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大島九州男君 今おっしゃったのは妥当なところだろうとは思うんですね。
ただ、現場の
先生たちのいろんな意見というか
お話を聞いてみると、どうしていいのか分からないと。本来、
道徳観というのは、みんないろんな受取をする人もいて、
一つの事象についてもいろんな考え方があるわけですから、それを画一的に
一つの答えを出すということは非常に難しいだろうねということで、じゃ、伝記を読んで、みんな、それに対する意見を書いてもらおうとか、まあ何か感想文的な、国語の授業なのかというような
状況になってしまうというようなことも危惧されるわけですよね。だから、じゃ、現場の
先生たちがそういう不安を抱えながらやる授業、
子供たちの前で
先生が何かもやもやとして
指導をしてもそれは人に伝わらないと。だから、そういう
意味では明快にある程度方向を示してあげることは必要だと。
じゃ、どういう方向を示すのかといったら、もう自由にやれ、もう好きなようにやっていいぞと、もう画一的な
評価はしないというぐらいのことを言われたら、じゃ、何しようかなと、少し肩の荷が下りるんじゃないかなと。でも、それも余りにも無責任だと。政府がそういうことを言うことは無理ですから。じゃ、例えば
一つの
評価の仕方、これも、一人の
先生が
評価するということじゃ駄目だろうから、具体的に、少なくとも学級担任以外の複数の
先生が必ず
評価をするんですよという、こういうガイドラインですよね。
やはり
教育って、教科で
評価をしていかなきゃいけないというふうに思うと、やっぱり何かステップがないと何かやった気がしないとか、
成果が出たような気がしないと。じゃ、どうしたらいいのかといって、ペーパーテストで点数付けるというわけにもいかないなと。
じゃ、
一つの例としては、まず、
一つの本を読んで、それか伝記を読んで、それに対する意見をみんなでディスカッションしましょうということがありましたと。当然、そこには一人の偉人の話が出たときに、いや、僕はあの人は偉人とは思わないよとか、いやいや、この人はすばらしいな、僕もこの人のようになりたい、いや、私はなりたくないと、そういう議論があるわけですよね。そういう議論が第一ステップでありましたと。
じゃ、次に、本当に現実的にその
地域で何か立派だと言われるような
社会人だとかそういう人を呼んできて、その人の話を聞いて、その
子供たちに議論をしてもらおうというのが第二ステップにあるんだと。で、第二ステップへなかなか進めないクラスがあると。それはなぜかといったら、本に出てくる偉人に対してひどいことを言ってもそのことは伝わりませんよね、その人には。ところが、生身の人間が出てきて、その生身の人間に何かひどいようなことを言うようなクラスは、この人やっぱり呼べないよねという、常識的に考えてそういう気がしますよね。だから、
子供たちの議論の中で、何であのクラスは外部の人を呼んでやっているのに、うちはずっとこんな本の偉人のことばかりやるんだという話になるわけですよね。
そうすると、いやいや、A君、君がいつもこの偉人の人に言っているような言葉を生身の人間に言ったらどう思うかなと、
先生はそういう、君が言うような言葉をあの生身の人に聞かせるのは非常につらい、だからこのクラスはやっぱり生身の人を呼んでくるというのはちょっと厳しいんだよねと言ったときに初めて考えると思うんですね。そうか、
先生、分かったよ、じゃ、俺は生身の
先生が来たときにはちょっと考えて発言するよと。ああ、そうか、じゃ、やってみようといってやった。そうしたら、その彼がいろんなことを考えて、今までと違う
評価だとか発言をしたと。あっ、これはステップ上がっているよねというような、何か漠然とした
評価であるけれども、非常に現実的だし分かりやすいと思うんですよね。
だから、こういうことを
一つの例としてやりましょうねというような発信をし、全国でいろんなことに取り組んだと。じゃ、その全国でいろんなことを取り組んだことの実例を挙げて、実はこういうふうなステップを踏んでやると何か
子供たちの
評価が非常に分かりやすかったし、それを複数の
先生で
評価をしたことによって、子供のいい面、表から見る、裏から見る、いろんな角度から見たときに、そのそれぞれがいいところを見付けて
評価ができたから非常に良かったという事例をたくさん集めて、そして、それを積み上げていって、教科の題材としていくというようなことをずっと積み上げていくような形で教材は作っていきますよと。
だから、
先生方、とにかくこの教科、最初は何もないのは困るので、ちょっとこういう画一的な教本は出しますが、それはみんなでつくり上げていきましょうねというようなスタンスで発信してスタートすれば、少しは
先生方も気が楽だし、いろんなことに取り組めるし、そういうことでステップアップしていく、それをみんなで見守りながらみんなでつくっていくというのがいいんじゃないかというような気がするんですけど、
大臣、感想をどうぞ。