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島村大君 私は、ただいま可決されました
社会福祉法等の一部を
改正する
法律案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会、公明党、維新の党及び無所属クラブの各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
案文を朗読いたします。
社会福祉法等の一部を
改正する
法律案に対する附帯決議(案)
政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。
一、社会
福祉法人の
経営組織のガバナンスを強化するには、評議員、理事等の
人材の
確保や会計監査人の導入等、社会
福祉法人にとって新たに様々な負担も懸念される。このため、特に小規模の法人については、今後も安定した活動ができるよう、必要な
支援に万事遺漏なきを期すこと。また、
人材の
確保が困難な
地域にある法人についても必要な配慮を行うこと。さらに、社会
福祉法人の適正な運営に必要な識見を有する
人材を育成するため、
自治体等が行う研修等の
取組に対して必要な
支援を行うこと。
二、
事業運営の透明性の
向上を図るため、
都道府県による財務諸表等の収集、分析及び活用並びに国による
全国的なデータベースの
整備に当たっては、一般国民、特に利用者が社会
福祉法人の
経営状況を了知でき、かつ、外部評価に耐えられる内容となるよう、分かりやすい評価尺度を作成し、公表すること。
三、いわゆる内部留保の一部とされる社会
福祉法人が保有する純資産の額から
事業の継続に必要な財産額を控除等した「社会
福祉充実残額」の算出に当たっては、社会
福祉法人の
経営に支障を来すものとならないよう、
事業の継続に必要な財産額が適切に算定されるようにすること。また、
政府統計等により把握される他
産業の民間企業の従業員の
賃金等の水準を所轄庁から所管法人に示すよう要請することにより、「社会
福祉充実残額」を保有する社会
福祉法人が社会
福祉充実
計画を作成するに当たって、当該
賃金等の水準を斟酌した上で、社会
福祉事業を担う
人材の適切な
処遇が
確保されていることを
確認することの重要性の周知を徹底すること。
四、
事業の継続に必要な財産額が
確保できない、財産の積立不足が明らかな法人に対しては、必要な
支援について検討すること。
五、
地域公益活動の責務化については、待機児童、待機老人への
対応等、本来の社会
福祉事業を優先すべきであり、社会
福祉法人の役割と
福祉の公的責任の後退を招くことのないようにするとともに、社会
福祉法人設立の主旨である
自主性と社会
福祉事業の適切な実施に支障を及ぼすような過度の負担を求めるものではないことを周知徹底すること。
六、社会
福祉法人の所轄庁については、指導監督等の権限が
都道府県から小規模な一般市にも委譲されていること、社会
福祉充実
計画の承認等の新たな事務が増えることから、所轄庁に対し適切な
支援を行うとともに、一部の
地域において独自の取扱いが散見されるとの
指摘があることに鑑み、また、指導監督が法定受託事務であることを踏まえ、指導監督に係る国の基準を一層明確化することで、その標準化を図ること。
七、社会
福祉法人の提供する
サービスの質の
確保に当たっては、高い能力を発揮する
人材の雇用及び
職員全体で職務を補い合う業務体制の確立が求められることから、社会
福祉法人において労働基準法、労働安全衛生法等の労働
関係法令の確実な遵守並びに業務に関する規程の
整備及び運用がなされるよう、所要の措置を講ずること。
八、現下の社会
福祉事業における
人材確保が困難な
状況に鑑み、
介護人材を始めとする社会
福祉事業等従事者の離職防止に資する措置を講ずるとともに、
介護報酬、障害
福祉報酬の
改定による影響を注視しながら、
職員の
処遇の
実態を適切に把握した上で、
人材確保のための必要な措置について検討すること。また、
介護人材の現状を正しく把握し、必要な
人材を養成・
確保するに当たっては、その量のみならず質についても適切に評価できる手法を検討すること。
九、社会
福祉施設職員等退職手当共済制度の公費助成廃止に当たっては、
職員確保の
状況及び本共済制度の財務
状況の変化を勘案しつつ、法人
経営に支障が生じないよう、障害者
支援施設等の
経営実態等を適切に把握した上で報酬
改定を行うなど必要な措置を講ずるよう検討すること。また、公費助成の廃止の対象となった法人のうち、本共済制度から脱退した法人及び新規
採用者を本共済制度の対象としない法人に対し、社会
福祉事業を担う
人材の
確保に当たって退職金が果たす役割の重要性の周知を徹底すること。
十、准
介護福祉士の国家資格については、フィリピンとの間の経済連携協定との整合を
確保する
観点にも配慮して暫定的に置かれたものであることから、早急にフィリピン側と協議を行う等の
対応を行うとともに、当該協議の
状況も勘案し、准
介護福祉士の名称、位置付けを含む制度の在り方について
介護福祉士への統一化も含めた検討を速やかに行い、所要の措置を講ずること。
十一、
介護職員の社会的地位の
向上のため、
介護福祉士の養成
施設ルートの国家試験義務付けを確実に進めるとともに、
福祉サービスが多様化、高度化、複雑化していることから、
介護福祉士が中核的な役割及び機能を果たしていけるよう、引き続き
対策を講ずること。
十二、将来的に
福祉職、
介護職に就く
人材を増やすべく、現在中学・高校教育における
福祉及び
介護に関わるインターンシップの体験率が必ずしも高くない
状況も勘案し、
関係府省と連携して、
福祉及び
介護に関わる基礎的理解と経験が得られるよう努めること。
十三、
介護職員の
処遇については、
介護・障害
福祉従事者の
人材確保のための
介護・障害
福祉従事者の
処遇改善に関する法律(
平成二十六年法律第九十七号)等により
処遇改善に関する措置が行われてきたことを踏まえ、
人材確保に支障を来さぬよう
処遇改善に資する措置など必要な措置を講ずるとともに、正規・非正規、フルタイム・パートタイム等にかかわらず、均等・均衡待遇を
確保するよう努めること。
十四、
介護職員が抱える心的・精神的負担に対する
支援については、
介護労働がいわゆる燃え尽き症候群を引き起こす例が見られることから、今後も必要な
調査を行うことにより
介護現場の
実態を適切に把握した上で、
産業保健等によるメンタル面からのサポートについて幅広い
観点から検討を行い、
施設の
労働環境を評価できる仕組みの構築を含めた所要の措置を講ずること。
十五、本法律による
改正後の社会
福祉士及び
介護福祉士法等の一部を
改正する法律附則第六条の四の規定に基づき、育児休業、
介護休業に準ずる休業を
厚生労働省令で定めるに当たっては、雇用は継続しているものの、やむを得ず
介護の実務に就くことができない場合、倒産や
事業の縮小・廃止等の本人の責めによらない離職の場合、疾病等により雇用されること自体が困難な場合など実務に従事できないことにやむを得ない理由があると認められる場合について、適切に配慮すること。
右決議する。
以上でございます。
何とぞ
委員各位の御賛同をお願い申し上げます。