○
委員長(
小泉昭男君)
速記を起こしてください。
これより
平成二十六年度
決算外二件、
昭和十九年度
朝鮮総督府
特別会計等歳入歳出決算及び
昭和二十年度
朝鮮総督府
特別会計等歳入歳出決算並びに
平成二十六年度
予備費関係等三件を一括して討論に入ります。
各会派の討論に先立ち、この際、御
報告いたします。
平成二十六年度決算についての
内閣に対する警告、
平成二十六年度決算審査措置要求決議案並びに
昭和十九年度
朝鮮総督府特別会計等決算及び
昭和二十年度
朝鮮総督府特別会計等決算審査措置要求決議案については、
理事会においての協議の結果、お手元に配付いたしましたような案文とすることに意見が一致いたしました。
それでは、警告の案文を朗読いたします。
内閣に対し、次のとおり警告する。
内閣は、適切な措置を講じ、その結果を本院に
報告すべきである。
1 大阪府警察管内の六十一警察署において、捜査書類及び証拠品が長期間放置された結果、約四千三百事件で公訴時効が成立していたことが明らかとなるなど、近年、警察捜査における捜査書類及び証拠品が適切に
管理されておらず、公共の安全と秩序の維持を担うべき警察に対する
国民の信頼が損なわれかねない事態が頻発していることは、遺憾である。
政府は、捜査書類及び証拠品が適切に
管理されるよう、警察職員の意識向上や業務監察の強化を図るとともに、証拠品等が適切に保存
管理できる体制を早急に構築し、事件未解決の要因とならないよう万全を期すべきである。
2 社会保障・税番号(マイナンバー)制度に関し、
平成二十八年三月末時点で二百十一万通の番号通知カードが交付されていないこと、本制度を
運営する地方公共団体情報システム機構において、多額の費用を投じて
整備したにもかかわらず、システムに度重なる障害が
発生し、個人番号カードの交付が著しく滞るなど
国民の信頼が損なわれていることは、極めて遺憾である。
政府は、本制度の開始段階において
運営業務に支障を来している事態を重く受け止め、システム障害を未然に防ぐことができなかった原因を究明し明らかにするとともに、再発防止策を策定するなどして、個人情報保護
管理体制の一層の強化にも配慮しつつ、
関係機関の
連携を十分に図り、個人番号カード等の交付の遅延を速やかに解消すべきである。
3
日本放送協会(NHK)の相次ぐ不祥事を受けて、本院が、
平成十八年六月に警告決議を行ったにもかかわらず、今般、NHK関連団体において、新たに架空発注等の不適正
経理が発覚し、再び
国民・視聴者の信頼を失墜させたこと、NHKに還元すべき子会社における
利益剰余金が近年逆に増加していることは、看過できない。
政府は、NHK関連団体における度重なる不祥事を重く受け止め、NHKによる徹底的な全容と原因の解明、
国民・視聴者への適切な
説明、関連団体の事業
運営に対する指導、監督の強化による再発防止の徹底を行うとともに、子会社等からの適切な還元の在り方についての検討を強く求め、
国民・視聴者の信頼を回復すべきである。
4
児童生徒等が一日の大半を過ごす活動の場であるとともに、自然
災害時には
地域住民の応急
避難場所としての
役割を果たす公立小中学校の施設において、建築基準法に基づく建築点検が六百九十四校で未実施であったこと、三年以上是正されていなかった要是正事項が一万百六件あったことなどが
会計検査院に指摘されたことは、看過できない。
政府は、近年の自然
災害の多発や公立
学校施設の老朽化の進展を踏まえ、全国の公立
学校施設における維持
管理状況を早急に調査するとともに、要是正事項の早期かつ計画的な是正等により、公立
学校施設の安全
確保に万全を期すべきである。
5 独立行政法人
日本スポーツ
振興センター(JSC)が行った新国立競技場の設計業務に係る契約事務等において、会計規則に違反して、契約締結日から最大九か月後に契約担当役の記名押印が行われていたこと、契約書に記名押印がないまま伝票が作成され支払が行われていたことが
会計検査院に指摘されたことは、遺憾である。
政府は、
我が国のスポーツ
振興の中核を担うJSCが不適正な業務処理を繰り返していたことを重く受け止め、会計手続の確認体制の
整備やコンプライアンスの徹底の観点から再発防止策を確実に実施させ、JSCの業務体制を抜本的に改善させるべきである。
6
平成二十四年の関越道高速ツアーバス事故を受けて、国土交通省において、貸切りバス乗務員の労務
管理等の見直しなどの
対策を講じてきたにもかかわらず、二十八年一月に長野県軽井沢町において貸切りバスが
道路下に転落し、多数の犠牲者を出す重大事故が再び
発生したことは、極めて遺憾である。
政府は、重大事故により尊い人命が失われたことを重く受け止め、貸切りバス事業者に対する監査体制を強化するとともに、法令違反の状態を迅速に是正・改善させる仕組みの構築を図り、旅行業者等との取引環境の適正化等に努めることによって貸切りバスの安全
確保と事故の再発防止に万全を期すべきである。
7 独立行政法人
都市再生機構が行う千葉ニュータウン北環状線事業に関連して、補償業務等を担当していた同機構の複数の職員が、利害関係者から飲食等の接待を受けていたこと、また、同機構が実施した内部調査において、その不適切
行為を明らかにできなかったことは、遺憾である。
政府は、同機構職員による不適切
行為があったことを重く受け止め、同機構に対し、事業実施体制の見直しやコンプライアンス意識の向上を図らせるとともに、事実関係の十分な検証に基づいて再発防止策を講じさせるべきである。
8 三菱自動車工業株式会社が、国土交通省に提出する燃費試験データを意図的に改ざんしていたこと、また、少なくとも二十五年前から関係法令の
規定とは異なる方法により燃費試験を実施していたことが明らかとなるなど、自動車
検査制度の信頼性が著しく損なわれたことは、看過できない。
政府は、自動車メーカー各社に対して、コンプライアンスの徹底、同種事態の再発防止を図るよう指導するとともに、不正防止に向けた
検査体制の強化、燃費試験における
検査方法の見直しなどを行い、適正かつ公正な自動車
検査体制を構築すべきである。
以上であります。
議決案はお手元に配付のとおりでございます。
それでは、御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。