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高木(美)
委員 ありがとうございます。
国交省のこうした港湾法の改正等も大きかったと
思いますが、一方でまた洋上風力につきましては、その後莫大な、風車の設置であるとか、また、保守管理を行うには、特殊なSEP船という船を港に設置しておいて、そこに曳航するなり、またSEP船が出かけていってそこで
作業するなり、こうした設備の整備というのも必要かと
思います。
そうした点につきましても各省連携でしっかりと進めていただきたいと
思いますので、よろしくお願いいたします。うなずいていただいておりますので、改めての回答は求めません。
行きまして
思いましたのは、デンマーク、
ドイツは、
大臣よく御存じのとおり、海の沖合三十キロ、四十キロと浅瀬がずっと続いて、どこを見渡しても洋上風力の風車が至るところで回っている、こういう立地条件。
日本は、風況のいい
地域には、先ほど環境アセスメントとありましたが、猛禽類が生息するとか渡り鳥が通るとか、こういうことを勘案しながらゾーニングに苦労している。
そういう
意味では、さまざまな課題がありますけれ
ども、ただ、洋上風力、陸上風力、両方ともやはりどこまで進められるのか、そこのコストをしっかりと踏まえながらも進めていく必要があろうかと
思います。短期的に見るとどうしてもコストが高くなる、しかし、それがぎりぎりの耐用年数まで見るとどうなっていくのかという具体的な数字の開示というのも必要かと
思います。
そこで、これから水力
発電について少し申し上げさせていただきたいのですが、昔、グラハム・ベル、地質学者でもあるようなんですが、グラハム・ベルが、
日本は豊かな
エネルギーを保有していると言いまして、
エネルギーのない、資源の乏しい
日本につきましてこういうことを述べています。それは、
日本は雨が多い、この雨が豊富な
エネルギーをもたらすというのが彼の考え方であったようです。
川の傾斜も諸外国と異なりまして、多摩川は一日で東京湾に流れますし、利根川も二、三日あれば降った雨はあっという間に海に流れる。こういう我が国の地形を生かしたものがやはり水力
発電と言えると
思います。
きょうは、根本
大臣政務官、ありがとうございます、お越しいただいておりまして、お待たせいたしました。
少し
説明をさせていただきたいのですが、中でも、我が国は水力
発電の占める割合が、二〇一四年度電力供給量の九%、また、これから二〇三〇年の
エネルギーミックスも八・八から九・二、ほとんど変わらないわけです。ボリュームは
省エネで少し下げますので、全体量もほとんど変わらない中でパーセントは変わらない。果たして、その中で、水力
発電の
可能性はどこまで可能なのだろうかということを私
どもは考える時期に入っているのではないか。
実は、この夏、オーストリア、そしてまたニュージーランドの
国会議員にもお会いをいたしました。ニュージーランドは五四%、オーストリアは六五%、水力を生かしたこうした
発電形態というものを
日本ももっと検討する必要があるのではないかと考えてまいりました。
そこで、先日、公明党の総合
エネルギー対策本部におきまして、元国交省の河川局長、竹村公太郎先生にお越しいただきまして、水力
発電が
日本を救う、こういう提言を伺ったところでございます。
そこで、お手元の
資料をごらんいただきたいのですが、こういう紙をお配りさせていただいております。
まず、この一をごらんいただきたいのですが、ここで、その提言の内容といたしまして、「新規ダム建設は考えない。」と。以前、コンクリートから人へというようなお話もありましたが、これは活用する話でございます。
そこで、1として、「施設改変を伴わず、ダム運用を変更して
発電能力を高める。」ということで、この下のところをごらんいただきたいのですが、ここに治水容量、利水容量という線が書いてあります。点線が治水容量、実線が利水容量。しかし、現実的には、この三角印のところまで安全のために二十メートルから三十メートル下げている、こういう
状況でございまして、この空きスペースを容量と呼んでいるわけでございます。
この根拠は、特定多目的ダム法、ここに二つの目的が記されておりまして、治水と利水ということになっているのでこういう形になるのですが、この
法律は昭和三十二年に制定されまして、それから変わらず今も同じように運用をされております。今は天気予報の精度も向上しておりますし、そうした現在の科学
技術の基準に合わせてさらに水をためられれば、これは当然のことながら水力
発電にも大きな効果をもたらす、ここをさらに検討する必要があるのではないか。
そしてまた、裏に行っていただきまして、今度はダムのかさ上げでございます。このかさ上げによりましてどうなるか。
ここにシャンパングラスのような形が書かれておりますが、これによって湛水面積が変わります。これは夕張のシューパロダムとなっておりますが、ここで、最初は八千七百万立米だったのが四億二千七百万立米まで、三十七メートルかさ上げすることによってこんなに容量がふえた。
現実に、この下の、津軽ダムのかさ上げ工事も行われておりますが、これも、小さな字で恐縮ですが、三千八百万立米から一億四千百万立米まで、このように、プラス三十九メートルによって大きく改善をされている。このような既存ダムの活用というのが二点目でございます。
こうした点を考えますと、さらに、竹村先生から、現在
発電に使われていない砂防ダムなどに
発電させるとか、また、逆調節池ダムといいまして、ダムの下に小さなダムをつくって、必要なときには、少し水を流して、指一本でピーク需要のときの電源を確保することもできるとか、こういう活用を進めていくべきではないかという話を伺ったわけでございます。
これも、ダムは百年、二百年もつ、
日本はそうした大事な資源を活用していくべきだ、こうしたお話でございまして、竹村先生の試算では、恐らく、こうした手法を取り入れますと、コストは約六兆円かかる、しかし、将来、百年、二百年見渡していったときには二百兆円の富を生むと。こうした試算をされたのが元河川局長でございます。
そこで、きょう、政務官に幾つか
質問を用意させていただきまして、もう時間が参っているわけでございますが、両方をあわせて
質問させていただければと
思います。
こうした既存ダムの活用による水力
発電の拡大、特に治水容量の
発電への積極活用につきまして、国交省はどのように検討されているのか。また、あわせまして、こういうダムのかさ上げによりまして
発電量の容量を拡大することは可能かどうか。また、そういう事業を実施しているダムは幾つぐらいあるのか。簡潔に御答弁をいただければと
思います。