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2016-01-19 第190回国会 参議院 総務委員会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二十八年一月十九日(火曜日)    午後三時五十四分開会     ─────────────    委員氏名     委員長         谷合 正明君     理 事         藤川 政人君     理 事         藤末 健三君     理 事         横山 信一君                 井原  巧君                 石井 正弘君                 礒崎 陽輔君                 大沼みずほ君                 島田 三郎君                 関口 昌一君                 柘植 芳文君                 二之湯 智君                 長谷川 岳君                 森屋  宏君                 石上 俊雄君                 江崎  孝君                 難波 奨二君                 野田 国義君                 林 久美子君                 水野 賢一君                 吉良よし子君                 片山虎之助君                 寺田 典城君                 又市 征治君                 主濱  了君     ─────────────    委員長異動  一月四日谷合正明委員長辞任につき、その補  欠として山本博司君を議院において委員長に選  任した。     ─────────────    委員異動  一月四日     辞任         補欠選任      長谷川 岳君     松下 新平君      野田 国義君     羽田雄一郎君      水野 賢一君     吉川 沙織君      谷合 正明君     山本 博司君  一月十四日     辞任         補欠選任      吉良よし子君     倉林 明子君  一月十八日     辞任         補欠選任      藤末 健三君     野田 国義君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         山本 博司君     理 事                 大沼みずほ君                 島田 三郎君                 藤川 政人君                 石上 俊雄君                 横山 信一君     委 員                 井原  巧君                 石井 正弘君                 礒崎 陽輔君                 関口 昌一君                 柘植 芳文君                 二之湯 智君                 松下 新平君                 森屋  宏君                 江崎  孝君                 難波 奨二君                 野田 国義君                 羽田雄一郎君                 林 久美子君                 吉川 沙織君                 倉林 明子君                 寺田 典城君                 片山虎之助君                 又市 征治君                 主濱  了君    国務大臣        総務大臣     高市 早苗君    副大臣        復興大臣    長島 忠美君        内閣府副大臣   高鳥 修一君        内閣府副大臣   福岡 資麿君        総務大臣    土屋 正忠君        総務大臣    松下 新平君        経済産業大臣  鈴木 淳司君    大臣政務官        総務大臣政務官  輿水 恵一君        総務大臣政務官  森屋  宏君        総務大臣政務官  古賀  篤君        財務大臣政務官  中西 祐介君    事務局側        常任委員会専門        員        小野  哲君    政府参考人        内閣官房一億総        活躍推進室次長  大島 一博君        総務大臣官房総        括審議官     稲山 博司君        総務大臣官房地        域力創造審議官  原田 淳志君        総務省自治財政        局長       安田  充君        総務省自治税務        局長       青木 信之君        総務省総合通信        基盤局長     福岡  徹君        経済産業大臣官        房審議官     保坂  伸君        中小企業庁事業        環境部長     木村 陽一君        中小企業庁経営        支援部長     土井 良治君    参考人        日本放送協会経        営委員会委員長  浜田健一郎君        日本放送協会経        営委員会委員(        監査委員)    上田 良一君        日本放送協会会        長        籾井 勝人君        日本放送協会専        務理事      福井  敬君        日本放送協会理        事        今井  純君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○理事補欠選任の件 ○国政調査に関する件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○参考人出席要求に関する件 ○地方交付税法の一部を改正する法律案内閣提  出、衆議院送付)     ─────────────
  2. 山本博司

    委員長山本博司君) ただいまから総務委員会を開会いたします。  議事に先立ちまして、一言御挨拶を申し上げます。  去る四日の本会議におきまして総務委員長選任されました山本博司でございます。  本委員会は、行政制度地方行財政選挙消防に加え、情報通信郵政事業など国民生活に密接に関わる重要な事項を所管しており、その委員長たる職責は誠に重大であると痛感をしております。  委員長といたしましては、委員各位の御指導、御協力を賜りまして、公正かつ円満な委員会運営に努めてまいる所存でございますので、何とぞよろしくお願いいたします。(拍手)     ─────────────
  3. 山本博司

    委員長山本博司君) 委員異動について御報告いたします。  昨日までに、川田龍平君、山本順三君、渡辺美知太郎君、堂故茂君、谷合正明君、長谷川岳君、吉良よし子君及び藤末健三君が委員辞任され、その補欠として寺田典城君、森屋宏君、大沼みずほ君、羽田雄一郎君、吉川沙織君、松下新平君、倉林明子君及び私、山本博司選任されました。     ─────────────
  4. 山本博司

    委員長山本博司君) まず、理事補欠選任についてお諮りいたします。  委員異動に伴い現在理事が三名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。  理事選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 山本博司

    委員長山本博司君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事大沼みずほ君、島田三郎君及び石上俊雄君を指名いたします。     ─────────────
  6. 山本博司

    委員長山本博司君) 国政調査に関する件についてお諮りいたします。  本委員会は、今期国会におきましても、行政制度地方行財政選挙消防情報通信及び郵政事業等に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 山本博司

    委員長山本博司君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  8. 山本博司

    委員長山本博司君) この際、高市総務大臣松下総務大臣土屋総務大臣輿水総務大臣政務官古賀総務大臣政務官及び森屋総務大臣政務官からそれぞれ発言を求められておりますので、順次これを許します。高市総務大臣
  9. 高市早苗

    国務大臣高市早苗君) 総務大臣高市早苗でございます。  副大臣大臣政務官とともに精いっぱい働いてまいりますので、山本委員長を始め、理事委員先生方格段の御指導をよろしくお願い申し上げます。
  10. 山本博司

  11. 松下新平

    ○副大臣松下新平君) 総務大臣を拝命いたしました松下新平です。  山本委員長理事委員皆様の格別の御指導をよろしくお願いいたします。
  12. 山本博司

  13. 土屋正忠

    ○副大臣土屋正忠君) 総務大臣を拝命いたしました土屋正忠であります。  皆様方格段の御指導をお願いをいたします。
  14. 山本博司

  15. 輿水恵一

    大臣政務官輿水恵一君) 総務大臣政務官を拝命いたしました輿水恵一でございます。  皆様方格段の御指導をお願い申し上げます。
  16. 山本博司

  17. 古賀篤

    大臣政務官古賀篤君) 総務大臣政務官を拝命いたしました古賀篤でございます。  皆様格段の御指導をよろしくお願いいたします。
  18. 山本博司

  19. 森屋宏

    大臣政務官森屋宏君) この度、総務大臣政務官を拝命をいたしました森屋宏でございます。  皆様方格段の御指導をよろしくお願い申し上げます。     ─────────────
  20. 山本博司

    委員長山本博司君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  地方交付税法の一部を改正する法律案審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房一億総活躍推進室次長大島一博君外八名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  21. 山本博司

    委員長山本博司君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  22. 山本博司

    委員長山本博司君) 参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  地方交付税法の一部を改正する法律案審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、日本放送協会経営委員会委員長浜田健一郎君外四名を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  23. 山本博司

    委員長山本博司君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  24. 山本博司

    委員長山本博司君) 地方交付税法の一部を改正する法律案を議題といたします。  まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。高市総務大臣
  25. 高市早苗

    国務大臣高市早苗君) 地方交付税法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容概要を御説明申し上げます。  東日本大震災に係る復興事業等実施状況等により、震災復興特別交付税に要する額を変更する必要があります。このため、平成二十五年度の当初予算及び補正予算地方交付税総額に加算し、平成二十六年度に繰り越した震災復興特別交付税のうち、同年度決算において不用となった金額について、地方交付税総額から減額することとしております。  次に、今回の補正予算により、平成二十七年度分地方交付税が一兆三千百十三億円増加することとなりますが、このうち普通交付税調整額の復活に要する額四百六十九億円を追加交付することとし、残余の額一兆二千六百四十四億円を平成二十八年度分地方交付税総額に加算して、同年度交付することができることとしております。  以上が、この法律案提案理由及び内容概要であります。  何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同賜りますようお願い申し上げます。
  26. 山本博司

    委員長山本博司君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。  これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  27. 石上俊雄

    石上俊雄君 皆さん、こんにちは。民主党・新緑風会の石上俊雄でございます。本国会から理事を仰せ付かることとなりました。是非皆さん、よろしくお願い申し上げたいと思います。  まず初めに、軽井沢のスキーバスの事故によりまして、今朝ほども大学生一名が新たに亡くなられてしまったということで、亡くなられました皆さんに対しまして心から御冥福をお祈り申し上げるとともに、けがで今入院をされたり治療中の皆さん、一刻も早い回復を心からお祈り申し上げたいと、そういうふうに考えております。  政府におかれましても、原因究明をしっかりして再発防止にしっかりと努めていただきたいと、そういうふうに考えておるところでございます。  今日は地方交付税法の一部改正法律案ということでございますが、先ほど私も予算委員会に出ておりまして、補正予算につきましては、財政法の二十九条の観点から、財政の規律とのバランスの様々な観点で我が党は衆議院の方でも組替えを出させていただいたりしておりましたので、残念ながら補正予算についてはちょっと賛成するわけにいかないなという立場でございましたけれども。この地方交付税につきましては、そもそも地方で使うお金を国がまず集めて、そして地方に様々な団体のアンバランスなところをしっかりと是正した形で再配賦するというものでありますから、このことにつきましてはちょっと切り離して考えないといけないのかなということでございまして、そういう観点質疑をさせていただきたいと思います。  地方交付税法の後には、ちょっと今日、籾井会長にも来ていただいておりますが、ありがとうございます、改めてNHKの皆さんについての質問もさせていただきたいと思いますので、しばらくはよろしくお願いします。  まず、地方交付税法の件について質問させていただきますと、まず、そもそも論という形で質問させていただきます。  資料一を見ていただきますと、今回、二つ内容が今回の法律改正には含まれております。一つは、先ほども大臣から趣旨説明がありましたが、通常の収支分ということで一兆三千百十三億円の処理についてというところと、東日本大震災のその震災に対する特別復興税に対する措置に対して、この二つになっているわけであります。ちょっと順番は逆ですが、まず、その震災関係について一つ質問をさせていただきたいと思います。  この震災復興特別交付税のうち、二十六年度決算の確定に伴う不用額減額が一千四百八十三億円というふうになっております。それは詳しく、資料二を見ていただくと、ちょっと字が小さいんですが、付けさせていただきました。  何が心配かというと、平成二十五年度もそうなんですが、一兆三千三百三十一億円、これに対して不用部分が、ちょっと見にくいんですけど、一千六百三十三億円。今回の対象は二十六年度なんですね。一兆二千三百七十七億円のボリュームに対して不用部分が一千四百八十三億円もある。一割以上も不用だということなんです。  これ、何で不用になったのかということと、不用な状態にして処分をしちゃっていいのかといったところについて、総務省から説明をお願いします。
  28. 安田充

    政府参考人安田充君) お答えいたします。  震災復興特別交付税についてでございますが、これは直轄補助事業地方負担分等を措置するものでございます。実際の交付に当たりましては、被災団体事業実施状況に合わせて交付するということにしているところでございまして、翌年度への繰越しも想定しておりますが、この繰越しは、特別会計に関する法律規定によりまして翌年度に限られるということになっているわけでございます。このため、震災復興特別交付税につきましては、前年度からの繰越額当該年度交付額を上回る場合には、当該上回った額は更に翌年度に繰り越すことができないため不用額になるということでございます。  具体的に申し上げますと、先ほど御指摘もございましたが、平成二十六年度におきましては、二十五年度からの繰越額、これが六千六百二十七億円でございますが、二十六年度交付額は五千百四十四億円となっておりますので、千四百八十三億円の不用が生じたということでございます。  この不用が生ずる原因でございますが、復旧復興に係る国の直轄事業国庫補助事業進捗状況等によるものでございますけれども、復興庁において分析している主な理由は、地方自治体との調整の結果、事業計画変更が生じたり、用地取得が難航した等のため事業に着手できなかったことなどとされているところでございます。  減額して支障はないかというお尋ねでございましたけれども、直轄補助事業地方負担分等必要な復興特別交付税につきましては、平成二十七年度におきましても関係団体所要額交付しているところでございます。また、今後、事業進捗等によりまして翌々年度以降に震災復興特別交付税が必要となる場合には、被災団体復旧復興事業に影響を及ぼすことがないよう改めて必要額予算に計上するということにしておりまして、被災団体財政運営支障が生じないように取り組んでまいりたいと思っております。
  29. 石上俊雄

    石上俊雄君 今の説明を聞いてかなり安心をしましたが、震災復興に対してはしっかりと対応していただければと、そういうふうに考えております。  続きまして、資料三に、ちょっとこれを見ていただきたいと思うんですが、平成二十六年度精算分地方交付税増加分六千三百七十二億円ですね。今回の補正予算案がなかったら、これは果たして、これは上の方ですね、上の方の部分の六千三百七十二億円の部分というのは、今回の補正予算がもし、補正予算をやらないというふうになったら法律上どういうふうに扱われるのかなとちょっとそもそもの疑問がありまして、それをお聞きしたいのと、また、今回の補正予算を成立しただけで、補正予算が成立しまして、しかし今回のこの地方交付税法の一部を改正しなかった場合、これ法律上の対応はどういうふうになるのか。この辺について、総務省説明をお願いします。
  30. 安田充

    政府参考人安田充君) お答えいたします。  平成二十六年度精算分地方交付税増額分六千三百七十二億円につきまして、今回の補正予算がなかった場合には、地方交付税法第六条第二項の規定によりまして、平成二十八年度分として交付すべき地方交付税総額に加算されるということになります。  また、平成二十六年度精算分地方交付税増加分補正予算に計上された場合におきまして地方交付税法改正しないときでございますけれども、この場合には、地方交付税法第六条の三第一項の規定によりまして、普通交付税所要額を超える額を当該年度特別交付税総額に加算することとなります。本年度特別交付税総額に加算するということになります。具体的には、普通交付税調整減額分四百六十九億円を追加交付した残余の額を総額に加算する、特別交付税総額に加算するということになるところでございます。
  31. 石上俊雄

    石上俊雄君 ありがとうございます。  これ、いろいろ話を聞いているとだんだん頭がこんがらがってきて分からなくなるんですが、二十六年度も多分見込みで一回やったんですけれども、最後締めたときにこれだけ膨らんだので、要は持っていかないといけないと。何もしなかったら二十八年度に入るんだけれども、補正予算成立しちゃうと二十七年度分になっちゃうんだということですね。だから今回の法律改正が必要なんですよということになるわけでございます。これが一つと。  もう一つ、次が、じゃ平成二十七年度国税増収、いろいろ景気が上向いてきて、ちょっと増えそうだねと、だから途中で増える分を見積もりましたというのがあるわけですけれども、その地方交付税増加分六千七百四十一億円、今回の補正予算がこれも同じようになかったら、法律上どう扱われるか。さらには、先ほどと一緒ですけれども、補正予算は成立しましたけれども、地方交付税法改正する、このことがなければ法律上どういうふうに扱われるのかを教えていただきたいと思います。
  32. 安田充

    政府参考人安田充君) お答えいたします。  平成二十七年度国税増収に伴う地方交付税増加分六千七百四十一億円につきまして、今回の補正予算がなかった場合には、国税増収予算計上されないことになります。この場合、地方交付税総額を定める地方交付税法第六条第二項に規定される当該年度国税収入見込額、これに変更が生じないということになりますので、当該年度地方交付税総額にも変更が生じないということになります。  一方、平成二十七年度国税増収に伴う地方交付税増加分補正予算に計上された場合におきまして地方交付税法改正しないときでございますけれども、この場合には、地方交付税法第六条の三第一項の規定によりまして、普通交付税所要額を超える額を当該年度特別交付税総額に加算するということになります。具体的には、先ほどと同様でございまして、普通交付税調整減額分を追加交付した残余の額を平成二十七年度特別交付税総額に加算するということになるところでございます。
  33. 石上俊雄

    石上俊雄君 ということで、一方で何もしなければ二十八年度に入ります、しかし何か法律改正しないと二十八年度に行かないというところになるわけですね。  しかし、皆さん方もよく御存じだと思いますが、地方財源というのは慢性的に不足しているということがあるわけですよ。それに鑑みてこういうような法律改正をするわけでありますが、毎回、毎年同じことをやっているわけなんで、これを冷静に考えると、そもそも毎年法律改正するんじゃなくてそういう条文に書き換えてしまった方がやりやすいんじゃないかというふうに思うわけでありますが、そのことについて総務省としてはどういうお考えを持たれているか、お聞かせください。
  34. 安田充

    政府参考人安田充君) お答えいたします。  補正予算における国税増収に伴い生ずる地方交付税増収分につきましては、地方交付税法第六条の三第一項の規定では当該年度特別交付税総額に加算するとされているところでございます。先ほど申し上げたとおりでございます。これは、交付税総額とその所要額との差が引き続き著しく大きくなった場合に、同条第二項の制度改正又は率の変更、これを行うことといたしまして、その他の場合にはその年度で完結するということを原則にしているということでございます。  決算補正予算に伴う地方交付税増額につきまして、毎回法改正を行うことなく翌年度分に加算することができることとする法改正を行ってはどうかと、こういう御指摘、御提案でございますけれども、これにつきましては、法改正を毎年のように行う必要はなくなるという点はございますけれども、交付税総額につきましてはやはり原則的に法律で定めるべきではないかという点、それから、先ほど申し上げました原則がございまして、本則上の原則がございますけれども、これがあるにもかかわらず翌年度地方財源不足の発生を前提として翌年度に繰り越し、加算するような規定をあらかじめ本則上に措置することが適当であるかどうかと、こういう論点があるというふうに考えているところでございます。
  35. 石上俊雄

    石上俊雄君 何となく言っていることはよく、よくじゃないな、何となく分かりますが、増えた場合をあらかじめ予測してというんですが、そのところは条文の書き方でどうでもなるような気がするんですけどね。やっぱり減ったときの対応もしっかり明記しておくということをやれば毎年こういうことをやらなくてもいいんじゃないかなというふうに、やりたくないわけじゃないんです、そういうふうなことも何か一方であるのかなと思うんですが、もう一度ちょっとお聞かせいただけますか。
  36. 安田充

    政府参考人安田充君) お答えいたします。  御指摘のように、規定につきましては条文を工夫することによりましてそのような条文を書くことも可能ではないかというふうに考えるところでございますけれども、先ほど申し上げましたように、交付税の総額につきまして、やはり基本的には、原則的には法律規定することが適当ではないかということがございます。  それからまた、これも先ほど申し上げましたけれども、現在の交付税法の考え方というのは、単年度の増減についてはその年で処理すると。そして、その増減、増減といいますか、交付税総額とその所要額との差がかなり長い期間にわたって大きくなったような場合、引き続き著しく大きくなったような場合、この場合には制度改正を行うと。こういう考え方でできているものでございますから、そういう考え方との整合性をどうするか、どう考えるかと、こういう問題があるんではないかというふうに考えている次第でございます。非常に長い期間と申し上げましたが、引き続き著しく大きくなった場合ということでございます。
  37. 石上俊雄

    石上俊雄君 引き続きちょっと考えていかないといけないかなと思います。  それで、そもそもこの地方交付税は本来地方の税収入であるべきでありまして、団体間の財源不均衡の調整のために、先ほども申し上げましたが、国が地方に代わって集める、それを地方交付税という形でお渡しするというものでございまして、ここで一番やっぱり問題なのは、そもそもの地方財源不足というところに行き着いてくるわけであります。  そのときに、やっぱりその根本対策としては、法定率といったところの引上げをしっかりと今後も検討していかないといけないんじゃないかと思うんですが、ここのところを大臣、ちょっとお考えをお聞かせください。
  38. 高市早苗

    国務大臣高市早苗君) 地方財政の健全な運営のためには、本来的にはもう委員がおっしゃるとおりでございます。臨時財政対策債のような特例債に頼るのではなくて、法定率の引上げによって安定的な地方財源を確保していくということが必要であると考えております。  それで、平成二十二年度以降、毎年度概算要求の際に法定率の引上げについて事項要求をしてまいりまして、なかなか難しかったものの、平成二十七年度においてようやく悲願がかないまして、交付税原資の安定性の向上、充実を図るといった方向で法定率の見直しが実現いたしました。  二十八年度地方財政におきましても、引き続き巨額の財源不足が生じ、地方交付税法第六条の三第二項の規定に該当するということが見込まれますので、同項に基づく交付税率の引上げを事項要求したところでありますが、平成二十八年度地方財政対策においては、法定率の引上げによらず、国と地方が折半して補填することを基本に、国は一般会計からの地方交付税の特例加算、地方は臨時財政対策債の発行により対処した上で、地方交付税はほぼ前年度同額を確保したという状況でございます。
  39. 石上俊雄

    石上俊雄君 引き続き、地方を元気にするという観点で力を注いでいただければと、そういうふうに考えております。  それでは、次の質問に入りたいと思いますが、ちょっと通告をしていたやつの順番を入れ替えまして、三番目のNHKの関連団体のガバナンス等に関する件について質問をさせていただければと思います。  ここ数日、数日というのかな、もう連日というか、いろいろもう覚え切れないぐらいNHKさんの不祥事的な報道がなされているわけでありますが、ちょっとまずNHK及びNHK関連団体職員の不祥事について、昨年いろいろ審議をさせていただきました、それ以降、その四月以降今年の一月までで、NHKさんが把握されている全てのその件数と内容について、時間的な関係もありますので、ちょっとうまくまとめて説明をお願いします。
  40. 福井敬

    参考人(福井敬君) 平成二十七年度、これまでの不祥事の件数でございますが、NHKでは七件、関連団体では四件となっております。  主な内容でございますが、NHKアイテックの担当部長がいわゆる空出張で二十六年六月から十月にかけて合わせて百二十万円余りの旅費を不正に請求したことなどから、二十七年四月に諭旨退職の処分としております。この再発防止策としましては、全ての関連団体に対しまして、出張旅費の支給事務手続全般にわたってNHKと同レベルの運用へと厳格化するように指示をしております。  それから、「クローズアップ現代」、出家詐欺報道問題では、過剰な演出や誤ったコメントがあったとしまして、二十七年四月に、取材を担当した記者を停職三か月、上司ら十四人も減給や譴責処分の懲戒処分としております。この再発防止対策としましては、全国で緊急の勉強会や討議を行ったほか、匿名による取材、制作に問題がないか確認するためのチェックシートを作成するなど、全ての制作過程でチェックを強化する再発防止策を実施してございます。  それから、二十七年七月にNHKインターナショナルの嘱託職員が危険ドラッグを輸入したとして逮捕をされております。これにつきましては、起訴をされまして、八月に懲戒免職としております。  それから、NHKアイテックでは、本社と千葉事業所の社員二名が平成二十一年から六年間にわたりまして放送関連施設の架空発注を行いまして約二億円を着服した疑いがあることなどを公表してございます。この再発防止につきましては、事態の解明を踏まえまして厳正に対処していく考えでございます。  それから、このほかにアナウンサーが危険ドラッグを所持して逮捕されております。それから、さいたま局の職員のタクシーの不正使用については現在調査を進めております。  以上でございます。
  41. 石上俊雄

    石上俊雄君 昨年四月からこの一月までで、NHKで七件、関係で四件。これが多いのかどうかは……(発言する者あり)これ、多いと私も思います、ええ。  この一年間で十一件出ました。じゃ、過去はどうだったのと。要はNHKの体質じゃないかというふうに思うところもあるわけですよ。  ということで、次の質問ですが、十年さきに振り返ってみて、この十年間で、細かく言うと時間がなくなりますので、件数、これがどういう推移になっていたかというところをちょっと御説明いただけますか。
  42. 福井敬

    参考人(福井敬君) 過去十年につきましてNHKでの懲戒処分は、件数でいきますと、平成十八年度が三十二件、十九年度が二十二件、二十年度が十四件、二十一年度が十件、二十二年度が八件、二十三年度が十四件、それから二十四年度が十二件、二十五年度が十四件、それから二十六年度が十一件、二十七年度は先ほど言いましたように七件でございます。  それから、関連団体職員によります不祥事につきましてNHKで把握しております件数につきましては、平成十八年度が四件、それから平成二十一年度が一件、それから平成二十二年度が一件、平成二十四年度が一件、それから平成二十五年度が二件、それから二十六年度が一件、二十七年度は先ほどの四件でございます。  このうち金銭に関わる事案につきましては、NHKでは、平成十八年度のスポーツ報道センター職員によります空出張でおよそ千七百万円など、合わせて五件、関連団体では、NHKアイテックの架空工事発注等でおよそ二億円の着服の疑いがあるなど、合わせて六件となってございます。
  43. 石上俊雄

    石上俊雄君 今お聞きいただきましたように、相当な数があって、本当これでいいのと、よくないですけれども。やっぱり、何で前からこういうたくさん何か不祥事が出ているのに改善されないのか、そこがやっぱり私としては疑問だなと、そういうふうに思うんです。  籾井会長は二年前に御就任されましたけれども、そのときから様々な改革をやられているんだろうなと、そういうふうに思いますが、その中で、ガバナンス調査委員会、NHKアイテックに関して調査やりましたよね。しかし、相当この件では時間を費やさせていただきましたが、そもそもそのアイテックに対してはどういう調査をしたのかと。何で、その巨額な横領を六年間もやられていたわけですよね、見付けられなかったかというところについて、会長、ちょっとどこにその原因があったのかといったところを説明できますか。説明をいただけませんか。
  44. 籾井勝人

    参考人籾井勝人君) ガバナンス調査委員会調査は、NHKの子会社十三社や関連団体に対しまして網羅的にあの当時、緊急に行ったわけでございます。子会社につきましては、債権管理や売上げの管理、交際費等の経費の支払などについて適正に行われているかどうかを調査いたしました。NHKアイテックに対しても同じような調査を行ったわけでございます。このときの調査で今回の事案について見抜くまでに至らなかったということは大変残念に思っております。当時の調査で見抜けなかったという点を十分に踏まえつつ、現在行っております調査で根本原因の究明を進めているところであり、しっかりと再発防止につなげていきたいというふうに思っています。  いずれにしましても、今回のNHKアイテックの六年間にわたる不正というものについては、私ども、弁解の余地もない、全く視聴者始め関係者の皆様に申し訳なく思っているわけでございますが、この六年間という長期にわたって見過ごされてきた理由については現在重点的に調査を進めております。  NHKアイテックは、様々な規程類を整備するとともに内部チェックの体制も整備しておりました。しかしながら、実際には、システムのそのプロセスの運用に当たりまして、証憑類をチェックすべき管理者が必要な証憑類を確認しないまま承認行為を繰り返すなど、決められたルールどおりの運用をしていなかったため架空発注を見過ごしてしまったのではないかと考え調査を進めておりますが、対策としまして、支払伝票のチェックや工事の実施確認の徹底などを既に行っておりまして、アイテックに関して言いますと、支払は全て本社で行うという対応まで進めております。
  45. 石上俊雄

    石上俊雄君 今調査中ということで、詳細はこれからしっかり出てくるんだろうなというふうに思います。  アイテックさんはNHKの子会社ですよね。(発言する者あり)よろしくない。アイテックはNHKの子会社ですよね、子会社。子会社というのはやっぱり親元を見ているんじゃないですか。そもそも、さっき、十年目であんなに件数があった、これは何でもできるよと子会社は思うんじゃないですか。だから、もっとNHK自体の体質改善しないと駄目ですよと私は思います。  もう一つは、五千六百万円、先ほどちょっと声がありましたが、昨年お金が掛かりました。これは籾井会長のポケットマネーじゃないですよね、受信料ですよ。受信料で五千六百万円使って、結果的には見逃していましたと。対策もしっかりやれと出てきたのに、全然その間何か動いていないような感じじゃないですか。これ、どこが責任を取るというふうにお考えですか。
  46. 籾井勝人

    参考人籾井勝人君) ガバナンス調査委員会調査が終わった当時は、ほかには不祥事が見付からなかったと考えておりました。率直に申し上げて、そのとおりでございます。実際には今回のアイテックの事案が既に進行していたということであり、誠に本当に申し訳なく、残念に思っております。  ガバナンス調査委員会調査では、関連団体に共通する内部統制上の課題、これは関連団体全部でございますが、各団体固有の内部統制上の不備など構造的な問題について具体的な指摘をいただき改善策を実施してきており、調査委員会調査や提言の成果はあったと考えております。ただ、残念ながら、個々の案件について我々が六年間続いた不祥事について捕捉できなかったことについては非常に残念であり、申し訳なく思っております。  ガバナンス調査委員会は、企業のガバナンス、内部統制が専門の弁護士に依頼している上、関係団体の内部統制の不備や構造的な問題についても具体的な指摘をいただいております。そういう意味におきまして、私はそれなりにガバナンス委員会の報告については非常に有効だったと思っています。現実に、調査の後、我々は個々の企業に対して人員を派遣し、徹底的な調査も行ってきたわけですが、そのときの、もう既に進行していたこの案件については捕捉できなかったことにつきましては、更に改めておわび申し上げたいというふうに思っております。
  47. 石上俊雄

    石上俊雄君 籾井会長、やっぱり信頼を失うのって一瞬なんですけど、取り戻すって大変ってつくづく今感じているんですけど、いや、信頼をどうやって取り戻すかですよね。信頼を取り戻すチャンスってたくさんあったわけですよ、今まで。このアイテックのガバナンス調査委員会の報告もそうですよ。しっかりとこの信頼を取り戻すことをちゃんとやっておけば、やっぱりこういうふうにならなかったんじゃないかなと思うんです。  もうここまで来ましたら、もう信頼がかなり地に落ちていますから、こんな状態で、例年来ますよね、三月、経営方針とか予算審議、入れないですよ。ですから、それまでにしっかりと内容を分析して、どういうふうなことで対策をしていくんだと、こういうふうにやる、だから皆さん分かってくれというふうに国民の皆さんにも示さないと、当然NHKの予算とか経営方針なんて審議できないんですけど、その辺について、籾井会長、お願いします。
  48. 籾井勝人

    参考人籾井勝人君) 今回の件に限らず、やはり不祥事が起こるということはNHKの信頼に対する大変なダメージでございます。我々としては、そういうことが起こらないようにするということが一番大事なことでありますが、こういうふうにして起こっていきますと、なかなかそのとおりそうだとは思っていただけないことは百も承知でありますが、我々としましては、やはり改革を何としてでも実行しなければならないというふうに思っております。これまでの取組の甘さというものを排しまして実行を徹底することが、やはり皆様方の、あるいは視聴者の信頼を回復する唯一の方法ではないかというふうに認識いたしております。  来年度予算審議に向けて、NHKを預かる会長としまして、NHKグループ改革を進め、責任を果たしてまいる所存でございます。グループ経営改革については、私を長とする全局体制を敷き、可及的速やかに以下の三つの柱を推進してまいりたいと思っております。  一つは、まず、NHKあるいは関連企業とのなれ合いを排し、これを廃止して、監査役を原則として常勤化し、外部人材を起用してそこに緊張関係をつくっていくということが一つでございます。  二つ目は、グループ会社、十三社関連企業がございますが、これで重複している機能というものもあるというふうに私は思っております。そういうところを整備して、合理化を図っていきたいというふうに思っているわけでございます。  そして、一番大事なことは、今一番大事なことは、やはりお金が日々出ていきます。そのお金が出ていくところで、この出費、支出をきっちりと伝票でチェックしていくと。つまり、いわゆるさらっとやっていくんではなくて、お役目の照査ではなくて、本当にきっちりとその出金管理をしていきたいと。  先ほども申しましたけれども、アイテックにつきましては既に支払は本社で行うということを取りあえず実行しております。そこで全ての帳票を照らした上で出費を行うと。これによって、お金が横領されるという隙をなくしていきたいと、このように考えております。  いずれにしましても、こういうふうに皆様に御迷惑を掛けてNHKの信頼を大きく損ねたことについて本当に申し訳なく思っておりますが、可及的速やかに私は信頼を回復すべく全力を尽くしてやりたいと思っております。よろしくお願いします。
  49. 石上俊雄

    石上俊雄君 しっかりやってもらいたいと思うんですが、一つ、もう時間もないので簡単にお願いします。このアイテックの全容解明っていつ頃になるんですか、アイテック。これが分からなければ対策も何もなくなるわけですよね。ちょっと、短く、時間がないので。
  50. 今井純

    参考人(今井純君) アイテックの事案でございますが、現在、このような長期にわたって多額の着服がどうして可能だったのかということにつきまして、あるいは長いこと見過ごされた原因が何かということを中心にしまして、NHK本体におきましても緊急調査チームを編成いたしまして、多方面から今調査国税局とも協力をいたしまして実施をしているところでございます。  もう可及的速やかにということで、できるだけ速やかに結論を得たいというふうに考えておりますが、同種の事案がほかにないかというようなことも含めまして、今ここでいつまでというふうにお約束はできませんが、できるだけ可及的速やかに調査を終了したいと、こういうふうに考えております。
  51. 石上俊雄

    石上俊雄君 時間がないので最後にしますが、責めているんじゃないんですよ。要は、NHK……(発言する者あり)ええ、責めているんですけど、NHKにしっかりしてもらいたいんですよ。  要は、平昌オリンピックがあるじゃないですか。リオの次、平昌ですよ。平昌は韓国なんですよ。韓国で、オリンピックで8Kとか4KとかNHKは言っていますけど、もう平昌で出ちゃうわけですよ。ですから、それよりすごいやつを次の二〇二〇年に出さないといけないのに、こんな信頼がなくなっちゃって、ばたばたと、先の議論ができないようじゃ困ります、だからしっかりしなさいということを言っていますので、与党の皆さんも誤解のないようにお願いします。  最後に、籾井会長、決意をお願いします。
  52. 山本博司

    委員長山本博司君) 籾井会長、時間が来ておりますので、簡潔にお願いします。
  53. 籾井勝人

    参考人籾井勝人君) 委員の御指摘、全くごもっともだと思います。我々に課せられた使命はNHKの信頼を一日も早く回復することであり、そのための実践を行ってまいりたいと思います。皆さん、本当によろしくお願いしたいと思います。
  54. 石上俊雄

    石上俊雄君 ありがとうございました。
  55. 横山信一

    横山信一君 公明党の横山信一でございます。  東日本大震災から早くも五年、本年から平成三十二年度までの新たな復興・創生期間にこれから入ってまいります。この震災に対する国の取組については、公明党では、福島再生特措法制定を始め提言や立法提案を通じて、被災者の皆さんの生活再建と被災地の再生、復興を進めてまいりました。この間は特例的な財政支援措置を基本的に継続するとともに、地方負担を一部導入することになっております。この点に関しては被災者や被災自治体が不安を抱くことのないような十分な財源確保が重要であります。  そこで、昨年九月の震災復興特別交付税交付額三千八百六十七億円、平成二十五年三月以来の高水準に達しております。また、昨年までは補正予算によりまして震災復興特別交付税の追加が行われておりましたが、今年度は行われません。事業執行の加速化のために、取組について、昨年に比べて復興の進捗状況はどうなって、どのように改善されているのか、まず伺います。
  56. 長島忠美

    ○副大臣(長島忠美君) 復興庁の方からお答えをさせていただきたいと思いますが、先生には復興に大変御尽力いただいておりますことを冒頭感謝を申し上げさせていただきたいと思います。  東日本大震災から四年十か月が経過をいたしまして、地震・津波被災地域では、これまでの加速化の取組の結果、高台移転、災害公営住宅共に九五%以上で事業が開始をし、水産加工施設の八五%で業務を再開するなど、住まいの再建やなりわいの再生が着実に進展、復興は新たなステージを迎えているというふうに考えております。  平成二十七年度においても、復興の加速化に向けて様々な措置を講じてまいりました。具体的には、町ににぎわいを取り戻すために産業となりわいの再生や被災地のコミュニティー形成の支援など様々な対策を講じるとともに、来年度以降五年間を復興・創生期間として一塊とした復興計画としてお示しをし、五年間に必要な財源として六・五兆円を確保させていただきました。五月には福島復興再生特別措置法の一部改正法が公布、施行をされ、七月には福島十二市町村の将来像を取りまとめ、さらに十二月に、復興の進展に応じて次々と出てくる新たな課題に対応するため、五つの対応策から成る復興・創生期間に向けた新たな課題への対応を取りまとめさせていただいたところでございます。  本年四月からは、いよいよ後期五か年の復興・創生期間が始まります。今般の補正予算平成二十八年度予算においても、住宅再建や復興町づくりの着実な推進など、復旧復興を加速化することとしております。  引き続き、地元の声に丁寧に耳を傾け、町づくりやなりわいの再生、心身のケアなど、きめ細やかな対応を進めてまいりたいと思います。今後とも、被災地の一日も早い復興に向け、全力を尽くしてまいる所存でございます。どうぞよろしくお願いをいたします。
  57. 横山信一

    横山信一君 生活再建にしても、復興期間が長引けば長引くほど多様な様々な課題が生じてまいります。その分、被災者の皆様方には全て満足できるような生活再建のメニューが提供できるとは限らないわけでありまして、そういう意味では、復興というのはやはり被災者の心に寄り添いながら、今副大臣もおっしゃっていただきましたが、丁寧に取り組んでいくことが大事だというふうに思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。  次もまた復興庁にお尋ねをいたしますが、被災四県知事からの要望書及び全国知事会の提言のいずれにおいても震災復興特別交付税による人件費等に関する支援措置の継続が求められております。被災地の多様な行政ニーズに細かく対応するためには、今後とも意欲を持っている自治体職員を確保する必要があります。  復興庁の昨年六月の方針、平成二十八年度以降の復興事業にかかる自治体負担の対象事業及び水準についてというこの方針では、任期付職員及び応援職員への支援については引き続き全額国費で支援するというふうに明記をされているわけでありますが、これは、復興・創生期間五年間、この措置が継続するということの理解でよいのか、確認をさせていただきます。
  58. 長島忠美

    ○副大臣(長島忠美君) 被災自治体におけるマンパワーの確保については、人員の確保だけではなくて専門的知識を有する人材の確保を望む声が多く、引き続き非常に重要な課題であるというふうに認識をしております。  このような状況に鑑み、平成二十七年、先生御指摘のように、六月二十四日の復興推進会議において、平成二十八年度以降五年間の復興・創生期間についても、被災自治体における応援職員や任期付職員の支援について引き続き全額国費で支援する方針を決定したところでございますので、引き続き支援をしてまいりたいと考えております。
  59. 横山信一

    横山信一君 ありがとうございました。  それでは、大臣にお聞きをいたしますが、この件に関して、知事会の提言、これは今申し上げたように人的支援の強化を求めているわけでありますが、被災自治体に対する人的支援の強化のために、国による人員派遣や職員採用の支援等が被災自治体から上がっているわけですが、高市大臣は年明けに、自治体の長宛てに人的支援の確保を図るため協力を依頼する書簡を出しております。  人材確保に関しまして、被災自治体への大臣の決意を伺いたいと思います。
  60. 高市早苗

    国務大臣高市早苗君) 東日本大震災の被災自治体に対しましては、これまで全国の自治体から延べ九万人以上の職員が派遣され、御活躍をいただいております。このような積極的な御協力について、まず心より感謝を申し上げております。  そして、今委員からお話がございましたけれども、二十八年度の人材支援については、被災市町村からの職員派遣の要請数が千五百四十九人となっています。それで、一月六日に私から全国の都道府県知事及び市区町村長に書簡を発出しました。書簡において積極的な人材派遣への御協力をお願いしたんですが、一月八日には、土屋大臣地方団体を訪問して、書簡に基づいて更に対面で依頼を行っております。  今後も被災自治体の御要望を伺いながら、人材支援の確保について努力をしてまいります。  また、復興大臣から答弁もございましたけれども、被災自治体における派遣職員の受入れ経費につきましては、平成二十八年度以降も震災復興特別交付税による措置を講じていくということにいたしております。
  61. 横山信一

    横山信一君 じゃ、最後の質問になりますが、これは内閣府にお伺いしますけれども、今回の補正予算案では、地方創生加速化交付金一千億円が計上されております。内閣地方創生推進室は昨年十二月十八日に地方創生加速化交付金の取扱いについてというものを示しておりまして、その中で同交付金の対象としては事業の仕組みと先駆性という条件を設けられております。市町村にとってはややハードルが高いという声も聞きましたけれども、平成二十六年度補正の地方創生先行型交付金における先駆的事業分では、交付団体の採択件数が約七九%というふうに聞いておりまして、必ずしも採択件数が少ないというわけでもないと、むしろ多いかもしれません。  というところで、地域の取組を情報、人材、財政の三つの側面から支援する地方創生版三本の矢、これに基づいて地方創生加速化交付金の積極活用をどのように進めていくのか、副大臣から伺いたいと思います。
  62. 福岡資麿

    ○副大臣福岡資麿君) お答え申し上げます。  地方創生加速化交付金一千億円につきましては、地域の仕事創生に重点を置きつつ、一億総活躍の実現に向けた緊急対策にも資する効果の高い分野を対象としております。  その上で、御指摘がありましたように、平成二十六年度補正予算に盛り込まれた地方創生先行型交付金、上乗せ交付分でございますが、ここにおける特徴的な取組事例を広く周知をするというようなことを徹底をさせていただいたり、またこの活用を促すために市町村向けにブロック別の説明会を開催をさせていただいたり、さきの先行型交付金に申請をされなかった団体に対しましても個別の相談会等を実施させていただくようにさせていただいているところでございます。  こういった取組を通じて地方創生加速化交付金を積極的に多くの地方公共団体において活用していただけるような環境をつくっていく上で、地方創生の取組のレベルアップの加速化を図っていきたいというふうに考えているところでございます。
  63. 山本博司

    委員長山本博司君) 横山信一君、時間が来ております。
  64. 横山信一

    横山信一君 はい。  以上で終わります。
  65. 倉林明子

    倉林明子君 日本共産党の倉林明子です。  地方交付税法一部改正案及び補正予算に関連して質問したいと思います。  大臣は、今年の年頭所感の中で、地方の再生なくして日本の再生はありません、日本列島の隅々まで活発な地域活動が行き渡り、一人一人が暮らしの中で景気回復を実感できるように、地方創生に取り組んでまいりますと、こう決意を述べておられます。  つまり、景気回復が現状では地方で実感できていないという御認識だと受け止めましたけれども、いかがでしょうか。
  66. 高市早苗

    国務大臣高市早苗君) 我が国の現状を見ますと、アベノミクスの成果は現れておりまして、デフレ脱却まであと一歩というところに来ていると認識はしております。  地方において有効求人倍率、完全失業率、これも大きく改善していますけれども、回復具合が地域によって一様というわけではないと思っております。ここ三年間で有効求人倍率が〇・八二倍から一・二五倍に、完全失業率が四・三%から三・三%にということになりましたけれども、県別に見ますと、例えば有効求人倍率、全国で一・二四倍だった二十七年の十月、宮崎県では一・一一倍、鹿児島県では〇・八七倍といった形で、やっぱり県によって差がございます。完全失業率も同様でございますので、これからやはり持続可能な地域を形作るためには地域の経済構造改革をしっかりと進めて、地方での雇用の創出などによって地域経済の好循環の拡大をしっかりと進めていかなければならない、そう考えております。
  67. 倉林明子

    倉林明子君 なかなか景気良うなっているなんという声は、私は京都ですけどね、余り聞くことはありません。特に、地域によっては良くなっていないところもあるということですけれども、どっちかいうとアベノミクス不況やという厳しい声が上がっているということは紹介したいし、やっぱり厳しいという実態を踏まえた対策を本気で取り組むということがないと私は地方創生へつながっていかないというふうに思います。  そこで、どうすれば地方の景気回復図れるのか、具体策が有効かどうか。総務省それから中小企業庁一緒になりまして、ローカル一万プロジェクトという取組が既に始まっております。私、これについて質問していきたいと思います。  市町村が作る創業支援事業計画、これが作られないと補助金等付いてこないというものなんですけれども、地域密着型の一万の企業を立ち上げようということで中小企業庁と二〇一二年から事業開始というものです。  そこで、中小企業庁にまず確認したいと思います。  総務省の地域経済循環創造事業交付金、この要件となっております創業支援事業計画を認定した自治体の数はどうなっているか。さらに、創業支援事業者、商工会議所、地域金融機関等が指定されておりますけれども、これに対する創業支援事業者補助金、これと創業・第二創業補助金、これらの実績の件数及び金額について、総額をそれぞれお示しいただきたいと思います。
  68. 土井良治

    政府参考人(土井良治君) 私ども、産業競争力強化法に基づきまして、市区町村による創業支援体制の整備を進めております。昨年十月まで第六回の認定まで行っておりまして、ここまでで七百七十一市区町村による計画を認定しております。また、ちょうど先週十三日に第七回目の認定を発表したばかりでございまして、直近ではこれは一千市区町村に広がってきているところでございます。  それから、創業支援事業者補助金についての御質問がございましたけれども、これまでの採択件数の累計は百九十二件、予算額は累計で約十億円でございます。(発言する者あり)
  69. 山本博司

    委員長山本博司君) もう少し大きい声で。
  70. 土井良治

    政府参考人(土井良治君) はい。  創業支援事業者補助金につきましては、これまでの採択件数の累計は百九十二件、予算額の累計は約十億円でございます。  一方で、創業・第二創業補助金につきましては、これまでの採択件数の累計が一万一千八百六十七件、予算額の累計が約二百九十億になっております。
  71. 倉林明子

    倉林明子君 なかなか件数としても一万件超えるということで、まとまって出てきていると思うんですね。  じゃ、今御説明になった創業支援事業計画、この認定状況がどうなっているのかというのを地図で落としたものを資料として提出させていただいております。  全国一千七百四十一の市区町村のうち支援事業計画が認定されました七百七十一市区町村ということで、特徴は、一〇〇%認定割合が出ている県もあれば、一%から二〇%未満ということで、非常にばらつきが多いという特徴が見て取れるかと思うんですね。  そして、二枚目に資料を付けております創業・第二創業促進補助金、これ、直接事業者、新規事業者のところに行くという補助金で、これで創業支援を促していこうというものですけれども、この予算の経緯と採択実績を見てほしいんですが、二十四年度補正から二十七年まで、額は激減、件数も激減、桁違いに減少しているというのが特徴だというふうに思います。  そこで、総務省にも実績を確認したいと思います。  地域経済循環創造事業交付金というのを総務省ではやっていると。じゃ、この実績と件数、金額の総額はどうなっているでしょうか。自治体総数と交付自治体数、いかがでしょうか。
  72. 原田淳志

    政府参考人(原田淳志君) お答えいたします。  地域経済循環創造事業交付金は平成二十四年度に創設されたものでございますけれども、これまでの実績は、事業数二百八十七事業交付金額は九十四億七千万、交付した自治体の数は全国千七百八十八団体中百九十三団体となっているところでございます。
  73. 倉林明子

    倉林明子君 三枚目にその一覧を都道府県別に資料として、交付決定状況、合わせて一覧にして提出してもらった資料です。色を付けております黄色いところが交付件数が一件しかないというところ、片や兵庫県、真ん中辺にオレンジで示しております、三十件ということで、これもすごくばらつきが多いという特徴が出ているんですね。  私、大臣所感で述べられていたように、全ての地域で景気回復実感できるためにということで取り組むことが大事だというふうに思うわけで、こうした現状起こっている地域間格差、これは当然解消されるべきではないかと考えます。いかがでしょう。
  74. 高市早苗

    国務大臣高市早苗君) この地域経済循環創造事業交付金は創業支援事業計画の策定を交付の要件としていますので、地域ごとの認定状況に差があるという現状にあって、交付実績にも地域差が生じています。  今後、まず中小企業庁としっかり連携して、全国の市町村でこの創業支援事業計画の策定をまずは進めていくということが大事だと考えています。その上で、この交付金について更に制度の周知をしっかりと図って、できるだけ多く活用していただいて地域密着型企業を立ち上げていく、そういう思いでおります。
  75. 倉林明子

    倉林明子君 全体に行き渡らせる方向での答弁があったかと思います。  この創業支援事業計画というのは五年間で、本格的なスタートは来年度からというふうに説明を受けております。そこで、本格実施となります今年度の補正、来年度予算案について、それぞれ総務省、中小企業庁、額はどうなっているのか、御説明ください。
  76. 原田淳志

    政府参考人(原田淳志君) お答えいたします。  地域経済循環創造事業交付金につきましては、平成二十七年度補正予算案においては計上しておりませんけれども、平成二十八年度当初予算案におきまして十六億一千万円を計上しているところでございます。
  77. 土井良治

    政府参考人(土井良治君) 創業支援者補助金、創業・第二創業補助金につきましては、平成二十八年度予算案におきましてそれぞれ約三億円及び約四億円を計上しているところでございます。
  78. 倉林明子

    倉林明子君 これ、先ほどもやり取りさせていただきましたけれども、総務省の方で見ると補正はゼロだと、来年度は十六・一億円だと、じゃ、これまでどうだったのかと。これまで助走期間と言っていいのかと思いますけれども、これまでは総計すれば九十四億七千万円と、先ほどあったとおりです。私、本格スタートにふさわしいとは到底言えないなと思うんですね。  さらに、中小企業庁、こちらはこの創業事業支援計画が立たないとこれ補助付かない、交付もされないということの立て付けになっておりますので、今説明ありましたところを見ますと補正はゼロだと、来年度も桁違いにこれ額が小さくなっているんじゃないでしょうか。私、本気度が問われるんだというふうに思っているわけです。  現在策定されている計画、事業計画がございますが、これ合計すると年間二万五千件の創業が見込めるというふうに中小企業庁は言いました。しかし、これ担保するのはしっかりした予算の裏付けだと思うわけです。私、こういう事業計画を立てて創業支援をしていこう、本気でやろうと思ったら、この裏付けをしっかり付けていく、ここが求められるんだということを重ねて申し上げたいと思います。  今の話は創業の支援なんですね。新しく企業をどうやって起こしていくか。しかし、一方、中小企業・小規模事業者の休廃業、これは大変急増しております。資料の四枚目にピーク時からの減少状況を、これ中小企業庁が作成したものを付けております。  全企業数が減少しているんですけれども、そのうちの減少、最も大きいのが小規模事業者であるということがこれ一目瞭然かと思います。ピーク時一九八六年に四百七十七万者が、二〇一二年には三百三十四万者になっていると。年間五万五千者が減少しているわけです。この年間の減少比率が直近三年で見ると年間十一万者という加速状況にあるわけです。  私、年間、予算措置もしっかりとれば、二万五千の新たな創業に成功するということ考えられると思うんですけれども、二万五千件、年間、事業者が誕生しても、一方で十一万の中小企業が、小規模事業が減少していくと、こういう状況が今の地方の経済や地域の疲弊というものを引き起こしているんじゃないかと思うわけです。  中小企業・小規模事業者は地域経済の担い手だ、これは言うまでもありません。それだけにとどまらず、自治会、民生委員消防団、PTA、さらには地域社会、本当に地べたで支えていただいている大切な担い手となっております。まさに地域経済に欠かせない、地域に欠かせない存在であります。こうした減少に今歯止めが掛からない、これが本当に喫緊で解決していく問題ではないかと思うわけです。  私、ここが歯止め掛かってこそ景気回復の実感というのが地域の隅々でも見えてくるんじゃないかと思うんですけれども、大臣の認識はいかがでしょうか。
  79. 高市早苗

    国務大臣高市早苗君) 認識は同じだということでございます。中小企業、小規模企業というのは地域経済の担い手であります。非常に重要な存在であると認識しています。  現在、休廃業の企業数が長期的に増加傾向にある中で、やはりこの地域経済の好循環を拡大するためには、中小企業の起業、創業、これを更に増加させて、開業率が廃業率を上回る状態を持続させるということが重要であります。具体的にはローカル一万プロジェクト、しっかりと手堅く進めていって、地域密着型の企業の立ち上げを応援してまいりたいと考えます。
  80. 倉林明子

    倉林明子君 私、今、中小企業・小規模事業者が本当にしんどなってきているんですね。円安が原材料高を招きました。消費税の増税が利益率を圧迫しております。消費税の負担が丸々八%分……
  81. 山本博司

    委員長山本博司君) 時間が来ておりますので、まとめていただければと思います。
  82. 倉林明子

    倉林明子君 はい。  納税時期も迫っておりまして、売掛金の差押えというような状況で廃業を考えざるを得ない、事業停止せざるを得ないという相談が私のところにも来ています。こういう事態になっている下で更に一〇%の増税などとんでもないと。しっかり地域経済を進める、地域支える観点からも、中止、撤回の立場に転換すべきだと求めて、終わります。
  83. 寺田典城

    寺田典城君 維新・元気の会の寺田典城でございます。よろしくお願いします。  今日お聞きしたいのは、地方財政審議会というのがあります。調べてみたら一九五二年に発足しているようなんですが、それの、何というんですか、これからの在り方について、総務大臣の見解をお聞きしたいと思います。  国は一千兆円も借金あるし、地方では二百兆円もあるし、それから、あれですか、臨時財政対策債とそれから交付税特会を合わせると八十兆、九十兆円ぐらいになるんですか、そういう状況の中で、今までどおりでいいのか含めて、ひとつお答えください。
  84. 高市早苗

    国務大臣高市早苗君) 地方財政審議会は総務省設置法に基づいて設置されて、法律で定める地方財政に関する重要事項について審議していただいています。これに加えて、毎年度総務省設置法の規定に基づいて、骨太の方針の決定や地方財政対策の決定などの時期において地方財政制度に関する意見を述べていただいています。この審議会設置の趣旨が、地方財政制度に係る国の意思決定は地方団体財政運営地方団体間の利害に直接影響するものであることから、地方自治に関し深い識見を有する委員によって公平公正な立場から十分に審議を行うということにございます。  今後、今も毎年貴重な御意見をいただいているんですけれども、今後もやはり地方財政制度の将来像ですとか改革の方向性についてしっかりと御審議をいただいて、御意見を賜りたいということを期待いたしております。
  85. 寺田典城

    寺田典城君 地方財政に対する適切な意見を言ってくれるとか貴重な意見だとかと言っているんですが、現実問題として、このままの状況で進めていっていいのかと思うんですよ。生産人口が毎年百万人以上減っているんですよ。ということは、昔は、生まれたときは、団塊の世代の方、時代は二百五十万とか二百七十万生まれておって、六十五歳ですとか四歳で、今は生まれる方は百万人ちょっとでしょう、そうすると差が開く。  それで、このままこのとおりやっていくという形でこれはやっていけないと思うんですよ。果たして役に立っているのかと。私は、将来委員会みたいなものをつくって、もっと適切に地方なり地方財政なり税財政のことをしっかりとできるようなシステムにしたらいいんだろうと思うんですよ。それを、一九五二年って六十数年ですよ、同じような形でやっていっていいですかということをもう一回聞きたいです。
  86. 高市早苗

    国務大臣高市早苗君) 近年、骨太の方針の策定、税制改正地方財政対策という政府としての方針を決定する場合に、地方財政審議会の委員の方々には、地方団体の実情を承知して、深い学識経験を有しておられるという立場から熱心に御議論いただいておりまして、御意見を賜っております。実際に、官邸で経済財政諮問会議などでかなり激しい議論を閣僚同士また民間委員と闘わせるような場合にも、この審議会からいただいた様々な御提言、答申というものを参考にしながら私も理論構築をさせていただいております。  しっかりと現在でも中長期的な観点から、この地方財政の制度のあるべき姿ですとか現実の地方財政運営観点も含めた上で御審議をいただき、また御意見をいただいております。
  87. 寺田典城

    寺田典城君 財務省では財政制度審議会で数十人のメンバーがおるんですけど、今、地方財政審議会はそれこそ地方から三人ですか、それからそのほかに二人で、五人で常勤だということになっているんですね。私はどうも何かの、総務省のためのとか地方のためのアリバイづくりというか、そういう感じするんですよ。  だから、もう少し、物を変えていこうという形になるんだったら、大臣、私七十五歳、今度は六歳になりました。今まで茶わんで御飯二杯とか三杯食べられたものが、だんだん二杯とか一杯になってくるんですよ。お米の消費量というのは年間八万トンも消費が減っているんですよ。そうすると、八万トンずつ減ったら、十年したら八十万トン減っちゃうでしょう。こういう社会なんですよ。そういう社会にマッチしたような審議会であるかということをもう少し役所の皆さんも考えてみるべきだと思うんですよ。  私は地方行政もやってきたんですが、まず変えないことをよしとする総務省では地方は駄目になりますよ。そこ辺り、誰か答えてください。
  88. 安田充

    政府参考人安田充君) お答えいたします。  先ほど、生産年齢人口が大きく減るというようなお話、それから、ただいま米の消費なども減ってくると、こういうお話ございましたけれども、日本の姿が大きく変わりつつあるというのはそのとおりだと思いますし、それに応じて地方財政の在り方というのもこれは考えていかなければならないというのも御指摘のとおりでございます。  私どもといたしましても、これから人口減少社会におきまして、公共施設、今まで造ってきたものの更新時期を迎えてこれをどうしていくのかということは大きな課題になっていくだろうと、あるいは公営企業というものの在り方というものも人口減少の中でどういう形になっていくのかというのを考えていかなくちゃならないだろうと、こういう地方財政においてもそういう御指摘のございました社会の変化に対応することを考えていかなければならないと、このように考えている次第でございます。  こういう点も含めまして、地方財政審議会の委員の方々、御議論の中では様々な御意見をいただいているところでございまして、こうしたものも参考とさせていただきながら今後の地方財政の在り方を考えていきたいというふうに考えている次第でございます。
  89. 寺田典城

    寺田典城君 いや、地方財政からいけば、私は、レス・イズ・モアって、物を持たないことがより豊かだということで、地方債の減損をするためのことも要望したこともあって、いろいろやっているんですけど、今、このとおり、一千兆円も借金して日本の国がいつ破産するんだか分からないような状況の中でのうのうと地方財政審議会やっているわけにはいかないと思うんですよ。だから、そういう点ではもう少し考え方とか変えたらいかがですかということなんです。  それと、地方財政審議会の報酬のことなんですが、これは、別に千七百六十万年額ということでいいか、高いのか安いのか、私はそれは、まあ給与法で決めていることなんでしょうけれども、それの在り方の問題で、開示しているのが、月額九十一万二千円、年額千七百六十二万円と。そうすると、十九か月とちょっと分みたいな感じ。だから、普通の人見たら分からないですよ、これは。地域手当だとか住居手当だとか何々手当だとかって役人流でつくっている手当なんでしょうけれども、その辺は少しもっと開示を分かりやすくした方がいいんじゃないかなと思います。それだけは言っておきたいと思います。  次に移りたいと思いますが、非正規雇用が四割、こう言って、ああ、NHK聞かなきゃならぬから、時間、十九分だ、あとないから。ああ、ちょっとこっちの方は次にやります。済みません。  NHKさんにせっかく来ていただいているんでお願いしたいんですが、私、籾井会長のコンプライアンスの意識とガバナンス、それから、周りにアップルポリッシャーというか、ごますりだけを置いているように見えるんです。  その辺について、NHKの浜田経営委員長、それから上田監査委員、それから籾井会長にお聞きしたいと思うんですが、例えば、先ほど石上さんからいろんな問題点指摘されました。タクシーチケットの私的利用だとか工事の架空発注だとかいろいろありますが、そういうのは背任、横領で刑事裁判とか懲戒処分になるわけなんですが、もう一つ心配なのは、何というんですか、コンプライアンスの問題なんですね。必ずしも刑法に触れるようなものではないかもしれないが、それと同じかそれ以上の重要な課題なんです、コンプライアンスというのは、会社を大きく経営していく中では。  この間ちょっと記事にあったんですけれども、子会社に三百五十億円の土地購入計画を立てさせたと、籾井会長以下理事会としては計画を承認をしたが、十二月八日の経営委員会で反対され、結果として購入を取りやめたということになっているんです。私はそのように聞いているんです。  理事会の記録も見てみました。見る限り、その子会社による土地購入に誰も異論を唱えていなかったです。だから、それは籾井会長のごますりだけ集めているという、よく聞こえてくるんですよ、そばの人方はみんな、NHKの若い人方が、中間管理職の人方が、NHKはもうごますりの集まりになっちゃったよと、こう言うんですよ。職員がそういうことを言うような状況であるということを籾井会長はどう認識しているか。あと浜田経営委員長、上田監査委員の意見も聞きたいと思います。あと、十九分までです。
  90. 浜田健一郎

    参考人浜田健一郎君) まず、理事会は真摯な意見交換が行われるべき場であるというふうに認識しておりますし、現実そういう意見交換が行われているというふうに思っております。  経営委員会といたしましては、今回の様々な事案に対しまして、執行部に対して、NHKのグループ経営を早急にゼロベースで見直し、改革を進めること、そして可及的速やかに改革の道筋を示すことを求めております。これについても真摯に取り組んでいただきたいというふうに考えております。  経営委員会といたしましては、役員の職務の執行を監督する機関として執行部の今後の取組を注視してまいりたいというふうに思っております。
  91. 上田良一

    参考人(上田良一君) 監査委員といたしましては、放送法で定められております役員の職務の執行を監査するという立場で今後も真摯に対応していきたいというふうに考えております。  今回、関連団体社員による長期間にわたる不正行為やNHK職員による不祥事が相次いで明らかになったことは甚だ遺憾でありますけれども、協会による関連団体に対するこれまで指導監督がどうだったのか、職員に対するコンプライアンス徹底の取組で何が欠けていたのかを明らかにして、執行部が一丸となって再発防止に取り組むことが重要だと考えておりまして、協会の役員の職務の執行を監査するという立場から、執行部による徹底的な調査再発防止策の策定の取組を注視し、その結果を踏まえ、必要な対応を取っていきたいというふうに考えております。
  92. 籾井勝人

    参考人籾井勝人君) 今回のNHKアイテックの問題については、皆様方に本当に御迷惑をお掛けして、誠に申し訳なく思っております。私、会長としましても、従来のように言葉だけで済んでしまうようなことにならないように徹底して私は対応をしていきたいというふうに思っております。  先ほども説明しましたけれども、なれ合いの排除のための監査役を原則として常駐化、常勤化し、外部人材の起用を順次実施してまいります。それから、コンプライアンスの再徹底、これにつきましては、具体的にはやはり支払伝票における書類を徹底的に完遂すると、つまり、例えば工事が完成したとか、そういうものの写真とか、従来の決まったことを実行していくというふうに考えております。不退転の気持ちでやる所存でございます。
  93. 寺田典城

    寺田典城君 不退転の決意で仕事をするって、こういうことが起きてくるんですね。ということは、本当にNHKで、何というんですか、その土地が必要だったら……
  94. 山本博司

    委員長山本博司君) 時間が来ておりますので、まとめていただければと思います。
  95. 寺田典城

    寺田典城君 必要だったら、経営委員会の議決を経て買えばいいんですよ。それをその子会社に買わせるなんという、それがコンプライアンスもおかしいという、あなたは変なガバナンスをしていると、そういうことを言っているんですよ。  時間参りましたので、あとはやめます。以上です。
  96. 片山虎之助

    片山虎之助君 それでは、限られた時間ですが、順次質問いたします。  今、寺田先生の質問聞いておりまして、やっぱり地方財政審議会の在り方、考えた方がいいね。  あれは何でできたかというと、関係の人は御存じでしょうけど、昔、内務省という役所が戦前あった。GHQに潰されるんですよ。それで、もう地方のことはほっておけばいいというので、総理府に自治課一課になるんですよ。しかし、財政は物すごく大きいから、だからどこかでやらなきゃいかぬというので、地方財政委員会というのをつくるんですよ。それに事務局をつくるんですよね。  それが何年かたって、地方自治庁になり、自治庁になり、自治省になっていくんだけれども、そこで、大臣じゃなくて委員会がやったんですよ。地方財政委員会交付税の問題から、交付税、名前は違いますよ、平衡交付金というんだけど、それはもう権限があったんですよ。大臣と同じなんです。行政委員会なんです。それがずうっといって、役所がやり出して、大臣がやり出したから、地方財政審議会になった。  今の地方財政審議会は、あれは役所の応援団だわね。役所が言うことを権威付けるというような感じなんで、あそこでやっぱりこれからの地方財政制度の本当の議論をやって提言するというのは必要ですね。そのためには権威を持たせないかぬ。役所と同じことを言っちゃ駄目なんですよ。  大臣、どうですか。全くこれは通告も何にもしていない話で、どうぞ。
  97. 高市早苗

    国務大臣高市早苗君) 実際、去年十二月に、これからの地方財政の在り方を考える、まさに官邸で経済財政諮問会議でかなり激しい闘いがあったときにも、相当未来志向で、今までの総務省だったらちょっとなかなかうんとは言わなかったような、地方財政の健全化とともに成長も促していく、それから公共事業などにつきましても、特に老朽化インフラ対策などにつきましても見える化をしながら効率的にやっていくといった方向性について、しっかりと忌憚のない御意見をいただきました。  そしてまた、役所には政務三役、大臣、副大臣、政務官おりますので、また官僚にはちょっと目に付きにくい点についても私たちは積極的に発言をしているつもりです。また、この総務委員会におきまして、今も片山元大臣から歴史についても教わりましたけれども、様々な御意見をいただき、取り込ませていただいているつもりでございます。
  98. 片山虎之助

    片山虎之助君 それで、今日の地方交付税法一部改正に行きますけど、我が党は賛成です。予算には反対したんだけど、地方交付税法案には賛成いたしますが、この平成二十六年度決算分は去年の補正で増額していないかな。局長、どうですか。
  99. 安田充

    政府参考人安田充君) 昨年も増額いたしておりまして、同じような形で補正交付税法を出しておりますが、その後の決算において更に増額されたということでございます。
  100. 片山虎之助

    片山虎之助君 いや、このところ、アベノミクスか何か知らぬけれども、景気が割にいいから、企業収益が上がっているから、二回やるんですよ。補正で税収を、上振れというのかな、上振れしたものを組んだときに出てくるのよ。二十七年度がそうでしょう。それがまた決算で出てくるのよ。  しかし、交付税というのは本来、国税の形を変えた地方税なんだから、それは本来、その年度で分けるべきなんですよ。それを今の制度がややこしい特交か何かみたいなことをしているから、そんなものを特交で分けるというのはどうにもならないわね。そして、結局は特別法をつくって送るんですよ。  考えてみてください。年度初めにはお金が足りない、交付税が足りないって大騒動でしょう、折半をやったり、臨財債をやったり。年度末には金を送るんだから、余って。どう思う。これは、誰っていえば、まあ財政局長かな。
  101. 安田充

    政府参考人安田充君) 御指摘のように、近年におきましては、同じような形で、補正予算が出されるときに補正交付税法というのを出させていただきまして、それを翌年度に送っているというのは事実でございます。  これはやはり近年、地方財政において巨額の財源不足が継続的に生じているということがございまして、これを翌年度財源として活用させていただいて、交付税の確保でございますとか臨時財政対策債の縮減というものに充てるということでございまして、毎年やはりかなりの財源不足が生じていることから、やむを得ない措置ではないかというふうに考えているところでございます。
  102. 片山虎之助

    片山虎之助君 いや、話逆なのよ。分けちゃうんでしょう、その年度に、地方自治体に。それは、地方自治体が送る必要があったら、基金にするなり繰越しするなりいろんな形で送るんです。それが地方財政の自主性なんですよ。あなた方が法律でやってばっと送ったり足りないものを埋めたりするというのは、やや違和感があるね。まあ今まではそういうことでやってきたんだけどね。どう思いますか。
  103. 安田充

    政府参考人安田充君) 翌年度以降、やはり、例えば今年でございますと二十八年度地方財政対策というものを講じなければいけないわけでございますが、翌年度、二十八年の地方財政対策、地方財政計画を作るに当たりましても交付税の法定率分では足りないわけでございます。これをどうやって埋めているかというと、臨財債の発行でございますとか臨時財政対策加算という形での国、地方折半、最終的にそういう形で埋めているわけでございまして、これが巨額の財源不足がある以上、やはり使える財源につきましては使わせていただかないと、なかなか来年度、二十八年度、翌年度地方財政対策が組めないという、それが現状だというふうに考えてございます。
  104. 片山虎之助

    片山虎之助君 余り手取り足取りはもうやめないと、そうでないと育たない、地方が。財政も任せておけばいいということになる。  ところで、今、臨財債が、どのくらい借金残っている、臨財債、折半ルール、それぞれ言ってください。
  105. 安田充

    政府参考人安田充君) 二十八年度の地財での折半ルール対象でございますが、約〇・五兆、折半対象は〇・五でございまして……(発言する者あり)
  106. 山本博司

    委員長山本博司君) じゃ、速記を止めてください。    〔速記中止〕
  107. 山本博司

    委員長山本博司君) 速記を起こしてください。
  108. 安田充

    政府参考人安田充君) 失礼いたしました。  折半対象の財源不足が〇・五兆でございまして、その半分が折半対象分の臨財債でございます。臨財債総額といたしましては、二十八年度見込んでおりますのが三・八兆でございます。
  109. 片山虎之助

    片山虎之助君 そんな少ないの。累積を言っているんだよ。いや、そんな小さくないよ、あなた。全然違う。
  110. 安田充

    政府参考人安田充君) 累積では五十二兆ほどでございます。
  111. 片山虎之助

    片山虎之助君 それで、私は、国の場合も同じなんだけれども、こういう、言わば自然増収ですよ、企業収益がわっと上がって法人税、所得税が上がるんだから。それをそういうことに繰り上げて返すという発想はないんですか。国も同じだけど、地方もないの。  しかし、あなた方は臨財債は将来の交付税だと、交付税が形を変えた借金だといううまいことを言って、地方はみんな信じているわね。あれは借金ですよ。あなた方の口約束を補填しているだけなんで。そこのところを、そういうことはないの、一定の額を超えたらこれはその累積の債務に充てるとか、そういうことを地方財政審議会でやるべきなんですよ。どう。
  112. 安田充

    政府参考人安田充君) 地方財政の健全化には二十八年度の当初の地財でも取り組んでいるところでございまして、例えば交付税特会での借入れ、昔のルールでございますけれども、これにつきましては予定どおり四千億円返すということにいたしております。それから、今年度の補正交付税、来年度に送ることによりまして、これで全体として臨時財政対策債の発行を抑制するということができたというふうに思っておりますし、交付税の総額についてもある程度の額を確保することができたと、このように考えている次第でございます。
  113. 片山虎之助

    片山虎之助君 ちょっとほかの省を呼んでいるのを忘れておったんで、その問題はまた引き続いてやりましょう。  それで、法人実効税率を二〇%台にしましたよね。私はいいことだと思うんです。しかも、その財源の主力財源は外形標準課税の拡大なんで、これも私が大臣のときに始めて、だんだん格好付いてきたのは私いいと思うんで、これもまた質問するんだけど、もう時間がないから、法人実効税率で大企業を中心に優遇してそれが全部内部留保に行っているという大議論があるわね、好循環の原資となる賃金や設備投資に回らないという。これは皆さんの責任とは言わぬけれども、関係のところの指導力が弱いのか、ちゃんとやっていないのか。どういうことですか。
  114. 高鳥修一

    ○副大臣(高鳥修一君) 片山委員にお答えをさせていただきます。  まずは、御指摘のとおりだと思います。  経済の好循環が力強く回るようにするためには、企業には過去最高の収益を背景に三巡目のしっかりとした賃上げや投資の拡大などに取り組んでいただくことが重要でございます。  政府といたしましては、未来投資に向けた官民対話などの場で企業の積極的な取組を要請してきたところでございます。これに応えていただきまして、産業界からは昨年、政府による政策対応を前提といたしまして、二〇一八年度に設備投資は八十兆円程度にまで拡大との意欲的な見通しが示されたほか、この春の賃上げにつきましては、名目三%成長への道筋も視野に、収益が拡大をした企業に対しまして前年を上回る賃上げを期待し、前向きな検討を呼びかけるとの積極的な方針をお示しいただいたところでございます。  政府といたしましては、中小企業の設備投資を促進するための税制上の措置を講じるほか、官民対話の場で提起されました課題に総理の御指示に基づきまして対応することにより、企業の積極果敢な投資を後押ししてまいりたいと考えております。
  115. 片山虎之助

    片山虎之助君 何か法人実効税率を下げるよりも、個別の政策減税、投資減税というんですか、そっちの方がはるかに効果があるという意見があるんですけど、どうですか。これ、皆さん、聞いている。それ、企業の方は賃金をどうするかは自分らの権限だと言っているんですよ。そこまで政府が言うのは行き過ぎだと言っていますよ、陰で、私が聞くと。表向きはへえと言っているわね、怖いから。だけど、聞かなきゃ一緒なんだから。いかがですか。
  116. 高鳥修一

    ○副大臣(高鳥修一君) 先生の御指摘は確かに私としてはごもっともであると思える部分もございます。ちょっと、立場上ちょっと明確に答弁はなかなかしづらいのでございますが、御指摘を踏まえて御意見もしっかりお受け止めさせていただきたいと思います。
  117. 片山虎之助

    片山虎之助君 経産省の方はどう。
  118. 鈴木淳司

    ○副大臣(鈴木淳司君) 政策減税が有効なことはよく分かりますけれども、片方で、やはり法人実効税率全体を下げる中で海外からの投資をまた呼び戻すという効果もありますし、様々な観点から検討が必要だと思います。
  119. 片山虎之助

    片山虎之助君 もう一回答弁、ゆっくり大きい声で。
  120. 山本博司

    委員長山本博司君) もう一回ゆっくりお願いしたいと思います。鈴木副大臣
  121. 鈴木淳司

    ○副大臣(鈴木淳司君) 政策減税が有効なことはよく分かりますけれども、片方では、いわゆる法人実効税率引下げそのものが海外からのまたいわゆる投資の回帰も含めて効果がありますので、様々な観点からの検討が必要だと思います。
  122. 片山虎之助

    片山虎之助君 だから、もっと実効あることを、強制はできませんよ、もちろん、強制はできないけれども、何か私は考えるべきじゃないかと。どんどんどんどん内部留保が、内部留保で税金取れといって、何とかフランスの学者じゃないけど、そういうことになるかもしれませんよ。だから、そこはもう少しその両方が連携をしながら厳しくやらないと。  それから、財源は外形標準課税を拡大してくださいよ。私は、一億円の上と下でがらっと変わるなんておかしいと思う、税制で。八分の五やるんでしょう、一億円以上は。一億円未満は何にもないなんというのはおかしいんですよ。それは地方自治体からサービス受けているんだから。しかも、それはいろんな減税というのか、あるいは損金算入になるんだから、赤字だからということはもちろんあるんだけれども。それについては経産省がもっと私は前向き、積極的になれば拡大できると思いますよ。どう、経産省。ゆっくり大きい声で。
  123. 鈴木淳司

    ○副大臣(鈴木淳司君) まず、内部留保そのものが積み上がっているという御議論がありますが、これはある面では、例えば海外への投資に振り向けられていたり、あるいは手元で自由に活用できる資金ということではなくて株式の保有であったり、そうした形でありまして、これまた次の投資にも向かうわけでありますから、内部留保そのものが積み上がっているという議論、つまり、ではないかというふうに思います。
  124. 山本博司

    委員長山本博司君) 時間が来ておりますので。片山虎之助君、時間が来ておりますので、簡潔にお願いします。
  125. 片山虎之助

    片山虎之助君 もう言うこと分からぬから、また引き続きやるから、あなた、準備してきなさい、この次は。また質問します。  終わります。
  126. 又市征治

    ○又市征治君 社民党の又市です。  交付税問題については、石上委員あるいは片山委員と認識をほぼ共有するわけでありますが、補正予算案はばらまき問題があってこれは反対をいたしますが、この交付税問題はまあやむを得ぬかなと、こういう立場で賛成をすることをまず冒頭申し上げておきます。  今回の補正で、地方交付税法、法定率分が一兆三千百十三億円増額をされて、調整分を除いた一兆二千六百四十四億円が来年度地方交付税に加算して交付するということが改正内容ですね。  昨年も伺ったわけですが、地方交付税法の第六条三の第一項の規定にもかかわらず、なぜ増加分が今年度分特別交付税として交付されることはなくて翌年に繰り越されるのか。この繰越しは、今年も実施されれば六年連続、こういうことになるわけですね。来年度地方交付税財源対策として、本来地方財源である今年度地方交付税が使われるというのはそもそもおかしい、こう言わざるを得ぬわけであって、政府の責任において来年度地方交付税対策はやるべきなんですよね。  ここのところをもう一遍、基本的な認識を大臣に問いたいと思います。
  127. 高市早苗

    国務大臣高市早苗君) 本則と違う形になるわけでございますけれども、二十八年度においても巨額の財源不足が生じることが見込まれましたので、地方団体からも平成二十八年度地方一般財源総額地方交付税総額確保の強い御要望をいただいておりました。このため、二十七年度における普通交付税調整減額分を追加交付した残余の額について二十八年度に繰り越し、交付税総額の確保及び臨時財政対策債の抑制に活用することとしました。  今回の繰越しの措置を含めました二十八年度地方財政対策については、地方団体からも、景気の回復により地方税が増収となっている中で、地方交付税の減少を〇・一兆円減と最小限にとどめ、ほぼ前年度並みの十六・七兆円を確保したことを評価するという声明もいただいており、今回の繰越しの措置につきましても地方の御理解をいただいているものと考えております。
  128. 又市征治

    ○又市征治君 私が問題にしているのは、来年度地方交付税財源が不足しているからといって、国が勝手に地方の共有財源交付税というのはそういうことでしょう、地方の共有財源をやりくりするというのはおかしいじゃないか。今年の特別交付税分が国の一存で来年度に回すというのでは、実質的に地方財源が削減されるのと同じだと、こういうことの理屈になるわけですよ。何か当然のことであるように言われるのは大変おかしいということを申し上げなきゃならぬ。  先ほども言いましたけれども、来年度地方交付税への繰越しは、今年やるとすれば六年連続になるわけですね。そんなに続けるのならば、この地方交付税法の六条の三の第一項を改正するなり、他のルールを定めるべきではないのかと。  じゃ、なぜこの第一項をそのまま残しておるのかということを、この理由をお聞きをします。
  129. 高市早苗

    国務大臣高市早苗君) 第六条の三第一項の規定でございますけれども、これは、交付税総額とその所要額との差が引き続き著しく大きくなった場合に同条第二項の制度改正又は率の変更を行うこととし、その他の場合はその年度で完結することを原則としたものでございます。  しかしながら、近年は地方財政において巨額の財源不足が継続する状況となっておりますことから、翌年度地方交付税財源として活用するために繰り越すことを基本としており、そのために必要な法律改正を行ってきています。  国税増収に伴う地方交付税増収が生じた場合の対応につきましては、財源不足の状況、国の経済対策、災害対応の必要性など、その時点における地方財政の状況を踏まえ、翌年度への繰越し、特別会計の償還や経済対策が講じられた場合の地方負担に充当することなど、その時点において適切と考えられる措置を法律改正することによって講じることが適当であると考えています。
  130. 又市征治

    ○又市征治君 いや、だから、何でこの六条の三の第一項のものを改正なり文言を変えるなり、そういう努力をしないのかということを私は聞いているわけですよ。法の規定と異なる翌年繰越しというのは、何か当然のようにおっしゃって、こういう交付税法の、ここで改正案を示せばそれでいいんだというのはおかしいんじゃないのか、何らか改正のことを考えるべきじゃないのかと、こう申し上げているわけです。それは長くやってもしようがありませんから、次に移ります。  復興事業の進捗状況の問題について伺います。  長島さん来ていただきましたから、お伺いをしたいと思いますが。今回の補正で、震災復興特別交付税のうち二〇一四年に交付されなかった一千四百八十三億円が、今年度地方交付税総額から不用額として減額をされましたですね。これは特会法上、交付税特会の歳出予算における支出残額の翌々年への繰越しが認められないということからだと思いますが、このような減額措置は、平成二十五年度以来、三年連続で続いていることでもあります。  昨年もお尋ねをしたんですが、当時、小泉大臣政務官は、地元との調整を加速化をする、手続を簡素化する等々の措置をとって対応している、こういうふうに答弁をされたわけですが、あれから一年、復興事業の進捗状況はどのように変化したのか、していないのか、そして現状でのこの遅れの理由、それに対する今後の対処方針についてお伺いをしておきたいと思います。
  131. 長島忠美

    ○副大臣(長島忠美君) お答えをさせていただきます。  復興関連予算については、平成二十三年度から平成二十六年度までの累計で執行率は約八割となっております。一方、繰越額は約一・五兆円、不用額は約三・九兆円となっております。先生御指摘のように、繰越額不用額は、町づくりや除染等について地元との調整に時間を要したこと等により生じたものと認識をしております。  こうした状況を踏まえて、復興庁としては、例えば、住宅再建、復興町づくりについては、事業の隘路となる課題に対して、用地取得手続の迅速化、被災自治体への職員派遣、資材、人材確保への対応等、累次にわたる加速化策を打ち出してきたところでございます。こうした取組により、高台移転、災害公営住宅共に九五%で事業が開始するなど、復旧復興事業に関わる仕事は全体として着実に進めさせていただいていると認識をしているところでございます。  引き続き、被災地における課題にきめ細かく対応することによって復興関連予算の円滑な執行に努めてまいりたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。
  132. 又市征治

    ○又市征治君 集中復興期間も間もなく終了するということでありまして、その意味で、新たな課題も出てくるんだろうと思います。特に福島原発事故の影響はいまだに大きいものがあるわけでありまして、事業は進んでいると言っていては被災者に寄り添うことにはならぬわけでありまして、事業の進捗状況と同時に被災者の要望に十分応える、このことを考えていっていただきたい、このことを求めておきたいと思うんです。  そこで、答弁で説明された種々の理由で工事が遅延しているということなんですけれども、工事自体が取りやめになったわけではありませんから、当然、時期が来れば必要になる予算ということになります。今回、規定によって不用額として減額されたわけでありますけれども、今後必要になったら復活をする、このことは間違いないですね。
  133. 安田充

    政府参考人安田充君) お答えいたします。  事業進捗状況等によりまして翌々年度以降に震災復興特別交付税が必要となる場合には、被災団体復旧復興事業に影響を及ぼすことのないよう改めて必要額予算に計上することとしておりまして、今後とも被災団体財政運営支障が生じないように取り組んでまいりたいと考えております。
  134. 又市征治

    ○又市征治君 仮に予算化するにしても、これは前から言われていることですが、国に要求する際に、また膨大な事務量が自治体に課せられてはこれはたまらぬという大きな声が出ていて、ここらのところはもう改善をされてきたと思うんですが、是非、その点の自治体に対する手続の簡素化含めて、ここの関係各省の対応、これをしっかりやるように求めておきたいと思います。  最後の質問になりますが、地方公務員の給与改定問題について伺っておきたいと思います。  昨年八月六日に人事院は月例給、一時金共に二年連続で引き上げる勧告を行いました。通常では、速やかに給与関係閣僚会議が開催されて閣議決定が行われて、臨時国会に給与法改正提案される、ずっと長い間そういうふうにされてまいりました。しかし、昨年度は、憲法の規定に基づき野党が臨時国会の開催を求めたにもかかわらず、臨時国会の開催をしない、こういう異例の中で、人事院勧告の実施が年をまたぐ、こういうことになってしまいました。これ自体、公務員の労働基本権が奪われていることに対する代償措置としての人事院勧告軽視、こういうふうに言われてもやむを得ない、こういうことではないかと、こう思うんですが。  国の動向を見極めながら、自治体労使は人事院勧告を踏まえて給与改定について協議を進め、そして政府が十二月四日の閣議で人事院勧告の完全実施を決定をしたということもあったから、そういう意味では、各自治体労使の中でもこの給与改定について条例化を図る、こういう努力がされる動きにあったんですが、総務省は事もあろうに、十二月四日、副大臣通知を出して、地方公共団体における職員の給与改定の実施は、国における給与法の改正の措置を待って行うべきであり、国に先行して行うことのないようにすること、こういうふうに述べているわけですが、一体どこにそのような法律規定があるのか。少なくとも、自治体がそれなりきに自分たちの給与法、法の二十四条に基づいて判断をしてやること自体に国がこんなふうに関与するというのは大変問題ではないのか。  まさに、自治体を国の従属機関と見ているような、こういう在り方ではないのか、こういうふうに思いますが、この点について明快に答えてください。どこに、国にそういう規定があるのか。
  135. 高市早苗

    国務大臣高市早苗君) 先ほど先生がおっしゃった地方公務員法第二十四条で、地方公務員の給与決定に当たっては、民間事業の従業者の給与等とともに国家公務員の給与も考慮事項の一つとされています。国家公務員給与は一般職給与法で定められていて、国会における審議を経てその取扱いは定まるものでございます。  地方公務員の給与につきましては、各都道府県の人事委員会の勧告を踏まえて、各地方公共団体の議会での議論を経て条例で定められるものでございますけれども、これまでも地方公務員の給与については、地方公務員法に基づいて、国民、住民の皆様の理解と納得が得られる適正な内容とすべきという考えに立って必要な助言を行ってまいりました。今回も総務省としては、この法律にのっとって、給与法の改正の、改定の実施は国における給与法の改正の措置を待って行っていただくように助言を行ったものでございます。
  136. 又市征治

    ○又市征治君 意味が分からぬのですね。  地方公務員法の二十四条第三項のことをおっしゃっているんだと思うけれども、職員の給与は、生計費並びに国及び他の地方公共団体の職員並びに民間事業の従事者の給与その他の事情を考慮して定めなきゃならない、いろいろと書いているけれども、実際上は人事院勧告あるいは人事委員会勧告、こういうことになるわけであって、これを条例化をすることと支払うこととはまた別の話。そういう意味で、これ決めることをやっちゃいかぬという、こういうこと自体は、私は自治体を国の出先機関として扱う、一時代前の極めて権力的な対応だ、こういうふうに批判をせざるを得ません。  だから、この報道によれば、八都県と九政令市が昨年中に給与条例を改正したと。何も、支払いましたと必ずしも言っているわけじゃない。これらに対して自治体、副大臣通知というのは、それに背いている、こういう通知を出したことに背いている、レッテル貼りやっているに等しいということですから、このようなばかげた権力的な対応というのは、もう本当に一時代前の話だ、やめてもらいたいということを強く求めておきたいと思います。  以上で終わりたいと思います。
  137. 主濱了

    ○主濱了君 生活の党の主濱了であります。  早速質問に入りますが、本法案には私は賛成をいたしたいと考えております。  本委員会では、地方交付税に関連する平成二十七年度補正予算地方税制等について伺いたいと思います。  まず第一番に、補正予算について伺いたいと思います。二十七年の地方交付税増額の要因の一つであります国税増額について伺うものであります。  法人税が補正予算で七千五百億円、約七%増、こうなっておりますが、その理由は何でしょうか。まずここから伺いたいと思います。
  138. 中西祐介

    大臣政務官(中西祐介君) 主濱先生にお答えをさせていただきます。  まず、今年度の企業業績につきましては、おかげさまで、円安あるいは原油安等を背景にいたしまして大変好調でございまして、平成二十七年度の通期の企業収益の見通しは、対前年度比プラス六%程度の伸びを見せて、過去最高を更新をする見込みでございます。  具体的に例えば申し上げますと、自動車業界におきましては、円安やあるいは堅調な北米市場の状況によりまして輸出が伸びておりまして、経常利益がまさに伸びが高いという企業があるということや、あるいは原油安、インバウンドの消費によりまして法人税収が増えているということに起因をするものだというふうに分析をさせていただいております。  なお、この伸び率につきましては、消費税が上がる前の平成二十五年度につきましても、当初予算から比べまして、この補正後一五%を超えて伸びを見せているものでございまして、多少の毎年変動がございますので、付け加えて申させていただきます。
  139. 主濱了

    ○主濱了君 大体分かりましたけれども、二点だけちょっと付け加えて伺いたいと思いますが、この六%の上振れということは、まあ七%ですか、よくあることなのかというのが一つと、もう一つは、今、円安、原油安、そういうふうなことが原因だと、こう言われましたけれども、具体的にどのような業種がこの法人税の増加に寄与しているのか、この辺、もしお分かりであれば併せて伺いたいと思います。
  140. 中西祐介

    大臣政務官(中西祐介君) 二点いただきました。  まず一点目につきまして、この法人税収の当初予算から補正後についての推移なんでございますけれども、近年の例を挙げますと、平成二十四年度につきましては、当初予算から補正に対して二%の増となっています。二十五年度につきましては一五・五%の伸び、二十六年度につきましては四・九%の伸びということで、若干変動はありますものの、当初から上振れは想定されたものだろうというふうに思っております。  二点目の企業業績につきまして、分野ごとでございますが、例えば、この円安基調におきましては、まさに輸送機、輸送用の機器、具体例でいうと、自動車販売におきましてはまさに北米市場で伸びを見せておりまして四・四%、加えて電気機器におきましては一三・五%の対二十六年度比の企業の利益増というふうになっております。  また、原油におきましては、空運業といいまして、飛行機でございますけれども、こうした運輸業が二〇・九%の利益増となっております。  また、電気・ガス業につきましても、燃料費が削減されたことによって一九・一%、またインバウンドにつきましては、二千万人が本当にめどが見えてきたところでございますが、小売業の、例えば電機の小売会社におきましては二五・一%の伸びということで、相応の伸びの原因が挙げられているところでございます。
  141. 主濱了

    ○主濱了君 では、もう一つ伺いたいと思います。  所得税が今回の補正で一兆一千億円余り、七%も増加していると、こういうことでございますが、この理由は何でしょうか。
  142. 中西祐介

    大臣政務官(中西祐介君) 主な理由につきまして申し上げたいと思いますけれども、この所得税収の増につきましては、大きくは幾つかの要因がありまして、一つは上場企業の配当の見込みを勘案したものが大きゅうございます。  この配当収益につきましては、企業業績が好調なことに加えて、配当増を受けるということでプラス〇・七兆円の増加を見込んでおります。このうちの内訳ですが、一般投資家に対する配当の増によるものが〇・五兆円、あるいは大口の親子間配当、企業の大きなグループがございますが、そうしたものに関連するものが〇・二兆円というものになっております。加えて、株式の譲渡増税収につきましても、株価の上昇を受けましてプラス〇・四兆円ということで、大きな増加の要因となっております。
  143. 主濱了

    ○主濱了君 分かりました。残念ながら、国民の、住民の所得が上がったわけではないと、こういったようなところが分かったところでございます。  財務省に対する私の質問は以上で終わります。
  144. 山本博司

    委員長山本博司君) じゃ、政務官、退室して結構でございます。
  145. 主濱了

    ○主濱了君 それでは、次は、高市大臣への質問の順番なんですけれども、ちょっと順番を変えさせていただいて、年金生活者等支援臨時福祉給付金について伺いたいというふうに思います。  まず、財政にはそもそも所得の再配分機能があるわけでありまして、過度の所得格差が生じた場合は国民の合意の下にこれを是正していくこと、これはもう必要であろうというふうに思っております。  今回の給付金の支給対象というのは、平成二十七年簡素な給付措置、臨時福祉給付金の対象者のうち、平成二十八年度に六十五歳以上になる方などとされているわけであります。  端的に伺いますが、給付の目的は何でしょうか。
  146. 大島一博

    政府参考人大島一博君) 今回のこの給付金の目的でございますけれども、GDP六百兆円という目標の実現に向けまして、今年前半にかけまして個人消費の下支えを行って景気の下振れリスクにも対応していく必要があると考えていますところ、現役世代の方は賃上げ、賃金の引上げという効果が徐々に現れつつあります。一方、高齢者の方はなかなかこうした恩恵が及びにくいという状況がございます。また、高齢者の方は他の年齢層に比べまして消費性向が高いということもございまして、こういうことを踏まえまして、税収増財源を活用しまして、低所得の高齢者の方々に対しまして一人三万円の給付金の支給を行いたいということが趣旨でございます。
  147. 主濱了

    ○主濱了君 なぜ、なぜ補正予算でこれを対応しなければいけないのか、端的にお答えいただきたいと思います。
  148. 大島一博

    政府参考人大島一博君) 平成二十八年前半にかけましての個人消費の下支え、経済下振れリスクへの対応という観点もございまして、速やかに実施を図りたいということでございます。  実施主体は市町村となりまして、準備を早急に整えていただいて、年度内にも給付を開始したいというところはできるようにする必要があるということで今回の補正予算に計上したものでございます。
  149. 主濱了

    ○主濱了君 平成二十八年度の前半の個人消費の下支えというふうなことが理由の中心だというふうに承りましたけれども、なぜ今の時点で平成二十八年の前半に措置をする必要があるんですか。
  150. 大島一博

    政府参考人大島一博君) アベノミクス効果でかなり景気の状況が良くなってきつつあるといえどもまだ弱いところございまして、ここは一つの踏ん張りどころということで、今年前半に向けて景気の下支えを行いたいという考えでございます。
  151. 主濱了

    ○主濱了君 もう一回。なぜこれを、平成二十八年度の前半にそれをやらなくちゃいけないのかという、ここを端的にお話をいただければいいわけであります。
  152. 大島一博

    政府参考人大島一博君) 景気の下支え効果というものを今行うことが効果があると考えているところでありまして、年度後半がどうなるかというのはまたその状況にもよりますけれども、当面、まずは今が踏ん張りどころというところで、もう一歩の景気の回復を押していきたいという考えでございます。
  153. 主濱了

    ○主濱了君 ちょっと質問を変えます。  支給対象者は何人でしょうか。もう一つ、支給の時期はいつでしょうか。
  154. 大島一博

    政府参考人大島一博君) 支給対象者は一千百三十万人と見込んでございます。  それから、支給時期につきましては、今申し上げたような趣旨でございますので、速やかに実施する必要があると考えておりまして、支給事務を行います厚生労働省からは、市町村に対しまして、平成二十八年六月までに支給対象者の方に支給することを念頭に、諸事務、期間の設定を行うようお伝えしているところでございます。
  155. 主濱了

    ○主濱了君 やっぱり引っかかります。  もう一回、なぜ二十八年度の前半に支給しなければならないのか、これは本当に必然なんですか。その点をもう一回。
  156. 大島一博

    政府参考人大島一博君) このことにつきましては、一億総活躍の実現に向けての緊急に実施すべき対策というのを取りまとめております。一億総活躍国民会議でまとめておりまして、その中で、特に緊急対応すべきものとしまして、アベノミクスの成果の均てんを図る観点から、賃金引上げの恩恵が及びにくい高齢者、低年金の方々に支援を行うという趣旨でございまして、そういった方々に早くそれをお届けするということと、先ほど来申し上げています本年前半の個人消費の下支えということで、速やかに実施をしたいというふうに考えているところでございます。
  157. 主濱了

    ○主濱了君 様々支給、支給といいますか、様々支援する対象はあるというふうに思っておりますけれども、今、日本の最大の課題というのは私はやはり人口減少であろうというふうに思っているわけですよね。この人口減少の歯止めの鍵を握っている子育て世代、これに対する手だてというのはあるんですか。
  158. 大島一博

    政府参考人大島一博君) 今回、高齢者の方々にこの三万円の支給を行いますけれども、一方で若い方々への支援も今回の補正予算それから当初予算の中でしっかり対応する予定にしておりまして、例えば、保育所の利用につきましての利用者負担の軽減ですとか、あるいは奨学金の拡充、あるいは離婚されて一人で子供を育てておられる方の児童扶養手当の充実、こういったことにつきましてもしっかり取組を行っているところでございます。
  159. 主濱了

    ○主濱了君 もう一回支給の時期に戻りますけれども、新聞報道もあるんですけれども、今年七月の参議院議員選挙前に支給をしたい、こういうふうなことをするというふうなことを報道しているところもあるんですが、これに対して、参議院議員選挙を有利に進めるものではない、参議院選挙とは全く関係ないとどのように国民に対して説明をし、そして納得をしてもらうのか、もしお考えがあれば伺いたいと思います。
  160. 大島一博

    政府参考人大島一博君) ここは、原則はアベノミクス効果が現れつつある、若い方々、現役の方々は賃金が上がり始めている、一方で、物価も上がり始めています。そういう中で、高齢者の方々はその恩恵をなかなか受けにくいということで今回の給付金を支給させていただく、それを速やかにさせていただきたいということで御説明させていただきたいと思っております。
  161. 主濱了

    ○主濱了君 もうちょっとお話ししたいんですが、時間がなくなってきましたので、大変、高市大臣には法人税の外形標準課税についてお伺いをしたかったわけなんですが、これは新年度予算の問題でもありますので、後日、地方税法の改正あるいは新年度予算のところでお伺いをしたいと思います。  以上で終わります。ありがとうございます。
  162. 山本博司

    委員長山本博司君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。  これより討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
  163. 倉林明子

    倉林明子君 私は、日本共産党を代表して、地方交付税法の一部を改正する法律案に反対する討論を行います。  反対する第一の理由は、地方交付税年度途中で増額となった場合、その全額を速やかに特別交付税として地方自治体に配分すると定めた地方交付税法第六条の三第一項に反するからです。  本法案は、地方財源不足理由に、二〇一五年度途中で増額となった地方交付税一兆三千百十三億円のうち、調整額の復活分四百六十九億円以外の一兆二千六百四十四億円を二〇一六年度地方交付税総額に加算するとしています。  そもそも地方財源不足が生じた要因は、三位一体の改革による地方交付税の大幅な削減にあります。地方自治体は、行革と歳出削減を迫られ、住民サービスの財源を抑制、削減に追い込まれました。歴代政府の責任こそ厳しく問われなければなりません。  地方財源不足を解決するには、地方が必要とする財政需要を見積もり、それに見合う地方交付税を確保するために法定率を抜本的に引き上げるべきです。  第二の理由は、二〇一五年度分を繰り越したにもかかわらず、二〇一六年度地方交付税総額は昨年度と同規模の十六・七兆円に抑え込み、住民サービスを切り捨てざるを得ない一層深刻な状況に地方自治体を追い込んでいるからです。  社会の主役として、地域社会と住民生活に貢献する存在として中小企業・小規模事業者は、自治会や消防団など住民を見守り、地域社会の支え手として地域の活性化、再生になくてはならない役割を持っています。また、利益を還元し、域内循環の中核を担う地域経済の主役でもあります。  中小企業・小規模事業者がその役割や地域経済の主役として能力を発揮できるよう、地方自治体が果たす役割は重大です。本来、地方財源である年度途中で増額した地方交付税地方自治体に還元すべきです。  政府は、軍事費の過去最高額を確保し、法人税は軽減する一方、社会保障費も地方自治体の財源も圧縮したままであり、地方の活性化の展望は見えません。ローカル・アベノミクスの具体策は効果を見る前に予算が削減されるなど、地方の声を踏みにじるものだと厳しく指摘をいたしまして、反対討論といたします。
  164. 山本博司

    委員長山本博司君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。  これより採決に入ります。  地方交付税法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  165. 山本博司

    委員長山本博司君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  166. 山本博司

    委員長山本博司君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後六時八分散会