運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

2016-03-30 第190回国会 参議院 災害対策特別委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二十八年三月三十日(水曜日)    午後一時開会     ─────────────    委員異動  三月十六日     辞任         補欠選任      三木  亨君     羽生田 俊君  三月十七日     辞任         補欠選任      仁比 聡平君     大門実紀史君  三月十八日     辞任         補欠選任      大門実紀史君     仁比 聡平君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         長沢 広明君     理 事                 古賀友一郎君                 山谷えり子君                 広田  一君                 谷合 正明君     委 員                 磯崎 仁彦君                 高野光二郎君                 柘植 芳文君                 長峯  誠君                 羽生田 俊君                 馬場 成志君                 舞立 昇治君                 吉川ゆうみ君                 小林 正夫君                 田城  郁君                 那谷屋正義君                 野田 国義君                 仁比 聡平君                 室井 邦彦君                薬師寺みちよ君    衆議院議員        災害対策特別委        員長       野田 聖子君    国務大臣        国務大臣        (内閣特命担        当大臣防災)        )        河野 太郎君        国務大臣     加藤 勝信君    副大臣        内閣府副大臣   松本 文明君        総務大臣    土屋 正忠君        財務大臣    岡田 直樹君    大臣政務官        復興大臣政務官  高木 宏壽君        内閣大臣政務        官        酒井 庸行君        財務大臣政務官  中西 祐介君        経済産業大臣政        務官       北村 経夫君    事務局側        常任委員会専門        員        田中 利幸君    政府参考人        内閣官房内閣審        議官       河村 正人君        内閣大臣官房        審議官      山本 哲也君        内閣府政策統括        官        加藤 久喜君        金融庁総務企画        局審議官     古澤 知之君        消防庁審議官  熊埜御堂武敬君        外務大臣官房審        議官       豊田 欣吾君        文部科学大臣官        房審議官     森  晃憲君        厚生労働大臣官        房審議官     梅田 珠実君        厚生労働大臣官        房審議官     堀江  裕君        農林水産省農村        振興局整備部長  印藤 久喜君        経済産業大臣官        房商務流通保安        審議官      住田 孝之君        資源エネルギー        庁資源燃料部        長        藤井 敏彦君        中小企業庁事業        環境部長     木村 陽一君        国土交通大臣官        房審議官     杉藤  崇君        国土交通大臣官        房技術審議官   池田 豊人君        国土交通大臣官        房技術参事官   中神 陽一君        国土交通大臣官        房技術参事官   津田 修一君        国土交通省水管        理・国土保全局        次長       野村 正史君        国土交通省道路        局長       森  昌文君        気象庁地震火山        部長       上垣内 修君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○災害対策樹立に関する調査  (地震保険普及促進に関する件)  (防災関連産業の育成及び振興に関する件)  (大規模災害に係る緊急事態条項に関する件)  (太陽光パネル等に係る災害時の感電防止策に  関する件)  (国土強靱化地域計画の策定に関する件)  (火山の観測及び噴火予知についての情報共有  の重要性に関する件)  (福祉避難所指定促進に関する件) ○地震防災対策特別措置法の一部を改正する法律  案(衆議院提出)     ─────────────
  2. 長沢広明

    委員長長沢広明君) ただいまから災害対策特別委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  去る十六日、三木亨君が委員辞任され、その補欠として羽生田俊君が選任されました。     ─────────────
  3. 長沢広明

    委員長長沢広明君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  災害対策樹立に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房内閣審議官河村正人君外十九名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 長沢広明

    委員長長沢広明君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  5. 長沢広明

    委員長長沢広明君) 災害対策樹立に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  6. 高野光二郎

    高野光二郎君 自由民主党、高知県の参議院議員高野光二郎でございます。  今日は、質問の機会をいただきまして、誠にありがとうございました。  実は、この質問、私にとって大変感慨深いものがございます。それは、私は、実は県議会議員時代から、当時、南海トラフ巨大地震と言われておったものが南海地震と呼ばれておるときから非常に関心を持っておりました。また、私、二〇一〇年の参議院議員選挙に出馬をいたしたんですが、負けまして、その浪人中に東日本大震災発生をいたしまして、震災発生後から二週間後でございますが、単独で三か月間、あの被災地の宮城県、福島県を中心に滞在をして、調査研究ボランティア活動を進めてきました。全く、あの大惨事を見ながら、こういった不条理な状況には絶対、ふるさとや日本をこれ以上こういったことにしたくないという強い思いがありまして、参議院当選をして是非災害対策特別委員会に入らせていただきたいと、強い思いでこの委員会に所属をさせていただいております。  そして、参議院議員当選をさせていただきまして、もう二十年以来の久しく御指導をいただいており、私の仲人親でもありまして、そして私が最も尊敬する政治家である河野太郎先生防災大臣になられたということでございまして、非常に私にとっては感慨深い思い質問をさせていただきたいと思います。  まず、私は、今月十五日の予算委員会で、高規格道路整備促進について、命の道として確実な整備促進によるミッシングリンクの解消について、質問というより御要望を含めてお訴えをさせていただきました。各大臣以下、答弁者の皆様にはその必要性を十二分に御理解をいただき、着実に取り組んでいただけるとの答弁をいただきました。とりわけ本県にとっては、防災減災救助救援復旧復興、その全ての一丁目一番地がまずはこの8の字ルート整備でございます。  そういったことを踏まえまして、今日は別の観点質問をさせていただきたいと思うんです。災害保険がとにかく高いんです。災害保険についてお伺いをさせていただきたいと思います。  昭和三十九年新潟地震を機に誕生した地震保険は、地震津波火山噴火が原因で住宅家財等が損壊したり流失、焼失した場合の損害補償する保険です。地震保険加入は、必ず火災保険とセットで入らなければなりません。今持っている火災保険に追加して地震保険に入ることもできます。火災保険は、火事だけではなく、台風や落雷など自然災害水災、水の災害などによる損害補償する住まい保険です。しかし、火災保険では残念ながら対象とならない地震噴火、そして津波による損害については地震保険に入る必要があります。  確認をしておきますが、まず火災保険については、台風、豪雨、竜巻など自然災害の増加、各損保会社保険金支払では、台風による損害は二〇〇四年から二〇一二年が年度平均で一千億円、一九八九年から〇三年と比べ二〇%も増えました。台風以外でも、風害やひょう害でも二〇一〇年から二〇一二年度の累計で約一千四百億円となっており、〇七年から〇九年に比べ三倍も増加しました。また、損害は、一一年度の保険金支払が百六十億円と、十年間で五倍に増えたわけであります。  このような状況を踏まえ、損保会社でつくる損害保険料率算出機構平成二十六年七月に参考純率改定住宅総合保険平均三・五%引き上げました。あわせて、自然災害長期リスク評価が大変難しくなってきており、損保会社火災保険を従来最長三十六年あったものを十年に短くしました。平成二十七年度中に各社おおむね実施済みとなっています。  一方、地震保険については、保険金額火災保険保険金額の三〇%から五〇%の範囲で決めるとされています。建物最大で五千万円、家財は一千万円が上限です。例えば火災保険が四千万円なら、地震保険は一千二百万円から二千万円までとなります。地震保険料は、政府地震調査研究推進本部地震予測に基づき、損保会社でつくる損害保険料率算出機構が算出し、基準料率を各損保会社に示し、損保会社各社が使用しております。建物所在地構造保険料が異なります。また、建物耐震等級建築年によって割引があります。  平成二十六年七月に、各損保会社契約者支払保険料は八年半ぶりの大幅な改定となり、全国平均で、去年ですが、一五・五%に引き上げられたばかりでございます。地震調査研究推進本部が作成をした確率論的地震動予測地図二〇一四年版の震源モデルにおいて南海トラフ巨大地震など発生確率が高まったことを受けて、保険料は今後更に三回に分けて改定される見通しです。第一弾は来年一月で、全国平均五・一%上がります。その後、二度の引上げをいたしまして、三段階では全国平均で一九%上がります。  地震保険支払額は、阪神大震災のときは現在の地震保険補償限度額よりも低く、建物は一千万円、家財は五百万円でした。地震保険支払限度額は一兆八千億円でありましたが、実際に支払われた金額は七百八十三億円でございます。保険金支払限度額段階的に引き上げ、東日本大震災のときには五兆五千億円でありました。東日本大震災地震保険料支払額は、二十七年三月現在で一兆二千六百五十四億円です。  保険会社は、契約者からの保険料を将来の保険金支払のための責任準備金として積立てをしておりますが、平成二十七年三月現在で、保険金支払限度額が七兆円のうち、政府負担額が六兆七千三百八十六億円。昨年三月の損保会社全社準備金残高が四千七百九十七億円の中で、そのうち保険会社負担限度額が二千六百十四億円です。しかし、政府地震保険特別会計があり、この残高が一・二兆円でございます。総支払限度額までは政府が一旦は負担をし、将来の保険料で返済される仕組みとなっております。  万が一にもこの総支払限度額を超えるほど大きな災害発生してしまったらどうなるのかと言われますと、支払われるべき保険金総額限度額の七兆円を超えて、例えば十兆円に及んだ場合、総支払限度額は七兆円ですから、支払われるべき保険金の七〇%しか支払われないということになります。なお、総支払額限度額は、この四月より、平成二十八年度予算で十一・三兆円に引き上げられます。  ここで、財務省岡田直樹大臣にお伺いをいたします。  損害区分は、現在、被害の大きさに応じて、契約金額の一〇〇%の保険金支払う全損と、五〇%を支払半損、五%の一部損の三区分だけです。しかし、来年一月から四区分に増えます。現在の建物査定基準では、建物の柱や壁など損害額が時価の二〇%以上五〇%未満になると半損と認定をされます。これを見直し、二〇%以上四〇%未満小半損、四〇%以上五〇%未満大半損に認定するようになれば、保険料値上げ率は一九%となります。  被害区分が三区分から四区分になることで保険金支払総額はどうなるのか、被災した契約者補償額対象は広がるのか、東日本大震災時よりも充実、拡大をするのか、お伺いをさせていただきます。
  7. 岡田直樹

    ○副大臣岡田直樹君) 高野委員指摘のとおり、損害区分細分化は、この目的は、僅かな損壊割合の差で支払保険金に大きな格差が付く場合があると、こういう問題意識に対応するために行うものでございまして、ただいまも委員自ら御説明がございましたけれども、細分化によって、全損と半損との間に、また一部損と半損の間の保険金支払割合格差というものが縮小をいたしまして、これまで本当にちょっとした違いで大きく支払の額が違うという場合が想定されたわけでございますけれども、損害実態に照らした損害区分に近づくこととなりまして、保険契約者にとっては補償の質は向上するものと考えているところであります。  また一方、細分化によりまして保険金支払総額が全体として抑制されるという見込みでございますけれども、これは、ただいまお話のあった地震保険料率の大幅な引上げが見込まれる中で、保険契約者負担増を抑制するという観点を考慮したものでございます。
  8. 高野光二郎

    高野光二郎君 ありがとうございます。  平成二十四年八月二十九日の中央防災会議のワーキンググループにおいて、被害想定で、例えば南海トラフ巨大地震に関しては、地震の揺れにより六十二・七万棟から百三十四・六万棟が全壊します。液状化により約十一・五万棟から十三・四万棟の建物が沈下・傾斜被害を受けまして、継続的な居住や日常生活が困難になります。津波による被害といたしましては、約十三・二万棟から約十六・九万棟が全壊をいたします。地震に伴う急傾斜地の崩壊により、四・六千棟から六・五千棟が全壊をいたします。木造密集市街地が連檐している地域などを中心地震火災が同時多発し、火災を含む大規模火災により四・七万棟から七十五万棟が焼失をいたします。南海トラフです。最大死者三十二万三千人、倒壊・焼失家屋二百三十八万六千棟。この死者数東日本大震災の二十倍近い数字で、二〇〇三年の被害想定の十三倍、二〇〇四年に起きましたスマトラ島沖地震死者行方不明者の約二十三万人を大きく上回り、史上最悪の大惨事となります。  財務省岡田直樹大臣にお伺いをいたします。  特措法で措置をされている南海トラフ巨大地震首都直下型地震など、保険金支払に滞りはないのか、不安がないのか、お伺いをいたします。
  9. 岡田直樹

    ○副大臣岡田直樹君) ただいまお話がありましたような大惨事が決して起こらないように祈るばかりでございますけれども、あらゆる想定をしておかなければならないと思いまして、高野委員のそのお心を砕いておられることに敬意を表したいと存じます。  その上で、一回の地震等による支払保険金上限でございます総支払限度額につきましては、従来、大正関東地震、いわゆる関東大震災の再来ということを想定して設定をしておりまして、平成二十六年十二月に文部科学省より公表されました確率論的地震動予測地図を踏まえて、平成二十八年四月より十一・三兆円に設定をしておるところであります。  そして、地震保険料率を算定しております損害保険料率算出機構先ほどお話にありましたが、これによりますと、料率算定上見込んでおります南海トラフ地震想定支払額は八・一兆円に上り、また首都直下型地震想定支払額は六・八兆円と見込まれております。  ただし、いずれも総支払限度額、今般十一・三兆円ということでございますので、その範囲内の水準となっておりまして、万々が一これらの巨大地震発生した際にも滞りなく保険金支払ができるものと考えてございます。
  10. 高野光二郎

    高野光二郎君 続きまして、お伺いをいたします。  政府として、地震保険普及現状をどのように把握をされているのか、岡田直樹大臣、よろしくお願いします。
  11. 岡田直樹

    ○副大臣岡田直樹君) 財務省といたしましては、損害保険業界と連携をいたしまして地震保険普及に努めているところでございます。  普及現状につきましては、損害保険料率算出機構データによりますと、平成二十六年度末現在で、一つには、世帯数に対する地震保険契約件数割合を示す普及率は二八・八%、そして、新規に契約された住宅向け火災保険契約件数のうち地震保険を附帯した件数割合を示す附帯率は五九・三%と、普及率が三割弱、附帯率が六割弱であると承知をいたしておりまして、今後とも地震保険普及政府として取り組んでまいる所存でございます。
  12. 高野光二郎

    高野光二郎君 ありがとうございます。  ただいま副大臣から普及率附帯率の話がございました。その件について、少しまた質問をさせていただきたいと思います。  私は、加入するに当たって、絶対的な実情に応じたデータが不足していると感じているんです。それは何かと申し上げますと、地震保険については、平成二十六年で都道府県附帯率先ほど申しました全国平均五九・三%、一見高いように思います。しかし、これは当該年度契約をされた火災保険契約地震保険が附帯されて加入している割合です。また、地震保険世帯加入率全国平均が、先ほど大臣お話しになられました二八・八%ですが、これも平成二十六年十二月末時点で有効な地震保険保有証券件数平成二十七年一月一日の住民基本台帳に基づく世帯を除したものであり、さらに、地震保険加入する際、必須で加入しなければならない火災保険については加入率の集計が公表されておりません。  これでは、年度年度加入数、特に災害が甚大と想定をされている地域別加入率保険有効期間や又はその更新の有無など、およそ実態を反映したデータとは言い難いと考えます。もちろん、損保会社市場競争の面や個人情報の保護など秘匿性は必要だと理解をいたしますが、例えば、秘匿性を確立をし、市町村や県、国が実態状況保険会社共有をし、加入を行政が促す必要があると考えます。  ここで、金融庁古澤知之審議官にお伺いをいたします。  昨年、火災保険地震保険保険料が引き上げられる際、引上げをされる前に改めて長期契約を結ぶ駆け込み契約ケースが散見されたといいますが、現状はどうなのか、お伺いをします。
  13. 古澤知之

    政府参考人古澤知之君) お答え申し上げます。  先生指摘のとおり、いわゆる駆け込み契約が一部で見られたというふうに聞いております。ただし、正確な件数については把握していないところでございます。  来年、地震保険料改定が予定されておりますが、先ほどお話ございましたように、いわゆる駆け込み契約が行われた場合、建物所在地構造によってはかえって保険料が上昇する場合というのも考えられるところでございます。また、先ほどございましたように、今回は大半損小半損といった補償内容の変更もございます。一概に駆け込み契約を行った方が有利か不利か判断することは困難と考えております。  いずれにせよ、保険会社保険募集人は、顧客に対し保険商品内容を十分かつ丁寧に説明するなど適切な保険募集を行うことが重要であり、仮に駆け込み契約の相談が顧客からあった場合にも、顧客の立場に立って十分かつ丁寧な説明を行っていくことが必要と考えております。
  14. 高野光二郎

    高野光二郎君 答弁のとおりケース・バイ・ケースではありますが、単なる損得勘定や誤った情報提供により駆け込み契約を国民に選択させるのではなくて、利用者が個々の実情や事情に沿ったベストな商品を選択ができるように、正しい情報提供地震保険普及啓発を図るべきだと私は考えます。  また、住宅ローンを返済中の場合、住まい全壊となっても住宅ローンはそのまま残ります。自宅再建のために新たなローンを組めば二重ローンとなり、賃貸住宅を借りるにしても、残った住宅ローンと家賃との二重負担が避けられない。適切な運用が必要だと考えます。  損害保険料率算出機構は、政府地震調査研究推進本部が公表している確率論的地震動予測地図データを活用して、コンピューター上で地震発生させ、各地域建物状況住宅密集度、地盤の特性などを反映させて被害予測シミュレーションを行い、予想支払保険料を求め、純保険料率を算定しています。その結果、皆さんにお配りをした資料一にもございますが、マスコミの試算によりましたら、三度の引上げで最も保険料が高いのは東京都、千葉県、神奈川県、静岡県の二万八千百円、最も安いのは七千六百円で横並びが二十七府県でございます。全国平均の一九%の三段階引上げ率についても格差がありまして、マイナス一〇%の県がある一方で、高知県、徳島県、茨城県は五〇%も上がります。  そこで、金融庁古澤審議官にお伺いをいたします。  地震保険料が上昇する現状にあって、契約者負担を軽減し地震保険加入促進するため、保険料を今後三段階に分けて改定するほか政府はどのような措置を講じているのか、具体的に御説明をお願いを申し上げます。また、現状では都道府県によって支払保険料がとにかく格差があり過ぎる。先ほど紹介した方法で純保険料率を算定する以外に、県民所得やその所得負担率などを考慮することも私は必要だと考えます。保険料の抑制に配慮すべきだと考えますが、御意見をお伺いをします。
  15. 古澤知之

    政府参考人古澤知之君) お答え申し上げます。  地震保険保険料改定に際しましては、契約者負担感を軽減し地震保険加入促進するということが大事だというふうに考えているところでございまして、先生指摘の三段階に分けて改定するということ以外に、例えば保険料地域格差を是正する観点から、そもそも前回の改定で、県別の等地区分というのがございますけれども、それを四区分から三区分に変更いたしてございます。  それから、先生指摘の三段階引上げでございますけれども、引上げ幅につきましては上限五〇%を設けまして、今回の改定では御指摘高知県、茨城県などがそれに該当しているというところでございます。  さらに、負担軽減という観点から、所得税について最高五万円、個人住民税について最高二万五千円の所得控除を認めていただいているところでございます。
  16. 高野光二郎

    高野光二郎君 この地震保険の、何というんですかね、加入促進をする団体とか一部の識者は、まず地震保険が高いところに対して、被害想定をされるということもあって、まずは引っ越しをお勧めしますがなんかみたいな表現をされている方もいらっしゃって、ちょっとまあコメントは控えさせていただきますが、まあふざけんなよという感じなんですけれどもね。  最後に、この項について、河野太郎大臣にお伺いをいたします。  地震保険については加入を更に進めていただく必要があると考えますが、普及促進に向けて大臣の所感を御答弁いただきたいと思います。お願いします。
  17. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) 仲人っ子が元気に質問しているのを見て、大変うれしく思っております。  住宅再建ですとか被災者生活再建に当たりましては、やはり自助あるいは共助を基本としていただかなければならないと思っております。公助というのはあくまでも側面支援というのが原則であると思います。そんなことから、自然災害にしっかり備えるためにも、保険、共済の加入促進というのは進めていかなければならないと思っております。特に首都直下地震ですとかあるいは南海トラフ巨大地震の確率がだんだん高まってくる中で、地震保険について国民の皆様の御理解をいただいて加入促進するというのは、政府としても是非ともやらなければならないというふうに思っております。  関係省庁としっかり連携をして、地震保険制度の必要性をしっかり国民の皆様にPRをしていく、あるいは税制上の優遇措置といったことをしっかりとやって地震保険普及促進に努めてまいりたいというふうに思っております。
  18. 高野光二郎

    高野光二郎君 河野大臣は、この地震保険について自助を取り組むべきだとしまして、加入促進に向けて様々な場面で発言をしていただいているのは重々私も知っているところです。ただし、今私が指摘をさせていただきました、例えばもっと実情に沿ったデータの収集の必要性であるとか保険料の高さの地域格差等、これは大臣も課題を共有、いや、私以上に感じてくださっていると思いますので、その辺も踏まえて今後より前向きに進めていただきますようお願いを申し上げまして、次の質問をさせていただきたいと思います。  次は、防災産業、行かせていただきたいと思います。  平成二十六年四月、政府のインフラシステム輸出戦略に基づき、国土交通省が中心となって日本防災プラットフォームを設立をいたしました。JBPと言わせていただきます。アジアを中心とした新興国の防災機能の向上に向け、産学官連携により一体となって我が国の防災技術の海外展開を図っています。二国間での対話を基に相手国のニーズを確認した後、JBPにニーズを伝えます。JBPでは、産官学が一緒になり、どのような提案ができるか検討会を立ち上げ、政府はもちろん、相手国の産官学と意見交換も交えながら検討結果を提案するとしています。  日本の技術、ノウハウの輸出はすばらしいことですが、海外を相手とするには、大手企業でなくては資本も人員も準備ができないのが今の実態でございます。そこで、こういったすばらしい概念を国内でも活用できないかと考えます。言わば国内版防災プラットフォームの設立だと思います。  これまで日本は多くの災害に見舞われました。しかも、南北に長い国土を有し、災害台風から地震津波、集中豪雨、火災など多岐にわたっており、そういった被災の中から多くの知恵と製品が生まれています。資金力はないですがアイデアがある、製品がある民間と、ノウハウを持つ行政や有識者、そして被災若しくは被災が予想され様々な備えと製品を必要とする地域など、マッチングできるシステムがあれば大いに防災に貢献できるのではないかと考えます。あわせて、日本防災プラットフォームと連携すれば一層の充実を図ることが可能であり、メード・イン・ジャパンで完結ができるのではないかと考えます。  高知県でも様々な製品が生まれておりますが、中小企業・小規模事業者が多く、情報発信に苦慮している現状があります。  ここで、国土交通省中神陽一参事官にお伺いをします。  日本防災プラットフォームの進捗状況と、今後の見通しについてお伺いをします。
  19. 中神陽一

    政府参考人(中神陽一君) お答え申し上げます。  御質問のございました日本防災プラットフォームにつきましては、一昨年六月に設立をされまして、防災に資する製品でありますとか技術、知見を有する産官学の関係者が集まりまして、防災分野における国際貢献や海外展開を推進することとしております。現在、先生御紹介いただきましたように、国別、テーマ別に検討会を設けておりまして、相手国のニーズを把握し、ニーズを踏まえた解決策を提案すると、そういったような方向で検討を行っているところでございます。  また、国土交通省が平時から防災分野の二国間の協力関係を強化するために実施しております防災協働対話とも十分な連携を図って活動を行っているというところでございます。今後、更なる活動を推進するため、現在、組織強化を実施しておりまして、実際に幾つかの国で、実際の案件受注に向けた調整を進めているところでございます。  今後とも、我が国の優れた防災技術、ノウハウの海外展開が促進されますよう、産官学連携して取り組んでまいりたいと存じます。
  20. 高野光二郎

    高野光二郎君 中神参事官、済みません、もう一問、これちょっと飛ばさせていただきます。申し訳ありません。  防災関連産業は、ダムや堤防、公共工事や、備蓄の水や乾パンまで、多岐にわたっています。金額的には大きくなくとも、防災関連製品、グッズはそれぞれの立場、状況で必要であり、そういった商品群を探す場所、そして性能を確認できる場所を国が提供してもいいのではないかと私は考えております。そういったことは民間主導でやれと言われるかもしれませんが、事は人命に関わることであり、国のサポートやイニシアチブがあってもいいのではないかと考えます。  また、防災関連産業の育成は、国民を災害から守り、被災した際には国民の安心と安全を確保する助けになると確信をいたします。その際、何でもかんでもというわけにはいきません。品質や性能をきちんと国が認めていくためには何らかの制度が必要であり、防災製品に関する認定制度も必要となります。  ここで資料三と四を見ていただきたいんですが、一例といたしまして、我が高知県は防災先進県として、県が主体となって市町村と防災関連企業との交流の場を設け、ニーズに対応できる製品の紹介など取り組んでおります。去年だけでも、全国十五会場の展示会や商談会に県内の防災関連企業が県の支援を受けて参加をしています。平成三十一年にはこの防災産業を五十億円産業にしようといったことで、一体になって取り組んでおります。  また、資料にありますとおり、まさに民間主導で、県内の若手です、若手の防災関連企業の経営者が集い、全国から六十社以上の防災関連企業を高知に招いて、自衛隊や防災などの協力を仰いで、防災産業の育成と県民への防災意識の向上を目的としたKOCHI防災危機管理展を、昨年で四回目ですが、大好評で、六千人を超える方々に御来場いただき、成長いたしております。  これらの一連の動きも含めて、本県は、公的調達による企業支援として、県内の中小企業者が防災関連の開発又は製造する新商品の市場への普及拡大をサポートするため、基準を満たす商品を生産する中小企業者などを県が認定をし、支援をしております。この制度は、地方自治法施行令の規定に基づき、この制度を持つ市町村も同様にこういった取組をしていただいております。  そこで、国交省池田審議官にお伺いをいたします。  国交省は、新技術の活用のため、それに関わる情報の共有及び提供を目的として新技術情報提供システムを整備していますが、防災関連技術の普及に向け、このシステム等の活用が私は考えられると思いますが、その辺についてお答え願います。
  21. 池田豊人

    政府参考人(池田豊人君) お答えします。  防災関連技術を含む新技術や新工法の普及及び活用は、経済の活性化に寄与するとともに、公共工事を効率的に実施していく上でも重要と考えております。このため、国土交通省では、民間企業などが開発した新技術や新工法の情報につきまして、インターネット上で公開をいたします新技術情報提供システム、略称NETISと呼んでおります、を平成十三年度より運用し、普及を図っております。  現在、このNETISには約三千五百の技術が登録をされておりまして、このうち防災に関連する技術も約二百五十ございます。また、その技術の活用につきましては、国土交通省の発注する工事で五件以上採用になりました、登録された技術が約千四百ございます。このうち、防災に関連する技術につきましても約百二十ございます。さらに、活用した後に、優れた技術につきましては推奨技術というものとして公表をし、普及促進しておりますけれども、この中にも防災に関連する技術が四十六の技術として選定をされております。  引き続き、地方公共団体とも連携して、新技術や新工法の普及及び活用に努めてまいります。
  22. 高野光二郎

    高野光二郎君 中小企業庁にお伺いをします。  昨年改正をされました官公需法、国の発注の市場は八兆円、都道府県では十四兆円という巨大な市場を、地域の中小企業の受注拡大を図っており、工事、物品、役務など、平成二十七年には中小・小規模事業者が五四・七%まで受注を受けております。これもやっぱりチャンスでございます。  国や関係機関が調達する際に参考にする、新規中小企業者が商品やサービスを登録する「ここから調達サイト」等においても防災関連事業者の登録を促進するべきであると考えますが、中小企業庁にお伺いします。
  23. 木村陽一

    政府参考人(木村陽一君) 今御指摘の「ここから調達サイト」でございますけれども、平成二十七年八月から運用してございまして、現在、五百十七社の新規中小企業者の方に登録をしていただいております。そのうち、防災関連の商品、サービスを扱っているという、御登録をいただいております事業者は八社でございます。まだそのレベルにとどまっているということでございます。  御指摘のとおり、官公需法では、国あるいは独立行政法人の調達におきまして新規中小企業者の活用に配慮するということとともに、地方公共団体に対しましても国の施策に準じた取組を求めております。  当該「ここから調達サイト」でございますけれども、いずれの発注担当者にも御利用いただけるものというふうに理解をしてございます。これから「ここから調達サイト」を、開始半年でございますけれども、一層の定着に向けまして、発注側、納入側双方の使い勝手をより良くする、改善する努力をしていきたいというふうに考えておりますし、また、防災に関係の深い府省あるいは地方公共団体等に対しましても、防災関連事業者の登録を前向きに促進していただけるように、その周知等協力を呼びかけてまいりたいというふうに考えてございます。
  24. 高野光二郎

    高野光二郎君 続きまして、外務省、次はODAです。  平成二十六年無償資金協力の中で、製品の供与、製品を渡すものが、千八百九十三億円のうち三十三億円が中小企業です。そして、技術の支援については、千五百九十三億円のうち六十七億円が中小企業でございます。相手国に製品供与や技術支援について、防災技術、商品防災産業としてしっかりと位置付け、プレゼンしていただきたいと考えますが、外務省の御見解をお伺いします。
  25. 豊田欣吾

    政府参考人(豊田欣吾君) お答え申し上げます。  防災分野におけます日本企業の優れた技術や製品をODAを通じまして自然災害に脆弱な途上国の支援に活用すること、これは、日本企業の海外展開の推進と途上国の防災といった開発課題の解決の双方に資するものでありまして、大変重要な取組であると認識をしております。  こうした考え方に基づきまして、外務省は、平成二十六年度より防災機材の供与に特化した無償資金協力を実施しておりまして、これまで十三か国に対しまして計三十六億円の防災機材を供与しているところでございます。加えまして、平成二十四年度から中小企業が製造した機材の供与に特化した無償資金協力も実施しておりまして、この中におきまして防災災害対策を有益な分野として位置付けているところでございます。  技術協力につきましては、平成二十四年度からODAを通じて中小企業の海外展開を支援しております。これまで防災災害対策分野において二十六件の中小企業の海外展開支援事業を行っているところでございますが、例えば高知県の中小企業がスリランカにおいて地すべり対策に係る事業の展開のために行っている調査をODAで支援しております。  外務省といたしましては、ODAを活用した防災分野における我が国企業の技術や製品の海外展開支援を今後とも一層促進していく考えでございます。
  26. 高野光二郎

    高野光二郎君 ありがとうございます。  この段につきましては、河野大臣に最後お伺いをします。  メード・イン・ジャパンの防災産業、技術、商品等の調査、情報収集がやっぱり必要でございます。必要な認定制度をつくり、カテゴリーやメニューを確立し、国内外の需要に応える防災産業の育成と振興を関係省庁と連携し、国として一体的に取り組むべきだと考えますが、今後の取組についてお伺いをさせていただきたいと思います。
  27. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) 昨年の十二月でしたか、高知へ伺ったときに、県知事から様々な高知の製品を御紹介をいただきました。また、高知防災危機管理展をやっていらっしゃる皆様ともお目にかかりました。  こういう民間の創意工夫を利用した防災グッズというのは非常に大切だと思いますし、議員がおっしゃるように、日本の防災グッズ、これはもう諸外国でも立派に使えるものだと思いますので、是非民間の創意工夫を生かしていただいて、様々な分野で頑張っていただきたいと思っております。  内閣府といたしましても、これはなかなか、認定ということになりますと、規格をどうするとか、いろんな分野ですから各省庁との調整その他ありますので、余り政府の認定がどうこうというよりは、もう民間にどんどん突っ走っていただいて、民間の企業がやっていらっしゃる様々な取組を内閣府としてもしっかり応援をしていく、そういう形で応援をさせていただきたいと思っております。
  28. 高野光二郎

    高野光二郎君 河野大臣、昨年十二月に高知にお越しをいただきまして、視察をいただきましてありがとうございました。  今、民間をどんどん支援をしていくというお話がございました、民間の取組。河野大臣には、このKOCHI防災危機管理展の実行委員長を始め、役員の皆さんとも活発に御意見交換をしていただきました。こういったKOCHI防災危機管理展についての感想などをお伺いさせていただければと思います。感想程度で結構です。
  29. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) いろんな取組を、それこそ高知県の中小企業の皆さんが様々やられていらっしゃいました。中にはこれ相当使えるなというものもありましたので、そういうものをいかに紹介をしていくか。高知県も頑張っていらっしゃいますが、内閣府もそういう分野、しっかり後押しをしてまいりたいと思います。
  30. 高野光二郎

    高野光二郎君 質問はもうこれで終わります。通告を大変たくさんしておりまして、文科省さんを始めまして、酒井政務官、済みません。申し訳ありません。  最後、ちょっと紹介だけさせてください。  我が高知県は、実はここまで防災を考えております。それは、防災植物という新しい植物、カテゴリーがもう既にできております。これは、南海トラフ巨大地震など災害時の食料確保に、食べられる野草の知識や調理法の普及を目指す澤良木庄一さんがリーダーとなって防災教室を年に今まで、去年の八月からなんでございますが、年に四回やりまして、定員を大きく超える参加がございまして、大変好評でございます。これを私も高知県内にいろいろ広げていきたいと思っておりますが、今後、全国的にも澤良木さんは展開をしていくと言っておりますので、またこういったことについても注目をいただきたいと思います。  かつて、昭和天皇のお言葉で、雑草という草はないんですよ、どの草にも名前はあるんです、どの植物にも名前があって、それぞれ自分の好きな場所を選んで生を営んでいるんです、人間は一方的な考えで、これを切って掃除してはいけませんよとおっしゃったそうでございます。どんな草にも名前や役割あり、人間の都合でじゃけんに扱うような呼び方をすべきでないといったようなことをおっしゃられたと私は推察をしております。  そして、今日は最後に、この質問の機会をいただいて、広田一先輩に少しこの場を借りてお話をさせていただきたいと思います。  私は、二〇一〇年に広田一さんと参議院議員選挙に立ちまして、私が負けました。しかし、広田一さんの東京での御活躍、誇りある土佐人の代表としての御活躍を本当にうれしく思いながら、私も頑張ってまいりました。今日が二人でこういった委員会で同時に質問するというのは最初で最後だというふうに思っております。広田一先生には、この七月の参議院選挙には出馬をされず、違う立場での国政挑戦をされるというふうにもお伺いをいたしております。誇るべき土佐人の仲間として、今後ともより一層御健康で御活躍を賜りますよう心からお話を申し上げまして、質問、全部一括とさせていただきます。  ありがとうございました。
  31. 広田一

    ○広田一君 民主党・新緑風会の広田一でございます。  先ほどは、高野光二郎委員から本当に身に余るお言葉を頂戴をしました。本当に激励を賜りまして、心から感謝を申し上げます。高野委員もこれから、高知県、また日本のリーダーとして更に活躍されますことを心から御祈念を申し上げます。  先ほど高野委員の方からも御指摘がございました南海トラフ巨大地震対策、この後、時間があれば、住宅の耐震化の推進であるとか長期浸水対策、さらにはいわゆる命の道づくり、これらについての御質問もしたいというふうに思っておりますけれども、南海トラフ巨大地震は非常に切迫性が高まっております。喫緊の課題でございます。非常に優先的な投資が求められている分野だというふうに思います。是非とも、高野委員の仲人であられる河野大臣におかれましては、私の方からも、より一層取組を進めていただきたい、このことを強く要望をしたいというふうに思います。  それでは、質問に入らさせていただきます。  今年の夏の参議院議員選挙、この争点の一つは憲法改正であります。この改正の論点といたしましては、大規模災害時における緊急事態条項、国家緊急権の制定が挙げられております。  本日は、そのことを念頭に置いて、国難であった東日本大震災の教訓、これを踏まえて、災害時における緊急事態条項についてまず質問をしたいと思っております。  大臣東日本大震災の教訓、これいろいろございます。その一つは、これは改めて言うまでもありませんけれども、備えあれば憂いなしということだと思います。災害に備えるためには、不断の努力による事前の準備、これが必要でございます。安倍総理が安保関連法案の質疑のときに何度も答弁されておりました。国民の命と平和な暮らしを守るためには、何か起きてから法律を作るのでは遅過ぎるんだと、こういう考え方自体は私は防災対策にも通ずるものがあるんだろうというふうに思います。  想定外をなくすこと、これは政治の責任だというふうに思いますけれども、東日本大震災を受けての教訓、これらについての河野大臣の御所見をまずお伺いをいたします。
  32. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) 我が国は、存在している場所あるいは地形といったものから、非常に自然災害の多い国でございます。それはもう、台風から地震から火山噴火から津波から、いろんなものが想定されるわけでございまして、今議員がおっしゃったように、まずこの想定外というものをなくすというのが防災の第一歩なのではないかなと。  ですから、南海トラフあるいは首都直下地震といったものをしっかり想定をし、そうしたことが起きたときにはどう対応するかということをしっかりと訓練をして、いざ事が起きたときには、直接指示がなくとも出てきてもらうところには必要なところまですぐに出てきてもらう、そういう、何というんでしょうか、条件反射のような形で対応ができる、そういう訓練をふだんからやっておくということが非常に大切だと思いますし、国民の皆様にはいざというときに、やはり行政が出ていくには道を開いたりなんなり少なくとも三日は掛かるという想定の下、最初の三日間の水と食料、簡易トイレあるいはその他必要なものは常日頃備蓄をしておいていただいて、最初の三日は何とか自助、共助で乗り切っていただいて、そこへ行政がしっかり出ていく、そういう対応をやれるように努力をしてまいりたいというふうに思っております。
  33. 広田一

    ○広田一君 今大臣から御答弁を頂戴をしました。本当に自分たちと同じ問題意識と、そしてこれからの方向性についても共有をするところでございます。  その上で、まず総論的に確認をしたいんですけれども、平成二十三年に、中央防災会議の中に防災対策推進検討会議、こういう会議が設置をされました。この最終報告、これ非常に大事な最終報告だというふうに理解をしているところでございます。  すなわち、東日本大震災の教訓、これに基づいて今しなければならない必要な法改正、これはもう全て終わっている、言い換えれば今は積み残しの課題はない、こういった認識でしょうか。
  34. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) 今議員おっしゃられた、中央防災会議の下に設置された防災対策推進検討会議においては、平成二十四年の三月に中間報告、同年七月に最終報告が取りまとめられております。  政府といたしましては、これらの提言に基づいて、平成二十四年、平成二十五年の二度にわたって災害対策基本法の一部改正を行いました。また、平成二十五年に大規模災害からの復興に関する法律を制定をいたしました。防災対策推進検討会議の提言において措置すべきとされた事項につきましては、これらの法改正により必要な措置を講じたものと認識をしております。  なお、検討した結果、やらないというものもございますが、それらを含め必要な措置を講じたというふうに認識をしております。
  35. 広田一

    ○広田一君 ただいま大臣の方から、全ての事項について必要な措置を講じた旨の御答弁があったところでございます。  そこで確認をしたいと思いますが、この最終報告書の中に、自然災害による国家的な緊急事態への対応の在り方という項目がございます。そこに何が書いてあるかというふうに申し上げますと、緊急事態が生じた場合の災害応急対策のために十分な法的備えを行うべきである、こう指摘をした上で、幾つかの検討項目を掲げております。  確認になりますけれども、それも十分検討した上で、先ほど御紹介があった法律には緊急事態条項の追加というものはないというふうに私は理解をしておりますけれども、緊急事態についての法改正は現状必要はないという理解でよろしいんでしょうか。
  36. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) 防災対策推進検討会議の提言を受けて行った、先ほども申し上げました災害対策基本法の一部改正、あるいは大規模災害からの復興に関する法律につきましては、災害対策基本法第百九条第一項に規定する政令で定める事項の追加等は行っておりません。  平成二十五年の災害対策基本法の一部改正において、災害緊急事態の布告に係る規定を見直しまして、政府による対処基本方針の策定、内閣総理大臣による国民への物資買占めの自粛等についての協力要求、避難所等の設置、埋葬、廃棄物処理等に関する法の特例措置の自然発動、特定非常災害法による特定の権利利益に係る期限の延長等の特別の措置の自動発動といったところについて新たに措置をしたところでございます。これは、災害緊急事態の布告をしやすいようにする、そういうことでございます。
  37. 広田一

    ○広田一君 確認でございますけど、布告をするという意味でございますので、いわゆる緊急事態条項という観点理解されております私権を制限したり三権分立の例外規定というふうなことではないという確認をしたいんですけれども、それでよろしいでしょうか。
  38. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) そういう御理解でいいと思います。最終報告において、緊急事態条項について特に触れられてはおりませんでした。
  39. 広田一

    ○広田一君 そこで、先ほど大臣の方から、災害対策基本法の百九条についての言及がございました。これは、御承知のとおり、三権分立の例外であります。法律上のいわゆる国家緊急権が規定されている条文でございます。  これについて確認なんですけれども、先ほどの最終報告の中での問題提起もありました、帰宅困難対策であるとか、あと治安維持等の観点からも、この緊急措置範囲といったものを拡大する必要があるんじゃないか、こういうことを検討すべきだというふうな提言もあったわけでございます。  繰り返しの確認で恐縮ですけれども、これらも含めて、現状はいわゆる緊急事態条項といったものを法改正する、追加をする必要はないという理解でよろしいでしょうか。
  40. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) おっしゃるように、帰宅困難者対策あるいは治安維持といったところにも触れられておりますが、これらについては、検討した結果、やらないという、やる必要がないということでございます。
  41. 広田一

    ○広田一君 この点も、重要な点、確認が取れたというふうに思うところでございます。  それでは次に、東日本大震災のときに問題になった具体的な事例に基づいてお伺いをしたいと思います。  東日本大震災の直後、ガソリン不足とか灯油不足などが発生して大問題になりました。当時、私も防衛大臣政務官を務めておりましたけれども、これは非常に大問題だというふうなことを認識をしたところでございます。  ここでお伺いしますけれども、これらの不足によりまして、例えば救急車などが出動することができなかったという事実はあるんでしょうか。
  42. 土屋正忠

    ○副大臣(土屋正忠君) 広田先生の御質問にお答えを申し上げます。  ガソリン不足が発生して救急車などの緊急車両が出動できなかったという事実はあるかという御質問でございますが、岩手、宮城、福島、被災三県、それぞれ十二消防本部、合計三十六消防本部に調査をいたしましたところ、東日本大震災の直後において、燃料不足によって消防本部の消防用自動車が出動できなかった事例はないと聞いております。  ただ、一部の地域において、燃料不足により、消防団が保有するいわゆる非常備消防の消防用自動車が見回りのための出動回数を、なくなるといけないと思って、いわゆるおもんぱかって回数を減らしたと、こういう事例はあるようですが、いわゆる正規消防の消防本部ではございません。
  43. 広田一

    ○広田一君 今御答弁がございましたが、救急車の出動についてはこれはなかったというふうなことでございますが、これらも踏まえまして、ガソリン不足等の教訓で何らかの法制上の対策であるとか、そして備蓄や運搬などについて講じられた対策は一体何であるのか、お伺いをしたいと思います。
  44. 藤井敏彦

    政府参考人(藤井敏彦君) お答え申し上げます。  東日本大震災の経験を踏まえまして、災害時に被災地への石油供給を円滑に行うため、平成二十四年に石油の備蓄の確保等に関する法律を改正をいたしております。  具体的には、従来、海外から原油の輸入が途絶する事態に限定をされておりました備蓄石油の放出の要件を見直し、災害によって被災地等の特定の地域における石油の供給が不足する場合においても放出ができるようにいたしました。また、石油会社に対して、災害時に被災状況や復旧に関する情報を共有し、共同で相互の製油所、油槽所などの設備を利用するといった、企業の枠を超えて被災地に速やかに石油を供給するための計画をあらかじめ共同で作成させまして、災害時に経済産業大臣の判断によりその実施を勧告できるようにする等の対策を講じております。  こういった対策を通じ、将来の災害に備え、被災地へのガソリン等の安定的な供給の確保に努めてまいりたいと考えております。
  45. 広田一

    ○広田一君 東日本大震災の教訓を踏まえて、法制上、そして関係団体、業界とも更なる連携を密にして取組をするということで対策を講じているというふうに理解をしたところでございます。  次に、東日本大震災直後、これも問題になったのが、被災地において道路上に車両が置かれてしまって、例えば避難所などに救援物資というものを届けることができなかった、そういった事例はあったんでしょうか。
  46. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) 東日本大震災の直後、地震もそうですが、津波がございましたので、多くの道路は津波によって瓦れきに覆われているという状況でございました。ですから、道路上の車両ということでは個別具体的にはなかなか把握をできておりませんが、災害時にそうした人員、物資の輸送を行う緊急通行車両の通行を確保することは極めて重要であります。東日本大震災においても、道路の啓開が迅速に実施されました。  政府としては、首都直下地震想定される放置車両による深刻な道路麻痺、交通麻痺、あるいは平成二十六年二月の関東甲信地方の豪雪により多数の立ち往生車両が発生したことを踏まえ、平成二十六年十一月に災害対策基本法を改正し、立ち往生車両や放置車両対策を強化をいたしました。また、昨日二十九日に、中央防災会議幹事会で決定した首都直下地震における具体的な応急対策活動に関する計画等において、被災地域に到達するために通行を確保すべき道路を緊急輸送ルートとしてあらかじめ定めるということを教訓を踏まえてやってまいったところでございます。
  47. 広田一

    ○広田一君 東日本大震災のときには、大臣指摘のとおり、やっぱり津波で流されてしまい、多くの瓦れき等々、道路の啓開等が非常に重要な問題になりました。  そして、今大臣の御紹介がございました平成二十六年の改正でございますけど、それはいみじくも山谷筆頭が大臣のときに取り組まれた改正でございます。山梨、そして長野のあの豪雪等々の教訓を踏まえての改正だったというふうに理解をするところでございます。こういった観点からも、放置自動車等々の対応、対策ということについても、必要な法制上の措置というものを講じているというふうに理解をするところでございます。  次に、東京電力の福島第一原発の発電所の事故後、物資の運搬等を行う運転手、この方々が放射線量などの影響を懸念をされた結果、同発電所であるとか、このときにはその周辺には避難所等はなかったというふうに思いますけれども、その周辺地域への物資の運搬といったものが円滑に実施することができなかった、こういう事例があったのかどうか、お伺いをしたいと思います。
  48. 山本哲也

    政府参考人(山本哲也君) お尋ねの事例でございますけれども、例えばの例としまして、南相馬市の例でございます。南相馬市の給油所への燃料の配送を放射線等を懸念いたしました運送会社が拒否をしたと、こういう事例がございました。したがいまして、この事例におきましては、その後、南相馬市の消防団員あるいは自衛隊の職員の方々が運転手となって配送するということをいたしたわけですが、ただ、その配送には時間を要したといった事例がございました。  したがいまして、こうした反省を踏まえまして、まず自治体におかれましては、必要な物資を備蓄するということだけでなくて、国も、物資の担当をしています関係省庁と業界が一体となって、原子力災害時におきましても搬送を行う体制を整備していくということが重要でございます。  その一環としまして、例えば先ほどの燃料の安定供給については、国や自治体、それから石油の精製事業者等の役割等をまとめましたマニュアルの策定を進めるというようなことと、それから、先ほどの放射線の心配ということが当然ございますので、そういうトラックの運転手の方々がきちっと安全を確保して運転できるように、こういう原子力災害時の物資の運搬が可能となりますよう、トラックの運転手の方々への研修や訓練、これらなども新たに始めているところでございます。あわせて、こういう運転手の方々の放射線防護のための資機材、こういったものの整備も今進めているというところでございます。
  49. 広田一

    ○広田一君 今御答弁を頂戴したところでございますが、確認なんですけれども、様々なマニュアルの策定等々を進めて万全を期すという旨の御答弁があったわけでございますけれども、それでは、これは別段、法改正といったものの必要性はないという理解でよろしいんでしょうか。すなわち、当時は運転手さんがなかなか放射線量の高いところに物資を運ぶことについてはまあ遠慮したいというふうな思いの中で、これを強制的に運ばせるというふうな旨の必要性というものはないという理解でよろしいんでしょうか。
  50. 山本哲也

    政府参考人(山本哲也君) 物資の輸送とかあるいは住民の方々の避難、これはバスとかを活用することになりますけれども、こういった事前の対応というのは、各自治体それから国も参画いたしますけれども、事前に事業者と自治体との間で協定を結びまして、その中で安全確保対策、あるいはどういった事態に対応するかということをあらかじめ取決めをいたしまして対応するということにしているところでございます。  したがいまして、これは当事者間のそういう協定に基づく対応で今現在対応ができてございますので、特別な何か法律が必要という状況ではないというふうに考えておるところでございます。
  51. 広田一

    ○広田一君 ありがとうございました。  それで、河野大臣、以上三つのちょっと具体例を質問させていただいたんですけれども、そこから導き出される教訓として、最後の特に原子力関係がそうでありますけれども、こういった事柄についてやはり私権を制限するような新しい緊急事態条項必要性があるのかどうか、この点についての大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
  52. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) 東日本大震災の様々な教訓を踏まえて、各省庁はそれぞれ必要な対策を取ってきたというふうに思います。特に、災対基本法における災害緊急事態の布告に係る措置、今までは物価の統制ですとか物資の輸送に関するところとか極めて限定的だったわけですが、先ほど申し上げましたように、政府の対処基本方針の策定を含め四項目新たにさせていただきました。そうしたことを今後は適切に運用に努めていくということが必要なんだろうというふうに思っております。
  53. 広田一

    ○広田一君 ありがとうございます。そちらの方、是非、実効性のある運用が何よりも大事だというふうに思いますので、よろしくお願いを申し上げます。  そして、国家緊急権が必要だというふうに御主張をされる方々の中で、やはり地震発生してから早急に対応しなければならない、政令等で何らかの措置を講じなければならないというふうな御主張がございます。  東日本大震災発生から一か月以内に、閣法であるとか議員立法であるとか、東日本大震災に対応するためのいわゆる新たな緊急事態条項を伴う法改正はこれまでの議論でなかったわけでございます。その当時の対応について河野大臣としてはどう認識、評価されているのか、お伺いをしたいと思います。
  54. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) 東日本大震災におきましては、発災直後から各省庁において法改正を含め必要な対策が行われてきたと考えております。発災一か月以内に閣法で、平成二十三年東北地方太平洋沖地震に伴う地方公共団体の議会の議員及び長の選挙期日の臨時特例に関する法律、また議員立法としては、平成二十三年東北地方太平洋沖地震等による災害からの復旧復興に資するための国会議員の歳費の月額の減額特例に関する法律案、これが行われているところでございます。  議員立法についてお答えをする立場にはございませんけれども、政府としては、東日本大震災の初期対応を行う発災一か月の時点において災害緊急事態に係る法改正は特段の必要がなく、行われなかったと認識をしております。
  55. 広田一

    ○広田一君 今、河野大臣の方から御答弁がございました。いわゆる国難の東日本大震災のときでもその必要性はなかったというふうな答弁でございますので、これも重要な御答弁だというふうに理解をするところでございます。  本日は、るる、幾つかの切り口で緊急事態条項必要性について議論をしてまいりました。結論を申し上げれば、現状においては新たな緊急事態条項の制定の必要性はないということでございました。追加すべき法律上の緊急事態条項現状何もないのに、現時点で憲法を改正してまで国家緊急権を規定することが国政上の喫緊の課題なのかどうか、この点について、一般論で構いませんので、河野大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
  56. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) 国民の安全をどう守るかというところは、憲法の中でも非常に大事なことだと思っております。これは、政府というよりは国会が発議して国民の皆様に決めていただくものですから、国民の間の議論がどうなるのか、あるいは国会の中での議論がどうなるのか、そこはしっかり注目しながら、適切な現在の法律の運用に努め、防災に関して責任を持って当たりたいと思っております。
  57. 広田一

    ○広田一君 これから国会等でも議論が活発になるというふうに思いますが、河野大臣は非常に情報発信力が高い方でございますので、是非とも本音の議論を進めていただければなというふうに思います。  本日は、南海トラフ巨大地震対策等々についても質問通告をしておりましたが、自分の持ち時間が来てしまいました。これにつきましては、済みません、国交省の皆さんからも御出席をいただいておりますけれども、次の国土交通委員会質問ができるようにしたいというふうに思いますので、以上をもちまして質問を終了させていただきます。  どうもありがとうございました。
  58. 小林正夫

    ○小林正夫君 民進党の小林正夫です。  今日は、災害により現実に起きていることへの対応について何点か質問をいたします。  東日本大震災から丸五年が経過をいたしました。そして、災害公営住宅の建設が進んでまいりました。いよいよ入居、こういう状況になってきましたけれども、具体例を挙げてこの入居の問題についてまず質問をいたします。  二世帯で御自宅に同居されていた家族が被災をして、親世帯はみなし仮設住宅に入った、そして子世帯はみなし仮設住宅ではない一般の民間賃貸住宅に避難をした。そして、この家族は災害公営住宅への入居を希望して、自治体も二世帯分、それと二つの住戸の整備の計画を立てた。そして、その後、子世帯の家賃負担が厳しいことから、災害公営住宅ができるまでの一時的な住居として一般の公営住宅が提供された。そして、この災害公営住宅の完成が近づき募集が行われたことから、予定どおり入居の申込みをしたところ、現在公営住宅に住んでいる子世帯の家族は住宅困窮要件を満たさないということで、申込みはできないと自治体から言われた。こういう事例がありました。  このような状況に置かれた家族に対しては、被災者に寄り添って私は柔軟な対応をしていく必要があるんじゃないかと思いますけれども、国土交通省としてはどのようにお考えでしょうか。
  59. 杉藤崇

    政府参考人(杉藤崇君) 公営住宅法では、その入居者資格として住宅困窮要件を定めておりますが、この要件の具体的な当てはめにつきましては地方公共団体の判断に委ねられております。したがいまして、御指摘のようなケースにつきましても、地域状況等を十分踏まえていただきまして、地方公共団体において適切に判断されるということが十分可能かというふうに考えてございます。
  60. 小林正夫

    ○小林正夫君 少子高齢社会だとか家族の事情を考えると、同じ災害公営住宅で一緒に暮らすということは私非常に意味があること、このように思います。  今回の大震災は、千年に一度と、こう言われる大災害であります。今適用している法律は、平時を前提として昭和二十六年に施行された法律なんです。したがって、千年に一度の出来事があったこの大震災に対して現実にそぐわないような、今言ったような状況が出てきているので、入居資格の緩和だとかあるいは特別措置を制定して、親世帯と子世帯が一緒に暮らせるなど被災者に寄り添った私は対応が必要だと、このように思います。  是非、国土交通省、少し今の答弁、私、自治体でやる部分もあると思いますけれども、国としてこういうことをしっかり実現できるように指導してもらいたいと、このことを強く要望しておきます。  そして、次の質問ですけれども、東日本大震災では、復興交付金等の基幹事業として東日本大震災特別家賃低減事業が行われております。これは、応急仮設住宅等に居住する低所得者の被災者が円滑に恒久住宅に移行し速やかに生活再建ができるよう、災害公営住宅等の家賃を一定期間、入居者が無理なく負担し得る水準まで低廉化するため、こういう目的で地方公共団体が実施する家賃減免に係る費用を国が支援するもの、こういう制度であります。  この制度では、災害公営住宅等の管理開始から六年目から十年目にかけて徐々に支援額が減少する仕組みになっています。しかしながら、仮設住宅から恒久住宅への転居に当たっては、経済的な困窮を訴える被災者も非常に多いことから、低所得者の被災者に対して地方公共団体による家賃減免措置が今後も安定的に行われるよう、当初五年間の特別軽減期間の延長を考えるべきだと、また考えてほしいと、こういう意見がやはり被災者の皆さんから多く寄せられております。  是非、このこともやはり被災者に寄り添った対応ということで私は実現をしてもらいたいと思いますけど、国土交通省、いかがでしょうか。
  61. 杉藤崇

    政府参考人(杉藤崇君) 公営住宅の家賃は、公営住宅法の規定により、入居者の収入、住宅の広さ、立地、築年数等に基づきまして低廉な額に定められております。また、地方公共団体が必要と認めるときは、これを更に減免するということができることとされてございます。  公営住宅を低廉な家賃で供給するために国は地方公共団体に財政支援を行っておりますけれども、この東日本大震災につきましては、特別家賃低減事業といたしまして、特に収入の少ない入居者の家賃について地方公共団体が減免する場合に、地方公共団体に低減事業として追加支援を行ってございます。また、東日本大震災災害公営住宅につきましては、今申し上げました家賃低廉化のみならず、整備費につきましても補助率を引き上げ、被災地方公共団体の特段の負担軽減を図っているところでございます。  このように、東日本大震災災害公営住宅の供給につきましては、これまでもこの被害の甚大さを勘案いたしまして国としても最大限の財政支援を行っているところでございまして、御指摘東日本大震災特別家賃低減事業の支援期間の更なる延長につきましてはなかなか難しいものというふうに認識をしてございます。
  62. 小林正夫

    ○小林正夫君 先ほどの繰り返しですけれども、今回の大震災、千年に一度と言われるもう本当に大きな災害でした。是非、被災者の気持ちを酌んでいただきながら、先ほど言ったように、今の法律は先ほど言った経過がありますので、こういう災害時にしっかり被災者に寄り添った対応ができるように私は国としてやっていくべきだ、このように思いますので、このこともお願いをしておきます。  次の質問です。  今日は消防庁に来ていただきました。  太陽光パネルが屋根あるいは建物に乗っかっている家が火災になった場合に、消防士の方が太陽光パネルの発電によって感電するおそれがあると、このように私聞いております。  それで、消防士の方、本当に日常の生活の中で、使命感あふれて、自分の命も顧みないで頑張って消火活動に当たっていることに対しては、私、本当に敬意を表します。消防庁にお聞きをしますと、この十年間で八十六名の方が業務上によって亡くなっていると、こういう事実もある。このことも私は大変重たい出来事だと思います。  それで、消防士の方が今言ったように太陽光パネルなどが乗っかっている家に消火活動をするときにどういうことに留意をしなきゃいけないのか、あるいは消火活動においてどういうことを注意して消火しているのか、まずそこをお聞きをいたします。
  63. 熊埜御堂武敬

    政府参考人熊埜御堂武敬君) お答えいたします。  太陽光発電パネルは光を遮らない限り発電し続ける特性を持ちますことから、太陽光発電パネルが設置された建物における火災では、火災の初期から終息後の活動に至るまで常に感電の危険性があること、また太陽光発電パネル自体が落下する危険性があることを前提に安全管理を行う必要があります。  消防隊員の感電防止のための留意事項といたしましては、放水の際は、棒状で放水すると電気が水を伝わり感電する可能性があるため、粒状の水が建物に掛かるよう放水の距離や筒先を調節し噴霧状の放水を行うようにすること、また、太陽光発電パネルから延びた配線が切断され建物に触れている場合には感電の可能性があるため、水がしみ込んだ防火手袋で安易に建物に触らないようにするとともに、建物内部で活動する場合には絶縁性の高い手袋を使用することなどがございます。  以上の留意事項につきましては、消防庁から各消防本部に対しまして、平成二十五年三月に事務連絡を発出し周知を図っているところでありまして、各消防本部においてはこれに基づき適切に対応しているものと承知しております。
  64. 小林正夫

    ○小林正夫君 そういう状況について教えていただきました。ありがとうございます。  そして、太陽光パネルが原因とする火災、これはどのぐらい発生しているのか、また消防士の方が感電したという事例はどういう事例があるのか、教えてください。
  65. 熊埜御堂武敬

    政府参考人熊埜御堂武敬君) お答えいたします。  市町村からの報告によりますと、太陽光パネルから出火した火災件数ですが、平成十七年から平成二十六年までの十年間において十九件となっております。  この十九件の中では、消防隊員が感電した事例は承知しておりませんが、太陽光パネルが設置された建物における火災において、消防活動時に消防隊員が負傷には至らなかったものの感電した事例としては、以下の二事例を把握しております。一つは、火災終息後、消防隊員が消防活動のため二階の屋根裏の壁や屋根に貼られている濡れた断熱材に触った際に感電した事例、二つ目は、火災終息後、消防隊員が消防活動のため屋根に設置された太陽光パネルを外す作業を行っていた際に感電した事例でございます。
  66. 小林正夫

    ○小林正夫君 私は、消防士の方はもちろんですけれども、一般の公衆の人を含めて、この火災における太陽光パネルが要因とする感電事故、こういうものも防いでいかないといけない、このように思っております。  今日は資料を用意いたしましたけれども、この資料の下の方の右側には、これは、去年の九月に鬼怒川が氾濫したときにあそこの付近にあった太陽光パネルが水没をしたという、こういう事例がありました。そのときに太陽光発電協会の皆さんから、近くに寄らないでくださいと、こういう指示が出た。その理由は、感電するおそれがあると、こういうことが理由でした。  私、先日の三月十四日の予算委員会でこの問題取り上げて、世界的に同じようなパネルを使っていると思いますので、このパネル自身が発電を止める、そういう機能を持つ、開発をすることが必要じゃないかという問題提起をいたしました。安倍総理の方からも、問題意識共有をしていただいて、今我が国においてもこの問題について研究を始めているという答弁がありました。  この問題については、今日は時間がありませんので、また別な関係する委員会で、更にどういう研究を進めていくのか、実用がいつ頃をめどになるのか、そういうことについて私としては取り扱っていきたいと思います。今日は、消防士の皆さんが大変御苦労をされているという、このことをお聞きをして、できれば共有化をしておきたいと、このように思います。ありがとうございます。  自分の質問の時間の関係で、通告とちょっと順番が違いますけれども、次の質問に移ります。  昨年九月に発生した関東・東北豪雨、この関係の話であります。これは、三月十六日の河野大臣の所信表明で、昨年九月に発生した関東・東北豪雨災害を踏まえて水害対策の強化に取り組むと、このように述べられました。  今回、茨城県の常総市付近ですけれども、鬼怒川の堤防が壊れたことが原因なんですけれども、壊れた原因がいろいろ言われています。要は、土手を越水をして水があふれてしまった、これが原因じゃないかという話もあれば、土手自体が浸水によって少し弱くなっていて、それで堤防が壊れたんではないか、いろんなことが言われておるんですけれども、この堤防が壊れた要因は何だったのかということをまず一つお聞きします。  併せてお聞きをしますけれども、当時、常総市では住宅が五千棟以上が全半壊をいたしました。私は、一月にこの常総市に行ってまいりました。今の状況についていろいろ聞き取りもさせてもらいましたけれども、半年たった三月九日現在で、まだ百世帯、二百六十九名がつくば市等の公的住宅に仮住まいしていると、こういう状況でございます。ですから、堤防が壊れるともう甚大な被害が及ぶと、このようなことになると思います。  そして、全国的な河川の対策については別途改めてこの災害対策特別委員会質問をしたいと思いますけれども、今日は、鬼怒川における堤防の防災対策、予算措置、住民の避難、こういうことを今後どうしていくのか、考え方をお聞きをいたします。
  67. 野村正史

    政府参考人(野村正史君) お答えをいたします。  まず、鬼怒川の堤防決壊の要因でございますけれども、昨年の関東・東北豪雨では、栃木県、茨城県に大雨特別警報が出されるというふうな状況の下で、九月九日から十日にかけ、鬼怒川流域におきましても二十四時間降水量が過去最大を記録するというふうな、そういう地点が多数に上るなど、本当に記録的な大雨に見舞われたところでございます。この大雨により鬼怒川の水位は大きく上昇し、堤防が決壊した地点では堤防の高さを上回るような水位となりました。  この堤防決壊を受けて、国土交通省では、決壊直後の九月十二日に専門家から構成される鬼怒川堤防調査委員会を設置し、現地調査を含む調査検討を行いました。  その検討の結果、堤防決壊の主な原因として、堤防を乗り越えた洪水により川裏ののり尻部が洗掘されたこと、これちょっと分かりづらいのでもう少し平易に申し上げますと、川と反対側の町側の堤防の付け根付近が堤防を乗り越えた水流に洗われてえぐり掘られていく、そういうことになるわけですけれども、これによって堤防本体が町側の方から徐々に流出をしていって、ついには決壊に至ったと、そのように考えられるとの結論を得ております。  それから、済みません、今二点目にございましたので、今後の鬼怒川の対策でございますけれども、今回の甚大な被害を踏まえまして、そういう河川管理施設では防ぎ切れない洪水は必ず発生するとの考えに立ちまして、社会全体で洪水に備えるため、昨年十二月に水防災意識社会再構築ビジョンというものを国交省では策定をしたところでございます。  このビジョンに沿って、鬼怒川下流域におきまして、国、茨城県、常総市など沿川の七市町によるハード対策そしてソフト対策が一体となった取組を鬼怒川緊急対策プロジェクトとして、今年度、平成二十七年度から実施してございます。このプロジェクトの一貫として実施する鬼怒川の河川改修は、今回の出水と同規模の洪水を安全に流すため、漏水対策を含む堤防整備あるいは河道の掘削など、平成三十二年度の完成を目指して緊急的、集中的に進めることとしております。  なお、平成二十八年度の予算の配分額でございますけれども、恐縮ですが、現在、最終の調整を行っているところでございます。  それからまた、国、茨城県、それから関係する、これは少しエリアが広がって十の市及び町から成る協議会を設置いたしました。そして、被害軽減のための目標、具体的には、例えば鬼怒川、小貝川の大規模水害に対して逃げ遅れゼロ、こういうふうな目標ですけれども、これを関係する市、町の共有の目標として掲げた上で、ハード対策とソフト対策を一体的、計画的に推進し、円滑かつ迅速な避難、あるいは氾濫水の排水、そして的確な水防活動を実現してまいるとしているところでございます。  引き続き、県、市など関係公共団体とも連携しながら、地域の安全、安心の確保にしっかりと取り組んでまいりたいと思っております。
  68. 小林正夫

    ○小林正夫君 今回の鬼怒川の堤防が壊れたというところ、要は、鬼怒川の水を、何だろう、川で流し切れなくて、それで堤防を越えて水があふれちゃったという、こういうことですので、大変心配をしております。ですから、これはもう全国的に、河川について同じような心配があるところはやはりきちんとした対策をしていかないと安心した生活に結び付きませんので、これはまた別途いろんな場面で質問をしたいと思います。  最後の質問ですけれども、先ほどの資料を見ていただきたいと思います。  多くは語る必要ないと思いますけれども、これは群馬県、去年の九州、太陽光パネルがこのように飛散をしたり、あるいは太陽光パネルの土台が壊れてしまった、こういう経過がありました。これからも太陽光発電は、大変必要ですから、大いに普及していくと思います。でも、こういうことはやはり防災対策としてしっかりやっていかなきゃいけない、こういうことです。  したがって、これらのことを受けて、やはり太陽光パネルの設置基準だとか架台の強度、こういうことに関係する何か基準を作って設置をさせていくということが私は必要だと思いますけれども、この辺についてはいかがでしょうか。
  69. 北村経夫

    大臣政務官(北村経夫君) お答えいたします。  委員指摘のように、太陽光発電を推進する上で安全性の確保は大前提であるということは言うまでもないと、そういう認識を持っております。  昨今、不適切な設計や施工によりまして、電気事業法に基づく技術基準を満たしていない事案が散見されているところでございます。このことから、先週、産業構造審議会電力安全小委員会で今後の安全対策を取りまとめたところでございます。  具体的には、複雑な強度計算を行わずとも設備を安全に設置できるよう、太陽光パネルを設置する架台や基礎の具体的な設計例を技術基準において例示していくと。また、一定程度の出力を有する太陽光発電設備について、事業者自らが運転開始前に設備を検査しその結果を国に届け出る制度を導入するとともに、太陽光パネルの脱落そして飛散を伴う損壊事案について広く事故報告を求める方針でございます。これら届出制度等事故報告制度は、この夏にも開始できますよう今準備を進めているところでございます。さらに、今小林委員例示されました水没時の感電防止対策、そしてパネルの飛散防止対策についても今後検討していく所存でございます。  こうした対策や検討を速やかに行い、太陽光発電設備の安全が確保されますよう、経産省としてもしっかりと取り組んでまいる考えでございます。
  70. 小林正夫

    ○小林正夫君 ありがとうございました。  これで質問を終わります。
  71. 谷合正明

    ○谷合正明君 公明党の谷合正明です。  我が国では、毎年のように、地震台風火山、集中豪雨、大雪など、一旦起こってしまいますと甚大な被害をもたらす、そういう自然災害が起きております。その中でも、今後想定されます首都直下地震南海トラフ巨大地震津波など、大規模災害へのハード、ソフト両面の対策は喫緊の課題であります。  例えば、今日は高知県のお二人の先生質問されていますが、高知県の話をしますと、高知県では、南海トラフ地震が起きた場合、最大死者四万二千人、避難者は四十三万人と被害想定しています。高知県では、これまでも津波避難タワーを目標の九割まで設置するなど、津波避難を最優先した取組を進めてまいりました。さらに、防災減災を着実に進めるために、昨年八月に国土強靱化地域計画であります高知県版の強靱化計画を策定しまして、今後の施策の方向性が取りまとめられたところであります。このような動きはほかの県にも広がっていると承知をしております。  一方、ただ、課題を挙げるとすれば、どこの都道府県も同様かと認識しておりますが、県レベルでの地域強靱化計画は策定が進んでおるんですが、市区町村の動きはまだまだこれからというところではないかと思います。大規模災害のリスクの高い県でも同様な進捗状況ではないのかなと推察するわけでありますけれども、国土強靱化基本法では各自治体が地域計画を策定することが求められております。  まず、国土強靱化地域計画の策定状況、特に市区町村レベルにおきます状況につきまして、内閣府からその状況について尋ねたいと思います。
  72. 河村正人

    政府参考人河村正人君) お答えいたします。  地域計画につきましては、現在、二十二都道県、それから十三の市区町村で策定済みということでございます。それから、二十五の府県、二十七市町村で策定中というふうに承知をいたしております。  以上でございます。
  73. 谷合正明

    ○谷合正明君 今数字をぱっと言われましたけれども、全体が千七百以上の自治体の中で、策定、都道府県の方はおおむねカバーしているんだと思いますけれども、市区町村の割合は恐らくパーセントでいうと二%、三%ぐらいの話ではないかなと思っております。  担当大臣であります加藤勝信国土強靱化担当大臣はこの状況をどう認識されているのかということをまずお伺いしたいのと、実際、大規模災害による最悪の被害を回避するためには、国とやはり自治体との連携も必要でありますし、自治体同士の横の連携も必要になってくると思います。更に言えば、地域現場、生活現場というのは国ではなくむしろ県、県ではなくむしろ市区町村にあるわけでありますから、それだけ市区町村版の地域計画の重要性というのは論をまたないわけであります。また、中身についても、住民から見て分かりやすいような地域計画でないといけないのではないかと考えております。  そこで、地域計画の必要性に鑑みまして、技術的な助言など市区町村レベルの計画策定を国としても応援していくべきではないかと考えますが、加藤国土強靱化担当大臣に取組について伺いたいと思います。
  74. 加藤勝信

    国務大臣加藤勝信君) 国土強靱化の取組は、そこで住んでおられる住民の皆さんの生命や財産を守るということにおいて非常に重要な取組でもありますし、また一方で、そうした取組を通じて地域の経済にも、発展にも資すると、こういうふうにも指摘をされておられます。  それぞれの地域で主体的に進めていただくことが重要でありまして、国土強靱化基本法第十三条では、地域の計画については定めることができると、こういう規定になっております。それを踏まえて、都道府県では、今全ての都道府県において策定済みあるいは策定をしていただいている。  ただ、今委員指摘いただきましたように、市区町村においては、多分千八百弱あるわけでありますから、それに対して四十ということでいえば二%から三%ということで大変低い水準でもございますし、私も委員も岡山でございますが、岡山では岡山市のみしかまだ策定をしていない、こういう状況、まあほかのところもほぼ同じような状況でございまして、しっかりとこれは地域計画を是非策定をしていただきたい、こういうふうに思っております。特に、人口が多くて各種機能が集中することなど、大規模自然災害による影響が甚大な政令指定都市等にまずは積極的に働きかけを行っていきたいと考えております。  今御指摘ございましたけれども、地域計画策定ガイドラインの策定や説明会の開催、あるいは専門家、我が内閣官房の人間を派遣をして行う出前講座などもやらせていただいておりまして、そういったことを通じて計画の必要性とともに策定手法をよく知っていただく、あるいはそれをサポートしていきたいというふうに思っております。  また、加えて、やはり策定をするメリットということをしっかりと御説明をしていく必要があると思っておりまして、関係府省庁において関連する交付金や補助金で地域計画の実施にのっとったものはより応援をしていくということを考えさせていただいておりまして、具体的には、平成二十七年三月以降に策定された地域計画については、平成二十八年度、すなわち来年度ということでございますが、から順次適用されていくということでございます。これが適切に運用されるよう関係府省庁に働きかけるとともに、支援の効果等について同時に見える化をして、その結果を地方公共団体に周知をしていく、こういうことを通じて市区町村でもこうした地域計画を早く作っていく、こういった機運を是非促していきたいと思っております。
  75. 谷合正明

    ○谷合正明君 法律上はもちろん義務化ではないわけでありますが、この議員立法の趣旨としては、当然、市区町村レベルの地域計画の重要性というのは、立法者の方は恐らくその重要性というのは認識していて、当然これが、速やかに計画が策定されることを期待しているわけでありますので、是非大臣におかれましては、今申し上げた、政令市をまず最初にという話もありましたしメリット措置ということもありましたけれども、しっかりと対応していただきたいというふうに思っております。  災害については、広域連携というものが非常に今重要になっておりまして、国土交通省でも広域地方計画を取りまとめたところでありますけれども、例えば中国地方と四国という、もう圏域を越えて防災の強化、ネットワークを図っていくということが今主流になっているのではないかと思いますが、そういう動きを鑑みましても、この国土強靱化の地域計画というのが本当に早く策定されるべきであるというふうに考えております。  それでは、地方自治体もそうなんですけれども、加えて、社会全体でこの国土強靱化に取り組んでいく上で大事なのは民間部門の取組であります。企業など民間部門の主体的な取組が重要になってまいります。  企業の事業継続に関する計画、BCPと呼びますけれども、BCPを認証する国際標準規格、ISO22301を取得した国内企業は二百社程度にとどまっていると聞いております。国際標準規格の取得に取り組めるのは、大企業であれば取り組めるんだと思うんですけれども、なかなかそういう企業ばかりでありませんから、もう少し我が国の実情に合わせた形でBCP策定への方策を考えるべきではないかと思います。  また、民間企業にとりまして、防災に取り組むことがどういう経済的メリットがあるのか、それを実感していただくことも重要であると考えます。先ほど高知県での防災産業という話もございましたけれども、まさに高知県では、強靱化計画の中において、防災を強化するだけでなく、防災関連産業振興など地域活性化の政策を連動させたことが一つの特徴となっています。  特に地方においては、災害に対する脆弱性に加えて、人口減少問題だとか地方経済の衰退といった課題も同時に抱えているのが実情でございますから、強靱化への取組を、地方創生ですから、経済成長につなげていくということも、今後、民間の取組の裾野を広げていくためにも重要であると考えます。  以上、民間企業の取組を促進していくために政府としてどのように対応していくのか、加藤大臣伺います。
  76. 加藤勝信

    国務大臣加藤勝信君) 今御指摘があり、先ほど答弁申し上げましたように、こうした国土強靱化の取組というのは地域の経済の成長、発展にも資するものというふうにも認識をしております。また、そういう中で、国や地方公共団体のみならず、民間企業等々が取り組んでいただくということが大変重要であり、その促進を図っていきたいと考えております。  そういう中で、今委員指摘がありました事業の継続性ということに関しては、ISOの基準というのがあるわけでありますけれども、これは非常に高い水準であり、なかなか取得に当たっては多額の費用が掛かるというふうにも承知をしているわけでありまして、そういう意味でも、言わばそこまでいかなくてもまずその手前ということで、災害発生時に個々の企業等が自らの事業を継続をしていく、そうした中で被害の拡大、また迅速な復旧復興にもつなげていく、こういう観点で事業継続に積極的に取り組んでいる企業等を国土強靱化貢献団体として第三者が評価、認証する仕組みを構築することとしております。  こうした取組の更なる普及促進をまず図っていきたいと思いますけれども、同時に、そうした取組があるということはまだまだ周知されていないわけでありますので、周知広報を努めながら、また、こうした認証制度によって認証されたことが実際のビジネスの中で活用されていかなければならないわけであります、そういったことも含めてしっかり取組をさせていただきたいと思っております。  また、そうした事業継続の取組に加えて、国土強靱化に役立つ商品やサービスを開発し提供していただく、また帰宅困難者への支援等の社会貢献をする、様々な形で企業もあるいは民間団体もお考えをいただいております。こうしたことを取りまとめた民間の取組事例集、これを作成をし、周知し、また必要に応じそれを改訂をするという形でしっかりと広報に努めていきたいと思っております。  いずれにしても、災害に強くしなやかな国づくりに向けては、もちろん国、地方公共団体、さらには民間等、まさにオールジャパンで取り組んでいくことが必要だと思います。
  77. 谷合正明

    ○谷合正明君 しっかりと取り組んでいただきたいと思います。  次の質問に移ります。世界津波の日の制定に関してであります。  昨年十二月、国連総会で、十一月五日を世界津波の日として制定することが全会一致で採択されました。今後、津波の脅威についての関心が国際的に高まり、その対策が進むことが期待されますので、そういう意味で大変喜ばしいことではないかと思っております。これをてこに、一層国内の防災意識の向上、また国際防災協力に努めていくべきであると考えております。  その一つ目の国内における防災ということについて河野大臣伺いたいと思うんですが、特に防災教育の重要性というのはよく指摘されるところであります。これ、児童生徒への防災教育の重要性というのはよく指摘されるんですけれども、当然、子供だけじゃなくて地域全体、住民全体の防災意識を高めていく必要があるわけです。国民一人一人が津波災害の備えがどうなっているのか常に振り返っていくことが大切であると思っております。家庭や職場、学校ですとか、よく使うような施設とか、あるいは公共交通機関ですとか、様々な、多様な主体を巻き込んだ形で、身近なところから具体的な防災訓練というのを地道に展開していく以外にないんじゃないかと思うんです。  昨日も、首都直下地震に備える応急対策活動計画が取りまとめられまして、国民への協力要請というのも入ったところでありまして、ますます防災訓練であるとか防災教育というんですかね、これの重要性というのは高まっているんだと思います。とはいえ、なかなか、その重要性理解するけれども参加するまでに至らないという人も結構多いわけでございまして、今回の世界津波の日制定をてこにしまして、大臣が先頭に立って津波などの大規模災害への防災の取組の裾野を広げていただきたいと思っております。  大臣の決意を伺いたいと思います。
  78. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) ありがとうございます。  本当に大勢の皆様のおかげで国連で津波の日が採択されることになりまして、これを一つのきっかけに、国内はもとより海外にも、この津波防災の大切さ、日本が先頭に立って訴えていかなければならないというふうに思っております。  津波は、とにかく早く高いところへ逃げるというのが、これが一番の基本でございます。そういう意味で、様々な地域や職場の防災訓練の中でこうしたことを取り入れていただいたり、今、八月に行おうと思っております防災国大、正式には防災推進国民大会、略して防災国大というふうに申し上げようと思っておりますが、今年は東京で開催をさせていただきますが、そうした中でしっかりと取組をやってまいりたいというふうに思っております。  今日は高知県の話が多いんですが、前回、高知県に視察に行きましたときに、南国市、土佐市の防災津波タワーを拝見をいたしましたが、日頃からそこの辺りを散歩をしていただいて、大体どこからだったらあの津波タワーまで何歩で行ける、何分で行けるというのを、もう何というんでしょうか、散歩の中の感覚で大体分かるようになっている方というのが結構いらっしゃるということでございますので、南海トラフあるいは首都直下地震津波が来るぞと分かっているときには、ただただ津波タワーを整備しましたというだけでなく、そこら辺を散歩に使っていただくとか、あるいは行事のときにその津波タワーを使っていただいて、日頃からそこへ行く、その道筋、距離感というのが分かっているというのが非常に大事だと思っておりますので、そうした取組をいろんなところへお知らせをして、高知県だけでなく各地でそういうことに取り組んでいただきたいというふうに思っております。
  79. 谷合正明

    ○谷合正明君 大臣答弁を聞いていまして、やはり防災というのも訓練というのも、年に一回やればいいという話ではなくて、やっぱり生活のふだんの中に溶け込ませるというのが非常に重要なんだなというふうに思いましたし、八月に防災国大ですか、あるということでございますから、しっかり大臣の発信力を生かしてどんどん引っ張っていただきたいというふうに思っております。  次に、国内の話だけじゃなくて、海外への発信について外務省に伺いたいんですけれども、国連の制定するいわゆる何とかの日というのは、私、数えたことはないんですけれども、恐らく毎日何かしらあるんだと思うんですね。毎日のようにありますから、何といいましょうか、国外に向けての発信というものを国連任せにせず、我が国が計画的、主体的に取り組む必要があるんじゃないかなと思うわけであります。  実は、昨年秋に、私は中東のパレスチナのガザ地区行ったんですけれども、中学生の子供たちが津波という言葉を、日本語をそのまま知っておりまして、東日本大震災があったということもよく知っていたんですね。もちろんあの地域津波が起きる地域とは思えないんですけれども、そのぐらい、何というか、この津波ということが今回の国連で全会一致で採択されたということは、津波の危険性のある国のみならず、それを超えて共有されたという話でありますから、今回は、この津波の日を一つのきっかけにしまして、是非その普及について努めてもらいたいと思っているんです。    〔委員長退席、理事山谷えり子君着席〕  二点目は、実際に、この津波の日は、昨年仙台で開催された国連防災世界会議での成果ですとか、あるいは秋の国連総会で全会一致で採択された二〇三〇年に向けた持続可能な開発のための目標、いわゆるSDGsですけれども、これらの実行を後押しするものであります。したがって、大臣所信でも我が国の防災技術や防災体制を世界と共有するというふうに述べられているんですけれども、具体的に取り組んでいくということが求められていくんだと思います。  以上申し上げましたけれども、外務省に、国際社会へのこの度の世界津波の日、この発信についてお尋ねしたいと思います。
  80. 豊田欣吾

    政府参考人(豊田欣吾君) お答えいたします。  世界津波の日を制定する決議につきましては、先ほどからお話がありましたように、昨年三月の第三回国連防災世界会議のフォローアップといたしまして、昨年十二月の国連総会におきまして百四十二か国の共同提案国を得て採択されたところでございます。これを受けまして、日本といたしましても、津波に対する意識向上のための啓発活動、あるいは津波対策の強化等に取り組んでいく所存でございます。  今週でございますけれども、まさに現時点におきまして、二階俊博議員を始めとする有志国会議員の方々が今後の取組について発信すべくニューヨークを訪問されていると承知しております。  外務省といたしましても、有志国会議員の方々に加えまして、津波関心国や国連国際防災戦略事務局等とも連携いたしまして世界各地におきまして啓発イベント等を行い、我が国の知見、経験や津波防災重要性について精力的に発信をしていく考えでございます。
  81. 谷合正明

    ○谷合正明君 もちろん政府任せにいたしませんので、我々国会としても、国会議員がこういう取組を世界に発信していきたいと。海外に出張する際には、こういうちょっと、世界津波の日が制定されたということを意識しながら我々も取り組んでいきたいというふうに思っておるわけであります。    〔理事山谷えり子君退席、委員長着席〕  さて、次の質問なんですが、南海トラフですとか首都直下型地震のような、そういうとき、緊急災害対策本部が立つような災害だと思いますが、こういう災害のときに我が国から例えば海外の医療機関とかに救助要請するということはなかなか想定しづらいと思います。我が国は基本的には自己完結でできるんだと思います。とはいえ、実際、東日本大震災であるとか阪神・淡路大震災のときは海外から人や物の支援のオファーというのがあったと思います。  そういうときにどういう、特に医療チームについてお伺いしたいんですけれども、海外からの医療チームの受入れをどういうふうに検討して、受入れ体制、どのように政府内に置いていくのかということをまず確認をさせていただきたいと思います。
  82. 加藤久喜

    政府参考人加藤久喜君) お答えいたします。  大規模な災害発生いたしまして甚大な被害発生している場合は、災対法に基づきまして今お話のございました緊急災害対策本部を設置をいたしまして、政府が一体となって人命救助等の災害応急対策を実施するという形になります。  お話のありました海外からの支援の受入れでございますけれども、今申し上げました緊急災害対策本部事務局、ここに内閣府、法務省、外務省等の関係する省庁の人員を派遣をいたしまして、海外支援受入れ班というものを設けまして、その中で調整をしながら受入れについて調整を図っていくということでございます。
  83. 谷合正明

    ○谷合正明君 ちょっと、過去、どういう国からどういう活動があったのかという、簡単に実績を紹介してください。
  84. 加藤久喜

    政府参考人加藤久喜君) お答え申し上げます。  海外からの、東日本の実績でございますけれども、イスラエル、ヨルダン、タイ、フィリピン、四か国の医療チームが、三月の二十九日以降、宮城、福島、岩手の各県に、それぞれ十日間から二十四日間程度、医療活動を実施をしたところでございます。  内容でございますけれども、イスラエルのチームは主に内科系の検査診断、ヨルダンチームはエコノミークラス症候群等の検査診断、タイチームでは内科と小児科の診療、フィリピンチームは在日フィリピン人とその家族に対する心のケアを行ったということでございます。
  85. 谷合正明

    ○谷合正明君 なぜこういう質問しているかというと、実は昨年、徳島県を訪れる中で次のような要望をいただいたんですね。それは、日本の医師免許を持たない外国人医師が実際被災地で医療行為を行う際にスムーズに行えるようにしてもらいたいという要望だったんですね。  というのは、これ補足しますと、昨年、徳島県と高知県はそれぞれ、民間の医療NGOである、岡山に本部があるAMDAと連携しておりまして、南海トラフ巨大地震を始め大規模災害発生時において医療救護活動をするという協定を結んでいるわけですね。AMDAは、避難所等においてボランティア医師や看護師による医療救護活動を行うという内容でして、早期段階での緊急医療の提供や避難所等での災害関連死を防ぐため、長期的、継続的な支援が期待できるというように県としては捉えております。  ところが、AMDAのような国際医療NGOの中には、医師が必ずしも日本人のみならず、国際的なネットワークがありますので、場合によっては日本の医師免許を持たない外国人医師もいわゆる被災地で活動するということも考えられるわけですね。医療通訳の手配が整うとか、そういう条件も必要だとは思いますけれども、そういうことが実際起こり得るんだと思います。しかし、医師法上、外国の医師資格を有する者であっても、我が国において医療行為を行うためには我が国の医師免許を持っていなければならないとなっております。  そこで、昨年、地方から国への提案の中に、日本の医師免許を持たない外国人医師が被災地で医療行為を行う際に、その違法性を阻却できるようにとの項目があったところでございます。今後、緊急災害対策本部が立つような大規模災害の際に無用な混乱を避けるために、政府の対応、見解というものを確かめておきたいと思っております。
  86. 梅田珠実

    政府参考人(梅田珠実君) お答えいたします。  医療の提供は、患者の生命、身体に直接影響を及ぼすものであることから、医師法によりまして、外国人医師であっても日本の医師免許を有していなければ日本で医療行為を行うことは認められておりません。しかし、東日本大震災や阪神・淡路大震災など緊急的な大災害の際には、日本の医師免許を有していない外国人医師が被災者に対して必要最小限の医療行為を行ったとしても、医師法違反の違法性が阻却され得ることを示す事務連絡を発出してまいりました。このことは、政府派遣の医療チームであってもNGOチームであっても同様でございます。  今後、大規模災害が起こった場合には、昨年十二月に閣議決定されました平成二十七年の地方からの提案等に関する対応方針に従いまして、同種の事務連絡を可能な限り迅速に発出するよう努めてまいりたいと考えております。
  87. 谷合正明

    ○谷合正明君 分かりました。違法性が阻却されるということで、明確にしていただきました。  なお、外務省さんにお尋ねしたいんですけれども、日本はよくアジアとかアフリカで災害が起きたときに真っ先に国際緊急援助隊チームを派遣したりするわけですけれども、そこで医師、自衛隊の医務官なんかも活動するんですけれども、そのときに医師法上というか医師免許の問題で問題になるようなことはないと私は認識しているんですけれども、そこはどういうロジックで違法性が阻却されているのかということを確認させていただきたいと思います。
  88. 豊田欣吾

    政府参考人(豊田欣吾君) お答えいたします。  我が国は、海外において大規模災害発生した場合、国際緊急援助隊の派遣に関する法律に従いまして、被災国政府からの医療活動の支援要請に応じて国際緊急援助隊医療チームを派遣しているところでございます。この点、派遣は不測かつ緊急時に行われるため、被災国における被災国内の法令を明示的に確認しているわけではございませんが、被災国政府からの支援要請に基づく派遣であり、したがいまして、同チームによる医療行為が被災国政府から認められたものであることを踏まえれば、その要請の範囲内での活動を行う限りにおきまして被災国との関係で問題が生じることはなく、実際にもこれまで派遣した被災国との間では問題は生じてございません。  なお、WHOの災害時における外国医療チーム用ガイドラインにおきましては、外国医療チームのメンバーが自国における適切な医師免許を有することを求めております。我が国医療チームは当然にこれを遵守し、派遣時には医師免許証の写しを携行しているところでございます。
  89. 谷合正明

    ○谷合正明君 分かりました。要請主義に基づいている限り、違法性というのはないんだということでございました。  以上、国土強靱化計画、世界津波の日の取組、国際的な医療受入れ体制について質問をさせていただきました。国のみならず、県や市町村、民間企業、住民など、関係する主体者が縦の連携と横の連携を図り、状況によっては国際的な連携も図りながら防災力を高めるべきであると申し上げまして、質問を終わりたいと思います。
  90. 仁比聡平

    仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。  今日、私は、火山防災体制の強化についてお尋ねをしたいと思っております。  昨年五月に全島避難となった口之永良部、あるいは阿蘇の中岳もつい今月の四日も千メートルという噴煙が上がり、火山活動が活発化をしています。  噴火や爆発を繰り返している桜島について気象庁にお尋ねをしたいと思うんですが、三月二十五日から二十八日、つまりこの直近にかけても爆発的噴火を繰り返していると思いますが、こうした現在の桜島の活動状況についてどのように見ていらっしゃるでしょうか。
  91. 上垣内修

    政府参考人(上垣内修君) お答えいたします。  桜島では、昭和三十年に南岳山頂での噴火が始まって以来、以降ずっと活発な噴火活動が続いております。  昨年八月には、マグマの急激な上昇を示すデータが観測されたことから、噴火警戒レベルを避難準備を求めるレベル四に引き上げました。その後、マグマの地下の浅いところへの上昇は停止したと考えられたことから、九月にレベルを三に引き下げ、その後も噴火が見られない状況が続いたため噴火警戒レベルを二に引き下げておりましたけれども、本年二月五日でございますが、爆発的噴火発生し、入山規制を求める噴火警戒レベル三に引き上げてございます。以降、爆発的噴火が続いておりまして、昨日二十九日までに合計二十七回の爆発的噴火発生しております。  このように火山活動が活発であることから、気象庁を始め京都大学も高いレベルの観測体制を取っているところでございます。気象庁としては、今後も京都大学等と連携し厳重な監視に努めるとともに、地元火山防災協議会とも密接に連携しながら、正確で分かりやすい情報提供に努めてまいります。
  92. 仁比聡平

    仁比聡平君 今お話しのように、火山活動が活発化をする下で、降灰、火山ガスなどによって周辺に暮らす住民の皆さんの生活に大きな被害が続いているわけです。  資料の一枚目を御覧いただきたいと思うんですけれども、この桜島周辺の地域というのは、もちろん基幹産業は農業です。降灰が付着した桜島小ミカン、それからインゲンマメの写真もありますけれども、もうびっしりこうした作物に灰が付着をしてしまうと。昨年十一月の末に桜島や垂水市をお訪ねしたんですが、伺いますと、長年こうした灰が降るという状態がずっと続いているわけで、ですからミカンだとかビワだとか樹勢の衰えが大きいと。それから、インゲンマメとかキヌサヤとか葉ネギとか、この真ん中の写真には火山ガスの影響で枯れたホウレンソウの写真がありますけれども、こうした農作物被害というのは額にしますと六十一億円を毎年優に超えている、七十億に至らんとすると、こうした被害なわけですね。  その下で、ビニールハウスの導入、それから降灰によって十分な光が入らなくなったビニールの張り替え支援というのは、これなくてはならないものです。この写真の中にも、灰によって光が入らなくなったビニールハウスの写真もありますが、この点について、地元の要望に応えて張り替えの助成が二年ほど前から行われるようになりましたが、農家や自治体の皆さんに伺いますと、透過率、光を通す率が七九・九%を下回らなければならないという条件が厳し過ぎて、使い勝手が悪いというふうに伺いました。  被害は甚大ですし、除去の苦労は大変なものなわけですから、こうしたニーズに応えられるように運用してほしいと思いますが、農水省、いかがでしょうか。
  93. 印藤久喜

    政府参考人(印藤久喜君) お答えいたします。  火山噴火による大量の降灰によりビニールハウスの被覆資材の劣化が著しく、営農に大きく支障を来している場合には、被覆資材の更新、ビニールの更新ですね、を支援しております。  具体的には、先ほど言われた被覆資材の光線透過率がおおむね七割を下回るもの、若しくは火山活動による噴石等で破損したことが明らかに認められるものなどを対象にその更新に対する費用を支援しておりまして、着実に実績は増加しております。  また、先ほど言われました運用の改善についてですけれども、現場からその辺り一層の運用改善を行ってほしいという要望がありまして、例えば、光線透過率を測定する際に、被覆資材に付着している灰の除去方法ですね、それとか測定箇所とか具体的にどうしたらいいのかということを示すなどしてきめ細かな対応を行っているところであり、今後とも適切に対応してまいりたいと考えております。  以上でございます。
  94. 仁比聡平

    仁比聡平君 少し確認しますけれども、つまり、もう大きなビニールハウスでしょう、これに上がって灰を落とすということ自体が大変な作業なんですけれども、これをごしごしきれいに落としてしまってその上で透過率の条件を満たさなきゃいけないということじゃなくて、ホースなどで洗い流すというような箇所を、大きなビニールハウスであれば対角線の二か所、ここについてそういうふうに洗い落とした上で測ればそれで助成はできますよと、そういう運用をしているということですよね。
  95. 印藤久喜

    政府参考人(印藤久喜君) 委員おっしゃったとおり、そのような運用をしております。
  96. 仁比聡平

    仁比聡平君 これからも、現場のニーズを本当に酌み取りながら要望に是非応えていっていただきたいと思います。  桜島を訪ねたときに桜島火山観測所を訪ねまして、先ほど気象庁からもお話のありました京大火山防災研究所所長の井口正人教授にも様々なお話を伺う機会を得ました。今日は、そのお話の中で私自身が受け止めた、言わば権威ある専門家からの重大な警鐘というふうに感じた三つのテーマについて大臣の御認識をお尋ねしたいと思うんです。  一つは、破局的噴火までにそんなに時間はないという指摘です。  資料の二枚目は、これは井口教授から御提供いただいた京大防災研の資料ですけれども、桜島は大正噴火以来、マグマをため続けています。井口先生によれば、姶良カルデラ下のマグマの蓄積は二〇二〇年代には大正噴火が起こる前のレベルまでほぼ戻ると推定され、大正噴火級の大噴火に対する警戒を要する時期に入ったという趣旨を伺いました。  この資料の二を御覧いただきますと、もし大正噴火級の爆発が起これば一キロ立方を超える噴出物が日本中を襲うわけです。大正噴火のとき、噴煙が上空二十キロメートルまで上り、当時の火山灰は東日本まで到達したという研究があります。巨大な岩塊や火山れきによって、近隣はもちろんのこと、西日本に至るまで建物が破壊をされる。そして、火山灰が積もったところに、一番下ですが、雨が降れば同時多発的な土石流が発生する、そうした可能性、危険性、こうしたものが指摘をされているわけですが、政府にこうした認識はおありでしょうか。
  97. 上垣内修

    政府参考人(上垣内修君) お答えいたします。  桜島につきましては、本年二月の火山噴火予知連絡会、これは先ほど委員指摘の井口先生にも委員になっていただいておりますけれども、次のような評価をいただいております。二月五日の爆発的噴火以降、時々噴火発生しており、今後も活発な噴火活動が継続すると考えられる、また、姶良カルデラの膨張が続いていることから、今後、火山活動の更なる活発化の可能性もあり、引き続き火山活動の推移を注意深く監視していく必要がある、このように評価いただいております。このため気象庁では、桜島の火山活動に対し非常に厳重な監視に努めておるところでございます。  大正噴火におきましては、噴煙が十キロメートル以上まで上がったとする研究報告が中央防災会議専門調査会資料でも示されております。また、当時の中央気象台の観測によりますと、火山灰は東北地方まで達したということになっております。
  98. 仁比聡平

    仁比聡平君 そのような破局的噴火被害というのは、井口先生は日本全体の問題なのであると指摘をされました。そうした被害が、この縦軸にあるように、つまり経過時間にあるように、直後に起こる、直後から数時間のうちにそうした被害が起こる。さらに、火砕流や大地震、海底噴火、地盤沈下などのそうした被害想定すべきであって、これは富士山だけが危ないのではなく、西にある火山は全て危ないと。これまでの火山防災対策は発想が貧弱過ぎるとまで厳しく指摘をされました。  大臣、こうした指摘のような甚大な被害想定した火山防災対策が必要だと私は思いますが、御認識はいかがでしょう。
  99. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) この桜島の大正噴火、一九一四年だったと思いますが、二十世紀における我が国国内での最大噴火だったというふうに認識をしております。もう一九一四年ですから大正噴火を覚えていらっしゃる方もほとんどいらっしゃらないのかもしれませんが、先ほどから話がありますように、東日本にも灰が降った、そのような大規模な噴火だったわけでございます。  今、桜島におきましては、桜島の火山防災協議会が設立されておりまして、この協議会では大正噴火クラスの噴火想定した全島避難の計画を策定しております。この計画によれば、島内の集落ごとに設置された二十二か所の避難港から約十隻のフェリーによって四千八百人の住民及び観光客を四時間以内に島外避難させる、そういう計画になっております。また、この避難計画に基づいた、ほぼ全ての住民が参加するフェリーによる島外避難訓練が毎年実施されている。つまり、桜島近郊ではこの大正噴火クラスに備えができていると言えると思います。  また、大規模な降雨に至る大きな噴火について、今内閣府において降灰がインフラ施設や社会活動に与える影響についての調査を行っております。この調査に基づいて、こうした大規模な全国的な影響を与える噴火が起きたときの対応策について今後検討していく、そういうつもりでおります。
  100. 仁比聡平

    仁比聡平君 是非、そうした認識を私たちが共有して対策を急ぐ必要があると思います。  二つ目にお尋ねしたいのは、こうした観測、予知を防災と避難に生かしてこそという指摘です。  井口教授は、今から五分後に噴火しますよと市民に伝えられても、これは逃げようもないと指摘をされました。そのために、桜島の火山においては、平時、ふだんの火山活動のデータと異常な火山活動のデータを、観測の言わば素人でもある行政担当者が見てもこれはおかしい、異常だという形で示して共有するという仕組みを確立してこられているんですね。ですから、桜島にある観測所から県庁に常にデータを送信し、共有をしている。この県庁側の受け手の場所が、大規模噴火で桜島から避難しなければならないとなったときにはオフサイトセンター的に活用できるというふうにも伺いました。  このようにして、いかに早く変化をつかんで、自治体関係者などお話のあった火山防災協議会のコアグループを動かして有効な対策に結び付けるか、ここが大切だというふうに語られたんですが、私は全くそのとおりだと思います。  このように、観測、予知と防災、避難を結び付ける人的、物的体制を百十の活火山で整えていくというのはこれ大変な仕事だと思うんですよね。けれども、それはやっぱり整えられなければならないと思うんですが、大臣、いかがでしょう。
  101. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) 火山にはそれぞれの特色がありますので、そうした大規模な噴火想定しなければいけないものと、そこまではなかなか至らないだろうというのと、様々なレベルがあると思いますので、その火山の特色に応じた対応というのをやらなければいかぬと思います。  特に、火山の周辺では、それぞれ協議会をつくっていただいて、専門家にお入りをいただいて、噴火の予知レベルが上がったときにどのような対応をするかというのは細かく決めていただくことになっておりますので、内閣府といたしましては、まず大きな噴火が予測されるものについて、降灰その他どんなことになるのかという調査が済み次第、全国的といいますか、広範囲な対策について検討を着手していきたいと思っております。
  102. 仁比聡平

    仁比聡平君 火山に特性があるのはもちろんそのとおりです。  先に確認をしたいのは、予知や観測の情報をそういう防災、避難をつかさどるところと共有する、ここは本当に大事だと思うんですが、気象庁、いかがですか。
  103. 上垣内修

    政府参考人(上垣内修君) お答えいたします。  委員指摘のとおり、気象庁が発表する噴火警報が防災に有効に活用されるためには、火山に関する観測データのふだんからの共有、これが非常に重要と考えております。  そのため、気象庁では、火山噴火予知連絡会を通じて、定期的にあるいは臨時に防災機関との観測データ火山活動に関する評価の共有を行っております。また、気象庁ホームページでは、地震回数や火山ガス、噴火回数等の火山観測データを公表しており、常時情報にアクセスできるように対応しているところであります。  また、さきの活火山法の改正により火山の周辺地域に設置が義務付けられました火山防災協議会との連携の強化が非常に重要であるというふうに考えております。気象庁としては、地元自治体や火山防災協議会と連携いたしまして、火山に関する情報の共有を具体的に行っていく中で、ふだんからの観測データ共有の在り方についても火山ごとに検討を進めてまいりたいと考えております。
  104. 仁比聡平

    仁比聡平君 そうした取組を進めていく上でも、三つ目に伺いたいのは、火山専門家の養成の規模なんですね。  ちょっと大臣の認識をお尋ねする前に、気象庁、文科省、それぞれお尋ねをしたいと思うんですが、知見はあるのにパーマネントな職がない、だから有為な人材も将来への希望が持てないと、そこに根本的な問題があるではないかと、私、繰り返しこの委員会でお尋ねをしてきました。気象庁にも、例えば大学の研究機関などで研究してこられた方、あるいはポストドクターで知見があるのに職がないという方、現にいらっしゃるそうした人材を採用し活躍の場をつくるべきだと提案をしてきたわけですが、平成二十八年度予算でそうした方々の採用を含めて組織、人員をどのように強化をするのか、その趣旨も含めてお答えください。
  105. 上垣内修

    政府参考人(上垣内修君) お答えいたします。  火山の監視観測につきましては、観測機器等のハードのみならず、火山活動の変化を捉えた場合の現地での機動観測でありますとか観測結果の分析や評価、その結果の的確な発信を確実に実施していくための人的体制の充実強化が重要と考えております。このため、気象庁におきましては、平成二十八年度におきまして、火山関係の組織体制、人員体制を大幅に強化することといたしております。  具体的に申し上げますと、本庁に火山監視・警報センター及び火山機動観測管理官、地方におきましては地域火山監視・警報センターの設置という組織の体制の強化に加えまして、専門的な知識を要する予報官、火山活動評価官でありますとか機動観測体制の強化も含めまして、総勢八十名の増員という人員体制の強化も図ってまいります。これによりまして、火山の監視、評価、警報発表体制の強化を図ってまいりたいというふうに考えております。  また、火山の専門家ですね、大学で火山を勉強された方々の活用という意味では、火山に関する博士号を取得した者を今年度気象研究所において新たに四名採用したほか、今後一名を更に採用する予定でおります。これによりまして、気象研究所において火山活動評価に関する研究を更に推進してまいります。  そしてさらに、今後、我が国を代表する火山の専門家にお願いいたしまして、気象庁参与という肩書で気象庁の火山評価業務や人材の育成に参画していただくということを考えております。また、職員に対する研修の強化等も進めておりまして、これらを通じて的確な……
  106. 長沢広明

    委員長長沢広明君) 時間が来ておりますので、簡潔にまとめてください。
  107. 上垣内修

    政府参考人(上垣内修君) はい。  火山活動評価や職員の人材育成を行ってまいります。
  108. 仁比聡平

    仁比聡平君 時間が来てしまって、文科省、そして大臣の御認識が聞けないのが残念なんですが、第一歩であり、更に強めていただきたいと思うんです。文科省も次世代火山研究・人材育成総合プロジェクトというのを具体化をしてこられまして、ここの中で育成される人材がパーマネントな職に就いていくことができるようにというのが強く求められると思います。大臣も是非大きく頑張ってもらいたいということを強く要望して、質問を終わります。
  109. 室井邦彦

    ○室井邦彦君 おおさか維新の会の室井邦彦です。  地域防災力、この点について幾つか御質問をさせていただきたいと思います。  まず、よく言われております南海トラフ、大規模広域災害発生をいたしますと、まず一番大事なことは、もちろん国、地方がしっかりと連携をしていかなくてはいけないということ、これは私も阪神・淡路大震災の被災者で経験したことでありますので非常に大切なことでありますが、さらに、もう少し細かく申し上げますと、住民の避難、また避難場所の確定、また開設、そしてその運営について地域のコミュニティーが自ら、市町村が積極的に計画的に体制づくりを整っていくという、これが一番というか基本でありまして、喫緊の課題になっております。  そういう観点から御質問をしたいわけでありますが、地域防災計画制度が創立されて、平成二十六年四月施行されておるわけでありますが、今度は地区防災計画制度とは、改めてその仕組みについてお聞かせをください。
  110. 加藤久喜

    政府参考人加藤久喜君) お答えいたします。  過去の大きな災害のときに、地区内の住民あるいは企業の皆さんが自助、共助の精神に基づいて自発的に地域における防災活動に取り組まれて、多数の方々を救出されるなどいろんな成果がございました。このような地域実情を踏まえた自発的な防災活動、これを法律的に位置付けたいということで、平成二十五年度の災害対策基本法の改正におきまして地区防災計画制度というのを創設をいたしたところでございます。  委員からお話のございましたような防災訓練やあるいは備蓄、ハザードマップ、避難計画の作成など地域の動き、これを、様々な防災活動を含めることができまして、この計画を市町村の地域防災計画、この一部として提案をして反映するということが可能でございますので、地域の意見を踏まえた実効性のある地域防災活動の促進につながるというふうに考えております。
  111. 室井邦彦

    ○室井邦彦君 かなり早口ですな。まあまあ、いいんだけれども。  いや、地域とか地区とかいうと、ちょっと私はこんがらがってくるんですよね。それは、あなた方のような賢い人たちはすぐ理解できるんでしょうけれども。地域というのは市町村のことですよね。で、地区というのは自治会、町内会、そういうこと。
  112. 加藤久喜

    政府参考人加藤久喜君) 地区防災計画というのは、地域の、市町村の作る計画よりもっと小さな、自治会ですとかいろんな小学校区とか、そういうコミュニティーで作られる計画のことでございます。
  113. 室井邦彦

    ○室井邦彦君 よく分かりました。  次の質問に移りますが、南海トラフ地震津波避難対策特別強化地域の指定というふうにありますけれども、これについて、要するに首都直下型地震緊急対策地域地震津波避難対策特別強化地域を指定しているということでありますけれども、具体的には市町村は幾つ指定されておられるんですか。
  114. 加藤久喜

    政府参考人加藤久喜君) お答えいたします。  まず、南海トラフ地震津波避難対策特別強化地域でございますが、これにつきましては、現在、一都十三県百三十九市町村が指定をされてございます。それから、首都直下地震緊急対策区域でございますけれども、これにつきましては一都九県三百九市区町村が指定をされているところでございます。
  115. 室井邦彦

    ○室井邦彦君 ありがとうございます。  大体、これは基準というのはあるんですか。
  116. 加藤久喜

    政府参考人加藤久喜君) 南海トラフの方でございますけれども、南海トラフ地震に伴う津波による著しい津波被害が生じている地域ということでございまして、首都直下地震の方は、首都直下地震の著しい被害の軽減を図らなければいけない地域ということになってございます。  南海トラフの方につきましては、例えば大津波が三メートル以上のものが予想されているような地域というようなことが、失礼しました、特別強化地域につきましては、津波が、三十センチ以上の浸水が地震発生から三十分以内に生じるような地域というようなことが挙げられてございます。
  117. 室井邦彦

    ○室井邦彦君 こういう自然災害というのは想定外のことが起きて当たり前でありますので、その点はそういういろんな基準でこれだけの百三十九、三百九という指定をされておるわけでありまして、それはその地域にとっても安心、安全というか、精神的に落ち着くんでしょうけれども、これ以外のところも、恐らくそういう大きな直下地震とか津波が来るともっと被害が広がるというふうに思いますし、想定外のことが起きると思っております。その点はもうこれ以上質問はいたしませんので、是非、想定外のことが起きる、そういうことをしっかりと頭に入れておきながら計画を更に見直しをしていただければ有り難いというふうに思います。  ちょっと、八問ほど質問を用意しておりますので、急ぎます。  続いて、地震津波避難対策特別強化地域内の地区防災計画作り、これはもちろん国土交通省としても、震災担当の課においても非常にスピーディーに計画とか対応を進められておると思いますが、そこで、国、都道府県はこの地域防災計画の作成を市町村に強く働きかけておるということはよく承知をしております。地域住民に地域防災計画の作成作りの徹底させていく中で、どのような中身、取組の状況か、現状をお聞きをしたいんですけれども。
  118. 加藤久喜

    政府参考人加藤久喜君) お答えいたします。  内閣府では、今お話のありました制度の普及を図るために、実際の計画作成の過程を通じましていろいろな知見を集約するというようなことですとか、有用事例を発掘してそれらの取組について情報提供を行うというような、モデル地区事業というのを行っております。  具体的には、平成二十六年、二十七年度合わせて三十七地区で実施をしているところでございまして、様々な取組がなされております。これらの成果はホームページで公開をするほか、取り組んだ地域住民がフォーラムで解決策を住民自らの生の声で発表するような、地区防災計画の取組が普及していくようなことに努めているところでございます。
  119. 室井邦彦

    ○室井邦彦君 現場のいろいろと御意見を聞いたり、私も先ほど申し上げたように阪神・淡路大震災経験しております。津波は経験をしておりませんけれども、やはり少し後手後手というか、現場の対応が後れを取っているんじゃないのか。また、それぞれ担当部署では十分に予想されていろいろとそういう計画を出させていただいておるようでありますけれども、まだまだ現場では、国交省はよく現場力というような言葉を使うんですけれども、現場の地域住民はまだまだ浸透というか、緊迫感がないというか、緊張感がないようで、私はそう感じておりますので、是非現場、各都道府県、市町村としっかりと連携を更に強化をしていただきたい、このように要望をしておきます。  今度は大臣にお答えいただけるんですか。  地域における地震津波対策を今いろいろと質問をさせていただいて、それなりに促進、進められているようでありますけれども、切迫感というか取組をもっと、もっとというか更に強化をしていただかないと、日本の国は活断層も二千以上走っておりますし、火山、活火山といっても百以上の活火山が、この前、予算委員会でも私質問をさせていただきましたけれども、そういう島国であり、また、日本の国で地震が起きなくても、諸外国の大きな地震によってまた津波も日本の国を襲ってくるという、こういう状況の中で、大臣として今後全体的な取組にどう強化していこうというようなお考え、御所見がありましたらお聞かせいただきたい。
  120. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) 問題意識は全く同じでございます。  特に、最近は地球温暖化で自然災害が激甚化する傾向にある中で、行政で全部防災をやれと言われてもこれはできません。やはり自助、共助というのが非常にこれから大事になってまいります。特に首都直下地震のときには、最初の三日間は自力で頑張ってもらわないと、行政が支援に入れるのは四日目からということを申し上げております。まず御自宅で三日分の水、食料、あるいは簡易トイレといった生活必需品をしっかり確保していただくというのが、これが何よりも大事でございます。  そして、議員がずっと問題提起をしていただいております地区防災計画というものを作りながら、その地域あるいはコミュニティーの中でいざというときにどうしようかということをしっかり考えていただくというのが非常に大事でございまして、そういう意味でも、この地区防災計画をコミュニティーで作ってくださいというのを市町村あるいは都道府県、国がお願いをしていくというのが非常に大事なんだろうというふうに思っております。  今、防災部局では、「防災四・〇」未来構想プロジェクトというのを立ち上げまして、自助、共助がこれからは大事だという国民啓発をしようと思って準備をしているところでございます。五月中にも取りまとめをして発表してまいりたいと思っておりますので、問題意識共有しながらしっかり取り組んでまいりたいと思っております。
  121. 室井邦彦

    ○室井邦彦君 ありがとうございます。  これ、昨日の新聞だったか、首都直下地震十四万人派遣、全国から一都三県に五千三百万人の食べ物ですか、そういう救援物資を補給するというような、頼りがいがあるというか、なかなかスケールの大きなことをしっかりと対応されるんだなというふうに思っております。是非、今後ともしっかりと対応をお願いしたいと思います。  続きまして、財務務官、わざわざおいでいただきましたので、政務官質問、一番最後だったんですけれども、時間が来たらいけません、ほかの方々には申し訳ないんですが、一番最後の質問を次にさせていただきたいと思います。済みません、お許しください。  災害保険被災者生活再建資金、先ほどもちょっと高野議員の方からこの件については御質問をされたようでありますので重複をしてしまいますけれども、御質問をいたします。  この地震保険加入率というのは、平成二十七年、全国平均二七・一%という非常に低い数字を見まして、私も驚いておるわけでありますけれども、これだけ国も政府も騒いでいる、騒いでいるというか、大きな声でいろいろとお伝えしているんですけれども、なかなか国民全体には届いていないというか、分かっていてもなかなかそういう行動を取ろうとされないのかなと。ちょっとここらは心配をしているところでありますけれども、こういうところで、今、政府として災害時における生活再建資金の拡充が是非必要であるということを訴えられております。それはよく理解できるんですが、地震保険加入促進することが大切だと、河野大臣も積極的にそういうことを考えて取り組んでおられています。  そういう現状の中で、どのような効果ある支援策を考えておられるのか、実施をこれからも更にしていこうとされておるのか、その点を、政務官、お聞かせください。
  122. 中西祐介

    大臣政務官(中西祐介君) 室井先生にお答え申し上げます。御質問ありがとうございます。  地震保険につきましては、昭和三十九年の新潟地震を契機に創設されたものでございますけれども、財務省といたしましても、地震被害に遭った場合の被害者の生活の安定あるいは生活の再建に寄与する地震保険への加入促進することは大変重要なことだというふうに考えております。  先生が御地元で御経験をされました阪神・淡路大震災の平成七年、この震災の前後から世帯加入率は上昇の一途で来ておりますけれども、この加入促進の支援策といたしましては、例えば平成十九年の一月より、地震災害による損失への備えとして国民の皆様のまずは自助努力を支援するということで、地震保険料の控除制度が創設をされております。これによりまして、所得税最高額で五万円、あるいは住民税におきましては最高額二万五千円を総所得金額等から控除できるような形となっておるところであります。また、地震保険への加入促進及び建物の耐震化、こうしたことを促す観点から、地震保険料につきましても、建築年あるいは耐震性能によりまして一〇%から五〇%の割引、これも適用されるような制度も設けさせていただいているところでございます。  さらに、これは広報の方でございますが、財務省のホームページ、あるいは日本損害保険協会との連携を通じた加入促進の広報活動、こうしたことも併せて行っているところでございますけれども、更なる加入促進に向けまして各省庁と連携を取りながら進めてまいりたいと考えております。
  123. 室井邦彦

    ○室井邦彦君 どうもありがとうございます。よろしく対応のほどお願いをしたいと思います。  引き続きまして、私も意味が余りよく分からないというか、意味は分かっておるんですけれども、事務的に重複することが非常に多いんじゃないのかなという心配をしていることでありますが、地域防災計画と国土強靱化地域計画との関係なんですが、このことについて少しお聞きをしたいんですが、時間もございませんので、要するに、事務的手続とかそういうことで随分重複をしていないのかということと、事務効率化に支障を来すことがあってはいけないんだけれども、その点はどのような内容で、縦割りも、いろいろと役所関係は複雑な点もあるんですが、どうもこの点が私にとりましては非常に心配で気にしているところなんですけれども、その辺の交通整理はしっかりとできておるんでしょうか、ちょっとお聞きをしたいと思います。
  124. 河村正人

    政府参考人河村正人君) お答え申し上げます。  国土強靱化の地域計画についてのお尋ねでございますけれども、強靱な地域づくりに当たってのこれは基本的な考え方になるものでございまして、地方公共団体におきます国土強靱化地域計画以外の強靱化に関わります他の計画の指針としても大変重要であるというふうに認識しておりまして、国といたしましては、これまで先行して策定していただいた市町村のノウハウを反映させましたガイドラインというものを作成をいたしまして配付いたしましたり、あるいは説明会の開催、あるいは専門家の派遣等の実施などによりまして、円滑に市町村において策定していただけるように今後とも取り組んでまいりたいというふうに思っております。  以上です。
  125. 室井邦彦

    ○室井邦彦君 是非、非効率的なことにならないように、その点、事務的なことも対応をしっかりとよろしくお願いをしたいと思います。  四十一分ということで、これで終わります、ちょっと質問を残しましたけれども。あと、加藤さん、何回も答えておるから、またゆっくりと聞かせてください、失礼いたしました。  終わります。
  126. 薬師寺みちよ

    薬師寺みちよ君 無所属クラブの薬師寺みちよでございます。  久しぶりに災害特に戻ってまいりました。会派が変わりまして、いろいろ、我々のような少数会派、これ実はすごく人気がある委員会なんですね、なかなか抽せんに当たりません。ようやく今回当たって、私がこの場に立たせていただいておりますので、まず優先順位を考えまして、私にしかできないだろうと思うような問題を今日は仕立てさせていただきましたので、よろしくお願い申し上げます。  福祉避難所についてでございます。もうこれ大変重要な問題でございます。  福祉避難所というものは、多分皆様方ももう御存じだとは思うんですけれども、高齢者、そして障害をお持ちの方、妊婦さん、そして乳幼児、病気をお持ちの方だったり、一般の避難所で生活に支障を来す方々のために何らかの特別な配慮がなされた避難所として設定がなされております。  既に私、実はこれ一回、二十六年の十一月二十八日に質問をさせていただきまして、山谷筆頭が大臣のときにもこの重要性というものを訴えさせていただいたそのとき、まさに調査中でございますというところで、正確な回答はいただけませんでした。  ですので、ようやくこの時をいただきましたので、今の福祉避難所の設置状況というものをまず加藤統括官からお伺いをしたいと思います。よろしくお願いいたします。
  127. 加藤久喜

    政府参考人加藤久喜君) お答えいたします。  福祉避難所につきましては、先ほどございました、内閣府の行った平成二十六年十月時点の調査でございますけれども、これによりますと、七百九十一の市町村、七千六百四十七施設が指定をされてございます。この調査は、災対法の指定制度、これが、避難所の指定制度が導入された以降、この法律に基づいて指定された実績を取りまとめたものでございます。  他方、以前お話があったのかもしれませんけれども、厚生労働省が二十五年六月末の調査でされたものでは一千百六十七の市町村が福祉避難所を指定済みだということで、数字としては増加していない、要は減っているような形でございますけれども、これは基準が違うということもございまして、かつ、厚労省の調査は指定制度の導入前であったことですとか、当時、制度が、災対法が改正されてしばらくたって市町村がいろいろされているときに、準備中であったときの調査であったようなことでございますので、その二つの数字は単純には比較はできないものではないかというふうに思っております。
  128. 薬師寺みちよ

    薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  その比較はできなかったとしても、福祉避難所を指定しているのは四五%って、これおかしい数字ですよね。半数以下ですよね。まず、ここに疑問点をしっかりと持っていただきたいと私は思っております。  これ、厚労省は全数調査をやっているんですけれども、内閣府は全数調査でないですよね、これ、一部のものを抽出して、更にやっているかと思いますが、いかがでしょうか。もう少し詳しい調査をしっかりやるべきではないですか。
  129. 加藤久喜

    政府参考人加藤久喜君) 先ほど申し上げました数字は、法律の施行から半年ぐらいということの事前の調査でもございますので、またいろんな時点を捉まえていろいろ調べていきたいというふうには思っております。
  130. 薬師寺みちよ

    薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  しかし、この福祉避難所というのは、私、すごくこれ設定をしておくメリット、今回の様々な、東日本もそうですし、いろんなところで被害が起こって、皆様方、大変これ有り難い避難所だったという声も聞いているんですけれども、そんなにメリットがないものなんでしょうか。どういうメリットがあるというふうに把握していらっしゃいますか。
  131. 加藤久喜

    政府参考人加藤久喜君) お答えいたします。  避難所につきましては、被災者の心身の機能の低下ですとか、様々な疾患の発生、悪化を可能な限り防ぐための生活の環境の確保というものが求められているわけでございますけれども、高齢者あるいは障害者の方といった要配慮者の方々にとっては、この観点から一般の通常の避難所の環境では十分ではないような場合が考えられます。  福祉避難所につきましては、施設のバリアフリー化、あるいは相談支援体制の確保、可能な限りの居室の確保といった条件を備えるということになってございまして、特別な配慮が必要な要配慮者の方々にとって良好な生活環境の確保が図られる、そのようなメリットがあるというふうに考えております。
  132. 薬師寺みちよ

    薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  これ、厚労省からガイドラインが出た、平成二十年度なんですけれども、小学校単位一つに一つの福祉避難所を少なくとも置いてほしいなというような要望があったわけですよね。にもかかわらず、これ、大変申し訳ないんですけれども、もう制度が始まって、内閣府の方で、三年はたつわけです。全くこれ進んでいない。  これ、私、なぜ今日こういう問題に対して発議しているかと申しますと、鬼怒川のあの災害の後に参りました。もちろんその災害現場は見たんですけれども、避難所にも行ってみました。そうしましたら、避難所の入口、小学校だったんですけれども、あちらから真っ裸の高齢者の男性が歩いてこられて徘回をしていらっしゃるんですね。これ一般の避難所です。こういう状況があっては、一般の皆様方というのも大変怖がられてしまったり、やはりそういう方にとっても大変不幸な結果に終わってしまうのではないかと。ですから、なるべく早くやっぱりこういう福祉避難所というものをしっかりと市町村の皆様方が重要性を認知し、そして、こういうことがいつどこで起こるか分かりません、そういうところにしっかりと誘導していただくようにお願いしたいと私は考えております。  こういった十分整備されないということに対しまして市町村にどのような指導を行っていらっしゃるのか、大臣、お答えいただいてよろしゅうございますか。
  133. 松本文明

    ○副大臣(松本文明君) 平成二十六年十月現在の内閣調査では、福祉避難所の指定をしていないと、こう回答した市町村が過半数の九百五十ありました。これらの市町村について指定していない理由について尋ねたところ、準備を進めているという回答が三百七十三件あった一方で、未回答が三百六十二件に上っております。  現在、内閣調査から一年半経過しており、指定数は増加していると、こう思われるんですけれども、市町村の認識に差が大きくて、福祉避難所そのものや指定に向けての取り組むべき事項についての理解が十分でない、一般の避難をする場所とこの福祉の、体の弱い方々、障害を持った方々、そういう方々が避難をするという避難所を、差別化というとおかしいんですが、特別にどういうものを用意しなくちゃいけないのか、どういう配慮で決めなくちゃいけないのかと、こういったことについてのまだ戸惑いがあるのではないかと、こんなことを考えております。
  134. 薬師寺みちよ

    薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  新しい施設を造るわけではないんですね。高齢者の施設であったり障害者の施設というものをそのまま福祉避難所として指定していただければいい話なんです。しかし、それだけでもやっぱりそんなに壁が高いのかなと私は不思議でなりませんので、そこをしっかりと副大臣のお力で、なるべく早く各市町村に通達なりなんなり出しまして指定をすることということをお願いをしておきたいと思います。  それから、国の災害支援ガイドラインというものにつきまして私もいろいろ調べてみましたけれども、市町村は避難支援に関する個別計画ということを作成することにこのガイドラインの中ではなっております。しかし、これは法律上のまだ規定がないということで、個別の計画の推進がなかなか進んでいないというような現状を私把握をいたしております。  現状の作成状況というもの、どのようなものでしょうか。統括官、お願いします。
  135. 加藤久喜

    政府参考人加藤久喜君) お答えいたします。  平成二十五年度の災対法の改正によりまして、災害時に自ら避難することが困難な高齢者、障害者等の円滑かつ迅速な避難を確保するために、避難行動要支援者名簿の作成というものが今お話があったように市町村に義務付けられ、二十六年四月に施行されてございます。また、この法律改正を踏まえまして、内閣府で二十五年八月に取組指針というものを作りまして、名簿に基づく避難支援の実効性を高めるため、要支援者ごとの個別の避難計画の策定を促しているということでございます。  今お話のございました策定状況でございますけれども、消防庁の方で調査をされておりまして、その中で個別の避難計画の策定状況については、平成二十七年四月一日現在で避難行動要支援者名簿の作成が完了している九百六市町村のうち、二百九十四市町村、約三三%で策定済みというふうになってございます。  内閣府といたしましては、関係省庁と連携をして公共団体に対し取組指針の周知を徹底するなど、避難行動要支援者の円滑かつ迅速な避難の確保に向けて引き続き取り組んでまいりたいと考えております。
  136. 薬師寺みちよ

    薬師寺みちよ君 この三三%という数字を聞いて愕然としない人はいないと思います。と申しますのは、やっぱりいろんな被害が起こったときに一番困っていらっしゃる方が避難できないような状況で、それを誰も知らない、こんなことがあって本当にいいんでしょうか。  私は、やはりこれはしっかりと個別計画などを義務化をして、そういった自分が避難したくても避難できないような方をサポートするような体制というものを整備すべきではないかと。絶対にこれは必要だと思うんですが、大臣、いかがですか。
  137. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) 避難行動要支援者名簿の作成は義務付けられておりますから、この名簿はあるわけでございます。ただ、名簿を作ったといっても、いざというときに名簿がありますと言っているだけではこれはどうにもなりません。  白馬村が地震が起きたときに、もう誰は誰が助けるというのが全部決まっていて、そのとおりに動いて皆さん無事に避難されたという大変いい事例があるわけでございまして、この個別計画というのはあった方がいいと私も思います。  ただ、この個別計画は、市町村の努力だけでは残念ながらできない部分もございますし、個別計画がなくとも、その地域地域、コミュニティーの取組でできる部分もありますから、一律義務化をするというのにはなじまないのではないかなと思っております。先ほど統括官から申し上げました取組指針というのを作っておりますので、これをお示しをして、それに基づいてなるべくきちんとした個別の計画を作ってほしいと。あるいは、個別の計画と言わなくても、地域で誰がいざというときには支援が必要なのだという情報を共有していただいて、いざというときには誰々が行こうというようなことをそれぞれの地域でやはり作っていただく必要はあると思います。  問題意識共有をしておりまして、義務化するべきかどうかというところは若干の差がございますが、なるべくそれがきちんとできるように我々としても働きかけはしてまいりたいと思っております。
  138. 薬師寺みちよ

    薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  災害弱者と言われる方々に対してのまだまだ対策が薄いということと、やはり、あそこにもしかしたらあのおばあちゃんがいたかもしれないからということで、わざわざ戻ってそこで、東日本大震災の際も津波にのみ込まれた方っていらっしゃるわけです。誰がどういうふうにするかという行動計画が必要なのと、やっぱり昼間と夜間では全くこれ労力が違います。昼間はほとんど過疎の地域では、女子供そして高齢者の皆様しかいらっしゃらないわけです。ですから、子供たちの手も借りながらしっかりと避難できるような体制というものをもっとみんなが興味を持ってやるべきなんです。  いざとなって何かやろうと思うよりも、ちゃんと事前に準備するものの一つとして重要な認識だということを共有できたことは、私は今日良かったんではないかなと思っておりますが、更に一歩進めてまいりたいと思います。  避難所についてでございます。  避難所について、生活の面での様々な配慮というものがまだまだ薄い。それは、やっぱり障害をお持ちの方、そして医療的なケアが必要な方、多様性もあるということは私認識をしておりますけれども、やっぱり各避難所に備え付けられていなければならないもの等をまだまだその避難所で確保できていない現状がございます。  例えば、聴覚障害者の皆様方いらっしゃいます。しっかりとボードがあって情報を伝えなければ、一番難しいのが聴覚障害者の皆様方なんです。見た目で聞こえないということが分からないんです。だから、どんなに被災のときにも声を掛けても反対方向に走っていく人間がいる。でも、その方が聞こえないんだということが分からない。避難所でも同じです。情報を伝えたのに何であの人は取りに来ないんだろうと。聞こえないことが見えないからです。  こういったこともございますので、避難所で様々なやっぱりそういう方々を支援するための備品などのガイドラインというものが必要かと思いますが、いかがでいらっしゃいますでしょうか。
  139. 松本文明

    ○副大臣(松本文明君) まず、先生、この避難所を市町村にとにかく指定をしてもらう、避難所というものがこういうものですから必ず指定してくださいねということを、ガイドライン等々を示してこれから周知徹底を、まだ指定をしていないという市町村に対して徹底をしなくちゃいけないと、こう思っております。  そして、それぞれの関係する、障害を持たれた方々等々の関係者の方々に、こういう避難所を指定しましたよということをその後通知をしなくちゃいけない。そして、その避難所が、災害状況によってでありますけれども、一般の避難者と一緒になることもあるし、取りあえず逃げるということですから、その状況に合わせて対応するしかないと思うんですが、例えば手話通訳の方がどことどことどこにいらっしゃる、あるいは目の見えない方々のお世話をする方がどこにいらっしゃる、そして障害を持った方がどこに今避難をされている、その人を具体的に救うためにどうやったらいいのかということを、二日目、三日目には地方自治体の方からきちっと連絡を取って行動を起こせる、そういう準備を徹底して、想像力を働かせてシミュレーションをしていく、そのことをまず自治体に意識を持っていただくということが最も重要なことだと、こう考えております。  そして、私たちは、そういうところにパンフレットを作ったり、伝えるためのツールを動員をして、関係者の方々にこういうことなんですよということを広報してまいりたい、努めてまいりたいと、こう思いますので、是非具体的にまた御指導いただければと思っております。
  140. 薬師寺みちよ

    薬師寺みちよ君 ありがとうございます。もう是非、前向きな本当に御答弁をいただいたことを私もうれしく思いますので、これをきっかけとしてもう一度やはりこの重要な認識というものを、我々もそうですし、国民とも共有していただきたいと思っております。  一問飛ばさせていただきます。  災害時、やはりとても大事になりますのが、福祉版のDMAT、いわゆる災害派遣医療チームになぞらえました福祉版の派遣チームでございます。今、この設置状況などにつきましてしっかりと厚労省の方で把握していらっしゃるかと思いますが、教えていただけますでしょうか。
  141. 堀江裕

    政府参考人(堀江裕君) 東日本大震災の経験などを踏まえまして、発災時には、要援護者の振り分けで必要な福祉のサービスに優先的につなげる、あるいは避難所の中に福祉の避難室を設けるなどといったことをチームで対応していくようなことを広域的な福祉支援体制の構築ということで進めてまいりまして、国の方でも支援してございます。  現時点で新しい情報の、今自治体にお聞きしているということをお許しいただきまして、昨年三月の時点では十道府県で設置されてございまして、また、昨年六月に調査したときには、その十を含めまして三十五の都道府県で準備中あるいはもう設置していると、こういうふうに聞いてございます。  ちなみに、昨年の六月時点で準備中であった御地元の愛知県につきましても、七月に協議会というのを設置されまして、本日、そういうときのチームに役立つ人たちということで百九十一人の派遣人員を確保したということで、愛知県版DCATということで報道発表されていると、こういうことでございます。  厚生労働省では、別途、調査研究事業での支援体制の標準化、共通化に資するガイドラインを作成しておりまして、先ほど御紹介がありました鬼怒川の関係のところなんかで、むしろ災害が起きちゃっていますと手が回らないというようなところでも、そのガイドラインできたらば参考にして進めたいというふうなお話も聞いておりますので、また五月にも都道府県に周知させていただこうというふうに考えてございますので、よろしくお願いいたします。
  142. 薬師寺みちよ

    薬師寺みちよ君 ありがとうございます。是非先生方の御地元にもお願いをしたいと思っております。  なお、お手元に準備をいたしております、これは福島県の例なんですけれども、やはりなるべく早くこういう方々につきましてのケアを行うための施策というものが必要でございます。酒井先生も、ようやく愛知県できましたので、今後とも応援よろしくお願いを申し上げます。  ですので、次に、私、やっぱりこういったいろんな問題が起こってくるに関しまして、日頃からのコミュニケーションの大切さというのをこれしみじみ感じております。特に、どういうところに誰がいて、どういう方々が、例えば手話通訳がいる、筆記者がいる、そういったコミュニケーションを取るという、そのネットワークを自治体の皆様方にしっかりと指導していただきたいと思うんですが、最後に、大臣、お言葉を一言だけいただけますか。
  143. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) コミュニケーションのためのネットワークがいざというときには大変大事だと思っております。  常総市の水害を受けまして水害ワーキンググループというのを立ち上げまして、そこの提言にもありましたけれども、福祉避難所のガイドラインというのを今作っております。年度明け早々にはまとまります。その中で、日頃から社会福祉協議会、障害者の支援団体などと連携をしっかり確保しておいてほしい、看護師さんを始めとする専門職の団体による人的支援スキームがある場合にはこれを活用できるようにしておいてほしいといったことをガイドラインにまとめるつもりでございます。  これを市町村にお示しをして、できればそれに沿って様々な体制を確立をしていただきたいと思っておりますので、年度明け早々には出させていただこうと思っております。
  144. 薬師寺みちよ

    薬師寺みちよ君 終わります。ありがとうございました。
  145. 長沢広明

    委員長長沢広明君) 本日の調査はこの程度にとどめます。     ─────────────
  146. 長沢広明

    委員長長沢広明君) 次に、地震防災対策特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。  提出者衆議院災害対策特別委員長野田聖子君から趣旨説明を聴取いたします。野田衆議院災害対策特別委員長
  147. 野田聖子

    衆議院議員野田聖子君) ただいま議題となりました法律案につきまして、提案の趣旨及びその内容を御説明申し上げます。  地震防災対策特別措置法は、阪神・淡路大震災の教訓を踏まえ、平成七年六月に、地震による災害から国民の生命、身体及び財産を保護するため、地震防災緊急事業五か年計画の作成及びこれに基づく事業に係る国の財政上の特別措置等について定めることにより、地震防災対策の強化を図り、もって社会の秩序の維持と公共の福祉の確保に資することを目的として、本委員会の提出により制定されたものであります。  本法に基づき、各都道府県においては、地震防災緊急事業五箇年計画を定め、施設等の整備等を鋭意進めてきたところであります。しかしながら、日本各地で地震が多発し、また、首都直下地震等発生が懸念されている現状に鑑みれば、地震防災対策のなお一層の充実強化を図る必要があります。  これまで、本法における国庫補助率のかさ上げ等に係る規定につきましては、五年ごとに延長を行ってまいりました。現在、その期限は本年三月三十一日までとなっております。  本案は、地震防災対策特別措置法の実施の状況に鑑み、地震防災緊急事業に係る国の負担又は補助の特例等の措置に係る規定の有効期限を平成三十三年三月三十一日まで更に五年延長する改正を行おうとするものであります。  以上が、本法律案の提案の趣旨及びその内容であります。  何とぞ、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
  148. 長沢広明

    委員長長沢広明君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。  これより質疑に入ります。──別に御発言もないようですから、これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。  地震防災対策特別措置法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  149. 長沢広明

    委員長長沢広明君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  150. 長沢広明

    委員長長沢広明君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時四分散会