○遠藤国務
大臣 我が国で
開催する二〇二〇年
東京オリンピック・
パラリンピック競技大会を担当する国務
大臣として、私の
所信を申し上げます。
今年は、リオデジャネイロにおいて
オリンピック・
パラリンピック競技大会が
開催される
オリンピックイヤーであります。
大会に参加する
日本代表選手が続々と決定しており、
日本代表選手の活躍に期待が高まっております。リオデジャネイロ
大会が終われば、次の
開催地である
日本が
世界の注目を浴びることとなります。
二〇二〇年東京
大会については、
世界じゅうの多くの人々が夢と
希望を分かち合い、歴史に残る
大会となり、
東日本大震災の被災地が見事に
復興をなし遂げた姿を
世界へ向けて発信できるよう、昨年十一月に閣議決定いたしました基本方針に基づき、関係
大臣等としっかり
連携し、
大会の円滑な準備及び運営に関する
施策の総合的かつ集中的な
推進を加速させて取り組んでまいります。
昨今、
海外の主要都市を狙ったテロ事件も目立っており、多くの選手、観客が
世界から集う今回の
大会には、サイバー空間も含め、重層的で徹底したセキュリティー対策が不可欠となります。また、
防災などの安全・安心、輸送、外国人旅行者の受け入れなどの
推進のため、関係
大臣等と
連携協力し、
大会の準備を着実に進めてまいります。
東京
大会の運営に万全を期すことに加え、
復興五輪として、
東日本大震災からの
復興の後押しとなるよう、聖火リレーや、被災地での試合
開催、
大会イベントの
開催などについて、被災地と
連携した
取り組みを進めるとともに、
日本を再興し、成熟
社会における先進的な
取り組みを
世界に示す契機とするため、
大会を確実に成功させることが必要です。
パラリンピックについては、その参加国・
地域数が
オリンピックに近づき、過去最多となることを目指すとともに、ユニバーサルデザインに基づいた町づくりを
推進し、これまでにない最高の
環境を整え、
世界じゅうの
障害者に夢を抱いていただける
大会となるよう、
全力を挙げて準備を進めてまいります。
さらに、
大会を契機とした共生
社会の
実現については、高齢化が
進展する中で、全ての人々の
社会参加を
促進し活躍の機会をふやすため、
障害の有無等にかかわらず、誰もが相互に人格と個性を尊重し支え合う、心のバリアフリーを
推進してまいります。
東京
大会を確実に成功させることはもとより、
大会後に、さまざまな
分野で
次世代に誇れるレガシーを残すことも重要なテーマです。高齢化
社会、
環境・エネルギー問題、その他の、
日本が直面し、多くの先進国に共通する
課題を踏まえ、東京
大会の
開催後も有用であり、
次世代に誇れる有形無形のレガシーを全国に創出するとともに、
日本が持つ力を
世界に向けて発信してまいります。
東京
大会は、
スポーツの祭典のみならず
文化の祭典でもあります。
日本には、伝統的な
芸術から最先端
技術を用いた各種アート、クールジャパンとして
世界じゅうが注目するコンテンツ、
地域性豊かな和食などの食
文化や伝統的な木造建築など、多様な
日本文化があります。こうした多様な
文化を通じて、
日本全国で東京
大会の
開催に向けた機運を醸成し、
日本文化の魅力を
世界に発信するとともに、
地方創生や
地域活性化につなげてまいります。
地域活性化を
推進するため、
大会の事前合宿の誘致等を通じて参加国・
地域との交流を図る地方公共団体をホストタウンとして登録することとし、一月末に、その第一弾となる四十四組を公表いたしました。
大会の
開催効果を全国津々浦々まで波及させ、東京
大会を
日本全体の祭典とするべく、今後、このホストタウンをふやし全国に広げることなどを通じ、
日本各地の
地域性豊かで多様性に富んだ
文化の魅力が
国内外に発信されるよう取り組んでまいります。
東京
大会は暑さが厳しい時期に
開催されることから、アスリートが最高のパフォーマンスを発揮し、観客等が過ごしやすい
環境を
整備するため、競技会場等の暑さ対策、多様な情報発信の
実施、救急医療体制の
整備、暑さ対策に係る
技術開発や熱中症対策等に係る予測
技術開発等の対策を講じてまいります。
また、受動喫煙防止については、
健康増進の観点に加え、近年の
オリンピック・
パラリンピック競技大会開催地における受動喫煙法規制の
整備状況を踏まえつつ、競技会場及び公共の場における受動喫煙防止対策を
強化してまいります。
新国立競技場については、昨年七月以降、私が議長を務める関係閣僚
会議において
整備計画の再
検討を行い、昨年八月に新国立競技場の
整備計画を策定いたしました。これに基づき、昨年十二月には事業者の選定とともに財源スキームを決定し、本年一月には事業者との設計委託契約を締結いたしました。二〇一九年十一月の完成を目指して、着実に
整備プロセスを進めてまいります。
本提案は、
整備計画の基本理念である、アスリート第一、
世界最高のユニバーサルデザイン、周辺
環境等との調和や
日本らしさ、そして木材の
活用を体現したすばらしい提案だと考えております。新国立競技場が
世界の人々に感動を与える場となるよう、二〇二〇年の東京
大会に向けて
全力を挙げて取り組んでまいります。
東京
大会の成功のためには、国、
大会組織
委員会、東京都及び競技会場が所在する地方公共団体が一体となって取り組むことが不可欠です。国は、
大会の円滑な準備及び運営の
実現に向けて、各府省庁の関連
施策を一体として確実に
実行するとともに、
大会組織
委員会等と密接な
連携を図り、オールジャパンでの
取り組みを
推進するため、必要な措置を講じてまいります。
また、東京
大会の前年に
開催されるラグビーワールドカップ二〇一九に関係する
施策については、東京
大会と共通する
事項が多く含まれることから、
文部科学大臣など関係
大臣と
連携し、所要の準備を進めてまいります。
東京
大会については、新国立競技場やエンブレムなどをめぐって
国民の皆さんから厳しい意見もいただきました。こうした点を真摯に受けとめ、昨年閣議決定した基本方針に掲げている、明確なガバナンスの確立に向けた関係機関との
連携、オープンなプロセスによる意思決定、関連
施策の進捗と
効果の点検などについて、しっかりと取り組んでまいります。
また、限られた予算と時間で最高の
大会を
実現するため、
大会関連
施策に要するコストをできる限り抑制できるよう、政府一体となって努めてまいります。
昨年の秋に私がイギリスを訪問した際には、二〇一二年ロンドン
大会の多くの関係者と面会する機会を得ました。関係者の方々が、
大会成功の鍵はパラリンピックを成功させることにあると異口同音におっしゃったことが強く印象に残っております。東京
大会では、
大会開催をチャンスと捉え、パラリンピックを、共生
社会の
実現に向けてさまざまなことにチャレンジするきっかけとしてまいります。
また、イギリス訪問の際、ラグビーワールドカップ
大会に私も出席いたしました。この
大会では、
日本代表
チームが
世界ランキング上位の南アフリカ共和国に歴史的な勝利をおさめ、「ワールドカップ最高の瞬間」を受賞するなど大活躍し、ラグビーファンのみならず多くの
国民の皆さんに自信と勇気をもたらしました。
我が国の選手が多くのメダルを獲得し、その活躍で
国民を感動の渦に巻き込むとともに、東京
大会が
世界の人々にも感銘を与え、後世に語り継がれる
大会として大成功をおさめられるよう、
全力を挙げて取り組んでまいりますので、
委員長、
理事、
委員の
皆様方の御
指導、御鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。(拍手)