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鴻池祥肇君
国民生活のための
デフレ脱却及び
財政再建に関する
調査会における
調査の
経過と結果について御
報告申し上げます。
本
調査会では、三年間の
調査項目を「デフレからの脱却と
財政再建の
在り方など経済状況について」とし、最終年の本年は、「信頼できる
社会の構築による経済成長及び健全な財政の
実現」について
調査を行うこととし、
参考人から
意見を聴取し、
質疑を行うとともに、政府から説明を聴取し、
質疑を行いました。
その後、
報告書を取りまとめるに当たって
委員間の
意見交換を行いました。以上の
調査内容を踏まえ、今般、八項目の提言を含む
報告書を取りまとめ、去る五月十八日、これを
議長に
提出いたしました。
以下、
報告書の主な
内容について、提言部分を中心に御
報告申し上げます。
本
調査会が
設置されてからの三年間、名目GDP成長率、生鮮食品、エネルギー等を除く消費者物価指数はプラスに転じ、企業収益は高水準で推移し、非正規雇用を含めると雇用者総数も増加しております。
一方で、実質賃金は改善せず、生活の豊かさを実感できる
国民は一部にとどまっているという指摘もあります。また、構造的な問題として、当面人口減少が続くことが見込まれ、それに
対応した
社会保障制度の
在り方、
産業構造の転換、税制の
在り方、働き方等の諸
課題を解決しつつ、
財政再建を進めていかなければなりません。そのための留意点及び施策の方向性について、八項目の提言を行っております。
以下、主なものを三項目御説明いたします。
第一は、経済成長及び
財政再建の一体的
推進についてであります。
健全な財政があればこそ安心して経済活動ができ、高い経済成長があればこそ財政は健全化するので、経済成長と
財政再建を両立させなければなりません。
また、医療、介護、教育、保育、観光等将来更に大きな需要が見込まれる分野に対して、政策資源を十分に配分し、成長を牽引する
産業として育成すべきであります。
第二は、租税特別
措置、所得控除等の見直し等租税負担率の再検討についてであります。
本来一時的であるはずの租税特別
措置が見直されないままになっている現状については、本来徴収されるべき税金が徴収されないという意味で見えない補助金となっている面もあり、その
在り方が
課題であります。より一層見える化に努めるとともに、アメリカやカナダ等が実施している租税支出レポート等を参考に、我が国でも租税特別
措置等の
内容について
国民に対する周知を徹底すべきであります。
また、様々な所得控除により所得税の課税ベースが狭くなり、税収が上がりにくい構造となっているため、それが我が国の所得再分配
機能の低下要因となっているとの
意見もあり、
導入当初は必要性があった控除も、時代の変遷によりその
役割を喪失したものについては早急に見直すべきであります。
第三は、堅実な財政規律に基づく財政運営の
推進についてであります。
財政を持続可能なものとするためには、財政規律の
確立は不可欠であります。
補正予算については、特に緊要となった経費の支出等に限るように、改めて財政法第二十九条の
趣旨を徹底する必要があります。
また、予算と同様、決算についても、
国民の関心が高まるよう、様々な機会を通じて機運を醸成する必要があります。
以上が
報告書に盛り込まれた提言の主な
内容であります。
政府及び
関係者におかれましては、その
趣旨を十分に理解されまして、これらの
実現に努められるよう要請するものであります。
以上、御
報告申し上げます。(
拍手)