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2016-03-30 第190回国会 参議院 本会議 第16号
公式Web版
会議録情報
0
平成
二十八年三月三十日(水曜日) 午前十時一分
開議
━━━━━━━━━━━━━
○
議事日程
第十六号 ─────────────
平成
二十八年三月三十日 午前十時 本
会議
───────────── 第一
地域再生法
の一部を
改正
する
法律案
(趣
旨説明
)
━━━━━━━━━━━━━
○本日の
会議
に付した案件
議事日程
のとおり ─────・─────
山崎正昭
1
○
議長
(
山崎正昭
君) これより
会議
を開きます。
日程
第一
地域再生法
の一部を
改正
する
法律案
(
趣旨説明
) 本案について
提出者
の
趣旨説明
を求めます。
国務大臣石破茂
君。 〔
国務大臣石破茂
君
登壇
、
拍手
〕
石破茂
2
○
国務大臣
(
石破茂
君)
地域再生法
の一部を
改正
する
法律案
につきまして、その
趣旨
を御説明申し上げます。 我が国の
地方創生
をめぐる現状は、若者の
雇用環境
が改善する一方で、二〇〇六年から
上昇傾向
にあった
合計特殊出生率
が九年ぶりに低下に転じ、また、
東京
一極集中
の
傾向
に歯止めが掛からないなど厳しい
状況
が続いております。 このような
状況
を踏まえ、国においては、
まち
・
ひと
・し
ごと創生総合戦略
に掲げられた
基本目標
や
重要業績評価指標
、
KPI
の
達成
に向けた
進捗状況
を検証し、
政策パッケージ
、
個別施策
の拡充を盛り込んだ
まち
・
ひと
・し
ごと創生総合戦略
二〇一五
改訂版
を昨年末に閣議決定したところであります。
地方公共団体
においては、
地域
の
実情
に応じて
地方創生
に取り組むための
地方版総合戦略
の策定が進められており、今後、これに基づく
地方創生事業
が本格的に実施されていくことになります。 この
法律案
は、そのような
地方公共団体
の自主的、主体的な
事業
で先導的なものを
支援
する
地方創生推進交付金
の
交付
や、
地方公共団体
が行う
地方創生プロジェクト
に対する
企業
の
寄附
を促進する
地方創生応援税制
、
中高年齢者
が
希望
に応じて
地方
や
まち
なかに移り住み、多
世代
の
地域住民
と交流しながら健康でアクティブな
生活
を送りつつ、必要に応じて
医療
、
介護
を受けることができる
コミュニティーづくり
を目指す生涯
活躍
の
まち推進
のための
措置
を講ずるものであります。 次に、この
法律案
の要旨を御説明申し上げます。 まず、
認定地域再生計画
に基づく
事業
に対する特別の
措置
として、次の
措置
を追加することにいたしております。 第一に、
認定地域再生計画
に記載されている
事業
で
地方版総合戦略
に位置付けられた先導的なものに対して
交付
する
まち
・
ひと
・し
ごと創生交付金
の
規定
を追加することとしております。 第二に、
認定地方公共団体
に対して
まち
・
ひと
・し
ごと創生寄附活用事業
に関連する
寄附
をした
法人
に対する課税の
特例
を追加することとしております。 第三に、生涯
活躍
の
まち形成事業計画
の作成及びこれに基づく
介護保険
の
事業者
の
指定等
の
手続
の
特例等
を追加することとしております。 また、
地域再生
の
担い手
となる
地域再生推進法人
の
指定
の際に求められる
政令
で定める要件を削除することとしております。 このほか、所要の
規定
の
整備
を行うこととしております。 以上が、
地域再生法
の一部を
改正
する
法律案
の
趣旨
であります。 何とぞ、十分御
審議
の上、速やかに成立いたしますようお願い申し上げます。(
拍手
) ─────────────
山崎正昭
3
○
議長
(
山崎正昭
君) ただいまの
趣旨説明
に対し、質疑の通告がございます。発言を許します。
安井美沙子
君。 〔
安井美沙子
君
登壇
、
拍手
〕
安井美沙子
4
○
安井美沙子
君 民進党の
安井美沙子
です。 私は、会派を代表して、ただいま議題となりました
地域再生法
の一部を
改正
する
法律案
につきまして
質問
いたします。
石破大臣
は、
安倍内閣
が進める
地方創生
について、従来の
取組
とは大きく異なるものであると認識している、かつてのような
高度経済成長
が望めず、
人口減少
と
少子高齢化
が同時並行している中、過去の延長線上の
政策
はもはや通用しないと、
参議院地方
・
消費
者問題に関する
特別委員会
で述べられました。私も全く同感です。 しかし、
石破大臣
が就任されて以来の
政策
を見ますと、従来のものと比べ、特段異次元とかパラダイムシフトと言えるようなものがあるようには思えません。そもそも、
安倍内閣
の
地方創生
に流れる
通奏低音
が相も変わらず
国主導
、
中央集権
である限りは、
東京
への過度な
一極集中
を是正し、
疲弊
が進む
地方
を活性化することなどおぼつかず、むしろ
地方
の
疲弊
を加速するのではないかと
懸念
しております。 こうした
問題意識
の下、以下、具体的に
質問
をさせていただきます。 今回創設される
地方創生推進交付金
の
交付
を受けるためには、
地方公共団体
が、国の
地方創生総合戦略
を勘案して作った
地方版総合戦略
に沿って
地域再生計画
を作るというスキームになっています。国の顔色をうかがいながら作る
計画
で、本来の
地域
の
自主性
を十分に発揮されるものとなり得るのでしょうか。
石破大臣
にお伺いします。 そういえば、
平成
二十六年度
補正予算
で
措置
された
地域消費喚起
・
生活支援型交付金
においても、国が用意した
事例
を参考に
地方
の
発意
で自由に使えるにもかかわらず、千七百八十八
自治体
のうち九八%に当たる千七百五十の
自治体
が、申し合わせたかのように
プレミアム付き地域振興券
の発行を
選択
しました。 そろそろ
商品券
も使い終わり、各
自治体
で
集計
がなされている頃と思います。これらの
交付金
として血税二千五百億円をばらまいた結果、
地域
の
消費
はどの程度喚起され、
経済効果
はどのくらいあったのでしょうか。最終的な
集計
はまだかと思いますが、この
事業
を実施した
効果
について、
石破大臣
の御所見を伺います。
交付対象
となる先導的な
事業
について、
先駆タイプ
、
横展開タイプ
、
隘路打開タイプ
といった
事業
を
対象
にするという方針ですが、分かりにくいです。先導的と国が認め
交付金
を
交付
するに当たって、客観的な
指標
なり
基準
なり
制度
は担保されているのでしょうか。
石破大臣
にお伺いします。
地方創生推進交付金
一千億円には、
現行
の
地域再生法
における道路、
汚水処理施設
、港を複合的に
整備
する
地域再生基盤強化交付金
が四百十六億円含まれています。
継続事業
の
予算
が削られると
地方
にとっては痛手が大きいと思いますが、
計画
どおり確保されるのですか。
石破大臣
に伺います。
民主党政権
時の
一括交付金
は、一年目でも五千百二十億円、二年目は六千七百五十四億円でしたが、今回の
交付金
はたったの一千億円です。その中でも、実質新たに
交付
できる額は五百八十四億円にすぎません。幾ら何でも少な過ぎるのではないですか。今後、各
府省
の
個別補助金
を廃止しつつ拡充していく
おつもり
があるのでしょうか。
石破大臣
の具体的な答弁を求めます。
安倍政権
になって
民主党政権時代
の
一括交付金
を即座に廃止した理由として、
使い勝手
が悪いからと必ず言われますが、
交付対象
である
都道府県
と
政令指定都市
に行った
アンケート調査
によれば、およそ七割の
自治体
が、従来の
補助金
や
交付金
に比べ
自主裁量
が拡大したと答え、約八割の
自治体
から
一括交付金
の
取組
を
評価
する声がありました。 一方で、
新型交付金
の
制度設計
が見え始めた昨年八月、ある
通信社
が行った四十七
都道府県知事
への
アンケート
によれば、二十五人の
知事
が
新型交付金
について
評価
できないと答えています。 今また新たな
交付金
を創設して現場の混乱を招くよりも、
ひも付き補助金
の縛りを廃した
民主党政権
の功績を素直に認め、継続したらいかがですか。
一括交付金
の
交付対象
を
市町村
まで拡大させ、
対象事業
の
ソフト事業
の割合を拡大し、
手続
の
簡素化
を図りつつ、
客観指標
を用いた配分や
地方議会
の監視や
住民監査
などのガバナンスの
強化
を行って、
復活
、拡充すべきであると考えます。
石破大臣
の御
見解
を伺います。 それでも、どうしても
地方創生推進交付金
の方が圧倒的に優れているとおっしゃるならば、これまでの
個別補助金
や
一括交付金
と何が異なり、どこが第三のアプローチなのか、画期的なのか、国、
地方双方
にどのような
利点
をもたらすのか、
石破大臣
にお聞きします。 次に、
地方創生応援税制
、いわゆる
企業版ふるさと納税
についてお聞きします。 この
企業版ふるさと納税
は、
個人版ふるさと納税制度
と同様に、
寄附
を通じた
地方
への
税収
の
移転
を狙ったものであると推察します。各
地方
の
地方創生
の
取組
を応援することで
地域
を活性化させるという
発想
はいいとしても、余りにも多くの
懸念
が残ります。
寄附金額
の三割
相当額
を税額控除し、
現行
の
損金算入
による
軽減効果
と合わせて六割の
負担軽減
を
企業
が受けることになりますが、
寄附
を行った会社の所在地の
地方公共団体
は大幅な
減収
となります。この
減収分
は補填されるのでしょうか。国からの補填があるのでしょうか。
石破大臣
にお聞きします。 また、そもそも
地方税
は
地方公共団体
が提供する
行政サービス
に対する会費的な
性格
であり、
応益負担
の原則に鑑みても、
企業版ふるさと納税制度
は本来の
税制
の在り方として妥当と言えるのでしょうか。
地方税制
を所管する
高市総務大臣
にお聞きします。
個人版ふるさと納税
では
返礼品
をめぐる
過熱化
が問題となり、
総務大臣
が
返礼品
について
大臣通知
を出したことは記憶に新しいところです。また、大震災後は
被災地
への
寄附額
が全国の
寄附総額
の三九%を占めましたが、
復興優先
で
返礼品
の余裕がなく、
平成
二十六年度には五%に激減したということです。改めて、
個人版ふるさと納税
にも問題があると思いませんか。いつまで続けるのですか。
高市大臣
に伺います。
企業版ふるさと納税
も、
企業
が
寄附
をした
地方自治体
に対して
便宜供与
を求めるような
モラルハザード
を生むおそれが考えられます。
寄附
の
代償
として
経済的利益
を伴わない
事業
を
対象
とするとしていますが、様々な
分野
で考え得る
便宜供与
の
可能性
について十分に排除し切れるのでしょうか。
石破大臣
にお伺いします。 また、
企業版ふるさと納税
は時限的なものと理解しており、いつまで、何を
達成
するまで続ける
おつもり
ですか。
KPI
はどのように
設定
していらっしゃいますか。
石破大臣
に伺います。 次に、生涯
活躍
の
まち制度
、
日本版CCRC
と言われる
制度
についてお聞きします。
制度
の
対象
となる生涯
活躍
の
まち形成地域
の定義が余りにお粗末です。どんな
地域
かといいますと、「
人口
及び
地域経済
の動向その他の
自然的経済的社会的条件
からみて、
地域住民
が生涯にわたり
活躍
できる魅力ある
地域社会
を形成して
中高年齢者
の居住を誘導し、
地域
の
持続的発展
を図ることが適当と認められる
地域
」。これでは何でもありじゃないですか。
業界本位
のルールなき
規制緩和
とも見えてしまいます。もう少し具体的な
イメージ
を共有してください。
石破大臣
にお伺いします。
CCRC
では、
地域活動
の
担い手
として、あるいは
介護サービス
の
担い手
として、中高年も元気に働ける
地域づくり
を目指すと理解しています。これにより
地域包括ケアシステム
との
連携
が生まれ、
市町村
の新しい
総合事業
としての
地域支援事業
が充実すればいいのですが、
厚労省
の
社会保障審議会
が要
支援切り
の検討を行っているとの報道もある中、
CCRC
が万能の受皿になると期待しているとしたら問題です。
自治体
の中での
環境整備
はまだ緒に就いたばかりで、地元でも不安の声を聞きます。
CCRC
と
地域包括ケア
の
連携
の具体的な
イメージ
について
石破大臣
にお伺いします。 さて、冒頭の
問題提起
に戻ります。
石破大臣
は
分権
や道州制について、それが、結論が出るまで何もしないというわけにはいかぬ、今回の
地方創生
の
取組
は、いろんな潜在的な能力というものを最大限に引き出すものだと答弁されました。つまり、
地方創生一辺倒
になってしまって
地方分権改革
をやめたわけではないというお考えと理解しております。しかし、現実には、
地方分権改革
の勢いはそがれ、むしろ
中央集権
の色彩が濃くなっているように思えてなりません。 今国会に提出された第六次
地方分権一括法案
にしても、
平成
二十六年度から
提案募集方式
を導入した結果、
地方
の声が反映しやすいという
利点
はあるものの、国がどのように
分権
を進めていくのかといった絵姿が全く見えなくなりました。十五の
法律改正
の中身を見ても、
分権
と呼ぶのが恥ずかしくなるくらいごくごく小さな
改正
にとどまっています。なぜ
委員会方式
をやめたのですか。
提案募集方式
と並行してでも続けるべきではないですか。
石破大臣
に伺います。
安倍内閣
の
地方創生
はあべこべです。国がしっかり
分権ビジョン
を描いて
地方
を誘導していくべきところは
地方
に丸投げし、逆に、
地方
の
裁量
に任せるべきところを国ががちがちに縛ってしまっているからです。
地方
丸投げの最たるものは、
中央省庁
の
地方移転
です。せっかく
まち
・
ひと
・し
ごと創生本部
ができたのですから、中立、客観的な立場から各
省庁
の特性を
分析
し、
地方
に
移転
しても大丈夫な、あるいは
地方
に
移転
した方がかえってメリットが大きいと思われる
省庁
を選び出した上で
地方
に提示すべきです。各
省庁
の使命や仕事の実態を詳細に知らない
地方
に一から提案させるから、
消費者庁
の
移転
などというとんでもないアイデアが出てきてしまったのです。
地方
に丸投げすることが
地方創生
ではありません。
石破大臣
の
見解
を伺います。 一方の、
地方
をがちがちに縛っている最たる
事例
が、
プレミアム付き商品券
に代表される
地域住民生活等緊急支援
のための
交付金
や今回の
法案
にある
新型交付金
です。
事例
を示して
地方
の
発意
をそぎ、
KPI
だ
PDCA
だと
地方
を萎縮させ役人的な
発想
の型にはめてしまっては、金太郎あめ的な
スモールビジネス
が
幾つ
も
幾つ
も
線香花火
のように打ち上がるだけです。
KPI
や
PDCA
は
地方
に求める前に、まずは、国こそ隗より始めるべきと考えます。これまでの
地域活性化
諸
施策
において、一度でも
評価
結果を次の
政策
に反映させた実績がありますか。
石破大臣
に伺います。
地方
を本当に活性化させたいのであれば、
地方
に
権限
と
財源
を移譲するしかありません。ドイツやイタリア、フランスといった
ヨーロッパ各国
が、
一極集中
を免れ
地方都市
がそれぞれ魅力的な個性を発揮できているのは、
州政府
にそれなりの
権限
があるからです。
日本国憲法
第
八章
では、
地方自治
を行うのは
地方公共団体
であり、
地方自治体
とは書いてありません。
地方公共団体
はあくまで
中央
から委託された業務を行うだけで、
地方議会
も
法律
の範囲の条例しか作ることができません。
地方創生
を本気で実現するならば、
憲法
第
八章
の
改正
も視野に入れた
地方
への
権限
と
財源
の移譲を検討すべきではないでしょうか。
石破大臣
の
憲法改正
への御関心を確認し、私の
質問
を終わります。 ありがとうございました。(
拍手
) 〔
国務大臣石破茂
君
登壇
、
拍手
〕
石破茂
5
○
国務大臣
(
石破茂
君)
安井議員
より十六問頂戴をいたしました。 まず、
地方創生推進交付金
に係る
自主性
への配慮についてであります。 本
交付金
は、
地方創生
の
推進
のため、各
地方公共団体
の
地方版総合戦略
に位置付けられた自主的、主体的で先導的な
取組
を
支援
するものであります。その
交付金申請
の前提として作成される
地域再生計画
につきましては、国が押し付けるものではなく、
地方公共団体
がそれぞれの
地域
の
実情
に応じて
自主性
を発揮して作成することができるものであります。本
交付金
も、
地方創生全般
の中でどの
分野
に
重点
を置くかといった
選択
や、どのような手法で実施するかといった
事業構築
の点で、
地方公共団体
が
地域
の
自主性
を十分に発揮できるよう
使い勝手
の良い
仕組み
にしておるところであります。
プレミアム付き商品券
における
経済効果
についてであります。
平成
二十六年度
補正予算
における
地域消費喚起
・
生活支援型交付金
では、助成した
金額
以上の
消費喚起
が期待できる
プレミアム付き商品券
を始め、高い
消費喚起効果
が期待できる
施策
を各
地方公共団体
に推奨しており、従来の
施策
と比べてもより高い
消費喚起効果
が得られるものと考えております。 一例を御紹介すれば、愛知県を始め一部の
自治体
については、
旅行券利用者
の約七割が
新規
の
宿泊客
であり、近隣の
家族利用
を
中心
に
新規宿泊客
の
獲得
が進展し、
宿泊単価
も
上昇傾向
にあるとの
中間報告
を得ております。また、
ネット販売
を利用した一部の
自治体
においては、
ふるさと名物商品事業
に参加した
店舗
は、参加していない
店舗
と比べ約二倍の
新規顧客
の
獲得
に成功している
状況
が見られます。 さらに、先日、
プレミアム付き商品券
、
ふるさと名物商品
・
旅行券
が
主婦
の
皆様
を
中心
とした約十万人の
女性読者
の投票によって、昨年最もこれがあって便利、助かったと実感した
商品
、
サービス
の金賞に選ばれ、三月十四日には
主婦
の
皆様
を代表される方が直接表彰状とトロフィーをお届けいただきました。
自治体
による
アンケート調査
の
集計
、
分析
結果などを
事業終了
を受けて速やかに取りまとめ提出するよう三月九日に各
自治体
に依頼を発出したところであり、その結果が集まり次第、全国的な
規模
での
事業効果
の
集計
と
分析
を進めていくことといたしております。
国自身
はもとより、
地域自身
による今後の
消費喚起
や
市場開拓
に向けた
取組
にも資するよう、極力客観的なデータに基づく
検証作業
を進めてまいります。 次に、
地方創生推進交付金
の
先導性
の
審査
について
お尋ね
をいただきました。 先導的な
事業
とは、
KPI
の
設定
と
PDCAサイクル
を備えたものであって、
官民協働
、
地域間連携
、
政策間連携等
の
先駆的要素
が含まれた
先駆タイプ
、先駆的・
優良事例
の
横展開
を図る
横展開タイプ
、
既存
の
取組
や
制度
上の隘路を発見し、それを打開するための
隘路打開タイプ
の三
タイプ
を想定しております。
地方創生推進交付金
の
交付対象
とする
個別事業
の選定に当たりましては、
官民協働
、
地域間連携
、
政策間連携
といった
基準
を明示した上で、その
公平性
を確保するため、
内閣
府の
事務局
における
参事官クラス
、
次長クラス
など
複数人
及び
複数
のレベルでの
審査
に加え、
先駆タイプ
については知見を有する
外部有識者
の
審査
を経ることといたしております。
地域再生基盤強化交付金
の
継続事業
についてであります。 これまで
地域再生基盤強化交付金
により実施してきた道、
汚水処理施設
、港を
政策間連携
により総合的に
整備
する
事業
に加え、
継続事業
についても、
地方創生交付金
一千億円のうち四百十六億円により対応していくこととしております。この
予算
につきましては、
地方公共団体
における
事業
の
進捗状況
や
要望
を踏まえ計上したものであり、
地方公共団体
において円滑かつ安定的に
事業
が実施されるよう必要な
予算
を確保したものであります。
地方創生推進交付金
の
総額
についてであります。 本
交付金
は、
地方
からの
要望
を踏まえ、
平成
二十八年度
予算編成プロセス
において、関係
府省
の協力を得て、新たに国費一千億円、
事業費ベース
二千億円
規模
の
予算
を確保したものであります。
地方
六
団体
からも、
地方
が強い決意と覚悟を持って
地方創生
をスタートできる額が確保されたことを
評価
するとの
共同声明
が発出されております。
平成
二十九年度以降の具体的な
予算
につきましては、今後の
予算編成過程
で議論してまいりますが、
地方公共団体
の
取組状況等
を踏まえ、
地方創生
の
取組
が安定的、継続的に
推進
していけるよう前向きに取り組んでまいります。 なお、
民主党政権時代
の
地域自主戦略交付金
、
一括交付金
は、各
府省
の一部の
公共事業関連
の
補助金
を束ねたものと承知しておりますが、
地方創生推進交付金
は、
地方創生
の
推進
を
目的
とし、
ソフト事業
を
中心
に
既存
の
補助事業
を超えて
地方公共団体
が自主的、主体的に
事業構築
できるものであり、両者は
目的
や
対象事業
からして
性格
を異にしているため、同列に取り扱うことは適当ではないと考えておる次第でございます。 次に、
一括交付金
の
復活
についての
お尋ね
をいただきました。
民主党政権時代
に、
地域
の自主的な
選択
に基づく
事業
の実施を目指し、各
省庁
の
投資補助金等
の一部を一括化し、
都道府県
、
指定都市
を
対象
とする
地域自主戦略交付金
を創設したものと承知しております。 これにつきましては、運用される中で、
対象事業
が従来の
補助金
に限定されていることや、
事業規模
の年度間の変動や
地域
間の偏在を考慮すると
交付対象
を
一般市町村
に拡大することが困難であったこと、
手続
の煩雑さといった様々な
問題点
が
アンケート等
を通じて
地方公共団体
から指摘されておりましたことから、
平成
二十五年度に廃止し、各
省庁
の
交付金
に
移行
をいたしました。その際、
地方
からの
意見
も踏まえ、
移行先
の各
省庁
において、
事業別
に細分化されていた
整備計画
をより大きな
政策目的別
にまとめることや
事務手続
を
簡素化
するなどの
運用改善
を行ったところであります。 このように、
地方
の
意見
を踏まえ、今回の
地方創生推進交付金
も含め、真に
地方
にとって
効果
が高く
使い勝手
の良い
施策
の
仕組みづくり
を
推進
することが重要であると考えております。
地方創生推進交付金
の特徴についてであります。 今回の
地方創生推進交付金
は、
地方版総合戦略
に基づく
地方公共団体
の自主的、主体的で先導的な
事業
を
支援
する点、
KPI
の
設定
と
PDCAサイクル
の
整備
を組み込み、
縦割り
を超えた
事業
を
支援
する点、
地域再生法改正案
に基づく
交付金
とし、安定的な
制度運用
を確保する点で、これまでの
個別補助金
や
一括交付金
とは異なる新しい
タイプ
の
交付金
であると考えております。 各省の
個別補助金等
と異なり、どのような
分野
に
重点
を置くか、
ソフト事業
と
ハード事業
をどのように組み合わせるかといった
事業構築
は
地方公共団体
に委ねられており、
自由度
の高いものとなっております。また、本
交付金
は
先導性
を有する
効果
の高い
取組
に対して
支援
を行うものでありますので、国と
地方
の
総合戦略双方
の
成果目標
の
達成
に資するものであると、かように考えておる次第でございます。
地方創生応援税制
による
減収
についてであります。
地方創生応援税制
の
控除額
は、
法人住民税
及び
法人事業税
の税額の二割を限度としており、その
団体
に所在する
企業
がほかの
地方公共団体
の
地方創生事業
に
寄附
をした場合であっても、
税収
に過度な影響を与えないような
制度
とすることとしております。また、その
減収額
については
地方交付税
の
基準財政収入額
に反映されますので、
地方交付税
の
交付団体
にあっては
地方交付税
によって適切に補填されることになります。
地方創生応援税制
の
寄附
に伴う
便宜供与
についてであります。
地方創生応援税制
は、志のある
企業
に
寄附
という形で
地方創生
の
プロジェクト
を応援していただくための
制度
であることから、
企業
が
経済的利益
の
供与
を期待して
寄附
を行うという認識には立っておりません。その上で、
地方公共団体
が
寄附
の
代償
として
企業
に対して経済的な
利益
を
供与
する
行為
は不適切と考えておりますことから、
内閣
府令において、こうした
行為
を禁ずる
規定
を置くことといたしております。
地方公共団体
は当然に法令に従って
地方創生事業
に取り組むものであり、御指摘の
便宜供与
の御
懸念
は当たらないものと考えておるところでございます。
地方創生応援税制
の
達成目標
についての
お尋ね
であります。
地方創生応援税制
は、
雇用
の創出、移住、定住、働き方
改革
、
町づくり
など幅広い
分野
から
地方公共団体
がそれぞれの
地域
における課題に応じて取り組む様々な
地方創生事業
を
支援
するものであります。
地方創生応援税制
の
活用
に当たりましては、
地方公共団体
において、個々の
事業ごと
に
KPI
を
設定
し、
PDCA
を
整備
していただくこととなっており、
数値目標
と
目標年次
を定めて
地方版総合戦略
の
目標達成
に取り組んでいただきたいと考えております。
地方創生応援税制
の
KPI
につきましては、
地域ごと
に展開される多種多様な
事業
について、国においてあらかじめ画一的、統一的に
設定
することはなじみにくいものと考えております。 次に、生涯
活躍
の
まち形成地域
についてであります。 生涯
活躍
の
まち構想
は、
中高年齢者
が
希望
に応じて
地方
や町中に移り住み、多
世代
の
地域住民
と交流しながら健康でアクティブな
生活
を送り、必要な
医療
、
介護
を受けることができる
コミュニティーづくり
を目指すものであります。 今般の
改正法案
においては、
地方公共団体
が策定する
地域再生計画
に生涯
活躍
の
まち形成事業
を位置付けた上で
事業者
による
手続
の
簡素化
を行うものであります。
対象
となる生涯
活躍
の
まち形成地域
につきましては、
中高年齢者
が自らの
希望
に応じて
東京
圏などから
地方
に移住するものや
地域
内で近隣から町中へ住み替えるものなどを想定し、
人口
、
雇用
、
サービス
の
状況
等の各々の
地域
の特性に応じて
地方公共団体
において適切な
地域
が
設定
されるものと考えております。 国といたしましても、昨年十二月に公表した手引きの作成などの情報
支援
や
地方創生推進交付金
による先駆的な
取組
に対する財政
支援
などを通じ、
地域
の創意工夫により魅力的な
コミュニティーづくり
がなされるよう積極的に
支援
を行ってまいります。
地域包括ケアシステム
との
連携
についての
お尋ね
をいただきました。 生涯
活躍
の
まち
は、
中高年齢者
の御
希望
に応えるとともに、移り住んでこられた入居者が
地域社会
に溶け込み多
世代
と協働ができるような
環境整備
を行い、
地域
で継続的なケアが受けられることを目指すという点で、まさしく
地域包括ケアシステム
と同じ方向を目指すものであります。 このため、
地方公共団体
において地元住民への
サービス
と入居者への
サービス
が一体的に提供される
環境整備
として、
既存
の福祉拠点を
活用
した集いの場づくりや、生涯
活躍
の
まち
コーディネーターと
地域包括ケアシステム
における
生活
支援
コーディネーターとの兼任などによります
生活
支援
サービス
の一体的な体制
整備
などを行うことにより、
地域包括ケアシステム
との
連携
を積極的に取り組まれるよう国としても
支援
をいたしてまいります。 次に、
地方分権改革
に関する委員会勧告方式についての
お尋ね
を頂戴をいたしました。 第一次から第四次までの
地方
分権
一括法により、国から
地方
及び
都道府県
から
市町村
への
権限
移譲、並びに義務付け・枠付けの見直しを
推進
し、延べ三百六十六
法律
の
改正
を実現いたしました。これにより、
地方分権改革
推進
委員会の勧告事項については一通り検討し対処したところであります。 このような成果を基盤とし、
平成
二十六年六月に
地方
の代表の
皆様
も参画していただいた
地方分権改革
有識者
会議
において、それまでの
地方
分権
の
取組
の総括を行いました。 そこで、個性を生かし自立した
地方
をつくるため、
国主導
による
集中
的な
取組
から
地方
の
発意
に根差した息の長い
取組
とすることといたしました。具体的には、委員会勧告方式に替えて、国が選ぶのではなく、
地方
が選ぶことができる
地方分権改革
を目指し、
提案募集方式
を導入することといたしたところであります。
提案募集方式
を通じた
取組
については、全国
知事
会から
地方分権改革
の力強い前進が図られたことに感謝する、また、
指定都市
市長会からも
地方自治体
の
政策
実現の幅が広がる大変意義のある
取組
と御
評価
をいただいております。
地方
からの提案は、まさに地に足の付いた、現場で困っている課題を解決するためのものであり、住民
サービス
の向上など、その
自治体
や住民にとって大きな意味があるものと考えております。今後とも、
地方
からの御提案をいかに実現するかという基本姿勢に立って取り組んでまいります。
中央省庁
の
地方移転
についてであります。 今回の
取組
は、
東京
一極集中
の是正を図るため、
地方
の自主的、主体的
取組
を国が
支援
することを基本とする
地方創生
の考え方に即し、自らの
地域
の強みを最も把握している
地方
が提案を行い、それが国と
地方
の双方にとってメリットをもたらすかの観点に立って、国として、有識者
会議
や道府県、関係
省庁
からのヒアリング等を通じ、
地方
の理解を深めながら検討を行ってきたものであります。 このように、今回の
取組
は、
地方
に丸投げしたという御指摘に該当するものではなく、御提案いただいた道府県や関係府
省庁
など、国と
地方
との共同作業を進めてきたものであります。その結果、国の機関としての機能の維持向上が図られ、かつ
地方創生
に資する国と
地方
の双方にとってメリットの見込める成案が得られ、先週三月二十二日に、
まち
・
ひと
・し
ごと創生本部
において政府関係機関
移転
基本方針を決定したところであります。 今後、同方針に基づき国と
地方
が
連携
を図り、
取組
の具体化を進める中で、仕事と人の好循環を形成し、
地方
の新産業、
雇用
創出を図り、
東京
一極集中
の是正、
地方創生
の実現につなげてまいります。 次に、
政策
評価
結果の反映についての
お尋ね
をいただきました。 御指摘の
地域活性化
諸
施策
を含め各
省庁
が実施する個別の
施策
については、
政策
評価
法に基づき、毎年度自ら
評価
を実施し、公表するとともに、その
評価
結果を
政策
に反映してきております。 例えば、
地域再生計画
の認定については、
平成
二十五年度実施
施策
の
政策
評価
において認定件数の実績五十九件が目標値九十五件に達していないことについて、
地域再生計画
と連動する
施策
が限定されている点を要因として指摘しております。この結果を踏まえ、
地域
の自主的な
取組
をより一層促進するため、小さな拠点形成
支援
や
企業
の
地方
拠点
強化
を促進する
税制
等、
地域再生計画
の
施策
メニューを増やしてまいりました。今後とも、
政策
評価
結果を
政策
に反映し、
効果
的な
施策
の
推進
に努めてまいります。 最後に、
憲法改正
についての認識についての
お尋ね
を頂戴をいたしました。
憲法改正
については国民の御理解が必要不可欠であり、
憲法
第
八章
を含め、具体的な
改正
の内容や時期につきましても、国会や国民的な御議論との理解の深まりの中でおのずと定まってくるものと考えております。 個別の議論につきましては、
憲法
審査
会において政党間で大いに議論を深めていただくべきものと考えておる次第でございます。 以上であります。(
拍手
) 〔
国務大臣
高市早苗君
登壇
、
拍手
〕
高市早苗
6
○
国務大臣
(高市早苗君)
安井美沙子
議員からは、まず
地方創生応援税制
について
お尋ね
がございました。
少子高齢化
の進展に的確に対応し、
人口減少
に歯止めを掛けるためには、各
地方
団体
において
地方創生
の
取組
を進めていくことが重要です。この度創設される
地方創生応援税制
では、
地方
団体
への
寄附
金について、
現行
の
損金算入
措置
に加え、
法人事業税
、
法人住民税
及び
法人
税の税額控除を導入することとしています。この
税制
により、
地方
団体
が各
地域
の特性を生かし
地方創生
のために
効果
的な
事業
を進めるに当たり、その
趣旨
に賛同する
企業
の
寄附
が促進され、官民挙げての
取組
が進むことが期待されます。 なお、
地方税
におきましては応益課税の考え方が重要でございます。
企業
が各
地方
団体
から
行政サービス
を受けていることも踏まえまして、税額
控除額
には上限を設けることとしています。 次に、個人のふるさと納税について
お尋ね
がございました。 ふるさと納税は、ふるさとに対する納税者の思いを実現する観点から、
平成
二十年度に創設されたものです。東日本大震災後には年間のふるさと納税の四割近くが被災三県の
地方
団体
に対して行われ、その後も
被災地
への
支援
として御
活用
をいただいています。
被災地
へのふるさと納税が減少したとの御指摘でございますが、その
人口
規模
などを考えますと、国民の
皆様
からは継続的にふるさと納税を通じ温かい御
支援
をいただいていると考えています。 また、
返礼品
につきましては、昨年四月に
総務大臣
通知により良識ある対応を各
地方
団体
に要請し、これらを踏まえて多くの
地方
団体
が必要な見直しを進めています。 ふるさと納税は期限を定めた
制度
ではなく、これからも各
地方
団体
における積極的かつ
制度
の
趣旨
に沿った
取組
を通じ、ふるさと納税が引き続き一層
活用
され、その健全な発展が進むことを期待しています。(
拍手
)
山崎正昭
7
○
議長
(
山崎正昭
君) これにて質疑は終了いたしました。 本日はこれにて散会いたします。 午前十時四十分散会