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2016-05-12 第190回国会 参議院 国土交通委員会 第11号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二十八年五月十二日(木曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員異動  五月十日     辞任         補欠選任      河野 義博君     秋野 公造君  五月十一日     辞任         補欠選任      秋野 公造君     河野 義博君  五月十二日     辞任         補欠選任      阿達 雅志君     二之湯武史君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         金子 洋一君     理 事                 豊田 俊郎君                 渡辺 猛之君                 広田  一君                 増子 輝彦君                 河野 義博君     委 員                 青木 一彦君                 江島  潔君                 大野 泰正君                 金子原二郎君                北川イッセイ君                 小泉 昭男君                 末松 信介君                 二之湯武史君                 山本 順三君                 田城  郁君                 野田 国義君                 前田 武志君                 谷合 正明君                 辰巳孝太郎君                 室井 邦彦君                 中野 正志君                 吉田 忠智君                 行田 邦子君    国務大臣        国土交通大臣   石井 啓一君    副大臣        国土交通大臣  土井  亨君        国土交通大臣  山本 順三君    大臣政務官        国土交通大臣政        務官       江島  潔君    事務局側        常任委員会専門        員        田中 利幸君    政府参考人        内閣官房総合海        洋政策本部事務        局長       加藤由起夫君        総務大臣官房審        議官       宮地  毅君        消防庁国民保護        ・防災部長    横田 真二君        法務大臣官房審        議官       佐々木聖子君        財務大臣官房審        議官       藤城  眞君        厚生労働省医薬        ・生活衛生局生        活衛生食品安        全部長      福田 祐典君        経済産業大臣官        房審議官     吉村 忠幸君        経済産業大臣官        房審議官     若井 英二君        資源エネルギー        庁省エネルギー        ・新エネルギー        部長       藤木 俊光君        国土交通大臣官        房物流審議官   羽尾 一郎君        国土交通省道路        局長       森  昌文君        国土交通省鉄道        局長       藤田 耕三君        国土交通省海事        局長       坂下 広朗君        国土交通省港湾        局長       菊地身智雄君        観光庁長官    田村明比古君        海上保安庁長官  佐藤 雄二君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○理事補欠選任の件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○港湾法の一部を改正する法律案内閣提出、衆  議院送付)     ─────────────
  2. 金子洋一

    委員長金子洋一君) ただいまから国土交通委員会を開会いたします。  理事補欠選任についてお諮りいたします。  委員異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。  理事選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 金子洋一

    委員長金子洋一君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事河野義博君を指名いたします。     ─────────────
  4. 金子洋一

    委員長金子洋一君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  港湾法の一部を改正する法律案審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、国土交通省港湾局長菊地身智雄君外十五名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 金子洋一

    委員長金子洋一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  6. 金子洋一

    委員長金子洋一君) 港湾法の一部を改正する法律案を議題といたします。  本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  7. 大野泰正

    大野泰正君 おはようございます。自由民主党の大野泰正であります。  港湾法質疑ということでありますが、まずは、本当に、国土交通省、また気象庁、観光庁、保安庁、皆さん熊本地震に対して大変な御尽力をいただいていることに感謝を申し上げたいと思いますし、今回、初めて非常災害ということがあした公布されるということをお聞きしております。これについては、やっぱり国の関与という中で、特に国交省関与というのは非常に大きなものがあると思います。どうか復興に向けて皆さん一層の御努力をお願いを申し上げて、質問に入らさせていただきたいと思います。  それでは、港湾法の一部を改正する法案でありますが、まず、旅客施設等への無利子付けについて伺いたいと思います。  皆さん御存じのように、現在、日本における外航クルーズの受入れは、急激な伸びに対応できずに、既存のコンテナバースや、クルーズ船寄港の際だけコンテナバースを一時的に利用しているところが大変多いです。これはなかなか、安全という面からしますと、物と人が交錯するなどいろんな問題点をはらんでいる中で、今回このような無利子付けということをしていただけることは大変に時宜を得たことだと私は思っております。  ただ、この無利子付け民間業者に対しての無利子付けでありますが、やはりまだクルーズ船だけでなかなか収益採算というのをしっかりと上げていくということに関しては、そう簡単な話では私はないと思っています。  この点について、今回の震災でも、いろんな意味で港というものが非常に大きな災害復興への拠点であったと思いますし、船は避難所にもなります。また、今回、もしもしっかりとしたターミナル等ができれば、そこも避難所としての機能を大きく発揮していただけると思います。  この無利子付けだけではなく、国全体のいろんな制度があると思いますので、そういう制度も全て含めて国交省としてしっかりと提案できるような体制を私は今回取っていただきたいと思います。それがやはり民間業者にとっても一番大切なことだと思いますが、その制度創設した思いとともに、国交省として今後どのようなバックアップ体制をお考えなのか、お聞かせいただきたいと思います。  そして、もう一つありますが、これ、平成九年に、阪神・淡路大震災を受けて臨海部防災拠点マニュアルというのをお作りになっております。そして今年の三月に見直しをされているわけですが、これはあくまでも、これもコンテナバースではありませんが、本当に物流の方のことを念頭に置いて全て作られているものであります。  今回、こういう法案を出される以上、やはりクルーズ船にもしっかりと対応した、極端に言えば外国人が一気に来ている状況災害が起こる、そういうことも想定した中での今後の対策等も含めたマニュアルにしていかなければならないと思いますが、これを同時並行にやっていただきたいと思います。その点についてもお聞きしたいと思います。よろしくお願いします。
  8. 石井啓一

    国務大臣石井啓一君) 近年、我が国へのクルーズ船寄港回数が急増してきたことから、民間事業者旅客施設整備及び運営を行った場合に、利用者からの料金徴収や物販などの収益により採算性を確保できる状況になってきたところであります。今般の旅客施設整備等への無利子貸付制度は、民間の知見とノウハウを活用し、質の高いサービス旅客提供できるよう、民間事業者による整備及び運営を促すものであります。  国土交通省といたしましては、様々な機会を捉え、この制度の周知を図るとともに、旅客施設運営事例提供マッチングサービスによるクルーズ船寄港促進などにより最大限支援してまいりたいと考えております。  一方、委員指摘臨海部防災拠点マニュアルにつきましては、大規模自然災害が発生した際に、港湾被災地への支援拠点としての役割を果たすための耐震強化岸壁背後オープンスペース整備及び管理の基本的な考え方を取りまとめたものでございます。このため、現行のマニュアルにおいては外航クルーズ船への対応は想定されておりませんが、二〇二〇年訪日クルーズ旅客五百万人を目指す中、大規模自然災害が起こった場合のクルーズ旅客の安全、安心を守るための方策については別途検討していきたいと考えております。
  9. 大野泰正

    大野泰正君 ありがとうございます。できるだけ早い段階でマニュアル作りもお願いしたいと思います。  次の質問に入ります。  また、このクルーズ船が入港した際、CIQ審査がとにかく円滑であることが地上での滞在時間を増やしまして、特に私ども内陸県におります者にとっては、少しでも長くなるということで観光圏が広がり、いろんな意味で、済みません、地元岐阜県にとっても大切なことでありますので、その点をお願いしたいなと思って質問をさせていただきます。  ただ、実は先日、私の知り合いの外国人の方が成田の方で大変長い時間待たされたと。何度も来ていらっしゃる方なので、今まで以上に大変CIQに時間が掛かってしまったということで苦情をいただきました。サミットの対応とかテロ、いろんなことがあるので、緩くしてくださいというお話ではありません。やり方をいろいろお考えいただきたい、そしてスムーズに流れるようにしていただきたいというのがあるんです。  これは、ですから、人員だけの問題ではないと思います。やはり施設の問題、全て含めてのものもありますし、またプリクリアランス、出国地で既に入国審査をしておくということも大切だと思います。それに伴って、例えばクルーズ船であれば、さきの寄港地から船に乗り込んで船内での入国審査、これをしっかりやっていくことが何より大切になると思いますが、その辺のお考えにつきまして法務省にお聞きします。
  10. 佐々木聖子

    政府参考人佐々木聖子君) 入国審査待ち時間につきましては、観光立国実現に向けたアクション・プログラム二〇一五におきまして、二〇一六年度までに空港での入国審査に要する待ち時間を二十分以下に短縮をすることを目指すこととされておりまして、法務省におきましてその目標を達成すべく様々な取組を行っております。  具体的には、上陸審査場内でブースコンシェルジュ等によりまして空港に到着された外国人に対して各種の案内や補助を行う体制充実審査待ち時間が長時間化している空港を中心に国土交通省と連携した審査ブースの増設、法務大臣が指定するクルーズ船外国人乗客対象として簡易な手続で上陸を認める船舶観光上陸許可制度開始など、審査待ち時間短縮に向けて全力で取り組んでまいりましたところですが、訪日外国人の急増、入港機、航空機のふくそう等によりまして、空港によりましては、ただいま御指摘いただきましたように、待ち時間が長時間化する時間帯も発生しておりまして、一層の工夫と努力が必要であると認識してございます。  そこで、今後、具体的には、上陸審査におけます指紋等個人識別情報の取得の迅速化を図るため、上陸審査待ち時間の間に指紋及び顔写真提供を受ける機器、これバイオカートと呼んでおりますけれども、その導入や、出入国管理上のリスクが低い信頼できる渡航者、これトラステッドトラベラーと申しておりますけれども、これを自動化ゲート対象とする制度導入、それから、ただいま御指摘いただきました、あらかじめ外国出発地に派遣した入国審査官クルーズ船に乗り込み、公海上において個人識別情報提供を受けるなど、クルーズ船我が国の港に到着するまでの時間を活用して上陸審査事前準備を行う海外臨船審査の実施などに取り組んでまいります。  さらに、外国人訪日前に出発地空港において指紋顔写真提供等入国審査準備を行うプレクリアランスにつきまして、できるだけ早期運用開始を目指して対象国・地域と交渉を進めてまいります。  引き続き人的、物的体制充実強化等に取り組むとともに、あわせて、このように新しい技術の導入あるいは仕組みの導入などによりまして審査待ち時間短縮に努めてまいります。
  11. 大野泰正

    大野泰正君 ありがとうございます。  とにかく、私ども外国行ったときに大変待たされると本当にもう来たくないなと思ってしまいますので、この点、是非、今後の観光立国の大変重要なところだと思います、リピーター対策のためにもよろしくお願いしたいと思います。  次に、今回の法案では、港湾管理者再生エネルギー利用またその他の公益利益の増進を図る上で有効と認められる施設又は工作物について港湾内の水域を占有等できるというようなことになっておりますが、しっかりとした永久構造物ということでありますので、やはり相当な審査をしっかりとしていただかなくては安全性やいろんな面で不安があります。  変な話ですけど、例えばクルーズ船の話でいえば、ベイブリッジ審査されたときはどうだったのか私は知りませんけれども、やっぱり将来を見据えていたら、もうちょっと高くしておけば本当に大型クルーズ船も横浜のど真ん中まで入ってきていただけたのに、これ外に着けなきゃならないとか、そういう状況が生まれております。  今回の法案というのは、多少違うかもしれませんけど、やはり将来を見据えた中での占有許可をしっかりと出していただけるようにお願いしたいと思いますが、その辺のお考えをお聞かせください。
  12. 石井啓一

    国務大臣石井啓一君) 港湾区域への洋上風力発電施設等構造物の設置に当たりましては、自然災害の発生や船舶大型化等の将来の状況変化に際して港湾機能が損なわれることがないようにする必要があります。  洋上風力発電施設等導入する区域港湾計画において再生可能エネルギー源を利活用する区域として位置付けることとしておりまして、この区域の設定に当たっては、将来の船舶大型化貨物量増大等対応するための開発空間を確保するとともに、想定を超える地震や津波によって洋上風力発電施設等が倒壊した場合にも港湾機能が維持されるようにすることとしております。  こうしたことによりまして、将来にわたり港湾開発利用、保全と調和が取れた洋上風力発電施設等導入が適切に図られるものと考えております。
  13. 大野泰正

    大野泰正君 ありがとうございます。  風力施設だけではなくて、やはりこれはいろんなものになってくると思いますので、是非しっかりと対応していただきたいと思います。  最後に、ちょっと今回の法案ではありませんが、高速道路の暫定二車線の安全性について伺わさせていただきたいと思います。  私は三月に予算委員会で、大臣に対してこの問題についてお話を伺わせていただきました。そのときはしっかりと検討していくというようなお話でございましたが、大変不幸なことに、このゴールデンウイーク、二件の事故が起こりました。一つは、私の地元であります東海北陸自動車道、また、もう一つ常磐道、特に、避難区域だったこともあり、救急もなかなか来れない、そういう状況でありました。  そういう中で大変尊い命が失われたことは本当に悔しい思いではありますが、やはりこの思いを今こそ何とか私は国交省として皆さんで共有していただいて、この安全性についてもう一度お考えをいただきたいと思います。学者さんが考えても無理です。ドライバーが、自分が運転する人間だったら、本当に一日でも早くこの真ん中、何とかもう少しならないものか、例えばラバーポールではなくてせめてワイヤーのガードレールにならないんだろうか、いろんなことを思います。そういう対策ができるのは、本当にこれは、私は今命を守れる方は大臣しかおられないと思います。何としても守れる命を守っていただくことをお願いして、これは要請で結構ですので、終わらせていただきたいと思います。  以上です。ありがとうございました。
  14. 野田国義

    野田国義君 おはようございます。民進党の野田国義でございます。  今度緊急に補正予算の方も出していただくそうでございますけれども熊本地震、本当に大きな大きな甚大な被害が出たということでございまして、心から私からもお見舞いを申し上げたいと思います。一日も早い復旧復興に向けてしっかりと、与野党なく心を一つにして頑張っていかなくちゃいけないと、そういう思いでございます。  ところで、今日は港湾法の一部改正ということでございますけれども熊本の港はどういうこの地震の影響でなっておるのか、まずお聞きしたいと思います。
  15. 菊地身智雄

    政府参考人菊地身智雄君) お答えいたします。  平成二十八年熊本地震における港湾関係被害といたしましては、熊本港では、フェリーへの車両乗降用可動橋コンテナターミナルにおけるガントリークレーンの不具合、また道路段差等被害が発生いたしました。また、八代港では、道路液状化や陥没、岸壁背後クラック等被害が発生したところであります。これ以外の港湾では、利用に支障を及ぼすような被害はございませんでした。  被災した港湾におきましては、応急復旧迂回路の確保を行い、早期港湾利用が可能となってございます。その結果、熊本港では四月二十二日から定期フェリーが、また四月二十三日からは外貿定期コンテナ航路がそれぞれ再開したところでございます。  また、熊本港、八代港あるいは大分港等におきましては、地方整備局船舶あるいは海上保安庁巡視船、自衛隊の艦船等による給水活動やあるいは緊急物資の輸送の拠点として重要な役割を果たしているところでございます。  以上でございます。
  16. 野田国義

    野田国義君 ありがとうございました。  それで、少しこの地震関係について最初質問をさせていただきたいと思います。  私も連休中、お隣の熊本県、隣接をしておるものですから、鉄道あるいは新幹線等乗りますと、ボランティアにこれから行かれるんだなという方々、あるいはボランティアから帰ってみえる方々、ちょっと泥まみれになってですね、そういう光景を博多駅等で目にしたところでございますけれども、本当に多くのボランティア方々が駆け付けたと、連休中ですね、これは大変喜ばしいことであった。しかし、なかなかその行き場所がないというような問題も発生した、振り分けがなかなかできないというようなですね。このことについても少し、今後どう災害のときに対応していくかというようなこともしっかり考えていかなくちゃいけないことではなかろうかなと、そういう思いがしたところでございます。そして、連休が明けると、今問題になっておりますように、ボランティアが一挙に少なくなって、減少して問題になっておる。このことについても非常に大きな課題だなということを今現在思っているところでございます。  そこで、今触れました新幹線鉄道ですね、新幹線復旧、私は、思ったよりも早かったなと。高速もそうでございましたけれども関係者皆さん努力九州新幹線がいち早く開通をしたということでございまして、本当に助かったという思い方々がたくさんおられるのではなかろうかと思っております。改めて感謝の意を表したい、関係者にですね。  その中で、今回、非常に象徴的に鉄道九州新幹線がスポットを浴びたというか、いつ開通するんだろうか、いつ開通するんだろうかというような一つの象徴的なものになったということでございますけれども、よく見てみますと、熊本新幹線それから在来線も当然これは通っているわけでございますけれども、この新幹線状況、それから在来線が、豊肥線ですか、あるいは私鉄等も通っておるということでございまして、その辺りの被害状況をお聞きできればと思います。
  17. 藤田耕三

    政府参考人藤田耕三君) 鉄道に関しましては、今回の地震によりまして、四事業者新幹線含めまして六路線の鉄道施設被害が生じました。  新幹線につきましては、高架橋の亀裂、防音壁の落下、あるいは熊本駅での可動式ホーム柵やエスカレーターの損傷、新八代駅でのプラットホームの桁を支える柱の損傷、こういった被害が生じておりますけれども、四月二十七日に全線で運行を再開したところでございます。まだ施設的には損傷を受けておりますので、復旧作業に取り組みつつ営業を再開したという状況でございます。  それから、JR九州在来線でございますけれども豊肥線の立野駅—赤水駅間での大規模斜面崩壊、これは阿蘇大橋地区でございます、この土砂流入。それから、宮地—波野駅間での落石等被害がございます。それから、鹿児島線につきましては、植木駅—西里駅間や小川駅—有佐駅間で軌道沈下道床流出等がございました。  その他の民営鉄道につきましては、南阿蘇鉄道でトンネルの損傷、橋梁の変状等熊本電気鉄道プラットホーム損傷等熊本交通局軌道損傷等被害が発生したところでございます。  順次復旧進んでおります。現在は、豊肥線肥後大津—豊後荻間、それから南阿蘇鉄道高森線全線で運転を休止しているところでございまして、このうち豊肥線につきましては、先ほど申し上げた大規模斜面崩壊により土砂流入が発生した阿蘇大橋地区では、砂防事業国道復旧事業と一体的に取り組む必要があるのかなと思っております。それから、それ以外の被災箇所につきましては、現在、JR九州において復旧方法等を検討しているところでございます。それから、南阿蘇鉄道高森線につきましては、四月末の現地調査により被災箇所が特定されたところでございまして、今後、復旧方法等について調査が行われるというふうに聞いております。
  18. 野田国義

    野田国義君 私も視察で阿蘇大橋ですか、崩落した現場、行かせていただきました。ここはいわゆる国道五十七号線と豊肥線が崩落しているような状況になっておるわけでございますけれども、これはちょっといっとき、長い時間不通と申しますか、時間が掛かるんじゃなかろうかなと、そういう思いがしたところでございますけれども、ここの五十七号あるいは豊肥線復旧、当然補正予算等も組まれるわけでございますので、そういう予算が組まれて当然かなと、そういう思いがしているところでございますけれども、この対応については、復旧についてはどういうふうになっておるか、御説明をいただきたいと思います。
  19. 藤田耕三

    政府参考人藤田耕三君) 現時点でまだ具体的日程を議論できる状況ではないと思っておりますけれども、いずれにしましても、今御指摘のように砂防事業それから国道復旧事業と一体的に鉄道復旧に取り組む必要があるというふうに考えておりまして、そうした観点から検討を進めてまいりたいと思っております。
  20. 野田国義

    野田国義君 まだ具体的に検討されていないということでありますけれども、この豊肥線、私もこの間、ちょうど大分に行く機会がございまして、由布院、あちらの方からは結構利用するんですけれども豊肥線の方が乗車したことなかったものですから、実を言いますと、偶然にも半年前ぐらいでしょうか、これに乗車して、大分からそして熊本まで来て、そして熊本から新幹線で博多まで帰ったというようなことで、乗車させていただきました。  非常にここは、まさしく崩落したところが一番景観がいいところなんですよね。何か聞くところによりますと、当時、十四日ですか、前震があったときにJR九州のななつ星もそこに停車しておったというような状況であったということでございまして、これ一日も早い復旧を恐らく地元皆さん始め望んでおられるんではなかろうかなと。そしてまた、あの現場を見る限りでは本当にまた大きな復旧予算というものが要るんじゃなかろうかと思いますので、しっかりとそういったところの支援を含めてお願いをしたいと思いますが、いかがでしょうか。
  21. 藤田耕三

    政府参考人藤田耕三君) この豊肥線大分熊本を結ぶ大変大事な路線でございますので、今申し上げたような砂防事業国道復旧事業と一体として早期復旧を目指してまいりたいと考えております。
  22. 野田国義

    野田国義君 ここにちょっと資料も持っておるんですけれども、本当にいわゆる山肌が削られて大崩落をしている箇所、それと、見てみますと、線路の変形とか路盤の流失ですか、豊肥線にはたくさんそういった箇所があるということでございますので、落石等も含めて、ですからこの辺りのところもしっかりと支援、一日も早い復旧をお願いをしたいと改めて思います。  それから、私、やっぱり首長経験者でございますので、どうしても庁舎の問題が、五つの市や町、いわゆる益城町役場、私もここには行かせていただきましたけれども、を始め五つの役所が庁舎が使用不能となっているということなんです。それで、これ私もよく市長時代言っていたんですよ。実を言うと、私のところも耐震ができませんでした。耐震ができなかった。なぜできなかったかというと、やっぱり市民の目があるんですね。市役所だけ立派に建て替わったとかいうと、なかなかこれは市民の目が厳しいということ、恐らく多くの首長感じておられるんではなかろうかなと思います。  そしてもう一つは、そういった支援面も含めて、庁舎への支援はほとんど単費と申しますか、いろいろ基金とか、そういうものを使わなくてはいけないということなんです。  それで、この庁舎については、国の対応あるいは今の現状は、五つの庁舎、どのようになっておるのか、ちょっとお聞きしたいと思います。
  23. 宮地毅

    政府参考人宮地毅君) お答えを申し上げます。  被災をした庁舎ということで、五市町の状況ということでお答えを申し上げますが、熊本県の災害対策本部の調査によりますと、この度の熊本地震の影響によりまして、宇土市におきましては庁舎の四階部が大きく損壊をしております。そのほか、八代市、人吉市、大津町、益城町におきましても、庁舎内に多数ひび割れや窓ガラスの損壊等が発生をしておりまして、庁舎の使用ができなくなったことによりまして、支所ですとかあるいは自治体のほかの施設等にその機能を移転して業務を行っているというふうに承知しております。
  24. 野田国義

    野田国義君 これは、何でこういう形で使用不可能になっているのかということはおつかみになっているんでしょうか。原因。
  25. 宮地毅

    政府参考人宮地毅君) お答え申し上げます。  この地震の影響によりまして、宇土市では庁舎の四階部が大きく損壊をしているということでございます。また、ほかのところでは、やはりひび割れ等多数ありまして、立ち入ることが危険だというふうなことなどによりまして、現在、庁舎が使用できないというふうに判断しているというふうに承知しております。
  26. 野田国義

    野田国義君 いわゆるBCPですか、業務継続計画、この策定率、私も以前にも災害特の方で質問をさせていただいたことがあるわけでありますけれども、その数字を見てみますと、全国平均が三六・五%、熊本県内の市町村では三七・七%なんですね。だから、全国平均よりも一%ぐらいは熊本の方が高いということなんです。しかし、五庁舎がこういう状況になっておるということでございます。具体的に見てみますと、八代はやった、人吉はやっていない、宇土市はやっていない、大津町はやった、そして益城町はないというようなことになっているようでございます。ですから、こういうことも含めて、しっかりとやっぱり指導を早くやるようにしていかなくちゃいけないんじゃなかろうかなと思います。  それで、一枚ペーパーを委員の皆様方にもお渡しをさせていただいておりますが、これがいわゆる耐震の支援と申しますか、国の支援、ずらっとここに並ばさせていただいているところでございますけれども、これを見て改めて、やっぱり私自身も心配しておりましたけれども、それが本当だったんだなと。これは一市だけの問題じゃなくて、やっぱり全国のこういった庁舎の問題があったんだなということが一目瞭然に分かっていただけるんじゃなかろうかなと。  庁舎が一番低いわけでございます、耐震率見ていただければ分かりますように。そして、やっぱり公共という部分、庁舎、それから県民会館・公民館、それから体育館、この数字が七〇%台ということで非常に低い数字になっているということ、それは私が最初に申し上げましたように、なかなか箱物を造ると市民の目があるというようなことが影響しているのかな、もちろんこれは一番影響しているのは予算ということになろうかと思いますけれども、そういうものが影響しているということであろうと思っているところでございます。  そういう国の支援策が、見ていただければ分かりますように、この3、4、5ですね、今私申し上げました、ここの部分が極端に少ないということ、いわゆる補助率ですね。耐震の改修の補助率、この辺りのところが非常に低いのでなかなかできないというような状況になっておるようでございますけれども、これを見てどう思われるか、お聞きをしたいと思います。
  27. 横田真二

    政府参考人(横田真二君) お答えいたします。  今御指摘いただきましたように、二十六年度末の防災拠点となります公共施設の耐震化の全国の状況を見ますと、一番高いのが今おっしゃられましたように文教施設でございまして、それから消防本部・消防署所、診療施設、この辺りが高い、一方で、庁舎は今お話ありましたように七四・八%ということになっております。この理由については詳細には私ども調査はいたしておりませんけれども、今おっしゃられたように、一般的には、予算に制約のある中で、文教施設や消防本部、診療施設等の耐震化が優先されたものではないかというふうに考えております。  総務省といたしましては、従前から、防災拠点となります公共施設の耐震化を促進するために、この表の一番下にもございますけれども、緊急防災・減災事業債というのを活用していただくよう地方財政措置を講じてきたところでございまして、引き続きこうした支援制度について周知をいたしまして、早急な取組が地方公共団体において進められるよう強力に働きかけてまいりたいと考えております。
  28. 野田国義

    野田国義君 今お話しになりましたように、文教施設ですね、子供たちの施設、本当に社会問題にこのことはなりました。ですから、国としても何とかしなくちゃいけない、あるいは地方自治体においてもどうかしていかなくちゃいけないと、そういうことで随分と進んでまいったということ、これはよかったなと私も思うわけでございますけれども。  しかし、肝腎要の、いわゆるこういった災害地震等が起これば、拠点となる、本部となるような庁舎関係が一番そういった耐震進んでいないということが明らかになったわけでございますので、今後は、そういった国の支援策、そして、地元の自治体としては、私、何度も申し上げますように、非常に厳しいものがございます、そういった市民の目ということを含めてですね。ですから、何かそこにインパクトを与えなくちゃいけないんじゃなかろうかなと思うんです。それにはやっぱり国が、これ、ちゃんと耐震基準を満たすようにやりなさいというような強い指導を含めてインセンティブが必要なんじゃなかろうかなと、そういうことを経験者として思いますので、是非とも参考にしていただいて、災害拠点となるべく、庁舎の耐震、これをしっかりと進めていただくようにお願いをしたいと思います。  それで、この被災した庁舎の状況、先ほどもお聞きいたしましたけれども、少し具体的に聞きたいと思うんですけれども、これ、市民は中に入れるのか、あるいは住民票とか取れるのか、どういう状況になっているのか、この五庁舎ですね。あるいは、コンピューターというかパソコンなんかも動かせるのか。その辺りを少し詳しくお聞きしたいと思います。
  29. 宮地毅

    政府参考人宮地毅君) お答え申し上げます。  先ほども申し上げましたが、宇土市、八代市、人吉市、大津町、益城町におきましては、今、庁舎の使用をできなくしておりまして、その意味で、市民の方にも立入りができないような取扱いになっております。そのため、業務を維持継続するために、支所あるいは他の関係施設などの庁舎外にその機能を移転をしているところでございます。そこで業務を行っているわけでございます。  先ほど御指摘ございましたが、窓口の業務で見ますと、それぞれの市町で維持しております住民基本台帳のシステムにつきましては、この五市町を含む熊本県内の全市町村でデータが維持されております。ただ、御質問の五団体では本庁舎では業務ができませんので、八代市では支所で、人吉市は本庁の別館で、宇土市は支所やあるいは本庁近隣の体育館で、大津町は本庁近隣の町の施設でこの業務を実施をしているところでございます。益城町につきましては、本庁の隣の中央公民館での業務再開に向けて準備を進めているという状況でございます。なお、それぞれ住民基本台帳ネットワークシステムというものもございますが、このネットワークシステムにつきましては、御質問の五団体を含む熊本県内の全市町村でつながっているという状況にございます。
  30. 野田国義

    野田国義君 非常に危険、危ないということで、市民それから市の役場の職員なども庁舎に入れないというような状況が続いていると。私も、益城町ですか、行ったときに、保健センターですよね、避難場所になっております、あそこに町長さんたち、教育長さん等もいらっしゃったということで、そこでお会いをしたわけでありますけれども。  そういう状況にあるわけでございまして、そして、私、もう参議院選挙が七月にあるということは決定をしているわけでございますけれども、率直に言って、この状況で果たして選挙ができるのかということも非常に心配をしているところでございますけれども、この辺りのところ、選挙人名簿等の管理とかにつながっていくかと思いますけれども、投票所の設置とかそういう問題になろうかと思いますが、どのように国としてお考えになっているのか、お聞きしたいと思います。
  31. 宮地毅

    政府参考人宮地毅君) それぞれの業務につきましてどのように継続していくかということについては、それぞれ市町村の方で検討しているところだと考えておりますが、国の方でもそうした業務が実施できるかについて必要な助言、支援等を行っていきたいと考えております。ちょっと今まだ具体的な見通しについてはお答え申し上げられる状況ではございませんが、基本的には実施する方向で対応考えているところだと思います。
  32. 野田国義

    野田国義君 いやいや、ですから、こういう問題はしっかり国として把握しておかないと、後で何かできないというような話になったらこれは本当に大ごとになりますので、よろしくお願いをしたいと思います。  ほかにもいろいろ、一番うれしかったのは、子供たちが学校に行けるようになったと、皆さんの、関係者努力によって。このことを本当にうれしく思ったところでございまして、子供たち、本当に大きなストレスを感じていると思います。余震がもう千五百回以上ですか、そういうことで続いておりますので、恐怖心も含めてストレスがたまっている。それを取り省くには、やっぱり学校で友達と会ったりというようなことが一番大切なことだと思いますので、これからも本当に被災された方々に寄り添って、またいろいろな対策を講じていかなくてはいけないと思いますので、どうぞ皆様方におかれましてもよろしくお願いをしたいと思います。大臣を始め、よろしくお願いいたします。  それでは、港湾法の一部改正ですか、そちらの方に入らせていただきたいと思いますけれども、クルーズの寄港ということになりますと、御案内のとおり、この間もちょっと質問させていただいたかと思いますが、博多港が一番になっておるということでございまして、私も数か月前に博多港、視察をさせていただきました。そうしたら、いろいろ今回それを含めて対策を講じていただくような法律内容になっておりますので、これは非常に私も喜ばしいことだなと思っているところでございます。  確かに、行ってみますと、ちょうどクルーズ船寄港しておりました。恐らく二千五百人ぐらいだったでしょうか、乗せて、中国から来ておったクルーズ船が停泊しておったところでございますけれども、そこから乗客の方々がどんどんどんどん降りてくるわけでございますけれども、しかし、出てみますとそこには何もないと、現状ですね。博多港でも何にもないような状況になっておりまして、隣に待っておるのはバスと。バスが何十台とつながって、その乗船されておった方々を、これ七時間ほどしか停泊しておりませんで、七時間後にはまた帰路と申しますか、帰っていくということでございます。太宰府天満宮あるいはキャナルシティなどに、買物をするとか、そういうような時間で、本当これ大変なんだなと。  しかし、考えてみますと、宿泊所なども今福岡は足らないような状況になっておりますので、まあ仕方ないのかなという気もしたところでございますけれども、しかし、やっぱり活性化のためには、どう長く滞在をしていただくのか、そしてせっかく来ていただく皆さんをどうもてなすのかというようなことが必要であろうと思っているところでございます。  それで、先ほどCIQの話については大野議員の方から話ございましたので割愛させていただきたいと思いますが、やっぱりここもしっかりと受入れ体制、改善をしていかなくてはいけないのではなかろうかと思っておるところでございます。  そして、この間から予算を七億ですか、博多に付けていただきました。これ中身見ますと、国が三億五千万、そうすると何か福岡市が三億五千万ということで七億、そして、プラスまた福岡市辺りが三億出して十億ぐらいの事業を、昨日ちょっと地元の市会議員に聞いてみましたところ、十億ぐらいの事業を予定をしておると。どういう事業を予定しているとなんて聞きましたら、埠頭ですか、いわゆる大型船が、一番大きな大型船は四千五百人ぐらい乗せてくるんですね、それが今の博多埠頭では停泊できない、寄港できないというような状況。今、じゃどうしているかというと、箱崎、これ貨物とかやっている、そちらの方に回しているような状況だそうでございまして、その博多港の方がちゃんと埠頭を整備して受入れ体制をやる、そういった事業に使う予定であるというようなことを聞いたわけでございますけれども。  そこで、それも非常に大切なことでありますし、また、ここで港湾の情報提供施設ですか、いわゆる案内施設、見学施設その他の港湾利用に関する情報を提供するための施設ということだそうでございますけれども、これは、このような施設を法的に明確化することはどのような意義があるのか、そして、港湾情報施設はいわゆる既に、みなとオアシスですか、そういう呼び名のものがあるそうでございますけれども、どのようにこの二つは違いがあるのかということをお聞きしたいと思います。
  33. 石井啓一

    国務大臣石井啓一君) 今回、港湾施設に新たに追加をされます港湾情報提供施設は、旅行者などの港湾利用者に対して港湾及び港湾の周辺地域に関する情報を提供するための施設であります。具体的には、当該港湾から観光地への交通アクセス等の情報を提供するための案内施設港湾内の施設の配置や稼働状況等を一望できる見学施設等が想定をされます。  一方、みなとオアシスにつきましては、朝市や地域イベントの開催など周辺住民の交流を通じた地域振興のための港湾における拠点でありまして、国土交通省において、現在、全国八十八か所を認定しております。みなとオアシスは、交流施設、緑地やマリーナなどの様々な施設の集合体であるため、みなとオアシスを構成する施設に見学施設や案内施設等の港湾情報提供施設が含まれることも考えられるわけでございます。  国土交通省といたしましては、港湾情報提供施設を含めまして、みなとオアシスを核とした港町づくりを推進し、地域住民の交流や観光振興を通じた地域の活性化に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
  34. 野田国義

    野田国義君 ありがとうございます。  ちょっと順番が逆になるわけでありますけれどもクルーズ船を受け入れるには、先ほど私申し上げましたように、多くの本当にバスが何十台、何百台と待機をしておった光景が私脳裏に残っておるところでございますけれども。  といいますと、いわゆるこれ、何といいますか、交通渋滞を地域は起こすわけでございまして、いわゆるまちづくりの観点ということを考えてそういったクルーズ船の受入れ等もやらないと、近所迷惑と申しますか、一挙にそういった何千人の人たちが上陸をし、また多くのバスに乗っていくということになるので、この辺りの整備もしっかりやっていただかなくちゃいけないと思いますけれども、このことについてはどうお考えになっておるのか、お聞きしたいと思います。
  35. 菊地身智雄

    政府参考人菊地身智雄君) お答えいたします。  近年、日本に寄港するクルーズ船大型化に伴いまして、人気観光地の周辺での渋滞あるいはバスの路上駐車など周辺地域への影響が生じているというふうな認識を持ってございます。  このような課題解決に向けまして、受入れ自治体におきましては、ショットガン方式という、いろいろなところにバスを待たせておいて随時呼び寄せるというような方式の実施であるとか、あるいは空地を駐車スペースとして確保する、あるいはその待避場所を確保するといったような取組をそれぞれ関係自治体あるいは関係団体と連携して推進をしていただいているところでございます。  このほかに、委員今御指摘のございました博多港は日本で最大のクルーズ船寄港地になってございますが、この博多港におきましては官民の関係者から成る地域協議会を設立いたしまして、寄港地ツアーの行き先であるとかあるいは時間帯を分散させて渋滞緩和をしていこうといったような検討を進めていただいているところでございます。
  36. 野田国義

    野田国義君 しっかりとその辺りのところもやっていかないと、本当に地域の方々がかえって迷惑するというような施設にもなる可能性もございますので、よろしくお願いをしたいと思っております。  それから、先日から大臣説明にもございました、いわゆる法案説明にもございました港湾協力団体ですか、この指定基準についてということでお聞きしたいと思いますけれども、この同類型として河川協力団体とか海岸協力団体においては、団体指定準則に基づいて、協力団体として指定するに際して必要な条件を定めております。  この港湾協力団体の指定に際してどのような基準を定めているのか、この港湾協力団体について、従前の協力団体より厳格に私は指定を行う必要があると考えるところでございますけれども、その辺りのところの見解をお伺いをしたいと思います。
  37. 菊地身智雄

    政府参考人菊地身智雄君) お答えいたします。  港湾協力団体でございますが、まず、今回この港湾協力団体の制度導入いたします趣旨といたしましては、先ほどのクルーズの受入れであるとか、様々な港を取り巻く状況の変化に対応いたしまして、港湾管理者だけではなかなかきめ細やかな対応ができないというようなことを踏まえて、こうした様々な活動をやっている団体を港湾協力団体として指定をし、きめ細かなサービス提供、そして管理の高度化というのを図っていこうという趣旨でございます。  今回のこの港湾協力団体の指定の申請があった場合につきまして、港湾管理者におきましては、港湾協力団体としての活動を適正かつ確実に実施できる法人あるいは団体であるかどうかということについて審査を行うことにしてございます。  具体の審査基準につきましては、それぞれの港湾ごとに様々なその港の持つ役割であるとかあるいは行っておられる団体の活動等が異なりますので、それぞれの港湾管理者において適切に定められるべきというふうに考えておりますが、私ども国土交通省といたしましては、制度の円滑な運用が図られますように、港湾管理者に対しましてガイドラインを示すことによりまして必要な助言を行ってまいりたいというふうに考えております。
  38. 野田国義

    野田国義君 このことを、ハード的なものだけじゃなくて、やっぱりこういったソフト的な協力する団体、人ということが非常におもてなしということについて必要なことだと思います。花いっぱい等何かやっていただくとか、本当に道路や河川についてもそういった団体の御協力で非常にきれいな景観が保たれているということも言えるわけでございますので、しっかりよろしくお願いをしたいと思います。  引き続きまして、再生可能エネルギー導入検討協議会ですか、この法的位置付けについてということでお聞きしたいと思いますけれども、洋上風力発電に恐らくなるかと思いますけれども港湾利用者や周辺住民などの利害関係者と協議を行う必要があると考えられます。港湾における風力発電導入のためのマニュアルにおいては再生可能エネルギー導入検討協議会の設置を勧めていますが、本法律案には、それをガイドラインに止めて法的義務にしなかったのはなぜかというようなことをお聞きしたいと思います。  再生可能エネルギーの風力、この風力がなかなか日本では伸びていないということです。御承知のとおり、太陽光発電、九州は異常なくらいこの太陽光発電が多く設置をされております。いろいろな問題も生じていろいろな規制も掛かってきておるようでございますけれども、しかし、私、この再生可能エネルギーを増やしていくには、この太陽光だけじゃなくて、風力を始め地熱、そういったところにも目を、スポットを当ててしっかり努力をしていかなくちゃいけないと思います。  そういう意味におきまして、私はこういった港湾等、海洋等を利用する風力発電、あるいは波なんかも利用するようなものが開発されておりますので、含めて御答弁をいただきたいと思います。
  39. 菊地身智雄

    政府参考人菊地身智雄君) 委員指摘の再生可能エネルギー導入検討協議会でございますが、これは平成二十四年に策定し公表いたしました港湾における風力発電の導入マニュアル、こちらの中で、事業者選定に係る審査支援を実施していくというときに地域の意見を反映するという仕組みの中でお示しをしたものでございます。  こうした再生可能エネルギー導入検討協議会につきましては、それぞれの導入する港湾によって地域の事情が異なっておりますので、それぞれの地域の事情に応じて設置していただくことが適当ということから、今回、法律あるいは省令で位置付けることとしてございません。  他方で、洋上風力発電の導入に当たりましては、地域の合意形成を図っていく、これは非常に重要なことでございます。導入区域の設定の際に地方港湾審議会の審議を経る、あるいは、その審査に当たりまして、導入協議会と同様の場を設けてしっかりとその地域の意見を聞きながら合意形成を図っていくといったようなことで、こうした地域の意見が適切に反映されるように、港湾管理者に対しまして、私どもしっかりとした助言なりを行ってまいりたいというふうに考えてございます。
  40. 野田国義

    野田国義君 しっかりやっていただきたいと思います。  そこで、この港湾に洋上風力発電施設を設置するに当たっては、従来の占用形態では想定されなかった航空空域、あるいは電力系統、電波障害など様々な問題が発生をすることが予想をされるところでございます。これらの事象に関しては専門知識や関係機関との調整が必要不可欠であることから、公募占用計画を審査するに当たって、専門分野が増える観点から多角的な目線が必要とされるので、しっかりとした他省庁との連携が重要と考えられるところであります。よって、港湾管理者の公募占用制度における審査能力の強化に向けた取組ということ、これは非常に重要だと思います。いろいろな弊害が出てくることも予想されますので、どういうことがされるか、御答弁をお願いします。
  41. 菊地身智雄

    政府参考人菊地身智雄君) 占用公募制度におけます事業者の選定に当たりましては、事業者から提出される公募占用計画につきまして、学識経験者の意見を聴いた上で適切に評価し、事業者を選定することとなってございます。  具体的には、占用の目的であるとか区域施設の構造、維持管理、撤去の方法、あるいは資金計画等について記載をした公募占用計画の提出を受けまして、これが公募占用指針に照らして適切であるかどうかという観点で審査が行われることになります。基準に適合している者のうち、公募占用指針に定める評価の基準に従いまして最も適切な者を総合評価により選定することとしてございます。  評価の基準につきましては、今委員指摘のとおり、様々な観点でこの審査の基準というのを設定していくことになりますが、現在、私どもも、経済産業省ともしっかり連携をしながら、系統接続等の課題も含めて、こうした洋上風力発電が円滑に導入できるような連携を取ってございます。  このような点も含めまして、今後、ガイドラインの設定だとかこういった場面で、引き続き各省とも連携を取りながらしっかりしたものを作り、港湾管理者等に、あるいはその事業者等への支援を行ってまいりたいと、こんなふうに考えております。
  42. 野田国義

    野田国義君 そうしますと、いわゆる公募ということになっていくわけでありますけれども、当然これ公的な部分が高いわけでございますので、占用する者の公正な選定と公共の利益の増進を図ることが大切でありますけれども、ここで、占用計画の提出又は占用予定者の選定において一者しか提出をしなかったと。競争の中でしっかり公平な形で選定される、が一番いいわけではございますけれども、しかし一者ということになった場合には、条件をまた満たさなかった場合にはどうなるのか、その辺りのところをお聞きしたいと思います。
  43. 菊地身智雄

    政府参考人菊地身智雄君) お答えいたします。  事業者が提出する公募占用計画の選定に際しましては、まず公募占用計画が指針に照らして適切かどうかの基準に適合するかどうか、まずこの点を審査することにいたしております。公募占用計画を提出した者が一者のみだった場合ということでございますが、この場合でも、この基準に適合しているかどうか、この審査を行いまして、適合していない場合には選定をされないということになります。  さらに、この基準に適合した計画につきましては、港湾管理者が定める公募占用指針において記載する評価の基準に基づきまして個々の公募占用計画について総合評価を行うわけでありますが、この総合評価については、事業者の技術力や事業の採算性などの項目に照らしまして、個々の港湾や地域の実情に照らして必要な項目を設定しております。これは応募する事業者の数のいかんにかかわらず実施をされるものでございます。  なお、国土交通省といたしましては、運用指針を定めるなど、評価基準の具体例の参考情報について港湾管理者にしっかりと技術的な助言を行いまして、制度の適切な運用に努めてまいりたいと考えております。
  44. 野田国義

    野田国義君 まとめさせていただきたいと思いますが、こういったインバウンド等、二千万を超えたと、日本を訪れる方々ですね。そうなりますと、いろいろなところに問題なんかも発生をしてくると思います。ですから、そこをいかに柔軟な姿勢と申しますか、もう法改正を含めて今回のような形を取っていただくというのは非常に大切なことであろうと思いますので、当然、外国からおいでいただく方々の玄関になるのは港であり空港であるということでございますので、しっかりとその辺りのところ、大臣を始め国土交通省、取り組んでいただきたいと思います。  そしてまた、この熊本地震におきましては、やっぱり現場主義と申しますか、そこが大切なことだと思います。被災者にしっかりと寄り添った形での支援を最後にお願いを申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。  ありがとうございました。
  45. 河野義博

    河野義博君 公明党の河野義博です。  本法案クルーズ船寄港回数増加に伴う訪日外国人の受入れ環境の改善、また港湾における洋上風力施設などの導入円滑化に向けた占用手続の創設でありまして、その内容には賛成でございます。その上で、一点お願いをした上で質問に入りたいと思っておりますが、クルーズ船に関連してでございます。  私、地元福岡でございますけれども、昨年は二百五十九回、クルーズ船が、大型の船が寄港いたしました。今年は三百六十一回予定をされておりまして、ほぼ毎日、大型のクルーズ船が来ております。時には二隻来ている日もあるわけでございます。一方で、いかに地元の経済活性化に資する取組を行っていくかというのは大きな課題なんだろうというふうに思っております。  御案内のとおり、午前中に船が着きまして、朝食食べた後、皆さん外に出ていくわけです。お昼をどこかで取っていただいて、一日観光していただいて、夕方船に戻って、また次の寄港地に行くというデートリップなわけでございますが、私視察させていただきましたが、船を出る際にその日のオプションのツアーを購入しないと出れないという船でございまして、皆さんどこに行くかといいますと、近隣の有名な神社ですとか買物とか行くわけですが、大多数は買物へ行くわけですね。買物どこに行くかというと、外国人のランドオペレーターの方がアレンジして、外国資本の免税店に行きます。そして、たくさん買物して船に積み込んで、また次の寄港地に行きますということで、バスは減って困るし、渋滞はするし、そしてお金は地元に落ちないという点で非常に懸念の声も上がっておりますので、来てくれるようになったというのは大きな成果であります。国交省主導でクルーズ船ターミナルも造っていただいて入国管理も円滑になりましたので、人が来るようになった、じゃ、次はどうやって地元の経済潤わしていくかというのが大切な視点だろうと思いますので、今後のお取組をお願いをいたしまして、法案の中身の質問に入らせていただきます。  洋上風力発電導入に関連した質問をいたします。  まず、本案件、これまで洋上風力発電やりたい人はいっぱいいたんですが、じゃ、どうやってやれるのか、どこでやれるのか、明確ではありませんでした。導入に向けた手続が体系的になっていなかった。国交省としては様々取組をしていただいておりまして、過去、導入手続を示したマニュアルですとか技術ガイドラインなんかを作っていただいておったわけですけれども、それでもなかなか進んでこなかった。  そこで、本法案港湾法を改正しまして、二十年にわたって占有許可手続が定められることになりました。日本国内において、そして港湾区域に限ってではありますけれども、洋上風力発電がやれる環境というのが整う、これは歴史的な事実でありまして、関係者に敬意と感謝を申し上げる次第でございます。  法案の中身に関して、私は二点伺いたいんですけれども、まず一つ目、港湾法の改正案と時限措置であります、これ経産省の法律ですけれども、再生可能エネルギーの固定価格買取り制度、いわゆるFIT法との関連性であります。今回の改正法案三十七条三の一項、公募要件が定められているんですけれども、この対象施設は、FIT法に規定する再生可能エネルギー源利用その他公共の利益の増進を図る上で有効と認められる施設又は工作物というふうにこれは定義をされております。固定価格買取り制度はいわゆる時限立法でありまして、将来、この時限立法が廃止された場合、今回の公募対象施設の扱い、これはどうなるんですかという指摘がなされておりますけれども国交省の見解をお伺いします。
  46. 菊地身智雄

    政府参考人菊地身智雄君) お答えいたします。  今般の港湾法改正案における占用公募手続の対象となる公募対象施設等につきましては、公共の利益の増進を図る上で有効である施設又は工作物と規定しておりまして、公共の利益の増進についての例示として再生可能エネルギー源利用を規定してございます。この際、再生可能エネルギー源の定義といたしまして、固定価格買取り制度を規定する電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法、いわゆる再エネ特措法でございますが、その二条四項を引用してございます。  委員指摘のように、再エネ特措法につきましては時限立法ということもございまして、仮にこれが廃止といったことがなった場合には同法の定義規定を引用することができなくなりますので、港湾法の改正を行い、他法令の引用を行うか、あるいは港湾法において定義規定を置くこととなるというふうに考えております。
  47. 河野義博

    河野義博君 趣旨としてはよく分かります。あくまで公共の利益の増進を図るために再生可能エネルギー、特定する定義がないためにFIT法を引いてきたということだろうと理解をいたしましたし、FIT法がなくなったからといって、占用手続が認められなくなるようなことではないというふうに理解をしました。また、これFIT法に当てはまらない再生可能エネルギーもありますので、FIT法対象以外の再エネも対象になりますし、FIT法がなくなったからといって占用手続自体がなくなるものではないというふうに理解してよろしいでしょうか、改めて。
  48. 菊地身智雄

    政府参考人菊地身智雄君) ただいま委員指摘のとおりの御理解でよろしいと思います。
  49. 河野義博

    河野義博君 ありがとうございました。  法案の内容に関してもう一点、三十七条の三の四項におきまして、有効期間ですね、認定の有効期間は二十年を超えないものというふうに規定をされております。例えば、洋上風力発電施設の場合ですと、有効期間開始後に初めて実際の風況調査をやり、また環境アセスをやり、実施計画等、本格的に資金を使って開発を進めていくわけでございます。その時点で水域許可、これは許可を取ることになりますけれども、その後、工事をします。工事期間を含めて、その後二十年間稼働させる、FIT法に基づいて二十年間で回収するというのが事業者の常であろうかと思いますけれども、占用許可自体が二十年でありますが、開発期間というのをどういうふうに見たらいいのかという疑問があるわけでございます。  公募に申請する時点では、もちろん公募する人は二十年間の事業計画を立ててそれを提出しているわけでございますので、建設期間も含めて面倒を見てくれると解釈はできるんじゃないかなというふうに思いますけれども、認定の有効期間が満了しても事業が継続できることを前提として公募に応じているわけですから、この認定の有効期間満了後も事業が継続できるような制度になっているべきだろうというふうに思うんですけれども制度上、何らかの運用措置を講じていただけるのか、港湾局長、よろしくお願いします。
  50. 菊地身智雄

    政府参考人菊地身智雄君) お答えいたします。  公募占用計画の認定の有効期間終了後、洋上風力発電施設を引き続き設置し、港湾区域内水域等の占用を行おうとする場合には、事業者港湾法第三十七条第一項の規定に基づきまして、港湾管理者に対して改めて占用許可の申請を行うこととなります。港湾管理者は申請を受けまして、港湾計画との調和や現在の施設の稼働状況等を勘案しつつ、港湾区域内の水域等の有効活用の観点を踏まえまして占用許可の判断を行うこととなると考えております。  国土交通省といたしましては、ただいま委員指摘のように、有効期間終了後においても洋上風力発電事業が円滑に継続されますように、運用指針を示すなど港湾管理者に対して適切に技術的な助言を行ってまいりたいと考えております。
  51. 河野義博

    河野義博君 港湾計画との整合性を取らなければならないというような事情もよく分かります。一方で、今御答弁いただいた運用指針が非常に大事だと思っておりまして、基本的に当初の事業計画が担保されているような指針になっていないと、余計なファイナンスの条件とか付けられて事業者が困ったということになりますので、しっかり運用の中で建設期間も含めた二十年間のプロジェクトがしっかりと担保されるような運用指針の設計をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。  続きまして、今回ようやく港湾区域内で洋上風力の開発が可能となります。一方で、ごく限られたエリアです。世界第六位の海洋国家の我が国ですけれども港湾区域内だけでしか今のところこの制度は確立されておりませんので、次はやはり一般海域も含めた議論が必要なんではないかなというふうに思います。  三月の予算委員会でも質問をさせていただきまして、一般海域における洋上風力発電事業の開発に向けたルール作り、これを進めてくださいというふうにお願いをしたところ、自治体、事業者、漁業者などの関係者の意見を聞きながら、いわゆるゾーニングを含む海域利用の円滑な調整の仕組みづくりについて関係省庁と連携をして検討すると御答弁をいただいておりますけれども、内閣府海洋政策本部、いかがでしょうか。その後の取組を教えてください。
  52. 加藤由起夫

    政府参考人加藤由起夫君) お答えを申し上げます。  一般海域におきまして風力発電施設を設置するためには、漁業者を始めとする既存の海域利用者の事業の実態や環境との調和等に十分配慮して、様々な地域の特性を踏まえ、個別に丁寧な利用調整を行うことが重要でございます。地方自治体の中には、一般海域の管理のための条例を制定し、一般海域の利用調整を行っているところもあると承知しております。このような状況を踏まえまして、一般海域の利用の円滑な調整の仕組みづくりに向けまして、全国各地におけます一般海域の利用調整の実態をしっかりと把握するために、関係団体へのヒアリングを開始したところでございます。  これら各地での取組の実態や、今後の港湾区域におけます風力発電の設置に係ります先導的な取組によります実例、あるいはノウハウの積み上げを踏まえまして、関係省庁と連携しつつ、一般海域の利用の円滑な調整の仕組みづくりについて検討してまいりたいと、かように考えている次第でございます。
  53. 河野義博

    河野義博君 二十八年度中には何らかの方向性を示していただけるというふうに聞き及んでおりますので、しっかりとお願いをしたいと思っております。  一般海域もそうなんですけれども、最終的にはEEZも含めてどの海域でどこでやれるんだと、どこでやっていきましょうということを強く国がリードしていく必要があるんだろうというふうに思っております。漁業補償も含めて手続をやはり明確化しておくということは非常に大事なんじゃないかなというふうに思っております。最終的には、行政側の手続というのはワンストップでやれるという体制も是非とも整えていただきたいというふうに思っております。  制度が整って個別案件の開発が進みつつある中、国内の風車メーカーや据付けを行う海事産業の国内の関連業者というのは積極的な市場参画に二の足を踏んでいる状況が見て取れるわけでございます。これは、洋上風力発電の、ひとえに将来の市場規模が明確ではない、若しくは極めてちっちゃいということが最大の原因なんだろうというふうに思っております。政府が明確に大きな目標を示して産業界を引っ張っていく必要があるんじゃないかというふうに思います。  一方で、エネルギーミックスに示された二〇三〇年までの見通しは、洋上風力、僅か八十二万キロワットでございます。八十二万キロワットといいますと、原子力発電所は大体八十万キロから百万キロでございますので、大体原発一基分に満たないぐらいの規模感でございまして、野心的な目標とは言い難いんではないかなというふうに思います。やっぱりこれは経産省がしっかりと旗を振っていただいて、明確な目標を示すことで産業界を引っ張っていただきたいというふうに思いますけれども、今日は経産省からも来ていただいておりますが、御答弁をお願いします。
  54. 藤木俊光

    政府参考人(藤木俊光君) 御答弁申し上げます。  今ほど御紹介がございました昨年七月のエネルギーミックスでは、洋上風力八十二万キロワットという数字をお示ししているところでございます。エネルギーミックスのこの数字自体につきましては、これを見直すということにつきましてはエネルギー全般の議論が前提となるということでございまして、これを直ちに見直すという環境にはないというふうに思っております。  一方で、この八十二万キロという数字に関しては、足下導入量ゼロということを前提として一定の推計をしたということでございますが、御案内のとおり、その後、各種の実証事業でありますとか各種のプロジェクトが進展してきている、あるいは今回の港湾法のように制度整備も進みつつあると、こういったように環境が整いつつあるということでございます。したがいまして、我々、まずはこういう洋上風力を進めていくための基礎的な条件というのをしっかり整備していく、その上でよりしっかりした根拠に基づく見通しみたいなものを考えていくということが大切ではないかというふうに思っております。  港湾法、今回改正されますけれども、ほかにも制度環境を整えなければならない点がございます。また、技術的な課題の克服、さらには事業実施体制をどう組んでいくのか、また、一番大きな問題としては、コストの問題というのをどういうふうに見通しを立てていくのか、こういったような基礎的な条件をしっかり整えていく中で、我々、更に高みを目指してどう検討していくのかということだと思っております。  これは、先般開催されました再生可能エネルギー等関係閣僚会議でも、関係省庁が連携して取り組むべき重点プロジェクトの一つとして洋上風力というのを掲げているところでございますので、まずはこういった基礎的な条件をしっかり固めて、より高いところを目指していきたいというふうに考えております。
  55. 河野義博

    河野義博君 現在、導入量がない中で、基礎的な条件を固めて推進をしていただく、これはごもっともなことだと思っております。  イギリスでは、二〇〇七年にイギリス政府が三千三百万キロワットの洋上風力を開発するという目標をばんと掲げたわけですね。三千三百万キロワットといいますと、原子力三十三基分造ります、事業規模は十三兆円です、送電網だけでも二兆円です、これをやりますと国が明確にビジョンを示して、ここならできます、ここならできます、ここならできます、ラウンドに従って近いところから遠いところまで国が主導して進めてきた結果、二〇一五年、昨年末にはもう既に五百万キロワット、原子力五基分の洋上風力が動き出した、十年足らずで動き出している、そういう実態もあるわけでございます。  必ずしも日本が同じ状況であるというふうには考えませんけれども、ドイツでも同じく二〇二〇年までに六百五十万キロワット、欧米だけではありませんで、中国は二〇二〇年までに三千万キロワット、韓国でも二〇一九年までに二百五十万キロワットという導入目標を掲げているわけでありまして、日本の二〇三〇年までに八十二万キロというのは余りに寂しい数字じゃないかなというふうに思っています。  洋上風力は、風車メーカー、部品メーカー、アイテム数三万点と言われておりますけれども、製造業がありますし、運ぶ運送業、運輸業、また海事産業、そして建設業、保険、金融、非常に裾野の広い産業でありますので、是非とも大きな目標をやはり立てて、国がやるんだという意思を示していくことが大事なんじゃないかなというふうに思います。  ちょうど、来年、エネルギー基本計画の見直し時期でもありますので、しっかりと大きな目標を掲げていただいて、国が主導して洋上風力を進めていく必要があるということを申し上げまして、時間が参りましたので今日は終わらせていただきます。  ありがとうございました。
  56. 辰巳孝太郎

    辰巳孝太郎君 日本共産党の辰巳孝太郎でございます。  私たちは、大規模開発である国際コンテナ戦略港湾事業などとともに、公共施設である港湾の民営化にも反対をしてまいりました。本法案は、国際コンテナ戦略港湾においても、民間事業者の行う岸壁や荷さばき施設などと同様に、民間大手企業への国の無利子の貸付けが可能となっていることから、賛成できません。  今日は、この国際コンテナ戦略港湾政策についてお聞きをしたいと思います。  政府は、二〇一〇年に掲げたこの国際コンテナ戦略港湾の目標として、二〇一五年を目標に国際コンテナ戦略港湾においてアジア主要港並みのサービスを実現させる、そのための具体的な指標として、アジア向けも含む日本全体の日本発着貨物の釜山港等東アジア主要港でのトランシップ率を現行の半分に縮減することを目指すとしております。また、二〇二〇年を目標として、アジア発着貨物の国際コンテナ戦略港湾におけるトランシップを促進し、東アジア主要港として選択される港湾を目指すとしておりました。政府は、この国際コンテナ戦略港湾への集貨、荷物を集める取組を強めるとしてきたわけであります。  国交省、確認しますが、集貨はどれぐらい進んだんでしょうか。
  57. 菊地身智雄

    政府参考人菊地身智雄君) お答えいたします。  国土交通省では、我が国港湾寄港する基幹航路の維持拡大を図るため、国内の貨物を集約する集貨、港湾背後への産業集積により貨物を創出する創貨、大水深コンテナターミナル整備等による競争力強化から成る国際コンテナ戦略港湾政策に取り組んでいるところでございます。  このうち、集貨につきましては、釜山港等を経由して欧米向けに輸送されている貨物を国際コンテナ戦略港湾利用に転換することを目的といたしまして、国際戦略港湾競争力強化対策事業、これを二〇一四年度に創設をいたしまして、港湾運営会社が事業を実施しているところでございます。  この取組によりまして、阪神港におきましては、西日本諸港と阪神港を結ぶ国際フィーダー航路の寄港便数が六十八便から九十五便に約四割増加をしております。二〇一四年度には、約十三万TEUを集貨したところでございます。また、京浜港におきましても、昨年度末に京浜港の港湾運営会社が設立されたところでございますので、今年度から本格的な集貨事業を開始するとしてございます。
  58. 辰巳孝太郎

    辰巳孝太郎君 十三万TEU集めましたと、こう言うんですけれども、日本国内のコンテナ取扱個数は全部で二千万TEUですから、十三万と言われても、まあ知れているなということだと思うんですね。  大臣に確認しますが、では、率、釜山港へのトランシップ率、これは改善をしたんでしょうか。
  59. 石井啓一

    国務大臣石井啓一君) 釜山港湾公社の発表によりますと、我が国発着の国際海上コンテナ貨物の釜山港トランシップ率は、二〇〇九年で四七・九%から二〇一二年に四七・六%、二〇一四年に五一・八%と推移をしております。
  60. 辰巳孝太郎

    辰巳孝太郎君 つまり、トランシップ率は改善するどころか改悪されているわけですね。  釜山港利用のコンテナ取扱貨物は、逆にこの間増えてきております。例えば二〇一〇年でいいますと、トランシップ貨物、百万TEUということをずっと言ってきたわけですが、二〇一四年の資料で見ますと、それが百四十万TEUまで増えている、逆に率も個数も増えてしまっているというのが現状であります。  地方港から荷物を集めるんだと、こう言っても、しかし、地方でできた荷物というのは、阪神に持ってくる、京浜に持ってくるということではなくて、近くの港に持っていくわけですよ。それは、何でやるかといえば、それが一番安いし効率的だからやっているわけですね。大体、地方創生といいながら、地方の港から荷物を持ってこいということになれば、私は地方、地方港を衰退させることになるんじゃないかというふうに思うんですね。  国交省は、この間、九〇年代半ばの大交流時代、二〇〇二年からスーパー中枢港湾政策、二〇一〇年には国際コンテナ戦略港湾政策と、はっきり言ってしまえば、過大な見積りで港湾そのものを次々と大型化整備をし、一貫性のない政策、これに終始をしてきたと思います。これによって、いわゆる十四メーター級のバースを持つ港湾というのが全国各地に次々と造られたわけですね。  国交省、確認しますが、これらの政策でこれまでに掛かった費用は一体幾らなのか、そして国際コンテナ戦略港湾で掛ける費用というのはどれぐらいなのかをお示しいただきたい。
  61. 菊地身智雄

    政府参考人菊地身智雄君) 一九九五年度の大交流時代を支える港湾、この策定をした一九九五年度から昨年度までの二十一年間の港湾整備事業予算の合計額は、国費で約六・六兆円となってございます。  また、国際コンテナ戦略港湾である京浜港及び阪神港の整備に係る事業費につきましては、二〇一六年度から二〇二〇年度までの五年間で約三千億円を見込んでいるところでございます。
  62. 辰巳孝太郎

    辰巳孝太郎君 二年前には、この国際コンテナ戦略港湾、五千五百億円大体掛けていくと言っていたんですね。レクの段階で聞きますと、ここに東京の臨港道路一千百億円が加わりまして、合わせて六千六百億円、二〇二〇年までにつぎ込んでいくという、莫大なお金なわけですね。  現在、十六メーター級のバースで供用されているのは、これは横浜港の六つのみなんですね。神戸はこれから五つ造ると、十六メーター。東京もこれから一つ造るんだと。大阪は二〇二〇年以降になるけれども一つ造ると。これ、全部合わせて十三の十六メーター級のバースということを整備していくということになります。これらの大水深バースは北米航路の維持拡大のためにやるんだと、こう言ってきたわけでありますね、それで荷物を増やすことができるんだと。  それでは確認しますが、阪神・京浜港における二〇一五年における北米航路の貨物量の当初作った目標値と、そして実績、これを示していただけますでしょうか。
  63. 菊地身智雄

    政府参考人菊地身智雄君) お答えいたします。  二〇一五年の北米向け取扱貨物量の目標値につきましては、国際コンテナ戦略港湾の選定時におきまして、京浜港、阪神港からそれぞれ提出をされた計画書において、京浜港が約二百六十五万TEU、阪神港が約七十万TEUとされてございます。これに対しまして、直近の二〇一四年における実績につきましては、港湾統計によりますと、京浜港は約八十五万TEU、阪神港は約三十三万TEUとなってございます。
  64. 辰巳孝太郎

    辰巳孝太郎君 つまり、京浜でいえば、二〇一〇年の百三万TEUから増やすどころか、貨物量をですよ、二〇%、二割も減少させたわけですね、二〇一四年。阪神は、二〇一〇年の三十八万TEUからも減少させているわけですよ。増やすどころか減少させているんですね。局長、これ、一体誰の責任ですか。過大な目標だったとは思いませんか、港湾管理者
  65. 菊地身智雄

    政府参考人菊地身智雄君) お答えさせていただきます。  国際コンテナ戦略港湾の選定時に、それぞれ京浜港、阪神港から提出された目標値につきましては、各港とも二〇〇八年の取扱貨物量に基づいた設定だというふうに聞いております。その後、発生いたしましたリーマン・ショックによりまして世界的に経済が落ち込みまして、我が国経済の回復に時間を要しているというようなことから、二〇一四年の我が国と北米の貿易額につきましては二〇〇八年の水準を下回っておるという状況でございます。  しかしながら、我が国と米国との貿易額、これについては二〇一二年以降、毎年平均一〇%程度の伸びを示してございますので、国土交通省といたしましても、引き続き国際コンテナ戦略港湾政策をしっかりと推進し、我が国経済の国際競争力の強化に貢献してまいりたいと考えております。
  66. 辰巳孝太郎

    辰巳孝太郎君 局長、そう言いますけれども、日本の貨物というのは増えているんですよ、全体では。全体では増えているんですよね。世界だって増えているんです。しかし、この北米航路については減っているということを冷厳に見ていかなきゃいけないと思うんですね。この原因は一体何なのかと。私は、幾ら集貨や創貨をしたとしても、国内の需要が減っているということが問題だと思うんですね。  例えば、製造業というのは海外にどんどん出ていっております。今日、経産省来ていただきましたけれども、製造業における海外子会社の数の推移と、そして自動車産業における海外生産の割合というのを示していただけますか。
  67. 若井英二

    政府参考人(若井英二君) お答えを申し上げます。  まず、製造業の海外子会社の数ということでございますけれども、経済産業省の方で行ってございます企業活動基本調査という統計がございます。この統計におきまして、二〇一五年三月三十一日時点の速報値でございますが、二万七千五百二十二社と認識をしておるところでございます。  次に、自動車の海外生産比率ということについてのお尋ねでございますけれども、こちらは一般社団法人日本自動車工業会の統計によりますと、日本国内で自動車を生産しているメーカーは十二社ございまして、二〇一五年、こちらは暦年でございますが、この暦年二〇一五年におきます国内生産台数は約九百三十万台、海外生産台数は約一千八百万台でございますので、海外生産比率は約六六%となってございます。
  68. 辰巳孝太郎

    辰巳孝太郎君 海外の子会社の数が二万七千五百二十二ということは、これ十年前と比べて一・五倍に増えているんですね。今、二〇一五年示していただきましたけれども、例えばトヨタではもう六割が海外生産ですし、日産、ホンダではもう八割が海外生産になってしまっているというのが現状なんですね。国内回帰ということも言われてきたわけですが、しかし、大きなトレンドで見れば、日本の企業が海外に生産拠点を移しているということはもう確たる事実だと思うんですね。  そこで、大きなバースを造ればとにかく荷物は増えるんだというようなことをずっとしているというのは、やっぱりおかしいと思うんですね。今、北米航路の貨物量が減ってきたということを言いましたけれども、コンテナ貨物のやり取りをする相手先でいえば、今はもうアメリカよりもアジアが圧倒的なシェアを占めているわけですね。  国交省、確認しますけど、このコンテナ貨物量に占めるアジアと北米の割合というのはどうなっていますかね、今。
  69. 菊地身智雄

    政府参考人菊地身智雄君) 国土交通省港湾局では、我が国発着の国際海上コンテナ貨物の流動を把握する目的で、五年に一度、全国輸出入コンテナ貨物流調査を実施しております。  最新の調査といたしまして、二〇一三年十一月、この一か月間に実施をいたしました調査結果によりますと、我が国発着の国際海上コンテナ貨物全体に占める割合は、いずれも重量ベースでございますが、アジア向けが七四・一%、北米向けが一一・五%となっております。
  70. 辰巳孝太郎

    辰巳孝太郎君 北米がもう一割ですよ。アジアがもう七割占めているんですね。明らかに北米に対するプレゼンスは低下し、アジア、圧倒的になっていると。アジアとの船の行き来だったら、もう大きい船というのは不要になるわけですね。ところが、国交省はいまだに大水深のバースにこだわっていると。本当にこれ必要なのかということなんですね。  大型化これからしてくるんだというわけなんですが、しかし、私の地元である大阪港では、もう主力は千TEUとか二千ですよ。一番大きい船でもエバーグリーンの六千TEUなんですね。これ週一回だけ来ているわけですね。これでも喫水は十三メーターなんです、せいぜい。北米にはこれ直接もう行かずに、結局釜山に寄って行くわけですね、荷物全部大阪では積めないわけですから。これが実態なわけですよ。  大体、東京港ではまだ十六メーターできてないわけですね。それでも東京港、国内最大の港ですし、四百八十九万TEU、これコンテナの取扱量があるわけですね。何でこれだけのコンテナ量を積むことができるのか、十六メーターなしですよ。これ、非常に興味深いデータがあります。東京港埠頭会社が独自に調査したところ、東京港、欧州航路は最大でも十三メートル未満だったと。欧州航路の九千TEUの、これ大型船ですよ、満載で喫水というのは十四・五メートルなんですけれども、これ東京港はラストポートになりますので、十二・四メーターで楽々入ってきているということなんですね。北米航路でも、これ東京港は十三・五メートルが最大。そもそも、十六メーターなんて必要ないというのが、これ東京港の実態になっているわけですね。  私、大臣に、やはりこれ費用対効果ということを検証するためにも、各地の港で大水深のバースがちゃんと使われているかどうか、最大で何メートル喫水で入港しているか、これ調査すべきだと思いますけれども大臣、どうですか。
  71. 石井啓一

    国務大臣石井啓一君) 現在、基幹航路のコンテナ船につきましては大型化が進んでおりまして、アジア—北米航路では平均船型六千九百TEU、最大船型一万四千TEUの船舶が、また、アジア—欧州航路では平均船型が一万三千七百TEU、最大で一万九千五百TEUの船舶が就航をしているところでございます。我が国寄港する北米航路、欧州航路につきましてもこうした大型コンテナ船が就航しておりまして、これらのコンテナ船が入港するには水深十六メーター級のバースが必要となっていることから、国際コンテナ戦略港湾では少なくともこの平均船型に対応したコンテナターミナルが必要と考えております。  国土交通省といたしましては、引き続き国際コンテナ戦略港湾政策を推進することによりまして、基幹航路の維持拡大を図り、我が国経済の国際競争力の強化や雇用と所得の維持、創出を図っていきたいと考えております。
  72. 辰巳孝太郎

    辰巳孝太郎君 時間だから終わりますけれども、最近エバーグリーンが開発したLタイプでも、非常に大きいんですけれども喫水というのは浅いというのがもう開発されていますから、これ各地、地方港で、やっぱり十四メーター使われていないと思いますよ。これから大水深バースもっと造っていこうというときに、ちゃんと費用対効果、調べるべきだということを最後に申し伝えて、私の質問を終わります。
  73. 室井邦彦

    ○室井邦彦君 維新の会の室井でございます。  早速質問に入らせていただきますが、その前に、国交省から書類が来まして、C滑走路についての虚偽の工事の報告があったというようなペーパーが三枚ほど来ておりますが、これ素人考えでありますけれども、このC滑走路、一日発着というのがどのくらい回数があるのか分かりませんが、こういうところでまた大手の不祥事がということで、ここのところ大手の不祥事が、三菱にいたしましても、その前のくい打ちの、マンションの横浜の件にいたしましても、非常に諸外国には知られたくないというか、安全性について私はよく、いつもながら申し上げておるんですけれども、日本のこれだけの経済発展があったのは、やっぱりいわゆる安全という、安全基準に対して非常に高いハードルを持っているということが、諸外国にとって日本に輸出入、また取引するにおいて、諸外国じゃ、どうも日本のハードルが高過ぎて入り込めない、もっとそれを低くしたらどうだというようなEU諸国からの随分要望も、突き上げもあったということも私も経験しておりますけれども、この件について大臣に、特に私は通告はしておりませんけれども、今回のこの東亜建設ですか、こういうことで、十分にひとつ、これどういう表現をすればいいのか、厳重に注意、指導してくれだけで終わるようなことじゃないんですけれども、ちょっとコメントがあればお聞かせいただきたいんですが。
  74. 石井啓一

    国務大臣石井啓一君) 羽田空港C滑走路の耐震化工事のうち、東亜建設工業が平成二十七年度に施工した延長七十五メーター区間について施工不良であったこと、また発注者に対し虚偽の報告を行っていたこと、こういう報告がございましたが、こういった事案はあってはならないことでありまして、極めて遺憾と考えております。  今回の事案の重大性に鑑みまして、一つは今回の事案の発生原因を含めた全容の解明、二つ目には再発防止策の検討、三つ目には補修方法の検討、四つ目には東亜建設工業が関与する他の同種工事における施工不良があったかどうかの確認、五点目には全地方整備局に対しまして同種工法による工事における施工不良の有無の確認、これを事務方に指示をしておりまして、今こういった対応を進めております。全容が明らかになった段階で、東亜建設工業に対しては厳正に対処していきたいと考えております。
  75. 室井邦彦

    ○室井邦彦君 大臣、お人柄が良く、お顔も優しいお顔をしているので、何か言われても、頼むぞというような実感が湧いてこないんですけれども大臣、行政処分をひとつしっかりと対応していただくようにお願いを申し上げます。失礼なことを申し上げたことをおわび申し上げます。  続きまして、本題に移りますけれども、今、各先生方からいろいろと、クルーズの件に関しまして質問いたしますが、六年前ですか、クルーズの日本海拠点港という、国土交通省、いわゆる災害に強いネットワークの構築ということで、太平洋側の港湾が皆やられてしまったと、東日本大震災で。日本海側のそういう港を拠点港として、いわゆる対岸諸国の目覚ましい経済発展を日本の成長に取り込もうということで十九港の拠点港のそういう政策が始まったと聞いておりますし、私も関係をさせていただきました。そういう中で、クルーズ拠点港の指定もさせていただいたところであります。まさに、潮流に乗ったというか、的を得た結果といいますか、長崎にいたしましても、福岡のクルーズの、博多、長崎ですか、定点港として指定をしたところでありまして、今そのクルーズが飽和状態というか、当初の計画のもう倍以上に入港、またインバウンドが達成されていってもう五年前倒しになったという、有り難くうれしいことでありますが、お断りゼロといいますか、こういう状況の中で、これから国交省としてこういう問題をどう解決していこうとされておるのか、その点をお聞きしたいと思います。
  76. 菊地身智雄

    政府参考人菊地身智雄君) お答えいたします。  ただいま御指摘のとおり、クルーズ船による訪日外国人客は昨年百万人を超えまして、当初二〇二〇年に百万人と言っておりました目標を五年前倒しで達成することとなりました。このような状況の中で、特にクルーズ船は九州あるいは沖縄の港に集中する傾向がございます。これは、我が国寄港するクルーズの船会社が上海を起点にするというようなこと、それからショートクルーズがメーンであるといったようなことが原因となっておりますが、こうした状況の中で、博多港等におきましては予約が取りにくい状況が発生するというようなことが起きておりますので、こうした状況対応いたしまして、我が国のほかの港でしっかりと受け入れられるように取りこぼしをなくす必要があるということ、また地方創生の観点から、クルーズ船寄港がもたらすにぎわいを全国津々浦々へ波及させていく必要があるといったような観点から、全国クルーズ活性化会議と連携をいたしまして寄港地の全国展開に向けたプロモーションに取り組んでいるところでございます。
  77. 室井邦彦

    ○室井邦彦君 是非そういう対応をしていただきたいと思いますが、この外航クルーズ背後観光地クルーズということで、境港、伏木富山港、そして舞鶴港ということでクルーズの拠点港として指定をしておるわけでありますから、そういうところも十分に活用できるように工夫を是非していただき、それぞれの活性化のためにつながっていくことと思っておりますので、このチャンスを逃がしてしまうと、これからこのようなインバウンドがいい成績で右肩上がりでいくのかどうか、その辺が、やはり維持していくためにも対応をしっかりと、CIQ対応も早急にしていただきたいなというふうにお願いを申し上げておきます。  次の質問に移りますが、次の質問もクルーズの関係でありますけれども、足下、国内を見たときに、日本のクルーズ人口は約二十四万人ということで、人口比率の〇・一九%、これを、アメリカは四・二%で、人口からいくとクルーズ人口は一千三百五十万人と、こんな数字でありまして、同じ島国のイギリス、これは二・七九%で、人口でいえば約百七十九万人というクルーズ人口、こんなことから、単純には比べられることはできないだろうけれども、余りにも、日本のクルーズ人口が二十四万人というのは、このすばらしい美しい日本の国で、何とか国交省が積極的にやはり対応していき、知恵を絞り、進めていっていただければ国内の活性化にもつながっていくと、私はこのように思っておるわけでありますけれども、この国内クルーズの振興策について、何か大きな目標とか、具体的に現実にこういうところで進めているんだというようなことがあれば、是非お聞かせをいただきたい。
  78. 坂下広朗

    政府参考人(坂下広朗君) お答えいたします。  委員からも御指摘ございましたけれども我が国のクルーズ人口でございますが、二〇一五年の数字で申し上げますと二十二・一万人という数字になっております。二〇一一年には十八・七万人ということで、この四年間で約一八%の増加を見せてきていると、こういう動きになっております。  一方で、委員から御指摘にございましたように、総人口に対するクルーズ人口の比率で見てみますと、二〇一四年の数字でございますが、米国四・二%、英国二・五%という数字に比べまして、日本は〇・二%にとどまっているということでございます。この数字は、裏を返しますと、今後の成長の余地がまだまだ十分にあるということでもございます。  日本の船会社によるクルーズも近年人気が高まっておりまして、二〇一五年の乗客数は九万六千人でございます。二〇一一年、四年前と比べますと、八万三千人から約一六%の増加ということで、日本の船会社によるクルーズについても増加をしてきていると、こういう流れになっております。  国交省といたしましては、関係団体と連携をして、一つはクルーズ商品販売のスペシャリストを育成していこうということで、クルーズアドバイザーという認定をしてクルーズの売り込みをやっていく人材の育成を進めるほか、日本のクルーズ市場の拡大に貢献したクルーズ企業の表彰、クルーズ・オブ・ザ・イヤーと申しておりますけれども、こういったものを通じまして、国内クルーズの普及、日本の船会社による良質なクルーズ商品の開発といったようなものを促進をして、国内のクルーズの振興に引き続き取り組んでいきたいというふうに考えております。
  79. 室井邦彦

    ○室井邦彦君 分かりました。  現実はお聞きしておるんですけれども、日本船社がクルーズ事業から撤退を余儀なくされているという現状もあるわけでありまして、そういう伸び代がある、言い換えてみれば、そういう将来に明るい環境なんだというふうにおっしゃりましたので、現状はそういう余儀なく撤退している業者もいるということなので、その点はしっかりと整合性が合うように、そういう業者を潰さないように積極的に取り組んでほしいということをお願いをしておきます。  あと三分ほどありますので、大臣がお答えいただけるようなので御質問をいたしますが、この訪日クルーズの旅客数、また、クルーズ倍増し、そして予想外というか、時流に乗ったおかげで政策も的が当たりといいますか、五年前倒しになって進んでいると。この状態がずっと続くということで対応させて、また先を見たときに、我が国のクルーズの振興のためには、日本の船社、そして外国船社を問わず、日本の各港湾にその寄港を、全てというか、クルーズを受け入れることのできる港湾を、うまく寄港を促進させるというような手法、考えておられると思うんですけれども、今、具体的にはどのようなところまで対応しようとまた考えておられるのか、大臣、是非お聞かせください。
  80. 石井啓一

    国務大臣石井啓一君) 日本船社が運航するクルーズ船外国船社が運航するクルーズ船を問わず、クルーズ船寄港我が国各地に観光消費やにぎわいをもたらすことから、観光立国の実現や地方創生の観点から極めて重要と考えております。  このため、国土交通省といたしましては、クルーズ船の受入れ環境の整備寄港地マッチングサービス提供等によりましてクルーズ船寄港のお断りゼロを実現をしていくこと、旅客施設整備に対する支援等によりまして世界に誇る国際クルーズの拠点を形成していくこと、さらに、寄港地の全国展開に向けたプロモーション等に積極的に取り組みまして、クルーズ振興を図ってまいりたいと考えております。
  81. 室井邦彦

    ○室井邦彦君 大臣、ありがとうございます。よろしく対応をお願いしたいと、せっかくのチャンスでありますので、お願いをしたいと思います。  もう質問は終わりますけれども、先ほど河野先生が洋上風力の件で、経済産業省、国土交通省との仕切りと、いろいろと出てくるんでしょうけれども、私もやはり、日本風力発電協会、発表数値を出しておりまして、二〇二〇年以降、早期に一千万キロワット、既存の原発は平均九十八万キロワット、こういうことでありますけれども、大きな目標によってこれを想定した場合、この一千万キロワットというのは目標二〇二〇年、これは原発十基分を見込めるということで、次の段階である二〇三〇年、これは三千六百二十万キロワット、これは同じく原発の三十六基分に当たると。  やっぱりこういう目標をどんどんどんどん、島国の日本の国、自然災害がもう最たる、災害大国と言われている日本でありますから、やはりこういうところをもっと目標を持って、しっかりと経済産業省と歩調を合わせられて、やっぱり国民が大きな夢を持てる、持つような、地震が起きればまた放射能の汚染が来るんじゃないかという恐怖におびえながら経済発展もいいんでしょうけれども、やはりこういうところをもっともっと積極的に取り組んでいただきたいということをお願い申し上げまして、質問を終わります。
  82. 中野正志

    ○中野正志君 日本のこころの中野正志でございます。  三月十日の一般質疑で、港湾水域における長期占有施設の設置業者をどう選ぶかという選定基準の問題について申し上げました。例えば、洋上風力発電を導入する場合、最長で二十年という長期にわたって風力発電設備を設置をいたしますと、あの風力発電の下の部分、土台の部分、すばらしい良好な魚礁を兼ねるような形になるわけでございまして、漁業者にとっては大変にいいという利点もあるということも申し上げました。そういう意味では、従来の地域漁業に様々な私はプラス点をもたらすのではないかと確信をいたしております。そこで、業者の選定に当たっては、ただ単に占有料が高いからこの業者に決めるという、値段、いわゆる価格だけで選定をするということではなくして、そういった地域産業と地域のあるいは漁業としっかり結び付いた業者さんが選ばれるとか、総合評価でやっぱり選定基準を設けるべきではないかと、こう申し上げた次第であります。  今回の改正法案三十七条の五では、選定の基準として計画の適切性等の抽象的な基準が列挙されているだけでありまして、しかも選定プロセスに関与する主体は港湾管理者と学識経験者だけになっているんであります。しかし、港湾局が二〇一二年の六月に環境省地球環境局と協力して作った「港湾における風力発電について 港湾管理運営との共生のためのマニュアル」、これを読みますと、学識経験者だけではなくて地域代表や水域利用者も協議会の構成メンバーとして想定をされております。なぜ、今回の改正法で、こういった地域の代表者、水域の利用者が選定プロセスに関与する、あるいはできると明記しなかったのか、お伺いをいたしたいと思います。  法文に入れることが難しいということであれば、せめて運用に際してのガイドラインに地元漁業組合等の関与を積極的に求めることを明示するといった工夫が必要ではないのかなと。地域社会あっての港であります。地元漁協を始めとする利害関係者と友好な関係を取り結ぶことが計画の実効性を確保する上でも大変に大切だと考えておりますが、国交大臣の御所見を改めてお伺いをしておきたいと思います。
  83. 石井啓一

    国務大臣石井啓一君) 港湾における洋上風力発電施設導入に当たりましては、港湾区域を占用する事業者が地域の方々と協力的な関係を構築することは大変重要であると認識をしております。このため、今委員が御紹介いただいた二〇一二年に策定をいたしました港湾における風力発電の導入のためのマニュアルにおきましては、関係機関や漁業関係者等の水域利用者等で構成される協議会を設置し、事業者の選定に係る審査支援等を実施するよう示しているところでございます。これを受けまして、例えば北九州港では漁業関係者も参加した協議会が設置をされておりまして、洋上風力発電の導入に向けた議論が始められていると聞いております。  国土交通省といたしましては、事業者の選定に地域の意見を反映する観点から、占用公募制度の運用指針を策定する際には港湾における風力発電の導入のためのマニュアルを踏まえたものを策定をしていきたい、そして港湾管理者に対して適切な助言を行っていきたいと、このように考えております。
  84. 中野正志

    ○中野正志君 次に、外航クルーズ需要の増大に対応するべく、民間事業者旅客施設を建設したり改良したりする場合に工事資金の一部を無利子で貸し付け制度導入する点、これについてお伺いをしたいと思います。  外航クルーズ船による外国人の受入れ環境を改善することは、先ほど来お話にありますように喫緊の課題であります。旅客施設充実を資金面でバックアップする、これの趣旨に異論はありません。しかし、果たしてこの程度のバックアップで十分なのかなという疑問はあります。  今回の改正は、従来から無利子付け対象となっていたフェリーを係留する岸壁や桟橋、あるいはコンテナの荷さばきをする倉庫といった特定用途港湾施設クルーズ船旅客施設を加えるというものでありますけれども平成二十八年度の予算では全部ひっくるめて四十六億円だと承知をしております。そこで、このうちどの程度が外航クルーズ船旅客設備の建設や改修に使われる見込みなのか、お伺いをしておきます。
  85. 菊地身智雄

    政府参考人菊地身智雄君) お答えいたします。  今般、創設しようとしておりますクルーズ旅客施設整備に対する無利子貸付制度につきましては、国が整備費用の三割、港湾管理者が同じく三割を民間事業者に対し無利子資金として貸し付け、残りの四割を民間事業者が自己調達するものとなってございます。  今委員指摘のとおり、平成二十八年度予算におきましては、埠頭整備等資金貸付金といたしまして国費で四十五億六千七百万円を計上しておりますが、このうちクルーズ旅客施設整備に対する無利子資金といたしまして国費で二億一千万円を想定しておるところでございます。
  86. 中野正志

    ○中野正志君 まあ予算厳しいところでそういう答弁にしかならないとは思うんですが、それで果たして、今の四倍強、五百万人のクルーズ客を二〇二〇年に迎え入れる準備が本当に整うのかなという懸念があります。  成田空港では、いわゆるLCC、低価格キャリア専用の第三ターミナルが昨年の春に増設をされました。想定を上回る六百万人の利用があると承知をいたしておりますけれども、聞くところによりますと、評判が悪い点もあることも事実であります。それは、第三ターミナルから、都心部へ移動する鉄道などの起点となる第二ターミナルへ移動する際に、トタンのような屋根があるだけの通路ですね、風に吹きさらされる通路を十五分も歩かなければならない。バスを使えば十分、これは今後六分に短縮されるようでありますけれども、せっかちなお客さんは、やっぱりバスを待たずに通路を歩いて第二ターミナルに向かうとのことでありまして、その間の通路が実にわびしく、何とも言えないローコストの有様だというお話も伺っております。狭い座席に乗ってようやく日本に着いてこの仕打ちであります。確かにこれは恥ずかしい、そこに日本の心、おもてなしの心があるんだろうかと、疑念もあります。  是非、外航クルーズに乗ってくる外国人のお客様を迎えるに当たっても、日本の表玄関としてふさわしい施設整備することが必要なのではないかと。クルーズ客は一般的には富裕層が多いわけでありますから、なおさらであります。そのためには、工事資金の無利子付けといった小さな対策だけではなくて思い切った財政措置が必要不可欠だと思いますけれども、関係当局、いかにお考えでしょうか。
  87. 石井啓一

    国務大臣石井啓一君) 御指摘のとおり、クルーズ船寄港する港湾におきましては、我が国の玄関にふさわしい受入れ環境を訪日クルーズ旅客提供していく必要があると考えております。今般の港湾法改正案に盛り込んでおります無利子貸付制度は、民間の知見とノウハウを活用し、質の高いサービス旅客提供できるよう、民間事業者による旅客施設整備運営を促すものであります。また、大型のクルーズ船を係留する岸壁やクルーズターミナルと背後地を結ぶ臨港道路等については、国や港湾管理者が公共事業としてしっかり整備をしてございます。  国土交通省といたしましては、クルーズ船の受入れ環境の整備に官民一体となって取り組みまして、世界に誇る国際クルーズの拠点を形成していきたいと考えております。
  88. 中野正志

    ○中野正志君 クルーズ客が、お話ししましたように今の四倍強、五百万人になる場合、当然ながらクルーズ船の事故あるいはテロといったリスクも大幅に増えるということも改めて指摘しておきたいと思います。  二〇一二年、イタリアの沖合で大型クルーズ船、コスタ・コンコルディア号が座礁して三十二名の死者が出た事故、あるいは二〇一四年に韓国のフェリー船セウォル号が沈没して修学旅行の高校生を含む三百名を超える死者、行方不明者が出た痛ましい事故があったことは記憶に新しいところであります。このような大型船による事故リスクに対して万全の備えをしなければならないと思いますが、果たして現状はどうなのか、これからどうあるべきなのか、海上保安庁長官の御所見をお伺いしておきます。
  89. 佐藤雄二

    政府参考人(佐藤雄二君) お答えします。  海上保安庁においては、大型クルーズ船が港に安全に入出港できるよう、港湾管理者を始めとする海事関係者と協力しまして、航行安全の確保に努めているところでございます。また、平成二十六年に発生した韓国フェリー、セウォル号の沈没事故を踏まえ、全国の海上保安本部において旅客船事故対応訓練を実施するなど、救助能力の向上及び救助・救急体制充実強化に努めているところであります。  しかしながら、万一、大型クルーズ船において事故やテロ事件が発生した場合、数千人規模の乗客乗員を救助することが想定されます。このような大規模な事例においては、海上保安庁のみでは救助活動などを完遂することは極めて困難となりますので、地方自治体、警察、消防等の関係機関、医療関係者、海事関係者等と連携した対応が必要不可欠となります。このため、海上保安庁としましては、大型クルーズ船の本邦への寄港増加を見据え、広く関係者との合同訓練の実施などを通じて、事案対応における連携の強化を推し進めていかなければならないと考えております。
  90. 中野正志

    ○中野正志君 最後に、港湾の活用という点に関連して、物流企業の再編の問題についてお伺いします。  我が国の主要な物流企業はいずれも売上げが二兆円台という規模でありますけれども、グローバルでは、例えばドイツのDHLやアメリカのUPSは売上げ五兆円を超える巨大企業になっております。我が国の有事の際に自国企業による物流を確保できるかどうかは極めて重要な問題であります。  そこで、例えば東京や横浜、あるいは名古屋や大阪といった大規模な港では、日本の企業が物流サービスを陸空海のワンストップで担えるように国交省としても何らかの形で後押しをしっかりされるべきではないかと思うのでありますが、国交大臣の御所見をお伺いします。
  91. 石井啓一

    国務大臣石井啓一君) 物流事業者が異なるモード間で様々な物流サービスをスムーズに行うことができる、このことが重要でございます。港湾におきましても、例えばコンテナターミナルのゲートオープン時間を延長したり、あるいは臨港道路整備等の取組を行っているところでございます。  物流企業の規模につきましては、委員指摘のとおり、欧米系の巨大物流企業に比べますと我が国物流企業の規模は相対的に小さいことは事実であります。このため、国内貨物需要が伸び悩む中で成長を維持するため、物流企業が業務提携や資本提携を行い、企業規模の拡大や総合物流企業を目指す動きが近年盛んになっております。  また、労働力不足が深刻化する中では、物流効率化の観点から、物流企業の資本提携等の再編はもとより、関係者間の連携した取組が求められております。このため、先般成立させていただいた改正物流総合効率化法では、二つ以上の者が連携して行う物流効率化の取組を支援対象に位置付けたところでございます。  国土交通省といたしましては、同改正法の枠組みも活用いたしまして、陸海空にわたる我が国物流事業者が連携した多様な取組を支援してまいりたいと考えております。
  92. 中野正志

    ○中野正志君 終わります。ありがとうございました。
  93. 吉田忠智

    ○吉田忠智君 社会民主党の吉田忠智でございます。  まず冒頭、熊本大分地震において亡くなられた方々の御冥福をお祈り申し上げますとともに、今なお困難な生活をされておられます被災者の皆様に心からお見舞いを申し上げます。  港湾に関しましては、熊本港、八代港、別府港において、フェリー施設やクレーン、岸壁や道路被害が生じましたが、現状、一部制限はあるものの利用が再開されたと聞いております。ただし、本日も議論されております外航クルーズ船寄港のキャンセルなどを含む観光業は本当に深刻な被害を受けておりまして、息の長い復興支援が求められると考えております。  これは通告しておりませんけれども、国交大臣にお伺いをしたいと思いますが、熊本大分地震被害に対して国交大臣としてどのように復興支援に取り組んでいかれるのか、特に私の地元大分、そして熊本は観光県でもございます。観光業の復興への支援が非常に重要だと考えますが、是非大臣の御決意を伺いたいと思います。
  94. 石井啓一

    国務大臣石井啓一君) 私も四月の二十九、三十と現地を調査してまいりました。大規模な地すべりが生じました阿蘇大橋の地区、また熊本城等も視察してまいりまして、特に熊本県においては、観光の資源として熊本城、水前寺公園、そして阿蘇と、この三つがいずれも被災をしたということで大変大きな打撃を受けているというお声も伺いました。また、熊本大分の観光地、特に旅館、ホテルにおいては、このゴールデンウイーク期間中、宿泊のキャンセルが相次いで大きな打撃になっていると。特に大分においては、別府、由布、湯布院とも大方は正常に通常の営業を行っているにもかかわらず、一種の風評被害と言えるかと思いますが、多数のキャンセルがあったというふうに承知をしてございます。  国土交通省は担っている分野がたくさんございまして、インフラの復旧あるいは住宅の提供等々ございますけれども、そういったものもしっかりやってまいりますが、観光の復興という意味でも、まず当面、運転資金の融通ですとか、あるいは従業員の方の雇用の確保、そういったことについては経産省や厚生労働省ともしっかり連携をして取り組んでいきたいと思っていますし、また今後、熊本大分の観光プロモーションをしっかりと行いまして風評被害の払拭にも努めてまいりたい、観光の振興、私ども国土交通省として全力で取り組んでいきたいと、このように思っております。
  95. 吉田忠智

    ○吉田忠智君 大臣、しっかりリーダーシップを取って、陣頭指揮を執って万全の対応を、従来より踏み込んだ対応をしていただきたいと思います。  では、港湾法の一部改正について質問いたします。  観光インバウンドの盛り上がりによる滞在外国人人口の増加は地域経済にも大きなプラスをもたらしているのは御案内のとおりでございます。我が国港湾への国際旅客船、クルーズ船寄港の急増に伴い、地方によっては旅客船埠頭ではなく公共貨物埠頭への寄港も増えています。外航クルーズ船の公共貨物埠頭への寄港も増加していると聞いていますが、現状、全体の何件ぐらい、どれぐらいの割合でしょうか、伺います。
  96. 菊地身智雄

    政府参考人菊地身智雄君) お答えいたします。  アジアのクルーズ人口の増加に伴いまして、現在、外国の船会社が運航する外航クルーズ船寄港が急増しております。二〇一五年には前年の約五割増しに当たる九百六十五回我が国港湾寄港いたしました。このうち横浜港の大さん橋、あるいは神戸港のポートターミナル、博多港の中央埠頭など旅客施設がある埠頭への寄港回数は六百六回となっておりまして、全体の約六三%でございます。他方、その他の旅客施設がない貨物埠頭等への寄港回数は三百五十九回で、全体の三七%になってございます。
  97. 吉田忠智

    ○吉田忠智君 定量的には把握しておりませんが、貨物埠頭への寄港の急増に伴いまして旅客の動線と貨物の動線がふくそうするなど、物流にも支障が出ているといいます。例えば、旅行者を輸送するための貸切りバス等が埠頭周辺を埋め尽くし、埠頭やコンテナヤード周辺が渋滞するような事態も生じているとの報告も受けています。  外航クルーズ船の貨物埠頭への寄港に伴い、旅客と貨物のふくそうについて、国交省として実態をどのように認識されておられるのか、伺います。
  98. 菊地身智雄

    政府参考人菊地身智雄君) お答えいたします。  貨物埠頭におきまして、貨物船の係留中はもとより、貨物船を係留していない日も埠頭への貨物の搬入や搬出等の荷役が行われております。このため、貨物埠頭におけるクルーズ船の受入れに当たりましては、旅客と貨物の動線がふくそうし、安全の確保が困難になる場合も想定されております。このため、例えば沖縄県の石垣港におきましては、貨物の移動等を行った上で貨物埠頭の一部を旅客用のスペースとして区分して動線を分離し、クルーズ船を受け入れています。また、熊本県の八代港におきましては、あらかじめクルーズ船を受け入れる日を制限いたしまして、貨物の取扱いに影響が及ばないようにする取組が行われております。  このように、貨物埠頭にクルーズ船を受け入れる際にはクルーズ旅客の安全や貨物の円滑な取扱いが確保されるよう、各港湾の実情に応じて必要な対応が図られているものと認識をしております。
  99. 吉田忠智

    ○吉田忠智君 また、旅客とのふくそうにより貨物埠頭が使えず、港湾労働者や港湾運送事業者が早朝などにクルーズ船の入港を避けて作業しなければならないような事態も生じています。  クルーズ船は入港に際して貨物埠頭を管理する港湾管理者に接岸許可申請を行っていますが、そのことが港湾関係者に必ずしも円滑に伝達されず、関係者間に混乱を生じさせているとも言われています。貨物埠頭に接岸許可する港湾管理者から港湾労働者や港湾運送事業者など影響を被る関係者に事前に十分な情報提供と調整を図るよう、国交省として働きかけていただきたいと考えますが、その点はいかがですか。
  100. 菊地身智雄

    政府参考人菊地身智雄君) お答えいたします。  貨物埠頭へのクルーズ船寄港に当たりましては、クルーズ船寄港が可能な日時や場所を特定する必要がございます。このため、船会社や荷主あるいは港湾運送事業者等との調整が必要であると認識をしております。こうした調整につきましては関係者において適切に行われていると承知しておりますが、国土交通省といたしましても、今後増加するクルーズ船が円滑に寄港できるよう、港湾管理者と連携をいたしまして適切に対応してまいりたいと考えております。
  101. 吉田忠智

    ○吉田忠智君 よろしくお願いします。  今回の法案に盛り込まれました無利子貸付制度、先ほども議論がありましたが、民間事業者に対して、クルーズ旅客施設の建設又は改良を無利子貸付制度対象施設へと追加するものであります。  しかし、ここまで議論してきたふくそうが問題となっているような貨物埠頭というのは旅客クルーズ船寄港してこなかった埠頭ですので、旅客対象とする民間事業者がこれまで存在してこなかったところであります。そうした貨物埠頭ではクルーズ船の受入れ環境の整備に無利子貸付制度を活用することが可能なのか、甚だ疑問であります。民間事業者も排除するものではありませんが、現状、貨物埠頭を管理している港湾管理者の環境整備を直接的に支援していくことこそ必要なのではないかと考えます。  大臣に伺いますが、いずれにしても、クルーズ船の受入れ環境はまだまだ不十分でありますが、貨物埠頭も含め環境整備充実が必要だと考えます。大臣の御決意を伺います。
  102. 石井啓一

    国務大臣石井啓一君) クルーズ船寄港は、我が国各地に観光消費やにぎわいをもたらすことから、観光立国の実現や地方創生の観点からも極めて重要であると考えております。  一方、増加するクルーズ船寄港に対しては、係船柱や防舷材の改良等の、少ない投資で大きな効果を得る観点からも、貨物埠頭を有効に活用していく必要もあると考えております。その際、旅客と貨物の適切な利用調整や動線の分離等によりまして、貨物の取扱いと両立した安全で快適なクルーズ船の受入れ環境が形成されるよう、積極的に取り組んでいく考えでございます。
  103. 吉田忠智

    ○吉田忠智君 以上で質問を終わります。ありがとうございました。
  104. 行田邦子

    ○行田邦子君 行田邦子です。よろしくお願いいたします。  まず最初に、大臣に伺いたいと思います。  訪日旅行者が二〇一五年度ということで見ますと二千万人を突破したということです。そして、二〇二〇年に四千万人という新たな目標も設定をされました。ここのところ外国人旅行者が大変に増えているということでありますけれども、なぜ外国人旅行者が増えたかという、その最も私は影響を与えている要因というのは結局は円安であったということなのではないかなというふうに思っています。  ところが、年明けから円高傾向になっているという状況でありますけれども、まず大臣に伺いたいと思いますのは、訪日旅行者数へのここのところの円高傾向がどのような影響を与えていると分析しているのか、そしてまたさらには、円高であったりまた円安いかんにかかわらず、つまり円高であったとしても安定的に今後訪日旅行者を増やすための政策をどのように考えていらっしゃるのか、お聞かせいただきたいと思います。
  105. 石井啓一

    国務大臣石井啓一君) インバウンドにつきましては、近年の円安傾向により訪日旅行の割安感が高まり、外国人旅行者の好調につながっているという面はあると思っております。しかし、これは為替水準だけではなくて、ビザを緩和したこと、また免税制度を拡充したこと、出入国管理体制充実したことなど、政府一丸となった総合的な取組が功を奏した結果であるというふうに考えております。  為替水準に左右されず安定的に訪日旅行者を増加させることは重要であると考えておりまして、先般策定をいたしました観光ビジョンにおきましては、観光資源の魅力を磨き上げていくこと、観光産業の国際競争力を向上していくこと、快適に観光ができる環境整備、こういった総合的な政策が盛り込まれているところでございます。  観光ビジョンに盛り込まれた施策を関係省庁と連携しつつ政府一丸となって着実に取り組みまして、為替水準に左右されず、安定的に訪日外国人旅行者を増やすよう努めてまいりたいと思っております。
  106. 行田邦子

    ○行田邦子君 為替水準に左右されずに日本に来てみたいと思っていただけるような、そのような外国人観光客を増やすような観光政策を、力強いものを打ち出していただきたいと思っております。  こうした中で、訪日クルーズ旅客数が五年間目標前倒しでもう達成してしまったということであります。これからも増えるという見込みでありますけれども、そんな中で外航クルーズ船による訪日外国人の受入れ環境の改善が急がれるという状況で、今回は無利子貸付制度対象旅客施設を追加するということにしていますけれども、二〇二〇年には訪日クルーズ旅客を五百万人とするという非常に高い目標を掲げているような中で、旅客施設整備は非常に急務だと私は考えておりますけれども、無利子付けということだけで本当に呼び水になるのか、きちんと施設整備されるのかということを疑問を感じております。  例えばなんですけれども、交付金や補助金交付の方がより施設整備促進の効果は期待できると考えていますけれども、いかがでしょうか。
  107. 菊地身智雄

    政府参考人菊地身智雄君) お答えいたします。  訪日クルーズ旅客五百万人の実現に向けましてクルーズ船の受入れ環境を改善するという観点で、旅客施設につきましても、民間の知見とノウハウを活用し、質の高いサービス旅客提供されるよう取り組むことが重要であると考えてございます。  このため、今般の港湾法改正案におきましては、民間事業者による旅客施設等整備に必要な資金を無利子で貸し付け制度を設け、これを呼び水といたしまして民間事業者による旅客施設整備を促進することといたしております。
  108. 行田邦子

    ○行田邦子君 無利子付けだけで本当に十分なのかといった趣旨の質問でありましたけれども、ただ、御答弁を伺っていまして、民間にやっていただく以上は、やはり公的な資金に依存していなければ事業は回らないということでは私は本末転倒だと思っておりますので、民間にお任せする以上は、しっかりと公的資金がなくても事業が採算ベースに合う、コマーシャルベースに乗るということが本来の姿だというふうに思っておりますので、何とかこれをきっかけに施設整備が進むことを期待したいと思っております。  次に、洋上風力発電について伺いたいと思っております。  洋上風力発電が再生可能エネルギーの中で最も伸び代があるのではないかと言われていますけれども、裏を返せば、今までなかなか本格的に取り組んでこなかったということであろうかと思っております。こうした中で、まずは港湾区域からということで今回の法改正案が提出されているわけでありますけれども局長に伺いたいと思います。  港湾における洋上風力発電というのは、これは地域にある公共財を長期にわたって占用する事業であります。であるがゆえに、計画の実施に当たりましては、地域、そしてまた地域住民に対する社会的、また経済的な便益が配分されるといったことへの配慮が必要だと私は考えておりますけれども、いかがでしょうか。
  109. 菊地身智雄

    政府参考人菊地身智雄君) お答えいたします。  港湾への洋上風力発電の導入に当たりましては、地域及び地域住民に対する社会的、経済的便益の配分などに配慮することが重要であると考えております。このため、事業者選定の総合評価におきまして、例えば、非常時における港湾施設や周辺地域への電力供給に関する提案であるとか、あるいは風力発電施設を巡る観光クルージングコースの設定であるとか、こうした提案を評価することも可能であると考えております。  国土交通省といたしましては、地域や地域住民に対する社会的、経済的便益に関する事項についても評価対象として考慮できるよう運用指針を示すなど、港湾管理者に対して技術的な助言を行ってまいりたいと考えております。
  110. 行田邦子

    ○行田邦子君 是非、今御答弁されたように、地域に対しての社会的、経済的便益といったことも評価基準に加えていただきたいと思っております。地域の住民からすると、そこにある自分たちのというか、そこにある公共財を使わせるんだから、何かメリットが感じられるようなものでなければやはりよくないというふうに思っております。  次の質問なんですけれども港湾における洋上風力発電というのは、これは風力発電施設の設備建設、そしてまた関連機器、いろんな部品があるというふうに聞いていますけれども、そして装置の製造と、それだけじゃなくて、送電線網の建設など、関連産業への波及効果が期待できるというふうに言われていますし、そしてまた、メンテナンスや運転でも人が必要だということで、雇用の創出にもつながるということが言われていますけれども港湾における洋上風力発電の地域経済への効果についてどのようにお考えでしょうか。
  111. 菊地身智雄

    政府参考人菊地身智雄君) お答えいたします。  風力発電は、一万から二万点の部品による組立て産業でございまして、風車の機械系、電気系、素材系の部品産業、メンテナンスに加えまして、送電線や系統連系、運用設備の新増設工事あるいは土木建築工事など非常に裾野が広く、産業や雇用への波及効果が大きいと言われております。  国土交通省といたしましては、港湾における洋上風力発電施設導入による地域への関連産業の立地促進や雇用創出が図られるよう、先進事例を全国の港湾管理者に情報提供することなどによりまして必要な支援を行ってまいりたいと考えております。
  112. 行田邦子

    ○行田邦子君 是非お願いしたいと思います。  質問を続けますけれども、先ほどもちょっと質問が、重なるかと思いますけれども、聞かせていただきます。  これ、三十七条ですけれども港湾管理者が公募占用指針において評価の基準を定めるときに学識経験者の意見を聴かなければならないと、このようになっています。学識経験者の意見を聴くというのは、これはまあ結構なことだと思いますけれども、それだけではなくて、今後はやはり、漁業従事者など他の海域利用者、そしてまた利害が関係する人たち、そしてまた地域の代表者などが参加する協議会を設置して、そこで情報共有をしたり、そしてまた利害調整をするという、こういった場が必要ではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
  113. 菊地身智雄

    政府参考人菊地身智雄君) お答えいたします。  港湾における洋上風力発電施設導入に当たりましては、港湾区域を占用する事業者が地域の方々と協力的な関係を構築するということが大変重要であると認識しております。このため、平成二十四年に策定いたしました港湾における風力発電の導入のためのマニュアルにおきましては、関係機関や地元関係者等で構成される協議会を設置いたしまして、事業者の選定に係る審査支援を実施するような、こういった内容を示してございます。  国土交通省といたしましては、事業者の選定に地域の意見を反映する観点から、このマニュアルを踏まえました占用公募制度の運用指針を策定いたしまして、港湾管理者に対し必要な技術的助言を行ってまいりたいと考えております。
  114. 行田邦子

    ○行田邦子君 洋上風力発電につきましてはまずは港湾からということだと思いますけれども、そして現状はゼロに近い状況の洋上風力発電でありますので、二〇三〇年度における導入見込み量というのも洋上風力は八十二万キロワットという非常に保守的というか控えめな数字だと私も考えております。ゼロからスタートするんだから、まずは保守的な見込みということかもしれませんけれども、それにしてもこれでは余りにも少な過ぎるのではないかなと思っております。  そこでなんですけれども、やはり今後は、まずは港湾からということでありますけれども港湾だけではなくて一般海域、沖合における洋上風力の発電ということも技術革新が急がれますし、またその実用化、そして利用といったことが急がれるというふうに私は思っております。  そこで、総合海洋政策本部に伺いたいと思うんですけれども、これから洋上風力発電の特に浮体式につきましては、実証事業が長崎県の五島で終わって、そして運転が開始され始めたと。福島はまだ実証実験中というような状況でありますけれども、今後、この実証事業で得られた知見を基に民間による事業化の促進といったものが進んでくると思います。その際なんですけれども、私は、やはり一般海域における洋上風力発電の管理であるとか利用であるとか、それから事業者の選定といったルールをしっかりと整備をすべきだと思っております。  昨日もいろいろとお話を伺っていましたところ、一般海域の都道府県管理者の境界というのがどうもこれ曖昧なんじゃないかと。例えば、一般海域においてどこからどこまで千葉県が管理するのか、茨城県なのか、あるいは福島県なのか、これがどうも曖昧であるのではないかなというふうに思っていますし、ここをどういうふうにしていくのか。それからまた、海域利用者との利害調整を誰がどのように主体となって行っていくのかと、こうしたやはりルール整備を急ぐべきだというふうに思っておりますけれども、いかがでしょうか。
  115. 加藤由起夫

    政府参考人加藤由起夫君) お答え申し上げます。  御指摘の一般海域におきまして洋上風力発電の利用を促進するためには、既存の海域利用者の事業の実態や環境との調和等に十分配慮いたしまして、様々な地域の特性を踏まえまして個別に丁寧な利用調整を行うことが重要であります。地方自治体の中には、一般海域の管理のための条例を制定して一般海域の利用調整を行っているところもあると承知しておりまして、これら各地での取組の実態、あるいは今後の港湾区域におけます先導的な取組の実例、あるいはノウハウの積み上げ等を踏まえまして、関係省庁と連携いたしまして、一般海域の利用に関する御指摘のルール作りについて検討してまいりたいというふうに考えてございます。
  116. 行田邦子

    ○行田邦子君 是非急いでいただきたいと思います。  洋上風力発電は計画してから利用に至るまで非常に長い期間が掛かりますので、計画が具体化してから法制度整備ということだと遅いと思いますので、是非関係省庁が連携を取って急いでいただくことをお願いを申し上げまして、質問を終わらせていただきます。     ─────────────
  117. 金子洋一

    委員長金子洋一君) この際、委員異動について御報告いたします。  本日、阿達雅志君が委員辞任され、その補欠として二之湯武史君が選任されました。     ─────────────
  118. 金子洋一

    委員長金子洋一君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。  これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。  港湾法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  119. 金子洋一

    委員長金子洋一君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  120. 金子洋一

    委員長金子洋一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時三十五分散会