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参考人(
吉田耕三君) 公益法人やNPOで官民の
人材が協働するというか、一緒にいろいろなことをしていくというのは大変有意義なことだろうと思います。
しかしながら、
公務員が公的なセクターといえども
行政以外で働く場合に、言わば給料を国からもらって働くということになりますと、言わば税金による
給与を受けながら
行政以外に従事するということになりますので、一定の制約があるところであります。
交流の方法については、今
先生お話がありましたように、二十六年の官民
人事交流法の
改正で、従来は
民間法人だけだった、
民間というか、営利法人への派遣ということだったわけですが、これを公益社団法人であったり特定非営利活動法人等も対象に含まれることになりました。しかしながら、これはそれぞれ派遣先の団体の
業務に従事するものであって、国からは
給与は支給せず当該団体から
給与を受けるという、そういう仕組みでございますので、今
先生言われたような給料を補填してということだとこのスキームは使えないということになります。
次に、今
お話しの
研修ということですけれども、
研修というのは、
国家公務員をそこの職場に送って、言わば
国家公務員の
仕事としてその
業務をやってもらうということですので、本格的にそこの
業務をそこの
職員として行うということとは質的に差があるといいましょうか、またその団体にとっても、来ている国の
職員が国の
仕事としてそれをやっているということがその団体として本当に成り立つかどうかというような問題も内在すると思われます。
そうすると、結局、国の
職員を公益法人やNPO等に派遣するということについて言うと、やはり
一般的な枠組みがありませんので、何らかの法的な仕組みが必要になってくるだろうと思います。
現実には、例えば東京オリンピック・パラリンピックの組織
委員会には人を派遣していますが、これは特別立法をして
公務員を派遣しておりますし、ラグビーワールドカップの場合も同じですね。それから、恒常的なものでいいますと、例えば法科大学院の教官に
公務員を派遣する場合にも特別立法をして法科大学院で授業をしてもらうというようなことをやっています。
地方公務員では、公的な第三セクターに派遣された
職員への
給与の支給が問題になりました。これは住民からも不満が出て問題になりまして、結局、公益法人等に派遣するための特別立法を行った経緯がございます。
ですから、国の
職員をそういった公益法人、NPO等に活躍させるためには、
地方公務員と同様に、公的セクターへの派遣のための立法というんでしょうか、そういう
一般法が必要になるのかなと思いますし、そういうことを御努力いただければ有り難いなというふうに私も思います。