○糸数慶子君 無所属の糸数慶子です。よろしくお願いいたします。
まず、
質問に入る前に、女性差別撤廃条約の
日本政府報告審査について一言申し上げたいと思います。
国連女性差別撤廃
委員会第六十三会期が二月十五日から三月四日までスイスのジュネーブで開催されました。
日本政府の審査は二月十六日に行われ、私も傍聴し、審査に先立って行われましたNGOの主催したブリーフィングでは、
沖縄の基地と女性への性暴力についてお話をさせていただきました。
今回、
政府代表を務めたのは
外務省の杉山
審議官ですが、全ての女性が輝く社会を目指し、女性の活躍を推進する安倍政権で政務三役のどなたも
出席されなかったことは極めて残念です。女性の活躍推進には積極的でも、女性差別の撤廃には消極的との印象を与えかねません。
杉山
審議官は、審査において、慰安婦問題の強制性について極めて政治的な発言をされました。
審議官に批判が集中していますが、政治的な発言とそれに対する回答はやはり役人には限界があり、政務三役あるいは与党議員が行うべきだったというふうに思います。杉山
審議官の発言は、
安倍総理が昨年七月に受け入れた自民党の
日本の名誉と信頼を回復するための特命
委員会からの提言が大きく影響していると思います。
提言では、慰安婦問題をめぐる吉田証言を虚偽と
指摘し、国際機関などの広報
活動の
強化策を求めています。申入れを行った稲田朋美政調会長から、強制連行、性奴隷二十万人などと言われていることについて
政府が反論するよう求められたというふうに承知しています。戦時下の女性への性暴力は世界のあらゆる
地域で行われていますが、慰安婦問題がこれほど広く知れ渡り、国内外でのこの問題に関する
決議へと広がったのは、やはりこれを否定する
活動があったからとも言えます。
例えば、二〇〇七年六月十四日付けのワシントン・ポスト紙における慰安婦強制連行の証拠はないとする
意見広告です。それに賛同する人がいたかもしれませんが、批判の声が瞬く間に世界に広がりました。
最近では、昨年七月、NATOに派遣された自衛官がウエブサイトに書いたクマラスワミ氏の人柄について好意的な記述を削除したことです。クマラスワミ氏は一九九六年に慰安婦を性奴隷と
指摘する
国連報告書をまとめたことで知られているため、自民党議員が国防部会でこれを問題視し、削除を求めていました。しかし、ウエブサイトでは報告書の
内容には全く触れておらず、
日本政府の
立場も否定していませんでした。むしろ、過剰に反応したこと、そして削除したことに国内外で批判の声が上がりました。
今回の杉山
審議官の発言を評価する方々には慰安婦の存在そのものを否定する方もいらっしゃいます。そのお一人である元議員は、審査の傍聴もされていましたが、二〇一四年五月九日の衆議院
内閣委員会では、女性差別撤廃条約の
政府報告について、
アジア女性基金などを通じて謝罪や賠償は終わっているという答弁では通用しないところに来ている、慰安婦はなかったと踏み込んだ答弁をしないと根本的な解決にはならないと驚くような主張をされています。
杉山
審議官の発言はそういった方々の発言の延長線上にあるため、これまでの
政府の取組、特に河野
談話を踏襲する
政府の
立場まで否定するかのような印象を与えてしまったということを強く
指摘しておきたいと思います。
それでは、
質問に入ります。
一点目でありますが、代執行訴訟における和解案受入れとその是正指示について伺います。
辺野古埋立承認取消しをめぐる代執行訴訟で国と県の和解が成立しました。埋立工事が中断し、多くの
沖縄県民は安堵していましたが、裁判所の指示した
協議も始まらないうちに
政府は翁長知事の辺野古埋立承認取消処分の是正を指示しました。不誠実極まりない
対応だと思います。
和解し
協議を行うということは、お互いの
意見を聞くということではないでしょうか。和解案を受け入れると発表しながら、
安倍総理は辺野古が唯一の選択肢であるという国の考え方に変わりはないと既に発言しています。
政府として、今回の
協議にどのような
姿勢で臨まれるつもりですか、
防衛大臣にお伺いいたします。