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荒井委員 私は
厚生労働委員会の
委員ではないのですけれども、
医療的ケアということが今回の
法案で初めて定義をされました、私は、画期的な事項だというふうに評価をいたしますとともに、この問題がなぜずっと放っておかれたのか、そしてこれからどういう方向性で
制度の設計なりをしなければならないのか、それが結果的には
医療ケア児を抱える親御さんの安心につながっていくのだ、そういう気持ちで、きょうは無理を言ってここに立たせてもらいました。
塩崎
大臣とは、原発の国会事故調の
法案をつくるときに御一緒させていただきましたけれども、また全く違う立場できょうは議論をさせていただきたいというふうに思います。
まず、この写真を見てください。これが全てだというふうに思います。この写真の親御さんは、
社会的な地位のある方であり、財産もお持ちの方だと私は思います。私財のある方であろうかと思います。しかし、その方が、これは自分の
お子さんですけれども、この
お子さんを預かってくれる保育園を探すのに、東京じゅうを歩き回って、そして、たった一カ所だけ東京にあった。そこの保育園に通わすために、そのお母さん一家は移転をしたということなんです。
今、日本は、小児科
医療と周産期
医療は世界じゅうで一番進んでいると言われています。今や、妊娠しているときに、おなかの中にいる
お子さんがもしかしたら
障害児かもしれない、そのための治療も可能なぐらいに。そして、世界じゅうのお金持ちが、この小児科
医療あるいは周産期
医療のために日本に訪れているという
状況であります。
しかし、その結果何が生まれてきたのかというと、昔であるならば残念ながら死んでしまっていた
お子さん、生まれたとき、昔、お医者さんは、赤ちゃんの足を持って、お尻をぽんぽんとたたくんですね、そして、おぎゃあと声がすれば、ちゃんと呼吸ができる子供さんだということで、よかったですねということですけれども、ぽんぽんとたたいて、息をされていない
お子さんは、残念でしたという形で扱われていたのが普通でありました。しかし、最近は、そういう
お子さんでも、
人工呼吸器をつけるとちゃんと生きていけるんです。
この写真をもう一回見てください。ここの喉についているのが
人工呼吸器の装着部分です。夜寝るときに、この真ん中に
人工呼吸器がありますけれども、これを装着しないと呼吸できないんです。そして、このおなかの中にあるのは胃瘻です。栄養をここから直接胃に送る装置であります。これがなければ、この子供は栄養補給ができないんです。
こういう子供が、今、年間数千人生まれているんです。かつては、この
子供たちに対する
支援というのは行政の中でそれほど必要とされていなかったのだというふうに思いますけれども、
医療の進歩あるいは生命の尊厳さ、そういうものを大事にしていこうという動きが大きなうねりとなって、この
子供たちが生まれてくるようになり、成長するようになったんです。
しかし、その負担はどこに来ているかというと、お母さんです。先ほど、そのお母さんが東京都内を走り回って保育所を探した、たった一カ所だけその保育所があったと言いました。
私、この間の二〇一四年の選挙、やっとこさっとこ当選をして、東京に戻ってまいりました。そうしましたら、私の息子が、おやじは成長戦略だとか経済政策だとかTPPだとか大きな話ばかりやっているけれども、本当に
制度のはざまで苦しんでいる
人たちのための仕事をするべきじゃないかというふうに説教されました。そして連れていかれたのが、フローレンスというNPOを経営している駒崎弘樹君がやっているヘレンという
施設でありました。そこで会ったのがこの子なんです。
全国でたった
一つですよ、こういう子供を預かってくれる
施設は。そして、少し大きくなりましたので、ヘレンでも扱いに困って、普通の保育所に行ってくださいと言われたそうであります。普通の保育所に行くのに、探しましたら、保育所で、
看護師さんをつけてくださいと。
看護師さんを探すと、月五十万かかると。いかにそのお母さんでも難しいといって、そして悩んでおられたときに会いました。
この
制度のはざまで揺れている
医療ケア児、これを何とかしなければということで、二〇一五年の二月に研究会を発足することにいたしました。
普通、政治家がやる
勉強会というのは超党派の
勉強会というのはなかなかやらないんですけれども、そういう
勉強会をやって、これは専門的な知識が必要だからということで、小児科医の前田
先生というこの世界では神様のような小児科医。あるいは、たった
一つのこのNPOをやっているフローレンスの駒崎君。さらには、霞が関の中で関心を持っている若手の官僚。
厚生労働省では、村木事務次官にお願いをして推薦してもらいました。津曲室長です。それから、これは小児
医療と密接な関係がありますから、医政局にもお願いをしました。今、文科省に出向している佐々木室長であります。さらには、
教育にも大きな関係があるだろうということで、文科省のしかるべく人にお願いをして、若手の官僚を出してもらいました。齋藤室長という方でありました。
これらで約一年間かけて熱心に研究をいたしました。私は、この難しさ、あるいは
医療的ケア児というのが、この中でも知っている方はほとんどいないと思うんですけれども、その
方々に
対応するためには特別立法が必要なのではないか、議員立法をしようかというところまで考えたんですけれども、今回、塩崎
大臣が大胆に、今度の
改正法案の中に
医療的ケア児という言葉を新たに定義をし、そしてこの
対策を推進していくということを宣言されました。私は物すごく大きな評価をするところであります。
余り褒めると私の党から怒られるかもしれませんけれども、久しぶりに、霞が関、特にこの厚労省関係のしょっちゅう対立をしている
委員会の中で、私たち野党も賛成をする方向で取りまとめた
法案の
一つでございます。
この
法案の意義について、
大臣から冒頭お伺いしたいと思います。