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小川敏夫君 補助金等の配分を減らすなどの措置をして退場していった
ロースクールがあって、定員が減ってきたからいいというような、あるいはしっかりとした取組をしているというような
説明に私は受け止めましたけど。
そもそも、
ロースクールをつくり過ぎたのではないかと。そもそもこの
ロースクールの制度設計は、
法曹人口を三千人と置いて、そして
ロースクールで学んだ人の七割から八割が
司法試験に合格して
法曹になるという制度設計でありました。そうすると、
ロースクールは制度設計上、
法曹の人口が三千人なら大体四千人ぐらいが適正な
ロースクールの定員ではないかというふうに思われるのに、文科省はそうした制度設計とは全く無関係に、ほぼ手を挙げた学校にあたかも全部認めるかのように、しかも教員の配置とか何かについては非常に緩やかな運用をしてどんどん認めたと。適正な
ロースクールの定員数が四千人程度ではないかと制度設計上思われるものについて、六千とか七千とか、そのくらい認めたんじゃないでしょうか。
そのことによって結局、
司法試験の
合格率が悪いと、
数字上は当然そうなるわけで。
合格率が悪いから、何だ、
ロースクールへ行ってもしようがないという評価も招いて、結局
ロースクール全体の評価を下げてしまったと私は思うわけでありまして、今回の
ロースクール制度が今非常に困難な
状況を迎えている一番の
責任は、最初の出発点で文科省が
ロースクールに対して非常に甘い、言わば手を挙げたところに全て認めるかのようなやり方をしたからということが一番の原因だというふうに思っております。
それについて、今度は認めた後に出来が悪いからといって補助金を減らして退場を迫る。まさに私から見ればいびり出しているような、
自分たちのその失敗を棚に上げて、付いてきた
ロースクールをいびり出している、一部の
ロースクールをいびり出しているようにも見えるので、補助金の配分でいろいろ施策を取って定員が減ってきた減ってきたと言っているその文科省の
説明については、私は素直に受け止めることができないような気持ちであるわけでありますが。
しかし、そうした気持ちは述べさせていただいて、次に、今それでも頑張って残っている
ロースクールがありますけれども、当初の制度設計は三千人と、
司法試験合格者が三千人という制度設計で進んだわけでありまして、それを当然前提に各
ロースクールの定員も決まったものと思います。大手有力校の定員が最大三百人ということでそろったところがあります。中小等はもっと少ない規模だと。
ところが、実際のその制度設計三千人を今はやめてしまって、これまでの運用でも二千人いくかどうか、最終的には千五百人という
数字が出てきますと、この大手校が、三千人という制度設計の中で大手校の
ロースクールの定員を三百人というふうにしたこと自体を改めなくてはいけないのではないか。三千人が千五百人という構想になったのなら、
ロースクールの定員も大手校三百人を百五十人にしないとうまくないんではないかと。
どうしてうまくないかというと、やはり大手校は有力校ですから、当然周囲の評価も高いわけです。そこがたくさんの定員を取れば、どんどんそこの学校に行ってしまうと。そうすると、中位校の卒業生は、中位の
ロースクールに行かないで、より偏差値が高いといいますか、あるいは世間の聞こえがいい大学の方にどんどん行ってしまうという、私はストロー現象と言っているんですけれども、どんどん上へ上へと生徒が希望して行ってしまうと。その結果、
ロースクールが、中位校、低位校、あるいは地方の
ロースクールが人が集まらなくなって、あるいは質が
低下して困難になるということが起きている、私はそういう現象が起きていると思います。
そうすると、この
ロースクール、幅広い人材を地域にも偏らずに
法曹を輩出するという理念が全く壊れてしまって、東京を中心とした都会、あるいは関西もありますけれども、そうした大都会の有力校だけが
法曹を輩出するような仕組みに事実上変わってきてしまっていると。私は、これは
ロースクールの制度を全く没却してしまった
状況になっているのではないかというふうに思います。
ロースクールの定員を見直すということでありましたが、総定員を見直すということではなくて、そうした有力校に、あるいは一部の都会を中心とした地域に生徒が、学生が偏在することがないように、やはり幅広い
ロースクールに、そして地域にも偏在しない、まさに幅広い
法曹を養成するためにふさわしいこの
ロースクール群を私はしっかりと構築しなければならない、そういうふうに思うわけでありますが、その私の
考えについて副
大臣のお
考えを聞き、また、もしできましたら
法務大臣の感想もいただいて、私の
質問を終わりたいと思います。