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2016-04-26 第190回国会 衆議院 政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員会 第8号
公式Web版
会議録情報
0
平成
二十八年四月二十六日(火曜日) 午前九時
開議
出席委員
委員長
山本
公一君
理事
大塚 拓君
理事
奥野
信亮
君
理事
田中
良生
君
理事
中川 俊直君
理事
平沢 勝栄君
理事
落合 貴之君
理事
黒岩 宇洋君
理事
佐藤 茂樹君
青山
周平
君
井野
俊郎
君 伊藤 忠彦君
今枝宗一郎
君
岩田
和親
君
うえの賢一郎
君 小田原 潔君 大串 正樹君 門山
宏哲
君 神田 憲次君
木村
弥生
君
佐々木
紀君
白須賀貴樹
君
田野瀬太道
君 長尾 敬君 長坂 康正君
藤井比早
之君 古川 康君 山下 貴司君
山本
拓君 若狭 勝君 大西 健介君 篠原 孝君 鈴木 義弘君
玉木雄一郎
君 初鹿 明博君 馬淵 澄夫君
本村賢太郎
君
岡本
三成
君 角田 秀穂君
笠井
亮君 穀田 恵二君
塩川
鉄也
君 浦野 靖人君 …………………………………
参考人
(元
衆議院選挙制度
に関する
調査会座長
)
佐々木
毅君
参考人
(
弁護士
) (
自由法曹団常任幹事
)
田中
隆君
衆議院調査局
第二
特別調査室長
荒川 敦君
—————————————
委員
の異動 四月二十六日
辞任
補欠選任
あべ
俊子
君
木村
弥生
君
井野
俊郎
君
青山
周平
君
坂本
哲志
君
田野瀬太道
君
助田
重義
君
佐々木
紀君
國重
徹君
岡本
三成
君
塩川
鉄也
君
笠井
亮君 同日
辞任
補欠選任
青山
周平
君
井野
俊郎
君
木村
弥生
君
岩田
和親
君
佐々木
紀君
助田
重義
君
田野瀬太道
君
坂本
哲志
君
岡本
三成
君
國重
徹君
笠井
亮君
塩川
鉄也
君 同日
辞任
補欠選任
岩田
和親
君 あべ
俊子
君
—————————————
本日の
会議
に付した案件
衆議院議員選挙
区
画定審議会設置法
及び
公職選挙法
の一部を改正する
法律案
(
細田博之
君外四名
提出
、
衆法
第二六号)
衆議院議員選挙
区
画定審議会設置法
及び
公職選挙法
の一部を改正する
法律案
(
今井雅人
君外二名
提出
、
衆法
第二五号) ————◇—————
山本公一
1
○
山本委員長
これより
会議
を開きます。
細田博之
君外四名
提出
、
衆議院議員選挙
区
画定審議会設置法
及び
公職選挙法
の一部を改正する
法律案
及び
今井雅人
君外二名
提出
、
衆議院議員選挙
区
画定審議会設置法
及び
公職選挙法
の一部を改正する
法律案
の両案を一括して議題といたします。 本日は、両
案審査
のため、
参考人
として元
衆議院選挙制度
に関する
調査会座長佐々木毅
君及び
弁護士
・
自由法曹団常任幹事田中隆
君に御
出席
をいただいております。 この際、
参考人各位
に一言御挨拶申し上げます。 本日は、御多用のところ本
委員会
に御
出席
いただきまして、まことにありがとうございます。
参考人各位
におかれましては、それぞれのお立場から忌憚のない御
意見
をお述べいただきたいと存じます。 次に、議事の順序について申し上げます。
佐々木参考人
、
田中参考人
の順に、お一人十五分
程度
御
意見
をお述べいただき、その後、
委員
の質疑に対して
お答え
をいただきたいと存じます。 念のため申し上げますが、発言する際には
委員長
の許可を得ることとなっております。また、
参考人
は
委員
に対し質疑することはできませんので、あらかじめ御了承願いたいと存じます。 それでは、まず
佐々木参考人
にお願いいたします。
佐々木毅
2
○
佐々木参考人
衆議院選挙制度
に関する
調査会
の
座長
を務めました
佐々木
でございます。 本日は、
調査会
が本年一月十四日に
大島議長
に
提出
しました
答申
につきまして、お手元に
答申
をお配りしておりますので、まず、それに沿って概略御
説明
し、また、
調査会
の
座長
として御質問に答えさせていただきたいと存じます。
調査会
は、
平成
二十六年九月十一日に第一回の
会議
を開き、
答申
を決定しました本年一月十四日までの間、全部で十七回の
会議
を開きました。
議長
からの
諮問事項
は、
答申
の一ページにありますように四項目で、それら四つにつきまして
一つ一つお答え
をしたという形で
答申
をつくらせていただきました。
答申本体
の二ページ目の次に、水色の紙を挟んで、
オレンジ
の枠がついているものが
説明文
になりますが、
オレンジ
の枠の中は
答申そのもの
ですので、この
説明文
に沿って御
説明
をいたします。 一番目が「
衆議院議員
の
選挙制度
の
在り方
」でございます。 そこにありますように、「
現行
の小
選挙
区
比例代表並立制
を維持する。」ということとあわせて、「ただし、
制度
の
信頼性
を確保するため、
人口動態
に合わせて、
選挙区間
の一票の
較差
、
選挙
区の
区割り
などを定期的に見直す仕組みとする必要がある。その点からして、
較差是正
は喫緊の最
重要課題
である。」というのが
答申
の
本文
でございます。 それに至る
議論
の経過、
理由
につきましては、一ページの下から
二つ目
の丸に、「本
調査会
としては、ようやく
国民
の間に定着した
現行制度
の
信頼性
を確保するため、
客観性
のある
制度
の
運用原則
を定めるとともに、とくに小
選挙
区
選挙
については
衆議院議員選挙
区
画定審議会
という独自の
機関
の
機能
を高めることによって、安定した
透明性
のある
制度運営
に努めるのが適切であると考える。」そのような文言をつけ加えました。 あわせて、次の丸で、「なお、
制度
の
根幹
である
二つ
の
機能
の確保のため、
民意
の
集約機能
と
民意
の
反映機能
とのバランスには今後とも十分な配慮が必要である。」ということを述べさせていただきました。 次に、二ページの「
定数削減
」でございます。 「
現行
の
衆議院議員
の
定数
は、
国際比較
や過去の
経緯
などからすると多いとは言えず、これを
削減
する積極的な
理由
や
理論的根拠
は見出し難い。」というのが(1)でございます。 (2)としまして、「一方、
衆議院議員
の
定数削減
は多くの
政党
の
選挙公約
であり、
主権者
たる
国民
との
約束
である。」ということがございます。 (3)として、「このことから、
削減案
を求められるとするならば、以下の案が考えられる。」といたしまして、1として、「
衆議院議員
の
定数
を十人
削減
して四百六十五人とする。」
二つ目
として、「小
選挙
区
選挙
と
比例代表選挙
のそれぞれの
定数
は、小
選挙
区
選挙
の
定数
を六人
削減
して二百八十九人とし、
比例代表選挙
の
定数
を四人
削減
して百七十六人とする。」ということを
本文
で
答申
いたしました。
結論
に至った
理由
は、いろいろ書いてございますが、
一つ目
の丸の「
衆議院議員
の
定数
を何人とするかについて、絶対的基準があるわけではない。
歴史的経緯
、
政治体制
、
統治構造
、
選挙制度
や
国会運営
など様々な
要素
に基づき決定されることとなる。」というのが
委員
の大宗の
意見
でございました。 それから、
衆議院議員
の
定数
を
国際比較
するということが
二つ目
の丸でございますが、諸外国の下院と
我が国
の
衆議院
とを比べると、
衆議院
の場合は
議員
一人当たりの
人口
が他の国と比べて非常に多いということを改めて確認したわけでございます。 そして、三ページの
一つ目
の丸、「小
選挙
区
比例代表並立制
の下では、小
選挙
区
選挙
と
比例代表選挙
は別々に行われるものであり、小
選挙
区
選挙
及び
比例代表選挙
がそれぞれの意義をもち、有効に
機能
するためには、相応の
定数
が必要とされる。」ということでございます。 さらに、その下にありますように、「小
選挙
区
選挙
において、
都道府県
を
単位
に
議席配分
することを
前提
として大幅に
定数
を
削減
すると、
都道府県
間の一票の
較差
、ひいては
選挙区間
の一票の
較差
の縮小は難しくなる。
定数
の
大幅削減
と
議席
の
比例配分
及び
較差
の
最小化
という
要請
を同時に達成することは困難である。」という
意見
が非常に繰り返し述べられまして、これをここに記したところでございます。
議員数
を考えるに際しましては、
調査会
の
委員
の中にもいろいろなお考えがあり、
議席
は
有権者
にとっては選ぶ
権利
であるという視点、いわば
代表者
を派遣する
権利
を
有権者
が持っているというのが、
議席
が
削減
されることによって事実上弱体化するというか
削減
されるというような
観点
、それから、有為な人材を集めることによる
国民
の
代表議会
としての
国会
の
機能強化
、その他、行政府との
緊張関係
の維持等々、
削減
するということについてはいろいろな
要素
を考えなければいけないので、増税と
削減
の組み合わせというものを一度慎重に
検討
し直す必要があるという
意見
も多くありまして、そういう
意味
で、大幅に
定数
を
削減
することは適当であるとは言えないということが
調査会
の大体の
意見
になったわけでございます。 そういうことで、「大幅に
定数
を
削減
することは適当であるとはいえない。」ということになりましたが、下から
三つ目
の丸にあるとおり、「しかしながら、
定数
の
削減
は、ヒアリングを実施した
政党
のうち
日本共産党
及び社会
民主党
を除くすべての
政党
の
選挙公約
であり、多くの
政党
の
選挙公約
は、いわば公党の
国民
との
約束
として、できる限り尊重されなければならない。」という
意見
も多く、さらに、具体の
削減数
につきましては、
調査会
の中でも、一桁でよい、やはり二桁という
意見
もございまして、
最後
の
最後
になりまして、先ほど申し上げたような
結論
になったわけでございます。大正十四年に男子による
普通選挙
が実現して以降、四百六十五人は最も少ない数になるということを確認させていただいたところでございます。 次に、四ページの「一票の
較差是正
」でございます。 まず、小
選挙
区
選挙
につきましては、「
選挙区間
の一票の
較差
を二倍
未満
とする。」ということを大
原則
としてまず掲げ、そして、「小
選挙
区
選挙
の
定数
を、各
都道府県
に
人口
に
比例
して
配分
する。」ということでございます。 その
都道府県
への
議席配分方式
については、いろいろな
条件
を満たしてもらわなければ困るという
観点
から、(ア)
比例性
のある
配分方式
に基づいて
都道府県
に
配分
すること、(イ)
選挙区間
の一票の
格差
を小さくするために、
都道府県
間の一票の
格差
をできるだけ少なくすること、(ウ)
都道府県
の
配分議席
の
増減幅
が小さいこと、すなわち
変動幅
が小さいことということでございます。(エ)として、
一定程度
将来にわたっても有効に
機能
し得る
方式
であること、これらの
条件
を加味しながら、実は
議席
の
配分方式
についてたくさんの
方式
がありますので、これを比較考量しました。
答申
の
参考資料
の5にも、いろいろな
方式
の差異について表が掲げてございますので、御
参考
にしていただければと思います。 このような諸
条件
に照らした結果、
都道府県
への
議席配分
の
方式
として、いわゆる
アダムズ方式
を提案させていただいたところでございます。 それと同時に、これも実は
調査会
の当初からいろいろ話題になっておりましたが、
制度
の
安定性
という問題をどういうふうに考えるかということでございます。 そこで、5といたしまして、「
都道府県
への
議席配分
の
見直し
は、
制度
の
安定性
を勘案し、十年
ごと
に行われる大
規模国勢調査
の結果による
人口
に基づき行う。」といたしました。 これは、現在の
制度
の基本的な骨格を継承したものであると私は
認識
しておりますが、その
意味
で十年
ごと
ということであり、また、
国勢調査
に基づくこと、
有権者数
ではなく
人口
というものを基準に見るということでございます。 ただ、よく指摘されますように、十年の間に起こる
変化
をどう考えるかという問題もありますので、6といたしまして、大
規模国勢調査
の
中間年
に実施される
簡易国勢調査
の結果、
格差
二倍以上の
選挙
区が生じたときは、
区画審
は、各
選挙区間
の
格差
が二倍
未満
となるように
関係選挙
区の
区画
の
見直し
を行うものとし、この
見直し
については、本来の
選挙
区の
区割り
の
見直し
が十年
ごと
に行われることを踏まえ、
必要最小限
のものとし、
都道府県
への
議席配分
の変更を行わないとしたところでございます。
都道府県
への
議席配分
は変更せず、その内部の
区割り
の
見直し
によって
格差
を縮小するような
努力
、これはかなり義務づけ的な規定を
調査会
としてはできればお願いしたいというふうに思ったわけでございます。 この
意味
は、できればそのようなことが起こらないように
最初
に
区割り
をしてもらうと大変ありがたいという
気持ち
も背後にありまして、そのような
選挙
区の
改定案
を
区画審
に作成してもらいたいというのが我々の期待でありますので、必ず五年
ごと
に大
規模
な
区割り
の
見直し
を行うことをアプリオリに義務づけるという
趣旨
ではないことを御理解賜りたいと思っております。 次に、
比例代表選挙
につきましては、「
現行
の十一
ブロック
を維持する。」と。 これは、
比例代表
の
議席
を大幅に減らさなければ、
現行
の十一
ブロック
を維持することができるということでございます。 それから、各
ブロック
への
議席配分
も、
アダムズ方式
により行うこととしました。これは、
現行
の
配分方式
では
変動
が激しく、そうしますと、
比例
区が
比例
区の名に値しないような小さな
議席数
になってしまうということは、できれば避けたいという
気持ち
もありまして、
アダムズ方式
により行うということにしました。 また、「各
ブロック
への
議席配分
の
見直し
は、十年
ごと
に行われる大
規模国勢調査
の結果による
人口
に基づき行う。」としました。 小
選挙
区の方が専らの
関心事
になっておりますが、
比例
区の
人口変動
に伴う
議席配分
の
見直し
についても一緒に行っていただくようにルール化していただきたいと思い、ここに一項をつけ加えたところでございます。
最後
に、九ページが四番目の
諮問事項
「
現行憲法下
での
衆参
両
議院選挙制度
の
在り方
」であり、正直なところ、大変難しかったところでございますが、ただ、「公正かつ効果的な
代表
という目的を具現化するために適切な
制度
を実現するよう、不断に
見直し
ていく」ことはお願いしたいということでございます。 そして、「
憲法
の定める
二院制
の下において、
衆参
両
議院
にはそれぞれ期待される
役割
や
機能
があり、今後も、将来における
我が国
の
代表民主制
のあるべき姿を念頭に、「
国権
の
最高機関
」としての
国会
の
在り方
や「全
国民
を
代表
する」
議員
を選出するための望ましい
選挙制度
の
在り方
を、広く
国民
の
意見
を踏まえ、明治以来長い
歴史
とともに発展してきた
我が国民主政治
における
意思決定過程
の
制度
と
運用
を見据えて、
国会
として継続的に考えていくべきである。」としたところでございます。 つまり、やはり
国会
として考えていただく、
国民目線
からするとそういうことになるのではないかということでございます。 ここについては、実は、さまざまな
国会
にかかわる
議論
が
委員
から述べられまして、それをできるだけ記すように
努力
したところでございます。 「
結論
に至った
経緯
・
理由
」の
二つ目
に、「もとより、
選挙制度
の
在り方
は、
代表民主制
の
根幹
にかかわるものであって、」
云々
と書いてありまして、「本
調査会
において
検討
した
議員定数
と一票の
較差
のそれに尽きるものではなく、
選挙人
・被
選挙人
の資格から、
立候補制度
、
代表方法
又は
選出方法
、
選挙
区の区分と
画定
、
投票方式
、
選挙争訟
の
在り方
などにいたるまで、多岐にわたり慎重な
検討
を要する多くの
事項
を含んでいる。」ということでございます。
定数削減
と一票の
格差
にとどまらない形での
国会
の御
努力
を期待したいということも込めて、僣越ではありますが、こういった
事項
も挙げさせていただいたところでございます。 そこに、十八歳
選挙
についてもこういう
一つ
の
制度
の
見直し
の結果として出てきたのだろうということで、その
意味
では、本
調査会
の
検討事項
はこういう不断の
見直し
の諸
課題
の一部にすぎないという
認識
を我々としては持っているということを申し上げたところでございます。 また、
最高裁
との
関係
についても少し言及させていただきました。 十ページの
二つ目
、「今日、
日本
の社会は、
人口動態
を含め
少子高齢化
や
グローバル化
などの要因により大きな
変動期
に入っている。こうした中で、
国会
には、「
国権
の
最高機関
」として、種々の重要な
政策課題
に対する基本的な道筋を示すことが求められており、将来における
我が国
の
代表民主制
のあるべき姿を展望し、「
国権
の
最高機関
」としての
国会
の
権限
・手続や「全
国民
を
代表
する」
議員
を選出するための
国会
両
議院
の望ましい
選挙制度
の
在り方
に」
云々
、こういうことを書いてございます。
委員
の間からも、
格差
の問題を扱う
過程
で、今までなかったような非常に大きな
変化
がこれから起こっていくことは間違いないという
認識
がございますので、
格差
の問題を超えて
代表民主制
の
あり方
について
国会
においてお考えいただき、その結果として
選挙制度
の
あり方
をどうするかという
お話
もしていただくようにお願いできないかという
気持ち
を込めて、こういうことを書かせていただいたところでございます。 もちろん、そうはいうものの、
政治制度
には完全というものがないということ、そういう中で我々にできることは、引き続き
検討
を繰り返し重ねていくということが取り組むべき態度だろうということを
最後
に述べまして、
報告書
を結んでいるところでございます。 以上、私の
陳述
でございます。どうもありがとうございました。(拍手)
山本公一
3
○
山本委員長
ありがとうございました。 次に、
田中参考人
にお願いいたします。
田中隆
4
○
田中参考人
弁護士
の
田中
と申します。
陳述
の機会を与えていただいたことに感謝いたします。 おおむね骨子に沿って
お話
をさせていただきます。 全国二千百名の
弁護士
で構成する
自由法曹団
という団体で活動をしております。
自由法曹団
は、
政治改革
が提起されたときから、
選挙制度
などについて
検討
を行って
意見書
を発表し、二〇〇九年から始まりました第二次の改革問題でも
意見書等
を発表してきました。 今回は、今
お話
があった
調査会答申
を
検討
させていただいた最新の
意見書
だけを配付させていただきました。その余の
意見書
はホームページに掲載していますので、御参照いただければ幸いです。 そうした
経緯
を踏まえて、幾つか
お話
をさせていただきます。 まず、
調査会答申
と
法案
についてです。 二〇一四年の三月、与党と当時の野党五党が
衆議院議長
のもとの
第三者機関設置
で合意されたのが発端でした。 メディアなどには、諮問する以上、何らかの
拘束力
をとの主張もありました。
自由法曹団
は、「「
第三者機関
への丸投げ」は許されない」と題する長文の声明を発表させていただきました。
選挙制度
の問題は
国会
で
国民
的な
議論
が行われるべきで、
国会
の上位に立つかのような
諮問機関
を認めることは、
憲法
上の問題も引き起こすためです。この見地は現在も変わっておりません。
調査会
が設置されたときは、第二次
政治改革段階
での全ての
意見書
を送付させていただきました。そして、
並立制
の二十年間がもたらした問題を正しく総括して、
国民
の声が反映して
議会制民主主義
が再生できる
選挙制度
を模索していただきたいと要望しました。
諮問事項
には、
定数削減
や
格差
の
是正
とともに、
現行制度
を含めた
選挙制度
の評価や、
衆参議院選挙制度
の
あり方
が掲げられていました。また、一三年六月には、
並立制
の功罪の検証が与野党で合意されておりました。決して
自由法曹団
だけの注文ではなかったと思っています。
答申
を拝見いたしました。今伺って、
佐々木座長
の御苦労や御尽力には心から敬意を表します。しかし、まことに失礼な言い方になるんですが、肩透かしを食らった思いを禁じ得ませんでした。
選挙制度
では、多くの
政党
が
現行制度
でいいというので
現行
の
並立制
を維持する。
定数削減
では、
削減
する
理由
はないけれども、多くの
政党
が公約しているので、
比例代表
を四
議席
、小
選挙
区を六
議席
削減
する。
格差是正
では、一人
別枠方式
と
ドント式
をやめて、
アダムズ方式
を採用する。
衆参両院
の
選挙制度
は、
国会
として継続的に考えていくべき。こういう趣向でした。
国会
では
結論
が出せないからとして
専門家
に審議してもらうために設置された
第三者機関
が、諮問した側の
政党
の意向をもって
答申
にかえ、あるいは
国会
に投げ返したのでは、
問い
をもって
問い
に答えたことにしかなりません。
アダムズ方式
は、
国会
や
選挙制度
の
あり方
という基本の問題をさておいて
配分
だけを調整するもので、問われている問題を解決するものにはならないと思います。 一人
別枠方式
を
違憲
とする
最高裁
が
アダムズ方式
を合憲とするかの問題もあるんですが、
最大
の問題は、どれだけ
人口
が流動しても
定数
ゼロ
配分
を生み出せない、小
選挙
区の
都道府県
への
配分
に収れんさせてしまっているところにあります。
投票価値
の平等を実現するのであれば、もっと広い
単位
で
選挙
を行う
制度
にすれば、
格差
の問題は
たち
どころに解消できます。ちなみに、お配りした
意見書
で提案している十七
ブロック
の
比例代表制
では、
最大格差
は一・〇三五倍にすぎません。 今回
二つ
の
法案
が
提出
されていますが、いずれも、
現行
の
並立制
を
前提
に
アダムズ方式
を採用するとともに、
議会
の
役割
や
議員定数
の
あり方
の明示もないまま、
答申
だけを
理由
に
定数
を十
削減
しようとするものです。また、緊急だからと言われていますが、
時限法
でも
特別措置法
でもない
恒久法
として提案されており、このまま
並立制
を固定化させる
機能
を営む危険は甚大です。抜本的な再
検討
が必要と考えます。 次の問題は、二〇〇九年からの
検討
の
意味
なんです。 二〇〇九年と二〇一二年の総
選挙
で、
並立制
の問題が露呈しました。
民主党
への
政権交代
が起こった総
選挙
では、
比例代表
で四二%の
得票
の
民主党
が六四%の
議席
、
自民党
への逆
政権交代
が起こった総
選挙
では、
比例代表
で二八%弱の
自民党
が六一%の
議席
を獲得しました。その結果、
民意
を反映する
選挙制度
であれば
議席
につながるはずの第二党以下の
得票
が、
制度
的に死票にされました。いずれの
選挙
でも第一党の
得票
が移動しましたから、どんな
選挙
でも
政権交代
は起こったことになります。問題は、オセロゲームのような
議席
の
雪崩現象
が起こってしまったことです。 私
たち
が第二次
政治改革
と言う
議論
や
検討
はこうした中で進みました。
最初
の
議論
は、一層小
選挙
区制に傾斜させようとする方向で起こりました。
民主党
が、マニフェストで
比例定数
八十
削減
を掲げ、
官僚答弁
の禁止などを含めた
国会改革
を叫んで、
政権
と
政権党
への
権限
の集中を図ろうとされたためです。
英国
のモデルがウエストミンスター・モデルとしてそのまま持ち込まれようとしました。
自由法曹団
は、
英国
に
調査団
を派遣して、小
選挙
区制の
機能不全
が叫ばれていた
英国
の
動き
を紹介いたしました。 二〇一一年三月、
最高裁
が一人
別枠方式
を
違憲
とする
判決
を言い渡し、同
趣旨
の
判決
が続きました。
定数格差違憲状態判決
は、一票の
価値
の平等という側面から
選挙制度
の
あり方
を
問い
かけたもので、
配分方法
を変えればいいという問題にとどまらない
意味
と射程を持っていると思います。 二〇一一年八月、
自由法曹団
は、
意見書
「わたし
たち
の声をとどけよう」を発表して、
民意
が反映する
選挙制度
への転換を求めました。その後の
検討
を経て、参
議院
は大
選挙
区制、
衆議院
は
ブロック単位
の
比例代表制
というのが現在の私
たち
の提案です。小
選挙
区制の廃止を求める
国民運動
も展開され、大阪や東京では一千名
規模
の
集会
が行われ、院内での
集会
や
議員要請
、懇談も繰り返されました。
国会
の中でも
見直し
の
動き
が強まって、同じ二〇一一年には、超党派のいわゆる中
選挙
区
議連
がつくられました。
ムード主体
の
選挙
による
地すべり的勝利
が多い、信念に基づいた思い切った
政策
を打ち出しにくい、
専門性
を持った
議員
が生まれにくい、これは、私
たち
が言っているのではなく、
議連
の
準備会
で配付された資料の一節です。 二〇一二年の総
選挙
を機に、それまで
政治改革
推進一辺倒だった財界やメディアからも
見直し
の声が起こりました。大衆迎合主義、ポピュリズムの弊害を指摘して、「中
選挙
区制の復活を求める声も出ている。それも排除すべきではない」とした一二年十二月の読売新聞の社説や、中
選挙
区制におけるメリットの再評価とあるべき
選挙制度
の
検討
を提起した翌一三年一月の経団連の
政治改革
提言が
代表
的なものでした。 この
衆議院
でも、抜本改革案が
検討
され、発表され続けられました。 連用制は、公明党さんが三案の
一つ
として提示されたもので、二〇一二年には焦点の
一つ
でした。二〇一二年七月には、
民主党
が
並立制
と連用制を組み合わせた一部連用制案を
提出
され、一三年三月には、
自民党
の
検討
の中から、
比例代表
議席
を
比例
枠と優遇枠に二分する優遇枠案が浮上しました。 その都度、
自由法曹団
は
意見書
を
提出
して、
検討
、批判しましたが、問題はあるとはいえ、全体としては、
民意
の反映を拡大しようとする方向を共有したものでありました。 こうした模索は、
並立制
が生み出すものが明らかになるもとで
選挙制度
について
検討
を行った貴重な機会であり、
見直し
は、院内の皆さんからも起こり、
国民
の中、市民の中からも起こり、そして現在も続いています。その
見直し
の
動き
が、過剰な
民意
の集約に着目して、
民意
の反映を強めようという方向に発展していったことも重要な
意味
を持っていると考えます。
調査会
は、残念ながら、こうした
動き
に対して、
問い
には答えられませんでした。だからといって、それでこの問題が終わったことにはなりません。終わらせることは、会派や
議員
の皆さん自身が模索してこられた道筋を無にすることを
意味
しております。そのことを重ねて強調しておきたいと思います。
最後
の問題は、やはり
政治改革
です。
並立制
や
政党
助成などを導入した
政治改革
は、五年にわたる激しい
議論
や攻防を経て、一九九四年に強行されました。国際競争力のための新自由主義的な構造改革や、国際貢献を掲げた自衛隊の海外派遣と同時並行のものでもありました。
並立制
による
最初
の総
選挙
が行われたのは九六年十月、ちょうど二十年になります。中
選挙
区制のもとでほぼ対応していた
国会
外の
民意
と
国会
内の
議席
が大きく食い違うようになっていって、
国民
の多くが反対する
法案
も強行されていきました。その二十年が生み出したものがどんなものだったのかは、あえて指摘いたしません。
政治改革
のあのとき、
選挙
による
政権
の直接選択が主張され、政治における意思決定と責任の帰属の明確化が言われました。総
選挙
で
政権
を選んだんだから白紙委任しろ、文句があったら次の
選挙
で
政権
をかえろということでもあります。そのために、小
選挙
区制が
選挙制度
の中心に据えられ、
政党
執行部に
権限
集中を図るさまざまなシステムが導入されました。
自由法曹団
は、こうした政治像に真っ向から反対しました。これは形を変えた大統領制だ、大統領
選挙人
のかわりに
国会
議員
を選び、
国会
議員
は内閣総理大臣を選出すれば本来の
役割
は終わる、そして、大統領
選挙人
団にすぎない
国会
には内閣へのコントロール
機能
は期待できない、一九九〇年九月に発表した
自由法曹団
の
最初
の
意見書
「小
選挙
区制・
政党
法を斬る」の一節です。
民意
を日常不断に政治に結びつけ、みずから立法に当たり、行
政権
の監視を続ける
国会
の
役割
を自己否定するに等しい、こんな政治像では、
国民
の期待や信頼はつなぎとめられないと思います。
最後
の二〇一四年十二月の総
選挙
で投票率が戦後最低の五二・六%を記録したのは、その結果と言うほかはございません。
主権者
を
国民
とし、
国会
を
国権
の
最高機関
とし、
国会
議員
を全
国民
の
代表者
とする
日本
国
憲法
の求める政治像は、決してそんなものではありません。現代の
国民
主権は、多様化している
民意
を可能な限りそのまま
国会
に反映し、
議会
の中での熟議を通じて国政の方向を決めるというものであり、これが世界の趨勢だと思います。
政治改革
は、
民意
の反映こそが基本という大
原則
を踏み外し、
政権
の直接選択を掲げて、
議会
の自己否定に等しい道を歩みました。大変失礼な表現ながら、巷間言われる政治の劣化や
歴史
的な低投票率は、その結果生み出されたものと言わざるを得ません。
政治改革
からの二十年は、
政治改革
そのものの抜本的な
見直し
を要求していると考えます。
最後
に、もう一度
調査会答申
に戻します。
答申
は、
アダムズ方式
を提案された以外は、さっき申し上げたように、
問い
をもって
問い
に答えられました。しかし、考えようによっては、これが正しかったのかもしれないと思います。 声明で指摘したとおり、
憲法
的な
課題
であり、政治の
あり方
や
主権者
国民
の
権利
に深くかかわる
選挙制度
の問題は、
国権
の
最高機関
であり、唯一の立法
機関
である
国会
が、
国民
の参加と監視のもとで
議論
を行って
結論
を導かなければならないものだからです。その
意味
では、
問い
は投げ返されるべくして投げ返されたとも言えると思います。
衆議院
には、投げ返された
問い
に答えていただく責任がございます。今度こそ
国会
は、
政治改革
の二十年を真摯に総括されて、
民意
を反映する
選挙制度
の実現のために邁進していただきたい。
二つ
の
法案
にはいずれも、全
国民
を
代表
する
国会
議員
を選出するための望ましい
選挙
の
あり方
についての不断の
見直し
も行われるものとするとの附則がつけられています。本来なら、この部分こそ、まさしく本則として行われるべきものでした。 この附則に盛り込んだ決意を何としても実行に移していただきたい、そのことを心からお願いをして、
陳述
といたします。 ありがとうございました。(拍手)
山本公一
5
○
山本委員長
ありがとうございました。 以上で
参考人
の
意見
の開陳は終わりました。
—————————————
山本公一
6
○
山本委員長
これより
参考人
に対する質疑を行います。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。平沢勝栄君。
平沢勝栄
7
○平沢
委員
自民党
の平沢勝栄でございます。
佐々木参考人
、そして
田中参考人
のお二人には、大変お忙しい中おいでくださいまして、貴重な御
意見
を本当にありがとうございました。 それでは、質問をさせていただきたいと思います。 まず、今回の
答申
が出されたいきさつはもう御案内のとおりでございまして、過去三回の総
選挙
に対しまして、
最高裁
が三回続けて、一票の
格差
の点で
違憲
状態にあるといった
判決
が下されたわけでございます。 そうした中で、何とかこれを
是正
しなきゃならないということで、
政党
間で二十九回にわたり協議がなされたわけですけれども、まとまることができないということで、
議長
のもとに
調査会
を設置しまして、その
座長
に
佐々木
先生をお願いしました。 そして、
調査会
の方では十七回にわたって
議論
を重ねられて、そしてことしの一月十四日にこの
答申
が出されて、その中身については今、
佐々木参考人
が御
説明
されたとおりでございまして、私なんかは非常によくできているなと思ったところでございます。 その
答申
に基づきまして自公案と民進案が出されているわけでございまして、共通している点もございます。どちらも、
答申
にありますように、
衆議院
の
定数
を十
削減
する、それから、
都道府県
別の
定数
の
配分
につきましては
アダムズ方式
を適用する、それから、
都道府県
別の
定数
配分
は十年に一度の大
規模国勢調査
のみで行うといったような点は共通しているわけでございます。 自公案と民進案の大きな違いの
一つ
は、この
アダムズ方式
をいつから適用するかということでございまして、自公案につきましては、
平成
三十二年の大
規模国勢調査
から
アダムズ方式
を適用する、対しまして民進案は、それではちょっと遅過ぎるということで、過去にさかのぼって
平成
二十二年の大
規模国勢調査
から
アダムズ方式
を適用する、これが大きな違いであるわけでございます。 そこで、まず
佐々木参考人
にお聞きしたいと思いますけれども、今回の自公案と民進案につきまして、
答申
の
趣旨
をよく踏まえた形でできているかどうか、この自公案と民進案についてどういう御所見をお持ちか、お願いいたします。
佐々木毅
8
○
佐々木参考人
お答え
いたします。 この
答申
をごらんいただきますと、
答申
は、
最後
の出口をどういうふうにすればいろいろな問題をクリアできるかということについての回答をお書きしたという性格のものでございまして、そこまでどういう経過をたどってたどり着くのかということにつきましては、実は
委員会
の中で、これは政治の
お話
ですので我々がいろいろなことを申し上げるのはふさわしくないというのが共通了解なものですから、今
議員
が言われましたようなタイプの話、移行期をどうするかということについては、実は何も書いていないわけでございます。それこそ
国会
の裁量にお任せをすべきだろうということでございます。 実は、
委員会
として、こういう出てきた案は、それぞれユニークで、恐らく、
議論
は全くしていませんし、こうなったらどうだろう、そういう話も一切しておりませんので、少なくとも
委員長
として、何か
委員会
でその移行経過についての
議論
があったかのような答弁をするのはいささか職務上適切さを欠くところがございますので、そこはもう
国会
の裁量にお任せをするということで、立ち入った評価というものは、
委員会
が何かやったかのような印象を与えるのは非常に実態とかけ離れておりますので、コメントはちょっと御遠慮させていただきたいと思います。 そういうある種の切り分けをしながら実はこの
答申
ができているという点について、御理解を賜れればありがたいと思います。 以上でございます。
平沢勝栄
9
○平沢
委員
ありがとうございました。 次に、
田中参考人
にお聞きしたいと思いますけれども、今の
選挙制度
について抜本的な改革が必要だ、これについては皆共通しているわけでございまして、だから
答申
の中でも不断の
見直し
ということがうたわれていますし、今回は、自公案も民進案も、不断の
見直し
ということをうたっているわけでございます。今回は、
最高裁
が
違憲
状態という
判決
を下しているということで、ある
意味
では緊急避難的にまずこれを直そうということでやったということだろうと思います。 そういった中で、こういう
違憲
状態の解消を図るため、差し当たって、今回の案はよくできているんじゃないかなと思いますけれども、特に自公案はできているんじゃないかなと思いますけれども、
田中参考人
はどうお考えでしょうか。
田中隆
10
○
田中参考人
田中
でございます。 なかなか、
法案
の比較を私に聞かれるのは大変悩ましいんですが、まず、緊急事態だからという点については一点申し上げておきます。 確かに、重要で急ぐ
課題
だったんですよ。それだから私どもは、実は、失礼ですが、
第三者機関
ではなく、
議会
で優先順位を決めて
議論
されるべきだというふうに申し上げました。ただし、基底になる
選挙制度
問題は絶対に外せない。しかし、それが簡単に
結論
が出ない中で、緊急の
格差是正
だけ要るというんだったら、それを臨時的に、
時限法
でもつくってやろうというのならまだしも私どもは理解できたんです。 ただ、今度の
答申
と、それから法制は、実は、
並立制
の枠組みのもとで
アダムズ方式
を適用して、かつ、この後、長期的にもこの形で計算していきますよという、このシステム構築では実によくできているんです、はっきり申し上げまして。ですから、そういう限度でいいますと、法律家から見ても
法案
のできは大変完成度が高いと思います。 ただし、申しわけありませんが、私どもはそれが解決ではないと考えますから、批判をしています。 そして、あえて申し上げますと、暫定的にとりあえず緊急でやろう、そしてこれから抜本的に解決をやろうというときに、率直に言って、そこだけ取り上げたら、将来までずっと通用する
恒久法
をつくることに力を入れられることは、実は力点が間違っていやしないかというのがさっき申し上げた点です。この点はやはり、皆さんが本当に抜本改革においては異論がないというんだったら、今すぐにでもそれを始めていただきたいと思いますし、そのためのある期間、この方法でやるというなら、あえて私は異論は申し上げません。 それから、私も、自公案と、それから民進案のどちらがというのを言う立場にはございません。ただ一点、確かに、一票の
価値
の平等が
憲法
的
要請
ですから、それは可能な限り早い方がいいということはあるだろうという点だけ指摘をしておきます。 以上です。
平沢勝栄
11
○平沢
委員
ありがとうございました。 次に、
佐々木参考人
にお聞きしたいと思いますけれども、
定数
の
削減
についてでございます。 先ほど
佐々木参考人
が言われましたように、国際的には必ずしも
日本
は多いとは言えないわけですけれども、各
政党
が身を切る改革といったことで、公約として
国民
の皆さんに
削減
を訴えておられるわけでございます。そういった中で、今回の
答申
の中では、
削減
する積極的
理由
とか
理論的根拠
は乏しいというようなことが書かれているわけでございますけれども、公約として
政党
が訴えているから、十人
削減
ということを
答申
の中に書かれているわけでございます。 今のように、要するに、ある
意味
選挙公約
として
国民
の皆さんに、ただ
定数
の
削減
を何かどんどんどんどん多くすれば多くするほどいいような形で訴える今のやり方、これについて、その風潮みたいなことについて
佐々木参考人
はどうお考えでしょうか。
佐々木毅
12
○
佐々木参考人
お答え
いたします。 この
調査会
の
答申
にも書いておりますように、身を切る改革というのがなぜ
議員定数
の問題にいきなりなるのかというようなことについては、
委員会
の中でも繰り返し繰り返し問題が出されまして、もっといろいろな
説明
が必要なんじゃないかということでございまして、
委員
の中にも実は結構それなりに多様性がございまして、どちらかというと、私のような古い世代は、余り減らすなという感じがなかったわけではございません。 ただ、
一つ
複雑なのは、
二院制
をとっているということをどういうふうに組み込んで考えるかというようなことも含めて、やはりかなり全体的な問題ではないかなというので、結局、話が四番目の項目のところにずれ込んだところが実はございます。 ですから、
議員定数
の問題というのにつきましては、確かにわかりやすい話といえばわかりやすい話ですけれども、素朴な疑問を持っている人もいるかもしれないし、なぜすぐそこなのかということもあるし、それから、特に
格差
の
是正
ということと
議席
の
削減
という問題はある
意味
バッティングする側面を持ちますので、この問題についてやはり頭の整理を
有権者
にもしてもらわないといけない。 ということで、非常に多々進むべきステップがあるような感じを、今回の
調査会
の
議論
を聞きながら、改めて勉強させていただいたところでございます。 以上でございます。
平沢勝栄
13
○平沢
委員
ありがとうございました。 次に、また
佐々木参考人
にお聞きしたいと思うんですけれども、
アダムズ方式
なんですけれども、いろいろな
制度
の中で、よりベターだということで
アダムズ方式
を採用されたと。 先ほどそのメリットについても
お話
がございましたけれども、この
アダムズ方式
についてはデメリットもあるということも言われているわけでございまして、中には、どんなに
人口
が少なくても、端数を切り上げるということで、最低一人は
定数
が確保されるということで、形を変えた一人
別枠方式
じゃないかなんということを言う方もおられるわけでございます。 一人
別枠方式
とは全然違いますけれども、結果としてそうなるんじゃないかということを言われる方もおられるわけですけれども、この
アダムズ方式
、いろいろな
制度
の中で、今考えられる一番ベストな
制度
ということで導入されたと思いますけれども、そういう理解でよろしいでしょうか。
佐々木毅
14
○
佐々木参考人
お答え
いたします。 結局、いろいろな
方式
を横に並べてみまして、無
前提
にこれでいこうという
議論
はなかなか成り立たないわけでございまして、
日本
の実情に鑑みた形で、いろいろなその効果というものを比較した結果として
アダムズ方式
を選んだということでございます。ですから、比較考量という面が入っていると思います。 ですから、これも、もし何か非常に不都合なことが起こるということであれば、いずれまた考えなきゃいかぬかもしれませんが、しかし、少なくとも
選挙区間
の
格差
の問題じゃないものですから、
選挙区間
の
格差
は、これは
区割り
の問題になってしまいますので、
アダムズ方式
で
都道府県
への
配分
はコントロールする、その上で、さらに
選挙区間
の
区割り
をきちっとやるということが行われる限りにおきましては、私は、ある
程度
の時間は維持できるものではないかと考えたわけでございます。 いずれにしても、予想していた以上に実は
人口
の
変動
が激しい。ですから、昨年の簡易国調と我々が想定した三十二年の国調と比較してみますと、速いスピードで
変化
が起こっておりますので、
国会
におかれましては、注意深く動向をウオッチされて、しかるべき形での対応をこれからもお考えいただく必要はあるかなというふうに思っております。 以上でございます。
平沢勝栄
15
○平沢
委員
ありがとうございました。 引き続き
佐々木参考人
にお聞きしたいと思いますけれども、この
定数
の
配分
、今、これは
人口
比に基づいて行われているわけで、
最高裁
判決
も
人口
比に基づいて出されているわけでございますけれども、党の中には
人口
比だけでいいのかどうかという声が一部あることも事実でございまして、私
たち
、改正
憲法
草案というのを出していますけれども、その改正
憲法
草案の中では、各
選挙
区は、
人口
を基本とし、行政
区画
、地勢等を総合的に勘案して決めなければならない、こういった形で出させていただいているところでございます。 要するに、
人口
比だけでやると、都会の方が圧倒的に、今回の
アダムズ方式
でも、差し当たって
衆議院
が三名、東京はふえる、それで地方がどんどん減っていくということになってしまうわけで、地方の声が国政に反映しにくくなってしまうんじゃないか、どんどんどんどん加速度的にそうなっていくんじゃないかという心配もあるわけでございますけれども、
人口
比だけで
定数
を決めるというやり方について、
佐々木参考人
の御所見はいかがでしょうか。
佐々木毅
16
○
佐々木参考人
お答え
いたします。
議員
がおっしゃるようなことは、我々
委員
もみんな感じたところでございます。しかし、
国民
代表
という以上は、やはり
人口
比を抜きにした
議論
はできないということは、これはいわばグローバルスタンダードみたいなものだろうと私は思っております。 そうしますと、多様な地域の
国民
の意向をどのように
国会
に反映するかということになりますと、今
議員
がおっしゃられたことも含めて複雑な対応が必要になりますけれども、
制度
としてどういうふうな
客観性
を持って
運用
できるかということはなかなか難しい問題を含むだろうと思いますが、
国会
全体としてどういうふうに御心配を受けとめるのかということについては、大きな
課題
としてぜひお考えいただきたい。ただし、
人口
の問題をどけるわけには絶対にいかないことだろうと思って我々は作業をいたしたところでございます。 ですから、ほかの要件をどういうふうな形で何を重視するのか、恐らくそれをめぐってもいろいろな
議論
が起こってくると思います。それからまた、
国会
のさまざまな
権限
の問題その他とも絡む問題にもなるかと思いますが、その辺も含めて、第四項目でこれからの
検討
をお願いしたところでございます。 以上でございます。
平沢勝栄
17
○平沢
委員
ありがとうございました。 次に、
選挙制度
の問題なんです。 今は小
選挙
区
比例代表並立制
で行われているわけで、私は、第一回の一九九六年からずっとこの
選挙制度
のもとで、七回、
国会
に送っていただいたわけでございますけれども、その前の中
選挙
区の
制度
もずっと見ていまして、私個人的には、今の小
選挙
区
比例代表並立制
の
制度
がいいのかどうかということについてはいろいろ問題もあるなと。 いろいろなことが指摘されていますけれども、例えば直接地元で聞く声の中には、私は江戸川区も入っているんですけれども、江戸川区は、
国会
議員
の
選挙
区が区
議会
や都
議会
議員
より狭いんですよね。それで、住民の感情としては何となく違和感を感じるという声をよく聞くわけでございます。 そのほかいろいろな点がありますけれども、今の
制度
について、
答申
の中には、新たな
制度
の導入を
検討
せざるを得ないほど深刻な事態にあるとは思えないということが書かれていますけれども、そういう理解でよろしいんでしょうか。
佐々木毅
18
○
佐々木参考人
答申
の話とこれからの話と、ちょっと違う問題かなと思っておりまして、先ほど
お話
もございましたように、我々の作業の第一項目、
選挙制度
にかかわるところは、何か新しい
選挙制度
をどんどん考えてください、全く更地の上で考えてくださいということを御依頼いただいたとは思っておりませんので、したがって、おのずから話の範囲が限られたような
答申
になりましたということでございます。 それと全然
関係
なく、更地の上で
選挙制度
の
議論
をするということであるならば、これはおのずからいろいろな
議論
があり得るかなというふうには思いますが、今回のこの
答申
は、少なくとも、ある種、
選挙制度
審
議会
を皆様におつくりいただいて我々がその
議論
を受けたということではないと思っておりましたので、そういう了解ではなく進めたものですから、当然、出てきたものの範囲も、おのずからその範囲のものを中心にして考察を加えたことになったということで、
答申
の問題とそもそも論というのはちょっと分けて
議論
する必要があるかと思っております。 以上でございます。
平沢勝栄
19
○平沢
委員
時間がありませんので、
最後
の質問をさせていただきたいと思います。 これは
答申
とはちょっと
関係
ありませんけれども、今回の自公案にしろ民進案にしろ、これが通ったとしても、実際に施行されるまでは、きのうも質疑に出ていましたけれども、最低一年はかかるわけですね。
区割り
をしなきゃならないし、
区割り
の
法案
を
国会
を通さなきゃならない、周知期間もある。そうすると、一年は最低かかります。その間に万が一
選挙
が行われたとすると、これはどうなるんだ、
違憲
状態と指摘されている中で
選挙
が行われた場合にどうなるんだという疑問が起こるわけでございますけれども、これについて御所見がもしありましたら、お二人、一言ずつ、どうお考えになるか。まず、
佐々木参考人
。
佐々木毅
20
○
佐々木参考人
お答え
申し上げますが、ちょっと私自身も予測がつきません。どういう判断を司法がするかということについては、ちょっとはっきりしたことは申し上げにくいというのが本当だと思います。 以上でございます。
田中隆
21
○
田中参考人
私もわかりません。ですから急ぐ必要があったんだろうとは思います。しかし、年内、総
選挙
がなおかつ言われております。それは、実は総理の判断にかかるんじゃないでしょうか。
最高裁
の判断までは、私、保証はできないというのは、異論はございません。
平沢勝栄
22
○平沢
委員
時間が来たので終わります。ありがとうございました。
山本公一
23
○
山本委員長
次に、佐藤茂樹君。
佐藤茂樹
24
○佐藤(茂)
委員
公明党の佐藤茂樹でございます。 きょうは、両名の
参考人
の方々、
佐々木
元
座長
、また
田中参考人
、冒頭、貴重な御
意見
の
陳述
をしていただきまして、大変にありがとうございました。 私は、実は、先ほどの
自民党
の平沢
委員
より少し古くて、前の中
選挙
区
制度
で
選挙
を経て通ってきて、今の小
選挙
区
比例代表並立制
のもとでも
議員
をさせていただいておりまして、そういう
変化
も踏まえた上で、後ほどお聞きをしたいと思うんです。 特に、今回、
衆議院
の
選挙制度
に関する
調査会答申
を、十七回にわたって、
佐々木
元
座長
には御苦労いただいて取りまとめいただきましたので、きょうは主に
佐々木
元
座長
を中心に御質問をさせていただきたいと思うんです。 一月の十四日に取りまとめられた後に、余りマスコミの前には
佐々木
元
座長
も登場されていなかったんですけれども、二月の十六日の共同通信の配信の記事がございまして、そのときに、
佐々木座長
がインタビューに応じておられるわけですね。 当時、これは報道で知るところで、
自民党
内の
議論
はそのとおりだったかどうかわかりませんが、二月十日に、
答申
を尊重するとして
定数
十
削減
を了承した。報道によると、自民案では、当時では、
削減
は二〇年の
国勢調査
に基づくとした上、
削減
を必ず実施する内容を、関連
法案
の主要部分に当たる本則ではなく、本則を補う附則に記す方向だと。これは途中の話ですけれども、そのときに、
佐々木
元
座長
は、
自民党
案のまま各党
議論
が進んだ場合について、本則にきちんと書かず、曖昧なまま二〇年以降に頑張りましょうという話で終わるならば、何もやらないことに限りなく近い、事実上の棚上げだ、そういうふうに指摘した、そういうように記事が出ているわけでございます。 結果として、
自民党
さんの中でもさまざまに御
議論
があったと思うんですが、私は、今回の、これは民進党案もそうなんですけれども、この
調査会
の
答申
で
議論
された
アダムズ方式
というものをしっかりと本則にきちっと書き込むのかどうかというのは
一つ
の大きな肝であったと思うんです。私ども公明党のもともとの案は今回は
法案
になりませんでしたけれども、しかし、
自民党
案に我々が最終的に賛成する
一つ
のポイントというのは、
アダムズ方式
というものが本則にきちっと明記されるかどうか、そういう判断を
一つ
の大きなポイントに私どももしておりました。 今回、対立はしておりますが、自公案も民進案も、
答申
にのっとって
アダムズ方式
を本則にきちっと明記することになったということについて、取りまとめに当たられた
佐々木
元
座長
としてはどのように評価されているのか、まず
お答え
いただければありがたいと思います。
佐々木毅
25
○
佐々木参考人
お答え
申し上げます。
都道府県
への
議席
の
配分
という問題は、ずっと司法の世界でやはり問題になってきたポイントだったろうと思っておりまして、緊急
是正
についても、それ以前の
配分
が生きている、つまり、廃止された条項に基づく、
平成
十二年のいわば根っこがまだ生きているということが問題になってきたという
意味
では、一度更地にするという
原則
を、新しい
原則
に基づいてし直すというのを入れていただかないと、
格差是正
問題はいつまでも尾を引くのではないかということを大変心配していたものですので、これが延びるようだと困るなと。余り周りでいろいろなことをささやく人がいるものですから、ちょっと警告を発しようと思ってしゃべったのかもしれませんが、これはゆるがせにできないポイントである。 司法部にとっては、
定数削減
はどうでもいいと言っちゃ悪いけれども、基本的には問題ではございませんので、その根っこの部分の整理をやはりやる覚悟を
国会
の側に示してもらいたいという
気持ち
でおりましたので、その後の推移というものは、それなりのスピード感を持って、
答申
の実現に向けて皆様に進めていただいているのではないかという
認識
を持っております。 以上でございます。
佐藤茂樹
26
○佐藤(茂)
委員
そこで、今回まさに九
方式
の中からさまざまに
検討
されて、最終的に
アダムズ方式
でいこう、そういう
答申
の取りまとめ、これが今、
国会
で、この
委員会
で
議論
している両案にも大きく影響を与えているわけですが、その
アダムズ方式
にした場合の、もともと考え方として、四
条件
に一番ふさわしいのが
アダムズ方式
だ、そういう考え方だということが、例えば
答申
の
結論
のところでも、満たすべき
条件
として、
一つ
は、
比例性
のある
配分方式
に基づいて
都道府県
に
配分
すること、
二つ目
が、
選挙区間
の一票の
格差
を小さくするために、
都道府県
間の一票の
格差
をできるだけ小さくすること、三番目に、
都道府県
の
配分議席
の増減
変動
が小さいこと、四つ目に、
一定程度
将来にわたっても有効に
機能
し得る
方式
であること、こういう
観点
から
アダムズ方式
が一番ベターではないか、そういう選択をされたということに
結論
としてなっているわけです。 ぜひ、
佐々木
元
座長
には、
アダムズ方式
のメリット、ここを一番評価して、小
選挙
区並びに今回は
比例代表
の方も
アダムズ方式
を採用すべきだと、
最初
の冒頭のところでも少し触れられていて、重なる質問になるのかもわかりませんが、
アダムズ方式
がこういう点ですぐれているので、今回、
答申
の肝にこういう
方式
を採用するようにしたんだ、その
理由
について改めてお述べいただければありがたいと思います。
佐々木毅
27
○
佐々木参考人
お答え
いたします。 ただいま
議員
からも
お話
ございましたように、さまざまな
観点
がございますので、
委員
それぞれにおかれましても、注目点が少しずつ違っていたのかもしれません。 私らが
議論
する中で
一つ
やはり念頭にありましたのは、何増何減という
変動
ですね。これがやはり大きいというのは非常に難しいだろう。採用するに当たっては少し大きな困難で、もちろん一票の
格差
も基本でありますけれども。 ですから、そういう
意味
での、言葉が不適切かどうかわかりませんけれども、適用可能性というものが、政治的に余りハードルが高くない可能性は頭の中にあったというのは本当のところでございます。 その
意味
でいうと、いろいろな
方式
の中で、何を優先順位に置けばこの
方式
という面もないわけではございませんが、
増減幅
の比較的穏やかなものというものも、結構、皆さんの頭の中には、これを賛成だという
意見
を決めさせた原因の
一つ
ではなかったかというふうに思っております。 これは各
委員
の
意見
に対する私の推測でございますので、その限りにおいてちょっと過ぎた話かもしれませんが、そういうふうに考えております。 以上でございます。
佐藤茂樹
28
○佐藤(茂)
委員
それで、
アダムズ方式
については、先ほど平沢
委員
も質問の中で少し触れられておりましたけれども、
答申
の中にも少し同じ
意見
を言われた方がいらっしゃるみたいですが、二〇一一年に
最高裁
が一票の
格差
の原因だと指摘した一人
別枠方式
に似ている、そういう指摘がございます。現に、例えば私がこの前質問に立った本
会議
でも、一人
別枠方式
と大差ないものが
アダムズ方式
であるということを言われた
政党
もございます。 ですから、今回やはり
アダムズ方式
を採用されて、これから司法の判断にも影響を与えていくのではないかと思うんですが、
アダムズ方式
と一人
別枠方式
では考え方も
方式
も根本的に異なる、そのように私自身は
認識
しているんですけれども、ぜひ、取りまとめで
アダムズ方式
を採用しようということを決められた
佐々木
元
座長
の方から、
アダムズ方式
と一人
別枠方式
の両者の違いについてどのように考えておられるのか、わかりやすく御答弁いただければありがたいと思います。
佐々木毅
29
○
佐々木参考人
お答え
いたします。 一人
別枠方式
というのは、いわば旧来の法律に書いてあったものでございまして、また、私
たち
の理解では、あれ自身がやはり大きな不均衡というか
格差
を広げる原因になったという
認識
でもってマイナスの評価を与えられたのではないかというふうに思っております。つまり、
比例性
に乏しいということだろうというふうに思っております。それを法から削除されたというのが、緊急
是正
のときに皆さんがおやりになったことでございます。 したがって、それと今度の
アダムズ方式
を比較してどうだこうだということをおっしゃるのは、いろいろな反応はできるんですけれども、余り
議論
のための
議論
をしても仕方ありません。少なくとも、
アダムズ方式
というのは
比例性
を持った
配分方式
として認められた
方式
であるということでございまして、それとは全く異質の、別枠をつくるというような
議論
ではないというふうに我々は考えて、この
方式
、中でもいろいろな
議論
はありましたけれども、司法の判断も、結局は、
格差是正
という方向へ向かう
制度
なのかそうでない
制度
なのかということが一番肝心な問題であるということで、いろいろ
議論
の
経緯
がありましたけれども、
最後
は皆さん同意してくださったというのが
委員会
としての実情でございます。 ですから、
過程
においては、いろいろな論文その他もございますものですから、いろいろな
議論
があったことは否定するものではございませんが、
最後
はこの
比例
方式
としてこれで大丈夫、いけるという共通理解に皆さん
最後
に立ち至ったということでございます。 以上でございます。
佐藤茂樹
30
○佐藤(茂)
委員
それで、先ほど平沢
委員
の冒頭の話、質問に答えたことにも
関係
するんですけれども、今回、我々が
議論
している自公の与党案と民進党案では、違いがあるということでいうならば、同じように
答申
に沿って、大
規模国勢調査
に基づいてということは同じなんですが、いつの大
規模国勢調査
から
見直し
を始めるのか。自公案は
平成
三十二年、民進党案は
平成
二十二年の大
規模国勢調査
から。もう
一つ
の違いは、
定数削減
の仕方。これは、
定数削減
も
答申
で
議論
されているんですが、両方、実は、いつの
国勢調査
からこの
見直し
を始めるべし、また
定数削減
についてはどういうやり方でやるべしということについては、
答申
では、実は
結論
としては明記されておりません。 これはなぜ、そういう開始時期や
定数削減
の仕方について明らかにされてこられなかったのか。さまざまな
議論
はあったかと思うんですけれども、最終取りまとめの
答申
のところではそういうことが明記されなかったのは、何ゆえされなかったのか、改めてお述べいただいたらありがたいと思います。
佐々木毅
31
○
佐々木参考人
お答え
いたします。
議論
はしたんだけれども取りまとめに反映されなかったということではございません。かなり早い段階で、この問題は我々の
答申
の範囲に入れるべきか入れざるべきかということにつきまして私から提案を申し上げて、これは皆様方にお任せすべき問題だろうということでよろしいかということで、皆さんそれで納得されて、それ以後、
議論
はほとんどございませんでした。したがって、今回出ております両案にかかわるような
議論
は、
委員会
の中では一切しておりません。 したがって、切り分けをしたという形になるのかもしれませんが、我々第三者
委員会
としてできること、すべきことについては、
削減
の問題でも迷いましたけれども、これについても結構、
議論
をやりましたら大変なことになったんだろうと思うのでありますが、これは我々の手に余る問題であって、政治家の皆さんにお決めいただく以外に道はないということで、
委員会
としては統一見解をもってこういう形にさせていただいたところでございます。 以上でございます。
佐藤茂樹
32
○佐藤(茂)
委員
ちょっと大きな話をさせていただきます。 冒頭申し上げましたように、私は前の
制度
でも一度、中
選挙
区時代に、ここでいうと、ばっと見渡すと穀田
委員
なんかもそういう仲間なんですが、古い
制度
を経験し、さらに小
選挙
区
比例代表並立制
というこの
制度
でも今
議員
をさせていただいているわけでございますが、そのことについて
答申
では、「
現行制度
の
運用
についていくつかの問題点が指摘されていることは事実であるが、新たな
制度
の導入を
検討
せざるを得ないほど深刻な事態にあるとは考えられない。」というように明確に言われているわけです。 さまざまな指摘というのは、例えば、よく言われるのは非常に死に票が多いとか、あるいは
得票
数と
議席数
が相当
格差
がある、そういうような指摘もございます。 その中で私が、きょう改めて、
議論
がどういうことがあったのか、ぜひ
佐々木
元
座長
にお聞きをしたいのは、昨年の七月の十三日、これは第何回だったかわかりませんが、その中でも特に重複
立候補制度
の
あり方
について相当さまざまな
現行制度
について御
議論
があり、その
調査会
の後の記者会見の場でも
佐々木
元
座長
の方から、これはやはり整理した方がいい、そういうコメントが出されているというように報道で知ったわけでございますが、どのようにこの問題点について御
認識
されているのか、
お答え
いただければありがたいと思います。
佐々木毅
33
○
佐々木参考人
お答え
申し上げます。 重複立候補制と同一順位の
比例
名簿というのはかなり異様な感じがしないでもないものですから、これもこの
制度
の枠内でやはり一度
議論
しておかなければいけないだろうということで問題を提起したのでありますが、実は
委員会
では非常に盛り上がりに欠けまして、結局、私の思い込み、ちょっと問題を出そうと思ったんですけれども、反応が余りなくて、今の
国会
議員
の先生方に重複でも何でもやっていただくということでいいんじゃないのというような感じの話になって、そのこと自体はいろいろ
議論
があるんですけれども。 ですから、結局、
比例
制の
運用
の仕方について、小
選挙
区と事実上連動させてみたり、それから重複させてみたりというようなことについては、正直期待したような
議論
の盛り上がりにはならなかった、したがって残っていないというのが実情でございます。 以上、
お答え
いたしました。
佐藤茂樹
34
○佐藤(茂)
委員
るるお聞きをしてまいりました。 時間の
関係
で
田中参考人
には質問できなかったことをお許しいただきたいと思うんですが、いずれにしても、
答申
の
最後
のところにも書かれていますように、私どもは、今回は、一票の
格差
の問題と
定数削減
の問題に重点化した、そういう法改正でございますけれども、やはり我々立法府の立場にある者が不断の
見直し
をこれからもしっかりとさまざま超党派で
議論
していかなければいけない、そのように決意を表明いたしまして、質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
山本公一
35
○
山本委員長
次に、鈴木義弘君。
鈴木義弘
36
○鈴木(義)
委員
民進党の鈴木義弘です。 私は県会
議員
の出身なんです。地方
議会
で、市町村
議会
議員
というのは大
選挙
区制なんですね。二十人の
定数
があったり二十五があったり三十があったり、
選挙
区は全部一緒なんです。今度、県会
議員
の
選挙
になると、小
選挙
区である一人区があったり二人区があったり三人区、五人区、多いところは六人、七人区、もっと多いところもあると思うんです。 今回は、国政の方の、なおかつ
衆議院
の方だけは小
選挙
区
比例代表制
という、ある
意味
では特異な
制度
になっているんだと思うんです。 今回、
答申
に盛り込まれている十の
削減
という身を切る改革というのは、やはり昭和の大合併があって、
平成
の大合併があって、それで行財政改革をしていこうというのが
一つ
あったんだと思うんです。国ももう地方にお金を回すだけの余力がない、だからリストラしてくれという
意味
で合併を推進した時期があったわけですね。それに伴って地方はそういった
議員
の
定数
をどんどんどんどん下げてきたんだから、
国会
議員
は何やっているんだというところから、この身を切る改革というのは端を発していると私は思うんです。 それで、なおかつ、ではどのぐらいの
定数
を
削減
していけばいいのかという話になるんです。 ある地元でお世話になっている人が、いや、鈴木さん、市
議会
議員
の数が多いよ、もっと減らせ、こういうふうに尋ねてきたんです。その方に
問い
かけたんです。では、何人にすれば納得していただけるんですかということなんです。 二十人の定員があって、では、十五にしました、十三にしました、十二にしました、十にしました、そのときの社会情勢によって、多いの少ないのというのは感覚的なものだと思うんですね、では
日本
はどのぐらいまで
定数
を下げていったらいいだろうかという。 今回は十人の
削減
で
答申
を出されたんですけれども、何年か先にまたお願いをするという形になったときに、では何人下げる、こういう話になっていくと思うんですけれども、その辺のお考えをまずお聞かせいただきたいと思うんです。お二人に。
佐々木毅
37
○
佐々木参考人
お答え
いたします。 私自身は、これ以上、どう
削減
するかについて、正直なところ、
委員会
では
議論
がなかった。ただ、各党からは非常に複雑な形での御提案があった。
削減案
と
制度
を組み合わせるというような御提案もありましたので、なかなか単純に、各党の御意思も実はなかなか確認が難しかったなという感想を持っております。 その
意味
で、
委員会
の中での
意見
の分布を申し上げれば、そして私自身の感じも申し上げれば、この十
削減
というのはぎりぎりまとまったなと。
最後
の
委員会
の
最後
の一時間で辛うじてまとまったということでございまして、
議員
御存じのように、同じ数を減らすにしても、
比例
で減らすのかこっちで減らすのかでは全然持っている
意味
合いが違うということでございますので、数という問題を相当にブレークダウンして細かく落とし込んでいく
議論
をするように、
議論
の質をよくした
議論
が
国民
の中で行われた上で初めて
削減
論というものが出てくることが本当は望ましいのであって、いきなり何十名
削減
とか何名
削減
という
議論
というものは非常に粗っぽい
議論
になるのではないか。 それと、地方は、首長
選挙
と、まあ二元
代表
制ですから、ここの
制度
の違いをどういうふうに
説明
するかということについては、おのずから違うというのが我々の
委員会
の中での
議論
でございました。 御
参考
まで。
田中隆
38
○
田中参考人
お答え
いたします。 私は、
削減
そのものが、はっきり言って妥当ではないと考えています。多くの
政党
が公約されているのはそのとおりなんですが、私はその公約を支持できません。
答申
もこの点では同じ
意見
で、明らかにされているように、同じような国家との比較で決して多くはないんです。 皆さん自身がもう実感されているはずで、この間、国政
課題
がふえていますし、複雑になっている。ですから、
専門性
を持った
議員
が必要だと
議論
すらされています。そして、十八歳
選挙
権で
有権者
がふえるわけです。若者との対話がますます必要になります。そして、行
政権
が拡大するような国家では
議会
による監視
機能
が必要で、
民意
が多様化すれば多様化するほど、政治と市民をつなぐという
意味
での媒介としての
議員
の
役割
は大きくなっていると思っています。 こういう
国会
活動に限定しても、
委員会
には、皆さん、一定の数の
議員
さんが必ず必要なはずで、これを少なくすれば、今度は逆に小会派が派遣できないので、反映できない。つまり、政治家の数というのは、いることによって国政を活性化させていく、そのことにまず自信を持っていただきたいと思います。
自由法曹団
は、かつて、変な話なんですが、「誤りです!
国会
議員
ムダ論」という
意見書
を皆さんに配ったことがあります。
弁護士
が、誤りです、
弁護士
無駄論などと反論するのはまだいいんですが、何で
国会
議員
弁護論を展開したか。本質的に言いますと、そこで言われている無駄というのは、行政監視
機能
が無駄だ、
民意
との媒介
機能
が無駄だと言っているのに等しくなりまして、ますます
国会
と
国民
の間を乖離させてしまう。 そのことをぜひ受けとめていただいて、私は、自信を持って、もちろん研さん、修養に励んでいただきたいですが、減員論や無駄論を皆さんに克服していただくことを心からお願いいたします。 以上です。
鈴木義弘
39
○鈴木(義)
委員
これは
定数
の話から横道にそれちゃうと思うんですけれども、
日本
は
議院
内閣制を取り入れている国です。ですから、
議員
から内閣に大臣や副大臣を出すわけですね。おのずと、やはり下限値というのはあるんだと思うんです。 例えば、今内閣に何人出されているか、ちょっと私も数字を正確には覚えていないんですけれども、百人とか、それではきかないぐらい出ているんだと思うんですね、補佐官だとかなんとかを入れていけば。そうすると、百人よりは
定数
を割り込めないよね、当たり前の話です。では、残った百人で
国会
が運営できるのかという話になってきますから、おのずと、やはり最小の下限値というのはあるような気がするんです、もし
削減
をするということであれば。 それと、あと三十年たつと、団塊の世代の先輩方が他界をしていきます。一千万人を超える方です。そうすると、
日本
の
人口
は極端に少なくなります。地方で
議員
の
定数
をどんどん減らしていく、
アダムズ方式
でやっていって、先ほどもいろいろ
議論
があったと思うんですけれども、では
国会
の
機能
として、
議員
がいなければ
国民
の声が反映できないのかというのは、違うシステムをつくるという考え方も必要なんだと思うんです。 ですから、きょうみたいな、
参考人
の御
意見
を頂戴する、地方公聴会もやる、中央公聴会もやる。特定の、自分
たち
の会派の方から選任をお願いした方に
参考人
でお見えをいただいて
お話
を聞くわけなんですけれども、もっともっと公聴会を頻繁にやるような形をとったっていいわけです、
民意
の反映ということであれば。
議員
が代弁をするばかりじゃなくて、直接
国民
の声を聞くという仕組みがあってもいいと思うんです。今回の
選挙制度
とは全然かけ離れちゃうんですけれども、その辺はどうお考えになりますか。 ですから、
削減
をするという、先ほど、
田中参考人
の方は、
削減
する必要はないよと言う。
佐々木参考人
の方は、
削減
をした方がいいという考え方で話をまとめていただいて、
答申
書としてお出しをいただいたわけですから、少なくしていこうということに関しては御賛同いただいていると思うんですけれども、では、そのかわりの
制度
というのはどういうふうにお考えになるか、お聞かせをいただきたいと思います。お二人で。
佐々木毅
40
○
佐々木参考人
お答え
いたします。
答申
の範囲を外れる問題かと思いますが、
国民
の一人として、やはり
国会
議員
の方々の活動が目に見える局面で、大変多くの拘束時間の中で活動しているなということが見える場面をどんどんつくっていただくということについては、一工夫、二工夫必要かなというふうに思っております。 例えば、私が知っている限りにおきましても、とにかく本
会議
の時間が世界一短いというようなことは、単純な話のように見えますけれども、本
会議
をやっていれば、皆さんが出ておられるという感じで素直に受けとめられるわけでありますけれども、
委員会
や、あるいは公開でないところでの御活動といったようなものは
国民
には見えません。ですから、どのような形で活動を
国民
に伝えていくかという、公聴会に限らず、いろいろな
国会運営
の仕方につきましても一工夫、二工夫していただく時期が来ているということについては
田中
さんとそんなに立場は違わないですけれども、私もある種の危機感を持っているものですから、ぜひ工夫をしていただくということは必要だろうというふうに思っております。 以上でございます。
田中隆
41
○
田中参考人
お答え
させていただきます。 公聴会あるいは
参考人
含めて、
国民
の国政に対する参加の機会あるいは関与の機会をふやしていただくことは、ぜひお願いをしたいと思います。 この間、いろいろな問題で、
自由法曹団
の団員、例えば、安保法制の問題であったり、震災の問題であったり、原発
関係
、地域に入って活動しています。はっきり言って、
国民
の方々の政治に対する関心は高まっていると思いますし、批判や不満もあると思います。そのことをいろいろな格好で国政に反映させる、発言できる道筋をつくることは、皆さん方の責任だと思うんです。これはぜひお願いしたい。 ただ、そのことと、だから
議員
の
定数
を減らすこととがバーターなんだという理解は、私は余り賛成しないんです。それができるんだったら、逆に
議員
の皆さんの姿が見えます。 それから、皆さんにはぜひもっと透明度をふやしていただきたい。つまり、
国会
が
国民
の多様な声を理解して、そして、それこそ
佐々木
先生の
意見
と同じです、
国民
に
議員
の姿が見える形にすることが、
議員
が多くても理解ができるようになる。いや、もっとふやせよという声が出てくるぐらいにぜひ奮闘をお願いしたいというのが、私の
意見
です。
鈴木義弘
42
○鈴木(義)
委員
ここは
衆議院
なんですけれども、私は常々疑問に思っておりまして、
衆議院
と参
議院
でなぜ同じ
法案
を審議しなくちゃいけないのかといつも思うんです。 だから、地方の声が届かなくなるから
定数
を
削減
していくのはどんなものでしょうかという話になると、では、なぜ、
衆議院
で
定数
を減らす、参
議院
も同じような考え方で
定数
を減らしていくわけですね、全体的な
定数
を減らしていこうと。地方の声を国政に届けてもらうんだということであれば、その
役割
は
衆議院
が担うのか、参
議院
が担うのかというのを
議論
してもいいんじゃないかと思うんですね。
衆議院
で
法案
の審査をしたら参
議院
に送って、今度は参
議院
から
衆議院
に
法案
が来るわけです。同じ
法案
を審議している。附帯決議がついたり、修正が時にはなされるときもありますから、
二院制
でやっていくのは、
一つ
のメリット、デメリットがあるんだと思うんです。 でも、そういったことも含めて、今回は
衆議院
の小
選挙
区の
定数
の
見直し
と
選挙制度
の改正になるんですけれども、もうちょっと、参
議院
と
衆議院
の
役割
だとか、
選挙制度
自体の
あり方
も視野に入れてこの
衆議院
の
答申
をお出しになっているのか、そこのもとのところを、もし差し支えなければ、お二人の
参考人
、まあ
答申
は
佐々木参考人
で、もしお考えをお述べいただけたらありがたいと思うんです。
佐々木毅
43
○
佐々木参考人
お答え
をいたします。
衆議院
の
議長
のもとに設けられました
委員会
でございますので、もう
一つ
の院のことについていろいろなことを申し上げるというのは、初めから制限がございます。 ただ、この
最後
のところに
国会
、
国会
という言葉を使ったのは、今
議員
がおっしゃられたような
気持ち
を少なからず込めて、この中では
衆議院
、参
議院
という話になるけれども、
国民
から見れば、全体として
国会
がどうなっているかということを、メッセージが伝わるようにしてもらわないと困る。もっといろいろな、そういう
意味
では、これからも継続的に御
努力
をしていただきたい、このような
気持ち
で書かせていただいたところでございますので、ちょっと具体論は差し控えさせていただきたいと思います。 以上でございます。
田中隆
44
○
田中参考人
私なりに
お答え
いたします。
憲法
が
二院制
を採用し、かつ、
憲法
上はかなり同質的な地位を与えてしまっている。これは、
憲法
を変えない以上、これを
前提
として両院の
関係
を考えるしかないと思っています。 その上で、合理的な調整をどうするかという
議論
はあるとは思っているんですが、しかし、
衆議院
と参
議院
、やはり、選ばれる時期が違う、あるいは
選挙制度
も
選挙
区も違う中で選ばれた
二つ
の院が同じ問題について違った角度から
議論
することについて、一般的には
意味
はあると思っています。 特に、重大な問題になった
法案
について、参
議院
での
議論
がかなり決定的に前に進めたというようなことも、率直に言ってございます。ちょっとこれを言うと
衆議院
の皆さんに怒られるかもしれませんが、昨年の安保法制の
議論
について、参
議院
に行ってからのいろいろな
議論
を随分
参考
にさせていただきました。これは事実です。 それから、さっき
政治改革
という話が出ましたけれども、
衆議院
の
政治改革
に関する
法案
が参
議院
に行って否決されるんですね。私も反対運動をやっていましたから、参
議院
は
関係
ないんやという
議論
から始まって、実はこれは
議会
の
あり方
に関する
議論
なんだというところに参
議院
がいって、いわば
国会
や政治や
議会
の
あり方
が何だというところまでいって、一遍ひっくり返るんです。まあ、またひっくり返りますが。 そういう
役割
を参
議院
が果たしてきた、ないしは
衆議院
と参
議院
が
二つ
あることによって果たしてきたことは、決して無視すべきじゃないと思います。 あわせて、それを有効に
機能
させるために、
衆議院
と参
議院
の
二つ
の
選挙制度
の総体的な調整もしておくべきだと思います。さっきちらっと言いましたが、
自由法曹団
は、
衆議院
については、一層
政党
化が進んでいるだろうから
比例代表制
を提唱し、参
議院
については、人を選べることを重視した大
選挙
区制を提唱するというふうに考えているのが、その
一つ
のプランです。 いろいろなことが考えられると思いますが、やはり
衆参
をにらみ合わせた
議論
が今の
憲法
のもとでも必要になっているとは思っております。 以上です。
鈴木義弘
45
○鈴木(義)
委員
そこで、明治維新が起きて百六十年ぐらいたっているんですけれども、四十七
都道府県
は、百六十年間、全然変わっていないんですね。 参
議院
の話をここの場で申し上げるのは失礼かもしれませんけれども、県をまたいで
一つ
の一人区に、二人区というんですか、
選挙
区をくっつけているんですけれども、これは、ずっと先に行っても、必ず一票の
格差
という話になって、
都道府県
単位
で見ていくと限界値が必ずやはり来ると思うんですね、四十七
都道府県
で物事を見ようとすると。東京は今度のこの
衆議院
の
定数
の
見直し
をすれば三つふえますよとか、どこそこの県は
一つ
減ります、どこは
一つ
減ります、こういう話になってくるんですけれども、そうすると、どうしてもぎりぎりのところで、そこのところの壁が、やはり四十七
都道府県
というものの考え方についてくるんじゃないかと思うんです。 その辺の、ことしとか来年とか、そういう話じゃないので、将来にわたっての考え方をもしお二人からお示しいただけたらありがたいんですけれども、ちょっと質問の
趣旨
がわからなければ、また尋ねてください。
佐々木毅
46
○
佐々木参考人
お答え
になるかどうかわかりませんけれども、実は、我々の
委員会
でも、やはり
都道府県
に
議席
を
配分
するという
方式
をどうするかということが
議論
になったわけであります。 しかし、
ブロック単位
で
選挙
をやっているということでいえば、もはや
都道府県
の上に
選挙
区ができているという理解もできるのではないかという
議論
を展開された
委員
もいらっしゃいました。そうすると、各
都道府県
へ
議席
を
配分
するアダムズだ何だということをやる必要はないんじゃないか、県境をまたいで
選挙
区を設定すれば、
ブロック
制的小
選挙
区制というんでしょうか、
ブロック
の中に小
選挙
区を入れ込むというようなことはどうだろうかというような
議論
を出した
委員
もいましたが、なかなか、まだ
都道府県
という枠はそう簡単に、我々の
委員会
がどうできる
制度
でもございませんので、結局は引っ込められたのですけれども。 今の枠でも、いろいろな
議論
の推移によっては、いろいろなことを考えなきゃいかぬということが出てくるかもしれません。
一つ
の可能性の問題として、例を挙げさせていただきました。 以上でございます。
田中隆
47
○
田中参考人
私からも
お答え
させていただきます。 大変大事な御指摘だと思っています。 私
たち
はもともと、
お話
ししましたように、広い
選挙
区から多様な
代表
を選べ、こういう考え方をとります。そういう考え方では、どうしても、
都道府県
単位
ということにこだわらない方向に行くんです。その問題は、さっきどなたかも御指摘になった、地元から
代表
を送り出すという問題と、地方の利益、地方の
課題
にどう国政が応えるかという問題をどう調整するかという問題に行くんだと思うんです。 当然ながら、一方で、地方分権あるいは地方の衰退等が言われる中で、どのような
選挙制度
をとろうとも、
国会
議員
の皆さんには、地方の問題に重点的な配慮が必要だと思います。 そうだけれども、御指摘になったように、
都道府県
という
単位
だけに
最後
までこだわってやっていくことが長くいけるとは思いません。さっきの
アダムズ方式
の最終的な矛盾は、本当に
人口
が流動化していったときに、それでも一
議席
だけ残すのか、そのことと
最高裁
が言っている
投票価値
平等をどう調整するのかという問題が起こりまして、そこまで行けば、やはり
違憲
論が出てくるんですよ。そうすると、どこかで越えられるしかないと思います。 さらに、私はあえて申し上げておきますが、その場合の平等というのは、ただ単に地域的な平等だけを言っているのではなくて、
投票価値
の平等まで本来考えるべきことを提起しているのではなかろうかという点も申し上げておきます。 私からは以上です。
鈴木義弘
48
○鈴木(義)
委員
時間が参りましたので。
制度
の
安定性
というのがきのうの
委員会
でも
議論
になったんですね。ですから、限界値を超えちゃうと
制度
の
安定性
は担保できない、そういうお考えなのかなというふうに今お聞きしたんですけれども、以上で、時間が参りましたので終わりにしたいと思います。
参考人
の皆様方には、ありがとうございました。 終わります。
山本公一
49
○
山本委員長
次に、穀田恵二君。
穀田恵二
50
○穀田
委員
日本共産党
の穀田恵二です。 お二方の
参考人
、
陳述
ありがとうございました。 私は、まず
佐々木参考人
にお聞きしたいと思います。
衆議院選挙制度
調査会
は十七回開催し、その
答申
を受けて、実はこの
国会
に
二つ
の
法案
が
提出
されました。その
答申
を出された
調査会
は非公開で行われ、議事録も一切公開されていません。どういう
議論
があったのかは
国民
は知りようもありません。したがって、きょうは、どんな
議論
を経て
結論
が出されたかなど、その
座長
であった
佐々木参考人
に
最初
にお聞きしたいと思います。 まず
最初
に、
定数削減
についてです。
調査会答申
は、「
現行
の
衆議院議員
の
定数
は、
国際比較
や過去の
経緯
などからすると多いとは言えず、これを
削減
する積極的な
理由
や
理論的根拠
は見出し難い。」と述べています。 私は、各党のヒアリングの中で、二〇一五年十二月七日に、
定数削減
の根拠は何かということを
問い
ました。それはないじゃないかということを述べたわけであります。 ことし一月の
答申
説明
会並びに本日の
陳述
で、
佐々木参考人
は、
調査会
の多くの
委員
は慎重な
意見
を述べられた、客観的な根拠と言われるとなかなか難しい、大幅な
削減
はないということに皆さんが合意したと明らかにしています。これは、
調査会
の有識者の
委員
の大方が
定数削減
に慎重な
意見
であって、客観的な根拠は難しいということが理論的な
結論
だったということと理解してよろしいですね。
佐々木毅
51
○
佐々木参考人
お答え
いたします。 客観的根拠を挙げることは難しいというのは、皆さんの御
意見
でございました。 以上でございます。
穀田恵二
52
○穀田
委員
その点では、安倍総理も、
調査会
における
結論
としては
定数削減
をする必要がないとなっているというふうに発言されたことは正鵠を得ていると私も思います。 そこで、
佐々木参考人
は、
説明
会で、実は、まとまらなかったという報告も出しかねないところまで行き、
最後
まで苦慮したと述べておられます。そして、
定数削減
を諮問された以上、答えを出さざるを得ないという義務感みたいなものによって、
定数
十
削減
で奇跡的に
意見
の集約ができたと
説明
しています。覚えておいでだと思います。 奇跡的にというのはどういうことか、どういう
議論
があって、結果的には奇跡的にまとまったのか。ちょっと
お話
しいただければ幸いです。
佐々木毅
53
○
佐々木参考人
お答え
いたします。 実は、この
削減
問題のもう
一つ
のファクターとして、緊急
是正
において五
議席
、既に
削減
されているということがございまして、それを頭の中に入れて御提案なさる方と、それは別個に、これから何
議席
削減
するということを提案するべきだという人とで、まず出発点がちょっと微妙に違っていたということがございます。 それで、私は、各党ヒアリングの際に、皆さんは
削減
の場合の出発点にあの〇増五減を入れて、その上での
削減
を御主張なさるのか、あれも加えて御主張なさるのかということをかなりしつこく聞きました。そうしましたら、皆さん、あれは別だ、新たに考えてくれという御
意見
だったものですから、一応、我々としてはそういう
認識
を踏まえて活動したわけでございます。 実際の数としましては、数の問題ですから、五が減ったことは確かでございますので、そこで、小
規模
案と二桁に近い案とで、
最後
まで
議論
が、両案、
最後
の日まで、実は起草
委員会
の方で案を出そうということになったんですけれども、起草
委員会
の中からも、
一つ
の案では難しいなということで、
二つ
の案が出たというようなぐあいでございます。 私が、奇跡的というか、どうなるかわからないと思ったのは、そういう状況を踏まえた上での発言だったと記憶しております。 それで、さらに問題は、減らすにしても、どっちで減らすのかということについて、小
選挙
区で減らすのか、
比例
区の方で減らすのかということについて、同じ数を挙げられる方の中でも実はかなり方向が違っている可能性がございましたものですから、そこがさらに、例えば三
議席
とか四
議席
ということであればどっちにしろそんなに大きな振れはないんですけれども、二桁に近くなりますと、特に
格差是正
を重視する方の中には、これは可能性としてですけれども、小
選挙
区は減らさないで、
比例
を専ら減らして、小
選挙
区は今のままにしておくべきだという
議論
だってあり得たわけであります。あるいは、その反対に、
民意
の集約が強過ぎるということで、今度は小
選挙
区の方に減らしてもらおう、
比例
の方はそういうことにしないようにしよう、比重を変えようという
議論
もあったわけでございます。 その
意味
で、数の問題の下に、どっちの
制度
に軸足を置いて減らすかという問題が一緒に絡み合っていたものですから、先ほど
議員
がおっしゃられたように、連立方程式がだんだんややこしくなってきまして、はっきり申し上げますと、
委員会
は、いわば
議論
の中でしか
結論
を生み出すという作業をいたしませんものですから、まとまるかどうかについて
最後
の
最後
まで予断を許さなかったというのは、もう少し立ち入った
説明
をしますと、そういう状況の中で、
最後
に、十で、しかも三対二ということでもって皆さん合意されたということでございまして、あと残り時間約一時間なかったぐらいのところでそういう
結論
になったというのが実態でございます。 経過
説明
しろということだったものですから、少々細かく
説明
させていただきました。 以上でございます。
穀田恵二
54
○穀田
委員
そういう結果、先ほど公明党の
議員
に
お話
がありましたけれども、
定数削減
というのは余り重要でなかったという旨の発言も若干ありましたけれども、そういう
前提
があったのかと思い知った次第です。 いずれにしても、さほど大きく減らすという
意見
はなかったということだけは確かと。最高でも、今あれしましたように、十というふうなことしかなかったということは、よくわかりました。
佐々木参考人
は、
説明
会で、
議席
は
有権者
にとっては選ぶ
権利
である、
代表者
を派遣する
権利
を
有権者
が持っているということが、
議席
が
削減
されることによって事実上弱体化する、
削減
される、有為な人材を集めることによる
国民
の
代表議会
としての
国会
の
機能強化
、行政府との
緊張関係
の維持等の
要素
を考慮する必要がある等々の
意見
が出され、先ほど私が指摘しましたけれども、大幅に
定数削減
することは適当であるとは言えないということが
調査会
の大体の
意見
だったとわざわざ
説明
をされていました。 これは、先ほど
理論的根拠
を見出しがたいと述べた中身の
一つ
として理解してよろしゅうございますね。
佐々木毅
55
○
佐々木参考人
お答え
いたします。 つまり、何か明確な、数的な基準でもって
議員
の数の問題を
議論
するということは困難であると。 実は、いろいろな仮定の
議論
はありました。例えば、この十年間で
人口
の減少を基準にして考えたらどうかとかいうようなこと、いろいろな、学者さんが集まっていますものですから、そういうのはどうだろうかとかという話もありましたけれども、逆に言えば、
動き
がとれなくなってしまうし、事柄自体がそういう
議論
で割り切れるものでもないだろうということもあったものですから、数値的な
意味
での客観的な基準を出すということは難しいだろう。 ただし、先ほど鈴木
議員
からも
お話
があったように、
国会
で、例えば、
政権
を担って、
政権
を担当している
政党
がどれぐらいの
議員
が絶対に必要なものかというようなことは、一応、我々もそれなりに研究はしました。ただし、いろいろな人の
意見
を聞きますと、
委員
の中から、それでも運営を変えれば何とかなるじゃないかとかいうような話もなかったわけでもないし、そういう
意味
では、かたい数字で
議論
を立てることは難しいという
意味
では、客観的基準が見出しがたいというのはそのとおりでございます。 以上でございます。
穀田恵二
56
○穀田
委員
だから、そういう
意味
での、今
お話
があった
理論的根拠
を見出しがたいというのは、そういう点もあったということだと思うんですね。 私は、
議員定数
の
あり方
というのはどこから出発するかということでいうと、数の基準というのをどこに求めるべきかというのは、減らせばいいというものではないというのは明らかだと思うんですね。 問題は、この
定数削減
の出発は何だったかというと、身を切る改革と称して始まったわけですよね。これは、
民主党
野田
政権
が、
国民
の皆さんに消費税増税をお願いする以上、政治家も身を切る改革が必要だと言って、
比例
八十
削減
を持ち出したことがきっかけであります。 よく考えますと、増税をお願いすることと、
国民
の
代表
である
議員定数
を
削減
するというのは、次元が違う話なんですよ、もともと。だから、
調査会
の
議論
でも、増税と
削減
の組み合わせを一度慎重に
検討
し直す必要があるとの
意見
があったと、
佐々木参考人
は
説明
会で紹介していたわけですね。 しかも、きょうもありましたけれども、いきなり
定数
になるのはいかがなものかという話がありましたけれども、言い得て妙といいますか、その辺の、この
議論
というのはすりかえとちゃうのかという考え方については、
参考人
、ぜひ御
意見
を伺いたいと思います。簡単でいいです。
佐々木毅
57
○
佐々木参考人
お答え
いたします。 先ほど来、
議員
からも御紹介ございましたような形で、幾つかの段階がございました。 そもそも、第三者
委員会
が
国会
の人数を決めるということ自体あり得る話かというのがそもそも論としてありました。幾ら何でもこれは
国会
が決めることでしょう、それはまあ決めるんでしょうけれども、我々のところにボールを持ってこられても、なすべき仕事なのかどうかという大
原則
論から始まって、穀田
議員
が言われたようないろいろな問題がさらに提起されたということでございます。 その
意味
でいえば、問題の性質上、やはり第一義的には、ですから、我々の
答申
でも、もしどうしても聞かれればこう答えますというような、文章の据わりもちょっとトーンが、
報告書
のトーンも少し違っているというのは、客観的基準に基づいて第三者
委員会
が何か言うことができないという
気持ち
と、それはそちらの決めることじゃないですかねという
気持ち
も幾らか入っているということで、御理解いただければありがたいと思います。 以上でございます。
穀田恵二
58
○穀田
委員
はしなくもという言い方はちょっと悪いんですが、今
参考人
が
お話
あったように、
定数削減
しろという諮問だったからしたよというのがにじみ出たのがよくわかりました。 それで、
一つ
だけ聞いておきたいんですけれども、先ほど
参考人
は、
アダムズ方式
を
比例
のところにも導入するという問題についても
お話
ありました。こう言っていますよね。今の
制度
でいうと、小
選挙
区のドント
方式
というのは、
現行制度
は
比例性
に乏しいという話があって
アダムズ方式
を入れたという話がありましたけれども、
比例代表
の
制度
というのは、
現行
の
制度
は最も
比例
に近い
制度
だと言われるのが常識です。そうすると、なぜ、
比例代表
の
制度
を変える、その問題についても
アダムズ方式
を入れるのかというのは、理屈が合わぬと思うんですが、いかがですか。
佐々木毅
59
○
佐々木参考人
お答え
いたします。 実は、
議論
の
過程
で、合区といいましょうか、
ブロック
をつなげるという案を出された
政党
がございまして、それはもちろん、
比例定数
の
大幅削減
とセットで出されていたという記憶がございます。ですから、例えば三十減らすとかいうような話になれば、そういうことも考えなければいかぬかなということが実は我々の頭にございました。 しかし、
ブロック
を
一つ
にするということは非常に大きな出来事でございますので、できるだけ今の十一
ブロック
というのは、将来のことはわかりませんけれども、まだ存続の余地があるのではないか。特に、
議席
の数が四とか三とかいうことになりますと、ちょっと
比例
制としての
役割
を果たせなくなっていく可能性があるということが非常に気になったわけでございます。 そういう
意味
では、我々としましては、今の十一
ブロック
、結果として四
議席
ですから、そのこともあったんですけれども、十一
ブロック
はやはり維持した方がいいだろうというのが、裏を返せば、
比例
の
削減
はその
程度
にとどめるという
意味
合いと、さらに、その上で十一
ブロック
を存続させるというためには、
最大
剰余法ですか、今の
方式
よりもアダムズの方がいいではないか。そういう
意味
では、十一
ブロック
というものを応援するための意図も、正直なところ、なかったわけではございません。 以上でございます。
穀田恵二
60
○穀田
委員
今も
お話
ありましたけれども、
比例
十一
ブロック
を維持するということを
前提
に考えたという筋の方が見てとれるというふうに思いますよね。私はそういうふうに見ました。だから、
アダムズ方式
を
比例
のところに入れるという根拠は、その場合だったら、では十一
ブロック
を動かしたらいいのじゃないかというふうに発展するわけですから、それはそれであり得たと思うんですね。
最後
に、では、恐れ入ります、
田中参考人
に二、三お聞きしたいと思います。 私は、先ほど
お話
をお伺いしていて、特に今度の
答申
に当たっての諮問という
最初
の第一項は何だったか。それは、皆さん、二十九回の各党協
議会
でいろいろなことがまとまらなかったと、そればかり話します。 しかし、まとまった話はあったんですよ。それは、今の
現行制度
が
国民
の
民意
を集約するということに大きく偏り過ぎていて、
民意
をゆがめているということについては一致したんですね。それが唯一の一致
事項
で、しかもなおかつ、そのことによって
現行制度
を評価、
検討
しようじゃないかということになったわけですよね。それが
調査会
で十分やられていないという問題があるということなんですけれども、
現行制度
の弊害は何かということを端的に
お答え
ください。
田中隆
61
○
田中参考人
お答え
いたします。 言い古された話だと思っているんですが、中心になっている小
選挙
区制の
機能
そのものなんです。 要するに、
一つ
の
議席
しか選びませんから、その
選挙
区への第二党以下の投票は全て
制度
的な死票になります。
政権党
になった第一党は、
得票
率に比べてはるかに多くの
議席
が確保できる。
政権
にとっては大変都合がいいんです。ただ、第二党以下は何を考えるかといえば、
政権党
に対抗する
政党
をと考えざるを得ないから、離合集散が起こり、二大
政党
になるかと思ったら結果的に溶解する、これを繰り返すことになります。 そんなことは、実は、二大
政党
制といういわば
制度
前提
がないこの国に小
選挙
区制を持ってきたらそうなることは当然わかっていまして、何度も警告しました。残念ながら当たってしまったと思わざるを得ません。 このことは
有権者
の側からいうと、
最高裁
も指摘している
投票価値
の平等が、自分が投票する一票の値打ちの点で保障されぬことを
意味
しています。さっき、
アダムズ方式
というか、地域的な平等なんですよ。しかし、
有権者
は何のために投票するかというと、自分の一票を託した
議員
を当選させたいためです。それを
最大
限保障するのが
投票価値
の平等のはず。 自治体の首長や大統領のように当選者が一人だったら、落選者に対する投票が全て死票になるのは当たり前なんです。
議会
、
衆議院
は何百人も選出するわけですよ。何百人も選出する
議会
において何で
選挙
区や
ブロック
の当選者を一人にしなきゃならないのかという問題、これは必然性は全くありません。これを一定の人数にすれば、第二党以下の候補や
政党
の投票も
議席
に結びつくんです。
一つ
例を出せば、今参
議院
の方で何とか野党が
一つ
の候補者を擁立して頑張ろうとされています。今の一人区のもとで
国民
の意思を何とか反映しようという
努力
は大変高く評価します。ただ、えらく苦労をされていますよね。だって、たしか提携されている民進党さんと共産党さん、
政策
はかなり違うわけです。同じであるなら
一つ
の
政党
にまとまるんですから。それをやろうとするから苦労をする。 だったら、それぞれがそれぞれのビジョンを掲げて
選挙
をやって、それぞれの
得票
率に合わせて当選者の数を決めて、
課題
については一致するところで共闘するというような方向にどうして行かれないか。本来、
議会制民主主義
というのはそうじゃなかったのか、中
選挙
区制の時代にそれをやってきたんじゃないですかということが小
選挙
区制の問題であり、私が申し上げる
政治改革
の
見直し
の基本
課題
じゃないかと思っております。
穀田恵二
62
○穀田
委員
最後
に一言、
田中
さん、二十年前に
政治改革
があったわけですよね。それを振り返って、どう評価し、現在何を求めるかということについて簡潔に
お答え
いただきたいと思います。
田中隆
63
○
田中参考人
お答え
します。 端的に申し上げます。 全くの間違ったことをやってしまったと思っています。 何が基本だったかというと、
政権
を選ぶための総
選挙
だと考えたことが間違いなんです。全
国民
の
代表
を選ぶのが総
選挙
であったし、その全
国民
が集まったのが
国会
議員
だったんです。
政権
選択にしたら、必然的に小
選挙
区制にいかないんです。 あの
議論
の中では、それこそが
最大
の
価値
のように言われました。ところが、
憲法
を見ても世界の
政治制度
を見ても、そんなことはどこにもない。アメリカとイギリスだけは確かにありましたけれども。しかも、
議論
の中で、さっき参
議院
の話もしましたけれども、その辺のことは随分明らかになっていって、党派を問わず、
国会
の中では、おかしいんじゃないのかという
議論
が起こりました。 ところが、あのとき、むしろ外から、財界や連合やメディアやあるいは学者の皆さんが、とにかく改革だと叫ばれた。一種の改革の暴風が起こりました。反対したら、守旧派だと。我々
自由法曹団
の
弁護士
は守旧派と言われたって別に食うに困りませんからやりましたけれども、反対するのが大変難しいような、冷静な
議論
ができないような状況にされてしまった。その中で一番
根幹
の問題が強行されたこと、当時かかわった人間として非常に残念です。 その思いのあるうちに
見直し
をし、冷静な
議論
をする必要がある、こう思っております。
穀田恵二
64
○穀田
委員
ありがとうございました。
山本公一
65
○
山本委員長
次に、浦野靖人君。
浦野靖人
66
○浦野
委員
おおさか維新の会の浦野です。 本日は、
佐々木参考人
、
田中参考人
、どうもありがとうございます。朝からの
議論
で、本当に大変勉強になる部分もあります。 私も、民進党の鈴木
委員
と同じく、
都道府県
議会
出身の
議員
です。大阪府
議会
の出身です。 きょうもずっと
定数
の問題で
議論
がありました。 おおさか維新の会は、
参考人
の皆さんも御存じのとおり、唯一、
大幅削減
ということをずっと掲げている
政党
になるわけですけれども、単純に
議員
の数だけで
議論
をしているわけでは我々はないんですね。なぜ
国会
議員
の数を減らすか。それは、やはり地方分権をしていくと、道州制、地方分権、そういうことを実行していけば、必ず
国会
での
議論
されるべき
政策
というのは減っていくだろう、その中で
議員
の数を必ず減らすことになるだろうという
前提
のもとで我々は
議員定数
の
削減
も言っているわけですね。だから、ただ単純に
削減
しろ、
削減
しろと言っているわけではないです。 ただ、私も政治の世界に入って今で十三年になります。この十三年間で、そのうちの十年は地方
議会
でずっと、当時はほとんどの時期を
自民党
の府会
議員
として過ごしました。その中で、国政の先生を見る中で、本当にこの人いるのかなというふうに思ったのは事実です。誰かすぐわかっちゃいますけれども、私の
選挙
区の方で、
自民党
の方々も思い当たるとは思います。 私
たち
は、別に、ただ単純に減らすんじゃなくて、やはり政治家の活動を見てきて、見てきた上でそう思っているわけです。私も、今は
国会
議員
ですけれども一
国民
でもあるわけですから、我々自身が政治を見てきて、
議員
の数が多過ぎるんちゃうかという思いに至るのは、やはり目の前の現象があるからだと思っているんですね。 例えば、今ここにいらっしゃる先生方は皆さん立派な、私も含めて立派な人だとは思っている、自分で自分のことを言うのもどうかと思いますけれども。でも、中には、飲酒で捕まったりする方もいらっしゃる、賄賂を受け取って捕まる方もいらっしゃる、交通事故を起こす方もいるし、暴言を吐く人もいる。いろいろな人がいてる。その中で、やはり政治不信というのが実際に
国民
の皆さんの中にあって、それはごく一部の方々ですよ、そういうことを起こしているのは。ですけれども、やはり政治家になる人はみんな清廉潔白でなければいけないしというのは誰もが思っていることだと思うんです。 そういった部分で、やはり、先ほどの穀田
委員
の
お話
の中にもありましたように、
田中参考人
もおっしゃいましたけれども、有為な人材を集めて
議員
の数をふやせばもっといい
議論
になるというんですけれども、有為な人材が集まればいいですよ、でも、そうじゃないというふうになっているのが今の世の中の、
国民
の皆さんの御
意見
だと思うんですね。だから、そこは私は非常に難しいかなと思うんですね、今。 我々は、もちろん、今ここにそういう人材が集まってさまざまな
議論
をさせていただいていると思うんですね。でも、やはりその辺は、
定数削減
がなぜ
議論
として出てくるかというのは単純な問題ではないということを私は常々思っています。 例えば報酬だとかも、
議員
の数が多い国はもちろんたくさんあります。ですけれども、そういった国々で、
日本
の
国会
議員
より給料が高いところの方が断然少ないですよね、実際は。報酬が少ない
国会
議員
の方々のところの方が多いわけですよね。そういった部分を含めて、そういう
定数
の
あり方
の
議論
はしていかないとだめだと思っているんです。 そういう
意味
では、
佐々木参考人
も、今回の
議論
の中で、いろいろと
会議
の中で
お話
があったと思うんですけれども、
定数
の
あり方
だけじゃなくて報酬とかそういう部分にも言及があったのかどうかということを
お答え
いただきたいのと、
田中参考人
には、今私が言わせていただいたことについての感想をちょっといただけたらと思います。
佐々木毅
67
○
佐々木参考人
お答え
いたします。 やはり
委員会
の中でも、身を切る改革イコール
定数削減
ということになる前に、
議員
が今おっしゃられましたようないろいろな事柄についての
説明
を、確かに、歳費を一時カットするとかいろいろなことがなされたような記憶がございますけれども、その辺の
説明
というものが、
説明
の道具といいましょうか、テーマというのはもっともっとたくさんあるのではないか、
政党
助成金も含めて、どうなんだというような話がもっとあった上で
定数
の問題も出てくるというような話の進め方、進み方というのが
国民
に伝わってきているのかなということについては、いろいろ率直な
意見
がございました。 ただ、
委員
の中にもいろいろな考えの方がやはりおりますので、どちらかというと多目に
削減
すべきだろう、ありていに申せば、そんなに
削減
したいならそういうことかなという
議論
ももちろんなかったわけではございませんが、もっとやはりそこへ行く道筋を丁寧に踏んだ形で、
国民
とのコミュニケーションでもって
定数
の問題を理解してもらうというようなことをお願いしたかったなという
意見
は結構たくさんあったと思いますので、今後の御
参考
になればと思って申し上げさせていただいたところでございます。 以上、
お答え
いたしました。
田中隆
68
○
田中参考人
お答え
いたします。 さっきもちらっと触れたんですが、
自由法曹団
が「誤りです!
国会
議員
ムダ論」という
意見書
をなぜ出さざるを得なかったか。 逆に言います。無駄じゃないのかという声が、これは
国会
の中じゃなくて
国民
の中にあったんです。あの当時、メール等で見ると、無駄な
議員
は減らせという
国民
がどうやら七、八割いると言われていました。 確かに、失礼ですが、こんなのじゃと言われる映像も随分ありました。本
会議
で寝ているとか、本
会議
でメールを飛ばしているとか。失礼ですが、昔はそうだったかどうかは私は知りません。ただ、今は、それこそインターネットで広がっていますし、逆に
国民
の関心も監視も強まっていますから、皆さん方もいわば露出度が強いんです。そこはやはり
代表
としての緊張感を持っていただかないと、こんな声を生んでしまう。それだけじゃないよという
意味
で弁護したのがあの
意見書
でした。 もう
一つ
、お金の問題はあると思います。確かに、今庶民の生活は苦しいですから。その
意味
では、言われている政務活動費の問題とか、あるいは
政党
助成金、これはそもそも
自由法曹団
は反対ですけれども、そういうことが本当に妥当なのかどうかということを見直される必要はあると思います。その
透明性
を強めること。 ただ、あえてちょっと申し上げますと、私は政治には一定のお金はかかるんだと思っているんです。それを、金かけなきゃいいんだという
議論
だと、実はまともな政治ができない。金かけてでもいい政治をしてくれというところに持っていく必要がある。
最後
に一点だけ。これを申し上げるのは本当に失礼なことになるんですが、有為な人材を
議会
に送り出す上で今の
制度
が本当に適切かどうかだけ、これも検証いただきたいと思います。 私は若かったからそう思ったのかもしれません。私も中
選挙
区制のころから、私の地元は十区でしたけれども、大体各党の
議員
を皆さん存じ上げています。仰ぎ見るような感じがありました。要するに、大物というのかな。何となくその感が薄れた感が私自身もあります。時々そういうことがメディアでも言われ、
議会
でも言われます。小
選挙
区制が、そういう弊害が中心とは言えませんが、やはりその点を含めて、逆に御
検討
いただきたいと思っております。 以上です。
浦野靖人
69
○浦野
委員
済みません、小物で。失礼いたします。 その当時は、中
選挙
区時代のことは、私もまだそんなに政治の世界をしっかり見ていたわけではありません。父親も政治家でしたけれども、私は子供のときは、政治家なんか絶対なりたくないと思っている側だったので、余り見ていませんでした。でも、私の
選挙
区は、中
選挙
区時代は
塩川
正十郎なんですね。それは本当に、我々でも、政治にほとんどかかわっていない世代でも、やはり
塩川
正十郎といえば偉大な政治家だった。まさに
田中参考人
がおっしゃるような、
代表
するような政治家だったと思いますね。 ただ、中
選挙
区になると、かえって、大物政治家と言われるような人が、もしかしたらそういう人がまた出てくるかもしれないですけれども、実際、本当にそういう人
たち
が、中
選挙
区の
制度
をまた採用すると、自分
たち
の声をほんまにどれぐらい聞いてくれるのかなということも我々はちょっと思ったりするんですね。今の
制度
の方が実際に皆さんの
意見
を細かく聞く機会が多いというのは、私は
制度
上あるんじゃないかなと思っていますけれども、その点はどうですか、
田中参考人
は。
田中隆
70
○
田中参考人
小
選挙
区で小さい
選挙
区になる、しかも、ただ一人の
議員
か、次にただ一人の
議員
になろうと思っている候補者の皆さんが、地元の声をとにかく聞かなきゃならない、その長所をあの
政治改革
ではある部分強調されましたし、その一点に限って言えば、そういうインパクトはあるとは思います。 ただ、では、大
選挙
区あるいは中
選挙
区だったら、本当にそういうことをやらなくて政治活動をやられたんだろうかということも再検証が要ると思います。
政治改革
のときは、とにかく中
選挙
区はぬるま湯だから、
自民党
さんだったら、五つだったら
二つ
は必ずとれるよ、社会党だって、何もしなくても
一つ
とれるよ、こう言われました。
議員
にもお会いしたんですが、皆さん、そんなものじゃないというふうにおっしゃっていましたし、私が見ていても、よくやっておられましたよ。 例えば、東京十区で、名前は挙げませんけれども、ある方は足立が中心で、ある方は江戸川中心で、しのぎを削っておられた。それが政治だったと思うんです。そして、それで後援会を鍛えて、政治家になって活躍された。 これは
弁護士
が言うせりふじゃないんですが、もちろん小
選挙
区にそういう
機能
があることは認めますが、政治家を志して、そして、この時代に政治をやろうと思った場合には、どの
選挙制度
も、本来そのことは必要だし、それをしなければ、さっきの無駄論じゃないですけれども、サボっているよという非難がすぐ来るというような状況になっているのではなかろうかという気がしております。
浦野靖人
71
○浦野
委員
聞いていると、何か中
選挙
区の方がいいかなと自分でも思ったりもしますけれども。 ただ、
選挙制度
というのは、要は、そのときそのときの
政権
与党、多数を占める人
たち
が主導して決めるというのは、どの国でも恐らく一緒だと思うんですね。やはりその時々の
政権
の都合のいいように
選挙制度
をいじってきている。これは、別に
日本
に限らず、恐らく世界じゅうの
選挙制度
はそうだと私は思っているんですね。 では、
国民
何人につき
国会
議員
が一人であれば
民意
を反映しているんだと言える数字なのかという確たる数字というのが、実は、私が調べた中ではないんですね。学術的にも、数字を根拠として、これぐらいの割合で
議員
が一人いれば
国民
の
意見
をしっかりと反映できているんだという論文なりなんなりというのは、私も余り、僕がまだ調べ切れていないだけかもしれませんけれども、実際なかったように記憶しています。 そういう
意味
では、
定数
というのは本当に、減らすという
議論
はもちろんですし、ふやすという
議論
も、私は、ふやすのであれば、
議員
報酬を
削減
して、そのかわりスタッフの予算をもっとふやしてほしい、
議員
本人の予算よりも、
政策
秘書だとか秘書とかの、そういうスタッフの予算をふやすべきだというふうに思っている人間なんですけれども、ふやすというときでもそれは考えたらいいと思うんです。それはそれで、今の予算の範囲内で、今かかっている範囲内で、
議員
をふやすんだったら、では、
議員
の数をふやす分、皆さんの報酬はこれだけ下げますよ、総量は一緒で、中で調節するというやり方をしてもいいんじゃないかと私は実際思っているんですね。民主主義にコストがかかるというのはわかるんですけれども、実際、でも、それが青天井でどれだけかけられるかという話にもやはりなりますので、私はそういうふうにすればいいというふうに思っています。 そういういろいろなことも含めて、今の
国会
で継続的に立法府の
あり方
についていろいろと
議論
をする場というのが実はないというのが、今、現状なんですね。
議院
運営
委員会
の中にそういう小
委員会
があるという話はありますけれども、でも、実際、その場で参
議院
の
議論
までできるのかというと、参
議院
は参
議院
です、
衆議院
は
衆議院
ですという
議論
で終わってしまいます、必ず。
衆議院
が参
議院
に口出しすることもできない。それが今の
二院制
なので。 ということは、やはりどこかでそういう立法府の
あり方
を、明治以来の
国会
の
あり方
をしっかりと
議論
する場というのは私は必要だと思うんですけれども、そのことについてお二人の
意見
をお聞きしたいと思います。
佐々木毅
72
○
佐々木参考人
最後
のところでも、そういうような
観点
が、
衆議院
、参
議院
だけの
観点
というのは、
国民
の目線からすると、なかなか、打った球が戻ってくるという感じがしなくなっているんじゃないか。 そういう
意味
では、全体としてそろそろ考えるべき、そして、客観情勢も非常に激しく動いているという中で、そういうことも含めて、今度の
見直し
はほんのその一部のものにしかすぎないわけでありまして、これからの
日本
の
代表民主制
の将来を考えますと、立法府の
あり方
というものを全体として継続的に
検討
していっていただくとありがたいという
気持ち
は随分込めたつもりでございますので、その
意味
でいえば、これからの皆様方の取り組みというものの責任は大変重いと私が申し上げるのは口幅ったいですけれども、重いものがあるというふうに個人としても
認識
しております。 以上でございます。
田中隆
73
○
田中参考人
私からも一言だけ
お答え
申し上げます。 全く同
意見
でございます。私は、二十年前の
政治改革
からというふうに申し上げましたので、その
意味
では、やはり二十年の区切りで二十年間をきちっと検証する、そういう機会はぜひ持っていただきたい。 ただ、同時に、私はあの改革は間違いだったと言いますが、では、二十年前に戻せば事が済むかといったら、二十年間ずっと時代は転換しているわけです。今から問うていただかなきゃならないのは、では、これからの
国会
をどうつくるのかという
議論
を二十年間の検証の上に立ってやっていただかなければならない。その場が
国会
の中でどうつくられるかは申しません、これはちょっと一介の
弁護士
が
議論
できる話ではないので。ただ、それを断ち切らずに、ぜひ続けていただきたい。 繰り返しになります。
民主党
政権
の
比例
八十
議席
削減
は私は反対しましたけれども、それと、
最高裁
判所のあの
違憲
状態
判決
を契機に、
衆議院
の中で、そうはいっても五年間
検討
を続けられたではないですか。全く無駄じゃなかったと思うんです。それをぜひ発展させていただきたいということをお願いいたします。 以上です。
浦野靖人
74
○浦野
委員
どうもありがとうございました。終わります。
山本公一
75
○
山本委員長
以上で
参考人
に対する質疑は終了いたしました。
参考人各位
におかれましては、貴重な御
意見
をお述べいただき、まことにありがとうございました。
委員会
を
代表
いたしまして厚く御礼を申し上げたいと存じます。 次回は、明二十七日水曜日
委員会
を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午前十一時十三分散会