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2016-05-23 第190回国会 参議院 厚生労働委員会 第21号
公式Web版
会議録情報
0
平成
二十八年五月二十三日(月曜日) 午後一時開会 ─────────────
委員
の
異動
五月十九日
辞任
補欠選任
森本
真治
君
羽田雄一郎
君 五月二十日
辞任
補欠選任
太田
房江
君
高橋
克法
君
高階恵美子
君
大野
泰正
君
武見
敬三
君
堀井
巌君
古川
俊治
君
柘植
芳文
君
堀内
恒夫
君
藤井
基之
君
足立
信也
君
柳澤
光美
君
礒崎
哲史
君
石橋
通宏
君
小西
洋之
君
長浜
博行
君
西村まさみ
君
田城
郁君
羽田雄一郎
君
森本
真治
君
長沢
広明
君
荒木
清寛
君 ─────────────
出席者
は左のとおり。
委員長
三原じゅん子
君 理 事 島村 大君 羽生田 俊君
津田弥太郎
君
佐々木さやか
君 委 員 赤石 清美君 有村 治子君
石井みどり
君
大野
泰正
君 木村 義雄君
高橋
克法
君
柘植
芳文
君
藤井
基之
君
堀井
巌君
石橋
通宏
君 川田 龍平君
田城
郁君
長浜
博行
君
森本
真治
君
柳澤
光美
君
荒木
清寛
君 小池 晃君 東 徹君
福島みずほ
君
薬師寺みちよ
君
事務局側
常任委員会専門
員 小林 仁君
参考人
埼玉県立大学名
誉教授
佐藤
進君
社会福祉法人
全
国社会福祉協議
会全国社会就労
センター協議会
会長
阿
由葉
寛君
弁護士
藤岡
毅君
三鷹市長
清原
慶子
君
一般社団法人日
本
ALS協会
副
会長
岡部
宏生
君
岡部参考人陳
述補佐人
金澤 公明君
岡部参考人陳
述補佐人
永山 弥生君
岡部参考人陳
述補佐人
仁科恵美子
君 ───────────── 本日の
会議
に付した案件 ○
障害者
の
日常生活
及び
社会生活
を総合的に
支援
するための
法律
及び
児童福祉法
の一部を
改正
す る
法律案
(
内閣提出
、
衆議院送付
) ─────────────
三原じゅん子
1
○
委員長
(
三原じゅん子
君) ただいまから
厚生労働委員会
を開会いたします。
委員
の
異動
について御報告いたします。 去る二十日までに、
礒崎哲史
君、
長沢広明
君、
足立信也
君、
西村まさみ
君、
小西洋之
君、
高階恵美子
君、
太田房江
君、
武見敬三
君、
古川俊治
君及び
堀内恒夫
君が
委員
を
辞任
され、その
補欠
として
石橋通宏
君、
荒木清寛
君、
柳澤光美
君、
田城郁
君、
長浜博行
君、
大野泰正
君、
高橋克法
君、
堀井巌
君、
柘植芳文
君及び
藤井基之
君が選任されました。 ─────────────
三原じゅん子
2
○
委員長
(
三原じゅん子
君)
障害者
の
日常生活
及び
社会生活
を総合的に
支援
するための
法律
及び
児童福祉法
の一部を
改正
する
法律案
を議題といたします。 本日は、
本案
の
審査
のため、五名の
参考人
から御
意見
を伺います。 御
出席
をいただいております
参考人
は、
埼玉県立大学名誉教授佐藤進
君、
社会福祉法人
全
国社会福祉協議
会
全国社会就労センター協議会
会長
阿
由葉寛
君、
弁護士藤岡毅
君、
三鷹市長清原慶子
君及び
一般社団法人日本ALS協会
副
会長岡部宏生
君でございます。 この際、
参考人
の
皆様方
に
一言
御挨拶を申し上げます。 本日は、御多忙中のところ当
委員会
に御
出席
をいただき、誠にありがとうございます。
参考人
の
皆様
から忌憚のない御
意見
をお述べいただきまして、
本案
の
審査
に
参考
にさせていただきたいと存じますので、よろしくお願いいたします。 次に、議事の進め方でございますが、まず、
参考人
の
皆様
からお一人十分以内で順次御
意見
をお述べいただき、その後、
委員
からの
質疑
にお答えいただきたいと存じます。 なお、
参考人
、
質疑者共
に
発言
は着席のままで結構でございます。 それでは、まず
佐藤参考人
にお願いいたします。
佐藤参考人
。
佐藤進
3
○
参考人
(
佐藤進
君)
佐藤
です。よろしくお願いします。
平成
十二年に
社会福祉基礎構造改革
が行われ、それまでの言わば保護主義的な
施設
に固め過ぎた
福祉施策
を大幅に転換し、個の
尊厳
の尊重やあるいは
地域福祉
を
キーワード
に、その人らしい自立した
生活
を
支援
することが
福祉
の
目的
だと整理をし直しまして、我が国の
障害福祉制度
にも大きな転換期を迎えたわけであります。
平成
十五年に
介護保険
の後を追うように
障害福祉制度
における
構造改革
を目指して
支援費制度
が実施されましたけれ
ども
、
財源担保
の
脆弱性
によって、半年余であっという間に
破綻状態
に陥りました。そして、その
善後策
を講じるために
厚生労働省
が設置した
検討会
がありまして、以来十年余にわたって
障害福祉制度
の
在り方
に関する
議論
が交わされております。この間、目まぐるしいほどの
制度
の変更もありました。私はその
経過
のほとんどの
議論
に参画してきましたが、来るべき超
高齢社会
やあるいは厳しい
経済情勢
を含む
社会
の状況を鑑みたところ、依然として道半ばであると言わざるを得ません。今回の
改正
を踏まえ、更に
検討
を進めることが必要だと思っております。 さて、今回のいわゆる三年後の
見直し
でありますが、先ほど述べたような
経過
の中で、
平成
二十五年に
施行
された
障害者総合支援法
の附則に定められた三年後の
見直し
に係るものですけれ
ども
、見直すべき
課題
として列挙されたものが必ずしも十分に解決あるいはその
方向性
を示したものという程では
議論
が進みませんでした。しかし、今回
法案
として提出された
改正点
はいずれも重要な問題を含んでおり、現行の
不備
を補いながら、
基礎構造改革
以来に取り組まれてまいりました
障害
のある人あるいは
子供たち
の
地域
での安定した暮らしを
担保
するために、あるいはその前進に資するものとして
評価
されてよいものだと考えております。 ところで、残された
課題
でありますけれ
ども
、かつて
支援費制度
の
破綻
が財政の
担保
を決定的に欠いたことに起因するわけでありますけれ
ども
、その上に給付の
ルール等
が必ずしも十分に緻密に設計されたとは言えないものでもありました。これを引き継いだ
障害者自立支援法
やそれに代わる今日の
総合支援法
も、こうした
基本的課題
を必ずしも十分に解決したというものではないと思っています。 したがって、合理的な
制度設計
とその
財源
の
調達方法
は今後も
議論
されなければならないと考えています。それが、たとえどういう
仕組み
でいかなる
財源
によるものであるにしても、この間の
基礎構造改革
以来の
幾つ
かの
法律
、例えば
総合支援法
もそうでありますし
障害者差別解消法
もそうでありますけれ
ども
、
関連
する
幾つ
もの
法律
の中で
キーワード
として繰り返し主張されている
共生社会
の
方向性
、すなわち
国民
が互いに支え合うという
理念
と
方法
にかなうものでなければならないと考えています。 他の
社会保障制度
の多くが
社会保険システム方式
によって行われておりますけれ
ども
、こうした視点も取り入れながら今後の
障害福祉
の
在り方
を考えていく必要があるだろうと思っています。それは、取りも直さず、
社会保障制度
の
持続可能性
に重大な危惧を持たざるを得ない今日、
独り障害福祉
だけを他の分野や領域の
社会保障制度
と切り離して
議論
することは適当ではないと思うし、決して得策ではないと思っているからです。
最後
に、
介護保険
との
関係
について
意見
を申し上げたいと
思い
ます。 今回の
部会
、
社保審障害者部会
でも
高齢
の
障害者
の
支援
が
検討
されました。そこでは、当然ながら
介護保険
との
関連性
が
議論
されるべきであったと
思い
ますが、
障害者自立支援法成立
前後の紛糾とその後の
見直し
の
経過
以来、この間のどの
政権
も
障害福祉制度
を
介護保険
との
統合
を
前提
としないという立場を取ってまいりました。それゆえにか、
部会
でもこの
議論
に深く立ち入ることをしなかったように
思い
ます。 しかし、
国民
の誰もがその
尊厳
を保持し、その人らしい自立した
生活
を営むことができるよう
支援
するというこの間の
福祉改革
の
方向感
をもっていえば、
障害者
や
介護
を要する
高齢者
を総合的に
支援
する
制度
の
整備
に向けて
検討
を開始すべきであろうと
思い
ます。 私は、具体的には
社会保険方式
による
障害福祉
の
在り方
が妥当だと考えておりますけれ
ども
、今後、
両者
の、すなわち
障害者福祉制度
とそれから
高齢者
の
介護保険
による
介護制度
と、この
両者
の
統合
若しくは統一的な
運用
を目指す新たな
制度づくり
に取り組んでいくべきではないかと考えています。これを放置すれば、
制度
間の
整合性
が保たれずに、やがて来る極めて深刻な
高齢社会
における
福祉
の
在り方
として、
制度
全体への
国民的信頼
を失いかねないことを危惧しています。 今回の
改正
では十分にそこまで
議論
が至りませんでしたけれ
ども
、今後このようなことが
議論
されることを期待しまして、私の
意見
に代えたいと
思い
ます。 どうも御
清聴
ありがとうございました。
三原じゅん子
4
○
委員長
(
三原じゅん子
君) ありがとうございました。 次に、阿
由葉参考人
にお願いいたします。阿
由葉参考人
。
阿由葉寛
5
○
参考人
(阿
由葉寛
君) 私は、
全国社会就労センター協議会
の
会長
を務めております阿
由葉
と申します。 本日は、このような貴重な
機会
をいただきましたことを心より感謝申し上げます。 初めのページには私
ども
の組織について記載をさせていただきました。時間の
関係
もありますので、後ほど御覧いただきたく存じます。 それでは、二の
障害者総合支援法
の
見直し検討
における
セルプ協
の
基本姿勢
について御紹介をさせていただきます。 まず初めにお話ししたいことは、私
ども
の
事業所
を
利用
される方
たち
についてです。現在、
障害
のある方も、できるだけ多くの方が
特別支援学校
を卒業され、
一般就労
されるようになってきました。このことはとても良いことだと
思い
ますが、残念ながら、
受入れ体制
の
不備
や実際には無理な
就職
な
ども
あり、離職される
障害者
も多くおられます。離職された方
たち
がそのまま在宅で何もせずに埋もれてしまうことのないよう、私
ども
は様々な
機関
と連携をして
就労継続支援事業
を
利用
していただくように努めております。また、そこから自信を付け、
就労移行支援事業
を活用して再度
就職
につなげていくという
支援
も同様に進めております。 また、
障害
が
多様化
する中で、
支援技術
を持った職員がいるからこそ、
重度
の
障害
があっても安心して働くことができる、それが私
ども
の
事業所
であり、
障害
のある方
たち
の働く
最後
のとりでになっていると言っても過言ではないと思っております。 それらのことを踏まえ、働くことを希望する全ての
障害
のある方が
地域
で自立した
生活
を営むことができるようにしていくためにも、より高い
工賃
、
賃金
を支払えるような
就労機会
の開拓、提供、より長く
企業等
で働き続けることができるような
職場定着
の
支援
、
障害
の重い方でも働くことができる
職場環境
の
整備
、働くことにつなげるための
住まい
や
相談
の場における
支援
、働く
障害者
への
社会
の
理解
を高めるための
啓発活動
、これらについて
全国
の
社会就労センター
がより一層取り組むことができる
仕組み
としていただくことが必要であるとのスタンスで、
社会保障審議会障害者部会等
での場で
意見
を発信してまいりました。 以上のことを踏まえ、
改正障害者総合支援法案
についてですが、
障害者総合支援法
の
改正事項
は、
障害者
の望む
地域生活
の
支援
、
障害児支援
の
ニーズ
の
多様化
へのきめ細かな
対応
、
サービス
の質の確保、
向上
に向けた
環境整備
の
三つ
の柱で構成されています。
障害者
の望む
地域生活
の
支援
の中では、
障害
のある方の働く、暮らすを支えることとの
関連
の強いものとして、以下の二項目が盛り込まれております。
一つ
が、就業に伴う
生活面
の
課題
に
対応
できるよう、
事業所
、家族との
連絡調整等
の
支援
を行う
サービス
を
新設
する。これは
就労定着支援
についてであります。もう
一つ
が、
施設入所支援
や
共同生活援助
を
利用
していた
者等
を
対象
として、定期的な
巡回訪問
や随時の
対応
により、円滑な
地域生活
に向けた
相談
、
助言等
を行う
サービス
を
新設
する。こちらが
自立生活援助
です。 初めに、
就労定着支援
についてですが、
障害者部会報告書
においては、
工賃向上
と
一般就労移行促進
の
方策検討
と
就労定着支援
の
在り方検討
を進めるとの
検討
の
基本
的な
方向性
が示され、同
事業
の
新設
はこの
方向性
に沿ったものであると受け止めています。 この
事業
の
新設
は、既存の
就労移行支援事業
から
定着支援
の部分を切り離すことで
就職支援
と
定着支援
の双方の強化を図ることとしているものと認識しており、
就職実績
のない
就労移行支援事業所
が一定数あることから、
部会報告書
の中でも
就労移行支援
の
一般就労
への
移行実績
を踏まえためり張りを付けた
評価
の
方向性
が示されています。
就労移行支援事業所
は
就職
に向けた
支援
に、
就労定着支援事業所
は
定着
に向けた
支援
に注力することができるようになることで、それぞれの
事業所
の
評価軸
も明確になることは、
就職
だけではなく
定着
も、また
定着
こそが重要であると主張してきた
セルプ協
としても歓迎できるものであります。 今後のこととして、
法施行
後の
運用面
の
課題
を挙げるとすれば、二点あります。 一点目は、
定着支援
は送り出し
機関
が行った方が効果は高いことからも、
定着支援
のノウハウが十分にない
事業所
が参入したとして適切な
支援
ができるのかということです。 二点目は、
本人
の
状態
によっては十分な
支援
が提供できる
就労継続支援事業等
の
福祉的就労
の場が望ましいケースも当然あることから、同
事業
の
新設
に伴う
制度見直し
が無理な
就職
の呼び水にならないかということであり、これらの点は引き続き注視していきたいと思っております。 次に、
自立生活援助
の
新設
についてですが、
自立生活援助
の
創設
については、
地域
で
アパート等
での独り暮らしを希望している方にその
実現
のための
支援
を強化するという
基本
的な
方向性
は賛成です。 今後のこととして、
法施行
後の
運用面
での
課題
を挙げるとすると、この
制度
の
創設
に伴い、
グループホーム
の
利用要件
がどうなるかという点があります。
部会報告書
では、
障害者
の
状態
と
ニーズ
を踏まえて必要な者に
サービス
が行き渡るよう、
利用対象者
を見直すべきとありますが、
グループホーム
を始めとした
地域
の
障害
のある方の
住まい
については依然として不足していることからも、まず
住まい
の場の
整備
についても
同時進行
で進めていただきたいと思っております。
最後
に、今後の
就労支援
について
意見
を申し上げます。
衆議院
での
法案審議
では、
就労支援
について以下の内容の
附帯決議
がなされました。
障害者
が自立した
生活
を
実現
することができるよう、
就労移行支援
や
就労継続支援
について、
一般就労
への
移行促進
や
工賃
、
賃金
の引上げに向けた
取組
をより一層
促進
することであります。
障害者部会
における
総合支援法
の
見直し検討
の中では、
就労定着支援
の
新設
以外でも
就労支援
について様々な
提言
が盛り込まれています。この
附帯決議
で
制度政策
における
対応
を求めているものということで、どうぞよろしくお願いいたします。 まず、
前提
ですが、各
就労系事業
の
目的
や
利用者像
はそれぞれ違うということです。
就労継続支援A
型は、
企業等
で働くことは難しくても
福祉
的な
支援
によって
雇用契約
を締結し
労働者
として認められ、
最低賃金
を得られるという意義のある
事業
であり、約四万七千人の方が
利用
されています。
就労継続支援B
型は、
企業等
でも
就労継続支援A
型でも働くことが難しいが、働くことで
自分
で
収入
を得て、自立した
生活
につなげたいという
思い
のある方に働く場を提供する
事業
であり、約二十万人の方が
利用
されています。
就労移行支援事業
は、
一般就労
を希望する方に、
就職
につなげるよう、
技術
のみならずその心構えも含め、必要なものを身に付けてもらうよう
支援
する
事業
であり、約二万九千人の方が
利用
されています。 この
三つ
の
就労支援
の
事業体系
と、働くことだけを
中心
とせずに働きたいという
思い
を受け止めることのできる
生産活動
を行う
生活介護事業
も含め、
障害
の重い、軽いではなく、
本人
の働きたいという
思い
を受け止めることができるという点で
日本
の
就労支援制度
は世界に誇れる
制度
であり、この
日本
独自の
就労支援
の
制度
をより一層充実させていく必要があると思っております。
本会
はこれまで、
一般就労
の
促進
と
福祉的就労
の充実、改善は相反するものではなく、全ての働くことを希望する
障害
のある方にその希望や
状態
に応じた
支援
を行うためにはどちらも必要であると主張してきました。 特に、二十万人の方が
利用
されている
就労継続支援B型事業
では、働くことで
自分
で
収入
を得て自立した
生活
につなげたいという
思い
に応えることが必要です。少し前の数字ではありますが、二〇一〇年度に
本会
が
会員施設
、
事業所
に実施した
調査
では、
利用者
の方にも
アンケート調査
を実施させていただき、その回答では、七割の方が
利用
の
目的
をそこで働くため、六割の方がそこで働く
理由
を
工賃
を得るためと回答され、さらに八割の方はそこで働き続けたいと回答されています。
就労継続支援B型事業
全体の
工賃額
は
地域
での
自立生活
につながる
水準
に達していないという
現状
があり、今後はより一層、
工賃向上
に向けた
取組
を進めていかなくてはなりません。現在の
最低賃金
で月二十二日働いた場合、
地域
によって差はありますが、月十二万程度になります。現在、
目標工賃達成加算
の
要件
にもなっている
最低賃金
の三分の一以上を達成した場合、一か月の
工賃
は三万七千から八千円という
金額
になります。この
金額
に
障害基礎年金
と
グループホーム
の
家賃助成
を加えれば、先ほどの十二万という
金額
にかなり近くなります。 ここでの
水準
の
工賃
を支払えている
事業所
は
全国
的にも非常に少ないのが
現状
ですので、多くの
事業所
がこの
水準
に到達できるよう底上げを図る必要があります。そのためにも、各
事業所
が
創意工夫
を持って
工賃向上
に取り組めるような
環境整備
を強くお願いいたします。その一環として、
平成
二十五年に
施行
されました
国等
による
障害者就労施設等
からの
物品等
の
調達
の
推進等
に関する
法律
があります。当初は
ハート購入法
という名称で
制度化
の
検討
が始まり、その過程で
障害者優先調達推進法
となりました。今後は、より幅広い
理解
を得るための愛称の
検討
も必要ではないかと思っております。 なお、同法の
施行
から三周年を迎えたことにより、同法の
公布日
であった六月二十七日を
中心
とした一か月の期間に、
日本セルプセンター
とともに
優先調達推進法
の日・
月間法施行
三周年
記念全国キャンペーン
を実施する予定でありますので、この
法律
に基づき、
社会就労センター
の製品、
サービス
に対する官公庁からの一層の発注も併せてお願いいたしまして、私の
発言
を終わらせていただきます。 御
清聴
ありがとうございました。
三原じゅん子
6
○
委員長
(
三原じゅん子
君) ありがとうございました。 次に、
藤岡参考人
にお願いいたします。
藤岡参考人
。
藤岡毅
7
○
参考人
(
藤岡毅
君)
障害者自立支援法違憲訴訟全国弁護団事務局長
、
弁護士藤岡毅
です。 お手元、三十三ページの資料に即しますが、十分以内ということで駆け足でまいります。
本題
に先立ち申し上げます。
ALS当事者岡部宏生
さんが、本日、当
委員会
にて
参考人意見陳述
を実施できることは喜ばしいことですが、五月十日
衆議院厚生労働委員会
の
事件
について、
弁護士
の一人として
一言
申し述べます。 この
事件
は、
障害
のある人が
障害
を
理由
として
民主的意見表明
の場を奪われたものであり、
障害
のある市民の
国政
に参加する
権利
、表現の自由を侵害した
人権侵害
であり、法の下の平等と
民主主義原理
に反する、許されざる
差別
と言わざるを得ません。本年四月一日
施行
の
障害者差別解消法
を率先して推進しなくてはならない
国会
がこのような典型的な
差別
を犯したことは、この国の
障害者施策
の
水準
を露呈したものと言えます。 この
事件
に抗議するとともに、どうかこの
事件
を教訓に、
国会
が先頭に立ってこの国の
障害者差別解消
のために全力で取り組んでいただくよう、具体的なアクションを始めてください。
本題
です。 冒頭に結論を申し上げます。国は
障害者改革
の心を
思い
出してください。
人権保障法
としての
障害者支援法
の確立を求めます。
基本合意
、
骨格提言
、
権利条約
を
実現
させましょう。
基本合意
は、
政権
や政治の変動に左右されず、
国政
において履行されるべき
法的文書
です。
基本合意
では、新たな
障害者福祉法制
の制定は、
障害者
の
基本的人権
を保障し、その行使を
支援
する
法律
に転換すること、
権利条約
を実施するために、
障害者
を
中心
とする障がい
者制度改革推進会議
の
意見
を基に行う、すなわち
骨格提言
を法
制度化
することが予定されています。 今回の
見直し法案
は、
基本合意
を履行したものとは到底言えません。国は改めて、
基本合意
、
骨格提言
、
権利条約
を
実現
するという
基本姿勢
に立ち返ってください。 現在の
法案
について述べます。
一言
で言えば、
障害者改革
の心を忘れたがっかり
法案
です。確かに、入院中での
重度訪問介護利用
を認める
改正
は一日も早い
実現
を望みますし、
医療的ケア
の必要な
障害児者支援
の
重要性
を確認していることなど、望ましい
改正点
がないわけでないことは率直に
評価
いたします。しかしながら、全体
評価
でいえば、このままでは永遠に
障害者改革
はなし得ないのではないかという
危機感
を抱かざるを得ません。 そもそも、
自立支援法違憲訴訟
で国が確認したことは何でしょう。二〇〇八年から九年、我々は
違憲訴訟
を
全国
で起こしました。そこにおいて、
サービスメニュー羅列法
から
権利保障法
へと題して主張しました。すなわち、
権利
の裏付けのない法を実質的な
人権保障法
に変えようという
政策形成訴訟
でした。そして、二〇一〇年一月七日、国は
基本合意
を調印し、その年の四月二十一日まで、十四全ての地裁の裁判官の面前において確認され、
違憲訴訟
は終結しました。
基本合意
では次のような
重要事項
が確認されていることを
担当大臣
、
国会
の
委員
の
先生方
、
皆様
は御確認いただきたい。
総理大臣
にも御確認いただきたいことです。国がこの
訴訟
を
理解
したこと、国は、憲法十三条、十四条、二十五条、ノーマライゼーションの
理念
に基づき
違憲訴訟
を提起した原告らに共感し、真摯に受け止めること、二〇一三年八月までに
障害者自立支援法
を廃止すること、国は、
障害者
の
尊厳
を深く傷つけたことに対し心から
反省
の意を表明し、この
反省
を踏まえ、
障害当事者
の声を基に新法を制定すること、新しい
法律
は
当事者
の
基本的人権
を
支援
することを
基本
とすることです。 三ページ、四ページ、五ページ、
基本合意文書
を改めて掲載していますので、よくお読みください。五ページに
大臣
の署名及び
大臣
の公印が押印されています。 六ページに
訴訟
上の
和解
の
和解条項
を掲載しております。 七ページから十一ページにかけては、実際の裁判所における司法上の
和解
文書を掲載しております。 九ページを見れば分かりますように、法務
大臣
権限法に基づき、法務
大臣
が国家を代表して
訴訟
上の
和解
を成立させています。
訴訟
上の
和解
の主体は
国会
を含めた国です。違憲立法
審査
に関する
訴訟
ですから、
国会
には司法上の
和解
を遵守する義務があります。これを信じた原告らは訴えを取り下げ、請求を放棄いたしました。
基本合意文書
が十ページ以下に書いてあるのは、これは
訴訟
上の
和解
の中身に
基本合意文書
がなっているということを皆さんに御
理解
いただくためです。 十二ページ。二〇一〇年四月二十一日に、官邸において内閣
総理大臣
が原告一人一人に陳謝をし、
基本合意
を守るということを約束いたしました。そして、この年の六月二十九日、
平成
十七年
法律
百二十三号を廃止と閣議決定され、その方針に一切変わりがないと政府は
国会
で何度となく答弁しております。 十三ページです。二〇一一年八月三十日、
骨格提言
がまとまりました。しかし、翌年、二〇一二年、
国会
には、
骨格提言
を無視した現在の
障害者総合支援法
が制定されました。うそつき、このとき私は原告の一人から批判されました。国の約束を信じれば、自立
支援
法は廃止され、
障害者
の声に基づく新しい法
制度
が制定されると説明されて
訴訟
を取り下げた、事務局長も同じ説明ではなかったか。当然の批判です。まさか、国務
大臣
が調印した政府の合意、裁判所における合意が守られないはずがないと考えた私は甘かったのでしょうか。国が
国民
を欺くのは当然なのでしょうか。今回のこのような
法案
のままでは、うそつきの汚名は晴れません。
平成
十七年
法律
百二十三号がいまだに存在していること自体が
基本合意
違反です。何より、
基本合意
を軽視することは、あらゆる
社会保障制度
を危うくします。 十四ページ、十五ページに、様々な集団
訴訟
からの、
自立支援法違憲訴訟
基本合意
を破ることに対しての共同抗議声明があります。薬害肝炎、ハンセン、原爆症、生存権、B型肝炎、残留孤児、HIV、ノーモア・ミナマタ、薬害イレッサその他多くの集団
訴訟
が、
自立支援法違憲訴訟
基本合意
を守らないことに対して強い抗議を上げています。 十六ページ以下、去る四月二十一日に
訴訟
団がこの
法案
に関して
意見
書を提出したものです。時間がないので全部読めませんので、補足のコメントだけにいたします。 二十ページですが、
障害者
の範囲について、依然として医学モデルを採用し、
障害者
基本
法の定義を採用しないという点についての問題です。 先日の
衆議院
の審議で、政府は、
サービス
給付法だから
対象
を明確にする必要があるので仕方がないと言っていますが、
障害者
虐待防止法や
差別
解消法においては
社会
モデルが採用されていますので、答弁に
整合性
はありません。 また、家族の
収入
に依拠する
利用者
負担
制度
を廃止してください。この点は、お隣の韓国が国連から是正勧告を受けております。このままでは恐らく
日本
も同じような改善勧告を国連から受けます。国連から勧告を受ける前に改善するのが
国会
の仕事と思われます。 二十一ページ。
基本合意
では、どんなに重い
障害
を持っていても安心できる支給決定システムを求めていますが、この点の改善が一切なされていません。 二十二ページ。
介護保険
優先原則が維持されていることも問題です。
基本合意
は、「
介護保険
制度
との
統合
を
前提
とはせず、」としています。この
方向性
を改めて確認してください。
障害福祉
法制における自立は、公的
支援
を
利用
して、
障害者
が自ら主体的に
社会
参加し、
生活
を営み、他の人と平等に生きることです。
目的
の違う
介護保険
との
統合
や接合には無理があります。 二十五ページ。小手先の改革の末に、
介護保険
に似た自立
支援
法の復活法になってはなりません。行政実務では六十五歳以上の
障害者
福祉
利用
を上乗せ支給と呼んでいますが、どうして
障害者
が
障害福祉制度
を使うことが付け足しのごとく上乗せなのでしょうか。この辺の考え方は根本的に誤っています。
介護保険
を
利用
したくない、今までどおり
障害福祉
法制を
利用
して
生活
したいと望む
障害者
に
介護保険
を強要するべきではありません。
介護保険
も
利用
したいという方の希望に応えるため、
基本合意
に基づき、
障害
特性に応じた選択制を採用するべきです。 二十六ページ。
権利
規定が設けられていないということが問題です。
骨格提言
十二ページでは、総則規定として
権利
規定を設けろと
提言
しています。是非これを
実現
してください。 二十八ページ。自立
支援
医療の低所得者無償化が毎年ほごにされています。この点の
実現
も求めます。 二十九ページ。病院内での
重度訪問介護利用
については
評価
できますが、
障害
支援
区分の程度にかかわらず
利用
を解禁させるべきです。
最後
、三十ページですが、国連に対する
権利条約
第一回政府報告案に問題があります。当初の昨年十月に発表された政府案には、
骨格提言
のコの字も、
基本合意
のキの字も入っておりませんでした。そのため、三十一ページから三十二ページにある我々は抗議の申入れをいたしました。その結果、三十三ページですけれ
ども
、この申入れは、いまだに
基本合意
と
骨格提言
が
実現
されていないことを正直に国連に報告せよというものです。ところが、政府は、
基本合意
と
骨格提言
に基づいて
総合支援法
ができたと報告しており、これは国際的な虚偽報告であり、大問題です。 今回の
法案
は小手先をいじっただけです。そして、その小手先修正案が国際的に
基本合意
、
骨格提言
、
権利条約
が履行済みであることのアリバイづくりに使われるのであれば、むしろ、改革の妨げになりかねないと危惧するのです。 どうか、国は
障害者
の声を取り入れた
制度
改革の心を取り戻し、
基本合意
、
骨格提言
、
権利条約
を今後とも真剣に
実現
、推進することを改めて誓ってください。 以上です。
三原じゅん子
8
○
委員長
(
三原じゅん子
君) ありがとうございました。 次に、
清原
参考人
にお願いいたします。
清原
参考人
。
清原慶子
9
○
参考人
(
清原
慶子
君) ありがとうございます。 東京都
三鷹市長
の
清原
慶子
です。 三原
委員長
を始め
委員
の
皆様
におかれましては、本
法律案
を審議するに当たり、基礎自治体の市長の一人であります私に
意見
陳述の
機会
を与えていただきまして、深く感謝を申し上げます。
改正
法案
につきましては幅広い内容が含まれていますが、本日は、
障害者
福祉
の現場の自治体の立場から、御配付をしておりますこの六ページの資料に沿いまして、
幾つ
かの論点に絞って
意見
を述べさせていただきます。 初めに、三鷹市の概要と
障害福祉
施策における特色について申し上げます。 三鷹市は、
平成
二十八年五月一日現在、人口十八万四千六百七十五人、世帯数九万一千八百八十六世帯です。
平成
二十七年三月三十一日現在、
障害者
数につきましては、手帳保有者、身体
障害者
四千二百八十人、知的
障害者
九百五十七人、精神
障害者
一千七百人です。
障害者
権利条約
では、
障害者
を相互に同じ
社会
において共に生きる一員として、必要な配慮や
技術
の活用により、平等に暮らし、働き、学び、活動できる
社会
の
実現
に向けて様々な
取組
を推進することとされています。三鷹市では、誰もが
障害
の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生できる町の
実現
を目指して、
障害者
福祉施策
において市民参加と協働による町づくりを進めてきました。 次に、その
理念
に基づいた三鷹市における
障害当事者
や
関係
団体との協働の
取組
の事例を御紹介します。 三鷹市障がい者
地域
自立
支援
協議会、三鷹市防災
会議
、農業公園運営懇談会、青少年問題協議会等の審議会には
障害当事者
の
皆様
に
委員
として参画をしていただいています。また、長年にわたり、手話通訳養成講座、心のバリアフリー啓発推進
事業
、
障害
児者
対象
の水泳教室などを
関係
団体と市が協働で実施しています。加えて、
障害者
相談
事業
、
地域
活動
支援
センターⅡ型については、
当事者
スタッフが多く在籍するNPO法人に運営委託しています。本年四月の
障害者差別解消法
の
施行
を踏まえた職員
対応
要綱に基づく職員向け
差別
解消研修も
当事者
にお願いをしました。 このように、
障害者
計画策定に関する
検討
を始め、審議会等における
障害当事者
の参画は、
当事者
抜きに
障害者
のことを決めないという趣旨に基づくものです。 それでは、
改正
案について四つの論点に絞って申し上げます。 一、
自立生活援助
の
創設
について。 これまでは、
地域生活
移行に向けて
グループホーム
から一般賃貸住宅等へ移行する際には、
支援
メニューに不安を覚え、単身
生活
に移行しにくいという事例がありましたので、本
制度
の
創設
による状況の改善は
地域
移行を
支援
するものとして期待されます。 ただ、当該
支援
を実施する
事業所
は、
新設
なのか、従来の
事業所
を活用するのか、
現状
では曖昧な印象です。実効性があり、効率的な
事業所
の
在り方
の具体化が必要です。今後は、
グループホーム
をより
障害
の
重度
化に
対応
するものとする
方向性
が示されているとすれば、軽度の
障害者
は一般賃貸住宅で単身
生活
をすることとなるので、適切なきめ細かい
支援
策を講じない場合、
当事者
の不安が懸念されるところです。 二、
就労定着支援
の
創設
について。 三鷹市の
就労支援
センターでは、就労に関する
相談
、ハローワーク三鷹と連携した求職活動
支援
に加えて、
就職
後の
定着支援
についても実施してきています。実は、就労の
定着
に対する
支援
と
生活
支援
の境界は曖昧ですので、総合的な
支援
スキルがスタッフにも
事業所
にも求められます。これは、これまで
就労支援
機関
が奮闘してきた分野ですので、
就労支援
と
定着支援
、
生活
支援
が明確に分離され、
支援
メニューとして位置付けられた点は
評価
できると
思い
ます。 ただ、
課題
としては、
就労支援
事業所
や就業・
生活
支援
センターといった従来の
事業所
がある中で、当該
支援
の
事業所
を
新設
するのか、従来の
事業所
に財政的な確かな裏付けが
担保
されてより良い
制度
となっていくのかが曖昧です。この辺は、是非、実施主体が増加する中で、
機関
同士の連絡調整の
在り方
、情報共有のことも含めて取り組むことが必要です。 特に、従事者の専門性を明確にし、人材育成が
課題
です。これは、ハローワーク等との情報交換や人材の交流等についても
制度
の中で明示されることを要望します。 三、六十五歳到達による
介護保険
移行の一部
見直し
について。 六十五歳時の
介護保険
適用と
障害福祉
適用との
関係
については、市町村における支給決定の実態に相違があると認識しています。自治体の
障害
施策の
在り方
や財政状況等の実情によって、
障害者
の
高齢
化や
重度
化への
対応
に差が存在するのではないでしょうか。 そこで、
介護保険
適用となった場合において、同一
事業
者による
サービス
提供の継続や所得による自己負担の軽減などが盛り込まれた点は
評価
できると
思い
ます。
課題
としては、低所得者が多い傾向にある
障害者
にとって、
生活
を支える
仕組み
の
障害福祉
適用から保険
制度
への移行は大きな変化です。したがって、六十五歳になった時点で
介護保険
という異なる
制度
に移ることに伴う精神的不安、一部負担が
前提
という経済的負担などにきめ細かい
対応
が必要です。 特に、
介護保険
利用
時の
本人
負担について、低所得等の事由で還付するというスキームが想定されているようですが、
本人
には支払の負担、自治体には償還払いの事務量増加、
事業所
も支払種別の増加による事務量が発生します。
改正
案に基づく
事業
全体を俯瞰して、
関係
者、
機関
に増加する労務コストが多くなることによって
当事者
に不安や御迷惑が掛からないように、この
施行
までの間の具体的な配慮ある
取組
が期待されます。 四、保育所等訪問
支援
の
支援
対象
の拡大について。 集団
生活
に適応できない発達
障害
等の子供が増えている
現状
では、このような
取組
は大変重要です。保育所等訪問
事業
については、
障害児支援
の強化の一環として
平成
二十四年度から
創設
された
事業
ですが、実は未実施の団体が多いのです。東京都内でも僅か十二
事業所
です。もちろん、
支援
対象
施設
の拡大により専門的な
支援
を受けられる
対象
児が増え、早期
支援
、早期療育につながることが期待されます。 三鷹市でも、来年度、子
ども
発達
支援
センターの開設に合わせてこのような
取組
を重視しているんですが、人材確保の面、それから報酬単価の引上げ等による財政面での
支援
が
課題
です。乳児院から養護
施設
まで拡大するのであれば、報酬単価の整理、
障害
児通所
支援
事業所
を
支援
した場合の双方の
利用
料の算定を認めることや、同一日複数
障害児支援
減算の
見直し
など、実は専門職員が高度化することが求められておりますので、報酬を含め
財源
の裏付けが
課題
です。
障害福祉
サービス
である保育所等訪問
支援
事業
は、保護者の同意が何よりも重要です。自治体や
事業
者は、保護者に対する早期の寄り添いが必要です。必要な
支援
をどこまで
実現
するかということは大きな
課題
と思っています。
最後
に、法
改正
に伴い
検討
すべき論点について簡潔に申し上げます。 一点目。三鷹市の
生活
保護
制度
の経験から、精神
障害者
の関わりでは
福祉
サービス
と経済的
支援
が特に必要であると認識しています。
障害者
が
地域
で安全に安心して暮らせるために、ケースワーカーのスキルアップも求められます。
財源
保障の
取組
を国がしっかりしていただくことで、経済的
支援
も含めた包括的
支援
が重要です。 二点目、
障害者
福祉
の担い手としての人材育成の
重要性
と報酬の保障です。 この間、骨太の方針、一億総活躍プランで
障害福祉
分野の職員の確保も
高齢者
や保育士とともに明示されています。新任職員の確保のみならず、現職職員の体系的な研修とケースカンファレンスの力量アップとともに、報酬についても御
検討
をお願いします。 三点目、
相談
事業
の充実と包括的な
サービス
の
在り方
についてです。
高齢者
の分野では多職種連携による
地域
包括ケアシステムの具体化が、また、子
ども
・子育て
支援
新
制度
においては妊娠期からの切れ目のない包括的な
支援
が
検討
されています。どうぞ、
障害者
福祉
分野においても多職種連携による包括的な
サービス
の
検討
が不可欠と考えます。 結びに、
障害福祉
サービス
の現場である
地域
における検証に基づく自治体の
意見
の聴取のプロセスを踏まえた法
改正
の継続についてお願いします。
施行
まで時期もあります。
障害者
が安全に安心して
生活
することを目指すために自治体も頑張りますが、法
改正
のたびに
制度
が複雑になってはいけません。何よりも、
制度
の
改正
と国の
財源
の保障がセットでなければなりません。自治体の財政力によって
サービス
に差が出てはいけないのです。私
たち
は、とりわけ
当事者
の声、そして自治体の声をお聞きいただく今回の
委員会
のお
取組
に感謝しつつ、今後も継続していただき、何よりも
制度
に伴う国の
財源
の裏付けの確保に大いなる御活躍をお願いいたします。 以上です。 本日は
発言
の
機会
をいただきまして、どうもありがとうございます。
三原じゅん子
10
○
委員長
(
三原じゅん子
君) ありがとうございました。 次に、
岡部
参考人
にお願いいたします。
岡部
参考人
。
岡部宏生
11
○
参考人
(
岡部
宏生
君)(陳述補佐)
日本
ALS協会
の
岡部
と申します。このような
機会
をいただいたことに感謝申し上げます。 最初に、私のコミュニケーションの
方法
について御説明をさせていただきます。
岡部
が行っているのは口文字という
方法
なんですけれ
ども
、
日本
語は母音の口の形が
最後
に残りますので、例えばこんにちはと言いたければ、「こ」のとき、「こ」の口といいますと、「お」の口の形が残ります。ヘルパーさんはその「お」という口の形を読み取りまして、「お」の行を横に読み上げていくんですね。お、こ、そ、と、の、ほ、も、よというふうに読み上げていく。「こ」のところで
岡部
が合図をしております。通常まばたきで合図をしてくれて、そこで一文字確定していく
方法
を取っております。 この
方法
で一文字ずつ作ったものですので、どうぞお聞きください。 代読いたします。
日本
ALS協会
の
岡部
宏生
と申します。本日は、こうして参議院の厚労
委員会
で
参考人
としてお呼びいただいたことに感謝申し上げます。 さきの
衆議院
の厚労
委員会
で私の
参考人意見陳述
が
実現
しなかったことについて、私は率直に驚き、今後、
国会
で
障害
を持った人に対する
参考人
招致の
対応
などについて改善をお願い申し上げました。それを
関係
者の
皆様
が御
理解
くださり、こうして参議院の厚労
委員会
に
参考人
として
出席
することがかないました。あわせて、今後の
対応
についても、早速、衆参両院の議長にお会いして、
検討
を約束していただきました。重ねて心より感謝申し上げます。 本日は、私のコミュニケーション
方法
も含めて御覧いただきたいと
思い
ます。 今回の
障害者総合支援法
の
改正
法案
の中には、私
たち
ALS協会
が長い間厚労省に要望してきた入院時のヘルパー付添いについても盛り込まれているので、特にそれについてはこうして私自身から直接お伝えしたいと思っていました。コミュニケーションにどれほど特別な技能が必要かを見ていただければ、その必要性も
理解
していただきやすいと思ったからです。 私はALSのことにしか詳しくありませんが、世界的に見て、
日本
のようにALS患者がこのように
生活
できる国は世界にもほとんど例がなく、その
制度
と文化を強く誇りに思っております。私のように
重度
のコミュニケーション
障害
を持った者は、こうして
意見
を伝えるためには通訳者の能力が大きく影響するので、特にうまい人を二人そろえることが必要です。ほかに
幾つ
かの具体的な工夫がありますので、後ほど
関係
者の
皆様
にお伝えします。
障害
には様々なものがあるので、
障害者
全体のことを考えればいろいろな
方法
もあるかと
思い
ます。議員が病院において
参考人
としての患者の
意見
陳述を聞くことも是非
実現
してほしいです。要は、その人なりの
方法
が選択できることが大事だと考えます。それと併せて、私
たち
障害
を持った者もその能力に応じた努力が必要だと
思い
ます。私は、私にできる
方法
でこのような生き方もあることを発信することで、
皆様
に様々な
障害
に
思い
をはせていただければと思っています。 さて、
厚生労働委員会
の
参考人意見陳述
における
障害者
、難病患者への合理的配慮の
整備
に関する要望ですが、本年四月一日より
障害
を
理由
とする
差別
の解消の推進に関する
法律
が
施行
され、
障害者
への合理的配慮が定義付けられています。
障害者
が
国会
審議の場等において
参考人
として
意見
陳述ができることは、合理的配慮の好例と考えます。今後、私の件を契機として、衆参両院において
障害者
や難病患者に対する合理的配慮に取り組まれることを要望いたします。 では、
衆議院
の厚労
委員会
でも述べた
意見
を要約してお伝えいたします。 私
ども
ALS患者の多くは
障害者総合支援法
を活用して
生活
しておりますが、今回の
改正
を
評価
する立場から二点考えていることを述べます。
一つ
は、
法律
改正
案(概要)の一、
障害者
の望む
地域生活
の
支援
の(三)項の
重度
訪問
介護
について、医療
機関
への入院時も一定の
支援
を可能にすることに関して、もう
一つ
は、(四)項の六十五歳に至るまで相当の長期間にわたり
障害福祉
サービス
を
利用
してきた低所得の
高齢
障害者
が引き続き
障害福祉
サービス
に相当する
介護保険
サービス
を
利用
する場合に、
障害者
の所得の状況や
障害
の程度等の事情を勘案し、当該
介護保険
サービス
の
利用者
負担を
障害者
制度
により軽減(償還)できる
仕組み
を設けることに関してです。 一、
重度
訪問
介護
について医療
機関
への入院時も一定の
支援
を可能にする(
法案
第五条第三項
関係
)ことに関して。 現在、在宅のALS患者の多くは、
介護保険
と
重度
訪問
介護
を
利用
し、患者の
支援
に慣れたヘルパーから、コミュニケーション
支援
、喀たん吸引、体位交換や胃瘻を使っての栄養注入などの
介護
のため長時間付き添っていただいて
生活
していますが、入院時はその患者の
介護
に慣れたヘルパーの付添いができないことが多く、また、一部の自治体では
地域
支援
事業
として一定時間のコミュニケーション
支援
しか
利用
できず、個別性に即した適切なケアが受けられないことなどにより体力を消耗し、かえって体調を崩すことがあります。特に、医療スタッフとのコミュニケーションの難しさが時には生命の危険につながるような事態も生じています。 このため、協会としては、長年にわたって在宅療養患者の
介護
に慣れたヘルパーが入院中にも付き添えるよう要望し続けてきましたが、今回、
重度
訪問
介護
によるヘルパーの付添いが
法律
として
全国
で認められる動きになり、患者は一日も早く
施行
されることを望んでいます。
施行
に当たっては、
地域
によって
重度
訪問
介護
ではなく居宅
介護
を
利用
している地方患者が多いことに対する御
理解
をいただき、現在
利用
している
地域
支援
事業
でのコミュニケーション
支援
も併存し、どちらを
利用
するかについては優先
関係
が発生しないよう、特段の配慮を希望します。 また、現時点では
障害者
支援
区分六の者を
対象
とする予定と聞いておりますが、
対象
範囲の拡大などについては
法案
成立後も引き続き
厚生労働省
と
議論
させていただきたいと考えております。 二、六十五歳に至るまで相当の長期間にわたり
障害福祉
サービス
を
利用
してきた低所得の
高齢
障害者
が引き続き
障害福祉
サービス
に相当する
介護保険
サービス
を
利用
する場合に、
障害者
の所得の状況や
障害
の程度等の事情を勘案し、当該
介護保険
サービス
の
利用者
負担を
障害者
制度
により軽減(償還)できる
仕組み
を設ける(第七十六条の二の第一項
関係
)ことに関して。 今回の
改正
案の
重度
訪問
介護
や居宅
介護
などの
障害福祉
サービス
を六十五歳前に一定期間
利用
してきた
高齢
の
障害者
に対して
介護保険
の
利用者
負担を軽減することについては
評価
しております。現在のALS患者の年齢構成は六十代後半の
高齢者
が最も多くなっています。しかしながら、
重度
障害者
で重症難病患者であるALS患者は今回の
改正
の負担軽減には該当しないようになっております。 ALS患者は、現行の
介護保険
と
障害者総合支援法
の
制度
を
利用
しており、
介護保険
では四十歳から六十四歳までの二号被保険者(十六特定疾病)と六十五歳からの一号被保険者に該当し、
介護保険
サービス
を
障害福祉
サービス
に優先して
利用
するという規定があるため、病気が進行し、
障害
がより
重度
化した場合に
障害福祉
サービス
を上乗せ
利用
しております。
介護保険
要
介護
五で支給限度額まで
利用
した場合、月当たり一割負担の約三万七千円の自己負担が生じます。 また、若年発症のALS患者は、四十歳まで
障害者
福祉
サービス
を
利用
して、四十歳からは
介護保険
サービス
優先となり、その自己負担が発生します。
介護保険
と
障害福祉
サービス
を併用する場合に高額
障害福祉
サービス
等給付費による自己負担軽減措置がありますが、今回の
改正
による
介護保険
負担分を
障害福祉
で全額負担軽減する措置は受けられません。 ALS患者は医療費等の出費も多く、学齢期の子供がいる世帯などにおいては
介護保険
の自己負担は家計を圧迫し、子供の進路にもしわ寄せが生じています。中には自己負担を減らすために
介護保険
サービス
の
利用
を抑制する場合もあり、必要な
重度
訪問
介護
等の
障害福祉
サービス
の上乗せ
利用
ができない患者も少なくありません。 四十歳以上で
介護保険
サービス
と
障害福祉
サービス
を併用している場合も、今後、
改正
案と
整合性
のある
対応
策を講じられるように
附帯決議
等を要望します。
法案
の内容には、今後の
課題
として残った部分はあるものの、入院中のヘルパー派遣や
高齢
障害者
の
利用者
負担の軽減など
評価
できる部分が多いことから、この
法律
改正
を是非今
国会
で成立させていただきたいと
思い
ます。 どうぞよろしくお願いいたします。
三原じゅん子
12
○
委員長
(
三原じゅん子
君) ありがとうございました。 以上で
参考人
からの
意見
の聴取は終わりました。 これより
参考人
に対する
質疑
を行います。
質疑
のある方は順次御
発言
願います。
石井みどり
13
○
石井みどり
君 自由民主党の
石井みどり
と申します。 本日は、五名の
参考人
の方々、大変真摯な、そして貴重な御
意見
を賜り、誠にありがとうございました。限られた時間でございます。私は十五分の持ち時間でありますので、この時間を精いっぱい使って、
一般社団法人日本ALS協会
副
会長
の
岡部
宏生
様に御質問をさせていただきます。 今回の
法案
には
重度
訪問
介護
の訪問先の拡大が盛り込まれ、難病の方など
重度
の
障害者
の方に入院中のヘルパー
利用
が解禁されるなど、
重度
訪問
介護
が入院時にも使えるようになる点は
評価
できると考えています。ただ、現在、医療の現場は非常に効率化が求められて、非常に現場としては医療従事者も厳しいものが求められている時代でありますので、このような公的医療保険あるいは
介護保険
、そして
障害福祉
サービス
の垣根を越えた、真に
皆様
にとって有用な
制度
構築のためには、今伺った御
意見
の中にもございましたが、まだまだ不十分な点があると認識をしております。 そこで、御
意見
をお伺いいたします。 是非これだけはという、今の御
意見
の中にも二つポイントがあったと
思い
ます。最初の
一つ
目だと
思い
ますが、是非そこをもう一度お聞かせいただけますか。
岡部宏生
14
○
参考人
(
岡部
宏生
君)(陳述補佐) 御質問ありがとうございます。 医療保険
制度
と
福祉
制度
(
介護保険
)並びに
障害者総合支援法
の
サービス
にはいろいろな垣根があります。中でも、医療の業務と
福祉
の業務の範囲については患者(
利用者
)にとって悩ましい問題です。 具体例を示すと、喀たん吸引や経管栄養の注入などが
平成
二十四年四月から
介護
職員にも一定研修を完了すれば認められるように法
改正
が行われました。これらの
医療的ケア
は医療と
福祉
の業務の交わった部分ですが、その連携についてはいまだに医療職と
介護
職の間で問題になることが珍しくないです。 例えば、経管栄養の注入は
介護
職員に認められていますが、その接続については明記されていません。これによって、
介護
職員は経管栄養の注入をするために訪問看護師さんの訪問があるまで待たなければなりません。また、経管栄養の注入が終了しても接続が外せないために片付けができません。訪問看護師さんの訪問がない日はどうしたらよいでしょう。 同様のことは枚挙にいとまがありません。せっかく、家族の負担軽減のためにも、看護師さんの絶対的な人数不足も埋められる
制度
であるはずのものなのに、
制度
が生かされないだけではなく、かえって
両者
の
関係
を難しくしているということが発生してしまっています。 もちろん、医療職と
介護
職の連携がうまく取れている場合はこんな問題は生じません。このような問題解決には、現場の声の反映を
制度
の中にいかに取り入れるような
仕組み
が必要かということだと考えます。 以上です。
石井みどり
15
○
石井みどり
君 ありがとうございます。 多分、このもう一問しか伺えないかも分かりませんが、現行
制度
では、六十五歳以上の方は
介護保険
が優先され、
利用者
負担が増加するという問題が生じていたケースが多々報告されています。
改正
案では、
高齢
障害者
の
介護保険
サービス
の円滑な
利用
が盛り込まれ、
利用者
負担が軽減されることになろうかと
思い
ます。 この
利用者
負担についても、まだまだ改善の余地があると思われます。経済的な負担の改善点について是非御
意見
をお伺いしたいと
思い
ます。特に、ALSの中には、加齢と因果
関係
にあるため、四十歳から
介護保険
が優先適用される
状態
であると聞いております。 このような
現状
を鑑みても、今後更なる改善が必要だと
思い
ますが、是非そこをお聞かせいただきたいと
思い
ます。
岡部宏生
16
○
参考人
(
岡部
宏生
君)(陳述補佐) 今回の
改正
案は、六十五歳が基準となって、ある一定の期間以上
障害者
サービス
を
利用
していた場合に軽減の
対象
になるとされているが、それだと発症の年齢や
サービス
の
利用
開始の時期によって
対象
とならずに、不公平感があると感じています。 また、ALSの場合は四十歳から
介護保険
の
対象
になりますが、その年齢は働き盛りであって、子供も成長期である場合が多く、経済的負担の軽減を求めたいことから、今後の軽減の
対象
にしていただくことを
検討
してほしいと思っています。 以上です。
石井みどり
17
○
石井みどり
君 ありがとうございます。
障害福祉
サービス
の提供については、
地域
間格差があるということは承知をしております。先ほど
清原
三鷹市長
のお話の中には耳を傾けるべき内容があったと
思い
ます。この
地域
間格差でありますが、是非ALSの立場から御
意見
をお伺いしたいと思っております。
岡部宏生
18
○
参考人
(
岡部
宏生
君)(陳述補佐)
地域
間格差については、本当にいつも患者会として少しでも改善を望んでいます。地方自治の原則から
サービス
の
対象
や支給について各自治体の裁量に任されている部分も多く、自治体の方針や経済
状態
によって大きく差が生じています。その格差の解消については、国の負担によって格差の改善が見込まれると考えます。ただし、
社会
保障費の
財源
についての問題がいつも
議論
になっています。確かに、
社会
保障費は幾らでも確保できるというものではないかもしれません。 そこで、国に求められることは、どの
サービス
は各自治体の裁量でなくて
全国
的に統一されるべきものなのかを
検討
する必要があるのではないでしょうか。その際に考慮していただきたいことに、
財源
確保の問題による線引きをしてはならないことがあるということも併せて
検討
してほしいと
思い
ます。 以上です。
石井みどり
19
○
石井みどり
君 ありがとうございます。 ALSに関する再生医療について、iPS細胞を用いた創薬研究が進んでいると聞いております。現在、iPS細胞とゲノム編集
技術
を用いてALSの病態が解明されつつあります。今後、更に病態の全容解明へと進展し、ALS治療薬開発への応用が期待をされているところであります。 残された時間僅かでありますが、是非、国や各市町村、自治体に対して、あるいは本
国会
へ対しても、ALS患者さんの立場から、是非これは言っておきたいということがあればその御
意見
をお聞きして、私の質問を終わりたいと
思い
ます。
岡部宏生
20
○
参考人
(
岡部
宏生
君)(陳述補佐) iPS細胞の活用などによる病態の解明や治療法の確立は、私
たち
患者や
関係
者の悲願であります。是非、国や各都道府県には、研究のための環境の確保(経済的な面も含めて)に注力していただきたいと
思い
ます。 また、研究の
促進
のために、安全の確保は言うまでもありませんが、その活用には大胆な挑戦も必要ではないでしょうか。さらに、治療法の確立までは療養環境の改善と確保について特段の配慮をお願いしたいと
思い
ます。 これからちょっと
岡部
自身から。 環境の確保というのは、
関係
省庁や自治体間の役割にこだわることで発生する垣根を取り払うことな
ども
含みます。 以上です。
石井みどり
21
○
石井みどり
君 ありがとうございました。 今日、当参議院へおいでいただき、慣れたヘルパーの方の習熟したスキルも拝見することができました。また、御要望がある、入院されている患者さんにも是非お話を伺う
機会
をというふうな御要望も出ておりますが、できましたら参議院で全ての会派が賛成した上でそういう
機会
が
実現
できたらと私も思っております。 先ほど再生医療のお話をさせていただきました。我が国は再生医学は世界最先端でありますが、これを医療として更に進展させ、ALS患者さんの大きな希望が
実現
するように、そして、今おっしゃった、その
実現
までに希望する
地域
でそして望む暮らし方が十分できるような、そういう
制度
を私
ども
もつくってまいりたいと思っております。 本日はありがとうございました。
川田龍平
22
○川田龍平君 民進党・新緑風会の川田龍平です。会派を代表して質問させていただきます。 今日は、
参考人
の皆さん、本当に貴重な時間、貴重な御
意見
をありがとうございました。本当に、今日の御
意見
を是非
参考
にさせていただき、審議に生かしていきたいと
思い
ます。 まず、
岡部
参考人
にお聞きしたいんですけれ
ども
、
岡部
参考人
が、これ二〇一四年の難病・慢性疾患
全国
フォーラムで発表した資料を少し引用させていただきたいと
思い
ますが、この病気を
岡部
参考人
は、二〇〇六年、ちょうど十年前に発症されて、三年半で呼吸器を付けたということで、これから毎日のように何かができなくなっていく、それは大変恐怖ですということを述べられています。 しかも、将来、人工呼吸器を付けなければ死が待っているということで本当に過酷だということをおっしゃっていて、さらに、人工呼吸器を付けるというだけではなく、全身不随になって生きていくか、それとも呼吸器を付けずに死んでいくかを
自分
で選ばなければならないと。本当に、呼吸器を付けるか付けないかの選択も
自分
でするということであります。 この呼吸器を付けずに死んでいく患者の割合どれくらいかということで、
岡部
参考人
は七割の患者が呼吸器を付けずに亡くなっていくと。その
理由
は、もちろん病状の過酷さもありますが、それ以外にも、
介護
負担、経済的な負担を考えて生きていくことを諦める患者も多いということです。 私は、このALSの患者さん、二十四時間三百六十五日の
介護
が必要になるということで、
社会
資源のことについてここで述べられておりますけれ
ども
、本当に、この
介護
、ヘルパーさんの仕事がなければ生きていけないということで、大変過酷な病気であると
思い
ます。 まず、病気に対する治療法や治療薬が開発されることを患者としては望むと
思い
ます。私も難病の患者の立場で、本当に、そういった難病患者がやっぱり当たり前に
生活
ができる環境や、こうした
社会
の
制度
や
仕組み
というものが
日本
は文化的に進んでいることもあって、また私も
岡部
参考人
も多分生きることができているんだと
思い
ますが、本当にそういう意味で、今回の法
改正
についての話に移りますが、この入院時のヘルパーの付添いについて大変高く
評価
をされています。特に、震災、地震などの震災
対応
について事前に法制化を必要とするのかどうかということについて、まず
岡部
参考人
に伺いたいと
思い
ます。
岡部宏生
23
○
参考人
(
岡部
宏生
君)(陳述補佐) 大きな災害、例えば東
日本
地震や今回の熊本地震においては入院時の
介護
者に対して
介護保険
も
障害者
サービス
も認められましたが、私
たち
は、そういう災害時には自動的に
介護
者の派遣が認められるような
制度
が欲しいと
思い
ます。 以上です。
川田龍平
24
○川田龍平君
岡部
さんにもう一問だけ。
岡部
さんにしか答えられないことだと
思い
ますが、常日頃そばにいるヘルパーさんと違う人が
介護
するとなると、どんな感じになるんでしょうか。
岡部宏生
25
○
参考人
(
岡部
宏生
君)(陳述補佐) それは、コミュニケーションが取れないので、私の
介護
の九割ぐらいができないことになってしまいます。
川田龍平
26
○川田龍平君 ありがとうございます。 本当に
介護
というものがまさしく命を左右するということで、もちろん
介護
者の
技術
のこともそうですが、ここで
岡部
さんも述べていらっしゃるように、
介護
の体制がどのように構築できるかということ、
介護保険
などの
社会
資源がどのように活用できるか、また、
生活
全般についても、人工呼吸器を付けるかどうかという生死の選択のときにも大きな選択肢の決定の要因の
一つ
となってしまうと。
岡部
さんもここでおっしゃられているように、家族に
介護
を頼れない環境で他人の
介護
の体制がつくれるかどうかということが、
障害者自立支援法
の
重度
訪問
介護
の給付時間の確保ができなければ呼吸器を付けないつもりだったということで、その二つの
課題
が曲がりなりにもめどが立ったのは呼吸器を付けるために救急車で運ばれる僅か二週間前で、本当にぎりぎりのタイミングで
岡部
さんも今の
状態
になったということで、
介護
者不足のことも
岡部
さんは言っておられますが、本当にそういった体制があったからこそ
岡部
さんもここに生きておられるんだと
思い
ます。本当に、そういったことをやっぱりしっかりしていかなければいけないということを
思い
ます。 ほかの方にも質問させていただきますが、
清原
参考人
に伺います。 先ほど
清原
参考人
からも、
介護保険
の問題と、特に六十五歳到達による
介護保険
への移行の一部
見直し
についてということで御
意見
いただきましたが、特に自治体の負担というかそういったところについて、これは
藤岡参考人
からも言われていますけれ
ども
、国の
財源
がしっかりとしていない中で自治体に負担を求めることになってしまうのではないかと。 特に、自治体については、
骨格提言
で合意した内容に達していないという
障害当事者
や
支援
団体の声もありますが、自治体や
介護
事業
者等
の現場職員にあっては、この法
改正
に基づいて
サービス
の提供を充実することが求められると同時に、
介護保険
優先
制度
についての説明責任を果たすことが求められるが、それはなかなか難しいということも
清原
参考人
の資料にありますが、その辺について、短時間でよろしくお願いします。
清原慶子
27
○
参考人
(
清原
慶子
君) 御質問ありがとうございます。 六十五歳において
介護保険
に移行することにつきましては、三鷹市においては、毎年六十五歳になられる方が
障害者
の中で二十人前後ということもあり、お一人お一人、まずは丁寧に六十五歳を迎える前からお話を聞き、実情を受け止めながら、どのような
支援
が必要かということを
対応
できる
現状
にあります。 その中で、やはりもちろん
介護保険
の
サービス
に移行するのが通常ではありますが、その
介護保険
のメニューでは
障害者
としてのお立場で不足がある場合には、例えば具体的には同行
支援
というようなことにつきましては
障害者
の
サービス
を併用していただくというふうに判断をしていただいています。 これにつきまして、三鷹市の場合もいずれの自治体も同様だと
思い
ますが、
障害者
の
福祉
サービス
に精通していることと
介護保険
のメニューに精通していることと、そしてもちろん
事業
者の
皆様
の実態について精通していることと、何よりも、
障害当事者
の方の実情を種別の多様性の中把握する力量というのが求められます。その上で、大変僣越ではございますが、三鷹市においては、地方交付税の不交付団体を一生懸命堅持しておりますので、一生懸命
財源
を調整して、できる限り併用ということも御希望に応じられる実態はございます。 ただ、自治体においては、先ほど申し上げました、職員の
対応
がなかなかできないとか、やはり公平さを尊重する中から一律
介護保険
への移行を判断されているところもあるようでございますので、そういう意味では、これはなかなか現実的には、きめ細かい
対応
の難しさと自治体による相違があるということは否定できないと
思い
ます。
川田龍平
28
○川田龍平君
藤岡参考人
に伺います。
藤岡参考人
の資料に基づいてなんですが、
障害
というハンディに加えて加齢に伴うハンディが重複すればより困難な事態に至るのが当然であるにもかかわらず、
高齢
障害者
が
福祉
制度
を
利用
するにはより過酷な条件、負担や
利用要件
が課せられる、恐らく世界的に見ても特異な
制度
であろうということなんですが、ほかの国と比べてやっぱり
日本
はこれ特異な
制度
なんでしょうか。
藤岡毅
29
○
参考人
(
藤岡毅
君) 具体的にどの国でどうという対比をしたということで書いているわけではないので、ちょっと今具体的にどういう国でどうというふうなお答えはできないです。
川田龍平
30
○川田龍平君 それに
関連
して何か述べることあれば。
藤岡毅
31
○
参考人
(
藤岡毅
君)
藤岡
です。 私の資料二十三ページで、
介護保険
と
障害者
福祉
の違いというものについて書いております。平等権、生存権、
尊厳
保障、そういう原理に基づいて本来あるべきですので、経済的にもいまだに劣った地位にある
障害者
の
尊厳
、平等、生存権を
基本的人権
として公的に保障する
制度
という、
障害者
の
権利
保障というものをまずしっかり確立するということがまずは先決だと
思い
ますので、今の
状態
を何ら改善しないで
統合
だ併合だというようなことは非常に危険で乱暴な
議論
だと
思い
ます。 保険原理というのは保険掛金内の相互扶助にとどまりますので、人権に基づく
権利
性が希薄だと
思い
ます。この点、保険の方が保険掛金との対価性があるので
権利
性が強いという御主張があるそうですけれ
ども
、それだと例えば生存権、
生活
保護というものについては対価性ありませんから、そうすると
権利
性などないということになって、
基本
的に憲法二十五条の解釈を誤っていると言わざるを得ませんので、そういう主張というのは間違った
理解
だと
思い
ますので、まずは
障害者
に関しての
基本的人権
をしっかり保障する
制度
を確立するということを先にしていただきたいということです。
川田龍平
32
○川田龍平君
最後
に一問だけ、
清原
参考人
にお願いします。 この保育所等訪問
支援
、
支援
対象
の拡大についてなんですけれ
ども
、やっぱり
障害
かどうか分かっていないお母さん
たち
、特にそこの段階から
相談
などを必要としていると。さらには、お母さん
たち
が特に就学時に
相談
などをして、そこで
支援
学級に入れるのかそうでないのかという選択をするときに、非常にお母さんとして責任を感じてしまうと。特に、
支援
学級に行った後に普通の学級に行けないんじゃないかとか、その責任をお母さんが負ってしまうんじゃないかということで、お母さんが責めを感じてしまって、子供の将来を閉ざしてしまったんではないかという深刻な本当に責任を感じてしまうお母さんもいます。 そういったお母さん
たち
や保護者の方
たち
の
相談
にどのように乗っていけばいいのか、お願いします。
清原慶子
33
○
参考人
(
清原
慶子
君) ありがとうございます。 御指摘のとおり、相対的に母親の方がお子さんに
障害
のあるときは深刻に自らを責めるということに私も直面をして心を痛めております。大切なのは、今目の前にいる何らかの
障害
のあるお子さんの
障害
の早期発見と早期療育に、きちんと保護者の
皆様
の御
理解
もいただいて努めていくことになります。 三鷹市では、保健の、健康診断のときの早期発見、あるいは保健師が寄り添うこと、また、この四月一日からは妊娠されたお母さんに全員面接というのを始めさせていただき、かなりの人数がもう早期から予約をしていただいておりますように、妊娠したときから母親、父親の悩みは始まりますが、そういう保健の部分と、それから発達
相談
の部分と、そして教育
委員会
の小学校に上がるときの就学援助等が総合的に垣根なく取り組んでいくこと、それから、三鷹市で有り難いのは、発達
障害
等のお子さんをお持ちのお母さん
たち
がピアサポートをされているということです。
当事者
そしてその家族がもちろん寄り添う、そしてそれを
支援
する人が連なっていく、望ましいネットワークをつくっていくことが大いに重要だと考えます。 以上です。
川田龍平
34
○川田龍平君 終わります。ありがとうございました。
佐々木さやか
35
○
佐々木さやか
君 公明党の
佐々木さやか
でございます。
参考人
の
皆様
、今日は大変貴重な御
意見
をいただきまして、ありがとうございました。 私の方からは、まず
自立生活援助
のことにつきまして、
清原
参考人
と阿
由葉参考人
に御質問させていただきたいと
思い
ます。 御存じのとおり、今回の
法案
には、
障害
を持っている方が
地域
で一人で暮らす場合に、それを
支援
をする
自立生活援助
、この
創設
が盛り込まれております。例えば、身の回りの家事ですとか、また服薬、また医療の受診、そうしたことについてちょっとした
支援
をして
自分
自身でできるように訓練をして練習をしていただく、そうしたことで独り暮らしができるようになると、そういう場合もあるという声もいただいておりますので、今回のこの
制度
の
創設
というのは大変意義のあることではないかと思っております。 先ほど
参考人
のお二方からこの
制度
についても御
意見
をいただきましたけれ
ども
、
清原
参考人
からは、今後、ではこの
事業
を実際に実施していくに当たって
事業所
の
在り方
など具体的な
検討
が必要になってくるということでお話がございました。私もそうだと
思い
ます。 今後、
制度
の詳細については
検討
していくという段階ではございますけれ
ども
、例えば横浜市では
障害者
自立生活
アシスタント
事業
というものを今、市独自で行っているそうであります。横浜市の場合は、
支援
の内容は先ほど申し上げたようなものと同様ですけれ
ども
、以前から、
障害者
が
地域
で自立した
生活
を送ることができるように、そうした
支援
を行う
障害者
地域
活動ホームとか精神
障害者
生活
支援
センター、こういったものが各区にあって、そこがこの
制度
を横浜市で始める際にも担うことになったと、こういう経緯があるというふうに聞いております。 また、市独自でやってきたということでいろいろと柔軟に
対応
をしているところもあって、二十四時間
対応
をしなきゃいけないとか、携帯電話の番号を伝えておいて、何かあったら連絡を下さいと、そういう
サービス
の特殊性もあって、報酬の面でもどういった形にしていくのがいいのかということも
検討
していかなければならないなというふうに考えております。 こういったことに
関連
いたしまして、
清原
参考人
と阿
由葉参考人
に御
意見
がございましたら教えていただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。
清原慶子
36
○
参考人
(
清原
慶子
君) ありがとうございます。 何よりも、
障害
のある
皆様
が御自身の能力を大いに発揮していただきまして自己
実現
していただくということが極めて重要です。その
基本
として、できる限り御自身で
地域
の中で
生活
していただくということは重要ですから、自立を強制するのではなくて、
障害
のある方の生きようとする力、貢献しようとする力というのをとにかく保障していくということが自治体の役割、そして
事業所
の役割になると
思い
ます。 したがいまして、この間の
取組
では、
グループホーム
等で
障害
のある方同士がそれぞれ共に暮らしをしながら、励ましながら、御自身のペースを見付け、他者をモデルとしてまたそこまで生きたいと、こう描いていただくようなことで、
グループホーム
は大変意義ある
取組
だと思っています。 あわせて、私
たち
が
グループホーム
の経験などを踏まえて、この新しい
自立生活援助
の
創設
によって
当事者
の暮らしを総合的にトータルに保障するようになるということに大いに期待しています。 先ほど申し上げました
生活
の自立もありますが、就業をする、あるいは何らかの
地域
の活動に加わる、スポーツをするとか趣味の活動をするとかも含めて総合的に
支援
するということで、私としては、ケースワーカー的な役割というのが極めて重要で、全部一律にしない、お一人お一人の実情に合わせてこの
自立生活援助
が
創設
されていくことを願っていますし、それに自治体の役割も果たしていきたいと考えております。
阿由葉寛
37
○
参考人
(阿
由葉寛
君) 先ほ
ども
お話ししましたけれ
ども
、この
要件
の中で
グループホーム
の
利用
がどうなるのかということを少し心配をしております。 それは、
部会報告書
の中で、
障害者
の
状態
と
ニーズ
を踏まえて必要な者に
サービス
が行き渡るよう
利用対象者
を見直すべきというふうにあります。そこが今現在も、先ほ
ども
お話ししましたように、まだまだ
グループホーム
等の
利用
をしなければならない
障害
を持たれた方はたくさんいらっしゃいます。そして、まだその
グループホーム
がないという方もたくさんいらっしゃいます。 特に、入所
施設
を出て
地域
で暮らすのにはまず
グループホーム
が適当というふうに思っておりますので、そういった意味でも、
グループホーム
の
整備
、これがまず不可欠ではないかということで、先ほどお話ししましたように、
障害
の重い軽いで場合によっては
利用
できなくなってしまうようなことがないように進めていただきたいというふうに思っております。 よろしくお願いいたします。
佐々木さやか
38
○
佐々木さやか
君 ありがとうございました。 次に、
障害児支援
、この点についても今回の法
改正
には盛り込まれておりますけれ
ども
、
障害
をお持ちのお子さんに対する
支援
を拡充していく中では、
サービス
の質の確保ということも重要であると
思い
ます。この点に関して、これも
清原
参考人
と、それから
佐藤参考人
にも御
意見
を伺いたいと
思い
ます。 特に、近年増加しております放課後等デイ
サービス
、この質の確保に
関連
して、放課後等デイ
サービス
の
事業
者が行政処分を受けたという報道も最近ございました。こうした質の確保、
向上
に向けて私
たち
も努力をしていかなければならないと思っておりますけれ
ども
、
清原
参考人
におかれましては自治体の立場から、また、
佐藤参考人
におかれましては専門的な立場からの御
意見
をいただければと
思い
ます。
清原慶子
39
○
参考人
(
清原
慶子
君) ありがとうございます。
障害
児の
サービス
の充実というのは、これは不可欠でございます。国では、子
ども
・子育て
支援
新
制度
を昨年の四月から
施行
して、きめ細かい幼児教育と保育というのを推進しようとされている中、やはり
障害
のあるお子さんについてもそれをしっかりと保障していくのは、国の責務でもありますが、自治体の責務だと思っています。 その中で、
障害
児の
皆様
の中で例示されました放課後デイ
サービス
というのは長年
ニーズ
がありまして、三鷹市でも
事業
者の
皆様
と実践をしてまいりまして、昨年の春に新しい
施設
も開所できまして、今までよりも定員を増やすことができました。 やはり大切なのは、適切な特別
支援
教育を保障していくとともに、放課後の暮らし方によって、先ほど御質問がありました、学校教育が終わってからの御自身の
生活
の
実現
に向けて移行の役割を放課後は大きく果たしています。特に、どのような内容で
支援
をしていくかについては研究が進んでおりますが、残念な例のことを例示されましたが、やはりそれは指導員、関わる職員のより一層の意識の
向上
と、また専門性が期待されると
思い
ます。 また、大切なのは、こういう場合にボランティアの
皆様
の
支援
、あるいは
地域
に、外に出て活動をされて出会うということがとても大切だというふうに思っています。
障害
のある子供も
障害
のない子供も共に
支援
を必要としていますし、
両者
がいろいろな
機会
に出会うというようなことをきちんと
地域
で保障していくということが
障害
のあるお子さんへの
子供たち
の
理解
も深めるというふうに思っています。 何よりも、私
たち
としては、特に放課後デイ
サービス
については質を確保していらっしゃるかどうかを、第三者
評価
も重要ですし、
社会福祉法人
については私
たち
もそれを監督できるような権限が基礎自治体、市町村にも参りましたし、しっかりと質の確保に向けて自治体の
評価
能力と指導能力というのも進めたいと
思い
ますが、
キーワード
は協働だと
思い
ます。どういう
事業
者の
皆様
が市の
障害者
担当と目標を同じくして
子供たち
の視点に立って保障していくか、そうした風土が重要だと考えています。 以上です。
佐藤進
40
○
参考人
(
佐藤進
君) 今御質問いただいたのは、多分、今日の
委員会
に向けて私が何年か前に書いた資料に基づいて、私も、先ほどの
発言
とは違うところから、違うフォーカスで御質問いただいてちょっと戸惑っておりますけれ
ども
、私、実はこの
障害福祉
の仕事の入口は、
障害
を持つ小さな子供の通園
施設
で長年
施設
長やあるいは理事長をしておりましたけれ
ども
、その
施設
は、いっときは早期発見、早期療育の要望に応えて、毎年多くの待機児童を出すほど何というか繁盛していたんですけれ
ども
、考えてみると、
子供たち
がここしか行く場がないというのはおかしな話だというところに
思い
当たりまして、もう今から振り返りますと二十年近く前ですけれ
ども
、自ら関わっていた
施設
を閉鎖できるような
地域
づくりを進めようと、良い
施設
ではなくて良い
地域
をつくりたいということで仕事の
方向性
をスイッチいたしまして、具体的には我々が関わっているこの通園
施設
を閉鎖するということを目標にしたいと。 その目標は十年前に達成できまして、その分、
障害
を持つ
子供たち
が我々の
地域
では保育園や幼稚園で受け入れられ、それなりの
支援
を受け、そこに知識や
技術
のあるかつての通園
施設
の職員、私
ども
の法人の職員が
支援
に行くという形でそれが
定着
してきました。 しかしながら、特に、具体的に言えば、発達
障害者支援法
が制定された当時から急速に、かつての
障害
児の通園
施設
、大小の通園
施設
が衣替えをしました児童発達
支援
センターと言われるところに、箇所数も急速に増えまして、
利用
児も急速に増えるという現象が生まれてまいりました。そんな中で、我々は一体やってきたことが間違っていたのかどうかということを検証しなければならないんですけれ
ども
、
障害
のある
子供たち
が適切な発達
支援
を受けることは極めて重要である、しかし、その場所が
障害
のある
子供たち
だけが集まる
施設
でなければならないという
理由
はないはずだということを改めて確認して、
障害
のある
子供たち
が
地域
で育てるような
地域
づくりに取り組んでいこうと。私の次の世代、次のというか、一回りないしは二回り若い世代が現在私がかつて理事長をしていた法人を引き継いでくれていますけれ
ども
、彼らも同じようにして引き続き努力をしてくれています。 そんなことと、もう
一つ
は、先ほどありました放課後等デイ
サービス
に関してですけれ
ども
、先ほどおっしゃったように、
事業
停止の勧告をあるいは命令を受けたところが少なからずあるというふうに、これまた、できてまだほんの数年の
制度
であるにもかかわらず、今や
全国
で六千か所という急速な勢いで、というか、ほとんど考えられないような勢いで増えております。確かに、
障害
のある
子供たち
が学校を終えた放課後あるいはまた長期の夏休み等の休暇期間中にどこでどういうふうに過ごすのかということは大きな問題でありまして、そこに
支援
が必要だと。そのことを家庭が全部かぶってしまうのは非常に負担が大きいということは事実としてありますけれ
ども
、しかし、その場所が
障害
のある
子供たち
だけが集まる場所で必ずしもある必要はないだろうと。 例えば、現在、二万五千か所のいわゆる一般の子供の放課後児童
支援
のための学童保育の場所がありますけれ
ども
、そこが一か所一人
障害
のある子供を受け入れてくれたら、あるいは二人受け入れてくれたら、もう現在六千か所もあるような放課後デイ
サービス
の問題は解決に近づくわけです。ですから、放課後デイ
サービス
という形で展開するのではなくて、いわゆる一般の学童保育が
障害
のある
子供たち
を積極的に受け入れていくという方向で施策を
整備
すべきだというふうに考えています。 ところが、この放課後デイ
サービス
は、今度専門性が必要だということで何とか生き延びようとしていますけれ
ども
、正しい意味でこれらが役割を終えて、いわゆる一般的な学童保育の場所で
障害
のある
子供たち
が時間を過ごすことができ、さらにまた、その子
たち
の発達に資するような
取組
が行われるようになることを切に期待しています。 以上です。
佐々木さやか
41
○
佐々木さやか
君 時間が参りましたので、大変残念ですが、以上で終わらせていただきます。 ありがとうございました。
小池晃
42
○小池晃君
日本
共産党の小池晃です。
参考人
の皆さん、本当にありがとうございます。とりわけ
岡部
参考人
、
衆議院
でああいう
経過
があり、こういう形で来ていただいて、お話聞けて大変良かったなと、参議院としての役割を果たせたのかなというような
思い
で聞いておりました。 そこで、お聞きしたいと
思い
ますが、事前にお伝えしている質問、二問させていただきたいと
思い
ます。
一つ
は、今回、
衆議院
での
経過
も踏まえて、
障害者
や難病患者の皆さんに対する合理的配慮、これを
整備
する上で、
国会
においてそれを
整備
する上でどのようなことを要望されますでしょうか、まずお聞かせください。
岡部宏生
43
○
参考人
(
岡部
宏生
君)(陳述補佐) まずは、通訳の技能が大きく影響するので、とてもうまい人を二人そろえることです。二つ目に、事前に陳述の内容の原稿を作成することはもちろんです。
三つ
目は、事前に、議員さんからも前日までに私への質問を出してもらうことです。それなら、事前に私の答弁を作成しておくので全く時間は問題ないです。四つ目は、
委員会
での質問に対して、私の質問は最初にしていただいて、答弁は
最後
にさせていただければ、その間にこれだけの速度で答弁を作成できます。五つ目は、私の質問に対して私の代理で答弁できる者を事前に指定させていただいて、それを認めていただければと思うのです。この代理人の
発言
は、あくまでも
当事者
が
発言
できないやむを得ない事態が発生した場合に限ります。 以上です。
小池晃
44
○小池晃君 ありがとうございました。 ちなみに、今回この参議院では今言われたとおり
実現
しているということになりますでしょうか。
岡部宏生
45
○
参考人
(
岡部
宏生
君)(陳述補佐) 四つの工夫によってこの
参考人
を務めさせていただいていますので、とてもそれは
対応
してくださったと
思い
ます。
小池晃
46
○小池晃君 ありがとうございます。 それから、入院時のコミュニケーションの難しさが命の危険につながるという指摘、あるいは喀たん吸引や胃瘻などの問題、この医療行為が慣れたヘルパーの付添いが必要だという御指摘をされています。 そこで、
岡部
さんが入院された際に実際に困ったこと、悩み苦しんだこと、これを具体的にお聞かせいただけますでしょうか。この点で改善を期待することもあればお願いします。
岡部宏生
47
○
参考人
(
岡部
宏生
君)(陳述補佐) 私は、この病気に罹患してから、胃瘻の造設や気管切開して人工呼吸器を付けたときなどに入院しています。特に、気管切開をしたときは二か月の入院
生活
でした。そのときに、在宅で使う呼吸器に慣れるために病院の呼吸器を外して在宅用の呼吸器を使っているときに、回路の緩みがあったことに気付かずに呼吸困難になったことがありました。 また、私の両肘は拘縮していますが、そのときの入院時にリハビリテーションの時間はあったのですが、コミュニケーションが取れなかったことから希望が伝えられなかった結果として拘縮してしまいました。 特に悩んだことは、看護師さんにコミュニケーションを求めることが困難なことでした。看護師さん
たち
はいつも忙しくしていて、私に時間を割いてくれとは言えない
状態
であることが分かったことです。看護師さんの中には、私のために休みのときに仕事をしている人もいました。そんな
状態
で、私はコミュニケーションに時間を掛けてほしいとは言えなくなりました。それが最もつらかったことです。 以上です。
小池晃
48
○小池晃君 ありがとうございました。 先ほど、石井
委員
の方からは実際病院に見に行こうじゃないかという御提案もあって、これ私も賛成ですから、石井先生と私が賛成すれば大体できるんじゃないかなと
思い
ますので、是非これも
実現
の方向に向けていければなと
思い
ます。
藤岡参考人
に伺います。 今回の
法案
は
骨格提言
を法
制度化
するということに全くなっていないんじゃないかという、私も本当にそのとおりだなというふうに思っておりますが、やっぱり
基本合意
、
骨格提言
、
権利条約
を
実現
するという
基本姿勢
に立ち返ってほしいと。 そして、その
前提
として、この間、
国会
の答弁で厚生労働
大臣
が、
基本合意
は、これは
障害
のある方を始め
当事者
の
皆様
の
思い
が込められたものであると言っているんですね。これちょっと違うんじゃないかなと。これ約束ですよね。何か
障害者
と
当事者
の
思い
が込められたものだから重視するんだというのは、この答弁は私はちょっとおかしいというふうに、率直に言って、これはもう国のやはり責任が生じている、約束なんだというふうに、先ほどのお話だとそういうことになるかと思うんですが、この点いかがでしょうか。
藤岡毅
49
○
参考人
(
藤岡毅
君) もう先ほどその点についてはかなりはっきり申し上げたとおり、国約ですということで、国の約束を守っていただきたいということです。
小池晃
50
○小池晃君 ありがとうございます。 さらに
参考人
は、この資料の二十六ページで、
権利
規定が非常にされていないと、設けられていないという問題点を指摘をされています。 やはり
サービスメニュー羅列法
から
権利保障法
へと、
障害者
の
基本的人権
を保障し、その行使を
支援
する
法律
に転換することが大事だというふうにおっしゃっているわけですが、具体的にこの
権利
規定についてどのようなことが必要かというふうにお考えでしょうか。
藤岡毅
51
○
参考人
(
藤岡毅
君) 現在の
総合支援法
が
権利保障法
になっていないということを例えば検証する
一つ
として、移動
支援
が挙げられると思うんですね。今の
法律
では、七十七条の
地域生活
支援
事業
をやりましょうという中で
幾つ
かの
事業
が羅列されていて、第一項八号に六文字で移動
支援
事業
と、ただ六文字書いてあるだけなんですよね。一体これは何のために何をすればいいのかということが何にも書いていないんですよね。 そうではないはずで、
障害
を持った人は
社会生活
上の移動の自由が奪われていて、それを保障することによって
社会生活
に参加するんだという、まず移動の自由、
権利
というものが保障されなければいけないということを法の総則部分、骨格、基礎部分に書かなければいけないですよね。それに基づいて、実際にどういう施策、
事業
をやりますかというのは各論として提示する、そういう構造にするべきなんですね。それがなっていないということで、じゃ、どうすればいいのという答えは
骨格提言
にあると思うんですね。 私、手元に今、百二十一ページの
骨格提言
、二〇一一年の
骨格提言
を持ってきているわけですけれ
ども
、これを条文化、法制化すればいいわけですね。私の配付資料でいうと、二十六ページに、
地域
で自立した
生活
を営む
基本
的
権利
の保障規定を設けなさいということを
骨格提言
が言っていて、実際に七項目あるいは支給決定に関しての数項目の具体的な規定が提案されていますので、こういうものをしっかりと総則部分に書き込んで、それに基づいて各施策を書くということをすればいいと思うんですね。実際上、もうここにある種の答えはあるわけですから、二〇一一年の
骨格提言
を法制化するという
方向性
を確認していただきたいんですね。 実際は法の条文化に落とし込む作業について官僚の皆さんに丸投げをしてしまっていますので、そこが問題だと思うんですね。だとしたら、
権利条約
を
実現
するための
骨格提言
法制審議会みたいなものを例えば内閣府の下につくるなりして、できればそういうメンバーは
障害者
の
支援
を頑張っている
弁護士
とか
法律
家、有識者あるいはそういう
権利
論に詳しい
障害当事者
の方に入っていただいて、そういうものを
骨格提言
の具体的
法案
化という作業をすればいいと思うんですよね。 もしそれができないというのであれば、
障害者
権利条約
推進議連ってあるじゃないですか、超党派で、そういう母体で、皆さん、
権利条約
を
実現
するということにはもう党派性なく一致されているわけですから、そうであれば、先ほどのようなものを議員連盟の部隊としてのチームにして
法案
化作業をして、議員立法で
国会
に提出するなりして、あくまでも
権利条約
を
実現
するための
骨格提言
法案
化というものを徹底してやっていただきたいということを改めて強く求めたいと
思い
ます。
小池晃
52
○小池晃君 大事な指摘ありがとうございます。 それから、先ほどちょっと時間の
関係
で余り触れていただかなかった部分で、自立
支援
医療の低所得者無償化がほごにされているという、これも私、今度の
法案
の非常に重要な問題点ではないかなと思っているんですが、この点について、先ほどお話しいただけなかったことも含めてお願いできますか。
藤岡毅
53
○
参考人
(
藤岡毅
君) これは、二〇一一年以降、毎年約束いただいていたんですけど、毎年裏切られてきているという
経過
があります。 難病法が成立する過程において、政府が、自立
支援
医療についての負担というのはもうこれで固定されているんだということで、あれに合わせましょうということで、現行の自立
支援
医療を無償化することを
前提
でなくて、今有料化しているんだからということで無償の難病者が有料化に引き上げられたという
経過
が今回あったんですね。 これはまさに
基本合意
の趣旨を損なう話ですので、そういう
議論
というのは本当に本来やめていただきたいですね。あくまでも
基本
に立ち返っていただいて、自立
支援
医療の低所得者無償化の
実現
というのは合意ですので、約束は果たしていただきたいと
思い
ます。
小池晃
54
○小池晃君 ありがとうございます。 さらに、
介護保険
優先原則の問題なんですが、先ほど原理原則として、
社会
保険原理と
社会保障制度
というか、これは異なるんだという、そういうお話がありました。保険原理と相入れないんだと。それに加えて、判例やあるいは学説という点から見て、
介護保険
優先原則というのがやはり誤っているんだという辺りの御指摘、先生されていると思うんですけれ
ども
、そこをお話しいただけますでしょうか。
藤岡毅
55
○
参考人
(
藤岡毅
君) いや、ちょっとこの場では、二十三ページ、二十四ページにいろいろ書いていますので、ちょっとそれを今ここで解説するのは時間がないので難しいと思うんですが、現場では
重度
訪問
介護
と
介護保険
の訪問
介護
というものが一緒じゃないかということで優先原理で困っているという現実があるんですが、私から言わせると、マラソンで例えるんであれば、
重度
訪問
介護
というのは六時間以上、八時間以上を見守るという、オーダーメードで一人一人のペースで、マラソン、市民ランナーがゆっくり走るので、それを見守りますよという
制度
なんですね。
介護保険
の家事援助等の居宅における訪問
介護
って、もうストップウオッチを持って、二十分、三十分の間に、やれ洗濯をやりましょうというような、非常に慌ただしくて、既製品であって大量生産に合うような、そういう二つの全く違う、異なるものなんですね。 短距離走と市民ランナー、これを一緒くたにせよというのが今の
介護保険
優先原則のイメージなんですね。そういう根本的に間違ったことはやめてほしいということを御説明させていただきます。
小池晃
56
○小池晃君 ありがとうございました。終わります。
東徹
57
○東徹君 今日は五人の
参考人
の皆さん、大変お忙しいところお越しいただきまして、ありがとうございました。また、
岡部
参考人
におかれましては、ここまで来るのも大変なことだと
思い
ますけれ
ども
、お越しいただきまして本当にありがとうございます。 まず最初に、
佐藤参考人
の方にお伺いをさせていただきたいと
思い
ます。
佐藤参考人
の方から話がありました
介護保険
との
関連性
ということで、たしか十年以上前でしたでしょうか、
介護保険
と
障害者
とを
統合
するようなたしか
議論
もあったかというふうに私も記憶をいたしておりますけれ
ども
、私も
介護保険
と
障害者
とを
統合
していく上でのいろんな問題点もあるのかなとは
思い
ますが、
佐藤参考人
のその辺の
基本
的なお考えとかお聞かせいただければと
思い
ます。 〔
委員長
退席、理事羽生田俊君着席〕
佐藤進
58
○
参考人
(
佐藤進
君) このことに触れる
機会
をもう一度与えていただいて、ありがとうございます。 今おっしゃった十年ほど前というのは、恐らく
支援費制度
が崩壊した後に、今後どういう体制の立て直しをするかということで、私もその当時その
議論
に参加しておりましたけれ
ども
、すぐにはできなくても、長い将来を見れば、総合的な
支援
制度
、
介護保険
と
障害福祉
、これ
制度
でいうと別々ですけれ
ども
、
高齢
の
障害
がある方とそうでない
障害
のある方の
支援
を
一つ
の文脈の中でやるべきではないかということで、これはそもそも
介護保険
が始まるときからそういう
議論
があったと聞いているわけですけれ
ども
、そのことかと
思い
ます。 私は、その
議論
以来ずっと一貫して、残念ながら少数派でありましたけれ
ども
、これは一体的な
運用
、
統合
という言葉を使ってもいいと
思い
ますけれ
ども
、そういう方向で将来を展望すべきだということを繰り返してまいりました。 〔理事羽生田俊君退席、
委員長
着席〕 私事になって恐縮ですけれ
ども
、私の母、九十六歳になりますけれ
ども
、八年前に脳梗塞で倒れて、現在要
介護
三で、今はやりの
介護
離職を、私も五年前に大学を少し早めに退職いたしまして、現在、親子二人暮らしなものですから
介護
に専念しておりますが、その母親が車椅子に乗って
生活
をするようになってこういうふうに言いました。この年になって、私
ども
関西の出身ですので、母親の言葉をそのとおり言いますが、この年になって
障害者
になってしまうなんて考えたこともなかったわと言ったんですね。 彼女にとってみたら、車椅子に乗るということは
障害者
という認識なんでしょう、きっと。その認識は私は間違っていないと
思い
ます。歩けなくなったことによって、彼女の
社会生活
も
日常生活
も非常に大きな制限を受けることになったわけですから、まさしく
障害者
になったわけです。 それらの姿も見ながら、なぜ六十五歳という年齢によって、あるいは六十五歳を超えてそのような
状態
になったか、あるいはその前からそのような
状態
であったかということで別々の
制度
で
支援
を受けなきゃいけないのかということに必ずしも合理的な根拠があるとは考えていませんし、これは釈迦に説法ですけれ
ども
、いろんな
制度
というのは恐らくはいろんな事情、制定当時の事情やいきさつでつくられるものだと
思い
ます。 不幸なことに、私からいえば不幸なことに、たまたま別々の
制度
になりました。そして、今それぞれが、
介護保険
の場合はもう二十年近くたつわけですが、
障害福祉
のその
制度
も
障害者自立支援法
以来もう十年以上
たち
ます。そうなると、それぞれの育ち方をしてしまって、なかなか一緒になるのが難しい。これはいろんな
理由
で、難しいと言うことはごく簡単なんですけれ
ども
、どうやったらお互いに利益のあるような
統合
をしていくかという発想になかなかならないんですね。もうそれぞれに応援団が付いちゃって、なかなかにそういうもう少し先を見た発想ができないということを大変じれています。 ちょっと長くなりましたが、
最後
に、現在
介護保険
の被保険者は三千三百万人を超えています。そのうち六百万人以上の方が、少しの方が
介護
ないしは要
支援
の認定を受けています。そして、五百万ちょっとの人がこの
介護保険
の受給者になっています。一方、それらの急増に対して、
介護保険
は、当初三・六兆円で出発したものが総費用で十兆円を超えるところまでなってきました。
統合
に反対する
障害者
団体の方が
障害者部会
のときに、あんな保険と一緒にされたらたまらぬというふうな趣旨をおっしゃいました。しかし、現実にあんな保険と言われるところに五百万人以上の人がいる。本当にこの人
たち
がそれぞれの費用を全部使ったら現在の倍ぐらいは掛かる。多くの人
たち
が、やっぱり多分、経済的な
理由
が主なんでしょうけれ
ども
利用
を差し控えているということで、支給限度額を超えて
利用
している被保険者は全体の一%にすぎません。うちの母親も、私がこのような形でまだ多少
社会
参加をするために、はるかに上限を超えて
介護保険
のヘビーユーザーでありますけれ
ども
、そのようにできる者は全体の一%にすぎないということを考えますと、やっぱり今の
介護保険
だって本当に多くの
障害
のある
高齢者
を
支援
するものとしては不十分だと。そして一方、先ほど来批判のあります
障害福祉
、私もそう
思い
ます。今で十分だとは全然思っていません。 この両方をやっぱり我々は解決しなきゃいけないというふうに、我々というのは
福祉
関係
者という意味ですけれ
ども
思っていて、有力な選択肢として、この両方を一体的に
運用
して
社会
保険
制度
として
財源
を安定させていく、多くの
国民
が互いに支え合うということを
実現
していくということを目指していきたいと思っています。 長くなりましたが、以上です。
東徹
59
○東徹君 ありがとうございました。 大変大きな問題ではございますけれ
ども
、考えていかなきゃならないというふうに私も
思い
ます。
岡部
参考人
に一点だけお聞きしたいことがございます。 それは、今日のお話の中にありました経管栄養のお話がありました。たんの吸引は、
平成
たしか二十四年でしたか、
介護
職の方でもできるようになりましたけれ
ども
、経管栄養の接続は医療職に限るということですけれ
ども
、このような事例というのは経管栄養の接続以外にもほかにあるのかないのかだけ教えていただければと
思い
ます。
岡部宏生
60
○
参考人
(
岡部
宏生
君)(陳述補佐) たくさんあります。
東徹
61
○東徹君 ありがとうございます。 たくさんあるということであれば、今お聞きしてもよろしいでしょうか、それとも。
岡部宏生
62
○
参考人
(
岡部
宏生
君)(陳述補佐) 金澤さん、どうですか、後ほどにしましょうか。 今言われたように、金澤です、医療と
障害
というか、
福祉
の境界というかボーダーラインにあるものは幾らでもあります。在宅で
生活
している者はその境がなく、切れ目なく、何というか、
対応
が必要なんですよね。そこに関してはいろいろとその医行為とは何かというのがありますけど、例えば今の経管栄養なんかにしても、例えば普通の栄養注入はヘルパーさんはいいけれ
ども
、薬を食後に入れるのは看護師じゃないと駄目とかであって、そういうものができなくて何とかならないかとか声も上がったりしています。 そういうことを含めて、やはり言いたいことは、在宅で
生活
まで療養している者にとっては、医療とか
福祉
とか、そういう担当のあれは
関係
ないといいますか、連続しているんです。そこがスムーズにできるようにしてほしいというのが
基本
的な趣旨です。
東徹
63
○東徹君 ありがとうございました。 それでは、
清原
参考人
の方にお伺いをさせていただきたいと
思い
ます。 本当に、
当事者
を入れて
障害者
福祉
に取り組んでおられるということで、大変そういう
取組
に対して
評価
をさせていただきたいというふうに思っております。
清原
参考人
の方からお話がありました、これからの
障害者
福祉
も
地域
包括でやっていくべきではないのかというふうなお話もありました。今、
地域
包括は
高齢者
の
介護
になっておりますけれ
ども
、そういうふうなことを思われる
理由
を少し教えていただければと
思い
ます。
清原慶子
64
○
参考人
(
清原
慶子
君) ありがとうございます。 三鷹市では、特に
高齢者
の医療、
福祉
の連携のために、多職種連携という
取組
をこの数年してまいりました。その中で、
高齢者
の
介護
という、
対象
者の中には
高齢者
になられてから
障害
がある立場になられた方がいるということで、先ほど
佐藤参考人
がおっしゃったとおりの例はございます。したがって、
高齢者
の
介護
あるいは
福祉
を考えていく中に
障害
の問題に直面します。また、
障害者
の
皆様
に
福祉
サービス
をさせていただく中で
障害者
の
高齢
化という問題に現場では直面しています。 したがって、この
高齢者
福祉
と
障害者
福祉
というのは、まさに現場ではもう、何というんでしょうか、同時に存在する問題ですし、お一人の方を
対象
にしても生じることです。したがって、私
たち
は、医療と
福祉
と
介護
という
サービス
の境目をいかに
利用
される方にはお感じにならずに適切な
支援
をさせていただくかということが痛切な問題意識です。 そこで、先行して、
高齢者
の
福祉
の場合には三鷹市でも多職種連携をしておりますし、今年度は在宅療養の研究会も、医師会、歯科医師会、薬剤師会、
関係
団体の
皆様
、そしてもちろん職員も入りながら本格的にスタートいたします。そうであるならば、
高齢者
の中に
障害
のある方もいらっしゃいますし、
障害者
の
高齢
化が
課題
になるならば、先行して研究、実践をしつつある
高齢者
の
地域
包括の
取組
を是非
障害者
の
取組
にできないかと思っています。 一例だけ御紹介しますと、三鷹市では七つのコミュニティー住区に七つの
地域
ケアネットワークというのを市民の
皆様
主体につくっていただいていて、その構成メンバーは、医師会、歯科医師会、薬剤師会、あるいは
障害者
支援
センター、
高齢者
の
福祉
事業所
とか商店会が入ったり学校が入ったりするような、まさに多様なメンバーで
地域
ケアネットワークをつくっておりますときに、当初は
高齢者
の寄り添いや
支援
がテーマでしたが、今後、そのネットワークの中で、実は
障害
のある方の御
支援
あるいはまさに出産して子供、子育てでお悩みの方などの
支援
というものがテーマに表れています。 したがって、
制度
として、もう古いテーマですが、
福祉
と医療と保健との連携をするとともに、
高齢者
福祉
と
障害者
福祉
については、是非私
たち
も実効性のある
制度
を包括的に考えていくことが望ましいのではないかと感じているところです。 以上です。
東徹
65
○東徹君 ありがとうございました。終わります。
福島みずほ
66
○
福島みずほ
君 社民党の
福島みずほ
です。 今日は、五人の
参考人
の皆さん、本当にどうもありがとうございます。わざわざ時間を割いてくださいましたことに感謝を申し上げ、とりわけ
岡部
参考人
、ここまで
国会
に来られるのもなかなか大変だったかもしれませんが、介助者の皆さんも含め、本当にどうもありがとうございます。 まず、
岡部
参考人
にお聞きをいたします。
障害者差別解消法
が四月一日から
施行
になりました。重要なのは合理的配慮だというふうに
思い
ます。
障害者差別解消法
の合理的配慮はどうあるべきだとお考えでしょうか。
岡部宏生
67
○
参考人
(
岡部
宏生
君)(陳述補佐) 合理的配慮は、様々な
障害
について
対応
できることが十分に配慮されることだと
思い
ます。例えば、私のようなコミュニケーション
障害
がある場合の具体的な例えにつきましては、先ほど
発言
させていただきました、上手な通訳を二人そろえるなど個々の項目のことですので、共通の回答とさせていただきます。 以上です。
福島みずほ
68
○
福島みずほ
君 実際、コミュニケーションのやり方も含め、きちっと陳述をしていただいたことに心から感謝をいたします。私
たち
にとっても非常に
理解
が深まったというふうに
思い
ます。 では次に、
岡部
参考人
にお聞きをいたします。 六十五歳から
介護保険
の適用が優先となることの問題点について、改めてどうお考えでしょうか。
岡部宏生
69
○
参考人
(
岡部
宏生
君)(陳述補佐)
介護保険
の提供できる
サービス
と
障害者総合支援法
の
重度
訪問
介護
で提供できる
サービス
には、同じような
サービス
から
介護保険
では実施できない
サービス
も多くあります。私
たち
のように長時間
介護
を必要とする者にとっては、
介護保険
と
重度
訪問
介護
を一人のヘルパーさんがまたいで
サービス
を提供することは普通にあることです。そのときに
サービス
を区切って提供することは、極めて効率が悪くなったり
サービス
の途中でやめられずに困ることが発生したりします。 また、
介護保険
優先は
法律
の中で位置付けられていますが、その中には個別の事情や
介護保険
で実施できないことについては個別に
対応
を考慮することが厚労省の通達で示されていますが、各自治体によってはそういう配慮はなされておらず、患者は
理由
について苦労をしています。 以上です。
福島みずほ
70
○
福島みずほ
君
藤岡参考人
にお聞きをいたします。 論文に「六十五歳以上
障害者
の「
介護保険
優先原則」が生み出す
権利
侵害」として書いていらっしゃいます。この問題点についてどうお考えかが一点目です。 二点目の質問は、
基本合意
で
介護保険
との
統合
を
前提
とせずとあるのですが、
介護保険
との
統合
が将来されるのではないかという
危機感
も持っております。衆参で今回、
岡部
参考人
の来ていただくことについて態度が分かれたわけですが、
衆議院
は、六十五歳以降も
障害者
福祉
サービス
が使えるようにしてくださいという請願が、この部分は駄目だということで、請願が受け付けられていないというふうにも聞きました。参議院では受け付けられています。ということは、
障害者
福祉
サービス
が六十五歳以降使えなくなってしまうんではないか、これはまさしく将来、
介護保険
との
統合
ということをとても念頭に置いて実はこの
法案
も進んでいるんではないか、この二点についての御
意見
をお聞かせください。
藤岡毅
71
○
参考人
(
藤岡毅
君) 福島先生の質問の意図に必ずしもちゃんと的確に答える自信はないんですけれ
ども
、まず、六十五歳問題ということで、時間もない中で
一言
で言うと、やはり
基本合意
に書いてあることは、
介護保険
優先原則、七条自身をやっぱり廃止をして、
介護保険
の方を優先するんだというもう所与の
前提
自体がおかしいという観点からの法
整備
を図るべきだというふうに考えます。その上で、
障害
の特性に配慮した選択制を実施するということによって、私は
介護保険
使わずに
障害福祉
法制一本でいくよと、あるいは私は
介護保険
も使いたいわという
両者
の方が保障されるような法
整備
にするべきだというのが
基本
的な考えです。 その論文に書きましたように、優先原則自体が非常にいろいろなゆがみ、ひずみを生み出して、
全国
各地でいろいろな紛争、被害を引き起こしています、裁判になっているのも二件ありますし。こういう事態をなくすために、
基本合意
にのっとった法
制度
改正
をするべきだということです。
統合
論が今回の
法案
の中で潜んでいるんではないかという辺りについては、私の方でどこまで言えるのか分かりませんけれ
ども
、先ほどこの三十三ページのペーパーで言いましたとおり、一見すると小さなことだけれ
ども
、もろ刃があるんですよね。六十五歳以上の方の
介護保険
利用
の場合の一割負担を軽減するという措置、目の前のことだけ見ると、確かにそういう方にとっては費用負担が減っていいよねという指摘もあるわけですけど、他方で、じゃ、六十五歳になったって
介護保険
使うことに何のデメリットもないんだから、あなた
たち
介護保険
使いなさいよということで、私が六十五歳問題の論文で書いたように、六十五歳になった途端に
障害福祉
課長から、あなたはもう六十五歳ですから自動的に
介護保険
に移行しますので、
障害福祉
サービス
のホームヘルプ
サービス
は誕生日の翌日から打ち切りますというような通知があちこちで出ているという現実があるんですね。 だから、そういうような
方向性
というのがもっと悪化するんではないかという危惧もあるということは言えると
思い
ますので、メリット、デメリットあるんだけれ
ども
、余り目の前のことだけを見ていると大きな視点で見たときに過ちになるんではないかということだけ指摘させていただきます。
福島みずほ
72
○
福島みずほ
君 長期間、これは五年間と言われていますが、
障害者
福祉
サービス
を受けていないと、六十五歳後、低所得者であっても
介護保険
サービス
の軽減を受けられません。例えば、六十二歳で発症した場合、六十五歳になって
介護保険
サービス
を受ける場合に軽減措置を受けられないとうことになります。
藤岡参考人
、このことについてどうお考えでしょうか。
藤岡毅
73
○
参考人
(
藤岡毅
君) その軽減措置自体の妥当性云々というのを、それほど私ここで
意見
を言いたくないんですね。そもそも、その軽減措置自体、確かに表面的にはいいところがないとは言えないんだけれ
ども
、本質的に考えた場合に、そういう
方向性
ばかり探求する法
改正
をしていると、本当に小手先の改革の末に変な方向に行ってしまうんじゃないかというのがありますので、じゃ、例えばその
対象
者をどんどんどんどん増やしていけばいいというような考え方に私は立ちません。
福島みずほ
74
○
福島みずほ
君
藤岡参考人
にお聞きをいたします。 四十歳で
介護保険
サービス
と
障害者
福祉
サービス
の両方を受けている場合にどのような問題があるとお考えでしょうか。
藤岡毅
75
○
参考人
(
藤岡毅
君) 特定疾病の方の問題ですかね。ALSの方のように、
障害者
、
介護
と両方使った場合の問題という意味では、まさに四十歳直前ぐらいで発症したようなALSの方というのは当然今回の
法案
でも軽減
対象
にならないということにはなるかと
思い
ます。
福島みずほ
76
○
福島みずほ
君
岡部
参考人
にお聞きをします。これはちょっと事前に質問通告として出していないので、お答えになられる限りで結構です。 今日、
参考人
として来られて
発言
をしていただいて、そして、合う介助者の人に巡り合えるというのも、非常にラッキーというか、やっぱり長い間のコミュニケーションの成果だというふうにも思っています。その意味では、他のALSの人
たち
の悩みも非常に大きいのではないかと
思い
ます。 今日、残りの時間、こういうことを是非
厚生労働委員会
として取り組んでほしいということがあれば、是非お伝えください。
岡部宏生
77
○
参考人
(
岡部
宏生
君)(陳述補佐) まさに御指摘のとおりです。
一つ
だけ申し上げます。
介護
者の不足について
課題
としてほしいです。特に、このような特別な技能を持った
介護
者の待遇は全く位置付けられていません。 以上です。
福島みずほ
78
○
福島みずほ
君 ありがとうございます。 次に、
清原
参考人
にお聞きをいたします。 今日、保育所等訪問
支援
の
支援
対象
の拡大について、実は未実施のところが多いことと報酬単価を上げることの必要性について話をしていただきました。確かにまだまだ少ないということがよく分かりました。
障害
のある子供の保育の問題について
委員会
で質問しております。なかなか実態
調査
を今までしていなくて、
厚生労働省
はこれから実態
調査
をしますと約束をしてくださいました。 ですから、訪問
支援
も必要なんですが、保育士さんの加配やいろんなことも本当に必要で、現場の市長さんとして、まさに
障害
のある子供の保育問題などについて
提言
を是非よろしくお願いします。
清原慶子
79
○
参考人
(
清原
慶子
君) 御質問ありがとうございます。 御指摘のように、
障害
のある子供もない子供も、共に保育園あるいは幼稚園あるいは学校教育で学ぶということはとても重要なことです。ただ、実際、保育園で
障害
のあるお子さんをお引き受けする場合、これ学童保育でも共通ですが、保育士あるいは指導員には適切な
障害
に関する知識、
理解
が求められます。また、
障害
のあるお子さんでも個性が豊かでございますから、同種の
障害
でも多様でございます。したがいまして、まず保護者の
皆様
との信頼
関係
、そしてお子さんの
理解
、また保育園での各年齢層で分かれたときの相互の
子供たち
との
理解
など、より専門性が問われてくると
思い
ます。 先ほど加配であるとか報酬の問題を御提案いただきまして、ありがとうございます。教育現場でも教育
支援
の充実ということでそうしたことが
検討
されているようでございますので、今後是非、保育園の
取組
も保育所等訪問
支援
の中の一環として考えていただければと
思い
ます。そして、こうした
障害
児の保育もできる保育士の人材育成について大学や専門の養成校に
支援
もしていただきたいですし、自治体も公立保育園だけで成り立っておりません、民間の保育園等の
理解
やまた
支援
も必要だと
思い
ますので、子
ども
・子育て
支援
新
制度
の中に改めまして
障害
児に対する保育について確固たる位置付けをしていただくことは大いに期待し、また感謝したいと
思い
ます。よろしくお願いします。
福島みずほ
80
○
福島みずほ
君
障害
のある子供に関して、訪問
支援
だけではなくて、保育、幼稚園からしっかり応援できるように
国会
の中でも取り組んでいきたいというふうに思っています。 本日は、本当にお忙しい中、とりわけ参議院で
岡部
参考人
の陳述をしていただいたことに心から感謝をいたします。どうもありがとうございました。
薬師寺みちよ
81
○
薬師寺みちよ
君 無所属クラブの
薬師寺みちよ
でございます。 本当に今日は、様々私
ども
も勉強させていただきますことを心からお礼申し上げます。 まず、
岡部
参考人
にお伺いをさせていただきたいと
思い
ます。 私もALSの友人がおりまして、いつも私がテレビに映るのをとても楽しみにしてくれております。今使えるツールといったらパソコンだけで、でもそのパソコンから本当に短い言葉で的確な指摘をしてくれる、私も本当に勇気を与えてくれる友人の一人でございます。そんな中で、私、今回、
岡部
参考人
がこのように大変な中、様々行動に出てくださったことということで、大きく
社会
が変わるんではないかという期待をいたしております。 今回、このような大きな働きかけをし、そして外界に対して新たな何か窓口を開かれたということに関して、御自身でどのようにお考えになっていらっしゃるのか、済みませんけれ
ども
、御
意見
をいただきたいと
思い
ます。
岡部宏生
82
○
参考人
(
岡部
宏生
君)(陳述補佐) 私はたまたまこういう役割に当たったので、
社会
の中にいろいろな人がいて様々な
障害
もあることを知ってもらう
機会
になって、それが
障害
を持った人もそうでない人も共に暮らせるようなことの
一つ
のきっかけになってほしいと
思い
ます。 私が忘れてはならないと思っていることに、私のような病気や
障害者
の中には、頑張って
社会
活動をしたくても身体的な問題あるいは環境の問題などから活動できない人もいるということです。それを考えたときに、私は
自分
の役割が
理解
できるような気がします。 以上です。
薬師寺みちよ
83
○
薬師寺みちよ
君 ありがとうございます。 私は、その
障害
、私も医師でございますので、病気を持った
皆様方
というものが少しのサポートで、いろんなこと、可能性が広がっていると考えております。 愛知にもコロニーといった
障害者
の
施設
がございまして、その中でも、ふだんはコミュニケーション取れないんですけれ
ども
、その方がパソコンを打つということを数年にわたって大変努力をして覚えてくださいまして、すばらしい詩を描かれるんですね。それに、周りの
介護
をしていらっしゃる
皆様方
も、私
ども
も、本当にその方々にも励まされていることということはここでも
皆様方
に披露させていただきたいですし、本当に
障害者
という概念自体がまず本当に古いんではないかと、
障害者
というよりも、
社会
の中で少しサポート、
支援
が必要な方というふうに私は受け止めるべきだと考えております。 その中で、いろんなことを、今日は質問も準備してまいりましたけれ
ども
、
岡部
参考人
に対しましてもう一問お願いしたいと
思い
ます。
介護保険
そして
重度
訪問
介護
の垣根というもの、先ほどから様々な
委員
からも質問が出ていることだと
思い
ます。やはり、今回のように
国会
に来る、その
一つ
だけでも大
事業
だと思っております。日頃にはない
サービス
も
利用
しなければなりません。その中で、
社会
常識的な通念に反さない範囲で、またヘルパーさんが可能な範囲で、様々な
サービス
を提供できるということを更に
支援
をしていかなければならないと思うんですけれ
ども
、使い勝手が相当良くなると思われるような、やっぱりこの自由度を更に持たせるといったこの考え方について御
意見
をいただけますでしょうか。
岡部宏生
84
○
参考人
(
岡部
宏生
君)(陳述補佐) 全く御指摘のとおりです。
介護保険
と
障害者
サービス
の
利用
については、
整合性
の
検討
をする
仕組み
が必要です。 そのために、自治体に任せる前に国としての
検討
が必要だと
思い
ます。 以上です。
薬師寺みちよ
85
○
薬師寺みちよ
君 貴重な御
意見
ありがとうございました。 それでは、阿
由葉参考人
にお伺いをさせていただきたいと
思い
ます。 私も産業医として
障害者
の
就労支援
をする立場でもございます。その中で、先ほど
意見
をいただきましたように、どうしても企業と
事業所
のミスマッチというものが発生をしている、これは肌感として感じております。 無理をしないような就労でしたり、受け手側の体制を更に
整備
をしなければならない中で、どのような抑制策というものが考えられますでしょうか。なるべくお互いウイン・ウインの
関係
を抱きながら、しっかりと就労していただけるような
環境整備
というものが必要だと思うんですが、御
意見
くださいませ。
阿由葉寛
86
○
参考人
(阿
由葉寛
君) 企業ですね、
一般就労
をしていただくということは大変重要なことで、そのために何が必要なのか。これは、やっぱり能力によって、それが
障害
のある方の能力だけでもなくて、企業の持っている力によって
一般就労
できることがたくさんあります。 ですから、
障害
の云々だけではなくて、企業にもっといろんな形での
整備
をしていただくと。いろんな
整備
、それは単に給付費を払って
障害
のある方を雇用したらお金をもらうことではなくて、そのための
環境整備
、そこにきちんとした企業が努力をしていただく、それに対しての補助金等も今あると
思い
ますので、そういったものの
整備
が第一だというふうに
思い
ます。 そして、私
ども
、そういったことが難しくなった方、当然、
特別支援学校
を卒業して十年、一生懸命一般企業で働いた、でもその
経過
とともになかなか難しくなってこられる、また二十年という方もいらっしゃいます。そういった方をいかにどういうところで受け入れていくか。その方が、先ほ
ども
お話ししましたように、自宅に引きこもってしまうということではなくて、その方が新たにきちんと
福祉
の場で就労することができると、そういったことをきちんと進めるための
制度
を、今、国も一生懸命やっていただいていますけれ
ども
、私
ども
も連携して一緒にさせていただいております。それをより使いやすいものにしていく、企業を辞めたときにすぐその方が新たな
福祉
の場につながるというようなことが一番重要だと、
相談
支援
体制ですとか、そういったことを含め、その
整備
をより進めていただくことが重要だというふうに
思い
ます。
薬師寺みちよ
87
○
薬師寺みちよ
君 ありがとうございます。 また、その一方で、どうしても就労できないということで出入りする方も多いような
事業所
も見受けられます。私も、もちろん
一般就労
していただけるのであれば、なるべくその
方向性
というものは打ち出さなければならないんですけれ
ども
、例えばドイツやフランスにおきまして、就業者の
皆様方
の
事業
を行う上で、
施設
への業務発注分の一定割合を
障害者
の雇用数に算定をして、そこでいわゆる
収入
を得ることということを応援しようじゃないかという動きもございます。我が国においてはもちろんそのような扱いはしておりませんし、それを認めてしまうと、企業が雇用より発注の方に変えてしまうのではないかというような危険性もあるということも伺っております。 先ほ
ども
ございましたように、国としても
障害者
の
皆様方
の
施設
へ発注を掛けるということももう既に
法律
として定めているようなところもございますし、民間の
皆様方
にとってももっと幅広く応援をしていただきたいと思うんですが、この発注企業の実雇用率に算入するという考え方について、何かお考えございましたら教えていただけますでしょうか。阿
由葉参考人
、よろしくお願い申し上げます。
阿由葉寛
88
○
参考人
(阿
由葉寛
君) 雇用率、
日本
の雇用率自体が残念ながら諸外国に比べて低いということがあるというふうに
思い
ます。雇用率、雇用すべきことが非常に低いという問題があるというふうには思っております。 ただ、そういった中で、
企業等
からそういった
施設
に発注していただくということも大変重要なことだというふうに思っております。どうすればいいのか。一定の雇用率の下に、ある程度の雇用率が達成できればそれ以上のところはそういう発注によってその部分を補えるような、そういう
制度
ができると非常にいいのではないかというふうに、これはあくまでも個人的な
意見
ですけれ
ども
、私はそういうふうに思っております。
薬師寺みちよ
89
○
薬師寺みちよ
君 ありがとうございます。 私もそういう考えでございまして、例えば
就労支援
B型のようなところにおきましても、多くの
皆様方
に自立してもらうためにもしっかりとした
収入
を得ていただきたいなという
思い
で今日は質問させていただきました。ありがとうございます。 では、
清原
参考人
にお伺いさせていただきたいと
思い
ます。 先ほ
ども
おっしゃいましたように、
改正
が行われるのはいいんですけれ
ども
、次から次へと新しいものが生まれてきて、継ぎはぎ感というものがどうしても私否めないのではないかと。 私がおります就労の例
一つ
取りましても、なかなか、同じような業務を行いますので、ジョブコーチングがあるじゃないか、じゃ、ハローワークに
相談
に行ったらいいじゃないかということで、もう多職種の
皆様
が同じような役割を果たし、そして専門性をなかなか生かせないでいるということも感じております。そのことにつきまして、そろそろ
日本
においても、
福祉
、医療という専門家から労働の市場の専門家、様々な専門家が総合的なリハビリテーション体制というものを取って、それを就労につなげていくというようなことを取り組んでいくべきだと思うんですけれ
ども
、現場にいらっしゃって何か御
意見
ございますでしょうか。
清原慶子
90
○
参考人
(
清原
慶子
君) 御質問ありがとうございます。 働くということは大変重要な営みでございます。私も
障害者
の
就労支援
をしている
事業所
等を度々お訪ねするんですが、働いている方は、
工賃
には多少の御不満があったとしても本当に生き生きとされています。そして、通勤ということが生じているわけです。 また、三鷹市の
障害者
の基幹
相談
センターにおいても、やはり働くということに関して
思い
を持って御
相談
に来られる方には、先ほ
ども
意見
陳述で申し上げましたが、やはり
厚生労働省
は、
福祉
もなさるし医療もなさいますが、労働というのが付いているところが大変心強いところで、おかげさまで三鷹市にはハローワーク三鷹がございまして、いろいろなことで連携をしております。そして、実際に実績も上がっております。やはり、職業に就くための
支援
というのは、職業、就業の専門家と、そして
障害
理解
のある
障害者
支援
の専門家が一緒に協働してくるのが今までの段階でした。ですから、ジョブコーチであるとか専門家の方で両方お持ちの方がもちろん増えることは望ましいと思っていますし、働くということが
障害者
支援
の柱の
一つ
にしっかりと入っていく、そして、いずれのときにか所得で納税をしっかりしていただくような、そういうまさに保障が進んでいくことを期待しています。是非、労働、働く、雇用というようなことが
障害者
支援
の柱の
一つ
に、これまで以上に確固たるものになっていけば、
皆様
の意欲や自己
実現
につながるものと考えています。ただ、全ての
皆様
が必ずしもそうではありませんので、ここには
障害当事者
の立場に立った配慮を期待したいと
思い
ます。 以上です。
薬師寺みちよ
91
○
薬師寺みちよ
君 ありがとうございます。 時間になりましたので終わりたいと
思い
ますけれ
ども
、特に
岡部
参考人
におかれましては、もう本当に気温が上がってまいりまして、多分、体調管理というものも大変難しい時期に入ってこられたと
思い
ます。そんな中、連日
国会
においでいただきまして、私も本当に心から感謝申し上げます。今後とも、私
ども
厚生労働委員会
に更に厳しい目で御
意見
をいただけますことをお願い申し上げまして、質問とさせていただきます。 ありがとうございました。
三原じゅん子
92
○
委員長
(
三原じゅん子
君) 以上で
参考人
に対する
質疑
は終了いたしました。
参考人
の方々には、長時間にわたりまして貴重な御
意見
をお述べいただきまして、誠にありがとうございました。
委員会
を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。(拍手) 本日はこれにて散会いたします。 午後三時四十一分散会