○高井
委員 岡山から参りました高井崇志でございます。
私からも
籾井会長にぜひお聞きいただきたいのは、先般、
逢坂委員が、二月九日の経営
委員会の場で退任する塚田専務
理事が述べられた言葉、これをもう一度改めて私からも紹介したいと思います。塚田専務
理事はこう言って退任をされています。
この二年間は一体何だったのでしょうか、という思いが募っております。
会長の就任記者会見以来、相次いで発生する問題、
課題への対応に追われ続け、どうしてもその場その場の対症療法的な対応を迫られました。その結果、経営として一致して目指す方向をなかなか打ち出すことができず、誰が
責任を持って何を決めたのか、決めなかったのかがわかりにくい
状況になってしまったと私は思っています。
こうした経営の
状況ですが、
NHKは現場の力で何とか役割を果たしてきたと思います。しかし、そろそろ限界に近づいているのではないかと私は感じています。
この言葉に対して
会長は、一専務
理事の言葉にコメントする立場にないというような答弁をされました。
しかし、これは塚田専務
理事だけの言葉じゃない。去年の経営
委員会で退任する
理事も、同じような趣旨の苦言を呈されました。
そして、私はこれは本当に、
NHKの現場の声、特に、
受信料を苦しいこの危機的
状況の中で集めている、集金を担われている、塚田専務
理事は営業の担当の
理事でもあったわけでありますから、そういった声を代弁しているものだと思っています。
もう
会長に聞いても同じ答えしか返ってこないでしょうから聞きませんが、
会長、これはぜひ、現場の声だということで重く受けとめていただきたいと思います。
去年から、
NHKのさまざまな
不祥事がこの
総務委員会でも取り上げられました。しかし、ことしに入ってまた、この
NHKの
予算承認の審議に入る前に私も三、四回
総務委員会で
質問に立たざるを得ない、さまざまな
不祥事が発覚をしている。報道されているものだけでも、アナウンサーの危険ドラッグ所持の件とか、さいたま
放送局の記者三名の
タクシー券の私的
利用とか、あるいは
子会社アイテックの出張旅費の不適切処理あるいは架空発注で二億円着服、こういったさまざまな問題が生じていますが、さらに、この
総務委員会の中でも質疑の中で新たな問題が発覚をいたしました。
それは、二〇一四年の三月から八月、
子会社、
関連団体を
対象に行ったガバナンス
調査委員会、通称
小林調査会といって、昨年さんざんこの
総務委員会で議論になった。それは、五千六百万円という金額が、余りにもその内容と比して高額じゃないかと。
随意契約で行われ、そのことが議論になりました。
ところが、そのことがあったにもかかわらず、ことしの二月二十四日の
総務委員会で私から、このガバナンス
調査会と同じような
調査を同じ時期に別の監査法人に実は依頼したのじゃないかという
質問に対して、
会長は、承知していないと。そして、当時のコンプライアンス担当だった板野専務
理事は、三回私が聞いたのに三回とも、記憶にございませんという答弁でありました。
ところが、翌日の新聞報道でこれが事実であることが明るみに出ますと、二十六日の
総務委員会で、
会長そして専務
理事両方、謝罪をされました。
これは、昨年、五千六百万円でも高額だったのではないかという議論があったのに、さらに五千万円の
お金を使って同じような
調査をやっていた。合計一億円以上の
お金を使って
調査しながら、ほとんど成果が出ていないということであります。
しかも、さらに問題なのは、この五千万円という新たに発覚した
調査は、実はこれも
随意契約で、しかも当初は千七百万円で契約をしていた、それがいつの間にかどんどん金額が膨らんで五千万円になった。これについても板野専務
理事は、いや、自分は五千万円になったことは
把握していなかったという答弁をされました。
さらに、さらに驚くべきことに、三千万円以上の契約というのは会計検査院への報告義務があるんです。ところが、これをしていませんでした。私がこの
委員会で
質問をして明らかになったその五日後に、
NHKは会計検査院に報告しています。本来であれば、一年半前、二〇一四年の十月には報告しておかなければいけなかったことを、私の
質問で明らかになった後に報告をしていた。
さらに驚くべきことに、この
小林調査会についても、五千六百万円、会計検査院に報告をしていなかったということも明らかになりました。
NHKの契約、三千万円以上の契約というのは年間千三百件近くあるそうです。これを会計検査院に報告しているのに、なぜかこの二件、この二件だけは報告していなくて、このことを担当の
福井専務
理事に問うたところ、失念をしていたという答弁でした。千三百件のうち二件だけを失念していたんですよ。これを
会長にお聞きしたら、
会長はこう答えました、本当に不思議なことでございますと。
そんな人ごとのような答弁でありますが、
会長、こういった
調査をそもそも行ったということ自体、あるいはその金額について、これはやはり
公表したくなかった、隠しておきたかった、そうとられても、私は多分、全国の皆さんそう思われると思いますけれども、違うんですか。違うなら明確に反論してください。
会長、お願いします。