運営者
Bitlet
姉妹サービス
kokalog - 国会
yonalog - 47都道府県議会
nisalog - 東京23区議会
serelog - 政令指定都市議会
hokkaidolog - 北海道内市区町村議会
aomorilog - 青森県内市区町村議会
iwatelog - 岩手県内市区町村議会
miyagilog - 宮城県内市区町村議会
akitalog - 秋田県内市区町村議会
yamagatalog - 山形県内市区町村議会
fukushimalog - 福島県内市区町村議会
ibarakilog - 茨城県内市区町村議会
tochigilog - 栃木県内市区町村議会
gunmalog - 群馬県内市区町村議会
saitamalog - 埼玉県内市区町村議会
chibalog - 千葉県内市区町村議会
tokyolog - 東京都内市区町村議会
kanagawalog - 神奈川県内市区町村議会
nigatalog - 新潟県内市区町村議会
toyamalog - 富山県内市区町村議会
ishikawalog - 石川県内市区町村議会
fukuilog - 福井県内市区町村議会
yamanashilog - 山梨県内市区町村議会
naganolog - 長野県内市区町村議会
gifulog - 岐阜県内市区町村議会
sizuokalog - 静岡県内市区町村議会
aichilog - 愛知県内市区町村議会
mielog - 三重県内市区町村議会
shigalog - 滋賀県内市区町村議会
kyotolog - 京都府内市区町村議会
osakalog - 大阪府内市区町村議会
hyogolog - 兵庫県内市区町村議会
naralog - 奈良県内市区町村議会
wakayamalog - 和歌山県内市区町村議会
tottorilog - 鳥取県内市区町村議会
shimanelog - 島根県内市区町村議会
okayamalog - 岡山県内市区町村議会
hiroshimalog - 広島県内市区町村議会
yamaguchilog - 山口県内市区町村議会
tokushimalog - 徳島県内市区町村議会
kagawalog - 香川県内市区町村議会
ehimelog - 愛媛県内市区町村議会
kochilog - 高知県内市区町村議会
fukuokalog - 福岡県内市区町村議会
sagalog - 佐賀県内市区町村議会
nagasakilog - 長崎県内市区町村議会
kumamotolog - 熊本県内市区町村議会
oitalog - 大分県内市区町村議会
miyazakilog - 宮崎県内市区町村議会
kagoshimalog - 鹿児島県内市区町村議会
okinawalog - 沖縄県内市区町村議会
使い方
FAQ
このサイトについて
|
login
×
kokalog - 国会議事録検索
2016-10-25 第192回国会 衆議院 環太平洋パートナーシップ協定等に関する特別委員会 第7号
公式Web版
会議録情報
0
平成
二十八年十月二十五日(火曜日) 午前九時四分
開議
出席委員
委員長
塩谷
立君
理事うえの賢一郎
君
理事
江藤 拓君
理事
菅原 一秀君
理事
西村
康稔
君
理事
森山 裕君
理事
上田 勇君 あべ 俊子君
赤澤
亮正
君 池田
道孝
君 大西 宏幸君 加藤 寛治君 勝沼
栄明君
黄川田仁志
君 北村
誠吾
君 坂本 哲志君 武部 新君
武村
展英
君 寺田 稔君
中川
郁子君 中村 裕之君 ふくだ峰之君 福田 達夫君 福山 守君 古川 康君 前川 恵君 宮川 典子君 山本ともひろ君 渡辺 孝一君 稲津 久君 岡本 三成君
真山
祐一
君 小沢 鋭仁君 松浪 健太君 …………………………………
内閣
府
大臣政務官
武村
展英
君
参考人
(
公立大学法人奈良県立医科大学医学部公衆衛生学講座教授
)
今村
知明
君
参考人
(
慶應義塾大学総合政策学部教授
)
渡邊
頼純
君
衆議院調査局環太平洋パートナーシップ協定等
に関する
特別調査室長
辻本 頼昭君
—————————————
委員
の異動 十月二十四日
辞任
補欠選任
田村 貴昭君 笠井 亮君 同月二十五日
辞任
補欠選任
中川
康洋
君
真山
祐一
君 同日
辞任
補欠選任
真山
祐一
君
中川
康洋
君
—————————————
本日の
会議
に付した
案件
環太平洋パートナーシップ協定
の
締結
について
承認
を求めるの件(第百九十回
国会条約
第八号)
環太平洋パートナーシップ協定
の
締結
に伴う
関係法律
の
整備
に関する
法律案
(
内閣提出
、第百九十回
国会閣法第
四七号) ————◇—————
塩谷立
1
○
塩谷委員長
これより
会議
を開きます。 第百九十回
国会
、
内閣提出
、
環太平洋パートナーシップ協定
の
締結
について
承認
を求めるの件及び
環太平洋パートナーシップ協定
の
締結
に伴う
関係法律
の
整備
に関する
法律案
の両
案件
を議題といたします。 本日は、両
案件審査
のため、
参考人
として、
公立大学法人奈良県立医科大学医学部公衆衛生学講座教授今村知明
君、
慶應義塾大学総合政策学部教授渡邊頼純
君、以上二名の方々に御
出席
をいただいております。 この際、
参考人各位
に一言御挨拶を申し上げます。 本日は、御多用のところ本
委員会
に御
出席
いただきまして、まことにありがとうございます。
参考人各位
には、食の
安全等
につきまして、それぞれのお立場から忌憚のない御
意見
をお述べいただき、
審査
の
参考
にしていきたいと存じます。よろしくお願い申し上げます。 それでは、議事の順序について御
説明
申し上げます。 まず
最初
に、
参考人各位
からお一人十五分程度で御
意見
をお述べいただき、その後、
委員
からの
質疑
にお答えいただきたいと存じます。
委員
の
質疑
時間は限られておりますので、お答えはできるだけ簡潔明瞭にお願いいたします。 なお、念のため申し上げますが、御発言の際はその都度
委員長
の許可を受けることとなっております。また、
参考人
は
委員
に対して
質疑
することはできないことになっておりますので、あらかじめ御承知おき願いたいと存じます。 それでは、まず
今村参考人
にお願いいたします。
今村知明
2
○
今村参考人
平成
十九年より
奈良県立医科大学
で
公衆衛生
を研究しております
今村
と申します。 本日は、このような
意見陳述
の機会をいただきましたこと、心から感謝を申し上げます。 私は、日ごろ
大学
で
食品保健
や
健康政策
、
医療政策
などを研究している者でございまして、そのようなことから、
公衆衛生
、
食品保健
にかかわる問題ということで、きょうお声をかけていただいたんだと理解しております。 まず、
意見陳述
の
最初
に、私が考える
食品
の安全の
考え方
についてお話しできればと思います。
食品
に
リスク
がどのようにあるかということでございますけれども、まず、全ての
食品
には
リスク
がございます。ゼロ
リスク
という
食品
はございません。例えば
発がん性
というものを考えてみても、
発がん性
の強い
物質
と弱い
物質
はありますけれども、全てのものに
発がん性
の
可能性
があります。したがいまして、
リスクそのもの
を
食品
は持っているというふうに考えていただきたいと思います。 では、ゼロ
リスク
を目指すとすれば何が起こるかというと、食べることをやめるしかないわけでして、食べることをやめると、当然死んでしまう。すると、どちらの
リスク
をとるかということになります。 では、
リスク
をとるとなったときに何ができるかということを考えていきますと、
リスク
を最小限に抑えるということが
唯一
の
方法
でございます。この
唯一
の抑える
方法
として、今、国際的に考えられているのが
リスク評価
という
考え方
でございまして、この
リスク評価
は
三つ
の
概念
から成り立ちます。
一つ
は
リスク評価
、そして
一つ
が
リスク管理
、
一つ
が
リスクコミュニケーション
です。 これは、まず、
リスク評価
は、
科学
的にどんな
リスク
があるかということを徹底的に見ようというのが
リスク評価
。そして、
科学
的に
評価
したものを、極力
リスク
を抑えようというものが
リスク管理
。それでも
リスク
は残ります。では、
リスク
が残った部分についてどうするかということは、
リスクコミュニケーション
という
概念
で、この
リスク
が残りますけれどもよろしいですかということを
合意
を取りつけるという、この
三つ
の
概念
の
もと
に
食品
の
基準
などを決めてはどうかということが国際的に言われているわけでございます。 したがいまして、この
リスク評価
という新しい
概念
に基づいて、今、
世界
じゅうが動いているという
状況
であります。 そこで、
我が国
の
食品
安全の今の
仕組み
を振り返ってみますと、今からもう十五年ぐらい前でしょうか、牛乳の
食中毒事件
があったり、BSEの
事件
があったり、国民の
食品
に関する関心が非常に高まった時期がございました。その時期に、その高まりに応えるべく、
食品安全基本法
という
法律
が施行されて、その中で、
我が国
の
食品
安全もこの
リスク分析
の
考え方
に基づいて行うべきということが
法律
の中に定められたというふうに理解しております。 この
食品安全基本法
の中には、国で
基準
を決めていく際には
リスク分析
の
考え方
を必ず使うこと、そして、この
リスク分析
の際には最新の
科学
を
もと
に
評価
を行っていくことが定められております。それに基づきまして
食品安全委員会
という
組織
が立ち上がりまして、これは
厚生省
や
農水省
といった
リスク管理機関
とは独立した、
科学
的に
食品
の
リスク
を
評価
する
機関
として新しくつくられたわけでございまして、この
評価
に基づいて、
食品
の
リスク管理機関
である
厚生省
や
農水省
が実際に
基準
を定めたり
監視
をしたりということをしている、そのような
関係
になっていると思います。 その
意味
では、まさに
我が国
も、この
リスク分析
の
考え方
に基づいて
制度
がつくられて、
組織
がつくられているという
状況
であります。 これは
海外
でも同じような
仕組み
がつくられておりまして、例えば
EU
ですと、EFSAという
リスク評価機関
が外部にございまして、その
もと
に
食品
の
基準
がつくられているという
状況
がございます。 では、国際的に見たときに、
食品
の
安全基準
というのはどのように定められているかということを考えていきますと、今、FAOとWHOが
共同
で
コーデックス
という
国際規格基準委員会
をつくっておりまして、この
国際規格基準委員会
が
世界
的に見たときに
食品
の
基準
を定めているということでございます。 今、
日本
の
食品
の事情を見たときに、国内で
食品
がつくられる率というのは四割、
海外
から六割が
輸入食品
として入ってきているという
状況
ですので、
海外
の
食品
を
日本
で安全に食べるための
仕組み
という
意味
でも、国際的に
合意
が得られた
基準
があって、それに基づいて
輸入
が行われるという
仕組みづくり
は重要であるというふうに考えております。 その
意味
では、この
コーデックス
の役割は非常に大きくて、
コーデックス
で定められた
基準
に基づいて、
日本
を初め
各国
が
輸入食品
の
基準
を定め、それに基づいて
安全性
を確保しているという
状況
がございます。
コーデックス自身
も、先ほどお話ししました
リスク分析
の
考え方
に基づいて実施されておりまして、そこでの
科学
的な
評価機関
はJECFAなどの
専門家会議
などがありまして、そこで
リスク評価
したものを
コーデックス
でも
国際基準
として定めているというふうに考えております。
TPP
との
関係
で申しますと、
TPP
の中では、
WTO
の中の
SPS協定
を遵守するものであれば、
各国
の
基準
の差というのは認める
内容
になったというふうに理解しております。 この
SPS協定
というのはどういうものかと申しますと、十分な
科学的根拠
に立脚して
措置
を行うこと、そして、
原則国際基準
に基づいて
措置
を実施することが定められているものでございまして、この
SPS協定
の言うところの
国際基準
は、先ほど申し上げました
コーデックス基準
でございます。したがいまして、
コーデックス基準
に基づいて
基準
をつくっている分には、その
内容
について変更することは必要がないものになっているというふうに理解しております。 これまで、
我が国
では
リスク評価
を
科学
的な
基準
で独立した
機関
が行っているということも考えますと、まさに
SPS
が求めている
基準
を我々の国は持っていて、それに基づいて
食品
の
基準
などが定められておりますので、
SPS協定
にのっとった
規格基準
であるということを考えていけば、
コーデックス
とも合っているということを考えていけば、この
TPP
の
枠組み
の中で、ほとんど
食品
の
基準
に関しては
影響
を受けないのではないかというふうに考えております。 今後、
我が国
でも
SPS協定
に基づいて
規格基準
が定められていくと思いますし、
コーデックス
の
基準
も遵守しながら進めていくと思いますので、今の
食品安全委員会
で
リスク評価
を
科学
的にする
仕組み
と、そして、それを
もと
に
厚生省
や
農水省
といった
リスク管理機関
が実際の施策を打っていく
枠組み
があって、そして、
コーデックス
を通じて
国際基準
との調和を図るというふうな
環境
があれば、
TPP
による
影響
はほとんどなく、
我が国
の
食品
安全の
規格基準
、そして
安全性
の
監視
といったようなものは担保されるというふうに考えております。 簡単でございますけれども、私の
意見
の表明とさせていただきます。どうもありがとうございました。(拍手)
塩谷立
3
○
塩谷委員長
ありがとうございました。 次に、
渡邊参考人
にお願いいたします。
渡邊頼純
4
○
渡邊参考人
委員長
、どうもありがとうございます。
慶應義塾大学
の
渡邊
頼純
でございます。 きょうは、こういう非常に重要な
会議
にお呼びくださいまして、まことにありがとうございます。 私の方からも、時間が限られておりますので、十五分ぐらいを頂戴いたしまして、
TPP
の
評価
、そしてその
意義
についてお話を申し上げたいと思います。 お手元の
資料
の一枚目、少し図式がございますけれども、これは何を申し上げたいかと申しますと、
世界
は、
ヨーロッパ
では
EU
を
中心
に
一つ
の
経済圏
がございます。 それから、大西洋を渡りまして
アメリカ
に行きますと、
北米
には
北米自由貿易地域
、NA
FTA
がございます。そして、
中米
には
中米自由貿易地域
というのもございます。さらには、
南アメリカ大陸
に参りますと、メルコスール、
南米共同市場
、ブラジル、
アルゼンチン等
が入っております。そして、アンデスを渡って
太平洋側
に行きますと
太平洋同盟
という、これは、
メキシコ
、コロンビア、チリ、そしてペルー、こういった四カ国が
南米
におきまして
太平洋同盟
というのを結んでおります。 そして、
太平洋
を渡りますと、東
アジア
におきましては
RCEP
、包括的な
経済連携
の
枠組み
が、
ASEAN
十カ国とさらに
日中韓
三カ国、そこに豪州、ニュージー、そしてインドを入れた全部で十六カ国の
枠組み
ができております。 こういうふうに、各
地域
、
欧州地域
、
米州地域
、
アジア地域
、それぞれ非常に
地域統合
が活発に行われている、そういう現状がございます。 そういう中で、特に、
地域
と
地域
を結ぶ
地域間協力
の
枠組み
として、おなじみの
APEC
がございます。この
APEC
、そして、その
APEC
の成功を見て、
ヨーロッパ
が
アジア
とやはりそういう
経済協力
の
関係
を結びたいということで、一九九六年から
ASEM
ができております。一九八九年からスタートした
APEC
、一九九六年からスタートした
ASEM
、そして、それに加えて、
アメリカ
と
EU
との間でも、
トランスアトランティック
の
経済関係
というのがございます。
トランスアトランティック
・エコノミック・カウンシルなんて呼んでおります。 非常に興味深いのは、こういう
地域
間の
協力
の
枠組み
から、今では、
APEC
から
TPP
が出てまいりました。そして、
ASEM
の
枠組み
の中からは、
日本
と
EU
の
EPA
が現在
交渉
中でございます。間もなくその終結を迎えるのではないかと言われております。そして、
アメリカ
と
EU
との間では、
トランスアトランティック
というのがございまして、これは、TTIP、ティーティップと呼んでおります。 このように、
地域
間の
協力
の
枠組み
が、近年では非常に深い
FTA
の
関係
を結ぼうとしている、これが非常に重要なことでございます。 なかんずく
我が国日本
にとりましては、
TPP
を通じて
アメリカ
と
FTA
をやる、そして、日・
EU
のバイで
EU
と
FTA
をやる、そして、
RCEP
や
日中韓
の三国間の
FTA
で、
中国
や韓国、
ASEAN
とも
FTA
の
ネットワーク
を拡充していくというふうに、戦後
日本
を考えますときに、これほど
通商政策
というものが、
日本
がある
意味イニシアチブ
をとって、
日本
の国益に沿った形で
通商体制
を組めるというのは、やはり歴史の中で非常にユニークなところに今日
日本
は来ているということを改めて申し上げたいと思います。 次の、
資料
の三ページでございますが、そこに若干歴史的な経緯というのを追っております。 昨年十月の五日、ないしは
日本
時間ですと十月の六日になりますが、
TPP
の
大筋合意
ができております。この
大筋合意
、二〇一五年という年は、まず戦後七十年ということで、戦後七十年にして初めて、
アジア太平洋地域
に
貿易
と
投資
の新たな
枠組み
ができたということは非常によかったと思います。 もう
一つ
、
日本
がガットに入りましたのが一九五五年でございます。
日本
が
貿易
の
自由化
に向けて歩み出した、その一九五五年から六十年の記念の年に
TPP
はまとまっております。 そして、次も重要でございます。
プラザ合意
、これは一九八五年の九月でございます。そこから三十年。何でこの三十年が重要かといいますと、まさにその三十年の間に、
日本
を
中心
とした
アジア地域
における
生産ネットワーク
、
バリューチェーン
ができたからでございます。 そして、当初は
FTA
はございませんでした。
EPA
もございませんでした。
日本
はこの十年から十五年の間に、この
FTA
、
EPA
をいわば網のように、
ネット
のようにかけて、まさに
セーフティーネット
としてこの
地域
にかけて、
プラザ合意
以来の
日本
からの
海外
直接
投資
、そして
海外
直接
投資
で得られた
生産ネットワーク
というものをより強固なものにするためにこの
TPP
ができたと言って決して過言ではないと思います。 そしてその次は、
WTO設立
から二十年ということでございます。残念ながら、
WTO
は二十年たちましたが、ドーハ・ラウンドという
交渉
は停滞しております。ですから、いわばその
真空状態
を抜けるために
TPP
という大きな
合意
が得られた、こういうふうに考えていいと思います。
最後
に、日・
メキシコ
の
EPA発効
から十年でございます。私ども、この時期に、外務省の
経済局
の参事官としまして、この日・
メキシコEPA
の
首席交渉官
を務めさせていただきました。 この日・
メキシコ
の
EPA
というのは、実は、
日本
にとって二番目の
経済連携協定
でございます。
シンガポール
に次いで二件目。しかしながら、真の
意味
で、
農産品
が絡んだ
EPA
という
意味
ではこれが初めてでございます。当時は、
豚肉
がやはり非常に重要な
イシュー
でございました。食の安全も含めて、この
豚肉
の
イシュー
があったわけでございますが、これを
日本
は乗り越えて、日・
メキシコ
の
EPA
をまさに二〇〇五年に発効させているわけでございます。 そういうふうに考えてまいりますと、
TPP
が昨年
合意
に至ったということはいかに
我が国
にとって重要であるかということがおわかりいただけるかと思います。 一枚めくっていただきますと、
TPPアトランタ合意
の
評価
ということで、高いレベルの
自由化
、これはもう一〇〇%に近い
自由化
が
工業品関税
ではなし得たということでございます。 そして次に、新たな
通商ルール
というふうに書いてございますが、特に
国有企業
に対する規制、あるいは
競争原理
の
導入
ということが図られた、これも非常に大きなことでございます。さらには、
WTO
で
交渉
しようとしてなかなかできなかった労働あるいは
環境
についても一定の
規律
ができたということも重要でございます。 それからもう
一つ
挙げますと、
政府調達協定
、こちらも、実は、
WTO
の
政府調達協定
に入っていた
TPP
の
加盟国
というのは、
我が国
を含めまして
アメリカ
とカナダと
シンガポール
、この四カ国しかございませんでした。近年ニュージーランドが入りましたので、十二分の五カ国が現在では
WTO
の
政府調達協定
の
署名国
ということになりますが、東南
アジア
で申しますと、マレーシアやベトナムはこういった
WTO
の
政府調達協定
の
署名国
ではございません。したがいまして、これまでは
WTO
の
政府調達協定
の
義務
に服さなかったわけでございますが、今後は
TPP
の
政府調達チャプター
の
義務
を負うということになります。一部ではございますけれども、
政府調達市場
を開放できたというのも大きな
メリット
だと思います。 ビジネスに優しい
ルール
というのが
三つ目
でございます。 これは、特に
原産地
。
日本
の
生産ネットワーク
は必ずしも、いつも二〇%、三〇%という高い
付加価値
を
ASEAN諸国
でつけているわけではありません。場合によっては、五%しかない、一〇%しか
付加価値
をつけていないかもしれない。そういうものであっても、
TPP
の
メンバー国
である限りは、それを全部積み上げていって、
累積
の
原則
、
原産地
を
累積ルール
でもって確定していくということができた。この
完全累積制度
の
導入
ができたというのは、
日本
の
生産ネットワーク
をまさにシームレスにつないでいく上で極めて重要ということになるわけでございます。 そのほかにも、
中小企業
への配慮でありますとか、最速で六時間で貨物を引き取ることができるというようなこと、これも非常に大きかったと思います。 それからまた、食の安全という本日のテーマで申しますと、先ほど既に御
説明
がございましたように、
WTO
の
植物
、動物の
検疫
をめぐります
SPS協定
、これを再確認いたしまして、偽装された
保護主義
というものを抑えつつも食の安全を確保するということが実現できたわけでございます。 そこで問われておりますのは、手続の
透明性
、あるいは
説明責任
がちゃんと果たされているかということだろうと思いますが、これについては、
WTO
の
SPS
が発効してもう既に二十年たっておりますが、
我が国
はこれまでチャレンジされたことはありません。
我が国
から
SPS
についてチャレンジしたことはあります。 ですから、そういう
意味
では、
SPS
の
ルール
が再度
アジア太平洋地域
で確認をされたというのは、
日本
の食の安全にとっても、それは
輸入
の
局面
においても
輸出
の
局面
においても、極めて
意義
が深かった、そのように考えております。 一枚めくっていただきますと、
日本
にとっての
メリット
ということで御
説明
を申し上げております。
日本
にとっては
究極
の
貿易
のパートナーたる
アメリカ
との
究極
の
FTA
としての
TPP
、間接的に
アメリカ
と、
TPP
をもって
日米
の
自由貿易取り決め
ができたというふうに申し上げていいのではないか。それはまた、
中国
の勃興が著しい中、
日米
の
経済安保
ということ、
政治
、
軍事面
での
日米安保
に加えて、
経済面
での
安保
ができたというのは非常によかった、そういうふうに考えます。 それから、先ほど申しました
プラザ合意
でできた
生産ネットワーク
というものを、
FTA
、
EPA
で、これまで
日本
は十五件の
EPA
を発効させることによって進めてまいりましたが、
TPP
でさらに包括的に、包摂した形でこれを実現できたというのもすばらしいことではないかと思っております。 さらに、このページでいいますと一番
最後
のところ、つまり、
日本
の
農産品
の
輸出拡大
、このために
環境
が改善された、
SPS
が確認されたことは、
日本
が
輸入
するときもその
規律
に服することが求められますが、
日本
が
輸出
するときも
相手国
に対して
植物検疫衛生措置
というものについて要求をしていくことができます。 ですから、そういう
意味
では、
関税撤廃
とあわせて
SPS
の
ルール
が確認されているというのは大きな
メリット
であろうかと思います。 あと二分ぐらいかと思いますが、少し急ぎます。
日本政府
の
交渉
についての
評価
でございます。 私どもは、
日本
はゲームチェンジャーとなったと思います。
TPP
では
例外
なき
関税撤廃
ということを言われましたが、
日本
が入ったことによって、この
例外
というのが限定的にせよ認められることになったということは非常に大きかったと思います。 ですから、確かに
日本
の
痛み
である農業、そして
アメリカ
の
痛み
あるいは
センシティビティー
である
自動車
、この
センシティビティー
と
センシティビティー
のトレードオフというのが行われたわけでございますけれども、ただ、
先生方
にアピールしたいのは、この中で八七%の
自動車
の
部品
につきましては
関税
の
即時撤廃
が
アメリカ
との
関係
においてとれている、これが非常に大きいわけですね。 つまり、
アメリカ
での
生産
は現在二百五十万台超でございます。
日本
からの対
米輸出
は百八十万台にとどまっております。ですから、実は
アメリカ
でつくっている
生産台数
の方が多い。そこで必要とされる
部品
について
関税撤廃
がとれたというのは非常によかったというふうに思います。
最後
でございますけれども、
TPP
、そういうふうに考えてまいりますと、
国際政治経済
、インターナショナルポリティカルエコノミーの観点からいってもこれは非常に重要である。特に、
中国
の台頭、それによって
不安定性
、不
確実性
が増してきている
世界経済
、
国際貿易
におきまして、まず
アジア太平洋
、
GDP
の四割を占めるところでかかる
ルール
ができたのは非常によかったと思います。 そして、それにとどまりません。
中国
のこれからの
発展
の
モデル
につきましても、
TPP
は
一つ
の
モデル
あるいはテンプレートというものを示している。
中国
が中
所得国
のわなという、大体
GDP
一人当たり六千ドルというところを超えることができるかどうか、これはまさに
中国
の
近代化
、なかんずく
国営企業
の改革というところにその真価が問われているわけでございます。 そういうときに、
TPP
の特に
国営企業
に対する
規律
の問題のところで、
中国
がもしこれで受け入れることができるようであれば、
中国
の
発展モデル自体
が変わってくる。そういう
意味
で、
中国
にとっては
TPP
は非常にチャレンジングではありますけれども、何とか
TPP
に
中国
が入れるような
環境
を
日本
も
協力
をしてつくっていくということが重要であろうと思います。
最後
に、
日本
にとりましては、
日本
が
ミドルパワー
に終わってしまうのか、それとも、やはり
グローバルパワー
としてこれからも活躍を続けるのかというのは、まさにこの
TPP
にかかっているということがございますので、ぜひこの
TPP
についての御理解を深めていただければと思います。 以上でございます。どうもありがとうございました。(拍手)
塩谷立
5
○
塩谷委員長
ありがとうございました。 以上で
参考人
の
意見
の開陳は終わりました。
—————————————
塩谷立
6
○
塩谷委員長
これより
参考人
に対する
質疑
を行います。
質疑
の申し出がありますので、順次これを許します。あべ俊子君。
あべ俊子
7
○あべ
委員
おはようございます。 本日は、
今村
先生、
渡邊
先生におかれましては、お忙しい中この
TPP
の
委員会
に御
出席
いただきまして、いろいろな御
意見
をいただきまして、大変ありがとうございました。 特に、食に対する不安、これは私ども毎日生活の中で食べていく中、本当に重要な部分だと私は思っております。特に、フードディフェンスで有名でいらっしゃいます
今村
先生が、今の
リスク評価
、管理、また
リスクコミュニケーション
の重要性を言っていただき、また、
科学
的
評価
をしっかりやっていくこと、今の
コーデックス
における
基準
を遵守していく、
国際基準
を守っていく、国内の
食品
の
安全性
についてお話をいただきました。 そうした中、まだまだ食べる側としては不安がある。また、
食品
が本当に安全なのかというところの
透明性
、また
説明責任
の部分に関しては、まだまだ国民がわからない部分があるんだと思っております。その点に関しましての
今村
先生の御見解をお伺いしたいと思います。
今村知明
8
○
今村参考人
お答えします。 今御質問いただきましたように、
食品
の
リスク
の
評価
、管理というのは非常に難しいところがございまして、私が
最初
、
食品
にゼロ
リスク
はないというお話をしたように、最終的には
リスク
が残ってしまうわけです。ですので、それをいかに国民の皆さんに理解していただいて、のみ込んでいただくかというところが一番大きなポイントになるというふうに考えております。
リスク
をたくさん残せば
基準
は緩くなって、
リスク
を減らせば
基準
は厳しくなる、そのかわり、例えば
輸入食品
であればかなりのものが入ってこられなくなるというふうな、てんびんの上に成り立っているというふうに考えております。国民の側から見て許容できる範囲であって、そして、例えば
我が国
であれば、
輸入
に当たって差しさわりがない、国民が飢えることがない範囲でちゃんと確保できるような
基準
になるというところのバランスをとっていくというところが、
食品
の安全管理の難しい面であります。 したがいまして、国民の皆様が不安に思う部分が残るというのはある
意味
やむを得ないわけですけれども、逆に、その部分に対してちゃんと
説明
をしていって理解を得ていく努力をしていくべきだと思いますし、また、そのための努力というのは十年ほど前に比べて格段に進んでいるというふうに思いますので、そういった
意味
では施策としては進んでおりますし、今後も努力するべきことだというふうに考えております。
あべ俊子
9
○あべ
委員
今でも
海外
から六割の
食品
を
輸入
している中、これまでも
日本政府
はしっかりと食の安全を守っていくためにやってまいりました。もっともっとやらなければいけないことがある中、
TPP
、私どもは、この協定の概要に関しまして、
SPS
、衛生
植物
の
検疫
に関しましては、特に
説明責任
の明確化、
各国
の
SPS
措置
の
透明性
の向上を図る
内容
を規定しているところでもございます。 国内においては、さらなる強化をしていきながら、この
安全基準
をしっかり遵守していく。そうした中において、
科学的根拠
、ここの部分の研究をもっともっとしていかなければいけない。また、国際的な
科学
基準
が、必ずしも
各国
がしっかりと
国際基準
の研究の出し方、根拠によるのかというところもあると思っております。 こういうことに対しましての
科学的根拠
の研究ということに関して、ぜひとも御
意見
をいただきたいと思います。
今村知明
10
○
今村参考人
お答えいたします。
食品
の
リスク
に関しての
科学
的研究、今
各国
でも進められておりますけれども、なかなか難しい面がございます。 それはなぜかと申しますと、
食品
の
リスク
というのは
科学
的に解明が、とられていない部分がたくさんあるからです。
食品
の
安全性
の観点からいうと、食べ物全体が安全だという保証は全くございません。例えばトウモロコシ
一つ
をとってみても、トウモロコシが安全かどうかというのは、長年の食経験で死んだ人が少なかったということ以外に何の保証もありません。各民族で食べてきたものの中で死んだ人の少なかったもの上位百品目を食べているというような中でございます。 すると、どうやって
食品
の
安全性
を
評価
するかというと、今までの食べ物と比べてそんなに
リスク
がふえているかふえていないかという観点で見ていくしかないわけです。これを的確な
科学
技術で
評価
する
方法
というのはありませんで、今最新の
科学
技術を使ってわかるところまで解明して、そこから先はわからないという
状況
であります。 私の知る限り、この
食品
の分野というのは最先端の
科学
を使って研究が進んでおりますけれども、
科学
の進歩の限界が今まさに
リスク
を
評価
することの限界につながっているというふうに考えておりまして、より一層研究は進めるべきだと考えておりますけれども、同時に、
科学
の限界に伴う
評価
の限界ということもあるというふうに考えております。
あべ俊子
11
○あべ
委員
食の安全に関しましては、体にいいものと思っていた
食品
が実は
発がん性
があったり、
科学
の進化によって本当に日々刻々と変わっていくものだというふうに理解をしているところでございます。 こうした中にあって、
TPP
に関しては、食の安全が脅かされるのではないかという不安が国民の中に蔓延しているところでございます。私は本当にこのことに関しては、
TPP
の戦略的
意義
、これを
渡邊
先生が前面に出されておりまして、自由で開放的な
貿易
戦略であるということの中で、このように食の不安だけが前面に出されてきたということに関して、
参考人
の御
意見
をお伺いしたいというふうに思います。
渡邊頼純
12
○
渡邊参考人
あべ先生、どうも御質問ありがとうございます。 やはり食の安全の問題は、実はウルグアイ・ラウンドのときから議論をされてきております。私がこの場に立ちましたのは、実は、一九九四年のウルグアイ・ラウンドが終わった後の
参考人
意見陳述
、
WTO
特別
委員会
というのがございまして、その場でお話を申し上げたわけですが、安心と安全の間には非常に大きな距離がございます。やはり今は消費者はみんな安心を求めます。そして、安心を一定程度提供しなきゃいけない、これが多分行政の任務だと思います。しかし、他方では、安全ということについての
基準
もございます。 ですから、要は、社会が求める安心、これはもうとことん追求されるであろう安心と、そして
科学
的な根拠に基づいた安全、これを行政的にどうそのつり合いをとっていくかというところがポイントで、まさに、先ほど申しましたように、
SPS
、あるいはテクニカル・バリア・ツー・トレードということで
貿易
に対する技術的障壁、これも食の安全に
関係
してくると思います。といいますのは、表示等がこのTBTになってまいります。 ですから、そういうことからいいますと、この
SPS
もTBTも、実は、食の安全と安心について非常に微妙なバランスをとってきた、そういう協定であると思います。 そういう中で、これまで
日本
の
SPS
について諸外国から特にチャレンジをされたことがないというのは、これは
日本
にとっては安心材料ではないか。つまり、
WTO
の
SPS
以上のものが
TPP
に入ったとすればこれは問題かもしれません。そこはよく精査する必要があるかもしれない。しかし、
WTO
の
SPS
というものを再確認した形のものが今回の
TPP
の
SPS
チャプターになっておりますので、そういう
意味
では、
WTO
以来のこの
SPS
の経験に鑑み、特にこれは問題なく、むしろ、戦略的な
TPP
の
意義
というものを追求していくその差しさわりにはならない、こういうふうに確認を申し上げたいと思います。 以上です。ありがとうございました。
あべ俊子
13
○あべ
委員
今回の
TPP
の議論におきましては、食の安全、安心とともに、
日本
の農業の問題が出ているわけでございます。 本当に、今の農業の中で国内の農業が閉塞感に満ちていく中、
TPP
がどちらの方向に行くのか全くわからない。自分たちの次世代がしっかりと農業を続けていくために、一体何をしていかなければいけないのか、何が必要なのかということの議論が混在しているのだと私は思っております。
海外
から既に六割
輸入
している
食品
に依存している中、また、中山間地区の農地の方々がこれから自分たちの農業がどうなっていくのかという中、先般も新潟県でトマト農家の若者たちにお会いいたしました。これまでの農業では自分たちの農業はどうなるんだと思っていた中、明るい方向性が見えてきたという話がございました。 今まで、国内で
食品
を使っていき、また、
輸出
することも余り前面に出していなかった農業であります。
食品
の
安全性
とあわせて、
TPP
の農業の方向性が不安であるということも
意見
として聞かれるわけでございますが、やはりここに関しては、
日本
の経済全体がどうなっていくのか、
日本
国がどこへ行くのかということとあわせた
日本
の農業のあり方、食の安全だというふうに私は考えております。 これに関しまして、
渡邊参考人
の御
意見
を伺わせてください。
渡邊頼純
14
○
渡邊参考人
先生、どうもありがとうございます。まさにきょうはその点を御議論申し上げたいと思ってここに来ております。 といいますのは、やはりこれまで、ウルグアイ・ラウンドまでの
日本
というのは、これ以上
輸入
するのは嫌だ、そのかわり
日本
からも
輸出
もしないから、どうか余り枕元をばたばた歩かないでくれというような形で、
輸入
に対して制限的な政策を打ってきたかと思います。 しかし、
TPP
では、
輸入
もふえるかもしれないけれども、それ以上に
輸出
もふやすというメンタリティーが出てきたと思います。これは、実際に私どもが、いろいろ
TPP
に対して農家からの不安があったり、あるいは反対があったりして、農家をいろいろ訪れさせていただきました。長野県の川上村でありますとか、北海道の十勝の方でありますとか。 そうしますと、その中で
一つ
わかってきたことがございます。それは、これから、
TPP
で
SPS
の協定などについて、諸外国、
TPP
の
メンバー国
にもしっかりと
SPS
を守ってもらうということがある中、
日本
から、例えば
日本
の牛肉であるとか
豚肉
であるとかミルクであるとか、そういったようなものを
輸出
していくときに、食の安全をめぐるグローバルなある種の
枠組み
、例えばそれはGAPといいます。これは、グッド・アグリカルチュラル・プラクティスでGAPですね。そして、それの
世界
的なものとしてグローバルGAPというのがございます。 それから、HACCPというのもございます。これは、ハザーダス・アナリシス・アンド・クリティカル・コントロール・ポイント、まさに
食品
の製造から加工工程のあらゆる段階で発生するおそれのある汚染の危害、これをあらかじめ分析するというものでございます。このHACCPにもグローバルHACCPというのがございます。 このように、GAPとかHACCPのグローバルな規格を
日本
の農業
生産
物が獲得していくということが非常に重要なんですね。 そこで、ぜひその部分に予算的手当てをしていただいて、
日本
の農家がグローバルGAPでありますとかグローバルHACCPを悠々ととって、そして、
世界
の農産物市場にチャレンジをしていくというような、そういう
環境
をぜひおつくりいただければ、まさにウイン・ウインの
関係
がつくれるんだろう、こういうふうに考える次第でございます。 ありがとうございます。
あべ俊子
15
○あべ
委員
ありがとうございます。 そうした中にあって、私は、食の安全に関しまして、また安心に関しまして、本当に、フードディフェンスの
今村
先生からも御指導いただきましたように、この
科学的根拠
を含めた
リスク評価
また管理、コミュニケーションが重要だと思っております。 そうした中にあって、やはり食の安全、安心、国民にとっては一番関心のあるところでございまして、国内体制をどのように進めていくのか、さらにどう進化させていくのかということが私は重要であるというふうに思っております。
今村
先生に、これをさらに進めていくために、今の体制も十分にしておりますが、必要なことがあるとすれば、ひとつ御見解をお伺いしたいと思います。
今村知明
16
○
今村参考人
御質問ありがとうございます。
食品
の
安全性
は、国民の関心が高まっておりまして、対策が重要というふうに考えております。 ただ、実際に国民の皆さんからこれをやってくださいということを受ける立場としては、今の人数や今の研究者の体制では全然足りないという
状況
がありまして、ニーズや関心の高まりに伴う人の体制や研究体制の確保ということをやっていかないと、限られた人数でやれることには物理的な限界があって、私も力の限りは頑張りたいと思うんですけれども、やはり限界がありますので、そういった面からの補強というのは重要であるというふうに考えております。
あべ俊子
17
○あべ
委員
先生がおっしゃるとおり、今、
大学
改革も進んでいく中、なかなか基礎研究も含めた研究予算がしっかりととれないところは私どもも課題だと思っておりまして、しかしながら、今回の
TPP
にあわせまして、私は、食の安全、安心に関しては、しっかりと国民がわかりやすくなっていく必要な研究がなされることも重要だと思っているところでございます。 また、そうした中、やはり
国会
においては、この
TPP
、どうなるんだろうかという不安を国民が持っている中、
透明性
の高い議論をしっかりと進めていくということが私は重要課題だと思っておりまして、どのように
説明
していくのか、
透明性
をどのように高めていくのかということは
国会
の議論あってこそだと思うところでございます。 そうした中にあって、また
渡邊
先生に、この戦略的な
意義
、自由で開放的な
貿易
戦略としての
TPP
の
意義
、
食品
の安全、安心に関して、関連いたしまして
最後
にお聞きしたいというふうに思います。
渡邊頼純
18
○
渡邊参考人
どうもありがとうございます。 まさに、私は、
TPP
というのは
日本
の農業が大きく変われるチャンスになったと思います。もう既に、いろいろなところへ行きまして農業の
関係
者とお会いしますと、彼らのマインドセットが大分変わってきました。そして、私は、行けば行くほどその確信を得ております。 ですから、
TPP
というのは、実は、
日本
の農業を崩壊させたり、あるいは
日本
の農業をおとしめるものではなくて、むしろ
TPP
を
一つ
のプラットホームとして、
日本
の国内だけでは消費者もどんどん減ってまいります。今、
日本
とオーストラリアの、日豪の
EPA
を使って、
海外
から
日本
の例えば乳製品市場にも熱い視線が送られていて、そして、
日本
製のミルクを使ったものを今度オーストラリアやニュージーランドの会社を使って
中国
へ売っていこうといったような、非常にダイナミックな展開が起ころうとしております。 ぜひ、この
TPP
の関連法案を通していただきまして、
日本
の将来の農業の
発展
のために前向きの姿勢で
国会
で御議論いただければなと心から願う次第でございます。 ありがとうございます。
あべ俊子
19
○あべ
委員
日本
の農業は、地方にとっては、
地域
にとっては重要なものでございます。そうした中、人口減少時代を迎え、
各国
が
保護主義
になっていく中、
日本
の経済がどこへ行くのか、
日本
の農業がどこへ行くのか、それをしっかりと不安を払拭していく形で私どもは
国会
の中で
生産
的に議論していく、これこそが私ども
委員会
の役割であると思っております。 本日はありがとうございました。
塩谷立
20
○
塩谷委員長
次に、岡本三成君。
岡本三成
21
○岡本(三)
委員
おはようございます。公明党の岡本三成です。 本日は、
今村
先生、
渡邊
先生、貴重な御
意見
、ありがとうございます。 まず、
渡邊
先生に質問させてください。 私、この
TPP
の
委員会
、さきの通常
国会
も含めましてずっと携わっておりますけれども、議論の中身が国民の皆様への
説明
に対してはちょっとアンバランスじゃないかなと思っているところがあるんですね。それは何かというと、
TPP
の全体像に必ずしも十分な議論が及ばず、その一部を占めている業界の話に余りにも大きな時間が割かれているんじゃないかという懸念なんです。 例えば、
自動車
業界、
自動車
部品
、これは非常に収益が上がりそうだ。けれども、国民の全員が
自動車
部品
業界や
輸出
産業に携わっているわけではありません。農業を守らなければいけないし、一部は攻めなければいけないんですが、全員農業に携わっているわけではありません。その
意味
で、普通の一般の国民の方にとってどういう
メリット
、デ
メリット
が
TPP
であるかというのが非常に重要だと思うんですね。 普通の感覚でいいますと、どの業界で勤めている方も消費者です。消費者としてどういう
メリット
があるか、デ
メリット
があるかと考えたときに、購入の選択肢がふえるというのが、私は、多くの国民にとっての最大の
メリット
だというふうに思っています。 例えば、ある方は、安全でおいしい国産の和牛が食べたいという方もいらっしゃれば、いやいや、おなかいっぱい子供に食べさせたいから、若干品質は下がるかもしれないけれども、
輸入
の牛肉の方を選択する方がいらっしゃるかもしれません。 今回、この
関税撤廃
によって、例えば牛肉や
豚肉
の
関税
が最終的になくなりますと、牛肉では、そのままその
関税
分が価格に反映されますと、百グラム約二十円安くなります。
豚肉
ですと、百グラム四十円安くなります。それを買うかどうかは別にして、消費者の選択肢がふえるということこそが
TPP
の
日本
国民全体にとっての
メリット
だというふうに考えていますが、先生、どのようにお感じでしょうか。
渡邊頼純
22
○
渡邊参考人
岡本先生、どうも御質問ありがとうございます。先生のおっしゃるとおりだと思います。 実は、自由
貿易
というのはなかなか厄介ですね。つまり、自由
貿易
の
メリット
というのは、国民の幅広い層に、薄く、
GDP
の何%が上がるといったような形で示されます。何兆円の効果があるといっても、それは非常に薄い。ところが、
痛み
を感じられるところは、非常にシャープに
痛み
を感じられる。このアンバランスですね、これがなかなか難しい。 ですから、まさに
TPP
について、一般の方々が、何が
メリット
があるんだとなかなか実感しづらいということがある。そんな中で、先生もおっしゃられたように、選択肢をふやしてあげる、これが非常に大きなことだと思います。 私ども、学生とつき合うことは、もちろん毎日つき合っているわけでございますが、自分の学生時代と比べますと、随分学生の食生活が豊かになったと思います。 例えば、私ども、自分が昭和五十年代、
大学
生あるいは
大学
院生をやっておりましたときに、焼き肉屋に行くなんということはほとんどありませんでした。ところが、最近の学生たちは、平気で、先生、焼き肉に行きましょうと言います。ええっ、そんなお金があるのかと。要するに、学生でも焼き肉屋に行けるような価格にまでおりてきたということだろうと思います。学食でいいますと、カレーライスなんかにしても、昔は本当に肉片を探すのが大変でございましたが、今ではちゃんと入っております。 そういうふうに考えていきますと、やはり先生が言われたように、彼らも将来、サラリーマンになり、成功していけば、違うタイプの焼き肉が食べられるかもしれない。そういうふうに、購入の選択肢が広がるというのは大変大きなことだろうと思います。 ありがとうございます。
岡本三成
23
○岡本(三)
委員
先生、ありがとうございます。 例えば、全体のマクロでもう一度確認をいたしますと、政府試算ですと
GDP
の二・六%、
世界
銀行の試算でも二・七%、約十四兆円の
メリット
があると言われているんですが、これを国民一人頭で割りますと、一人十一万円なんですね。大きな金額です。 もちろん、その十一万円が全部、例えば消費者としての選択肢で得られるわけではなくて、ある業界に大きな利益が落ちたものも含めているわけですけれども、それが回り回って
日本
の経済を動かすということを考えれば、国民一人当たりでいうと十一万円の
メリット
があって、それは実は、十四兆円という規模といえば、今回の
TPP
参加国の中で最大の恩恵を受ける国が
日本
というように政府も国際
機関
も試算をしているというのが非常に重要なポイントだと思います。 その中で、あえてきょうは食の安全ということがフォーカスをされておりますので、次は、
今村
先生にお伺いをしたいんです。 私、よく農業を守るという議論をこの
委員会
の中でもされているんですけれども、果たして、これは自公政権の歴史も含めまして、農業って守れてきたんだろうかという問題意識があります。 先ほどウルグアイ・ラウンドの話がありましたけれども、例えば、一九九四年ぐらい、大規模に
農産品
が
輸出
入をされるようになってこの二十年間、農業を守るという名目で約八十兆円の予算をここに
日本
はつけているんですね。大変な金額です。 多分、その毎年毎年の政策の中では、これが農家を守っているんだ、そういう気持ちでやってきたと思うんですが、では、振り返ってみて本当に守れたかというと、もしかしたら、そのときに農業に従事されていた方の生活を数年は守れたかもしれないけれども、中長期的な目で振り返ってみると、ほとんど守れていなかったのではないかと総括できるんじゃないかと思っているんですね。 例えば、二十年間の数字をとりますと、農業の総産出額、二十年前は全体で約十二兆円です。一昨年は八・四兆円、マイナス二六%。耕作の面積を守ろうとよく言われます。二十年前、五百八万ヘクタール、一昨年、四百五十万ヘクタール、マイナス一一%。農家で働いている方にしっかりとした所得を受け取ってほしいと皆さん言います。全体の農家所得、二十年前、五・一兆円、一昨年は二・八兆円、マイナス四四%。全く守れておりません。働いている方の基幹的農業従事者、二十年前、二百六十三万人、一昨年は百六十八万人、マイナス三六%。もうからない業界ですから、新しい人はやはり入ってこないんですね。 ですから、要は、変わらなければ、
TPP
があるないにかかわらず、今までと同じようなことでは、ことし、来年は守れるかもしれないけれども、五年後、十年後には守れなかったというふうな総括にならないような攻めの農業に変えていかなければいけないというのが、今回の
TPP
の大きなポイントだと思います。 その上で、先ほど
渡邊
先生がグローバルGAPに言及をいただきましたが、この件についてぜひ
今村
先生にも教えていただきたいんですけれども、GAP、グッド・アグリカルチュラル・プラクティス、よい農業
生産
物の
基準
みたいなことなんでしょうか、
世界
の農業市場で農業
生産
者の中ではスタンダードになっているように聞いています。 特に、ロンドン・オリンピックのときは、オリンピックの競技会場の中で提供される食料品はグローバルGAPを取得していなければ購入されなかったというところから、
もと
もと
ヨーロッパ
で発祥していますけれども、
アジア
の農業
生産
法人の一〇%もこのグローバルGAPを取得していますし、
日本
でも最近話題になっておりまして、ただ、
日本
でグローバルGAPを取得しているのは全経営体の〇・一五%だそうです。ほとんどまだ何も手つかずなんですね。 このような国際認証が今後、攻めの農業に対してどういう
影響
を持っているかということをお伺いしたいんですが、例えばこのグローバルGAPについて言うと、目的は食の安全と持続可能な
生産
管理、この持続可能というのがキーワードみたいなんですね。
三つ
ポイントがあって、食の
安全性
は、ただ単に例えば農薬の
基準
を第三者がチェックするだけではなくて、その
基準
以下であるプロセスを確認しながら最終的な安心感も醸成するということ。二つ目は
環境
の保全で、農薬でいうと、その使った農薬を例えば川や海に流して
環境
をどのように汚染しているかというポイント。
三つ目
はそこで働いている労働者の方の安全の確保で、要は、農業というものが継続的に持続できるようなところまで第三者の目でしっかりとチェックをしながら、その方々をより農業
生産
の
中心
に置いていって、五年後も十年後も百年後も安定的な農業経営ができるような指針となる、非常に先進的な取り組みだと思っているんです。 先ほど
渡邊
先生から、大変重要なポイントなので国で予算の手当てもお願いしたいというふうなアドバイスもいただきました。これは、認証をとるには大体一年から二年かかって、数百万円から一千万円ぐらいかかるそうです。 ですから、その予算的な手当ては重要だと思うんですが、多くの農業者の方に認識されていない、
政治
家の中でももしかしたら存在自体を認識していない方がいるかもしれないんですけれども、
今村
先生に、このグローバルGAP、またHACCPも含めまして、国際認証をどういうふうに
日本
の攻めの農業に取り込んでいくかということにつきまして御所見を伺えればと思います。
今村知明
24
○
今村参考人
御質問ありがとうございます。 今御
説明
いただきましたGAPは私も大変関心を持っておりまして、農業の現場でこのGAPが広がれば、
食品
の安全の分野でも大変役立つものであるというふうに考えております。 GAPの本質を考えてみますと、基本的に人間はエラーをする生き物ですので、そのエラーをいかになくすかということを系統立ててブロックしていくというものであります。これは全くHACCPの方でも同じ考えでございまして、このHACCPとGAPをいかにつなげていくかというところが今後国際認証を続けていく中でも重要であるというふうに思います。 今、ISOやHACCPやさまざまな
国際基準
があるんですけれども、特に
食品
の安全の分野で考えますと、まだこれを使えばいいというものがあるというわけではありません。今一番力を持っているのはISOの22000シリーズでありますけれども、ではそれとGAPがつながっているかというと、まだ十分につながっているという
状況
にはありません。同じ思想で工程管理をしていこうというものにもかかわらず、まだ十分につながっていないという
状況
であります。
日本
でも、
食品
安全の
世界
ではHACCPを
導入
しようとしていますし、農業でもGAPを入れようとしていますけれども、ではこの二つはつながっているんですかというと、まだまだつながっているとは言いがたい
状況
であります。個別にHACCPもGAPも入れていく努力をするべきだと思いますが、これをつないでいく努力ということも必要だと思います。 これは国際
機関
においてもまだまだつながっているとは言いがたい
状況
でありまして、これをつないだような、フードチェーン全体に関する
国際基準
のようなものができていけば、少なくとも二つの
基準
が調和がしっかりとれたものになっていけばよいのかなというふうに考えております。 以上です。
岡本三成
25
○岡本(三)
委員
ありがとうございます。 次に、両先生にお伺いをしたいんです。 攻めの農業と言葉で言っていますけれども、私たちがやらなければいけない多くの施策の中で、その
中心
的なものというのは、人材育成に対してどのような機会を提供できるかということなんだと思うんですね。 例えば
日本
の場合に、いろいろな事業法人がある中で、農家だけが経営者と労働者と資本家が同じ人がやっている。農家の方が自分でお金を出して、そして自分で
生産
をして、自分で販売のチャネルまで探しながら乗せていくようなことというのは、やはり人間は不得意、得意がありますので、分業ができるような体制をつくっていくのも重要じゃないかなと思っているんです。 もっと言うと、農業というものを教える
大学
はたくさんあると思うんですけれども、農業経営を教えるような学術
機関
というのはまだまだ少ないんじゃないかなというふうに思っているんですね。 例えば、
生産
は得意だけれども、天候が悪くなったときに、売れなくなってしまったときのそういう
リスク
はとりたくないという農家の方がいてもいいと思うんです。いろいろな販売をするのは得意だけれども、
生産
自体の技術はないという方もいてもいいと思うんです。そういう方が、
組織
の中で、ある経営者を
中心
にその経営体としての収益を上げて、それぞれの役割の方が農業というものに携わる中で、得意分野でしっかりとした所得を上げていくということが重要ではないかなと思っています。 その
意味
で、
一つ
、私は、オランダという国を
日本
のターゲットにする国だというふうに思っているんです。 オランダは、国土でいうと
日本
の九分の一、人口が八分の一、耕地面積は
日本
の約四割なんですけれども、
輸出
額でいうと
世界
第二位。ちなみに、
日本
は第五十五位です。 何が一番違うかというと、二つありまして、
一つ
は、農業経営に対しての学術
機関
がしっかりしていて、そこで学んだ学生というのは、農業の
生産
の知識だけではなくて、経営、それこそマーケティングであったり資金調達であったり
組織
運営であったりということに関してしっかりと知見を得るような機会を提供されているのと、もう
一つ
は、ITと農業のフィットがすごくいいので、どのようにITを活用して
生産
性を高めて所得を上げていくかということに対して徹底した教育がなされているんです。 このオランダのみならず、
世界
にはそういう農業経営を主に教えているような学術
機関
がたくさんあるんですが、
日本
にはまだその数が少ないという現状を考えたときに、それぞれ
大学
で学生の皆さんに教鞭をとっていらっしゃる両
先生方
はどういうふうに思っていらっしゃって、
政治
の役割または行政の役割、どういう形で、学生にどういう分野の教育を提供することが重要かということを御所見を伺えればと思います。
今村知明
26
○
今村参考人
御質問ありがとうございます。 農業人材の育成ということで、私が
日本
の農業を見るに、先生御指摘のとおり、個人経営の方が多うございまして、先ほど御質問いただきましたGAPの
考え方
は、集団で品質を管理していくために必要な手法でございまして、個人がGAPを使って管理すると大変面倒で、面倒な割に効果が少ないというデ
メリット
がございます。 では、何でGAPが
世界
でこれだけ脚光を浴びているかというと、やはり、ほかの国は大規模な、集団としての農業をやっておりまして、その分業をいかに効率的に進めていくか、安全に進めていくかという観点から、どうしても工程管理が必要になってきているという
状況
だと思います。 その点、
日本
では、まだまだ集団で農業をするというところに至っていませんで、集団で農業をやっていただけるからこそ品質管理ができるという手法は確立されているんですけれども、集団そのものが存在しないために、その手法が十分に生かされていないという
状況
があると思います。 ただ、
食品
の安全の分野から見ましても、
食品
企業は、たくさん資本と人材を持っていて、農業をやれるような
環境
にあるので、私からは、大規模な農家が出てきて、そこが品質管理をしてくれると、
日本
の品質
基準
も
安全基準
も随分上がっていくというふうに思います。 その
意味
では、
日本
の教育
機関
は、まだまだ集団としての農業に対してのアプローチは弱いところがありまして、そういったところは、
食品
安全とあわせて、農業の現場で
組織
として農業を行うということをもっと学べるような機会があった方がよいというふうに考えております。 以上です。
渡邊頼純
27
○
渡邊参考人
どうも御質問ありがとうございます。 私は、先ほども申し上げましたように、二〇〇三年、二〇〇四年と、
メキシコ
との
EPA
交渉
に
首席交渉官
で携わることができました。二〇〇三年九月でございますが、カンクンというところで
交渉
会合をやりました。そのときに、
日本
側の養豚業者の皆様と
メキシコ
の養豚業者の皆様と御対面をやってみたんですね。何かのダイアログができないかと思ったわけです。 そのときに、
メキシコ
側の養豚業者の皆さんは、大体みんながMBA、経営学修士を持っていたり、あるいは、
アメリカ
のどこそこの
大学
で農業経済学で博士を持っているというような自己紹介が続くんですね。
日本
側は、皆さん、侍のいでたちで、そして鉢巻きをして、日・
メキシコEPA
絶対反対、
豚肉
絶対反対、こう書いてある。ですから、議論が全然かみ合わなかったのを思い出します。今、先生のお話を聞いていて思い出したんですけれども。 ですから、
日本
も、知的な農業といいましょうか、あるいは知識集約型農業、これがやはり非常に重要だろうと思います。これからは、農業をやっていらっしゃる方たちも、そういう農業経営を教えるような
大学
へ行って勉強するというのが
一つ
かなと思います。 しかし、何よりも重要なのは、やはり農業がもうかる産業になるということが重要だろうと思います。 例えば、長野県の葉物野菜をつくっていらっしゃるある村、ここなんかは、一人当たりの収入が、税控除前ですけれども、二千五百万円ぐらいある。北海道の方の農家を訪ねますと、子供たちに、おい、誰がうちの農家を継いでくれるかと言ったら、三人いる子供たちがみんな、僕がやる、私がやると手を挙げたそうです。それは、大卒ぐらいの年齢で、大体一人当たり一千三百万の手取り収入があり得るからなんですね。 ですから、そういう農業が少しずつ
日本
の中で展開しているということ、これがやはり重要だろうと思います。そして、そういう方々の農業に対する取り組みを共有するような学校があって、そしてそこでそのノウハウなどを教えていく、そういう取り組みが重要かなというふうに考える次第でございます。 ありがとうございます。
岡本三成
28
○岡本(三)
委員
ありがとうございます。 農業は、もちろん経済性だけでは判断できずに、
地域
の文化であったり
環境
で判断をしないといけないことはよくわかっていますけれども、ただ一方で、攻めの農業というのが、農業に従事する方というのは別に社会貢献でやっているわけではないわけですから、五年後、十年後に若者が、もうかるから農業に従事するんだという方々がふえるような政策をしっかりととってまいりたいと思いますので、きょうの
先生方
の御
意見
を
参考
にさせていただきたいと思います。 本日はありがとうございました。
塩谷立
29
○
塩谷委員長
次に、松浪健太君。
松浪健太
30
○松浪
委員
日本
維新の会の松浪健太であります。 冒頭お二人の
先生方
に、本当にこの
参考人
質疑
というのは
先生方
にお越しをいただく最も大事な会でありまして、私の方も国
会議
員を十年以上やっているんですけれども、片肺と我々の
世界
で言いますけれども、我々以外の野党が
出席
をしていない御無礼、また冒頭、大変見苦しいパフォーマンスをお見せして、もう本当に出ないなら来なきゃいいんですけれども、おつき合いをいただきましたこと、心よりおわびを申し上げる次第であります。 さて、私も、先般の総括
質疑
の際に食の安全の問題を集中的に取り上げさせていただきまして、前回は農業だったんですが、今回は食の安全ということで、大変
意義
深い大切なテーマをいただいたと思っております。 食への
影響
、生活への
影響
、本当にわかりません。前回の
質疑
では、目に見えるところでは、
日本
人の体もどんどん変わっております、私の娘が、身長は私より低いけれども足は私より長いという例をもって、大変人間の体の変容というのは速いものだと。 また、厚生労働省は今公式には認めておりませんけれども、いわゆる精子の数が半減しているというような説も長年報道されているわけでありまして、なかなかこうした、恐らく、我々の体への
影響
というのは大変複雑な、複雑系のもので、
一つ
のものだけでそれを言えるということではない。 ここにまさに、
今村
先生がおっしゃった、全ての
食品
には
リスク
がある、これは大変わかりやすい表現で、よく薬の議論をするときには全ての薬には
リスク
があると言っているんですが、我々は、
食品
は本当に安全なものだと思っているわけでありますけれども、この
食品
の
リスク
というのが、心配が、これからどんどんと国民の間で高まってこようと思います。 前回は、私は、ですから、肥育飼料のラクトパミン等の問題、それから肥育ホルモンの問題、さらには乳量を多くする牛ソマトトロピン、BSTの問題、さらには大豆の遺伝子組み換えといったものを取り上げさせていただいて、いずれも、
日本
国内ではつくることがない、許可をされているものも実質上使えないもの、または、
アメリカ
ではつくれて、特にソマトトロピンは、もう釈迦に説法になりますけれども、カナダやオーストラリアですら使わないものというのが入っている。 こうした中で、まず、
今村
先生がお詳しい
コーデックス
の話が先ほど出てまいりました。この
コーデックス
でもこうした残留
基準
というのが、今
ネット
で調べると、六十五回の
コーデックス
連絡協議会が
平成
二十七年九月四日、厚労省、農林水産省で出ていますけれども、こうしたところでも、不満の声、不安の声というのは取り上げられていまして、当然だと思うんですね。 特に、これは
科学
的といいながら、
コーデックス
では、たしか賛成六十九対反対六十七という非常に僅差で決まっている。
科学
がこんな多数決でやる。私は、まさに一対一というのは
政治
の理論であって、本当の
安全性
というのは、たとえ一対九十九でも一が正しいことはあると思うんですけれども、国際的に、本当に
唯一
全
世界
に通じる規格である
コーデックス
が六十九対六十七とかこうした僅差で決まること、これは本当に
科学
的と言えるのかどうかをまず伺いたいと思います。
今村
先生、お願いします。
今村知明
31
○
今村参考人
御質問ありがとうございます。
科学
の本質に迫る質問をいただきまして、ありがとうございます。 なかなかお答えが難しいところですけれども、
科学
的かどうかという
意味
で見たら、私は
科学
の一部であるというふうに考えております。 実際、自分が
科学
者としてさまざまな研究をやっていく中で、
最初
、新しい発見をしますと、少数派になるわけですね。その少数派の中で
合意
形成をしていって、多数派を占めた時点で真実になるというふうな経過がありまして、どこかで過半数を超えるというところが
科学
であります。 ただ、
食品
は、先ほど申しましたように、
科学
的には非常に難しいところでして、全てが新しい発見で解決するわけではありませんので、多数派の方が入れかわったりするというのが今の現状であります。国際的に見ても、国で見たらどちらが多数派かということはあるわけですけれども、それを
各国
で見たときには僅差になるということはよくございまして、こういう現象も
科学
の一部であって、これを克服していかなければいけないところが
食品
の安全の難しいところだというふうに考えております。
松浪健太
32
○松浪
委員
多数派で入れかわってもいいんですけれども、例えばこういう
コーデックス
の決め方というのが、過半数じゃなくて、
国会
でも憲法改正とかこういうものは三分の二なんですけれども、実際は私は
リスク
については抑制的であるべきだと思うので、こういう
ルール
も実は三分の二とかの方がいいんじゃないですか。簡潔にお願いします。
今村知明
33
○
今村参考人
私も国際
機関
、何回か議論に参加させていただいて、基本的には過半数でないと
合意
がとれないという国際
機関
がほとんどですので、
コーデックス
もそれに倣わざるを得ないのかなというふうに思います。
松浪健太
34
○松浪
委員
過半数で決められているようでは、やはりなかなか食の安心感というのは出ないのも当然かなというふうに私は思うわけであります。 こういう国際
評価
の問題があるんですけれども、前回も私は遺伝子組み換え
食品
の表示の問題等を出させていただいて、
我が国
では大豆等、遺伝子組み換えは表示
義務
があるんですけれども、スーパーで幾ら駆けずり回っても、遺伝子組み換えであるという表示はありません。組み換えでないものについては任意で書ける。特にしょうゆとか大豆は余計ややこしい話が、これはたんぱく質が組み換わっているから書かなくていいんだというけれども、入れていない場合は任意表示でいいというので、遺伝子組み換えでないという商品は山ほど山ほど見つかるんですけれども、これが見つからないというような現状。 こうした
日本
の現在の
食品
表示のあり方というのは、非常に私はわかりにくい。表示
義務
をつけているのに表示されているものが一切見当たらない、これが国民の皆さんの
食品
に対する不安の原因なのかなと思いますけれども、こうした国内の現状について、
今村
先生、いかが思われますか。
今村知明
35
○
今村参考人
御質問ありがとうございます。
食品
の、特に遺伝子組み換え
食品
の表示のややこしさについては御指摘のとおりだと思いますし、もっともっとわかりやすくするべきだというふうに思います。ただ、現実に、遺伝子組み換え
食品
は物すごく国民から嫌がられていまして、書いたら売れないというふうな
状況
があるので、なかなか書いてくれないという
状況
があると思います。 その中で、私、表示で特に重要なのは、最終的には検出できるかどうかということが物すごく重要なんだというふうに思います。それは、取り締まることができない
法律
をつくってしまうと、実際に空
法律
になってしまって、何の効果もなくなってしまうというところがあると思います。そういった
意味
では、どこまでが検出できるかというところが最終的には表示をするラインであると思います。 ただ、それは
安全性
の観点からということですので、品質の保証という
意味
からどこまで提供するかというのは別の問題だというふうに考えます。
松浪健太
36
○松浪
委員
いや、この問題、これ以上突っ込むのをやめようかなと思ったんですが、今の点でいえば、検出されないと言う方がよくいらっしゃるんですよ。でも、実際、
EU
ではこれは
義務
がありまして、私は、検出できないからじゃなくて、遺伝子組み換えの大豆が今大体国内の八割を占めているのにそれを見ることができないというアンバランスから考えれば、そうしたものについては、特に八割なので、それが必ず入っているわけですから、
EU
のように流通からの
基準
で入れてもいいんじゃないでしょうか。
EU
についてはどう思われますか。
今村知明
37
○
今村参考人
EU
の
基準
について、私から見て非常に不可解な、厳しい
基準
がたくさんあって、
EU
の担当者とも何回も話したことがあります。その中で、
EU
も、厳しい
基準
をつくってしまって苦労している、検知
方法
の確立にすごく苦労しているというお話は伺っております。 ですので、どの辺まで検知の精度を求めるかというところが、今、
各国
で
基準
をつくっていることそのものになっていると思いますし、精度の高い検知法を求めれば当然緩くなって、精度が緩くても構わないということであれば当然厳しくなる、そんなふうな
関係
だと思います。
松浪健太
38
○松浪
委員
次の問題はお二方に伺いますけれども、先生、今、
EU
の
基準
は不可解だとおっしゃいましたけれども、不可解な
基準
によって便益を受けているのは、私は
EU
の住民だと思うんですね。 それは、結局、
WTO
でいろいろな問題があっても、こうした
基準
があることによって、オーストラリアも
アメリカ
も、先ほどのBST、肥育ホルモンとか、あと、飼料であるラクトパミン等を使用した、ホルモンがこれだけ攪乱されていて、冒頭申し上げたように、人間の精子すら減少しているんじゃないかというぐらいさまざまなホルモンに囲まれている中で、ホルモンフリーを
輸出
しなければならないという特別プログラムを
EU
では
アメリカ
やオーストラリアと組んでいるわけです。 私は、
日本
も実はこういうものを
TPP
の中でも組めるぐらいの方が、国民はしっかりと安心するし、これこそ、先生おっしゃった、
リスク
は見えないわけですから、
リスク
の低減というのには資するものだと思います。 こうした特別プログラムを私は組むべきだと思いますけれども、
今村
先生にはお考えを、そして
渡邊
先生には、こうした特別プログラムが
日本
は
TPP
下で組めるのかどうかということをまず伺いたいと思います。
今村知明
39
○
今村参考人
こういうラクトパミンや肥育ホルモンといった問題は非常に不安をかき立てるものなので、私個人がこれを好きというわけではないんですけれども、でも、
リスク
という観点から見たときに、どれだけ
リスク
があるかというのは、現在の
科学
でわかる範囲でしかわからないというのが現状だと思います。 例えば、ホルモンであれば、女性ホルモンが、エストロゲンが代表的なわけですけれども、大豆の中にはイソフラボンという非常にエストロゲン作用の強いものがあります。私の目から見ると、例えば豆腐の中に含まれるエストロゲン作用というのはなかなか強烈なものでありまして、それと残留してくるような肥育ホルモンなんかの量では、比べ物にならないぐらい大量の女性ホルモンを我々はとっている。 ですので、
リスク
だけの観点でいうと、食べ物の中で
日本
人は物すごくたくさん女性ホルモンをとっている国ですので、
リスク
のふえ方は、
ヨーロッパ
の国々から比べると、ふえ方としては少ないのかなというふうに思います。 ですので、
ヨーロッパ
の国がふえる度合いが大きいということを考えれば、向こうではそれを防御するべきだというふうに考えるんでしょうし、
日本
では
もと
もと
たくさんとっていて余り
影響
がないと国民が思っているんだったら、そんなに強くやらなくてもいいんじゃないかなというふうに思います。 以上です。
渡邊頼純
40
○
渡邊参考人
SPS
の
関係
でいいますと、食の安全、安心の問題、もうウルグアイ・ラウンドのころから長く議論をしてきているのは先生も御案内のとおりでございます。
SPS
の第五条には予防
原則
という一項がございまして、
EU
は予防
原則
を非常に厳しく考えております。ですから、国民に対する安心を提供するという観点から、この予防
原則
を比較的幅を持たせて解釈しています。それに対して、
アメリカ
あるいは新大陸の方の国は、比較的この予防
原則
を厳しく精査する。
科学的根拠
をちゃんと出さないと、予防
原則
だけでは制限できないというようなことを言っております。 他方、もう
一つ
のそういう
基準
認証に関する協定でありますTBT、技術的な
貿易
の障壁の方では、強制規格等の策定については、情報開示あるいは要望の提出といったようなことについて、しっかり
透明性
を確保し、しっかり
説明
をするようにということが言われているわけでございます。 この両方を考えますと、恐らく、先生がおっしゃられた特別プログラムのようなものは、
日本
におきましても、それを制定することは可能だろうと思っております。つまり、そこではちゃんとした
科学
的な証拠というものが示され、しかも、TBT協定、TBTのチャプターに従って、情報開示とかあるいは要望の提出というようなことがきちっと許される、パブリックコメントみたいなことも含めて、議論が開かれた形で行われるということが担保されれば可能だろう、そういうふうに考えております。 以上です。
松浪健太
41
○松浪
委員
両先生、ありがとうございました。 先ほど薬の問題に触れましたけれども、
海外
では、例えばワクチンなんかをつくっていても、ちょっとした細かいちりみたいなものは不問に付されるんですけれども、
日本
の場合は、何だこれはということで大変な問題になる。これは明らかに
日本
人の細やかな文化、例えば製薬、薬をつくるにしても、その部材に吹く吹きかけ方とかでも、
海外
だと多少むらがあってもいいけれども、
日本
は本当に精緻にやるというぐらい精緻な国民性なので、私はそこが
日本
人が非常に受け入れられないのも自然だと思うんです。
今村
先生、手短になんですけれども、特に牛ソマトトロピン等は、
日本
は天下りの問題がありますけれども、向こうはリボルビングドアなので、天上がって天下る。特にこのソマトトロピンの場合は、たしか記憶によると、FDAでこれを
承認
した担当者が、元某社にいらっしゃって、そしてこのソマトトロピンを出している某社からFDAに行って、その担当者がこれは安全だと言って、そして今度はやめたら天下るという、一粒で二度おいしいみたいなことをやっているような現状。 これが
アメリカ
でもよく知られているので、向こうでもオーガニックな製品が、オーガニックなものが出てくると、食も、向こうもノンホルモンはプレミア肉になっていますから、食の格差を広げてしまう。お金のある者が健康なものを食べて、では貧しい者はホルモンフリーを食えませんよみたいなことにもなりかねないと私は思って、その辺が
日本
に特に合わない問題だというふうに思っているんです。 こうした天上がり、天下りみたいな問題について、手短に、
今村
先生、多分御存じだと思うので、その辺、伺っておきたいと思います。
アメリカ
において。
今村知明
42
○
今村参考人
こういった
審査
に携わる者が天下りや天上りといったようなことは望ましくないと思います。ただ、現状として、この
審査
をするための人間が不足していまして、どうしても限られた人数で回しているという
状況
があって、私もたくさんの
委員会
に入れられていまして、もうこれ以上回らないという
状況
が続いております。 ですので、こういったことの人材育成がまずは大変重要であるというふうに考えます。
松浪健太
43
○松浪
委員
ありがとうございました。私、
日本
のことを言ったんじゃなくて、
アメリカ
のことを言っていますので、伺いたいと思って。 次は
渡邊
先生に伺いたいんですけれども、我々、食の安全保障といっても自給率の問題かぐらいなんですけれども、どちらかというと
アメリカ
なんかでは、これはもはや安全保障、武器だ、食料は武器だなんという言い方をされるわけでありますけれども、
日本
においては、やはり我々、平和ぼけしているせいか、これが戦略物資だという感覚が非常に少ないと思うんです。 まず、食料の安全保障を、
日本
を見ていて、これはなかなか
日本
は甘いなとか、いや十分だよとか、御
意見
がありましたら、安全保障の観点からお願いします。
渡邊頼純
44
○
渡邊参考人
松浪先生、どうもありがとうございます。 食の安全というのはなかなか大事ですが、食料
安保
も非常に重要だと思います。いわゆるフードセキュリティー。大事なことは、恐らく、フードセキュリティーを総合的な安全保障から切り離さないことが重要だろうというふうに思います。 特に
日本
の農業、随分石油を使う農業ですね。ですから、石油がそもそも、インド洋を渡って、あるいはマラッカ海峡を通って
日本
に来なくなるようなそういう
状況
、つまり、安全保障上の危機が到来したときには、
日本
の農業もそもそも息の根をとめられてしまう
可能性
があるわけですね。ですから、食料
安保
だけを総合
安保
から切り離してやるという議論は余り
意味
がないというふうに考えております。 ですから、そういう中で考えますと、全体の
安保
体制の中で食の
安保
をどう確保していくか。 そういうことからいいますと、恐らく供給源を多角化するということが多分重要だろうと思います。 ですから、BSEの問題が起こったら
アメリカ
から牛肉が入ってこないというようなこと、そういうことも考えて、オーストラリアやニュージーランドといったようなところを供給源としておくというようなこともございます。
豚肉
でも、
アメリカ
、カナダ、そしてデンマーク、
メキシコ
といったように、供給先は相当多様化しています。ですから、そういうことが多分重要だろうと思います。 例えば、
日本
の場合、畜産のために、ほとんど
関税
ゼロで飼料用穀物を
輸入
しておりますが、これなどにつきましても、ブラジルとかアルゼンチンと、相当遠いところですけれども、
日本
から見て地球の裏側の、そういったような国々まで広げて供給源を多角化しておくということは、とても重要だろうと思います。 特に、今、
中国
で、中華料理というと、大体ポーク、
豚肉
を使うことが多かったんですが、最近
中国
へ行きますと、
先生方
も多分お気づきだと思いますが、牛肉料理、それも相当質のいい牛肉料理を出すようになってきていますね。 そうしますと、一キロの
豚肉
をつくるのに、大体四キロの飼料用穀物が要ります。一キロのビーフをつくるのに、七キロの飼料用穀物が要ります。この
状況
で、十三億と言われる
中国
の人口の豊かな層がどんどん牛肉にシフトしていきますと、飼料用穀物が足らなくなってしまいますね。 ですから、そういうことを考えますと、食の安全ということ、あるいは食の
安保
ということを全体の
安保
の中で考えていくということが極めて重要だということが、多分、我々はわかってくるのではないかなと思う次第です。 ありがとうございました。
松浪健太
45
○松浪
委員
両先生、ありがとうございました。 私個人としては、やはり人間も牛肉もドーピングはしない方がいいし、いわんや遺伝子なんかを人間なんか組み換えられないんですから、除草剤をぶっかけてもいいような大豆なんというのは、つくること自体、神への冒涜だとは思いますけれども、こうした価値観を我々はしっかりと
日本
の安全保障に組み込んでいくことが大事だと思います。 ありがとうございました。
塩谷立
46
○
塩谷委員長
以上をもちまして
参考人
に対する
質疑
は終了いたしました。 この際、
参考人各位
に一言御挨拶申し上げます。
参考人各位
におかれましては、貴重な御
意見
をお述べいただきまして、まことにありがとうございました。
委員会
を代表いたしまして厚く御礼申し上げます。(拍手) この際、御報告申し上げます。 予定しておりました昨二十四日の
委員
派遣につきましては、明二十六日に行うことといたしますので、御了承願います。 この際、休憩いたします。 午前十時三十二分休憩 ————◇————— 〔休憩後は
会議
を開くに至らなかった〕