っております。 しかし、
リスク
要因としては、
減速
が続き始めました
中国
経済
というものを見ましたときやら、それに
影響
を与えられる可能性の高い隣国、アジアの国々ですけれ
ども
、そういった国々の新興国の
経済
の陰りとか、EUの話というのによって、次第によっては、
イギリス
のシティーから出ていってどこかに移らないかぬ、オランダに移ろう、ドイツに移ろう、いろいろな話が進出している
企業
の間で話に出ておりますので、これがやはり中長期的には、ちょっと
世界経済
としてはおもしになる、おもしというのは、足を引っ張る重い石になるという可能性もあろうなどと思っておりますので、これはちょっとしっかりよく見ておかぬと、
イギリス
の場合は、エリザベス女王ですら入ってくるのにはロンドンのシティーの市長の許可が要るなんというぐらいお高くとまって、シティーというのは、運営しているのは
イギリス
のシティーの力ですから、そういったものがどうなるのかねというのは、ちょっと正直、我々から見ていて、外からいま
一つ
よく見えないところではあるんですけれ
ども
、今、我々としては、ポンドが急激に下がったりいろいろしていますし、いろいろな
意味
で私
ども
としては注視をしておかないかぬものがいろいろあるんだと思っております。
浜地雅一
17
○
浜地委員
世界経済
の
減速
の
リスク
への
日本
の
対応
や現下の
経済
情勢ということでちょっと大きな質問をいたしましたが、
大臣
の所感を聞きたいなという思いで今質問をさせていただきましたが、いきなり、少しミクロの質問に移らさせていただきます。
消費税
が
延期
をされまして、今回も、さまざまな
消費税
転嫁
対策
への施策も
延期
するような法案が出されております。その
一つ
に
消費税
の総額表示がございまして、当然、
消費税
の円滑な転嫁、そして事業者の負担を
考え
て、今回は
消費税
の総額表示の例外をさまざま認めていこうという
政策
がとられております。 私のところには、小売業者の
皆様方
含めて、何とか、総額表示じゃなくて、本体価格で税別表示を継続してほしいというような御
意見
が多々ありまして、それを受けるたびに、一応特措法でございますので、期限が来ると戻るのが原則ですと言いながら、余りそれだけむげに答えるとこいつ何をやっているんだというふうになりますので、苦慮するわけですね。 消費者庁が出した
消費税
の価格表示についてのモニターを見ますと、五七・三%で、大体過半数以上の方が税抜き価格と税込み価格を書くのが望ましいというのが大半を占めるようでございます。 私のところに来られましたその小売業者さんは税抜きにしてほしいとおっしゃるんですが、どうやって表示しているんですかと言いましたら、千円のものを、本体価格千円、括弧して税込み価格千八十円で、税抜き価格でやっていますとおっしゃるんですね。それを聞いて私自身は、この陳情はもしかしたら楽に終われるかなと一瞬思ったんですが、それだけ業者の
方々
の中に、総額表示というのは全て税込み価格だけを書かなきゃいけないというふうに思われていると思います。 そこで、大変
大臣
には簡単な質問で申しわけないんですが、さっき私が言いました、本体価格千円、括弧税込み価格千八十円というのは、これは総額表示ということでよろしゅうございますかということを答弁していただきたいと思います。
麻生太郎
18
○
麻生国務大臣
これは
浜地
さん、昔、例がありまして、税抜きか総額かというのは、最初に
消費税
が導入されたときにすごい騒ぎだった。自民党の
税制
調査
会の中でえらい騒ぎになって、税抜きに、別々にしろという方の方が陳情が多かったと思います。 忘れもしませんが、失礼ですけれ
ども
、ビール、あれを税抜きで表示した場合に誰が買うでしょうかと。しいんとなって、当時私は
財務
省にはおりませんでしたので、
財務
省がえらい慌てるんですけれ
ども
、あれは半分以上が税金であって、こんな高い税金を取ってふざけろということになって、多分ビールはみんな飲まないようにしようとかという話になりかねませんよと言って、結論はあっちは税込みという話になって、まあいろいろなことになるんですよ。 要は、私
ども
としては、これは無理やりどこかに統一しちゃおうという
意味
がどれだけあるのかというところが一番問題でして、例えば、特定の業者の
名前
を言うのは問題かもしれませんけれ
ども
、ドン・キホーテなんというところに行ったらわかりますが、うわっと、あれを全部一枚一枚張りかえるという話は、これはとてもじゃない。それだけでコストがかかりますので、だったら、その価格そのままにして、税込みで別にして、さっきみたいに括弧して、はい十円、百円だったら十円足すようなやり方にすれば手間はかかりませんし、そういった
意味
ではコストはそのまま維持される。 というように、いろいろなことを
考え
てこれは
対応
していかなきゃいかぬ問題だと思っていますので、今の言われたような方式を含めて、いろいろこれは柔軟に
考え
た方がいいかなとは思っております。
浜地雅一
19
○
浜地委員
ありがとうございます。 私がかなり失礼な質問をしたのは、以前、
財務
省の方で、税込み価格のみでやるのが総額表示なんだという指導をされていて、業者の皆さんの中には、本体価格にプラスして、括弧して税込み価格を書くことが、そうじゃないというふうに
認識
をされている方がいらっしゃったものですから、そこはしっかり徹底させていただきながら、また、今後、この特措法を続けるのかどうかの議論については、我が党もまださまざまな方の
意見
を聞いておりますので、また
意見
をぶつけたいと思いますので、どうぞよろしくお願いできればと思います。 少し長くなりまして申しわけございません。ありがとうございました。
御法川信英
20
○
御法川委員長
次回は、来る二十一日金曜日午前八時五十分
理事会
、午前九時
委員会
を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午前九時三十三分散会