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2016-09-14 第191回国会 参議院 外交防衛委員会 閉会後第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二十八年九月十四日(水曜日)    午後三時開会     ─────────────    委員異動  八月五日     辞任         補欠選任      三木  亨君     豊田 俊郎君  八月八日     辞任         補欠選任      豊田 俊郎君     三木  亨君  九月十三日     辞任         補欠選任      三木  亨君     滝沢  求君  九月十四日     辞任         補欠選任      福山 哲郎君     小西 洋之君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         佐藤 正久君     理 事                 古賀友一郎君                 堀井  巌君                 榛葉賀津也君                 石川 博崇君     委 員                 朝日健太郎君                 今井絵理子君                 宇都 隆史君                 小川 克巳君                 片山さつき君                 滝沢  求君                 塚田 一郎君                 中曽根弘文君                 大野 元裕君                 小西 洋之君                 福山 哲郎君                 藤田 幸久君                 伊藤 孝江君                 井上 哲士君                 浅田  均君               アントニオ猪木君                 伊波 洋一君    国務大臣        外務大臣     岸田 文雄君        防衛大臣     稲田 朋美君    大臣政務官        環境大臣政務官  比嘉奈津美君    事務局側        常任委員会専門        員        宇佐美正行君    政府参考人        外務大臣官房審        議官       水嶋 光一君        外務大臣官房審        議官       大菅 岳史君        環境大臣官房審        議官       正田  寛君        環境大臣官房審        議官       早水 輝好君        防衛省防衛政策        局長       前田  哲君        防衛省整備計画        局長       高橋 憲一君        防衛省統合幕僚        監部総括官    辰己 昌良君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○理事選任の件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○外交防衛等に関する調査  (北朝鮮による核実験実施等に関する件)  (北朝鮮による五度目の核実験に対する抗議決  議の件)     ─────────────
  2. 佐藤正久

    委員長佐藤正久君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  昨日、三木亨君が委員辞任され、その補欠として滝沢求君が選任されました。     ─────────────
  3. 佐藤正久

    委員長佐藤正久君) ただいまから理事選任を行います。  去る八月三日の本委員会におきまして、一名の理事につきましては、後日、委員長が指名することとなっておりましたので、本日、理事堀井巌君を指名いたします。     ─────────────
  4. 佐藤正久

    委員長佐藤正久君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  外交防衛等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として外務大臣官房審議官水嶋光一君外六名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 佐藤正久

    委員長佐藤正久君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  6. 佐藤正久

    委員長佐藤正久君) 外交防衛等に関する調査のうち、北朝鮮による核実験実施等に関する件を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  7. 宇都隆史

    宇都隆史君 自由民主党の宇都隆史です。  閉会中の委員会開催、そして質問機会を与えていただいたことに委員皆様方に感謝申し上げます。  北朝鮮ミサイル発射に関しての質問です。  八月三日のノドン一発の秋田沖への発射、そして八月二十四日、SLBM発射の成功、そして九月五日の奥尻沖への三発のミサイル発射、そして今回の核実験と。閉会中に我々が委員会を開き、この厳しい決議を採択する、これはもう当然のことでありますし、そして、政府自身国際社会連携をしながら北朝鮮がこれ以上暴挙を働かないように連携を強めていく、これも重要なことであろうと思っています。  同時に、我々は立法府の一員として、現在のこの北朝鮮ミサイル開発に対して一体どのような手段があるのかというのを議論を通じて国民に示す必要があるのではないかと、私はそう考えています。そして、まず第一にすべきことは、今の体制でできること、できないこと、このことを議論を通じてしっかりと明確にしていくこと。そして、できないことはなぜできないのか。これは法的な制約もあるでしょう、あるいは装備体系、技術的な制約もあるでしょう、又は数的、つまり財政的な制約もあるでしょう。こういうできない理由というのをしっかりと明らかにした上で、では、できない領域をいかに小さくしていくのかという方向性議論の中で見出すことができたら立法府役割を果たせたことになるのではないかと、そう思い、今回は質問用意させていただきました。  七問用意をしておりますが、前半の二問は飛ばさせていただきます。  まず、なぜできないのかというところ、その二問は私が、時間が短いので説明させていただいて、今回、捕捉ができなかったと。移動型の発射装置、あるいは潜水艦発射型のSLBM、事前の捕捉が非常に困難な発射体系なわけですね。こういうミサイル発射をされると、いかなる我々が非常の態勢を取っていても、これは技術的になかなか難しいことが言えるんだろうと思います。  もう一つ、二問目に用意をしていましたのは、同時多数のミサイルを、じゃ、攻撃された場合はどうなのか。これも現行の技術的に言えば、一発、二発であれば対処はできても、同時に五十発あるいは数百発のミサイル攻撃されれば対処ができないというのはこれは技術的にも明らかなわけです。  さて、では三つ目に、国民の皆さんは、でも今の防衛システムが万全であろうとあらかた思っている声をやはり聞きますけれども、今のミサイル防衛システム対処能力、今の防衛省現状において、日本全国、北海道から沖縄まで国民生命財産をきちっとカバーできるだけのしっかりとした数的な保有数、これが整っているんだろうか。これはこの後に今後どうするつもりかというお話をお聞きしたいんですけれども、そのことについてまず質問したいと思います。
  8. 高橋憲一

    政府参考人高橋憲一君) お答えいたします。  我が国弾道ミサイル防衛システムでございますが、弾道ミサイル対処能力を有するイージス艦による上層での迎撃ペトリオットPAC3による下層での迎撃を組み合わせた多層防衛により実施することとなっております。  上層での迎撃につきましては、弾道ミサイル対処能力を有するイージス艦三隻を配備することにより日本全域を防護することが可能と考えてございますが、現在、「こんごう」クラス四隻では、交代、定期整備、他任務への従事等の期間が必要であり、現時点では常時継続的に日本全国を防護する体制を取ることは困難と考えております。  また、下層での迎撃を行うペトリオットPAC3につきましては、政経中枢地域等を防護する拠点防護のため、機動的に移動、展開し、状況に応じて最適の位置へ配備することを考えております。  現在、「あたご型イージス艦二隻の弾道ミサイル防衛能力付加のための改修事業平成二十四年度から行っておりまして、平成二十九年度及び平成三十年度に「あたご」、「あしがら」の改修が完了する計画でございます。また、平成二十七年度及び平成二十八年度に弾道ミサイル対処能力を有するイージス艦それぞれ一隻の計二隻を新たに建造しておりまして、平成三十一年度及び平成三十二年度にそれぞれ一隻ずつ就役いたします。これによりまして、弾道ミサイル対処能力を有するイージス艦が四隻から八隻に増えることになります。さらに、平成三十三年度には、より防護範囲が広い新型ミサイルSMブロックⅡAを取得、配備する計画でございます。これにより、平成三十三年度頃には日本全国を防護可能な体制が構築されるものと考えております。  以上でございます。
  9. 宇都隆史

    宇都隆史君 今もう四番の答えまで言ってしまったような気がするんですけれども。  今お答えになったように、全国六個高射群、一個高射群に対して四個の高射隊があり、それでも、数的にカバーしようと思っても、現状のところ、同時的に全国をカバーすることはできない。また、人員的にもそうですね。二十四時間三百六十五日、常にその体制を維持し続けることも人的にも困難であるという中で、今おっしゃられたように、第一段階目海上自衛隊から発射型のSM3、これをどんどん、二隻体制、プラスしていく、あるいは地上発射型のペトリオットをより強固にしていく。でも、それでもまだ穴があるわけですよね。  防衛大臣、今後このミサイル防衛システム、どのような方向性強化していくべきだとお考えになりますか。
  10. 稲田朋美

    国務大臣稲田朋美君) お答えする前に、八月三日に防衛大臣に就任をいたしました稲田朋美でございます。委員先生方には、どうぞよろしくお願い申し上げます。  さて、ただいまの質問ですが、我が国を取り巻く安全保障環境、大変厳しくなっていて、特に北朝鮮におきましては、年が明けてから二回の核実験、そして弾道ミサイルは二十一発。さらに、委員指摘のとおり、いつどこでも撃てる体制で、同じ場所から三発の弾道ミサイル我が国排他的経済水域に同時に着水するなど、確実にその技術は向上している。また、弾道ミサイル脅威から国民生命財産を守るべき万全を期さなければならないと考えております。  三つの観点から、一つ我が国自身防衛力強化二つ目日米同盟強化、そして三つ目関係各国との関係強化だというふうに思っています。  我が国の現在の弾道ミサイル防衛システムについては、先ほど事務方からお話ありましたように、海上自衛隊SMミサイル搭載イージス艦、さらには航空自衛隊PACミサイルによる迎撃を組み合わせた多層防衛を行っております。  その上で、北朝鮮弾道ミサイル能力が一層向上している可能性を踏まえて、高度なミサイル等対応できる能力向上型迎撃ミサイルを導入することとし、SMブロックⅡAの新規取得、さらにはPACMSE弾新規取得を進めることといたしております。また、移動式発射機による探知が困難なミサイル発射、さらには常時継続的な弾道ミサイル対処体制が必要であるため、イージス艦の増勢を進めるとともに、新たな装備品を含め、将来の弾道ミサイル体制調査研究実施することといたしております。  さらに、日米強化という意味におきましては、BMDに対して緊密に連携しており、早期警戒情報を始めとする情報の密接な共有、イージス艦PAC3等の我が国への展開配備能力向上型迎撃ミサイルSMブロックⅡAの日米共同開発を進めており、引き続き連携強化する必要があると考えております。  同時に、日米韓の三か国の緊密に連携してくることも重要であるということを認識をいたしております。  こういった取組を行いつつ、弾道ミサイル脅威から国民生命財産を守るべく万全を期したいと考えております。
  11. 宇都隆史

    宇都隆史君 ただいま大臣の方から御説明をしていただきましたように、海上自衛隊発射型のSM3をブロックⅡAという新しいミサイルに変えていく、あるいはペトリオットミサイルPAC3をMSE弾という新しいミサイルに変えていく、いろんな御努力をしていただいていることには高く評価をするものの、我々のその努力スピードとこの北朝鮮ミサイル開発スピードと、それがもう合わなくなっている。我々は、だから現実的にカバーできるような対応というのをやっぱり真剣に考えていかなきゃいけないんじゃないか。そのことをやっぱり議論を通じて深めていくのが議会役割だと思うんです。  そのときに、やはり撃たれてしまってから対処するというのでは、これは非常に技術的にも、そして数の制約的にも難しい。数が必要となれば、これは財政的な制約もあるわけですから。党の議論の中では、地上配備型のSM3、イージス・アショアと言われるような、そういうのも検討すべきじゃないか、そんな調査も今始まっているやに聞いていますけど、それにしてもお金が掛かるわけですね。  であれば、撃たれる前に無力化する、こういうことも必要なんじゃないか。これまでの国会の中でもミサイル基地策源地攻撃議論というのは何度かございました。憲法制約上もそこまでは、座して死を待つということまで憲法は規定していないではないかというような答弁もございました。  この敵、敵ではないですね、外国のミサイル発射基地、この策源地攻撃能力、果たしてこれ今自衛隊は有しているんでしょうか。そこの現実はどうなんでしょう。
  12. 前田哲

    政府参考人前田哲君) 今先生指摘のいわゆる策源地攻撃敵基地攻撃憲法関係について申し上げれば、政府は従来から、法理上の問題としては、ほかに手段がないと認められるものに限り敵誘導弾等基地をたたくことも憲法が認める自衛の範囲に含まれると、このような考え方を示してきてございます。  装備体系についてのお尋ねですが、現時点では我が国敵基地攻撃を目的とした装備体系保有しておりませんし、また攻撃することを想定もいたしていないと、そういうことでございます。
  13. 宇都隆史

    宇都隆史君 策源地攻撃というのは、論理としては憲法制約の範疇にはないのではないかという議論があるんですが、実際の能力としてはまだ保有をしていない、装備体系上、ということになっているわけですね。そして、先ほど言ったように、技術的にカバーできるだけの、数的にその数もない、技術的には今新しいものに変えていこうとしているけれども、それには大分時間が掛かるというようなわけなんです。  また、相手が発射準備をしていれば、今言ったように、もし装備体系保有をしていれば策源地攻撃制約をされていないという一つ解釈が成り立ったとしても、準備ができていないなら、こちらが先に攻撃を受けた後に、こちらが、では攻撃を仕掛けていくことができるのかというと、これは日本防衛の元々の戦略上、攻撃に関しては米軍にお願いして、我々は専ら防衛に徹するという考え方をしているわけなんですけれども、私は、いま一度この日米役割我が国独自の攻撃力保有、こういうことに関しても真摯な議論があってしかるべきだと、このように思っていますし、そういう時期にもう差しかかっているんではないかと一議員の立場としては考えています。  最後に防衛大臣の見解をお伺いして、質問を終わります。
  14. 稲田朋美

    国務大臣稲田朋美君) 今委員が御指摘になったように、現時点日本防衛力で十分かどうか、これはしっかりと検証していく必要があると思います。  その意味におきましても、先ほど委員が御指摘になった、例えばTHAAD、イージス・アショア現時点において新たな装備品を導入する具体的な計画としてはありませんけれども、今回の概算要求でも六千万計上して、新規装備品も含めた将来の弾道ミサイル体制調査研究等を行うことといたしております。これは、まさしく今の現状でしっかり守れるかどうかを常に検証しなければならないという思いです。  さらには、敵基地攻撃については、先ほど局長答弁いたしましたように、憲法上の法理解釈は先ほど述べたとおりでございます。その上で、防衛大綱は、我が国弾道ミサイル対処能力の総合的な向上を図るとして、BMDシステムについて我が国全域を防護し得る能力強化するほか、日米間の適切な役割分担に基づき、日米同盟全体の抑止力強化のため、我が国自身抑止対処能力強化を図るよう、弾道ミサイル発射手段等に対する適応能力の在り方についても検討の上、必要な措置を講ずることといたしております。  具体的にどのような体制を取るかは、専守防衛日米同盟強化という前提の下で様々な角度から慎重に検討してまいりたいと考えております。
  15. 宇都隆史

    宇都隆史君 引き続き、政府におかれましては防衛外交と一体となった万全の努力をお願い申し上げますとともに、我々議会人として、この北朝鮮脅威に対しては与野党ございません。国民生命財産を守るために様々な議論を多角的に議論していきながら、国会としてもその役割を果たしていきたいということを申し述べて、質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。
  16. 大野元裕

    ○大野元裕君 民進党の大野元裕です。  内閣改造がありましてから大臣にお越しをいただいて委員会を立てるのは、まだ所信を伺っておりませんけれども、初めてのことであります。  改めて、岸田外務大臣、この極めて厳しい国際環境の中で引き続き外務大臣の任を継続して担っていただくこと、心より敬意を表したいと思います。  また、稲田大臣、新しく防衛大臣になられて、近隣の公的な資金が入っている通信社が、例えば、その国との安全保障協力が進まなくなるのではないかと、こんな表明があり、私は、その懸念分からなくもないんですが、我が国の一国の大臣に対する言葉としては大変失敬だと思っています。その意味では応援させていただきますが、ただ、ここからは、大臣でありますので、おっしゃったこと、行われたこと、さらには品格までもが問われる、そういうこともあろうかと思います。しっかりと、二十六万人にも及ぶ自衛隊員が控えていて、そして日本の安全、安心を担っていただくという責任、全うしていただきたいとお願いをさせていただきたいと思います。  その上で申し上げさせていただきますが、一九九三年に北朝鮮がNPTの脱退の宣言をして以降、同国をめぐる核の状況に対しては、各国が、そして国際社会が強い懸念を抱いています。そんな中、九日にも違法な核実験実施をされました。北朝鮮の強硬な姿勢をまずは強く批判をいたします。  国際社会努力にもかかわらず、北朝鮮安保理決議八百二十五号に始まり二千二百七十号に至るまで多くの安保理決議を無視し、今般五回目の核実験を強行したことに対し、民進党としては、一月に引き続く核実験を、我が国のみならず、東アジアの平和、ひいては国際社会の安全を損なう重大な脅威であり、断じて容認できないと強く抗議をするとともに、北朝鮮は自らの行為がより一層の孤立を招いていることを自覚しなければならない旨の代表名声明文を発出し、新たな対北朝鮮制裁決議の採択を求めたところであります。  そこで、外務大臣にお伺いいたしますが、新たな制裁決議を採択し、実効的にこれを行っていくとすれば、中国、ロシアの協力がおのずと必要になってくると私は考えます。特に、中国は対北朝鮮制裁実質性を担保する鍵となる国だと思っておりますところ、いついかなるレベルで、我が国はどのような内容について中国働きかけを行ったのかを確認させてください。
  17. 岸田文雄

    国務大臣岸田文雄君) 委員指摘のように、中国北朝鮮に対する大きな影響力を考えますときに、今後の国連安保理議論あるいは国際場裏における議論の中で中国の果たす役割、大変大きいものがあると認識をしています。  その中で、我が国として中国への働きかけ、九月の五日に日中首脳会談を行いました。八月二十四日に日中外相会談を行いました。そして、昨日、九月十三日ですが、我が方、金杉アジア大洋局長、そして中国側が武大偉朝鮮半島事務特別代表、この二人の間で電話会談を行いました。  いずれも、中国責任ある国連安保理理事国として責任をしっかり果たしていってもらいたいということ、まずもって国際社会北朝鮮に対してしっかりとしたメッセージを発し、そして圧力を強化することが重要であるということ、こういったことを訴え、そして中国の建設的な対応を促した、こういったことでありました。  引き続き、様々なレベルを通じて、中国に対する働きかけ意思疎通、努めていきたいと考えます。
  18. 大野元裕

    ○大野元裕君 今大臣お答えになった首脳会議あるいは外相会議については、この事象、九月九日の前の話であります。新たなフェーズに入って以降、局長特別代表レベル働きかけを行ったと、こういう受け止めをさせていただきます。  中国は、大臣まさにおっしゃったとおり、非常に重要な影響力を行使する国だと私も思っています。そうなると、やはりより高いレベルで、引き続き様々なレベルとおっしゃいましたが、より高いレベルでの強い働きかけ、私は必須だと思います。現時点では、もしかすると、遅い、低い、弱い、こう評価されるような働きかけにとどまっているのではないか。  今般の核実験は、特に中国でG20の会議が行われているさなかに実施されたもので、決して中国としても心地よいものではないのではないかと私は考えますけれども、この機会を捉えて、例えば中国最高レベルも含めた直接の協議機会を模索していくこと、我が国を始めとして各国から中国に対する働きかけ強化させることが必要と思いますけれども、改めて御答弁を求めます。
  19. 岸田文雄

    国務大臣岸田文雄君) まず、御指摘のように、中国北朝鮮との関係北朝鮮の貿易の九割は中国が占めているということ、さらには国連安保理常任理事国であり六者会合議長国でもある、こういったことを考えますと、中国の果たす役割、大変重たいものがあると強く認識をしています。  そして、北朝鮮は今年初めから核実験を二回行い、そして二十一発の弾道ミサイル発射しているわけですから、こうした挑発行動が続く中にあって様々なレベル働きかけを行ってきた、これについて先ほど答弁させていただいたわけでありますが、おっしゃるように、引き続き高いレベル中国に対して働きかけを行っていかなければならないという認識を持っています。  そして、まず直近は、今日、明日中にも王毅外交部長に対しまして電話会談を投げかけております。今調整中であります。是非、今日、明日中にも日中外相電話会談、実現したいと考えています。  そうした具体的な、様々なレベル意思疎通を通じて、中国に建設的な役割働きかけるべくしっかりと努力を続けていきたい、このように考えます。
  20. 大野元裕

    ○大野元裕君 後ほど議論しますが、もしかすると技術的には新しいレベル、全く違うフェーズに入ってしまった可能性もありますので、ここは野党も与党もなく、しっかりと日本の安全を守るためにも大臣の御努力をお願いしたいと思います。  その上で、十一日だったと思いますけれども、アメリカの国務省のソン・キム北朝鮮政策特別代表が発言をされていて、伸長する脅威に対する防衛のために可能なあらゆる手段を講ずる、措置するとした上で、安保理制裁に加えて、日米は韓国とともに単独及び二国による対処、あるいは可能であれば三か国の協力を目指していると述べています。もう一度言いますけれども、ユニラテラル、一国のもの、それからバイのもの、そして可能であれば三か国によるものと並列で述べているんですね。  単独措置は分かります。マルチの安保理制裁も分かりますけれども、それと別に二国間のと日米を名指しして述べているわけですけれども、この日米で目指している二国による措置とは何だか、お答えください。
  21. 岸田文雄

    国務大臣岸田文雄君) 御指摘のソン・キム特別代表の発言について、その発言の用語の意味について何か確定的に説明できる立場に私はないわけでありますが、少なくとも、ソン・キム特別代表とそして金杉アジア大洋局長の会談の中にあっては、一つ国連安保理における協力、そしてもう一つはそれぞれの独自措置の取組、そしてさらには、引き続き日米あるいは日米韓、こうした関係国との連携が重要である、こういった協力を行い断固たる対応を行っていく、こういったやり取りを行ったと報告を受けております。  よって、ソン・キム特別代表の発言、用語の意味、確たるものを申し上げる立場にはありませんが、恐らく日米協力、例えばそれぞれの対応を行う際にしっかり意思疎通を行う、連携をしていく、こういったことなのではないかと想像はいたします。少なくとも、日米二か国が共同で同一の措置をとる、こういった検討が行われているという事実はございません。
  22. 大野元裕

    ○大野元裕君 ちょっと驚いてしまったんですが、日米協議をして日米で二か国で措置をとっているのに、大臣はそれをおっしゃる立場にないというのは極めて奇異だし、誰に聞いたらいいんですかね。聞く人がいなければ我々質問続けられないんですけれども、いかがでしょうか。
  23. 岸田文雄

    国務大臣岸田文雄君) ソン・キム代表の発言について申し上げました。そして、実際日米の間でどんな協議を行ったか、それについては今改めて御報告したとおりであります。そういった協議が行われる中にあって日米協力を行っていく、こうしたことについて外務大臣として答弁をさせていただいた次第であります。
  24. 大野元裕

    ○大野元裕君 納得できませんけれども、このことについては、ただ、とても大事だと思うんです。日米連携というのはとても大事だと思っています。そこでやはり誤ったメッセージを北朝鮮側にも国際社会にも与えてはならないということから考えれば、それを解釈しろと言っているんじゃありません、これが事実なら事実でいい、そうじゃないのならそれでもいい、あるいは向こう側に確認するでもいい、そこはやはり最低限やっていただく、私は是非大臣にお願いをして、違う質問に移らせていただきたいと思っています。  さて、今日は、閉会中にもかかわらず、北朝鮮の暴挙及び我が国を含む地域と国際への平和、これに及ぼす影響が極めて深刻であるというところから、衆参両院で委員会閉会中にもかかわらず開催をされています。  配付させていただいている資料の一枚目を御覧いただくとお分かりになると思うんですけれども、これは報道や専門家の判断ですから、数字等は彼らの言っていることをそのまま書いてありますけれども、北朝鮮が核の小型化あるいはミサイルの弾頭化に成功する、あるいはそれに近づいているのではないか、こういう評価もあるところであります。  もしもこれが事実であれば、北朝鮮の核問題というものはこれまで以上に我が国にとって極めて深刻になるということを意味をいたします。だからこそ、本問題を国会で取り上げて審議し、日本国民のみならず世界に発信していくことが与野党を問わず重要であると認識をしていると私は考えています。  それにもかかわらず、稲田大臣、まずお伺いしますけれども、一昨日まで本委員会出席をすることなく外遊を追求をされる、そのことを理事会に打診された、あるいは国対の方で発言をされたというふうにも聞いています。もしもそれが本当であれば、そのような危機感のなさは全く理解もできませんし、国民から見ても奇異に映るのではないでしょうか。更なる核実験もある、こういう報道もあります。そのような中で防衛大臣が御出張とは、大臣としての資質を早々に問われることになるのではないかと思います。  大臣が本問題の深刻さを理解されておられないのか、あるいはこの問題を国会大臣として取り上げることをもしも忌避した場合に北朝鮮に対して誤ったメッセージを与えることになるのではないか、あるいは国会を軽視しているのか、そこは私には分かりません。  いかなる思いで一昨日に至るまで本委員会出席することなく外遊をすることを追求しようとしていたのか、是非その理由をお答えをいただきたいと思います。
  25. 稲田朋美

    国務大臣稲田朋美君) 冒頭、大野委員から厳しいけれどもエールもいただき、しっかりとそのお言葉をかみしめて、緊張感を持って職務に邁進したいと思っております。  その上で、この国会での審議、まさしく北朝鮮の暴挙ともいうべき核実験についてしっかり説明責任を果たす、また国権の最高機関である国会説明責任を果たす、大変重要なことだと認識をいたしております。  先ほど、我が国防衛体制として、防衛力強化、そして日米同盟強化関係諸国との関係、申し上げました。また、閉会中であったこともあり、日米防衛相会談を行う方向で調整していたことも事実でございます。また、防衛省を通じて国対委員長にこの会談の重要性をお話をしたことも事実でございますが、しかし、国会の中で、やはり国権の最高機関たる国会国民皆様方にしっかりと説明をする、これは私はとても重要なことだというふうに認識をいたしまして、本日この委員会出席させていただいてしっかりと説明をさせていただきたいというふうに思っております。
  26. 大野元裕

    ○大野元裕君 御出席いただいたことは当然評価をいたします。ただ、防衛省が配った資料だと、日米防衛会談もそうですけれども、アメリカの国防長官との信頼を築くこと、これが最初に書いてあります。もう既に深刻な事態に至っていますので、もし大臣に信頼が置かれていないということであれば、信頼を置かれている方を特使として出せばいいわけですけれども。あるいは、よもやIISSでの講演が楽しみで行かれると、まさかそんなことはないと思いますけれども、現下の情勢を踏まえて、くれぐれも国会を軽視することがないよう、これは最初でございますので、ここでこの話は取りやめますけれども、是非今後お願いをさせていただき、その上で少し技術的な話をさせていただきます。  稲田大臣、この資料にありますとおり、先ほども述べましたが、北朝鮮核実験はどうも小型化、爆発力の強化、こういったものを目指しているように見えます。そうだとすると、これは仮にミサイルの核弾頭化が成功したとすると、我が国にとっては極めて重要であるとともに、先ほど大臣が冒頭、宇都委員質問に対しておっしゃっておられたとおり、二十一発撃たれたミサイル、これとの関係というのはとても深いのではないかと思います。  その中でも、私すごく、たくさん問題はあるんですけど、一つ気になっているのは、北朝鮮が頻繁にミサイル発射実験を行う中で、大臣が八月八日にミサイル破壊措置命令、これを常時発出する、それを三か月ごとに更新する、こういう報道が様々なところで出ています。この事実関係についてまず確認をさせてください。
  27. 稲田朋美

    国務大臣稲田朋美君) 今、大野委員が御指摘になった報道があったということは承知をいたしております。  ただ、かかる命令発出の有無等、自衛隊の具体的な対応を明らかにすることは我が方の手のうちを明らかにするおそれがあり、差し控えたいというふうに思います。
  28. 大野元裕

    ○大野元裕君 数多くの報道機関が不思議なことに複数の政府筋の話として伝えているんですね。防衛省は本件を報道機関にはリークできるが国会には明らかにできない、このように思われてしまうのではないかと思うんですが、仮にミサイル破壊措置命令出す場合に、これが出せないとすると、それは特定秘密なんですか、それとも省秘なんですか、教えてください。
  29. 稲田朋美

    国務大臣稲田朋美君) 一般論として申し上げますと、弾道ミサイル等破壊措置命令については、必要に応じて運用に支障のない範囲で公表する一方で、我が方の手のうちを明らかにするおそれがある場合は、秘密保全、情報保証の訓令の十六条の省秘に当たるというふうに考えております。
  30. 大野元裕

    ○大野元裕君 省秘ですね。  今大臣が引かれた秘密保全に関する訓令ですけれども、十六条の言及をされました。十五条をお読みになったことがありますでしょうか。そこに書かれているのは、秘密が紛失し、漏えいし、若しくは破壊されたとき又はそれらの疑い若しくはおそれがあることとして、大臣への報告、そして官房長等はこの事実の調査を行う必要があるとされています。  もしも、このミサイル破壊措置命令、国会にも報告ができないものが漏えいされた、マスコミに流されたとすれば、というのは様々な報道機関が断定的に報じていますから、ならば、この本件情報が漏れていることについて調査を行うべきではないか。大臣調査を命令するべきではないんでしょうか。
  31. 稲田朋美

    国務大臣稲田朋美君) 今委員指摘になりましたように、訓令の十五条では、「秘密が紛失し、漏えいし、若しくは破壊されたとき又はそれらの疑い若しくはおそれがあるときは、直ちに、次に掲げる措置がとられなければならない。」ということで調査等を規定していることは事実でございます。  ただ、冒頭申しましたように、命令の発出の有無等について我が方の手のうちを明らかにするおそれがあり、差し控えたいと思います。
  32. 大野元裕

    ○大野元裕君 私が申し上げているのは、これがもしも漏えいされているとすれば大臣調査を命令するべきではないか、もしも漏れたとすれば調査を命令するべきではないかというのを訓令に従って聞いているだけですけれども。
  33. 稲田朋美

    国務大臣稲田朋美君) 冒頭申しましたように、命令を発出したかどうかについては差し控えたいというふうに思います。  したがいまして、ただいまの委員の仮定の質問については、お答えをする立場にはありません。
  34. 佐藤正久

    委員長佐藤正久君) 速記を止めてください。    〔速記中止〕
  35. 佐藤正久

    委員長佐藤正久君) 速記を起こしてください。
  36. 大野元裕

    ○大野元裕君 先ほど最後の質問で申し上げましたとおり、このミサイルの破壊措置命令有無にかかわらず、この訓令については、もしも漏えいをした場合には大臣としては当然調査を命じるということでよろしいですね。
  37. 稲田朋美

    国務大臣稲田朋美君) まず前提として、繰り返しになりますが、この破壊措置命令、自衛隊法八十二条の三の命令については、命令の期間を定めて防衛大臣が下命するものであります。このため、この命令の下命を公表した場合には、我が方が態勢を取った事実やその期間などが明らかになることから非公表とすることが基本です。  その上で、今、先生が一般論としてということでお尋ねいただきましたので、一般論として、この訓令の十六条、そして、その省秘に当たることが漏れたとすれば、それを調査することは私は当然だと思っております。
  38. 大野元裕

    ○大野元裕君 そうだとすれば、もし、これ後でミサイル破壊措置命令について分かったときには当然調査がされたという証拠も出てくるんでしょうし、これは非常に厳しいことに、自衛官、自衛隊員に対しては免職を含む罰則措置まで規定されていますので、大臣責任を持ってこれを行っていただきたいと思います。  さて、その上で、余り時間もないのでお伺いしますけれども、仮にこれ、ミサイル破壊措置命令、常態化したときとしての仮定で一般論で伺いますけれども、我が国が有しているイージス艦あたご」型の改修が終わる前でいえば、いわゆるBMD対処の場合と、それから防空戦、AAWの対処のときは、これを切り替えなければいけない。つまり、先ほど高橋さんがおっしゃったように、改修が終わった後はベースライン9・0が積めますからそれは別ですけれども、今は、常にその命令が出ているとすれば、これBMDの方に切り替えて常にいなければならないということになるんではないかと素人なりに想像をいたします。  しかし、そうだとすると、巡航ミサイルや航空機に対応することにそごが出てくるのではないかと思われます。つまり、ミサイル破壊措置命令の発出下では、我が国が現在保有する六隻のイージス艦は常にBMD3・6、このバージョンで動かなきゃいけない、待機、展開するということになるんでしょうか。是非、そこを教えてください。
  39. 辰己昌良

    政府参考人(辰己昌良君) まず一般論として申し上げます。  「こんごう」型のイージス艦、これにつきましては、弾道ミサイル防衛の任に当たる場合にはBMDモードを使用する、そういうことが前提になると考えています。
  40. 大野元裕

    ○大野元裕君 そうすると、これ、今後の予算要求にも多分関わってくるんでしょうが、これらのイージス艦が常にBMDモードで待っているということは、逆に防空機能が手薄になるということになろうかと思います。また、なおかつ、艦隊防空支援等の強化も求められるのではないかと思うんです。  だとすると、これ、現状でそういった対応が極めて厳しいんではないかと思うんですが、そこについてはどのような御見解を持っていらっしゃいますでしょうか。
  41. 高橋憲一

    政府参考人高橋憲一君) お答えいたします。  まず、「こんごう」型のイージス艦の四隻でございますが、先ほど先生指摘のように、BMD対応を行っている場合にはその任務に専念するという特性を有するイージスシステム、ベースライン5及びBMDプログラム、BMD3・6が搭載されておりますので、新しい「あたご」型にしまして、航空機による攻撃などによる経空脅威対処能力が低下するという特性がございます。こうした脅威に備えるため、BMDに従事する「こんごう」型イージス艦を守る護衛艦といたしまして、平成十九年度より「あきづき」型護衛艦四隻を整備しております。また、防空能力を有する「はたかぜ」型護衛艦、その他、航空自衛隊の戦闘機も経空脅威対処することにより、多層的な艦隊防空体制を構築いたしまして、BMD対応と航空機による攻撃などへの脅威対応の双方に任務を万全に期していきたいと思ってございます。  また、改修を行う「あたご型イージス艦二隻、それから、二十七年度予算、二十八年度予算で建造中のイージスシステム二隻につきましては、最新のイージスシステム、ベースライン9及びBMDプログラム5・1を取り入れたバージョンを導入することによりまして、防空対応とBM対応の双方の任務を同時に対応できるというふうに考えてございます。  以上でございます。
  42. 大野元裕

    ○大野元裕君 時間がないのでほかの質問ができなくなってしまいますけれども、先ほど宇都委員がおっしゃったとおり、我々は立法府として、いかなるカバーがきちんとできているのか、国民の安全が担保できるのかということを、こういった議論を通じてやはり明らかにしなければならない。特にSLBMの話、それから六月二十二日のロフテッド軌道でのミサイル発射等を考えると、正直、フェーズが相当変わってきているのではないかというふうに考えています。  今後、本件については改めて取り上げさせていただき、外務大臣防衛大臣に御質問をさせていただきたいと思いますけれども、是非実りのある議論をお願いをさせていただき、私の質問とさせていただきます。  ありがとうございました。
  43. 石川博崇

    ○石川博崇君 公明党の石川博崇でございます。  本日は、閉会中ではございますが、日本の平和と安全、そして国際社会の平和と安全に対して重大な脅威をもたらす北朝鮮核実験実施という暴挙に対して、国会として衆参共に与野党を乗り越え、国民の皆様、また国際社会に対してしっかりとメッセージを発信する委員会を開催することができましたこと、委員長始め各会派理事、そして委員先生方に深く敬意を表したいというふうに思っております。  九月九日に行われました北朝鮮による核弾頭爆発実験を実施したこの発表、数々累次の安保理決議に対する明白な違反であるとともに、国際的な核不拡散体制に対する重大な挑戦でございます。  私ども公明党、九月九日、この核実験の強行当日、直ちに党としての北朝鮮核実験対策本部を開催をさせていただきまして、この核実験に対する声明を発表させていただきました。一部抜粋になりますが、読み上げさせていただきたいというふうに思います。  北朝鮮が繰り返し核実験を強行することは、我が国に対する直接的かつ重大な脅威をもたらすだけでなく、国際社会の平和と安全に対する重大かつ深刻な挑戦であり、到底容認することはできない。断固として非難する。  弾道ミサイル技術を用いた発射を含む北朝鮮の一連の威圧的な行為は、国連安保理決議第二二七〇号を始め累次の安保理決議に明白に違反するとともに、日朝平壌宣言にも違反し、六者会合共同声明の趣旨にも反するものである。  こうした累次の非難していることを踏まえて、北朝鮮国際社会の声を真剣に受け止め一連の安保理決議を即時かつ完全履行すべきであり、一層孤立につながる愚かな行為は自制すべきである。  政府は、米国、韓国を始め中国、ロシアなど関係諸国と緊密な連携を図るとともに、国際社会が一致をして北朝鮮関連の安保理決議に基づく制裁措置を厳格かつ着実に実施することが重要である。加えて、新たな非難と実効性のある措置を含む安保理決議を強く求める。  我が国の平和と安全の確保、国民の安心、安全の確保に万全を期するために、政府は、今後の動向を含めた情報収集及び分析を一層強化し、不測の事態に備えるとともに、国民に対して的確な情報提供を行うべきである。といった項目を含む声明を発出をさせていただいたところでございます。  是非、政府におかれましては、防衛省、外務省、また政府を挙げてこの声明を受け止め、日本の安心、安全、そして国際社会との連携に努めていただきたいというふうに考えているところでございます。  その中で、先ほど大野委員からの冒頭質問にもございましたけれども、当然ながら日本として取れる手段、あらゆる措置をとっていくということとともに、国際社会との連携強化していくということが極めて重要になってまいります。米国、韓国を始め国際社会主要国との連携というものが極めて重要になります。  特に、今我が国国連安保理において非常任理事国の立ち位置を占めている中で、各常任理事国との連携を強めていくということが重要でございますが、その中でやはりこの北朝鮮の問題に対して鍵となってくるのは、言うまでもなく中国でございます。この中国との連携をいかに深め、そして北朝鮮の今回の暴挙に対して対応していくのか、岸田大臣の御所見をお伺いをしたいというふうに思います。
  44. 岸田文雄

    国務大臣岸田文雄君) 御指摘のように、北朝鮮挑発行動、今年に入って二十一発の弾道ミサイル発射、そして一年間に二回核実験を行うなど、新しい脅威レベルに至っていると認識をしています。そして、これについては累次の国連安保理決議、日朝平壌宣言、六者会合共同声明、こうしたものに違反いたしますし、さらにはNPTを中心とする国際的な核軍縮・不拡散の取組に対する重大な挑戦であると認識をしています。是非、こうした認識の下、今回のこうした挑発行動は、我が国のみならず、地域や国際社会全体の平和と安全に関わる大変重要な問題であるという認識に立って関係国と連携していかなければなりません。  そして、その中にあって、御指摘のように中国、大変大きな役割を果たすことになります。歴史的に経済的に北朝鮮と深い関わりがある、安保理常任理事国である、六者会合議長国である、こうした影響力は大変重要になってきます。是非、中国に対して、しっかりと責任ある安保理常任理事国としての建設的な役割を果たしてもらわなければならない、そういった働きかけ国際社会全体で行っていかなければなりません。  我が国としまして、九月五日の首脳会談、八月二十四日の外相会談、そして昨日のアジア大洋州局長朝鮮半島事務特別代表電話会談、様々なレベルでの働きかけを続けていますが、引き続き高いレベルでの働きかけ、続けていきたいと考えます。
  45. 石川博崇

    ○石川博崇君 実はこの九月九日、北朝鮮核実験を行った翌日から、私自身そうでございますが、公明党の若手青年議員団で中国を訪問をさせていただきました。公明党として、これからの未来志向の日中関係を構築していく上で若手の国会議員の連携を、交流を深化させていくことが極めて重要ということから定期的に行わせていただいているもので、今回九回目となるものでございます。  今、岸田大臣から御指摘をいただきました日中外相会談、そしてG20における日中首脳会談、この流れを受けて、日中の間に様々な課題が横たわっている中にあって、その関係が改善の方向を向いているという認識を私ども有しておりますが、実際に現地で様々なレベルの方々と会談をさせていただきますと、まさにそのような認識を強く表明される識者の方々、また政治家の方々もたくさんいらっしゃったところでございます。  特に、G20における日中首脳会談においては、プラスの面を増やし、そしてマイナスの面を減じていくという安倍総理と、そして習近平国家主席の間の共通認識が得られたところでございまして、今後具体的にどのような共通課題を増やしていくのか、そしてプラスの面をいかに増大させていくのか、そしてマイナスとなる点をいかにマネージをし、管理をし、取り組んでいくのかということが期待されるところでございます。  あわせて、今回の北朝鮮による核実験に対する対応についても、日本を始め国際社会連携をして取り組んでまいりたいという意見表明が各方面から聞かれたところでございます。こうした意見をこの場でお伝えをさせていただくとともに、やはり政府間ではなかなか日中の間で横たわっている様々な課題に対して乗り越えにくい分野を議員外交で、また議会間交流で乗り越えていくという側面は、日中の間はもちろんでございますが、国際社会との間で極めて重要なのではないかと思います。  外交政策を担っておられる政府の立場、岸田大臣から見て、こうした議員外交の重要性、また果たすべき役割、こうしたものについてどのような評価をされるかお聞かせいただければと思います。
  46. 岸田文雄

    国務大臣岸田文雄君) 先日、九月五日開催されましたG20の杭州サミットでの日中首脳会談におきましては、安倍総理と習近平主席との間において、戦略的互恵関係の立場に立ち、両国で共通する課題について協力をし、そして対話をし、そして交流を深めていく、こういった点で一致をしました。特に、来年は日中国交正常化四十五周年です。再来年が日中平和友好条約締結四十周年という年を迎えます。こうした年をにらみながら交流を深めていかなければならない、こういった点について日中の首脳の間で一致をしたということでありました。  このように両国のトップが交流の重要性を指摘する中にあって、御質問の議員交流、大変重要な役割を担っていかれるというふうに思っています。  今回の公明党青年訪中団、石川委員が団長をお務めになられたと聞いております。是非こうした取組をこれからも一層深めていただきまして、日中の交流に向けて大いに御貢献をしていただければ政府としましても大変これは有り難いことだと思います。  いずれにしましても、両国の関係においては、官民挙げてオールジャパンでしっかりと取り組んでいかなければなりません。その中での議員交流の役割に期待しながら、引き続きましての御指導、お願い申し上げます。
  47. 石川博崇

    ○石川博崇君 稲田大臣にも質問用意させていただいたんですが、ちょっと時間が参りましたので終わらせていただきます。  ありがとうございました。
  48. 井上哲士

    ○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。  北朝鮮の五度目の核実験は、同国の核・ミサイル開発の放棄を求めた累次の国連決議、そして六か国協議の共同声明、日朝平壌宣言、いずれにも違反する暴挙でありまして、世界の平和と安定にとって重大な脅威であり、厳しく抗議をするものであります。  しかも、今、核兵器の禁止条約を求める国際的な流れが大きく広がって、被爆者の皆さんが、命ある間に核のない世界をということで初めて国際署名を呼びかけられて取り組まれているというこういう状況にある、その中での核実験でありまして、被爆国としても許すことができない暴挙であると考えます。  そこで、まず防衛大臣にお聞きいたしますが、重大なことは、北朝鮮が核弾頭の実戦配備化を誇示をしているということでありまして、朝鮮の核兵器研究所は、今回の実験で核弾頭を弾道ミサイルに装着できるように標準化、規格化を確認をし、小型化、軽量化、多種化されたより打撃力の高い各種の核弾頭を必要なだけ生産できるようになったと、こういう声明も発出をしておるわけですが、こういう彼らが誇示をしている実戦配備能力について、今、政府としてはどのように評価、判断をされているんでしょうか。
  49. 稲田朋美

    国務大臣稲田朋美君) 委員指摘のとおり、今回の核実験を含む北朝鮮の行動は断じて許すことができないものです。  そして、初めて北朝鮮核実験実施してから既に十年近い年月が経過し、今回、今年は二度の核実験を行ったわけであります。北朝鮮において技術的な成熟が予見されることなどを踏まえれば、北朝鮮が核兵器の小型化、さらには弾頭化の実現に至っている可能性も考えられるというふうに分析をいたしているところでございます。  北朝鮮による核兵器開発は、弾道ミサイルの長射程化などの能力増強を行っていることと併せれば、我が国を含む地域、国際社会の安全に対する重大かつ差し迫った脅威です。米国や韓国とも緊密に連携しつつ、引き続き緊張感を持って北朝鮮の軍事動向等について情報の収集、分析に努めてまいります。
  50. 井上哲士

    ○井上哲士君 北朝鮮の意図は明白だと思うんですね。核やミサイルで周辺諸国を脅して現体制を維持をするということだと思います。  今日も敵基地攻撃能力議論もあったわけでありますが、こうした挑発行動に対して軍事対軍事の悪循環に陥るというのが私は一番危険なことだと思います。政治的、外交的解決に全力を挙げるということが求められていると思います。  そこで、外務大臣にお聞きするんですが、前回の核実験の際の、三月の三日に全会一致で国連の安保理決議が採択をされております。この中で、北朝鮮核実験弾道ミサイル発射を最も強い言葉で非難をして制裁措置強化を決定をいたしました。そして、その上で、六か国協議への支持を再確認し、その再開を呼びかけ、二〇〇五年九月の共同声明での誓約への支持を再表明するということを述べております。このことは非常に私は重要だと思うんですね。これに基づいて、やはり北朝鮮をきちっと対話のテーブルに着かせるということがいよいよ急務だと思います。  国連安保理は今回の核実験を受けて非公式の緊急会合を開いて、今後、制裁強化も含めた安保理での新しい決議の採決等を含めた対応協議をされるということになっているわけでありますが、日本政府としてはこの協議に当たって、前回の決議に盛り込まれた六か国協議、そして二〇〇五年九月の共同声明、この重要性ということを引き続き盛り込んでいく、確認をしていく、こういう立場が必要かと思いますが、そういうことで協議に臨んでいらっしゃるということでよろしいでしょうか。
  51. 岸田文雄

    国務大臣岸田文雄君) 九月九日、核実験実施された後、我が国としましては、国連安保理におきまして至急緊急会合の招集を働きかけました。そして、緊急会合を開催し、プレスステートメントをすぐ発出いたしました。その上で、適切な制裁措置を含む新たな決議の採択に向けて議論を開始する、こういったことで国連安保理において一致をいたしました。議論が今続いています。  そして、その中にあって、御指摘の六者会合についてですが、今年三月の決議二二七〇を含めて一連の安保理決議北朝鮮挑発行動をめぐっては今まで五つ決議が出ていますが、その五つの決議全てにこの六者会合という文言は含まれています。そういった経緯はあるわけですが、ただ、今回のこの決議については、今申し上げたように今議論が進んでおりますので、具体的な中身について我が国から何か公の場で申し上げることは、この議論に予断を挟むあるいは支障を来す、こういった点から控えなければならないと考えています。  いずれにしましても、我が国としまして、六者会合は今でも有効な枠組みであるとは認識をしています。ただ、対話のための対話であってはならないとも考えます。対話、六者会合を行うということであるならば、北朝鮮が非核化に向けた真剣な意思あるいは具体的な行動、これを示すことがまず重要であると認識をしています。
  52. 井上哲士

    ○井上哲士君 制裁の実効性ということも先ほど来議論があるわけでありますが、やはり国際社会中国等も含めて一致結束をして、制裁措置の全面的で厳格な実施をするということ、そして、その強化を含めて政治的な外交的な努力をすることが必要だと思います。  北朝鮮は今年五月に実に三十六年ぶりに朝鮮労働党大会を開いているわけですが、その中で、責任ある核保有国ということを宣言をして、核兵器の開発によって軍事費が減って経済発展を成し遂げることができるという並進路線を引き続き行うという宣言をしているんですね。やっぱりこれが間違っていると。北朝鮮が核武装化強化の道を進むことは、いよいよ国際的な孤立を深めて、北朝鮮自身にとっても未来のない道なんだと。逆に言えば、核武装をやめて六か国協議声明の道を進んでこそいろんな意味で未来も開かれるんだということをいろんな形で認識をさせるということが私は非常に国際的努力で必要だと考えますが、その点での大臣認識をお伺いしたいと思います。
  53. 岸田文雄

    国務大臣岸田文雄君) 御指摘のように、北朝鮮に並進路線、これはあり得ないということ、これを諦めさせるということ、これは大変重要なことであります。そして、挑発行動には必ず代償が伴うものであり、拉致、核、ミサイル、こうした諸懸案を解決しない限り北朝鮮は明るい未来を描くことができない、こうしたメッセージ、我が国政府としましてこれまでも公にしているわけですが、こうした認識をしっかり北朝鮮に伝えるということ、大変重要であると考えます。  まずは、今、この現状において、北朝鮮に対して圧力を強化していくことが重要であると認識をいたします。是非そういった点から安保理においても各国連携していかなければならないと思いますし、我が国独自の措置についても、諸懸案を包括的に解決する上で何が最も効果的なのか、こういった観点から検討を進めていくべきであると考えます。
  54. 井上哲士

    ○井上哲士君 国際社会がやっぱり一致結束をして北朝鮮に対話の場に戻るよう求める政治的な外交的な努力、その中で日本政府が積極的な役割を果たすべきだということを強く申し上げまして、質問を終わります。
  55. 浅田均

    ○浅田均君 日本維新の会、浅田均です。  早速質問に入らせていただきますが、先ほど外務大臣の方から新しいレベル脅威に面しているというような御発言がありました。また、北朝鮮の方自体、今回特殊な言い回しをしておりまして、核弾頭爆発実験を実施したというふうな発表がされております。こういう事実を受けて大臣のそういう御発言に至ったものだと思うんです。  今まで我が国防衛体制についての御議論が中心でしたので、相手方の攻撃能力といいますか、をどういうふうに分析されているのかという点に関して質問させていただきたいと思っております。  今回のこの核弾頭爆発実験と北朝鮮が発表しておりますところの核実験、どういうレベルの実験であり、どの程度の威力がある核弾頭であるというふうに分析されているのか、防衛大臣にお尋ねいたします。
  56. 稲田朋美

    国務大臣稲田朋美君) 委員指摘のとおり、北朝鮮の発表においては核弾頭爆発実験が成功裏に行われた旨の言及がございます。そして、一般論として申し上げますと、核兵器の小型化、弾頭化には相当な技術力が必要とされる一方で、北朝鮮が二〇〇六年に初めて核実験実施してから既に十年近い年月が経過をし、今回の核実験は五回目に当たります。北朝鮮において技術的な成熟が予見されることなどを踏まえれば、北朝鮮が核兵器の小型化、弾頭化の実現に至っている可能性もあると分析をいたしております。  推定出力について、十三日時点でCTBTOが公表している地震波の規模であるマグニチュード五・〇を基にすれば約九キロトンになると考えられると思います。前々回や前回の約六から七キロトンと比較すれば大きいものの、おおむね同程度ではないかと分析をいたしております。
  57. 浅田均

    ○浅田均君 今の九キログラムトン、六キログラムトンというのは、何が九キログラムトンですか。小型化した爆弾が六キロ、九キロという御認識ですか。
  58. 稲田朋美

    国務大臣稲田朋美君) 今回の核実験の推定出力をCTBTOが公表している地震波の規模から試算をしたものでございます。
  59. 浅田均

    ○浅田均君 TNT火薬で六キロとか九キロとかという御認識であるのか、確認します。
  60. 稲田朋美

    国務大臣稲田朋美君) TNT換算でございます。
  61. 浅田均

    ○浅田均君 安心しました。  ICBMに搭載可能にするには二百キログラムに小型化する必要があると、ノドンで七百キログラム、スカッドで大体一トン程度というふうな水準であるというふうな報道がされております。  いずれにしましても、TNT火薬で九キログラムトンの威力あるいは六キログラムトンの威力という御答弁でございましたが、それでは、今回、核弾頭というと、先ほど申し上げましたように、ICBMにしようと思ったら二百キログラムまで小型化する必要があって、ノドンでも七百キログラム、そこまで小型化する必要があると。核弾頭という御認識をお持ちかどうか、お尋ねしたいんです。防衛大臣
  62. 佐藤正久

    委員長佐藤正久君) 速記を止めてください。    〔速記中止〕
  63. 佐藤正久

    委員長佐藤正久君) 速記を起こしてください。
  64. 稲田朋美

    国務大臣稲田朋美君) 北朝鮮の発表においては核弾頭爆発実験が成功裏に行われた旨の言及がございますが、我が国としての分析としては、北朝鮮において技術的な成熟が予見されることなどを踏まえれば、核兵器の小型化、弾頭化の実現に至っている可能性も考えられるということでございます。
  65. 浅田均

    ○浅田均君 いや、だから、可能性があるので、核弾頭の爆発実験と御認識かということをお尋ねしているんです。  つまり、ミサイルに搭載可能にするためには、さっき申し上げましたが、一トンから少なくとも二百キログラムまで小型化する必要があって、今回の実験、核弾頭爆発実験という表現がありますけれども、そういう可能性があるという認識に至っているということなんですが、可能性があるというふうに御認識かどうかをお尋ねしたいんです。
  66. 稲田朋美

    国務大臣稲田朋美君) 繰り返しになりますけれども、北朝鮮が核兵器の小型化、弾頭化の実現に至っている可能性も考えられるということでございます。
  67. 浅田均

    ○浅田均君 いや、蓋然性とか可能性を聞いているわけじゃなしに、事実認識をお伺いしているんです。
  68. 稲田朋美

    国務大臣稲田朋美君) 事実認識として、今までの経過等を考えれば可能性も考えられるということでございます。
  69. 浅田均

    ○浅田均君 答えになっていないんですけど、前へ進めます。  いずれにしましても、小型化する技術とかあるいはミサイルの精度とか航続距離を長くする、そういう意味では技術的には進歩しているという御認識で、この小型化、核兵器の小型化ですよね、それとミサイルの精度を高める、あるいは射程を長くする、こういう技術を北朝鮮が全て独自で開発しているという御認識でしょうか。
  70. 岸田文雄

    国務大臣岸田文雄君) こうした技術を北朝鮮が独自で開発しているかという御質問ですが、北朝鮮のこうしたミサイル技術の開発をめぐりましては、北朝鮮とイランとの間の軍事協力など様々な情報があるというのは事実であります。  いずれにしましても、我が国としましては、様々な情報をしっかりと収集することに努めておりますし、分析は行っています。ただ、その内容について、これを明らかにするのは事柄の性質上控えるというのが政府の立場であります。  引き続き、国際社会における様々なやり取りについては真剣に情報収集、分析に努めていかなければならない、このように考えます。
  71. 浅田均

    ○浅田均君 私の知り合いのジャーナリストですけれども、北朝鮮専門の方が、北朝鮮には独自の、オイルというのか、弾道ミサイルを飛ばす際に必要な燃料が自分のところでは生産できない、だから、どこかから供給してもらっているに違いないから、その供給源を止めると開発は止まるんだというふうな意見を言っている人がいるんですが、外務大臣にお尋ねしますけれども、大臣の御認識として、北朝鮮ミサイル燃料、これはどこかから輸入しているのか、あるいは独自で生産しているのか、どういう御認識でしょうか。
  72. 岸田文雄

    国務大臣岸田文雄君) 御指摘の技術も含めてミサイルに関して北朝鮮が他の国と様々な協力をしているのではないか、こうした情報があるのは事実であります。そして、この詳細については、事柄の性質上、明らかにするのは控えなければなりませんが、だからこそ、我が国としましては国際社会との連携協力が重要になってきます。  こうした一連の北朝鮮挑発行動がいかに我が国のみならず地域や国際社会全体にとっても大きな脅威であるということについて広く認識を共有することによって、国際社会協力をして北朝鮮に自制を促し、そして累次の安保理決議等をしっかりと遵守する、こうした方向に導いていく、こういった努力が重要になってくるのであると認識をいたします。
  73. 浅田均

    ○浅田均君 仰せごもっともなんですけれども、今まで四回核実験やって、その都度制裁を加えるということで、その都度やっているわけですよ。ところが、五回目の核実験に及んでしまったと。だから、今まで渡航禁止とか資産凍結とか荷物検査の強化とか様々な制裁措置協力要請していますけれども、どこかで漏れているとしか思えません。  それで、私としてお尋ねしたいのは、国際協力というのはもちろん必要なことなんですけれども、我が国独自で何か制裁措置があるというふうにお考えでしょうか。もしあるとしたら、どういう制裁措置をお考えなのかお尋ねして、質問を終わります。
  74. 岸田文雄

    国務大臣岸田文雄君) 北朝鮮挑発行動については、これまで累次の国連安保理決議が採択をされてきました。そして、その効果について御指摘があったわけですが、その中にあっても今年三月の決議二二七〇は最も強い決議であります。この最も強い決議の実効性をまずしっかり確保することが重要であるということから、安保理の下に設けられております北朝鮮制裁委員会、さらには専門家パネル、こういった仕組みを通じて実効性をしっかり確保していくことが重要であると思います。  そして、こうした国際的な動向も見ながら、我が国独自に何をするのか考えていかなければなりません。そして、我が国としては諸懸案を包括的に解決するために何が効果的なのかということで独自措置を考えなければなりませんが、今年二月に発表しました我が国の独自措置の中で、物、金、そして人、これについて強い制限を掛けたわけですが、そうしたことの拡充等も考えていくことは検討していかなければならないと思っています。  いずれにしましても、こうした国際的な動きもしっかり見ながら我が国独自の対応を検討していきたいと考えます。     ─────────────
  75. 佐藤正久

    委員長佐藤正久君) この際、委員異動について御報告いたします。  本日、福山哲郎君が委員辞任され、その補欠として小西洋之君が選任されました。     ─────────────
  76. アントニオ猪木

    アントニオ猪木君 元気ですか。元気があれば何でもできるということで、今日は何にしようかと思って迷っています。  元気があれば旅もできるということで、八日から十二日、昨日まで北朝鮮を訪問してまいりました。これは歴史がありまして、九四年から今回三十一回目の訪朝ということで、スポーツ交流が基本であります。  その中で、あちらの要人と非常に突っ込んだ会談をする機会もいただき、今回は金永南委員長あるいは李洙ヨン氏を始め要人たちとの会談をしました。李洙ヨン副委員長は、金正恩委員長を、留学時代にジュネーブで大使をしていたということで、大変今の委員長とも信頼が厚いようです。  今回、核実験の狙いは何なのかということについても単刀直入に質問をさせてもらいました。今も、着いてすぐ記者会見がありましたが、日本に核を向けることはありませんということを、まあこれは今回だけではありませんが、前回もそういう話を聞いております。これはアメリカに対して我々は向けてあるんだと。  ただ、今日のテレビを見ておりますと、アメリカでも、沖縄には基地もありますし、これも一部に入るとしたら日本にも核を向けられるという可能性があるかもしれない。  かつて九〇年、八九年に政治に出て、何回かここでも質問をさせてもらいましたが、キューバにも何遍も訪問し、カストロ議長ともお会いし、当時絶対にアメリカはカストロ議長が生きている限りは制裁というか、キューバとの国交は結ばないということを断言されたと聞いたことがありますが、でも、ここへ来て、オバマ政権で両国の国交が回復して次のステージに今入ろうとしています。  稲田防衛大臣にお聞きいたしますが、今、日本北朝鮮は、当然拉致の問題も一番大きな問題でもありますので、膠着状態、全く前に進んでいません。いろんな理由はあると思いますが、大臣の見解をお聞かせください。
  77. 稲田朋美

    国務大臣稲田朋美君) 拉致問題についてのお尋ねでございますが、この拉致問題は、我が国の主権、さらには国民生命、安全に関わる問題であり、安倍政権の最重要課題と認識をしております。しかしながら、ストックホルム合意に基づく調査が開始されてから二年近くたった現在も拉致被害者の帰国が実現していない、これは誠に遺憾だというふうに考えております。  また、本日もこの委員会で様々御質疑がありましたけれども、北朝鮮国際社会の非難や警告を無視して五回目となる核実験を行い、さらに今年だけで二十発以上の、二十一発ですね、弾道ミサイル発射を強行したことは断じて許せないと考えております。  拉致問題については、拉致問題対策本部事務局、外務省、警察庁を始め関係省庁が一体となってその早期解決に全力で取り組んでいるところでもありますし、また我が国の平和と独立を守るため、また国の安全を保つため、我が国防衛することを任務とする防衛省としても、引き続き北朝鮮に関する情報収集といった側面から拉致問題の解決に貢献していきたいと思っております。
  78. アントニオ猪木

    アントニオ猪木君 安保理の中にも幾つかの中に北朝鮮との対話は必要だということも述べられております。対話は必要だという割に何の話合いも、逆に言えば、制裁という中で、先ほど申し上げたように膠着状態が続いています。本当にそういう意味では、私の場合も、中には批判があるかもしれませんが、一つには継続は力なりということで続けていくことも大事だし、そういう意味では信頼関係、今日は時間がありませんが、師匠の力道山の思いを届けるということから訪朝したのが九四年ですが、そういうことから今日に至っております。  北朝鮮核実験、今回実験で使用された核、原子爆弾の大きさということ、先ほどもちょっと質問されましたが、TNTの換算で十キロトン、あるいはロシアの方は三十キロトンともいう記事を読みましたが、先ほど九キロトンという大臣のお話がありました。  広島、長崎に落とされた原子爆弾はリトルボーイ、長崎はファットマンですかね、ウラン、プルトニウムの違いというのでしょうか、TNTの、本当に我々分からないので一生懸命勉強はしましたが、その辺について、広島、長崎、そして今回の核実験に使われた大きさをちょっと説明をいただきたいと思います。
  79. 前田哲

    政府参考人前田哲君) お答え申し上げます。  先ほど大臣からも御説明しましたが、今回の核実験による地震の大きさ、これがマグニチュードでCTBTOという機関が公表いたしてございます。これ、マグニチュード五・〇というのが昨日までに公表された数値と承知していますが、これを計算をいたしますと、核爆発の出力といたしましては九キロトン程度になると、こういうことを申し上げてございます。  また、広島、長崎の原爆についての御質問がございましたけれども、当時の原爆の出力、およそ二十キロトン程度であったというふうに記憶をしてございます。
  80. アントニオ猪木

    アントニオ猪木君 もうちょっと深く突っ込みたいんですが、もうほとんど時間がありません。  外務大臣に最後に質問をさせてもらいますが、前回の国連決議に先駆けて日本北朝鮮に対し独自制裁、その影響により拉致問題、話が進まない可能性、あるいは否定できないと思いますが、今回、国連制裁を行うとありますが、どのような内容を検討、そして日本はそれに対してどのような考えをお持ちか、お聞かせください。
  81. 水嶋光一

    政府参考人水嶋光一君) お答え申し上げます。  今回の九月九日の北朝鮮による核実験の後、ニューヨーク時間の九日、日本時間の十日の未明に安保理の緊急会合が開かれました。そこにおきまして安保理は、この核実験について、関連安保理決議及び不拡散体制の明白な違反であるとして強く非難をするとともに、制裁措置を含む安保理決議について直ちに作業を開始するということで一致をしてございます。現在、更なる制裁措置を含む新たな決議の採択に向けて、関係国間で二国間の協議等を通じて意思疎通を続けているところであります。  一方で、現在作業中の決議案の具体的な内容について述べることは今後の交渉、協議に支障を来し得るということから、差し控えさせていただければと思います。  いずれにいたしましても、我が国としては、更なる制裁措置を含む新たな決議の採択に向けて安保理での作業に積極的に参画をしておりまして、関係国と引き続き緊密に連携してまいりたいと考えております。
  82. アントニオ猪木

    アントニオ猪木君 いつものお答えどおりですが、そういう答えを聞いても何の参考にもなりません。もうちょっと踏み込んだ、我々の質問に対して率直に答えていただきたいと思いますが、時間が来ましたので終わります。  ありがとうございます。
  83. 佐藤正久

    委員長佐藤正久君) 速記を止めてください。    〔速記中止〕
  84. 佐藤正久

    委員長佐藤正久君) 速記を起こしてください。  委員長から稲田防衛大臣に一言申し上げます。  大臣が衆議院の記章、バッジを付けていないという御指摘理事からございました。  やはりこの委員会といたしまして、しっかりと防衛大臣として答弁をしていただくということが大事だと思っております。規則の解釈はいろいろあると思いますが、やはり我々は国会議員として、国民の代表としてバッジをいただいておりますので、その重みを受け止めて、しっかりと今後対応していただくということを申し上げたいと思います。  それでは質疑を続けます。
  85. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 沖縄の風の伊波洋一です。  九日の北朝鮮核実験については、米軍基地が集中する沖縄の県民も強い懸念を有しております。沖縄の風として、朝鮮半島の非核化を求める本抗議決議に賛成をいたします。  現在、世界では非核兵器条約の締結が進展し、既に南半球の全てが非核地帯となり、核兵器の使用が禁止されております。東南アジア諸国も同様です。唯一の被爆国である我が国も、朝鮮半島の非核化に合わせて非核兵器地帯にしなければなりません。  さて、今、沖縄では、貴重な自然に対する現実の脅威が迫っています。環境省はあした、九月十五日にやんばる国立公園を指定し、今後世界遺産登録を目指すわけでありますが、その傍らで政府は、参院選の翌日から警察機動隊数百名や自衛隊ヘリ二機も投入してオスプレイ訓練のためのヘリパッド建設を強行しています。非暴力で抗議をする市民に対する現場での機動隊の排除行為は、八十七歳の女性が五針を縫うけがを負うなど、目に余る過剰な警備が横行しています。  このような暴挙に対して、二〇〇七年以来、貴重な自然環境を守るために九年間も建設予定地で抗議の座込みを持続してきた地元住民に加えて、数百名規模での全県民的な抗議行動が沸き起こり、連日抗議行動が行われております。県民の民意を一切受け付けようとしない政府の姿勢に、県民の怒りは限界に達しつつあります。政府の強行策は県民の反対の前に決して成功することはありません。沖縄の風として強く抗議し、オスプレイパッド建設工事の即時中止を求めます。  建設工事が強行されている米軍北部訓練場は、やんばる国立公園と隣接しており、生物多様性や環境の希少性から国立公園地域と同等以上の価値を有しております。やんばる国立公園の特別保護区、第一種特別地域のほとんどが北部訓練場と接しており、四千種を超える多様な野生生物が生息し、固有種や絶滅危惧種を含む生物多様性に富んだ未来に残さなければならない貴重な自然環境です。  既に、オスプレイの普天間基地配備以降これまでに、高江集落の学校や住宅へのバードストライク等によりノグチゲラの死亡例も五件確認されました。特に、今、政府が建設工事を強行しようとしているG地区、H地区では、防衛局自主アセスにおいて絶滅危惧種ノグチゲラの営巣が二十九か所確認されています。  さて、米国連邦議会は、米軍の活動が絶滅危惧種の生息するような貴重な自然環境を海外において壊すことがないよう、一九九一会計年度国防授権法で国防省に義務付け、一九九六年から実施されています。我が国では日本環境管理基準が適用されています。  そのことを受けて、日米政府は、二〇〇〇年九月十一日に環境原則に関する共同発表に合意しました。同発表は、「環境保護及び安全のための在日米軍による取り組みは、日米の関連法令のうちより厳しい基準を選択するとの基本的考えの下で作成される日本環境管理基準(JEGS)に従って行われる。その結果、在日米軍の環境基準は、一般的に、日本の関連法令上の基準を満たし又は上回るものとなる。」と明言しています。  このJEGSの第十三章、自然資源及び絶滅危惧種の三の三では、「重要な陸地または水域をもつ軍施設は、しかるべき日本政府当局との調整の後、自然資源管理計画を作成するものとする。」とし、三の四では、「しかるべき日本政府当局との調整の後」に「調査」をしたり、「自然資源管理計画を実行する」と規定した上で、対象の絶滅危惧種としてヤンバルクイナやノグチゲラを明記しています。  防衛省と環境省に伺いますが、北部訓練場に関する自然資源管理計画の作成や実行に当たり、しかるべき日本政府当局とは誰ですか。しかるべき日本政府当局として、調整の有無、担当の役職名、日時、調整の具体的内容をお聞かせください。
  86. 稲田朋美

    国務大臣稲田朋美君) 今、絶滅危惧種ノグチゲラの保護についてのお尋ねがございました。  北部訓練場のヘリコプター着陸帯の移設工事を実施するに当たって、自然環境の保全にできる限り配慮するとの観点から、事業者である防衛省として自主的な判断により環境影響評価を実施をいたしております。  御指摘のノグチゲラに関しては、この環境影響評価を踏まえた環境保全措置として、騒音による影響を回避するため、ノグチゲラ等の多くの鳥類を中心とした貴重な動物の繁殖期間である三から六月頃において土工事を避けるよう工事工程を調整することといたしております。  北部訓練場について、米軍日本環境管理基準、JEGSに基づき自然資源管理計画を作成しているものと承知をいたしており、ノグチゲラに係る防衛省の工事工程と同様の趣旨が米側の計画に反映されているかどうか、防衛省としては日本側の工事の進め方について引き続き米軍とよく連携をしてまいりたいと考えております。
  87. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 私が聞いておりますのは、窓口としての日本政府当局、そして調整の有無、担当者、日時、内容でございます。今、防衛大臣お答えしたのは日本としての取組と。この場合はあくまでJEGSに基づく日本としての米国との対応をどうしているかということを聞いておりますので、それを明確にお答えください。
  88. 稲田朋美

    国務大臣稲田朋美君) 御指摘のしかるべき日本政府当局については、米軍が作成する自然資源管理計画の内容により様々な機関が想定されますが、一般的に在日米軍施設・区域における環境問題については、必要に応じ、日米合同委員会あるいは下部組織である環境分科委員会協議されるものと認識しております。
  89. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 一般的な話をしておりません。北部訓練場の当該、今、防衛省がヘリパッドを建設していることについて、それについて自主アセスで既にノグチゲラの生息を二十九巣確認をしている場所について、日本政府として絶滅危惧種に関する計画米軍に求めた事実があるかどうか、そして協議をしたことがあるかどうかということを聞いているわけです。  一般的な答弁ではなく、現に起こっている、昨日も自衛隊ヘリ二機を投入したそのことについて聞いておりますので、お答えください。
  90. 稲田朋美

    国務大臣稲田朋美君) 計画が作成された当時に適切に調整されたものと考えております。
  91. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 その事実について、じゃ、お答えください。そして、当時に調整された事実があるならば、きちんと報告をしてください。
  92. 稲田朋美

    国務大臣稲田朋美君) しかるべき日本政府当局との調整の下、自然資源管理計画を作成すること等が規定されております。同規定を踏まえて、北部訓練場に関し、在日米軍は自然資源管理計画を作成しており、その作成に当たって日本側の関係当局との間で適切に調整されたものと認識をいたしております。
  93. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 答えにはなっていません。  委員長、この北部訓練場について、JEGSに基づくしかるべき日本政府当局としての調整の有無、そして担当者、日時、内容等を日本政府全体の責任において明らかにされるようお取り計らい願いたいと思います。
  94. 佐藤正久

    委員長佐藤正久君) 理事会協議を求めますか。
  95. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 はい。
  96. 佐藤正久

    委員長佐藤正久君) 本件については、後刻理事会で協議をいたします。
  97. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 外務大臣、今のお話を聞いていますと、この日米が2プラス2協議で高らかに宣言した環境原則の共同発表、こういうことが具体的には何も行われていない、このように思いますけれども、大臣としての御見解をお聞かせください。
  98. 岸田文雄

    国務大臣岸田文雄君) 日米地位協定に関しまして環境補足協定が合意されたわけでありますが、これは今までの地位協定の運用改善ではない、今までこの日米地位協定の歴史の中にないこれは具体的な一歩であると認識をしています。  是非、こうした取組等を通じて具体的な成果が出るよう関係者が努力を続けていかなければなりません。こうした取組自体は大変重要だと思います。是非、御指摘のような成果が出るよう努力を続けるべきであると考えます。
  99. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 大臣、私が質問しているのは日米地位協定や環境補足協定のことではありません。このJEGSは、米国連邦議会米軍に課した課題なんです。その課題について日米との間の協議をすることになっていて、JEGSというものに細かく明確に規定されています。ですから、日米地位協定の問題とせず……
  100. 佐藤正久

    委員長佐藤正久君) 質疑時間が終了しておりますので、質疑をおまとめください。
  101. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 きちんと対応していただきたいと思います。
  102. 佐藤正久

    委員長佐藤正久君) では、岸田外務大臣、簡潔に答弁をお願いします。
  103. 岸田文雄

    国務大臣岸田文雄君) 我が国としましては、御指摘の点も含めて米側がJEGSに基づいてしっかりと対応するよう働きかけていく、これはあるべき姿として重要であると考えます。  是非、御指摘の点も含めて、米側にしっかりとした働きかけ、続けるべき課題であると考えます。
  104. 佐藤正久

    委員長佐藤正久君) 本日の質疑はこの程度にとどめます。     ─────────────
  105. 佐藤正久

    委員長佐藤正久君) この際、便宜私から、自由民主党、民進党・新緑風会、公明党、日本共産党、日本維新の会、無所属クラブ及び沖縄の風の各派共同提案による北朝鮮による五度目の核実験に対する抗議決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     北朝鮮による五度目の核実験に対する抗議決議(案)   去る九月九日、北朝鮮は、核弾頭爆発実験を実施した旨発表した。これは、決議第二二七〇号等の一連の国連安保理決議や六者会合共同声明、日朝平壌宣言に明確に違反し、実に五回目となる核実験である。   今般の核実験は、これらの国際社会の声を無視して強行されたものであり、国際的な核不拡散体制に対する重大な挑戦であるばかりでなく、唯一の被爆国の我が国として断じて容認できない暴挙である。さらに、本年に入って弾道ミサイル発射を、我が国排他的経済水域に落下したものや、潜水艦から発射したものを含め、既に二十一発実施したことに加え、核実験を一月に引き続き再度強行したことは、我が国の安全に対する直接的脅威であるとともに、地域及び国際社会の平和と安全を脅かすものであり、極めて強く非難する。   本委員会日本国民を代表して、今般の核実験に対し重ねて厳重に抗議するとともに、北朝鮮が、これまでの諸合意に従って速やかに全ての核を放棄し、IAEAの査察を受け入れ、朝鮮半島の非核化に取り組むことを強く要求する。   政府は、国連安保理決議等を踏まえ、決議に基づく制裁措置を完全に履行するよう強く求めるとともに、国際社会が結束した外交努力を展開し、平和的な解決を模索すべきである。その際、北朝鮮が現在の行動を改めない限り、国際的な批判と孤立を招くだけであり、将来に活路を見いだすことはできないことを認識させるべきである。そのためにも政府は、非常任理事国として、米国、韓国、中国、ロシア等関係各国との協力強化しつつ、新たな決議の採択を始め、国連安保理における議論を主導するとともに、国連安保理での取組や我が国独自の措置を通じて圧力の強化を追求すべきである。   また、政府は、北朝鮮情勢に関する情報収集・分析を徹底し、国民に対して的確な情報提供を行うとともに、核実験及びミサイル発射の兆候・実施が認められる不測の事態にあっては国民への適切な周知を図るべきである。加えて、不断に必要な態勢をとるほか、米国等と緊密に連携し、我が国の平和と安全の確保、国民の安全・安心の確保に努め、万全の措置を講ずるべきである。   北朝鮮の核・ミサイル問題のみならず、拉致問題も我が国の主権及び国民生命と安全に関わる重大な問題であり、国際社会が結束して北朝鮮による核・ミサイル・拉致問題の包括的かつ早急な解決を図るべく、政府の総力を挙げた努力を傾注し、もって国民の負託に応えるべきである。   右決議する。  以上でございます。  これより本決議案の採決を行います。  本決議案を本委員会決議とすることに賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  106. 佐藤正久

    委員長佐藤正久君) 全会一致と認めます。よって、本決議案は全会一致をもって本委員会決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、外務大臣及び防衛大臣から発言を求められておりますので、順次これを許します。岸田外務大臣
  107. 岸田文雄

    国務大臣岸田文雄君) 政府といたしましては、ただいま採択されました御決議の趣旨を体しまして、北朝鮮に対して、全ての核兵器及び既存の核計画を放棄することを含め、関連する国連安保理決議等の即時かつ完全な履行を強く求めてまいります。  また、この機会に改めて、拉致、核、ミサイルといった諸懸案の包括的な解決に向け具体的な行動を取るよう強く求めてまいります。
  108. 佐藤正久

  109. 稲田朋美

    国務大臣稲田朋美君) ただいまの御決議に対しまして、所信を申し上げます。  今般、北朝鮮核実験を強行したことは、本年に入り弾道ミサイルを二十一発発射するなど、大量破壊兵器の運搬手段となり得るミサイル能力を増強していることと併せ考えれば、我が国の安全に対する重大な脅威であり、北東アジア及び国際社会の平和と安全を著しく損なうものとして、断じて容認できません。  防衛省自衛隊といたしましては、引き続き、関係省庁と緊密に連携しつつ、警戒監視、情報収集、分析に全力を挙げてまいります。さらに、防衛計画の大綱、中期防衛力整備計画に基づき、弾道ミサイル防衛のための装備を引き続き着実に整備するほか、能力向上型迎撃ミサイルの導入や将来の弾道ミサイル防衛体制調査研究にも取り組んでまいります。  本委員会の御決議の趣旨を踏まえ、我が国の平和と安全の確保、国民の安全、安心の確保に万全を期してまいります。
  110. 佐藤正久

    委員長佐藤正久君) 本日はこれにて散会いたします。    午後四時五十分散会